JP2016223882A - トロリ線摩耗判定装置及びトロリ線摩耗判定方法 - Google Patents

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Masahiko Honda
誠彦 本田
瑞樹 常本
Mizuki Tsunemoto
瑞樹 常本
清水 政利
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Abstract

【課題】トロリ線の摺動面の角が曲面状であっても、摺動面幅を正確に測定し、残存直径を正確に把握することができる摩耗判定装置及び方法を提供する。
【解決手段】トロリ線Tの下方でかつ軌道の幅方向側方の斜め方向から、摩耗領域の端部を含む範囲を照射する光源2と、摩耗領域から反射した光線を受光する受光部3と、受光部3の受光レベルから摩耗領域を判定する摩耗判定部20と、を具備し、摩耗判定部20には、摺動面を特定する高反射レベルと、摺動面に隣接する湾曲面を特定する低反射レベルとを有する基準受光レベルが設定され、受光部3の受光レベルと基準受光レベルとの比較により、トロリ線Tの摺動面を含む摩耗領域を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パンタグラフと摺動する鉄道用トロリ線の保守管理に係り、該トロリ線の摩耗状態を正確に検知することができるトロリ線摩耗判定装置及びトロリ線摩耗判定方法に関する。
鉄道用トロリ線は、電車の走行に伴うパンタグラフとの摺動によって摩耗が進行する。このような鉄道用トロリ線では、摩耗が一定量進んだ場合に切断などのトラブルが生じ易く、このような事態を防止すべく、検測車による摩耗量測定を定期的に実施し、摩耗限界に近くなったトロリ線を交換するようにしている。
この種のトロリ線における摩耗量測定では、該トロリ線の真下に設置した光源からトロリ線下部へ光を照射し、その反射光によって、パンタグラフのすり板が摺動する際に生じるトロリ線の摺動面の幅を測定し、該摺動面の幅からトロリ線残存直径を演算する方式が採用されている。
例えば、特許文献1に示されるレーザ反射光を用いたトロリ線摩耗量の算出方法では、検測車の屋根上に複数個の投光器を配列した上で、主に、トロリ線下部の摺動面(パンタグラフのすり板との摺動によって平面状に摩耗した面)に赤色レーザを照射しその反射光の幅をもって摺動面幅を検出する方式が示されている。
また、特許文献2に示される架線検測装置では、車両の屋根上に、トロリ線の下部を撮影するラインセンサカメラからなる撮像手段を設置したものであり、車両の内部に設置された車載処理手段により、車両の周囲の明るさに応じて撮像手段のシャッター速度を制御しつつ、該撮像手段で得た撮像データに基づき、トロリ線下部の摺動面幅を検出する方式が示されている。
特開平6−307832号公報 特開2010−197058号公報
ところで、鉄道用トロリ線では、パンタグラフすり板の改良に伴い、トロリ線の摺動面の角が曲面状になる例が確認されている。
このため、上記鉄道用トロリ線においては、トロリ線残存直径を正確に測定するためには、平面状の摺動面の両端の曲面との遷移領域をも含めた摺動面幅を検出する必要があるが、上述したトロリ線摩耗測定装置では、主に、トロリ線直下から測定光を照射する方式であるために、摺動面両端の遷移領域で安定した反射光量を得ることが難しく、光学的に検出される摺動面幅と実測による摺動面幅との間に誤差が生じることがあった。
その結果、これまでのトロリ線摩耗測定にあっては、トロリ線切断を未然に防止すべく、トロリ線交換の目安となる摺動面幅のしきい値に必要以上に余裕を持たせる傾向があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、トロリ線の摺動面の端部が曲面状であっても、トロリ線の摺動面幅を正確に測定することができ、かつ正しく測定された摺動面幅に基づき、該トロリ線の残存直径を正確に把握することができ、従来のトロリ線摩耗測定装置でなされていた、検測システムでの危険側判断(残存直径が大きい)を安全側判断(残存直径が小さい)に改変することができる高精度なトロリ線摩耗判定装置及び方法を提供する。