JP2016198062A - シュー生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかな表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であるシューケースを簡単に安定して得ることのできるシュー生地の提供。【解決手段】穀粉類及び/又は澱粉類100質量部に対して糖類を5〜50質量部、及び、糖類含有量が2〜30質量%であり、油分含有量が5〜60質量%である酸性水中油型乳化油脂組成物を10〜500質量部、含有するシュー生地、およびシュー生地を、焼成及び/又はフライしたシューケース。【選択図】なし

Description

表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかな表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であるシューケースを製造することができるシュー生地に関する。
シュー生地は、数あるベーカリー生地の中でも特に卵類の配合量が多いため、焼成したシューケースはヒキ(弾力)があり、歯切れの悪い食感になりやすいものであった。
また、シューケースは、澱粉の糊化度が高いこと、及び、一般的に糖類を含まない生地配合であることから、もともと老化しやすいことに加え、生クリームやカスタードクリーム等の冷蔵を要するクリームを充填して、冷蔵で流通・販売することが一般的であるために、ベーカリー製品の中では特に老化しやすいものであり、比較的短時間で歯切れが悪化してしまう問題があった。
これらのシュー生地特有の食感の問題を解決するためには、例えば、未α化架橋澱粉を使用する方法(例えば特許文献1参照)、特定の油脂を使用する方法(例えば特許文献2参照)等の方法が提案されている。
しかし、未α化架橋澱粉は、焼成時のシュー生地の伸びを抑制する作用を有するため、得られるシュー皮の外観が割れの大きなものとなり孔があいてしまうという問題があった。
一方、従来のシュー生地は焼成時に固まりながら膨張するため表面の割れが大きく、焼き色も不均質になりやすい問題がある。もちろんこれが従来のシューケースの特徴であるが、最近では、表面に割れがほとんど見られない滑らかな表面を有するシューケースが求められる場合もある。
滑らかな表面を有するシューケースを得るためには、シュー用油脂として液状油を使用する方法や、蓋を被せて焼成する方法(例えば特許文献3参照)、ステアロイル乳酸カルシウムとカゼインナトリウムを含有する乳化油脂を使用する方法(例えば特許文献4参照)等が提案されている。
しかし、液状油を使用する方法では、得られるシューケースが保型性のないものになってしまい、食感もソフトではあるが歯切れが悪いものになってしまう問題があった。蓋を被せて焼成する方法では皮質が薄くなりすぎ、保型性が極めて乏しいシューケースとなってしまう問題があった。ステアロイル乳酸カルシウムとカゼインナトリウムを含有する乳化油脂を使用する方法では、体積の大きなシューケースが得られにくいという問題があった。
一方、シューケースにおいても目新しい外観や食感を求め、シュー生地に他のベーカリー生地や加熱により溶融する食品を複合して焼成した複合菓子も多く見られる。例えば、クッキー生地でシュー生地を包餡して焼成した複合菓子(例えば特許文献5参照)、シュー生地の上面にパイ生地やデニッシュ生地等の層状生地を積載して焼成した複合菓子(例えば特許文献6、7参照)、練りパイ生地でシュー生地を包餡して焼成した複合菓子(例えば特許文献8、9参照)、シュー生地にチョコレート生地を積載して焼成した複合菓子(例えば特許文献10参照)、シュー生地にチーズを積載して焼成した複合菓子(例えば特許文献11、12参照)、シュー生地にミルクペーストを充填して焼成した壺状のシューケース(例えば特許文献13参照)、餅様生地を積載して焼成したシューケース(例えば特許文献14参照)、特定の水分含量且つ油分含量のショートペーストを積載して焼成したシューケース(例えば特許文献15参照)、破砕ゲルを積載して焼成したシューケース(例えば特許文献16参照)等が提案されている。
しかし、クッキー生地を使用した複合菓子は、焼成時にクッキー生地が細かくひび割れながら膨張するため、シューケース表面にクッキー生地部分が細粒状に付着した特徴ある外観を呈するが、体積は小さくなり、また、クッキーとシュー生地部分との結着性が悪いため剥離しやすいという問題があった。層状生地を使用した複合菓子は、表面に切り株状の特徴ある模様を描き出すが、上への伸びが抑えられて潰れた腰もちの悪い形状となり、体積も小さくなってしまうという問題があった。練りパイ生地を使用した複合菓子は、シューケースの主に下部に断裂状の特徴ある外観を呈するが、その特徴ある外観は主にシューの下部に限定されてしまい、上面は通常のシューと同様の割れ目を有するものとなり、また、体積自体も小さくなるという問題があった。
