JP2016505012A - Irak阻害剤およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、化合物、その組成物、およびこれらを使用する方法を提供する。新たな治療剤の探索は、近年、疾患に関連する酵素または他の生体分子の構造のよりよい理解によって、大いに助けられている。広範な研究の主題である酵素の1つの重要なクラスは、プロテインキナーゼファミリーである。本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な組成物は、IRAKキナーゼが関与するシグナル伝達経路の調節に関連する、種々の疾患、障害または状態を処置するために有用である。

Description

関連出願の引用
本願は、米国仮特許出願番号61/751,000(2013年1月10日出願)に対する優先権を主張する。この米国仮特許出願の全体は、本明細書中に参考として援用される。
発明の技術分野
本発明は、1種または1種より多くのインターロイキン−1レセプター関連キナーゼ(「IRAK」)を阻害するために有用な化合物および方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含有する薬学的に受容可能な組成物、および種々の障害の処置においてこれらの組成物を使用する方法を提供する。
発明の背景
新たな治療剤の探索は、近年、疾患に関連する酵素または他の生体分子の構造のよりよい理解によって、大いに助けられている。広範な研究の主題である酵素の1つの重要なクラスは、プロテインキナーゼファミリーである。
プロテインキナーゼは、細胞内での種々のシグナル伝達プロセスの制御を担う、構造的に関連する酵素の大きなファミリーを構成する。プロテインキナーゼは、これらの構造および触媒機能の保存に起因して、共通の先祖遺伝子から進化したと考えられる。ほぼ全てのキナーゼが、類似の250〜300アミノ酸の触媒ドメインを含む。これらのキナーゼは、これらがリン酸化する基質(例えば、タンパク質−チロシン、タンパク質−セリン/トレオニン、脂質など)によって、ファミリーにカテゴリー化され得る。
一般に、プロテインキナーゼは、ヌクレオシド三リン酸から、シグナル伝達経路に関与するタンパク質アクセプターへの、ホスホリル移動を起こすことによって、細胞内シグナル伝達を媒介する。これらのリン酸化事象は、標的タンパク質の生物学的機能を変調または調節し得る、分子オン/オフスイッチとして働く。これらのリン酸化事象は、最終的に、種々の細胞外刺激および他の刺激に応答して、誘発される。このような刺激の例としては、環境ストレスシグナルおよび化学ストレスシグナル(例えば、浸透圧性ショック、熱ショック、紫外線放射、細菌性内毒素、およびH)、サイトカイン(例えば、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−8(IL−8)および腫瘍壊死因子α(TNF−α))、ならびに増殖因子(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、および線維芽細胞増殖因子(FGF))が挙げられる。細胞外刺激は、細胞増殖、移動、分化、ホルモンの分泌、転写因子の活性化、筋収縮、グルコース代謝、タンパク質合成の制御、および細胞周期の調節に関連する、1または1より多くの細胞応答に影響を与え得る。
多くの疾患が、キナーゼ媒介性事象により誘発される、異常な細胞応答に関連する。これらの疾患としては、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨疾患、代謝病、神経学的疾患および神経変性疾患、がん、心臓血管疾患、アレルギーおよび喘息、アルツハイマー病、ならびにホルモン関連疾患が挙げられるが、これらに限定されない。従って、治療剤として有用であるプロテインキナーゼ阻害剤を見出す必要性が残っている。
発明の要旨
本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な組成物は、IRAKキナーゼの阻害剤として有効であることが、ここで見出された。このような化合物は、一般式I:
Figure 2016505012
またはその薬学的に受容可能な塩を有し、一般式Iにおいて、各可変物は、本明細書中で定義および記載されるとおりである。
本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な組成物は、IRAKキナーゼが関与するシグナル伝達経路の調節に関連する、種々の疾患、障害または状態を処置するために有用である。このような疾患、障害、または状態としては、本明細書中に記載されるものが挙げられる。
本発明により提供される化合物はまた、生物学的および病理学的現象におけるIRAK酵素の研究;身体組織において起こる細胞内シグナル伝達経路の研究;ならびに新たなIRAK阻害剤またはキナーゼ、シグナル伝達経路、およびサイトカインレベルの他のレギュレーターの、インビトロまたはインビボでの比較評価のために有用である。
特定の実施形態の詳細な説明
1.本発明の特定の実施形態の一般的な説明:
本発明の化合物およびその組成物は、1種または1種より多くのIRAKプロテインキナーゼの阻害剤として有用である。いくつかの実施形態において、提供される化合物は、IRAK−1および/またはIRAK−4を阻害する。
IRAK−4の結合ポケットは、複数の水和部位を含み、これらの水和部位の各々は、1分子の水によって占有される。これらの水分子の各々は、それに関連する安定性評価(stability rating)を有する。本明細書中で使用される場合、用語「安定性評価」とは、各水分子に関連するエンタルピー値、エントロピー値、および自由エネルギー値を含む数値計算をいう。この安定性評価は、IRAK−4の結合ポケットにおける水和部位を占有する水分子の相対的安定性の、測定可能な決定を可能にする。
2.5kcal/molより大きい安定性評価を有する、IRAK−4の結合ポケットにおける水和部位を占有する水分子は、「不安定な水」と呼ばれる。
いずれの特定の理論によっても束縛されることを望まないが、不安定な水分子(すなわち、2.5kcal/molより大きい安定性評価を有する水分子)の移動または破壊、あるいは安定な水(すなわち、1kcal/mol未満の安定性評価を有する水分子)の阻害剤による置き換えは、この阻害剤のより固い結合をもたらすと考えられる。従って、1個または1個より多くの不安定な水分子(すなわち、いずれの公知の阻害剤によっても移動させられない不安定な水分子)を移動させるように設計された阻害剤は、より固い結合剤であり、従って、不安定な水分子を移動させない阻害剤と比較して、より強力な阻害剤である。
驚くべきことに、提供される化合物は、1個または1個より多くの不安定な水分子を移動させるかまたは破壊することが見出された。いくつかの実施形態において、提供される化合物は、少なくとも2個の不安定な水分子を移動させるかまたは破壊する。
特定の実施形態において、本発明は、式I:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式Iにおいて:
環Aは、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環であり;
nは、0〜4であり;
各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−CHOR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)、Cy、または−N(R)S(O)Rであるか;あるいはRは、以下の式:
Figure 2016505012

のうちの1つから選択されるか;あるいは
2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;
各Cyは、必要に応じて置換された環であり、この必要に応じて置換された環は、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環から選択され;
各Rは独立して、必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択され;
各Rは独立して、水素、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
同じ窒素上の2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、この窒素に加えて、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される、0個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和、部分不飽和、もしくはヘテロアリールの環を形成し;
環Bは、4員〜8員の部分不飽和炭素環式縮合環;または窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の部分不飽和複素環式縮合環であり;ここでこの環Bは、1個または1個より多くのオキソ基、チオノ基、またはイミノ基によって必要に応じて置換され得;
mは、0〜4であり;
pは、0〜2であり;
[Ar]は、フェニル、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロ芳香環でありここで[Ar]は、q個存在するRによって置換されており;
qは、0〜5であり;
各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)S(O)R、−N(R)S(O)N(R)、またはCyであるか;あるいは
2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;
は、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
各Lは独立して、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
各Rは独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−C(O)N(R)OR、−N(R)C(O)OR、−N(R)S(O)N(R)、−N(R)S(O)R、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
2個の−L(R−R基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成する。
2.化合物および定義:
本発明の化合物は、本明細書中に一般的に記載された化合物を含み、そして本明細書中に開示されるクラス、サブクラス、および種によってさらに説明される。本明細書中で使用される場合、以下の定義が、他に示されない限り適用される。本発明の目的で、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS,Handbook of Chemistry and Physics,第75版に従って同定される。さらに、有機化学の一般原理は、「Organic Chemistry」,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、ならびに「March’s Advanced Organic Chemistry」,第5版,編者:Smith,M.B.およびMarch,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されており、その全内容は、本明細書中に参考として援用される。
用語「脂肪族」または「脂肪族基」とは、本明細書中で使用される場合、直鎖(すなわち、非分枝)または分枝鎖の、置換または非置換の、完全飽和であるかまたは1個もしくは1個より多くの不飽和単位を含む炭化水素鎖、または完全飽和であるかまたは1個もしくは1個より多くの不飽和単位を含むが、芳香族ではない単環式炭化水素もしくは二環式炭化水素(本明細書中で「炭素環」、「脂環式」または「シクロアルキル」とも称される)であって、分子の残部への1つの結合点を有するものを意味する。他に特定されない限り、脂肪族基は、1個〜6個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1個〜5個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態において、脂肪族基は、1個〜4個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1個〜3個の脂肪族炭素原子を含み、そしてなお他の実施形態において、脂肪族基は、1個〜2個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、「脂環式」(または「炭素環」または「シクロアルキル」)とは、完全飽和であるかまたは1個もしくは1個より多くの不飽和単位を含むが、芳香族ではなく、分子の残部への1つの結合点を有する、単環式C〜C炭化水素をいう。適切な脂肪族基としては、直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびこれらのハイブリッド(例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニル)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、用語「有橋二環式」とは、飽和または部分不飽和の、少なくとも1つの橋を有する、任意の二環式環系(すなわち、炭素環式または複素環式)をいう。IUPACにより定義されるように、「橋」とは、2つの橋頭を接続する複数原子の非分枝鎖、または1つの原子、または原子価結合であり、ここで「橋頭」とは、3つ以上の骨格原子(水素以外)に結合している、その環系の任意の骨格原子である。いくつかの実施形態において、有橋二環式基は、7個〜12個の環員、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する。このような有橋二環式基は当該分野において周知であり、そして各基が任意の適切な炭素原子または窒素原子において分子の残りの部分に結合する、以下に記載される基が挙げられる。他に特定されない限り、有橋二環式基は、脂肪族基について記載されたような1つ以上の置換基で、必要に応じて置換される。さらに、または代替的に、有橋二環式基の任意の置換可能な窒素は、必要に応じて置換される。例示的な有橋二環式としては:
Figure 2016505012
が挙げられる。
用語「低級アルキル」とは、C1〜4の直鎖または分枝鎖のアルキル基をいう。例示的な低級アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルである。
用語「低級ハロアルキル」とは、1個または1個より多くのハロゲン原子で置換されている、C1〜4の直鎖または分枝鎖のアルキル基をいう。
用語「ヘテロ原子」とは、酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素(窒素、硫黄、リン、またはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の第四級化形態;あるいは複素環式環の置換可能な窒素(例えば、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおいてのような)、NH(ピロリジニルにおいてのような)またはNR(N−置換ピロリジニルにおいてのような))を含めて)のうちの1つまたは1つより多くを意味する。
用語「不飽和」とは、本明細書中で使用される場合、1個または1個より多くの不飽和単位を有する部分を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「二価のC1〜8(もしくはC1〜6)の飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖」とは、本明細書中で定義されるような、直鎖または分枝鎖の、二価のアルキレン鎖、アルケニレン鎖、およびアルキニレン鎖をいう。
用語「アルキレン」とは、二価のアルキル基をいう。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち、−(CH−であり、ここでnは、正の整数、好ましくは、1〜6、1〜4、1〜3、1〜2、または2〜3である。置換アルキレン鎖は、1個または1個より多くのメチレン水素が置換基で置き換えられている、ポリメチレン基である。適切な置換基としては、置換脂肪族基について以下に記載されるものが挙げられる。
用語「アルケニレン」とは、二価のアルケニル基をいう。置換アルケニレン鎖は、少なくとも1個の二重結合を含み、1個または1個より多くの水素原子が置換基で置き換えられている、ポリメチレン基である。適切な置換基としては、置換脂肪族基について以下に記載されるものが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「シクロプロピレニル」とは、以下の構造:
Figure 2016505012

の二価のシクロプロピル基をいう。
用語「ハロゲン」とは、F、Cl、Br、またはIを意味する。
単独でか、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」においてのようにより大きい部分の一部として使用される、用語「アリール」とは、合計5個〜14個の環員を有し、その系内の少なくとも1個の環が芳香族であり、そしてその系内の各環が3個〜7個の環員を含む、単環式または二環式の環系をいう。用語「アリール」は、用語「アリール環」交換可能に使用され得る。本発明の特定の実施形態において、「アリール」とは、芳香環系をいい、これには、フェニル、ビフェニル、ナフチル、およびアントラシルなどが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、1個または1個より多くの置換基を有してもよい。用語「用語」が本明細書中で使用される場合、またその範囲に含まれるものは、芳香環が1個または1個より多くの非芳香環に縮合している基(例えば、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルなど)である。
単独でかまたはより大きい部分(例えば、「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」)の一部として使用される、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」とは、5個〜10個の環原子、好ましくは5個、6個、または9個の環原子を有し;環状配置で共有された6個、10個、または14個のπ電子を有し;そして炭素原子に加えて1個〜5個のヘテロ原子を有する基をいう。用語「ヘテロ原子」とは、窒素、酸素、および硫黄をいい、そして窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の第四級化形態を含む。ヘテロアリール基としては、限定されないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルが挙げられる。用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」はまた、本明細書中で使用される場合、複素芳香環が1個または1個より多くのアリール環、脂環式環、または複素環式環に縮合しており、そのラジカルまたは結合点がその複素芳香環上にある、基を包含する。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式であっても二環式であってもよい。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「複素芳香族」と交換可能に使用され得、これらの用語の任意のものは、必要に応じて置換されている環を含む。用語「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリールによって置換されたアルキル基をいい、ここでアルキル部分およびヘテロアリール部分は独立して、必要に応じて置換されている。
本明細書中で使用される場合、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、および「複素環式環」は、交換可能に使用され、そして安定な5員〜7員の単環式、または7員〜10員の二環式の、複素環式部分であって、飽和または部分不飽和のいずれかであり、そして炭素原子に加えて、1個または1個より多く、好ましくは1個〜4個の、上で定義されたようなヘテロ原子を有するものをいう。複素環の環原子に関して使用される場合、用語「窒素」は、置換された窒素を包含する。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する、飽和または部分不飽和の環において、この窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおいてのように)であっても、NH(ピロリジニルにおいてのように)であっても、NR(N置換ピロリジニルにおいてのように)であってもよい。
複素環式環は、その親基に、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子において結合し得、そしてこれらの環原子の任意のものは、必要に応じて置換され得る。このようは飽和または部分不飽和の複素環式ラジカルの例としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられる。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」、および「複素環式ラジカル」は、本明細書中で交換可能に使用され、そしてまた、ヘテロシクリル環が1個または1個より多くのアリール環、ヘテロアリール環、または脂環式環に縮合している基(例えば、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニル)を包含する。ヘテロシクリル基は、単環式であっても二環式であってもよい。用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルにより置換されたアルキル基をいい、ここでこのアルキル部分およびヘテロシクリル部分は独立して、必要に応じて置換されている。
本明細書中で使用される場合、用語「部分不飽和」とは、少なくとも1個の二重結合または三重結合を含む環部分をいう。用語「部分不飽和」は、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図されるが、本明細書中で定義されるようなアリール部分またはヘテロアリール部分を包含することは意図されない。
本明細書中に記載されるように、本発明の化合物は、「必要に応じて置換された」部分を含み得る。一般に、用語「置換された」とは、用語「必要に応じて」が先行しようと先行するまいと、指定される部分の1個または1個より多くの水素が適切な置換基で置き換えられていることを意味する。他に示されない限り、「必要に応じて置換された」基は、適切な置換基をその基の各置換可能な部分に有し得、そして任意の所定の構造中の1個より多くの位置が、特定の群から選択される1個より多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、それぞれの位置において同じであっても異なっていてもいずれでもよい。本発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な化合物、または化学的に可能な化合物の形成をもたらす組み合わせである。用語「安定な」とは、本明細書中で使用される場合、それらの生成、検出、ならびに特定の実施形態において、本明細書中に開示される目的のうちの1つまたは1つより多くのためのそれらの回収、精製、および使用を可能にする条件に供される場合に、実質的に変化しない化合物をいう。
「必要に応じて置換された」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH0〜4;CH0〜4OR;−O(CH0〜4、−O−(CH0〜4C(O)OR;−(CH0〜4CH(OR;−(CH0〜4SR;−(CH0〜4Ph、(これは、Rで置換され得る);−(CH0〜4O(CH0〜1Ph(これは、Rで置換され得る);−CH=CHPh、(これは、Rで置換され得る);−(CH0〜4O(CH0〜1−ピリジル(これは、Rで置換され得る);−NO;−CN;−N;−(CH0〜4N(R;−(CH0〜4N(R)C(O)R;−N(R)C(S)R;−(CH0〜4N(R)C(O)NR ;−N(R)C(S)NR ;−(CH0〜4N(R)C(O)OR;−N(R)N(R)C(O)R;−N(R)N(R)C(O)NR ;−N(R)N(R)C(O)OR;−(CH0〜4C(O)R;−C(S)R;−(CH0〜4C(O)OR;−(CH0〜4C(O)SR;−(CH0〜4C(O)OSiR ;−(CH0〜4OC(O)R;−OC(O)(CH0〜4SR−、SC(S)SR;−(CH0〜4SC(O)R;−(CH0〜4C(O)NR ;−C(S)NR ;−C(S)SR;−SC(S)SR、−(CH0〜4OC(O)NR ;−C(O)N(OR)R;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−C(NOR)R;−(CH0〜4SSR;−(CH0〜4S(O);−(CH0〜4S(O)OR;−(CH0〜4OS(O);−S(O)NR ;−(CH0〜4S(O)R;−N(R)S(O)NR ;−N(R)S(O);−N(OR)R;−C(NH)NR ;−P(O);−P(O)R ;−OP(O)R ;−OP(O)(OR;SiR ;−(C1〜4の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)O−N(R;または−(C1〜4の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)C(O)O−N(Rであり、ここで各Rは、以下で定義されるように置換され得、そして独立して、水素、C1〜6脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、−CH−(5員〜6員のヘテロアリール環)、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環であるか、あるいは上記定義にかかわらず、Rの2個の独立した存在は、それらの間にある原子(単数または複数)と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する、3員〜12員の飽和、部分不飽和、またはアリールの単環式環または二環式環を形成し、これは、以下で定義されるように置換され得る。
(Rの2個の独立した存在がこれらの間の原子と一緒になることにより形成された環)上の適切な一価置換基は独立して、ハロゲン、−(CH0〜2、−(ハロR)、−(CH0〜2OH、−(CH0〜2OR、−(CH0〜2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0〜2C(O)R、−(CH0〜2C(O)OH、−(CH0〜2C(O)OR、−(CH0〜2SR、−(CH0〜2SH、−(CH0〜2NH、−(CH0〜2NHR、−(CH0〜2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1〜4の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、ここで各Rは置換されていないか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは1個より多くのハロゲンのみで置換されており、そして独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくははアリール環から選択される。Rの飽和炭素原子上の適切な二価置換基としては、=Oおよび=Sが挙げられる。
「必要に応じて置換された」基の飽和炭素原子上の適切な二価置換基としては、以下のものが挙げられる:=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−、または−S(C(R ))2〜3S−。ここでRの各独立した存在は、水素、以下で定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5員〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくははアリール環から選択される。「必要に応じて置換された」基のビシナルの置換可能な炭素に結合する適切な二価置換基としては、−O(CR 2〜3O−が挙げられ、ここでRの各独立した存在は、水素、以下で定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5員〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環から選択される。
の脂肪族基上の適切な置換基としては、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOが挙げられ、ここで各Rは置換されていないか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは1個より多くのハロゲンのみで置換されており、そして独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環である。
「必要に応じて置換された」基の置換可能な窒素上の適切な置換基としては、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)が挙げられ;ここで各Rは独立して、水素、以下で定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、非置換−OPh、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する非置換5員〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環であるか、あるいは上記定義にかかわらず、Rの2個の独立した存在は、これらの間の原子(単数または複数)と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の3員〜12員の飽和、部分不飽和、またはアリールの単環式環または二環式環を形成する。
の脂肪族基上の適切な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOであり、ここで各Rは置換されていないか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは1個より多くのハロゲンのみで置換されており、そして独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環である。
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、およびアレルギー応答などなしで、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するために適切であり、そして合理的な利益/危険比に釣り合う、塩をいう。薬学的に受容可能な塩は、当該分野において周知である。例えば、S.M.Bergeらは、薬学的に受容可能な塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19において詳細に記載しており、これは、本明細書中に参考として援用される。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩としては、適切な無機酸、無機塩基、有機酸、および有機塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸)と形成されたか、あるいはイオン交換などの当該分野において使用される他の方法を使用することによって形成された、アミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩などが挙げられる。
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1〜4アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に受容可能な塩は、適切である場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを使用して形成された、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミン陽イオンを含む。
他に記載されない限り、本明細書中に図示される構造はまた、その構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座))形態、例えば、各不斉中心についてのR配置およびS配置、ZおよびEの二重結合異性体、ならびにZおよびEの配座異性体を包含することを意味する。従って、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座)混合物は、本発明の範囲内である。他に記載されない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内である。さらに、他に記載されない限り、本明細書中に図示される構造はまた、1または1より多くの同位体が富化された原子の存在のみが異なる化合物を包含することを意味する。例えば、水素がジュウテリウムもしくはトリチウムにより置き換えられた本発明の構造、または炭素が13Cまたは14Cを富化された炭素で置き換えられた本発明を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、本発明に従う分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または治療剤として、有用である。特定の実施形態において、与えられる化合物の弾頭(warhead)部分Rは、1個または1個より多くのジュウテリウム原子を含む。特定の実施形態において、提供される化合物の環Bは、1個または1個より多くのジュウテリウム原子で置換され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「阻害剤」は、IRAK−4を測定可能な親和性で結合し、そして/または阻害する化合物であると定義される。特定の実施形態において、阻害剤は、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、約10nM未満、または約1nM未満のIC50および/または結合定数を有する。
本発明の化合物は、検出可能部分に繋留され得る。このような化合物は、画像化剤として有用であることが理解される。当業者は、検出可能部分を、適した置換基を介して提供される化合物と結合させてもよいということを認識する。本明細書において、用語「適した置換基」とは、検出可能部分に共有結合され得る部分をいう。このような部分は、当業者には周知であり、例えば、いくつか例を挙げると、カーボネート部分、アミノ部分、チオール部分またはヒドロキシル部分を含有する基が挙げられる。このような部分は、提供される化合物と直接結合されても、二価の飽和または不飽和炭化水素鎖などの繋留基を介して結合されてもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、このような部分は、クリックケミストリーによって結合させられ得る。いくつかの実施形態では、このような部分は、必要に応じて銅触媒の存在下で、アルキンとのアジドの1,3−環化付加によって結合させられ得る。クリックケミストリーを使用する方法は、当技術分野で公知であり、Rostovtsevら,Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,2596−99およびSunら,Bioconjugate Chem.,2006,17,52−57によって記載されるものが挙げられる。
本明細書において、用語「検出可能部分」は、用語「標識」と交換可能に使用され、検出され得る任意の部分、例えば、一次標識および二次標識に関する。放射性同位体(例えば、トリチウム、32P、33P、35S、または14C)、質量タグ、および蛍光標識などの一次標識は、さらなる修飾を行わずに検出され得るシグナル生成レポーター基である。検出可能部分としてはまた、発光基およびリン光基が挙げられる。
本明細書において、用語「二次標識」とは、検出可能なシグナルの生成のために二次中間体の存在を必要とする、ビオチンおよび種々のタンパク質抗原などの部分をいう。ビオチンに対しては、二次中間体として、ストレプトアビジン−酵素結合体を含み得る。抗原標識に対しては、二次中間体は、抗体−酵素結合体を含み得る。いくつかの蛍光基は、それらが、非放射性蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のプロセスにおいてエネルギーを別の基に移動し、第2の基が検出されるシグナルを生じるので二次標識として作用する。
本明細書において、用語「蛍光標識」、「蛍光色素」および「発蛍光団」は、規定の励起波長で光エネルギーを吸収し、異なる波長で光エネルギーを放出する部分をいう。蛍光標識の例として、Alexa Fluor色素(Alexa Fluor350、Alexa Fluor488、Alexa Fluor532、Alexa Fluor546、Alexa Fluor568、Alexa Fluor594、Alexa Fluor633、Alexa Fluor660およびAlexa Fluor680)、AMCA、AMCA−S、BODIPY色素(BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY TMR、BODIPY TR、BODIPY530/550、BODIPY558/568、BODIPY564/570、BODIPY576/589、BODIPY581/591、BODIPY630/650、BODIPY650/665)、カルボキシローダミン6G、カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、カスケードブルー、カスケードイエロー、クマリン343、シアニン色素(Cy3、Cy5、Cy3.5、Cy5.5)、ダンシル、ダポキシル(Dapoxyl)、ジアルキルアミノクマリン、4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシ−フルオレセイン、DM−NERF、エオシン、エリスロシン、フルオレセイン、FAM、ヒドロキシクマリン、IRDyes(IRD40、IRD700、IRD800)、JOE、リサミンローダミンB、マリーナブルー、メトキシクマリン、ナフトフルオレセイン、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、パシフィックブルー、PyMPO、ピレン、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミングリーン、ローダミンレッド、ロドールグリーン、2’,4’,5’,7’−テトラ−ブロモスルホン−フルオレセイン、テトラメチル−ローダミン(TMR)、カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)、テキサスレッド、テキサスレッド−Xが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、用語「質量タグ」とは、質量分析(MS)検出技術を使用してその質量によって一意的に検出され得る任意の部分をいう。質量タグの例として、N−[3−[4’−[(p−メトキシテトラフルオロベンジル)オキシ]フェニル]−3−メチルグリセロニル]イソニペコン酸、4’−[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(ペンタフルオロフェノキシル)]メチルアセトフェノンおよびそれらの誘導体などのエレクトロフォア放出タグが挙げられる。これらの質量タグの合成および有用性は、米国特許第4,650,750号、同4,709,016号、同5,360,8191号、同5,516,931号、同5,602,273号、同5,604,104号、同5,610,020号および同5,650,270号に記載されている。質量タグのその他の例として、種々の長さおよび塩基組成のヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴ糖および種々の長さおよびモノマー組成のその他の合成ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。適切な質量範囲(100〜2000ダルトン)の、中性のものと荷電したものとの両方の多種多様な有機分子(生体分子または合成化合物)を、質量タグとして使用してもよい。
用語「測定可能な親和性」および「測定可能に阻害する」とは、本明細書中で使用される場合、本発明の化合物またはその組成物およびIRAKプロテインキナーゼを含有するサンプルと、この化合物もその組成物も存在しないIRAKプロテインキナーゼを含有する等価なサンプルとの間での、IRAKプロテインキナーゼ活性の測定可能な変化を意味する。
3.例示的な実施形態の説明:
上記のように、特定の実施形態において、本発明は、式I:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式Iにおいて:
環Aは、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環であり;
nは、0〜4であり;
各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−CHOR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−NRC(O)OR、−NRC(O)N(R)、Cy、または−NRSORであるか、あるいはRは、以下の式:
Figure 2016505012

のうちの1つから選択されるか;あるいは
2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;
各Cyは、必要に応じて置換された環であり、この必要に応じて置換された環は、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環から選択され;
各Rは独立して、必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択され;
各Rは独立して、水素、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
同じ窒素上の2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、この窒素に加えて、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される、0個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和、部分不飽和、もしくはヘテロアリールの環を形成し;
環Bは、4員〜8員の部分不飽和炭素環式縮合環;または窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の部分不飽和複素環式縮合環であり;ここでこの環Bは、1個または1個より多くのオキソ基、チオノ基、またはイミノ基によって必要に応じて置換され得;
mは、0〜4であり;
pは、0〜2であり;
[Ar]は、フェニル、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロ芳香環であり、ここで[Ar]は、q個存在するRによって置換されており;
qは、0〜5であり;
各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)S(O)R、−N(R)S(O)N(R)、またはCyであるか;あるいは
2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;
は、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
各Lは独立して、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
各Rは独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−C(O)N(R)OR、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(R)S(O)N(R)、−N(R)S(O)R、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
2個の−L(R−R基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成する。
上で一般的に定義されたように、式Iの環A基は、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である。いくつかの実施形態において、環Aは、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環である。特定の実施形態において、環Aは、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である。
いくつかの実施形態において、環Aは、3員〜7員の飽和炭素環式環である。特定の実施形態において、環Aは、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態において、環Aは、シクロヘキシルである。
当業者は、環Aが二置換シクロアルキル環である場合、この環は、シスまたはトランスの相対立体化学を有し得ることを理解する。いくつかの実施形態において、環Aは、トランス−1,4−二置換シクロアルキル環である。いくつかの実施形態において、環Aは、トランス−1,4−二置換シクロヘキシル環である。
特定の実施形態において、環Aは、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和複素環式環である。特定の実施形態において、環Aは、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する5員〜6員の飽和複素環式環である。特定の実施形態において、環Aは、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、またはテトラヒドロフラニルである。いくつかの実施形態において、環Aが4員〜7員の飽和複素環式環である場合、Lは共有結合である。いくつかの実施形態において、環Aが4員〜7員の飽和複素環式環である場合、Lは共有結合ではない。
上で一般的に定義されたように、式Iのn基は、0〜4である。いくつかの実施形態において、nは0である。他の実施形態において、nは1〜4である。特定の実施形態において、nは1または2である。
上で一般的に定義されたように、式Iの各R基は独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−CHOR、−SR、−N(R)、−SOR、−SON(R)、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R)、Cy、もしくは−NRSORであるか;またはRは、以下の式:
Figure 2016505012

のうちの一方から選択されるか;あるいは
2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成する。
特定の実施形態において、Rは、R、−OR、−N(R)、−COR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−SON(R)、Cy、または−NRC(O)ORである。いくつかの実施形態において、Rは、−C(O)NH、−C(O)NHCH、−C(O)NH−OH、−CH、−CHCH、−SOt−ブチル、−OH、−C(O)OH、−NH、−NHCH、−N(CH、−N(CHCH、−NHC(O)CH、または−CHフェニルである。特定の実施形態において、R1は、以下の式:
Figure 2016505012

のうちの一方から選択される。特定の実施形態において、RはCyである。特定の実施形態において、Rは−N(R)である。いくつかの実施形態において、Rはジメチルアミノである。いくつかの実施形態において、Rはエチルアミノである。例示的なR基としては、表1に記載されるものが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本発明は、2個のR基が、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成している、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態において、隣接する炭素原子上の2個のR基は一緒になって、環Aに縮合した、必要に応じて置換された4員〜7員の環を形成する。他の実施形態において、同じ炭素原子上の2個のR基は一緒になって、必要に応じて置換された4員〜7員のスピロ縮合した環を形成する。他の実施形態において、隣接しない炭素原子上の2個のR基は一緒になって、環Aと橋架けした、必要に応じて置換された二環式環を形成する。
上で一般的に定義されたように、Cyは、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環から選択される、必要に応じて置換された環である。
いくつかの実施形態において、Cyは、必要に応じて置換された3員〜7員の飽和炭素環式環である。特定の実施形態において、Cyは、独立して窒素、酸素または硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を含む必要に応じて置換された4員〜7員の飽和複素環式環である。特定の実施形態において、Cyは、スピロ二環式の7員〜8員の環である。特定の実施形態において、Cyは、必要に応じて置換された環であり、この必要に応じて置換された環は、モルホリニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルから選択される。特定の実施形態において、Cyは、モルホリニル、4,4−ジフルオロピペリジニル、および6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イルから選択される。
当業者は、環Aの飽和炭素上のR置換基がキラル中心を形成することを理解する。いくつかの実施形態において、このキラル中心は、(R)配置である。他の実施形態において、このキラル中心は、(S)配置である。
上で一般的に定義されたように、式IのL基は、共有結合またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって必要に応じて独立して置き換えられている。いくつかの実施形態において、Lは共有結合である。他の実施形態において、Lは、C1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって必要に応じて独立して置き換えられている。
いくつかの実施形態において、Lは、−NH−(すなわち、メチレン単位が−NH−によって置き換えられているCの二価炭化水素鎖)、−O−、−CHO−、−OCH−、−NHC(O)−、−CHNH−、または−NHCH−である。いくつかの実施形態において、Lは−O−である。いくつかの実施形態において、Lは−NR−である。いくつかの実施形態において、Lは−NH−である。いくつかの実施形態において、Lは−OCH−である。いくつかの実施形態において、Lは−NRCH−である。例示的なL基としては、表1に記載されるものが挙げられる。
上で一般的に定義されたように、式Iの環B基は、4員〜8員の部分不飽和炭素環式縮合環、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の部分不飽和複素環式環である。いくつかの実施形態において、環Bは、4員〜8員の部分不飽和炭素環式縮合環である。他の実施形態において、環Bは、1個または2個の窒素を有する4員〜7員の部分不飽和アザ環式縮合環である。いくつかの実施形態において、環Bは、シクロヘキソ縮合環またはシクロペント縮合環である。他の実施形態において、環Bは、ピペリドノ縮合環である。いくつかの実施形態において、環Bは、テトラヒドロピラノ縮合環である。いくつかの実施形態において、環Bは、ピロリジノ縮合環である。
当業者は、環Bの飽和炭素上の置換基がキラル中心を形成することを理解する。いくつかの実施形態において、このキラル中心は、(R)配置である。他の実施形態において、このキラル中心は、(S)配置である。
上で一般的に定義されたように、式Iのm基は0〜4である。いくつかの実施形態において、mは0である。いくつかの実施形態において、mは1〜4である。特定の実施形態において、mは1または2である。いくつかの実施形態において、mは1である。
上で一般的に定義されたように、各Lは独立して、共有結合またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって必要に応じて独立して置き換えられている。
特定の実施形態において、各Lは独立して、共有結合である。いくつかの実施形態において、各Lは、C1〜3の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−C(O)N(R)−、−O−、−C(O)−、−S−、−SO−または−SO−によって必要に応じて独立して置き換えられている。特定の実施形態において、Lはメチレンである。特定の実施形態において、Lは−CH−C(O)−である。特定の実施形態において、Lは、ヒドロキシル基で置換されたCの炭化水素鎖(−CHCH(OH)−)である。
上で一般的に定義されたように、各Rは独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−SOR、−SON(R)、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R)、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R)、−C(O)N(R)OR、−N(R)C(O)OR、−N(R)S(O)N(R)、−NRSOR、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:2個の−L(R−R基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成する。
いくつかの実施形態において、各Rは独立して、−CN、−OR、−SR、−SOR、−SOR、−C(O)N(R)、−NRC(O)R、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択される。特定の実施形態において、各Rは独立して、−CN、−OR、−SR、−SOR、−SOR、−C(O)N(R)、または−NRC(O)Rである。特定の実施形態において、Rは、C1〜6脂肪族、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択される必要に応じて置換された基である。特定の実施形態において、Rはヒドロキシルである。特定の実施形態において、Rは−C(O)N(R)である。
いくつかの実施形態において、本発明は、2個の−L(R−R基が、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成している、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態において、隣接する炭素原子上の2個の−L−R基は一緒になって、環Bに縮合した、必要に応じて置換された4員〜7員の環を形成する。他の実施形態において、同じ炭素原子上の2個の−L(R−R基は一緒になって、必要に応じて置換された4員〜7員のスピロ縮合環を形成する。他の実施形態において、隣接しない炭素原子上の2個の−L(R−R基は一緒になって、環Bと橋架けした、必要に応じて置換された二環式環を形成する。
当業者は、環Bの飽和炭素上の−L(R−R置換基がキラル中心を形成することを理解する。いくつかの実施形態において、このキラル中心は、(R)配置である。他の実施形態において、このキラル中心は、(S)配置である。
上で一般的に定義されたように、[Ar]は、フェニル、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロ芳香環であり、ここで[Ar]は、q個存在するRによって置換されている。いくつかの実施形態において、[Ar]は、非置換フェニル環(すなわち、qは0である)である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、置換フェニル環(すなわち、qは1〜5である)である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5員〜6員のヘテロ芳香環(すなわち、qは0である)である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する置換された5員〜6員のヘテロ芳香環(すなわち、qは1〜5である)である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員ヘテロ芳香環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、1個〜3個の窒素原子を有する6員ヘテロ芳香環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾールおよびチオフェンからなる群より選択される環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、ピラゾール環である。例示的な[Ar]基としては、表1に図示されるものが挙げられる。
上で一般的に定義されたように、pは0〜2である。いくつかの実施形態において、pは0である。いくつかの実施形態において、pは1〜2である。いくつかの実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。
上で一般的に定義されたように、qは0〜5である。いくつかの実施形態において、qは0である。いくつかの実施形態において、qは1である。いくつかの実施形態において、qは2である。いくつかの実施形態において、qは0〜2である。いくつかの実施形態において、qは0〜3である。いくつかの実施形態において、qは0〜4である。いくつかの実施形態において、qは1〜2である。いくつかの実施形態において、qは1〜3である。いくつかの実施形態において、qは1〜4である。いくつかの実施形態において、qは1〜5である。
上で一般的に定義されたように、各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)S(O)R、−N(R)S(O)N(R)、またはCyであるか;あるいは2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成する。いくつかの実施形態において、RはRである。いくつかの実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族であるいくつかの実施形態において、RはCyである。いくつかの実施形態において、Rはメチルである。いくつかの実施形態において、Rはエチルである。いくつかの実施形態において、Rはジフルオロメチルである。いくつかの実施形態において、Rはトリフルオロメチルである。いくつかの実施形態において、Rはイソプロピルである。いくつかの実施形態において、Rはtert−ブチルである。いくつかの実施形態において、Rはピペラジンである。いくつかの実施形態において、RはN−メチルピペラジンである。いくつかの実施形態において、Rはピペリジンである。いくつかの実施形態において、Rはイソプロピルアセチルである。いくつかの実施形態において、Rは酢酸である。いくつかの実施形態において、Rはテトラヒドロチオピラン−1,1−ジオキシドである。いくつかの実施形態において、Rはテトラヒドロピランである。いくつかの実施形態において、Rはオキセタンである。いくつかの実施形態において、Rはヒドロキシエチルである。いくつかの実施形態において、Rはヒドロキシエチルエトキシである。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、以下の化合物:
Figure 2016505012

