JP2016215727A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】氷路面における旋回性能の低下が抑制され、旋回時の操縦安定性を向上できる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】空気入りタイヤは、トレッド部と、車両に対する装着位置を示すマークと、トレッド部に設けられるスタッドピンとを備える。トレッド部は、タイヤ幅方向に関してトレッド部の中心部と第1端部との間の第1領域と、トレッド部の中心部と第2端部との間の第2領域とを有する。第1領域は第2領域よりも車両の外側に配置される。第1領域に設けられるスタッドピンは、チップ仮想線が中心部から第1端部に向かって基準仮想線との距離が大きくなるようにトレッド部の後着側に傾斜する第1スタッドピンと、チップ仮想線が第1端部から中心部に向かって基準仮想線との距離が大きくなるようにトレッド部の後着側に傾斜する第2スタッドピンとを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
冬用タイヤとして、スタッドピンを有する空気入りタイヤが知られている。スタッドピンは、空気入りタイヤのトレッド部に設けられた穴に配置されるボディと、トレッド部の接地面から外側に突出するチップとを有する。円形状のチップを有するスタッドピンと、長手形状のチップを有するスタッドピンとが知られている。長手形状のチップを有するスタッドピンは、円形状のチップを有するスタッドピンに比べて、エッジ効果が高く氷路面に対する接触面積が大きい。そのため、長手形状のチップを有するスタッドピンは、空気入りタイヤの氷上性能の向上に寄与する。スタッドピンを有する空気入りタイヤの一例が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特開2008−284922号公報 特開2012−176700号公報
空気入りタイヤは、駆動、制動、及び旋回する。空気入りタイヤの市場においては、氷路面における制動性能が重視される傾向にある。そのため、長手形状のチップを有するスタッドピンは、チップの長手と平行な長手方向と空気入りタイヤの回転軸と平行なタイヤ幅方向とが平行となるようにトレッド部に設けられる場合が多い。チップの長手方向とタイヤ幅方向とが平行となるようにトレッド部にスタッドピンが配置されると、氷路面における空気入りタイヤの旋回性能が低下する可能性がある。
本発明の態様は、氷路面における旋回性能の低下が抑制され、旋回時の操縦安定性を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、車両に装着され、中心軸を中心に回転する空気入りタイヤであって、トレッド部と、前記車両に対する装着位置を示すマークと、前記トレッド部に設けられた穴に配置されるボディと、前記トレッド部の接地面から外側に突出する長手形状のチップと、を有するスタッドピンと、を備え、前記トレッド部は、タイヤ幅方向に関して前記トレッド部の中心部と第1端部との間の第1領域と、前記トレッド部の中心部と前記第1端部の反対側の第2端部との間の第2領域と、を有し、前記マークに基づいて前記第1領域が前記第2領域よりも前記車両の外側に配置されるように前記車両に装着され、前記スタッドピンは、前記第1領域に複数設けられ、前記第1領域に設けられる前記スタッドピンは、前記チップの長手と平行な方向に関して前記チップの一端部と他端部とを結ぶチップ仮想線が前記中心部から前記第1端部に向かって前記中心軸と平行な基準仮想線との距離が大きくなるように前記トレッド部の後着側に傾斜する第1スタッドピンと、前記チップ仮想線が前記第1端部から前記中心部に向かって前記基準仮想線との距離が大きくなるように前記トレッド部の後着側に傾斜する第2スタッドピンと、を含む、空気入りタイヤが提供される。
本発明の態様によれば、長手形状のチップのチップ仮想線が基準仮想線に対して傾斜するように配置されるので、氷路面における空気入りタイヤの旋回性能の低下は抑制される。旋回するように車両が操舵された場合、走行する車両の慣性力により、トレッド部は操舵前の車両の進行方向と平行な方向である滑り方向に滑ってしまう可能性がある。車両の外側に配置されるトレッド部の第1領域にスタッドピンが設けられ、そのスタッドピンのチップ仮想線が基準仮想線に対して傾斜するので、機械的破壊効果が向上し、滑り方向に関するチップのエッジ効果及び氷路面に対するチップの接触面積の増大が図られる。そのため、空気入りタイヤが滑り方向に滑ってしまうことが抑制され、氷路面における空気入りタイヤの旋回性能の低下が抑制される。
また、第1領域に設けられるスタッドピンは、傾斜方向が異なる第1スタッドピン及び第2スタッドピンの両方を含む。そのため、右旋回時及び左旋回時のそれぞれにおいて空気入りタイヤが滑り方向に滑ってしまうことが抑制される。したがって、右旋回時及び左旋回時それぞれの空気入りタイヤの操縦安定性は向上する。
また、傾斜方向が異なる第1スタッドピン及び第2スタッドピンの両方がトレッド部の第1領域に設けられるので、車両に対する空気入りタイヤの装着位置を入れ替える作業であるローテーションを行った場合でも、氷路面における空気入りタイヤの旋回性能の低下は抑制される。
本発明の態様において、前記基準仮想線に対する前記第1スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度αは、10[°]以上60[°]以下であり、前記基準仮想線に対する前記第2スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度βは、10[°]以上60[°]以下でもよい。
傾斜角度α及び傾斜角度βが60[°]よりも大きいと、氷路面に対するタイヤ周方向のチップのエッジ効果及び接触面積が小さくなる。その結果、氷路面における制動性能が低下する可能性がある。傾斜角度α及び傾斜角度βが10[°]よりも小さいと、氷路面に対するタイヤ幅方向のチップのエッジ効果及び接触面積が小さくなる。その結果、氷路面における旋回性能が低下する可能性がある。傾斜角度α及び傾斜角度βが10[°]以上60[°]以下の場合、氷路面における空気入りタイヤの制動性能及び旋回性能の両立が図られる。
本発明の態様において、前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンは、前記第1領域に複数設けられ、複数の前記第1スタッドピンの前記傾斜角度αはそれぞれ異なり、複数の前記第2スタッドピンの前記傾斜角度βはそれぞれ異なってもよい。
第1スタッドピン及び第2スタッドピンのそれぞれが様々な傾斜角度で配置されることにより、様々な操舵角において旋回性能の低下が抑制される。
本発明の態様において、前記第1スタッドピンと前記第2スタッドピンとは、タイヤ周方向に交互に設けられてもよい。
傾斜方向が異なる第1スタッドピン及び第2スタッドピンがタイヤ周方向に交互に設けられることにより、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となる。これにより、空気入りタイヤの操縦安定性の向上が図られる。
本発明の態様において、前記第1領域に設けられる複数の前記スタッドピンの総数の少なくとも80[%]の数の前記スタッドピンの前記チップ仮想線が傾斜してもよい。
基準仮想線に対して傾斜するスタッドピンの数が80[%]よりも少ないと、十分なエッジ効果が得られず、空気入りタイヤが滑り方向に滑ってしまう可能性がある。第1領域に設けられる複数のスタッドピンの総数の少なくとも80[%]の数のスタッドピンが傾斜して配置されることにより、空気入りタイヤの旋回性能の低下が抑制される。
本発明の態様において、前記第1スタッドピンは、前記第1領域に設けられる複数の前記スタッドピンの総数の40[%]以上60[%]以下の数だけ設けられ、前記第2スタッドピンは、前記第1領域に設けられる複数の前記スタッドピンの総数から前記第1スタッドピンの数を減じた数だけ設けられてもよい。
これにより、第1スタッドピンと第2スタッドピンとはほぼ同数となる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、空気入りタイヤの操縦安定性の向上が図られる。
本発明の態様において、前記路面と接触した前記第1領域のトレッド接地領域に前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンが少なくとも1つずつ配置されるように、前記スタッドピンが前記第1領域に設けられてもよい。
これにより、空気入りタイヤの走行において第1スタッドピン及び第2スタッドピンの両方が常に路面に接触することとなる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、空気入りタイヤの操縦安定性の向上が図られる。
本発明の態様において、前記トレッド接地領域において前記スタッドピンが3本以上8本以下配置され、前記トレッド接地領域における前記第1スタッドピンの数と前記第2スタッドピンの数との差が2本以下になるように、前記スタッドピンが前記第1領域に設けられてもよい。
これにより、空気入りタイヤの走行においてほぼ同数の第1スタッドピン及び第2スタッドピンが常に路面に接触することとなる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、空気入りタイヤの操縦安定性の向上が図られる。
本発明の態様において、前記第1領域は、前記中心部側に配置されるセカンド陸部領域と、前記第1端部側に配置されるショルダー陸部領域と、を含み、前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンは、前記セカンド陸部領域及び前記ショルダー陸部領域に設けられてもよい。
セカンド陸部領域及びショルダー陸部領域のそれぞれに第1スタッドピン及び第2スタッドピンが設けられることにより、氷路面における空気入りタイヤの制動性能及び旋回性能の両立が図られる。また、右旋回時の旋回性能及び左旋回時の旋回性能の両方の安定化が図られる。
本発明の態様において、前記ショルダー陸部領域に設けられる前記スタッドピンの数は、前記セカンド陸部領域に設けられる前記スタッドピンの数よりも多くてもよい。
ショルダー陸部領域に設けられるスタッドピンの数を、セカンド陸部領域に設けられるスタッドピンの数よりも多くすることにより、氷路面における空気入りタイヤの旋回性能は向上する。
本発明の態様において、前記セカンド陸部領域に設けられる前記第1スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度α1は、前記ショルダー陸部領域に設けられる前記第1スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度α2よりも小さく、前記セカンド陸部領域に設けられる前記第2スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度β1は、前記ショルダー陸部領域に設けられる前記第2スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度β2よりも小さくてもよい。
タイヤ幅方向の中心部に近いトレッド部のセカンド陸部領域に、小さい傾斜角度α1及び傾斜角度β1で第1スタッドピン及び第2スタッドピンが設けられることにより、空気入りタイヤの制動性能の向上が図られる。タイヤ幅方向の第1端部に近いトレッド部のショルダー陸部領域に、大きい傾斜角度α2及び傾斜角度β2で第1スタッドピン及び第2スタッドピンが設けられることにより、空気入りタイヤの旋回性能の向上が図られる。
本発明の態様において、前記傾斜角度α1と前記傾斜角度α2との差は、10[°]以上であり、前記傾斜角度β1と前記傾斜角度β2との差は、10[°]以上でもよい。
傾斜角度α1と傾斜角度α2との差が10[°]よりも小さい場合、セカンド陸部領域に配置される第1スタッドピンとショルダー陸部領域に配置される第1スタッドピンとはほぼ同じ方向を向くことになる。その場合、エッジ効果が分散されない。傾斜角度α1と傾斜角度α2との差を10[°]以上とすることにより、セカンド陸部領域に配置される第1スタッドピンとショルダー陸部領域に配置される第1スタッドピンとは異なる方向を向くことになる。これにより、エッジ効果が偏ることが抑制されるので、氷路面における空気入りタイヤの旋回性能の向上が図られる。同様に、傾斜角度β1と傾斜角度β2との差を10[°]以上とすることにより、セカンド陸部領域に配置される第2スタッドピンとショルダー陸部領域に配置される第2スタッドピンとは異なる方向を向くことになるので、氷路面における空気入りタイヤの旋回性能の向上が図られる。
本発明の態様において、前記第1スタッドピンと前記第2スタッドピンとは、前記セカンド陸部領域及び前記ショルダー陸部領域のそれぞれにおいて、タイヤ周方向に交互に設けられてもよい。
傾斜方向が異なる第1スタッドピン及び第2スタッドピンがタイヤ周方向に交互に設けられることにより、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となる。これにより、空気入りタイヤの操縦安定性の向上が図られる。
本発明の態様において、タイヤ周方向に関して、前記セカンド陸部領域において隣り合う前記第1スタッドピンと前記第2スタッドピンとの間に前記ショルダー陸部領域のスタッドピンが設けられ、前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンと前記セカンド陸部領域の前記第1スタッドピンとの距離と、前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンと前記セカンド陸部領域の前記第2スタッドピンとの距離とは、異なり、前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜方向は、前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンとの距離が短い前記セカンド陸部領域の前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンのいずれか一方の傾斜方向と異なってもよい。
