JP2016216599A - 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016216599A
JP2016216599A JP2015102607A JP2015102607A JP2016216599A JP 2016216599 A JP2016216599 A JP 2016216599A JP 2015102607 A JP2015102607 A JP 2015102607A JP 2015102607 A JP2015102607 A JP 2015102607A JP 2016216599 A JP2016216599 A JP 2016216599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
resin composition
silicone resin
curable silicone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015102607A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6496185B2 (ja
Inventor
洋登 竹中
Hirotaka Takenaka
洋登 竹中
真也 籔野
Shinya Yabuno
真也 籔野
亮 板谷
Akira Itaya
亮 板谷
恵明 禿
Yoshiaki Kamuro
恵明 禿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Corp filed Critical Daicel Corp
Priority to JP2015102607A priority Critical patent/JP6496185B2/ja
Publication of JP2016216599A publication Critical patent/JP2016216599A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6496185B2 publication Critical patent/JP6496185B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】硫黄バリア性と耐熱衝撃性に優れた材料(封止材やレンズ等)を形成するための硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を含む。
(A):分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレン
(B):分子内に1個以上のヒドロシリル基を有し、脂肪族不飽和基を有しないポリオルガノシロキサン
(C):白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
(D):分子内に1個以上のアルケニル基、及び1個以上のアリール基を有するラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン
(E):分子内に1個以上のアルケニル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物、並びに、上記硬化性シリコーン樹脂組成物を使用して得られる光半導体装置に関する。
光半導体装置等の半導体装置では、半導体素子を被覆して保護するために封止材が用いられている。このような封止材には各種の樹脂材料が使用されている。
近年、光半導体装置の高出力化が進んでおり、このような光半導体装置において使用される封止材には、高い透明性、耐熱性、耐光性を有するシリコーン樹脂が用いられている。
上記シリコーン樹脂を形成する組成物としては、例えば、かご型構造を有する液状のシルセスキオキサンを含有するものが知られている(特許文献1)。他に、1分子中に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有する化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、及びヒドロシリル化触媒を含む組成物が知られている(特許文献2)。また、ポリオルガノシロキサンと有機金属化合物を含む組成物も知られている(特許文献3)。
特開2007−031619号公報 特開2002−314140号公報 特開2010−248410号公報
しかし、一般的なシリコーン樹脂はガスの透過性が高く、SOXやH2S等の硫黄化合物に対するバリア性(以下、「硫黄バリア性」と称する場合がある)が不十分であるため、光半導体装置の電極が前記硫黄化合物によって硫化され、光度が低下することが問題であった。
また、近年、光半導体装置のパッケージ(LEDパッケージ)の大型化が進められており、これに伴って、封止材には柔軟性も求められるようになった。しかし、従来のシリコーン樹脂は柔軟性の点で劣っており、大型化したLEDパッケージの封止材として用いた場合、冷熱サイクル(加熱と冷却を周期的に繰り返すこと)のような熱衝撃が加えられた際に、クラック(ひび割れ)が発生してボンディングワイヤが断裂することにより不灯となる等の問題が生じることがあった。
従って、本発明の目的は、硫黄バリア性と耐熱衝撃性に優れた材料(封止材やレンズ等)を形成するための硬化性シリコーン樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、硫黄バリア性と耐熱衝撃性に優れた材料(封止材やレンズ等)を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、硫黄バリア性と耐熱衝撃性に優れた材料(封止材やレンズ等)を備えた光半導体装置を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記(A)成分と(B)成分を含有する硬化性シリコーン樹脂組成物に、下記(D)成分を添加すると、得られる硬化物に、優れた硫黄バリア性を維持しつつ、優れた耐熱衝撃性を付与することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を含む硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
(A):分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレン
(B):分子内に1個以上のヒドロシリル基を有し、脂肪族不飽和基を有しないポリオルガノシロキサン
(C):白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
(D):分子内に1個以上のアルケニル基、及び1個以上のアリール基を有するラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン
(E):分子内に1個以上のアルケニル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン
本発明は、また、前記(D)成分の数平均分子量が2000〜5000である前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明は、また、前記(D)成分の分子量分散度(Mw/Mn)が1.00〜3.00である前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明は、また、前記(D)成分全体(100重量%)に占めるアルケニル基の割合が2.0〜10.0重量%、アリール基の割合が10.0〜30.0重量%、メチル基の割合が20.0〜35.0重量%である前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明は、また、下記(F)成分を含む前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
(F):分子内に下記式(f-1)で表される基及び下記式(f-2)で表される基の何れか一方若しくは両方を有するイソシアヌレート化合物
Figure 2016216599
[式(f-1)中のR61、式(f-2)中のR62は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を示す]
本発明は、また、下記(G)成分を含む前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
(G):シランカップリング剤
本発明は、また、さらに蛍光体を含む前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明は、また、前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物を提供する。
本発明は、また、光半導体封止用樹脂組成物である前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明は、また、光半導体用レンズの形成用樹脂組成物である前記の硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明は、また、光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材とを含み、前記封止材が前記の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物である光半導体装置を提供する。
本発明は、また、光半導体素子とレンズとを含み、前記レンズが前記の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物である光半導体装置を提供する。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は上記構成を有するため、硬化させることによって、硫黄バリア性と耐熱衝撃性に優れた硬化物を得ることができる。そして、前記硬化物を光半導体装置における光半導体素子の封止材として使用すると、光半導体装置の耐久性を向上させることができる。また、前記硬化物からなるレンズを光半導体装置に使用すると、光半導体装置の耐久性を向上させることができる。従って、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は特に光半導体装置における封止剤(光半導体封止用樹脂組成物)やレンズ形成用組成物(光半導体用レンズの形成用組成物)として好ましく使用でき、これにより、耐久性に優れた光半導体装置を得ることができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物(封止材)により光半導体素子が封止された光半導体装置の一例を示す概略図であり、図(a)は斜視図、図(b)は断面図である。
<硬化性シリコーン樹脂組成物>
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を必須成分として含有し、ヒドロシリル化反応により硬化する付加硬化型のシリコーン樹脂組成物である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、前記成分以外の任意成分を含有していてもよい。
[(A)成分]
(A)成分は、分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレンである。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(A)成分は、ヒドロシリル基を有する成分(例えば、(B)成分等)とヒドロシリル化反応を生じる。
(A)成分は、分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有し、主鎖として−Si−O−Si−(シロキサン結合)に加えて、−Si−RA−Si−(シルアルキレン結合:RAはアルキレン基を示す)を含むポリオルガノシロキシシルアルキレンである。(A)成分は、主鎖がシロキサン結合のみからなり、シルアルキレン結合を有しないポリオルガノシロキサンと比較して、製造工程において低分子量の環を生じ難く、また、加熱等により分解してシラノール基(−SiOH)を生じ難い。そのため、(A)成分を含む硬化性シリコーン樹脂組成物は、硫黄バリア性と耐熱衝撃性とに優れ、黄変し難く、表面粘着性(タック性)の低い又は無い硬化物を形成することができる。
(A)成分が分子内に有するシルアルキレン結合におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の直鎖状又は分岐鎖状のC1-12アルキレン基等が挙げられ、なかでも、C2-4アルキレン基(特に、エチレン基)が好ましい。
(A)成分としては、直鎖状、分岐鎖状(例えば、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、網目状等)の分子構造を有するもの等が挙げられる。なかでも、(A)成分としては、分岐鎖状の分子構造を有するものが、機械強度に優れた硬化物が得られる点で好ましい。
(A)成分が分子内に有するアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の置換又は無置換アルケニル基が挙げられる。当該置換アルケニル基における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシ基等が挙げられる。なかでも、上記アルケニル基としては、ビニル基が好ましい。また、(A)成分は、1種のみのアルケニル基を有するものであってもよいし、2種以上のアルケニル基を有するものであってもよい。(A)成分が有するアルケニル基は、ケイ素原子に結合した基であることが好ましい。
(A)成分が分子内に有するアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)等の置換又は無置換C6-14アリール基等が挙げられる。当該置換アリール基における置換基としては、置換又は無置換C1-8アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシ基等が挙げられる。なかでも、上記アリール基としては、フェニル基が好ましい。また、(A)成分は、1種のみのアリール基を有するものであってもよいし、2種以上のアリール基を有するものであってもよい。(A)成分が有するアリール基はケイ素原子に結合した基であることが好ましい。(A)成分は、分子内に1個以上のアリール基を有することにより、アリール基を有しない場合と比較して、硫黄バリア性に優れた硬化物を形成できる。
(A)成分は、ケイ素原子に結合した基として、アルケニル基及びアリール基以外にも、例えば、水素原子、有機基等を有していてもよい。前記有機基としては、例えば、アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等]、シクロアルキル基[例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等]、シクロアルキル−アルキル基[例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基等]、炭化水素基における1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素基[例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等]等が挙げられる。なかでも、アルキル基(特にメチル基)が好ましい。尚、本明細書において「ケイ素原子に結合した基」とは、通常、ケイ素原子を含まない基を指すものとする。
