JP2016205265A - トルク伝達装置及びその製造方法 - Google Patents

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阿部 雅美
Masami Abe
雅美 阿部
亀井 光一郎
Koichiro Kamei
光一郎 亀井
修一 ▲高▼▲浜▼
修一 ▲高▼▲浜▼
Shuichi Takahama
純一 笠
Junichi Ryu
純一 笠
本田 誠
Makoto Honda
本田  誠
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Abstract

【課題】エンジン始動装置などのトルク伝達装置に使用される出力軸のヘリカルスプラインを成形する方法として、転造によるものがある。従来、このヘリカルスプラインのストッパ部を成形する金型と、動力伝達部を成形する金型とを別々に作製し、転造時に、この2枚の金型を位相が合うように設備に取り付けていたが、この2枚の金型を位相が合うように完全に隙間なく配置することが出来ないため、転造時に2枚の金型の隙間に素材が入り込み、凸部が発生していた。このため、この凸部を転造後に切削加工で除去しなければならず、加工チップの強度が低下し、また、加工チップの寿命が低下していた。
【解決手段】出力軸のヘリカルスプラインのストッパ部を成形する金型と、動力伝達部を成形する金型を成形する場合には、その成形金型を一体とし、この一体金型で出力軸のヘリカルスプラインを成形する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、トルク伝達装置、およびその製造方法に関するものであり、特にエンジン始動装置に関するものである。
従来のエンジン始動装置の出力軸と、始動時には出力軸上を摺動してエンジン方向へ移動し、リングギヤと噛合ってエンジン始動装置の動力をエンジンへ伝達するピニオン移動体の双方のヘリカルスプラインが結合しているヘリカルスプライン結合部において、出力軸に設けられたヘリカルスプラインは、ピニオン移動体にトルクを伝える動力伝達部と、ピニオン移動体の軸方向の移動を規制するストッパ部とで構成され、ストッパ部は動力伝達部と位相を合わせた隔歯形状となっている。
そして、このようなエンジン始動装置に使用される出力軸のヘリカルスプラインの、従来の成形方法として、転造によるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、ピニオン移動体への動力を伝達することと、ピニオン移動体の軸方向への移動を規制するストッパとしても機能する出力軸のヘリカルスプラインを転造する金型において、ストッパ部を成形する金型と、動力伝達部を成形する金型とを別々に作製し、転造時に、この2枚の金型を位相が合うように並べて設備に取り付けるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、ストッパ部と、動力伝達部と、切欠き部を有する出力軸のヘリカルスプラインが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第5507005号公報 特開平6-91337号公報 国際公開番号WO2013/171876A1号
しかし、上記特許文献2に示されている転造に用いられる2枚の金型は、完全に隙間なく配置することが出来ないため、転造時に2枚の金型の隙間に素材が入り込んできてしまい、凸部が発生する。この凸部は転造後に切削加工で除去するため、動力伝達部とストッパ部の間に溝を形成しなければならない。切削加工は、カエリやバリが発生しやすいので、加工チップの角度を小さくすることで抑制できるが、加工チップの強度が低下する。また、転造後のヘリカルスプラインの切削は断続加工となるため、加工チップの寿命が大きく低下する。
また、この転造金型の場合、2枚の金型の位相を完全に合わせることが困難である。そのため2枚の金型の位相がずれた状態で素材を転造した場合、素材が安定しないためヘリカルスプラインの精度は悪くなる。
また、上記特許文献2では、前記凸部の発生を抑えるためのバニッシュ歯が提案されているが、このバニッシュ歯は発生した凸部を外側から加工して凸部を除去しようとするものであり、完全に凸部を除去するのは困難である。また、バニッシュ歯を構成するため金型が長くなり、転造のストロークを長くするか、もしくは、限られたストロークの中で、バニッシュ歯を構成するため、精度が悪くなる。
