JP2016522825A - ホルムアルデヒドをアルキルカルボン酸(エステル)類と反応させることによるビニリデンカルボン酸(エステル)類の製造法 - Google Patents

ホルムアルデヒドをアルキルカルボン酸(エステル)類と反応させることによるビニリデンカルボン酸(エステル)類の製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ビニリデンカルボン酸若しくは当該酸のエステルの製造法に関し、ここで、ガス状ホルムアルデヒド、分子状酸素及びアルキルカルボン酸若しくは当該酸のエステルを有する反応ガスを、活性材料が+4.40〜+5.0のバナジウムの平均酸化状態をとるバナジウム−リン酸化物を有する固体触媒と接触させることで、前記ビニリデンカルボン酸若しくは当該酸のエステルを有する生成物ガスを得る。

Description

本発明は、ホルムアルデヒドをアルキルカルボン酸及びそのエステルと反応させることによるビニリデンカルボン酸及びそのエステルの製造法に関する。
とりわけ、本発明は、ホルムアルデヒドを酢酸と反応させることによるアクリル酸の製造法に関する。
目下のところ、アクリル酸の大規模工業的な製造は、実質的には、不均一系触媒を用いたプロペンの二段階の部分酸化によってもっぱら行われている(例えば独国特許出願公開第10336386(A)号明細書を参照されたい)。
この手法の利点は、反応したプロペンに基づき比較的高い目標生成物選択率を有することである。反応しなかったプロペンの再循環は、用いたプロペンからの高いアクリル酸収率を可能にする。
目下のところ、プロペンの大規模工業的な製造は、実質的には、石油若しくはプロパン含有天然ガスを出発材料に用いて行われている。しかしながら、化石資源である石油及び天然ガスの枯渇が見込まれていることから、将来的には代替的及び/又は再生可能な原料からアクリル酸を製造する方法が必要になる。
アルキルカルボン酸及びホルムアルデヒドからのビニリデンカルボン酸の製造、とりわけ酢酸及びホルムアルデヒドからのアクリル酸の製造は、従来技術である。
この手法の優れた点は、ホルムアルデヒドがメタノールの部分酸化によって得られることである。メタノールは、合成ガス(一酸化炭素と分子状水素のガス混合物)によって、原則的には、あらゆる炭素含有化石原料及びあらゆる炭素含有再生可能原料から作製されることができる。
米国特許第4,165,438号明細書は、アクリル酸及びそのエステルの製造法を開示しており、ここで、反応体であるホルムアルデヒド及び低級アルキルカルボン酸若しくはその低級アルキルエステルが、気相中で約300℃〜500℃にて触媒の存在下に反応させられる。触媒は、約10〜約50m2/gの固有表面積及び1:1〜1.5:1のP/V−原子比を有するバナジウムオルトリン酸塩から主として成る。バナジウムの酸化数は、約3.9〜4.6と記されている。触媒は、酸素含有ガス、例えば空気中で加熱することによって活性化され、使用することによって失活され、そして新たに加熱することによって再活性化されることとなる。第5欄、第33行目〜第41行目からは、アクリル酸の収率が、米国特許4,165,438の方法では、早くも140分後に強く減少することがはっきりしている。
欧州特許出願公開第0124380(A1)号明細書は、不飽和カルボン酸及びエステルの製造法を開示しており、ここで、飽和モノカルボン酸若しくは当該酸のエステルのガス状混合物が、ホルムアルデヒド若しくはホルムアルデヒド誘導体と一緒に、酸素の存在下に反応ゾーン内で多金属酸化物の形態の触媒上に導かれる。
Journal of Catalysis,107,1987,第201頁〜第208頁中には、気相中でのホルムアルデヒド及び酢酸のアルドール縮合法が開示されている。第203頁の右欄の第5行目以降には、アルドール縮合を酸素2.2体積%の存在下に1.06のP/V−原子比を有するV25−P25−触媒上で実施した実験が記載されている。図4からは、アクリル酸のモル収率は、酸素が存在しているか否かに依存しておらず、かつ300〜325℃の温度にて25モル%であるため低いことがわかる。さらに、図4からは、アクリル酸のモル収率は、たしかに温度が上昇するにつれて高まるが、しかしながら不所望の副生成物COxのモル割合は、得られたアクリル酸のモル割合にほぼ等しいことがわかる。使用された触媒の製造は、米国特許番号4,132,670及びJournal of Catalysis,101,1986,第473頁〜第483頁中に記載されたのと同じように行われていた。V25−P25−触媒を後加工するための後続の例に示されるとおり、触媒のバナジウムの酸化数は4.21〜4.23である。
本発明の課題は、従来技術の方法の欠点を有さない、ビニリデンカルボン酸及び当該酸のエステルの製造法を提供することであった。とりわけ、この課題は、用いられたホルムアルデヒドの高い転化率及びホルムアルデヒドがビニリデンカルボン酸若しくは当該酸のエステルに変わる高い選択率を長期間にわたって保証する方法を提供することであった。
この課題は、式(I)
Figure 2016522825
[式中、R1及びR2は、互いに無関係に、H又は(C1〜C4)アルキルである]
の化合物を製造する方法によって解決され、ここで、ガス状ホルムアルデヒド、分子状酸素及び式(II)
Figure 2016522825
のガス状化合物を有する反応ガスを、活性材料が+4.40〜+5.0、有利には+4.48〜+5.0、さらに有利には+4.60超ないし+5.0以下、特に有利には+4.65超ないし+4.99以下、極めて有利には+4.69超ないし+4.99以下のバナジウムの平均酸化状態をとるバナジウム−リン酸化物を有する固体触媒と接触させることで、式(I)の化合物を有する生成物ガスを得る。
本発明による製造法において存在する平衡は、スキーム1で表される。
Figure 2016522825
本発明による方法によって、ホルムアルデヒドと縮合反応することができるアルキルカルボン酸をビニリデンカルボン酸に転化することができる。本発明による方法によって、ホルムアルデヒドと縮合反応することができるアルキルカルボン酸エステルをビニリデンカルボン酸エステルに転化することができる。ホルムアルデヒドとアルキルカルボン酸若しくはアルキルカルボン酸エステルとの反応時には、1当量の水が遊離される(縮合反応、スキーム1を参照されたい)。
有利には、酢酸、酢酸メチル、プロパン酸又はプロピオン酸メチルを、式(II)の化合物として用いる。その点では、式(I)及び(II)の化合物において、R1及びR2がH又はCH3である方法が有利である。酢酸を式(II)の化合物として用いる場合、式(I)の化合物としてアクリル酸が得られる。酢酸メチルを式(II)の化合物として用いる場合、式(I)の化合物としてアクリル酸メチルが得られる。プロパン酸を式(II)の化合物として用いる場合、式(I)の化合物としてメタクリル酸が得られる。プロピオン酸メチルを式(II)の化合物として用いる場合、式(I)の化合物としてメタクリル酸メチルが得られる。
特に有利には、酢酸を式(II)の化合物として用いる、その点では、式(I)の化合物がアクリル酸であり、かつ式(II)の化合物が酢酸である方法が特に有利である。
