JP2016195995A - 縦溝流路付き濾材を形成する方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】Z型濾材積層体の形態を変更して、縦溝流路付き濾材を形成する方法の提供。【解決手段】縦溝流路の繰り返しパターンを有する縦溝流路付き濾材を提供するために濾材に縦溝流路を形成する工程を有し、前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点115、119間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも1つの尾根118を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有する。前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも2つの尾根118を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有する濾材。縦溝流路付き濾材を形成する装置。【選択図】図4a
Description
本発明は、縦溝流路付き濾材、縦溝流路付き濾材の片面積層物および濾材積層体を形成する方法および装置に関する。縦溝流路付き濾材は、空気ろ過用の濾材として提供することができ、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に提供される少なくとも1つの尾根を有する縦溝流路付きシートを有する縦溝流路の繰り返しパターンを含むことができる。縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間にある縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも2つの尾根、少なくとも3つの尾根、または少なくとも4つの尾根を含むことができる。例示の縦溝流路の形態は、Z型濾材積層体として特徴付けられる。装置は、食込み間隙(bite)を提供するように構成された第1ロールと第2ロールを含むことができる。食込み間隙は、供給される濾材に縦溝流路を付けて、縦溝流路の繰り返しパターンを有する濾材を提供する。
本出願は、米国以外の全ての国を指定国とする出願人である米国国内企業のドナルドソン会社と、米国のみを指定国とする出願人である米国人のテッド・A・モー、グレゴリー・J・ロックリッツおよびミリング・オーヤングおよびインド人のアニータ・M・マッシューの名において、国際特許出願として2009年2月3日に出願されたものである。
関連出願の相互参照
本出願は、2008年2月4日に米国特許商標庁に出願された米国仮特許出願第61/025,999号の開示を含む。適切な範囲に対して、米国仮特許出願第61/025,999号の優先権を主張する。米国仮特許出願第61/025,999号の全ての開示は、引用により本明細書に合体される。
本出願は、2008年2月4日に米国特許商標庁に出願された米国仮特許出願第61/025,999号の開示を含む。適切な範囲に対して、米国仮特許出願第61/025,999号の優先権を主張する。米国仮特許出願第61/025,999号の全ての開示は、引用により本明細書に合体される。
背景技術
空気や液体などの流体の流れは、その中に汚染物を運んでいる。多くの例において、流体の流れから汚染物のいくらかまたは全てをろ過することは好ましい。例えば、自動車用あるいは電力発生装置用エンジンへの空気流の流れ、ガスタービンシステムへのガス流れ、および各種燃焼炉への空気流は、その中にろ過すべき微粒子汚染物を運んでいる。また、エンジン潤滑油システム、水力式システム、冷却システムまたは燃料システムへの液体の流れは、ろ過すべき汚染物を運んでいる場合がある。そのようなシステムに対して、選択される汚染物を流体から除去する(または流体中のレベルを下げる)ことは好ましい。汚染物を低減するために様々な流体(空気または液体)フィルタ構成物が開発されてきた。しかしながら、一般に、絶え間ない改良が求められている。
空気や液体などの流体の流れは、その中に汚染物を運んでいる。多くの例において、流体の流れから汚染物のいくらかまたは全てをろ過することは好ましい。例えば、自動車用あるいは電力発生装置用エンジンへの空気流の流れ、ガスタービンシステムへのガス流れ、および各種燃焼炉への空気流は、その中にろ過すべき微粒子汚染物を運んでいる。また、エンジン潤滑油システム、水力式システム、冷却システムまたは燃料システムへの液体の流れは、ろ過すべき汚染物を運んでいる場合がある。そのようなシステムに対して、選択される汚染物を流体から除去する(または流体中のレベルを下げる)ことは好ましい。汚染物を低減するために様々な流体(空気または液体)フィルタ構成物が開発されてきた。しかしながら、一般に、絶え間ない改良が求められている。
Z型濾材積層体は、一般に、縦溝流路付き濾材エレメントの1つのタイプであり、流体は、濾材エレメントの第1面を入り、濾材エレメントの第2面を出る。一般に、Z型濾材積層体の面は、濾材の対向する面に提供される。流体は、1つの面の開いた縦溝流路を入って通過し、他の面の開いた縦溝流路から出る。第1面と第2面との間にあるいくつかのポイントで、流体は、1つの縦溝流路から別の縦溝流路を通過して流れてろ過される。
Z型濾材積層体の初期形態は、濾材の特徴が波形の段ボール箱工業で採用されていたので、しばしば波形濾材(corrugated media)と呼ばれていた。しかしながら、段ボール箱は、一般に積載物を運ぶように設計されたものであり、ろ過効率のためではない。縦溝流路の設計は、改善された濾材の性能を提供するように段ボール箱工業の規格と大きさとから離れる方向に変更することができる。
Z型濾材積層体の縦溝流路の形態を変更するために様々な開示がなされてきた。例えば、米国特許第5,562,825号は、波形パターンを記載する。狭いV字形(波形側部を持つ)の出口縦溝流路に隣接する、いくぶん半円形状(断面の)入口縦溝流路を利用する波形パターンが示されている(米国特許第5,562,825号の図1と図3参照)。松本他の米国特許第5,049,326号では、(断面が)円状のまたは管状の縦溝流路が示されており、縦溝流路は、半管を有する別シートに取付けられた半管を有するシートによって画定され、得られる平行でまっすぐな縦溝流路の間の平らな領域を有する。米国特許第5,049,326号の図2が参照される。石井他の米国特許第4,925,561号(図1)は、矩形断面を持つように折り曲げられた縦溝流路を示し、その縦溝流路は、長さ方向に沿ってテーパ状となっている。国際特許出願公開第97/40918号の(図1)には、(隣接するカーブした凸状と凹状のトラフから)カーブした波形パターンを持つが、長手方向にテーパ状となっていて、(従って真っ直ぐでない)縦溝流路または平行な波形物が示されている。また、国際特許出願公開第97/40918号には、カーブした波形パターンを持つが異なる大きさのリッジとトラフとを持つ縦溝流路が示されている。
概要
本願発明に基づいて縦溝流路付き濾材を形成する方法が提供される。本法は、縦溝流路の繰り返しパターンを有する縦溝流路付き濾材を提供するために、濾材に縦溝流路を形成する形成工程を有し、前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも1つの尾根を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有する。前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも2つの尾根を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有する。尾根は、隣接する頂点間の間に提供されることができる。「尾根(ridge)」と言うときは、縦溝流路の頂点間の異なる傾斜の濾材の部分の間の交点を言う。「尾根」と言うときは、縦溝流路の頂点を含まない。
本願発明に基づいて縦溝流路付き濾材を形成する方法が提供される。本法は、縦溝流路の繰り返しパターンを有する縦溝流路付き濾材を提供するために、濾材に縦溝流路を形成する形成工程を有し、前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも1つの尾根を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有する。前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも2つの尾根を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有する。尾根は、隣接する頂点間の間に提供されることができる。「尾根(ridge)」と言うときは、縦溝流路の頂点間の異なる傾斜の濾材の部分の間の交点を言う。「尾根」と言うときは、縦溝流路の頂点を含まない。
縦溝流路付き濾材を形成する方法は、縦溝流路付き濾材を形成するために、第1ロールと第2ロールとの間に形成される食込み間隙(bite)中に濾材を供給する工程を含む。前記第1ロールは、複数の第1ロール突起部と複数の第1ロール凹部とを含み、前記第1ロールは、前記第1ロール突起部と前記第1ロール凹部とを交互に提供する。前記複数の第1ロール突起部のうちの少なくとも1つは、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている、少なくとも2つの濾材接触領域を含む。好ましくは、前記複数の第1ロール突起部のうちの少なくとも1つは、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている、少なくとも3つの濾材接触領域を含む。前記第2ロールは、複数の第2ロール凹部と複数の第2ロール突起部とを含み、前記第2ロールは、前記第2ロール凹部と前記第2ロール突起部とを交互に提供する。前記第2ロール凹部のうちの少なくとも1つは、濾材弛緩領域によって互いに分離されている、少なくとも2つの濾材接触領域を含む。好ましくは、前記第2ロール凹部のうちの少なくとも1つは、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている、少なくとも3つの濾材接触領域を含む。例示の実施例では、第1ロール突起部の全てと第2ロール凹部の全ては、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも2つの濾材接触領域を含み、好ましくは、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含む。
本願発明による片面積層物を提供する方法が提供される。本法は、片面積層物を提供するために、前記縦溝流路付き濾材を対面濾材に取り付ける(例えば、接着する)工程を含む。
本願発明による濾材積層体を形成する方法が提供される。濾材積層体を形成するための本法は、片面積層物を巻き付けた濾材積層体を形成する工程を含むことができる。巻き付けた濾材積層体は、円柱状、だ円形状、競馬場形状として提供することができる。濾材積層体を形成するための方法は、片面積層物から積み重ねた濾材積層体を形成する工程を含むことができる。積み重ねられた濾材積層体を形成する工程は、複数の片面積層物を積み重ねる工程を含むことができる。
本願発明による縦溝流路付き濾材を形成する装置が提供される。本装置は、第1ロールと第2ロールを含む。第1ロールは、複数の第1ロール突起部と複数の第1ロール凹部とを含む。第1ロールは、第1ロール突起部と第1ロール凹部とを交互に提供する。第1ロール突起部のうちの少なくとも1つは、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも2つの濾材接触領域を含む。第2ロールは、複数の第2ロール凹部と複数の第2ロール突起部とを含む。第2ロールは、第2ロール凹部と第2ロール突起部とを交互に提供する。第2ロール凹部のうちの少なくとも1つは、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも2つの濾材接触領域を含む。
縦溝流路付き濾材、縦溝流路付き濾材を対面濾材と結合して対面濾材の片側に縦溝流路付きの濾材が積層された片面積層物、濾材積層体(filtration media pack)を形成するための方法と装置が提供される。縦溝流路付き濾材は、単独で、または、例えば、片面積層物を形成するために対面シートなどの他の濾材との組み合わせで、使用することができる。また、縦溝流路付き濾材と片面積層物は、濾材を形成するために、それぞれ使用することができる。縦溝流路付き濾材は、ガス状または液状物質をろ過するために使用することができる。例示のガス状物質は、空気を含み、例示の液状物質は、水、オイル、燃料および液圧流体を含む。本発明の方法と装置によって提供することができる濾材の形態は、2007年2月2日に出願された米国特許出願第60/899,311号と2007年6月26日に出願された米国特許出願第60/937,162号に開示された内容を含む。両出願は、引用によりその全体が本明細書に合体される。
