JP2016204287A - 加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン - Google Patents

加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン Download PDF

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Abstract

【解決手段】式(1)で示される加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。【効果】本発明は、1分子中にヒドロシリル基を2個以上有しているため該官能基と反応性を有する有機基を含有した化合物との組成物を調製した際に、高分子量体を含まないことから他の有機樹脂との相溶性に優れ、バインダーとしての機能を発現する他、更に加水分解性シリル基も含むためシランカップリング剤としての効果も期待でき、加えて反応点を連結するスペーサーが従来の化合物に比べ長鎖化していることから、ヒドロシリル基及び加水分解性シリル基の反応性が向上したものである。【選択図】なし

Description

本発明は、環状シロキサンを主骨格とした1分子中に1個以上の加水分解性シリル基と2個以上のヒドロシリル基を含有する環状オルガノハイドロジェンシロキサンに関する。
ヒドロシリル基と加水分解性シリル基とを有するシランカップリング剤は、密着性向上剤等の特性を付与することが可能であり、塗料、コーティング剤、電子部品等様々な分野で使用されているが、この場合は加水分解性シリル基とヒドロシリル基とを1分子中に1個ずつ有するシランカップリング剤のみであり、バインダー効果は期待できない。
一般に、シランカップリング剤を部分加水分解縮合して得られるオルガノオリゴシロキサン(以下、シロキサンオリゴマーと呼称する。)は、構造中に有機基と加水分解性シリル基を複数持った材料であるが、ヒドロシリル基のような加水分解性のある有機基である場合には、シリル基部分の加水分解縮合と同時にヒドロシリル基も反応してしまうため同技術が応用できず、経時安定性が求められていた。
また、オルガノハイドロジェンシロキサンに反応性もしくは非反応性の有機官能基を複数導入する手法として、直鎖構造のハイドロジェンポリシロキサンにアリルグリシジルエーテルとビニルアルコキシシランなどを共付加させることが提案されている(特許文献1:特許第2816082号公報、特許文献2:特許第3063712号公報)。しかし、これらの方法で合成されたシロキサン化合物は、分子量分布が広く、高分子成分の影響により他の化合物との相溶性が悪化するなどの問題があり、相溶性の良好な単分散化合物が求められていた。
特許第2816082号公報 特許第3063712号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、環状シロキサンを主骨格とした1分子中に加水分解性シリル基を1個以上及びヒドロシリル基を2個以上有する環状オルガノハイドロジェンシロキサンを提供することを目的とする。
3官能以上のヒドロシリル基含有化合物を使用することで、付加硬化系シリコーン樹脂の架橋密度を飛躍的に増大できることから、得られる樹脂成形品の機械的強度の向上が期待される。また、2官能ヒドロシリル基含有化合物である場合にも、その他の有機基として例えば加水分解性シリル基を有する化合物は、樹脂中のバインダーとして機能する他、シランカップリング剤(接着助剤)としての効果が期待される。
更に、加水分解性シリル基を有する2官能以上のヒドロシリル基含有化合物は、合成中間体としても有用である。即ち、エポキシ基、(メタ)アクリル基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基などの、様々な反応性もしくは非反応性の有機官能基を有する炭素−炭素不飽和結合含有化合物を用いてヒドロシリル化反応させることにより、多種多様な反応性もしくは非反応性の有機官能基を複数導入した加水分解性シリル基含有化合物を合成することが可能である。これにより、前述の付加硬化系シリコーン樹脂だけでなく、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂など、汎用の様々な樹脂の架橋剤、バインダー、シランカップリング剤としての役割を果たすことが可能である。
本発明者らは、かかる点から、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、1分子中に複数のヒドロシリル基を有する環状オルガノハイドロジェンシロキサンと、炭素−炭素不飽和結合を有する加水分解性シリル基含有化合物とを白金及び/又は白金錯体存在下においてヒドロシリル化させることで得られる、一般式(1)で示される化合物が、上記課題の解決に有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサンを提供する。
〔1〕
下記一般式(1)で示される加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
Figure 2016204287
(式中、R1は各々独立に炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、R2は水素原子、R3は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R4は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、R5は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、mは3〜14の整数、xは1〜3の整数である。p≧2、q≧1、r≧0、p+q+rは3〜6の整数である。)
〔2〕
下記一般式(2)で示される〔1〕記載の加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
Figure 2016204287
(式中、各々独立にp’≧2、q’≧1、p’+q’は4〜5の整数、n’は3〜8の整数である。)
〔3〕
下記一般式(3)で示される〔2〕記載の加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
Figure 2016204287
(式中、各々独立にp”≧2、q”≧1、p”+q”は4〜5の整数である。)
〔4〕
環状シロキサンがシクロテトラシロキサンである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
本発明の環状オルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中にヒドロシリル基を2個以上有しているため該官能基と反応性を有する有機基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基)を含有した化合物との組成物を調製した際に、それら化合物との反応性に優れる上に、高分子量体を含まないことから他の有機樹脂との相溶性も優れ、バインダーとしての機能を発現する他、更に加水分解性シリル基も含むためシランカップリング剤としての効果も期待でき、加えて反応点を連結するスペーサーが従来の化合物に比べ長鎖化していることから、ヒドロシリル基及び加水分解性シリル基の反応性が向上したこれまでに実例のない材料である。
実施例1で得られた1−トリメトキシシリルオクチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの1H−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた1−トリメトキシシリルオクチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのIRスペクトルである。
以下、本発明について具体的に説明する。
[環状オルガノハイドロジェンシロキサン]
本発明の環状オルガノハイドロジェンシロキサンは、環状シロキサン構造を主骨格とし、1分子中に加水分解性シリル基を1個以上、及びヒドロシリル基を2個以上含んでなるものであればよく、より好ましくはヒドロシリル基を3個以上含むものである。加水分解性シリル基及びヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンシロキサンの具体的な構造は下記一般式(1)に示す環状シロキサンであり、加水分解性シリル基及びヒドロシリル基以外にも下記に列挙した有機官能基を有してもよい。
Figure 2016204287
(式中、R1は各々独立に炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、R2は水素原子、R3は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R4は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20、特に1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、R5は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、mは3〜14、特に3〜8の整数、xは1〜3の整数である。p≧2、q≧1、r≧0、p+q+rは3〜6の整数である。各繰り返し単位の配列は任意である。)
本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンは、ヒドロシリル基以外に加水分解性シリル基を含むことが必須である。加水分解性シリル基を含有することにより該オルガノハイドロジェンシロキサンはシランカップリング剤としての機能を有する。加水分解性シリル基は、ケイ素原子に直結した1価の加水分解性原子(水と反応することでシラノール基を生成する原子)及びケイ素原子に直結した1価の加水分解性基(水と反応することでシラノール基を生成する基)の少なくとも一方を有するシリル基である限り特に限定されない。加水分解性シリル基は、前記オルガノハイドロジェンシロキサン中に1個のみ存在しても2個以上存在してもよく、2個以上存在する場合は同種であっても異種であってもよい。
上記オルガノハイドロジェンシロキサンの一般式(1)において、p、q、rはシロキサンのユニット数を示し、p+q+rが3〜6の範囲であれば分布を持つものであっても問題ないが、より好ましくは熱力学的に安定であり、原料シロキサンの製造が容易なp+q+r=4(シロキサン4量体;シクロテトラシロキサン)が好ましい。シロキサン構造が環状であることから、他の有機化合物との相溶性が優れ、硬化した際の収縮も抑えられる。
上記オルガノハイドロジェンシロキサンの一般式(1)において、R1は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、代表的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等がアルキル基として挙げられ、フェニル基、ナフチル基等がアリール基として挙げられる。また、R2は水素原子である。
加水分解性シリル基の構造の詳細として、R3は直鎖状又は分岐状であってよく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、原料の製造容易さからメチル基が好ましい。R4は水と反応することでシラノールを生成する基であり、具体的は塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリーロキシ基、エチレングリコールモノアルキルエーテル基(例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル基)等の炭素原子の一部が酸素原子で置換されたアルコキシ基などが挙げられるが、ここに例示されたものに限らない。それらの中でも原料製造の容易さ、加水分解性のバランスからメトキシ基、エトキシ基が好ましい。また、R5は置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、主構造のアルキル基は先述したR1についてのアルキル基と同様であり、置換基としては塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ヘプタデカフルオロオクチル基等のパーフルオロアルキル基、ポリ(エチレンオキシド)基、ポリ(プロピレンオキシド)基等のポリエーテル基、ポリ(ヘキサフルオロエチレンオキシド)基等のパーフルオロポリエーテル基が挙げられる。
上記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサンの具体例としては、例えば下記一般式(2)で示されるものが挙げられる。
Figure 2016204287
(式中、各々独立にp’≧2、q’≧1、p’+q’は4〜5の整数、n’は3〜8の整数である。各繰り返し単位の配列は任意である。)
本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンとして、より具体的には、例えば下記一般式(3)で示される化合物、即ち、1−トリメトキシシリルオクチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(トリメトキシシリルオクチル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(トリメトキシシリルオクチル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−トリメトキシシリルヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(トリメトキシシリルヘキシル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(トリメトキシシリルヘキシル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3−トリメトキシシリルオクチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−5−トリメトキシシリルオクチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3−トリメトキシシリルヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−5−トリメトキシシリルヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−トリメトキシシリルオクチル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1−トリメトキシシリルヘキシル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
Figure 2016204287
(式中、各々独立にp”≧2、q”≧1、p”+q”は4〜5の整数である。)
本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基(Si−H基)を有する環状オルガノハイドロジェンシロキサンと、炭素−炭素不飽和結合を有する加水分解性シリル基含有化合物とを白金及び/又は白金錯体存在下においてヒドロシリル化させることにより製造される。必要により他の有機官能基を導入する場合には、対応する有機官能基を含有する不飽和化合物を上記オルガノハイドロジェンシロキサン中の一部のSi−H基に対してヒドロシリル化した後に、得られた環状オルガノハイドロジェンシロキサン中に残るSi−H基を炭素−炭素不飽和結合を有する加水分解性シリル基含有化合物でヒドロシリル化させることで所望の化合物を得ることができる。この際、ヒドロシリル化させる順序としては特に限定されないが、反応効率の観点から炭素−炭素不飽和結合を有する加水分解性シリル基含有化合物を後でヒドロシリル化させることが好ましい。
即ち、1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有する環状オルガノハイドロジェンシロキサン中に含まれる一部のSi−H基と、必要により、置換基としてハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選択される少なくとも1種による置換又は非置換の不飽和炭化水素化合物とを白金及び/又は白金錯体存在下においてヒドロシリル化反応させた後、得られた環状オルガノハイドロジェンシロキサン中に残るSi−H基と、炭素−炭素不飽和結合を有する加水分解性シリル基含有化合物とをヒドロシリル化反応させることが好ましい。
本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンの製造方法において、反応温度は室温(25℃)〜150℃であり、好ましくは40〜130℃、より好ましくは70〜120℃である。室温未満であると反応が進行しない、又は著しく反応速度が低いため生産性に欠ける場合がある。一方、150℃を超える場合には熱分解、又は意図しない副反応が生じるおそれがある。
本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンの製造方法において、反応時間は10分〜24時間である。反応の進行により原料が十分に消費されるような時間であればよいが、好ましくは1〜10時間、より好ましくは1〜7時間である。10分未満であると原料消費が不十分となるおそれがあり、24時間を超えると既に原料が完全に消費されていて、不要な工程となり生産効率が低下、又はポリマー化等の意図しない副反応が生じてしまう場合がある。
本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンの製造方法において適宜反応溶媒を使用してもよい。原料と非反応性並びに反応に使用する白金錯体の触媒毒にならないようなものであれば特に限定されないが、代表的にはヘキサン、ヘプタンといった脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールといったアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系溶媒が挙げられる。
本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンの製造方法において、反応終了後に白金錯体の失活剤となるような含硫黄原子化合物、含窒素原子化合物、含リン原子化合物などの安定化剤を添加することが好ましい。安定化剤は、白金錯体の失活剤となるようなものであれば特に限定されないが、特に該オルガノハイドロジェンシロキサンを蒸留精製する場合には留分に安定化剤が混入しないことが好ましく、上記理由から具体的には2,2’−ジベンゾチアゾリルジスルフィド、トリフェニルホスフィン等の安定化剤が挙げられ、2,2’−ジベンゾチアゾリルジスルフィドがより好ましい。反応終了後に上記安定化剤を添加しないと、ポリマー化等の意図しない副反応が生じてしまう場合があり、これにより収率の低下、又はゲル化などの望まない結果を招くおそれがある。
本発明におけるオルガノハイドロジェンシロキサンは、環状シロキサンを主骨格とし、1分子中にSi−H基を3個以上含むものであれば特に限定されず、その他の構造として直鎖状、分岐状といった構造を有してもよい。但し、バインダー成分として用いた際に、ある程度分子量分布が狭い方が不必要な架橋密度の増大を避けることができるため、低分子量とするためにも環状シロキサンであることは必須である。
環状オルガノハイドロジェンシロキサンの具体的な例としては、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1−プロピル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3−ジプロピル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,5−ジプロピル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられるが、ここに例示されたものに限らない。これらの中でも上述した理由と原料の入手の容易さから1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが最も好ましい。
ここで、本発明においては、必要により加えられる不飽和炭化水素化合物が、下記式
CH2=CH−R5
(式中、R5は水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものである。)
で示されるものであり、炭素−炭素不飽和結合を有する加水分解性シリル基含有化合物が、下記式
Figure 2016204287
(式中、R3は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R4は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20、特に1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、mは3〜14、特に3〜8の整数、xは1〜3の整数である。)
で示されるものであり、下記一般式(1)
Figure 2016204287
(式中、R1は各々独立に炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、R2は水素原子、R3は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R4は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20、特に1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、R5は各々独立に置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、mは3〜14、特に3〜8の整数、xは1〜3の整数である。p≧2、q≧1、r≧0、p+q+rは3〜6の整数である。各繰り返し単位の配列は任意である。)
で示される加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサンを得ることが好ましい。