また、(A)成分は、ケイ素原子に結合した基として、ヒドロキシル基、アルコキシ基を有していてもよい。
(A)成分の性状は、特に限定されず、例えば25℃において、液状であってもよいし、固体状であってもよい。
(A)成分としては、下記平均単位式:
(R1 2SiO2/2a1(R1 3SiO1/2a2(R1SiO3/2a3(SiO4/2a4(RAa5(X1O)a6
で表されるポリオルガノシロキシシルアルキレンが好ましい。上記平均単位式中、R1は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基であり、例えば、アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等]、シクロアルキル基[例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等]、シクロアルキル−アルキル基[例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基等]、炭化水素基における1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素基[例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等]、アルケニル基[例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の置換又は無置換アルケニル基等]、及びアリール基[例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)等の置換又は無置換C6-14アリール基等]が挙げられる。但し、R1の一部はアルケニル基(特にビニル基)であり、その割合は、分子内に2個以上となる範囲に制御される。例えば、R1の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。アルケニル基の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上する傾向がある。また、R1の一部はアリール基(特にフェニル基)であり、その割合は、分子内に1個以上となる範囲に制御される。例えば、R1の全量(100モル%)に対するアリール基の割合は、10〜60モル%が好ましい。アリール基の割合を上記範囲に制御することにより、硬化物の硫黄バリア性がより向上する傾向がある。アルケニル基、アリール基以外のR1としては、アルキル基(特にメチル基)が好ましい。
上記平均単位式中、RAは、上述のようにアルキレン基であり、特にエチレン基が好ましい。
上記平均単位式中、X1は、水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
上記平均単位式中、a1は正数、a2は正数、a3は0又は正数、a4は0又は正数、a5は正数、a6は0又は正数である。なかでも、a1は1〜200、a2は1〜200、a3は0〜10、a4は0〜5、a5は1〜100が好ましい。特に、(a3+a4)が正数の場合には、(A)成分が分岐鎖(分岐状の主鎖)を有し、硬化物の機械強度がより向上する傾向がある。
(A)成分としては、より具体的には、例えば、下記式(a-1)で表される構造を有するポリオルガノシロキシシルアルキレンが挙げられる。
Figure 2016216599
上記式(a-1)中、R11は、同一又は異なって、水素原子、又は一価の置換若しくは無置換炭化水素基である。R11としては、水素原子と上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。但し、R11の少なくとも2個はアルケニル基(特にビニル基)であり、R11の少なくとも1個はアリール基(特にフェニル基)である。また、アルケニル基及びアリール基以外のR11としては、アルキル基(特にメチル基)が好ましい。
上記式(a-1)中、RAは、上記と同じくアルキレン基を示し、なかでも、C2-4アルキレン基(特に、エチレン基)が好ましい。尚、複数のRAが存在する場合、これらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(a-1)中、r1は1以上の整数(例えば、1〜100)を示す。尚、r1が2以上の整数の場合、r1が付された括弧内の構造はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(a-1)中、r2は1以上の整数(例えば、1〜400)を示す。尚、r2が2以上の整数の場合、r2が付された括弧内の構造はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(a-1)中、r3は0又は1以上の整数(例えば、0〜50)を示す。尚、r3が2以上の整数の場合、r3が付された括弧内の構造はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(a-1)中、r4は0又は1以上の整数(例えば、0〜50)を示す。尚、r4が2以上の整数の場合、r4が付された括弧内の構造はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(a-1)中、r5は0又は1以上の整数(例えば、0〜50)を示す。尚、r5が2以上の整数の場合、r5が付された括弧内の構造はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、上記式(a-1)における各構造単位の付加形態は特に限定されず、ランダム型であってもよいし、ブロック型であってもよい。また、各構造単位の配列の順番も特に限定されない。
式(a-1)で表される構造を有するポリオルガノシロキシシルアルキレンの末端構造は、特に限定されないが、例えば、シラノール基、アルコキシシリル基、トリアルキルシリル基(例えば、r5が付された括弧内の構造、トリメチルシリル基等)等が挙げられる。上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの末端には、アルケニル基やヒドロシリル基等の各種の基が導入されていてもよい。
(A)成分は公知乃至慣用の方法により製造することができ、その製造方法は特に限定されないが、例えば、特開2012−140617号公報に記載の方法により製造できる。また、(A)成分を含む製品として、例えば、商品名「ETERLED GD1130」、「ETERLED GD1125」、「ETERLED GS5155」、「ETERLED GS5145」、「ETERLED GS5135」「ETERLED GS5120」(いずれも長興材料工業製)等が入手可能である。
尚、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(A)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(B)成分]
(B)成分は、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)のヒドロシリル基(Si−H)を有し、なおかつ主鎖として−Si−O−Si−(シロキサン結合)を有し、脂肪族不飽和基(例えば、エチレン性不飽和基、アセチレン性不飽和基等の非芳香族性の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素基)とシルアルキレン結合を有しないをポリオルガノシロキサン(単に「ポリオルガノシロキサン(B)」と称する場合がある)である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(B)成分は、アルケニル基を有する成分(例えば、(A)成分、(D)成分、(E)成分等)とヒドロシリル化反応を生じる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は(B)成分を含むことにより、ヒドロシリル化反応を効率的に進行させることができ、優れた硫黄バリア性を有する硬化物が得られる。
(B)成分が分子内に有するヒドロシリル基の数は1個以上であればよく、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性の観点で、2個以上(例えば2〜50個)が好ましい。
ポリオルガノシロキサン(B)としては、直鎖状、分岐鎖状(一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、網目状等)の分子構造を有するもの等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリオルガノシロキサン(B)は分子内に1個以上のヒドロシリル基(Si−H)を有するが、ケイ素原子に結合した基としては水素原子以外にも、例えば、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基(但し、アルケニル基は除く)を有していてもよい。なかでも、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)を有することが好ましい。
また、(B)成分は、ケイ素原子に結合した基として、ヒドロキシル基、アルコキシ基を有していてもよい。
ポリオルガノシロキサン(B)の性状は、特に限定されず、例えば25℃において、液状であってもよいし、固体状であってもよい。なかでも液状であることが好ましく、25℃における粘度が0.1〜10億mPa・sの液状であることがより好ましい。
ポリオルガノシロキサン(B)としては、下記平均単位式:
(R2SiO3/2b1(R2 2SiO2/2b2(R2 3SiO1/2b3(SiO4/2b4(X21/2b5
で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。上記平均単位式中、R2は、同一又は異なって、水素原子、又は、一価の置換若しくは無置換炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基は除く)であり、例えば、水素原子、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例(但し、アルケニル基は除く)が挙げられる。但し、R2の一部は水素原子(ヒドロシリル基を構成する水素原子)であり、その割合は、ヒドロシリル基が分子内に1個以上(好ましくは2個以上)となる範囲に制御される。例えば、R2の全量(100モル%)に対する水素原子の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。水素原子の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上する傾向がある。また、水素原子以外のR2としては、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
上記平均単位式中、X2は上記X1と同じく水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
上記平均単位式中、b1は0又は正数、b2は0又は正数、b3は0又は正数、b4は0又は正数、b5は0又は正数であり、かつ、(b1+b2+b3)は正数である。
ポリオルガノシロキサン(B)の一例としては、例えば、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)のヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンが挙げられる。上記直鎖状ポリオルガノシロキサンにおける水素原子以外のケイ素原子に結合した基としては、例えば、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基(但し、アルケニル基は除く)が挙げられるが、なかでも、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンにおける、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対する水素原子(ケイ素原子に結合した水素原子)の割合は、特に限定されないが、0.1〜40モル%が好ましい。また、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合は、特に限定されないが、20〜99モル%が好ましい。さらに、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合は、特に限定されないが、40〜80モル%が好ましい。特に、上記直鎖状ポリオルガノシロキサンとして、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合が40モル%以上(例えば、45〜70モル%)であるものを使用することにより、硬化物の硫黄バリア性がより向上する傾向がある。また、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合が90モル%以上(例えば、95〜99モル%)であるものを使用することにより、硬化物の耐熱衝撃性がより向上する傾向がある。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンは、例えば、下記式(b-1)で表される。
Figure 2016216599
[上記式中、R21は、同一又は異なって、水素原子、又は、一価の置換若しくは無置換炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基は除く)である。但し、R21の少なくとも1個(好ましくは、2個以上)は水素原子である。m1は、1〜1000の整数である]
尚、上記式(b-1)で表される直鎖状ポリオルガノシロキサンにおいて、上記R21は、ヒドロキシル基、アルコキシ基であってもよい。また、上記R21における一価の置換若しくは無置換炭化水素基(但し、アルケニル基は除く)がヒドロキシル基やアルコキシ基を有していてもよい。
ポリオルガノシロキサン(B)の他の例としては、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)のヒドロシリル基を有する分岐鎖状ポリオルガノシロキサンが挙げられる。分岐鎖状ポリオルガノシロキサンは、前記平均単位式における[R2SiO3/2]で表されるシロキサン単位(T単位)を少なくとも含む。分岐鎖状ポリオルガノシロキサンには、網目状等の三次元構造のポリオルガノシロキサンも含まれる。