また、特許文献3に示されているストッパ部と、動力伝達部と、切欠き部を有する出力軸のヘリカルスプラインでは、成型には金型が3枚必要となり、1枚当たり金型の幅が小さくなるため、金型の剛性が低下し、金型寿命が低下する。
本発明は上記のような課題を解決するため、転造金型の寿命の向上と、出力軸のヘリカルスプライン成形後の加工を減らすか、または無くすことにより、加工チップの寿命を向上させるとともに、出力軸の加工時間短縮によりコストを低減したトルク伝達装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るトルク伝達装置は、
モータと、
このモータのトルクを伝達する出力軸と、
この出力軸の回転に伴って回転するスラストスプライン、および当該スラストスプラインと共に回転しリングギヤと噛み合うピニオンを有し、前記出力軸にスプライン結合して前記出力軸の軸方向に移動するピニオン移動体と、
前記リングギヤとピニオンが噛み合う噛み合い位置へ、前記ピニオン移動体を押し出す押し出し機構と、
を備え、
前記出力軸は、
共にギヤ形状の歯が形成された、前記ピニオン移動体の前記出力軸の前記噛み合い位置側への移動を規制するストッパ部および前記ピニオン移動体と係合してトルクを伝える動力伝達部を有するとともに、
前記ストッパ部の歯の形状の位相と、前記動力伝達部の歯の形状の位相とが合うように、前記ストッパ部および前記動力伝達部が連続的に成形されたヘリカルスプラインを有しているものである。
本発明に係るトルク伝達装置は、その成形金型を一体とすることで、金型の剛性を確保できるため、転造金型の寿命の向上、および、出力軸のヘリカルスプライン成形後の切削加工を減らすこと、または無くすことができるため、加工チップの寿命が向上すると同時に、作製時間を短縮することが出来る。
本発明の実施の形態1におけるエンジン始動装置の概略図である。 出力軸ヘリカルスプラインの従来の成形金型と、本発明の実施の形態1の成形金型を比較して説明するための概略図である。 本発明の実施の形態1におけるエンジン始動装置のピニオン移動体を中心とする移動機構部の概略図である。 本発明の実施の形態1におけるエンジン始動装置のヘリカルスプライン結合部の概略図である。 本発明の実施の形態1における出力軸のヘリカルスプラインの断面図である。 本発明の実施の形態1における出力軸のヘリカルスプラインとピニオン移動体の組付図である。 本発明の実施の形態2におけるエンジン始動装置の概略図である。 本発明の実施の形態2における出力軸、及びスラストスプラインのヘリカルスプライン切欠き部バリエーションを示す図である。 本発明の実施の形態2におけるピニオン移動体とリングギヤの噛合い時の概略図である。 本発明の実施の形態2における出力軸のヘリカルスプラインとピニオン移動体の組付図である。
実施の形態1.
以下、本発明に係るエンジン始動装置について、図1〜図5を用いて以下説明する。まず、図1は、本発明の実施の形態1に係るエンジン始動装置1の一例を示す断面図である。
図1において、エンジン始動装置1は、電力を供給するとトルクを発生するモータ9と、前記モータ9への電力供給のオンオフを切り替える電磁スイッチ12と、前記電磁スイッチ12内のソレノイドコイル11に通電することでプランジャ10を磁化させ、その移動により前記モータへの電力供給のオンオフを切り替えると同時に、前記プランジャに取り付けられたフック13へ押し出し機構4を付属させ、前記押し出し機構4に対し、前記電磁スイッチ12の反対側にあり、ピニオン17がリングギヤ3に噛合い、エンジン始動装置1がエンジンを始動させる時には、リングギヤ側に動力を伝え、エンジンが始動してからは、前記リングギヤ側からエンジン始動装置へのトルクを遮断する、ピニオンと一方向クラッチ機構とヘリカルスプラインを有するスラストスプライン14(図4参照)から構成されるピニオン移動体5と、前記ピニオン移動体5の前記モータ9側に配置された減速トルクを伝達する遊星ギヤ6およびインターナルギヤ7からなる減速機構部と、前記遊星ギヤ6と前記インターナルギヤ7を保持するヘリカルスプライン2を有する出力軸8を備える。この出力軸のヘリカルスプライン2は、ピニオン移動体のヘリカルスプライン34と結合し、ヘリカルスプライン結合部15を構成する。出力軸のヘリカルスプライン2は、動力伝達部2aとストッパ部2bで構成され、このうち、動力伝達部2aは前記ピニオン移動体5へトルクを伝える。一方、ストッパ部2bはピニオン移動体5の軸方向への移動を規制する。