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明に示されるトロリ線摩耗判定装置では、トロリ線の下方でかつ軌道の幅方向側方の斜め方向から、該トロリ線の摩耗領域の端部を含む範囲を照射する光源と、該光源から照射されて前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域から反射した光線を受光する受光部と、該受光部の受光レベルから前記トロリ線の摩耗領域を判定する摩耗判定部と、を具備し、前記摩耗判定部には、前記トロリ線が摺動したことにより生じる摺動面を特定する高反射レベルと、該トロリ線の摺動面に隣接する湾曲面を特定する低反射レベルとを有する基準受光レベルが設定されており、前記受光部の受光レベルと前記基準受光レベルとの比較により、前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域の摩耗程度を判定することを特徴とする。
そして、本発明によれば、摩耗判定部において、トロリ線が摺動したことにより生じる平坦な摺動面を特定する高反射レベルと、該トロリ線の摺動面に隣接する湾曲面を特定する低反射レベルとを有する基準受光レベルが設定されており、該基準受光レベルと受光部の受光レベルとの比較により、トロリ線における摺動面及び湾曲面を含む摩耗領域の摩耗程度を判定することができる。
すなわち、本発明では、トロリ線の摺動面の両端の角が曲面状の湾曲面であったとしても、トロリ線の摩擦範囲における摺動面幅を正確に測定することができ、かつ正しく測定された摺動面幅に基づき、トロリ線の残存直径を正確に把握することができ、従来のトロリ線摩耗測定装置でなされていた、検測システムでの危険側判断(残存直径が大きい)を安全側判断(残存直径が小さい)に改変できる。
従って、本発明では、トロリ線における平坦な摺動面及び曲面状の湾曲面を含む全ての摩耗領域を測定して、トロリ線の残存直径を正確に把握することが可能であることから、該トロリ線の摩耗度判定の安全性を高めることができる。
また、本発明では、前記摩耗判定部は、前記トロリ線の摺動面を含む全摩耗領域から、前記トロリ線の残存直径を演算することを特徴とする。
そして、本発明によれば、摩耗判定部において、受光部の受光レベルと基準受光レベルとの比較により求めたトロリ線の摺動面を含む全摩耗領域から、該トロリ線の残存直径を演算するようにしたので、トロリ線の残存直径を正確に把握することが可能であり、トロリ線の摩耗度判定の安全性を高めることができる。
また、本発明では、前記摩耗判定部の基準受光レベルにて、前記トロリ線が摩耗されていない未摩耗領域を示す無反射レベルが含まれており、前記摩耗判定部は、前記受光部で検出された受光レベルを、前記基準受光レベルの高反射レベル、低反射レベル及び無反射レベルと比較することにより、前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域を特定することを特徴とする。
そして、本発明によれば、摩耗判定部において、受光部で検出された受光レベルを、基準受光レベルの高反射レベル、低反射レベル及び無反射レベルと比較することにより、トロリ線の摺動面を含む摩耗領域を特定するようにしたので、低反射レベルで示される、トロリ線の湾曲面を正確に特定することができる。
また、本発明では、前記受光部は前記トロリ線の摺動面の直下にて、該トロリ線の幅方向に沿うように配置されていることを特徴とする。
また、本発明では、前記受光部は前記トロリ線の画像を撮影する撮像素子から構成されていることを特徴とする。
そして、本発明によれば、トロリ線画像を撮影する撮像素子等から構成される受光部が、トロリ線の摺動面の直下にて該トロリ線の幅方向に沿うように配置されているので、該受光部により、トロリ線における平坦な摺動面及び曲面状の湾曲面を含む全ての摩耗領域を測定することが可能となる。
また、本発明では、前記光源は一定の放射角度をもって前記トロリ線の摩耗領域の端部を含む範囲を照射する特徴とする。
そして、本発明によれば、光源が一定の放射角度をもってトロリ線の摩耗領域の端部を含む範囲を照射するように設定したので、受光部において、トロリ線の摺動面とともに湾曲面からの反射光を一定の光量で受光することができ、摩耗領域の測定を正確に行うことが可能となる。
また、本発明では、前記光源は前記トロリ線の摩耗領域の両端を照射するように二つ又はそれ以上設置されることを特徴とする。
そして、本発明によれば、トロリ線の摩耗領域の両端を照射するように少なくとも二つの光源を設置したので、受光部において、トロリ線の摺動面の両側に位置する湾曲面からの反射光を一定の光量で受光することができ、摩耗領域の測定を正確に行うことが可能となる。