本発明による方法の以下の全ての実施形態においては、R1及びR2は、有利にはH又はCH3である。
本発明による方法の以下の全ての実施形態においては、式(I)の化合物は、特に有利にはアクリル酸であり、かつ式(II)の化合物は、有利には酢酸である。
本方法の有利な実施形態においては、さらに、反応ガスは、不活性の希釈ガス、好ましくは水蒸気とは異なる不活性の希釈ガスを有する。不活性の希釈ガスとは、本発明による方法において存在する条件下で不活性であるガスを意味する。不活性の反応ガス成分は、それ自体を考慮すると、本発明による方法においては、95モル%超が、好ましくは97モル%超が、又は98モル%超が、又は99モル%超が化学的に変化しないままである。不活性の希釈ガスの例は、N2、CO2、H2O及び希ガス、例えばAr並びに前述のガスの混合物である。不活性の希釈ガスとして、本発明による方法においては、好ましくは分子状窒素を用いる。
水蒸気が、不活性の希釈ガスとして特殊な役割を担い、それというのも、これは副生成物として発生する(スキーム1)だけでなく、下記に挙げたいくつかのホルムアルデヒド源に、並びに場合により不純物としてホルムアルデヒド及び/又は式(II)の化合物に含まれており、かつ所望の縮合反応がふつうは損なわれるからである。好ましくは、反応ガス中の水蒸気含有率は、0〜50体積%、有利には0〜30体積%、特に有利には0〜20体積%である。増大した水蒸気含有率は、所定の反応条件下では転化率を下げる。この影響は、反応温度を上げることによって少なくとも部分的に補うことができる。
好ましくは、反応ガス中の不活性の希釈ガスの割合は、50〜95体積%、有利には60〜90体積%、特に有利には70〜90体積%である。
本発明によれば、水蒸気とは異なる不活性の希釈ガスの60〜100体積%、有利には少なくとも80〜100体積%、特に有利には少なくとも90〜100体積%が分子状窒素である。
反応ガスは、標準条件下で(20℃、1013mbar)主に固体で、いわゆる“固体の反応ガス成分”として存在する少なくとも1つの反応ガス成分(例えば下記のいくつかのホルムアルデヒド源、例えばトリオキサン)を含んでよい。そのうえ、反応ガスは、標準条件下で主に液体で、いわゆる“液体の反応ガス成分”として存在する少なくとも1つの反応ガス成分(例えば酢酸)を含んでよい。さらに、反応ガスは、標準条件下で主にガス状で、いわゆる“ガス状の反応ガス成分”として存在する反応ガス成分(例えばホルムアルデヒド)を含んでよい。
反応ガスの作製には、ガス状ではない反応ガス成分の気相への移行及び全ての反応ガス成分の合一が含まれていてよい。気相への移行及び合一は、任意の順番で行ってよい。ガス状の反応ガス成分の少なくとも1つ及び/又は固体の反応ガス成分を、少なくとも1つの液状の反応ガス成分中に少なくとも部分的にまず取り込んで、引き続き液状の反応ガス成分と一緒に気相に移行させてもよい。
気相への移行は、蒸発によって、有利には熱を供給しかつ/又は圧力を下げることによって行う。ガス状ではない反応ガス成分の蒸発を促すために、ガス状ではない反応ガス成分をガス状の反応ガス成分に導入してよい。有利には、少なくとも1つの液状の反応ガス成分を含有しかつ場合により他の反応ガス成分を含有してもよい溶液を貯蔵器中に装入し、かつ装入した溶液を、所望の体積流により、例えばポンプを使って、予熱された反応ガス成分のガス状の流中に移送する。装入した溶液を、予熱された反応ガス成分のガス流と合一するのは、例えば蒸発器コイルにおいて行ってよい。
反応ガスの作製時にとりわけ顧慮されるべきことは、ホルムアルデヒドが、下記に挙げたホルムアルデヒド源の少なくとも1つの形態でも供給することができることである。ホルムアルデヒド源の選択に応じて、これは、標準条件下で液体、固体及び/又はガス状で存在してよい。ホルムアルデヒド源の選択に応じて、ホルムアルデヒドは、気相への移行前及び/又は移行後にホルムアルデヒド源から遊離させてよい。反応ガス中で、ホルムアルデヒドがホルムアルデヒド源から一部のみ遊離していてもよい。
一般的に、反応ガスは、250〜400℃、好ましくは260〜390℃、さらに有利には270〜380℃、特に有利には290〜370℃、さらに特に有利には290〜340℃、極めて有利には300〜325℃の反応温度で触媒と接触させる。反応温度は、触媒の体積で平均化された、触媒床に存在する反応ガスの温度である。反応温度は、触媒床の温度プロファイルから計算する。等温反応操作の場合、反応温度は、反応器の外壁で設定される温度と一致する。温度設定のために加熱装置を使用してよい。好ましくは、反応ガスは、早くも160〜400℃の範囲の温度で反応ゾーンに供給する。反応ガスは、これを触媒と接触させる前に固体の不活性材料と接触させる。固体の不活性材料との接触においては、反応ガスの温度は、反応ガスが触媒と接触することになる値に設定してよい。
反応ガスの全圧、すなわち、触媒上で反応ガス中に広がる圧力は、1bar以上であっても1bar未満であってもよい。好ましくは、反応ガスの全圧は、1.0bar〜50bar、有利には1.0bar〜20bar、特に有利には1.0〜10bar、極めて有利には1.0〜6.0barである。
この文献中の全ての圧力値は、絶対圧力に関する。
触媒は、流動床の形態で存在してよい。有利には、触媒は、固定床の形態で存在する。
好ましくは、触媒は、反応ゾーン内に配置されている。反応ゾーンは、少なくとも1つの一次空間及び少なくとも1つの二次空間を有する熱交換器反応器中に配置されていてもよい。一次空間及び二次空間は、隔壁によって互いに切り離されている。一次空間は、少なくとも触媒が配置されている反応ゾーンを含む。二次空間には、流体熱媒体が貫流する。触媒と接触下にある反応ガスの温度を制御及び管理する(反応ゾーンの温度を調整する)ために、隔壁を介して熱を交換する。
さらに、反応ゾーンは、断熱反応器中に存在してよい。断熱反応器中では、反応熱は、隔壁を介して、例えば流体熱媒体といった熱媒体との熱的な接触によっては排出されず、反応ゾーン内に大部分がとどまる。断熱性によって、反応ガス及び生成物ガスの温度は、発熱反応時に反応器全体にわたって増大する。
有利には、バナジウム−リン酸化物は、0.9〜2.0、有利には0.9〜1.5、特に有利には0.9〜1.3、極めて有利には1.0〜1.2のリン/バナジウム−原子比を有する。そのうえ、バナジウム−リン酸化物は、少なくとも10m2/g、有利には10〜50m2/g、極めて有利には10〜40m2/gのBET比表面積を有する。この文献中における比表面積の全ての値は、DIN 66131に準拠した測定に関する(Brunauer−Emmett−Teller(BET)法に従った気体吸着(N2)による固体の比表面積の測定)。
本発明による方法において用いられる触媒は、式(I)の化合物の形成の特に高い選択率と、同時にホルムアルデヒドの高い転化率によって際立つ。
活性材料は、バナジウム及びリンとは異なる助触媒元素でドーピングされていてよい。この種の助触媒元素として、P及びVとは異なる周期律表の第1族〜第15族の元素が考慮される。ドーピングされたバナジウム−リン酸化物を、例えば国際公開第97/12674号、国際公開第95/26817号、米国特許出願第5,137,860号明細書、米国特許出願第5,296,436号明細書、米国特許出願第5,158,923号明細書、米国特許出願第4,795,818号明細書及び国際公開第2007/012620号が開示している。