から選択されない。
特定の実施形態において、本発明は、mが0であり、これによって、式II:
Figure 2016505012
の化合物を形成する、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式IIにおいて、環A、環B、L、[Ar]、R、R、およびnの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bがシクロペントまたはシクロヘキソであり、これによって、式IIIまたはIV:
Figure 2016505012
の化合物を形成する、式IIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式IIIおよびIVにおいて、環A、L、[Ar]、R、およびnの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、nが1であり、そして環Aがトランス置換シクロヘキシルであり、これによって、式VまたはVI:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式IIIまたはIVの化合物を提供し、式VおよびVIにおいて、L、[Ar]、およびRの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、Lが−O−であり、これによって、式VIIまたはVIII:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式VまたはVIの化合物を提供し、式VIIおよびVIIIにおいて、[Ar]、およびRの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、Lが−NH−であり、これによって、式IXまたはX:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式VまたはVIの化合物を提供し、式IXおよびXにおいて、[Ar]、およびRの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態において、本発明は、[Ar]が必要に応じて置換されたフェニルである、式III、IV、V、VI、V、VI、VII、VIII、IX、またはXの化合物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、[Ar]が必要に応じて置換されたヘテロアリールである、式III、IV、V、VI、V、VI、VII、VIII、IX、またはXの化合物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、[Ar]が必要に応じて置換された5員ヘテロアリールである、式III、IV、V、VI、V、VI、VII、VIII、IX、またはXの化合物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、[Ar]が必要に応じて置換された6員ヘテロアリールである、式III、IV、V、VI、V、VI、VII、VIII、IX、またはXの化合物を提供する。
特定の実施形態において、本発明は、mが1であり、これによって、式XI:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式Iの化合物を提供し、式XIにおいて、[Ar]は、必要に応じて置換されたフェニル環またはヘテロ芳香環であり、そして環A、環B、L、R、R、R、m、n、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、nが1であり、そして環Aが1,4−トランス置換シクロヘキシルであり、これによって、式XII:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式Iの化合物を提供し、式XIIにおいて、[Ar]、環A、環B、L、L、R、R、m、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bがシクロペントであり、これによって、式XIII:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIIの化合物を提供し、式XIIIにおいて、[Ar]、L、L、R、R、m、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bがシクロヘキソであり、これによって、式XIV:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIIの化合物を提供し、式XIVにおいて、[Ar]、L、L、R、R、m、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bが、部分不飽和のテトラヒドロピラノ縮合環であり、これによって、式XV−a、XV−b、XV−c、またはXV−d:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIIの化合物を提供し、式XV−a、XV−b、XV−c、およびXV−dにおいて、[Ar]、L、L、R、R、m、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bが、部分不飽和のピペリジノ縮合環であり、これによって、式XVI−a、XVI−b、XVI−c、またはXVI−d:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIIの化合物を提供し、式XVI−a、XVI−b、XVI−c、およびXVI−dにおいて、[Ar]、L、L、R、R、m、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bが、部分不飽和のピロリジノ縮合環であり、これによって、式XVII−a、XVII−b、またはXVII−c:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIIの化合物を提供し、式XVII−a、XVII−b、およびXVII−cにおいて、[Ar]、L、L、R、R、m、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bがシクロペントであり、これによって、式XVIII:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIの化合物を提供し、式XVIIIにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bがシクロヘキソであり、これによって、式XIX:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIの化合物を提供し、式XIXにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bが、部分不飽和のテトラヒドロピラノ縮合環であり、これによって、式XX−a、XX−b、XX−c、またはXX−d:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIの化合物を提供し、式XX−a、XX−b、XX−c、およびXX−dにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bが、部分不飽和のピペリジノ縮合環であり、これによって、式XXI−a、XXI−b、XXI−c、またはXXI−d:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIの化合物を提供し、式XXI−a、XXI−b、XXI−c、またはXXI−dにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、環Bが、部分不飽和のピロリジノ縮合環であり、これによって、式XXII−a、XXII−b、またはXXII−c:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XIの化合物を提供し、式XXII−a、XXII−b、およびXXII−cにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、mが0であり、これによって、式XXIII−a、XXIII−b、XXIII−c、またはXXIII−d:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XV−a、XV−b、XV−c、またはXV−dの化合物を提供し、式XXIII−a、XXIII−b、XXIII−c、およびXXIII−dにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、mが0であり、これによって、式XXIV−a、XXIV−b、XXIV−c、またはXXIV−d:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XVI−a、XVI−b、XVI−c、またはXVI−dの化合物を提供し、式XXIV−a、XXIV−b、XXIV−c、およびXXIV−dにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、mが0であり、これによって、式XXV−a、XXV−b、またはXXV−c:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式XVII−a、XVII−b、またはXVII−cの化合物を提供し、式XXV−a、XXV−b、およびXXV−cにおいて、[Ar]、L、L、R、R、およびpの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、[Ar]が、q個存在するRによって置換されたピラゾールであり、これによって、式XXVI−aまたはXXVI−b:
Figure 2016505012
のうちの1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を形成する、式Iの化合物を提供し、式XXVI−aおよびXXVI−bにおいて、qは0〜3であり、そして環A、環B、L、L、R、R、R、n、m、pの各々は、単独でかまたは組み合わせで、上に定義されるとおりであり、そして本明細書中の実施形態に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、本発明は、式I:
Figure 2016505012
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式Iにおいて:
環Aは、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環であり;
nは、0〜4であり;
各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−CHOR、−SR、−N(R)、−SOR、−SON(R)、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−NRC(O)OR、−NRC(O)N(R)、Cy、または−NRSORであるか、あるいはRは、以下の式:
Figure 2016505012

のうちの1つから選択されるか;あるいは
2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;
各Cyは、必要に応じて置換された環であり、この必要に応じて置換された環は、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環から選択され;
各Rは独立して、水素、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
同じ窒素上の2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、この窒素に加えて、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和、部分不飽和、もしくはヘテロアリールの環を形成し;
環Bは、4員〜8員の部分不飽和炭素環式縮合環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の部分不飽和複素環式縮合環であり;ここでこの環Bは、1個または1個より多くのオキソ基、チオノ基、またはイミノ基によって必要に応じて置換され得;
mは、0〜4であり;
pは、0〜2であり;
[Ar]は、必要に応じて置換されたフェニル環またはヘテロ芳香環であり;
は、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
各Lは独立して、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここでこの鎖の1個または2個のメチレン単位は、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
各Rは独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−SOR、−SON(R)、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R)、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R)、−C(O)N(R)OR、−N(R)C(O)OR、−N(R)S(O)N(R)、−NRSOR、または必要に応じて置換された基であり、この必要に応じて置換された基は、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有するC1〜6脂肪族、フェニル、4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
2個の−L(R−R基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成する。
本発明の例示的な化合物を、以下の表1に記載する。
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
Figure 2016505012
いくつかの実施形態において、本発明は、上記表1に記載される化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、上記表1に記載される化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここでこの化合物は、I−75:
Figure 2016505012
ではない。
いずれの特定の理論によっても束縛されることを望まないが、阻害剤化合物、または阻害剤化合物のペンダント部分の、目的の水への近接は、この阻害剤化合物、または阻害剤化合物のペンダント部分による、この水の移動または破壊を容易にすると考えられる。いくつかの実施形態において、阻害剤化合物、または阻害剤化合物のペンダント部分によって、移動させられるかまたは破壊される水分子は、不安定な水分子である。
特定の実施形態において、本発明は、IRAK−4と阻害剤とを含む複合体を提供し、この複合体において、IRAK−4の少なくとも1個の不安定な水は、この阻害剤によって移動させられるかまたは破壊される。いくつかの実施形態において、選択された少なくとも2個の不安定な水は、この阻害剤によって移動させられるかまたは破壊される。
4.本発明の化合物を提供する一般方法
本発明の化合物は、類似の化合物について当業者に公知である合成方法および/または半合成方法によって、ならびに本明細書中の実施例に詳細に記載されている方法によって、一般に調製または単離され得る。本発明の方法および中間体は、例えば、米国特許出願第61/734,133号(2012年12月6日出願、Harrimanらの名義、その全体は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるような化合物を調製するために有用である。
以下のスキームにおいて、特定の保護基、脱離基、または転換条件が記載される場合、当業者は、他の保護基、脱離基、および転換条件もまた適切であり、想定されることを理解する。このような基および転換は、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,M.B.SmithおよびJ.March,第5版,John Wiley & Sons,2001、Comprehensive Organic Transformations,R.C.Larock,第2版,John Wiley & Sons,1999、ならびにProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,第3版,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載されており、これらの各々の全体は、本明細書中に参考として援用される。
本明細書中で使用される場合、語句「酸素保護基」としては、例えば、カルボニル保護基、ヒドロキシル保護基などが挙げられる。ヒドロキシル保護基は、当該分野において周知であり、そしてProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,第3版,John Wiley & Sons,1999(その全体は本明細書中に参考として援用される)に詳細に記載されるものが挙げられる。適切なヒドロキシル保護基の例としては、エステル、アリルエーテル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、およびアルコキシアルキルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。このようなエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、炭酸エステル、およびスルホン酸エステルが挙げられる。具体的な例としては、ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、クロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、3−フェニルプロピオン酸エステル、4−オキソペンタン酸エステル、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、ピバル酸エステル(トリメチルアセチルエステル)、クロトン酸エステル、4−メトキシ−クロトン酸エステル、安息香酸エステル、p−ベニル安息香酸エステル(p−benylbenzoate)、2,4,6−トリメチル安息香酸エステル、炭酸エステル(例えば、メチル、9−フルオレニルメチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリル、およびp−ニトロベンジル)が挙げられる。このようなシリルエーテルの例としては、トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテル、t−ブチルジフェニルシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテル、および他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。アルキルエーテルとしては、メチルエーテル、ベンジルエーテル、p−メトキシベンジルエーテル、3,4−ジメトキシベンジルエーテル、トリチルエーテル、t−ブチルエーテル、アリルエーテル、およびアリルオキシカルボニルエーテルまたは誘導体が挙げられる。アルコキシアルキルエーテルとしては、メトキシメチルエーテル、メチルチオメチルエーテル、(2−メトキシエトキシ)メチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、β−(トリメチルシリル)エトキシメチルエーテル、およびテトラヒドロピラニルエーテルなどのアセタールが挙げられる。アリールアルキルエーテルの例としては、ベンジルエーテル、p−メトキシベンジル(MPM)エーテル、3,4−ジメトキシベンジルエーテル、O−ニトロベンジルエーテル、p−ニトロベンジルエーテル、p−ハロベンジルエーテル、2,6−ジクロロベンジルエーテル、p−シアノベンジルエーテル、2−ピコリルエーテルおよび4−ピコリルエーテルが挙げられる。
アミノ保護基は、当該分野において周知であり、そしてProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,第3版,John Wiley & Sons,1999(その全体は本明細書中に参考として援用される)に詳細に記載されるものが挙げられる。適切なアミノ保護基としては、アラルキルアミン、カルバメート、環状イミド、アリルアミン、およびアミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。このような基の例としては、t−ブトキシカルボニル(BOC)、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、ベンジルオキソカルボニル(CBZ)、アリル、フタルイミド、ベンジル(Bn)、フルオレニルメチルカルボニル(Fmoc)、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、フェニルアセチル、トリフルオロアセチル、およびベンゾイルなどが挙げられる。特定の実施形態において、R10部分のアミノ保護基は、フタルイミドである。さらに他の実施形態において、R10部分のアミノ保護基は、tert−ブトキシカルボニル(BOC)基である。特定の実施形態において、このアミノ保護基は、スルホン(SOR)である。
mが1である特定の実施形態において、本発明の化合物は、以下に記載されるスキームIに従って一般に調製される:
Figure 2016505012
上記スキームIにおいて、n、[Ar]、LG、R、RA1、RA2、L、環A、および環Bの各々は、上記および下記において定義されたとおりであり、そして本明細書中に記載されるようなクラスおよびサブクラスに入る。
1つの局面において、本発明は、上記スキーム1に記載される工程に従って、式G−10のキラル化合物を調製する方法を提供する。いくつかの実施形態において、工程S−1において、環Bを含む式G−1の環状ケトンをシアノ酢酸エステルまたはその等価物と反応させて、縮合反応および脱水反応を起こし、式G−2のオレフィンを形成する。特定の実施形態において、この縮合反応は、アミンおよび酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、この塩基はHMDS(ヘキサメチルジシラザン)である。いくつかの実施形態において、この酸は酢酸である。いくつかの実施形態において、S−1の反応は、さらなる溶媒なしで行われる。いくつかの実施形態において、この環状ケトンはシクロペンタノンである。いくつかの実施形態において、この環状ケトンはシクロヘキサノンである。いくつかの実施形態において、この環状ケトンはピラノンである。いくつかの実施形態において、RA1はC1〜6アルキル基である。いくつかの実施形態において、RA1はエチルである。いくつかの実施形態において、RA2はC1〜6アルキル基である。いくつかの実施形態において、RA2はエチルである。
いくつかの実施形態において、工程S−2は、式G−2の化合物をアミンの存在下で元素硫黄と接触させて、式G−3の化合物を形成することを包含する。いくつかの実施形態において、このアミンはジメチルアミンである。いくつかの実施形態において、工程S−2は、溶媒としてアルコールを用いて行われる。いくつかの実施形態において、この溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態において、工程S−1およびS−2は、化合物G−2の中間体精製なしで行われる。
いくつかの実施形態において、工程S−3は、式G−3の中間体をギ酸と接触させて、式G−4のチエノピリミジン化合物を形成することを包含する。いくつかの実施形態において、この反応は、この反応混合物を酢酸ホルムアミジンと接触させることを包含する。
いくつかの実施形態において、工程S−4は、式G−4の化合物を、ヒドロキシル基を脱離基LGに転換するための試薬と接触させる工程を包含する。いくつかの実施形態において、LGはハロゲンである。いくつかの実施形態において、LGは塩素である。いくつかの実施形態において、LGはスルホネートである。いくつかの実施形態において、ヒドロキシル基をLGに転換させるために使用される試薬は、オキシ塩化リンである。いくつかの実施形態において、工程S−4は、溶媒中で行われる。いくつかの実施形態において、この溶媒はアセトニトリルである。いくつかの実施形態において、工程S−4は、さらなる溶媒なしで行われる。
いくつかの実施形態において、工程S−5は、式G−5の化合物をエステル基をカルボン酸に転換するための試薬と接触させ、これによって式G−6の化合物を形成することを包含する。いくつかの実施形態において、この脱エステル試薬は塩基である。いくつかの実施形態において、この塩基は水酸化リチウムである。いくつかの実施形態において、この試薬は酸である。いくつかの実施形態において、この反応は、水性溶媒中で行われる。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランが共溶媒として使用される。いくつかの実施形態において、この反応混合物は、TEAC(テトラエチルアンモニウムクロリド)を触媒としてさらに含有する。いくつかの実施形態において、このTEACは、化学量論未満の量で存在する。いくつかの実施形態において、工程S−5は、粗製反応物を酸化させて遊離酸を得ることをさらに包含する。
当業者は、式G−1、G−2、G−3、G−4、G−5、およびG−6の化合物が立体中心を含み、従って、ラセミ混合物として存在することを理解する。当業者はまた、エナンチオマーを分離して、これらの化合物のエナンチオマーが富化された異性体またはエナンチオマー的に純粋な異性体を得るための、当該分野において周知である多くの方法(キラルHPLC、ジアステレオマー塩の分別結晶化、反応速度論的酵素分割(例えば、真菌、細菌、または動物由来のリパーゼまたはエステラーゼ)、およびエナンチオマーが富化された試薬を使用する共有結合ジアステレオマー誘導体の形成が挙げられるが、これらに限定されない)が存在することを理解する。いくつかの実施形態において、式G−5の化合物のエナンチオマーは、リパーゼ酵素の作用によって分割される。
いくつかの実施形態において、工程S−6は、式G−6のラセミ混合物をキラル試薬と接触させて、ジアステレオマー塩の混合物を形成することを包含する。次いで、得られるジアステレオマー混合物は、適切な手段により分離されて、式G−7の化合物を与える。ジアステレオマー混合物を分離するために適切なこのような手段は、当業者に周知であり、そして本明細書中に記載される方法が挙げられるが、これらに限定されない。使用されるキラル剤に依存して、1個または1個より多くの塩基性部分が存在し得ることが理解される。特定の実施形態において、キラル塩基は、例えば1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジアミンにおいてのように、2個の塩基性部分を有する。いくつかの実施形態において、このキラル剤は、エナンチオマーが富化されたモノアミンである。いくつかの実施形態において、このキラル剤は、1−フェネチルアミン、アミノブタノール、フェニルグリシノール、p−メトキシベンジル−1−フェネチルアミン、シンコニン、p−ジメチルアミノベンジル−1−フェネチルアミン、キニジン、シンコニジン、キニーネ、エフェドリン、およびノルエフェドリンから選択される。いくつかの実施形態において、このキラル剤は、シンコニン、シンコニジン、およびエフェドリンから選択される。いくつかの実施形態において、このキラル剤はシンコニンである。いくつかの実施形態において、このキラル剤はシンコニジンである。いくつかの実施形態において、このキラル剤はエフェドリンである。いくつかの実施形態において、このキラル剤は(−)−エフェドリンである。
従って、当業者は、式G−6の化合物は、この二官能性キラル剤と半塩を形成し得ることを理解する。本明細書中で使用される場合、用語「半塩」とは、キラル酸の各分子に対して二分子の式G−6の化合物を有する付加体をいう。あるいは、得られる塩は、キラル酸と式G−6の化合物との1対1の混合物を有し得る。特定の実施形態において、本発明は、式G−6の酸に対して当モル量のキラル剤を含む化合物を提供する。さらに、当業者は、塩のジアステレオマー混合物の分割(例えば、分別結晶化による)後に、エナンチオマーが富化された塩が、結晶画分と母液との両方から得られることを理解する。従って、いくつかの実施形態において、本発明は、化合物が1分子または1分子より多くのキラル剤と一緒に形成された、1分子の式G−8の化合物を含む、式G−7の化合物を提供する。いくつかの実施形態において、式G−7の塩化合物は、1分子の式G−8の化合物を、1分子のキラル剤と一緒に含む。いくつかの実施形態において、式G−7の塩化合物は、2分子の式G−8の化合物を1分子の二塩基性キラル剤と一緒に含む、半塩である。いくつかの実施形態において、式G−7の化合物は、シンコニン塩、シンコニジン塩、またはエフェドリン塩である。
いくつかの実施形態において、キラル分割工程S−6の方法は、式G−6の化合物を溶媒中でキラル剤と接触させることを包含する。いくつかの実施形態において、このキラル剤は、シンコニン、シンコニジン、およびエフェドリンから選択される。いくつかの実施形態において、この溶媒はアルコールである。いくつかの実施形態において、この溶媒はイソプロパノールである。いくつかの実施形態において、この混合物は加熱される。いくつかの実施形態において、この溶液は過飽和にされる。いくつかの実施形態において、この反応は種結晶を入れられる。いくつかの実施形態において、得られる結晶塊は、イソプロパノールから再結晶される。
このキラル剤がキラルアミンである場合、式G−7の化合物は、工程S−7において、適切な酸で処理されて、エナンチオマーが富化された遊離酸化合物G−8を形成する。本発明による遊離酸はまた、例えば、式G−7の化合物を適切な酸と、遊離酸形成のために適切な溶媒の存在下で接触させることによって調製される。このような適切な酸としては、無機強酸(すなわち、水中で完全に解離する酸)が挙げられる。特定の実施形態において、この酸は、式G−7の化合物に対して少なくとも約1モル当量の量で、そして他の実施形態において、少なくとも約1モル当量から約2モル当量の量で添加される。このような酸の例としては、鉱酸、スルホン酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、適切な酸は塩酸である。いくつかの実施形態において、形成された遊離酸を抽出するために使用される溶媒は、有機溶媒である。
工程S−7において、遊離塩基形成中に使用するために適切な溶媒の例としては、極性溶媒(例えば、アルキルアルコール(例えば、C〜Cアルコール(例えば、エタノール、メタノール、2−プロパノール))、水、ジオキサン、またはTHF(テトラヒドロフラン)あるいはこれらの組み合わせ)が挙げられる。特定の実施形態において、適切な溶媒は、C〜Cアルコール(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール)、水、またはこれらの組み合わせである。本発明の1つの局面によれば、水性塩酸が工程S−7において使用される。本発明の別の局面によれば、工程S−7における遊離塩基形成は、溶媒の二相混合物中で行われ、これによって、式G−8の化合物が、形成するとすぐに、有機層中に抽出される。従って、溶媒の適切な二相混合物は、水性溶媒と、非混和性の有機溶媒とを含む。このような非混和性有機溶媒は、当業者に周知であり、そしてハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタンおよびクロロホルム)、ベンゼンおよびその誘導体(例えば、トルエン)、エステル(例えば、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピル)、ならびにエーテル(例えば、MTBE、THFおよびその誘導体、グライム、およびダイグライム)などが挙げられる。特定の実施形態において、工程S−7における遊離酸形成は、水性塩酸とジクロロメタンとを含む二相混合物中で行われる。いくつかの実施形態において、この適切な酸は水溶性であり、その結果、この反応は、ジクロロメタンと、適切な水性酸(例えば、水性塩酸)との混合物中で行われる。
工程S−8において、キラル化合物G−8のLGの移動は、式G−9の化合物を与える。特定の実施形態において、工程S−8は、式G−8の化合物を式
Figure 2016505012

の化合物と接触させることを包含し;ここで
、R、環A、およびnは、上記および下記において定義されたとおりであり、そして本明細書中に記載されるようなクラスおよびサブクラスに入る。
いくつかの実施形態において、Lは、−O−および−NH−から選択され、その結果、開いた原子価を満たす水素と一緒になって、LHは、−OH基または−NH基を表す。いくつかの実施形態において、LHは−OHである。いくつかの実施形態において、LHは−NHである。
いくつかの実施形態において、nは0〜4である。いくつかの実施形態において、nは1〜4である。いくつかの実施形態において、nは1である。
いくつかの実施形態において、Rは−NRである。いくつかの実施形態において、Rはジメチルアミノである。いくつかの実施形態において、Rはモルホリノである。いくつかの実施形態において、環Aはピペリジンである。いくつかの実施形態において、環Aはシクロヘキシルである。
いくつかの実施形態において、工程S−8は、この反応混合物を塩基と接触させることを包含する。いくつかの実施形態において、この塩基はナトリウムビス(メチリルシリル)アミドである。いくつかの実施形態において、この反応は、溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態において、この溶媒はTHFである。
いくつかの実施形態において、工程S−9は、式G−9の化合物を式[Ar]−NHの化合物と接触させ、これによって、式G−10の化合物を形成することを包含する。いくつかの実施形態において、工程S−9は、この反応混合物を塩基と接触させることを包含する。いくつかの実施形態において、工程S−9は、この反応混合物をパラジウム触媒と接触させることをさらに包含する。いくつかの実施形態において、[Ar]は、必要に応じて置換されたフェニル環またはヘテロ芳香環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、必要に応じて置換されたフェニル環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、必要に応じて置換されたヘテロ芳香環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員〜6員のヘテロ芳香環である。
いくつかの実施形態において、工程S−10は、式G−10の化合物をアミド化試薬系と接触させ、これによって、式G−11の化合物を形成することことを包含する。いくつかの実施形態において、このアミド化試薬系は、塩化チオニルおよびアンモニアを含む。いくつかの実施形態において、工程S−10は、溶媒の使用をさらに含む。いくつかの実施形態において、この溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、工程S−10は、式G−10の化合物を、最初に活性化試薬と接触させ、次にアンモニアと接触させることを包含する。いくつかの実施形態において、この活性化試薬は塩化チオニルである。
本明細書中で使用される場合、用語「ジアステレオマー塩」とは、式G−6のキラル化合物とキラル塩基との付加体をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「エナンチオマー塩」とは、式G−8の分割されたキラル化合物の塩であって、この式G−8の化合物が一方のエナンチオマーを富化されているものをいう。本明細書中で使用される場合、用語「エナンチオマー的に富化された」とは、本明細書中で使用される場合、1つのエナンチオマーがその調製物の少なくとも80%または85%を構成することを意味する。特定の実施形態において、用語エナンチオマー的に富化されたとは、その調製物の少なくとも90%がエナンチオマーのうちの一方であることを意味する。他の実施形態において、この用語は、その調製物の少なくとも95%がエナンチオマーのうちの一方であることを意味する。他の実施形態において、その調製物の少なくとも98%がエナンチオマーのうちの一方であることを意味する。
特定の実施形態において、mが0である本発明の化合物は一般に、以下に記載されるスキームIIに従って調製される:
Figure 2016505012
上記スキームIIにおいて、n、[Ar]、LG、R、RA2、L、環A、および環Bの各々は、上記および下記において定義されたとおりであり、そして本明細書中に記載されるようなクラスおよびサブクラスに入る。
1つの局面において、本発明は、上記スキーム1に図示される工程に従って、式H−7の化合物を調製する方法を提供する。いくつかの実施形態において、工程S−1において、環Bを含む式H−1の環状ケトンを、シアノ酢酸エステルまたはその等価物と反応させて、脱水縮合反応を起こし、式H−2のオレフィンを形成する。特定の実施形態において、この縮合反応は、アミンおよび酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、この塩基は、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)である。いくつかの実施形態において、この酸は酢酸である。いくつかの実施形態において、このS−1の反応は、さらなる溶媒を用いずに行われる。いくつかの実施形態において、この環状ケトンは、シクロペンタノンである。いくつかの実施形態において、この環状ケトンは、シクロヘキサノンである。いくつかの実施形態において、この環状ケトンは、ピラノンである。いくつかの実施形態において、RA2はC1〜6アルキル基である。いくつかの実施形態において、RA2はエチルである。
いくつかの実施形態において、工程S−2は、式H−2の化合物を硫黄元素と、アミンの存在下で接触させて、式H−3のアミン化合物を形成することを包含する。いくつかの実施形態において、このアミンはジメチルアミンである。いくつかの実施形態において、工程S−2は、アルコールを溶媒として用いて行われる。いくつかの実施形態において、この溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態において、工程S−1およびS−2は、中間での化合物H−2の精製を行わずに行われる。
いくつかの実施形態において、工程S−3は、式H−3の中間体を尿素と接触させて、式H−4のチエノピリミジン化合物を形成することを包含する。いくつかの実施形態において、この反応は、この反応混合物を酢酸ホルムアミジンと接触させることをさらに包含する。
いくつかの実施形態において、工程S−4は、式H−4の化合物を、ヒドロキシル基を脱離基LGに転換させる試薬と接触させ、これによって、式H−5の化合物を形成することを包含する。いくつかの実施形態において、LGはハロゲンである。いくつかの実施形態において、LGは塩素である。いくつかの実施形態において、LGはスルホネートである。いくつかの実施形態において、ヒドロキシル基をLGに転換させるために使用される試薬は、オキシ塩化リンである。いくつかの実施形態において、工程S−4は、溶媒中で行われる。いくつかの実施形態において、この溶媒はアセトニトリルである。いくつかの実施形態において、工程S−4は、さらなる溶媒を用いずに行われる。
工程S−5において、化合物H−5のLGの置換は、式H−6の化合物を与える。特定の実施形態において、工程S−5は、式H−5の化合物を式
Figure 2016505012