上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンにおける水素原子以外のケイ素原子に結合した基としては、例えば、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基(但し、アルケニル基は除く)が挙げられるが、なかでも、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。さらに、上記T単位中のR2としては、水素原子、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基(但し、アルケニル基は除く)が挙げられるが、なかでも、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。上記T単位中のR2の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合は、特に限定されないが、硬化物の硫黄バリア性の観点で、30モル%以上が好ましい。
上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンにおける、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合は、特に限定されないが、70〜95モル%が好ましい。さらに、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合は、特に限定されないが、10〜70モル%が好ましい。特に、上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンとして、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合が10モル%以上(例えば、10〜70モル%)であるものを使用することにより、硬化物の硫黄バリア性がより向上する傾向がある。また、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合が50モル%以上(例えば、50〜90モル%)であるものを使用することにより、硬化物の耐熱衝撃性がより向上する傾向がある。
上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、上記平均単位式で表され、式中のb1が正数であるポリオルガノシロキサンが好ましい。この場合、特に限定されないが、b2/b1は0〜10の数、b3/b1は0〜0.5の数、b4/(b1+b2+b3+b4)は0〜0.3の数、b5/(b1+b2+b3+b4)は0〜0.4の数であることが好ましい。また、上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンの分子量は特に限定されないが、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が300〜1万であることが好ましく、より好ましくは500〜3000である。
尚、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(B)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(C)成分]
(C)成分は、白金族金属を含むヒドロシリル化触媒である。すなわち、(C)成分は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属(白金族金属)を含むヒドロシリル化触媒である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は(C)成分を含むため、加熱により硬化性シリコーン樹脂組成物中のアルケニル基とヒドロシリル基の間のヒドロシリル化反応を効率的に進行させることができる。
(C)成分としては、公知乃至慣用のヒドロシリル化触媒(例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等)を使用することができ、具体的には、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金のオレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体等の白金のカルボニル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体や白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体等の白金−ビニルメチルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体等の白金系触媒、並びに上記白金系触媒において白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有するパラジウム系触媒又はロジウム系触媒等が挙げられる。なかでも、(C)成分としては、白金系触媒(白金を含むヒドロシリル化触媒)が好ましく、特に、白金−ビニルメチルシロキサン錯体や白金−カルボニルビニルメチル錯体や塩化白金酸とアルコール、アルデヒドとの錯体が、反応速度が良好であるため好ましい。
尚、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(C)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(D)成分]
(D)成分は、分子内に1個以上のアルケニル基、及び1個以上のアリール基を有するラダー型ポリオルガノシルセスキオキサンである。(D)成分は、より詳細には、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)のアルケニル基と1個以上(好ましくは2〜50個)のアリール基を有し、ラダー構造の−Si−O−Si−骨格を有し、シルアルキレン結合を有さないポリオルガノシルセスキオキサンである。(D)成分は、ラダー構造に加えて、さらにカゴ構造やランダム構造等のその他のシルセスキオキサン構造を有していてもよい。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は(D)成分を含むため、硬化物に、硫黄バリア性(特に、SOXバリア性)を高く維持しつつ、優れた耐熱衝撃性を付与することができる。尚、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(D)成分は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(D)成分は、分子内に1個以上のアルケニル基、及び1個以上のアリール基を有するが、前記以外にもアルキル基を有することが好ましく、特にメチル基を有することが好ましい。また、前記アルケニル基、アリール基、及びこれら以外の基(アルキル基、特にメチル基)は、ケイ素原子に結合した基であることが好ましい。
前記(D)成分全体(100重量%)に占めるアルケニル基の割合は、例えば2.0〜10.0重量%、好ましくは3.0〜5.0重量%である。アリール基の割合は、例えば10.0〜30.0重量%、好ましくは10.0〜20.0重量%である。メチル基の割合は、例えば20.0〜35.0重量%、好ましくは20.0〜30.0重量%である。尚、成分(D)におけるアルケニル基、アリール基、メチル基の割合は、例えば、NMRスペクトル(例えば、1H−NMRスペクトル)測定等により算出することができる。
(D)成分の、GPCによる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は2000〜5000であり、好ましくは2000〜4000、より好ましくは2000〜3500である。Mnが2000以上であると、耐熱性、硫黄バリア性等に優れた硬化物が得られる。一方、Mnが5000以下であると、他の成分との相溶性に優れる。
(D)成分の、GPCによる標準ポリスチレン換算の分子量分散度(Mw/Mn)は1.00〜3.00であり、好ましくは1.30〜2.90、より好ましくは1.50〜2.80である。分子量分散度が3.00以下であると、低分子量シロキサンの含有率が低く、密着性や硫黄バリア性に優れた硬化物が得られる。一方、分子量分散度が1.00以上であると、他の成分との相溶性に優れる。
尚、(D)成分の数平均分子量及び重量平均分子量は、以下の装置及び条件により測定される。
Alliance HPLCシステム 2695(Waters製)
Refractive Index Detector 2414(Waters製)
カラム:Tskgel GMHHR−M×2(東ソー(株)製)
ガードカラム:Tskgel guard column HHRL(東ソー(株)製)
カラムオーブン:COLUMN HEATER U−620(Sugai製)
溶媒:THF
測定温度:40℃
(D)成分はラダー構造を有するが、このことは、FT−IRスペクトルにおいて1050cm-1付近(例えば、1000〜1100cm-1)と1150cm-1付近(例えば、1100cm-1を超え1200cm-1以下)にそれぞれ固有吸収ピークを有する(即ち、1000〜1200cm-1に少なくとも2本の吸収ピークを有する)ことから確認される[参考文献:R.H.Raney, M.Itoh, A.Sakakibara and T.Suzuki, Chem. Rev. 95, 1409(1995)]。尚、FT−IRスペクトルは、例えば、下記の装置及び条件により測定することができる。
測定装置:商品名「FT−720」((株)堀場製作所製)
測定方法:透過法
分解能:4cm-1
測定波数域:400〜4000cm-1
積算回数:16回
(D)成分としては、下記式(d)で表される化合物が好ましい。式(d)中、vは1以上の整数(例えば、1〜5000)を示し、好ましくは1〜2000の整数、さらに好ましくは1〜1000の整数である。R41は、同一又は異なって、水素原子、又は一価の置換若しくは無置換炭化水素基である。Aは末端基を示す。4つのAは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Figure 2016216599
式(d)におけるR41は同一又は異なって、水素原子、又は一価の置換若しくは無置換炭化水素基であり、上記R41の全量(100モル%)に対する一価の置換若しくは無置換炭化水素基の占める割合が50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。
前記一価の置換若しくは無置換炭化水素基としては、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。特に、上記R41の全量(100モル%)に対する、置換又は無置換のC1-10アルキル基(特に、メチル基、エチル基等のC1-4アルキル基)、置換又は無置換のC6-10アリール基(特に、フェニル基)、置換又は無置換のC7-10アラルキル基(特に、ベンジル基)の合計量が、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。
前記Aは末端基を示し、ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、又はアシルオキシ基であることが好ましい。Aの少なくとも1つはポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)であることが好ましい。複数(2〜4個)のAがポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)である場合、それぞれのAは互いに又は他の式(d)で表される化合物が有するAと1以上のSi−O−Si結合を介して結合していてもよい。
上記ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)は、下記式(d-1)で表される構成単位(T単位)、又は下記式(d-2)で表される構成単位(M単位)を有する。上記ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)には、更に下記式(d-3)で表される構成単位(T単位)を有していても良い。
Figure 2016216599
上記式(d-1)中のR42はアルケニル基を示す。前記アルケニル基としては、上述のアルケニル基の具体例が挙げられ、なかでもC2-10アルケニル基が好ましく、より好ましくはC2-4アルケニル基、さらに好ましくはビニル基である。
上記式(d-2)中のR43は、同一又は異なって、一価の置換若しくは無置換炭化水素基を示す。R43としては、なかでもアルキル基が好ましく、より好ましくはC1-20アルキル基、さらに好ましくはC1-10アルキル基、特に好ましくはC1-4アルキル基、最も好ましくはメチル基である。特に、式(d-2)中のR43がいずれもメチル基であることが好ましい。
上記式(d-3)中のR44は、アルケニル基を除く一価の基を示す。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルケニル基を除く一価の置換若しくは無置換炭化水素基、一価の酸素原子含有基、一価の窒素原子含有基、又は一価の硫黄原子含有基等が挙げられる。
上記ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)における式(d-1)に表された3つの酸素原子が結合したケイ素原子の量は、特に限定されないが、ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)を構成するケイ素原子の全量(100モル%)に対して、20〜80モル%が好ましく、より好ましくは25〜60モル%である。含有量が20モル%未満であると、式(d)で表される化合物が有するアルケニル基の量が不十分となって、硬化物の硬度が十分得られない場合がある。一方、含有量が80モル%を超えると、式(d)で表される化合物中にシラノール基や加水分解性シリル基が多く残存するため、式(d)で表される化合物を液体の状態で得ることが困難となる傾向がある。さらに式(d)で表される化合物間で縮合反応が進行して分子量が変化しやすくなるため、保存安定性が低下する傾向がある。
上記ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)における式(d-2)に表された1つの酸素原子が結合したケイ素原子の量は、特に限定されないが、ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)を構成するケイ素原子の全量(100モル%)に対して、20〜85モル%が好ましく、より好ましくは30〜75モル%である。含有量が20モル%未満であると、式(d)で表される化合物中にシラノール基や加水分解性シリル基が残存しやすく、式(d)で表される化合物を液体の状態で得ることが困難となる傾向がある。さらに式(d)で表される化合物間で縮合反応が進行して分子量が変化しやすくなるため、保存安定性が低下する傾向がある。一方、含有量が85モル%を超えると、式(d)で表される化合物が有するアルケニル基の量が不十分となって、硬化物の硬度が十分得られない場合がある。
上記ポリオルガノシルセスキオキサン残基(Rd)が有するSi−O−Si構造(骨格)としては、特に制限されず、例えば、ラダー構造、カゴ構造、ランダム構造等が含まれる。