本発明により有利な助触媒は、元素のリチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、タリウム、モリブデン、亜鉛、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、クロム、マンガン、ニッケル、銅、鉄、ホウ素、ケイ素、スズ、ニオブ、コバルト及びビスマスであり、なかでも、鉄に加えて、とりわけニオブ、モリブデン、亜鉛及びビスマスが有利である。活性材料は、1つ以上の助触媒元素を含有してよい。触媒活性材料中の助触媒の全含有率は、当該活性材料の質量を基準として、有利には5質量%以下である(個々の助触媒元素の計算は、助触媒元素が活性材料中においてと同じ電荷数(酸化数)を有する電気的に中性の酸化物としてそのつど行った)。
特に有利には、バナジウム−リン酸化物は、一般式(III)
1b1 d2 en (III)
[式中、
1は、Fe、Mo、Bi、Co、Ni、Si、Zn、Hf、Zr、Ti、Cr、Mn、Cu、B、Sn及び/又はNb、好ましくはFe、Nb、Mo、Zn及び/又はHfであり、
2は、Li、K、Na、Rb、Cs及び/又はTlであり、
bは、0.9〜2.0、好ましくは0.9〜1.5、特に有利には0.9〜1.3、極めて有利には1.0〜1.2であり、
dは、≧0〜0.1であり、
eは、≧0〜0.1であり、かつ
nは、酸素とは異なる元素の化学量論係数並びに(III)における当該元素の電荷数によって決められる酸素元素の化学量論係数である]
に相当する。
触媒は、非担持触媒成形体(Vollkatalysatorformkoerper)又はシェル触媒として存在してよい。触媒として粉末状の活性材料を用いてもよい。
非担持触媒成形体は、実質的に活性材料から成っていてよい(希釈されていない非担持触媒成形体)。活性材料は、非担持触媒成形体中に希釈された形態で存在していてもよく(希釈された非担持触媒成形体)、この場合、非担持触媒成形体中には、実質的に不活性の少なくとも1つの希釈材料が含まれている。希釈材料は、有利には、微細な酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミノケイ酸塩、二酸化ジルコニウム、二酸化チタンから選択される。希釈されていない非担持触媒成形体が、本発明によれば有利である。非担持触媒成形体は、任意の形態を有していてよい。規則的に形作られた有利な非担持触媒成形体は、球、中実円筒体、中空円筒体及び三葉体であり、それらの長手方向寸法は、いかなる場合も好ましくは1〜10mmである。不規則的に形作られた有利な非担持触媒成形体は、例えば、規則的に形作られた非担持触媒成形体の断片である。
非担持触媒成形体の製造は、有利には触媒前駆体材料を出発材料に用いて行い、かつ成形プロセス及び下記に記載した熱処理を含む。成形プロセスは、有利にはタブレット化、ラム押出し及び/又はスクリュー押出しを含む。下記に詳しく説明した熱処理は、少なくとも部分的に成形プロセス前にかつ/又は少なくとも部分的に成形プロセス後に実施してよい。有利には、触媒前駆体材料に、成形前に、例えばグラファイト又は鉱物繊維といった成形助剤を少なくとも混ぜる。
円筒形の非担持触媒成形体の外径は、適用上、適切には3〜10mm、有利には4〜8mm、殊に5〜7mmである。当該成形体の高さは、好ましくは1〜10mm、有利には2〜6m、殊に3〜5mmである。同じ寸法が、中空円筒形の非担持触媒成形体の場合にも有利であり、ここで、上から下に向かって貫通する開口部の内径は、好ましくは1〜8mm、有利には2〜6mm、極めて有利には2〜4mmである。1〜3mmの壁厚が、中空円筒形の場合、適用上、適切である。
シェル触媒は、不活性の成形担体の表面に施与された活性材料を含む。シェル触媒の製造時には、粉末状の活性材料又はまだ熱処理がされていないか若しくは部分的にのみ熱処理された粉末状の触媒前駆体材料で、液体バインダーを併用して、不活性の成形担体の表面をコーティングする。熱処理の少なくとも一部は、コーティング後に、不活性の成形担体を熱処理されていない若しくは部分的にのみ熱処理された触媒前駆体材料でコーティングしたら行う。通常、不活性の成形担体は、それがずっと低い比表面積を有するという点で活性材料とは異なる。一般に、当該成形体担体の比表面積は、成形担体1g当たり3m2/g未満である。
不活性の成形担体の材料として、例えば石英、石英ガラス、焼結シリカ、焼結アルミナ若しくは溶融アルミナ、磁器、焼結ケイ酸塩若しくは溶融ケイ酸塩、例えばケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸ジルコニウム、とりわけステアタイト(例えばCeramTec社のSteatit C 220)が適している。不活性の成形担体の幾何学的形状は、基本的には、不規則的に形作られていてよく、ここで、例えば球又は中空円筒体といった規則的に形作られた成形担体が本発明によれば有利である。適用上、適切には、前述の不活性の成形担体の長手方向寸法は、本発明のために1〜10mmである。
粉末状の活性材料又はまだ熱処理がされていないか若しくは部分的にのみ熱処理された粉末状の触媒前駆体材による不活性の成形担体のコーティングは、有利には、適した回転式容器中で、例えばコーティングドラム中で行う。接着性液体を有する液体バインダーを、適用上、適切には不活性の成形担体上に噴霧し、かつコーティングドラム中で動かされる成形担体の、バインダーで湿らせた表面に粉末状材料を振りかける(例えば欧州特許出願公開第714700(A)号明細書を参照されたい)。引き続き、ふつうは接着液体を、コーティングされた成形担体から少なくとも部分的に除去する(例えば、国際公開第2006/094766号が記載しているように、コーティングされた成形担体に高温ガスを導入することによって)。しかし、基本的には、従来技術として欧州特許出願公開第714700(A)号明細書の中で認められた、関連するシェル触媒を製造するための全ての他の施与法も用いることができる。液体バインダーとして、例えば水及び水溶液(例えば水に溶解したグリセリンの)が考慮される。例えば、成形担体のコーティングは、液体バインダー(例えば水)中での施与されるべき粉末状材料の懸濁液を、不活性の成形担体の表面上に噴霧することによって行うこともできる(一般に、熱及び乾燥用の同伴ガスを供給しながら)。基本的には、コーティングは、流動床プラント又は粉末コーティングプラント中で行ってもよい。
不活性の成形担体の表面に施与された活性材料の層厚は、10〜2000μm、有利には10〜500μm、さらに有利には100〜500μm、特に有利には200〜300μmである。適したシェル触媒は、殊に、その不活性の成形担体が3〜6mmの範囲の長さ、4〜8mmの範囲の外径及び1〜2mmの範囲の壁厚を有する中空円筒体の形態をとるものである。そのうえまた、独国特許出願公開第102010028328号明細書及び独国特許出願公開第102010023312号明細書並びに欧州特許出願公開第714700(A)号明細書に開示された全てのリング形状が、考えられ得るリング状触媒の不活性の成形担体のために適している。