これにより、傾斜方向が異なる第1スタッドピン及び第2スタッドピンがほぼ同時に路面に接触することとなる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、空気入りタイヤの操縦安定性の向上が図られる。
本発明の態様において、前記スタッドピンは、前記第2領域に複数設けられ、前記第2領域に設けられる前記スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度は、前記第1領域に設けられる前記スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度よりも小さくてもよい。
車両の内側に配置されるトレッド部の第2領域にスタッドピンが設けられ、そのスタッドピンのチップ仮想線の傾斜角度が小さいので、タイヤ周方向に関するエッジ効果及び氷路面に対するチップの接触面積の増大が図られる。そのため、氷路面における空気入りタイヤの制動性能の向上が図られる。
本発明の態様において、前記スタッドピンは、前記第2領域に複数設けられ、前記第2領域に設けられる前記スタッドピンの前記チップ仮想線は、前記基準仮想線と平行でもよい。
車両の内側に配置されるトレッド部の第2領域にスタッドピンが設けられ、そのスタッドピンのチップ仮想線の傾斜角度が0[°]なので、タイヤ周方向に関するエッジ効果及び氷路面に対するチップの接触面積の増大が図られる。そのため、氷路面における空気入りタイヤの制動性能の向上が図られる。
本発明の態様において、前記第1領域に設けられる前記スタッドピンの総数と、前記第2領域に設けられる前記スタッドピンの総数とは、等しくてもよい。
車両の外側に配置されるスタッドピンと車両の内側に配置されるスタッドピンとが同数となることにより、空気入りタイヤの制動性能及び旋回性能との両立が図られる。
本発明の態様において、前記チップの外形は、対称軸に対して線対称であり、前記チップ仮想線は、前記対称軸と直交し、前記チップの一端部及び他端部は、前記チップのエッジのうち前記チップ仮想線と平行な方向に関して前記対称軸から最も離れた部位でもよい。
線対称の外形を有するチップは、非線対称の外形を有するチップに比べて、製造コストを抑制できる。そのため、スタッドピンの製造コストが抑制される。また、対称軸から最も離れた部位であるチップの一端部と他端部とを結ぶ仮想線がチップ仮想線と定義されることにより、トレッド部に対するスタッドピンの位置決めが円滑に行われる。
本発明の態様において、前記チップのエッジは、複数の角部及び前記角部を介して結ばれる複数の線部を含み、複数の前記線部のうち最も長い最長線部は、前記チップ仮想線と平行でもよい。
最長線部がチップ仮想線と定義されることにより、トレッド部に対するスタッドピンの位置決めが円滑に行われる。最長線部と基準仮想線とがなす角度が調整されることによって、旋回時の空気入りタイヤの操縦安定性が向上する。
本発明の態様において、前記チップのエッジは、複数の前記角部のうち最も前記トレッド部の先着側に配置される先端角部と、前記先端角部を介して前記最長線部と結ばれる短線部と、を含み、前記最長線部は、前記中心部及び前記第1端部の一方から他方に向かって前記後着側に傾斜し、前記短線部は、前記中心部及び前記第1端部の他方から一方に向かって前記後着側に傾斜してもよい。
最長線部のみならず短線部も傾斜して配置されることにより、空気入りタイヤの旋回性能の更なる向上が図られる。
本発明の態様において、前記基準仮想線に対する前記最長線部の傾斜角度εは、前記基準仮想線に対する前記短線部の傾斜角度ζよりも大きくてもよい。
最長線部の傾斜角度εが短線部の傾斜角度ζよりも大きいので、空気入りタイヤの旋回性能の向上が図られる。
本発明の態様において、前記チップのエッジは、複数の前記角部のうち最も前記トレッド部の先着側に配置される先端角部と、前記先端角部を介して前記最長線部と結ばれる短線部と、を含み、前記最長線部は、前記中心部及び前記第1端部の一方から他方に向かって前記後着側に傾斜し、前記短線部は、前記基準仮想線と平行でもよい。
最長線部が傾斜し短線部は傾斜しないので、氷路面における空気入りタイヤの制動性能及び旋回性能の両立が図られる。
本発明の態様によれば、氷路面における旋回性能の低下が抑制され、旋回時の操縦安定性を向上できる空気入りタイヤが提供される。
図1は、本実施形態に係る車両の一例を示す側面図である。 図2は、本実施形態に係る車両を後方から見た図である。 図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤの一例を示す断面図である。 図4は、本実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す断面図である。 図5は、本実施形態に係るトレッド部の穴に配置されたスタッドピンの一例を示す図である。 図6は、本実施形態に係るスタッドピンの一例を示す斜視図である。 図7は、本実施形態に係る左タイヤのトレッド部の一例を示す平面図である。 図8は、本実施形態に係る右タイヤのトレッド部の一例を示す平面図である。 図9は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの一例を模式的に示す平面図である。 図10は、本実施形態に係る第1スタッドピンのチップの一例を模式的に示す平面図である。 図11は、本実施形態に係る第2スタッドピンのチップの一例を模式的に示す平面図である。 図12は、本実施形態に係る左タイヤのトレッド部及びチップの一例を模式的に示す平面図である。 図13は、本実施形態に係る右タイヤのトレッド部及びチップの一例を模式的に示す平面図である。 図14は、本実施形態に係る第1スタッドピンのチップの一例を模式的に示す平面図である。 図15は、本実施形態に係る第2スタッドピンのチップの一例を模式的に示す平面図である。 図16は、本実施形態に係るスタッドピンの配置の一例を模式的に示す図である。 図17は、本実施形態に係るスタッドピンの配置の一例を模式的に示す図である。 図18は、本実施形態に係るタイヤの作用を説明するための模式図である。 図19は、本実施形態に係るタイヤの作用を説明するための模式図である。 図20は、本実施形態に係る左タイヤのトレッド部の変形例を示す平面図である。 図21は、本実施形態に係る左タイヤのトレッド部の変形例を示す平面図である。 図22は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図23は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図24は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図25は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図26は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図27は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図28は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図29は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図30は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図31は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図32は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図33は、本実施形態に係るスタッドピンのチップの変形例を模式的に示す平面図である。 図34は、本実施形態に係る空気入りタイヤについて実施した評価試験の結果を示す図表である。 図35は、本実施形態に係る空気入りタイヤについて実施した評価試験の結果を示す図表である。 図36は、本実施形態に係る空気入りタイヤについて実施した評価試験の結果を示す図表である。 図37は、本実施形態に係る空気入りタイヤについて実施した評価試験の結果を示す図表である。 図38は、本実施形態に係る空気入りタイヤについて実施した評価試験の結果を示す図表である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが本発明はこれに限定されない。実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。一部の構成要素を用いない場合もある。
[タイヤが装着される車両の概要]
図1は、車両500の一例を示す側面図である。図2は、車両500を後方から見た図である。タイヤ1が車両500に装着される。タイヤ1は、空気入りタイヤである。車両500に装着されたタイヤ1は、中心軸AXを中心に回転して、路面RSを走行する。
以下の説明においては、タイヤ周方向、タイヤ径方向、及びタイヤ幅方向、という用語を用いて各部の位置関係について説明する。タイヤ周方向とは、タイヤ1の中心軸AXを中心とする回転方向である。タイヤ径方向とは、タイヤ1の中心軸AXに対する放射方向である。タイヤ幅方向とは、タイヤ1の中心軸AXと平行な方向である。
図1及び図2に示すように、車両500は、タイヤ1を含む走行装置501と、走行装置501に支持される車体502と、走行装置501を駆動するためのエンジン503とを備える。
走行装置501は、タイヤ1を支持するホイール504と、ホイール504を支持する車軸505と、走行装置501の進行方向を変えるための操舵装置506と、走行装置501を減速又は停止させるためのブレーキ装置507とを有する。
車両500は、4輪車両である。走行装置501は、車体502の左側に設けられる左前輪及び左後輪と、車体502の右側に設けられる右前輪及び右後輪とを有する。タイヤ1は、車体502の左側に装着される左タイヤ1Lと、車体502の右側に装着される右タイヤ1Rとを含む。
タイヤ1は、路面RSに接触するトレッド部3と、タイヤ幅方向に関してトレッド部3の両側に配置されるサイド部5とを有する。車両500に対するタイヤ1の装着位置が指定される。左タイヤ1Lの装着位置は車両500の左側に指定される。右タイヤ1Rの装着位置は車両500の右側に指定される。
トレッド部3は、タイヤ幅方向に関してトレッド部3の中心部Cと第1端部T1との間の第1領域H1と、トレッド部3の中心部Cと第1端部T1の反対側の第2端部T2との間の第2領域H2とを有する。タイヤ1は、第1領域H1が第2領域H2よりも車両500の外側に配置されるように車両500に装着される。
車両500の外側とは、車幅方向に関して車両500の中央部から遠い側である。車両500の内側とは、車幅方向に関して車両500の中央部に近い側である。
車両500に対するタイヤ1の装着位置を示すマーク10がタイヤ1のサイド部5に設けられる。マーク10は、第1端部T1側のサイド部5に設けられる。マーク10は、例えば「OUTSIDE」のような文字を含む。マーク10に基づいて第1領域H1が第2領域H2よりも車両500の外側に配置されるように、タイヤ1が車両500に装着される。
車体502は、運転者が搭乗する運転室を有する。運転室に、エンジン503の出力を調整するためのアクセルペダルと、ブレーキ装置507を作動するためのブレーキペダルと、操舵装置506を操作するためのステアリングホイールとが配置される。運転者は、アクセルペダル、ブレーキペダル、及びステアリングホイールを操作する。運転者の操作により、車両500は走行する。
[タイヤの概要]
図3は、タイヤ1の一例を示す断面図である。図4は、タイヤ1の一部を拡大した断面図である。図3及び図4はそれぞれ、タイヤ1の中心軸AXを通る子午断面を示す。タイヤ1の中心軸AXは、タイヤ1の赤道面CLと直交する。タイヤ1の赤道面CLは、タイヤ幅方向に関してタイヤ1の中心部を通るタイヤ中心線を含む。
タイヤ1は、スタッドピン30を有する冬用タイヤ又は雪氷路用タイヤである。スタッドピン30を有するタイヤ1は、スタッドタイヤ1又はスパイクタイヤ1と呼ばれる。
図3及び図4に示すように、タイヤ1は、接地面2を有するトレッド部3と、ホイール504のリムと接続されるビード部4と、トレッド部3とビード部4との間に配置されるサイド部5とを備える。タイヤ1の走行において、接地面2は路面RSと接触可能である。
タイヤ1は、カーカス6及びインナーライナー7を有する。カーカス6は、タイヤ1の骨格でありタイヤ1の形状を保持する。インナーライナー7は、タイヤ1の内面とホイール504の外周面との間のタイヤ1の内部空間に面するように配置される。カーカス6及びインナーライナー7は、トレッド部3、ビード部4、及びサイド部5に配置される。
ビード部4は、ビードコア11及びビードフィラー12を含む。ビードコア11は、タイヤ1をリムに固定する。ビードコア11は、タイヤ幅方向に関してタイヤ1の赤道面CLの両側に配置される。ビードコア11は、束ねられた複数の高炭素鋼の環状部材を有する。ビードコア11は、中心軸AXを囲むように配置される。ビードフィラー12は、ビード部4の剛性を高める。