従来の転造金型(図2(a)参照)では、出力軸8のストッパ部を成形するストッパ部転造金型50と、動力伝達部を成形する動力伝達部転造金型51とを、別々に作製し、転造時は、この2枚の金型の歯形の位相が合うように並べて、設備に取り付けていたが、本実施の形態では、図2(b)に示すように、この金型を1枚で作製する。
図2(b)に、この本実施の形態に係る1枚で作製した転造金型の一例を示す。この金型の作製方法は、図2(a)に示したストッパ部転造金型50と動力伝達部転造金型51を並べた時の金型と同様の形状の金型となるよう、1枚全体が動力伝達部の歯形を持つ金型を作製する。ストッパ部の歯形は、動力伝達部の歯形の隔歯形状(ギヤ状に形成された歯2本に対して、1つおきにギヤ状の歯が1本づつ形成されている形状)となっており、その金型のストッパ部を成形する部分を放電加工等で除去することで、従来の2枚で構成した金型と同じ形状を持つ転造金型を、繋ぎ目無く1枚で作製することが出来る。金型を1枚で作製することにより、位相を合わせる必要がなく、また、転造後の凸部を無くすことができるので、転造後の加工が不要となる。
実施の形態1のエンジン始動装置のうち、ピニオン移動体5を中心とし、ピニオン移動体5とその周囲の構成部材で構成された移動機構部の断面図を図3に、ピニオン移動体5のスラストスプライン14と出力軸8のヘリカルスプライン結合部15の概略図を図4に示す。図4で中央の一点鎖線から上の部分はピニオン移動体5の静止状態を示す図であり、中央の一点鎖線から下の部分はピニオン移動体5のリングギヤ3の位置への移動後の状態を示す図である。
出力軸8に設けられたヘリカルスプライン2は、ピニオン移動体5と係合する動力伝達部2aと、ピニオン移動体5の軸方向の移動を規制するストッパ部2bと、で構成される。動力伝達部2aはスプライン形状となっており、ストッパ部2bも同様に動力伝達部2aと位相を合わせたギヤ諸元によるスプライン形状となっており、共に凸形状の歯が形成されているが、ストッパ部2bのギヤ形状は、動力伝達部2aのギヤ形状に対して隔歯形状(ギヤ状に形成された歯2本に対して、1つおきにギヤ状の歯が1本づつ形成されている形状)となっている。
図5に出力軸のヘリカルスプライン2の動力伝達部2a、ストッパ部2b(図5(a)参照)と、これら動力伝達部2a、ストッパ部2bのそれぞれの軸に直角方向の断面図(図5(b)、図5(c))を示す。この動力伝達部2aと係合するピニオン移動体のヘリカルスプライン34のスプライン形状は、ストッパ部2bに対応したギヤ形状となっている。
出力軸のヘリカルスプライン2は、前述の動力伝達部とストッパ部とを作製した金型で転造して成形することで、動力伝達部2aとストッパ部2bの位相を合わせることができ、また従来の動力伝達部2aとストッパ部2b間に発生する凸部を除去するための溝加工を廃止し、動力伝達部2aとストッパ部2bが、これらの間に溝などが生ずることなく、これらの外形線の形状が連続的に成形することができる。従って、加工チップの寿命の向上が図れ、作製時間を短縮することができるとともに、出力軸8の曲げ、ねじり強度が向上する。
さらに、図2に示すように、従来の分割では動力伝達部転造金型とストッパ部転造金型の位相を完全に一致させるのは困難であり、転造時の金型の掛かり代がL1であったのに対し、本実施の形態のように一体にすると動力伝達部転造金型とストッパ部転造金型は連続しており、位相は完全に一致するので、転造時の金型の掛かり代がL2と長くなり、素材を安定して転造することが出来るため、転造時の素材の移動により歪むことがなく、歯形精度、及び歯筋精度を確保できる。
その際、転造前のストッパ部2bと動力伝達部2aの素材外径が同じ場合、ストッパ部2bは動力伝達部2aのギヤに対して隔歯形状となっているため、動力伝達部2aよりも転造による素材の移動が少なくなり、仕上り寸法においては、ストッパ部2bの方が動力伝達部2aよりも外径が小さくなってしまう。ストッパ部2bの外径が小さいと、当接するピニオン移動体5との接触面積が小さくなり、面圧が上がるため、ストッパ部の強度が低下する。
