JP2016216948A - サッシ枠の固定方法及び固定状態検査方法 - Google Patents

サッシ枠の固定方法及び固定状態検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】開口部の内側に発泡性樹脂を用いてサッシ枠を固定する場合において、サッシ枠固定部のシール性を確保し得るサッシ枠の固定方法、並びにサッシ枠の固定状態を簡単に検査し得る検査方法を提供する。
【解決手段】開口部2の内側にサッシ枠3を嵌装し固定するに際して、サッシ枠3と開口部2の間に生じた空間部10の表裏両側に開口する開口端11,12のうち一方側の開口端11のみをシーリング材7により封止し、封止されていない他方側の開口端12から空間部10内に発泡性樹脂を注入し発泡させ、発泡した樹脂で空間部10の略全体を満たすとともに、樹脂の一部を開口端12の略全域から外方へ溢出させて硬化させ、その後、外方へ溢出して硬化した溢出樹脂部24を切除する。
【選択図】図8

Description

本願発明は、躯体に設けられた開口部、または既設サッシ枠により囲繞された開口部の内側に、窓または扉のサッシ枠を嵌装して固定するための固定方法、及び係る固定方法を用いて固定されたサッシ枠の固定状態の良否を検査するための固定状態検査方法に関するものである。
躯体に設けられた開口部、または既設サッシ枠により囲繞された開口部の内側に、窓または扉のサッシ枠を嵌装して固定する手法の一つとして、発泡性樹脂を用いた固定方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この固定方法は、例えば、図9に示すように、サッシ枠53を躯体51の開口部52の内側に嵌装した後、このサッシ枠53の外周面53aと開口部52の内周面52aの間に生じた空間部54の上記サッシ枠53の表裏両側にそれぞれ開口する一対の開口端55,56をそれぞれシーリング材57によって封止することで上記空間部54を密閉する。次に、上記シーリング材57に樹脂注入口を穿設し、ここから上記空間部54内に注入ガンを用いて発泡性樹脂を注入して発泡させることにより、発泡した樹脂で上記空間部54の略全体を満たしつつ硬化させて該空間部54内に発泡樹脂層60を形成し、該発泡樹脂層60を介して上記サッシ枠53を上記開口部52の内側に固定するものである。
このような固定方法によれば、発泡性樹脂がサッシ枠53と開口部52の間の空間部54から外部に溢れ出ないことから、発泡性樹脂が無駄にならず経済的であるとともに、上記開口部52の周囲を発泡性樹脂で汚すことなく作業を行うことができるという利点がある。また、上記開口部52から外方へ溢出して硬化した発泡性樹脂を削り取る必要がなく、見た目を美しく仕上げることができる。
特開2010−156193号公報
ところが、上述のように、略密閉された上記空間部54内で発泡性樹脂を発泡させると、この発泡性樹脂の発泡による膨張変化に伴い、該空間部54内の空気が逃げ場を失って次第に圧縮され、発泡した樹脂内に内圧の高い「空気溜り」が生じる場合がある。そして、この空気溜りの内圧が発泡性樹脂の発泡圧(膨張圧)に近いか、それよりも高いような場合には、発泡性樹脂の空気溜り内への膨張拡散作用が阻害され、空気溜り内に発泡性樹脂が行き渡りにくくなる。この結果、図9に示すように、硬化後の発泡樹脂層60内には上記空気溜りが空洞61〜63として残存し、これら空洞61〜63によってサッシ枠固定部のシール性が阻害され、雨漏れや結露の原因になるという問題があった。
このことから、発泡性樹脂を用いたサッシ枠の固定方法を実施するに当たっては、発泡性樹脂の発泡時に「空気溜り」が生じないような対策を採ることが要請される。
一方、発泡性樹脂は、例えば、施工時の気温が低いような場合には、発泡後十分に硬化せず、いわゆる「硬化不良」を生じる場合があるが、このような硬化不良はサッシ枠を支える発泡樹脂層60の強度低下を招来するものであり、信頼性の確保という点において好ましくない。