トレッド部3は、ベルト14及びトレッドゴム15を含む。ベルト14は、積層された複数のベルト材を有する。ベルト14は、タイヤ径方向に関してカーカス6の外側に配置される。ベルト14は、カーカス6を締め付けてトレッド部3の剛性を高める。トレッドゴム15にトレッドパターンが形成される。トレッドゴム15は、タイヤ径方向に関してカーカス6及びベルト14の外側に配置される。接地面2はトレッドゴム15に配置される。
サイド部5は、サイドゴム16を含む。サイド部5は、タイヤ幅方向に関して赤道面CLの両側に配置される。
カーカス6は、タイヤ幅方向に関して赤道面CLの一方側のビードコア11と他方側のビードコア11との間にトロイダル状に配置される。カーカス6の両端部は、ビードフィラー12を囲むように折り返される。
トレッドゴム15に溝20が形成される。トレッドパターンは、溝20によって形成される。溝20は、タイヤ周方向に延在するように形成される周方向溝である主溝21と、少なくとも一部がタイヤ幅方向に延在するように形成されるラグ溝22とを含む。主溝21及びラグ溝22によりトレッドゴム15が区画されることによって、ブロック23が形成される。接地面2は、ブロック23の表面である。
図3に示すように、タイヤ外径はODである。タイヤリム径はRDである。タイヤ総幅はSWである。トレッド接地幅はWである。トレッド展開幅はTDWである。
タイヤ外径ODとは、規定リムにタイヤ1を装着して、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で、タイヤ1に荷重を加えないときの、タイヤ1の直径をいう。
タイヤリム径RDとは、タイヤ1に適合するホイールのリム径をいう。タイヤリム径RDは、タイヤ内径と等しい。
タイヤ総幅SWとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で、タイヤ1に荷重を加えないときの、タイヤ幅方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。すなわち、タイヤ総幅SWとは、トレッドゴム15の+Y側に配置されたサイド部5の最も+Y側の部位と、−Y側に配置されたサイド部5の最も−Y側の部位との距離をいう。サイド部5の表面にそのサイド部5の表面から突出する構造物が設けられている場合、タイヤ総幅SWとは、その構造物を含むY軸方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。サイド部5の表面から突出する構造物は、サイド部5においてサイドゴム16の少なくとも一部によって形成されたマーク10を含む。なお、構造物は、マーク10とは別の、サイドゴム16の少なくとも一部によって形成された文字、マーク、及び模様でもよい。
トレッド接地幅Wとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに測定されるタイヤ幅方向に関する接地幅の最大値をいう。
トレッド接地領域CGとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに測定されるトレッド部10が平面に接触する領域をいう。トレッド接地領域CGとは、路面RSに接触可能な接地面2のうち、実際に路面RSに接触している領域をいう。
トレッド展開幅TDWとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で、荷重を加えないときの、タイヤ1のトレッド部3の展開図における両端の直線距離をいう。
「正規リム」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、このタイヤが組まれる純正ホイールを用いる。
「正規内圧」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両に表示された空気圧とする。
「正規荷重」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤ1が乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両の車検証記載の前後軸重をそれぞれタイヤの数で除して求めた輪荷重とする。
[スタッドピンの概要]
タイヤ1は、スタッドピン30を備える。スタッドピン30は、トレッド部3のブロック23に配置される。トレッド部3のトレッドゴム15にスタッドピン穴と呼ばれる穴24が形成される。スタッドピン30の少なくとも一部は、トレッド部3に設けられた穴24に配置される。スタッドピン30は、スタッドピン30の少なくとも一部がトレッド部3の接地面2から突出するように穴24の内面に支持される。
穴24は、タイヤ1の製造工程の一つである加硫工程において溝20と一緒に形成されてもよい。加硫工程の後、トレッドゴム15にドリル加工が実施されることによって穴24が形成されてもよい。
図5は、トレッド部3の穴24に配置されたスタッドピン30の一例を示す図である。図6は、スタッドピン30の一例を示す斜視図である。
図5及び図6に示すように、スタッドピン30は、トレッド部3に設けられた穴24に配置されるボトムフランジ部31と、穴24に配置されるボディ34と、ボディ34に支持されるチップ35とを備える。ボディ34は、アッパーフランジ部32及び中間部33を含む。ボトムフランジ部31とボディ34とは単一部材である。
穴24は、底面25を有する。穴24の上端部に開口26が設けられる。開口26の周囲に接地面2が配置される。スタッドピン30が穴24の開口26から穴24の内側に挿入されることにより、スタッドピン30の少なくとも一部が穴24の内側に配置される。少なくともボトムフランジ部31及びボディ34が穴24の内側に配置される。ボトムフランジ部31及びボディ34が穴24の内側に配置された状態で、チップ35は、トレッド部3の接地面2から外側に突出するように配置される。
ボトムフランジ部31は、穴24の底面25と対向する下面31Uと、下面31Uの反対方向を向く上面31Tと、下面31Uの周縁部と上面31Tの周縁部とを結ぶ側面31Cとを有する。
アッパーフランジ部32は、チップ35の周囲に配置される上面32Tと、上面32Tの反対方向を向く下面32Uと、上面32Tの周縁部と下面32Uの周縁部とを結ぶ側面32Cとを有する。
中間部33は、側面33Cを有する。
ボディ34の外面は、上面32T、下面32U、側面32C、及び側面33Cを含む。ボトムフランジ部31の外面は、下面31U、上面31T、及び側面31Cを含む。スタッドピン30の外面は、ボトムフランジ部31の外面、ボディ34の外面、及びチップ35の外面を含む。
ボディ34は、ボトムフランジ部31の上面31Tと接続される。タイヤ径方向に関して、ボディ34は、ボトムフランジ部31の外側に配置される。タイヤ径方向に関して、アッパーフランジ部32は、中間部33の外側に配置される。タイヤ径方向に関して、中間部33は、ボトムフランジ部31とアッパーフランジ部32との間に配置される。
ボディ34の中間部33とボトムフランジ部31とが接続される。中間部33の側面33Cとボトムフランジ部31の上面31Tとが結ばれる。中間部33の側面33Cとアッパーフランジ部32の下面32Uとが結ばれる。中間部33は、下面32Uと上面31Tとの間に配置される。
上面31T、下面31U、上面32T、及び下面32Uはそれぞれ、平坦である。側面33Cと上面31Tとは、実質的に直交する。側面33Cと下面32Uとは、実質的に直交する。なお、下面31Uの少なくとも一部に、凹部が設けられてもよい。
図6に示すように、スタッドピン30は、チップ35を通る中心軸Jの周囲に配置される。中心軸Jと直交する面内において、チップ35は、長手形状である。スタッドピン30は、所謂、長手形スタッドピンである。中心軸Jと直交する面内において、ボトムフランジ部31及びボディ34は、チップ35の長手と平行な方向に長い長手形状を有してもよい。
[トレッド部の概要]
図7及び図8は、タイヤ1のトレッド部3の一例を示す平面図である。図7は、車両500の左側に装着される左タイヤ1Lのトレッド部3の一例を示す平面図である。図8は、車両500の右側に装着される右タイヤ1Rのトレッド部3の一例を示す平面図である。
車両500が前進する場合、左タイヤ1L及び右タイヤ1Rは、図7及び図8の矢印で示す回転方向に回転する。タイヤ周方向は、左タイヤ1L及び右タイヤ1Rの回転方向を示す。タイヤ周方向に関してトレッド部3の所定領域の一端部及び他端部の一方が先着部101であり、他方が後着部102である。先着部101とは、タイヤ1が中心軸AXを中心に回転しながら路面RSを走行する場合において、トレッド部3の所定領域のうち路面RSに先に接触する部分をいう。後着部102とは、タイヤ1が中心軸AXを中心に回転しながら路面RSを走行する場合において、トレッド部3の所定領域のうち路面RSに後に接触する部分をいう。
トレッド部3は、タイヤ幅方向に関してトレッド部3の中心部Cと第1端部T1との間の第1領域H1と、トレッド部3の中心部Cと第1端部T1の反対側の第2端部T2との間の第2領域H2とを有する。
中心部Cは、赤道面CLと交わる。中心部Cは、タイヤ幅方向に関するトレッド接地幅Wの中心部である。第1端部T1及び第2端部T2は、タイヤ幅方向に関するトレッド接地幅Wの端部である。第1端部T1は、タイヤ幅方向に関して中心部Cよりも車両500の外側に配置される。第2端部T2は、タイヤ幅方向に関して中心部Cよりも車両500の内側に配置される。
以下の説明においては、先着部101側を適宜、先着側と称し、後着部102側を適宜、後着側と称する。また、車両500の外側を適宜、車両外側と称し、車両500の内側を適宜、車両内側と称する。また、トレッド部3の中心部C側を適宜、中心部側と称し、トレッド部3の第1端部T1側を適宜、第1端部側と称し、トレッド部3の第2端部T2側を適宜、第2端部側と称する。
第1領域H1は、タイヤ幅方向に関して中心部Cと第1中間部D1との間のセカンド陸部領域B1と、第1中間部D1と第1端部T1との間のショルダー陸部領域B2とを含む。セカンド陸部領域B1は、ショルダー陸部領域B2よりも中心部側に配置され、ショルダー陸部領域B2は、セカンド陸部領域B1よりも第1端部側に配置される。第1領域H1の第1中間部D1は、中心部Cからトレッド部3のトレッド接地幅Wの25[%]の寸法だけ第1端部側に配置された部位である。タイヤ幅方向の中心部Cと第1中間部D1との距離は、0.25Wである。タイヤ幅方向の第1中間部D1と第1端部T1との距離は、0.25Wである。
第2領域H2は、タイヤ幅方向に関して中心部Cと第2中間部D2との間のセカンド陸部領域B1と、第2中間部D2と第2端部T2との間のショルダー陸部領域B2とを含む。セカンド陸部領域B1は、ショルダー陸部領域B2よりも中心部側に配置され、ショルダー陸部領域B2は、セカンド陸部領域B1よりも第2端部側に配置される。第2中間部D2は、中心部Cからトレッド部3のトレッド接地幅Wの25[%]の寸法だけ第2端部側に配置された部位である。タイヤ幅方向の中心部Cと第2中間部D2との距離は、0.25Wである。タイヤ幅方向の第2中間部D2と第2端部T2との距離は、0.25Wである。
トレッド部3は、中心部Cを含むセンター領域8と、タイヤ幅方向に関してセンター領域8の両側に配置されるショルダー領域9とを有する。トレッド部3のセンター領域8は、第1領域H1のセカンド陸部領域B1及び第2領域H2のセカンド陸部領域B1を含む。第1端部側のトレッド部3のショルダー領域9は、第1領域H1のショルダー陸部領域B2を含む。第2端部側のトレッド部3のショルダー領域9は、第2領域H2のショルダー陸部領域B2を含む。
トレッド部3において、主溝21は3本設けられる。3本の主溝21のうち1本の主溝21は、中心部Cに設けられる。ラグ溝22は、隣り合う主溝21を貫くように設けられる。主溝21及びラグ溝22によりトレッドゴム15が区画されることによって、ブロック23が形成される。
ブロック23は、セカンド陸部領域B1及びショルダー陸部領域B2のそれぞれに配置される。セカンド陸部領域B1に設けられるブロック23は、セカンドブロックである。ショルダー陸部領域B2に設けられるブロック23は、ショルダーブロックである。
スタッドピン30は、第1領域H1に複数設けられる。スタッドピン30は、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に複数設けられ、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に複数設けられる。
また、スタッドピン30は、第2領域H2に複数設けられる。スタッドピン30は、第2領域H2のセカンド陸部領域B1に複数設けられ、第2領域H2のショルダー陸部領域B2に複数設けられる。
[チップ]
図9は、中心軸Jと直交する面内におけるチップ35の一例を模式的に示す図である。中心軸Jと直交する面は、トレッド部3の接地面2と実質的に平行である。
図9に示すように、中心軸Jと直交する面内において、チップ35は、所定の方向に長い。以下の説明においては、チップ35の長手と平行な方向を適宜、長手方向と称する。
中心軸Jと直交する面内において、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。
長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とによって、チップ仮想線Ltが規定される。チップ仮想線Ltは、端部41と端部42とを結ぶ。
チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ35の一方の端部41は、対称軸UXの一方側に配置される。チップ35の他方の端部42は、対称軸UXの他方側に配置される。チップ35の一方の端部41及び他方の端部42は、チップ35のエッジ50のうち、チップ仮想線Ltと平行な方向に関して、対称軸UXから最も離れた部位である。