チョコレート生地を使用する方法では、加熱時に表面が焦げやすく、またチョコレート生地は急激に溶解して液状化するため、シューケースの表面を均質に覆うことが難しく、表面が滑らかなシューケースを得ることができないという問題があり、さらには溶解したチョコレート生地が天板まで流下して天板を汚し、激しい焦げを生じるという問題もあった。チーズを使用する方法では、加熱時に表面が焦げやすく、また、チョコレート生地と同様に、チーズは加熱により流動化して天板まで流下して天板を汚し、激しい焦げを生じるという問題もあった。また、シューケースの表面を均質に覆うようにするためには、シュー生地の頂部にのみチーズをのせる必要があるが、実際には、チーズの自重により中央部が陥没したシューケースが一定の割合で発生する等、安定した生産が不可能であるという問題もあった。また、チョコレート生地やチーズを使用する方法では、チョコレート部分やチーズ部分が剥れやすいという問題もあり、さらには、当然チョコレートやチーズの風味が付与されてしまうため、一般的なシューケースのような広範な利用方法ができないという問題もあった。
ミルクペーストを使用したシューケースは、内部に空洞を有する一般的なシューケースとは全く異なる壺状の形状であり、しかも体積が充分大きいものでもない。
餅様生地を積載して焼成したシューケースは、体積は大きくなるものの予めシュー生地の形状にあわせて餅様生地を成型しておく作業が煩雑であり、特定の水分含量且つ油分含量のショートペーストを積載して焼成したシューケースは該生地自体の食感が顕れるため、良好な食感のシュー菓子にならないという問題があった。
また、破砕ゲルを積載する方法は、破砕ゲル自体が日持ちしないので予め製造して保管しておくとしても保管期間が短くなってしまう問題があった。
このように、従来、表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかな表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であるシューケースを簡単な方法で得る方法はなかった。
特開2004−041117号公報 特開2004−267165号公報 特開平04−53440号公報 特開平10−007911号公報 特開平02−255037号公報 特開2000−139328号公報 特開平10−66502号公報 実用新案登録第3086215号公報 実用新案登録第3086216号公報 特開昭63−254941号公報 特開2002−262762号公報 特開昭58−193659号公報 実開昭59−55490号公報 特開2010−154761号公報 特開2012−095597号公報 特開2014−204696号公報
したがって、本発明の目的は、表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかな表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であるシューケースを簡単に安定して得ることのできるシュー生地を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、糖類、及び、酸性水中油型乳化油脂組成物を特定量含有するシュー生地により、上記問題を解決可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、穀粉類及び/又は澱粉類100質量部に対して糖類を5〜50質量部、及び、酸性水中油型乳化油脂組成物を10〜500質量部含有することを特徴とするシュー生地を提供するものである。
本発明のシュー生地を焼成して得られたシューケースは表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかな表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感である。
本発明に使用される穀粉類及び/又は澱粉類は、シュー生地における主成分であり、穀粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、フランス粉、薄力粉、デュラム粉、小麦胚芽、全粒粉、小麦ふすま、デュラム粉などの小麦粉や、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、ハトムギ粉などのその他の穀粉が挙げられ、また、本発明で使用される澱粉類としては、例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉等の澱粉や、それらの化工澱粉等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができるが、本発明では小麦粉が好ましく用いられる。
本発明のシュー生地は、穀粉類及び/又は澱粉類100質量部に対して糖類を5〜50質量部、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは5〜25質量部含有する。糖類の含有量が5質量部未満であると、本発明の効果が不十分となり、とくにシューケースの表面の焼き色が均質になりにくく、また滑らかな表面にならない。一方、50質量部を超えると、体積の小さなシューケースとなり、また焦げが生じやすい。