上記式(d)で表される化合物は、例えば、ラダー構造を有し、分子鎖末端にシラノール基及び/又は加水分解性シリル基(シラノール基及び加水分解性シリル基のいずれか一方又は両方)を有するポリオルガノシルセスキオキサンの分子鎖末端に上記シルセスキオキサン残基(Rd)を形成することにより製造できる。具体的には、国際公開第2013/176238号等の文献に開示された方法等により製造できる。
[(E)成分]
(E)成分は、分子内に1個以上のアルケニル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサンである。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(E)成分は、(A)成分や(D)成分と共に、ヒドロシリル基を有する成分(例えば、(B)成分等)とヒドロシリル化反応を生じる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は(E)成分を含有するため、耐熱性、耐熱衝撃性、及び硫黄バリア性に優れた硬化物が得られる。
(E)成分は、分子内に1個以上のアルケニル基を有し、なおかつ主鎖として−Si−O−Si−(シロキサン結合)を有し、シルアルキレン結合を有しない分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(分岐状の主鎖を有するポリオルガノシロキサン)である。尚、分岐鎖状には網目状等の三次元構造も含まれる。但し、(E)成分には、上述の(D)成分に含まれる化合物は含まれない。
(E)成分が分子内に有するアルケニル基としては、上述の置換又は無置換アルケニル基が挙げられ、なかでも、ビニル基が好ましい。また、(E)成分は、1種のみのアルケニル基を有するものであってもよいし、2種以上のアルケニル基を有するものであってもよい。(E)成分が有するアルケニル基は、特に限定されないが、ケイ素原子に結合したものであることが好ましい。
(E)成分が分子内に有するアルケニル基の数は1個以上であればよく、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性の観点で、2個以上(例えば2〜50個)が好ましい。
(E)成分が有するアルケニル基以外のケイ素原子に結合した基は、特に限定されないが、例えば、水素原子、有機基等が挙げられる。前記有機基としては、例えば、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。
また、(E)成分は、ケイ素原子に結合した基として、ヒドロキシル基、アルコキシ基を有していてもよい。
(E)成分の性状は、特に限定されず、例えば25℃において、液状であってもよいし、固体状であってもよい。
(E)成分としては、下記平均単位式:
(R5SiO3/2c1(R5 2SiO2/2c2(R5 3SiO1/2c3(SiO4/2c4(X31/2c5
で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。上記平均単位式中、R5は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基であり、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。但し、R5の一部はアルケニル基(特にビニル基)であり、その割合は、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)となる範囲に制御される。例えば、R5の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。アルケニル基の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上する傾向がある。また、アルケニル基以外のR5としては、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
上記平均単位式中、X3は上記X1と同様に水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
上記平均単位式中、c1は0又は正数、c2は0又は正数、c3は0又は正数、c4は0又は正数、c5は0又は正数であり、かつ、(c1+c2+c3)及び(c1+c4)がそれぞれ正数である。
(E)成分の具体例としては、分子内に2個以上のアルケニル基を有し、前記平均単位式における[R5SiO3/2]で表されるシロキサン単位(T単位)を有する分岐鎖状ポリオルガノシロキサンが挙げられる。この分岐鎖状ポリオルガノシロキサンが有するアルケニル基としては、上述のアルケニル基の具体例が挙げられるが、なかでもビニル基が好ましい。尚、1種のみのアルケニル基を有するものであってもよいし、2種以上のアルケニル基を有するものであってもよい。また、上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンにおけるアルケニル基以外のケイ素原子に結合した基としては、例えば、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例(アルケニル基は除く)が挙げられるが、なかでも、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。さらに、上記T単位中のR5としては、なかでも、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンにおける、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性の観点で、0.1〜40モル%が好ましい。また、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合は、特に限定されないが、10〜40モル%が好ましい。さらに、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合は、特に限定されないが、5〜70モル%が好ましい。特に、上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンとして、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合が40モル%以上(例えば、45〜60モル%)であるものを使用することにより、硬化物の硫黄バリア性がより向上する傾向がある。また、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合が50モル%以上(例えば、60〜99モル%)であるものを使用することにより、硬化物の耐熱衝撃性がより向上する傾向がある。
上記[R5SiO3/2]で表されるシロキサン単位(T単位)を有する分岐鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、上記平均単位式中のc1が正数である化合物が挙げられる。この場合、c2/c1は0〜10の数、c3/c1は0〜0.5の数、c4/(c1+c2+c3+c4)は0〜0.3の数、c5/(c1+c2+c3+c4)は0〜0.4の数であることが好ましい。また、上記分岐鎖状ポリオルガノシロキサンの分子量は特に限定されないが、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜1万であることが好ましく、より好ましくは700〜3000である。
(E)成分の具体例としては、その他に、上記平均単位式中のc1及びc2が0であり、X3が水素原子である下記平均単位式:
(R5a 25bSiO1/2c6(R5a 3SiO1/2c7(SiO4/2c8(HO1/2c9
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。上記平均単位式中、R5aは、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、なかでもメチル基が好ましい。また、R5bは、同一又は異なって、アルケニル基を示し、なかでもビニル基が好ましい。さらに、c6、c7、c8及びc9はいずれも、c6+c7+c8=1、c6/(c6+c7)=0.15〜0.35、c8/(c6+c7+c8)=0.53〜0.62、c9/(c6+c7+c8)=0.005〜0.03を満たす正数である。尚、c7は0であってもよい。硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性の観点で、c6/(c6+c7)は0.2〜0.3であることが好ましい。また、硬化物の硬度や機械強度の観点で、c8/(c6+c7+c8)は0.55〜0.60であることが好ましい。さらに、硬化物の密着性や機械強度の観点で、c9/(c6+c7+c8)は0.01〜0.025であることが好ましい。このようなポリオルガノシロキサンとしては、例えば、SiO4/2単位と(CH32(CH2=CH)SiO1/2単位とで構成されるポリオルガノシロキサン、SiO4/2単位と(CH32(CH2=CH)SiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とで構成されるポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
尚、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(E)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(F)成分]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、分子内に下記式(f-1)で表される基及び/又は下記式(f-2)で表される基(式(f-1)で表される基及び式(f-2)で表される基の何れか一方又は両方)を少なくとも有するイソシアヌレート化合物(「(F)成分」と称する場合がある)を含んでいてもよい。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が(F)成分を含むことにより、硬化物の硫黄バリア性が著しく向上し、さらに、硬化物の被着体に対する密着性が向上する傾向がある。
Figure 2016216599
式(f-1)中のR61、式(f-2)中のR62は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を示す。炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基等が挙げられる。上記アルキル基のなかでも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。式(f-1)及び式(f-2)におけるR61、R62は、それぞれ水素原子であることが特に好ましい。
(F)成分は、イソシアヌル酸骨格を有し、1個以上の式(f-1)で表される基及び/又は1個以上の式(f-2)で表される基を分子内に少なくとも有する化合物であればよい。なかでも(F)成分としては、下記式(f)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016216599
式(f)中、R63、R64、及びR65は、同一又は異なって、アルキル基、式(f-1)で表される基、又は式(f-2)で表される基を示す。但し、R63、R64、及びR65のうち少なくとも1つは、式(f-1)で表される基及び式(f-2)で表される基からなる群より選択される基である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜12のアルキル基等が挙げられる。なかでも、硬化物の硫黄バリア性向上の観点で、式(f)中のR63、R64、及びR65は、同一又は異なって、式(f-1)で表される基又は式(f-2)で表される基であることが好ましい。特に、式(f)におけるR63、R64、及びR65のうち、何れか1つ以上(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ)が式(f-2)で表される基であることが好ましい。
(F)成分は、他の成分との相溶性を向上させる観点で、後述の(G)成分やその部分縮合物とあらかじめ混合してから他の成分への配合(混合)することが好ましい。
(F)成分としては、具体的には、例えば、モノアリルジメチルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、1−アリル−3,5−ビス(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ビス(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(2−メチルプロペニル)−5−グリシジルイソシアヌレート、1,3−ビス(2−メチルプロペニル)−5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メチルプロペニル)イソシアヌレート等が挙げられる。なかでも、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートが好ましい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において(F)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(G)成分]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、シランカップリング剤(「(G)成分」と称する場合がある)を含んでいてもよい。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物が(G)成分を含むことにより、被着体に対する硬化物の密着性が向上し、硫黄バリア性が一層向上する傾向がある。
(G)成分は、(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、及び(F)成分等との相溶性が良好であるため、例えば、(F)成分のその他成分に対する相溶性を向上させるために、あらかじめ(F)成分と(G)成分の組成物を形成した上で、その他成分と配合すると、均一な硬化性シリコーン樹脂組成物が得られやすい。
(G)成分としては、公知乃至慣用のシランカップリング剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシシラン)、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピレントリメトキシシラン、メルカプトプロピレントリエトキシシラン等が挙げられる。なかでも、エポキシ基含有シランカップリング剤(特に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)が好ましい。尚、(G)成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[その他のポリオルガノシロキサン]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述の(A)成分、(D)成分、及び(E)成分以外にも、分子内にアルケニル基を有するその他のポリオルガノシロキサン(「その他のポリオルガノシロキサン」と称する場合がある)を1種又は2種以上含んでいてもよい。その他のポリオルガノシロキサンを含むことにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度を調整したり、硬化物の物性(例えば、機械物性)のバランスを調整することができる場合がある。