の化合物と接触させることを包含し;ここで
、R、環A、およびnは、上記および下記において定義されたとおりであり、そして本明細書中に記載されるようなクラスおよびサブクラスに入る。
いくつかの実施形態において、Lは、−O−および−NH−から選択され、その結果、開いた原子価を満たす水素と一緒になって、LHは、−OH基または−NH基を表す。いくつかの実施形態において、LHは−OHである。いくつかの実施形態において、LHは−NHである。
いくつかの実施形態において、nは0〜4である。いくつかの実施形態において、nは1〜4である。いくつかの実施形態において、nは1である。
いくつかの実施形態において、Rは−NRである。いくつかの実施形態において、Rはジメチルアミノである。いくつかの実施形態において、Rはモルホリノである。いくつかの実施形態において、環Aはピペリジンである。いくつかの実施形態において、環Aはシクロヘキシルである。
いくつかの実施形態において、工程S−5は、この反応混合物を塩基と接触させることを包含する。いくつかの実施形態において、この塩基はナトリウムビス(メチリルシリル)アミドである。いくつかの実施形態において、この反応は、溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態において、この溶媒はTHFである。
いくつかの実施形態において、工程S−6は、式H−6の化合物を式[Ar]−NHの化合物と接触させ、これによって、式H−7の化合物を形成ることを包含する。いくつかの実施形態において、工程S−6は、この反応混合物を塩基と接触させることを包含する。いくつかの実施形態において、工程S−6は、この反応混合物をパラジウム触媒と接触させることをさらに包含する。いくつかの実施形態において、[Ar]は、必要に応じて置換されたフェニル環またはヘテロ芳香環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、必要に応じて置換されたフェニル環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、必要に応じて置換されたヘテロ芳香環である。いくつかの実施形態において、[Ar]は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員〜6員のヘテロ芳香環である。
当業者は、本発明の化合物に存在する種々の官能基(例えば、脂肪族基、アルコール、カルボン酸、エステル、アミド、アルデヒド、ハロゲンおよびニトリル)が、当該分野において周知である技術(還元、酸化、エステル化、加水分解、部分酸化、部分還元、ハロゲン化、脱水、部分水和、および水和が挙げられるが、これらに限定されない)によって相互変換され得ることを理解する。「March’s Advanced Organic Chemistry」,第5版,編者:Smith,M.B.およびMarch,J.,John Wiley & Sons,New York:2001、その全体は本明細書中に参考として援用される。このような相互変換は、上記技術の内の1つまたは1つより多くを必要とし得、そして本発明の化合物を合成するための特定の方法は、以下の例示に記載される。
5.使用、処方および投与
薬学的に受容可能な組成物
別の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に受容可能な誘導体および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含有する、組成物を提供する。本発明の組成物中の化合物の量は、IRAKプロテインキナーゼまたはその変異体を、生物学的サンプル中または患者において、測定可能に阻害するために有効であるような量である。特定の実施形態において、本発明の組成物中の化合物の量は、IRAKプロテインキナーゼまたはその変異体を、生物学的サンプル中または患者において、測定可能に阻害するために有効であるような量である。特定の実施形態において、本発明の組成物は、このような組成物を必要とする患者への投与のために処方される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、患者への経口投与のために処方される。
用語「患者」とは、本明細書中で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトを意味する。
用語「薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクル」とは、それが一緒に処方される化合物の薬理活性を破壊しない、非毒性のキャリア、アジュバント、またはビヒクルをいう。本発明の組成物において使用され得る薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルとしては、イオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、ホスフェート)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸のグリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素蓋ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
「薬学的に受容可能な誘導体」とは、レシピエントに投与されると、直接または間接的のいずれかで、本発明の化合物またはその阻害活性代謝産物もしくは残渣を与えることができる、本発明の化合物の非毒性の塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「その代謝活性代謝産物または残渣」とは、その代謝産物または残渣が、IRAKプロテインキナーゼ、またはその変異体の阻害剤でもあることを意味する。
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸的に、経鼻的に、頬的に、膣的に、または移植されたレザバを介して、投与され得る。用語「非経口」は、本明細書中で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、滑液包内、胸骨内、鞘内、肝臓内、病変内、および頭蓋内の、注射技術または注入技術を包含する。好ましくは、これらの組成物は、経口投与、腹腔内投与、または静脈内投与される。本発明の組成物の滅菌注射可能形態は、水性または油性の懸濁物であり得る。これらの懸濁物は、当該分野において公知である技術に従って、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、処方され得る。滅菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口で受容可能な希釈剤または溶媒中の、滅菌注射可能な溶液または懸濁物(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒のうちでもとりわけ、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌固定油が、溶媒または懸濁媒として従来使用されている。
この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる、任意のブランドの固定油が使用され得る。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、天然の薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油の、特にそれらのポリオキシエチレン化バージョン)と同様に、注射可能物質の調製において有用である。これらの油溶液または油懸濁物はまた、長鎖アルコールの希釈剤または分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、または薬学的に受容可能な剤形(エマルジョンおよび懸濁剤が挙げられる)の処方において一般的に使用される類似の分散剤)を含有し得る。他の一般的に使用される界面活性剤(例えば、Tweens、Spansおよび薬学的に受容可能な固体、液体または他の剤形の製造において一般的に使用される他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤)もまた、処方の目的で使用され得る。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、任意の経口で受容可能な剤形(カプセル剤、錠剤、水性懸濁物または溶液が挙げられるが、これらに限定されない)で経口投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もまた、代表的に添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁物が経口使用のために必要とされる場合、その活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と合わせられる。所望であれば、特定の甘味剤、矯味矯臭剤または着色剤もまた、添加され得る。
あるいは、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらは、この剤を、室温では固体であるが直腸温度では液体であることにより、直腸内で融解して薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することによって、調製され得る。このような物質としては、カカオ脂、蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、処置の標的が局所適用により容易にアクセス可能な領域または器官を含む場合(眼、皮膚、または下方腸管の疾患が挙げられる)に特に、局所投与され得る。適切な局所処方物は、これらの領域または器官の各々について、容易に調製される。
下方腸管のための局所適用は、直腸坐剤処方物(上記を参照のこと)または適切な浣腸処方物で行われ得る。局所経皮パッチもまた使用され得る。
局所適用のために、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1種または1種より多くのキャリアに懸濁または分散した活性成分を含有する、適切な軟膏剤に処方され得る。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアとしては、鉱油、流動石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1種または1種より多くの薬学的に受容可能なキャリアに懸濁または溶解した活性成分を含有する、適切なローションまたはクリームに処方され得る。適切なキャリアとしては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステル蝋、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。
眼用途のために、提供される薬学的に受容可能な組成物は、等張性のpHを調整された滅菌生理食塩水中の微細化懸濁物として、または好ましくは、等張性のpHを調整された滅菌生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコニウムクロリドなどの防腐剤ありまたはなしのいずれかで、処方され得る。あるいは、眼用途のために、薬学的に受容可能な組成物は、ワセリンなどの軟膏剤中に処方され得る。
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。このような組成物は、製薬処方の分野において周知である技術に従って調製され、そして生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、ならびに/あるいは他の従来の可溶化剤または分散剤を使用して、調製され得る。
最も好ましくは、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口投与のために処方される。このような処方物は、食物を伴って投与されても伴わずに投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物を伴わずに投与される。他の実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物を伴って投与される。
単回剤形で処方物を製造するためにキャリア物質と合わせられ得る本発明の化合物の量は、処置される宿主、具体的な投与様式に依存して変わる。好ましくは、提供される組成物は、0.01mg/kg体重/日〜100mg/kg体重/日の投薬量の阻害剤が、これらの組成物を受ける患者に投与され得るように処方されるべきである。
任意の特定の患者についての具体的な投薬量および処置計画は、種々の要因(使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の時間、排出の速度、薬物の組み合わせ、ならびに処置する医師の判断および処置される特定の疾患の重篤度が挙げられる)に依存することもまた理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量はまた、その組成物中の特定の化合物に依存する。
化合物および薬学的に受容可能な組成物の使用
本明細書中に記載される化合物および組成物は、1種以上の酵素のキナーゼ活性の阻害のために、大いに有用である。
本明細書中に記載される化合物および組成物によって阻害され、そして本明細書中に記載される方法が有用である、キナーゼの例としては、キナーゼのインターロイキン−1レセプター関連キナーゼ(IRAK)ファミリーのものが挙げられ、このファミリのメンバーとしては、IRAK−1、IRAK−2、およびIRAK−4、またはその変異体が挙げられる。Liら.「IRAK−4:A novel member of the IRAK family with the properties of an IRAK−kinase」,PNAS 2002,99(8),5567−5572、Flanneryら.「The interleukin−1 receptor−associated kinases:Critical regulators of innate immune signaling」Biochem Pharm 2010,80(12),1981−1991は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
IRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体の阻害剤として本発明において利用される化合物の活性は、インビトロでか、インビボでか、または細胞系統においてアッセイされ得る。インビトロアッセイとしては、活性化したIRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体の、リン酸化活性および/もしくはその後の機能的結果、またはATPase活性のいずれかの阻害を決定する、アッセイが挙げられる。代替のインビトロアッセイは、阻害剤が、IRAK−1、IRAK−2および/またはIRAK−4に結合する能力を定量する。阻害剤の結合は、結合前にその阻害剤を放射標識し、阻害剤/IRAK−1、阻害剤/IRAK−2、または阻害剤/IRAK−4の複合体を単離し、そして結合した放射標識の量を決定することによって、測定され得る。あるいは、阻害剤の結合は、新規阻害剤が既知の放射標識に結合したIRAK−1、IRAK−2、および/またはIRAK−4と一緒にインキュベートされる、競合実験を行うことによって決定され得る。IRAK−4阻害剤をアッセイする際に有用な代表的なインビトロアッセイおよびインビボアッセイとしては、例えば、Kimら.「A critical role for IRAK4 kinase activity in Toll−like receptor−mediated innate immunity」,J.Exp.Med.2007 204(5),1025−1036;Lebakkenら.「A Fluorescence Lifetime Based Binding Assay to Characterize Kinase Inhibitors」,J.Biomol.Screen.2007,12(6),828−841;Mascheraら.「Overexpression of an enzymatically inactive interleukin−1−receptor−associated kinase activates nuclear factor−κB」,Biochem.J.1999,339,227−231;Songら.「The kinase activities of interleukin−e receptor associated kinase(IRAK)−1 and 4 are redundant in the control of inflammatory cytokine expression in human cells」,Mol.Immunol.2009,46,1458−1466(これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載および開示されているものが挙げられる。IRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体の阻害剤として本発明において利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例に記載されている。
IRAKファミリーの最もよく特徴付けされたメンバーは、セリン/トレオニンキナーゼIRAK−4である。IRAK−4は、Toll様レセプター(TLR)およびToll/IL−1レセプター(TIR)からの先天免疫応答のシグナル伝達に関与する。
先天免疫は、TLRが順応性免疫応答に結合する場合、TLRによる病原体関連分子パターンの認識によって、病原体を検出する。TLRは、微生物と内因性分子との両方の保存された構造を認識する。細菌成分および真菌成分を認識するTLRは、細胞表面に位置し、一方で、ウイルス核酸または微生物核酸を認識するTLRは、細胞内膜(例えば、エンドソームおよび食胞)に局在する。細胞表面のTLRは、小さい分子および抗体により標的化され得、一方で、細胞内TLRは、さらなるアプローチでの標的化を必要とする。
TLRは、複数の標的細胞内の炎症遺伝子の発現をアップレギュレートすることによって、先天免疫応答を媒介する。例えば、Senら.「Transcriptional signaling by double−stranded RNA: role of TLR3」,Cytokine & Growth Factor Rev.2005,16,1−14(その全体が参考として援用される)を参照のこと。TLR媒介性炎症応答は、先天免疫および宿主の感染に対する防禦のために必須であるが、制御されない炎症は、宿主に対して有害であり、敗血症ならびに慢性炎症性疾患(例えば、慢性関節炎、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、がん、自己免疫障害(例えば、慢性関節リウマチ、狼瘡、喘息、乾癬、および炎症性腸疾患))をもたらす。
リガンドに結合すると、ほとんどのTLRは、TIRドメインを介してアダプター分子MyD88を漸増させ、MyD88依存経路を媒介する。次いで、MyD88は、IRAK−4を補充し、IRAK−4は、核性因子−κB(NF−κB)カスケード、マイトジェン活性化プロテイン(MAP)キナーゼカスケードおよびインターフェロン調節因子カスケードに従事し、そして炎症誘発性サイトカインの誘導をもたらす。NF−κBの活性化は、炎症性サイトカインおよびケモカイン(例えば、TNF−α、IL−1α、IL−6およびIL−8)の誘導をもたらす。IRAK−4のキナーゼ活性は、TLR媒介性の免疫応答および炎症応答において、重要な役割を果たすことが示されている。IRAK4は、インターロイキン−1レセプター(IL−1R)、インターロイキン−18レセプター(IL−18R)、IL−33レセプター(IL−33R)、およびToll様レセプター(TLR)により調整される先天免疫応答の主要なメディエーターである。IRAK−1および/またはIRAK−4の活性の不活性化は、IL−1およびTLRリガンドの刺激に応答して、サイトカインおよびケモカインの低下した産生をもたらすことが示されている。例えば、Picardら.「Clinical features and outcome of patients with IRAK−4 and MyD88 deficiency」,Medicine(Baltimore),2010,89(6),043−25;Li,「IRAK4 in TLR/IL−1R signaling:Possible clinical applications」,Eur.J.Immunology 2008,38:614−618;Cohenら.「Targeting protein kinases for the development of anti−inflammatory drugs」,Curr.Opin.Cell Bio.2009,21:317−324;Flanneryら.「The interleukin−1 receptor−associated kinases:Critical regulators of innate immune signalling」,Biochem.Pharm.2010,80(12),1981−1991;Gottipatiら.「IRAK1:A critical signaling mediator of innate immunity」,Cellular Signaling 2008,20,269−276;Kimら.「A critical role for IRAK4 kinase activity in Toll−like receptor−mediated innate immunity」,J.Exp.Med.2007 204(5),1025−1036;Koziczak−Holbroら.「IRAK−4 Kinase Activity Is Required for Interleukin−1(IL−1)Receptor− and Toll−like Receptor 7−mediated Signaling and Gene Expression」,J.Biol.Chem.2007,282(18),13552−13560;Kubo−Muraiら.「IRAK−4−dependent Degradation of IRAK−1 is a Negative Feedback Signal for TLR−mediated NF−κB Activation」,J.Biochem.2008,143,295−302;Mascheraら.「Overexpression of an enzymatically inactive interleukin−1−receptor−associated kinase activates nuclear factor−κB」,Biochem.J.1999,339,227−231;Linら.「Helical assembly in the MyD88−IRAK4−IRAK2 complex in TLR /IL−1R signalling」,Nature 2010,465(17),885−891;Suzukiら.「IRAK−4 as the central TIR signaling mediator in innate immunity」,TRENDS in Immunol.2002,23(10),503−506;Suzukiら.「Severe impairment of interleukin−1 and Toll−like receptor signalling in mice lacking IRAK−4」,Nature 2002,416,750−754;Swantekら.「IL−1 Receptor−Associated Kinase Modulates Host Responsiveness to Endotoxin」,J.Immunol.2000,164,4301−4306;Hennessy,E.,ら.「Targeting Toll−like receptors: emerging therapeutics?」Nature Reviews,第9巻,pp:293−307(2010);Dinarello,C.「Interleukin−18 and the Pathogenesis of Inflammatory Diseases」,Seminars in Nephrology,第27巻,第1号,pp:98−114(2007)(これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。実際に、触媒的に不活性な変異体IRAK−4タンパク質を発現するノックダウンマウスは、敗血症性ショックに対して完全に抵抗性であり、そして損なわれたIL−1活性を示す。さらに、これらのマウスは、関節炎モデルにおいて、関節および骨の炎症/破壊に対して抵抗性であり、このことは、IRAK−4が、慢性炎症を処置するために標的化され得ることを示唆する。さらに、IRAK−4は、数種の化膿菌に対する小児の炎症のために必須であるようであるが、成人においては、IRAK−4活性を欠く14歳より高齢の患者が侵襲性感染を示さなかった1つの研究によって実証されるように、ほとんどの感染に対する保護免疫において冗長な役割を果たすことが示されている。Cohenら.「Targeting protein kinases for the development of anti−inflammatory drugs」,Curr.Opin.Cell Bio.2009,21:317−324;Kuら.「Selective predisposition to bacterial infections in IRAK−4−deficient children:IRAK−4−dependent TLRs are otherwise redundant in protective immunity」,J.Exp.Med.2007,204(10),2407−2422;Picardら.「Inherited human IRAK−4 deficiency:an update」,Immunol.Res.2007,38,347−352;Songら.「The kinase activities of interleukin−e receptor associated kinase(IRAK)−1 and 4 are redundant in the control of inflammatory cytokine expression in human cells」,Mol.Immunol.2009,46,1458−1466;Rokosz,L.ら.「Kinase inhibitors as drugs for chronic inflammatory and immunological diseases: progress and challenges」,Expert Opinions on Therapeutic Targets,12(7),pp:883−903(2008);Gearing,A.「Targeting toll−like receptors for drug development:a summary of commercial approaches」,Immunology and Cell Biology,85,pp:490−494(2007);Dinarello,C.「IL−1:Discoveries,controversies and future directions」,European Journal of Immunology,40,pp:595−653(2010)、これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。TLR活性化は、IRAK−4キナーゼ活性を誘発するので、IRAK−4阻害は、無数の疾患における炎症の根底のある原因を処置するための、魅力的な標的を提供する。
代表的なIRAK−4阻害剤としては、例えば、Buckleyら,Bioorg.Med.Chem.Lett.2008,18,3211−3214;Buckleyら,Bioorg.Med.Chem.Lett.2008,18,3291−3295;Buckleyら,Bioorg.Med.Chem.Lett.2008,18,3656−3660;Powersら.「Discovery and initial SAR of inhibitors of interleukin−1 receptor−associated kinase−4」,Bioorg.Med.Chem.Lett.2006,16,2842−2845;Wngら.「IRAK−4 Inhibitors for Inflammation」,Curr.Topics in Med.Chem.2009,9,724−737(これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載および開示されているものが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「処置(treatment)」、「処置する(treat)」、および「処置する(treating)」とは、本明細書中に記載されるような、疾患または障害、あるいはその1つまたは1つより多くの症状の、逆転、軽減、発症の遅延、または進行の阻害をいう。いくつかの実施形態において、処置は、1つまたは1つより多くの症状が発症した後に施され得る。他の実施形態において、処置は、症状の非存在下で施され得る。例えば、処置は、症状の発症前に、感受性の個体に施され得る(例えば、症状の病歴を考慮して、そして/または遺伝因子もしくは他の感受性因子を考慮して)。処置はまた、症状が消散した後に、例えば、その症状の再発を予防するかまたは遅延させるために、続けられ得る。
提供される化合物は、IRAK−1、IRAK−2、および/またはIRAK−4のうちの1つまたは1つより多くの阻害剤であるので、IRAK−1、IRAK−2、および/またはIRAK−4のうちの1つまたは1つより多くの活性に関連する1つまたは1つより多くの障害を処置するために有用である。従って、特定の実施形態において、本発明は、IRAK−1媒介性、IRAK−2媒介性、および/またはIRAK−4媒介性の障害を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含する。
本明細書中で使用される場合、用語「IRAK−1媒介性」、「IRAK−2媒介性」、および/または「IRAK−4媒介性」の障害、疾患、および/または状態とは、本明細書中で使用される場合、IRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体のうちの1つまたは1つより多くが役割を果たすことが既知である、任意の疾患または他の有害な状態を意味する。従って、本発明の別の実施形態は、IRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体のうちの1つまたは1つより多くが役割を果たすことが既知である、1つまたは1つより多くの疾患を処置するか、またはその疾患の重篤度を低下させることに関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、1つまたは1つより多くの障害、疾患、および/または状態を処置する方法を提供し、この障害、疾患、または状態は、がん、神経変性障害、ウイルス性疾患、自己免疫疾患、炎症性障害、遺伝性障害、ホルモン関連疾患、代謝障害、器官移植に関連する状態、免疫不全障害、破壊性骨障害、増殖性障害、感染症、細胞死に関連する状態、トロンビン誘導性血小板凝集、肝臓疾患、T細胞活性化が関与する病的免疫状態、心臓血管障害、またはCNS障害である。
本発明の方法によって処置可能な疾患および状態としては、患者における、がん(例えば、Ngo,V.ら.「Oncogenically active MYD88 mutations in human lymphoma」,Nature,第000巻,pp:1−7(2010);Lust,J.ら.「Induction of a Chronic Disease State in patients With Smoldering of Indolent Multiple Myeloma by Targeting Interleukin 1s−Induced Interleukin 6 Production and the Myeloma Proliferative Component」,Mayo Clinic Proceedings,84(2),pp:114−122(2009)を参照のこと)、糖尿病、心臓血管疾患、ウイルス性疾患、自己免疫疾患(例えば、狼瘡(例えば、Dinarello,C.「Interleukin−18 and the Pathogenesis of Inflammatory Diseases」,Seminars in Nephrology,第27巻,第1号,pp:98−114(2007);Cohenら.「Targeting protein kinases for the development of anti−inflammatory drugs」,Curr.Opin.Cell Bio.2009,21:317−324を参照のこと)および慢性関節リウマチ(例えば、Geyer,M.ら.「Actual status of antiinterleukin−1 therapies in rheumatic diseases」,Current Opinion in Rheumatology,22,pp:246−251(2010)を参照のこと)、自己炎症性症候群(例えば、Hoffman,H.ら.「Efficacy and Safety of Rilonacept(Interleukin−1 Trap)in Patients with Cryopyrin−Associated Periodic Syndromes」,Arthritis & Rheumatism,第58巻,第8号,pp:2443−2452(2008)を参照のこと)、アテローム性動脈硬化症、乾癬、アレルギー性障害、炎症性腸疾患(例えば、Cario,E.「Therapeutic Impact of Toll−like Receptors on Inflammatory Bowel Diseases:A Multiple−edged Sword」,Inflamm.Bowel Dis.,14,pp:411−421(2008)を参照のこと)、炎症(例えば、Dinarello,C.「Interleukin 1 and interleukin 18 as mediators of inflammation and the aging process」,The American Journal of Clinical Nutrition,83,pp:447S−455S(2006)を参照のこと)、急性痛風および慢性痛風および痛風性関節炎(例えば、Terkeltaub,R.「Update on gout:new therapeutic strategies and options」,Nature,第6巻,pp:30−38(2010);Weaver,A.「Epidemiology of gout」,Cleveland Clinic Journal of Medicine,第75巻,補遺5,pp:S9−S12(2008);Dalbeth,N.ら.「Hyperuricaemia and gout:state of the art and future perspectives」,Annals of Rheumatic Diseases,69,pp:1738−1743(2010);Martinon,F.ら.「Gout−associated uric acid crystals activate the NALP3 inflammasome」,Nature,第440巻,pp:237−241(2006);So,A.ら.「A pilot study of IL−1 inhibition by anakinra in acute gout」,Arthritis Research & Therapy,第9巻,第2号,pp:1−6(2007);Terkeltaub,R.ら.「The interleukin 1 inhibitor rilonacept in treatment of chronic gouty arthritis: results of a placebo−controlled,monosequence crossover,non−randomised,single−blind pilot study」,Annals of Rheumatic Diseases,68,pp:1613−1617(2009);Torres,R.ら.「Hyperalgesia, synovitis and multiple biomarkers of inflammation are suppressed by interleukin 1 inhibition in a novel animal model of gouty arthritis」,Annals of Rheumatic Diseases,68,pp:1602−1608(2009)を参照のこと)、神経障害、代謝症候群(例えば、Troseid,M.「The role of interleukin−18 in the metabolic syndrome」,Cardiovascular Diabetology,9:11,pp:1−8(2010)を参照のこと)、免疫不全障害(例えば、AIDSおよびHIV)(例えば、Iannello,A.ら.「Role of Interleukin−18 in the Development and Pathogenesis of AIDS」,AIDS Reviews,11,pp:115−125(2009)を参照のこと)、破壊性骨障害(例えば、Hennessy,E.,ら.「Targeting Toll−like receptors: emerging therapeutics?」Nature Reviews,第9巻,pp:293−307(2010)を参照のこと)、変形性関節症、増殖性障害、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(例えば、Treon,ら.「Whole genome sequencing reveals a widely expressed mutation(MYD88 L265P)with oncogenic activity in Waldenstroem’s Macroglobulinemia」第53回ASH Annual Meeting;Xu,ら.「A somatic variant in MYD88(L256P)revealed by whole genome sequencing differentiates lymphoplasmacytic lymphoma from marginal zone lymphomas」第53回ASH Annual Meeting;Yangら.「Disruption of MYD88 pathway signaling leads to loss of constitutive IRAK1,NK−kB and JAK/STAT signaling and induces apoptosis of cells expressing the MYD88 L265P mutation in Waldenstroem’s Macroglobulinemia」第53回ASH Annual Meeting;Iriyamaら.「Clinical significance of genetic mutations of CD79B,CARD11,MYD88,and EZH2 genes in diffuse large B−cell lymphoma patients」第53回ASH Annual Meetingを参照のこと);感染症、細胞死に関連する状態、T細胞活性化が関与する病的免疫状態、ならびにCNS障害が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、ヒト患者が、本発明の化合物および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルで処置され、ここでこの化合物は、IRAK−1単独、IRAK−2単独、IRAK−4単独、および/またはIRAK1とIRAK4とのキナーゼ活性を、測定可能に阻害する量で存在する。
本発明の化合物は、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、***、胃、胃腫瘍、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、子宮頚部、精巣、尿生殖路、食道、喉頭、皮膚、骨もしくは甲状腺の、良性もしくは悪性の腫瘍、固形腫瘍、癌腫;肉腫、グリア芽細胞腫、神経芽細胞腫、多発性骨髄腫、胃腸がん(特に、結腸癌もしくは結腸腺腫)、頭頚部腫瘍、表皮過剰増殖、乾癬、前立腺過形成、新形成、上皮特徴の新形成、腺腫、腺癌、角化棘細胞腫、類表皮癌、大細胞癌、非小細胞性肺癌、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、乳癌、濾胞状癌、未分化癌、乳頭状癌、セミノーマ、黒色腫、IL−1により駆動される障害(IL−1 driven disorder)、MyD88により駆動される障害(MyD88 driven disorder)、無痛性多発性骨髄腫のくすぶり、または血液学的悪性腫瘍(白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、ABC DLBCL、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性リンパ性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、脾臓辺縁層リンパ腫、多発性骨髄腫、プラスマ細胞腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫が挙げられる)から選択される増殖性疾患の処置において有用である。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る増殖性疾患は、MyD88により駆動される障害である。いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る、MyD88により駆動される障害は、ABC DLBCL、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、原発性皮膚T細胞リンパ腫および慢性リンパ性白血病から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る増殖性疾患は、IL−1により駆動される障害である。いくつかの実施形態において、このIL−1により駆動される障害は、無痛性多発性骨髄腫のくすぶりである。
本発明による化合物は、炎症性疾患または閉塞性気道疾患の処置において有用である(例えば、組織損傷、気道炎症、気管支過活動、疾患進行の再造形の減少をもたらす)。本発明が応用可能である炎症性または閉塞性の気道疾患としては、あらゆる型および発生の喘息(内因性(非アレルギー性)喘息と外因性(アレルギー性)喘息との両方、中程度(mild)喘息、中等度(moderate)喘息、重篤な喘息、気管支炎性喘息、運動により惹起される喘息、職業性喘息および細菌感染後に誘導される喘息を含む)が挙げられる。喘息の処置はまた、喘鳴症状を示し「喘鳴乳児」(主要な医療懸念の患者の確立されたカテゴリーであり、現在しばしば、初期または早期の喘息患者であると識別される)であると診断されたかまたは診断され得る被験体(例えば、4歳未満または5歳未満)の抱擁処置(embracing treatment)であると理解されるべきである。
本発明による化合物は、異種免疫疾患の処置において有用である。このような異種免疫疾患の例としては、対宿主性移植片病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー(例えば、植物の花粉、ラテックス、薬物、食物、昆虫の毒、動物の毛、動物のふけ、イエダニ、またはゴキブリ腎杯(cockroach calyx)に対するアレルギー)、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、およびアトピー性皮膚炎が挙げられるが、これらに限定されない。
喘息の処置における予防効力は、症候性発作(例えば、急性喘息または気管支収縮性発作)の低下した頻度または重篤度、肺機能の改善あるいは改善した気道過活動により証明される。この予防効力はさらに、他の対症療法(例えば、症候性発作が起こった場合のその症候性発作の拘束または頓挫を目的とするかまたは意図する治療(例えば、抗炎症または気管支拡張))の必要性の減少により証明され得る。喘息における予防の利点は、「朝の落ち込み」を起こしやすい被験体において、特に明らかであり得る。「朝の落ち込み」は、かなりの割合の喘息に一般的であり、喘息発作(例えば、およそ午前4時〜6時の間の時間、すなわち、通常、先に施された任意の喘息の対症療法からかなり離れた時間)により特徴付けられる、認識された喘息の症候群である。
本発明の化合物は、本発明が適用可能である、他の炎症性または閉塞性の気道疾患および状態のために使用され得、これらの疾患および状態としては、急性肺損傷(ALI)、成人/急性呼吸促進症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺(pulmonary)疾患、慢性閉塞性気道疾患または慢性閉塞性肺(lung)疾患(COPD、COADまたはCOLD)(それに関連する慢性気管支炎または呼吸困難を含む)、気腫、ならびに他の薬物治療(特に、他の吸入薬物治療)の結果の気道の過活動の増悪が挙げられる。本発明はまた、あらゆる型または発生の気管支炎(急性、アラキン酸、カタル性、クループ様、慢性または衰弱の気管支炎が挙げられるが、これらに限定されない)の処置に適用可能である。本発明が適用可能であるさらなる炎症性または閉塞性の気道疾患としては、あらゆる型または発生の塵肺症(慢性であれ急性であれ、気道の閉塞を頻繁に伴い、粉塵の繰り返しの吸入により発症する、炎症性の一般的に職業的な肺の疾患)(例えば、アルミニウム肺症、炭粉症、石綿沈着症、石粉症、ダチョウ肺塵症、鉄症、珪肺症、タバコ中毒症および綿肺症が挙げられる)が挙げられる。
抗炎症活性に関して、特に、好酸球活性化の阻害に関連して、本発明の化合物はまた、好酸球関連障害(例えば、好酸球増加症、特に、気道の好酸球関連障害(例えば、肺組織の病的な好酸球性浸潤が関与する)(気道および/または肺に影響を与える場合の過好酸球増加症が挙げられる)、ならびに例えば、レフラー症候群、好酸球性肺炎、寄生生物性(特に、後生動物の)インフェステーション(熱帯性好酸球増加症が挙げられる)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発性動脈炎(チャーグ−ストラウス症候群が挙げられる)、好酸球性肉芽腫、および薬物反応により引き起こされる気道を冒す好酸球関連障害)の結果であるかまたは同時に存在する、気道の好酸球関連障害の処置において有用である。
本発明の化合物はまた、皮膚の炎症状態またはアレルギー状態(例えば、乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、尋常性ざ瘡)、および皮膚の他の炎症状態またはアレルギー状態の処置において有用である。
本発明の化合物はまた、他の疾患または状態(例えば、炎症成分を有する疾患または状態)の処置(例えば、目の疾患および状態(例えば、眼のアレルギー、結膜炎、乾性角結膜炎、および春季結膜炎)、鼻に影響を与える疾患(アレルギー性鼻炎が挙げられる)、ならびに自己免疫反応が関与するか、または自己免疫成分もしくは病因を有する炎症性疾患(自己免疫性血液学的障害(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、赤芽球ろうおよび突発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、多発性軟骨炎、強皮症、ヴェーゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スチーブン−ジョンソン症候群、突発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性結腸炎およびクローン病)、過敏性腸管症候群、セリアック病、歯周炎、硝子膜症、腎疾患、糸球体疾患、アルコール性肝臓疾患、多発性硬化症、内分泌性眼障害、グレーヴズ病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺臓炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部および後部)、シェーグレン症候群、乾性角結膜炎および春季カタル、間質性肺線維症、乾癬性関節炎、全身性若年性突発性関節炎、クリオピリン関連周期性症候群、腎炎、血管炎、憩室炎、間質性膀胱炎、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群(例えば、突発性ネフローゼ症候群もしくは微小変化型腎症(minal change nephropathy)が挙げられる)を伴うものおよび伴わないもの)、慢性肉芽腫症、子宮内膜症、レプトスピラ症 腎疾患、緑内障、網膜疾患、加齢、頭痛、疼痛、複合性局所疼痛症候群、心臓肥大、筋肉消耗(musclewasting)、異化障害(catabolic disorder)、肥満症、胎児成長遅滞、高コレステロール血症、心臓病、慢性心不全、中皮腫、無発汗性外胚葉性形成異常、ベーチェット病、色素失調症、パジェット病、膵臓炎、遺伝性周期熱症候群、喘息(アレルギー性および非アレルギー性、中程度、中等度、重篤、気管支炎性、および運動により惹起)、急性肺損傷、急性呼吸促迫症候群、好酸球増加症、過敏症、アナフィラキシー、副鼻腔炎、眼のアレルギー、シリカにより誘導される疾患、COPD(損傷の減少、気道炎症、気管支過活動、再造形もしくは疾患進行)、肺疾患、嚢胞性線維症、酸により誘導される肺損傷、肺高血圧症、多発性神経障害、白内障、全身性硬化症に関連する筋肉の炎症、封入体筋炎、重症筋無力症、甲状腺炎、アディソン病、扁平苔癬、1型糖尿病、もしくは2型糖尿病、虫垂炎、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚管炎、胆管炎、胆嚢炎、慢性移植片拒絶、大腸炎、結膜炎、クローン病、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、外上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、ヘーノホ−シェーンライン紫斑病、肝炎、汗腺膿瘍、免疫グロブリンA腎症、間質性肺疾患、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎 心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、肺炎、多発性筋炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、耳管炎、静脈洞炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、潰瘍性結腸炎、ブドウ膜炎、膣炎、腱鞘炎、鞘膜炎、血管炎、もしくは外陰炎が挙げられる)の処置)のために使用され得る。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る炎症性疾患は、皮膚の疾患である。いくつかの実施形態において、この皮膚の炎症性疾患は、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、および皮膚の他の炎症状態またはアレルギー状態から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る炎症性疾患は、急性痛風および慢性痛風、慢性痛風性関節炎、乾癬、乾癬性関節炎、慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性若年性突発性関節炎(SJIA)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、ならびに変形性関節症から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る炎症性疾患は、TH17媒介性疾患である。いくつかの実施形態において、このTH17媒介性疾患は、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病または潰瘍性結腸炎が挙げられる)から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る炎症性疾患は、シェーグレン症候群、アレルギー性障害、変形性関節症、目の状態(例えば、眼のアレルギー、結膜炎、乾性角結膜炎および春季結膜炎)、ならびに鼻に影響を与える疾患(例えば、アレルギー性鼻炎)から選択される。
本発明の方法によって処置され得る心臓血管疾患としては、再狭窄、心臓肥大、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、虚血性発作、うっ血性心不全、狭心症、血管形成術後の再閉塞、血管形成術後の再狭窄、大動脈冠状動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠状動脈バイパス後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性疾患、肺動脈塞栓症、および深部静脈血栓症が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によって処置され得る神経変性疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンティングトン病、脳虚血、ならびに外傷、グルタミン酸神経毒性、低酸素症、癲癇、糖尿病の処置、代謝症候群、肥満症、器官移植および対宿主性移植片病により引き起こされる神経変性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
IRAK4機能の損失は、アルツハイマー病のインビボマウスモデルにおいて、低下したAβレベルをもたらし、そして高齢マウスにおいて、低下した小神経膠細胞症およびアストログリオーシスに関連した。成体マウス脳から単離した小神経膠細胞の分析は、小神経膠細胞表現型を支配するIRF転写因子の発現に関連する、小神経膠細胞表現型の変化に関連する遺伝子発現の変化したパターンを明らかにした。さらに、IRAK4機能の損失はまた、アミロイドクリアランス機構(インスリン分解酵素の上昇した発現を含む)を促進した。最後に、IRAK機能の遮断は、嗅覚の挙動を修復した(Cameronら.「Loss of Interleukin Receptor−Associated Kinase 4 Signaling Suppresses Amyloid Pathology and Alters Microglial Phenotype in a Mouse Model of Alzheimer’s Disease」Journal of Neuroscience(2012)32(43),15112−15123)。
いくつかの実施形態において、本発明は、アルツハイマー病を処置するか、予防するか、またはその重篤度を低下させる方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは組成物を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に移植に関連して起こる疾患または状態を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、一般に移植に関連して起こる疾患または状態は、器官移植、器官移植拒絶、および対宿主性移植片病から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、代謝病を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、この代謝病は、1型糖尿病、2型糖尿病、代謝症候群、および肥満症から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、ウイルス性疾患を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、ウイルス感染は、HIV感染である。
さらに、本発明は、本明細書中の定義による化合物、あるいはその薬学的に受容可能な塩、または水和物もしくは溶媒和物の、増殖性疾患、炎症性疾患、閉塞性呼吸疾患、心臓血管疾患、代謝病、神経学的疾患、神経変性疾患、ウイルス性疾患、または移植に関連して一般におこる障害の処置のための医薬の調製のための使用を提供する。
併用療法
処置されるべき特定の状態または疾患に依存して、その状態を処置するために通常投与されるさらなる治療剤が、本発明の化合物および組成物と組み合わせて投与され得る。本明細書中で使用される場合、特定の疾患または状態を処置するために通常投与されるさらなる治療剤は、「処置される疾患または状態のために適切である」として公知である。
特定の実施形態において、提供される組み合わせ物またはその組成物は、別の治療剤と組み合わせて投与される。
本発明の組み合わせ物がまた組み合わせられ得る剤の例としては、限定されないが:アルツハイマー病の処置剤(例えば、アリセプト(登録商標)およびExcelon(登録商標));HIVの処置剤(例えば、リトナビル);パーキンソン病の処置剤(例えば、L−DOPA/カルビドパ、エンタカポン(entacapone)、ロピニロール(ropinrole)、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキシフェニジル(trihexephendyl)、およびアマンタジン;多発性硬化症(MS)を処置するための剤(例えば、βインターフェロン(例えば、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標))、Copaxone(登録商標)、およびミトザントロン);喘息の処置剤(例えば、アルブテロールおよびSingulair(登録商標));精神***病を処置するための剤(例えば、ジプレクサ(zyprexa)、リスパダール、リスパダール、およびハロペリドール);抗炎症剤(例えば、コルチコステロイド、TNF遮断薬、IL−1 RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびスルファサラジン);免疫調節剤および免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、およびスルファサラジン);神経栄養因子(例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾール、および抗パーキンソン病剤);心臓血管疾患を処置するための剤(例えば、β−遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、ニトレート、カルシウムチャネル遮断薬、およびスタチン);肝臓疾患を処置するための剤(例えば、コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、および抗ウイルス剤);血液障害を処置するための剤(例えば、コルチコステロイド、抗白血病剤、増殖因子および成長因子);薬物速度論を延長または改善する剤(例えば、シトクロムP450阻害剤(すなわち、代謝分解の阻害剤)およびCYP3A4阻害剤(例えば、ケトコナゾール(ketokenozole)およびリトナビル))、ならびに免疫不全障害を処置するための剤(例えば、γグロブリン)が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の併用療法またはその薬学的に受容可能な組成物は、モノクローナル抗体またはsiRNA治療剤と組み合わせて投与される。
これらのさらなる剤は、提供される併用療法とは別に、複数投薬計画の一部として投与され得る。あるいは、これらの剤は、本発明の化合物と単一投薬組成物として混合された、単一剤形の一部であり得る。複数投薬計画の一部として投与される場合、これらの2つの活性剤は、同時にか、順番にか、または互いからある期間以内で(通常、互いから5時間以内で)与えられ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「組み合わせ」、「組み合わせられた」、および関連する用語は、本発明による複数の治療剤の同時または順番の投与をいう。例えば、本発明の組み合わせ物は、別の治療剤と、同時にか、別々の単位剤形中で順番にか、または単一の単位剤形中で一緒に投与され得る。
本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性剤として含有する組成物中で通常投与される量より多くない。好ましくは、本開示の組成物中のさらなる治療剤の量は、その剤を唯一の治療上活性な剤として含有する組成物中に通常存在する量の、約50%〜100%の範囲である。
1つの実施形態において、本発明は、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を含有する組成物を提供する。この治療剤は、式Iの化合物と一緒に投与され得るか、または式Iの化合物の投与前もしくは投与後に投与され得る。適切な治療剤は、以下にさらに詳細に記載される。特定の実施形態において、式Iの化合物は、この治療剤の5分前、10分前、15分前、30分前、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、6時間前、7時間前、8時間前、9時間前、10時間前、11時間前、12時間前、13時間前、14時間前、15時間前、16時間前、17時間前、または18時間前までに投与され得る。他の実施形態において、式Iの化合物は、この治療剤の5分後、10分後、15分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、7時間後、8時間後、9時間後、10時間後、11時間後、12時間後、13時間後、14時間後、15時間後、16時間後、17時間後、または18時間後までに投与され得る。
別の実施形態において、本発明は、炎症性の疾患、障害または状態を、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与することによって処置する方法を提供する。このようなさらなる治療剤は、低分子または組換え生物学的剤であり得、そして例えば、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(登録商標))およびセレコキシブ)、コルヒチン(Colcrys(登録商標))、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、およびヒドロコルチゾンなど)、プロベネシド、アロプリノール、フェブキソスタット(febuxostat)(Uloric(登録商標))、スルファサラジン(Azulfidine(登録商標))、抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(登録商標))およびクロロキン(Aralen(登録商標)))、メトトレキサート(Rheumatrex(登録商標))、金塩(例えば、金チオグルコース(Solganal(登録商標))、チオリンゴ酸金(Myochrysine(登録商標))およびオーラノフィン(Ridaura(登録商標)))、D−ペニシラミン(Depen(登録商標)もしくはCuprimine(登録商標))、アザチオプリン(Imuran(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))、レフルノミド(Arava(登録商標))および「抗−TNF」剤(例えば、エタネルセプト(エンブレル(登録商標))、インフリキシマブ(レミケード(登録商標))、ゴリムマブ(golimumab)(Simponi(登録商標))、セルトリズマブペゴール(certolizumab pegol)(Cimzia(登録商標))およびアダリムマブ(adalimumab)(Humira(登録商標)))、「抗IL−1」剤(例えば、アナキンラ(anakinra)(Kineret(登録商標))およびリロナセプト(rilonacept)(Arcalyst(登録商標)))、カナキヌマブ(canakinumab)(Ilaris(登録商標))、抗Jak阻害剤(例えば、トファシチニブ(tofacitinib))、抗体(例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)))、「抗T細胞」剤(例えば、アバタセプト(abatacept)(Orencia(登録商標)))、「抗IL−6」剤(例えば、トシリズマブ(アクテムラ(登録商標)))、ジクロフェナク、コルチゾン、ヒアルロン酸(Synvisc(登録商標)もしくはHyalgan(登録商標))、モノクローナル抗体(例えば、タネズマブ(tanezumab))、抗凝固薬(例えば、ヘパリン(Calcinparine(登録商標)もしくはLiquaemin(登録商標))およびワルファリン(Coumadin(登録商標)))、下痢止め薬(例えば、ジフェノキシラート(Lomotil(登録商標))およびロペラミド(Imodium(登録商標)))、胆汁酸結合剤(例えば、コレスチラミン)、アロセトロン(alosetron)(Lotronex(登録商標))、ルビプロストン(lubiprostone)(Amitiza(登録商標))、緩下薬(例えば、マグネシアミルク、ポリエチレングリコール(MiraLax(登録商標))、Dulcolax(登録商標)、Correctol(登録商標)およびSenokot(登録商標))、抗コリン作用薬もしくは鎮痙薬(例えば、ジシクロミン(Bentyl(登録商標)))、Singulair(登録商標)、β−2アゴニスト(例えば、アルブテロール(Ventolin(登録商標)HFA、Proventil(登録商標)HFA)、レバルブテロール(levalbuterol)(Xopenex(登録商標))、メタプロテレノール(Alupent(登録商標))、酢酸ピルブテロール(Maxair(登録商標))、硫酸テルブタリン(Brethaire(登録商標))、キシナホ酸サルメテロール(セレベント(登録商標))およびフォルモテロール(Foradil(登録商標)))、抗コリン作用剤(例えば、イプラトロピウムブロミド(Atrovent(登録商標))およびチオトロピウム(スピリーバ(登録商標)))、吸入用コルチコステロイド(例えば、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(Beclovent(登録商標)、Qvar(登録商標)、およびVanceril(登録商標))、トリアムシノロンアセトニド(Azmacort(登録商標))、モメタゾン(Asthmanex(登録商標))、ブデソニド(Pulmocort(登録商標))、ならびにフルニソリド(Aerobid(登録商標)))、Afviar(登録商標)、Symbicort(登録商標)、Dulera(登録商標)、クロモリンナトリウム(Intal(登録商標))、メチルキサンチン(例えば、テオフィリン(Theo−Dur(登録商標)、Theolair(登録商標)、Slo−bid(登録商標)、Uniphyl(登録商標)、Theo−24(登録商標))およびアミノフィリン)、IgE抗体(例えば、オマリズマブ(omalizumab)(Xolair(登録商標)))、ヌクレオシド逆トランスクリプターゼ阻害剤(例えば、ジドブジン(Retrovir(登録商標))、アバカビル(Ziagen(登録商標))、アバカビル/ラミブジン(Epzicom(登録商標))、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン(Trizivir(登録商標))、ジダノシン(ヴァイデックス(登録商標))、エムトリシタビン(エムトリバ(登録商標))、ラミブジン(エピビル(登録商標))、ラミブジン/ジドブジン(コンビビル(登録商標))、スタブジン(stavudine)(ゼリット(登録商標))、およびザルシタビン(ハイビッド(登録商標)))、非ヌクレオシド逆トランスクリプターゼ阻害剤(例えば、デラビルジン(レスクリプター(登録商標))、エファビレンツ(Sustiva(登録商標))、ネビラピン(ビラミューン(登録商標))およびエトラビリン(etravirine)(Intelence(登録商標)))、ヌクレオチド逆トランスクリプターゼ阻害剤(例えば、テノホビル(ビリアード(登録商標)))、プロテアーゼ阻害剤(例えば、アンプレナビル(amprenavir)(Agenerase(登録商標))、アタザナビル(レイアタッツ(登録商標))、ダルナビル(darunavir)(Prezista(登録商標))、ホスアンプレナビル(レクシヴァ(登録商標))、インジナビル(クリキシバン(登録商標))、ロピナビル(lopinavir)およびリトナビル(カレトラ(登録商標))、ネルフィナビル(ビラセプト(登録商標))、リトナビル(ノービア(登録商標))、サキナビル(フォートベイス(登録商標)もしくはインビラーゼ(登録商標))、ならびにチプラナビル(tipranavir)(Aptivus(登録商標)))、侵入阻害剤(entry inhibitor)(例えば、エンフビルチド(enfuvirtide)(Fuzeon(登録商標))およびマラビロク(maraviroc)(Selzentry(登録商標)))、インテグラーゼ阻害剤(例えば、ラルテグラビル(raltegravir)(Isentress(登録商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、ボルテゾミブ(bortezomib)(Velcade(登録商標))、およびデキサメタゾン(Decadron(登録商標))の、レナリドミド(lenalidomide)(Revlimid(登録商標))と組み合わせたもの)、あるいはこれらの任意の組み合わせ物(単数または複数)が挙げられる。
別の実施形態において、本発明は、痛風を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(登録商標))およびセレコキシブ)、コルヒチン(Colcrys(登録商標))、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、およびヒドロコルチゾンなど)、プロベネシド、アロプリノールならびにフェブキソスタット(Uloric(登録商標))から選択される。