中心軸Jと直交する面内において、チップ35の外形は、長方形である。チップ仮想線Ltは、チップ35の中心を通る。
図10及び図11は、トレッド部3の第1領域H1に設けられるスタッドピン30のチップ35の一例を示す平面図である。図10及び図11は、中心軸Jと直交する面内におけるチップ35の一例を示す。長手形状のチップ35は、トレッド部3の接地面2から外側に突出するように配置される。
図10及び図11に示すように、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30のうち、少なくとも一部のスタッドピン30は、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶチップ仮想線Ltが、中心軸AXと平行な基準仮想線Lrに対して傾斜するように配置される。基準仮想線Lrは、中心軸AXと平行である。
図10に示すスタッドピン30は、チップ仮想線Ltが中心部Cから第1端部T1に向かって基準仮想線Lrとの距離が大きくなるように、トレッド部3の後着側に傾斜する。
図11に示すスタッドピン30は、チップ仮想線Ltが第1端部T1から中心部Cに向かって基準仮想線Lrとの距離が大きくなるように、トレッド部3の後着側に傾斜する。
以下の説明においては、図10に示したような、チップ仮想線Ltが中心部Cから第1端部T1に向かって基準仮想線Lrとの距離が大きくなるようにトレッド部3の後着側に傾斜するチップ35を有するスタッドピン30を適宜、第1スタッドピン301と称する。図11に示したような、チップ仮想線Ltが第1端部T1から中心部Cに向かって基準仮想線Lrとの距離が大きくなるようにトレッド部3の後着側に傾斜するチップ35を有するスタッドピン30を適宜、第2スタッドピン302と称する。
図10に示すように、基準仮想線Lrに対する第1スタッドピン301のチップ仮想線Ltの傾斜角度αは、10[°]以上60[°]以下である。
図11に示すように、基準仮想線Lrに対する第2スタッドピン302のチップ仮想線Ltの傾斜角度βは、10[°]以上60[°]以下である。
なお、傾斜角度αは、20[°]以上40[°]以下でもよい。なお、傾斜角度βは、20[°]以上40[°]以下でもよい。
[トレッド部におけるチップの配置例]
図12は、左タイヤ1Lのトレッド部3に設けられたスタッドピン30のチップ35の一例を模式的に示す図である。図13は、右タイヤ1Rのトレッド部3に設けられたスタッドピン30のチップ35の一例を模式的に示す図である。図12及び図13においては、ブロック23の図示を省略する。図12及び図13において、左タイヤ1L及び右タイヤ1Rは、矢印で示す回転方向に回転する。
図12及び図13に示すように、第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302は、第1領域H1に複数設けられる。第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302は、第1領域H1において、タイヤ周方向に複数設けられるとともに、タイヤ幅方向にも複数設けられる。
第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の少なくとも80[%]の数のスタッドピン30のチップ仮想線Ltが基準仮想線Lrに対して傾斜する。換言すれば、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30のうち、少なくとも80[%]の数のスタッドピン30が、第1スタッドピン301又は第2スタッドピン302である。
本実施形態においては、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の全部が、第1スタッドピン301又は第2スタッドピン302である。すなわち、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の全部のチップ仮想線Ltが基準仮想線Lに対して傾斜する。
第1スタッドピン301は、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の40[%]以上60[%]以下の数だけ設けられる。第2スタッドピン302は、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数から第1スタッドピン301の数を減じた数だけ設けられる。
本実施形態においては、第1スタッドピン301は、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の50[%]の数だけ設けられる。第2スタッドピン302は、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数から第1スタッドピン301の数を減じた数だけ設けられる。すなわち、第1領域H1に設けられる第1スタッドピン301の数と第2スタッドピン302の数とは等しい。
第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302は、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に複数設けられるとともに、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に複数設けられる。
第1スタッドピン301と第2スタッドピン302とは、タイヤ周方向に交互に設けられる。第1スタッドピン301と第2スタッドピン302とは、第1領域H1のセカンド陸部領域B1において、タイヤ周方向に交互に設けられる。また、第1スタッドピン301と第2スタッドピン302とは、第1領域H1のショルダー陸部領域B2において、タイヤ周方向に交互に設けられる。
以下の説明においては、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられる第1スタッドピン301のチップ35のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度αを適宜、傾斜角度α1と称し、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられる第1スタッドピン301のチップ35のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度αを適宜、傾斜角度α2と称する。
また、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられる第2スタッドピン302のチップ35のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度βを適宜、傾斜角度β1と称し、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられる第2スタッドピン302のチップ35のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度βを適宜、傾斜角度β2と称する。
傾斜角度α1は、傾斜角度α2よりも小さい。傾斜角度β1は、傾斜角度β2よりも小さい。すなわち、α1<α2、及び、β1<β2、の関係が成立する。
傾斜角度α1と傾斜角度α2との差は、10[°]以上である。傾斜角度β1と傾斜角度β2との差は、10[°]以上である。本実施形態においては、傾斜角度α1と傾斜角度α2との差は、20[°]以上30[°]以下に定められている。傾斜角度β1と傾斜角度β2との差は、20[°]以上30[°]以下に定められている。
第1領域H1に設けられる複数の第1スタッドピン301の傾斜角度αがそれぞれ異なってもよい。例えば、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられる第1スタッドピン301aの傾斜角度α1aが30[°]であり、その第1スタッドピン301aに対してタイヤ周方向の異なる位置に設けられている第1スタッドピン301bの傾斜角度α1bが45[°]でもよい。また、第1の傾斜角度α1mの第1スタッドピン301mと、第1の傾斜角度α1mとは異なる第2の傾斜角度α1nの第1スタッドピン301nとが、セカンド陸部領域B1においてタイヤ周方向に交互に設けられてもよい。
同様に、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられる第1スタッドピン301cの傾斜角度α1cと、第1スタッドピン301cに対してタイヤ周方向の異なる位置に設けられている第1スタッドピン301dの傾斜角度α1dとが異なってもよいし、第3の傾斜角度α1pの第1スタッドピン301pと、第3の傾斜角度α1pとは異なる第4の傾斜角度α1qの第1スタッドピン301qとが、ショルダー陸部領域B2においてタイヤ周方向に交互に設けられてもよい。
第1領域H1に設けられる複数の第2スタッドピン302の傾斜角度βがそれぞれ異なってもよい。例えば、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられる第2スタッドピン302aの傾斜角度α2aが30[°]であり、その第2スタッドピン302aに対してタイヤ周方向の異なる位置に設けられている第2スタッドピン302bの傾斜角度α2bが45[°]でもよい。また、第5の傾斜角度α2mの第2スタッドピン302mと、第5の傾斜角度α2mとは異なる第6の傾斜角度α2nの第2スタッドピン302nとが、セカンド陸部領域B1においてタイヤ周方向に交互に設けられてもよい。
同様に、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられる第2スタッドピン302cの傾斜角度α2cと、第2スタッドピン302cに対してタイヤ周方向の異なる位置に設けられている第2スタッドピン302dの傾斜角度α2dとが異なってもよいし、第7の傾斜角度α2pの第2スタッドピン302pと、第7の傾斜角度α2pとは異なる第8の傾斜角度α2qの第2スタッドピン302qとが、ショルダー陸部領域B2においてタイヤ周方向に交互に設けられてもよい。
図12及び図13に示すように、スタッドピン30は、第2領域H2にも複数設けられる。スタッドピン30は、第2領域H2において、タイヤ周方向に複数設けられるとともに、タイヤ幅方向にも複数設けられる。
スタッドピン30は、第2領域H2のセカンド陸部領域B1において、タイヤ周方向に複数設けられる。また、スタッドピン30は、第2領域H2のショルダー陸部領域B2において、タイヤ周方向に複数設けられる。
第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltは、基準仮想線Lrと平行である。すなわち、第2領域H2においては、スタッドピン30のチップ仮想線Ltは基準仮想線Lrに対して傾斜していない。
なお、第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltが基準仮想線Lrに対して僅かに傾斜してもよい。第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度が、第1領域H1に設けられる第1スタッドピン301のチップ仮想線Ltの傾斜角度α及び第2スタッドピン302のチップ仮想線Ltの傾斜角度βよりも小さければよい。
例えば、第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltが中心部Cから第2端部T2に向かって基準仮想線Lrとの距離が大きくなるようにトレッド部3の後着側に傾斜する場合において、その傾斜角度γが0[°]以上5[°]以下でもよい。第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltが第2端部T2から中心部Cに向かって基準仮想線Lrとの距離が大きくなるようにトレッド部3の後着側に傾斜する場合において、その傾斜角度δが0[°]以上5[°]以下でもよい。
本実施形態において、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30の数と、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30の数とは、等しい。第2領域H2のセカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30の数と、第2領域H2のショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30の数とは、等しい。
本実施形態において、第1領域H1に設けられるスタッドピン30の数と、第2領域H2に設けられるスタッドピン30の数とは、等しい。
図14は、第1領域H1に設けられる第1スタッドピン301のチップ35の一例を模式的に示す拡大図である。
チップ35のエッジ50は、複数の角部及び角部を介して結ばれる複数の線部を含む。本実施形態において、チップ35は、長方形状である。チップ35のエッジ50は、4つの角部と、4つの線部(直線部)とを含む。隣り合う2つの線部は、1つの角部を介して結ばれる。
本実施形態において、チップ35のエッジ50は、平行に配置される2つの第1線部51と、平行に配置される2つの第2線部52とを含む。第1線部51は、直線状である。第2線部52は、直線状である。
第1線部51は、チップ35の複数の線部のうち最も長い最長線部である。第1線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。
第2線部52は、第1線部51よりも短い。第2線部52は、角部を介して第1線部51と結ばれる。
チップ35のエッジ50は、複数(4つ)の角部を有する。以下の説明においては、複数の角部のうち最も先着側に配置される角部を適宜、先端角部53と称する。