また、本発明に示されるトロリ線摩耗判定方法では、トロリ線の下方でかつ軌道の幅方向側方の斜め方向から、該トロリ線の摩耗領域の端部を含む範囲を照射する光線照射段階と、該光源から照射されて前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域から反射した光線を受光する受光段階と、該受光段階で得た光線の受光レベルから前記トロリ線の摩耗領域を判定する判定段階と、この判定段階で得た判定結果を出力表示する出力段階とを有し、前記判定段階では、前記トロリ線が摺動したことにより生じる摺動面を特定する高反射レベルと、該トロリ線の摺動面に隣接する湾曲面を特定する低反射レベルとを有する基準受光レベルが設定されており、該基準受光レベルと前記受光段階で得た光線の受光レベルとの比較により、前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域を判定することを特徴とする特徴とする。
そして、本発明によれば、トロリ線が摺動したことにより生じる平坦な摺動面を特定する高反射レベルと、該トロリ線の摺動面に隣接する湾曲面を特定する低反射レベルとを有する基準受光レベルが設定されており、判定段階において、該基準受光レベルと、光線の反射により得た受光レベルとの比較により、トロリ線における摺動面及び湾曲面を含む全ての摩耗領域を判定することができる。
すなわち、本発明では、トロリ線の摺動面の角が曲面状の湾曲面であったとしても、トロリ線の摺動面幅を正確に測定することができ、かつ正しく測定された摺動面幅に基づき、トロリ線の残存直径を正確に把握することができ、従来のトロリ線摩耗測定装置でなされていた、検測システムでの危険側判断(残存直径が大きい)を安全側判断(残存直径が小さい)に改変できる。
従って、本発明では、トロリ線における平坦な摺動面及び曲面状の湾曲面を含む全ての摩耗領域を測定して、トロリ線の残存直径を正確に把握することが可能であり、これによってトロリ線の摩耗度判定の安全性を高めることができる。
本発明では、トロリ線における平坦な摺動面及び曲面状の湾曲面を含む全ての摩耗領域を測定して、トロリ線の残存直径を正確に把握することが可能であることから、該トロリ線の摩耗度判定の安全性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るトロリ線摩耗判定方法、及び該方法が適用されたトロリ線摩耗判定装置の概略を示す図である。 (A)はパンタグラフのすり板が摺動することにより平坦な摺動面が発生したトロリ線の断面図、(B)はパンタグラフのすり板が摺動することにより平坦な摺動面とともに湾曲面が発生したトロリ線の断面図である。 受光部で撮影されたトロリ線の撮像データを示す図である。 (A)受光部で撮影されたトロリ線の撮像データと、(B)トロリ線の断面形状とを対比した図である。 摩耗判定部の動作内容をステップ毎に示すフローチャートである。
本発明の一実施形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るトロリ線摩耗判定方法、及び該方法が適用されたトロリ線摩耗判定装置の概略を示す図であって、この図において、符号1は鉄道軌道を走行する測定用車両又は測定用車両に設けられた架台等の被設置部である。
この被設置部1上には、トロリ線Tに向けて光線を照射する二つの光源2と、該トロリ線Tで反射したこれら光源2からの反射光を受光する受光部3とが設置されている。
これら二つの光源2は、トロリ線Tの下方位置でかつ該トロリ線Tを挟むように配置されるとともに、軌道の枕木長さ方向に沿う幅方向(矢印(イ)で示す方向)に間隔をおいて配置されて、該トロリ線Tの摩耗領域10の端部を含む範囲を下方斜め方向から照射する。
ここで、トロリ線Tの摩耗領域10には、図2(A)に示されるように、パンタグラフのすり板が摺動することにより平坦な摺動面11が発生するが、実際には、図2(B)に示されるように、パンタグラフのすり板が摺動することにより平坦な摺動面11とともに、該摺動面11の両外側に隣接するように湾曲面12が発生する。
このため、各光源2は、トロリ線Tの摩耗領域10の端部を含む範囲を下方斜め方向から、符号αで示す一定の放射角度を有して光線を照射しており、これによって該トロリ線Tの摺動面11、湾曲面12及びこれらの間の遷移領域を含む全ての摩耗領域10に、光線を照射可能としている。
なお、図2(B)に符号13に示されるものは、摩耗領域10の外側に位置して、パンタグラフのすり板が摺動していない未摩耗領域である。
受光部3は、トロリ線Tの画像を撮影する撮像素子から構成されているものであって、トロリ線Tの摺動面11の直下にて、該トロリ線Tの幅方向(矢印(イ)で示す方向)に沿うように一定の長さで配置されている。
そして、受光部3で撮像された撮像データは摩耗判定部20に供給され、該摩耗判定部20において、トロリ線Tにおける摩耗領域10の摩耗程度を判定する。
図3は、受光部3で撮影されたトロリ線Tの撮像データを示す図であって、摩耗判定部20にて、該撮像データが示すトロリ線Tの受光レベルを、その光の強度に応じて分類して、該トロリ線Tにおける摺動面11及び湾曲面12を区分する。
具体的には、摩耗判定部20には、トロリ線Tが摺動したことにより生じる平坦な摺動面11を特定する高反射レベルL1、該トロリ線Tの摺動面11に隣接する湾曲面12を特定する低反射レベルL2、及びトロリ線Tが摩耗されていない未摩耗領域13を示す無反射レベルL3が、基準受光レベルLとして予め記憶されている。
そして、この摩耗判定部20では、受光部3の撮像データで示される受光レベルと基準受光レベルL(L1〜L3)との比較により、図4(A)及び(B)に示されるように、トロリ線Tの摩耗領域10の摩耗程度(摩耗領域10の摺動面11及び湾曲面12)を判別し、該判別結果から、該トロリ線Tの摺動面幅Wを求め、さらに該トロリ線Tの残存直径Rを計算する。
ここで、図4(A)及び(B)には、従来の方式である場合に、摺動面11のみからなる摩耗領域の摺動面幅W´に基づきトロリ線Tの残存直径が計算されるのに対して、本発明の場合に、摺動面11及び湾曲面12からなる摩耗領域10の摺動面幅Wに基づきトロリ線Tの残存直径Rが計算される旨が示されている。
また、図3では、摺動面11の両側に湾曲面12が生じた場合の摩耗領域10の例、図4では、摺動面11の一方側(右側)に湾曲面12が生じた場合の摩耗領域10の例が示されている。
次に、図5を参照して、上記摩耗判定部20の動作を光線の照射から摩耗判定までの各ステップにしたがって説明する。なお、図5の各ステップは、軌道に沿って測定用車両を走行させつつ、一定時間間隔で実行することにより、トロリ線Tの異常を検出する。
〔ステップ1〕
光源2から光をトロリ線Tに向けて照射する。
〔ステップ2〕
受光部3で撮影されたトロリ線Tの撮像データを取り込む。
〔ステップ3〕
ステップ2で撮影された撮像データから、トロリ線Tの摩耗領域10の両側に位置する湾曲面12の曲率を計算し、この曲率が、予め設定した曲率以下であるか、すなわち、トロリ線Tの摩耗領域10の湾曲面12が緩やかなカーブ(例えば、図2(B)及び図4(B)のカーブA参照)であるか否かを判断する。
すなわち、本ステップ3にて、トロリ線Tの摩耗領域10の湾曲面12が設定曲率以下の緩やかなカーブとなったか否かを監視することによって、該トロリ線Tに湾曲面12を伴う過剰な摩耗が生じ始めているか否かを判断する。
そして、本ステップ3において、NOの場合に、直ちに、トロリ線Tが交換すべき残存直径となっているかを判定するステップ7に進み、また、YESの場合に、次のステップ4に進む。
〔ステップ4〕
ステップ3にて、トロリ線Tに湾曲面12を伴う過剰な摩耗が生じていると判定した場合には、本ステップ4にて、予め記憶してある基準受光レベルLを読み出す。
すなわち、本ステップ4にて、予め記憶されている、トロリ線Tが摺動したことにより生じる平坦な摺動面11を特定する高反射レベルL1、該トロリ線Tの摺動面11に隣接する湾曲面12を特定する低反射レベルL2、及びトロリ線Tが摩耗されていない未摩耗領域13を特定する無反射レベルL3からなる基準受光レベルLを読み出す。
〔ステップ5〕
ステップ2で得たトロリ線Tの撮像データで示される受光レベルと、ステップ4で得た基準受光レベルL(L1〜L3)とを比較することにより、図4に示されるように、トロリ線Tの摺動面11及び湾曲面12の領域を判別し、これによって摺動面11と湾曲面12とを含む摩耗領域10の摺動面幅Wを算出する。
〔ステップ6〕
ステップ5で得た摺動面11と湾曲面12とを含む摩耗領域10の摺動面幅Wから、図2(B)に示されるトロリ線Tの残存直径Rを算出する。
〔ステップ7〕
ステップ6で得たトロリ線Tの残存直径Rが、予め設定した交換を必要とする限界直径となったか否かを判断し、YESの場合に、トロリ線Tの残存直径Rが限界直径となったとしてステップ8に進み、NOの場合に、ステップ9に進んで、トロリ線Tが十分な残存直径Rを有する安全な状態であるとの出力表示をする。