別の実施形態において、本発明は、慢性関節リウマチを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(登録商標))およびセレコキシブ)、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、およびヒドロコルチゾンなど)、スルファサラジン(Azulfidine(登録商標))、抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(登録商標))およびクロロキン(Aralen(登録商標)))、メトトレキサート(Rheumatrex(登録商標))、金塩(例えば、金チオグルコース(Solganal(登録商標))、チオリンゴ酸金(Myochrysine(登録商標))およびオーラノフィン(Ridaura(登録商標)))、D−ペニシラミン(Depen(登録商標)またはCuprimine登録商標))、アザチオプリン(Imuran(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))、レフルノミド(Arava(登録商標))ならびに「抗TNF」剤(例えば、エタネルセプト(エンブレル(登録商標))、インフリキシマブ(レミケード(登録商標))、ゴリムマブ(Simponi(登録商標))、セルトリズマブペゴール(Cimzia(登録商標))およびアダリムマブ(Humira(登録商標)))、「抗IL−1」剤(例えば、アナキンラ(Kineret(登録商標))およびリロナセプト(Arcalyst(登録商標)))、抗体(例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)))、「抗T細胞」剤(例えば、アバタセプト(Orencia(登録商標)))ならびに「抗IL−6」剤(例えば、トシリズマブ(アクテムラ(登録商標)))から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、変形性関節症を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(登録商標))およびセレコキシブ)、ジクロフェナク、コルチゾン、ヒアルロン酸(Synvisc(登録商標)またはHyalgan(登録商標))ならびにモノクローナル抗体(例えば、タネズマブ)から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、狼瘡を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(登録商標))およびセレコキシブ)、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、およびヒドロコルチゾンなど)、抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(登録商標))およびクロロキン(Aralen(登録商標)))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、メトトレキサート(Rheumatrex(登録商標))、アザチオプリン(Imuran(登録商標))ならびに抗凝固薬(例えば、ヘパリン(Calcinparine(登録商標)またはLiquaemin(登録商標))およびワルファリン(Coumadin(登録商標)))から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、炎症性腸疾患を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、メサラミン(mesalamine)(Asacol(登録商標))スルファサラジン(Azulfidine(登録商標))、下痢止め薬(例えば、ジフェノキシラート(Lomotil(登録商標))およびロペラミド(Imodium(登録商標)))、胆汁酸結合剤(例えば、コレスチラミン、アロセトロン(Lotronex(登録商標))、ルビプロストン(Amitiza(登録商標)))、緩下薬(例えば、マグネシアミルク、ポリエチレングリコール(MiraLax(登録商標))、Dulcolax(登録商標)、Correctol(登録商標)およびSenokot(登録商標))、ならびに抗コリン作用薬(例えば、ジシクロミン(Bentyl(登録商標))などの鎮痙薬)、抗TNF治療剤、ステロイド、ならびに抗生物質(例えば、フラジールもしくはシプロフロキサシン)から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、喘息を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、Singulair(登録商標)、β−2アゴニスト(例えば、アルブテロール(Ventolin(登録商標)HFA、Proventil(登録商標)HFA)、レバルブテロール(Xopenex(登録商標))、メタプロテレノール(Alupent(登録商標))、酢酸ピルブテロール(Maxair(登録商標))、硫酸テルブタリン(Brethaire(登録商標))、キシナホ酸サルメテロール(セレベント(登録商標))およびフォルモテロール(Foradil(登録商標)))、抗コリン作用剤(例えば、イプラトロピウムブロミド(Atrovent(登録商標))およびチオトロピウム(スピリーバ(登録商標)))、吸入用コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(Beclovent(登録商標)、Qvar(登録商標)、およびVanceril(登録商標))、トリアムシノロンアセトニド(Azmacort(登録商標))、モメタゾン(Asthmanex(登録商標))、ブデソニド(Pulmocort(登録商標))、フルニソリド(Aerobid(登録商標))、Afviar(登録商標)、Symbicort(登録商標)、ならびにDulera(登録商標))、クロモリンナトリウム(Intal(登録商標))、メチルキサンチン(例えば、テオフィリン(Theo−Dur(登録商標)、Theolair(登録商標)、Slo−bid(登録商標)、Uniphyl(登録商標)、Theo−24(登録商標))およびアミノフィリン)、ならびにIgE抗体(例えば、オマリズマブ(Xolair(登録商標)))から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、COPDを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、β−2アゴニスト(例えば、アルブテロール(Ventolin(登録商標)HFA、Proventil(登録商標)HFA)、レバルブテロール(Xopenex(登録商標))、メタプロテレノール(Alupent(登録商標))、酢酸ピルブテロール(Maxair(登録商標))、硫酸テルブタリン(Brethaire(登録商標))、キシナホ酸サルメテロール(セレベント(登録商標))およびフォルモテロール(Foradil(登録商標)))、抗コリン作用剤(例えば、イプラトロピウムブロミド(Atrovent(登録商標))およびチオトロピウム(スピリーバ(登録商標)))、メチルキサンチン(例えば、テオフィリン(Theo−Dur(登録商標)、Theolair(登録商標)、Slo−bid(登録商標)、Uniphyl(登録商標)、Theo−24(登録商標))およびアミノフィリン)、吸入用コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(Beclovent(登録商標)、Qvar(登録商標)、およびVanceril(登録商標))、トリアムシノロンアセトニド(Azmacort(登録商標))、モメタゾン(Asthmanex(登録商標))、ブデソニド(Pulmocort(登録商標))、フルニソリド(Aerobid(登録商標))、Afviar(登録商標)、Symbicort(登録商標)、ならびにDulera(登録商標))から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、HIVを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、ヌクレオシド逆トランスクリプターゼ阻害剤(例えば、ジドブジン(Retrovir(登録商標))、アバカビル(Ziagen(登録商標))、アバカビル/ラミブジン(Epzicom(登録商標))、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン(Trizivir(登録商標))、ジダノシン(ヴァイデックス(登録商標))、エムトリシタビン(エムトリバ(登録商標))、ラミブジン(エピビル(登録商標))、ラミブジン/ジドブジン(コンビビル(登録商標))、スタブジン(ゼリット(登録商標))、およびザルシタビン(ハイビッド(登録商標)))、非ヌクレオシド逆トランスクリプターゼ阻害剤(例えば、デラビルジン(レスクリプター(登録商標))、エファビレンツ(Sustiva(登録商標))、ネビラピン(ビラミューン(登録商標))およびエトラビリン(Intelence(登録商標)))、ヌクレオチド逆トランスクリプターゼ阻害剤(例えば、テノホビル(ビリアード(登録商標)))、プロテアーゼ阻害剤(例えば、アンプレナビル(Agenerase(登録商標))、アタザナビル(レイアタッツ(登録商標))、ダルナビル(Prezista(登録商標))、ホスアンプレナビル(レクシヴァ(登録商標))、インジナビル(クリキシバン(登録商標))、ロピナビルおよびリトナビル(カレトラ(登録商標)))、ネルフィナビル(ビラセプト(登録商標))、リトナビル(ノービア(登録商標))、サキナビル(フォートベイス(登録商標)もしくはインビラーゼ(登録商標))、ならびにチプラナビル(Aptivus(登録商標))、侵入阻害剤(例えば、エンフビルチド(Fuzeon(登録商標))およびマラビロク(Selzentry(登録商標)))、インテグラーゼ阻害剤(例えば、ラルテグラビル(Isentress(登録商標)))、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
別の実施形態において、本発明は、血液学的悪性腫瘍を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、プレドニゾン、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/pan−JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、SYK阻害剤、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
別の実施形態において、本発明は、固形腫瘍を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、プレドニゾン、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/pan−JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、SYK阻害剤、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
別の実施形態において、本発明は、血液学的悪性腫瘍を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物およびヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路阻害剤を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、この血液学的悪性腫瘍は、DLBCL(Ramirezら「Defining causative factors contributing in the activation of hedgehog signaling in diffuse large B−cell lymphoma」Leuk.Res.(2012),7月17日にオンラインで公開され、その全体は本明細書中に参考として援用される)である。
別の実施形態において、本発明は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、プレドニゾン、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、およびこれらの組み合わせから選択される。
別の実施形態において、本発明は、多発性骨髄腫を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、およびデキサメタゾン(Decadron(登録商標))、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/pan−JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、SYK阻害剤の、レナリドミド(Revlimid(登録商標))と組み合わせたものから選択される。
別の実施形態において、本発明は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標))、フルダラビン(Fludara(登録商標))、クラドリビン(cladribine)(Leustatin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/pan−JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、およびSYK阻害剤から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、アルツハイマー病を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、ドネペジル(アリセプト(登録商標))、リバスチグミン(rivastigmine)(Excelon(登録商標))、ガランタミン(Razadyne(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、およびメマンチン(Namenda(登録商標))から選択される。
別の実施形態において、本発明は、器官移植拒絶または対宿主性移植片病を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物および1種または1種より多くのさらなる治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる治療剤は、ステロイド、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/pan−JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、およびSYK阻害剤から選択される。
別の実施形態において、本発明は、疾患を処置するか、またはその重篤度を低下させる方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物およびBTK阻害剤を投与する工程を包含し、ここでこの疾患は、炎症性腸疾患、関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、血管炎、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スティル病、若年性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オルド甲状腺炎(Ord’s thyroiditis)、グレーヴズ病、自己免疫性甲状腺炎、シェーグレン症候群、多発性硬化症、全身性硬化症、ライム神経ボレリア症(Lyme neuroborreliosis)、ギヤン−バレー症候群、急性散在性脳脊髄膜炎、アディソン病、オプソクローヌス−ミオクローヌス症候群(opsoclonus−myoclonus syndrome)、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性胃炎、悪性貧血、セリアック病、グッドバスチャー症候群、突発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ヴェーゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経障害、膜性糸球体腎症(membranous glomerulonephropathy)、子宮内膜症、間質性膀胱炎、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、神経性筋強直、強皮症、表在性の刺激あるいは灼熱感を訴える慢性の外陰病変(vulvodynia)、過剰増殖性疾患、移植された器官もしくは組織の拒絶、後天性免疫不全症候群(AIDS、HIVとしても公知)、1型糖尿病、対宿主性移植片病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー(例えば、植物の花粉、ラテックス、薬物、食物、昆虫の毒、動物の毛、動物のふけ、イエダニ、もしくはゴキブリ腎杯に対するアレルギー)、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、およびアトピー性皮膚炎、喘息、虫垂炎、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚管炎、胆管炎、胆嚢炎、慢性移植片拒絶、大腸炎、結膜炎、クローン病、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、外上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、ヘーノホ−シェーンライン紫斑病、肝炎、汗腺膿瘍、免疫グロブリンA腎症、間質性肺疾患、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎 心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、肺炎、多発性筋炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、耳管炎、静脈洞炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、潰瘍性結腸炎、ブドウ膜炎、膣炎、腱鞘炎、鞘膜炎、血管炎、または外陰炎、B細胞増殖性障害(例えば、びまん性大細型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓辺縁層リンパ腫、多発性骨髄腫(プラスマ細胞骨髄腫としても公知)、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、プラスマ細胞腫、節外性辺縁層B細胞リンパ腫、結節性辺縁層B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、またはリンパ腫様肉芽腫症、乳がん、前立腺がん、または肥満細胞のがん(例えば、肥満細胞腫、肥満細胞性白血病、肥満細胞肉腫、全身性肥満細胞症)、骨がん、結腸直腸がん、膵臓がん、骨および関節の疾患(慢性関節リウマチ、血清反応陰性脊椎関節炎(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎およびライター病が挙げられる)、ベーチェット病、シェーグレン症候群、全身性硬化症、骨粗しょう症、骨がん、骨転移が挙げられるが、これらに限定されない)、血栓塞栓障害(例えば、心筋梗塞、狭心症、血管形成術後の再閉塞、血管形成術後の再狭窄、大動脈冠状動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠状動脈バイパス後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性疾患、肺動脈塞栓症、深部静脈血栓症)、炎症性骨盤疾患、尿道炎、皮膚の日焼け、静脈洞炎、肺臓炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵臓炎、胆嚢炎(cholocystitus)、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸管症候群、潰瘍性結腸炎、シェーグレン病、組織移植片拒絶、移植された器官に対する超急性拒絶、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、自己免疫性多発内分泌腺疾患(autoimmune polyglandular disease)(自己免疫性多発内分泌腺症候群としても公知)、自己免疫性脱毛症、悪性貧血、糸球体腎炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎、自己免疫性溶血状態および自己免疫性血小板減少状態、グッドバスチャー症候群、アテローム性動脈硬化症、アディソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、敗血症性ショック、全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、変形性関節症、慢性突発性血小板減少性紫斑病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変形性関節症、白斑、自己免疫性下垂体機能低下症、ギヤン−バレー症候群、ベーチェット病、強皮症(scleraderma)、菌状息肉腫、急性炎症性応答(例えば、急性呼吸促迫症候群および虚血/再灌流障害)、ならびにグレーヴズ病から選択される。
別の実施形態において、本発明は、疾患を処置するか、またはその重篤度を低下させる方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物およびPI3K阻害剤を投与する工程を包含し、ここでこの疾患は、がん、神経変性障害、脈管形成障害、ウイルス性疾患、自己免疫疾患、炎症性障害、ホルモン関連疾患、器官移植に関連する状態、免疫不全障害、破壊性骨障害、増殖性障害、感染症、細胞死に関連する状態、トロンビン誘導性血小板凝集、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、肝臓疾患、T細胞活性化が関与する病的免疫状態、心臓血管障害、およびCNS障害から選択される。
別の実施形態において、本発明は、疾患を処置するか、またはその重篤度を低下させる方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、式Iの化合物およびPI3K阻害剤を投与する工程を包含し、ここでこの疾患は、脳、腎臓(例えば、腎細胞癌(RCC))、肝臓、副腎、膀胱、***、胃、胃腫瘍、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、子宮内膜、子宮頚部、精巣、尿生殖路、食道、喉頭、皮膚、骨もしくは甲状腺の良性もしくは悪性の腫瘍、癌腫もしくは固形腫瘍;肉腫、グリア芽細胞腫、神経芽細胞腫、多発性骨髄腫もしくは胃腸がん(特に、結腸癌もしくは結腸腺腫または頭頚部腫瘍)、表皮過剰増殖、乾癬、前立腺過形成、新形成、上皮特徴の新形成、腺腫、腺癌、角化棘細胞腫、類表皮癌、大細胞癌、非小細胞性肺癌、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)およびホジキンリンパ腫(ホジキンもしくはホジキン病とも呼ばれる)が挙げられる)、乳癌、濾胞状癌、未分化癌、乳頭状癌、セミノーマ、黒色腫、または白血病、カウデン症候群、レールミット−ダクロス病(Lhermitte−Dudos disease)およびバナヤン−ゾナナ症候群(Bannayan−Zonana syndrome)を含む疾患、またはPI3K/PKB経路が異常に活性化される疾患、内因性(非アレルギー性)喘息と外因性(アレルギー性)喘息との両方を含めた、あらゆる型または発生の喘息、中程度喘息、中等度喘息、重篤な喘息、気管支炎性喘息、運動により惹起される喘息、職業性喘息および細菌感染後に誘導される喘息、急性肺損傷(ALI)、成人/急性呼吸促進症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺動脈疾患、慢性閉塞性気道疾患または慢性閉塞性肺疾患(COPD、COADまたはCOLD)(それに関連する慢性気管支炎または呼吸困難を含む)、気腫、ならびに他の薬物治療(特に、他の吸入薬物治療)の結果の気道の過活動の増悪、あらゆる型または発生の気管支炎(急性、アラキン酸、カタル性、クループ性、慢性もしくは結核性の気管支炎が挙げられるが、これらに限定されない)、あらゆる型または発生の塵肺症(慢性であれ急性であれ、気道の閉塞を頻繁に伴い、粉塵の繰り返しの吸入により発症する、炎症性の一般的に職業的な肺の疾患)(例えば、アルミニウム肺症、炭粉症、石綿沈着症、石粉症、ダチョウ肺塵症、鉄症、珪肺症、タバコ中毒症および綿肺症が挙げられる)、レフラー症候群、好酸球性、肺炎、寄生生物性(特に、後生動物の)インフェステーション(熱帯性好酸球増加症が挙げられる)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発性動脈炎(チャーグ−ストラウス症候群が挙げられる)、好酸球性肉芽腫、および薬物反応により引き起こされる気道を冒す好酸球関連障害)の結果であるかまたは同時に存在する、気道の好酸球関連障害、乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡(pemphisus)、後天性表皮水疱症、結膜炎、乾性角結膜炎、および春季結膜炎、鼻に影響を与える疾患(アレルギー性鼻炎が挙げられる)、ならびに自己免疫反応が関与するかまたは自己免疫成分もしくは病因を有する炎症性疾患(自己免疫性血液学的障害(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、赤芽球ろうおよび突発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、多発性軟骨炎、強皮症(sclerodoma)、ヴェーゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スチーブン−ジョンソン症候群、突発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性結腸炎およびクローン病)、内分泌性眼障害、グレーヴズ病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺臓炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部および後部)、乾性角結膜炎および春季カタル、間質性肺線維症、乾癬性関節炎および糸球体腎炎(ネフローゼ症候群(例えば、突発性ネフローゼ症候群もしくは微小変化型腎症が挙げられる)を伴うかまたは伴わないもの)が挙げられる)、再狭窄、心臓肥大、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、虚血性発作およびうっ血性心不全、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンティングトン病、および脳虚血、ならびに外傷、グルタミン酸神経毒性および低酸素症により引き起こされる神経変性疾患から選択される。
これらの化合物および組成物は、本発明の方法に従って、がん、自己免疫障害、増殖性障害、炎症性障害、神経変性障害もしくは神経学的障害、精神***病、骨関連障害、肝臓疾患、または心臓障害を処置するため、またはその重篤度を低下させるために有効な、任意の量および任意の投与経路を使用して、投与され得る。必要とされる正確な量は、被験体ごとに、その被験体の種、年齢および性別、感染の重篤度、特定の剤、その投与方法などに依存して変化する。本発明の化合物は、好ましくは、投与を容易にしかつ投薬量を均一にするために、単位剤形に配合される。本明細書で使用する「単位剤形」という表現は、治療がなされる患者に適した薬剤の、物理的に切り離された単位をいう。しかし、本発明の化合物および組成物の1日当たりの総使用量は、正しい医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることになることが理解される。任意の特定の患者または生物に特異的な有効用量レベルは、治療される障害および障害の重症度;用いられる特定の化合物の活性;用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別、および食事;用いられる特定の化合物の投与時間、投与経路、および排出速度;治療の持続期間;用いられる特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;および医療分野で周知の同様の要因を含めた様々な要因に依存する。用語「患者」とは、本明細書中で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトを意味する。
本発明の、薬学的に受容可能な組成物は、ヒトおよびその他の動物に、治療がなされる感染の重症度に応じて経口的に、経直腸的に、非経口的に、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏剤、またはドロップ剤などによる)、経頬的に、または経口スプレー剤もしくは経鼻スプレー剤などとして投与することができる。ある実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日に1回または複数回、1日当たりの被験体体重に対して約0.01mg/kgから約50mg/kg、好ましくは約1mg/kgから約25mg/kgの投薬レベルで経口的にまたは非経口的に投与され得る。
経口投与用の液体剤形には、限定するものではないが薬学的に受容可能な乳剤、マイクロエマルション剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加え、液体剤形は、例えば水またはその他の溶媒などの当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、可溶化剤、および乳化剤であって、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などを含有してもよい。不活性希釈剤の他、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤などのアジュバントと、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤も含むことができる。
注射製剤、例えば滅菌注射用の水性または油性の懸濁剤は、適切な分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用する公知の技術により配合され得る。滅菌注射製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液、懸濁液、または乳濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。用いることができる、許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー液,U.S.P.、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来通り用いられる。この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含めた任意のブランド不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射物質の調製に使用される。
注射製剤は、使用前に、例えば細菌保持フィルタを通した濾過によって、または滅菌水もしくはその他の滅菌注射媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形の滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
本発明の化合物の効果を長続きさせるために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅くすることがしばしば望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶質または非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって実現され得る。したがって化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、この溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与される化合物形態の遅延吸収は、油ビヒクルへの化合物の溶解または懸濁によって実現される。注射デポ形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなど、生分解性ポリマー内で化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。化合物とポリマーとの比、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物放出速度を制御することができる。その他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が含まれる。デポ注射製剤は、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルション内に化合物を捕捉することによっても調製される。
直腸投与または膣投与のための組成物は、好ましくは本発明の化合物と、周囲温度で固体であるが体温で液体であり、したがって直腸または膣腔内で溶解し活性化合物を放出するココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤蝋などの、適切な非刺激性賦形剤またはキャリアとを混合することによって調製できる坐薬である。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。そのような固体剤形では、活性化合物を、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の不活性な薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、および/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、およびi)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの滑沢剤と混合する。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含んでもよい。
同様のタイプの固体組成物は、ラクトースや乳糖などの賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用した軟質および硬質充填ゼラチンカプセル内の充填剤として用いてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬品配合の技術分野で周知のその他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製することができる。これらは、不透明化剤を必要に応じて含有してもよく、また、必要に応じて遅延する様式で、腸管のある部分のみまたは優先的にその部分に(1種または複数の)活性成分を放出する組成物にすることもできる。使用することができる埋め込み組成物の例には、ポリマー物質および蝋が含まれる。同様のタイプの固体組成物は、ラクトースや乳糖などの賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として用いてもよい。
活性化合物は、上述の1種または複数の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態にすることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬品配合の分野で周知のその他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製することができる。そのような固体剤形では、活性化合物を、スクロースやラクトース、デンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合してもよい。そのような剤形は、通常の実施の場合と同様に、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば錠剤成形滑沢剤およびステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロースなどその他の錠剤成形助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含んでもよい。これらは、不透明化剤を必要に応じて含有してもよく、また、必要に応じて遅延する様式で、腸管のある部分のみまたは優先的にその部分に(1種または複数の)活性成分を放出する組成物にすることもできる。使用することができる埋め込み組成物の例には、ポリマー物質および蝋が含まれる。
本発明の化合物の局所投与用剤形または経皮投与用剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、またはパッチ剤が含まれる。活性化合物は、滅菌条件下で、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要とされる防腐剤または緩衝剤と、必要に応じて混合される。眼科用製剤、点耳薬、および点眼薬も、本発明の範囲内にあると考えられる。さらに本発明は、身体に対して制御された化合物送達を行うことができるというさらなる利点を有する、経皮パッチの使用を企図するものである。そのような剤形は、適切な媒体に化合物を溶解しまたは分散させることによって作製され得る。吸収増強剤もまた、皮膚を横断する化合物の流れを増大させるために使用することができる。その速度は、速度制御膜を設けることによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることによって、制御することができる。
1つの実施形態によれば、本発明は、生物学的サンプルを、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を含む、生物学的サンプルにおいてプロテインキナーゼ活性を阻害する方法に関する。
別の実施形態によれば、本発明は、IRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体の活性を、生物学的サンプルにおいて阻害する方法に関し、この方法は、この生物学的サンプルを、本発明の化合物、またはこの化合物を含有する組成物と接触させる工程を包含する。特定の実施形態において、本発明は、IRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体の活性を、生物学的サンプルにおいて不可逆的に阻害する方法に関し、この方法は、この生物学的サンプルを、本発明の化合物、またはこの化合物を含有する組成物と接触させる工程を包含する。
用語「生物学的サンプル」としては、本明細書中で使用される場合、限定されないが、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、***、涙液、もしくは他の体液またはその抽出物が挙げられる。
プロテインキナーゼ、あるいはIRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体から選択されるプロテインキナーゼの活性の、生物学的サンプルにおける阻害は、当業者に公知である種々の目的のために有用である。このような目的の例としては、輸血、器官移植、生物学的標本の保存、および生物学的アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の別の実施形態は、患者においてプロテインキナーゼ活性を阻害する方法に関し、この方法は、この患者に、本発明の化合物、またはこの化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。
別の実施形態によれば、本発明は、患者においてIRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体のうちの1つまたは1つより多くの活性を阻害する方法に関し、この方法は、この患者に、本発明の化合物、またはこの化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。特定の実施形態によれば、患者においてIRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体のうちの1つまたは1つより多くの活性を非可逆的に阻害する方法に関し、この方法は、この患者に、本発明の化合物、またはこの化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。他の実施形態において、本発明は、IRAK−1、IRAK−2、および/もしくはIRAK−4、またはその変異体のうちの1つまたは1つより多くにより媒介される障害の処置を必要とする患者において、その生涯を処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、本発明による化合物、またはその薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含する。このような障害は、本明細書中に詳細に記載されている。
処置されるべき特定の状態または疾患に応じて、その状態を処置するために通常投与されるさらなる治療剤も、本発明の組成物中に存在し得る。本明細書において、特定の疾患または状態を処置するために通常投与されるさらなる治療剤は、「処置されている疾患または状態にとって適切なもの」として知られている。
本発明の化合物はまた、他の抗増殖化合物と組み合わせて、有利に使用され得る。このような抗増殖化合物としては、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化プロセスを誘導する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗腫瘍性代謝拮抗物質;プラチン化合物;タンパク質または脂質のキナーゼ活性を標的化/減少する化合物およびさらなる抗血管形成化合物;タンパク質または脂質のホスファターゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗男性ホルモン;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物的反応修飾物質;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Rasがん遺伝子アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液学的悪性疾患の処置において使用される化合物;Flt−3の活性を標的化、減少または阻害する化合物;Hsp90阻害剤(例えば、17−AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17−DMAG(17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−ジメトキシ−ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI−504、CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeutics製));テモゾロミド(テモダール(登録商標));キネシン紡錘体タンパク質阻害剤(例えば、SB715992もしくはSB743921(GlaxoSmithKline製)、またはペンタミジン/クロルプロマジン(CombinatoRx製));MEK阻害剤(例えば、ARRY142886(Array BioPharma製)、AZD6244(AstraZeneca製)、PD181461(Pfizer製)およびロイコボリン)が挙げられるが、これらに限定されない。用語「アロマターゼ阻害剤」は、本明細書中で使用される場合、エストロゲン産生(例えば、基質であるアンドロステンジオンおよびテストステロンの、それぞれエストロンおよびエストラジオールへの転換)を阻害する化合物に関する。この用語は、ステロイド(特に、アタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタン(formestane))、ならびに特に、非ステロイド(特に、アミノグルテチミド、ログレチミド(roglethimide)、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール(vorozole)、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾール)を包含するが、これらに限定されない。エキセメスタンは、商品名アロマシンTMのもとで市場に出ている。フォルメスタンは、商品名レンタロン(Lentaron)TMのもとで市場に出ている。ファドロゾールは、商品名アフェマTMのもとで市場に出ている。アナストロゾールは、商品名アリミデックスTMのもとで市場に出ている。レトロゾールは、商品名フェマーラTMまたはフェマール(Femar)TMのもとで市場に出ている。アミノグルテチミドは、商品名オリメテン(Orimeten)TMのもとで市場に出ている。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含有する本発明の組み合わせは、ホルモンレセプター陽性腫瘍(例えば、***腫瘍)の処置のために特に有用である。
用語「抗エストロゲン」は、本明細書中で使用される場合、エストロゲンの効果をエストロゲンレセプターレベルで拮抗する化合物に関する。この用語は、タモキシフェン、フルベストラント(fulvestrant)、ラロキシフェンおよび塩酸ラロキシフェンを包含するが、これらに限定されない。タモキシフェンは、商品名ノバルデックスTMのもとで市場に出ている。塩酸ラロキシフェンは、商品名エビスタTMのもとで市場に出ている。フルベストラントは、商品名ファスロデックス(Faslodex)TMのもとで投与され得る。抗エストロゲンである化学療法剤を含有する本発明の組み合わせは、エストロゲンレセプター陽性腫瘍(例えば、***腫瘍)の処置のために特に有用である。
用語「抗男性ホルモン」は、本明細書中で使用される場合、男性ホルモンの生物学的効果を阻害し得る任意の物質に関し、そしてビカルタミド(カソデックスTM)が挙げられるが、これに限定されない。用語「ゴナドレリンアゴニスト」としては、本明細書中で使用される場合、アバレリクス(abarelix)、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンが挙げられるが、これらに限定されない。ゴセレリンは、商品名ゾラデックスTMのもとで投与され得る。
用語「トポイソメラーゼI阻害剤」は、本明細書中で使用される場合、トポテカン、ジャイマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテシン(camptothecian)およびそのアナログ、9−ニトロカンプトテシンおよび高分子カンプトテシン結合体PNU−166148を包含するが、これらに限定されない。イリノテカンは、例えば、カンプトサー(Camptosar)TMの商品名のもとでその市場に出ている形態で、投与され得る。トポテカンは、商品名ハイカムチン(Hycamptin)TMのもとで市場に出ている。
用語「トポイソメラーゼII阻害剤」は、本明細書中で使用される場合、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン(セリックス(Caelyx)TMなどのリポソーム処方物を含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin))、アントラキノンであるミトザントロンおよびロソキサントロン(losoxantrone)、ならびにポドフィロトキシンであるエトポシドおよびテニポシドを包含するが、これらに限定されない。エトポシドは、商品名エトホス(Etopophos)TMのもとで市場に出ている。テニポシドは、商品名VM 26−Bristolのもとで市場に出ている。ドキソルビシンは、商品名アクリバスタチン(Acriblastin)TMまたはアドリアマイシンTMのもとで市場に出ている。エピルビシンは、商品名ファルモルビシンTMのもとで市場に出ている。イダルビシンは、商品名ザベドス(Zavedos)TMのもとで市場に出ている。ミトザントロンは、商品名ノバントロンのもとで市場に出ている。
用語「微小管活性剤」は、微小管安定化化合物、微小管不安定化化合物および微小管重合阻害剤に関し、タキサン類(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル);ビンカアルカロイド類(例えば、ビンブラスチンまたは硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチンまたは硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン);ディスコデルモリド(discodermolide);コルヒチン(cochicine)およびエポチロン(epothilone)ならびにこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。パクリタキセルは、商品名タキソールTMのもとで市場に出ている。ドセタキセルは、商品名タキソテールTMのもとで市場に出ている。硫酸ビンブラスチンは、商品名ビンブラスチンR.PTMのもとで市場に出ている。硫酸ビンクリスチンは、商品名ファルミスチン(Farmistin)TMのもとで市場に出ている。
用語「アルキル化剤」は、本明細書中で使用される場合、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソ尿素(BCNUもしくはグリアデル(Gliadel))を包含するが、これらに限定されない。シクロホスファミドは、商品名シクロスチン(Cyclostin)TMのもとで市場に出ている。イホスファミドは、商品名ホロキサン(Holoxan)TMのもとで市場に出ている。
用語「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」または「HDAC阻害剤」は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、そして抗増殖活性を有する化合物に関する。これには、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)が挙げられるが、これに限定されない。
用語「抗腫瘍性代謝拮抗物質」は、5−フルオロウラシルすなわち5−FU、カペシタビン、ゲムシタビン、DNA脱メチル化合物(例えば、5−アザシチジンおよびデシタビン(decitabine))、メトトレキサートおよびエダトレキサート、ならびに葉酸アンタゴニスト(例えば、ペメトレキセド(pemetrexed))を包含するが、これらに限定されない。カペシタビンは、商品名ゼローダTMのもとで市場に出ている。ゲムシタビンは、商品名ジェムザールTMのもとで市場に出ている。
用語「プラチン化合物」は、本明細書中で使用される場合、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナム(cisplatinum)およびオキサリプラチンを包含するが、これらに限定されない。カルボプラチンは、例えば、カルボプラット(Carboplat)TMの商品名のもとで市場に出ている形態で投与され得る。オキサリプラチンは、例えば、エロキサチン(Eloxatin)TMの商品名のもとで市場に出ている形態で投与され得る。
用語「タンパク質または脂質のキナーゼ活性を標的化/減少する化合物;あるいはタンパク質または脂質のホスファターゼ活性を標的化/減少する化合物;あるいはさらなる抗血管形成化合物」は、本明細書中で使用される場合、プロテインチロシンキナーゼならびに/またはセリンおよび/もしくはスレオニンキナーゼ阻害剤、あるいは脂質キナーゼ阻害剤(例えば、a)血小板由来増殖因子レセプター(PDGFR)の活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、PDGFRの活性を標的化、減少または阻害する化合物であり、特に、PDGFレセプターを阻害する化合物であり、例えば、N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体であり、例えば、イマチニブ、SU101、SU6668およびGFB−111);b)線維芽細胞増殖因子レセプター(FGFR)の活性を標的化、減少または阻害する化合物;c)インスリン様成長因子レセプターI(IGF−IR)の活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、IGF−IRの活性を標的化、減少または阻害する化合物であり、特に、IGF−Iレセプターのキナーゼ活性を阻害する化合物、またはIGF−Iレセプターもしくはその成長因子の細胞外ドメインを標的化する抗体);d)Trkレセプターチロシンキナーゼファミリーの活性を標的化、減少または阻害する化合物、またはエフリンB4阻害剤;e)AxIレセプターチロシンキナーゼファミリーの活性を標的化、減少または阻害する化合物;f)Retレセプターチロシンキナーゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物;g)Kit/SCFRレセプターチロシンキナーゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、イマチニブ);h)C−kitレセプターチロシンキナーゼ(これは、PDGFRファミリーの一部である)の活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、c−Kitレセプターチロシンキナーゼファミリーの活性を標的化、減少または阻害する化合物であり、特に、c−Kitレセプターを阻害する化合物であり、例えば、イマチニブ);i)c−Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(例えば、BCR−Ablキナーゼ)および変異体の活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、c−Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合産物の活性を標的化、減少または阻害する化合物であり、例えば、N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体であり、例えば、イマチニブもしくはニロチニブ(nilotinib)(AMN107);PD180970;AG957;NSC 680410;PD173955(ParkeDavis製);またはダサチニブ(dasatinib)(BMS−354825));j)プロテインキナーゼC(PKC)およびセリン/スレオニンキナーゼのRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK/pan−JAK、FAK、PDK1、PKB/Akt、およびRas/MAPK、PI3K、SYK、TYK2、BTKおよびTECファミリーのメンバー、ならびに/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的化、減少または阻害する化合物(スタウロスポリン(staurosporine)誘導体(例えば、ミドスタウリン(midostaurin))が挙げられる;さらなる化合物の例としては、UCN−01、サフィンゴール(safingol)、BAY 43−9006、ブリオスタチン(Bryostatin)1、ペリホシン(Perifosine);イルモホシン(llmofosine);RO 318220およびRO 320432;GO 6976;lsis 3521;LY333531/LY379196;イソキノリン(isochinoline)化合物;FTI;PD184352もしくはQAN697(P13K阻害剤)またはAT7519(CDK阻害剤)が挙げられる);k)プロテイン−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、プロテイン−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的化、減少または阻害する化合物であり、メシル酸イマチニブ(グリベック(Gleevec)TM)またはチルホスチン(tyrphostin)(例えば、チルホスチンA23/RG−50810;AG 99;チルホスチンAG 213;チルホスチンAG 1748;チルホスチンAG 490;チルホスチンB44;チルホスチンB44(+)鏡像異性体;チルホスチンAG 555;AG 494;チルホスチンAG 556、AG957)およびアダフォスチン(adaphostin)(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル;NSC 680410、アダフォスチン)が挙げられる);l)レセプターチロシンキナーゼの上皮増殖因子ファミリー(ホモ二量体またはヘテロ二量体としての、EGFR ErbB2、ErbB3、ErbB4)およびそれらの変異体の活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、上皮増殖因子レセプターファミリーの活性を標的化、減少または阻害する化合物は、特に、EGFレセプターチロシンキナーゼファミリー(例えば、EGFレセプター、ErbB2、ErbB3およびErbB4)のメンバーを阻害するか、またはEGFもしくはEGF関連リガンド(CP 358774、ZD 1839、ZM 105180)に結合する、化合物、タンパク質または抗体である;トラスツズマブ(ハーセプチンTM)、セツキシマブ(cetuximab)(アービタックス(Erbitux)TM)、イレッサ、タルセバ(Tarceva)、OSI−774、Cl−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、および7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体);m)c−Metレセプターの活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、c−Metの活性を標的化、減少または阻害する化合物であり、特に、c−Metレセプターのキナーゼ活性を阻害する化合物、またはc−Metの細胞外ドメインを標的化するかもしくはHGFに結合する抗体))、n)1種または1種より多くのJAKファミリーメンバー(JAK1/JAK2/JAK3/TYK2および/またはpan−JAK)のキナーゼ活性を標的化するか、低下させるか、または阻害する化合物(PRT−062070、SB−1578、バリシチニブ(baricitinib)、パクリチニブ(pacritinib)、モメロチニブ(momelotinib)、VX−509、AZD−1480、TG−101348、トファシチニブ、およびルキソリチニブ(ruxolitinib)が挙げられるが、これらに限定されない);o)PI3キナーゼ(PI3K)のキナーゼ活性を標的化するか、低下させるか、または阻害する化合物(ATU−027、SF−1126、DS−7423、PBI−05204、GSK−2126458、ZSTK−474、ブパルリシブ(buparlisib)、ピクトレリシブ(pictrelisib)、PF−4691502、BYL−719、ダクトリシブ(dactolisib)、XL−147、XL−765、およびイデラリシブ(idelalisib)が挙げられるが、これらに限定されない);ならびにq)ヘッジホッグタンパク質(Hh)またはスムーズンドレセプター(SMO)経路のシグナル伝達効果を標的化するか、低下させるか、または阻害する化合物(シクロパミン(cyclopamine)、ビスモデギブ(vismodegib)、イトラコナゾール、エリスモデギブ(erismodegib)、およびIPI−926(サリデギブ(saridegib))が挙げられるが、これらに限定されない)を包含するが、これらに限定されない。
用語「PI3K阻害剤」としては、本明細書中で使用される場合、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼファミリーの1種または1種より多くの酵素(PI3Kα、PI3Kγ、PI3Kδ、PI3Kβ、PI3K−C2α、PI3K−C2β、PI3K−C2γ、Vps34、p110−α、p110−β、p110−γ、p110−δ、p85−α、p85−β、p55−γ、p150、p101、およびp87が挙げられるが、これらに限定されない)に対する阻害活性を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において有用であるPI3K阻害剤の例としては、ATU−027、SF−1126、DS−7423、PBI−05204、GSK−2126458、ZSTK−474、ブパルリシブ、ピクトレリシブ、PF−4691502、BYL−719、ダクトリシブ、XL−147、XL−765、およびイデラリシブが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「BTK阻害剤」としては、本明細書中で使用される場合、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害活性を有する化合物(CC−292およびイブルチニブが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「SYK阻害剤」としては、本明細書中で使用される場合、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)に対する阻害活性を有する化合物(PRT−062070、R−343、R−333、エキセライア(Excellair)、PRT−062607、およびフォスタマチニブ(fostamatinib)が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
BTK阻害化合物、および本発明の化合物と組み合わせてこのような化合物により処置可能な状態のさらなる例は、WO2008039218およびWO2011090760(その全体は、本明細書中に参考として援用される)に見出され得る。
SYK阻害化合物、および本発明の化合物と組み合わせてこのような化合物により処置可能な状態のさらなる例は、WO2003063794、WO2005007623、およびWO2006078846(その全体は、本明細書中に参考として援用される)に見出され得る。
PI3K阻害化合物、および本発明の化合物と組み合わせてこのような化合物により処置可能な状態のさらなる例は、WO2004019973、WO2004089925、WO2007016176、US8138347、WO2002088112、WO2007084786、WO2007129161、WO2006122806、WO2005113554、およびWO2007044729(その全体は、本明細書中に参考として援用される)に見出され得る。
JAK阻害化合物、および本発明の化合物と組み合わせてこのような化合物により処置可能な状態のさらなる例は、WO2009114512、WO2008109943、WO2007053452、WO2000142246、およびWO2007070514(その全体は、本明細書中に参考として援用される)に見出され得る。
さらなる抗血管形成化合物としては、その活性について別の機構(例えば、タンパク質または脂質のキナーゼ阻害に無関係)を有する化合物(例えば、サリドマイド(サロミド(Thalomid)TM)およびTNP−470)が挙げられる。
本発明の化合物との組み合わせにおいて使用するために有用であるプロテアソーム阻害剤の例としては、ボルテゾミブ、ジスルフィラム、エピガロカテキン−3−ガレート(epigallocatechin−3−gallate)(EGCG)、サリノスピラミドA(salinosporamide A)、カルフィルゾミブ(carfilzomib)、ONX−0912、CEP−18770、およびMLN9708が挙げられるが、これらに限定されない。
タンパク質または脂質のホスファターゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1の阻害剤、ホスファターゼ2Aの阻害剤、またはCDC25の阻害剤(例えば、オカダ酸またはその誘導体)である。
細胞分化プロセスを誘導する化合物としては、レチン酸、α−トコフェロール、γ−トコフェロールもしくはδ−トコフェロール、またはα−トコトリエノール、γ−トコトリエノールもしくはδ−トコトリエノールが挙げられるが、これらに限定されない。
用語シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、本明細書中で使用される場合、Cox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体(例えば、セレコキシブ(セレブレックス(Celebrex)TM)、ロフェコキシブ(rofecoxib)(バイオックス(Vioxx)TM)、エトリコキシブ(etoricoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib))、または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸(例えば、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸)、ルミラコキシブ(lumiracoxib)を包含するが、これらに限定されない。
用語「ビスホスホネート」は、本明細書中で使用される場合、エチドロン(etridonic)酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン(ibandronic)酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸を包含するが、これらに限定されない。エチドロン酸は、商品名ダイドロネルTMのもとで市場に出ている。クロドロン酸は、商品名ボネフォス(Bonefos)TMのもとで市場に出ている。チルドロン酸は、商品名スケリッド(Skelid)TMのもとで市場に出ている。パミドロン酸は、商品名アレディアTMのもとで市場に出ている。アレンドロン酸は、商品名フォサマックTMのもとで市場に出ている。イバンドロン酸は、商品名ボンドラナト(Bondranat)TMのもとで市場に出ている。リセドロン酸は、商品名アクトネルTMのもとで市場に出ている。ゾレドロン酸は、商品名ゾメタTMのもとで市場に出ている。用語「mTOR阻害剤」は、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)を阻害し、そして抗増殖活性を有する化合物(例えば、シロリムス(sirolimus)(ラパミューン(Rapamune)(登録商標))、エベロリムス(サーティカン(Certican)TM)、CCI−779およびABT578)に関する。
用語「ヘパラナーゼ阻害剤」とは、本明細書中で使用される場合、硫酸ヘパリン分解を標的化、減少または阻害する化合物をいう。この用語は、PI−88を包含するが、これに限定されない。用語「生物的反応修飾物質」とは、本明細書中で使用される場合、リンホカインまたはインターフェロンをいう。
用語「Rasがん遺伝子アイソフォームの阻害剤」(例えば、H−Ras、K−Ras、またはN−Ras)は、本明細書中で使用される場合、Rasのがん遺伝子活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、L−744832、DK8G557またはR115777(ZarnestraTM)などの「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」)をいう。用語「テロメラーゼ阻害剤」とは、本明細書中で使用される場合、テロメラーゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物をいう。テロメラーゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物は、特に、テロメラーゼレセプターを阻害する化合物(例えば、テロメスタチン(telomestatin))である。
用語「メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤」とは、本明細書中で使用される場合、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物をいう。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的化、減少または阻害する化合物としては、ベンガミド(bengamide)またはその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「プロテアソーム阻害剤」とは、本明細書中で使用される場合、プロテアソームの活性を標的化、減少または阻害する化合物をいう。プロテアソームの活性を標的化、減少または阻害する化合物としては、ボルテゾミブ(ベルケイド(Velcade)TM)およびMLN 341が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤」または(「MMP」阻害剤)は、本明細書中で使用される場合、コラーゲンペプチド模倣および非ペプチド模倣阻害剤、テトラサイクリン誘導体(例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣阻害剤であるバチマスタット(batimastat)およびその経口で生体利用可能なアナログであるマリマスタット(marimastat)(BB−2516)、プリノマスタット(prinomastat)(AG3340)、メタスタット(metastat)(NSC 683551)BMS−279251、BAY 12−9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996)を包含するが、これらに限定されない。
用語「血液学的悪性疾患の処置において使用される化合物」は、本明細書中で使用される場合、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤(これらは、FMS様チロシンキナーゼレセプター(Flt−3R)の活性を標的化、減少または阻害する化合物である);インターフェロン、1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(ara−c)およびブスルファン(bisulfan);ならびにALK阻害剤(これらは、未分化リンパ腫キナーゼ(anaplastic lymphoma kinase)を標的化、減少または阻害する化合物である)を包含するが、これらに限定されない。
FMS様チロシンキナーゼレセプター(Flt−3R)の活性を標的化、減少または阻害する化合物は特に、Flt−3Rレセプターキナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質または抗体(例えば、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518)である。
用語「HSP90阻害剤」は、本明細書中で使用される場合、HSP90の内因性ATPase活性を標的化、減少または阻害する化合物;ユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90ファミリータンパク質が結合するタンパク質(HSP90 client protein)を分解、標的化、減少または阻害する化合物を包含するが、これらに限定されない。HSP90の内因性ATPase活性を標的化、減少または阻害する化合物は、特に、HSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体(例えば、17−アリルアミノ,17−脱メトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラディシコール(radicicol)およびHDAC阻害剤)である。
用語「抗増殖性抗体」は、本明細書中で使用される場合、トラスツズマブ(ハーセプチンTM)、トラスツズマブ−DM1、アービタックス、ベバシズマブ(bevacizumab)(アバスチン(Avastin)TM)、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、PRO64553(抗CD40)および2C4抗体を包含するが、これらに限定されない。抗体とは、インタクトなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成された多重特異性抗体、および所望の生物学的活性を示す限り、抗体フラグメントを意味する。
急性骨髄性白血病(AML)の処置のために、本発明の化合物は、標準的な白血病治療と組み合わせて、特に、AMLの処置のために使用される治療と組み合わせて、使用され得る。具体的には、本発明の化合物は、例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ならびに/またはAMLの処置のために有用な他の薬物(例えば、ダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara−C、VP−16、テニポシド、ミトザントロン、イダルビシン、カルボプラチナム(Carboplatinum)およびPKC412)と組み合わせて投与され得る。
他の抗白血病化合物としては、例えば、Ara−C、ピリミジンアナログ(これは、デオキシシチジンの2−α−ヒドロキシリボース(アラビノシド)誘導体である)が挙げられる。ヒポキサンチンのプリンアナログ、6−メルカプトプリン(6−MP)およびリン酸フルダラビンもまた挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤の活性を標的化、減少または阻害する化合物(例えば、酪酸ナトリウムおよびスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA))は、ヒストンデアセチラーゼとして公知である酵素の活性を阻害する。具体的なHDAC阻害剤としては、MS275、SAHA、FK228(以前はFR901228)、トリコスタチン(Trichostatin)A、ならびに米国特許第6,552,065号に開示される化合物(N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドまたはその薬学的に受容可能な塩、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[(2−ヒドロキシエチル){2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドまたはその薬学的に受容可能な塩(特に、乳酸塩)が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。ソマトスタチンレセプターアンタゴニストとは、本明細書中で使用される場合、ソマトスタチンレセプターを標的化、処置または阻害する化合物(例えば、オクトレオチドおよびSOM230)をいう。腫瘍細胞損傷アプローチとは、電離放射線などのアプローチをいう。上記および本明細書中以下に記載される、用語「電離放射線」とは、電磁線(例えば、X線およびγ線)または粒子(例えば、α粒子およびβ粒子)のいずれかとして発生する電離放射線を意味する。電離放射線は、限定されないが、放射線治療において提供され、そして当該分野において公知である。Hellman,Principles of Radiation Therapy,Cancer,Principles and Practice of Oncology,Devitaら編,第4版,第1巻,pp.248−275(1993)を参照のこと。
EDG結合剤およびリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤もまた含まれる。用語「EDG結合剤」とは、本明細書中で使用される場合、リンパ球再循環を調節する免疫抑制薬のクラス(例えば、FTY720)をいう。用語「リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤」とは、ピリミジンヌクレオシドアナログまたはプリンヌクレオシドアナログ(フルダラビンおよび/またはシトシンアラビノシド(ara−C)、6−チオグアニン、5−フルオロウラシル、クラドリビン、6−メルカプトプリン(特に、ALLに対してara−Cと組み合わせて)および/またはペントスタチンが挙げられるが、これらに限定されない)をいう。リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤は特に、ヒドロキシ尿素または2−ヒドロキシ−1H−イソインドール−1,3−ジオン誘導体である。
特に、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に受容可能な塩、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンスクシネート;アンギオスタチン(Angiostatin)TM;エンドスタチン(Endostatin)TM;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;または抗VEGF抗体もしくは抗VEGFレセプター抗体(例えば、rhuMAbおよびRHUFab)、VEGFアプタマー(例えば、マクゴン(Macugon));FLT−4阻害剤、FLT−3阻害剤、VEGFR−2 IgGI抗体、アンジオザイム(Angiozyme)(RPI 4610)およびベバシズマブ(アバスチンTM)などの、VEGFの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体もまた、含まれる。
光ダイナミック療法とは、本明細書中で使用される場合、がんを処置または予防するために、光感作化合物として既知である特定の化学物質を使用する治療をいう。光ダイナミック療法の例としては、ビスダイン(Visudyne)TMおよびポルフィマーナトリウムなどの化合物を用いる処置が挙げられる。
止血性ステロイドとは、本明細書中で使用される場合、血管新生を遮断または阻害する化合物(例えば、アネコルタブ(anecortave)、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11−α−エピヒドロコルチゾール(11−α−epihydrocotisol)、コルテキソロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロンおよびデキサメタゾン)をいう。
コルチコステロイドを含有する移植物とは、フルオシノロンおよびデキサメタゾンなどの化合物をいう。
他の化学療法化合物としては、植物アルカロイド、ホルモン性化合物およびアンタゴニスト;生物的反応修飾物質(好ましくは、リンホカインまたはインターフェロン);アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体;shRNAまたはsiRNA;あるいは多種多様な化合物または他の作用機構もしくは未知の作用機構を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物はまた、特に、本明細書中で先に記載されたものなどの閉塞性または炎症性の気道疾患の処置において、他の薬物物質(例えば、抗炎症物質、気管支拡張物質または抗ヒスタミン薬物物質)と組み合わせて使用するための共治療化合物として有用である(例えば、このような薬物の治療活性の増強剤として、またはこのような薬物の必要とされる投薬量もしくは潜在的な副作用を低下させる手段として)。本発明の化合物は、一定の薬学的組成物中で他の薬物物質と混合され得るか、または他の薬物物質とは別に、その前にか、同時にか、もしくは後に投与され得る。従って、本発明は、本明細書中で先に記載されたような本発明の化合物と、抗炎症物質、気管支拡張物質、抗ヒスタミン物質または鎮咳性薬物物質との組み合わせを包含し、この本発明の化合物およびこの薬物物質は、同じ薬学的組成物中または異なる薬学的組成物中にある。
適切な抗炎症薬としては、ステロイド(特に、糖質コルチコステロイド(例えば、ブデソニド、プロピオン酸ベクロメタゾン(beclamethasone dipropionate)、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドまたはフロ酸モメタゾン));非ステロイド性糖質コルチコイドレセプターアゴニスト;LTB4アンタゴニスト(例えば、LY293111、CGS025019C、CP−195543、SC−53228、BIIL 284、ONO 4057、SB 209247);LTD4アンタゴニスト(例えば、モンテルカストおよびザフィルルーカスト);PDE4阻害剤(例えば、シロミラスト(cilomilast)(Ariflo(登録商標)GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト(Roflumilast)(Byk Gulden)、V−11294A(Napp)、BAY19−8004(Bayer)、SCH−351591(Schering−Plough)、アロフィリン(Arofylline)(Almirall Prodesfarma)、PD189659/PD168787(Parke−Davis)、AWD−12−281(Asta Medica)、CDC−801(Celgene)、SeICID(TM)CC−10004(Celgene)、VM554/UM565(Vernalis)、T−440(Tanabe)、KW−4490(Kyowa Hakko Kogyo));A2aアゴニスト;A2bアンタゴニスト;ならびにβ−2アドレナリン作用性レセプターアゴニスト(例えば、アルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロール、フェノテロール、プロカテロール、ならびに特に、フォルモテロールおよびその薬学的に受容可能な塩)が挙げられる。適切な気管支拡張薬物としては、抗コリン作用性化合物または抗ムスカリン化合物、特に、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム塩およびCHF 4226(Chiesi)、ならびにグリコピロレートが挙げられる。
適切な抗ヒスタミン薬物質としては、塩酸塩セチリジン、アセトアミノフェン、フマル酸クレマスチン、プロメタジン、ロラタジン、デスロラタジン(desloratidine)、ジフェンヒドラミンおよび塩酸フェキソフェナジン、アクリバスチン(activastine)、アステミゾール、アゼラスチン、エバスチン、エピナスチン、ミゾラスチン(mizolastine)およびテルフェナジン(tefenadine)が挙げられる。
本発明の化合物と抗炎症薬物との他の有用な組み合わせは、ケモカインレセプター(例えば、CCR−1、CCR−2、CCR−3、CCR−4、CCR−5、CCR−6、CCR−7、CCR−8、CCR−9およびCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5)のアンタゴニスト、特に、CCR−5アンタゴニスト(例えば、Schering−PloughのアンタゴニストSC−351125、SCH−55700およびSCH−D、ならびにTakedaのアンタゴニスト(例えば、N−[[4−[[[6,7−ジヒドロ−2−(4−メチルフェニル)−5H−ベンゾ−シクロヘプテン−8−イル]カルボニル]アミノ]フェニル]−メチル]テトラヒドロ−N,N−ジメチル−2H−ピラン−4−アミニウムクロリド(TAK−770)))との組み合わせである。
コード番号、一般名または商品名により識別される活性化合物の構造は、標準的な概説書「The Merck Index」の現行の版またはデータベース(例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications))から得られ得る。
本発明の化合物はまた、公知の治療プロセス(例えば、ホルモンまたは放射線の投与)と組み合わせて使用され得る。特定の実施形態において、提供される化合物は、放射線増感剤として(特に、放射線治療に対して乏しい感度を示す腫瘍の処置のために)使用される。
本発明の化合物は、単独で投与されても、1種以上の他の治療化合物と組み合わせて投与されてもよく、可能な併用療法は、一定の組み合わせの形態、または本発明の化合物と1種以上の他の治療化合物との投与が交互であるか、もしくは互いに独立している形態、または一定の組み合わせと1種以上の他の治療化合物との組み合わせた投与の形態をとり得る。本発明の化合物は、それ以外に、またはそれに加えて、特に腫瘍治療のために、化学療法、放射線療法、免疫療法、光線療法、外科手術介入、またはこれらの組み合わせと組み合わせて、投与され得る。上で記載されたように、他の処置ストラテジーの観点で、補助的な治療と同様に、長期間の治療が可能である。他の可能な処置は、腫瘍回帰後の患者の状態を維持するための治療、またはさらに、例えば危険がある患者における化学防御治療である。
これらのさらなる剤は、個々の化合物含有化合物とは別に、複数投薬計画の一部として投与され得る。あるいは、これらの剤は、本発明の化合物と単一の組成物に混合された、単一の剤形の一部であり得る。複数投薬計画の一部として投与される場合、これらの2種の活性剤は、同時にか、順番にか、または互いからある期間以内(通常、互いから5時間以内)に与えられ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「組み合わせ」、「併用」、および関連する用語は、本発明に従う、複数の治療剤の同時または順番の投与をいう。例えば、本発明の化合物は、別の単位剤形中でかまたは単一の単位剤形中で一緒に、別の治療剤と同時にかまたは順番に投与され得る。従って、本発明は、本発明の化合物、さらなる治療剤、および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含有する、単一の剤形を提供する。
単一の剤形を製造するためにキャリア材料と組み合わせられ得る、本発明の化合物とさらなる治療剤との両方の(上記のようなさらなる治療剤を含有する組成物中での)量は、処置される宿主、および特定の投与形態に依存して変わる。好ましくは、本発明の組成物は、0.01mg/kg体重/日〜100mg/kg体重/日の投薬量の本発明の化合物が投与され得るように、処方されるべきである。
さらなる治療剤を含有する組成物において、そのさらなる治療剤および本発明の化合物は、相乗作用し得る。従って、このような組成物中のさらなる治療剤の量は、その治療剤のみを利用する単剤療法において必要とされる量より少ない。このような組成物において、0.01μg/kg体重/日〜1,000μg/kg体重/日の投薬量のさらなる治療剤が投与され得る。
本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、唯一の活性剤としてその治療剤を含む組成物で通常投与される量以下になる。好ましくは、本開示の組成物中のさらなる治療剤の量は、唯一の治療上活性な剤としてその剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%から100%に及ぶ。
本発明の化合物またはその医薬組成物はまた、装具、人工弁、移植血管、ステントおよびカテーテルなどの埋込み可能な医療デバイスをコーティングするための組成物中に組み込まれ得る。例えば、血管ステントは、再狭窄(損傷後の血管壁の再狭小化)を克服するために使用されている。しかし、ステントまたはその他の埋込み可能なデバイスを使用する患者には、血餅形成または血小板活性化のリスクがある。これらの不要な効果は、デバイスをキナーゼ阻害剤を含む薬学的に受容可能な組成物でプレコーティングすることによって、防ぐまたは軽減することができる。本発明の化合物でコーティングされた埋込み可能なデバイスが、本発明の別の実施形態である。
例示
以下の実施例に記載されるように、特定の例示的実施形態において、化合物は、以下の一般手順に従って調製される。本発明の化合物の合成を記載するが、以下の一般方法および当業者に公知である他の方法が、全ての化合物、ならびに本明細書中に記載されるようなこれらの化合物の各々のサブクラスおよび種に適用され得ることが、理解される。
実施例1:12−N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(化合物1.6)の合成。
Figure 2016505012
化合物1.2の合成。シクロペンタノン(16.8g,199.72mmol,1.00当量)、2−シアノ酢酸エチル(22.6g,199.80mmol,1.00当量)、ジエチルアミン(14.4g,199.8mmol,1.00当量)およびS(6.4g,0.2mol,1.00当量)のエタノール(250mL)中の溶液を室温で16時間撹拌した。減圧中で濃縮した後に、得られた溶液を500mLの水で希釈し、そして酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を用いてシリカゲルカラムに適用して、1.2(14.7g,35%)を薄黄色固体として得た。MS (ES): m/z 212 (M+H)H NMR (400 MHz, CDCl): δ 5.84 (2H, br s), 4.26 (2H, q), 2.86−2.82 (2H, m), 2.76−2.72 (2H, m), 2.36−2.29 (2H, m), 1.34 (3H, t)。
化合物1.3の合成。1.2(500mg,2.37mmol,1.00当量)を尿素(2.1g,34.97mmol,15.00当量)で、砂浴中180℃で2時間処理した。完了後、その反応温度を自然に室温まで冷却し、そして水で希釈した。この溶液のpH値を6Mの水酸化ナトリウム水溶液で14に調整した。形成した固体を濾別し、そしてその濾液を2Mの塩酸でpH4に調整した。単離した固体を集め、そして水での再結晶により精製した。その固体を減圧下でオーブン内で乾燥させて、1.3(0.2g,41%)を青白色固体として得た。
化合物1.4の合成。1.3(3g,14.41mmol,1.00当量)のPOCl(25mL)中の溶液に、N,N−ジメチルベンゼン(2mL)を添加し、そして得られた溶液を油浴中窒素下120℃で2時間撹拌した。過剰量のPOClを減圧下で除去した後に、その残渣を炭酸ナトリウムの冷水溶液に注ぎ、そして3×100mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を用いてシリカゲルカラムに適用して、1.4(3.1g,88%)を白色固体として得た。MS (ES): m/z 245 (M+H)
化合物1.5の合成。1.4(264mg,1.08mmol,1.00当量)のアセトニトリル(15mL)中の溶液に、1−N,1−N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン塩酸塩(270mg,1.51mmol,1.40当量)および炭酸カリウム(450mg,3.26mmol,3.00当量)を添加した。この溶液を油浴中窒素下80℃で一晩撹拌した。得られた溶液をEtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、1.5(300mg,79%)を黄色固体として得た。MS (ES): m/z 252 (M+H)
化合物1.6の合成。20mLの密封チューブに、1.5(80mg,0.23mmol,1.00当量)の10mLの飽和メタノール−NH溶液中の溶液を入れた。得られた溶液を油浴中140℃で一晩撹拌し、そして減圧下で濃縮した。その粗製生成物(80mg)を、分取HPLCにより、以下の条件下で精製した(SHIMADZU):カラム:SunFire Prep C18,19×150mm 5μm;移動相:0.05%のNHHCOを含む水およびCHCN(6.0%のCHCNを12分間で50.0%まで上昇);254nmでのUV検出。これにより、化合物1.6(13mg,17%)を褐色固体として得た。MS (ES, m/z) : 332 (M+H)H NMR (300 MHz, CDCl): δ 4.61 (s, 3H), 3.87−3.97 (m, 1H), 2.80−2.83 (m, 4H), 2.35−2.45 (m, 2H), 2.24 (s, 6H), 2.01−2.18 (m, 3H), 1.86 (s, 3H), 1.29−1.41 (dd, 2H), 1.14−1.18 (t, 3H)。
実施例2:12−N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−10−N−メチル−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(化合物1.7)の合成。
Figure 2016505012
10mLの密封チューブに、1.5(120mg,0.34mmol,1.00当量)およびCHNH−HO溶液(40%,3mL)を添加した。この溶液を油浴中70℃で一晩撹拌した。この反応の完了後、得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその粗製生成物(140mg)を分取HPLCにより、以下の条件下で精製した(Waters):カラム:SunFire Prep C18,19×150mm 5μm;移動相:移動相:0.05%のNHHCOを含む水およびCHCN(25%のCHCNから15分間で100%まで上昇);流量:20mL/分;254/220nmでのUV検出。生成物を含む画分を集め、そして減圧下で部分的にエバポレートして水およびCHCNを除去した。その残渣を一晩凍結乾燥させて、化合物1.7(50mg)を白色固体として得た。MS (ES): m/z 346 (M+H)。1H NMR (300 MHz, CDOD): δ 4.75−4.70 (1H, m), 4.64 (1H, d), 4.05−3.94 (1H, m), 3.00 (3H, d), 2.89−2.87 (4H, m), 2.54−2.38 (2H, m), 2.32 (6H, s), 2.25−2.21 (3H, m), 1.96 (2H, d), 1.50−1.35 (2H, m), 1.29−1.19 (2H, m)。
実施例3:N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−1)の合成。
Figure 2016505012
化合物3.1の合成。100mLの丸底フラスコ内の、1.4(100mg,0.41mmol,1.00当量)、4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−アミン二塩酸塩(143.8mg,0.56mmol,1.37当量)および炭酸カリウム(338mg,2.45mmol,5.99当量)のCHCN(40mL)中の溶液を油浴中で一晩加熱還流した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を、ジクロロメタン/メタノール(30:1)を用いてシリカゲルカラムに適用した。これにより、230mg(96%)の3.1を白色固体として得た。
化合物I−1の合成。50mLの丸底フラスコ内で、3.1(100mg,0.25mmol,1.00当量)、アニリン(118mg,4.99当量)およびTMSCl(276mg,2.54mmol,12.35当量)のn−ブタノール(20mL)中の溶液を油浴中90℃で一晩撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。その固体を濾過により集め、そして2×10mLのエーテルで洗浄した。その固体をオーブン内減圧下で乾燥させた。これにより、46.9mg(38%)のI−1をオフホワイトの固体として得た。MS (ES): m/z = 450 [M−0.97HCl+H]
実施例4:12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−N−フェニル−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10−アミン(I−2)の合成。
Figure 2016505012
化合物4.1の合成。水素化ナトリウム(132mg,3.30mmol,5.06当量,鉱油中60%の分散物)を、10mLの蒸留THF中のtrans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサン−1−オール(113mg,0.79mmol,1.21当量)で窒素下室温で1時間処理した。次いで、1.4(160mg,0.65mmol,1.00当量)の5mLのTHF中の溶液をシリンジを介して添加し、そして得られた固体を撹拌しながらさらに5時間反応させ、この間、その温度を油浴中で60℃で維持した。冷却後、次いで、この反応を飽和水性NHClでクエンチし、そして5×50mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、ジクロロメタン/メタノール/NHOH(200:10:1)を用いる分取TLCにより精製して、所望の4.1(180mg,78%)を薄黄色固体として得た。
化合物I−2の合成。4.1(160mg,0.45mmol,1.00当量)、アニリン(186mg,2.00mmol,4.40当量)、CsCO(245mg,0.75mmol,1.65当量)の1,4−ジオキサン(20mL)中の混合物に、Pd(dba)(14mg,0.02mmol,0.03当量)およびXantphos(17mg,0.03mmol,0.06当量)を順番に添加し、そして窒素で3回脱気した。この反応混合物を油浴中110℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後に、この反応を水でクエンチし、3×50mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その粗製生成物(150mg)を分取HPLCにより、以下の条件下で精製した(Waters):カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm,19×150mm;移動相:0.05%のNHHCOを含む水およびCHCN(5.0%のCHCNから10分間で95.0%まで上昇、95.0%で3分間保持、次いで2分間で5.0%まで低下);流量:20mL/分;254/220nmでのUV検出。生成物を含む画分を集め、そして減圧下でエバポレートして溶媒を除去して、所望のI−2(51.1mg,28%)をオフホワイトの固体として得た。MS (ES): m/z 408 (M+H)H NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.99 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.19−5.13(m, 1H), 2.94−2.91 (m, 4H), 2.48−2.33 (m, 11H), 2.10−2.07 (m, 2H), 1.63−1.51 (m, 4H)。
実施例5:N2−(3−フルオロフェニル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−3)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−3を、3.1から、化合物I−1の合成(実施例3)と類似の方法で、3−フルオロアニリンをアニリンの代わりに用いて調製した。100mgのオフホワイトの固体を56%の収率で単離した。MS (ES): m/z 468 [M−0.97HCl+H]H NMR (400 MHz, d−DMSO): δ 10.6 (br s, 1H), 9.49 (s, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.31−7.27 (q, 1H), 6.69 (td, 1H), 6.07 (d, 1H), 4.08−3.95 (m, 3H), 3.88−3.81 (m, 2H), 3.25−3.08 (m, 3H), 3.04(t, 2H), 2.85 (t, 2H), 2.40 (quintet, 2H), 2.25 (d, 2H), 2.16 (d, 2H), 1.72−1.48 (m, 4H)。
実施例6:N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(m−トリル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−4)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−4を、3.1から、化合物I−1の合成(実施例3)と類似の方法で、3−メチルアニリンをアニリンの代わりに用いて調製した。100mgのオフホワイトの固体を57%の収率で単離した。MS (ES): m/z 464 [M−0.93HCl+H]H NMR (400 MHz, DMSO−d): δ 10.79 (br s, 1H), 9.34 (br s, 1H), 7.60 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.22 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.16 (br s, 1H), 4.10−3.92 (m, 3H), 3.90−3.80 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 3.46 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 3.18−3.08 (m, 3H), 3.02 (t, 2H), 2.85 (t, 2H), 2.45−2.38 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.26 (d, 2H), 2.14 (d, 2H), 1.67−1.45 (m, 4H)。
実施例7:10−N−(3−メトキシフェニル)−12−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−5)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−5を、3.1から、化合物I−1の合成(実施例3)と類似の方法で、3−メトキシアニリンをアニリンの代わりに用いて調製した。100mgのオフホワイトの固体を86%の収率で単離した。MS (ES): m/z 480 (M+H)H NMR (400 MHz, DMSO−d): δ 9.10 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.13 (t, J = 8.0, 1H), 6.48 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H ), 5.86 (d, J = 8.0 Hz, 1H ), 4.10−3.95 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.60−3.58 (m, 4H), 3.00 (t, 2H), 2.84 (t, 2H), 2.43−2.32 (m, 2H), 2.28−2.20 (m, 1H), 2.06 (d, 2H), 1.89 (d, 2H), 1.55−1.30 (m, 4H)。
実施例8:N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(p−トリル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−6)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−6を、3.1から、化合物I−1の合成(実施例3)と類似の方法で、4−メチルアニリンをアニリンの代わりに用いて調製した。120mgのオフホワイトの固体を68%の収率で単離した。MS (ES): m/z 464 [M−0.96HCl+H]H NMR (400 MHz, DMSO−d): δ 10.95 (br s, 1H), 9.44 (br s, 1H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.28 (br s, 1H), 4.11−3.95 (m, 3H), 3.88 (t, 2H), 3.48 (d, 2H), 3.17−3.05 (m, 3H), 3.02 (t, 2H), 2.86 (t, 2H), 2.50−2.39 (m, 2H), 2.35−2.21 (m, 5H), 2.13 (d, 2H), 1.70−1.41 (m, 4H)。
実施例9:10−N−(1H−イミダゾール−2−イル)−12−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−11)の合成。
Figure 2016505012
化合物9.1の合成。化合物9.1を、3.1から、化合物I−2の合成(実施例4)と類似の方法で調製した。100mgの黄色固体を60%の純度で単離した。
化合物I−11の合成。9.1(100mg,粗製)の8mLのTHF中の溶液を塩酸(37%,2mL)に室温で添加した。得られた溶液を油浴中50℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、2Mの水酸化ナトリウムで中和し、そしてDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮し、そしてその残渣を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)を用いてシリカゲルカラムに適用した。その粗製生成物をメタノールから再結晶して、14.4mgの所望のI−11をオフホワイトの固体として得た。MS (ES): m/z 440 (M+H)H NMR (300 MHz, CDCl): δ 6.84 (s, 2H), 4.85 (d, 1H), 4.10−3.92 (m, 1H), 3.80−3.68 (m, 4H), 2.94 (t, 4H), 2.62−2.58 (m, 4H), 2.55−2.46 (m, 2H), 2.32−2.21 (m, 3H), 2.02 (d, 2H), 1.55−1.38 (m, 2H), 1.35−1.12 (m, 2H)。
実施例10:12−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−10−N−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−9)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−9を、3.1から、化合物I−2の合成(実施例4)と類似の方法で調製した。7.1mgのオフホワイトの固体を5%の収率で単離した。MS (ES): m/z 441 (M+H)H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.46 (d, 2H), 7.02 (s, 1H), 4.85 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.10−3.62 (m, 5H), 2.97 (t, 4H), 2.80−2.50 (m, 6H), 2.45−1.98 (m, 5H), 1.65−1.40 (m, 2H), 1.35−1.18 (m, 2H)。
実施例11:3−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−5−N−フェニル−8−チア−4,6−ジアザトリシクロ[7.4.0.0[2,7]]トリデカ−1(9),2,4,6−テトラエン−3,5−ジアミン(I−7)の合成。
Figure 2016505012
化合物11.3の合成。化合物11.3を、化合物1.3の合成と類似の方法で、最初の工程においてシクロヘキサノンをシクロペンタノンの代わりに用いて調製した。4.8gの褐色固体を、シクロヘキサノンから71%の収率で単離した。
化合物11.4の合成。11.3(3g,13.50mmol,1.00当量)の、30mLの三塩化ホスホリル中の混合物を、油浴中窒素下110℃で4時間加熱した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を100mLのEtOAcで希釈し、そして重炭酸ナトリウムの冷飽和水溶液に注いだ。得られた溶液を2×300mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。この粗製生成物をEtOAcから再結晶することにより精製して、11.4(2.4g,69%)を薄黄色固体として得た。
化合物11.5の合成。化合物11.5を、化合物3.1の合成と類似の方法で調製した。621mgの白色固体を79%の収率で単離した。
化合物I−7の合成。化合物I−7を、化合物I−1の合成(実施例3)と同じ方法で調製した。5.6mgの白色固体を7%の収率で単離した。MS (ES): m/z 464 (M+H)H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.66 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.48−7.30 (m, 2H), 7.25−6.99 (m, 1H), 6.89 (s, 1H), 5.05 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.09−3.67 (m, 5H), 2.84−2.75 (m, 9H), 2.55−2.00 (m, 4H), 1.92−1.78 (m, 4H), 1.85−1.55 (m, 2H), 1.35−1.19 (m, 2H)。
実施例12:3−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−5−N−(1,3−オキサゾール−2−イル)−8−チア−4,6−ジアザトリシクロ[7.4.0.0[2,7]]トリデカ−1(9),2(7),3,5−テトラエン−3,5−ジアミン(I−8)の合成。
Figure 2016505012
11.5(122mg,0.30mmol,1.00当量)、1,3−オキサゾール−2−アミン(76mg,0.90mmol,3.02当量)、t−BuONa(87mg,0.91mmol,3.02当量)、Pd(dba)(27mg,0.03mmol,0.10当量)およびXantphos(17mg,0.03mmol,0.10当量)のジオキサン(20mL)中の溶液をN下100℃で3時間撹拌した。完了後、得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして水で希釈し、DCMで抽出し、乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その残渣を、ジクロロメタン/メタノール(1:10)を用いてシリカゲルカラムに適用して、粗製生成物を得、これをDCM/MeOH(V/V:1/1)から再結晶することにより精製した。66.6mgのオフホワイトの固体を49%の収率で単離した。MS (ES): m/z 455 (M+H)H−NMR (300 MHz, CDCl): δ 7.51 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 5.09 (d, 1H), 4.15−3.92 (m, 1H), 3.81(br s, 5H), 2.90−2.50 (m, 9H), 2.32 (d, 2H), 2.15−1.98 (m, 2H), 1.88 (br s, 4H), 1.55−1.40 (m, 2H), 1.30−1.10 (m, 2H)。
実施例13:10−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]−12−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−10)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−10を、3.1から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で、4−(1−メチルピペリジン−4−イル)アニリンを1,3−オキサゾール−2−アミンの代わりに用いて調製した。68.6mgのオフホワイトの固体を41%の収率で単離した。MS (ES, m/z) 547 (M+H)H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.60 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.84 (s, 1H), 4.80 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.08−4.01 (m, 1H), 3.80−3.72 (m, 4H), 3.10−2.92 (m, 6H), 2.64−2.43 (m, 10H), 2.33−1.91 (m, 10H), 1.52−1.44 (m, 2H), 1.31−1.23 (m, 2H)。
実施例14:N4−((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)−N2−(4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−67)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−67を、1.5から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で、4−(1−メチルピペリジン−4−イル)アニリンを1,3−オキサゾール−2−アミンの代わりに用いて調製した。31.4mgの白色固体を15%の収率で単離した。MS (ES): m/z 505 (M+H)H NMR (300 MHz, CDCl): δ 7.59 (d, 2H), 7.16 (d, 2H), 6.82 (s, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.10−3.90 (m, 1H), 3.05 (d, 2H), 2.98−2.85 (m, 4H), 2.5−2.22 (m, 14H), 2.21−2.00 (m, 5H), 1.95−1.85 (m, 5H), 1.60−1.38 (m, 2H), 1.35−1.15 (m, 2H)。
実施例15:5−N−(1H−イミダゾール−2−イル)−3−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−8−チア−4,6−ジアザトリシクロ[7.4.0.0[2,7]]トリデカ−1(9),2(7),3,5−テトラエン−3,5−ジアミン(I−12)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−12を、11.5から、化合物I−11の合成(実施例9)と同じ方法で調製した。18.5mgのオフホワイトの固体を8%の全体的な収率で単離した。MS (ES): m/z 454 (M+H)H NMR (300 MHz, CDCl): δ 6.82 (s, 2H), 5.12 (d, 1H), 4.10−3.90 (m, 1H), 3.82−3.65 (m, 4H), 2.82 (br s, 2H), 2.74 (br s, 2H), 2.70−2.51 (m, 4H), 2.40−2.15 (m, 3H), 2.05−1.98 (m, 2H), 1.95−1.80 (m, 4H), 1.60−1.35 (m, 2H), 1.32−1.15 (m, 2H)。
実施例16:12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10−アミン(I−68)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−68を、4.1から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で調製した。9.8mgのオフホワイトの固体を6%の収率で単離した。MS (ES): m/z 507 (M+H)H NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 9.25 (s, 1H), 7.55 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 5.18−4.98 (m, 1H), 3.10−3.01 (m, 4H), 2.91−2.78 (m, 4H), 2.49 (s, 9H), 2.48−2.35 (m, 3H), 2.30−2.15 (m, 6H), 2.05−1.90 (m, 2H), 1.60−1.40 (m, 4H)。
実施例17:12−N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−10−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−69)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−69を、1.5から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で調製した。20.5mg(8%)の白色固体を単離した。MS (ES): m/z 506 (M+H)H NMR (400 MHz, d−DMSO): δ 8.82 (s, 1H), 7.58 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.76 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.05−3.88 (m, 1H), 3.03 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 2.98 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.81 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.45 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 2.45−2.31 (m, 2H), 2.28−2.10 (m, 10H), 2.02 (d, (t, J = 12 Hz, 2H), 1.86 (d, (t, J = 12 Hz, 2H), 1.52−1.38 (m, 2H), 1.35−1.20 (m, 2H)。
実施例18:12−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−10−N−[4−(ピペリジン−4−イル)フェニル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン塩酸塩(I−70)の合成。
Figure 2016505012
化合物18.2の合成。4−(ピペリジン−4−イル)アニリン塩酸塩(950mg,4.47mmol,1.00当量)および1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−1,3−ジオン(667.2mg,4.50mmol,1.01当量)の酢酸(100mL)中の溶液を3時間加熱還流した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、18.2(1.49g,97%)を白色固体として得た。
化合物18.3の合成。18.2(1.49g,4.33mmol,1.00当量)、4−ジメチルアミノピリジン(109mg,0.89mmol,0.21当量)、トリエチルアミン(1.805g,17.84mmol,4.12当量)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.462g,6.70mmol,1.55当量)のジクロロメタン(100mL)中の溶液を窒素下室温で3時間撹拌した。得られた混合物をHOで洗浄し、そしてDCMで抽出した。合わせた有機層を1MのHClおよびブラインで洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で濃縮した後に、その残渣をEtOAc/PE(1:30から1:10)を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、18.3(1.44g,82%)を白色固体として得た。
化合物18.4の合成。250mLの丸底フラスコ内で、18.3(1.433g,3.53mmol,1.00当量)およびNHNH・HO(1.84g,36.71mmol,10.41当量)の80mLのエタノール中の溶液を油浴中50℃で4時間撹拌した。その固体を濾別した。その濾液を減圧下で濃縮し、そしてその残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:2)を用いてシリカゲルカラムに適用して、所望の4−(4−アミノフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(446mg,46%)を白色固体として得た。
化合物18.5の合成。化合物18.5を、18.4および3.1から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で調製した。120mg(83%)の黄色固体を単離した。
化合物I−70の合成。18.5(120mg,0.19mmol,1.00当量)のジクロロメタン(20mL)中の溶液に、12Mの塩酸(0.2mL)を添加し、その後、水/氷浴中0℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。化合物I−70(43.8mg,41%)を、MeOH/EtO中での沈殿により、オフホワイトの固体として得た。MS (ES): m/z 533 (M+H)H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.55−7.44 (m, 4H), 4.27−3.92 (m, 5H), 3.61−3.51 (m, 4H), 3.35−2.95 (m, 10H), 2.62−2.53 (m, 2H), 2.40−2.26 (m, 4H), 2.14−1.98 (m, 4H), 1.84−1.63 (m, 4H)。
実施例19:12−N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−10−N−[4−(ピペリジン−4−イル)フェニル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン塩酸塩(I−71)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−71の合成。化合物I−71を、1.5および18.4から、3.1および18.4からの化合物I−70の合成と類似の方法で調製した。化合物I−71(88.2mg,53%)をオフホワイトの固体として得た。MS (ES): m/z 491 (M+H)H NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.45 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.27−4.22 (m, 1H), 3.57−3.50 (m, 2H), 3.37−2.92 (m, 14H), 2.63−2.55 (m, 2H), 2.30−2.28 (m, 4H), 2.15−2.08 (m, 4H), 1.65−1.78 (m, 4H)。
実施例20:12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−N−[4−(ピペラジン−1−イル)フェニル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10−アミン(I−13)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−13を、4.1および4−(4−アミノフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルから、3.1および18.4からの化合物I−70の合成(実施例18)と類似の方法で調製した。56.9mgの白色固体を21%の全体的な収率で単離した。MS (ES): m/z 493 (M+H)H NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 9.25 (s, 1H), 7.56 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.15−5.05 (m, 1H), 3.03−2.95 (m, 4H), 2.92−2.78 (m, 8H), 2.45−2.40 (m, 3H), 2.25−2.10 (m, 9H), 1.88 (d, 2H), 1.55−1.36 (m, 4H)。
実施例21:12−N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−10−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−72)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−72を、1.5から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンを1,3−オキサゾール−2−アミンの代わりに用いて調製した。85.3mg(36%)の白色固体を単離した。MS (ES): m/z 412 (M+H)H−NMR (300 MHz, CDCl): δ 7.86 (1H, s), 7.45 (1H, s), 6.65 (1H, s), 4.75 (1H, d), 4.04−3.93 (1H, m), 3.88 (3H, s), 3.01−2.82 (4H, m), 2.53−2.44 (2H, m), 2.38 (7H, s), 2.30−2.26 (2H, d), 2.06−2.02 (2H, d), 1.54−1.41 (2H, m), 1.32−1.18 (2H, m)。
実施例22:N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−12−[[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]オキシ]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10−アミン(I−73)の合成。
Figure 2016505012
化合物22.1の合成。trans−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−オール(109mg,0.59mmol,1.20当量)の蒸留THF(5mL)中の溶液に、NaHMDS(THF中2M,0.3mL,0.6mmol,1.20当量)を窒素下0℃で添加した。30分間撹拌した後に、1.4(120mg,0.49mmol,1.00当量)を添加し、そして得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、この反応を、10mLの飽和NHClの添加によりクエンチし、そして3×50mLのDCMで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、ジクロロメタン/メタノール(50:1)を用いてシリカゲルカラムに適用して、150mg(78%)の22.1を白色固体として得た。
化合物I−73の合成。化合物I−73を、22.1から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンを1,3−オキサゾール−2−アミンの代わりに用いて調製した。32.9mgの白色固体を19%の収率で単離した。MS (ES): m/z 455 (M+H)H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.90 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 5.18−5.02 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.75−3.72 (m, 4H), 3.08−2.89 (m, 4H), 2.66−2.63 (m, 4H), 2.54−2.32 (m, 5H), 2.12−2.04 (m, 2H), 1.63−1.55 (m, 4H)。
実施例23:10−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−12−N−[4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−74)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−74を、3.1から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンを1,3−オキサゾール−2−アミンの代わりに用いて調製した。55.3mg(47%)の薄黄色固体を単離した。MS (ES): m/z 454 (M+H)H NMR (300 MHz, CDCl): δ 7.84 (1H, s), 7.60−7.46 (1H, s), 6.91−6.52 (1H, s), 4.76−4.73 (1H, d, J = 9.0 Hz), 4.04−3.95 (1H, m), 3.89 (3H, s), 3.78 (4H, s), 2.94−2.89 (4H, t, J = 7.5 Hz), 2.63 (4H, s), 2.53−2.44 (2H, m), 2.32−2.23 (3H, m), 2.15−2.04 (2H, m), 1.55−1.45 (2H, m), 1.31−1.19 (2H, m)。
実施例24:12−N−シクロヘキシル−10−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−15)の合成。
Figure 2016505012
化合物24.1の合成。化合物24.1を、シクロヘキサンアミンから、1−N,1−N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン塩酸塩からの1.5の合成と類似の方法で調製した。60mg(48%)の白色固体を単離した。
化合物I−15の合成。化合物I−15を、24.1から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンを1,3−オキサゾール−2−アミンの代わりに用いて調製した。13.9mgの白色固体を20%の収率で単離した。MS (ES): m/z 369 (M+H)H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.81 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 4.21−4.08 (m, 1H), 3.89 (s, 1H), 3.03 (t, 2H), 2.92 (t, 2H), 2.53 (quintet, 2H), 2.03 (d, 2H), 1.83 (d, 2H), 1.69 (d, 1H) 1.52−1.39 (m, 5H)。
実施例25:4−([10−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−12−イル]アミノ)シクロヘキサン−1−オール(I−16)の合成。
Figure 2016505012
化合物25.1の合成。化合物25.1を、4−アミノシクロヘキサン−1−オールから、1−N,1−N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン塩酸塩からの1.5の合成と類似の方法で調製した。60mg(45%)の白色固体を単離した。
化合物I−16の合成。化合物I−16を、25.1から、中間体4.1からの化合物I−2の合成(実施例4)と類似の方法で調製した。21.2mg(30%)の黄色固体を単離した。MS (ES): m/z 385 (M+H)H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.83 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.20−4.08 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.60−3.51 (m, 1H), 3.02 (t, 2H), 2.93 (t, 2H), 2.52 (quintet, 2H), 2.04 (t, 4H), 1.65−1.50 (m, 2H), 1.45−1.30 (m, 2H)。
実施例26:12−N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−10−N−フェニル−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10,12−ジアミン(I−75)の合成。
Figure 2016505012
1.5(120mg,0.34mmol,1.00当量)のジオキサン(5mL)中の溶液に、アニリン(60mg,0.72mmol,2.00当量)、XantPhos(20mg,0.03mmol,0.10当量)およびPd(dba)(20mg,0.02mmol,0.06当量)を窒素下で順番に添加した。得られた溶液を110℃で一晩撹拌しこの反応の完了後、その固体を濾別し、そしてその濾液をDCMで希釈し、そしてブラインで洗浄した。その有機層を減圧下で濃縮し、そしてその粗製生成物(80mg)を、分取HPLCにより、以下の条件下で精製した(SHIMADZU):カラム:SunFire Prep C18,19×150mm 5μm;移動相:0.05%のNHHCOを含む水およびCHCN(25%のCHCNから15分間で100%まで上昇);流量:20mL/分;254/220nmでのUV検出。生成物を含む画分を集め、そして減圧下で部分的にエバポレートして水およびCHCNを除去した。その残渣を一晩凍結乾燥させて、I−75(20mg)を灰色固体として得た。MS (ES): m/z 408 (M+H)。H NMR (300 MHz, CDOD) δ 6.67 (2H, d), 7.26 (2H, t), 6.94 (1H, t), 4.10−4.02 (1H, m), 3.01−2.92 (2H, m), 2.91−2.87 (2H, m), 2.55−2.45 (2H, m), 2.34 (7H, m), 2.23 (2H, brs), 2.03 (2H, brs), 1.46−1.42 (4H, m)。
実施例27:12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−10−アミン(I−14)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−14を、4.1から、化合物I−8の合成(実施例12)と類似の方法で、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンを1,3−オキサゾール−2−アミンの代わりに用いて調製した。84.3mg(48%)の白色固体を単離した。MS (ES): m/z 413 (M+H)。1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 9.34 (s, 1H), 7.87 (m, 1H), 7.46 (s, 1H), 5.11−5.09 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 2.86−2.84 (m, 4H), 2.42−2.37 (m, 2H), 2.20 (s, 9H), 1.90−1.85 (m, 2H), 1.56−1.39 (m, 4H)。
実施例28:2−[(3S)−12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−10−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−3−イル]アセトアミド(I−21)の合成。
Figure 2016505012
化合物28.1の合成。トリホスゲン(2.205g,7.43mmol,1.0当量)の80mLの無水DCM中の溶液に、28.0(4.455g,14.98mmol,2.00当量)のDCM(20mL)中の溶液を0℃で撹拌しながら滴下により添加し、その後、TEA(3.8g,37.43mmol,5.0当量)をシリンジを介して窒素下で添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。この混合物に(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(5.01g,29.96mmol,4.00当量)を添加し、そして得られた固体を撹拌しながらさらに周囲温度で1時間反応させた。その固体を濾別し、2×100mLのDCMで洗浄し、そしてその濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:5)を用いてシリカゲルカラムに適用して、28.1(4.5g,61%)を黄色固体として得た。
化合物28.2の合成。水素化ナトリウム(2.2g,55.00mmol,3.00当量,60%)を100mLのジオキサン中の28.1(9.0g,18.35mmol,1.00当量)で窒素下100℃で一晩処理した。次いで、冷却後、この反応を水でクエンチし、そしてこの溶液のpH値を4Mの塩酸で4に調整した。その固体を濾過により集め、そしてオーブン内(45℃)で乾燥させて、6.2g(81%)の28.2をオフホワイトの固体として得た。
化合物28.3の合成。28.2(6.0g,14.41mmol,1.00当量)、エタノール(10mL)および4−メチルベンゼン−1−スルホン酸(800mg,4.65mmol,0.32当量)のトルエン(110mL)中の溶液を120℃で一晩撹拌した。冷却後、この反応を飽和水性重炭酸ナトリウムでクエンチし、そして2×200mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1/2)を用いてシリカゲルカラムに適用して、28.3(6.0g,94%)を黄色固体として得た。
化合物28.4の合成。28.3(6.0g,13.4mmol,1.00当量)の50mLのトリフルオロ酢酸中の溶液を油浴中窒素下50℃で4.5時間撹拌した。この反応の完了後、得られた混合物を減圧下で濃縮して、28.4(4.5g,粗製)を白色固体として得た。
化合物28.5の合成。250mLの丸底フラスコに、POCl(70mL)中の28.4(4.0g,13.59mmol,1.00当量)を窒素下で入れ、そして得られた混合物を油浴中105℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣を150mLのEtOAcで希釈した。この溶液のpH値を飽和重炭酸ナトリウムで7〜8に調整し、そして2×150mLの酢酸エチルで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を用いてシリカゲルカラムに適用して、所望の28.5(1.95g,43%)を薄黄色固体として得た。
化合物28.6の合成。28.5のエナンチオマー(2.3g)を、キラル−SFCによって、以下の条件下で分離した:カラム:Phenomenex Lux 5u Cellulose−3,5×25cm,5μm;移動相:75%のCOおよび25%のMeOH(0.01 DEA);流量:200g/分;220μmでのUV検出。最初に溶出する画分(tR=3.5分)を集め、そして減圧下でエバポレートして溶媒を除去して、900mgの28.6を得た。2番目に溶出する画分(tR=4.25分)を集め、そして減圧下でエバポレートして溶媒を除去して、900mgの化合物28.9を得た。28.6のee(98.5%)および28.9のeeを、分析用キラルSFCによって、以下の条件下で決定した:カラム:phenomenex Lux 5u Cellulose−3,4.6×250mm,5μm;移動相:90%のCOおよび10%のMeOH(0.01 DEA);流量:4mL/分;254μmでのUV検出。
化合物28.7の合成。化合物28.7を、28.6から、水素化ナトリウムおよびジメチルアミノシクロヘキサノールとTHF中で反応させることによって調製した。0.55gの薄黄色油状物を46%の収率で単離した。
化合物28.8の合成。28.7(275mg,0.625mmol,1.00当量)、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(152mg,1.56mmol,2.50当量)、Pddba(28.6mg,0.03mmol,0.05当量)、Xantphos(36.2mg,0.065mmol,0.10当量)、NaOBu(145mg,1.5mmol,2.5当量)の、30mLの1,4−ジオキサン中の混合物を、窒素で3回脱気した。得られた混合物を100℃で4時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣を水で希釈した。そのpH値を1Mの塩酸で5に調整し、そして5×50mLのクロロホルム/イソ−プロパノール(3:1)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。DCM/MeOH(10:1から2:1)を用いるシリカゲルカラムでのクロマトグラフィーにより精製して、28.8(180mg,62%)を灰色固体として得た。
化合物I−21の合成。化合物I−21を、28.8から、塩化アンモニウムおよびHATUで、DCM中のDIEAを用いて処理することによって、調製した。35.9mgの白色固体を20%の収率で単離した。MS (ES): m/z 470 (M+H)H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.89 (1H, br s), 7.59 (1H,s), 5.19 (1H, m), 3.89 (3H, s), 3.66 (1H, m), 2.83−2.99 (4H, m), 2.70 (7H, m), 2.43 ( 2H, m), 2.14−2.39 (4H, m), 1.76−1.94 (4H, m)。
実施例29:2−(12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−10−(フェニルアミノ)−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ−1(12),2(6),8,10−テトラエン−3−イル)アセトアミド(I−17)。
Figure 2016505012
化合物29.1の合成。NaH(鉱油中60%の分散物,543.4mg,22.64mmol,5.00当量)を、新たに蒸留したTHF(10mL)中のtrans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサン−1−オール(428mg,2.99mmol,1.10当量)で、窒素下室温で1時間処理した。28.5(900mg,2.72mmol,1.00当量)の10mLのTHF中の溶液にシリンジを介して添加し、そして得られた溶液を60℃で3時間撹拌した。この反応の完了後、この反応物を室温まで冷却し、そして飽和NHClでクエンチし、そして3×100mLのDCMで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、ジクロロメタン/メタノール(50:1から30:1)を用いてシリカゲルカラムに適用して、所望の29.1(0.55g,46%)を薄黄色油状物として得た。
化合物29.2の合成。29.1(270mg,0.62mmol,1.00当量)の15mLのジオキサン中の溶液を含む50mLの乾燥丸底フラスコに、Pddba(31.9mg,0.03mmol,0.05当量)、Xantphos(35.6mg,0.06mmol,0.10当量)、t−BuONa(142.9mg,1.49mmol,2.41当量)およびアニリン(142.9mg,1.54mmol,2.49当量)を室温で順番に添加した。次いで、この反応混合物を窒素で3回脱気し、そして100℃で4時間撹拌した。その固体を濾過により濾別し、そしてその濾液を1Mの塩酸で中和し、そして3×50mLのCHCl/イソ−プロパノール(3:1)で抽出した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、215.2(190mg,粗製)を白色固体として得た。
化合物I−17の合成。50mLの丸底フラスコに、29.2(104mg)、NHCl(53mg,0.99mmol,4.58当量)、HOBt(45mg,0.33mmol,1.54当量)、EDCI(87mg,0.45mmol,2.10当量)および4−ジメチルアミノピリジン(29mg,0.24mmol,1.10当量)のDMF(6mL)中の混合物を窒素下で入れた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。この反応を水でクエンチし、そしてDCMで抽出し、そして減圧中で濃縮した。その残渣を分取HPLCにより、以下の条件下で精製した(Waters):カラム:XBridge Shield RP18 OBD 5μm,19×150mm;移動相:0.01%のNHHCOを含む水およびCHCN(勾配B% 20%〜24%,実施時間10分間);流量:15ml/分;254nmでのUV検出。これにより、4.6mg(5%)のI−17を固体として得た。MS (ES): m/z 466 (M+H)H−NMR (300 MHz ,CDOD+CDCl): δ 7.65 (2H, d), 7.43−7.31 (2H, m), 7.15−6.99 (1H, m), 5.25−5.05 (1H, m), 3.79−3.68 (1H, m), 3.08−2.82 (3H, m), 2.79−2.65 (1H, m), 2.61−2.31 (9H, m), 2.28−2.02 (4H, m), 1.75−1.39 (4H, m)。
実施例30:2−(12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−10−[[4−(ピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(12),2(6),8,10−テトラエン−3−イル)アセトアミド(I−18)の合成。
Figure 2016505012
化合物30.1の合成。29.1(200mg,0.46mmol,1.00当量)の15mLのジオキサン中の溶液を含む100mLの乾燥丸底フラスコに、Pddba(25mg,0.023mmol,0.05当量)、Xantphos(27mg,0.046mmol,0.10当量)、t−BuONa(110mg,1.15mmol,2.50当量)およびアニリン(192mg,0.69mmol,1.50当量)を室温で順番に添加した。次いで、この反応混合物を窒素で3回脱気し、そして100℃で4時間撹拌した。その固体を濾別し、そしてその濾液を1Mの塩酸で中和し、そして4×50mLのCHCl/イソ−プロパノール(3:1)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その残渣をDCM/MeOH(20:1から10:1)を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、100mgの所望の30.1を白色固体として得た。
化合物30.2の合成。30.1(100mg,0.15mmol,1.00当量)の乾燥DMF(5mL)中の溶液に、HATU(70mg,0.18mmol,1.20当量)、DIEA(25mg,0.19mmol,1.26当量)およびNHCl(25mg,0.47mmol,3.04当量)を添加し、その後、窒素下室温で一晩撹拌した。次いで、この反応を、20mLの水の添加によりクエンチし、そして5×50mLのDCMで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、DCM/MeOH(20:1から10:1)を用いてシリカゲルカラムに適用して、70mgの30.2をオフホワイトの固体として得た。
化合物I−18の合成。30.2(20mg,0.03mmol,1.00当量)のDCM(5mL)中の溶液に、塩酸(37%,0.2 0.2mL)を0℃で添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、そして減圧下で濃縮した。その粗製生成物(20mg)を、分取HPLCによって、以下の条件下で精製した(Waters):カラム:XBridge Shield RP18 OBD 5μm,19×150mm;移動相:0.01%のNHHCOを含む水およびCHCN(20%〜24%,実施時間10分間);流量:20mL/分;254nmでのUV検出。これにより、10.2mg(60%)の化合物I−18を白色固体として得た。MS (ES): m/z 550 (M+H)H−NMR (300 MHz ,CDOD): δ 7.57 (2H, J = 8.1 Hz, d), 7.00 (2H, J = 8.1 Hz, d), 5.25−5.08 (1H, m), 3.78−3.65 (1H, m), 3.20−2.80 (11H, m), 2.75−2.65 (1H, m), 2.48−2.25 (9H, m), 2.24−2.02 (4H, m), 1.75−1.45 (4H, m)。
実施例31:2−(12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−10−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−3−イル)アセトアミド(I−20)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−20を、30.1から、化合物30.2の合成と類似の方法で調製した。10.6mgの白色固体を10%の全体的な収率で単離した。MS (ES): m/z 470 (M+H)H−NMR (300 MHz ,CDOD): δ 7.90 (1H, s), 7.56 (1H, s), 5.21−5.08 (1H, m), 3.88 (3H, s), 3.75−3.60 (1H, m), 3.05−2.95 (3H, m), 2.95−2.78 (1H, m), 2.75−2.55 (1H, m), 2.54−2.30 (9H, m), 2.25−2.20 (4H, m), 1.75−1.45 (4H, m)。
実施例32:2−[(3R)−12−[[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−10−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−3−イル]アセトアミド(I−22)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−21を、28.9から、化合物I−21の合成と類似の方法で調製した。62.2mgの白色固体を、28.9から5%の全体的な収率で単離した。MS (ES): m/z 470 (M+H)H−NMR (300MHz, CDOD): δ 7.90 ( 1H, br s), 7.56 (1H,s), 5.22−5.12 (1H, m), 3.92 (3H, s), 3.78−3.62 (1H, m), 3.08−2.80 (3H, m), 2.75−2.50 (2H, m), 2.44 (6H, s), 2.41−2.26 (2H, m), 2.25−2.05 (4H, m), 1.70−1.46 (4H, m)。
実施例33:2−[(3R)−10−(フェニルアミノ)−12−[[(1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]オキシ]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−3−イル]アセトアミド(I−24)の合成。
Figure 2016505012

化合物I−24を、32.1から、化合物I−22の合成(実施例32)と類似の方法で調製した。27.8mgの白色固体を、32.1から13%の全体的な収率で単離した。MS (ES): m/z 466 (M+H)H−NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.70 (2H, d), 7.32 (2H, t), 7.00 (1H, t), 5.18−5.05 (1H, m), 3.65−3.50 (1H, m), 2.95−2.85 (2H, m), 2.82−2.71 (2H, m), 2.60−2.46 (7H, s), 2.38−2.28 (2H, m), 2.15−1.98 (4H, m), 1.62−1.40 (4H, m)。
実施例34:(12S)−3−[[(1r,4r)−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキシル]オキシ]−8−チア−4,6−ジアザトリシクロ[7.4.0.0[2,7]]トリデカ−1(9),2(7),3,5−テトラエン−12−カルボン酸(I−25)の合成。
Figure 2016505012
化合物34.1の合成。trans−4−モルホリノシクロヘキサノール(122.3mg,0.66mmol,1.1当量)の、5mLの蒸留THF中の溶液を、NaHMDS(THF中2M,0.33mL,1.1当量)に、窒素下0℃でシリンジを介して滴下により添加した。次いで、3mLのTHF中の28.9(200mg,0.6mmol,1.0当量)をこの温度で添加し、そして30分間撹拌した。この反応が完了した後に、この反応混合物を飽和水性NHClで希釈し、そしてDCMで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その残渣をDCM/MeOH/NHOH(80:1:0.01から50:1:0.01)を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物34.1(140mg)を薄黄色油状物として得た。
化合物34.2の合成。化合物34.1(140mg,0.292mmol,1.00当量)、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(42.5mg,0.437mmol,1.5当量)、Pddba(14.3mg,0.015mmol,0.05当量)、Xantphos(18.1mg,0.030mmol,0.10当量)、CsCO(286mg,0.876mmol,3.0当量)の、8mLのジオキサン中の混合物を、窒素で3回脱気した。得られた混合物を100℃で2時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣を水で希釈し、そしてDCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。DCM/MeOH/NHOH(80:1から30:1:0.01)を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、所望の34.2(130mg,90%の純度)を黄色半固体として得た。
化合物34.3の合成。THF/MeOH/水の混合物(3:3:1.5mL)に溶解させた化合物34.2(130mg,90%の純度)に、LiOH・HO(40mg)を室温で添加し、その後、この温度で4時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。その残渣を3mLの水で希釈し、1Mの塩酸でpH5まで酸性にし、そしてCHCl/IPA(v/v:3:1)で4回抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、そして減圧中でエバポレートして、100mgの粗製の34.3を黄色固体として得た。
化合物I−25の合成。34.3(60mg,0.12mmol,1.00当量)の蒸留DMF(5mL)中の混合物に、NHCl(19.08mg,0.36mmol,3.08当量)、HATU(54.7mg,0.14mmol,1.23当量)およびDIEA(33.4mg,0.26mmol,2.21当量)を添加し、そして窒素下室温で3時間撹拌した。得られた溶液を5mLのHOで希釈し、そして3×20mLのDCMで抽出し、そして減圧下で濃縮した。その粗製生成物(56mg)を分取HPLCにより、以下の条件下で精製した(Waters):カラム:XBridge Shield RP18 OBD 5μm,19×150mm;移動相,0.01%のNHHCOを含む水およびアセトニトリル(10分間で10%〜35%);流量:15ml/分;254nmでのUV検出。これにより、12.5mg(21%)の生成物I−25を白色固体として得た。MS (ES): m/z 512 (M+H)H−NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.90 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 5.22−5.10 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.75−3.50 (m, 5H), 3.02−2.95 (m, 2H), 2.90−2.80 (m, 1H), 2.70−2.58 (m, 5H), 2.50−2.41 (m, 3H), 2.25−2.08 (m, 5H), 1.70−1.56 (m, 2H), 1.54−1.38 (m, 2H)。
実施例35:2−((R)−4−(((1r,4R)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−((4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)アセトアミド(I−23)の合成。
Figure 2016505012