本発明に基づく方法と装置により調製された縦溝流路付き濾材は、先行技術の縦溝流路付き濾材に対する改良と考えることができる。先行技術の縦溝流路付き濾材は、ろ過のために利用できるより多くの濾材を提供するための一般的な能力により、AまたはB縦溝流路付き濾材として特徴付けられる場合がある。
縦溝流路付き濾材
縦溝流路(ひだ)付き濾材(fluted filter media)は、さまざまな方法で流体フィルタ構造物を提供するために使用することができる。1つのよく知られた形態は、Z型フィルタ構造物である。本明細書で使用されるような用語「Z型フィルタ構造物(z-filter construction)」または「Z型濾材積層体(z-filter media)」は、フィルタエレメント構造物を指すことを意味する。この構造物では、波形加工された、折り曲げられた、縦溝流路付きの、または、別の方法で形成されたフィルタ縦溝流路は、濾材を通過する流体流れの長手方向のフィルタ縦溝流路を画定するために使用される。この流体は、フィルタエレメント流入端部と流出端部(または、流れ面)との間にある縦溝流路に沿って流れる。Z型濾材積層体のフィルタエレメントのいくつかの実施例は、米国特許第5,820,646号、米国特許第5,772,883号、米国特許第5,902,364号、米国特許第5,792,247号、米国特許第5,895,574号、米国特許第6,210,469号、米国特許第6,190,432、米国特許第6,350,296号、米国特許第6,179,890号、米国特許第6,235,195号、意匠第399,944号、意匠第428,128号、意匠第396,098号、意匠第398,046号、意匠第437,401号で提供される。これら15の引用文献は、引用により本明細書に合体される。
縦溝流路(ひだ)付き濾材(fluted filter media)は、さまざまな方法で流体フィルタ構造物を提供するために使用することができる。1つのよく知られた形態は、Z型フィルタ構造物である。本明細書で使用されるような用語「Z型フィルタ構造物(z-filter construction)」または「Z型濾材積層体(z-filter media)」は、フィルタエレメント構造物を指すことを意味する。この構造物では、波形加工された、折り曲げられた、縦溝流路付きの、または、別の方法で形成されたフィルタ縦溝流路は、濾材を通過する流体流れの長手方向のフィルタ縦溝流路を画定するために使用される。この流体は、フィルタエレメント流入端部と流出端部(または、流れ面)との間にある縦溝流路に沿って流れる。Z型濾材積層体のフィルタエレメントのいくつかの実施例は、米国特許第5,820,646号、米国特許第5,772,883号、米国特許第5,902,364号、米国特許第5,792,247号、米国特許第5,895,574号、米国特許第6,210,469号、米国特許第6,190,432、米国特許第6,350,296号、米国特許第6,179,890号、米国特許第6,235,195号、意匠第399,944号、意匠第428,128号、意匠第396,098号、意匠第398,046号、意匠第437,401号で提供される。これら15の引用文献は、引用により本明細書に合体される。
ある種類のZ型濾材積層体は、濾材構造物を形成するために互いに結合された2つの濾材コンポーネントを使用する。2つのコンポーネントは、(1)縦溝流路(例えば、波形)付き濾材シート(fluted media sheet)と(2)対面濾材シート(facing media sheet)である。対面濾材シートは、通常は、波形でない。しかしながら、対面濾材シートは、波形とすることができる。例えば、2005年8月25日に発行され、引用により本明細書に合体される国際特許出願公開第2005/077487号に記載されたように、縦溝流路方向に対して垂直な波形であり得る。あるいはまた、対面濾材シートは、縦溝流路(例えば、波形)付き濾材シートであり得る。縦溝流路または波形物は、縦溝流路付き濾材シートと整列するか、ある角度で整列してもよい。対面濾材シートは、縦溝流路付きかまたは波形であり得えるが、縦溝流路付きや波形でない形態で提供することもできる。そのような形態は、平らなシートを含むことができる。対面濾材シートが縦溝流路付でない場合、縦溝流路付き濾材でない、あるいは非縦溝流路付きシートと呼ばれる。
縦溝流路付き濾材シートと対面濾材シートの2つの濾材コンポーネントを使用する濾材積層物のタイプは、濾材積層物を形成するために互いに結合され、「片面積層物(single facer mediaまたはsingle faced media)」と呼ぶことができる。あるZ型濾材積層体では、片面積層物(縦溝流路付き濾材シートと対面濾材シート)は、平行な入口と出口の縦溝流路を有する濾材を画定するために使用することができる。他の構成では、テーパ形状の縦溝流路を持つ濾材エレメントの一部の選択に依存しながら、入口と出口の縦溝流路は平行とすることができる。ある例では、縦溝流路付きシートと非縦溝流路付でシートとは、互い固定され、次に、渦巻状に巻かれてZ型濾材積層体を形成する。このような濾材積層体は、例えば、引用により本明細書に合体される米国特許第6,235,195号と同6,179,890号に記述されている。その他の構造物では、平らな濾材に固定された縦溝流路付き濾材の非渦巻状部分を互いに積層して、フィルタ構造物を形成する。この例は、引用により本明細書に合体される米国特許第5,820,646号の図11に記述されている。一般に、Z型濾材を渦巻状に巻いた濾材積層体は、渦巻状濾材積層体と呼ばれ、Z型濾材を積み重ねた濾材積層体は、積み重ね濾材積層体と呼ばれる。渦巻状に巻いた濾材積層体または積み重ねた濾材積層体を有するフィルタエレメントを供給することができる。
通常は、渦巻状に巻いた濾材積層体を形成するために、縦溝流路付きシート/対面シートの組み合わせ(例えば、片面積層物)をその周りで渦巻にするのは、対面シートを外に向けた状態でなされる。渦巻状に巻く技術は、その内容が引用により本明細書に合体される2004年9月30日に出願された国際特許出願第2004/082795号に記載されている。得られる渦巻状濾材積層体は、結果として、通常は、濾材積層体の外部表面として対面シートの一部を持つ。
濾材の構造を示すために本明細書で使用される用語「波形に加工された(corrugated)」は、2本の波形ローラの間で、すなわち、2つのローラの間にあるニップまたは食込み間隙(bite)中に濾材を通過させて得られる縦溝流路付き構造(flute structure)を言うことを意味する。各波形ロールは、得られる濾材中に波形効果を引き起こすのに適した表面特性を有する。用語「波形(corrugation)」は、波形ローラ間の食込み間隙中に濾材を通過させない技術によって形成された縦溝流路については言わない。しかしながら、用語「波形に加工された」は、波形を形成した後に、例えば、2004年1月22日に国際公開され、本明細書に引用により合体される国際出願公開第2004/007054号に記述されるような折り曲げ技術によって、濾材が更に修正または変形される場合にも適用されることを意味する。
波形加工された濾材は、縦溝流路付き濾材の特別な形態である。縦溝流路付き濾材(fluted media)は、濾材を横切って延びている(例えば、波形加工、折り曲げ加工、または縦溝流路形成された)各縦溝流路を持つ濾材である。縦溝流路付き濾材は、所望の縦溝流路形状を提供する技術によって調整されることができる。波形加工は、特定の大きさを持つ縦溝流路を形成するために有用な技術であり得る。縦溝流路高さ(高さは、頂点(peak)間の高度)を増加させることが好ましい場合には、波形加工技術は、実用的でないかもしれず、濾材を折り曲げるかまたはひだをつけることが好ましいかもしれない。一般に、濾材にひだを付けることは、濾材を折り曲げた結果として得られる。ひだを付けるために濾材を折り曲げる例示の技術は、折り曲げるために刻み目を入れるまたは圧力を用いることを含む。
Z型濾材積層体を使用するフィルタエレメントまたはフィルタカートリッジ構成物は、ときどき「真っ直ぐに通過する流れ構成物(straight through flow configuration)」またはこの変形と呼ばれる。一般に、この文脈において意味することは、点検整備可能なフィルタエレメンが、流れがほぼ同じまっすぐに通過する方向でフィルタカートリッジに流入しかつ流出する状態の流入端部(または面)と流出端部(または面)とを一般的に持つことである。用語「真っ直ぐに通過する流れの構成物」は、この定義に対して、対面濾材の最も外側の巻き付けを通過する濾材積層体の空気流を無視する。いくつかの例では、各流入端部と各流出端部は、一般に平らまたは平面であり、2つは互いに平行である。しかしながら、これからの変形、例えば、非平面は、いくつかの応用において使用可能である。また、対向する流入面と流出面の特徴は、流入面と流出面が平行であることを必要としない。所望であれば、流入面と流出面は、互いに平行なものとして提供することができる。あるいはまた、流入面と流出面は、流入面と流出面とが平行でないように互いにある角度で提供することができる。さらに、平らでない面は、非平行面と考えられることができる。
真っ直ぐに通過する流れ構造物は、例えば、米国特許第6,039,778号に示されるタイプの筒状縦溝流路付きフィルタカートリッジとは対照的なものである。筒状縦溝流路付きフィルタカートリッジでは、流れは、一般的に、点検整備可能なフィルタカートリッジを通過するときに実質的に回転する。すなわち、米国特許第6,039,778号のフィルタでは、流れは、前進する流れのシステムでは、円筒状フィルタカートリッジに入り円筒状の側面を通過し、次に、回転して端面を通過して外に流れる。逆流れのシステムでは、流れは、点検可能な筒状カートリッジに入り、端面を通過し、次に、回転して、筒状フィルタカートリッジの側部を通過して外に出る。そのような逆流れのシステムの実施例は、米国特許第5,613,992号に示されている。
フィルタエレメントあるいはフィルタカートリッジは、点検可能なフィルタエレメントあるいはフィルタカートリッジと呼ぶことができる。この文脈において用語「点検可能」は、対応するエアクリーナから定期的に取り外して取り替えるフィルタカートリッジを含む濾材を言うことを意味する。点検可能なフィルタエレメントまたはフィルタカートリッジを含むエアクリーナは、フィルタエレメントまたはフィルタカートリッジの取り外しと交換ができるように構成されている。一般に、エアクリーナは、ハウジングとアクセスカバーを含み、アクセスカバーは、使用したフィルタエレメントの取り外しと、新しいまたは洗浄された(再生された)フィルタエレメントの挿入を提供する。
本明細書で使用するとき、用語「Z型濾材積層体(Z-filter media construction)」とその変形は、縦溝流路付き濾材シートと対面シートと、濾材を通過するろ過流路無しに空気流が1つの流れ面から別の流れ面に流れないようにする適切な封止物(closure)とを持つ片面積層物、および/または、渦巻き、積み重ね、または他の方法で縦溝流路の三次元的ネットワークに形成された片面積層物、および/または、片面積層物を含む濾材積層体、および/または、三次元の縦溝流路のネットワークが(例えば、折り曲げまたは縦溝流路形成で)構成または形成された縦溝流路付き濾材のうちのいずれか、または、全てを言うことを意味する。一般に、適切な縦溝流路の封止物構成物を提供して、濾材の一方の側部(側面)に流入するろ過されていない空気が、濾材を出るろ過された空気流の一部として、濾材の他方の側部(側面)から流出しないようにすることは好ましい。多くの構造物において、Z型濾材積層体は、入口および出口の縦溝流路ネットワークを形成するように構成されており、入口縦溝流路は、入口面に隣接する領域で開いていて出口面に隣接する領域で閉じており、出口縦溝流路は、入口面に隣接して閉じていて出口面に隣接して開いている。しかしながら、代替のZ型濾材積層体は、可能であり、例えば、2006年5月4日に公開されたバルドウィンフィルタ会社の米国特許出願第2006/0091084号が参照される。この構成物は、対向する流れ面の間に延びている縦溝流路と、ろ過されていない空気の流れが濾材積層体を通過するのを妨ぐシール構成物とを有する。本発明の多くのZ型濾材積層体では、接着剤または密封剤は、ろ過されていない空気が濾材の1つの側部から濾材の他の側部に流れないように、縦溝流路を閉じて適切なシール構成物を提供するために使用することができる。プラグ(栓)、濾材の折り曲げ、または濾材の押しつぶしは、ろ過されていない空気の流れが、濾材の一方の側部(側面)から濾材の他方の側部(側面)に流れるのを防ぐように、縦溝流路の封止物を提供するための技術として使用することができる。