そのため、ストッパ部2bと動力伝達部2aの外径が転造後に同等になるように、ストッパ部2bの素材径は、動力伝達部2aの素材径よりも予め大きく設定しておくことが望ましい。また、ピニオン移動体5が当接するストッパ部2bの面は、ピニオン移動体5が移動するセンター軸方向(出力軸方向と同義)に対して垂直な面とするよりも勾配(ここでは傾斜角と同じ意味)のついた面にすることで、転造の成形時にバリの発生を抑えると共に、ピニオン移動体5の当接面も同様な勾配を持たせることで、当接時の面圧を小さく出来るため、耐力を向上することが出来る。
次に、ピニオン移動体5の構成部品でヘリカルスプラインを有するスラストスプライン14と出力軸のヘリカルスプライン2の組付けについて、その組付けの手順について、図6を使って説明する。図6は、実施の形態1における出力軸のヘリカルスプライン2とピニオン移動体5の組付図である。
まず、図6(a)に示すように、出力軸のヘリカルスプライン2の動力伝達部2aとストッパ部2bにスラストスプライン14を奥まで(図中の矢印方向参照)挿入する。この時、スラストスプライン14と動力伝達部2aが軸方向に対してラップしないように設計されている。そして、次に、図6(b)に示すように、スラストスプライン14を動力伝達部2aのギヤ諸元に対して1歯分周方向に回転させる。その後、図6(c)に示すように、スラストスプライン14を出力軸のストッパ部2bの方向に移動させ、リヤ方向への移動を規制する止め輪22を取り付ける。この時、スラストスプライン14のヘリカルスプラインと動力伝達部2aが軸方向に対してラップするように止め輪22の位置を設計する。
このような構造にすることで、比較的容易に出力軸8とピニオン移動体5を組立てることができ、またピニオン移動体の軸方向の移動を規制するストッパ部2bをピニオン移動体の内周に設ける(図4参照)ことで、従来の出力軸8の先端のストッパ構造を廃止することができるので、ピニオン17の先端からエンジン始動装置1の先端までの軸長を短縮できると同時に、エンジン始動装置1の動作時にピニオン移動体がフロント方向に移動して、スラストスプラインのストッパ部14aと、出力軸のヘリカルスプライン2のストッパ部2bの衝突によって発生する音に対し、衝突部がピニオン移動体5の内部に構成されるので、ピニオン移動体5自体が壁になることで、騒音の低減にも効果が期待できる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るエンジン始動装置を図7と図8を用いて説明する。図7は実施の形態2におけるエンジン始動装置の概略構成図であり、図8は実施の形態2におけるエンジン始動装置のヘリカルスプライン連結機構部である。
エンジン始動装置1は、電力を供給するとトルクを発生するモータ9、及び、モータ9からのトルクを伝える出力軸8と、出力軸8とヘリカルスプライン結合し、リングギヤ3と噛合うことでモータ9のトルクをエンジン側に伝えるピニオン移動体5と、前記モータ9への電力供給のオンオフを切り替えるモータ通電回路と、前記ピニオン移動体5をリングギヤ3へ押し出すピニオン移動体5の押し出し機構4とで構成されている電磁スイッチ12を有している。
この電磁スイッチ12は、(アイドリングストップ時のエンジン迅速始動のため)アイドリングストップ開始直後のエンジン惰性回転中で、リングギヤが高回転(例えば400〜600rpm)で回っている時に再始動要求があった際に、ピニオン17を移動させてもリングギヤ3に噛合わせることが出来ない。そこでピニオン移動体5が電磁スイッチ12のピニオン移動体押し出し機構によりピニオン17が飛出してリングギヤ3に当接する前に、モータ通電回路によりモータを回転させて、ピニオン17の回転速度をリングギヤ3の回転速度に同期させ、ピニオンとリングギヤとを噛合わせてエンジンを始動させるものである。
この制御では、ピニオン移動体5が押し出し機構4によりリングギヤ方向に移動する前にモータ9の回転力が出力軸8からヘリカルスプライン結合を通じてピニオン移動体5へ伝わる。ヘリカルスプラインの捩れ角と、ピニオン移動体5の慣性により、回転の力が軸方向にもかかるため、ピニオン移動体5が飛び出してピニオン17が回転しているリングギヤ3に接触する恐れがある。