本方法の有利な実施形態においては、活性材料から成る非担持触媒成形体を、五価バナジウム化合物、有利にはV25を、五価リン化合物、有利にはオルト−及び/又はピロリン酸の存在下に、還元性有機溶媒、有利にはイソブタノールと反応させて触媒前駆体材料を形成し、当該触媒前駆体材料を触媒前駆体成形体に成形し、かつ当該触媒前駆体成形体を分子状酸素含有雰囲気下に、一般に250℃、有利には300℃、特に有利には350℃を上回り、しかしながら、通常は700℃、有利には650℃、極めて有利には600℃を上回らない温度で処理することによって得る。
本発明に従って高いバナジウムの平均酸化状態は、分子状酸素含有雰囲気下で処理することによって達成される。この処理は、有利には、触媒を反応器中に入れる前に“熱処理”の枠内で実施する。これは、少なくとも部分的に反応器中で“活性化”の枠内で行ってもよい。
例えば、触媒の製造は、以下の工程を含んでよい:
a)五価バナジウム化合物(例えばV25)を、五価リン化合物(例えばオルト−及び/又はピロリン酸)の存在下に、還元性有機溶媒(例えば、イソブタノールといったアルコール)と、75〜205℃、有利には100〜120℃に加熱しながら反応させる工程;
b)好ましくは40〜90℃に反応混合物を冷却する工程;
c)形成された固体のV、P、O含有触媒前駆体材料を分離する工程(例えば濾過による);
d)触媒前駆体材料の乾燥及び/又は熱による前処理工程(任意に触媒前駆体材料からの水脱離による予備活性化が開始するまで);
e)例えば微細なグラファイト又は鉱物繊維といった成形助剤の添加及び非担持触媒前駆体成形体への、例えばタブレット化による後続の成形工程;
f)e)の工程に続けて、形成された非担持触媒前駆体成形体を、酸素、窒素、希ガス、二酸化炭素、一酸化炭素及び/又は水蒸気を有する雰囲気下で加熱することによる少なくとも1つの熱処理工程。熱処理時の温度は、一般に250℃、有利には300℃、特に有利には350℃を上回り、しかしながら、通常は700℃、有利には650℃、極めて有利には600℃を上回らない。
有利なのは、触媒前駆体を、
(i)2〜21体積%の酸素含有率を有する酸化性雰囲気下で、200〜350℃の温度に加熱し、かつこれらの条件下で0.5〜10時間のあいだ放置し;並びに
(ii)≦0.5体積%の酸素含有率及び20〜75体積%の水素酸化物含有率を有する非酸化性雰囲気下で、300〜500℃の温度に加熱し、かつこれらの条件下で≧0.5時間放置し;並びに
(iii)2〜21体積%の酸素含有率を有する酸化性雰囲気下で、250〜700℃、有利には300〜650℃、特に有利には350〜600℃の温度に加熱し、かつこれらの条件下でバナジウムの所望の平均酸化状態が生じるまで放置する
熱処理である。
触媒前駆体は、非担持触媒前駆体成形体であっても、触媒前駆体材料であってもよい。
工程(i)においては、触媒前駆体は、一般的に2〜21体積%、有利には5〜21体積%の分子状酸素の含有率を有する酸化性雰囲気下に、200〜350℃、有利には250〜350℃の温度で、0.5〜4時間、有利には1〜2時間にわたって放置する。一般的に、工程(i)においては、酸素、不活性ガス(例えば窒素若しくはアルゴン)、水素酸化物(水蒸気)及び/又は空気の混合物並びに空気を用いる。温度は、工程(i)の間ずっと一定に保つか、平均して上昇するか又は下降してよい。工程(i)の前には、一般的に加熱段階が置かれる。この加熱段階においては、温度は一般にまず上昇し、そうして所望の最終値にしだいに落ち着く。
工程(ii)においては、触媒前駆体は、≦0.5体積%の分子状酸素及び20〜75体積%、有利には30〜60体積%の水素酸化物(水蒸気)の含有率を有する非酸化性雰囲気下で、300〜500℃、有利には350〜450℃の温度にて、≧0.5時間、有利には2〜10時間、特に有利には2〜4時間放置する。非酸化性雰囲気は、上記の水素酸化物のほかに、一般的に、主として窒素及び/又は希ガス、例えばアルゴンを有するが、これは何ら限定することを意図したものではない。例えば二酸化炭素といったガスも、原則的には適している。有利には、非酸化性雰囲気は、窒素≧40体積%を有する。温度は、工程(ii)の間ずっと一定に保つか、平均して上昇するか又は下降してよい。工程(ii)を、工程(i)より高い若しくは低い温度で実施する場合、工程(i)と(ii)の間に、一般に加熱段階又は冷却段階を挟み込む。
工程(iii)においては、触媒前駆体は、2〜21体積%の酸素含有率を有する酸化性雰囲気下で、250〜700℃、有利には300〜650℃、特に有利には350〜600℃の温度に加熱し、かつこれらの条件下でバナジウムの所望の平均酸化状態が生じるまで放置する。工程(iii)における温度処理を維持する期間は、本発明による方法の場合、有利には、バナジウムの平均酸化状態が、+4.40〜+5.0、有利には+4.48〜+5.0、さらに有利には+4.60超ないし+5.0以下、特に有利には+4.65超ないし+4.99以下、極めて有利には+4.69超ないし+4.99以下の値で生ずるように選択されるべきである。
熱処理中のバナジウムの平均酸化状態の測定は、装置及び時間的な理由から極めて困難であることから、必要な期間は、好ましくは予備試験において実験的に決められるべきである。一般に、このために、定義された条件下で温度処理し、ここで、サンプルを様々な時間の経過後に系から取り出し、冷却し、かつバナジウムの平均酸化状態に関して分析する一連の測定が役立つ。
工程(iii)において必要な時間は、一般的に、触媒前駆体の性質、設定温度及び選択されたガス雰囲気、とりわけ酸素含有率に依存する。一般的に、工程(iii)における期間は、6時間〜2週間、有利には12時間〜1週間、特に有利には1〜6日の継続期間に及ぶ。
更なる工程が、熱処理における工程(i)、(ii)及び(iii)の前、間及び/又は後に可能である。更なる工程として、例えば、温度の変化(加熱、冷却)、ガス雰囲気の変化(ガス雰囲気の調節)、更なる保持時間、他の装置中への触媒前駆体の移送(例えば触媒前駆体材料から非担持触媒前駆体成形体を製造するために)又は熱処理全体の中断が挙げられるが、これらに限定されない。
一般に、触媒前駆体は、熱処理の開始前に<100℃の温度を有しているので、これは工程(i)の前に通常は加熱されるべきである。加熱は、様々なガス雰囲気を用いて実施してよい。好ましくは、加熱は、工程(i)で定義したとおりの酸化性雰囲気下で実施する。
触媒を反応ガスと接触させる前に、反応器中でいわゆる活性化を実施してよい。活性化時に、分子状酸素を有しかつ有機成分を実質的に含まない活性化ガスを、200〜450℃の温度で触媒上に導く。活性化は、数分〜数日に及んでよい。有利には、活性化に際しての活性化ガス混合物の圧力及び触媒上でのその滞留時間は、式(I)の化合物の製造時の反応ガスの圧力及び触媒上でのその滞留時間と同じように設定する。活性化ガス混合物は、分子状酸素と、N2、CO、CO2、H2O及び希ガス、例えばArの中から選択された少なくとも1つの不活性の活性化ガス成分とを有する。一般的に、活性化ガスは、分子状酸素0.5〜22体積%、好ましくは1〜20体積%、とりわけ1.5〜18体積%を有する。好ましくは、空気を活性化ガス混合物の成分として用いる。