図1を参照すると、Z型濾材積層体として使用可能な例示の濾材1が示される。濾材1は先行技術の濾材を代表しているが、濾材1を記載するために用いられる用語の多くは、本発明の濾材の部分を記載することもできる。濾材1は、縦溝流路(実施例では波形)付シート3と対面シート4とから形成される。一般に、縦溝流路付波形シート3は、一般に、通常の、カーブした、波形パターンの縦溝流路または波形7を持つものとして、本明細書で特徴付けられる。この文脈で用語「波形パターン(wave pattern)」は、トラフ(谷)7bとヒル(山)7aとが交互にくる縦溝流路あるいは波形パターンを指すことを意味する。この文脈で用語「規則的(regular)」は、トラフ(谷)とヒル(山)(7b,7a)の組が、ほぼ同じ繰り返しの波形(または、縦溝流路)形状と大きさで交互に形成されることを指すことを意味する。(また、一般的に、規則的構造において、各トラフ7bは、実質的に各ヒル7aの逆形状である。)従って、用語「規則的」は、波形(または縦溝流路)パターンが、縦溝流路長さの少なくとも70%に沿って、実質的に変わらない波形の大きさと形状で、繰り返す組(隣接するトラフとヒルを含む)を持つトラフとヒルを持つことを意味する。この文脈で用語「実質的(substantial)」は、波形加工あるいは縦溝流路付きシートを形成するために使用されるプロセスまたは型の違いからもたらされる変更を言うのであり、縦溝シート3を形成する濾材シートが可撓性であることによるわずかな変動とは異なる。繰り返しパターンの特徴に関して、与えられたフィルタ構造物中に、等しい数のトラフとヒルとが必ず存在することが必要であることを意味するものではない。例えば、濾材1は、トラフとヒルとを含む1組の間で、あるいは、トラフとヒルを含む1組に部分的にそって、終端とすることができる。(例えば、図1では、断片的に図示される濾材1は、8つの完全なヒル7aと7つの完全なトラフ7bとを備える。)また、対向する縦溝流路の端部(トラフとヒルの端部)は、互いに異なってもよい。このような端部における変動は、特に述べない限り、これらの定義において無視される。すなわち、縦溝流路の端部における変動は、上記の定義によって保護されることを意味する。
縦溝流路付濾材の文脈において、特に、例示の濾材1において、ヒル7aとトラフ7bとは、頂点(peak)として特徴付けることができる。すなわち、ヒル7aの最高点は、頂点として特徴付けられ、トラフ7bの最低点は、頂点として特徴付けられる。縦溝流路付きシート(fluted sheet)3と対面シート(facing sheet)4の組合せを片面積層物(single facer media)5という。トラフ7bに形成された頂点は、片面積層物の濾材5の対面シート4に向かって面しているので、内部頂点(internal peak)と呼ぶ。ヒル7aに形成される頂点は、片面積層物の濾材5を形成する対面シート4から離れる方向に面しているので、外部頂点(external peak)として特徴付けられる。片面積層物の濾材5に対して、縦溝流路付きシート3は、対面シート4に向かって面している内部頂点7bの繰り返しと、対面シート4から離れる方向に面している外部頂点7aの繰り返しとを含む。
用語「規則的(regular)」が縦溝流路パターンを特徴付けるために使用される場合、「テーパ状」と考えることができる濾材を特徴付けることを意図しない。一般に、テーパ状は、縦溝流路長さに沿って縦溝流路の大きさの減少あるいは増加をいう。一般に、テーパ状の濾材は、濾材の第1端部から濾材の第2端部まで大きさが減少する第1の縦溝流路セットと、濾材の第1端部から濾材の第2端部まで大きさが増加する第2の縦溝流路セットとを示すことができる。一般に、テーパ状パターンは、規則的パターンであるとは考えられない。規則的な縦溝流路パターンは、また真っ直ぐな縦溝流路パターンと呼ぶことができる。
Z型濾材積層体の文脈において、一般に、2つのタイプの「非対称」がある。1つのタイプの非対称は、面積非対称と言い、別のタイプの非対称は、体積非対称と言う。一般に、面積非対称は、縦溝流路の断面積の非対称を言い、テーパ状縦溝流路によって示すことができる。例えば、面積非対称は、縦溝流路長さに沿ってある位置の縦溝流路の面積が、縦溝流路長さに沿った別の位置の縦溝流路の面積と異なる場合に存在する。テーパ状縦溝流路は、濾材積層体の第1位置(例えば、端部)から第2位置(例えば、端部)まで大きさが減少するか、または、濾材積層体の第1位置(例えば、端部)から第2位置(例えば、端部)まで大きさが増加するので、面積非対称である。この非対称(例えば、面積非対称)は、テーパから生じる一種の非対称であり、その結果、このタイプの非対称を有する濾材は、規則的でないと言うことができる。別のタイプの非対称は、体積非対称と言い、さらに詳細に説明する。体積非対称は、濾材積層体中の汚れた側部空間と清浄な側部空間との差をいう。体積非対称を示す濾材は、波形パターンが規則的であるなら規則的として特徴付けることができ、波形パターンが規則的でないなら規則的でないとして特徴付けられる。
縦溝流路の少なくとも一部がろ過されていない空気の通路に対して閉じているZ型濾材積層体は、接着剤または密封剤のプラグ(栓)を提供する以外の技術によって、提供することができる。例えば、縦溝流路の端部は、封止物(closure)を提供するために、折り曲げるかまたは押しつぶすことができる。縦溝流路を閉じるための規則的でかつ一貫した折り目パターンを提供する1つの技術は、「ダーツ付け(darting)」と呼ぶことができる。ダーツ付けした縦溝流路またはダーツ付けは、一般に、縦溝流路の封止物を言い、封止物は、押しつぶしによってよりはむしろ封止物を提供するために、対面シートの方向に縦溝流路を折りたたむために規則的な折り目パターンを生成するために縦溝流路を折り曲げることによって生じる。ダーツ付けは、縦溝流路の封止物がほぼ変わらずかつ制御されるような縦溝流路の部分を折りたたむ結果として、縦溝流路の端部を閉じるシステマティックなアプローチを一般に含む。例えば、米国特許出願第2006/0163150号は、縦溝流路端部にダーツ付け構成物を持つ縦溝流路を開示する。特に、封止物は、縦溝流路の先端を凹ませ、次に、凹ませた縦溝流路を対面シートに向かう方向に折り曲げる結果として、提供される。ダーツ付け構成物は、例えば、シールするのに必要な密封材の量を低減する、シール効果に対する安全性を増加する、および、縦溝流路のダーツ付け端部上で好ましい流れパターンを提供することを含む利点を提供することができる。Z型濾材積層体は、ダーツ付け端部を含む縦溝流路を含むことができ、米国特許出願第2006/0163150号の全ての開示は、引用により本明細書に合体される。縦溝流路の端部にダーツまたは縦溝流路封止物が存在しても濾材を非規則的にさせないことが理解される。「非規則的」の定義は、縦溝流路封止物が存在するか否かにかかわらない。すなわち、縦溝流路が規則的であるかまたは非規則的であるかと考慮されるのは、封止物から遠く離れている縦溝流路に依存する。
「カーブした(curved)」波形パターンを特徴付ける文脈において、用語「カーブした」は、濾材に提供される折りたたまれた、あるいは、折り目を付けられた結果のパターンではなく、むしろ各ヒル7aの頂点と各トラフ7bの底部とが半曲カーブに沿って形成されるパターンを言うことを意味する。代替手段は可能であるが、そのようなZ型濾材積層体の典型的な半径は、少なくとも0.25mmであり、通常は、3mmを超えない。上の定義において、カーブしていない濾材もまた使用可能である。例えば、「カーブした」と考えられないような十分に鋭い半径を持つ頂点を提供することは好ましい。半径は、0.25mm未満、または0.20mm未満であり得る。マスキングを抑えるために、ナイフエッジを持つ頂点を提供することは好ましい。頂点にナイフエッジを提供する能力は、濾材を形成するために使用される装置、濾材自身、および濾材がさらされる条件によって制限することができる。例えば、濾材を切ったり裂いたりしないようにすることは好ましい。従って、頂点を形成するためにナイフエッジを使用することは、ナイフエッジが濾材中に切り傷あるいは裂け目を引き起こす場合には好ましくない。また、濾材を切ったり裂いたりしないで、十分なカーブでない頂点を提供するには、軽過ぎるまたは重過ぎる場合がある。また、処理中の空気湿度は、頂点を形成するとき、急な半径を形成するのを補助するのを高めることができる。
図1に示す、波形シート3の特別な規則的で、カーブした、波形パターンの更なる特徴は、曲率が反転する遷移領域が、各トラフ7bと隣接する各ヒル7aとの間のほぼ中点30で、縦溝流路7の長さの大部分に沿って配置されることである。たとえば、図1の裏側または裏面3aを見ると、トラフ7bは、凹形領域にあり、ヒル7aは凸形領域にある。もちろん、前側または前面3bに向かって見ると、裏側3aのトラフ7bは、ヒルを形成し、裏側3aのヒル7aは、トラフを形成する。いくつかの例では、遷移領域30は、点の代わりに、セグメント30の端部で曲率が反転する真っ直ぐなセグメント30であってもよい。遷移領域30が真っ直ぐなセグメントとして提供される場合、例えば、図1で示される波形パターンは、ヒル7aでのカーブと、遷移領域30での直線セグメントと、トラフ7bでのカーブと、の繰り返しパターンにより「弓形−真っ直ぐ−弓形」として特徴付けることができる。
図1に示される、特別な規則的な、カーブした、波形パターンの縦溝流路付き波形シート3の特徴は、各波形が概ね真っ直ぐであることである。この文脈で、「真っ直ぐ」によって、端部8と端部9と間の長さの少なくとも50%、好ましくは70%(通常は、少なくとも80%)を通して、ヒル7aとトラフ7bは、実質的に断面が変化しないことを意味する。図1で示される波形パターンについて言う用語「真っ直ぐ」は、引用により本明細書に合体される国際特許出願公開第03/47722号および2003年6月12日に公開された国際特許出願公開第97/40918号の図1に記載された波形加工された濾材のテーパ状縦溝流路と部分的にパターンが異なっている。例えば、国際特許出願公開第97/40918号の図1のテーパ状縦溝流路は、カーブした波形パターンではあるが、本明細書で使用されている用語のような「規則的な」パターンあるいは真っ直ぐな縦溝流路のパターンではない。
図1を参照すると、上記参照したように、濾材1は、対向する第1端部8と第2端部9とを持つ。図示された例示に対して、濾材1は、渦巻にまかれて濾材積層体に形成されると、通常は、第2端部9が濾材積層体の入口端部を形成し、第1端部8が濾材積層体の出口端部を形成するが、ある応用では逆の配置もまた可能である。
図示された例において、端部8に隣接して密封材が供給される。この例では、密封材ビード10の形態で、縦溝流路付きシート3と対面シート4とを一緒にシールする。密封材ビード10は、波形シート3と対面シート4との間のビードであり、単一フェーサ1を形成するので、「単一フェーサビード」と呼ばれる場合がある。密封材ビード10は、そこからの空気通路に対して、端部8に隣接する各閉じた縦溝流路11をシールする。
図示された例において、端部9に隣接して密封材が供給される。この例では、密封材ビード14の形態で供給される。密封材ビード14は、通常は、端部9に隣接して、そこを通過するろ過されていない流体の通路に対して縦溝流路15を閉じる。密封材ビード14は、通常は、波形シート3を内側に向けた状態で、濾材1がそれ自身のまわりに渦巻状に巻かれる場合に適用される。したがって、密封材ビード14は、対面シート4の裏面17と、縦溝流路付きシート3の側面18との間でシールを形成する。密封材ビード14は、細長片1が渦巻きに巻かれて渦巻状濾材積層体にするときに密封材ビード14が通常適用されるので、「渦巻ビード」と言われる場合がある。渦巻きの代わりに、濾材1を細長片に切断して積層される場合、密封材ビード14は、「積層ビード」と呼ばれる。
図1を参照すると、濾材1が、例えば、渦巻きまたは積み重ねによって、濾材積層体中に組み込まれると、以下のように作動することができる。最初に、空気は矢印12の方向に、端部9に隣接して開いている縦溝流路11に入る。端部8は密封剤ビード10によって閉じているので、空気は、矢印13で示される方向に濾材を通過する。次に、空気は、濾材積層体の端部8に隣接する縦溝流路15の開いた端部15aを通過する通路から濾材積層体の外に出ることができる。もちろん、反対の方向に空気流れを導くことができる。
より一般的な用語において、Z型濾材積層体は、対面濾材に固定された縦溝流路付濾材を含み、かつ第1流れ面と第2流れ面との間で延びている縦溝流路の濾材積層体中で構成されるものとして特徴付けることができる。密封材またはシール構成物は、濾材積層体内に提供され、第1の上流流れ面または端部で縦溝流路に入ってくる空気が、濾材を通過するろ過する通路無しに、下流の流れ面または端部から濾材積層体を出ることができないようにする。言い換えると、Z型濾材積層体は、流入面と流出面との間で、通常は、密封材構成物または他の構成物によって、そこを通過するろ過されていない空気通路を閉じている。この追加の代替の特徴は、空気が流れ面の一方から入り、濾材を通って流れ面の他方からからでて空気をろ過するように、縦溝流路の第1部分が、ろ過されていない空気が縦溝流路の第1部分の中に流れ込むのを防ぎ、かつ、縦溝流路の第2部分が、ろ過されていない空気が濾材積層体から外に流れ出るのを防ぐために、閉じられているかまたはシールされていることである。
本明細書の図1に示された特別の構造物に対し、平行な波形7a、7bは、端部8から端部9まで、濾材をほぼ真っ直ぐに完全に横切る。真っ直ぐな縦溝流路または波形構成物は、選択された位置で、特に端部で、変形または折り曲げることができる。封止物に対する縦溝流路の端部での変形は、通常は、上記の「規則的に」「カーブした」および「波形パターン」の定義から外れる。