化合物I−23を、32.1から、化合物I−22の合成(実施例32)と類似の方法で、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリンを1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンの代わりに用いて調製した。5.4mgのオフホワイトの固体を32.1から0.4%の全体的な収率で単離した。MS (ES): m/z 564 (M+H)H−NMR (300 MHz, CDOD): δ 8.40 (2.3H, brs), 7.58 (2H, d), 7.00 (2H, d), 5.25−5.08 (1H, m), 3.75−3.65 (1H, m), 3.10−2.82 (16H, m), 2.75−2.60 (5H, m), 2.52−2.48 (2H, m), 2.30−2.12 (5H, m), 1.80−1.60 (4H, m)。
実施例36:2−(4−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)−オキシ)−2−((4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)アセトアミド(I−19)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−19を、29.1および4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリンから、化合物I−18の合成と類似の方法で調製した。12.1mgのオフホワイトの固体を29.1から8%の全体的な収率で単離した。MS (ES): m/z 564 (M+H)H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.47 (2H, d), 7.60 (2H, m), 6.90 (2H, d), 5.18−5.02 (1H, m), 3.70−3.45 (3H, m), 3.13−3.09 (4H, m), 3.05−2.70 (3H, m), 2.65−2.42 (6H, m), 2.37 (6H, s), 2.30−1.98 (9H, m), 1.65−1.30 (4H, m)。
実施例37。N2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−78)の合成。
Figure 2016505012
中間体3.1(120mg,0.305mmol,1.00当量)の無水イソプロパノール(5mL)中の溶液を、1−エチル−1H−ピラゾール−4−アミン(51mg,0.46mmol,1.50当量)および0.5mLの塩酸(ジオキサン中4M)に添加した。得られた溶液をマイクロ波中140℃で1.5時間加熱した。室温まで冷却した後に、この混合物を濾過し、そしてその粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、85.8mg(60%)のN2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−78)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 468 (M+H); H−NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.88 (1H, s), 7.58 (1H, s), 4.15 (2H, q), 4.15−4.00 (1H, m), 3.80−3.72 (4H, m), 3.00 (2H, t), 2.89 (2H, t), 2.70−2.60 (4H, m), 2.50 (2H, quintet), 2.40−2.29 (1H, m), 2.25−2.18 (2H, m), 2.15−2.08 (2H, m), 1.55−1.35 (7H, m)。
実施例38。N2−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−79)の合成。
Figure 2016505012
中間体3.1(120mg,0.31mmol,1.00当量)、1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン(46.5mg,0.372mmol,1.20当量)および塩酸(0.5mL,ヘキサン中4M)の乾燥イソプロパノール(5mL)中の懸濁物をマイクロ波中140℃で1.5時間加熱した。室温まで冷却した後に、得られた混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア(20:1:0.1)を用いてシリカゲルカラムに適用して、66.1mg(45%)の合成N2−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロ−penta[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−79)を白色固体として得た。LCMS (ES,m/z):482 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.84 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 4.49−4.40 (m, 1H), 4.04−3.95 (m, 1H), 3.71−3.68 (m, 4H), 2.94 (t, 2H), 2.83 (t, 2H), 2.78−2.62 (m, 4H), 2.50−2.45 (m, 2H), 2.39−2.25 (m, 1H), 2.25−2.14 (m, 2H), 2.11−1.99 (m, 2H) , 1.47 (d, 6H), 1.46−1.32 (m,4H)。
実施例39。N2−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−80)の合成。
Figure 2016505012
中間体3.1(150mg,0.38mmol,1.00当量)の6mLの無水ジオキサン中の溶液に、CsCO(352mg,1.08mmol,3.00当量)、5−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(74mg,0.76mmol,2.00当量)、Pd(dba)(16mg,0.02mmol,0.05当量)およびBINAP(32mg,0.05mmol,0.10当量)を室温で添加した。得られた混合物を窒素で3回脱気し、そして油浴中100℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、67.3mg(39%)のN2−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−80)の合成を薄黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 454 [M+H]H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.70 (s, 1H), 5.77 (s, 1H), 4.00−3.85 (m, 1H), 3.53 (s, 4H), 3.01−2.71 (m, 4H), 2.50−2.28 (m, 6H), 2.25−2.01 (m, 4H), 2.08−1.81 (m, 4H) ,1.50−1.27 (m, 4H)。
実施例40。N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−81)の合成。
Figure 2016505012
化合物3.1(150mg,0.38mmol,1.00当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(74mg,0.76mmol,2.00当量)のジオキサン(15mL)中の溶液を含む100mLの丸底フラスコに、CsCO(352mg,1.08mmol,3.00当量)、Pd(dba)(16mg,0.02mmol,0.05当量)およびXantphos(33mg,0.06mmol,0.10当量)を室温で添加した。得られた混合物を窒素で3回脱気し、そして油浴中100℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、81.6mg(47%)のN2−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−30)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 454 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 9.06 (s, 1H), 7.50−7.49 (d, 1H), 6.52−6.51 (d, 1H), 5.72 (s, 1H), 3.99−3.82 (m, 1H), 3.67 (s, 1H), 3.58−3.51 (m, 4H), 3.01−2.89 (m, 2H), 2.83−2.71 (m, 2H), 2.45−2.11 (m, 7H), 2.09−1.98 (m, 2H), 1.89−1.78 (m, 2H), 1.49−1.15 (m, 4H)。
実施例41。N2−(5−メチルチオフェン−2−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−82)の合成。
Figure 2016505012
化合物3.1(100mg,0.25mmol,1.00当量)および炭酸カリウム(105mg,0.76mmol,3.00当量)のtert−ブタノール(10mL)中の溶液に、5−メチルチオフェン−2−アミン塩酸塩(57mg,0.50mmol,2.00当量)、Pd(dba)(46mg,0.05mmol,0.20当量)およびXphos(75mg,0.40当量)を室温で添加した。得られた混合物を窒素で3回脱気し、そして100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗製生成物を得、これをその後、分取HPLCを使用して再度精製して、18mg(15%)のN2−(5−メチルチオフェン−2−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−82)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 470 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD): δ 6.49−6.47 (d, 1H), 6.39−6.37 (d, 1H), 4.36−4.29 (m, 1H), 4.11−3.72 (m, 4H), 3.30−3.09 (m, 5H), 3.08−2.99 (m, 2H), 2.97−2.90 (m, 2H), 2.54−2.25 (m, 9H), 1.84−1.61 (m, 4H)。
実施例42。N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−83)の合成。
Figure 2016505012
化合物3.1(200mg,0.51mmol,1.00当量)の10mLの無水ジオキサン中の溶液に、5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−アミン(115mg,0.76mmol,1.50当量)、BINAP(60mg,0.09mmol,0.18当量)、Pd(dba)(53mg,0.06mmol,0.10当量)およびCsCO(537mg,1.53mmol,3.00当量)を添加した。得られた懸濁物を窒素で3回脱気し、そして110℃で一晩撹拌した。冷却後、この反応を飽和NHClでクエンチし、CHClで抽出し、そして減圧中で濃縮した。粗製生成物(140mg)を分取HPLCを使用して精製して、65.5mgのN4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−83)を黄色固体として得た。LCMS46−(ES, m/z): 508 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO, ppm) : δ 12.86 (s, 1H), 9.81 (s, 1H), 6.36 (1, 1H), 5.94 (d, 1H), 4.03−3.91 (m, 1H), 3.59−3.50 (m, 4H), 3.08−2.92 (m, 2H), 2.91−2.78 (m, 2H), 2.58−32 (m, 6H), 2.29−2.17 (m, 1H), 2.05−1.98 (m, 2H), 1.90−1.84 (m, 2H), 1.53−1.25 (m, 4H)。
実施例43。N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−84)の合成。
Figure 2016505012
化合物43.1の合成。50mLの丸底フラスコに窒素下で、ジオキサン(15mL)中の中間体3.1(111mg,0.28mmol,1.00当量)、6−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)−1−tert−ブチル−1[3],3−オキサゾカン−2−オン(90mg,0.34mmol,1.20当量)、CsCO(183mg,0.56mmol,2.00当量)、Pd(dba)・CHCl(28mg,0.03mmol,0.10当量)およびXantPhos(34mg,0.06mmol,0.20当量)を添加した。得られた混合物を油浴中100℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で乾燥させた。その残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、138mg(78%)の化合物43.1を得た。
化合物I−84の合成。化合物43.1(173mg,0.28mmol,1.00当量)の、10mLのCHCl中の溶液に、1.0mLのCFCOOHを0℃で添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をCHClで希釈し、水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、64.8mg(44.7%)のN4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミンI−83を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 523 [M+H]H−NMR (400 MHz, d−DMSO, ppm): δ 8.92 (brs, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 5.75 (brs, 1H), 4.20−4.10 (m, 1H), 4.06−3.94 (m, 1H), 3.62−3.54 (m, 4H), 3.15−3.05 (d, 2H), 2.98 (t, 2H), 2.84 (t, 2H), 2.65−2.55 (m, 2H), 2.51 (brs, 4H), 2.45−2.30 (m, 2H), 2.35−2.20 (m, 1H), 2.06 (d, 2H), 1.98−1.85 (m, 4H), 1.85−1.75 (m, 2H), 1.55−1.25 (m ,4H)。
実施例44。N2−(1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−85)の合成。
Figure 2016505012
化合物3.1(120mg,0.31mmol,1.00当量)のイソプロパノール(5mL)中の溶液に、1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(69mg,0.41mmol,2.00当量)および0.1mLの塩酸(ジオキサン中4M)を室温で添加した。反応混合物をマイクロ波照射で140℃で2時間照射した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、110mg(74%)のN2−(1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミンI−85を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 490 [M+H]。1H NMR (300 MHz, d6−DMSO, ppm): δ 9.25 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.73 (t, 1H), 5.85 (d, 1H), 4.08−3.89 (m, 1H), 3.70−3.57 (m, 4H), 3.14−2.91 (m, 2H), 2.89−2.78 (m, 2H), 2.50−2.27 (m, 7H), 2.07−2.04 (m, 2H), 1.99−1.91 (m, 2H), 1.54−1.34 (m, 4H)。
実施例45。N2−(1−(tert−ブチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−86)の合成。
Figure 2016505012
化合物3.1(150mg,0.38mmol,1.00当量)のイソプロパノール(5mL)中の溶液を含む10mLの密封チューブに、1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−アミン(106mg,0.76mmol,2.00当量)および0.1mlの塩酸(ジオキサン中4M)を室温で添加した。得られた混合物をマイクロ波照射下140℃で2時間撹拌した。得られた混合物を0.5Mの水酸化ナトリウム溶液で希釈し、3×60mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、175mg(92%)のN2−(1−(tert−ブチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミンI−86を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 496 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.94 (1H, s), 7.58 (1H, s), 6.54 (1H, s), 4.75 (1H, d), 4.12−3.98 (1H, m), 3.90−3.65 (4H, m), 2.95−2.88 (4H, m), 2.75−2.55 (4H, m), 2.53−2.42 (2H, m), 2.36−2.25 (3H, m), 2.15−1.92 (2H, m), 1.65−1.48 (11H, m), 1.35−1.18 (2H, m)。
実施例46。N2−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−87)の合成。
Figure 2016505012
10mLの密封チューブ内の、化合物3.1(150mg,0.38mmol,1.00当量)のイソプロパノール溶液(5mL)に、1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(112mg,0.76mmol,2.00当量)および0.1mLの塩酸(ジオキサン中4M)を室温で添加した。得られた混合物をマイクロ波照射下140℃で2時間撹拌した。得られた混合物を1Mの水性NaOHで希釈し、3×60mLの酢酸エチルで抽出した。その有機層を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、78.3mg(44%)のN2−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−87)を得た。LCMS (ES, m/z): 468 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.75 (1H, s), 4.10−3.95 (1H, m), 3.83 (3H, s), 3.73 (4H, t), 2.98 (2H, t), 2.89 (2H, t), 2.64 (4H, t), 2.49 (2H, quintet), 2.40−2.25 (1H, m), 2.25−2.15 (5H, m), 2.12−2.05 (2H, m), 1.52−1.32 (4H, m)。
実施例47。2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸イソプロピル(I−88)の合成。
Figure 2016505012
中間体3.1(50mg,0.13mmol,1.00当量)および2−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸(36mg,0.26mmol,2.00当量)のイソプロパノール(5mL)中の溶液に、塩酸(ジオキサン中4M,0.1mL)を室温で添加した。この反応物を140℃で2時間撹拌し、そしてマイクロ波を照射した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして得られた粗製物質を精製して、2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸イソプロピル,I−88を黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 540 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO, ppm): δ 8.99 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.26−7.06 (m, 1H), 5.79−5.71 (m, 1H), 4.99−4.91 (m, 3H), 4.01−3.99 (m, 1H), 3.77−51 (m, 4H), 3.05−2.98 (m, 2H), 2.83−2.73 (m, 2H), 2.61−2.53 (m, 5H), 2.40−2.35 (m, 2H), 2.01−1.94 (m, 2H), 1.49−1.35 (m, 4H), 1.20−1.15 (m, 6H)。
実施例48。2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸(I−89)の合成。
Figure 2016505012
化合物I−88(50mg,0.09mmol,1.00当量)のメタノール/HO(4/1mL)中の溶液に、LiOH(4mg,0.17mmol,2.00当量)を室温で添加した。得られた溶液を0℃で1時間撹拌し、そしてこの溶液のpH値を1Mの塩酸で約5に調整した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその粗製生成物(50mg)を分取HPLCを使用して精製して、12mgの2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロ−ヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸,I−89を薄黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 498 [M−HCOOH+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO+DO, ppm): δ 8.23 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.15−4.05 (m, 1H), 3.79−3.71 (m, 4H), 2.97−2.82 (m, 7H), 2.51−2.41 (m, 4H), 2.11−1.95 (m, 4H), 1.51−1.43 (m, 4H)。
実施例49。4−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)テトラヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド(I−90)の合成。
Figure 2016505012
5mLのバイアルに、化合物3.1(100mg,0.25mmol,1.00当量)のイソプロパノール(5mL)中の溶液、4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)−1^6−チアン−1,1−ジオン(82mg,0.38mmol,1.50当量)、およびHCl(ジオキサン中4M)(0.01mL)を入れた。得られた溶液をマイクロ波中140℃で2時間撹拌した。その固体を濾過により集めた。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、90mg(62%)の4−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)テトラヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド,I−90を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 572 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO)δ 8.92 (1H, s), 7.86 (1H, s), 7.53 (1H, s), 5.69 (1H, s), 4.58−4.51 (1H, m), 4.01−3.97 (1H, m), 3.57−3.56 (4H, m), 3.40−3.36 (2H, d), 3.23−3.19 (2H, d), 2.97−2.95 (2H, d), 2.82−2.80 (2H, d), 2.50−2.49 (4H, m), 2.39−2.17 (7H, m), 2.05−1.89 (4H, m), 1.52−1.44 (4H, m)。
実施例50。N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−91)の合成。
Figure 2016505012
化合物50.2の合成
Figure 2016505012
4−ニトロ−1H−ピラゾール(200mg,1.77mmol,1.00当量)および10%の炭素担持パラジウム(40mg)のメタノール(5mL)中の溶液をHで3回脱気し、そしてこの反応混合物を室温で1時間撹拌した。その触媒を濾別し、そしてその濾液を減圧下で濃縮して、120mg(粗製)の1H−ピラゾール−4−アミンを薄黄色固体として得た。
化合物I−91の合成。化合物3.1(100mg,0.25mmol,1.00当量)および1H−ピラゾール−4−アミン,化合物50.2(32mg,0.39mmol,1.50当量)の、イソプロピルアルコール(5mL)中の溶液を含む10mLの密封バイアルに、0.05mLの塩酸(ジオキサン中4M)を添加し、そしてこの反応混合物をマイクロ波で140℃で3時間照射した。その固体を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用する濾過により集めて、42.4mg(38%)のN4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ−[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−91を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 440 [M+H]H−NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.87 (1H, s), 7.82 (1H, brs), 7.52 (1H, brs), 5.71 (1H, d), 4.05−3.89 (1H, m), 3.58 (4H, brs), 3.01−2.95 (2H, m), 2.84−2.79 (2H, m), 2.50 (4H, m), 2.42−2.34 (2H, m), 2.26−2.18 (1H, m), 2.05 (2H, d), 1.92 (2H, d), 1.47−1.30 (4H, m)。
実施例51。N4−((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)−N2−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−92)の合成。
Figure 2016505012
10mLの密封バイアルに、化合物1.5(200mg,0.57mmol,1.00当量)および1−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン(114mg,0.68mmol,1.20当量)を入れ、その後、5mLのイソプロピルアルコールおよび0.2mLのHCl(ジオキサン中4M)を室温で添加した。得られた混合物をマイクロ波条件下140℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア(50:1:0.1)を用いてシリカゲルカラムに適用して、160mgの10−N−[1−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]−12−N−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]−ドデカ−1(12),2(6),8,10−テトラエン−10,12−ジアミン,I−92をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 482 [M+H]HNMR (300 MHz. d−DMSO): δ 8.90 (brs, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 5.69 (d, 1H), 4.45−4.22 (m, 1H), 4.02−3.95 (m, 3H), 3.48−3.35 (m, 2H), 2.95 (t, 2H), 2.82 (t, 2H), 2.45−2.35 (m, 2H), 2.22−2.15 (m, 7H), 2.05 (d, 2H), 1.98−1.68 (m, 6H), 1.60−1.25 (m, 4H)。
実施例52。N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−93)の合成。
Figure 2016505012
化合物52.2の合成。
Figure 2016505012
オキサン−4−オール,化合物52.1(7.0g,68.54mmol,1.00当量)のジクロロメタン(100mL)中の溶液に、トリフェニルホスフィン(27.0g,102.94mmol,1.50当量)およびイミダゾール(7.0g,102.82mmol,1.50当量)を室温で添加した。その後、これに要素(18.3g,72.05mmol,1.05当量)を数バッチで0℃で添加した。得られた溶液を窒素下室温で2時間撹拌した。完了後、この反応を5%のHCl溶液でクエンチし、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、9.6gの4−ヨードオキサン,化合物52.2を無色油状物として得た。
化合物52.3の合成
Figure 2016505012
4−ニトロ−1H−ピラゾール(2.45g,21.67mmol,1.00当量)の、新たに蒸留したDMF(70mL)中の溶液に、4−ヨードオキサン,化合物52.2(9.2g,43.39mmol,2.00当量)および炭酸セシウム(22.2g,68.14mmol,3.00当量)を添加し、そして得られた溶液を窒素下80℃で3時間撹拌した。得られた混合物を200mLの水で希釈し、CHCl(100mL×3)で抽出し、そしてその有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.0gの4−ニトロ−1−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾール,化合物52.3を薄黄色固体として得た。
化合物52.4の合成。
Figure 2016505012
4−ニトロ−1−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾール,化合物52.3(2.0g,10.14mmol,1.00当量)のメタノール(40mL)中の溶液に、10%の活性炭担持パラジウム(200mg)を窒素下室温で添加した。溶液をH(約2atm)で3回フラッシュし、そして周囲温度で2時間撹拌した。その触媒を濾別し、そしてその濾液をHCl(MeOH中2M)に添加し、そしてさらに1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてMeOH/EtO(1:5)から結晶化させて、1.8gの1−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩化合物52.4を灰色固体として得た。
化合物I−93の合成。80mLの密封チューブに、3.1(1.5g,3.82mmol,1.00当量)および1−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩,化合物52.4(933mg,4.58mmol,1.20当量)のイソプロパノール溶液(60mL)を入れた。反応混合物に、1mLの塩酸(ジオキサン中4M)を室温で添加した。反応混合物にマイクロ波を140℃で2時間照射した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。CHCl/ヘキサンからの結晶化により最終生成物を得、そしてオーブン内40℃で乾燥させた。化合物I−93,N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミンを灰色固体として得た(1.05g)。LCMS (ES, m/z): 524 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.94 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.42−4.30 (m, 1H), 4.18−4.08 (m, 3H), 3.80−3.70 (m, 4H), 3.65−3.52 (m, 2H), 2.99 (t, 2H), 2.87 (t, 2H), 2.68−2.60 (m, 4H), 2.48 (quintet, 2H), 2.43−2.30 (m, 1H), 2.20−2.15 (m, 2H), 2.12−1.98 (m, 6H), 1.55−1.35 (m, 4H)。
実施例53。N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−94)の合成。
Figure 2016505012
化合物53.3,1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−アミンの合成。
Figure 2016505012
化合物53.2の合成。4−ニトロ−1H−ピラゾール(1.13g,9.99mmol,1.00当量)の蒸留DMF(15mL)中の溶液に、3−ヨードオキセタン(1.84g,10.00mmol,1.00当量)およびCsCO(6.52g,20.00mmol,2.00当量)を室温で添加した。得られた混合物を油浴中100℃で1時間撹拌した。冷却後、この反応を水でクエンチし、3×100mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.6g(95%)の4−ニトロ−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール,53.2を黄色固体として得た。
化合物53.3の合成。4−ニトロ−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール,53.2(1.60g,9.46mmol,1.00当量)のメタノール(50mL)中の溶液に、10%の活性炭担持パラジウム(200mg)を添加し、そしてこの混合物を水素で3回フラッシュし、そして室温で5時間撹拌した。出発物質が完全に消費された後に、その触媒を濾過により除去し、そしてその濾液を減圧中で濃縮して、1.2g(91%)の1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン,化合物53.3を桃色固体として得た。
化合物I−94の合成。化合物3.1(180mg,0.46mmol,1.00当量)および化合物53.3(76mg,0.55mmol,1.20当量)の1,4−ジオキサン(10mL)中の溶液を含む50mLの丸底フラスコに、CsCO(448mg,1.37mmol,3.00当量)、XantPhos(53mg,0.20当量)およびPd(dba)(47mg,0.05mmol,0.10当量)を窒素下で順番に添加した。反応物を3時間加熱還流した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、121.5mg(54%)のN4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−94を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 496 [M+H]H NMR (400 MHz, d−DMSO): δ 8.99 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 5.73 (brs, 1H), 5.56 (quintet, 1H), 4.90 (quintet, 4H), 4.10−3.92 (m, 1H), 3.59 (t, 4H), 2.99 (t, 2H), 2.84 (t, 2H), 2.51 (s, 4H), 2.45−2.35 (m, 2H), 2.30−2.15 (m, 1H), 2.08 (d, 2H), 1.92 (d, 2H), 1.58−1.28 (m, 4H)。
実施例54。N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−95)の合成。
Figure 2016505012
化合物11.5(100mg,0.25mmol,1.00当量)の乾燥イソプロパノール(4mL)中の懸濁物を含む10mLのバイアルに、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(50mg,0.37mmol,1.50当量)を添加し、その後、塩酸(ジオキサン中4M,0.2mL)を添加した。密封したバイアルをマイクロ波で、140℃で1.5時間照射した。反応の完了後、得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、50mgの所望の化合物I−95を得た。純粋なN2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(38mg)を、CHCl/ヘキサン(1:10)からの沈殿によって、オフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 468 [M+H]H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.84 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 5.63 (s, 1H), 4.01−3.98 (m, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.52−3.61 (m, 4H), 2.90−2.81 (m, 2H) , 2.66−2.59 (m, 2H), 2.29−2.20 (m, 1H), 3.57 (m, 3H) , 2.14−2.05 (m, 2H), 1.9−1.75 (m, 6H), 1.52−1.30 (m, 4H)。
実施例55。N2−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−96)の合成。
Figure 2016505012
化合物11.5(150mg,0.37mmol,1.00当量)および1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(77.6mg,0.48mmol,1.30当量)のイソプロパノール(4mL)中の溶液に、0.01mLの塩酸(ジオキサン中4M)を添加した。反応混合物をマイクロ波オーブン内140℃で2時間照射した。この溶液のpH値をアンモニアで5に調整し、そして得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製物質を分取HPLCにより精製して、78.6mg(43%)のN2−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−96をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 496 [M+H]H NMR003065 (300 MHz, CDOD): δ 7.85 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.48 (quintet, 1H), 4.15−4.00 (m, 1H), 3.73 (t, 4H), 2.86 (brs, 4H), 2.70 (m, 2H), 2.65 (t, 4H), 2.45−2.30 (m, 1H), 2.30−2.20 (m, 2H), 2.15−2.06 (m, 2H), 1.89 (brs, 4H), 1.52−1.35 (m, 10H)。
実施例56。N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(((1r,4r)−4−モルホリン−シクロ−ヘキシル)オキシ)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(I−97)の合成。
Figure 2016505012
化合物56.1の合成。中間体11.4(100mg,0.39mmol,1.00当量)およびtrans−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−オール(86mg,0.46mmol,1.20当量)の乾燥THF(5mL)中の溶液に、NaHMDS(THF中2M,0.28mL)を窒素下0℃で添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、そして水でクエンチし、3×50mLのジクロロメタンで抽出した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、120mg(76%)の化合物56.1を得た。LCMS (ES, m/z): 408 and 410 [M+H]
I−97の合成。化合物56.1(57mg,0.59mmol,2.00当量)のジオキサン(10mL)中の溶液に、CsCO(168mg,0.51mmol,3.00当量)、Pd(dba)(15mg,0.02mmol,0.05当量)およびXantphos(17mg,0.03mmol,0.10当量)を順番に添加し、そして得られた混合物を窒素で3回脱気し、そして100℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。粗製物質を、分取HPLCを使用して再度精製して、20mgのN−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(((1r,4r)−4−モルホリン−シクロヘキシル)オキシ)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ−[2,3−d]ピリミジン−2−アミン,I−97を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 469 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.88 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 5.22−5.18 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.75−3.72 (m, 1H), 2.91−2.79 (m, 2H), 2.75−2.62 (m, 6H), 2.45−2.25 (m, 3H), 2.19−2.05 (m, 2H),1.99−1.75 (m, 4H), 1.63−1.40 (m, 4H)。
実施例57。2−((R)−4−(((1r,4R)−4−モルホリノシクロヘキシル)オキシ)−2−(フェニルアミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)アセトアミド(I−98)の合成。
Figure 2016505012
化合物57.1の合成。化合物34.1(200mg,0.42mmol,1.00当量)のジオキサン(20mL)中の溶液に、アニリン(80mg,0.86mmol,2.00当量)、CsCO(272mg,0.83mmol,2.00当量)、Xantphos(54mg,0.09mmol,0.10当量)およびPddba(52mg,0.05当量)を窒素下室温で添加した。得られた溶液を100℃で3時間撹拌し、そして室温まで冷却した。混合物を20mLの水で希釈し、3×30mLの酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、124mg(55%)の化合物58.1を黄色固体として得た。
化合物57.2の合成。化合物57.1(124mg,0.23mmol,1.00当量)の水(2mL)/メタノール(2mL)/テトラヒドロフラン(2mL)中の溶液に、LiOH(30mg)を添加し、そして得られた溶液を室温で4時間撹拌した。完了後、得られた混合物を減圧下で濃縮して、150mg(粗製)の化合物57.2を薄黄色固体として得た。
化合物I−98の合成。化合物57.2(100mg,0.14mmol,1.00当量,70%)の蒸留DMF(10mL)中の溶液に、NHCl(20mg,0.37mmol,1.20当量)、HATU(82mg,0.22mmol,1.10当量)およびDIEA(51mg,0.39mmol,2.00当量)を室温で添加した。得られた混合物を一晩撹拌し、そして20mLの水で希釈し、3×30mLのCHClで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、10.9mgの2−((R)−4−(((1r,4R)−4−モルホリノシクロヘキシル)オキシ)−2−(フェニルアミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)アセトアミド,I−98を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 508 [M+H] H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.67 (2H, d), 7.38 (2H, t), 7.06 (1H, t), 7.01 (1H, s), 5.34 (1H, s), 5.28 (1H, s), 5.24−5.08 (1H, m), 3.89−3.68 (5H, m), 3.09−2.88 (3H, m), 2.82−2.69 (1H, m), 2.62 (4H, brs), 2.53−2.22 (5H, m), 2.15−2.04 (2H, m), 1.58−1.45 (4H, m)。
実施例58。2−((R)−2−((1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−4−(((1r,4R)−4−モルホリノシクロヘキシル)オキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エタノール,(I−99)の合成。
Figure 2016505012
化合物58.1の合成。化合物28.5(330mg,1.0mmol,1.0当量)の、8mLの新たに蒸留したTHF中の溶液に、−78℃で、DIBAL−H(ヘキサン中1M,2.5mL,2.5当量)をシリンジを介して窒素下で添加した。得られた溶液を1時間かけて−30℃までゆっくりと温めた。完了後、この反応を飽和水性NHClでクエンチし、そしてEtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、260mg(90%)の所望の化合物58.1を薄黄色油状物として得た。LCMS (ES, m/z): 289 and 291 [M+H]
化合物58.2の合成。化合物58.1(260mg,0.9mmol,1.0当量)の乾燥CHCl(8mL)中の溶液に、イミダゾール(122.4mg,1.8mmol,2.0当量)を添加し、その後、TBSCl(163mg,1.08mmol,1.2当量)を窒素下0℃で添加した。室温で3時間撹拌した後に、この反応混合物を飽和水性NHClで希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を0.5MのHCl、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、化合物59.2(327mg,90%)を薄黄色油状物として得た。LCMS (ES, m/z): 404 and 406 [M+H]
化合物58.3の合成。trans−4−モルホリノシクロヘキサノール(165mg,0.89mmol,1.1当量)の5mLの蒸留THF中の溶液に、NaHMDS(THF中2M,0.89mL,2.0当量)を窒素下0℃で添加した。30分間撹拌した後に、化合物58.2(327mg,0.81mmol,1.0当量)の、3mLのTHF中の溶液を添加した。この反応物をさらに5分間撹拌し、飽和水性NHClでクエンチし、そしてEtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、そしてブラインで洗浄し(3回)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、250mgの化合物58.3を薄黄色油状物として得た。LCMS (ES, m/z): 552 and 554 [M+H]
化合物58.4の合成。化合物58.3(200mg,0.36mmol,1.00当量)の1,4−ジオキサン(5mL)中の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(70mg,0.72mmol,1.99当量)、CsCO(210mg,0.64mmol,1.78当量)、Xantphos(30mg)およびPd(dba)(30mg,0.03mmol,0.09当量)を室温で添加した。得られた混合物を窒素で3回脱気し、そして110℃で4時間撹拌した。完了後、この反応を水でクエンチし、3×80mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、120mg(54%)の化合物58.4を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 613 [M+H]
化合物I−99の合成。化合物58.4(120mg,0.20mmol,1.00当量)のメタノール/水(4mL/1mL)中の溶液に、AcOH(3mL)を添加し、そして得られた溶液を室温で4時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製生成物(120mg)を分取HPLCにより精製して、50.4mgの2−((R)−2−((1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−4−(((1r,4R)−4−モルホリノシクロヘキシル)オキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ−[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エタノール,I−99を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 499 [M+H]H−NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.90 (1H, s), 7.59 (1H, s), 5.28−5.08 (1H, m), 3.90 (3H, s), 3.85−3.75 (4H, m), 3.65 (2H, t), 3.30 (1H, m), 3.05−2.92 (1H, m), 2.90−2.75 (5H, m), 2.70−2.50 (2H, m), 2.50−2.30 (2H, m), 2.29−2.10 (4H, m), 1.80−1.45 (5H, m)。
実施例59。N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−51)の合成。
Figure 2016505012
化合物59.2の合成。250mLの丸底に、窒素下で、オキサン−4−オン,59.1(10.0g,99.88mmol,1.00当量)、2−シアノ酢酸エチル(14.35g,126.86mmol,1.27当量)、モルホリン(17.4g,199.72mmol,2.00当量)、硫黄(3.8g,118.75mmol,1.19当量)および無水エタノール(150mL)を入れた。反応物を50℃で一晩撹拌した。この反応が完了したら、その溶媒を除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、19.5g(86%)の化合物59.2を黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 228 [M+H]
化合物59.3の合成。化合物59.2(10.0g,44.00mmol,1.00当量)の乾燥CHCl(150mL)中の溶液を、窒素下で、−60℃まで冷却した。クロロスルホニルイソシアネート(9.34g,65.99mmol,1.50当量)を、その内部温度が−60〜−55℃に維持されるような速度で添加した。この添加の完了後、この反応混合物を周囲温度まで温めた。出発物質が消費されたら、反応を止め、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質を250mLの水で500mLに移し、そして70℃で1時間加熱した。反応物を周囲温度まで冷却し、そしてこの混合物のpH値を10Mの水性水酸化ナトリウムで約13に調整した。得られた混合物を80℃でさらに1時間加熱した。冷却後、この反応混合物を濃塩酸でpH1まで酸性にし、そして一晩撹拌した。生じた固体を濾過により集め、そしてそのフィルターケーキを水で洗浄し、そしてオーブン内50℃で24時間乾燥させて、9.0g(91%)の化合物59.3を褐色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 225 [M+H]
化合物59.4の合成。化合物59.3(9.0g,40.1mmol,1.00当量)のN,N−ジメチルアニリン(2mL)および三塩化ホスホリル(40mL)中の溶液を窒素下110℃で一晩加熱した。出発物質の完全な消費後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を100mLのEtOAcで希釈し、そして予め冷却した飽和水性NaHCOに注ぎ、そして3×100mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、4.0gの化合物59.4を得た。LCMS (ES, m/z): 261 and 263 [M+H]
化合物59.5の合成。50mLの丸底フラスコに、窒素下で、15mLの乾燥アセトニトリル中の化合物59.4(100mg,0.38mmol,1.00当量)、trans−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−アミン(106mg,0.58mmol,1.50当量)および炭酸カリウム(263mg,1.9mmol,5.0当量)を添加した。懸濁物を窒素下85℃で一晩加熱した。この反応が完了したら、溶媒を減圧下で除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、140mg(89%)の化合物59.5を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 409 and 411 [M+H]
化合物I−51の合成。化合物59.5(100mg,0.24mmol,1.00当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(35.6mg,0.37mmol,1.50当量)のイソプロパノール(5mL)中の溶液に、0.5mLの塩酸(ジオキサン中4M)を添加した。反応混合物にマイクロ波を140℃で2時間照射した。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、29mg(25%)のN2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ−[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,化合物I−51をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 470 [M+H]H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.94 (1H, brs), 7.80 (1H, brs), 7.45 (1H, s), 5.68 (1H, brs), 4.66 (2H, s), 4.05−3.85 (3H, m), 3.91 (3H, s), 3.57 (4H, brs), 2.95 (2H, brs), 2.40−2.28 (1H, m), 2.07 (2H, d), 1.90 (2H, d), 1.50−1.29 (4H, m)。
実施例60。N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)オキシ)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(I−59)の合成。
Figure 2016505012
化合物60.1の合成。化合物59.4(250mg,0.96mmol,1.00当量)およびtrans−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−オール(266mg,1.44mmol,1.50当量)の無水THF(15mL)中の溶液に、NaHMDS(0.57mL)を窒素下0℃で添加した。褐色混合物を室温で2時間撹拌し、そして飽和水性NHClでクエンチし、3×60mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、250mg(64%)の化合物60.1を白色固体として得た。
化合物I−59の合成。100mLの丸底フラスコに、化合物61.1(250mg,0.61mmol,1.00当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(89mg,0.92mmol,1.50当量)のジオキサン(20mL)中の溶液、CsCO(600mg,1.84mmol,3.00当量)、Pd(dba)(32mg,0.03mmol,0.05当量)およびXantphos(35mg,0.06mmol,0.10当量)を入れた。得られた懸濁物をNで3回脱気し、そして油浴中100℃で2時間撹拌した。反応が完了したら、溶媒を除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、38mg(13%)のN−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)オキシ)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン,化合物I−59を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 471 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.90 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 5.18−5.16 (m, 1H), 4.74 (s, 2H), 4.09−3.98 (t, 2H), 3.01−2.89 (m, 2H), 2.67−2.59 (m, 4H), 2.43−27 (m, 3H), 2.09 (d, 2H), 1.66−1.43 (m,4H)。
実施例61。N2−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−100)の合成。
Figure 2016505012
化合物59.5(150mg,0.37mmol,1.00当量)の、10mLの無水ジオキサン中の溶液に、5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−アミン(72mg,0.73mmol,1.98当量)、BINAP(40mg,0.06mmol,0.18当量)、Pd(dba)(35mg,0.04mmol,0.10当量)およびCsCO(358mg,1.10mmol,3.00当量)を添加した。得られた懸濁物を窒素で3回脱気し、そして110℃で一晩撹拌した。冷却後、この反応を飽和NHClでクエンチし、水層をCHClで抽出し、そして減圧中で濃縮した。粗製物質(140mg)を分取HPLCにより精製して、59.3mg(34%)のN2−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−100をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 470 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl) :δ 7.29 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 6.03 (brs, 1H), 4.94 (d, 1H), 4.80 (s, 2H), 4.07 (t, 2H), 4.02 (brs, 1H), 3.78 (brs, 4H), 2.94 (brs, 2H3, 2.64 (brs, 4H1, 2.40−2.25 (m, 6H), 2.12−1.98 (m, 2H), 1.55−1.45 (m, 2H), 1.35−1.18 (m, 2H)。
実施例62。N2−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−101)の合成。
Figure 2016505012
5mLのイソプロパノール中の化合物59.5(100mg,0.24mmol,1.00当量)を含む10mLのマイクロ波チューブに、1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(77.6mg,0.48mmol,1.96当量)および0.01mLのHCl(ジオキサン中4M)を室温で添加した。バイアルをマイクロ波で140℃で2時間照射した。冷却後、次いで、この反応を0.5mLのアンモニアでクエンチし、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製生成物(120mg)を分取HPLCを使用して精製して、56.8mg(47%)のN2−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,化合物I−101をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 498 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD): δ 7.86 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 4.86 (s, 1H), 4.49 (quintet, 1H), 4.18−4.02 (m, 1H), 4.01 (t, 2H), 3.73 (t, 4H), 2.96 (brs, 2H), 2.64 (t, 4H), 2.45−2.30 (m, 1H), 2.30−2.18 (m, 2H), 2.15−2.04 (m, 2H), 1.52−1.29 (m, 7H)。
実施例63。N2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−102)の合成。
Figure 2016505012
化合物59.5(100mg,0.24mmol,1.00当量)の1,4−ジオキサン(10mL)中の溶液に、1−エチル−1H−ピラゾール−4−アミン(33mg,0.30mmol,1.20当量)、CsCO(239mg,0.73mmol,3.00当量)、Pd(dba)・CHCl(25mg,0.02mmol,0.10当量)およびXantPhos(28mg,0.05mmol,0.20当量)を添加した。得られた混合物を窒素下で3時間加熱還流した。この反応が完了したら、溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、32.2mgのN2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−102の黄色固体を得た。LCMS (ES, m/z): 484 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO, ppm): δ 1.32−1.47(m, 7H), 1.88−1.92 (d, 2H), 2.06−2.10 (m, 2H), 2.23−2.27 (m, 1H), 2.95 (m, 2H), 3.55−3.59 (m, 4H), 3.89−3.93 (m, 3H), 4.03−4.11 (q, 2H), 4.66 (s, 2H), 5.68−5.71 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 8.93 (s, 1H)。
実施例64。N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−103)の合成。
Figure 2016505012
イソプロパノール(6mL)中の化合物59.5(500mg,1.22mmol,1.00当量)、1−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン(307mg,1.84mmol,1.50当量)を含む10mLの密封バイアルに、0.1mLの塩酸(ジオキサン中4M)を添加した。反応混合物にマイクロ波を140℃で2時間照射した。その固体を濾別し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、467.9mg(71%)のN4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−103を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 540 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 8.95 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 5.78−5.62 (m, 1H), 4.75 (s, 2H), 4.40−4.20 (m, 1H), 4.10−3.85 (m, 5H), 3.57 (brs, 4H), 3.43 (td, 2H), 2.95 (s, 2H), 2.50 (s, 4H), 2.28−2.18 (m, 1H), 2.15−2.02 (m, 2H), 2.01−1.79 (m, 6H), 1.65−1.25 (m, 4H)。
実施例65。N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−104)の合成。
Figure 2016505012
化合物59.5(130mg,0.32mmol,1.00当量)および1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−アミン,化合物53.3(95mg,0.68mmol,2.00当量)のジオキサン(10mL)中の溶液に、CsCO(222mg,0.68mmol,2.00当量)、Xantphos(40mg,0.07mmol,0.10当量)およびPddba(40mg,0.05当量)を室温で順番に添加した。懸濁物を窒素で3回脱気し、そして油浴中100℃で3時間撹拌した。得られた混合物を20mLの水で希釈し、3×60mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、20.9mgのN4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−N2−(1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−104を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 512 [M+H]H−NMR (300 MHz, d−DMSO, ppm): δ 9.01(1H, s), 7.97 (1H, s), 7.62 (1H, s), 5.70 (1H, d), 5.53 (1H, quintet), 4.92−4.87 (4H, m), 4.66 (2H, s), 4.10−3.93 (1H, m), 3.91 (2H, t), 3.62−3.56 (4H, m), 2.96 (2H, s), 2.50 (4H, brs), 2.30−2.18 (1H, m), 2.15−2.06 (2H, m), 1.88 (2H, d), 1.55−1.28 (4H, m)。
実施例66。6,6−ジメチル−N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−26)の合成。
Figure 2016505012
化合物66.2の合成。100mLの3つ口丸底フラスコに、窒素下で、50mLの乾燥エタノール中の化合物66.1(3g,23.41mmol,1.00当量)、2−シアノ酢酸エチル(2.9g,25.64mmol,1.10当量)、S(3.0g)およびモルホリン(0.75g)を添加した。得られた混合物を50℃で一晩撹拌した。この反応が完了したら、溶媒を減圧下で除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、5.6g(94%)の化合物66.2を黄色固体として得た。
化合物66.3の合成。−60℃まで冷却した、化合物66.2(5.6g,21.93mmol,1.00当量)の無水CHCl(100mL)中の溶液に、イソシアン酸クロロスルホニル(sulfurisocyanatidic chloride)(4.6g)を窒素下でシリンジを介して滴下により添加した。得られた混合物をこの温度で30分間撹拌した。反応の完了後、溶媒を減圧中で除去し、そしてその残渣を水(150mL)に溶解させた。水酸化ナトリウム(5.0g,125.00mmol,3.49当量)を添加し、そしてこの混合物を85℃で30分間撹拌した。この溶液のpH値を、濃HClを使用して1.0に調整し、そして生じた固体を濾過により集めた。フィルターケーキを水で洗浄し、そしてオーブン内減圧下50℃で乾燥させて、5.0g(55%)の化合物66.3を赤色固体として得た。
化合物66.4の合成。POCl(30mL)中の化合物66.3(5g,19.82mmol,1.00当量)を窒素下110℃で5時間撹拌した。出発物質の消費後、過剰なPOClを減圧下で除去した。粗製物質を500mLのEtOAcに溶解させ、飽和水性重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.6gの化合物66.4を白色固体として得た。
化合物66.5の合成。化合物66.4(500mg,1.73mmol,1.00当量)、trans−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−アミン二塩酸塩(667.4mg,2.60mmol,1.5当量)および炭酸カリウム(958mg,6.93mmol,4.00当量)の、30mLのCHCN(15mL)中の混合物を、85℃で2日間加熱した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、700mg(93%)の化合物66.5を白色固体として得た。
化合物I−26の合成。5mLの中の化合物66.5(120mg,0.27mmol,1.00当量)、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(77.7mg,0.58mmol,2.10当量)を含む20mLの密封マイクロ波チューブに、0.02mLの塩酸(ジオキサン中4M)を室温で添加した。この反応混合物をマイクロ波140℃で2.5時間加熱し、そして生じた固体を濾過により集めた。集めた粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、72.2mg(53%)の6,6−ジメチル−N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−26をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 498 [M+H]H NMR(400MHz, d−DMSO): δ 8.94 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 5.75−5.60 (s, 1H), 4.65 (s, 2H), 34.08−3.95 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.59 (t, 4H), 2.85 (s, 2H), 2.52 (s, 4H), 2.30−2.22 (m, 1H), 2.10 (d, 2H), 1.92 (d, 2H), 1.55−1.32 (m, 4H), 1.28 (s, 6H)。
実施例67。4−(4−((6,6−ジメチル−4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)テトラヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド,(I−105)の合成。
Figure 2016505012
化合物66.5(60mg,0.14mmol,1.00当量)および4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)−16−チアン−1,1−ジオン,76.6(45mg,0.21mmol,1.50当量)のイソプロパノール(5mL)中の溶液を含む10mLの密封マイクロ波バイアルに、0.1mLの塩酸(ジオキサン中4M)を室温で添加した。反応物質を、マイクロ波オーブン内140℃で3時間照射した。固体を濾過により集め、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、38.1mg(45%)の4−(4−((6,6−ジメチル−4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)テトラヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド,I−105をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z) : 616 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 8.95 (1H, s), 7.84 (1H, s), 7.55 (1H, s), 5.67 (1H, s), 4.63 (3H, s), 4.04−3.98 (1H, m), 3.56 (4H, s), 3.31 (1H, s), 3.23 (2H, s), 2.83 (2H, s), 2.51 − 2.49 (2H, m), 2.48 − 2.45 (2H, m), 2.41 − 2.30 (4H, m), 2.27−2.17 (1H, m), 2.08−2.04 (2H, d), 1.93−1.90 (2H, d), 1.48−1.45 (4H, m), 1.26 (7H, s)。
実施例68。N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−106)の合成。
Figure 2016505012
化合物68.2の合成。シクロヘプタノン(10.8g,96.28mmol,1.00当量)のエタノール(50mL)中の溶液に、2−シアノ酢酸エチル(12.54g,110.86mmol,1.15当量)、ジエチルアミン(13.04g,178.30mmol,1.80当量)および硫黄(3.42g,106.67mmol,1.10当量)を室温で添加した。得られた混合物を窒素下油浴中50℃で14時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、100mLの氷冷水で希釈し、2×150mLの酢酸エチルで抽出した。その有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。固体を濾別し、そしてその濾液を減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、10.6g(44%)の化合物68.2を黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 240 [M+H]
化合物68.3の合成。化合物68.2(1.0g,4.18mmol,1.00当量)の乾燥CHCl(50mL)中の溶液を窒素下で−60℃まで冷却した。[(クロロスルホニル)イミノ]メタノン(700mg,4.95mmol,1.20当量)の、5mLのCHCl中の溶液をこの温度で滴下により添加した。添加後、この反応混合物をさらに30分間、出発物質である化合物68.2が完全に消費されるまで撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そしてその残渣を10Mの水性水酸化ナトリウム(100mL)で希釈し、そして室温で1.5時間撹拌した。得られた混合物を撹拌しながらさらに30分間反応させ、この間、その温度を油浴中で75℃で維持した。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてこの混合物のpH値を濃塩酸で約1に調整した。生じた固体を濾過により集め、そのケーキを水で洗浄し、オーブン内減圧下50℃で乾燥させて、900mg(粗製)の化合物68.3を桃色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 237 [M+H]
化合物68.4の合成。化合物68.3(840mg,3.55mmol,1.00当量)の、20mLの三塩化ホスホリル中の溶液を油浴中窒素下110℃で24時間撹拌した。完了後、この反応混合物を室温まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣をEtOAcで希釈し、そして飽和水性NaHCOに注ぎ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。粗製物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、190mgの所望の化合物68.4を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 273 and 275 [M+H]
化合物68.5の合成。化合物68.4(190mg,0.70mmol,1.00当量)の無水MeCN(7mL)中の溶液に、trans−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−アミン(154mg,0.84mmol,1.00当量)および炭酸カリウム(480mg,5.00当量)を添加した。反応物を油浴中85℃で3日間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、304mgの化合物68.5を黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 421 and 423 [M+H]
化合物I−106の合成。化合物68.5(121mg,0.29mmol,1.00当量)のイソ−プロパノール(5mL)中の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(40mg,0.41mmol,1.40当量)を添加した。反応物にマイクロ波を140℃で2時間照射した。この反応が完了したら、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗製残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、29.1mgのN2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノ−シクロヘキシル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−106を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 482 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.82 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 4.15−4.02 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.73 (t, 4H), 3.12−2.95 (m, 2H), 2.88−1.78 (m, 2H), 2.70−2.58 (m, 4H), 2.40−2.21 (m, 3H), 2.18−2.08 (m, 2H), 1.95−1.75 (m, 6H), 1.55−1.35 (m, 4H)。
実施例69。N4−((1r,4r)−4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−107)の合成。
Figure 2016505012
化合物69.2の合成。4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(1.0g,6.35mmol,1.00当量)のメタノール(100mL)中の混合物に、N−(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(1.63g,7.64mmol,1.20当量)、化合物69.1およびNaBH(OAc)(4.72g,22.26mmol,3.50当量)を室温で添加し、そして窒素下40℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣を50mLの水で希釈し、3×50mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.15g(57%)の化合物69.2を黄色固体として得た。
化合物69.3の合成。化合物69.2(1.15g,3.61mmol,1.00当量)のジクロロメタン(6mL)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(6mL)を0℃で添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、1.2g(粗製)の化合物69.3を黄色油状物として得た。
化合物69.4の合成。化合物1.4(150mg,0.61mmol,1.00当量)のアセトニトリル(10mL)中の溶液に、化合物69.3(350mg,1.11mmol,1.82当量)および炭酸カリウム(253mg,1.83mmol,3.00当量)を室温で添加した。反応物を窒素下80℃で一晩撹拌した。冷却後、溶媒を減圧下で除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、280mgの化合物69.4を黄色固体として得た。
化合物69.5と69.6との分離。化合物69.5および69.6を、分取HPLCでの化合物69.4(280mg,0.66mmol,1.00当量)の分離によって得た。化合物69.5を21%の収率(60mg)で、オフホワイトの固体として得た。化合物70.6を14%の収率(40mg)で、オフホワイトの固体として得た。
化合物69.5についての分析データ: H NMR (300 MHz, DMSO d): δ 6.39 (d, 1H), 4.05−3.85 (m, 1H), 3.05 (t, 2H), 2.91 (t, 2H), 2.65−2.58 (m, 4H), 2.48−2.32 (m, 3H), 1.98−1.70 (m, 8H), 1.59−1.30 (m, 4H)。
化合物69.6についての分析データ:H NMR (300 MHz, DMSO d): δ 6.19 (d, 1H), 4.20−4.08 (m, 1H), 3.11 (t, 2H), 2.94 (t, 2H), 2.60 (brs, 4H), 2.46−2.30 (m, 3H), 2.02−1.82 (m, 6H), 1.71−1.50 (m, 6H)。
化合物I−107の合成。化合物69.5(55mg,0.13mmol,1.00当量)のイソプロパノール(2mL)中の溶液に、0.05mLの塩酸(ジオキサン中4M)を添加し、その後、1−エチル−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(23mg,0.16mmol,1.21当量)を室温で添加した。反応混合物にマイクロ波を140℃で2時間照射した。完了したら、溶媒を減圧下で除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。さらなる精製を、CHCl/ヘキサンでの摩砕により行って、19.6mg(30%)のN4−((1r,4r)−4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−107をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 502 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.86 (1H, s), 7.52 (1H, s), 6.56 (1H, s), 4.76 (1H, d), 4.17 (2H, q), 4.08−3.95 (1H, m), 2.93 (4H, brs), 2.76 (4H, brs), 2.62−2.45 (3H, m), 2.31 (2H, d), 2.20−1.92 (6H, m), 1.60−1.45 (5H, m), 1.35−1.18 (4H, m)。
実施例70。N4−((1s,4s)−4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−108)の合成。
Figure 2016505012
化合物69.6(35mg,0.08mmol,1.00当量)のイソプロパノール(2mL)中の溶液を含む5mLの丸底フラスコに、塩酸(0.05mL,ジオキサン中4M)および1−エチル−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(14.2mg,0.096mmol,1.20当量)を添加した。反応混合物にマイクロ波を140℃で2時間照射した。この反応が完了したら、溶媒を減圧中で除去し、そして粗製物質を最初に、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。2回目の精製を、CHCl/ヘキサンからの摩砕により行って、15mg(36%)のN4−((1s,4s)−4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−108をオフホワイトの固体として得た。LCMS (ES, m/z): 502 [M+H]H NMR (300 MHz, CDCl): δ 7.83 (1H, s), 7.50 (1H, s), 6.54 (1H, s), 5.10 (1H, d), 4.42−4.28 (1H, m), 4.15 (2H, q), 3.05−2.88 (4H, m), 2.85−2.60 (3H, brs), 2.58−2.45 (3H, m), 2.20−1.85 (5H, m), 1.85−1.54 (6H, m), 1.50 (1H, s)。
実施例71。(R)−2−((1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−4−(((1r,4R)−4−モルホリノシクロヘキシル)オキシ)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド,(I−109)の合成。
Figure 2016505012
化合物71.2Aの合成
Figure 2016505012
0℃まで冷却した、トリホスゲン(12.0g,42.0mmol,0.50当量)の無水CHCl(500mL)中の溶液に、化合物71.1Aと71.1Bとの混合物(25.0g,84.0mmol,1.00当量)のCHCl溶液を添加し、その後、トリエチルアミン(25.0g,25.0mol,3.00当量)を窒素下で添加した。この添加の完了後、反応物を0℃でさらに1時間撹拌した。(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(28.1g,168mol,2.00当量)をシリンジを介して添加し、そして得られた混合物をこの温度で2時間撹拌した。固体を濾別し、そしてその濾液を減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、30g(73%)の化合物71.2Aと71.2Bとの混合物を薄黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 491 (M+H)。
化合物71.3aの合成
Figure 2016505012
71.2Aおよび71.2B(30g,0.061mol,1.00当量)の乾燥ジオキサン(500mL)中の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散物,4.9g,122mmol,2.00当量)を窒素下室温でゆっくりと添加した。添加後、得られた溶液を油浴中110℃で2時間撹拌した。冷却後、この反応を1MのHClでクエンチし、酢酸エチル(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、18g(67%)の71.3Aと71.3Bとの混合物を薄黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 445 [M+H]
化合物71.4の合成。化合物71.3Aと71.3Bとの混合物(1.0g,2.25mmol,1.00当量)のPOCl(10mL)中の溶液を窒素下110℃で24時間加熱した。過剰なPOClを減圧下で除去し、そして残渣をEtOAcで希釈し、冷飽和水性NaHCOに注ぎ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、200mgの所望の位置異性体71.4を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 331 and 333 [M+H}
化合物71.5の合成。71.4(150mg,0.45mmol,1.00当量)の、10mLの蒸留THF中の溶液を窒素下で−70℃まで冷却した。この冷却物に、DIBAL−H(ヘキサン中1M,0.9mL)をシリンジを介して滴下により−70℃で添加した。反応物を−30℃で1時間撹拌した。出発の71.4が完全に消費された後に、反応を飽和水性NHClでクエンチし、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、そしてブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、110mg(85%)の71.5を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 289 and 291 [M+H]
化合物71.6の合成。
Figure 2016505012
ラセミ体の71.5(550mg)を分取キラルHPLCにより分割して、220mgの71.6Aを白色固体として得、そして240mgの71.6Bを得た。LCMS (ES, m/z): 290 [M+H]
化合物71.7の合成。氷水浴中で冷却している71.6A(200mg,0.69mmol,1.00当量)のアセトン(20mL)中の溶液に、Jones試薬を、出発物質が消費されるまで添加した。得られた溶液をEtOAc(3×500mL)で抽出し、水性NaHSO、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、160mg(粗製)の化合物71.7を得た。LCMS (ES, m/z): 304 and 306 [M+H]
化合物71.8の合成。71.7(160mg,0.53mmol,1.00当量)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に、NHCl(34mg,0.64mmol,1.20当量)、HATU(240mg,1.00mmol,1.20当量)およびDIEA(136mg,1.05mmol,2.00当量)を窒素下室温で添加した。反応物を室温で10分間撹拌し、そして1.0MのHClで希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧中で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、120mg(75%)の71.8を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 303 and 305 [M+H]
化合物71.9の合成。0℃に冷却した、trans−4−(モルホリン−4−イル)シクロヘキサン−1−オール(88mg,0.47mmol,1.20当量)の、4mLの新たに蒸留したTHF中の溶液に、NaHMDS(THF中2M,0.24mL)を窒素下で滴下により添加した。30分間撹拌した後に、THF(2mL)中の化合物71.8(120mg,0.40mmol,1.00当量)をシリンジを介して添加し、そして得られた溶液を室温で30分間撹拌した。完了したら、この反応を水でクエンチし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、130mg(73%)の化合物71.9を黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 451 and 453 [M+H]
化合物I−109の合成。化合物71.9(130mg,0.29mmol,1.00当量)のジオキサン(10mL)中の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(34mg,0.35mmol,1.2当量)、CsCO(284mg,0.87mmol,3.0当量)、Xantphos(5.2mg,0.009mmol,0.03当量)、Pddba(15mg,0.02mmol,0.06当量)を室温で添加した。得られた溶液をNで3回脱気し、そして100℃で2時間撹拌した。この反応が完了したら、溶媒を減圧下で除去し、そして得られた残渣を水で希釈した。水層をCHClで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、15.1mg(10%)の(R)−2−((1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−4−(((1r,4R)−4−モルホリノシクロヘキシル)オキシ)−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ−[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド,I−109を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 512 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.86 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 5.17−5.15 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.72−3.67 (m, 4H), 3.20−3.11 (m, 1H), 2.89−2.79 (m, 3H), 2.70−2.57 (m, 5H) , 2.31−2.77 (m, 3H) , 2.13−2.041 (m, 3H) , 1.99−1.81 (m, 1H) , 1.67−1.31 (m, 4H)。
実施例72。N2−(イソチアゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,(I−76)の合成。
Figure 2016505012
化合物3.1(150mg,0.38mmol,1.00当量)の無水イソプロパノール(5mL)中の溶液を含む密封チューブに、1,2−チアゾール−4−アミン塩酸塩(62mg,0.62mmol,1.20当量)およびジオキサン中4MのHClを添加した。ジオキサン(0.5mL)を室温で添加した。得られた溶液をマイクロ波中140℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして溶媒を減圧下で除去した。その残渣をCHClで希釈し、飽和水性NaHCO、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、116.9mg(67%)のN2−(イソチアゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−76を薄褐色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 457 [M+H]H NMR: (300 MHz, CDCl) δ 9.70 (1H, s), 8.77 (1H, s), 8.65 (1H, s), 5.84 (1H,d), 4.08−3.90 (m, 1H), 3.57 (4H, brs), 3.03 (2H,t), 2.85 (2H, t), 2.49 4H, brs), 2.48−2.32 (2H, m), 2.28−2.10 (1H, m), 2.04 (2H, d), 1.90 (2H, d), 1.60−1.20 (4H, m)。
実施例73。N2−イソオキサゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−77)の合成。
Figure 2016505012
密封マイクロ波チューブ内の、中間体3.1(150mg,0.38mmol,1.00当量)の無水イソプロパノール(5mL)中の溶液に、1,2−オキサゾール−4−アミン塩酸塩(55mg,0.46mmol,1.20当量)およびジオキサン中4MのHCl(0.5mL)を室温で添加した。得られた溶液をマイクロ波中140℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして溶媒を減圧下で除去した。その残渣をCHClで希釈し、飽和水性NaHCO、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、そして得られた粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、46.6mgのN2−イソオキサゾール−4−イル)−N4−((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−77を薄褐色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 457 [M+H]H NMR: (300 MHz, CDCl) δ 9.16 (1H, s), 8.97 (1H, s), 8.57 (1H, s), 5.84 (1H, d), 4.02−3.88 (m, 1H), 3.58−3.54 (4H, m), 2.97 (2H, t), 2.84 (2H, t), 2.49 4H, brs), 2.46−2.30 (2H, m), 2.25−2.10 (1H, m), 2.04 (2H, d), 1.90 (2H, d), 1.60−1.18 (4H, m)。
実施例74。2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール(I−110)の合成。
Figure 2016505012
5mLのバイアルに、イソプロパノール(3mL)中の化合物3.1(120mg,0.31mmol,1.00当量)および2−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オール(50mg,0.39mmol,1.20当量)を入れた。この混合物に、塩酸(ジオキサン中4M,0.05mL)を添加した。次いで、反応混合物をマイクロ波中145℃で2時間加熱した。冷却後、得られた溶液を水で希釈し、3×30mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。得られた粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、120.6mg(82%)の2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール,I−110を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 484 [M+H] H NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.96 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.21 (t, 2H), 4.18−4.02 (m, 1H), 3.89 (t, 2H), 3.74 (t, 4H), 2.99 (t, 2H), 2.90 (t, 2H), 2.68 (brs, 4H), 2.50 (quintet, 2H), 2.42−2.32 (m, 1H), 2.26 (d, 2H), 2.06 (d, 2H), 1.62−1.35 (m, 4H)。
実施例75。2−(2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ)エタノール(I−111)の合成。
Figure 2016505012
イソプロパノール(3mL)中の化合物3.1(100mg,0.25mmol,1.00当量)および2−[2−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]エタン−1−オール(50mg,0.29mmol,1.20当量)を入れた5mLのマイクロ波バイアルに、塩酸(ジオキサン中4M,0.1mL)を添加した。反応混合物をマイクロ波反応器内145℃で2時間加熱した。冷却後、得られた溶液を水で希釈し、3×30mLの酢酸エチルで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で除去した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、99.1mg(74%)の2−(2−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ)−エタノール,I−111を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 528 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.94 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 4.28 (t, 2H), 4.15−4.02 (m, 1H), 3.84 (t, 2H), 3.73 (t, 4H), 3.64 (t, 2H), 3.51 (t, 2H), 2.98 (t, 2H), 2.89 (t, 2H), 2.65 (t, 4H), 2.49 (quintet, 2H), 2.40−2.28 (m, 1H), 2.25 (d, 2H), 2.09 (d, 2H), 1.58−1.35 (m, 4H)。
実施例76。4−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)テトラヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド(I−112)の合成。
Figure 2016505012
化合物76.6,4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)テトラヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシドの合成。
Figure 2016505012
化合物76.2の合成。チアン−4−オン,76.1(1.0g,8.61mmol,1.00当量)のメタノール(10mL)中の溶液に、NaBH(655mg,17.31mmol,2.00当量)を0℃で撹拌しながら少しずつ添加した。NaBHの添加が完了したら、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣をHOで希釈し、3×30mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、0.95g(粗製)のチアン−4−オール,76.2を白色固体として得た。
化合物76.3の合成。チアン−4−オール,76.2(1g,8.46mmol,1.00当量)、PPh(3.33g,12.70mmol,1.50当量)および1H−イミダゾール(863mg,12.68mmol,1.50当量)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に、I(2.25g,1.05当量)を窒素下0℃で撹拌しながら添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、そして水で希釈し、3×30mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、そして減圧下で濃縮した。その粗製生成物を酢酸エチル/石油エーテル(1:10)から再結晶して、POPhを除去した。濾液を減圧中で濃縮して、1.0g(粗製)の4−ヨードチアン,76.3を薄黄色油状物として得た。
化合物76.4の合成。4−ヨードチアン,76.3(1.0g,粗製)および4−ニトロ−1H−ピラゾール(582mg,5.15mmol,1.00当量)の無水DMF(20mL)中の溶液に、CsCO(5.07g,3.00当量)を添加し、そして得られた混合物を窒素下85℃で3時間撹拌した。得られた溶液をHOで希釈し、3×80mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、200mg(18%)の4−ニトロ−1−(チアン−4−イル)−1H−ピラゾール76.4を白色固体として得た。
化合物76.5の合成。4−ニトロ−1−(チアン−4−イル)−1H−ピラゾール,76.4(200mg,0.94mmol,1.00当量)のクロロホルム(10mL)中の溶液に、m−CPBA(578mg,3.35mmol,2.50当量)を0℃で撹拌しながら少しずつ添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌しそして飽和水性NaSOでクエンチし、3×30mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を重炭酸ナトリウム(aq.)およびブラインで洗浄した。その有機混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、150mg(65%)の4−(4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)−1^[6]−チアン−1,1−ジオン,76.5を白色固体として得た。
化合物76.6の合成。化合物76.5(130mg,0.53mmol,1.00当量)のメタノール(10mL)中の溶液に、10%の活性炭担持パラジウム(13mg)を窒素下で添加した。この混合物をHガスで3回脱気し、そして室温で1時間撹拌した。その固体を濾別し、そしてその濾液を減圧下で濃縮して、90mg(79%)の4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)−1[6]−チアン−1,1−ジオン,76.6を桃色固体として得た。
化合物I−112の合成。化合物59.5(100mg,0.24mmol,1.00当量)および化合物76.6(80mg,0.37mmol,1.50当量)の5mLのイソプロパノール中の溶液に、0.01mLの塩酸(ジオキサン中4M)を添加した。得られた混合物をマイクロ波中140℃で2時間撹拌した。その固体を濾過により集め、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、83.9mg(58%)の4−(4−((4−(((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−6,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4’,3’:4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)テトラヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド,I−112を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 588 [M+H]H NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 8.96 (1H, s), 7.85 (1H, s), 7.55 (1H, s), 5.72−5.58 (1H, m), 4.66 (2H, s), 4.59−4.49 (1H, m), 3.93−3.89 (3H, m), 3.58−3.56 (4H, m), 3.36−3.32 (2H, m), 3.23−3.15 (2H, m), 2.95 (2H, s), 2.60−2.58 (2H, m), 2.50−2.49 (2H, m), 2.41−2.33 (5H, m), 2.09− 2.04 (2H, m), 1.99−1.89 (2H, m), 1.42−1.33 (4H, m)。
実施例77。N4−((1r,4r)−4−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−113)の合成。
Figure 2016505012
化合物77.2の合成。4−アミノシクロヘキサン−1−オール(5.0g,43.41mmol,1.00当量)の100mLのTHF/HO(v:v=1:1)中の溶液を入れた250mLの丸底フラスコに、クロロギ酸ベンジル(11.08g,64.95mmol,1.50当量)および水酸化ナトリウム(8.7g,217.52mmol,5.01当量)を室温で添加した。得られた溶液を周囲温度で一晩撹拌し、そして減圧下で濃縮して、THFを除去した。固体を濾過により集め、そしてオーブン内40℃で一晩乾燥させて、8.4g(78%)のN−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバミン酸ベンジル,77.2を白色固体として得た。
化合物77.3の合成。化合物77.2(7.0g,28.08mmol,1.00当量)のアセトン(100mL)中の溶液に、Jones試薬(約10mL)を0℃で滴下により添加した。反応をTLCにより監視し、そして30分間撹拌した。反応を飽和水性NaHSOでクエンチし、3×100mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、5.0g(72%)のN−(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸ベンジル,77.3を白色固体として得た。
化合物77.4の合成。6−アザスピロ[2.5]オクタン(1.9g,17.09mmol,1.00当量)のジクロロメタン(60mL)中の溶液に、化合物77.3(6.34g,25.64mmol,1.50当量)およびNaBH(OAc)(10.89g,51.38mmol,3.01当量)を室温で添加した。反応物を周囲温度窒素下で一晩撹拌した。完了したら、反応物を100mLのHOで希釈し、3×100mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.0g(34%)のN−(4−[6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル]シクロヘキシル)カルバミン酸ベンジル,77.4を黄色固体として得た。
化合物77.5の合成。化合物77.4のトランス/シス異性体(3.1g,9.05mmol,1.00当量)をキラル−prep−SFCにより分離して、1.4gのN−[trans−4−[6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル]シクロヘキシル]カルバミン酸ベンジル,77.5を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 343 [M+H]H NMR (300 MHz, CDCl, ppm) 7.36−7.28 (m, 5H), 5.32 (s, 2H), 4.57 (d, 1H), 3.50−3.35 (m, 1H), 2.62 (brs, 4H), 2.50−2.32 (m, 1H), 2.10 (d, 2H), 1.98−1.88 (m, 2H), 1.55−1.30 (m, 6H), 1.25−1.05 (m, 2H), 0.25 (s, 4H)。
化合物77.6の合成。化合物77.5(300mg,0.88mmol,1.00当量)のメタノール(10mL)中の溶液に、10%の活性炭担持パラジウム(60mg)を窒素下室温で添加した。次いで、H(g)を導入して排気することを3回行い、そして得られた混合物を周囲温度で3時間撹拌した。この反応の完了後、その固体を濾別し、そしてその濾液を減圧下で濃縮して、190mg(粗製)のtrans−4−[6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル]シクロヘキサン−1−アミン,77.6を黄色油状物として得た。
化合物77.7の合成。化合物1.4(267mg,1.09mmol,1.19当量)および化合物77.6(190mg,0.91mmol,1.00当量)のMeCN(10mL)中の溶液に、KPO(581mg,2.74mmol,3.00当量)を添加した。得られた混合物を油浴中窒素下80℃で一晩撹拌した。この反応が完了したら、溶媒を減圧下で除去し、そして粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、275mg(72%)の10−クロロ−N−[trans−4−[6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル]シクロヘキシル]−7−チア−9,11−ジアザトリシクロ[6.4.0.0[2,6]]ドデカ−1(8),2(6),9,11−テトラエン−12−アミン,77.7を黄色固体として得た。
化合物I−113の合成。化合物77.7(120mg,0.29mmol,1.00当量)の2−ブタノール(5mL)中の溶液を含む25mLの丸底フラスコに、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン塩酸塩(80.4mg,0.58mmol,2.00当量)を室温で添加した。反応物を窒素下110℃で一晩撹拌した。冷却後、その固体を濾過により集めた。集めた固体を水に溶解させ、そして1Mの水性水酸化ナトリウムで中和した。生じた固体を濾過により集め、そしてオーブン内減圧下40℃で乾燥させて、60mg(44%)のN4−((1r,4r)−4−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−113を灰色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 478 [M+H]H NMR (400 MHz, d−DMSO): δ 8.89 (1H, s), 7.80 (1H, s), 7.45 (1H, s), 5.71 (1H, brs), 4.02−3.95 (1H, s), 3.79 (3H, s), 2.97 (2H, t), 2.84 (2H, t), 2.54−5.50 (4H, m), 2.42−2.29 (3H, m), 2.12−1.99 (2H, m), 1.86−1.79 (2H, m), 1.55−1.35 (4H, m), 1.30 (4h, brs), 0.22 (4H,s)。
実施例78。N4−((1r,4r)−4−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(I−114)の合成。
Figure 2016505012
化合物77.7(60mg,0.14mmol,1.00当量)の溶液を入れた5mLのマイクロ波バイアルに、化合物52.4(29mg,0.17mmol,1.21当量)および塩化水素(ジオキサン中4M,0.05mL)を添加した。この最終反応混合物にマイクロ波を140℃で2時間照射した。冷却したら、生じた固体を濾過し、そして100mLのフラスコに移し、水を添加し、そしてこの溶液のpH値を1Mの水酸化ナトリウム溶液で約8に調整した。生じた固体を濾過により集め、そしてオーブン内減圧下で乾燥させて、60mg(76%)のN4−((1r,4r)−4−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)シクロヘキシル)−N2−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン,I−114を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 548 [M+H]H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.92 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 5.71 (d, 1H), 4.40−4.20 (m, 1H), 4.05−3.88 (m, 3H), 3.51−3.34 (m, 2H), 2.97 (t, 2H), 2.81 (t, 2H), 2.60−2.52 (m, 4H), 2.46−2.40 (m, 3H), 2.11−1.78 (m, 9H), 1.54−1.38 (m, 4H), 1.35−1.25 (brs, 4H), 0.22 (s, 4H)。
実施例79:IRAK−4アッセイ
アッセイ材料
材料 販売者 カタログ番号
HEPES Amresco 0511
Brij-35 Sigma B4184-100mL
Coating Reagent #3 Caliper
EDTA Sigma E5134-1KG
ATP Sigma A7699-1G
MgCl2 Sigma 63068-250G
MnCl2 Sigma M8054-100G
Peptide 8 GL bioscience 112396
IRAK4 CARNA Bioscience 09-145
384ウェルプレート Corning 3573。
1xキナーゼベースバッファーを50mM HEPES,pH7.5および0.0015% Brij−35から調製した。ストップバッファーを100mM HEPES,pH7.5、0.015% Brij−35、0.2% Coating Reagent #3および50mM EDTAから調製した。
試験化合物を、100% DMSOにより、反応中の最終的な所望の最高阻害剤濃度の50xまで希釈した。この化合物希釈物100ulを、96ウェルプレートのウェルに移した。例えば、IC50決定における所望の最高阻害剤濃度が100uMである場合、このステップにおいて5000uMの化合物DMSO溶液を調製する。
60μlの100% DMSOのうち30μlを次のウェルに移し、合計10の濃度について以下同様にすることによって、試験化合物を段階希釈した。同じ96ウェルプレート内での化合物なしのコントロールおよび酵素なしのコントロールのために、100μlの100% DMSOを2つの空のウェルに追加した。
新しい96ウェルプレートに中間プレートと印をつけた。5μlの化合物段階希釈物を起点プレートからこの中間プレートの対応するウェルに移した。45μlの1xキナーゼベースバッファー(KBバッファー)を中間プレートの各ウェルに添加した。この中間プレートを、振盪器上に10分間置いた。
各ウェルの5μlを96ウェル中間プレートから、384ウェルプレートに二連で移した。例えば、96ウェルプレートのA1を、384ウェルプレートのA1とA2に移す。96ウェルプレートのA2を、384ウェルプレートのA3とA4に移す、等である。
1xキナーゼバッファー中のIRAK4およびDTTを添加した。2.5x酵素ミックスは、8.8nM IRAK4および5mM DTTを含んだ。
Peptide 8、ATP、MgClおよびMnClを1xキナーゼベースバッファー中に添加した。2.5xペプチドミックスは、3.75μM Peptide 8、92.5μM ATP、12.5mM MgClおよび2.5mM MnClを含んだ。
アッセイプレートは既に、10% DMSO中に5μlの化合物を含んだ。酵素なしのコントロールウェルを除き、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに10μlの2.5x酵素溶液を添加した。反応中のIRAK4の最終濃度は、3.5nMであった。アッセイプレートの酵素なしコントロールウェルに10μlの1xキナーゼベースバッファーを添加した。室温で10分間インキュベートした。
384ウェルアッセイプレートの各ウェルに10μlの2.5xペプチド溶液を添加した。Peptide 8およびATPの最終濃度は、それぞれ、1.5μMおよび37μMであった。28℃にて40分間インキュベートした。25μlのストップバッファーを添加した反応を終了させた。Caliper上でデータを収集した。
Caliperプログラムから変換%のデータをコピーした。変換%の値をパーセント阻害の値に変換した。パーセント阻害=(max−変換%)/(max−min)×100、ここで、「max」は、DMSOコントロールの変換%を意味し、「min」は酵素なしコントロールの変換%を意味する。
表2は、IRAK−4活性阻害アッセイにおける選択された本発明の化合物の活性を示す。化合物番号は、表1における化合物番号に対応する。「A」として指定される活性を持つ化合物は、5μM以下のIC50を提供した;「B」として指定される活性を持つ化合物は、5〜50μMのIC50を提供した;「NA」は、「アッセイしていない」を表す。
Figure 2016505012
提供された化合物をまた、IRAK−1の阻害剤としてもアッセイした。特定の実施形態において、提供された化合物は、5μM以下のIC50でIRAK−1を阻害する。一部の実施形態において、提供された化合物は、5〜20μMのIC50でIRAK−1を阻害する。
実施例80:サイトカイン産生アッセイ
提供された化合物をまた、THP−1細胞、ヒト末梢血単核細胞(hPBMC)および全血におけるLPS(リポポリサッカリド)またはR848(TLR−7アゴニスト)誘導性サイトカイン(TNFαおよびIL8)産生アッセイにおいてアッセイした。THP−1細胞におけるこのアッセイについての例示的なプロトコールは以下のとおりであった。
ATCC由来のTHP−1細胞(TIB−202)を、10%胎仔ウシ血清(Invitrogen,カタログ番号10099141,ロット番号8172882)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン(Invitrogen,カタログ番号15140−122)および50uM 2−メルカプトエタノール(Invitrogen,カタログ番号21985023)を含有するRPMI Medium 1640(Invitrogen,カタログ番号A10491−01)中で培養した。LPS−EKウルトラピュア(Invivogen,カタログ番号tlrl−peklps)を用いてIL8およびTNFαの産生を誘導し、これを、製造業者の指示書に従い、IL8 HTRFキット(Cisbio,カタログ番号62IL8PEB)およびTNFα HTRFキット(Cisbio,カタログ番号62TNFPEB)によって細胞培養上清中で検出した。細胞を、96ウェルアッセイプレート内で、各ウェル100,000細胞で培養し、最終0.3% DMSO中に希釈した化合物を、300ng/mL LPSでの刺激前に1時間、細胞と共にプレインキュベートした。細胞上清中のサイトカイン産生を、5時間の時点でTNFαおよびIL8の産生について、そして、16時間にわたって、IL8の産生および細胞生存性の評価について測定した。
表3は、TNFαおよびIL8産生アッセイにおける選択された本発明の化合物の活性を示す。化合物番号は、表1における化合物番号に対応する。「A」として指定される活性を持つ化合物は、0.5μM以下のIC50を提供した;「B」として指定される活性を持つ化合物は、0.5〜5.0μMのIC50を提供した;「C」として指定される活性を持つ化合物は、5.0μM以上のIC50を提供した。「NA」は、「アッセイしていない」を表す。
Figure 2016505012
実施例81:hPBMCまたは全血におけるインビトロLPS/R848/CpG誘導性サイトカイン産生アッセイ
本発明の化合物をまた、インビトロサイトカイン産生アッセイにおいて検討した。例示的なプロトコールは以下のとおりである。
全血(LPS):無血清培地中で1:1の比で全血を合わせることによって13mLの全血溶液を調製した。PBMCアッセイについて、100,000個の細胞/ウェルを、プレートマップに従い、96ウェルプレート内に130u/ウェルの細胞懸濁物を播種した。9ulの30mM化合物溶液を、指定された行のウェルに加え、次いで、4倍希釈による連続溶液を作製した。すなわち、残りのウェルの各々に9uLの100% DMSOを加え、1段階高濃度の溶液から3uLの化合物溶液を取って、DMSOとよく混合する。第二の化合物マスタープレートについては、196uLの増殖培地(無血清培地)を各ウェルに加え、そして、第一の化合物マスタープレートからの4uLの化合物溶液を加え、培地と混合した。プレートマップに従い、各ウェルに、第二のマスタープレート内で調製した化合物溶液とコントロール溶液20uLを加えることにより、細胞を0.5時間処理した。細胞を、0.1ug/mLのLPSで一晩刺激した。プレートをシーリングフィルムでシールし、そして、これらのプレートを、4℃、3000rpmにて5分間遠心分離した。上清を移動させ、そして、100ulの作用Capture抗体溶液を各ウェルに加えた。これらのプレートをシールし、室温で一晩インキュベートした。TNF−α検出抗体をビオチンで標識した:100uLの検出抗体溶液を各ウェルに加えた。プレートにカバーし、室温にて2時間インキュベートした。各ウェルに100uLのストレプトアビジン−HRP溶液を加えた。プレートにカバーし、暗所にて室温で20分間インキュベートした。各ウェルに100uLの基質溶液を加えた。暗所にて室温で20分間インキュベートした。各ウェルに50uLの停止溶液を加えた。プレートを穏やかにタッピングして、充分な混合を確実にした。450nmに設定したマイクロプレートリーダーを用いて各ウェルの光学密度を直ちに測定し、そしてまた、波長補正が利用可能でない場合には、補正のために540nmまたは570nmでも読み取った。R848誘導性またはCpG誘導性アッセイについては、全血中で、1uM R848をTNF−α産生のために20時間、および0.2uMのRD48をIFN−α産生のために20時間;PBMCサイトカイン産生のために1uM R848を20時間;またはPBMCサイトカイン産生のために0.5uMのCpGを20時間使用した点を除いて、上記のものと同じ手順に従った。全血およびhPBMCサイトカイン産生アッセイからのデータを表4および表5に示す。
表4および5。インビトロ全血およびhPBMCサイトカイン産生アッセイの結果。「A」として指定される活性を持つ化合物は、0.25μM以下のIC50を提供した;「B」として指定される活性を持つ化合物は、0.25〜1.0μMのIC50を提供した;「C」として指定される活性を持つ化合物は、1.0〜10μMのIC50を提供した;そして、「D」として指定される活性を持つ化合物は、10μM以上のIC50を提供した。
Figure 2016505012
Figure 2016505012
実施例82 インビボでのLPS誘導TNFα酸性の阻害
選択された化合物を、雌性Lewisラットでのインビボで、LPS誘導TNFα産生について、LPS投与IVの2時間前にPOを投与し、その後、血清において産生されたTNFαをELISA(Biosource)を使用して測定するために、1時間後に採血することによって、試験した。表6は、MED(最小有効用量)についての結果を、経口投与されたmg/kgで示す。「A」として指定される活性を持つ化合物は、5.0mg/kg未満のMEDを提供した;「B」として指定される活性を持つ化合物は、5.0〜20mg/kgのMEDを提供した;「C」として指定される活性を持つ化合物は、20〜50mg/kgのMEDを提供した;そして、「D」として指定される活性を持つ化合物は、50mg/kgより高いMEDを提供した。
Figure 2016505012
本発明の多数の実施形態を記載したが、本発明者の基本的な実施例は、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するように変更され得ることが、明らかである。従って、本発明の範囲は、例として与えられた具体的な実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されることが理解される。

Claims (20)

  1. 式I:
    Figure 2016505012
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、式Iにおいて:
    環Aは、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環であり;
    nは、0〜4であり;
    各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−CHOR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)、Cy、または−N(R)S(O)Rであるか;あるいはRは、以下の式:
    Figure 2016505012

    のうちの1つから選択されるか;あるいは
    2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;
    各Cyは、必要に応じて置換された環であり、該必要に応じて置換された環は、3員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環から選択され;
    各Rは独立して、必要に応じて置換された基であり、該必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択され;
    各Rは独立して、水素、または必要に応じて置換された基であり、該必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
    同じ窒素上の2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、該窒素に加えて、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される、0個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和、部分不飽和、もしくはヘテロアリールの環を形成し;
    環Bは、4員〜8員の部分不飽和炭素環式縮合環;または窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の部分不飽和複素環式縮合環であり;ここで該環Bは、1個または1個より多くのオキソ基、チオノ基、またはイミノ基によって必要に応じて置換され得;
    mは、0〜4であり;
    pは、0〜2であり;
    [Ar]は、フェニル、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロ芳香環であり、ここで[Ar]は、q個存在するRによって置換されており;
    qは、0〜5であり;
    各Rは独立して、−R、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−C(O)N(R)−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)S(O)R、−N(R)S(O)N(R)、またはCyであるか;あるいは
    2個のR基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;
    は、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここで該鎖の1個または2個のメチレン単位は、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
    各Lは独立して、共有結合、またはC1〜6の二価炭化水素鎖であり、ここで該鎖の1個または2個のメチレン単位は、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−S(O)−または−S(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;
    各Rは独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−SR、−N(R)、−S(O)R、−S(O)N(R)、−S(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−C(O)N(R)OR、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(R)S(O)N(R)、−N(R)S(O)R、または必要に応じて置換された基であり、該必要に応じて置換された基は、C1〜6脂肪族、フェニル、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式、ならびに独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員のヘテロアリール環から選択されるか、あるいは:
    2個の−L(R−R基は、これらの間にある原子と一緒になって、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される0個〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の縮合、スピロ縮合、または有橋の二環式環を形成し;そして
    該化合物は
    Figure 2016505012

    ではない、化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  2. 式II:
    Figure 2016505012
    の、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  3. 式IIIまたはIV:
    Figure 2016505012
    の、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  4. 式XII:
    Figure 2016505012
    の、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  5. 式XIIIまたはXIV:
    Figure 2016505012
    の、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  6. 式XV−a、XV−b、XV−c、XV−d、XVI−a、XVI−b、XVI−c、XVI−d、XVII−a、XVII−b、またはXVII−c:
    Figure 2016505012
    の、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  7. は、−N(R)またはCyである、請求項1に記載の化合物。
  8. は−N(Me)である、請求項7に記載の化合物。
  9. はCyであり、ここでCyは、独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された4員〜7員の飽和複素環式環である、請求項7に記載の化合物。
  10. はCyであり、ここでCyは、必要に応じて置換された環であり、該必要に応じて置換された環は、モルホリン、ピペリジンおよびピペラジンから選択される、請求項7に記載の化合物。
  11. は−O−である、請求項1に記載の化合物。
  12. は−N(R)−である、請求項1に記載の化合物。
  13. は−NH−である、請求項1に記載の化合物。
  14. [Ar]はフェニルであり、そしてqは0〜5である、請求項1に記載の化合物。
  15. [Ar]は5員〜6員のヘテロアリールであり、そしてqは0〜5である、請求項1に記載の化合物。
  16. [Ar]は5員ヘテロアリールであり、そしてqは0〜4である、請求項15に記載の化合物。
  17. [Ar]はピラゾールであり、そしてqは0〜3である、請求項15に記載の化合物。
  18. 前記化合物は、表1に記載される化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
  19. 請求項1に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含有する、薬学的組成物。
  20. 患者において、IRAKにより媒介される障害、疾患、または状態を処置する方法であって、該患者に、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
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