上記式において、R4のアルコキシ基中のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状であってよく、代表的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等がアルキル基として挙げられ、アリーロキシ基中のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等がアリール基として挙げられる。その中でも原料製造の容易さ、加水分解性のバランスからメチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
本発明における炭素−炭素不飽和結合を有する加水分解性シリル基含有化合物は、ヒドロシリル化反応性を有するオレフィン含有の加水分解性シリル基含有化合物であれば特に限定されないが、具体的にはアリルトリメトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、オクテニルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、ブテニルトリクロロシラン、ヘキセニルトリクロロシラン、オクテニルトリクロロシラン、アリルメチルジメトキシシラン、ブテニルメチルジメトキシシラン、ヘキセニルメチルジメトキシシラン、オクテニルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、ブテニルメチルジエトキシシラン、ヘキセニルメチルジエトキシシラン、オクテニルメチルジエトキシシラン、アリルメチルジクロロシラン、ブテニルメチルジクロロシラン、ヘキセニルメチルジクロロシラン、オクテニルメチルジクロロシランが挙げられるが、ここに例示されたものに限らない。これらの中でも、上述した理由に加え、更にはヒドロシリル化反応性を有するオレフィン部と加水分解性シリル基とを連結するスペーサー部が長鎖であることにより、得られる加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサンのヒドロシリル基及び加水分解性シリル基の反応性が向上するため、ヘキセニルトリメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシランが好ましく、オクテニルトリメトキシシランが最も好ましい。
上述した置換基R5を導入する場合は、その置換基を有するオレフィン化合物(上述した、CH2=CH−R5)を用いればよい。
本発明における反応原料の使用比率はオルガノハイドロジェンシロキサン中のSi−H基1モルに対し炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を合計で0.05〜0.5モルが好ましく、より好ましくは0.08〜0.25モルである。
本発明におけるヒドロシリル化反応触媒は、公知の技術として知られている白金(Pt)及び/又は白金(Pt)を中心金属とする錯体化合物である。具体的には、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体並びに該錯体を中和処理した化合物や、中心金属の酸化数がPt(II)やPt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。好ましくは中心金属の酸化数がPt(IV)以外の錯体であることが付加位置選択性の点から望ましく、特にPt(0)、Pt(II)であることが好ましい。
本発明におけるヒドロシリル化反応触媒の使用量は、ヒドロシリル化反応の触媒効果が発現する量であれば特に限定されないが、好ましくはSi−H基1モルに対して白金金属換算で0.000001〜1モルであり、より好ましくは0.000003〜0.01モルである。0.000001モル未満である場合には十分な触媒効果が発現しないおそれがあり、1モルより多い場合には効果が飽和するため生産コストが高くなり不経済になってしまうおそれがある。
以下、本発明を実施例を用いてより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、粘度はオストワルド粘度計により測定した25℃における値を示す。
[実施例1]1−トリメトキシシリルオクチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1,000mlセパラブルフラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン310.5質量部(1.29モル)、トルエン130.0質量部、白金錯体(Pt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)のトルエン溶液を、Si−H基1モルに対して白金錯体が0.000003モル(白金換算)に相当する量を納め撹拌混合した。その後、加熱して内温70℃となったところで7−オクテニルトリメトキシシラン150.0質量部(0.65モル)を40分かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が70℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が85℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温80℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、反応液のガスクロマトグラフィー測定を行い炭素−炭素不飽和結合基の残存が無いことを確認した。その後、2,2’−ジベンゾチアゾリルジスルフィド0.12質量部を添加し、減圧蒸留(170℃、10mmHg)により表題シロキサンを粘度7.21mm2/s、屈折率1.4240(25℃)の無色透明液体として得た。得られた表題シロキサンについて1H−NMR並びにIR測定を行った。結果をそれぞれ図1及び2に示す。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
    Figure 2016204287
    (式中、R1は各々独立に炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、R2は水素原子、R3は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R4は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、R5は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、mは3〜14の整数、xは1〜3の整数である。p≧2、q≧1、r≧0、p+q+rは3〜6の整数である。)
  2. 下記一般式(2)で示される請求項1記載の加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
    Figure 2016204287
    (式中、各々独立にp’≧2、q’≧1、p’+q’は4〜5の整数、n’は3〜8の整数である。)
  3. 下記一般式(3)で示される請求項2記載の加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
    Figure 2016204287
    (式中、各々独立にp”≧2、q”≧1、p”+q”は4〜5の整数である。)
  4. 環状シロキサンがシクロテトラシロキサンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の加水分解性シリル基含有環状オルガノハイドロジェンシロキサン。
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