〔ステップ8〕
トロリ線Tを交換すべき旨の出力表示した後、本フローチャートを終了する。
〔ステップ9〕
トロリ線Tの摩耗領域10の湾曲面12が、予め設定した曲率以上の大きなカーブであると判定して、トロリ線Tが十分な残存直径Rを有する安全な状態であるとの出力表示をした後、本フローチャートを終了する。
なお、上記スローチャートのステップにおいて、ステップ1により「光線照射段階」、ステップ2により「受光段階」、ステップ3及び4〜7により「判定段階」、ステップ8及び9により「出力段階」が構成されている。
以上詳細に説明したように本発明の実施形態に示されるトロリ線摩耗判定装置では、摩耗判定部20において、トロリ線Tが摺動したことにより生じる平坦な摺動面11を特定する高反射レベルL1と、該トロリ線Tの摺動面11に隣接する湾曲面12を特定する低反射レベルL2とを有する基準受光レベルLが設定されており、受光部3の受光レベルと該基準受光レベルLとの比較により、トロリ線Tにおける摺動面11及び湾曲面12を含む摩耗領域10の摩耗程度を判定することができる。
すなわち、本実施形態に示されるトロリ線摩耗判定装置では、トロリ線Tの摺動面11の角が曲面状の湾曲面12であったとしても、トロリ線Tの摩耗領域10における摺動面幅Wを正確に測定することができ、かつ正しく測定された摺動面幅Wに基づき、トロリ線Tの残存直径Rを正確に把握することができ、従来のトロリ線摩耗測定装置でなされていた、検測システムでの危険側判断(残存直径が大きい)を安全側判断(残存直径が小さい)に改変できる。
従って、本実施形態に示されるトロリ線摩耗判定装置では、トロリ線Tにおける平坦な摺動面11及び曲面状の湾曲面12を含む全ての摩耗領域10を測定して、トロリ線Tの残存直径Rを正確に把握することが可能であることから、該トロリ線Tの摩耗度判定の安全性を高めることができる。
また、本実施形態に示されるトロリ線摩耗判定装置では、摩耗判定部20にて、受光部3の受光レベルと基準受光レベルL(L1〜L3)との比較により求めたトロリ線Tの摺動面11を含む全摩耗領域10から、該トロリ線Tの残存直径Rを演算するようにしたので、トロリ線Tの残存直径Rを正確に把握することが可能であり、トロリ線Tの摩耗度判定の安全性を高めることができる。
また、本実施形態に示されるトロリ線摩耗判定装置では、摩耗判定部20において、受光部3で検出された受光レベルを、基準受光レベルLの高反射レベルL1、低反射レベルL2及び無反射レベルL3と比較することにより、トロリ線Tの摺動面11を含む摩耗領域10を特定するようにしたので、低反射レベルL2で示される、トロリ線Tの湾曲面12を正確に特定することができる。
また、本実施形態に示されるトロリ線摩耗判定装置では、トロリ線画像を撮影する撮像素子等から構成される受光部3が、トロリ線Tの摺動面11の直下にて該トロリ線Tの幅方向に沿うように配置されているので、該受光部3により、トロリ線Tにおける平坦な摺動面11及び曲面状の湾曲面12を含む全ての摩耗領域10を測定することが可能となる。
さらに、本実施形態に示されるトロリ線摩耗判定装置では、光源2が一定の放射角度(α)をもってトロリ線Tの摩耗領域10の端部を含む範囲を照射するように設定したので、受光部3において、トロリ線Tの摺動面11とともに湾曲面12からの反射光を一定の光量で受光することができ、摩耗領域10の測定を正確に行うことが可能となる。
なお、上記実施形態の図4では、摺動面11の一方側(右側)に湾曲面12が生じた場合の摩耗領域10の例が示されているが、これに限定されず、摺動面11の他方側(左側)に湾曲面12が生じた場合の摩耗領域10、又は摺動面11の両側(左右側)に湾曲面12が生じた場合の摩耗領域10(図3)についても同様に、上記フローチャートのステップにより該摩耗領域10の摺動面幅Wが検出可能である。
また、上記実施形態では、トロリ線Tの下方位置でかつ該トロリ線Tを挟む両側に二つの光源2を配置したが、いずれか一方の側に光源2を配置し、摺動面11の一方側の湾曲面12を検出しても良い。
この場合、垂直軸を中心としてトロリ線摩耗判定装置の向きを180°転換可能に設け、該トロリ線摩耗判定装置を、測定用車両の往路の終了地点で180°転換した後、復路の走行をさせるようにし、これによって摩耗領域10における摺動面11の両側(一方及び他方)の湾曲面12を検出しても良い。
また、このとき、トロリ線摩耗判定装置の向きを微調整することにより、受光部3での光検出効率を最大となるようにしても良い。