その他のポリオルガノシロキサンとしては、例えば、分子内に1個以上のアルケニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサン(分子内に1個以上のアルケニル基を有し、主鎖としてシロキサン結合を有し、シルアルキレン結合を有しない直鎖状のポリオルガノシロキサン)等が挙げられる。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンが分子内に有するアルケニル基としては、上述の置換又は無置換アルケニル基が挙げられ、なかでも、ビニル基が好ましい。また、上記直鎖状ポリオルガノシロキサンは、1種のみのアルケニル基を有するものであってもよいし、2種以上のアルケニル基を有するものであってもよい。上記直鎖状ポリオルガノシロキサンが有するアルケニル基は、特に限定されないが、ケイ素原子に結合したものであることが好ましい。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンが分子内に有するアルケニル基の数は1個以上であればよく、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性の観点で、2個以上(例えば2〜50個)が好ましい。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンが有するアルケニル基以外のケイ素原子に結合した基は、特に限定されないが、例えば、水素原子、有機基等が挙げられる。有機基としては、例えば、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。なかでも、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
また、上記直鎖状ポリオルガノシロキサンは、ケイ素原子に結合した基として、ヒドロキシル基、アルコキシ基を有していてもよい。
直鎖状ポリオルガノシロキサンにおける、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、特に限定されないが、0.1〜40モル%が好ましい。また、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合は、特に限定されないが、1〜20モル%が好ましい。さらに、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合は、特に限定されないが、30〜90モル%が好ましい。特に、上記直鎖状ポリオルガノシロキサンとして、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアリール基(特にフェニル基)の割合が40モル%以上(例えば、45〜80モル%)であるものを使用することにより、硬化物の硫黄バリア性がより向上する傾向がある。また、ケイ素原子に結合した基の全量(100モル%)に対するアルキル基(特にメチル基)の割合が90モル%以上(例えば、95〜99モル%)であるものを使用することにより、硬化物の耐熱衝撃性がより向上する傾向がある。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンの性状は、特に限定されず、例えば25℃において、液状であってもよいし、固体状であってもよい。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、下記平均単位式:
(R8 2SiO2/2d1(R8 3SiO1/2d2(X41/2d3
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。上記平均単位式中、R8は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基であり、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例が挙げられる。但し、R8の一部はアルケニル基(特にビニル基)であり、その割合は、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)となる範囲に制御される。例えば、R8の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。また、アルケニル基以外のR8としては、アルキル基(特にメチル基)、アリール基(特にフェニル基)が好ましい。
上記平均単位式中、X4は上記X1と同様に水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
上記平均単位式中、d1は正数、d2は0又は正数、d3は0又は正数である。
上記直鎖状ポリオルガノシロキサンは、例えば、下記式(h)で表される。
Figure 2016216599
[上記式中、R8は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基である。但し、R8の少なくとも1個(好ましくは、少なくとも2個)はアルケニル基である。m2は、5〜1000の整数である]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物におけるその他のポリオルガノシロキサンの含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)に対して、0.01〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%である。その他のポリオルガノシロキサンの含有量を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度や硬化物の物性のバランスの調整が可能となる場合がある。
[ヒドロシリル化反応抑制剤]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、硬化反応(ヒドロシリル化反応)の速度を調整するために、ヒドロシリル化反応抑制剤を含んでいてもよい。上記ヒドロシリル化反応抑制剤としては、公知乃至慣用のヒドロシリル化反応抑制剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。上記ヒドロシリル化反応抑制剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ヒドロシリル化反応抑制剤の含有量(配合量)は、硬化性シリコーン樹脂組成物の架橋条件等により異なるが、実用上、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)に対する含有量として、0.00001〜5重量%の範囲内が好ましい。
[環状シロキサン]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述のポリオルガノシロキサン((A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、その他のポリオルガノシロキサン)以外のシロキサン化合物として、例えば、分子内に2個以上の脂肪族炭素−炭素二重結合(特に、アルケニル基)を有する環状シロキサンを含んでいてもよい。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上記シロキサン化合物として、分子内に2個以上のヒドロシリル基を有する環状シロキサンを含んでいてもよい。上記各環状シロキサンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物における上記環状シロキサンの含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)に対して、0.01〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
[溶媒]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、公知乃至慣用の有機溶媒や水等が挙げられ、特に限定されないが、例えば、トルエン、ヘキサン、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。尚、溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、その含有量は特に限定されず、適宜選択できる。
[蛍光体]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は蛍光体を含んでいてもよい。蛍光体としては、公知乃至慣用の蛍光体(例えば、光半導体装置分野で周知の蛍光体等)を使用することができ、特に限定されないが、例えば、青色光の白色光への変換機能を封止材に対して付与したい場合には、一般式A3512:M[式中、Aは、Y、Gd、Tb、La、Lu、Se、及びSmからなる群より選択された1種以上の元素を示し、Bは、Al、Ga、及びInからなる群より選択された1種以上の元素を示し、Mは、Ce、Pr、Eu、Cr、Nd、及びErからなる群より選択された1種以上の元素を示す]で表されるYAG系の蛍光体微粒子(例えば、Y3Al512:Ce蛍光体微粒子、(Y,Gd,Tb)3(Al,Ga)512:Ce蛍光体微粒子等);シリケート系蛍光体微粒子(例えば、(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Eu等)等が挙げられる。尚、蛍光体は、周知慣用の表面処理がされたものであってもよい。また、蛍光体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物における蛍光体の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)に対して、0.01〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%である。蛍光体を上記範囲で含有することにより、光半導体装置において封止材による光の波長変換機能を十分に発揮させることができ、なおかつ、硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、硬化物作製(特に、封止作業)時の作業性がより向上する傾向がある。
[その他の成分]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述の成分以外の成分(「その他の成分」と称する場合がある)を含んでいてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、シリカフィラー、酸化チタン、アルミナ、ガラス、石英、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の無機質充填剤、これらの充填剤をオルガノハロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物により処理した無機質充填剤;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の有機樹脂微粉末;銀、銅等の導電性金属粉末等の充填剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤等)、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤等)、難燃助剤、補強材、核剤、シランカップリング剤以外のカップリング剤、滑剤、ワックス、可塑剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、色相改良剤、流動性改良剤、着色剤(染料、顔料等)、表面調整剤(例えば、各種ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の化合物)、分散剤、消泡剤、脱泡剤、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤、その他の機能性添加剤(例えば、カルボン酸の亜鉛塩等の亜鉛化合物等)等の周知慣用の添加剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。尚、その他の成分の含有量(配合量)は、特に限定されず、適宜選択することが可能である。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物中に存在するヒドロシリル基1モルに対して、アルケニル基が0.2〜4モルとなるような組成(配合組成)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5モル、さらに好ましくは0.8〜1.2モルである。ヒドロシリル基とアルケニル基との割合を上記範囲に制御することにより、硬化物の耐熱衝撃性、硫黄バリア性が一層向上する傾向がある。
(A)成分の含有量(配合量)は、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)の0.1〜60重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%、最も好ましくは10〜20重量%である。
また、(A)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれるシロキサン化合物[(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総量(総含有量;100重量%)の5重量%以上(例えば、5〜100重量%)が好ましく、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは15〜50重量%、特に好ましくは15〜30重量%である。
また、(A)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれる脂肪族炭素−炭素二重結合(特にアルケニル基)を有するシロキサン化合物[すなわち、(A)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総量(総含有量;100重量%)の10重量%以上(例えば、10〜100重量%)が好ましく、より好ましくは15重量%以上(例えば、15〜90重量%)、さらに好ましくは20重量%以上(例えば、20〜80重量%、好ましくは20〜60重量%、特に好ましくは20〜50重量%、最も好ましくは20〜40重量%)である。
(A)成分を上記範囲で含有することにより、硬化物の硫黄バリア性がより向上する傾向がある。また、硬化物のタックが低減され、耐熱衝撃性、耐黄変性が向上するため、光半導体装置の品質及び耐久性が向上する傾向もある。
(B)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)の1〜60重量%が好ましく、より好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