触媒と接触下にある反応ガスの滞留時間は、限定されていない。これは、一般的に、0.3〜15.0秒、有利には0.7〜13.5秒、特に有利には1.0〜12.5秒の範囲にある。触媒の体積を基準とした反応ガスの流量の比率は、200〜5000h-1、好ましくは250〜4000h-1、さらに有利には300〜3500h-1である。
ホルムアルデヒドによる触媒負荷(gホルムアルデヒド/(g触媒×時間)で表記)は、一般的に0.01〜3.0h-1、好ましくは0.015〜1.0h-1、さらに有利には0.02〜0.5h-1である。
反応ガス中の式(II)の化合物の含有率は、本発明による方法の場合、1.5〜20体積%、有利には2〜18体積%、特に有利には3〜15体積%である。
反応ガス中の酸素の含有率は、本発明による方法の場合、0.1〜10体積%、有利には0.3〜7.5体積%、特に有利には0.5〜5.0体積%である。酸素の存在下に、触媒の失活は遅らせられる。
反応ガス中のホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド源の含有率は、本発明による方法の場合、ホルムアルデヒドとして計算して、0.5〜10体積%、有利には1〜9.0体積%、特に有利には2.0〜8.0体積%である。
有利な実施形態においては、さらに、本発明による方法は、ホルムアルデヒドを、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、メチラール、パラホルムアルデヒド水溶液又はホルムアルデヒド水溶液から選択されたホルムアルデヒド源から準備する工程、又は不均一系触媒を用いたメタノールの気相部分酸化によって準備する工程を含む。
トリオキサンは、ホルムアルデヒドの三量化によって発生し、かつ加熱すると単量体ホルムアルデヒドに分解する複素環式化合物である。反応ガスは高められた温度(一般的に250℃超)で触媒と接触させるので、トリオキサンは好適なホルムアルデヒド源である。トリオキサンは、水やアルコール、例えばメタノールに溶解するので、本発明による方法のために、相応しいトリオキサン溶液もホルムアルデヒド源として使用することができる。トリオキサン溶液中での0.25〜0.50質量%の硫酸の含有率がホルムアルデヒドの分解を促す。代替的に、トリオキサンを、主として式(II)の化合物から成る液体に溶解して、その結果生じる溶液を反応ガスの作製のために蒸発させ、並びにそこに含まれるトリオキサンを高められた温度でホルムアルデヒドに分解してもよい。
ホルムアルデヒド水溶液は、例えば35〜50質量%のホルムアルデヒド含有率でホルマリンとして入手することができる。通常、ホルマリンは、安定剤として少量のメタノールを有する。これらは、ホルマリンの質量を基準として0.5〜20質量%、有利には0.5〜5質量%、特に有利には0.5〜2質量%であってよい。気相への移行後、ホルマリンは、反応ガスの準備のために直接使用することができる。
ここに記載した方法においては、殊に、1〜100質量%の濃度を有するあらゆるホルムアルデヒド水溶液を原則的に用いることができる。しかしながら、有利なのは、出発材料として水溶液中でホルムアルデヒド48〜90質量%、又は特に有利には60〜80質量%のホルムアルデヒド濃縮溶液である。かかるホルムアルデヒド濃縮溶液のために相応しい方法は、従来技術であり、例えば国際公開第04/078690号、国際公開第04/078691号又は国際公開第05/077877号に記載されている。
パラホルムアルデヒドは、重合度が一般に8〜100であるホルムアルデヒドの短鎖ポリマーである。これは、低いpH値で又は加熱するとホルムアルデヒドに分解する白色粉末である。
パラホルムアルデヒドを水中で加熱すると、これは分解して、同様にホルムアルデヒド源として適している水性ホルムアルデヒド溶液が得られる。これは、ホルマリンを希釈することによって作製される水性ホルムアルデヒド溶液と概念的に区別するために、水性“パラホルムアルデヒド溶液”と呼ばれることもある。しかしながら、実際には、パラホルムアルデヒドそれ自体は、水に実質的には溶解しない。
メチラール(ジメトキシメタン)は、ホルムアルデヒドとメタノールとの反応生成物であり、これは、標準気圧及び25℃で無色の液体として存在する。水性酸中では、ホルムアルデヒド及びメタノールを形成しながら加水分解する。気相への移行後、メチラールも、水性酸中で形成された加水分解生成物も、反応ガスの準備のために直接使用することができる。
大規模工業的には、不均一系触媒を用いたメタノールの気相部分酸化によって製造される。本発明によれば、ホルムアルデヒドを、不均一系触媒を用いたメタノールの気相部分酸化によって準備することが特に有利である。この実施形態においては、ホルムアルデヒドは、生成物ガス中に含まれる、場合によっては反応しなかったメタノールの部分量又は全体量を任意に分離した後に、不均一系触媒を用いたメタノールの気相部分酸化からホルムアルデヒドが形成される生成物ガスとして、反応ガスに供給する。
反応ガス中での酸素の存在は触媒の失活を遅らせるにも関わらず、触媒の活性は長期にわたって弱まる可能性がある。触媒の活性を再び高めるために、式(I)の化合物を製造するそのつど2つの製造工程の間で再生工程を実施してよい。再生工程においては、分子状酸素を有しかつ有機成分を実質的に含まない再生ガスを、200〜450℃の温度で触媒上に導く。再生工程は、数分〜数日に及んでよい。有利には、再生工程における再生ガスの圧力及び触媒上でのその滞留時間は、製造工程における反応ガスの圧力及び触媒上でのその滞留時間と同じように設定する。再生ガスは、分子状酸素と、N2、CO、CO2、H2O及び希ガス、例えばArの中から選択された少なくとも1つの不活性の再生ガス成分とを有する。一般的に、酸素含有再生ガスは、分子状酸素0.5〜22体積%、好ましくは1〜20体積%、とりわけ1.5〜18体積%を有する。好ましくは、空気を、再生ガスの成分として用いる。
本方法の有利な実施形態においては、式(I)の化合物は、生成物ガスの分別凝縮によって得る。ここで、生成物ガスの温度を、場合によりまず直接冷却及び/又は間接冷却によって下げて、引き続き、生成物ガスがそれ自体において上昇して一部分が凝縮する凝縮ゾーン内に導く。有利には、凝縮ゾーンは、分離作用を有する内部構造物(例えば物質交換トレイ)が備わっておりかつ任意に冷却回路が設けられている凝縮塔内にある。理論段数の相応しい選択によって、式(I)の化合物を、大部分が、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%が式(I)の化合物から成る第一のフラクションの形態で得る。特に有利なのは、分別凝縮を、とりわけ理論段数に関して、第一のフラクションの形態における式(I)の化合物のほかに、反応しなかった式(II)の化合物を、大部分が、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%が式(II)の化合物から成る第二のフラクションの形態で得るように整えることである。