そのため、図8(a)に示されるように、出力軸8とピニオン移動体5を結ぶヘリカルスプライン結合部において、出力軸のヘリカルスプライン2のトルクを伝える動力伝達部2aの後端に、動力伝達部2aよりも捩れ角が小さい切欠き部2cを設けることで、モータの回転力によるピニオン移動体の慣性力を軸方向から周方向に変換できるため、モータ9の回転力だけでピニオン移動体5がリングギヤ方向に飛び出すことを防ぐことが出来る。
この場合の出力軸のヘリカルスプライン2の成形において、従来であれば、ストッパ部2b成形金型、動力伝達部2a成形金型、切欠き部2c成形金型の3種類の金型、計3枚が必要だが、1枚当たりの金型の幅が小さくなり、剛性が低下するため、金型寿命が低下してしまう。そこで実施の形態1と同様に、転造金型を1枚で作製することで剛性低下することなく、かつ転造後の加工を減らす、または不要とすることが出来る。
また、転造は左右の金型で素材を挟んで成形するため、両方の金型のサイズは同じとして、片方は、ストッパ部2b成形金型と動力伝達部2a成形金型で1枚の成形金型を作製し、切欠き部2c成形金型を1枚作製して、これらの金型を1枚ずつ計2枚重ねた金型とし、もう片方は、ストッパ部2b成形金型と動力伝達部2aの成形金型とすることにより、転造後の動力伝達部2aと切欠き部2c切替わり部に凸部なく成形することができる。この場合には、もし切欠き部2cの仕様を変更したい場合でも取り換えることが出来るので、新たに金型全てを作製する必要がない。
図8(a)に示されるように、出力軸8とピニオン移動体5を結ぶヘリカルスプライン結合部において、出力軸のヘリカルスプライン2のトルクを伝える動力伝達部2aの後端に、切欠き部2cを形成し、切欠き部2cとストッパ部2bと動力伝達部2aとが、これらの間に溝などが生ずることなく、これらの外形線の形状が連続的に形成されている。
動力伝達部2aは、図9に示されるようにピニオン移動体を押し出し機構により、リングギヤに噛合わせ、エンジンにモータの回転力を伝える時に、ピニオン移動体のヘリカルスプライン34(図8(a)参照)へ力を伝達する部分である。切欠き部2cは、電磁スイッチ12の動作により、ピニオン移動体5が飛び出す前のタイミングであってモータ9が動作した時に、ピニオン移動体のヘリカルスプライン34と接触する部分である。切欠き部2cの捩れ角θbは、動力伝達部2aの捩れ角θaよりも小さくして、モータ9の回転力とピニオン移動体5の慣性によりピニオン移動体5が飛び出してもリングギヤ3に衝突しないように設定する。
図8(c)に示すように、図8(a)、図8(b)に示した出力軸側の切欠き部2cは、ピニオン移動体のヘリカルスプライン34の動力伝達部34aに切欠き部34bを設けることでも同様の効果を得ることが出来る。また、図8(b)に示すように、切欠き部2cは、出力軸8のヘリカルスプライン全ての歯に設定する必要は無く、組立後にピニオン移動体側のヘリカルスプラインが当接する側の歯だけでよい。
切欠き部2cは、動力伝達部2aの形状から更に素材を押し潰した形状になっており、その分だけ転造による素材の変形が動力伝達部2aよりも大きいため、素材が切欠き部2cの無い歯よりもモータ方向に変形するので切欠き部2cの寸法が伸びる。これにより、ピニオン移動体5を出力軸8に組付ける時、切欠き部2cがガイドの役割を果たすため、組立性が向上する(図10参照)。もし出力軸側のヘリカルスプライン全ての歯に切欠き部2cを設定する場合は、切欠き部2cの寸法増加分を考慮し、組立時にピニオン移動体5のスプラインと干渉しないように、設計する必要がある。
なお、以上においては、エンジン始動装置を例にして本発明を説明したが、これに限らず、ヘリカルスプラインなどスプライン結合を利用してトルクを伝達する装置であれば適用可能である。また、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 エンジン始動装置、2 出力軸のヘリカルスプライン、2a 動力伝達部、2b ストッパ部、2c 切欠き部、3 リングギヤ、4 押し出し機構、5 ピニオン移動体、6 遊星ギヤ、7 インターナルギヤ、8 出力軸、9 モータ、10 プランジャ、11 ソレノイドコイル、12 電磁スイッチ、13 フック、14 スラストスプライ
ン、14a ストッパ部、15 ヘリカルスプライン結合部、17 ピニオン、22 止め輪、34 ピニオン移動体のヘリカルスプライン、34a 動力伝達部、34b 切欠き部、43 ブラケット、50 ストッパ部転造金型、51 動力伝達部転造金型