また、このような発泡性樹脂の硬化不良は、空間部54の奥深い箇所において部分的に生じることがあり、係る場合には施工後に外観を目視観察しても発見できない場合が多い。係る問題は、上述の空気溜りに起因する空洞ついても、同様である。
これらのことから、発泡硬化後の発泡樹脂層における硬化不良及び空洞の存在の有無、即ち、サッシ枠の固定状態の良否を簡単且つ的確に検査する手段を備えることが要請される。
そこで本願発明は、開口部の内側に発泡性樹脂を用いてサッシ枠を固定する場合において、サッシ枠固定部のシール性を確保し得るサッシ枠の固定方法、並びにサッシ枠の固定状態を簡単且つ的確に検査し得る検査方法を提案することを目的としたなされたものである。
本願の第1の発明では、躯体に設けられた開口部、または既設サッシ枠により囲繞された開口部の内側に、窓または扉のサッシ枠を嵌装して固定するサッシ枠の固定方法であって、上記サッシ枠を上記開口部の内側に嵌装した後、該サッシ枠の外周面と上記開口部の内周面の間に生じた空間部の上記サッシ枠の表裏両側にそれぞれ開口する一対の開口端のうち一方側の開口端のみをシーリング材により封止し、ついで、発泡性樹脂を、封止されていない他方側の開口端から上記空間部内に注入して発泡させ、発泡した樹脂で上記空間部の略全体を満たすとともに、該発泡した樹脂の一部を上記他方側の開口端の略全域から外方へ溢出させて硬化させ、しかる後、硬化した樹脂のうち上記他方側の開口端から外方へ溢出した溢出樹脂部を切除することを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係るサッシ枠の固定方法において、上記空間部内に発泡性樹脂を注入して発泡させるに際し、樹脂注入作業を複数回に分けて行うものとし、先の樹脂注入により形成された発泡樹脂層の上に、後の樹脂注入に係る発泡樹脂層を順次重ねて形成することで上記空間部の略全体を発泡樹脂層で満たすとともに、最終の樹脂注入による発泡樹脂層の一部を上記他方側の開口端の略全域から外方へ溢出させて硬化させることを特徴としている。
本願の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係るサッシ枠の固定方法によって固定されたサッシ枠の固定状態を検査する固定状態検査方法であって、上記他方側の開口端から外方へ溢出して硬化した溢出樹脂部を切除することで形成される樹脂断面を観察することでサッシ枠の固定状態の良否を検査することを特徴としている。
(a)本願の第1の発明
本願の第1の発明に係るサッシ枠の固定方法によれば、上記サッシ枠の外周面と上記開口部の内周面の間に生じた空間部の一方側の開口端のみをシーリング材により封止し、封止されていない他方側の開口端から発泡性樹脂を上記空間部内に注入して発泡させ、発泡した樹脂によって上記空間部の略全体を満たすとともに、該発泡した樹脂の一部を上記他方側の開口端の略全域から外方へ溢出させて硬化させるようにしているので、上記空間部内の空気は、該空間部内の発泡樹脂層部分に封入されることなく、発泡性樹脂の発泡膨張に伴って次第に上記空間部の他方側の開口端から外方側へ移動される。したがって、上記空間部内の発泡樹脂層内に空気溜りが発生すること、さらにこの空気溜りに起因して硬化後の発泡樹脂層内に雨漏りや結露の原因となる空洞が発生するのが確実に防止され、この結果、高いシール性をもつ信頼性に優れたサッシ枠を得ることができる。
また、上記空間部の他方側の開口端から外方へ溢出した溢出樹脂部を切除することで、上記空間部内の発泡樹脂層によるシール性を維持したまま、サッシ枠の周囲の美観性を確保することができる。
(b)本願の第2の発明