本方法の代替的な有利な実施形態においては、式(I)の化合物を、生成物ガスから、吸収媒体への吸収及び引き続き行われる負荷された吸収媒体の精留(Rektifikation)によって得る。その際、生成物ガスの温度を、直接冷却及び/又は間接冷却によって下げて、これを、吸収ゾーン内で標準気圧にて、式(I)の化合物より沸点が高い有機吸収媒体と接触させる。有機吸収媒体として、例えば独国特許出願公開第102009027401(A)号明細書及び独国特許出願公開第10336386(A)号明細書に挙げられたものが考慮される。式(I)の化合物のほかに、通例、式(II)の化合物も吸収媒体に吸収される。有利には、吸収ゾーンは、好ましくは分離作用を有する内部構造物が備わっている吸収塔内にある。負荷された吸収媒体から、式(I)の化合物を精留によって得る。精留時には、理論段数の相応しい選択によって、式(I)の化合物を、大部分が、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%が式(I)の化合物から成る第一のフラクションの形態で得る。特に有利なのは、分別凝縮を、とりわけ理論段数に関して、第一のフラクションの形態における式(I)の化合物のほかに、反応しなかった式(II)の化合物を、大部分が、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%が式(II)の化合物から成る第二のフラクションの形態で得るように整えることである。
ホルムアルデヒドに対する式(III)の化合物のモル比は、本発明による方法の有利な実施形態においては、1より大きく、かつ10までであってよい。有利には、反応ガス中でのホルムアルデヒドに対する式(II)の化合物のモル比は、1.1〜5であり、特に有利には1.5〜3.5である。
ホルムアルデヒドに対する式(II)の化合物のモル比が大きくなればなるほど、それだけ一層、触媒との接触において反応せず、したがって生成物ガス中に含まれる式(II)の化合物の量は大きくなる。つまり、生成物ガスを通して発生する反応しなかった式(II)の化合物の損失量は、本発明により製造された式(I)の化合物のみを生成物ガスから得て、そして活用するときには相当のものになり得る。式(II)の化合物の損失量を可能な限り低く保つために、本方法の有利な実施形態においては、生成物ガス中に含まれる式(II)の化合物の少なくとも一部を再循環する。再循環とは、生成物ガス中に含まれる式(II)の化合物の少なくとも一部を、反応ガスに含まれる式(II)の化合物の少なくとも一部として用いることを意味する。有利には、式(II)の化合物は、上記のとおり大部分が式(II)の化合物から成る、分別凝縮又は精留の第二のフラクションの形態で再循環する。
1つの実施形態においては、本発明による方法は、エタノールの部分酸化による酢酸の製造工程を含み、ここで、エタノール及び分子状酸素を有するガス混合物を、活性材料が有利には酸化バナジウムを有する少なくとも1つの固体酸化触媒と接触させて、生成物ガス混合物を形成する。その際、エタノールは、分子状酸素により不均一接触反応において酸化されて酢酸及び水蒸気を形成する。条件、とりわけ温度及び圧力は、エタノール、酢酸及び水がガス状で又は非常に大部分がガス状で存在するように設定する。生成物ガス混合物は、本発明による反応ガスの一部として直接用いることができる。
代替的な実施形態においては、本発明による方法は、均一系触媒を用いたメタノールのカルボニル化による酢酸の製造工程を含み、ここで、メタノールと一酸化炭素を、液相中で少なくとも30bar(絶対)の圧力にて反応させる。反応は、元素のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Cu、Os、Ir及びPtの少なくとも1つ、イオン性ハロゲン化物並びに/又は共有結合性ハロゲン化物並びに場合により配位子、例えばPR3若しくはNR3(式中、R3は有機基である)を含む触媒の存在下に行う。
バナジウム酸化状態の測定:
触媒の酸化状態の測定は、不活性ガス雰囲気下で電位差終点指示(白金電極を兼ね備えた電位差計)による滴定容量分析によって行った。
試験されるべき触媒100〜200mgを、水性H2SO430mlと濃縮H3PO410mlの混合物に、沸点で不活性ガスのもとで溶解した。水性H2SO4として、等体積の水と濃縮H2PO4の混合物を用いた。
5+含有率の分析測定のために、新たに準備した触媒溶液を、0.1モルの硫酸アンモニウム鉄−標準水溶液((NH42Fe(SO42)で滴定した。V3+及びV4+の分析測定のために、相応しい手法で新たに準備した溶液を、新たに製造した0.02モルの過マンガン酸カリウム−標準水溶液(KMnO4)で滴定し、ここで、V4+〜V5+のみが存在する場合は、電位ジャンプ(V4+〜V5+)が起こり、かつV4+〜V5+のほかにV3+も存在する場合は、2つの電位ジャンプ(V3+〜V4+及びV4+〜V5+)が起こった。V5+へのバナジウムの定量的酸化後、0.1Nの(NH42Fe(SO42を用いてV4+へと還元した(制御滴定)。
モル数n(V3+)、n(V4+)及びn(V5+)を、添加した標準溶液のそれぞれの量から計算した。
酸化状態は、モル分率に従って重みを付けた様々なバナジウムイオンの酸化状態である。
実験プラント:
供給材料−計量ユニット及び電気加熱された縦型反応器管が備わった実験プラントを用いた。使用した反応器(ステンレス鋼材料番号1.4541)は、950mmの管の長さ、20mmの外径及び16mmの内径を有していた。反応器の周りに4つの銅ハーフシェル(E−Cu F25、外径80mm、内径16mm、長さ450mm)を取り付けた。ハーフシェルを、そのものは絶縁テープで巻き付けられていた加熱テープで巻き付けた。反応器加熱装置の温度測定は、外側で反応器の加熱シェルの箇所で行った。さらに、反応器の内部の温度は、中心のコア(外径3.17mm、内径2.17mm)に存在する熱電対によって触媒層全体にわたって測定することができた。反応器管の下端では、いわゆる触媒担体固定具(Katalysatorstuhl)のワイヤーメッシュが触媒層の排出を妨げていた。この触媒担体固定具は、5cmの長さの管(外径14cm、内径10cm)から成り、その上部開口部にわたってワイヤーメッシュ(メッシュ幅1.5mm)が存在していた。反応器管中では、この触媒担体固定具に、3〜4mmの直径を有するステアタイト球より成る付加層14gを施与した(層の高さ5cm)。この付加層の中心に熱電対シースを置いた。次いで、そのつど触媒105gを、粒径2.0〜3.0mmの細片の形態で、希釈することなく反応管内の熱電対の周りに入れた(層の高さ66cm)。触媒層の上には、直径3〜4mmを有するステアタイト球より成る層14gが予め存在していた(層の高さ5cm)。
実験プラントの運転:
酢酸に溶解したトリオキサンの溶液を、窒素換気下に貯蔵器中に装入した。Desaga KP 2000式ポンプによって、所望の体積流量を計量し、かつ蒸発器コイルに移送した。この溶液を、予熱した窒素の存在下に85℃で蒸発させた。蒸発を行った後、空気を計量することにより、例の一部においては酸素含有率を2体積%に設定した。ガス混合物を予熱器中で180℃に加熱し、かつ反応器中に導いた。全てのガス流量を、質量流量計により制御した。反応器入口及び出口における分析ポートが、オンラインGC測定によるガス組成物の分析を可能にした。反応器後方の手動式圧力調整弁によって、反応器入口の圧力を〜0.15barのゲージ圧力に設定した。