また、(B)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれるシロキサン化合物[(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総量(総含有量;100重量%)の10〜40重量%が好ましく、より好ましくは15〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%である。
(B)成分を上記範囲で含有することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上し、耐熱衝撃性、硫黄バリア性がより向上する傾向がある。また、硬化物のタックが低減する傾向もある。
(C)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれるアルケニル基の全量1モル(1モル当たり)に対して、1×10-8〜1×10-2モルが好ましく、より好ましくは1.0×10-6〜1.0×10-3モルである。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物における(C)成分の含有量(配合量)は、例えば、ヒドロシリル化触媒中の白金族金属が重量単位で、0.01〜1000ppmの範囲内となる量が好ましく、0.1〜500ppmの範囲内となる量がより好ましい。
(C)成分を上記範囲で含有することにより、効率的に硬化物を形成させることができ、色相に優れた(着色の少ない)硬化物を得ることができる。
(D)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)の0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
また、(D)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれる脂肪族炭素−炭素二重結合(特にアルケニル基)を有するシロキサン化合物[すなわち、(A)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総量(総含有量;100重量%)の0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは2〜25重量%、最も好ましくは3〜25重量%、とりわけ好ましくは3〜10重量%である
また、(D)成分の含有量(配合量)は、特に限定されないが、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対して、1.0〜30.0重量部が好ましく、より好ましくは1.3〜20.0重量部、さらに好ましくは1.5〜10.0重量部である。また、(A)成分、(B)成分、及び(E)成分の合計100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部である。
(D)成分を上記範囲で含有することにより、硬化物に、硫黄バリア性(特に、SOXバリア性)を高く維持しつつ、優れた耐熱衝撃性を付与することができる。また、タック性が低減し、黄変が抑制される場合がある。上記(D)成分の含有量(配合量)が上記範囲を上回ると、相対的に(E)成分の含有量が減少するため、硫黄バリア性が低下する傾向がある。一方、上記(D)成分の含有量(配合量)が上記範囲を下回ると、耐熱衝撃性が低下する傾向がある。
(E)成分の含有量(配合量)は、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対して、50〜200重量部が好ましく、より好ましくは75〜175重量部、さらに好ましくは100〜150重量部である。
また、(E)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれるシロキサン化合物[(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総量(総含有量;100重量%)の35〜70重量%が好ましく、より好ましくは40〜65重量%、さらに好ましくは45〜60重量%である。
(E)成分を上記範囲で含有することにより、硬化物の耐熱衝撃性、硫黄バリア性、及び耐熱性がさらに向上する場合がある。
(F)成分の含有量(配合量)は、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)の0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。
また、(F)成分の含有量(配合量)は本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれるシロキサン化合物[(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜1.5重量部、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部である。
(F)成分を上記範囲で含有することにより、均一であって、より優れた硬化性を有する硬化性シリコーン樹脂組成物が得られる。また、得られる硬化物の硫黄バリア性、被着体に対する密着性がより向上する傾向がある。
(G)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)の0.01〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
また、(G)成分の含有量(配合量)は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に含まれるシロキサン化合物[(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部である。
(G)成分を上記範囲で含有することにより、硬化物の被着体に対する密着性が向上し、硫黄バリア性がより向上する傾向がある。また、(F)成分を相溶させて使用する際に、硬化性をより一層向上することができ、耐熱衝撃性に優れた硬化物が得られる傾向がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物におけるシロキサン化合物[(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総含有量は、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)に対して、70重量%以上(例えば、70重量%以上100重量%未満)が好ましく、より好ましくは80重量%以上(例えば、80〜99重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、90〜99重量%)である。上記総量を70重量%以上とすることにより、硬化物の耐熱性、透明性がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物における脂肪族炭素−炭素二重結合(特にアルケニル基)を有するシロキサン化合物[すなわち、(A)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総量(総含有量)は、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物(100重量%)に対して、40〜90重量%が好ましく、より好ましくは50〜85重量%、さらに好ましくは60〜80重量%である。上記総量を40重量%以上とすることにより、硬化物の耐久性、透明性がより向上する傾向がある。一方、上記総量を90重量%以下とすることにより、硬化性がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物におけるヒドロシリル基を有するシロキサン化合物[すなわち、(B)成分]の含有量(配合量)は、特に限定されないが、脂肪族炭素−炭素二重結合(特にアルケニル基)を有するシロキサン化合物[すなわち、(A)成分、(D)成分、(E)成分、及びその他のポリオルガノシロキサン]の総量(総含有量)100重量部に対して、1〜200重量部が好ましい。(B)成分の含有量を上記範囲に制御することにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上し、効率的に硬化物を形成することができる傾向がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、特に限定されないが、例えば、上記の各成分を室温で(又は必要に応じて加熱しながら)撹拌・混合することにより調製することができる。尚、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、各成分が全てあらかじめ混合されたものをそのまま使用する1液系の組成物として使用することもできるし、例えば、別々に調製しておいた2以上の成分を使用前に所定の割合で混合して使用する多液系(例えば、2液系)の組成物として使用することもできる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、特に限定されないが、常温(約25℃)で液体であることが好ましい。より具体的には、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、25℃における粘度として、300〜2万mPa・sが好ましく、より好ましくは500〜1万mPa・s、さらに好ましくは1000〜8000mPa・sである。上記粘度が300mPa・s以上であることにより、硬化物の耐熱性がより向上する傾向がある。一方、上記粘度が2万mPa・s以下であることにより、硬化性シリコーン樹脂組成物の調製がしやすく、その生産性や取り扱い性がより向上し、また、硬化物に気泡が残存しにくくなるため、硬化物(特に、封止材)の生産性や品質がより向上する傾向がある。尚、硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度は、上述のラダー型ポリオルガノシルセスキオキサンの粘度と同様の方法で測定される。
<硬化物>
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化(特に、ヒドロシリル化反応により硬化)させることによって、硬化物(「本発明の硬化物」と称する場合がある)が得られる。硬化の際の条件は、特に限定されず、従来公知の条件より適宜選択することができるが、例えば、反応速度の点から、温度(硬化温度)は25〜180℃(より好ましくは60〜150℃)が好ましく、時間(硬化時間)は5〜720分が好ましい。本発明の硬化物は、ポリシロキサン系材料特有の高い耐熱性及び透明性を有することに加え、耐熱衝撃性、被着体に対する密着性、及び硫黄バリア性に優れ、さらに、(D)成分を含む場合には、特に優れた耐熱衝撃性を有する硬化物が得られる。
<封止剤、封止材、光半導体装置>
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、特に、光半導体装置における光半導体素子(LED素子)の封止用樹脂組成物(光半導体封止用樹脂組成物)(「本発明の封止剤」と称する場合がある)として好ましく使用できる。本発明の封止剤を硬化させることにより得られる封止材(硬化物)は、ポリシロキサン系材料特有の高い耐熱性及び透明性を有することに加え、耐熱衝撃性、被着体に対する密着性、及び硫黄バリア性にも優れる。このため、本発明の封止材は、特に、高輝度、短波長の光半導体素子の封止材等として好ましく使用できる。本発明の封止材を使用して光半導体素子を封止することにより、光半導体装置(「本発明の光半導体装置」と称する場合がある)を得ることができる。すなわち、本発明の光半導体装置は、光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材とを少なくとも含み、上記封止材が本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(本発明の封止剤)の硬化物(本発明の硬化物)である光半導体装置である。尚、光半導体素子の封止は、公知乃至慣用の方法により実施でき、特に限定されないが、例えば、本発明の封止剤を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化することで実施できる。硬化温度と硬化時間は、特に限定されず、硬化物の調製時と同様の範囲で適宜設定することができる。本発明の光半導体装置の一例を図1に示す。図1において、100はリフレクター(光反射用樹脂組成物)、101は金属配線(電極)、102は光半導体素子、103はボンディングワイヤ、104は硬化物(封止材)を示す。
<光半導体用レンズの形成用組成物、光半導体装置>
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、光半導体装置に備えられるレンズ(光半導体用レンズ)を形成するための組成物(光半導体用レンズの形成用組成物)(「本発明のレンズ形成用組成物」と称する場合がある)としても好ましく使用できる。本発明のレンズ形成用組成物を硬化させることにより得られるレンズは、高い耐熱性及び透明性を有することに加えて、被着体に対する密着性及び硫黄バリア性にも優れる。本発明のレンズ形成用組成物を使用することにより、光半導体装置(これも「本発明の光半導体装置」と称する場合がある)を得ることができる。すなわち、本発明の光半導体装置は、光半導体素子とレンズとを少なくとも含み、上記レンズが本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(本発明のレンズ形成用組成物)の硬化物(本発明の硬化物)である光半導体装置である。尚、本発明のレンズ形成用組成物を用いた光半導体用レンズの製造は、公知乃至慣用の方法により実施でき、特に限定されないが、例えば、本発明のレンズ形成用組成物を所定の成形型内に注入して所定の条件で加熱硬化する方法や、ディスペンサー等によって塗布して所定の条件で加熱硬化する方法等によって実施できる。硬化温度と硬化時間は、特に限定されず、硬化物の調製時と同様の範囲で適宜設定することができる。本発明の光半導体装置が上記レンズを備える態様は特に限定されず、例えば、本発明の光半導体装置が封止材を有する場合には、該封止材の表面上の一部又は全部に配置された態様、上記光半導体装置の光半導体素子を封止する態様(すなわち、本発明の硬化物が封止材とレンズとを兼ねる態様)等であってもよい。より具体的には、例えば、国際公開第2012/147342号、特開2012−188627号公報、特開2011−233605号公報等に開示された態様等が挙げられる。