また、以下の説明において、第1線部51を適宜、最長線部51と称し、第2線部52を適宜、短線部52と称する。
短線部52は、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる。
最長線部51は、中心部側から第1端部側に向かって後着側に傾斜する。短線部52は、第1端部側から中心部側に向かって後着側に傾斜する。
基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも大きい。
図15は、第1領域H1に設けられる第2スタッドピン302のチップ35の一例を模式的に示す拡大図である。
第1スタッドピン301と同様、第2スタッドピン302のチップ35のエッジ50は、平行に配置される2つの最長線部51と、平行に配置される2つの短線部52と、最も先着側に配置される先端角部53とを含む。短線部52は、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる。最長線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。
最長線部51は、第1端部側から中心部側に向かって後着側に傾斜する。短線部52は、中心部側から第1端部側に向かって後着側に傾斜する。
基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部の傾斜角度ζよりも大きい。
[トレッド接地領域におけるスタッドピンの配置例]
次に、図16を参照してトレッド接地領域CGとスタッドピン30の配置密度との関係について説明する。図16は、左タイヤ1Lのトレッド部3のトレッド接地領域CGにおけるスタッドピンの配置の一例を示す模式図である。トレッド接地領域CGは、路面RSに接触可能な接地面2のうち、実際に路面RSに接触している領域である。
本実施形態においては、路面RSと接触した第1領域H1のトレッド接地領域CGに第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が少なくとも1つずつ配置されるように、第1領域H1における第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302の配置密度が定められている。
また、本実施形態においては、第1領域H1のトレッド接地領域CGにおいてスタッドピン30が3本以上8本以下配置され、第1領域H1のトレッド接地領域CGにおける第1スタッドピン301の数と第2スタッドピン302の数との差が2本以下になるように、第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が第1領域H1に設けられている。
図16に示す例では、第1領域H1のトレッド接地領域CGにおいて5本のスタッドピン30が同時に配置される。第1スタッドピン301は、第1領域H1のトレッド接地領域CGに3本配置される。第2スタッドピン302は、第1領域H1のトレッド接地領域CGに2本配置される。第1領域H1のトレッド接地領域CGにおける第1スタッドピン301の数と第2スタッドピン302の数との差は1本である。
以上、左タイヤ1Lのトレッド接地領域CGにおけるチップ35の配置について説明した。右タイヤ1Rのトレッド接地領域CGにおけるチップ35の配置についても同様であるため、説明を省略する。
[第1領域におけるスタッドピン間の距離]
次に、図17を参照して第1領域H1におけるスタッドピン30間の距離について説明する。図17は、第1領域H1の一部を拡大した図である。図17に示すように、第1領域H1のセカンド陸部領域B1及びショルダー陸部領域B2のそれぞれにスタッドピン30が設けられる。
第1領域H1のセカンド陸部領域B1において、第1スタッドピン301Sと第2スタッドピン302Sとがタイヤ周方向に関して隣り合うように配置される。タイヤ周方向に関して、第1スタッドピン301Sと第2スタッドピン302Sとの間には、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられたスタッドピン30Xが配置される。
ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xとセカンド陸部領域B1の第1スタッドピン301Sとの距離L1と、ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xとセカンド陸部領域B1の第2スタッドピン302Sとの距離L2とは異なる。図17に示す例では、距離L1は距離L2よりも短い。
セカンド陸部領域B1に設けられている第1スタッドピン301Sとの距離L1及びセカンド陸部領域B1に設けられている第2スタッドピン302Sとの距離L2に基づいて、ショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30Xの傾斜方向が決定される。
図17に示す例では、スタッドピン30Xとの距離が短い第1スタッドピン301Sのチップ仮想線Ltの傾斜方向と異なるように、ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xのチップ仮想線Ltの傾斜方向が決定される。すなわち、スタッドピン30Xは、第2スタッドピン302Xとなる。
一方、距離L2が距離L1よりも短い場合には、スタッドピン30Xのチップ仮想線Ltの傾斜方向は、第2スタッドピン302Sのチップ仮想線Ltの傾斜方向と異なるように決定される。この場合、スタッドピン30Xは、第1スタッドピン301Xとなる。
すなわち、ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xは、そのスタッドピン30Xとの距離が最も短い位置に配置されるセカンド陸部領域B1のスタッドピン30の傾斜方向とは逆方向に傾斜するように配置される。
以上、セカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30の傾斜方向を基準として、ショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30の傾斜方向を決定する場合について説明した。もちろん、ショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30の傾斜方向を基準として、セカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30の傾斜方向を決定してもよい。すなわち、セカンド陸部領域B1のスタッドピン30Yのチップ仮想線Ltの傾斜方向が、そのスタッドピン30Yとの距離が最も短い位置に配置されるショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Zの傾斜方向とは逆方向に傾斜するように決定されてもよい。
[作用及び効果]
図18及び図19は、タイヤ1の作用を説明するための模式図である。図18に示すように、車両500が左旋回するように操舵装置506により走行装置501が操舵されたとき、走行する車両500の慣性力により、トレッド部3は、図18の矢印で示す、操舵前の車両500の進行方向と平行な方向である滑り方向に滑ってしまう可能性がある。同様に、図19に示すように、車両500が右旋回するように操舵装置506により走行装置501が操舵されたとき、走行する車両500の慣性力により、トレッド部3は、図19の矢印で示す、操舵前の車両500の進行方向と平行な方向である滑り方向に滑ってしまう可能性がある。
本実施形態によれば、車両500の外側に配置されるトレッド部3の第1領域H1に、基準仮想線Lrに対して傾斜するチップ仮想線Ltを有する第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が設けられるので、機械的破壊効果が向上し、滑り方向に関するチップ35の最長線部51のエッジ効果及び氷路面に対するチップ35の接触面積の増大が図られる。そのため、タイヤ1が滑り方向に滑ってしまうことが抑制され、氷路面におけるタイヤ1の旋回性能の低下が抑制される。
基準仮想線Lrに対して一方向に傾斜する第1スタッドピン301は、左旋回時においてタイヤ1が滑り方向に滑ることを抑制する。第1スタッドピン301とは逆方向に傾斜する第2スタッドピン302は、右旋回時においてタイヤ1が滑り方向に滑ることを抑制する。傾斜方向が異なる第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302の両方が設けられることにより、右旋回時及び左旋回時のそれぞれにおいてタイヤ1が滑り方向に滑ることが抑制されるので、右旋回時及び左旋回時それぞれのタイヤ1の操縦安定性は向上する。
また、傾斜方向が異なる第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302の両方がトレッド部3の第1領域H1に設けられるので、車両500に対するタイヤ1の装着位置を入れ替える作業であるローテーションを行った場合でも、氷路面におけるタイヤ1の旋回性能の低下は抑制される。
また、本実施形態においては、基準仮想線Lrに対する第1スタッドピン301のチップ仮想線Ltの傾斜角度αは、10[°]以上60[°]以下であり、基準仮想線Lrに対する第2スタッドピン302のチップ仮想線Ltの傾斜角度βは、10[°]以上60[°]以下である。傾斜角度α及び傾斜角度βが60[°]よりも大きいと、氷路面に対すタイヤ周方向のチップ35のエッジ効果及び接触面積が小さくなる。その結果、氷路面における制動性能が低下する可能性がある。傾斜角度α及び傾斜角度βが10[°]よりも小さいと、氷路面に対するタイヤ幅方向のチップ35のエッジ効果及び接触面積が小さくなる。その結果、氷路面における旋回性能が低下する可能性がある。傾斜角度α及び傾斜角度βが10[°]以上60[°]以下の場合、氷路面におけるタイヤ1の制動性能及び旋回性能の両立が図られる。
また、複数の第1スタッドピン301の傾斜角度αをそれぞれ異ならせ、複数の第2スタッドピン302の傾斜角度βをそれぞれ異ならせて、第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302のそれぞれを様々な傾斜角度で配置することにより、様々な操舵角において旋回性能の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、第1スタッドピン301と第2スタッドピン302とは、タイヤ周方向に交互に設けられる。傾斜方向が異なる第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302がタイヤ周方向に交互に設けられることにより、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となる。これにより、タイヤ1の操縦安定性の向上が図られる。
また、本実施形態においては、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の少なくとも80[%]の数のスタッドピン30のチップ仮想線Ltが基準仮想線Lrに対して傾斜する。基準仮想線Lrに対して傾斜するスタッドピン30の数が80[%]よりも少ないと、十分なエッジ効果が得られず、タイヤ1が滑り方向に滑ってしまう可能性がある。第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の少なくとも80[%]の数のスタッドピン30が傾斜して配置されることにより、タイヤ1の旋回性能の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の全部が基準仮想線Lrに対して傾斜し、第1スタッドピン301は、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の40[%]以上60[%]以下の数だけ設けられ、第2スタッドピン302は、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数から第1スタッドピン301の数を減じた数だけ設けられる。このように第1スタッドピン301の数及び第2スタッドピン302の数を規定することにより、第1スタッドピン301と第2スタッドピン302とはほぼ同数となる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、タイヤ1の操縦安定性の向上が図られる。
また、本実施形態においては、路面RSと接触した第1領域H1のトレッド接地領域CGに第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が少なくとも1つずつ配置されるように、スタッドピン30が第1領域H1に設けられる。これにより、タイヤ1の走行において第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302の両方が常に路面RSに接触することとなる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、タイヤ1の操縦安定性の向上が図られる。
また、本実施形態においては、トレッド接地領域CGにおいてスタッドピン30が3本以上8本以下配置され、トレッド接地領域CGにおける第1スタッドピン301の数と第2スタッドピン302の数との差が2本以下になるように、スタッドピン30が第1領域H1に設けられる。これにより、タイヤ1の走行においてほぼ同数の第1スタッドピン301及び第2スタッドピン301が常に路面RSに接触することとなる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、タイヤ1の操縦安定性の向上が図られる。