本願の第2の発明に係るサッシ枠の固定方法によれば、上記(a)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記空間部内に発泡性樹脂を注入して発泡させるに際し、樹脂注入作業を複数回に分けて行うものとし、先の樹脂注入により形成された発泡樹脂層の上に、後の樹脂注入に係る発泡樹脂層を順次重ねて形成することで上記空間部の略全体を発泡樹脂層で満たすとともに、最終の樹脂注入による発泡樹脂層の一部を上記他方側の開口端の略全域から外方へ溢出させて硬化させるようにしているので、上記空間部内に発泡樹脂層が多層状に重ねて形成される。このため、万一、これら多層状の発泡樹脂層の何れかに空気溜りとか硬化不良が生じたような場合でも、これ以外の他の発泡樹脂層が空気溜りとか硬化不良の無い正常な発泡樹脂層であれば、この正常な発泡樹脂層によってサッシ枠固定部分のシール性が確保され、雨漏りや結露の無い信頼性の高いサッシ枠が得られるとともに、該サッシ枠の固定強度も良好に維持されることになる。
(c)本願の第3の発明
本願の第3の発明に係る固定状態検査方法によれば、上記空間部の他方側の開口端から外方へ溢出して硬化した溢出樹脂部を切除することで形成される樹脂断面を観察することでサッシ枠の固定状態の良否を検査するようにしているので、上記発泡樹脂層の比較的深部で生じている硬化不良とか、空気溜りに起因する空洞の発生を高い確率で発見することができ、目視検査による検査精度及び信頼性が向上する。また、これによってサッシ枠の固定部分の信頼性が担保されるとともに、もし、検査によって硬化不良や空気溜りとか空洞が発見された場合には、施工のやり直し、あるいは部分的な補修等の対応措置を迅速に執ることができる。
躯体開口部とここに取り付けられるサッシ枠との相対関係を示す分解斜視図である。 躯体開口部へのサッシ枠の取り付け完了状態を示す斜視図である。 図2のA−A拡大断面図である。 躯体開口部へのサッシ枠の取り付け作業における第1の作業工程説明図である。 上記取り付け作業における第2の作業工程のうち、第1発泡樹脂層の形成作業の説明図である。 上記第2作業工程のうち、第2発泡樹脂層の形成作業の説明図である。 上記第2作業工程のうち、第3発泡樹脂層の形成作業の説明図である。 既存のサッシ枠に対する改装用サッシ枠の取り付け状態説明図である。 発泡樹脂硬化層内における空洞の形成状態説明図である。
図1には、本願発明の固定方法を適用して、躯体1に設けた開口部2内に窓又は扉のサッシ枠3を固定する場合における施工前の状態を示している。また、図2及び図3には、施工完了状態、即ち、上記躯体1の開口部2内に上記サッシ枠3を嵌装し、且つ上記開口部2の内周面2aと上記サッシ枠3の外周面3aの間に形成される空間部10内に発泡樹脂層4を形成し、この発泡樹脂層4によって上記サッシ枠3を上記躯体1の開口部2内に固定した状態を示している。なお、図3において、符号5は、上記サッシ枠3の内側の組み付けられる窓や扉などの建具である。
以下、図4〜図7を参照しつつ、上記躯体1の開口部2に対する上記サッシ枠3の固定方法を説明する。
A:第1の作業工程
第1の作業工程は、上記躯体1の開口部2の内側に上記サッシ枠3をセットする準備工程であって、図4に示すように、上記躯体1の開口部2の内側に、上記サッシ枠3を嵌装し、上記開口部2の内周面2aと上記サッシ枠3の外周面3aの間に所定の隙間を確保した状態でこれら両者間を仮止め固定(図示省略)する。
この仮止め状態においては、上記開口部2の内周面2aと上記サッシ枠3の外周面3aの間には、該サッシ枠3の全周に亘って延びるとともに、上記サッシ枠3の表裏両面において外部に開放された空間部10が形成されている。そして、この空間部10の左右一対の開口端11,12のうち、一方側の開口端11は、その略全周がシーリング材7によって封止されている。なお、このシーリング材7としては、例えば、カットテープとか、平板状の化粧部材等が好適である。