なお、本発明において「穀粉類及び/又は澱粉類100質量部」の中には、下記の酸性水中油型乳化油脂組成物やその他の成分に含まれる穀粉類や澱粉類は含まないものとする。
また、上記糖類の含有量は、下記酸性水中油型乳化油脂組成物に含まれる糖類や、シュー生地に使用するその他の成分に含まれる糖類の含量も併せた含量である。
さらに、上記糖類の含有量は糖類の固形分で算出するものとする。
上記の糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、蔗糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、シクロデキストリン、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、パラチニット、ラクチトール、直鎖オリゴ糖アルコール、分岐オリゴ糖アルコール、高糖化還元水飴、還元麦芽糖水飴、還元水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、キシロース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、アラビノース、パラチノースオリゴ糖、アガロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ヘミセルロース、モラセス、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、カップリングシュガー、ラフィノース、ラクチュロース、テアンデオリゴ糖、ゲンチオリゴ糖等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においては、上記糖類の一部又は全部、具体的には50〜100質量%が糖アルコールであることが好ましい。糖アルコールを使用することにより、得られるシューケースの表面の焼き色が濃くなりすぎるのを防止することができる。
該糖アルコールとは、単糖、単糖が2〜10分子結合したオリゴ糖、あるいは、デキストリン、水飴、デンプン等を、発酵や水素添加により還元して得られるものであり、具体的には、還元ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、パラチニット、ラクチトール、直鎖オリゴ糖アルコール、分岐オリゴ糖アルコール、高糖化還元水飴、還元麦芽糖水飴、還元水飴等が挙げられ、これらの中でも、高糖化還元水飴、還元麦芽糖水飴及び還元水飴から選択された1種以上を使用することにより、特に好ましい効果が得られる。また、上記糖アルコールの形態は、粉末状でも液状でもよく、糖アルコールを水に溶解させてシロップ状とした糖アルコール組成物でもよい。
また、本発明のシュー生地は穀粉類及び/又は澱粉類100質量部に対して酸性水中油型乳化油脂組成物を10〜500質量部、好ましくは50〜300質量部、より好ましくは100〜300質量部含有する。
酸性水中油型乳化油脂組成物の含有量が10質量部未満では本発明の効果が得られず、500質量部を超えると、得られるシューケースの体積が小さくなり、また、内相が荒れたものとなってしまう上に、酸味が強い不良な食味のシューケースとなってしまう。
ここで、本発明で使用する酸性水中油型乳化油脂組成物について述べる。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物の油相に使用する油脂としては、食用に適する油脂であればよく、その代表例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、魚油等の動植物性油脂が挙げられ、更に、これらの油脂に硬化、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理を施した油脂を使用することもできる。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物における油分含有量は特に制限はないが、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。5質量%より小さいと得られるシューケースの形状や食感が悪くなるおそれがある。また、60質量%を超えると、酸性水中油型乳化油脂組成物の乳化安定性が低下してしまう問題があることに加え、得られるシュー生地の安定性が低下して分離しやすくなる。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物は、酸や酸味料、必要に応じ水を使用して、水相のpHを酸性とする。
上記のpHの調整に用いる酸や酸味料としては、乳酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、食酢(酢酸)、果汁、発酵乳等が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができるが、食酢(酢酸)を使用することが好ましい。
ここで、上記酸性水中油型乳化油脂組成物の水相のpHは、好ましくは2.0〜5.5、より好ましくは2.5〜5.0、最も好ましくは2.8〜4.5の範囲である。pHが2.0未満であると、得られるシューケースの酸味が強すぎるおそれがあり、また、pHが5.5を超えると、得られるシューケースの表面が滑らかなものとなりにくい。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物において、上記の酸や酸味料の使用量及び水の使用量は、水相のpHが酸性、好ましくはpHが2.0〜5.5となるように、使用する酸の種類等に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは、酸や酸味料の使用量は0.1〜20質量%、水の使用量は20〜70質量%の範囲からそれぞれ選択する。
また上記酸性水中油型乳化油脂組成物では、卵黄類を好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜15質量%含有するものであることが好ましい。
卵黄類の含有量が20質量%より大きいと、得られる酸性水中油型乳化油脂組成物の粘度が上昇しやすく、また、1質量%より小さいと、酸性水中油型乳化油脂組成物の水中油型乳化が不安定となってしまうおそれがある。
上記の卵黄類としては、全卵、卵黄、加塩卵黄、加塩全卵、加糖全卵、加糖卵黄、乾燥全卵、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。なお、上記卵黄類に糖分が含まれる場合は、該糖分は、下記糖類の含有量に算入する。
また、上記酸性水中油型乳化油脂組成物では、糖類を好ましくは2〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%含有するものであると、糖類と酸性水中油型乳化油脂組成物を別々に用意することなく、より簡単に安定して本発明のシュー生地を得られる点で好ましい。ここで糖類の含有量が30質量%より大きいと、得られる酸性水中油型乳化油脂組成物の粘度が著しく上昇し、シュー生地製造時の混合性が低下してしまう可能性がある。また、1質量%より小さいと、本発明の効果が不十分となりやすく、とくにシューケースの表面の焼き色が均質になりにくく、また滑らかな表面にもなりにくい。
なお、上記酸性水中油型乳化油脂組成物に使用する糖類は、上述のシュー生地に使用する糖類と同様のものを使用することが好ましい。
また、上記酸性水中油型乳化油脂組成物には、マヨネーズ、タルタルソース、乳化型サラダドレッシング等の酸性水中油型乳化油脂組成物に使用されることが知られている副原料を、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができる。該副原料としては、増粘安定剤、澱粉、化工澱粉、トマト、チーズ、カレー粉、胡椒、辛子粉等の香辛料や香辛料抽出物といった風味原料や、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、香料、食塩、蛋白質、着色料、酸化防止剤、ピクルス等の野菜類等が挙げられる。
上記増粘安定剤としては、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ペクチン、グアーガム、タラガントガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ゼラチン、微小繊維状セルロース等が挙げられる。
上記化工澱粉としては、コーン、ワキシーコーン、タピオカ、馬鈴薯、甘薯、小麦、米等の澱粉を起源とし、これらの澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したものや、酸やアルカリ、エステル化、リン酸架橋化、加熱、湿熱処理等の物理的、化学的処理を行ったものが挙げられ、更に、これら化工澱粉を、水に溶解し易い様にあらかじめ加熱処理により糊化させたものが挙げられる。
また、上記蛋白質としては、カゼイン、ホエイ蛋白質、乳脂肪球被膜蛋白質等の乳蛋白質、卵白粉末、グルテン、大豆蛋白質等が挙げられる。
上記副原料の使用量は、使用目的等に応じて適宜選択することができるが、上記酸性水中油型乳化油脂組成物において好ましくは合計で15質量%以下とする。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物は、例えば以下の様にして得ることができる。まず、水に、食酢等の酸や酸味料、加塩卵黄等の卵黄類、食塩、水飴等の糖類、辛子粉等の香辛料等の水溶性成分を分散溶解させた水相を調製し、また、大豆油等の油脂に、油溶性成分や、必要により増粘安定剤等を分散させた油相を調製する。次いで、水相を撹拌しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を得る。該水中油型予備乳化物をコロイドミル等の乳化機、ホモゲナイザー等の均質化機で処理し仕上げ乳化を行ない、上記酸性水中油型乳化油脂組成物が得られる。
また、上記酸性水中油型乳化油脂組成物中の油粒子の平均粒径は、20μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が最も好ましい。20μmを超えると、酸性水中油型乳化油脂組成物の乳化安定性が低下しやすく、保存時に油分分離等が発生する危険性もあるので好ましくない。なお、上記平均粒径は、例えば、島津製作所のレーザー回折式粒度分布測定機(SALD-2100型)や光学顕微鏡で測定することができる。
なお、本発明のシュー生地は上記糖類及び酸性水中油型乳化油脂組成物を添加する以外は従来の一般的なシュー生地と同様、穀粉類及び/又は澱粉類、油脂類、卵類及び水を主体とし、穀粉の糊化作用を利用して得られる従来のシュー生地に使用する原材料を、特に制限なく用いることができる。
また、上記シュー生地で使用する油脂類としては、バター、マーガリン、ショートニング、液状油、ラード、ヘット、クリーム等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
さらに、上記シュー生地で使用する卵類としては、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵白、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等を用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
なお、上記シュー生地中の水は、その一部又は全部を、水以外の原材料、例えば、牛乳、クリーム、果汁等の、水を多く含む食品や食品素材で置換しても良い。
また、上記シュー生地には、本発明の目的の範囲内で所望により上記成分以外の任意のその他の原材料を配合することができる。上記のシュー生地に使用できる上記成分以外の原材料としては、例えば、牛乳・全粉乳・脱脂粉乳・クリームパウダー・ホエイパウダー・蛋白質濃縮ホエイパウダー・バターミルクパウダー・加糖粉乳・調製粉乳等の乳や乳製品、岩塩・精製塩・天塩等の食塩、カゼインカルシウム・カゼインナトリウム・カゼインカリウム等の乳蛋白、アミラーゼ・プロテアーゼ・アミログルコシダーゼ・プルラナーゼ・ペントサナーゼ・セルラーゼ・ヘミセルラーゼ・リパーゼ・ホスフォリパーゼ・カタラーゼ・リポキシゲナーゼ・アスコルビン酸オキシダーゼ・スルフィドリルオキシダーゼ・ヘキソースオキシダーゼ・グルコースオキシダーゼ等の酵素、グリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・グリセリン有機酸脂肪酸エステル・レシチン・ショ糖脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム等の乳化剤、重炭酸アンモニウム・重曹・バーキングパウダー・イスパタ等の膨張剤、アスコルビン酸・シスチン等の酸化剤や還元剤、トコフェロール・茶抽出物・アスコルビン酸脂肪酸エステル等の酸化防止剤、β―カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料類、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料、塩化カリウム等の呈味剤、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、プアール茶、日向夏茶、柚子茶、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、デキストリン類、野菜類・肉類・酒類・魚介類等の食品素材、着香料等が挙げられる。
上記シュー生地中における各成分の使用量は、特に制限されるものではないが、通常、穀粉類及び/又は澱粉類100質量部に対し、油脂類50〜180質量部、卵類100〜300質量部(ただし卵類として乾燥品を使用する場合は乾燥前質量に換算するものとする)、水100〜250質量部、任意のその他の原材料(合計量)100質量部以下が適当である。
なお、本発明のシュー生地の油分含有量は、穀粉類及び/又は澱粉類100質量部に対して好ましくは50〜250質量部、より好ましくは60〜200質量部、さらに好ましくは90〜180質量部である。油分含有量が50質量部未満であると体積の大きなシューケースが得られず、250質量部を超えると膨化することなく、つぶれた形状のシューケースとなる上、油分分離が多く発生してしまう。
なお、上記油分含有量は、上記酸性水中油型乳化油脂組成物、上記の油脂類、上記その他の原材料に含まれる油脂の含量も併せた油脂の純油分含量である。
次に、本発明のシュー生地の製造方法について述べる。
なお、本発明のシュー生地の製造方法は、上記糖類と酸性水中油型乳化油脂組成物を上記含有量となるように添加する以外は通常のシュー生地の製造方法でよく、特に限定されない。例えば、水、油脂類、食塩等を大きめの鍋、ボール等の容器に入れ煮沸させ、薄力粉・強力粉等の穀粉類を加え混合撹拌し、十分糊化させて、これに卵類を数回に分けて加え均一に混合し、さらに上記糖類及び酸性水中油型乳化油脂組成物、好ましくは糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物を加え均一に混合することによって得ることができる。なお、上記糖類と酸性水中油型乳化油脂組成物の添加時期は、糊化の前、糊化の後の卵類の混合前、卵類の混合後のいずれの段階であってもよいが、好ましくは上述のように、卵類の混合後に添加することが好ましい。なお、特に糖類については、糊化前に添加すると糊化抑制作用によりシューケースのボリュームが低下するため、穀粉類の糊化後の添加混合が好ましい。