本発明の光半導体装置は、光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材と、レンズとを含み、上記封止材が本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(本発明の封止剤)の硬化物(本発明の硬化物)であり、なおかつ、上記レンズが本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(本発明のレンズ形成用組成物)の硬化物(本発明の硬化物)である光半導体装置であってもよい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述の封止剤用途(光半導体素子の封止剤用途)及びレンズ形成用途(光半導体装置におけるレンズ形成用途)に限定されず、例えば、光半導体装置以外の半導体装置における半導体素子の封止剤、機能性コーティング剤、耐熱プラスチックレンズ、透明機器、接着剤(耐熱透明接着剤等)、電気絶縁材(絶縁膜等)、積層板、コーティング、インク、塗料、シーラント、レジスト、複合材料、透明基材、透明シート、透明フィルム、光学素子、光学レンズ、光学部材、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリ等の光学関連や半導体関連の用途に好ましく使用できる。
特に、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、従来の樹脂材料では対応することが困難であった、高輝度・短波長の光半導体装置において光半導体素子を被覆する封止材、高耐熱・高耐電圧の半導体装置(パワー半導体等)において半導体素子を被覆する封止材等の用途に好ましく使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、合成例で得られた化合物の構造確認は1H−NMRを用いて行った。また、合成例で得られた化合物の重量平均分子量、数平均分子量、分子量分散度、ビニル基重量率、フェニル基重量率、メチル基重量率を以下の方法で測定した。
1H−NMR測定方法>
1H−NMRの測定はCDCl3(和光純薬工業(株)製、032−18013)中、CHCl3を内部標準として(δ=7.26)、核磁気共鳴装置「JNM ECA−500」(日本電子(株)製)で測定した。
<ビニル基重量率、フェニル基重量率、メチル基重量率の算出方法>
ビニル基重量率、フェニル基重量率、及びメチル基重量率はCDCl3(和光純薬工業(株)製、「032−18013」)中、内部標準物質として1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン(東京化成工業(株)製、H0015)、(δ=6.51)を用いて1H−NMRで算出した。
<数平均分子量及び重量平均分子量の測定方法>
数平均分子量及び重量平均分子量の測定は以下の条件で行った。
Alliance HPLCシステム 2695(Waters製)
Refractive Index Detector 2414(Waters製)
カラム:Tskgel GMHHR−M×2(東ソー(株)製)
ガードカラム:Tskgel guard column HHRL(東ソー(株)製)
カラムオーブン:COLUMN HEATER U−620(Sugai製)
溶媒:THF
測定温度:40℃
合成例1[末端にトリメチルシリル基(以後、「TMS基」と称する場合がある)を有するラダー型シルセスキオキサンの合成]
200mL四つ口フラスコに、メチルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)34.07g、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)11.49g、ビニルトリエトキシシラン6.25g、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)17.69gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水846ミリモル(15.24g)及び5Nの塩酸0.48g(塩化水素として2.4ミリモル)を1時間かけて同時滴下した。滴下終了後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを80.0g添加して、反応溶媒を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、重縮合反応を窒素雰囲気下で2時間行った。続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン15.0gを添加して、シリル化反応を70℃で3時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。
次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去して、無色透明、高粘性液状の、末端にTMS基を有するラダー型シルセスキオキサン(d-1)を21.3g得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:-0.3-0.3ppm(br)、5.7-6.2ppm(br)、7.1-7.7ppm(br)
合成例2[末端にTMS基を有するラダー型シルセスキオキサンの合成]
重縮合反応時間を2時間から3.5時間に変更した以外は合成例1と同様に行って、無色透明、高粘性液状の、末端にTMS基を有するラダー型シルセスキオキサン(d-2)を21.2g得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:-0.3-0.3ppm(br)、5.7-6.2ppm(br)、7.1-7.7ppm(br)
合成例3[末端にTMS基を有するラダー型シルセスキオキサンの合成]
重縮合反応時間を2時間から4.5時間に変更した以外は合成例1と同様に行って、無色透明、高粘性液状の、末端にTMS基を有するラダー型シルセスキオキサン(d-3)を21.5g得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:-0.3-0.3ppm(br)、5.7-6.2ppm(br)、7.1-7.7ppm(br)
合成例4[末端にTMS基を有するラダー型シルセスキオキサンの合成]
重縮合反応時間を2時間から5.5時間に変更した以外は合成例1と同様に行って、無色透明、高粘性液状の、末端にTMS基を有するラダー型シルセスキオキサン(d-4)を22.0g得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:-0.3-0.3ppm(br)、5.7-6.2ppm(br)、7.1-7.7ppm(br)
合成例5[末端にビニル基とTMS基を有するラダー型シルセスキオキサンの合成]
200mL四つ口フラスコに、メチルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)34.07g、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)11.49g、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)17.69gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水240ミリモル(4.33g)及び5Nの塩酸0.48g(塩化水素として2.4ミリモル)を1時間かけて同時滴下した。滴下終了後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを80.0g添加して、反応溶媒を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、70℃になった時点で水606ミリモル(10.91g)を添加し、重縮合反応を窒素雰囲気下で9時間行った。さらに、ビニルトリエトキシシラン6.25gを添加し、3時間反応(熟成)を行った。
続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン15.0gを添加して、シリル化反応を70℃で3時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。
次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、無色透明、液状の、末端にビニル基とTMS基を有するラダー型シルセスキオキサン(d-5)を21.0g得た。
1H-NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:-0.3-0.3ppm(br)、5.7-6.2ppm(br)、7.1-7.7ppm(br)
Figure 2016216599
実施例1
[硬化性シリコーン樹脂組成物の製造]
まず、表2に示すように、商品名「ETERLED GS5145A」20重量部及び合成例1で得られた化合物(d-1)5重量部を混合し、40℃で2時間撹拌して、A剤を調製した。
次に、上記で得たA剤に、B剤として商品名「ETERLED GS5145B」80重量部を混合し、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎」、(株)シンキー製、型番:ARE−310)を用いて撹拌5分、脱泡2分で混練し、硬化性シリコーン樹脂組成物を製造した。
[光半導体装置の製造]
図1に示す態様のLEDパッケージ(硫黄腐食性試験、吸湿リフロー試験用:InGaN素子、3.5mm×2.8mm、熱衝撃性試験用:InGaN素子、5.0mm×5.0mm)に、上記で得られた硬化性シリコーン樹脂組成物を注入し、60℃で1時間、続いて80℃で1時間、さらに150℃で4時間加熱することで、上記硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置を製造した。
実施例2〜16、比較例1〜5
硬化性シリコーン樹脂組成物の組成を表2(単位:重量部)に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置を製造した。尚、実施例15、16では、「MA−DGIC」が固体であるため、A剤の調製温度を40℃から70℃に変更した。
(評価)
上記で得られた硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[硫黄腐食性試験]
上記で製造した光半導体装置を試料として用いた。
まず、上記試料について、全光束測定機(オプトロニックラボラトリーズ社製、マルチ分光放射測定システム「OL771」)を用いて、20mAの電流を流した際の全光束(単位:lm)を測定し、これを「腐食性試験前の全光束」とした。
次に、上記試料と硫黄粉末(キシダ化学(株)製)0.3gとを450mLのガラス瓶に入れ、さらに上記ガラス瓶をアルミ製の箱の中に入れた。続いて、上記アルミ製の箱を80℃のオーブン(ヤマト科学(株)製、型番:DN−64)に入れ、24時間後に取り出した。加熱後の試料について上記と同様に全光束を測定し、これを「腐食性試験後の全光束」とした。そして、腐食性試験前後における全光束の維持率(%)[=100×(腐食性試験後の全光束(lm))/(腐食性試験前の全光束(lm))]を算出した。
光度維持率が高いほど、硬化物(封止材)が腐食性ガスに対するバリア性に優れることを示す。尚、硬化性シリコーン樹脂組成物ごとに(各実施例、比較例ごとに)10個の光半導体装置について光度維持率を測定・算出し、表2にはこれらの光度維持率の平均値(N=10)を示した。
[熱衝撃性試験]
上記で製造した光半導体装置を試料として用いた。試料は、硬化性シリコーン樹脂組成物ごとに10個ずつ用いた。尚、試料は、試験前に20mAの電流を通電した時に点灯するものであることを確認した上で用いた。
上記試料について、熱衝撃試験機(エスペック(株)製、型番:TSB−21)を用いて、温度−40℃で5分間、続いて温度100℃で5分間曝露することを1サイクルとした熱衝撃付与を100サイクル実施し、その後、100サイクルの熱衝撃を付与した後の試料について、20mAの電流を通電し、点灯しなかった試料の数を計測した。
上記試料について、熱衝撃付与を200サイクル、500サイクル実施した場合も同様に行った。
[吸湿リフロー試験]
上記で製造した光半導体装置を試料として用いた。
まず、上記試料について、全光束測定機(オプトロニックラボラトリーズ社製、マルチ分光放射測定システム「OL771」)を用いて、20mAの電流を流した際の全光束(単位:lm)を測定し、これを「吸湿リフロー試験前の全光束」とした。
上記試料を30℃、60%RHに調整した恒温恒湿槽(エスペック(株)製、型番「SH−641」)に入れ、192時間後に取り出した。続いて、上記各試料について、リフロー炉(ANTOM(株)製、型番「UNI−5016F」)を用いて、260℃で10秒間の加熱処理を2回施した。その後、リフロー炉による2回の加熱処理を施した後の試料について、上記と同様に全光束を測定し、これを「吸湿リフロー試験後の全光束」とした。そして、吸湿リフロー試験前後における全光束の維持率(%)[=100×(吸湿リフロー試験後の全光束(lm))/(吸湿リフロー試験前の全光束(lm))]を算出した。尚、硬化性シリコーン樹脂組成物ごとに(各実施例、比較例ごとに)10個の光半導体装置について光度維持率を測定・算出し、表2にはこれらの光度維持率の平均値(N=10)を示した。
[総合判定]
実施例及び比較例で得られた硬化性シリコーン樹脂組成物について、上記硫黄腐食性試験、熱衝撃性試験、及び吸湿リフロー試験の評価結果に基づき、以下の基準で総合判定を行った。
○(良好である):硫黄腐食性試験の評価結果が80%以上であり、且つ熱衝撃性試験において、200サイクルの熱衝撃を付与した後の評価結果が○であり、且つ吸熱リフロー試験後の光度維持率が95%以上である。
×(不良である):硫黄腐食性試験の評価結果が80%未満である、及び/又は熱衝撃性試験において、200サイクルの熱衝撃を付与した後の評価結果が×である、及び/又は吸熱リフロー試験後の光度維持率が95%未満である。
Figure 2016216599
表2に記載の各成分を以下に説明する。
(A剤)
GS5145A:(A)成分を含むシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「ETERLED GS5145A」、長興材料工業製
OE6630A:(A)成分を含まないシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「OE−6630A」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6631A:(A)成分を含まないシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「OE−6631A」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6650A:(A)成分を含まないシリコーン樹脂[(C)成分(ヒドロシリル化触媒)を含む]、商品名「OE−6650A」、東レ・ダウコーニング(株)製
MA−DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート((F)成分)、商品名「MA−DGIC」、四国化成工業(株)製
OFS−6040:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン((G)成分)、商品名「XIAMETER OFS−6040」、ダウコーニング社製
(B剤)
GS5145B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「ETERLED GS5145B」、長興材料工業製