一方、上記空間部10の他方側の開口端12は、その略全周に亘って開放状態とされており、上記空間部10内への発泡性樹脂の注入時には、この開口端12から注入ガン6が上記空間部10内に差し入れられる。
B:第2の作業工程
第2の作業工程は、上記注入ガン6を用いて上記空間部10内に発泡性樹脂を注入し、これを硬化させる工程である。この発泡性樹脂の注入は、一度の注入作業によって全量の注入作業を完了する手法を採用することも可能であるが、この実施形態では、上記空間部10内に形成される発泡樹脂層のシール性をより一層確実にする(後述)観点から、注入作業を3回に分けて段階的に行うようにしている。なお、この発泡性樹脂の注入作業の回数は、必要に応じて任意に設定できるものであって、上述のように1回で注入する方法、3回で注入する方法の他に、例えば、2回あるいは4回以上に設定することも可能である。
ここで、上記発泡性樹脂について説明すると、この発泡性樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂またはオレフィン系樹脂など、液体の樹脂原料に、窒素、LPGまたはフロン等の気体を導入して気泡を形成させつつ硬化させることができる樹脂が好適である。また、この発泡性樹脂の硬化方法としては、化学反応、紫外線照射、加熱または冷却などの方法が好適である。特に、化学反応で硬化する硬質ポリウレタン樹脂は、扱い易く、硬化後の圧縮強度が大きいためより好ましい。
B−1:第1発泡樹脂層21の形成作業
先ず、図4に示すように、上記注入ガン6を上記他方側の開口端12から上記空間部10内に差し入れる。そして図5に示すように、発泡性樹脂を、想定される全使用量(上記空間部10内を充填し且つその一部を上記開口端12から外方に溢れ出させるに十分な発泡性樹脂の使用量)の略1/3程度の量だけ上記空間部10内に注入し、これを発泡させ且つ硬化させる。
この場合、上記空間部10は、その一方側の開口端11のみが上記シーリング材7によって封止され、他方側の開口端12は外部に開放されていることから、上記空間部10の奥部に注入された発泡性樹脂が発泡により膨張して上記空間部10の奥部に第1発泡樹脂層21を形成する場合、該空間部10内の空気は上記発泡性樹脂の膨張に伴って、次第に開放されている上記開口端12側へ移動される。この結果、空気が上記第1発泡樹脂層21内に巻き込まれてここに空気溜りを形成するということが確実に防止されるとともに、硬化した第1発泡樹脂層21内に上記空気溜りに起因する空洞が形成されるのが防止される。
B−2:第2発泡樹脂層22の形成作業
次に、図6に示すように、1層目の上記第1発泡樹脂層21の上側(即ち、上記サッシ枠3の厚さ方向の表面上)に重ねて2層目の第2発泡樹脂層22を形成する。即ち、上記第1発泡樹脂層21がある程度硬化した後、再度、上記開口端12側から上記注入ガン6を上記空間部10内に差し入れて所要量(全使用量の略1/3程度の量)の発泡性樹脂を注入し、これを発泡させる。
この場合、新たに注入された発泡性樹脂は、上記第1発泡樹脂層21の表面上に密着した状態で発泡を開始し且つ上記開口端12側へ向けて膨張し、上記第1発泡樹脂層21の表面上に新たな第2発泡樹脂層22を形成する。この第2発泡樹脂層22の発泡形成時には、その周辺の空気は発泡性樹脂の発泡膨張に伴い、開放されている上記開口端12側へ移動し、上記第2発泡樹脂層22内に巻き込まれて空気溜りを形成することが確実に防止され、したがって、硬化した第2発泡樹脂層22内に空洞が形成されることも確実に防止される。
B−3:第3発泡樹脂層23の形成作業
次に、図7に示すように、2層目の上記第2発泡樹脂層22の上側に重ねて3層目の第3発泡樹脂層23を形成する。即ち、上記第2発泡樹脂層22がある程度硬化した後、再度、上記開口端12側から上記注入ガン6を上記空間部10内に差し入れて所要量(全使用量の略1/3程度の量)の発泡性樹脂を注入し、これを発泡させる。