なお、穀粉類として糊化澱粉や糊化穀粉を使用する場合は、特に加熱することなく上記原材料を混合した、いわゆるインスタントシュー生地としてもよい。
次に本発明のシューケースについて述べる。
本発明のシューケースは上記シュー生地を焼成及び/又はフライしてなるものである。
焼成する際は、通常、天板あるいはコンベア上に積置するが、焼型に入れて焼成してもよくシェブロンを使用した刷り込みとしてもよい。また積置する際は通常のシューケースのような点置きにしてもよくエクレアのような線状に置いてもよく、またシート状に置いてもよい。焼成する際の温度は、通常のシューケース同様、好ましくは160℃〜250℃、より好ましくは170℃〜220℃である。160℃未満であると火どおりが悪く、焼成時間が延びてしまうことに加え、窯落ちが発生するおそれがある。また250℃を超えると、焦げついてしまい、外観が悪化することに加え体積も劣ったものとなってしまうおそれがある。なお、焼成時に蓋をかぶせる等の方法で蒸気圧を高めた状態で焼成することで、さらに容積の大きなシューケースとすることも可能である。
なお、フライする際の温度は、好ましくは160〜250℃、より好ましくは170〜220℃である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。
<酸性水中油型乳化油脂組成物の製造>
〔製造例1〕
水46質量部、還元水飴(糖分70質量%、水分30質量%)10質量部、食酢(酢酸含量15質量%)10質量部、食塩3質量部、グルタミン酸ナトリウム0.3質量部、辛子粉0.4質量部及び加塩卵黄10質量部を混合して水相を調製した。別に、菜種サラダ油20質量部、キサンタンガム0.1質量部及びゼラチン0.2質量部を混合して油相を調製した。次いで、水相を撹拌しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を得、これをホモゲナイザーにて均質化し、油粒子の平均粒径が3μm以下、pHが3.5である糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Aを得た。
〔製造例2〕
水35質量部、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分70質量%、水分30質量%)10質量部、食酢(酢酸含量15質量%)7質量部、食塩3質量部、グルタミン酸ナトリウム1質量部、からし粉0.4質量部、粉末ゼラチン2質量部、アルギン酸0.5質量部及び、酵素処理(ホスホリパーゼA処理)10%加塩卵黄7質量部を混合して水相を調製した。別に、菜種サラダ油20質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10質量部、ワキシーコーンスターチをリン酸架橋後に糊化した糊化化工澱粉3質量部、卵白粉末1質量部、及びキサンタンガム0.1質量部を混合して油相を調製した。次いで、上記水相を撹拌しつつ上記油相を加え、水中油型予備乳化物を得、これをホモゲナイザーにて均質化し、油粒子の平均粒径が3μm以下、pHが4.03である糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Bを得た。
〔製造例3〕
製造例2における砂糖混合果糖ブドウ糖液糖10質量部を、還元水飴(糖分70質量%、水分30質量%)10質量部に置換した以外は製造例2と同様の配合・製法で、糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Cを得た。
〔製造例4〕
水3質量部、食酢(酢酸含量15質量%)10質量部、食塩1質量部、グルタミン酸ナトリウム0.2質量部、加塩卵黄10質量部及び辛子粉0.1質量部を混合して水相を調製した。次いで、水相を撹拌しつつ油相として大豆油75.7質量部を加え、水中油型予備乳化物を得、これをコロイドミルにて乳化し、油粒子の平均粒径が3μm以下、pHが3.5である、糖類を含有しない酸性水中油型乳化油脂組成物Dを得た。
<シュー生地及びシューケースの製造>
〔実施例1〕
下記配合・製法により、本発明のシュー生地、及び、シューケースを得た。
<シュー生地の配合・製法>
水140質量部、シューマーガリン(油分含量80質量%)140質量部をミキサーボウルに投入し軽く混合後、加熱し沸騰させたところに、薄力粉100質量部を加え、木へらで1分撹拌しながら、十分に糊化させた。縦型ミキサーにこのミキサーボウルをセットし、ビーターを使用し、高速で2分ミキシングした。さらに全卵(正味)210質量部及び重炭安1質量部を3回に分けて投入し、投入毎に中速で1分ミキシングし、さらに、上記糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Aを200質量部添加し、低速で2分ミキシングして均一な生地とし、穀粉類100質量部に対し糖類を14質量部、及び、酸性水中油型乳化油脂組成物を200質量部含有し、穀粉類100質量部に対する油分含量が152質量部である本発明のシュー生地Aを得た。
平天板に上記シュー生地Aを30g絞り、固定オーブンで上火190℃、下火200℃で15分焼成後、上火と下火を切り替え、さらに上火190℃、下火180℃で15分焼成し、本発明のシューケースAを得た。
得られたシューケースAは表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかな表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であった。
〔実施例2〕
糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Aの添加量を200質量部から100質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、穀粉類100質量部に対し糖類を7質量部、及び、酸性水中油型乳化油脂組成物を100質量部含有し、穀粉類100質量部に対する油分含量が132質量部である本発明のシュー生地A2、及び本発明のシューケースA2を得た。
得られたシューケースA2は表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかな表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であった。
〔実施例3〕
糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Aに代えて糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Bを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、穀粉類100質量部に対し糖類を14質量部、及び、酸性水中油型乳化油脂組成物を200質量部含有し、穀粉類100質量部に対する油分含量が172質量部である本発明のシュー生地B、及び本発明のシューケースBを得た。
得られたシューケースBは表面の焼き色がやや強いが均質で、且つ、滑らかさに優れた表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であった。
〔実施例4〕
糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Aに代えて糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Cを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、穀粉類100質量部に対し糖類を14質量部、及び、酸性水中油型乳化油脂組成物を200質量部含有し、穀粉類100質量部に対する油分含量が172質量部である本発明のシュー生地C、及び本発明のシューケースCを得た。
得られたシューケースCは表面の焼き色が均質で、且つ、滑らかさに優れた表面であり、風味が良好で、ソフトでありながら歯切れも良好な食感であった。
〔比較例1〕
糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物A200質量部に代えて糖類を含有しない酸性水中油型乳化油脂組成物D100質量部を使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、穀粉類100質量部に対し糖類を含有せず、酸性水中油型乳化油脂組成物を100質量部含有し、穀粉類100質量部に対する油分含量が188質量部である比較例であるシュー生地D、及び比較例であるシューケースDを得た。
得られたシューケースDは表面の焼き色が不均質で、且つ、割れのある表面であり、油分分離が見られた。なお、風味は良好でソフトであるが、歯切れがやや悪い食感であった。

Claims (4)

  1. 穀粉類及び/又は澱粉類100質量部に対して糖類を5〜50質量部、及び、酸性水中油型乳化油脂組成物を10〜500質量部含有することを特徴とするシュー生地。
  2. 上記酸性水中油型乳化油脂組成物の油分含有量が5〜60質量%であることを特徴とする請求項1記載のシュー生地。
  3. 上記酸性水中油型乳化油脂組成物の糖類含有量が2〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のシュー生地。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシュー生地を、焼成及び/又はフライしたシューケース。
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