また、本実施形態においては、第1領域H1は、中心部側に配置されるセカンド陸部領域B1と、第1端部側に配置されるショルダー陸部領域B2とを含み、第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302は、セカンド陸部領域B1及びショルダー陸部領域B2のそれぞれに設けられる。これにより、氷路面におけるタイヤ1の制動性能及び旋回性能の両立が図られる。また、右旋回時の旋回性能及び左旋回時の旋回性能の両方の安定化が図られる。
また、本実施形態においては、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられる第1スタッドピン301のチップ仮想線Ltの傾斜角度α1は、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられる第1スタッドピン301のチップ仮想線Ltの傾斜角度α2よりも小さく、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられる第2スタッドピン302のチップ仮想線Ltの傾斜角度β1は、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられる第2スタッドピン302のチップ仮想線Ltの傾斜角度β2よりも小さい。タイヤ幅方向の中心部Cに近いトレッド部3のセカンド陸部領域B1に、小さい傾斜角度α1及び傾斜角度β1で第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が設けられることにより、タイヤ1の制動性能の向上が図られる。タイヤ幅方向の第1端部T1に近いトレッド部3のショルダー陸部領域B2に、大きい傾斜角度α2及び傾斜角度β2で第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が設けられることにより、タイヤ1の旋回性能の向上が図られる。
また、本実施形態においては、傾斜角度α1と傾斜角度α2との差は、10[°]以上であり、傾斜角度β1と傾斜角度β2との差は、10[°]以上である。傾斜角度α1と傾斜角度α2との差が10[°]よりも小さい場合、セカンド陸部領域B1に配置される第1スタッドピン301とショルダー陸部領域B2に配置される第1スタッドピン301とはほぼ同じ方向を向くことになる。その場合、エッジ効果が分散されない。傾斜角度α1と傾斜角度α2との差を10[°]以上とすることにより、セカンド陸部領域B1に配置される第1スタッドピン301とショルダー陸部領域B2に配置される第1スタッドピン301とは異なる方向を向くことになる。これにより、エッジ効果が偏ることが抑制されるので、氷路面におけるタイヤ1の旋回性能の向上が図られる。同様に、傾斜角度β1と傾斜角度β2との差を10[°]以上とすることにより、セカンド陸部領域B1に配置される第2スタッドピン302とショルダー陸部領域B2に配置される第2スタッドピン302とは異なる方向を向くことになるので、氷路面におけるタイヤ1の旋回性能の向上が図られる。
また、本実施形態においては、第1スタッドピン301と第2スタッドピン302とは、セカンド陸部領域B1及びショルダー陸部領域B2のそれぞれにおいて、タイヤ周方向に交互に設けられる。これにより、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、タイヤ1の操縦安定性の向上が図られる。
また、本実施形態においては、タイヤ周方向に関して、セカンド陸部領域B1において隣り合う第1スタッドピン301Sと第2スタッドピン302Sとの間にショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xが設けられ、ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xとセカンド陸部領域B1の第1スタッドピン301との距離L1と、ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xとセカンド陸部領域B1の第2スタッドピン302Sとの距離L2とは、異なり、ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xのチップ仮想線Ltの傾斜方向は、ショルダー陸部領域B2のスタッドピン30Xとの距離が短いセカンド陸部領域B1の第1スタッドピン301S及び第2スタッドピン302Sのいずれか一方の傾斜方向と異なるように決定される。距離L1が距離L2よりも短い場合、スタッドピン30Xは、第2スタッドピン302Xとなり、距離L1が距離L2よりも長い場合、スタッドピン30Xは、第1スタッドピン301Xとなる。これにより、傾斜方向が異なる第1スタッドピン301S及び第2スタッドピン302Xがほぼ同時に路面RSに接触することとなる。そのため、右旋回時の旋回性能と左旋回時の旋回性能とは同等となり、タイヤ1の操縦安定性の向上が図られる。
また、本実施形態においては、スタッドピン30は、第2領域H2にも複数設けられ、第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度γ及び傾斜角度δは、第1領域H1に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度α及び傾斜角度βよりも小さい。トレッド部3の車両外側の第1領域H1のみならず車両内側の第2領域H2にもスタッドピン30が設けられ、そのスタッドピン30のチップ仮想線Ltの傾斜角度γ及び傾斜角度δが小さいので、タイヤ周方向に関するエッジ効果及び氷路面に対するチップの接触面積の増大が図られる。そのため、氷路面におけるタイヤ1の制動性能の向上が図られる。
また、第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Ltを基準仮想線Lrと平行とし、第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線30の傾斜角度γ及び傾斜角度δを0[°]とすることで、氷路面におけるタイヤ1の制動性能のより一層の向上が図られる。
また、本実施形態においては、第1領域H1に設けられるスタッドピン30の総数と、第2領域H2に設けられるスタッドピン30の総数とは等しい。車両外側に配置されるスタッドピン30と車両内側に配置されるスタッドピン30とが同数となることにより、タイヤ1の制動性能及び旋回性能との両立が図られる。
また、本実施形態においては、チップ35のエッジ50は、複数の角部のうち最もトレッド部3の先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる短線部52とを含み、最長線部51は、中心部C及び第1端部T1の一方から他方に向かって後着側に傾斜し、短線部52は、中心部C及び第1端部T1の他方から一方に向かって後着側に傾斜する。最長線部51及び短線部52の両方が傾斜して配置されることにより、タイヤ1の旋回性能の更なる向上が図られる。
また、本実施形態においては、基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも大きい。最長線部51の傾斜角度εが短線部52の傾斜角度ζよりも大きいので、タイヤ1の旋回性能の向上が図られる。
なお、本実施形態においては、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の全部が、第1スタッドピン301又は第2スタッドピン302であることとした。第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の20[%]の数のスタッドピン30のチップ仮想線Ltが基準仮想線Lrと平行でもよい。換言すれば、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30のうち20[%]の数のスタッドピン30が第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302でなくてもよい。
なお、本実施形態において、傾斜角度εは傾斜角度ζと等しくてもよいし、傾斜角度ζよりも小さくてもよい。
なお、本実施形態において、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30(第1スタッドピン301又は第2スタッドピン302)のチップ35の最長線部51の傾斜角度εが、そのチップ35の短線部52の傾斜角度ζよりも大きく、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30(第1スタッドピン301又は第2スタッドピン302)のチップ35の最長線部51の傾斜角度εが、そのチップ35の短線部52の傾斜角度ζよりも小さくてもよい。
なお、本実施形態において、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30(第1スタッドピン301又は第2スタッドピン302)のチップ35の最長線部51の傾斜角度εが、そのチップ35の短線部52の傾斜角度ζと等しく、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30(第1スタッドピン301又は第2スタッドピン302)のチップ35の最長線部51の傾斜角度εが、そのチップ35の短線部52の傾斜角度ζよりも小さくてもよい。
[スタッドピンの数の変形例]
上述の実施形態においては、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30の数と、第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30の数とは、等しいこととした。第1領域H1のショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30の数が、第1領域H1のセカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30の数よりも多くてもよい。ショルダー陸部領域B2に設けられるスタッドピン30の数を、セカンド陸部領域B1に設けられるスタッドピン30の数よりも多くすることにより、氷路面におけるタイヤ1の旋回性能は向上する。
[トレッド部の変形例1]
上述の実施形態においては、スタッドピン30が主溝21及びラグ溝22によって区画されたブロック23に設けられることとした。図20に示す左タイヤ1Lのように、タイヤ周方向に延在する複数のリブ27がトレッド部3に設けられ、そのリブ27にスタッドピン30が設けられてもよい。リブ27は、複数の主溝21によって規定される。リブ27は、セカンド陸部領域B1及びショルダー陸部領域B2のそれぞれに配置される。セカンド陸部領域B1に設けられるリブ27は、セカンドリブである。ショルダー陸部領域B2に設けられるリブ27は、ショルダーリブである。なお、タイヤ幅方向に関してセカンドリブ27の両側に主溝21が設けられている場合、一方の主溝21と他方の主溝21とを貫通しないラグ溝22がセカンドリブ27に設けられてもよい。また、第1端部T1又は第2端部T2と主溝21とを貫通しないラグ溝22がショルダーリブ27に設けられてもよい。
以上、左タイヤ1Lについて説明した。右タイヤ1Rについても同様である。
[トレッド部の変形例2]
上述の実施形態においては、主溝21が3本設けられることとした。図21に示すように、主溝21が4本設けられてもよい。図21に示す左タイヤ1Lにおいて、ブロック23は、中心部Cに設けられるセンターブロック23Cと、タイヤ幅方向に関してセンターブロック23Cの両側に設けられるセカンドブロック23Bと、赤道面CLに対してセカンドブロック23Bよりもタイヤ幅方向の外側に設けられるショルダーブロック23Aとを含む。
センターブロック23C及びセカンドブロック23Bは、セカンド陸部領域B1に配置される。ショルダーブロック23Aは、ショルダー陸部領域B2に配置される。
第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302は、第1領域H1のセカンドブロック23B及びショルダーブロック23Aに設けられ、センターブロック23Cには設けられない。
なお、主溝21を4本有する左タイヤ1Lが、中心部Cに設けられるセンターリブ27Cと、タイヤ幅方向に関してセンターリブ27Cの両側に設けられるセカンドリブ27Bと、赤道面CLに対してセカンドリブ27Bよりもタイヤ幅方向の外側に設けられるショルダーリブ27Aとを有してもよい。第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302は、第1領域H1のセカンドリブ27B及びショルダーリブ27Aに設けられ、センターリブ27Cには設けられなくてもよい。
以上、左タイヤ1Lについて説明した。右タイヤ1Rについても同様である。
[チップの変形例1]
図22は、第1スタッドピン301のチップ35の変形例を模式的に示す図である。図22に示すように、チップ35の外形は、五角形でもよい。図22に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶ。端部41及び端部42のそれぞれは、チップ35のエッジ50のうちチップ仮想線Ltと平行な方向に関して対称軸UXから最も離れた部位である。第1スタッドピン301は、チップ仮想線Ltが中心軸AXと平行な基準仮想線Lrに対して傾斜するように配置される。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