この場合、新たに注入された発泡性樹脂は、上記第2発泡樹脂層22の表面上に密着した状態で発泡を開始し且つ上記開口端12側へ向けて膨張し、上記第2発泡樹脂層22の表面上に新たな第3発泡樹脂層23を形成するとともに、その一部は上記開口端12の略全域から外方へ溢出して盛り上がり状態とされる。なお、以下においては、この上記第3発泡樹脂層23のうち、上記開口端12から外方へ溢出して形成された部分を溢出樹脂部24という。
この第3発泡樹脂層23の発泡形成時には、その周辺の空気は発泡性樹脂の発泡膨張に伴い、開放されている上記開口端12側へ移動し、上記第3発泡樹脂層23内に巻き込まれて空気溜りを形成することが確実に防止され、したがって、硬化した第3発泡樹脂層23内、及び上記溢出樹脂部24内に空洞が形成されることも確実に防止される。
C:第3の作業工程
第3の作業工程は、上記第3発泡樹脂層23のうち、上記開口端12から外部に溢出して硬化した上記溢出樹脂部24を、二点鎖線で示す切除線Lから切除する工程である。この溢出樹脂部24の切除によって、上記空間部10内には三層の発泡樹脂層、即ち、相互に密着された上記第1発泡樹脂層21と上記第2発泡樹脂層22及び上記第3発泡樹脂層23からなる発泡樹脂層4が形成され、これらによって、図3に示すような当初予定の発泡樹脂層4を用いたサッシ枠の固定構造が得られる。
以上の作業工程を経て形成された上記発泡樹脂層4においては、これが上記第1発泡樹脂層21、第2発泡樹脂層22及び第3発泡樹脂層23からなる多層状に形成されており、しかも各発泡樹脂層21〜23はその内部に空気溜りが無く且つ硬化状態においてもその内部に空洞が発生しないようにして形成されていることから、これら各発泡樹脂層21〜23それぞれのシール性が高く、したがって、これら各発泡樹脂層21〜23を多層状に重ねて得られた上記発泡樹脂層4も高いシール性を有し、該発泡樹脂層4部分からの雨漏りや結露が確実に防止される。
また、例えば、万一、これら多層状の発泡樹脂層21〜23の何れかに(例えば、第1発泡樹脂層21に)何らかの原因によって空気溜りとか硬化不良が生じたような場合であっても、これ以外の他の発泡樹脂層(即ち、第2発泡樹脂層22及び第3発泡樹脂層23)が空気溜りとか硬化不良の無い正常な発泡樹脂層であれば、この正常な発泡樹脂層22,23によってサッシ枠固定部分(即ち、発泡樹脂層4全体)のシール性が確保されることとなり、雨漏りや結露の生じない信頼性の高いサッシ枠が得られる。
D:第4の作業工程
第4の作業工程は、上記発泡樹脂層4によるサッシ枠3の固定状態の検査工程である。上記空間部10の一方側の開口端11のみを封止し、他方側の開口端12を開放状態とし、この状態で上記空間部10内において発泡性樹脂を発泡膨張させることで、上記各発泡樹脂層21〜23内に周辺の空気が閉じ込められて空気溜りが発生することが防止され、またこの空気溜りに起因して硬化した発泡樹脂層内に空洞が発生することが防止されることは既述の通りである。しかし、万一、何らかの原因で空気溜りあるいは空洞が発生している可能性も完全には排除できない。
また、例えば、発泡性樹脂の注入作業時の温度状況によっては、上記各発泡樹脂層21〜23が十分に硬化しない硬化不良が発生している可能性も完全には排除できない。
そして、このような発泡樹脂層4内の空洞とか硬化不良の存在の有無は、該発泡樹脂層4の強度性能の適否、延いては該発泡樹脂層4を用いた上記サッシ枠3の上記開口部2に対する固定状態の良否の判断要素となり得るものである。
そこで、この実施形態では、本願発明の固定状態検査方法を適用して、上記第3発泡樹脂層23から上記溢出樹脂部24を切除したことで形成される上記第3発泡樹脂層23側の切除面を目視し、該切除面に空洞とか硬化不良が生じているかどうか、またこれらが発泡樹脂層4の内部に存在している可能性を示す何らかの形跡があるかどうかを確認する。
