JP2016217716A - 超音波測定装置及び超音波測定方法 - Google Patents

超音波測定装置及び超音波測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象物2の表面で多重反射する超音波25の残響時間を短くして、測定対象物2の内部からの反射波を精度良く測定する。【解決手段】超音波測定装置は、音響媒質6の中に浸けられ、且つ測定対象物2の第1表面に接する伝搬媒質3と、音響媒質6及び伝搬媒質3を介して、測定対象物2の内部に到達する超音波を発信する超音波発信素子10aと、測定対象物2の内部で反射された超音波27を、音響媒質6及び伝搬媒質3を介して受信する超音波受信素子10bとを備える。伝搬媒質3の音響インピーダンス(Z2)は、音響媒質6の音響インピーダンス(Z1)よりも大きく且つ測定対象物2の音響インピーダンス(Z3)よりも小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、超音波測定装置及び超音波測定方法に関する。
従来から、超音波を用いた電池内部状態検出装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、電池要素の一方の側より電池要素の内部に向けて超音波を入射し、電池要素の内部で反射してきた超音波を受信し、この受信信号に基づいて電池要素の内部に気泡が生じているか否かを検出している。
特開2012−069267号公報
ところが、電池要素の一方の側の表面と超音波の発信プローブとの間で多重反射が起こる。この多重反射する超音波の残響時間が長くなると、測定対象物の内部からの反射波と重畳してしまい、電池要素の内部構造の観察を阻害する場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、測定対象物の表面で多重反射する超音波の残響時間を短くして、測定対象物の内部からの反射波を精度良く測定する超音波測定装置及び超音波測定方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係わる超音波測定装置は、音響媒質の中に浸けられ、且つ測定対象物の第1表面に接する伝搬媒質と、音響媒質及び伝搬媒質を介して、測定対象物の内部に到達する超音波を発信する超音波発信素子と、測定対象物の内部で反射された超音波を、音響媒質及び伝搬媒質を介して受信する超音波受信素子と、超音波受信素子が受信した超音波に基づいて、測定対象物の内部構造を検出する内部構造検出部を備える。伝搬媒質の音響インピーダンスは、音響媒質の音響インピーダンスよりも大きく且つ測定対象物の音響インピーダンスよりも小さい。
超音波測定装置によれば、測定対象物の表面で多重反射する超音波の残響時間を短くして、測定対象物の内部からの反射波を精度良く測定することができる。
図1は、実施形態に係わる超音波測定装置の構成を示すブロック図である。 図2(a)は、図1の超音波測定装置における反射波24bの強度の時間変化を示すグラフであり、図2(b)は、図2(a)に示す反射波24bの様々な反射経路を示す模式図である。 図3(a)は、伝搬媒質3を備えていない比較例における反射波の強度の時間変化を示すグラフであり、図3(b)は、図3(a)に示す反射波の様々な反射経路を示す模式図である。 図4(a)は、音響媒質X1、伝搬媒質X2、測定対象物X3、及び支持板X4の素材選択に係る実施例を示し、図4(b)は、各素材の音響インピーダンスの測定例を示す。 図5(a)及び図5(b)は、測定対象物2の第1表面及び第2表面、及び測定対象物の内部に存在する欠陥(気泡9)のZ軸座標(z1、z2、z3)の算出手順を説明する図である。 図6は、測定対象物の一例としてのリチウムイオン二次電池セル51の構成を示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A切断面に沿った断面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。同一部材には同一符号を付して再度の説明を省略する。
図1を参照して、実施形態に係わる超音波測定装置の構成を説明する。超音波測定装置は、液体の音響媒質6の中に浸けられた測定対象物2の内部構造を観察する装置である。液体の音響媒質6は容器7の中に収容されている。超音波測定装置は、音響媒質6の中に浸けられた伝搬媒質3を備える。伝搬媒質3は、測定対象物2の第1表面(図1における上側の表面)に接している。
超音波測定装置は、超音波発信素子10aと、超音波受信素子10bとを更に備える。超音波発信素子10a及び超音波受信素子10bは、音響媒質6の中に浸けられている。超音波発信素子10aは、音響媒質6及び伝搬媒質3を介して、測定対象物2の内部に到達する超音波24aを発信する。超音波受信素子10bは、測定対象物2の内部で反射された超音波24bを、音響媒質6及び伝搬媒質3を介して受信する。超音波測定装置は、超音波受信素子10bにより受信された超音波24bにもとづいて、測定対象物2の内部構造を観察する。実施形態では、音波発信素子10a及び超音波受信素子10bが超音波プローブユニット10として一体化された例を示す。
なお、超音波受信素子10bが受信する超音波24bには、測定対象物2の内部で反射された超音波のみならず、音響媒質6、伝搬媒質3及び測定対象物2の様々な界面において反射された超音波が含まれる。超音波受信素子10bが受信する超音波24bを「反射波」と呼ぶ。反射波24bについて、図2及び図3を参照して後述する。
伝搬媒質3の音響インピーダンス(Z)は、式(1)に示すように、音響媒質6の音響インピーダンス(Z)よりも大きく且つ測定対象物2の音響インピーダンス(Z)よりも小さい。
<Z<Z ・・・(1)
音響媒質6の例として、水が挙げられる。伝搬媒質3の例として、ポリエチレンが挙げられる。測定対象物2には、非水溶性及び防水性を有するあらゆる電機部品が適合する。たとえば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池、これらの二次電池を含む電気二重層キャパシタ、パッケージングされた半導体素子、プリント基板:PCB(電子回路基板を含む。)が、測定対象物2の例として挙げられる。リチウムイオン二次電池の具体的な構造性は、図6を参照して後述する。
実施形態において、超音波測定装置は、音響媒質6の中に浸けられ、且つ測定対象物2の第1表面に対向する第2表面(図1における下側の表面)に接する支持板4を更に備える。伝搬媒質3及び支持板4は、拘束治具8により、測定対象物2を加圧した状態で保持されている。支持板4は支持台5の上に配置されている。よって、容器7の底面と支持板4との間に音響媒質6が介在している。
なお、支持板4は、伝搬媒質3と共に測定対象物2を挟み、加圧することが出来れば良い。さらに、支持板4の音響インピーダンス(Z)は、測定対象物2の音響インピーダンス(Z)よりも小さい。よって、支持板4の特性を、式(1)と纏めると、式(2)として表すことができる。たとえば、支持板4の例として、伝搬媒質3と同じ材質、ポリエチレンが挙げられる。なお、支持板4の音響インピーダンス(Z)はできるだけ小さいことが望ましい。これにより、支持板4と測定対象物2の界面における超音波の反射率を高めることが出来るので、反射波26を鮮明に検出することができる。
<Z<Z>Z ・・・(2)
図1に示すように、超音波プローブユニット10は、測定対象物2の第1表面の側に配置され、Z軸移動機構11、XY軸移動機構12を介して、基台13に機械的に接続されている。キーボード及びマウスなどの入力装置15には、超音波24aの発信周波数、周波数可変範囲、発信開始、等のユーザからの指示情報の入力を受け付ける。入力装置15が受け付けた指示情報は、送信波周波数可変装置16に転送され、送信波周波数可変装置16は、超音波プローブユニット10内の超音波発信素子10aを駆動する。超音波発信素子10aから発信された超音波24aは、伝搬媒質3、測定対象物2、或いは支持板4により反射されて反射波24bとなり、超音波プローブユニット10内の超音波受信素子10bにより検出される。検出された反射波24bの強度信号は、超音波パルサレシーバ17により電圧信号に変換され、データ収集装置20に転送される。
一方、センサートラバースコントローラ23は、超音波(24a、24b)の発信及び受信と同時に、XY軸移動機構12を制御する。これにより、超音波プローブユニット10は、測定対象物2の第1表面に沿って第1表面の上方を走査しながら、超音波の送受信を行うことができる。超音波プローブユニット10の位置情報は、XY軸移動機構12からデータ収集装置20へ転送される。データ収集装置20は、超音波パルサレシーバ17からの電圧信号と、超音波プローブユニット10の位置情報とを関連づけた上で記憶する。データ処理装置21は、超音波パルサレシーバ17からの電圧信号(すなわち超音波受信素子10bで検出された反射波24bの強度)と、超音波プローブユニット10の位置情報とを処理して、測定対象物2の内部に存在する気泡などの内部構造を検出し、検出した内部構造を示す情報を、モニター22に表示させる。モニター22への表示例は、図2(a)及び図3(a)に示す。なお、以下の記載においてはデータ処理装置21は、超音波受信素子10bで検出された反射波24bにもとづいて測定対象物2の内部に存在する気泡(空隙)を検出するものとして記載するが、例えば測定対象物2の内部に存在する特定の異物等、反射波24bに基づいて検出できる内部構造であれば、検出対象は適宜変更可能である。
図3(a)は、伝搬媒質3を備えていない比較例における反射波の強度の時間変化を示すグラフであり、図3(b)は、図3(a)に示す反射波の様々な反射経路を示す模式図である。
超音波プローブユニット10から射出された超音波24aの一部は、音響媒質6と測定対象物2の界面(測定対象物2の第1表面)において反射して反射波25となり、超音波24aの残りは、測定対象物2の第1表面を透過する。
測定対象物2の第1表面を透過した超音波24aの一部は、測定対象物2の内部にある気泡9において反射して、反射波27となる。測定対象物2の第1表面を透過した超音波24aの他の一部は、測定対象物2の第2表面において反射して、反射波26となる。
反射波25は、音響媒質6と測定対象物2との界面と、超音波プローブユニット10との間で、多重反射を起こす。図3(a)に示すように、多重反射による第1回目の反射波25aが超音波プローブユニット10に検出された後、反射波25は徐々に弱くなりながら、繰り返し、超音波プローブユニット10に検出される。
第1回目の反射波25aから反射波25が検出されなくなるまでの残響時間内に、気泡9における反射波27が超音波プローブユニット10に到達してしまう。よって、反射波27は、多重反射する超音波25の残響と重畳してしまうため、超音波プローブユニット10は気泡9における反射波27を鮮明に検出することが難しい。
一方、図2(a)及び図2(b)は、図1に示した超音波プローブユニット10が検出する反射波24bの時間変化及び反射経路について説明する。超音波プローブユニット10から射出された超音波24aの一部は、音響媒質6と伝搬媒質3の界面において反射して反射波28となり、超音波24aの残りは、当該界面を透過する。反射波28は、音響媒質6と伝搬媒質3との界面と、超音波プローブユニット10との間で、多重反射を起こす。図2(a)に示すように、多重反射による第1回目の反射波28aが超音波プローブユニット10に検出されてから、反射波28は徐々に弱くなりながら、繰り返し検出される。第1回目の反射波28aから反射波28aが検出されなくなるまでの時間を残響時間(△t)と呼ぶ。
音響媒質6と伝搬媒質3の界面を透過した超音波24aの一部は、伝搬媒質3と測定対象物2との界面、即ち、測定対象物2の第1表面において反射して、反射波25となる。音響媒質6と伝搬媒質3の界面を透過した超音波24aの残りは、測定対象物2の第1表面を透過する。図2(a)に示すように、反射波25は、残響時間(△t)が経過した後に、超音波プローブユニット10に到達する。よって、測定対象物2の第1表面で反射する反射波25が、多重反射する超音波28の残響と重畳されることなく、両者は分離される。よって、超音波プローブユニット10は、測定対象物2の第1表面で反射する反射波25を鮮明に検出することができる。
換言すれば、超音波の伝播方向における伝搬媒質3の厚みを、音響媒質6と伝搬媒質3の界面と超音波発信素子10aとの間で多重反射する超音波28の残響時間(△t)に、伝搬媒質3の内部での超音波の伝播速度を乗じた値よりも大きくする。これにより、多重反射波の残響時間(△t)が経過した後に、測定対象物2の第1表面からの反射波25が超音波受信素子10bに到達するので、多重反射波が、測定対象物2の第1表面からの反射波と重畳することを回避できる。
測定対象物2の第1表面を透過した超音波24aの一部は、測定対象物2の内部にある気泡9において反射して、反射波27となる。測定対象物2の第1表面を透過した超音波24aの他の一部は、測定対象物2の第2表面において反射して、反射波26となる。反射波27及び反射波26のいずれも、反射波25よりも後に超音波プローブユニット10に到達する。よって、反射波27及び反射波26は、多重反射する超音波28の残響に重畳されることなく、両者は分離される。よって、超音波プローブユニット10は、反射波27及び反射波26を鮮明に検出することができる。
図2(a)に示すように、測定対象物2の第1表面で反射する反射波25を検出してから、測定対象物2の第2表面で反射する反射波26を検出するまでの期間のほぼ全てが、測定可能期間(IA2)となる。超音波28の残響の影響を受けることなく、測定対象物の内部を広い範囲で精度良く観察することが出来る。
一方、図3(a)に示すように、測定対象物2の第1表面で反射する反射波25を検出してから残響時間が経過するまでの間、多重反射の残響によって測定対象物2の内部を検出することは難しい。残響時間が経過してから測定対象物2の第2表面で反射する反射波26を検出するまでの期間が、比較例における測定可能期間(IA1)となる。つまり、測定対象物2の第1表面で反射する反射波25aを検出してから、測定対象物2の第2表面で反射する反射波26を検出するまでの期間のうち、残響時間の除いた期間が、測定可能期間(IA1)となる。
ここで、伝搬媒質3の音響インピーダンスは、音響媒質6の音響インピーダンスよりも大きく且つ測定対象物2の音響インピーダンスよりも小さい。よって、図3(b)の音響媒質6と測定対象物2の界面の反射率は、図2(b)の伝搬媒質3と測定対象物2の界面の反射率、及び音響媒質6と伝搬媒質3の界面の反射率よりも大きくなる。すなわち、二つの物質の界面における音波の反射率は、二つの物質の音響インピーダンスの差が大きいほど大きくなる事から、伝搬媒質3と測定対象物2の界面の反射率、及び音響媒質6と伝搬媒質3の界面における反射率は、音響媒質6と測定対象物2との界面における反射率よりも小さい。このため、音響媒質6と測定対象物2の界面における反射波28の強度は高くなり、図3(a)の残響時間も長くなる。一方、図2(b)の伝搬媒質3と測定対象物2の界面の反射率、及び音響媒質6と伝搬媒質3の界面の反射率は比較的に低い。よって、音響媒質6と伝搬媒質3の界面における反射波28の強度、及び伝搬媒質3と測定対象物2の界面における反射波25の強度は何れも低く抑えられ、図2(a)の残響時間(△t)も短くなる。
本願の発明者は、伝搬媒質3を配置した実施形態、及び伝搬媒質3を配置していない比較例における、反射波の残響時間をそれぞれ次のように確認している。測定対象物2はラミネート型リチウムイオン二次電池であり、伝搬媒質3はポリエチレン板を用い、音響媒質6は水を用いた。ラミネート型リチウムイオン二次電池の音響インピーダンス(Z)は2950[kg/cm2s]とし、ポリエチレン板の音響インピーダンス(Z)は1750[kg/cm2s]とし、水の音響インピーダンス(Z)は1450[kg/cm2s]とした。超音波プローブユニット10から射出される超音波24aの周波数は、1[MHz]とした。この条件において、図3の比較例では、測定対象物2の第1表面で多重反射する反射波25の残響時間は4.7[μ秒]であった。一方、図2の実施形態では、測定対象物2の第1表面で多重反射する反射波25の残響時間は1.7[μ秒]であった。
図4(a)は、音響媒質X1、伝搬媒質X2、測定対象物X3、及び支持板X4の素材選択に係る実施例を示し、図4(b)は、各素材の音響インピーダンスの測定例を示す。音響媒質X1としてある素材(j)を選択した場合に、伝搬媒質X2には、音響媒質X1よりも音響インピーダンスが大きい素材(j+1〜k)が選択される。測定対象物X3は、伝搬媒質X2よりも音響インピーダンスが大きい素材(k+1〜N)となる。支持板X4は、音響媒質X1と同じ素材(j)が選択される。
次に、図5(a)及び図5(b)を参照して、測定対象物2の第1表面及び第2表面、及び測定対象物の内部に存在する欠陥(気泡9)のZ軸座標(z1、z2、z3)の算出手順の一例を説明する。この算出手順は、図1のデータ処理装置21としてのマイクロコンピュータを用いて実現される。データ処理装置21は、算出手順を記述したコンピュータプログラムを実行し、コンピュータプログラムに記述された処理を実行する。これにより、Z軸座標(z1、z2、z3)の算出手順は、実現される。
先ず、ステップS01で、測定対象物2の内部における超音波の伝搬速度(v)を読み込む。ステップS03で、測定対象物2の第1表面における反射波25の判定しきい値(r1)を読み込む。ステップS05で、第1表面における反射波25の強度が判定しきい値(r1)を超える時刻(t1)を読み込む。なお、時刻(t1)とは、音響媒質6と伝搬媒質3との界面で反射した反射波を検出してからの経過時間を示す。ステップS07で、時刻(t1)から、第1表面のZ軸座標(z1)を算出する。ここでは、時刻(t1)をそのままZ軸座標(z1)として算出している。
ステップS09で、気泡9における反射波27の判定しきい値(r2)を読み込む。ステップS11で、気泡9における反射波27の強度が判定しきい値(r2)を超える時刻(t2)を読み込む。ステップS13で、時刻(t2)から気泡9のZ軸座標(z2)を算出する。たとえば、図5(a)のステップS13に示す式に従って算出すればよい。
ステップS15で、第2表面における反射波26の判定しきい値(r3)を読み込む。ステップS17で、第2表面における反射波26の強度が判定しきい値(r3)を超える時刻(t3)を読み込む。ステップS19で、時刻(t3)から第2表面のZ軸座標(z3)を算出する。たとえば、図5(a)のステップS19に示す式に従って算出すればよい。
図6を参照して、測定対象物の一例としてのリチウムイオン二次電池セル51の構成を説明する。リチウムイオン二次電池セル51は、実際に充放電反応が進行する略薄板状の電池要素52が、電池外装材であるラミネートフィルム53の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートフィルム53を電池外装材として用いて、その周縁部を熱融着にて接合することにより、電池要素52を収納し密封している。ここで、高分子−金属複合ラミネートフィルムとしては、金属フィルムを高分子フィルム(樹脂フィルム)でサンドイッチした三層構造のものが一般的である。
電池要素52は、薄板状(扁平状)の負極集電体54aの両面に同じく薄板状(扁平状)の負極活物質層54bを配置した負極54と、薄板状(扁平状)の電解質層55と、薄板状(扁平状)の正極集電体56aの両面に同じく薄板状(扁平状)の正極活物質層56bを配置した正極56とを積層した構成を有している。具体的には、1つの負極活物質層54bとこれに隣接する正極活物質層56bとが、電解質層としてのセパレータ55を介して対向するようにして、負極54、電解質層としてのセパレータ55、正極56をこの順に積層している。ここで、セパレータ55は微小な孔を多数有する膜状であるため、液体の電解質を含むこととなる。
これにより、隣接する負極54、電解質層としてのセパレータ55及び正極56は、一つの単電池層57(単電池)を構成する。従って、セル51は、単電池層57を積層することで、電気的に並列接続された構成を有する。負極集電体54a及び正極集電体56aには、各電極(正極及び負極)と導通する強電タブ58、59を取り付け、高分子−金属複合ラミネートフィルム3の端部に挟まれるように高分子−金属複合ラミネートフィルム3の外部に導出させている。
このように、測定対象物2が、音響インピーダンスが異なる複数の部材が積層された構造を有している場合、測定対象物2の音響インピーダンスは、次のようにして定める。超音波の入射する側の測定対象物2の表面に配置された部材の音響インピーダンスを、測定対象物2の音響インピーダンスとする。測定対象物2の表面に配置された部材が更に複数の層構造を有する場合は次のようにして定める。たとえば、高分子層と金属層が積層された高分子−金属複合ラミネートフィルム53が測定対象物2の表面に配置されている場合、高分子−金属複合ラミネートフィルム53の中で音響インピーダンスが比較的に高い層(たとえば、金属層)の音響インピーダンスを、測定対象物2の音響インピーダンスとして定める。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
測定対象物2の第1表面に接する伝搬媒質3を配置する。伝搬媒質3の音響インピーダンス(Z)は、音響媒質6の音響インピーダンス(Z)よりも大きく且つ測定対象物2の音響インピーダンス(Z)よりも小さい。これにより、伝搬媒質3と音響媒質6との界面で反射波28を発生させ、測定対象物2の第1表面における反射波25の強度を減少させる。これにより、測定対象物2の第1表面と超音波発信素子10aとの間で多重反射する超音波28の残響時間を短くすることができる。よって、多重反射する超音波28が、測定対象物2の内部からの反射波27と重畳することを回避して、測定対象物2の内部からの反射波27を精度良く測定することが出来る。
超音波の伝播方向における伝搬媒質3の厚みは、音響媒質6と伝搬媒質3の界面と超音波発信素子10aとの間で多重反射する超音波28の残響時間(△t2)に、伝搬媒質3の内部での超音波の伝播速度を乗じた値よりも大きい。これにより、多重反射波の残響時間(△t2)が経過した後に、測定対象物2の内部からの反射波27が超音波受信素子10bに到達するので、多重反射波28が、測定対象物2の内部からの反射波27と重畳することを回避できる。
超音波測定装置は、音響媒質6の中に浸けられ、且つ測定対象物2の第1表面に対向する第2表面に接する支持板4を更に備える。伝搬媒質3及び支持板4は、測定対象物2を加圧した状態で保持されている。これにより、測定対象物2の第1及び第2表面及び内部における凹凸を軽減して、超音波の斜め反射を軽減して、凹凸を内部欠陥として誤検出することを抑制する。
支持板4の音響インピーダンス(Z)は、測定対象物2の音響インピーダンス(Z)よりも小さい。測定対象物2の第2表面での超音波の反射率を高めて、第2表面での反射波を鮮明に測定することができる。
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
2 測定対象物
3 伝搬媒質
4 支持板
6 音響媒質
10a 超音波発信素子
10b 超音波受信素子
21 データ処理装置(内部構造検出部)

Claims (5)

  1. 液体の音響媒質の中に浸けられた測定対象物の内部構造を観察する超音波測定装置であって、
    前記音響媒質の中に浸けられ、且つ前記測定対象物の第1表面に接する伝搬媒質と、
    前記音響媒質及び前記伝搬媒質を介して、前記測定対象物の内部に到達する超音波を発信する超音波発信素子と、
    前記測定対象物の内部で反射された前記超音波を、前記音響媒質及び前記伝搬媒質を介して受信する超音波受信素子と、
    前記超音波受信素子が受信した超音波に基づいて、前記測定対象物の内部構造を検出する内部構造検出部を備え、
    前記伝搬媒質の音響インピーダンスは、前記音響媒質の音響インピーダンスよりも大きく且つ前記測定対象物の音響インピーダンスよりも小さい
    ことを特徴とする超音波測定装置。
  2. 前記超音波の伝播方向における前記伝搬媒質の厚みは、前記音響媒質と前記伝搬媒質の界面と前記超音波発信素子との間で多重反射する前記超音波の残響時間に、前記伝搬媒質の内部での前記超音波の伝播速度を乗じた値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の超音波測定装置。
  3. 前記音響媒質の中に浸けられ、且つ前記測定対象物の第1表面に対向する第2表面に接する支持板を更に備え、
    前記伝搬媒質及び前記支持板は、前記測定対象物を加圧した状態で保持されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波測定装置。
  4. 前記支持板の音響インピーダンスは、前記測定対象物の音響インピーダンスよりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の超音波測定装置。
  5. 液体の音響媒質の中に浸けられた測定対象物の内部構造を観察する超音波測定方法であって、
    伝搬媒質を前記測定対象物の第1表面に接するように前記音響媒質の中に浸ける手順と、
    前記音響媒質及び前記伝搬媒質を介して、前記測定対象物の内部に到達する超音波を発信する手順と、
    前記測定対象物の内部で反射された前記超音波を、前記音響媒質及び前記伝搬媒質を介して受信する手順と、
    前記超音波受信素子が受信した超音波に基づいて、前記測定対象物の内部構造を検出する手順とを備え、
    前記伝搬媒質の音響インピーダンスは、前記音響媒質の音響インピーダンスよりも大きく且つ前記測定対象物の音響インピーダンスよりも小さい
    ことを特徴とする超音波測定方法。
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