チップ35のエッジ50は、5つの角部と、角部を介して結ばれる5つの線部とを含む。複数の線部のうち最も長い最長線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。チップ35のエッジ50は、5つの角部のうち最も先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる短線部52とを含む。最長線部51は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。短線部52は、第1端部側から中心部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも大きい。
図23は、図22に示したチップ35の配置角度の変形例を示す図である。図23に示すように、最長線部51が、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜し、短線部52が、基準仮想線Lrと平行でもよい。
最長線部51が傾斜し、短線部52は傾斜しないので、氷路面におけるタイヤ1の制動性能及び旋回性能の両立を図ることができる。
[チップの変形例2]
図24は、第1スタッドピン301のチップ35の変形例を模式的に示す図である。図24に示すように、チップ35の外形は、六角形でもよい。図24に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
チップ35のエッジ50は、6つの角部と、角部を介して結ばれる6つの線部とを含む。複数の線部のうち最も長い最長線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。チップ35のエッジ50は、6つの角部のうち最も先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる短線部52とを含む。最長線部51は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。短線部52は、第1端部側から中心部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも大きい。
なお、図25に示すように、最長線部51が、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜し、短線部52が、基準仮想線Lrと平行でもよい。
[チップの変形例3]
図26は、第1スタッドピン301のチップ35の変形例を模式的に示す図である。図26に示すように、チップ35の外形は、八角形でもよい。図26に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶ。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
チップ35のエッジ50は、8つの角部と、角部を介して結ばれる8つの線部とを含む。複数の線部のうち最も長い最長線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。チップ35のエッジ50は、8つの角部のうち最も先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる短線部52とを含む。最長線部51は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。短線部52は、第1端部側から中心部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも大きい。
なお、図27に示すように、図27に示すように、最長線部51が、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜し、短線部52が、基準仮想線Lrと平行でもよい。
[チップの変形例4]
図28は、第1スタッドピン301のチップ35の変形例を模式的に示す図である。図28に示すように、チップ35の外形は、四角形(菱形)でもよい。図28に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶ。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
チップ35のエッジ50は、4つの角部と、角部を介して結ばれる4つの線部とを含む。本実施形態において、4つの線部の長さは等しい。4つの線部の全てを、最長線部51とみなすことができる。4つの線部の全てを、短線部52とみなすことができる。
チップ35のエッジ50は、複数の角部のうち最も先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して線部(最長線部)51と結ばれる線部(短線部)52とを含む。線部51は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。線部52は、第1端部側から中心部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。基準仮想線Lrに対する線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する線部52の傾斜角度ζよりも大きい。
なお、図29に示すように、線部51が、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜し、線部52が、基準仮想線Lrと平行でもよい。
[チップの変形例5]
図30は、第1スタッドピン301のチップ35の変形例を模式的に示す図である。図30に示すように、チップ35の外形は、四角形(台形)でもよい。図30に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶ。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
チップ35のエッジ50は、4つの角部と、角部を介して結ばれる4つの線部とを含む。複数の線部のうち最も長い最長線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。チップ35のエッジ50は、4つの角部のうち最も先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる短線部52とを含む。最長線部51は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。短線部52は、第1端部側から中心部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも小さい。
[チップの変形例6]
図31は、第1スタッドピン301のチップ35の変形例を模式的に示す図である。図31に示すように、チップ35の外形は、三角形でもよい。図31に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶ。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
チップ35のエッジ50は、3つの角部と、角部を介して結ばれる3つの線部とを含む。複数の線部のうち最も長い最長線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。チップ35のエッジ50は、3つの角部のうち最も先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる短線部52とを含む。最長線部51は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。短線部52は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも小さい。
[チップの変形例7]
図32は、第1スタッドピン301のチップ35の一例を模式的に示す図である。図32に示すように、チップ35の外形は、楕円形でもよい。図32に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶ。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
[チップの変形例8]
図33は、第1スタッドピン301のチップ35の変形例を模式的に示す図である。図33に示すように、チップ35の外形は、凹部を含んでもよい。図33に示すチップ35の外形は、11個の角部を有する。図33に示すように、チップ35の外形は、対称軸UXに対して線対称である。チップ仮想線Ltは、対称軸UXと直交する。チップ仮想線Ltは、チップ35の長手方向に関してチップ35の一方の端部41と他方の端部42とを結ぶ。チップ仮想線Ltは、中心部側から第1端部側に向かって傾斜角度αでトレッド部3の後着側に傾斜する。
チップ35のエッジ50は、複数(11)の角部と、角部を介して結ばれる複数(11)の線部とを含む。複数の線部のうち最も長い最長線部51は、チップ仮想線Ltと平行である。チップ35のエッジ50は、複数の角部のうち最も先着側に配置される先端角部53と、先端角部53を介して最長線部51と結ばれる短線部52とを含む。最長線部51は、中心部側から第1端部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。短線部52は、第1端部側から中心部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜する。基準仮想線Lrに対する最長線部51の傾斜角度εは、基準仮想線Lrに対する短線部52の傾斜角度ζよりも小さい。
以上、図22から図33を参照して、第1スタッドピン301のチップ35の変形例について説明した。第2スタッドピン302も、図22から図33を参照して説明した形状のチップ35を有することができる。第2スタッドピン302においては、チップ仮想線Ltが第1端部側から中心部側に向かってトレッド部3の後着側に傾斜することとなる。
[実施例]
本実施形態に係るタイヤ1について実施した評価試験について説明する。氷路面におけるタイヤ1の氷上旋回性能(氷上操縦安定性能)の評価試験を実施した。
評価試験においては、スタッドピン30を備えるタイヤ1をJATMA規定の適用リムに装着し、JATMA規定の最高空気圧及び最大負荷能力を付与した。そのタイヤ1が装着された試験車両を氷路面で走行させることによって氷上旋回性能を評価した。なお、タイヤ1のサイズは205/55R16である。試験車両は、排気量2000[cc]の前輪駆動車両である。
氷上旋回性能の評価試験では、ドライバーによるラップタイムを計測し、その計測結果に基づいて、従来例を基準(100)とした指数評価を行った。数値が大きいほど氷上操縦安定性能が高い。
(評価試験1:傾斜角度α及び傾斜角度βと氷上旋回性能との関係)
トレッド部3の第1領域H1に設けられる第1スタッドピン301の傾斜角度α及び第2スタッドピン302の傾斜角度βが0[°]、5[°]、10[°]、30[°]、60[°]、70[°]であるタイヤ1を用意し、それぞれのタイヤ1について評価試験を行った。トレッド部3の第2領域H2に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Lrの傾斜角度γ及び傾斜角度δは、0[°]であることとした。従来例の傾斜角度α、傾斜角度β、傾斜角度γ、及び傾斜角度δは、0[°]である。
図34は、傾斜角度α及び傾斜角度βと氷上旋回性能との関係の試験結果を示す。
図34に示すように、傾斜角度α及び傾斜角度βを、10[°]以上60[°]以下にすることによって、氷上旋回性能が向上することが確認できた。
(評価試験2:チップ仮想線が傾斜するスタッドピンの数と氷上旋回性能との関係)
トレッド部3の第1領域H1に設けられるスタッドピン30の総数に対してチップ仮想線Ltが傾斜するスタッドピン30の数の割合が0[%]、30[%]、80[%]であるタイヤ1を用意し、それぞれのタイヤ1について評価試験を行った。
図35は、チップ仮想線Ltが傾斜配置されるスタッドピン30の割合と氷上旋回性能の関係の試験結果を示す。
図35に示すように、傾斜配置されるスタッドピン30の割合を80[%]とすることで、氷上旋回性能が向上することが確認できた。
(評価試験3:第1スタッドピン及び第2スタッドピンの割合と氷上旋回性能との関係)
トレッド部3の第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数のうち、第1スタッドピン301が占める割合が0[%]、10[%]、40[%]、50[%]であり、第2スタッドピン302が占める割合がその残余であるタイヤ1を用意し、それぞれのタイヤ1について評価試験を行った。
図36は、第1領域H1に配置されるスタッドピン30の総数に対する第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が占める割合と氷上旋回性能の関係の試験結果を示す。
図36に示すように、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数の40[%]以上60[%]以下の数だけ第1スタッドピン301を設け、第1領域H1に設けられる複数のスタッドピン30の総数から第1スタッドピン301の数を減じた数だけ第2スタッドピン302を設けることによって、氷上旋回性能が向上することが確認できた。
(評価試験4:トレッド接地領域における第1スタッドピン及び第2スタッドピンの数と氷上旋回性能との関係)
トレッド接地領域CGにおける第1スタッドピン301の数と第2スタッドピン302の数との和が2[本]、3[本]、8[本]、9[本]であり、第1スタッドピン301の数と第2スタッドピン302の数との差が2[本]以下及び2[本]よりも多いタイヤ1を用意し、それぞれのタイヤ1について評価試験を行った。
図37は、トレッド接地領域CGにおける第1スタッドピン及び第2スタッドピンの数と氷上旋回性能との関係を示す。
図37に示すように、トレッド接地領域CGに第1スタッドピン301及び第2スタッドピン302が少なくとも1本ずつ配置されることにより、氷上旋回性能が向上することが確認できた。また、トレッド接地領域CGにおける第1スタッドピンの数と第2スタッドピンの数との和を3[本]以上とし、トレッド接地領域CGにおける第1スタッドピンの数と第2スタッドピンの数との差を2[本]以下とすることにより、氷上旋回性能がより一層向上することが確認できた。なお、第1スタッドピンの数と第2スタッドピンの数との和を9[本]以上としても氷上旋回性能の向上は認められるが、飛躍的な向上は認められなかった。乗り心地及びタイヤ1の製造コストを考慮して、トレッド接地領域CGにおける第1スタッドピンの数と第2スタッドピンの数との和は多くても8[本]でよい。
(評価試験5:第2領域のスタッドピンの傾斜角度と氷上制動性能との関係)
第2領域H2におけるスタッドピン30のチップ仮想線Ltの基準仮想線Lrに対する傾斜角度γ及び傾斜角度δが0[°]、5[°]、15[°]、30[°]であるタイヤ1を用意し、それぞれのタイヤ1について氷上制動性能の評価試験を行った。トレッド部3の第1領域H1に設けられるスタッドピン30のチップ仮想線Lrの傾斜角度α及び傾斜角度βは、30[°]であることとした。従来例の傾斜角度α、傾斜角度β、傾斜角度γ、及び傾斜角度δは、0[°]である。
氷上制動性能の評価試験では、時速40[km/h]から時速5[km/h]まで減速するのに要する距離を計測し、その計測結果に基づいて、従来例を基準(100)とした指数評価を行った。数値が大きいほど氷上制動性能が高い。
図38は、傾斜角度γ及び傾斜角度δと氷上制動性能との関係の試験結果を示す。
図38に示すように、傾斜角度γ及び傾斜角度δを、5[°]以下にすることによって、良好な氷上制動性能を維持できることが確認できた。また、傾斜角度γ及び傾斜角度δを15[°]、30[°]のように大きくすることによって、氷上制動性能は僅かに低下するものの、氷上旋回性能がより一層向上できることが確認できた。
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
1L 左タイヤ
1R 右タイヤ
2 接地面
3 トレッド部
4 ビード部
5 サイド部
6 カーカス
7 インナーライナー
8 センター領域
9 ショルダー領域
10 マーク
11 ビードコア
12 ビードフィラー
14 ベルト
15 トレッドゴム
16 サイドゴム
17 内部空間
20 溝
21 主溝
22 ラグ溝
23 ブロック
24 穴
25 底面
26 開口
27 リブ
30 スタッドピン
31 ボトムフランジ部
31C 側面
31T 上面
31U 下面
32 アッパーフランジ部
32C 側面
32T 上面
32U 下面
33 中間部
33C 側面
34 ボディ
35 チップ
41 端部
42 端部
50 エッジ
51 最長線部
52 短線部
53 先端角部
101 先着部
102 後着部
301 第1スタッドピン
302 第2スタッドピン
500 車両
501 走行装置
502 車体
503 エンジン
504 ホイール
505 車軸
506 操舵装置
507 ブレーキ装置
AX 中心軸
B1 セカンド陸部領域
B2 ショルダー陸部領域
C 中心部
CG トレッド接地領域
CL 赤道面
D1 第1中間部
D2 第2中間部
H1 第1領域
H2 第2領域
J 中心軸
Lt チップ仮想線
Lr 基準仮想線
OD タイヤ外径
RD タイヤリム径
SW タイヤ総幅
T1 第1端部
T2 第2端部
UX 対称軸
W トレッド接地幅
TDW トレッド展開幅
α 傾斜角度
α1 傾斜角度
α2 傾斜角度
β 傾斜角度
β1 傾斜角度
β2 傾斜角度
γ 傾斜角度
δ 傾斜角度
ε 傾斜角度
ζ 傾斜角度

Claims (22)

  1. 車両に装着され、中心軸を中心に回転する空気入りタイヤであって、
    トレッド部と、
    前記車両に対する装着位置を示すマークと、
    前記トレッド部に設けられた穴に配置されるボディと、前記トレッド部の接地面から外側に突出する長手形状のチップと、を有するスタッドピンと、
    を備え、
    前記トレッド部は、タイヤ幅方向に関して前記トレッド部の中心部と第1端部との間の第1領域と、前記トレッド部の中心部と前記第1端部の反対側の第2端部との間の第2領域と、を有し、
    前記マークに基づいて前記第1領域が前記第2領域よりも前記車両の外側に配置されるように前記車両に装着され、
    前記スタッドピンは、前記第1領域に複数設けられ、
    前記第1領域に設けられる前記スタッドピンは、前記チップの長手と平行な方向に関して前記チップの一端部と他端部とを結ぶチップ仮想線が前記中心部から前記第1端部に向かって前記中心軸と平行な基準仮想線との距離が大きくなるように前記トレッド部の後着側に傾斜する第1スタッドピンと、前記チップ仮想線が前記第1端部から前記中心部に向かって前記基準仮想線との距離が大きくなるように前記トレッド部の後着側に傾斜する第2スタッドピンと、を含む、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記基準仮想線に対する前記第1スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度αは、10[°]以上60[°]以下であり、
    前記基準仮想線に対する前記第2スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度βは、10[°]以上60[°]以下である、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンは、前記第1領域に複数設けられ、
    複数の前記第1スタッドピンの前記傾斜角度αはそれぞれ異なり、
    複数の前記第2スタッドピンの前記傾斜角度βはそれぞれ異なる、
    請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1スタッドピンと前記第2スタッドピンとは、タイヤ周方向に交互に設けられる、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1領域に設けられる複数の前記スタッドピンの総数の少なくとも80[%]の数の前記スタッドピンの前記チップ仮想線が傾斜する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1スタッドピンは、前記第1領域に設けられる複数の前記スタッドピンの総数の40[%]以上60[%]以下の数だけ設けられ、
    前記第2スタッドピンは、前記第1領域に設けられる複数の前記スタッドピンの総数から前記第1スタッドピンの数を減じた数だけ設けられる、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記路面と接触した前記第1領域のトレッド接地領域に前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンが少なくとも1つずつ配置されるように、前記スタッドピンが前記第1領域に設けられる、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッド接地領域において前記スタッドピンが3本以上8本以下配置され、前記トレッド接地領域における前記第1スタッドピンの数と前記第2スタッドピンの数との差が2本以下になるように、前記スタッドピンが前記第1領域に設けられる、
    請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記第1領域は、前記中心部側に配置されるセカンド陸部領域と、前記第1端部側に配置されるショルダー陸部領域と、を含み、
    前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンは、前記セカンド陸部領域及び前記ショルダー陸部領域に設けられる、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ショルダー陸部領域に設けられる前記スタッドピンの数は、前記セカンド陸部領域に設けられる前記スタッドピンの数よりも多い、
    請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記セカンド陸部領域に設けられる前記第1スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度α1は、前記ショルダー陸部領域に設けられる前記第1スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度α2よりも小さく、
    前記セカンド陸部領域に設けられる前記第2スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度β1は、前記ショルダー陸部領域に設けられる前記第2スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度β2よりも小さい、
    請求項9又は請求項10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記傾斜角度α1と前記傾斜角度α2との差は、10[°]以上であり、
    前記傾斜角度β1と前記傾斜角度β2との差は、10[°]以上である、
    請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記第1スタッドピンと前記第2スタッドピンとは、前記セカンド陸部領域及び前記ショルダー陸部領域のそれぞれにおいて、タイヤ周方向に交互に設けられる、
    請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  14. タイヤ周方向に関して、前記セカンド陸部領域において隣り合う前記第1スタッドピンと前記第2スタッドピンとの間に前記ショルダー陸部領域のスタッドピンが設けられ、
    前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンと前記セカンド陸部領域の前記第1スタッドピンとの距離と、前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンと前記セカンド陸部領域の前記第2スタッドピンとの距離とは、異なり、
    前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜方向は、前記ショルダー陸部領域の前記スタッドピンとの距離が短い前記セカンド陸部領域の前記第1スタッドピン及び前記第2スタッドピンのいずれか一方の傾斜方向と異なる、
    請求項13に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記スタッドピンは、前記第2領域に複数設けられ、
    前記第2領域に設けられる前記スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度は、前記第1領域に設けられる前記スタッドピンの前記チップ仮想線の傾斜角度よりも小さい、
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記スタッドピンは、前記第2領域に複数設けられ、
    前記第2領域に設けられる前記スタッドピンの前記チップ仮想線は、前記基準仮想線と平行である、
    請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  17. 前記第1領域に設けられる前記スタッドピンの総数と、前記第2領域に設けられる前記スタッドピンの総数とは、等しい、
    請求項15又は請求項16に記載の空気入りタイヤ。
  18. 前記チップの外形は、対称軸に対して線対称であり、
    前記チップ仮想線は、前記対称軸と直交し、
    前記チップの一端部及び他端部は、前記チップのエッジのうち前記チップ仮想線と平行な方向に関して前記対称軸から最も離れた部位である、
    請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  19. 前記チップのエッジは、複数の角部及び前記角部を介して結ばれる複数の線部を含み、
    複数の前記線部のうち最も長い最長線部は、前記チップ仮想線と平行である、
    請求項18に記載の空気入りタイヤ。
  20. 前記チップのエッジは、複数の前記角部のうち最も前記トレッド部の先着側に配置される先端角部と、前記先端角部を介して前記最長線部と結ばれる短線部と、を含み、
    前記最長線部は、前記中心部及び前記第1端部の一方から他方に向かって前記後着側に傾斜し、
    前記短線部は、前記中心部及び前記第1端部の他方から一方に向かって前記後着側に傾斜する、
    請求項19に記載の空気入りタイヤ。
  21. 前記基準仮想線に対する前記最長線部の傾斜角度εは、前記基準仮想線に対する前記短線部の傾斜角度ζよりも大きい、
    請求項20に記載の空気入りタイヤ。
  22. 前記チップのエッジは、複数の前記角部のうち最も前記トレッド部の先着側に配置される先端角部と、前記先端角部を介して前記最長線部と結ばれる短線部と、を含み、
    前記最長線部は、前記中心部及び前記第1端部の一方から他方に向かって前記後着側に傾斜し、
    前記短線部は、前記基準仮想線と平行である、
    請求項19に記載の空気入りタイヤ。
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