この場合、上記空洞とか硬化不良は、上記発泡樹脂層4の成形表面(即ち、上記溢出樹脂部24の表面)に露出して発生する可能性よりも、該成形表面の内部において発生する可能性が高いことが経験的に知られている。したがって、この実施形態のように、上記発泡樹脂層4の成形時の表面(即ち、上記溢出樹脂部24の表面)を目視検査するのではなく、上記第3発泡樹脂層23から上記溢出樹脂部24を切除した後の切除面を目視検査することで、上記発泡樹脂層4における空洞とか硬化不良の有無を、より高い確率で確実に発見することができ、目視検査による検査精度及び信頼性が向上することになる。
なお、この切除面の目視検査によって、例えば、空洞とか硬化不良の存在あるいはその可能性が確認された場合には、発泡樹脂層4の除去及び再形成という施工のやり直し、あるいは発泡樹脂層4の部分的な補修等の必要な対応措置を執ることになる。
E:その他
上記実施形態においては、上記躯体1に設けられた開口部2の内側に上記サッシ枠3を固定する場合を例にとって説明したが、本願発明は係る構成に限定されるものではなく、例えば、図8に示すように、既に躯体1の開口部2に取り付けられている既設のサッシ枠8の内側に、新たなサッシ枠3を固定する場合、即ち、改装窓あるいは改装扉におけるサッシ枠3の固定にも適用できることは言うまでもない。
本願発明に係るサッシ枠の固定方法及び固定状態検査方法は、サッシ枠の新規取り付け作業、あるいは改装時取り付け作業において利用されるものである。
1 ・・躯体
2 ・・開口部
3 ・・サッシ枠
4 ・・発泡樹脂層
5 ・・建具
6 ・・注入ガン
7 ・・シールド材
8 ・・既設サッシ枠
10 ・・空間部
11 ・・開口端
12 ・・開口端
21 ・・第1発泡樹脂層
22 ・・第2発泡樹脂層
23 ・・第3発泡樹脂層
24 ・・溢出樹脂部

Claims (3)

  1. 躯体に設けられた開口部、または既設サッシ枠により囲繞された開口部の内側に、窓または扉のサッシ枠を嵌装して固定するサッシ枠の固定方法であって、
    上記サッシ枠を上記開口部の内側に嵌装した後、該サッシ枠の外周面と上記開口部の内周面の間に生じた空間部の上記サッシ枠の表裏両側にそれぞれ開口する一対の開口端のうち一方側の開口端のみをシーリング材により封止し、
    ついで、発泡性樹脂を、封止されていない他方側の開口端から上記空間部内に注入して発泡させ、発泡した樹脂で上記空間部の略全体を満たすとともに、該発泡した樹脂の一部を上記他方側の開口端の略全域から外方へ溢出させて硬化させ、
    しかる後、硬化した樹脂のうち上記他方側の開口端から外方へ溢出した溢出樹脂部を切除することを特徴とするサッシ枠の固定方法。
  2. 請求項1において、
    上記空間部内に発泡性樹脂を注入して発泡させるに際し、樹脂注入作業を複数回に分けて行うものとし、
    先の樹脂注入により形成された発泡樹脂層の上に、後の樹脂注入に係る発泡樹脂層を順次重ねて形成することで上記空間部の略全体を発泡樹脂層で満たすとともに、最終の樹脂注入による発泡樹脂層の一部を上記他方側の開口端の略全域から外方へ溢出させて硬化させることを特徴とするサッシ枠の固定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のサッシ枠の固定方法によって固定されたサッシ枠の固定状態を検査する固定状態検査方法であって、
    上記他方側の開口端から外方へ溢出して硬化した溢出樹脂部を切除することで形成される樹脂断面を観察することでサッシ枠の固定状態の良否を検査することを特徴とする固定状態検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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