ホルムアルデヒドの転化率、XFdは、等式(1)に従って測定した:
Figure 2016522825
式中、[X]は、反応器入口([X]入口)及び出口([X]出口)における成分X(Fd=ホルムアルデヒド、Tri=トリオキサン)の濃度であり、かつΔVは、不活性成分の窒素の濃度変化により測定した、反応の体積変化率であり、
Figure 2016522825
である。
ホルムアルデヒドがアクリル酸(As)に変わる選択率(SAS)は、等式(2)に従って測定した:
Figure 2016522825
反応温度(4つの銅ハーフシェルの箇所での温度)は、触媒1、2、4及び5については、それぞれ310℃であり、触媒3については、325℃であった。
触媒の製造
触媒前駆体a(製造規模):
窒素で不活性化されておりかつ加圧水により外部加熱可能な、阻流板を有する8m3の鋼/エナメル製−撹拌槽内に、イソブタノール4602kgを装入した。3段インペラ式撹拌器の運転開始後に、イソブタノールを還流させながら90℃に加熱した。それから、この温度で、スクリューコンベヤーによって、五酸化バナジウム690kgの添加を開始した。約20分後に五酸化バナジウムの所望の量の約3分の2を添加した後、五酸化バナジウムをさらに添加している最中に、105%のリン酸805kgのポンピングを開始した。リン酸の添加後、反応混合物を還流させながら約100〜108℃に加熱して、これらの条件下で14時間放置した。引き続き、前もって窒素で不活性化されかつ加熱された加圧濾過用ヌッチェに流し出して、約100℃の温度で、3.5barまでの濾過用ヌッチェより高い圧力にて濾過した。濾過ケーキを、窒素を100℃で絶えず導入することによって、かつ真ん中に配置された高さ調節可能な撹拌器で撹拌しながら、およそ1時間にわたり乾かした。引き続き、約155℃に加熱して、150mbar(絶対)の圧力に真空引きした。乾燥は、乾燥された触媒前駆体中でイソブタノール含有率が<2質量%になるまで継続した。
得られた乾燥粉末は、6.5mの長さ、0.9mの内径及び内部ヘリカルコイルを有する回転管内で空気下に2時間温度処理した。回転管の回転数は0.4rpmであった。粉末は、60kg/hの量で回転管内に送り込んだ。空気供給量は100m3/hであった。回転管の外側で直接測定した、5つの等長の加熱ゾーンの温度は、250℃、300℃、340℃、340℃及び340℃であった。室温に冷却した後、触媒前駆体をグラファイト1質量%と十分に混ぜて、ローラーコンパクターにおいて突き固めた。圧縮材料中の微細分(粒径<400μm)を篩分して、再び圧密化に供した。粒径>400μmを有する粗大分は、さらにグラファイト2質量%と十分に混ぜた。そのようにして得られた触媒前駆体粉末を、タブレット成形機において5.5×3.2×3の中空円筒体(外径×高さ×内側孔の直径)へと圧縮した。圧縮力は約10kNであった。
触媒1:
約2.7トンの触媒前駆体aを、9〜10cmの層高さで、計8つの焼成ゾーン(Kalzinierzonen)を有する2つ続けて接続された同じベルト焼成器より成るベルト焼成装置のガス透過性コンベヤーベルトに連続的に送った。初めに1.4トンを、ベルト焼成装置の運転パラメーターの一回の設定のために使用した。それらは均一な材料を表していないので、以下ではさらに考慮しなかった。ベルト焼成装置は大気圧で運転した。焼成ゾーン4と5の間には、カプセル化された移行ゾーンが存在していた。ガス循環流を作り出すために、それぞれの焼成ゾーンはベンチレーターを含んでいた。8つの焼成ゾーンのそれぞれに、所望される新たなガスの所望量を供給し、ここで、大気圧を保持するために、そのつど相応しいガス量を排出した。それぞれの焼成ゾーン内で単位時間当たりに循環するガスの体積は、単位時間当たりに供給又は排出されたガスの体積より大きかった。2つの連続する焼成ゾーンの間には、ガス交換を減少させるために、触媒前駆体の流れの領域中では開いている隔壁がそのつど存在していた。焼成ゾーンの長さは1.45mであった。コンベヤーベルトの速度は、焼成ゾーン1つ当たり約2時間の所望の滞留時間に応じて設定した。個々のゾーンは、下記表中に示したとおり運転した:
Figure 2016522825
触媒2:
触媒前駆体aを、熱対流炉(Elino社)に入れた。4500NL/h(毎時標準リットル)の空気を前駆体上に通し、その一方で、温度を室温から140℃に上げた(加熱速度2.5℃/分)。この温度を168分にわたって保った。その後、温度を260℃に上げた(加熱速度5℃/分)。この温度を84分にわたって保った。それから、1:1の比でN2/空気−混合物2500NL/hを前駆体上に通し、その一方で、温度を325℃に上げた(加熱速度3.2℃/分)。この温度を87分にわたって保った。その後、温度を335℃に上げた(加熱速度0.1℃/分)。それから、4500NL/hのN2を前駆体上に通し、その一方で、温度を196分間335℃に保った。1:1の比でN2/H2O−混合物1900NL/hを前駆体上に通し、その一方で、温度を400℃に上げた(加熱速度3.0℃/分)。この温度を86分にわたって保ち、引き続き、3.125℃/分の加熱速度で425℃に上げた。この温度を100分間維持した。その後、4500NL/hのN2を触媒上に通して、これを355℃の炉温度で冷却した(冷却速度5℃/分)。この温度を94分間維持した。最終的に、炉を室温に冷却した。
中空円筒体は、コンパクター(Powtech社 RCC 100×20)で細分した。このために、ローラーをコンパクターから取り外し、かつ4mmの篩を取り付けた。ローターせん断ヘッド及びスクリューは、それぞれ毎分50回転及び30回転で回転させた。それに続けて、篩分によって2〜3mmの画分を分離した。
触媒3:
触媒前駆体aを、熱対流炉(Elino社)に入れた。4500NL/hの空気を前駆体上に通し、その一方で、温度を室温から140℃に上げた(加熱速度2.5℃/分)。この温度を168分にわたって保った。その後、温度を380℃に上げた(加熱速度2.5℃/分)。それから、1:1の比でN2/H2O−混合物1900NL/hを前駆体上に通し、その一方で、温度を425℃に上げた(加熱速度3.125℃/分)。この温度を206分にわたって保った。最終的に、炉を室温に冷却した。それに続けて、中空円筒体を磁製乳鉢で手で粉砕し、かつ篩分によって2〜3mmの画分を分離した。
触媒4:
触媒1 212gを、磁製皿にとって、空気下でマッフル炉(Nabertherm社)に入れた。触媒は、中空円筒体が積み重ならないように入れた。静的大気雰囲気中で、触媒を550℃に加熱した(加熱速度5℃/分)。この温度を96時間保った。最終的に、炉を室温に冷却した。それに続けて、触媒リングを磁製乳鉢において手で粉砕し、かつ篩分によって2〜3mmの画分を分離した。
触媒5:
触媒1を、熱対流炉(Elino社)に入れた。4500NL/hの空気を前駆体上に通し、その一方で、温度を室温から550℃に上げた(加熱速度2.5℃/分)。この温度を96時間にわたって保った。最終的に、炉を室温に冷却した。それに続けて、中空円筒体を磁製乳鉢において手で粉砕し、かつ篩分によって2〜3mmの画分を分離した。
触媒6(米国特許第4,132,670号明細書における例2の後加工):
バナジウム成分を沈殿させるために、インペラ式撹拌器、阻流板、Haake社の温度調節器(B5型)、強力還流冷却器、水分離器及びツインチャンバーブリーザー(Doppelkammerbeatmer)を有する2.5Lのガラス製の沈殿槽から成る装置を使用した。
五酸化バナジウム(GfE社、バッチ:80805)200.98g(1.1050モル)を、イソブタノール780mlとベンジルアルコール520mlから成る混合物中に懸濁した。還流させながら5時間沸騰させた後、結果生じる懸濁液は、黒色の固体を有していた。懸濁液を60℃に冷却した。リン酸99%(Sigma−Aldrich社、04105−500G)262.52g(2.6520モル)を、イソブタノール260mlに溶解し、かつこの溶液をゆっくりと19分にわたって滴加した。得られた混合物を、還流させながら20時間撹拌した。結果生じる懸濁液は、淡褐色の固体を有していた。室温に冷却した後、固体分離を真空濾過によって実施した。ヌッチェケーキを分析した:これは31.4g/100gのC含有率を有し、当該含有率は20質量%の残留溶媒含有率に相当していた。固体は、1/8インチの直径を有する触媒ペレットへと押し出しした。このペレットを150℃で2時間乾燥した。
触媒ペレットの活性化(方法1):
約20mmの内径を有する縦方向に取り付けられた固定床反応器に、触媒ペレットを装填し、かつ第一の工程において空気中で300℃にて6時間焼成した(約2.0体積/体積/分のGHSV)。第二の焼成工程も同様に空気中で450℃の温度にて12時間行った(約1.0体積/体積/分のGHSV)。
焼成されたペレットは、4.23のバナジウム酸化状態を有していた。
触媒ペレットの活性化(方法2):
約20mmの内径を有する縦方向に取り付けられた固定床反応器に、触媒ペレットを装填し、かつ第一の工程において空気中で380℃にて2時間焼成した(約2.0体積/体積/分のGHSV)。第二の焼成工程も同様に空気中で450℃の温度にて12時間行った(約1.0体積/体積/分のGHSV)。
焼成されたペレットは、4.21のバナジウム酸化状態を有していた。
触媒1〜5のテストを、実験プラント中でO22体積%を有する反応ガスの存在下に行った(例1〜5)。開始時(0時間)及び30時間のランニング時間後の、そのつど充填した触媒のバナジウムのBET表面積及び酸化数、並びにホルムアルデヒドの転化率及びアクリル酸に変わる選択率を下記表に示す。
Figure 2016522825
触媒の比表面積に関する全ての値は、DIN 66131に従った測定に関する(Brunauer−Emmett−Teller(BET)法に従った気体吸着(N2)による固体の比表面積の測定)。
例5を、空気を反応ガス中に計量せずに繰り返した(例6)。以下の結果が得られた:
Figure 2016522825

Claims (17)

  1. 式(I)
    Figure 2016522825
    [式中、R1及びR2は、互いに無関係に、H又は(C1〜C4)アルキルである]
    の化合物を製造する方法であって、ここで、ガス状ホルムアルデヒド、分子状酸素及び
    式(II)
    Figure 2016522825
    のガス状化合物を有する反応ガスを、活性材料が+4.40〜+5.0のバナジウムの平均酸化状態をとるバナジウム−リン酸化物を有する固体触媒と接触させることで、前記式(I)の化合物を有する生成物ガスを得る前記方法。
  2. 前記反応ガスが、不活性の希釈ガスを有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記活性材料が、+4.60超ないし+5.0以下のバナジウムの平均酸化状態をとるバナジウム−リン酸化物を有する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記活性材料が、+4.65超ないし+4.99以下のバナジウムの平均酸化状態をとるバナジウム−リン酸化物を有する、請求項3記載の方法。
  5. 前記バナジウム−リン酸化物が、0.9〜2.0のリン/バナジウムの原子比を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記式(I)及び(II)の化合物において、R1及びR2が、H又はCH3である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記式(I)の化合物がアクリル酸であり、かつ前記式(II)の化合物が酢酸である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記反応ガスを、250〜400℃で固体触媒と接触させる、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記反応ガスが、分子状酸素0.1〜10体積%を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記反応ガスが、ホルムアルデヒド0.5〜10体積%を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記反応ガスが、前記式(II)の化合物1.5〜20体積%を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. ホルムアルデヒドに対する前記式(II)の化合物のモル比が1〜10である、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記式(I)の化合物を、前記生成物ガスの分別凝縮によって得る、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 前記式(I)の化合物を、前記生成物ガスから、吸収媒体への吸収及び引き続き行われる負荷された前記吸収媒体の精留によって得る、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  15. 活性材料から成る非担持触媒成形体を、五価バナジウム化合物を五価リン化合物の存在下に還元性有機溶媒と反応させて触媒前駆体材料を形成し、前記触媒前駆体材料を触媒前駆体成形体に成形し、かつ前記触媒前駆体成形体を分子状酸素含有雰囲気下に250〜700℃で処理することによって得る、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. さらに、ホルムアルデヒドを、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、メチラール、パラホルムアルデヒド水溶液又はホルムアルデヒド水溶液から選択されたホルムアルデヒド源から準備するか、又は不均一系触媒を用いたメタノールの気相部分酸化によって準備する工程を含む、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. さらに、エタノールの部分酸化によるか又は均一系触媒を用いたメタノールのカルボニル化による前記酢酸の製造工程を含む、請求項7から16までのいずれか1項記載の方法。
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