また、上記実施形態では、トロリ線Tの下方位置でかつ該トロリ線Tを挟む両側に二つの光源2を配置したが、該光源2は二つ以上配置しても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、パンタグラフと摺動する鉄道用トロリ線の保守管理に係り、該トロリ線の摩耗状態を正確に検知することができるトロリ線摩耗判定装置及びトロリ線摩耗判定方法に関する。
1 被設置部
2 光源
3 受光部
10 摩耗領域
11 摺動部
12 湾曲部
20 摩耗判定部
L 基準受光レベル
L1 高反射レベル
L2 低反射レベル
L3 無反射レベル
R 残存直径
W 摺動面幅

Claims (8)

  1. トロリ線の下方でかつ軌道の幅方向側方の斜め方向から、該トロリ線の摩耗領域の端部を含む範囲を照射する光源と、
    該光源から照射されて前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域から反射した光線を受光する受光部と、
    該受光部の受光レベルから前記トロリ線の摩耗領域を判定する摩耗判定部と、を具備し、
    前記摩耗判定部には、前記トロリ線が摺動したことにより生じる摺動面を特定する高反射レベルと、該トロリ線の摺動面に隣接する湾曲面を特定する低反射レベルとを有する基準受光レベルが設定されており、前記受光部の受光レベルと前記基準受光レベルとの比較により、前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域の摩耗程度を判定することを特徴とするトロリ線摩耗判定装置。
  2. 前記摩耗判定部は、前記トロリ線の摺動面を含む全摩耗領域から、前記トロリ線の残存直径を演算することを特徴とする請求項1に記載のトロリ線摩耗判定装置。
  3. 前記摩耗判定部の基準受光レベルには、前記トロリ線が摩耗されていない未摩耗領域を示す無反射レベルが含まれており、
    前記摩耗判定部は、前記受光部で検出された受光レベルを、前記基準受光レベルの高反射レベル、低反射レベル及び無反射レベルと比較することにより、前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域を特定することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のトロリ線摩耗判定装置。
  4. 前記受光部は前記トロリ線の摺動面の直下にて、該トロリ線の幅方向に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトロリ線摩耗判定装置。
  5. 前記受光部は前記トロリ線の画像を撮影する撮像素子から構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトロリ線摩耗判定装置。
  6. 前記光源は一定の放射角度をもって前記トロリ線の摩耗領域の端部を含む範囲を照射することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトロリ線摩耗判定装置。
  7. 前記光源は前記トロリ線の摩耗領域の両端を照射するように二つ又はそれ以上設置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトロリ線摩耗判定装置。
  8. トロリ線の下方でかつ軌道の幅方向側方の斜め方向から、該トロリ線の摩耗領域の端部を含む範囲を照射する光線照射段階と、
    該光源から照射されて前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域から反射した光線を受光する受光段階と、
    この受光段階で得た光線の受光レベルから前記トロリ線の摩耗領域を判定する判定段階と、
    この判定段階で得た判定結果を出力表示する出力段階とを有し、
    前記判定段階では、前記トロリ線が摺動したことにより生じる摺動面を特定する高反射レベルと、該トロリ線の摺動面に隣接する湾曲面を特定する低反射レベルとを有する基準受光レベルが設定されており、該基準受光レベルと前記受光段階で得た光線の受光レベルとの比較により、前記トロリ線の摺動面を含む摩耗領域を判定することを特徴とするトロリ線摩耗判定方法。
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