本発明に係るトルク伝達装置は、
モータと、
このモータのトルクを伝達する出力軸と、
この出力軸の回転に伴って回転するスラストスプライン、および当該スラストスプラインと共に回転しリングギヤと噛み合うピニオンを有し、前記出力軸にスプライン結合して前記出力軸の軸方向に移動するピニオン移動体と、
前記リングギヤとピニオンが噛み合う噛み合い位置へ、前記ピニオン移動体を押し出す押し出し機構と、
を備え、
前記出力軸は、
共にギヤ形状の歯が形成され、
前記ピニオン移動体の内周に設けられ、当該ピニオン移動体の前記出力軸の前記噛み合い位置側への移動を規制するストッパ部と、
前記ピニオン移動体と係合してトルクを伝える動力伝達部とを有するとともに、
前記ストッパ部の歯の形状の位相と、前記動力伝達部の歯の形状の位相とが合うように、前記ストッパ部および前記動力伝達部が連続的に成形されたヘリカルスプラインを有しているものである。
本発明に係るトルク伝達装置は、その成形金型を一体とすることで、金型の剛性、歯形精度、および歯筋精度を確保できるため、転造金型の寿命の向上、および、出力軸のヘリ
カルスプライン成形後の切削加工を減らすこと、または無くすことができるため、加工チップの寿命が向上すると同時に、作製時間を短縮することができる。また、従来の出力軸の先端のストッパ構造を廃止することができる。

Claims (8)

  1. モータと、
    このモータのトルクを伝達する出力軸と、
    この出力軸の回転に伴って回転するスラストスプライン、および当該スラストスプラインと共に回転しリングギヤと噛み合うピニオンを有し、前記出力軸にスプライン結合して前記出力軸の軸方向に移動するピニオン移動体と、
    前記リングギヤとピニオンが噛み合う噛み合い位置へ、前記ピニオン移動体を押し出す押し出し機構と、
    を備え、
    前記出力軸は、
    共にギヤ形状の歯が形成された、前記ピニオン移動体の前記出力軸の前記噛み合い位置側への移動を規制するストッパ部および前記ピニオン移動体と係合してトルクを伝える動力伝達部を有するとともに、
    前記ストッパ部の歯の形状の位相と、前記動力伝達部の歯の形状の位相とが合うように、前記ストッパ部および前記動力伝達部が連続的に成形されたヘリカルスプラインを有していることを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 前記動力伝達部はスプライン形状となっており、前記ストッパ部は前記動力伝達部と形状の位相を合わせたスプライン形状となっているとともに、前記ストッパ部のギヤ形状の歯は、前記動力伝達部のギヤ形状の歯2本に対して1つおきに1本づつ設けた隔歯形状となっていることを特徴とする請求項1に記載のトルク伝達装置。
  3. 前記ストッパ部の外径は、前記動力伝達部の外径と同等であることを特徴とする請求項1に記載のトルク伝達装置。
  4. 前記ストッパ部の面の勾配は、前記出力軸方向に対して直角よりも小さい角度になっていることを特徴とする請求項3に記載のトルク伝達装置。
  5. 前記出力軸の動力伝達部に、モータの回転軸方向に対する角度を前記動力伝達部の捩れ角よりも小さく設定した切欠き部を設けるとともに、前記ストッパ部、前記出力軸側の動力伝達部、および前記切欠き部を連続的に成形し、エンジン始動装置の静止時において、前記切欠き部がモータの回転軸方向に対して前記スラストスプラインの動力伝達部先端とラップするように、前記出力軸と前記スラストスプラインの動力伝達部を配置したことを特徴とする請求項4に記載のトルク伝達装置。
  6. 前記出力軸の切欠き部は、動力が伝達される歯のみに設けられていることを特徴とする請求項5に記載のトルク伝達装置。
  7. 請求項1に記載のトルク伝達装置の出力軸のヘリカルスプラインの成形は、動力伝達成形部とストッパ成形部とが1枚で構成された転造金型を用いて行われることを特徴とするトルク伝達装置の製造方法。
  8. 前記出力軸のヘリカルスプラインのストッパ部の素材径を、前記ヘリカルスプラインの動力伝達部の素材径よりも大きくしたものを用いて成形することを特徴とする請求項7に記載のトルク伝達装置の製造方法。
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