OE6630B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「OE−6630B」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6631B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「OE−6631B」、東レ・ダウコーニング(株)製
OE6650B:(B)成分及び(E)成分を含むシリコーン樹脂、商品名「OE−6650B」、東レ・ダウコーニング(株)製
100:リフレクター(光反射用樹脂組成物)
101:金属配線(電極)
102:光半導体素子
103:ボンディングワイヤ
104:硬化物(封止材)

Claims (12)

  1. 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を含む硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (A):分子内に2個以上のアルケニル基及び1個以上のアリール基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレン
    (B):分子内に1個以上のヒドロシリル基を有し、脂肪族不飽和基を有しないポリオルガノシロキサン
    (C):白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
    (D):分子内に1個以上のアルケニル基、及び1個以上のアリール基を有するラダー型ポリオルガノシルセスキオキサン
    (E):分子内に1個以上のアルケニル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン
  2. 前記(D)成分の数平均分子量が2000〜5000である請求項1に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 前記(D)成分の分子量分散度(Mw/Mn)が1.00〜3.00である請求項1又は2に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. 前記(D)成分全体(100重量%)に占めるアルケニル基の割合が2.0〜10.0重量%、アリール基の割合が10.0〜30.0重量%、メチル基の割合が20.0〜35.0重量%である請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  5. 下記(F)成分を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (F):分子内に下記式(f-1)で表される基及び下記式(f-2)で表される基の何れか一方若しくは両方を有するイソシアヌレート化合物
    Figure 2016216599
    [式(f-1)中のR61、式(f-2)中のR62は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を示す]
  6. 下記(G)成分を含む請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (G):シランカップリング剤
  7. さらに蛍光体を含む請求項1〜6の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
  9. 光半導体封止用樹脂組成物である請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  10. 光半導体用レンズの形成用樹脂組成物である請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  11. 光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材とを含み、前記封止材が請求項9に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物である光半導体装置。
  12. 光半導体素子とレンズとを含み、前記レンズが請求項10に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物である光半導体装置。
JP2015102607A 2015-05-20 2015-05-20 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物 Expired - Fee Related JP6496185B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015102607A JP6496185B2 (ja) 2015-05-20 2015-05-20 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015102607A JP6496185B2 (ja) 2015-05-20 2015-05-20 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016216599A true JP2016216599A (ja) 2016-12-22
JP6496185B2 JP6496185B2 (ja) 2019-04-03

Family

ID=57578134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015102607A Expired - Fee Related JP6496185B2 (ja) 2015-05-20 2015-05-20 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6496185B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016216598A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 株式会社ダイセル 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
WO2018235811A1 (ja) * 2017-06-20 2018-12-27 株式会社ダイセル 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
CN110651016A (zh) * 2017-05-17 2020-01-03 株式会社大赛璐 粘接剂组合物、固化物、叠层体以及装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012111875A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Daicel Corp 硬化性樹脂組成物及び硬化物
JP2012140617A (ja) * 2010-12-31 2012-07-26 Eternal Chemical Co Ltd 硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその製造方法
JP2013144757A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シリコーン樹脂組成物、蛍光体含有波長変換フィルム、及びそれらの硬化物
WO2013176238A1 (ja) * 2012-05-25 2013-11-28 株式会社ダイセル 硬化性樹脂組成物及びその硬化物、封止剤、並びに光半導体装置
WO2014109349A1 (ja) * 2013-01-09 2014-07-17 株式会社ダイセル 硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP2016108393A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 株式会社ダイセル 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012111875A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Daicel Corp 硬化性樹脂組成物及び硬化物
JP2012140617A (ja) * 2010-12-31 2012-07-26 Eternal Chemical Co Ltd 硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその製造方法
JP2013144757A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シリコーン樹脂組成物、蛍光体含有波長変換フィルム、及びそれらの硬化物
WO2013176238A1 (ja) * 2012-05-25 2013-11-28 株式会社ダイセル 硬化性樹脂組成物及びその硬化物、封止剤、並びに光半導体装置
WO2014109349A1 (ja) * 2013-01-09 2014-07-17 株式会社ダイセル 硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP2016108393A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 株式会社ダイセル 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016216598A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 株式会社ダイセル 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
CN110651016A (zh) * 2017-05-17 2020-01-03 株式会社大赛璐 粘接剂组合物、固化物、叠层体以及装置
EP3626796A4 (en) * 2017-05-17 2021-02-17 Daicel Corporation COMPOSITION OF ADHESIVE, CURED ARTICLE, LAMINATE, AND DEVICE
CN110651016B (zh) * 2017-05-17 2022-06-24 株式会社大赛璐 粘接剂组合物、固化物、叠层体以及装置
WO2018235811A1 (ja) * 2017-06-20 2018-12-27 株式会社ダイセル 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6496185B2 (ja) 2019-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5667326B2 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化物、封止剤、並びに光半導体装置
JP6027209B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、封止材、及び半導体装置
WO2014109349A1 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP5830201B2 (ja) 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
EP1736500A1 (en) Composition for sealing optical semiconductor, optical semiconductor sealing material, and method for producing composition for sealing optical semiconductor
WO2016043082A1 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
JP6502658B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
JP5736525B1 (ja) 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
WO2015016000A9 (ja) 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
WO2015163352A1 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP6474801B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、封止材、及び半導体装置
WO2018047633A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び半導体装置
WO2017164265A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び半導体装置
JP6496185B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
WO2015178475A1 (ja) 分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレン、その製造方法、硬化性樹脂組成物、及び半導体装置
WO2015163355A1 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化物、グリコールウリル誘導体及びその製造方法
JP6496193B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物、並びに光半導体装置
WO2018016372A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び半導体装置
JP6452545B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
JP6460714B2 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化物、並びに半導体装置
JP2017002172A (ja) 高硬度ポリシロキサン硬化物を与える硬化性樹脂組成物及びその硬化物
CN108368342B (zh) 固化性有机硅树脂组合物及其固化物、以及光半导体装置
JP2017145358A (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
WO2018235811A1 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
JP2017075216A (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6496185

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees