JP2016513167A - プロピレン三元重合体の製造工程、およびそれにより得たプロピレン三元重合体 - Google Patents

プロピレン三元重合体の製造工程、およびそれにより得たプロピレン三元重合体 Download PDF

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Abstract

プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィンを触媒系の存在下で重合して製造したプロピレン三元重合体を提供する。該触媒系は、ハロゲン化マグネシウム、並びに、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合と、少なくとも2つの電子供与体化合物とを有するチタン化合物からなり、前記電子供与体化合物の一方は、供与体の総重量に対して40〜90モル%の量で存在しながらコハク酸塩類から選ばれ、他方は1,3−ジエーテル類から選ばれる、固体触媒成分と、アルミニウムヒドロカルビル化合物とを接触させ、必要によって外部電子供与体化合物とも接触させて得た生成物からなる。【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン三元重合体の製造工程、並びに該工程により得たプロピレン三元重合体に関するものである。本発明の工程により得られたプロピレン三元重合体は、フィルム、特に単軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、およびヒートシール性フィルムなどに適合に用いられる。
プロピレン共重合体、およびプロピレン三元重合体は、プロピレン単独重合体に比べて優れる効果を有する上に、剛性は低くいが透明度は高いため、フィルムとして幅広く用いられてきた。しかしながら、大抵、反対の性質であるこれらの特性間のバランスを取ることは、容易ではない。例えば、一定の柔軟性が必要となったとき、多量のキシレン可溶性留分の存在下でフィルムを形成するのが一般的であるが、その場合、食品との接触には不適合なものとなってしまう。更に、ヒートシールに用いられる場合、十分に広い加工適性窓(processibility window)、つまり融点と封止開始温度との限界値とする温度範囲を持つことが非常に重要である。
国際公開特許第2009/019169号は、プロピレン、エチレン、その他のα−オレフィンの三元重合体を、二つの相互連結重合区域からなる気相反応器で生成する工程を開示している。該工程は、フタル酸塩系電子供与体からなる従来のチーグラー・ナッタ触媒の存在下で行われる。結果として得た三元重合体は相当に優れる性質を有しているが、より改善された性質を有する、特に封止開示温度は低く、加工適正窓は十分広いが共単量体の量は最少に抑えられているプロピレン三元重合体に対するニーズは未だに存在する。現在、プロピレン三元重合体の製造において特定の種類のチーグラー・ナッタ触媒を用いることによって、前述した結果は勿論、他の結果も達成できることが知られている。
従って、第1の目的によると、本発明は、C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、並びにエチレンから由来した共単量体単位からなるプロピレン三元重合体の製造工程であって、プロピレンと、エチレンと、C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィンとを、触媒系の存在下で共重合するステップからなり、前記触媒系は、
(a)ハロゲン化マグネシウム、並びに、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合と、少なくとも2つの電子供与体化合物とを有するチタン化合物からなり、前記電子供与体化合物の一方は、供与体の総重量に対して40〜90モル%の量で存在しながらコハク酸塩類から選ばれ、他方は1,3−ジエーテル類から選ばれる、固体触媒成分と、
(b)アルミニウムヒドロカルビル化合物とを接触させ、
(c)必要によって外部電子供与体化合物とも接触させて得た生成物からなることを特徴とする、工程を提供する。
本願において、「C4−C8α−オレフィン」とは、4〜8個の炭素原子を有するα−オレフィンを指す。
固体触媒成分(a)において、コハク酸塩は式(I)のコハク酸塩から選ばれるのが好ましい。
ここにおいて、ラジカルRおよびRは互いに同一または相違であり、それぞれ、C−C20直鎖アルキル基または分枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、或いはアルキルアリール基であって、必要によってヘテロ原子を含有し、ラジカルRおよびRは互いに同一または相違であり、それぞれ、C−C20アルキル基、C3−C20シクロアルキル基、C5−C20アリール基、アリールアルキル基、或いはアルキルアリール基であり、ただ、そのうち少なくとも一方は分枝アルキルであり、前記化合物は、前記式(I)の構造において特定された非対称炭素原子二つに対して、(S,R)または(R,S)型の立体異性体である。
R1およびR2は、C1−C8アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、並びにアルキルアリール基であるのが好ましい。特に好ましいのは、R1およびR2が第1アルキル、特に分枝型第1アルキルから選ばれている化合物である。R1およびR2として適合するものとして、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。特に好ましいものはエチル、イソブチル、ネオペンチルである。
特に好ましいのは、R3および/またはR4ラジカルが、イソプロピル、sec−ブチル、2−ペンチル、3−ペンチルなどの第2アルキル、或いはシクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシルメチルなどのシクロアルキルである化合物である。
前述した化合物の例としては、ジエチル2,3−ビス(トリメチルシリル)コハク酸塩、ジエチル2,3−ビス(2−エチルブチル)コハク酸塩、ジエチル2,3−コハク酸ジベンジル、ジエチル2,3−コハク酸ジイソプロピル、ジイソブチル2,3−コハク酸ジイソプロピル、ジエチル2,3−ビス(シクロヘキシルメチル)コハク酸塩、ジエチル 2,3−コハク酸ジイソブチル、ジエチル2,3−コハク酸ジネオペンチル、ジエチル 2,3−コハク酸ジシクロペンチル、ジエチル2,3−コハク酸ジシクロヘキシルの、純粋または混合状態、必要によってはラセミ体状態の(S,R)(S,R)体が挙げられる。
前述した1,3−ジエーテルのうち、特に好ましいのは下記式(II)の化合物である。
ここにおいて、RおよびRIIは同一または相違であり、水素、或いは一つ以上の環状構造を形成できる直鎖または分枝のC−C18炭化水素基であって、RIII基は互いに同一または相違であり、また、水素、或いはC−C18炭化水素基であって、RIV基は互いに同一または相違であり、RIIIと同様の意味を有しているが、但し水素にはなれず、R〜RIV基のそれぞれは、ハロゲン、N、O、SおよびSiから選ばれたヘテロ原子を含有しても良い。
好ましくは、RIVは、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、より好ましくはメチルである。RIIIラジカルは水素であるのが好ましい。更に、RIがメチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルである場合、RIIはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、フェニルまたはベンジルとなる。RIが水素である場合、RIIは、エチル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルエチル、ジフェニルメチル、p−クロロフェニル、1−ナフチル、1−デカヒドロナフチルであっても良い。RIおよびRIIは、同一であっても良く、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、フェニル、ベンジル、シクロヘキシル、シクロペンチルなどが挙げられる。
用途に合うエーテルの例には、2−(2−エチルヘキシル)1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−sec−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2−tert−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−クミル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(2−フェニルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(2−シクロヘキシルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(p−クロロフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(ジフェニルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2(1−ナフチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2(p−フルオロフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2(1−デカヒドロナフチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2(p−tert−ブチルフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジブチル−1,3−ジエトキシプロパン、2−メチル−2−エチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−プロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−ベンジル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−フェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−メチルシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(p−クロロフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(2−フェニルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(2−シクロヘキシルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−(2−エチルヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(2−エチルヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン,2,2−ビス(p−メチルフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジベンジル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジブトキシプロパン、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−sec−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−tert−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジネオペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソ−プロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−2−ベンジル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパンが含まれる。
更に、特に好ましいのは、下記式(III)の1,3−ジエーテルである。
ここにおいて、ラジカルRIVは
前述したものと同様の意味を有し、ラジカルRIIIおよびRVラジカルは、互いに同一または相違であり、水素;好ましくはClおよびFであるハロゲン; 直鎖または分枝の C1−C20アルキルラジカル;C3−C20シクロアルキルラジカル、C6−C20アリールラジカル、C7−C20アルカリルラジカル、C7−C20アラルキルラジカルからなる群から選ばれる。二つ以上のRVラジカルは互いに結合して縮合環状構造を形成し、飽和または不飽和で、必要によっては、好ましくはClおよびFであるハロゲン; 直鎖または分枝のC1−C20アルキルラジカル;C3−C20シクロアルキルラジカル、C6−C20アリールラジカル、C7−C20アルカリルラジカル、C7−C20アラルキルラジカルからなる群から選ばれるRVIラジカルで置換される。ラジカルRVおよびRVIは、必要によって、炭素原子または水素原子、或いは両方の置換基となる一つ以上のヘテロ原子を含有する。
好ましくは、式(I)および(II)の1,3−ジエーテルにおいて、全てのRIIIラジカルは水素であり、全てのRIVラジカルはメチルである。更に、特に好ましいのは、二つ以上のRラジカルが互いに結合して一つ以上の縮合環状構造、好ましくはベンゼン構造を形成し、必要によってRVIラジカルで置換される式(II)の1,3−ジエーテルである。下記式(IV)の化合物は、特別に好ましい。
ここにおいて、RVIラジカルは、同一または相違であり、水素;好ましくはClおよびFであるハロゲン;直鎖または分枝のC1−C20アルキルラジカル;C3−C20シクロアルキルラジカル、C6−C20アリールラジカル、C7−C20アルカリルラジカル、C7−C20アラルキルラジカルであって、必要によってN、O、S、P、Si、ハロゲン、特にClおよびFからなる群から選ばれた一つ以上のヘテロ原子を、炭素原子または水素原子、或いは両方の置換基として、含有する。ラジカルRIIIおよびRIVは、前述の式(III)で定義したものと同一である。
式(II)および式(III)で構成される化合物の例として、特に、
1,1−ビス(メトキシメチル)−シクロペンタジエン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−2,3,4,5−テトラフルオロシクロペンタジエン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−3,4−ジシクロペンチルシクロペンタジエン;
1,1−ビス(メトキシメチル)インデン;1,1−ビス(メトキシメチル)−2,3−ジメチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−2,3,6,7−テトラフルオロインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−4,7−ジメチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジメチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−4−フェニルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−4−フェニル−2−メチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−4−シクロヘキシルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−(3,3,3−トリフルオロプロピル)インデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−トリメチルシリルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−トリフルオロメチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−4,7−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−メチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−シクロペンチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−イソプロピルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−シクロヘキシルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−tert−ブチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−tert−ブチル−2−メチルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−7−フェニルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−2−フェニルインデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−1H−ベンズ[e]インデン;
1,1−ビス(メトキシメチル)−1H−2−メチルベンズ[e]インデン;
9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−2,3,6,7−テトラメチルフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−2,3,4,5,6,7−ヘキサフルオロフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−2,3−ベンゾフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−2,3,6,7−ジベンゾフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジイソプロピルフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−1,8−ジクロロフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジシクロペンチルフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−1,8−ジフルオロフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレン;
9,9−ビス(メトキシメチル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフルオレン;または、
9,9−ビス(メトキシメチル)−4−tert−ブチルフルオレンが挙げられる。
前述したように、触媒成分(a)は、上記の電子供与体に加えて、少なくともTi−ハロゲン結合とハロゲン化マグネシウムとを有するチタン化合物からなる。ハロゲン化マグネシウムはチーグラー・ナッタ触媒の担体として特許文献から多く知られている、活性形のMgC12であるのが好ましい。米国特許第4298718号および米国特許第4495338号は、該化合物をチーグラー・ナッタ触媒に用いる方案を提示した最初の特許である。これらの特許によると、オレフィン重合用触媒成分における担体または共担体として用いられる活性形のジハロゲン化マグネシウムは、非活性ハロゲン化物のスペクトルに現れる最高強度の回折線の回折強度が減少し、最大強度が最高強度の回折線に対して低角度に変位しているハロに取り替えられているX線スペクトルを特徴とする。
本発明の触媒成分において用いられるチタン化合物として好ましいのは、TiCl4およびTiCl3であり、更には、Ti(OR)n−yXyの式で表されるTi−ハロアルコラートを用いることもできる。該式において、nはチタンの原子価であり、yは1〜n−1の間の数字、Xはハロゲン、Rは1〜10個の炭素原子を有する炭化水素ラジカルである。
触媒成分(a)の平均粒径は15〜80μmの範囲であるのが好ましく、20〜70μmの範囲はより好ましく、25〜65μmの範囲は更に好ましい。前述した通り、コハク酸塩は供与体の総重量に対して40〜90重量%の範囲で存在する。50〜85重量%の範囲が好ましく、65〜80重量%はより好ましい。1,3−ジエーテルは残りの量を占めているのが好ましい。
アルキル−Al化合物(b)はトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなどから選ばれるのが好ましい。また、ハロゲン化アルキルアルミニウム、水素化アルキルアルミニウム、或いは AlEt2ClおよびAl2Et3Cl3などのアルキルアルミニウムセスキクロリドと、トリアルキルアルミニウムとの混合物を用いることも可能である。
好ましい外部電子供与体化合物には、エチル4−安息香酸エトキシ, アミン、複素環化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ケトン、 1,3−ジエーテルなどのエステル、エーテル、シリコン化合物が含まれる。その他の好ましい外部電子供与体化合物としては、Ra5Rb6Si(OR7)cの式で表されるシリコン化合物があり、ここにおいて、aおよびbは0〜2の整数、cは1〜3の整数で(a+b+c)の合計は4であり、R5、R6、R7は1〜18個の炭素原子を有し、必要によってヘテロ原子を含有するアルキルラジカル、シクロアルキルラジカルまたはアリールラジカルである。特に好ましいのはジイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチル−t−ブチルジメトキシシラン、2−エチルピペリジニル−2−t−ブチルジメトキシシラン、1,1,1,トリフルオロプロピル−2−エチルピペリジニル−ジメトキシシラン、1,1,1,トリフルオロプロピル−メチル−ジメトキシシランである。外部電子供与体化合物は、有機アルミニウム化合物と前述の電子供与体化合物とのモル比が5〜500、好ましくは5〜400、より好ましくは10〜200となる量で用いられる。
触媒形成成分は、液状不活性炭化水素溶媒、例えばプロパン、n−ヘキサンまたはn−ヘプタンなどと、約60℃未満の温度、好ましくは約0〜30℃の温度で、約6秒〜60分の時間にかけて接触させても良い。
前述した触媒成分(a)及び(b)、必要によって追加される(c)を、重量比(b)/(a)が0.1〜10の範囲であり、化合物(c)が存在する場合、重量比(b)/(c)が前述したモル比の対応する重量比となるように量を調整して予接触容器に供給する。10〜20℃の温度で1〜30分間、前記成分の予接触を行うのが好ましい。予接触容器は、一般的に攪拌槽反応器である。
続いて、予接触触媒を半重合ステップを実施する半重合反応器に供給するのが好ましい。半重合ステップは、ループ反応器または連続攪拌槽反応器から選ばれた第1反応器において、一般的に、液相で行われる。液状媒体は液状α−オレフィン単量体からなり、必要によって不活性炭化水素溶媒を加える。炭化水素溶媒は、トルエンなどの芳香族溶媒、または、プロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、シクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタンなどの脂肪族溶媒のうちいずれであっても良い。炭化水素溶媒を加える場合、その添加量は、α−オレフィンの総重量に対して40重量%未満、好ましくは20重量%となる。但し、ステップ(i)aは不活性炭化水素溶媒を入れず行うのが好ましい。半重合反応器における平均滞留時間は一般的に2〜40分の範囲、好ましくは5〜25分の範囲である。温度は10℃〜50℃の範囲、好ましくは15℃〜35℃の範囲である。これらの条件を採用すれば、固体触媒成分1gに対して60〜800g、好ましくは固体触媒成分1gに対して150〜500gという望ましい範囲の半重合度を得ることができる。ステップ(i)aは更に、スラリーにおける固体濃度が低いという特徴を有し、通常、スラリー1リットルに対して固体50g〜300gである。
触媒含有スラリー、好ましくは半重合形の触媒含有スラリーを半重合反応器から取り出し、気相または液相重合反応器に供給する。気相反応器の場合、一般的に流動床反応器、攪拌床反応器、或いは固定床反応器で構成されている。若しくは、一方は高速流動条件下で作動し、他方は重力の作用により重合体が流れる、二つの相互連結重合区域からなる反応器である。液相処理は、スラリー、溶液またはバルク(液状単量体)のうちいずれかの状態で行われる。後者の場合、連続攪拌槽反応器、ループ反応器、プラグ流反応器など、様々なタイプの反応器で行うことができる。特定の実施形態によると、重合は逐次ステップで行われ、それによって第1重合反応器に存在する生成物は第2重合反応器に送られる。第2重合反応器の後は、更なる反応器にまた送られることもある。重合は、一般的に20〜120℃の温度範囲、好ましくは40〜85℃の温度範囲で行われる。重合が気相重合である場合、作動圧力は一般的に0.5〜10MPa、好ましくは1〜5MPaである。バルク重合において、作動圧は一般的に1〜6MPa、好ましくは1.5〜4MPaである。水素は、分子量調整剤として用いられても良い。
他の様態によると、本発明は、C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテン、並びにエチレンから由来した共単量体単位からなるプロピレン三元重合体であって、プロピレンと、エチレンとを、触媒系の存在下で共重合することで得ることができ、前記触媒系は、
(a)ハロゲン化マグネシウム、並びに、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合と、少なくとも2つの電子供与体化合物とを有するチタン化合物からなり、前記電子供与体化合物の一方は、供与体の総重量に対して40〜90モル%の量で存在しながらコハク酸塩類から選ばれ、他方は1,3−ジエーテル類から選ばれる、固体触媒成分と、
(b)アルミニウムヒドロカルビル化合物とを接触させ、
(c)必要によって外部電子供与体化合物とも接触させて得た生成物からなるプロピレン三元重合体を提供する。
本発明のプロピレン三元重合体は、好ましくは0.5〜6重量%、より好ましくは0.6〜4重量%、更に好ましくは0.7〜3.5重量%のエチレン単位を含有し、並びに、好ましくは2.5〜15重量%、より好ましくは3.5〜13重量%、更に好ましくは5〜11重量%のC4〜C8α−オレフィン単位を含有する。
本発明の三元重合体は、下記の特性を有する。
−融点(Tm)は120℃を超え、好ましくは130〜140℃の範囲
−封止開始温度(SIT)は90〜120℃の範囲
−TmおよびSITは下記の関係(1)を満たす
Tm−SIT>25 (1)
好ましくは
Tm−SIT>30 (1a)
より好ましくは
Tm−SIT>35 (1b)
−ISO1133(230℃、2.16kg)による 溶融流動速度(MFR)の値は一般的に0.1〜100g/10min、好ましくは0.2〜50g/10min
−キシレン可溶性留分の量は、一般的に18%未満、好ましくは16%未満、より好ましくは14%未満
−ヘキサン可溶性留分の量は、一般的に4.5%未満、好ましくは4.0%未満、より好ましくは3.8%未満
本発明の三元重合体は、該三元重合体から製造したフィルムがフタル酸塩の残基を含有しないという利点を更に有する。
本発明の三元重合体は、本技術分野で通常採択する添加剤、例えば抗酸化剤、光安定剤、熱安定剤、核形成剤、着色剤、充填材などを含有していても良い。具体的には、異相ポリオレフィン組成物を100重量部と見なしたとき、それに対して0.5〜60重量部の無機充填剤を含有しても良い。該充填剤としては、通常、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、滑石が挙げられる。中でも滑石および炭酸カルシウムが好ましい。充填剤はまた核形成効果を有しても良い。例えば滑石は核形成剤でもある。核形成剤の量は、通常、重合体の量の対して0.5〜5重量%である。
必要であれば、三元重合体の分子量を周知の方法でビスブレーキングし、調整しても構わない。
本発明の三元重合体の製造に好ましいC4−C8α−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、最も好ましいのは1−ブテンである。
他の様態によると、本発明は、プロピレン、エチレン、1−ブテンの三元重合体であって、0.5〜6重量%のエチレン単位と、2.5〜15重量%の1−ブテン単位とからなり、
a.融点(Tm)は131℃より高く、
b.エチレン単位(C2)の重量%、1−ブテン単位(C4)の重量%、および封止開始温度(SIT)は下記の関係(2):
7(C2)+3.2(C4)+SIT<149 (2)
好ましくは
7(C2)+3.2(C4)+SIT≦148 (2a)
より好ましくは
7(C2)+3.2(C4)+SIT≦147 (2b)
更に好ましくは
7(C2)+3.2(C4)+SIT≦146 (2c)
を満たす三元重合体を提供する。
本発明による三元重合体は、下記の関係:
7(C2)+3.2(C4)+SIT≦145 (2d)
更には
7(C2)+3.2(C4)+SIT≦144 (2e)
を満たす。
符号の「≦」は「〜以下」を意味する。
本発明による、プロピレン、エチレン、1−ブテンの三元重合体の融点(Tm)は、132℃を超えるのが好ましく、133℃を超えるのがより好ましい。
他の様態によると、本発明は、プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンから由来した共単量体単位からなる三元重合体であって、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度は0.7dL/gより高く、好ましくは0.8dL/gより高い三元重合体を提供する。
α−オレフィンが1−ブテンである本発明の三元重合体において、キシレン可溶性留分(C4XS)における1−ブテン単位の量は、同量の共単量体を有する従来の三元重合体に比べて高いことが知られている。
従って、また他の様態によると、本発明は、プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンの三元重合体であって、前記キシレン可溶性留分(C4XS)における1−ブテン単位の%、並びに前記三元重合体(C4TOT)におけるエチレン単位の%は、両方とも13C−NMR分析により定められ、下記の関係:
C4XS/C4TOT>1.8 (3)
好ましくは
C4XS/C4TOT>2.0 (3a)
を満たす三元重合体を提供する。
本発明の三元重合体において、キシレン可溶性留分(C2XS)におけるエチレン単位の量は、同量の共単量体を有する従来の三元重合体に比べて低いことが知られている。
従って、更なる様態によると、本発明は、プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンから由来した共単量体単位からなる三元重合体であって、前記キシレン可溶性留分(C2XS)におけるエチレン単位の%、並びに前記三元重合体(C2TOT)におけるエチレン単位の%は、両方とも13C−NMR分析により定められ、下記の関係:
C2XS/C2TOT<3.5 (4)
好ましくは
C2XS/C2TOT<3.0 (4a)
を満たす三元重合体を提供する。
また更なる様態によると、本発明は、プロピレン、エチレン、並びに1−ブテンの三元重合体であって、0.5〜6重量%のエチレン単位と、2.5〜15重量%の1−ブテン単位とからなり、キシレン不溶性留分(XIIV)の固有粘度と、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度とは、下記の関係:
XIIV/XSIV<3.0 (5)
好ましくは
XIIV/XSIV<2.8 (5a)
より好ましくは
XIIV/XSIV<2.5 (5b)
を満たす三元重合体を提供する。
また更なる様態によると、本発明は、プロピレン、エチレン、並びに1−ブテンの三元重合体であって、0.5〜6重量%のエチレン単位と、2.5〜15重量%の1−ブテン単位とからなり、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度と、最終三元重合体(IV)の固有粘度とは、下記の関係:
XSIV/IV>0.35 (6)
好ましくは
XSIV/IV>0.40 (6a)
を満たす三元重合体を提供する。
また更なる様態によると、本発明は、プロピレン、エチレン、並びに1−ブテンの三元重合体であって、0.5〜6重量%のエチレン単位と、2.5〜15重量%の1−ブテン単位とからなり、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度と、最終三元重合体(IV)の固有粘度とは、下記の関係:
XSIV×XS/IV>3.0 (7)
好ましくは
XSIV×XS/IV>3.5 (7a)
を満たす三元重合体を提供する。
本発明のプロピレン三元重合体は、好ましくは0.5〜6重量%、より好ましくは0.6〜4重量%、更に好ましくは0.7〜3.5重量%のエチレン単位を含有する。また、好ましくは2.5〜15重量%、より好ましくは3.5〜13重量%、更に好ましくは5〜11重量%の1−ブテン単位も含有する。
実施形態によると、本発明のプロピレン、エチレン、1−ブテンの三元重合体は、好ましくは1.7〜3.5重量%、より好ましくは1.5〜3.2重量%のエチレン単位を含有する一方、4.5〜10.0重量%、好ましくは5.0〜9.0重量%の1−ブテン単位を含有する。
他の実施形態によると、本発明のプロピレン、エチレン、1−ブテンの三元重合体は、0.6〜1.4重量%、好ましくは0.8〜1.2重量%のエチレン単位を含有する一方、8.0〜12.0重量%、好ましくは9.0〜11.0重量%の1−ブテン単位を含有する。
本発明の三元重合体は、優れた封止効果を有するフィルムに製造に用いることができる。従って、本発明の他の目的は、C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、並びにエチレンから由来した共単量体単位からなるプロピレン三元重合体であって、プロピレンと、エチレンと、C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィンを、触媒系の存在下で共重合するステップからなる工程で得ることができ、前記触媒系は、
(a)ハロゲン化マグネシウム、並びに、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合と、少なくとも2つの電子供与体化合物とを有するチタン化合物からなり、前記電子供与体化合物の一方は、供与体の総重量に対して40〜90モル%の量で存在しながらコハク酸塩類から選ばれ、他方は1,3−ジエーテル類から選ばれる、固体触媒成分と、
(b)アルミニウムヒドロカルビル化合物とを接触させ、
(c)必要によって外部電子供与体化合物とも接触させて得た生成物からなるプロピレン三元重合体から得られる、フィルムである。
C4−C8α−オレフィンの群から選ばれるα−オレフィンは、1−ブテンであるのが好ましい。
特に興味深いのは、0.5〜6重量%のエチレン単位と、2.5〜15重量%の1−ブテン単位とを含有する、プロピレン、エチレン、1−ブテンの三元重合体であって、
c.融点(Tm)は131℃より高く、
d.エチレン単位(C2)の重量%、1−ブテン単位(C4)の重量%、および封止開始温度(SIT)は下記の関係:
7(C2)+3.2(C4)+SIT<150
を満たす三元重合体から得られたフィルムである。
従って、得られたフィルムは、封止性質、光学特性、収縮特性、軟性が優れているため、キャストフィルム、単軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、ヒートシールフィルムに適合である。
下記の実施例は、本発明の説明を目的としており、本発明を限定するためのものではない。
[方法]
供給ガスのモル比
ガスクロマトグラフィーにより判定する。
付加物および触媒の平均粒径
「Malvern Instr.2600」という装置を用いて、単色レーザー光の光回折の原則に基づく方法により判定する。平均粒径をP50という。
共単量体の含有量(IR)
フーリエ変換赤外線分光計(FTIR)を用いて、サンプルとバックグランド大気とのIRスペクトルを収集し、赤外線分光法による共単量体の含有量を定めた。機器のデータ取得パラメータは、下記のようになる。
−パージ時間:最低30秒
−収集時間:最低3分
−アポダイゼーション:ハップ・ゲンゼル
−解像度:2cm−1
サンプルの製造:液圧プレスを用いて、二つのアルミニウムホイルの間で約1gのサンプルを加圧し、厚いシートを得た。該シートから小さい一部を切り取り。0.02〜0.05センチ(8〜20ミル)の厚さを持つフィルムを成形した。加圧条件は180±10℃(華氏356度)の温度で、約10kg/cm2(142.2PSI)の圧力を約1分間かけることであった。圧力を解放させた後、サンプルをプレスから取り除き、室温まで冷却させた。プレスしたフィルムサンプルのスペクトルを、吸光度と波数(cm−1)を比べながら記録した。下記の測定を行って、エチレン含有量と1−ブテン含有量を算出した。
−フィルム厚の分光分析標準化に用いられた、4482〜3950cm−1の組合吸収帯の面積(At)
−イソタクチック無添加物ポリプロピレンのスペクトルと1−ブテン−プロピレンランダム共重合体の基準スペクトルとに対して、800〜690cm−1の範囲で連続分光減法を適切に2回行った後の、750〜700cm−1の吸収帯の面積(AC2)
−イソタクチック無添加物ポリプロピレンのスペクトルとエチレン−プロピレンランダム共重合体の基準スペクトルとに対して、800〜690cm−1の範囲で連続分光減法を適切に2回行った後の、769cm−1(最大値)における吸収帯の高さ(DC4)
エチレン含有量及び1−ブテン含有量を算出するためには、エチレンおよび1−ブテンの既知量のサンプルを用いて得るエチレンおよび1−ブテンに対する較正直線が必要となる。
エチレン用の較正:エチレンモル%(%C2m)に対しAC2/Atをプロットして得た較正直線。傾斜GC2は直線回帰で算出する。
1−ブテン用の較正:ブテンモル%(%C4m)に対しDC4/Atをプロットして得た較正直線。傾斜GC4は直線回帰で算出する。
未知のサンプルのスペクトルを記録した後、未知のサンプルにおける(At)、(AC2)、(DC4)を算出する。サンプルのエチレン含有量(%モル分率C2m)を、次の式で算出した。
サンプルの1−ブテン含有量(%モル分率C4m)を、次の式で算出した。
プロピレン含有量(モル分率C3m)を、次の式で算出した。
エチレンおよび1−ブテンの含有比を、次の式で算出した。
共単量体含有量(NMR)
13C−NMR分析により共単量体の含有量を判定するために、次の手順を踏んで作業を進めた。13C−NMRスペクトルは、フーリエ変換モードにおける150.91MHz、温度120℃で作動するクライオプローブを備えるBruker AV600分光計により取得した。Sδδ炭素のピーク(C.J. Carman, R.A. Harrington and C.E. Wilkes, Macromolecules, 10, 3, 536 (1977)) を29.9ppmで内部標準として使用した。約30mgのサンプルを120℃で0.5mlの1,1,2,2−テトラクロロエタンdに溶解させる。各スペクトルは90°パルス、パルス間の15秒遅延、H−13Cを取り除くCPDを有する。9000Hzのスペクトル窓を用いて、65Kデータ点に512トランジェントを保存する。下記の関係を用いてトライアド分布を求めた。
XPX=100I/Σ
XPE=100I/Σ
EPE=100I/Σ
XBX=100I/Σ
XBE=100I/Σ
XEX=100I/Σ
XEE=100I/Σ
EEE=100(0.5I+0.25I)/Σ
ここにおいて、
−Σ=I+I+I+I+I+I+I+0.5I+0.25I
−Iは表1に記載された対応炭素の面積である
−Xはプロピレンまたは1−ブテンである。
エチレン(E)、プロピレン(P)、1−ブテン(B)のモル含有量は、下記の関係を用いてトライアドから求める。
P(m%)=XPX+XPE+EPE
B(m%)=XBX+XBE+EBE
E(m%)=EEE+XEE+XEX
単量体の分子量を用いて、モル含有量を重量含有量に変換した。
溶融流動速度(MFR「L」)
ISO1133(230℃、2.16kg)に準じて判定
融点(Tm)
融点または溶融温度は、ISO11357/1およびISO11357/3と同等の、ASTM D 3417に準じる示差走査熱量測定法(DSC)により判定した。
封止開始温度(SIT)
単軸スクリューCollin押出機(直径30mm、25L/D)を用いて、押出により、得られたプロピレン三元重合体から50μmのキャストフィルムを製造した。この際、フィルム引抜速度は7m/min、溶融温度は210〜250℃であった。結果物のフィルムを、1000μmの厚いシート状のポリプロピレン単独重合体に重ねた。該ポリプロピレン単独重合体のイソタクチシチー指数は97%、MFR Lは2g/10minである。重ねられたフィルムを、圧縮成形Collinプレスを用いて、200℃、35kg/cmの圧力を5分間維持しながら、互いに結合する。その結果として得たプラークは、Bruecknerフィルム延伸機により、160℃の温度、第7ファクタで、縦方向および横方向に、つまり二軸に延伸する。よって、20μm厚さのフィルム(18μmの単独重合体+2μmの試験用材料)を得た。2×5cmの試料を延伸フィルムから切り取った。各試験において、二つのキャストフィルム試料を重ね合い、Brugger Feinmechanik Sealer、モデルHSG−ETG745で5cm側の一方に沿って封止した。封止時間は5秒、圧力は20psiだった。封止温度は試験組成物の融点より低い約10℃から開始して各封止につれ増加する。封止したサンプルを放置して冷却し、幅2cmに切り取って未封止端をインストロン機器に付着して、50mm/minの牽引速度で試験を行った。SITは、試験を終えた5〜6個の試料が≧2Nの力を有していたときの温度と定義される。
キシレン可溶性(XS)
重合体2.5gとキシレン250mlを冷却装置と磁気攪拌器とを備えるガラス製フラスコに導入する。30分にかけて温度を溶媒の沸点まで上昇させる。そのようにして得た透明溶液を、還流下に置いて更に30分間攪拌する。フラスコを閉じ、25℃の恒温水槽に入れて30分間保持した。形成した固体を快速ろ過紙でろ過した。ろ過液100mlを窒素流下で加熱プレート上に置いて加熱している、事前に計量したアルミニウム容器に注ぎ、蒸発で溶媒を取り除く。容器を真空下、80℃でオーブンに保持し、一定の重量を得るまで待った。室温におけるキシレン可溶性の重合体の重量%を算出する。
ヘキサン可溶性
FDA177.1520に従い、過度量のヘキサンに分析対象組成物の100μm厚さのフィルム試料を、オートクレーブを用いて50℃で2時間にかけて懸濁させる方法で判定した。蒸発によりヘキサンを取り除き、乾燥した残基を計量する。
固有粘度(IV)
サンプルを135℃でテトラヒドロナフタレンに溶解させ、毛細管粘度計に注ぐ。粘度計のチューブ(ウッベローデ)は、円筒形のガラスジャケットに囲まれている。このような設計のおかげで、循環する恒温液体を以って温度制御を行うことができる。メニスカスの下向き移動は光電素子により同期が取られる。上側ランプの前にあるメニスカスの移動は水晶振動子を有するカウンタを起動させる。メニスカスは下側ランプを通り過ぎるにつれカウンタを停止させ、流出時間が記録される。これはハギンズの公式により固有粘度値に変換される。但し、純粋溶媒の流動時間は同一の実験条件(同じ粘度計、および同じ温度)で知ることができる。単一重合体溶液を用いて、[η]を判定する。
実施例1〜2
固体触媒成分の製造
500mlの四つ口丸底フラスコを窒素でパージし、250mlのTiClを0℃で導入した。攪拌中、10.0gの微細楕円形MgCl・2.1COH(平均粒径47μm、EP728769の実施例1に記載されている方法に準じて製造)とジエチル2,3−コハク酸ジイソプロピル(第1内部供与体:コハク酸塩)を添加して、Mg/コハク酸塩のモル比が15になるようにした。温度を100℃まで上昇させた後、同じ温度で60分間保持する。その後、攪拌を中止し、液体を吸い出す。吸出しの後、未使用のTiClと9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン(第2内部供与体:ジエーテル)を添加し、Mg/ジエーテルのモル比が30になるようにした。温度を110℃まで上昇させた後、攪拌しながら30分間保持する。85℃で沈殿と吸出しを行い、未使用のTiClを添加した。15分にかけて温度を90℃まで上昇させる。90℃で沈殿と吸出しを行い、固体を60℃で無水ヘキサンを用いて6回洗浄した(6×100ml)。取得した固体触媒成分において、内部電子供与体化合物の総重量は、固体触媒成分の重量を基準として、12.0重量%であった。
触媒系の製造−予接触
前述した固体触媒成分を重合反応器に導入する前に、表1に記載の条件下でアルミニウム−トリエチル(TEAL)およびジ−イソ−プロピル−ジ−メトキシ−シラン(DIPMS)と接触させる。
半重合
触媒系を重合反応器に導入する前に、滞留時間を9分にして液状プロピレンの懸濁液に保持させることで、触媒系に20℃にて半重合処理をほどこす。
重合
欧州特許第782587号に記載されている、二つの相互連結重合区域、つまり上昇器と下降器とからなる気相重合反応器で重合を行った。水素を分子量調整剤として用いた。重合ステップから取り出した重合体粒子に蒸気処理をほどこし、未反応単量体を取り除き、窒素流下で乾燥した。
予接触、半重合および重合の主要条件、並びに重合反応器に供給される水素と単量体とのモル比は、表1に記載されている。重合体とフィルムの特性データは、表2に記載されている。
実施例3
ジ−イソ−プロピル−ジ−メトキシ−シランの代わりにジ−シクロペンチル−ジ−メトキシ−シランを用いたのを除いて、実施例1〜2に記載の手順に準じて作業を行った。処理条件を表1に、重合体/フィルム特性データを表2に記載した。
実施例4C(比較例)
国際公開特許第2009019169号の実施例3である。
実施例5〜10
固体触媒成分の製造
実施例1〜2に記載の手順に準じて作業を行った。但し、微細楕円形担体の平均粒径が61μm、マグネシウムと内部供与体(ID)の総量とのモル比Mg/IDが7であるが、コハク酸塩とジエーテルの相対モル比は実施例1〜2と同じである。
触媒系の製造−予接触
前述した固体触媒成分を重合反応器に導入する前に、表3に記載の条件下でアルミニウム−トリエチル(TEAL)およびジ−イソ−プロピル−ジ−メトキシ−シラン(DIPMS)と接触させる。
半重合
触媒系を重合反応器に導入する前に、滞留時間を32÷36分にして液状プロピレンの懸濁液に保持させることで、触媒系に15℃にて半重合処理をほどこす。
重合
第1気相重合反応器において、半重合触媒系の一定連続流に水素(分子量調整剤)、プロピレンおよびエチレンを気体状態に供給することでプロピレン重合体を生成する。第1反応器で生成された重合体を連続流として取り出し、未反応単量体をパージした後、気体状態の水素、エチレン、プロピレン、1−ブテンの定量的一定流と共に、連続流として第2期沿う重合反応器に導入する。重合ステップから取り出した重合体粒子に蒸気処理をほどこし、未反応単量体を取り除き、窒素流下で乾燥した。
予接触、半重合および重合の主要条件、並びに重合反応器に供給される水素と単量体とのモル比は、表3に記載されている。重合体とフィルムの特性データは、表4に記載されている。
実施例11C(比較例)
実施例5〜10に記載の手順に準じて作業を行った。但し、固体触媒成分は下記の方法に従って製造した。500mlの四つ口丸底フラスコを窒素でパージし、250mlのTiClを0℃で導入した。攪拌中、20.0gの微細楕円形MgCl・1.8COH(平均粒径63μm、EP728769の実施例1に記載されている方法に準じて製造)とフタル酸ジイソブチルを添加して、Mg/フタル酸塩のモル比が6になるようにした。温度を100℃まで上昇させた後、同じ温度で60分間保持する。その後、攪拌を中止し、100℃にて液体を沈殿させ、吸い出す。吸出しの後、未使用のTiClとフタル酸ジイソブチルを添加し、Mg/フタル酸塩のモル比が14になるようにした。温度を110℃まで上昇させた後、攪拌しながら30分間保持する。100℃で沈殿と吸出しを行い、未使用のTiClを添加した。30分にかけて温度を120℃まで上昇させる。100℃で沈殿と吸出しを行い、TiClを以って120℃で30分にかけて他の処理を行った。100℃で沈殿と吸出しを行い、固体を60℃で無水ヘキサンを用いて6回洗浄した(6×100ml)。
予接触、半重合および重合の主要条件、並びに重合反応器に供給される水素と単量体とのモル比は、表3に記載されている。重合体とフィルムの特性データは、表4に記載されている。

Claims (15)

  1. C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、並びにエチレンから由来した共単量体単位からなるプロピレン三元重合体の製造工程であって、
    プロピレンと、エチレンと、C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィンとを、触媒系の存在下で共重合するステップからなり、
    前記触媒系は、
    (a)ハロゲン化マグネシウム、並びに、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合と、少なくとも2つの電子供与体化合物とを有するチタン化合物からなり、前記電子供与体化合物の一方は、供与体の総重量に対して40〜90モル%の量で存在しながらコハク酸塩類から選ばれ、他方は1,3−ジエーテル類から選ばれる、固体触媒成分と、
    (b)アルミニウムヒドロカルビル化合物とを接触させ、
    (c)必要によって外部電子供与体化合物とも接触させて得た生成物からなることを特徴とする、工程。
  2. 前記コハク酸塩は下記の式(I)により表され、
    ここにおいて、
    ラジカルRおよびRは互いに同一または相違であり、それぞれ、C−C20直鎖アルキル基または分枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、或いはアルキルアリール基であって、必要によってヘテロ原子を含有し、
    ラジカルRおよびRは互いに同一または相違であり、それぞれ、C−C20アルキル基、C3−C20シクロアルキル基、C5−C20アリール基、アリールアルキル基、或いはアルキルアリール基であり、ただ、そのうち少なくとも一方は分枝アルキルであり、
    前記化合物は、前記式(I)の構造において特定された非対称炭素原子二つに対して、(S,R)または(R,S)型の立体異性体であることを特徴とする、請求項1に記載の工程。
  3. 前記1,3−ジエーテルは下記の式(II)により表され、
    ここにおいて、
    およびRIIは同一または相違であり、水素、或いは一つ以上の環状構造を形成できる直鎖または分枝のC−C18炭化水素基であって、
    III基は互いに同一または相違であり、また、水素、或いはC−C18炭化水素基であって
    IV基は互いに同一または相違であり、RIIIと同様の意味を有しているが、但し水素にはなれず、
    〜RIV基のそれぞれは、
    ハロゲン、N、O、SおよびSiから選ばれたヘテロ原子を含有しても良いことを特徴とする、請求項1または2に記載の工程。
  4. C4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテン、並びにエチレンから由来した共単量体単位からなるプロピレン三元重合体であって、
    プロピレンと、エチレンとを、触媒系の存在下で共重合することで得ることができ、
    前記触媒系は、
    (a)ハロゲン化マグネシウム、並びに、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合と、少なくとも2つの電子供与体化合物とを有するチタン化合物からなり、前記電子供与体化合物の一方は、供与体の総重量に対して40〜90モル%の量で存在しながらコハク酸塩類から選ばれ、他方は1,3−ジエーテル類から選ばれる、固体触媒成分と、
    (b)アルミニウムヒドロカルビル化合物とを接触させ、
    (c)必要によって外部電子供与体化合物とも接触させて得た生成物からなることを特徴とする、三元重合体。
  5. プロピレン、エチレン、1−ブテンの三元重合体であって、
    0.5〜6重量%のエチレン単位と、2.5〜15重量%の1−ブテン単位とからなり、
    a.融点は131℃より高く、
    b.エチレン単位(C2)の重量%、1−ブテン単位(C4)の重量%、および封止開始温度(SIT)は下記の関係:
    7(C2)+3.2(C4)+SIT<149 (2)
    を満たすことを特徴とする、三元重合体。
  6. プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンの三元重合体であって、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度は0.7dL/gより高く、好ましくは0.8dL/gより高いことを特徴とする、三元重合体。
  7. プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンの三元重合体であって、キシレン可溶性留分(C4XS)における1−ブテン単位の%、並びに前記三元重合体(C4TOT)におけるエチレン単位の%は、両方とも13C−NMR分析により定められ、下記の関係(3):
    C4XS/C4TOT>1.7 (3)
    を満たすことを特徴とする、三元重合体。
  8. プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンの三元重合体であって、キシレン可溶性留分(C2XS)におけるエチレン単位の%、並びに前記三元重合体(C2TOT)におけるエチレン単位の%は、両方とも13C−NMR分析により定められ、下記の関係(4):
    C2XS/C2TOT<3.5 (4)
    を満たすことを特徴とする、三元重合体。
  9. プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンの三元重合体であって、キシレン不溶性留分(XIIV)の固有粘度と、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度とは、下記の関係(5):
    XIIV/XSIV<3.0 (5)
    を満たすことを特徴とする、三元重合体。
  10. プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンの三元重合体であって、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度と、最終三元重合体(IV)の固有粘度とは、下記の関係(6):
    XSIV/IV>0.35 (6)
    を満たすことを特徴とする、三元重合体。
  11. プロピレン、エチレン、並びにC4−C8α−オレフィンの群から選ばれたα−オレフィン、好ましくは1−ブテンの三元重合体であって、キシレン可溶性留分(XSIV)の固有粘度と、最終三元重合体(IV)の固有粘度とは、下記の関係:
    XSIV×XS/IV>3.0 (7)
    を満たすことを特徴とする、三元重合体。
  12. 0.5〜6重量%のエチレン単位と、2.5〜15重量%の1−ブテン単位とを含有することを特徴とする、請求項4〜11のうちいずれか一項に記載の三元重合体。
  13. 1.5〜3.5重量%のエチレン単位と、4.5〜9.0重量%の1−ブテン単位とを含有することを特徴とする、請求項4〜11のうちいずれか一項に記載の三元重合体。
  14. 0.6〜1.2重量%のエチレン単位と、9.0〜11.0重量%の1−ブテン単位とを含有することを特徴とする、請求項4〜11のうちいずれか一項に記載の三元重合体。
  15. 請求項4〜14のうちいずれか一項に記載の三元重合体から得られることを特徴とする、フィルム。
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