一般に、濾材は、比較的柔軟な材料であり、通常は、(セルロースファイバ、合成ファイバまたは両方の)不織布の繊維状物質であり、その中に樹脂をしばしば含み、追加物質で処理されている場合がある。したがって、濾材は、例えば、波形加工されたパターンなどの種々の縦溝流路に、容認できないような濾材の損傷無しに、加工するまたは形成することができる。また、濾材は、使用のために、容認できないような損傷無しに、渦巻状にあるいは他の構成に容易にすることができる。もちろん、濾材は、使用中に、所望の縦溝流路(例えば、波形)構造物を維持するような性質を持たなければならない。
波形または縦溝流路付け工程では、非弾性変形が濾材中に引き起こされる。これによって、濾材が元の形状に戻ることを防ぐ。しかしながら、張力が解放されると、縦溝流路あるいは波形は、スプリングバックを起こやすく、伸びと曲がり部分の一部だけの回復が起こる。対面シートは、縦溝流路付(または、波形)シートのスプリングバックを禁じるために、縦溝流路付きシートを鋲で留める場合がある。
また、濾材は樹脂を含むことができる。波形形成の工程の間に、濾材は、樹脂のガラス転移点以上の温度まで加熱することができる。樹脂を冷却すると、樹脂は、縦溝流路の形状を維持するのを補助する。
波形シート3、対面シート4またはその両方の濾材は、その一側部または両側部上にファインファイバ物質を提供することができる。このファインファイバは、例えば、参照として本明細書に合体される、米国特許第6,955,755号、米国特許第6,673,136号、米国特許第7,270,693に記載されている。一般に、ファインファイバは、ポリマーファインファイバ(マイクロファイバとナノファイバ)と呼ぶことができ、ろ過性能を向上するために濾材に提供することができる。濾材にファインファイバが存在すると、所望のろ過性を獲得することができ、重さや厚みを低減した濾材を提供することできるので好ましい。従って、濾材にファインファイバが存在すると、ろ過特性を高めたり軽い濾材を提供したり、またはその両方を提供することができる。ファインファイバとして特徴付けられるファイバは、約0.001μm〜約10μm、約0.005μm〜約5μm、または、約0.01μm〜約0.5μmの直径を持つことができる。ナノファイバは、200nmまたは0.2μm未満の直径を有するファイバをいう。マイクロファイバは、0.2μmより大きいが、10μmを超えない直径を有するファイバをいう。ファインファイバを形成するために使用することができる例示の物質は、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール重合体、ナイロン6、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,10などの様々なナイロンを含む共重合体、それらの共重合体、ポリ塩化ビニル、PVDC(ポリ二塩化ビニル)、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PVDF、ポリアミド、およびそれらの混合物を含む。
更に、図1を参照すると、縦溝流路付シート3と対面シート4との間に配置され、2つを一緒に固定するタックビードが20で示されている。タックビード20は、例えば、接着剤の不連続な線であり得る。また、タックビード20は、濾材シートが一緒に溶接されるポイントでもあり得る。
上記から、図示された例示の縦溝流路付シート3は、通常は、2つが接する頂点に沿って、対面シートに連続的に固定されていない。従って、空気は、隣接する入口縦溝流路の間で、その代わりに隣接する出口縦溝流路の間を、濾材を通過する通路無しに流れることができる。しかしながら、入口面を通過して縦溝流路に入った空気は、ろ過する少なくとも1つの濾材シートを通過せずに出口流れ面を通過して縦溝流路から外に出ることができない。
ここで、図2に着目すると、縦溝流路付(この例では、規則的に、カーブした、波形パターン)シート43と、波形でない平らな対面シート44とを利用するZ型濾材積層体40が示されている。点50と点51との間の距離D1は、与えられた縦溝流路53の下にある領域52中の平らな濾材(対面シート)44の範囲を画定する。点50と点51は、縦溝流路付きシート43の内部頂点46,48の中央点として提供される。さらに、点45は、縦溝流路付きシート43の外部頂点49の中央点として特徴付けられる。距離D1は、濾材積層体40の周期長さまたはインターバルを画定する。長さD2は、同じ距離D1上で、縦溝流路53に対する弓形の濾材長さを画定し、縦溝流路53の形状によりD1より当然長い。先行技術による縦溝流路付きフィルタの応用で使用される通常の規則的形状の濾材に対し、D2のD1に対する長さの比は、1.2〜2.0の範囲内である。エアーフィルタの共通の例示構成物は、D2がD1の約1.25〜1.35倍の構成物を有する。そのような濾材は、例えば、規則的にカーブした波形パターンを持つドナルドソン社のPowercore(登録商標)Zフィルタ構造物で商業的に使用されている。ここでD2/D1比は、時として濾材に対する縦溝流路/平坦部比(flute/flat ratio)、または濾材しぼり(media draw)として特徴付けられる。
縦溝流路高さJは、対面対面シート44から縦溝流路付きシート43の最高点までの距離である。言い換えると、縦溝流路高さJは、縦溝流路付きシート43の隣接する頂点57と頂点58との間にある外側の高度差である。縦溝流路高さJは、縦溝シート厚さを考慮に入れる。頂点57を内部頂点(internal peak)と呼び、頂点58を外部頂点(external peak)と呼ぶ。距離D1、D2およびJは、図2に示される特別の縦溝流路付き濾材積層体に適用されるが、これらの距離は、縦溝流路付き濾材の他の構成物にも適用することができ、そこでは、D1は、縦溝流路の周期長さまたは所定の縦溝流路の下方の平らな濾材の距離を言い、D2は、下方頂点から下方頂点までの縦溝流路付き濾材の長さを言い、Jは縦溝流路高さをいう。
別の計測は、うねり長さ(cord length CL)と呼ばれる。うねり長さは、下方頂点57の中点50から上方頂点58の中点45までの直線距離をいう。うねり長さ(CL)は、さらに、隣接する頂点の中点の間の直線距離として表すことができる。濾材厚さが距離値に影響を与えるので、濾材厚さおよび特別な距離測定の始点または終点の決定は距離値に影響を与えることを理解することができる。例えば、うねり長さ(CL)は、距離が、内部頂点の底部から外部頂点の底部まで測定されるか否かに依存して、または、距離が内部頂点の底部から外部頂点の頂部まで測定されるか否かに依存して、異なる値を持ち得る。距離におけるこの差は、濾材厚さが距離測定にどのように影響を与えるかの例である。濾材厚さの影響を最小にするために、うねり長さの計測は、濾材内の中点で決定される。
うねり長さCLと濾材長さD2との間の関係は、濾材うねり率(media cord percentage)として特徴付けられる。濾材うねり率は、
濾材うねり率=((1/2)D2−CL)×100/CL
の式によって決定することができる。
濾材うねり率=((1/2)D2−CL)×100/CL
の式によって決定することができる。
段ボール業界では、様々な規格の縦溝流路が定められている。例えば、規格Eの縦溝流路、規格Xの縦溝流路、規格Bの縦溝流路、規格Cの縦溝流路、および規格Aの縦溝流路などを含む。図3は、以下の表Aとの組み合わせで、これらの縦溝流路の定義を提供する。
本特許の譲受人であるドナルドソン株式会社(DCI)社は、様々なZフィルタ構成物内における規格Aと規格Bの縦溝流路の変形を使用してきた。ドナルドソン株式会社の規格Bの縦溝流路は、約3.6%の濾材うねり率を有する。ドナルドソン株式会社の規格Aの縦溝流路は、約6.3%の濾材うねり率を有する。さまざまな縦溝流路は、また、表1および図3で画定される。図2は、縦溝流路付きシート43として規格Bの縦溝流路を使用するZ型濾材積層体40を示している。
一般に、段ボール箱業界からの規格の縦溝流路の構造物は、波形濾材に対する波形形状または略波形形状を画定するために使用されてきた。ろ過性能を高める縦溝流路構成物または構造物を提供することによって、濾材の性能を改善することがきる。段ボール業界では、縦溝流路の大きさまたは波形の幾何形状は、荷重を処理するために適した構造を提供するように選択される。段ボール業界における縦溝流路の幾何学的形状は、規格Aまたは規格Bの縦溝流路構成物を発展させた。そのような縦溝流路の構成物は、荷重を取り扱うのに好ましいが、ろ過性能は、縦溝流路の幾何学形状を変更することによって高めることができる。ろ過性能を改良する技術は、一般に、ろ過性能を改良し、かつ選択されたろ過条件下でろ過性能を改良するための幾何学形状と構成物とを選択することを含む。ろ過性能を改良するために変更することができる例示の縦溝流路の幾何学形状と構成物とは、縦溝流路のマスキング、縦溝流路の形状、縦溝流路の幅対高さの比、および縦溝流路の非対称性を含む。縦溝流路の幾何学形状と構成物の広い選択により、フィルタエレメントは、ろ過性能を改良するために、様々な縦溝流路の幾何学形状と構成物の点から、所望のフィルタエレメントの幾何学形状と構造物とを持って構成することができる。
ろ過性能は、ろ過のために利用できる濾材の量を増加させることによって高めることができる。ろ過のために利用できる濾材の量を増加させる技術は、マスキングの低減、縦溝流路の幅対高さの比の調整、縦溝流路密度の増加、縦溝流路形状の調整、プラグ長さの減少を含む。ろ過のために利用できる濾材の量を増加させる技術は、所望により、個々にあるいは組み合わせて使用することができる。これらの各技術は、より詳細に記載される。
マスキングを低減するために、ろ過のために利用できる濾材の表面積を増加させる技術を考慮する。Z型濾材積層体の文脈において、マスキングは、縦溝流路付きシートと対面シートとの間の近接領域を言い、その位置では、濾材を使用するとき、実質的に圧力差が不足し、有用な濾材の不足をもたらす。一般に、マスキングは、濾材を通過する流れに対する抵抗があるような別の濾材シートに近い濾材の位置によって、しばしば特徴付けられる。結果として、マスキングされた濾材は、濾材のろ過性能を実質的に高めるためには有用ではない。従って、マスキングを低減して、それによりろ過に利用できる濾材量を増加し、それにより、濾材の容量を増加し、濾材のスループットを増加し、濾材の圧力損失を低減する、うちのいくつかまたは全部を行うことは、好ましい。
図2に示されるような頂点で広い円弧を有するパターンに配置された縦溝流路付きシートの場合に、縦溝流路付きシートと対面シートとの接触領域の近くに、一般的にろ過に有用でない濾材のかなり大きな領域が存在する。縦溝流路付きシートと対面シートとの間の接触点または頂点の円弧を(例えば、より鋭角の接点を提供して)減少させることによって、マスキングを抑えることができる。マスキングは、一般に、濾材が(例えば、空気ろ過の間に)加圧下にあるときの濾材のゆがみを考慮する。かなり大きい半径は、縦溝流路付き濾材の多くが対面シートに向かう方向へのゆがみをもたらし、それにより、マスキングの増加をもたらす。より鋭角な頂点(例えば、小さい半径)を提供することによって、マスキングを抑ることができる。
縦溝流路付きシートと対面シートとの間で接触する円弧を減少する試みがなされた。例えば、Winter他の米国特許第6,953,124号が参照される。図1に示されるカーブした波形パターンなどのカーブした波形パターンは、一般的に、少なくとも0.25mmの頂点半径、通常は、3mmを超えない頂点半径を有する縦溝流路付きシートを提供する。比較的鋭い接点は、0.25mm未満の半径を有する頂点で接点として特徴付けられる。約0.20mm未満の半径を有する比較的鋭い接点を提供することができる。さらに、約0.15mm未満、および好ましくは約0.10mm未満の半径を有する頂点を提供することによって、マスキングを抑えることができる。半径を持たないまたは約0mmの半径を本質的に有する頂点を提供することができる。比較的鋭い頂点または接点を示す縦溝流路付き濾材を提供する例示の技術は、比較的急なエッジを提供するのに充分な方法で縦溝流路付き濾材を圧印加工する、曲げる、折り曲げる、または折り目を付ける技術を含む。鋭いエッジを提供する能力は、濾材自身の組成、および、曲げ、折り曲げ、または折り目を付けるために使用される処理装置を含む多くの因子に依存することが理解される。一般に、比較的急な接点を提供する能力は、濾材の重さ、および、引き裂きまたは切断に抵抗するファイバを含むかどうかに依存する。一般に、圧印加工、曲げ、折り曲げ、または折り目を付ける間に、濾材を切断しないことが好ましい。
マスキングを抑えるために頂点(内部頂点または外部頂点)の半径を減少させることが好ましいが、頂点のすべてが、マスキングを減少させるために減少した半径を持つ必要はない。濾材の設計に依存するが、低減した半径を持つ外部頂点を提供するか、または低減した半径を持つ内部頂点を提供するか、または低減した半径を持つ外部頂点と内部頂点の両方を提供することにより、十分にマスキングを減少させることができる。
ろ過のために利用できる濾材表面積を増加させる別の技術は、ろ過のために利用できる空間の体積中に多くの濾材を導入することを含む。例えば、ろ過のために利用できる濾材の量は、縦溝流路の幅対高さの比を調整することによって増加させることができる。正三角形を形成する縦溝流路を有する濾材の例は、米国特許第6953124号の図2に示されている。理論的な正三角形の縦溝流路の形状は、荷物を取り扱うための波形段ボール箱工業で好ましいものかもしれないが、ろ過性能は、理論的な正三角形から離れた縦溝流路を選択することによって高められることができる。この現象に対する1つの可能な説明は、理論的な正三角形形状が他の縦溝流路と比較してろ過のために利用できる最小の濾材量を提供することである。正三角形形状では、他の縦溝流路デザインと比較して、周期長さまたは周期インターバルD1が増加または減少するか、または、Jが増加するか減少する。また、濾材に柔軟性があるので、濾材は、ろ過の間のような加圧に晒されると変形することを理解することができる。その結果として、濾材の変形はマスキングを増加させ、このタイプのマスキングが理論的な正三角形形状の縦溝流路の場合に、より多くの指摘された影響をもたらすかもしれないことが想定される。
ろ過に利用できる濾材表面積を増加する1つの技術は、縦溝流路の幅対高さの比によってなされる。縦溝流路の幅対高さの比は縦溝流路の周期長さD1の縦溝流路高さJに対する比である。縦溝流路の幅対高さの比(flute width height ratio)は、
縦溝流路の幅対高さの比=D1/J
の式によって表される。
縦溝流路の幅対高さの比=D1/J
の式によって表される。
縦溝流路の周期長さD1と縦溝流路高さJなどの測定された距離は、各端部で縦溝流路長さの20%を除外した縦溝流路長さに沿った濾材の平均値として特徴付けることができる。縦溝流路の各端部は、シール物または封止技術が存在するため通常は変形するので、距離D1とJは、縦溝流路の各端部から離れた位置で測定され得る。縦溝流路の封止物の位置で計算される幅対高さの比は、ろ過が起こっている縦溝流路の幅対高さの比を示す必要はないだろう。
従って、縦溝流路の幅対高さの比の測定は、縦溝流路が各端部または各端部の近くで閉じているとき、縦溝流路の封止物の影響を取り除くために、縦溝流路の各端部の近くの縦溝流路の最後の20%を除いた縦溝流路長さに対する平均値として提供することができる。「規則的な」濾材に対して、縦溝流路の周期長さD1と縦溝流路高さJは、縦溝流路長さに沿って比較的一定となることが想定される。「比較的一定」によって、縦溝流路の幅対高さの比は、縦溝流路の封止物の設計が幅対高さの比に影響を与えるかもしれない各端部で20%の長さを除外した、縦溝流路長さの約10%以内で変動することができることを意味する。さらに、テーパ状の縦溝流路を有する濾材などの非規則的濾材の場合、縦溝流路の幅対高さの比は、縦溝流路長さにわたって変動するかほぼ同じままで残り得る。理論的な正三角形状から離れた縦溝流路形状を調整することによって、ろ過にために利用可能な所定体積中の濾材量を増加することができる。従って、少なくとも約2.2、少なくとも約2.5、少なくとも2.7、または少なくとも3.0の縦溝流路の幅対高さの比を有する縦溝流路は、ろ過に利用可能な濾材の表面積を増加させることができる。さらに、約0.45未満、約0.40未満、約0.37未満、または約0.33未満の縦溝流路の幅対高さの比を有する縦溝流路の設計を提供することにより、ろ過に利用可能な濾材面積の増加を提供することができる。一般に、正三角形形状を有する理論上の縦溝流路は、約1.6の縦溝流路の幅対高さの比を示す。
ろ過のために利用可能な濾材の量を増加させる別の技術は、濾材積層体の縦溝流路密度を増加させる技術を含む。縦溝流路密度は、濾材積層体中の濾材の単位断面積当たりの縦溝流路数を言う。縦溝流路密度は、縦溝流路高さJ、縦溝流路の周期D1、および濾材厚さTを含む多くの因子に依存する。縦溝流路密度は、濾材積層体の縦溝流路密度としてまたは片面積層物の濾材の縦溝流路密度として特徴付けることができる。フィルタエレメントのための濾材積層体の縦溝流路密度(ρ)を計算する式は、
ρ=チェンネル数(開いたおよび閉じたチャンネル)/(2×Z型濾材積層体の横断面積)
である。
ρ=チェンネル数(開いたおよび閉じたチャンネル)/(2×Z型濾材積層体の横断面積)
である。
フィルタエレメントの縦溝流路密度は、フィルタエレメント横断面中で開いているチャンネルと閉じているチャンネルとを含むチェンネル数を計数することによって、かつチェンネル数が決定される位置でのフィルタエレメントの横断面積の2倍の値でチェンネル数を割ることによって、計算することができる。一般に、縦溝流路密度は、流入面から流出面まで(または、逆も同様に)、フィルタエレメントの長さを横切って比較的一定であると想定される。Z型濾材積層体の断面積は、(渦巻または積層)濾材の断面積を言い、フィルタエレメントの断面積をかならずしも言うわけではないことが理解されるべきである。フィルタエレメントは、濾材の断面積より大きい断面積を有するフィルタエレメントを提供するハウジングに係合するためのシース(さや)あるいはシールを備えるかもしれない。
また、濾材の横断面積は、有効面積と言う。すなわち、濾材がコアまたはマンドレルの周囲に巻かれる場合、コアまたはマンドレルの断面積は、Z型濾材積層体の断面積の部分ではない。
片面積層物の縦溝流路密度(ρ)を計算するための代替式は、
ρ=1/((J+T)×D1)
である。
ρ=1/((J+T)×D1)
である。
縦溝流路密度の計算式において、Jは縦溝流路高さ、D1は縦溝流路周期の長さ、Tは縦溝流路付きシート厚さである。この代替式は、片面積層物の縦溝流路密度を計算するための方程式と呼ぶことができる。片面積層物の縦溝流路密度は、片面積層物の構成物に基づいて決定される。対照的に、濾材積層体の縦溝流路密度は、組み立てられた濾材積層体に基づいて決定される。
理論的に、濾材積層体の縦溝流路密度と片面積層物の縦溝流路密度は、同様の結果を提供するであろう。しかしながら、濾材積層体を濾材積層体の縦溝流路密度と片面積層物の縦溝流路密度が異なる結果を提供するように構成することは可能である。
図2と図3に示されかつ表1で特徴付けられる規格Bの縦溝流路は、約34縦溝流路/インチ2の縦溝流路密度(濾材積層体の縦溝流路密度と片面積層物の縦溝流路密度)を有する渦巻状濾材を提供する。規格Bの縦溝流路から形成される濾材積層体は、約34縦溝流路/インチ2の平均縦溝流路密度を有するものとして特徴付けることができる。別の方法で述べられないならば、縦溝流路密度(濾材積層体の縦溝流路密度または片面積層物の縦溝流路密度として表現されるか否かに関わらず)は、濾材積層体の平均縦溝流路密度と考えることができる。したがって、縦溝流路密度は、時には、縦溝流路密度として、時には、平均縦溝流路密度と呼ばれる。一般に、平均縦溝流路密度を増加させることは、規格Bの縦溝流路付き濾材積層体に対する縦溝流路密度よりも大きな縦溝流路密度を有する濾材積層体を提供することを言う。例えば、増加した縦溝流路密度は、35.0縦溝流路/インチ2より大きい縦溝流路密度を有する濾材積層体に対して言うことができる。約36縦溝流路/インチ2より大きい縦溝流路密度、約38縦溝流路/インチ2より大きい縦溝流路密度、約40縦溝流路/インチ2より大きい縦溝流路密度、45縦溝流路/インチ2より大きい縦溝流路密度、または約50縦溝流路/インチ2より大きい縦溝流路密度を有する濾材積層体を提供することができる。縦溝流路を通過して流れる圧力損失あるいは圧力抵抗を低減するために、(規格Bの濾材と比較して)減少した縦溝流路密度を有する濾材積層体を提供することができる。例えば、34.0縦溝流路/インチ2未満の縦溝流路密度、約30縦溝流路/インチ2未満の縦溝流路密度、または約25縦溝流路/インチ2未満の縦溝流路密度を有する濾材積層体を提供することができる。
一般に、増加した縦溝流路密度を有する濾材を提供することは、濾材の体積内の濾材表面積を増加させる傾向があり、したがって、濾材の充填容量を高める傾向を持つ。従って、濾材の縦溝流路密度を増加させることは、濾材の充填容量を高める効果を持つことができる。しかしながら、濾材の縦溝流路密度を増加させることは、他の因子が一定であると仮定すると、濾材を通過する圧力損失を増加させるという影響をもたらし得る。
濾材の縦溝流路密度を増加させることは、縦溝流路高さ(J)、縦溝流路周期の長さ(D1)、または両方を下げるという効果を持つことができる。その結果として、縦溝流路の大きさ(縦溝流路の大きさは、縦溝流路の横断面積を言う)は、縦溝流路密度の増加とともに減少する傾向がある。その結果として、縦溝流路の大きさを小さくすると、濾材を横切る圧力損失を増加させる影響を持つ。一般に、濾材を横切る圧力損失について言うとき、濾材の第2面で測定される圧力に対する濾材の第1面で決定される圧力差を言うが、ここで、第1面と第2面とは、一般に対向する縦溝流路の各端部に提供される。所望の圧力損失を保持しながら、比較的高い縦溝流路密度を有する濾材を供給するために、縦溝流路長さを減らすことができる。縦溝流路長さは、濾材の第1面から濾材の第2面までの距離を言う。燃焼機関用空気をろ過するために使用可能な濾材の場合、短い長さの縦溝流路は、約5インチ未満の縦溝流路長さ(例えば、約1インチ〜約5インチ、または約2インチ〜約4インチ)を有する縦溝流路として特徴付けられることができる。中程度の長さの縦溝流路は、約5インチ〜約8インチの長さを有する縦溝流路として特徴付けられることができる。長い長さの縦溝流路は、約8インチより長い長さの縦溝流路(例えば、約8インチ〜約12インチ)を有するものとしてを特徴付けられることができる。
濾材積層体内でろ過用に利用可能な濾材の量を増加させる別の技術は、表1に記載されるような規格の縦溝流路の設計と比較して、ろ過に利用可能な濾材の量を増加した縦溝流路構成物を選択する技術を含む。ろ過用に利用可能な濾材の量を増加させる縦溝流路構成物の設計を提供するための1つの技術は、隣接する頂点間で尾根(リッジ)を形成することである。上記記載されたように、縦溝流路付き濾材頂点は、縦溝流路が対面シートに接着されて片面積層物を形成するような場合に、頂点が対面シートに向かって面しているか対面シートから離れる方向に面しているかに依存して、内部頂点と外部頂点として特徴づけられる。対面シートがない場合に、内部頂点と外部頂点とは、所望の配向に依存して選択することができる。しかしながら、内部頂点は、縦溝流路付き濾材の一面上にあり、外部頂点が縦溝流路の濾材の他の面上に提供されることを銘記すべきである。
図4a〜図4cにろ過性能を高めるために例示の縦溝流路形状を有する濾材の部分を示す。図4aで示される縦溝流路形状は、「低接触(low contact)」縦溝流路形状と呼ぶことができる。図4bと図4cに示される縦溝流路形状は、「ゼロ歪(zero strain)」と呼ぶことができる。一般に、「低接触」の名前は、規格Aと規格Bの縦溝流路付き濾材と比較される縦溝流路付きシートと対面シートとの間で接触する量(例えば、マスキング)を低減するが、対面シート間の縦溝流路の量を増やすための縦溝流路形状の能力についていう。「ゼロ歪み」の名前は、濾材上に好ましくないレベルの歪みを導入しないで、縦溝流路長さに沿ってテーパを提供する縦溝流路形状の能力をいう。一般に、濾材中の好ましくないレベルの歪み(または、伸び)は、濾材中に亀裂や裂け目を生じるひずみ量を言うか、または、より高いレベルの歪みに耐えることができるより高価な濾材の使用を要求するひずみ量を言うことができる。
ここで、図4a〜4cを参照すると、濾材110は、対面シート111と対面シート113の間に縦溝流路付きシート112を含み、濾材120は、対面シート121と対面シート123との間に縦溝流路付きシート122を含み、濾材140は、対面シート141と対面シート143との間に縦溝流路付きシート142を含む。縦溝流路付きシート112と対面シート113との組合せを片面積層物117と呼ぶことができ、縦溝流路付きシート122と対面シート123との組合せを片面積層物137と呼ぶことができ、縦溝流路付きシート142と対面シート143の組合せを片面積層物147と呼ぶことができる。片面積層物117、137、または147を巻くかまたは積み重ねる場合、対面シート111、121、または141は、積み重ねた濾材の場合には別の片面積層物から、また、巻いた濾材の場合には同じ片面積層物から提供することができる。
濾材110、120、および140は、空気などの流体を浄化するためのフィルタエレメントを提供するように構成することができる。フィルタエレメントは、渦巻いたエレメントまたは積層したエレメントとして構成することができる。一般に、渦巻いたエレメントは、渦巻状構造物を提供するために渦巻いた縦溝流路付き濾材シートと対面濾材シートとを含む。丸い形状、ほぼ丸い形状、または競馬場の形状によって特徴付けられる形状を有する渦巻状構成物を提供することができる。一般に、積層した構造物は、対面濾材シートに接着された縦溝流路付き濾材シートを含む濾材の交互層を含む。一般に、対面シートに接着された縦溝流路付き濾材シートは、片面積層物と呼ばれる。図4aで示される濾材110は、「低接触」と「ゼロ歪み」形状のために縦溝流路シートの断面形状を示すために濾材を横切って得られる断面図である。縦溝流路長さに沿って延びている横断面形状を提供できることを理解できる。また、縦溝流路は、濾材がZ型濾材積層体として機能するようにシールすることができる。所望であれば、シールは、接着物質又はシール物質として提供することができる。
図4aで、距離D1は、内部頂点(internal peak)114の中点から内部頂点116の中点まで測定される。その代わりに、距離D1は、外部頂点(external peak)115の中点から外部頂点119の中点まで測定される。各周期長さD1に対してまたは濾材の長さD2に沿って2つの尾根(ridge)118を有する縦溝流路付き濾材110が示される。縦溝流路長さの少なくとも一部に沿って伸びる尾根118が提供される。一般に、各尾根118は、縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分118aが、縦溝流路付き濾材の比較的急な部分118bと結合する一般領域として特徴付ることができる。尾根(例えば、頂点でない尾根)は、異なる傾斜の濾材部分の間の交点と考えることができる。尾根は、その位置で濾材が変形した結果として形成されることができる。濾材は、濾材に圧力をかける結果として尾根で変形されることができる。濾材に圧力をかける技術は、圧印すると言うことができる。
例示の縦溝流路付きシート112に対して、縦溝流路付き濾材118aの比較的平らな部分は、外部頂点115と尾根118との間で伸びている縦溝流路付き濾材の一部として図4aで見ることができる。外部頂点115から尾根118までの縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分118aの平均角度は、対面シート113に対して45°未満として特徴付けることができ、および対面シート113に対して約30°未満で提供されることができる。縦溝流路付き濾材の比較的急な部分118bは、内部頂点116から尾根118に伸びている濾材の一部として特徴付けることができる。一般に、内部頂点116から尾根118まで伸びている濾材の一部として特徴付けられる縦溝流路付き濾材の比較的急な部分118bの角度は、対面シート113に対して45°より大きくなることができ、対面シート113に対して約60°より大きくなることができる。縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分118aと縦溝流路付き濾材の比較的急な部分118bとの間の角度差が、尾根118の存在のために提供される。縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分118aの角度と縦溝流路付き濾材118bの比較的急な部分118bの角度とが、濾材(例えば、縦溝流路付き濾材118aまたは縦溝流路付き濾材118b)の部分の端部ポイントを形成するポイント間の平均角度として決定することができ、この角度は、対面シートから測定することができることを理解することができる。また、例示のために特別な角度に対する引用があり、尾根118を形成する濾材の部分は、上記に識別された角度と異なる角度を有することができる。
尾根118は、縦溝流路付き濾材12を形成する間に、縦溝流路付きシート112の長さに沿って圧印加工、折り目付け、曲げ、または折り曲げの結果として提供することができる。縦溝流路付き濾材112を形成する工程の間に、尾根118を付ける工程を設けることは好ましいが、必ずしも必要ではない。例えば、尾根118は、熱処理、湿気処理またはその組合せによって付けることができる。さらに、尾根118は、尾根を付ける追加の工程無しに、尾根を形成するために圧印加工、曲げ、または折りまげの結果として存在することができる。また、尾根118の特徴付けは、縦溝流路付きシートの外部頂点115または119と、縦溝流路付きシートの内部頂点116、114と混同されないことである。尾根の存在を特徴付ける方法として、一般により平らな部分118aと一般により急な部分118bの特徴をあげることができる。一般に、より平らな部分118aとより急な部分118bとは、曲線を示すことが予想される。すなわち、より平らな部分118aと、より急な部分118bとは、特に、空気流などの流体がろ過の間に濾材を通過するときに、完全に平らではないと予想される。それにもかかわらず、対面シートに対しての濾材の角度は、尾根118の存在を決定するために濾材の部分に対して測定することができる。
図4aで示される濾材の形状は、低接触形状(low contact shape)と言うことができる。一般に、低接触形状は、縦溝流路付きシート112と対面シート111との間の比較的低い接触領域を言う。尾根118の存在は、頂点115、119でマスキングを低減するのを補助する。尾根118は、縦溝流路付きシート112を変形した結果として存在し、その結果、頂点115、119で濾材上の内部応力が減少する。尾根118が存在しないと、縦溝流路付きシート112中にあるレベルの内部張力が存在し、内部張力は、頂点115、119でより大きい半径を形成して、それによりマスキングを増加させる。その結果として、尾根118の存在は、隣接する頂点間(例えば、頂点115、114)に存在する濾材の量を増加させるのを助けるとともに、尾根がないときに頂点で濾材を伸ばさせるか、または平らにする、縦溝流路付きシート112内の張力をある程度まで軽減するため、頂点(例えば、頂点115)半径を減少させるのを助ける。
尾根118の存在は、目視観察によって検出することができる。縦溝流路付き濾材の端部を見ても低接触形状が存在することは、特に、明確ではないが、フィルタエレメントに切り込みを入れることにより、縦溝流路長さに沿って伸びている尾根の存在を見ることができる。さらに、尾根の存在は、フィルタエレメントがダストで詰まっており、縦溝流路付きシートを対面シートから剥ぎ取って縦溝流路付き濾材上の尾根に対応する尾根を持つダストケーキを見せる技術によって、確認することができる。一般に、ダストケーキ上の尾根は、異なる平均角度を持つダスト表面の別の部分と交差する平均角度を有するダスト表面の一部を反映している。ダスト表面ケーキの2つの部分の交点は、尾根を形成する。縦溝流路内でダストケーキを提供するように、縦溝流路を満たすために濾材を充填するのに使用することができるダストは、ISOのファインテストダストとして特徴付けることができる。
ここで図4aを参照すると、縦溝流路付きシート112は、長さD2間に2つの尾根118を含む。ここで、長さD2は、頂点の中点114から頂点116の中点までの縦溝流路付きシート112の長さをいい、ここで尾根118は、頂点114、115、116、または119ではない。頂点114、116は、内部頂点ということができるが、これらの頂点は、隣接する第1側部頂点(または、隣接する第2側部頂点)と言うこともできる。頂点115、119は、外部頂点ということができるが、これらの頂点は、隣接する第2側部頂点(または、第1または第2の選択が頂点114と116に対してなされる選択に対して反対側である限り隣接する第1側部頂点)と言うこともできる。また、頂点は、頂点が対面シートに面している場合に、対面シート頂点として特徴づけられることができる。対面シートがない場合に、頂点は、単に頂点として、同じ側部頂点として、隣接する第1側部頂点として、または隣接する第2側部頂点として呼ぶことができる。一般に、「隣接する同じ側の頂点」は、周期を画定するために使用することができる頂点を言う。「同じ側部」の特徴を有さない「隣接する頂点」は、互いに隣り合わせの頂点であるが異なる方向に面していり頂点(例えば、頂点114と115)を言う。これらの頂点の特徴は、図に示されている濾材などの縦溝流路濾材を記載するのに適している。
各長さD2に沿って2つの尾根118を有する縦溝流路付きシート112を提供することができるが、所望なら、各周期長さD2に沿って1つの尾根を有する縦溝流路付きシート112を提供することができ、かつ、周期のいくつかが少なくとも1つの尾根を示し、周期のいくつかが2つの尾根を示し、周期のいくつかには尾根が無く、またはそれらの組み合わせの構成を有する縦溝流路付きシート112を提供することができる。
縦溝流路付きシートは、縦溝流路パターンを繰り返すプロセスによって作られるとき、縦溝流路の繰り返しパターンを有するものとして特徴付けることができる。縦溝流路の繰り返しパターンは、(例えば、流れ方向に)濾材長さを横切ることを意味し、縦溝流路のパターンは繰り返す。例えば、各縦溝流路は、隣接する頂点間で尾根を示すかもしれない。各縦溝流路が隣接する頂点間で2つの尾根を示すパターンがあるかもしれない。また、尾根がいくつかの縦溝流路の隣接する頂点間には存在するが、他の縦溝流路の隣接する頂点間には存在しないパターンがあるかもしれない。例えば、ある周期は、1つの尾根または2つの尾根を示すかもしれないし、続く周期は、尾根が無い、1つの尾根、または2つの尾根などを示すかもしれないし、続く縦溝流路は、尾根が無い、1つの尾根、または2つの尾根などを示すかもしれない。いくつかのポイントで、パターンが繰り替えされる。しかしながら、各隣接する頂点間に1つの尾根または2つの尾根が存在する必要はない。発明の利益は、少なくとも1つの尾根が隣接する頂点間で存在する縦溝流路の繰り返しパターンを提供することによって得られることができる。好ましくは、このパターンは、図4aで示されるような隣接する同じ側の頂点間で2つの尾根を含む。
尾根の存在の特徴は、尾根が縦溝流路長さ方向に沿って存在することを意味すると理解すべきである。一般に、尾根は、所望の性能を有する濾材を提供するために、縦溝流路長さ方向に沿って充分な長さで提供することができる。尾根が縦溝流路の全長に伸びているかもしれない場合に、例えば、縦溝流路の端部の影響の結果として、尾根が縦溝流路の全長に伸びていない可能性がある。例示の影響は、縦溝流路の端部で、縦溝流路中の封止物(例えば、ダーツ)とプラグ(栓)の存在を含む。好ましくは、尾根は、縦溝流路長さの少なくとも20%の長さだけ伸びている。例示の方法によって、尾根は、縦溝流路長さの少なくとも30%の長さ、縦溝流路長さの少なくとも40%の長さ、縦溝流路長さの少なくとも50%の長さ、縦溝流路長さの少なくとも60%の長さ、または縦溝流路長さの少なくとも80%の長さだけ伸びている。縦溝流路の端部は、何らかの方法で閉じていてもよく、封止物の結果として、濾材積層体を1面から見ると、尾根の存在を検出できるか、または検出できないかもしれない。従って、縦溝流路長さに沿って伸びているような尾根の存在の特徴は、尾根が縦溝流路の全長に沿って伸びていなければならないことを意味するものではない。また、尾根は、縦溝流路の端部で検出されないかもしれない。
ここで図4bを参照すると、縦溝流路付き濾材120は、対面シート121と123との間に提供される縦溝流路付きシート122を含む。縦溝流路付きシート122は、隣接する頂点124と頂点125との間に少なくとも2つの尾根128、129を含む。長さD2に沿って、縦溝流路付きシート122は、4つの尾根128、129を含む。濾材の一つの周期長さは、4つの尾根を含む。尾根128、129は、対面シート頂点ということができる頂点124、125、または126ではないことが理解される。縦溝流路付きシート122は、隣接頂点(例えば、頂点125、126)間に2つの尾根128、129を持つように提供することができる。また、繰り返しパターンを提供することができる。図4bで示される繰り返しパターンにおいて、各隣接する頂点間に2つの尾根があり、各周期中に提供される4つの尾根がある。代替の繰り返しパターンにおいて、繰り返しパターンがパターン中にある隣接する頂点間で少なくとも1つの尾根の出現を含む限り、隣接する頂点間にいくつかの数(例えば、0,1,2)の尾根があるかもしれない。図4bで示される好ましい実施例では、隣接する各頂点間に2つの尾根がある。
尾根128は、縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分128aが縦溝流路付き濾材の比較的急な部分128bと結合する領域として特徴付けられる。一般に、縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分128aは、尾根128と129の間で測定される角度が、45°未満、好ましくは約30°未満の角度を持つものとして特徴付けられることができる。縦溝流路付き濾材の比較的急な部分128bは、頂点126から尾根128で測定される角度が、45°以上、好ましくは約60°以上の角度を持つものとして特徴付けることができる。尾根129は、縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分129aと縦溝流路付き濾材の比較的急な部分129bの交差点の結果として提供することができる。一般に、縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分129aは、尾根128から尾根129まで伸びている濾材の一部の角度に対応している。一般に、縦溝流路付き濾材の比較的平らな部分129aは、45°未満、好ましくは約30°未満の傾斜を有するものとして特徴付けられる。縦溝流路付き濾材の比較的急な部分129bは、尾根129と頂点125の間に伸びている濾材の一部として特徴付けられ、尾根129と頂点125の間である角度を持つものとして特徴付けられる。一般に、縦溝流路付き濾材の比較的急な部分129bは、45°以上、好ましくは約60°以上の角度を持つものとして特徴付けられる。
ここで、図4cを参照すると、縦溝流路付き濾材140は、対面シート141、143の間に提供される縦溝流路付きシート142を含む。縦溝流路付きシート142は、内部頂点144と外部頂点145との間に少なくとも2つの尾根148、149を含む。長さD2に沿って、濾材140は、4つの尾根148、149を含む。一つの濾材周期長さは、4つの尾根を含む。尾根148と149は、頂点144と145でないことが理解される。濾材140は、隣接する頂点(例えば、頂点144と145)の間に、2つの尾根148、149があるように提供することができる。さらに、縦溝流路付きシート140は、他の隣接している頂点間に1つの尾根、2つの尾根、または尾根無しで提供することができる。各隣接する頂点間で、2つの尾根があるという必要は全くない。隣接する頂点間で、予め決められた間隔で、尾根の代替物の存在を有することあるいは提供されることが好ましい場合、頂点間に尾根がないことがあり得る。一般に、縦溝流路パターンが繰り返しかつ隣接する頂点間で尾根の存在を含むような縦溝流路パターンを提供することができる。
尾根148、149は、縦溝流路付きシートの比較的平らな部分が縦溝流路付きシートの比較的急な部分と結合する領域として特徴付けることができる。尾根148の場合に、縦溝流路付きシートの比較的平らな部分148aは、縦溝流路付きシートの比較的急な部分148bと結合する。尾根149の場合に、縦溝流路付きシートの比較的平らな部分149aは、縦溝流路付きシートの比較的急な部分149bと結合する。縦溝流路付き濾材の比較的急な部分は、対面シート143に対する濾材の部分として測定される場合、45°以上、好ましくは約60°以上の角度を持つものとして特徴付けることができる。比較的平らな部分は、対面シート143に対する濾材のその部分に対して45°未満、好ましくは約30°未満の傾斜を有するものとして特徴付けることができる。
縦溝流路付きシート142の巻き付け角度を縦溝流路付きシート122の巻き付け角度より少なくすることができるので、縦溝流路付きシート142は、縦溝流路付きシート122に対して調整するためにより有利であると考えられることができる。一般に、巻き付け角度は、縦溝流路形成工程の間に濾材を回転して得られる角度の合計をいう。縦溝流路付き濾材シート142の場合、濾材は、縦溝流路付きシート122と比較して、縦溝流路形成の間により少なく巻き付けされる。その結果、縦溝流路付きシート142を形成するための縦溝流路形成において、濾材に要求される引張り強度は、縦溝流路付きシート122と比べて低いものである。
縦溝流路付きシート112、122、142は、頂点から頂点まで比較的対称なものとして示される。すなわち、縦溝流路付きシート112、122、142に対し、縦溝流路は、隣接する頂点間で同じ数の尾根を持って繰り返す。隣接する頂点は、縦溝流路付き濾材長さに沿って互いに最も近い頂点をいう。例えば、縦溝流路付きシート112に対して、頂点114と頂点115とは、隣接する頂点と考えられ、頂点114と頂点116は、隣接する同じ側の頂点と考えられる。しかしながら、濾材の周期は、隣接する頂点間で同じ数の尾根を持つ必要はなく、この場合には、濾材は、非対称であると特徴付けられる。すなわち、周期の半分上に1つの尾根を有し、周期の他の半分の上に尾根を有さない濾材を調整することができる。
縦溝流路付き濾材の隣接する頂点間に単一の尾根または複数の尾根を提供することによって、規格Aや規格Bの縦溝流路などの先行技術の濾材に対して長さD2を増加することができる。1つの尾根または複数の尾根が存在する結果として、例えば、規格Aや規格Bの縦溝流路と比べてろ過に利用可能な多くの濾材を有する濾材を提供することが可能である。前に説明された濾材うねり率の測定を隣接する頂点間に提供される濾材量を特徴付けるために使用することができる。長さD2は、縦溝流路付きシート112、122、142の周期に対する縦溝流路付きシート112、122、142の長さとして画定される。縦溝流路付きシート112の場合、長さD2は、下側頂点114から下側頂点116までの縦溝流路付きシートの長さである。この距離は、2つの尾根118を含む。縦溝流路付きシート122の場合、長さD2は、下側頂点124から下側頂点126までの縦溝流路付きシートの長さである。この距離は、少なくとも4つの尾根128、129を含む。一つまたはそれ以上の折り目を隣接する頂点間に提供する結果として、隣接する頂点間での増加した濾材の存在は、濾材うねり率によって特徴付けることができる。前に説明したように、規格Bおよび規格Aの縦溝流路は、それぞれ約3.6%と約6.3%の濾材うねり率を示す。一般に、図4aに示される縦溝流路の設計などの低接触縦溝流路は、約6.2%〜約8.2%の濾材うねり率を示すことができる。図4bと図4cに示される縦溝流路の設計では、約7.0%〜約16%の濾材うねり率を提供することができる。
尾根(ridge)(例えば、118、128、129)が存在することで提供される別の利点は、これらの尾根が濾材への応力を低減するのを補助して、各頂点でより少ないマスキング領域を提供することである。一般に、縦溝流路付け工程の間に尾根が形成されないと、濾材中の張力またはメモリの量がより大きくなり、各頂点にマスキングのより大きなレベルを示させるかもしれない。濾材に縦溝流路を形成する時、濾材中に尾根を導入することによって、マスキングを低減するために、頂点に対する比較的小さい半径を形成して維持するのを補助するのがより容易になる。
ここで、図5を参照すると、縦溝流路付き濾材と片面積層物を形成するための例示のプロセスが参照番号198で概略的に表示される。この概略的な表示において、濾材200は、縦溝流路付き濾材202を形成するために縦溝流路が形成される。縦溝流路付け濾材202は、対面シート204と結合されて片面積層物206を形成することができる。
濾材200は、ガイドローラ208を横切って移動し、操縦ユニット210によって所望の正しい位置に導かれる。ヒータ212は、濾材200を所望温度まで加熱するために供給されることができる。一般に、縦溝流路形成工程での亀裂を避けるために濾材200を加熱することが好ましいかもしれない。ヒータを使用することは、必ずしも必要ではないことが理解され得る。また、ユニットは、濾材200の水分の湿度を制御するために使用することができる。湿度制御ユニットは、ヒータ212を組み合わせて、またはヒータ212の代わりに使用することができる。ヒータ212は、約120°F〜約150°Fの温度まで濾材200を加熱するために提供することができる。
濾材200は、縦溝流路付き濾材202を提供するために、縦溝流路形成ロール220に入る。縦溝流路形成ロール220は、第1ロール222と第2ロール224を含む。第1ロール222は、圧印ロールと言うことができる。第2ロール224は受けロールと言うことができる。さらに、第1圧力ロール226と第2圧力ロール228は、縦溝流路形成ロールの部分として含まれる。図示された縦溝流路付きロールの配置に対して、圧印ロールは頂部ロールと言うことができ、受けロールは底部ロールと言うことができる。もちろん、この配置は、所望なら逆にすることができる。濾材200が圧印ロール222と受けロール224との間の食込み間隙(bite)230に入ると、濾材200は、変形して、所望の形状を有する縦溝流路パターンを有する縦溝流路付き濾材202を提供する。図示された縦溝流路形成ロールの構成において、濾材200は、流れ方向(machine direction)に移動し、圧印ロール222と受けロール224は、縦溝流路が横方向に延びるように、横方向に延びている。横方向は、流れ方向に対して横方向を言う。濾材に沿った矢印は、流れ方向を示す。示された縦溝流路形成ロール220が横方向に延びている縦溝流路を提供するが、縦溝流路が流れ方向に延びるように代替の構成物が提供され得ることが理解される。
対面濾材204は、ガイドロール240に沿って移動する。操縦ユニット242は、第1圧力ロール226に対面濾材204を導く。タックビードは、タックビード・アプリケータ244によって対面濾材204に付けることができ、シールビードは、シールビード・アプリケータ246によって対面シート204に付けることができる。縦溝流路付き濾材202と対面濾材204とは、第1圧力ロール226が受けロール224に係合するところで一緒に結合する。第2圧力ロール228は、縦溝流路付き濾材202を対面濾材204に保持するために提供される。得られる片面積層物206は、濾材積層体を提供するために使用することができる。
ここで、図6〜8を参照すると、第1ロール即ち圧印ロールは、参照番号250で示される。圧印ロール250は、図5で示される縦溝流路形成ロール220中の圧印ロール222として使用することができる。第1ロール250は、軸252の周りを回転し、受けロールすなわち受けホイール224と結合されるときに、濾材の縦溝流路を形成する外面すなわち円周254を含む。圧印ロール250は、圧印ロール250を設置することができる内面256を含むことができる。外面254は、複数の圧印ロール突起物258を含む。図6は、圧印ロール250の円周の周りに延びている圧印ロール突起物258の一部のみを示している。圧印ロール250は、外面すなわち円周254の周りに間隔をおいて配置された約30〜約650個の圧印ロール突起物258を含むことができる。圧印ロール250上に提供される圧印ロール突起物258の数は、圧印ロールの直径と、各圧印ロール突起物との間の所望のピッチ、すなわち、頂点ツー頂点の距離に依存して提供することができることが理解される。例えば、圧印ロールは約4.5インチの最小直径と約40インチの最大直径を持つことができる。
圧印ロール突起物258の詳細を図7と図8に示す。図示した圧印ロール突起物は、食込み間隙(bite)230に入る濾材と係合するように提供される3つの濾材接触領域を含む。3つの濾材接触領域260を有する圧印ロール突起物258が示されているが、2つの濾材接触領域を有する圧印ロール突起物を提供することができる。濾材接触領域260の1つは、頂点接触領域と言うことができ、濾材接触領域260の2つは、第1と第2尾根接触領域264、266と言うことができる。頂点接触領域262は、頂点115を形成するために提供することができ、第1及び第2尾根接触領域264、266は、図4aで示される縦溝流路付き濾材の尾根118を提供することができる。第1濾材弛緩領域270は、頂点接触領域262と第1尾根接触領域264との間に提供することができ、第2濾材弛緩領域272は、頂点接触領域260と第2尾根接触領域266との間に提供することができる。一般に、第1濾材弛緩領域270と第2濾材弛緩領域272は、頂点接触領域260と第1および第2尾根接触領域264、266との間で、動きの自由度を有する濾材を提供する。濾材弛緩領域を提供することによって、濾材が動いて、それにより濾材への応力を軽減することができる。ロールが回転し濾材が食込み間隙230中に供給されるとき、濾材は、濾材弛緩領域が存在するため張力がゆるめられるのを避けることができ、亀裂が入るのを避けることができる。
濾材接触領域260は、濾材と係合し濾材を回転するために提供されるが、小さすぎて濾材を切断する半径を有さない。一般に、濾材接触領域は、約0.01インチの半径を有することができる。接触領域の半径は、縦溝流路高さJの約1/3の大きさであり得る。一般に、濾材中にしわ(crease)、曲げ、折り目を提供することは好ましいが、縦溝流路形成のために濾材を切断することは好ましくない。濾材接触領域260の半径の上限は、濾材がその最初の平らな形状に再形成するように、所望程度の濾材の回転を提供することができない濾材接触領域をもたらす半径として特徴付けることができる。濾材が第1と第2ロールの間の食込み間隙(bite)中に供給された結果として変形されることが好ましい。濾材接触領域が大きすぎる(大きすぎる半径を持つ)場合には、次に、所望の縦溝流路付きシートが得られないかもしれない。濾材接触領域260は、ニップと言うことができる。濾材弛緩領域は、ギャップと言うことができる。一般に、濾材が、濾材接触領域260との接触により濾材を回転することにより得られる濾材への応力を軽減または低減するために、濾材弛緩領域中で動くことができることは好ましいことである。弛緩領域またはギャップの一般的な長さは、濾材接触領域間の長さである。
圧印ロール250は、縦溝流路(圧印ロール)突起物258の間に供給される一連の圧印ロール凹部276を含む。一般に、圧印ロール凹部276は、図4に示される濾材の頂点114と116形成を可能にする。圧印ロール凹部276は、各圧印ロール突起物258の間で見いだすことができる。さらに、圧印ロール凹部276は、濾材を受け入れるまたは収容する底部接触領域278を含む。一般に、底部接触領域278から第1尾根接触領域264まで延びるロール領域は、第1濾材弛緩領域280と言うことができ、底部凹部領域278から第2尾根接触領域266まで延びるロール領域は、第2濾材弛緩領域282と言うことができる。一般に第1濾材弛緩領域280と第2濾材弛緩領域282は、濾材がその領域中である程度の動きの自由度を有するように、提供することができる。
ここで、図9〜11を参照すると、第2ロールすなわち受けロールが、参照番号290で示される。受けロール290は、図5の縦溝流路付きロール220で示される受けロール224であり得る。受けロール290は、軸292の周りを回転し、外面即ち外周294と内面297とを含む。受けロール290は、内面297で支持されている。外面294は、複数の受けロール凹部296と受けロール突起物298とを含む。一般に、受けロール290は、受けロール凹部296と受けロール突起物298とを交互に有する外面294を含む。
受けロール凹部296は、接触領域300を含む。接触領域300は、頂点接触領域302と、第1、第2尾根接触領域304、306と言うことができる。第1濾材弛緩領域308は、頂点接触領域302と第1尾根接触領域304の間に延びて提供されることができる。第2濾材弛緩領域310は、第1頂点接触領域302と第2尾根接触領域306の間に延びて提供されることができる。第1、第2濾材弛緩領域308、310は、縦溝流路形成工程の間に、濾材が動くことができるようにするために提供される。受けローラ突起物298は、濾材接触領域320を含む。また、受けローラ290は、第1尾根接触領域304と濾材接触領域320との間で延びて提供される第1濾材弛緩領域322と、第2尾根接触領域306と濾材接触領域320との間で延びて提供される第2濾材弛緩領域324とを含む。
慣用の波形工程では、基板は、2つのロールまたはホイールの間にある食込み間隙中へ基板が移動する結果として波形加工される。2つのロールまたはホイールは、各ロールまたはホイールが歯と凹部を有し、1つのホイール上の歯が他のホイール上で逆の凹部と係合している。慣用の波形工程におけるロールまたはホイール上の歯と凹部は、相対的に対称的な波形が得られるように相対的に対称であるかもしれない。これと対照的に、ロール250とロール290とは、対称的でない歯と凹部を有すると考えることができる。
圧印ロール250は、歯の形態と考えることができる圧印ロール突起物258と、凹部の形態と考えることができる圧印ロール凹部276とを有する。同様に、受けローラ290は、凹部の形態と考えることができる受けロール凹部296と、歯の形態と考えることができる受けロール突起物298とを有する。動作中、圧印ロール突起物258は、受けロール凹部296と係合し、受けロール突起物298は、圧印ロール凹部276と係合する。この動作は、圧印ロール250と受けローラ290とが濾材と係合し、縦溝流路付き濾材312を形成する図12に示される。
A縦溝流路とB縦溝流路などを形成するために使用される慣用の波形工程では、波形ロールは、相対的に対称的なものであると考えることができる。相対的に対称的なロールは、1つのロール(例えば、頂部ロール)が、他のロール(例えば、底部ロール)の歯と凹部と類似する歯と凹部とを有するロールである。慣用の波形工程のロールは、対称的であるので、得られる縦溝流路は、一般的に対称的である。非対称ロールを提供することによって、得られる濾材の性能を高めることができる。圧印ロール250と受けロール290とは、突起物または歯と凹部の構造に関して、非対称であると考えることができる。圧印ロール250と受けロール290は、周期長さに関して対称的であると考えることができるが、突起物と凹部の構造は、2つのロールで異なっており、それにより、ロールは、非対称であると考えることができる。
用語「圧印ロール」と「受けロール」は、かなり任意的なものであることが理解される。縦溝流路長さの少なくとも一部に沿って尾根(ridge)の出現を提供するものは、「圧印ロール」と「受けロール」の組み合わせである。従って、尾根(ridge)、折り目、または曲がりを形成するために、濾材の対向する側部に濾材と係合する濾材接触領域を有する両ロールに提供することによって、濾材中で縦溝流路の繰り返しパターンを形成することは、ロールの組み合わせ効果である。また、圧印ロールとしてロールを特徴付けることによって、濾材中に尾根(ridge)、曲がり、または折り目を形成するために、圧印ロールの凹部に係合する突起物を有することから他のロール(例えば、受けロール)の可能性を排除することを意味するものではない。例えば、複数の第1ロール突起物を有するような第1ロールの特徴は、第1ロール突起物がロールの全長にわたって伸びていることを意味しない。ロールの長さに延びているだけの第1ロール突起物を有することは好ましい。また、第1ロール凹部、第2ロール突起物、および第2ロール凹部のいずれかは、ロールの全長未満のロールの一部に延びているかもしれない。例として、突起物と凹部は、縦溝流路長さの少なくとも30%、縦溝流路長さの少なくとも50%、縦溝流路長さの少なくとも60%、縦溝流路長さの少なくとも80%または、縦溝流路長さ全体にわたって延びているかもしれない。
上記明細書は、本発明による製造と使用の完全な記載を提供する。本発明の多くの実施例は、本発明の精神と範囲を逸脱すること無しになされることができ、本発明は、添付の特許請求の範囲に存在している。
Claims (23)
- 縦溝流路付き濾材を形成する方法であって、
縦溝流路の繰り返しパターンを有する縦溝流路付き濾材を提供するために、濾材に縦溝流路を形成する形成工程を有し、
前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも1つの尾根を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有することを特徴とする方法。 - 前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に設けられる少なくとも2つの尾根を有する、少なくとも1つの縦溝流路を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記形成工程は、前記縦溝流路付き濾材を形成するために、前記濾材を第1ロールと第2ロールとの間に形成される食込み間隙中に供給する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記第1ロールは、複数の第1ロール突起部と複数の第1ロール凹部とを含み、
前記第1ロールは、前記第1ロール突起部と前記第1ロール凹部とを交互に提供し、
前記複数の第1ロール突起部のうちの少なくとも1つは、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも2つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。 - 前記第1ロールは、複数の第1ロール突起部と複数の第1ロール凹部とを含み、
前記第1ロールは、前記第1ロール突起部と前記第1ロール凹部とを交互に提供し、
前記複数の第1ロール突起部のうちの少なくとも1つは、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。 - 前記第1ロールは、約30個〜約650個の第1ロール突起部と約30個〜約650個の第1ロール凹部とを含み、
前記第1ロールは、前記第1ロール突起部と前記第1ロール凹部とを交互に提供し、
前記第1ロール突起部は、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。 - 前記第2ロールは、複数の第2ロール突起部と複数の第2ロール凹部とを含み、
前記第2ロールは、前記第2ロール突起部と前記第2ロール凹部とを交互に提供し、
前記複数の第2ロール突起部のうちの少なくとも1つは、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも2つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。 - 前記濾材中の尾根は、前記第1ロール突起部の濾材接触領域と、前記第2ロール凹部の濾材接触領域との間を圧縮することにより提供されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記第2ロールは、複数の第2ロール凹部と複数の第2ロール突起部とを含み、
前記第2ロールは、前記第2ロール凹部と前記第2ロール突起部とを交互に提供し、
前記第2ロール凹部のうちの少なくとも1つは、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。 - 前記第2ロールは、約30個〜約650個の第2ロール凹部と約30個〜約650個の第2ロール突起部とを含み、
前記第2ロールは、前記第2ロール凹部と前記第2ロール突起部とを交互に提供し、
前記第2ロール凹部は、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている、少なくとも3つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。 - 前記縦溝流路付き濾材を対面濾材と結合させて片面積層物を提供する工程を更に有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記縦溝流路付き濾材と前記対面濾材との間に接着剤ビードを提供する工程を更に有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 接着剤ビードを適用し、前記片面積層物を巻いて濾材積層体を提供する工程を更に有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 前記片面積層物を切断して前記片面積層物の複数のシートを提供し、前記片面積層物に接着剤を適用し、前記片面積層物の複数のシートを積み重ねて、積み重ねられた濾材積層体を提供する工程を更に有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 前記第1ロールと前記第2ロールとは、前記濾材の移動方向に対して横断する方向に延びていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記縦溝流路付き濾材は、前記縦溝流路を形成する工程の間に前記濾材の移動方向に対して横断する方向に延びている縦溝流路の繰り返しパターンを有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
- 縦溝流路付き濾材を形成する装置であって、
(a)前記装置は、複数の第1ロール突起部と複数の第1ロール凹部とを含む第1ロールを含み、前記第1ロールは、前記第1ロール突起部と前記第1ロール凹部とを交互に提供し、前記複数の第1ロール突起部のうちの少なくとも1つは、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも2つの濾材接触領域を含んでおり、
(b)前記装置は、複数の第2ロール凹部と複数の第2ロール突起部とを含む第2ロールを含み、前記第2ロールは、前記第2ロール凹部と前記第2ロール突起部とを交互に提供し、前記複数の第2ロール凹部のうちの少なくとも1つは、1つの濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも2つの濾材接触領域を含んでいることを特徴とする装置。 - 前記第1ロールと前記第2ロールとは、前記第1ロール突起部の濾材接触領域と前記第2ロール凹部の濾材接触領域との間で濾材を圧縮するように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
- 前記第1ロールは、複数の第1ロール突起部を含み、
前記第1ロール突起部のそれぞれは、複数の濾材弛緩領域によって分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含み、
前記第2ロールは、複数の第2ロール凹部を含み、
前記第2ロール凹部のそれぞれは、複数の濾材弛緩領域によって分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。 - 前記第1ロールは、約30個〜約650個の第1ロール突起部と約30個〜約650個の第1ロール凹部とを含み、前記第1ロールは、前記第1ロール突起部と前記第1ロール凹部とを交互に提供し、前記複数の第1ロール突起部は、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
- 前記第2ロールは、約30個〜約650個の第2ロール突起部と、約30個〜約650個の第2ロール凹部とを含み、
前記第2ロールは、前記第2ロール突起部と前記第2ロール凹部とを交互に提供し、
前記第2ロール凹部は、複数の濾材弛緩領域によって互いに分離されている少なくとも3つの濾材接触領域を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。 - 縦溝流路付き濾材を形成する装置であって、
(a)複数の第1ロール突起部と複数の第1ロール凹部とを含み、前記第1ロール突起部と前記第1ロール凹部とを交互に提供する第1ロールと、
(b)複数の第2ロール凹部と複数の第2ロール突起部とを含み、前記第2ロール凹部と前記第2ロール突起部とを交互に提供する第2ロールと、を有し、
(c)前記複数の第1ロール突起部と、前記複数の第1ロール凹部と、前記複数の第2ロール凹部と、前記複数の第2ロール突起部とは、食込み間隙を提供するために相互作用するように構成されており、濾材が前記食込み間隙を通過するときに、前記食込み間隙は前記濾材に縦溝流路の繰り返しパターンを提供し、前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に提供される少なくとも1つの尾根を有する少なくとも1つの縦溝流路を有することを特徴とする装置。 - (c)前記複数の第1ロール突起部と、前記複数の第1ロール凹部と、前記複数の第2ロール凹部と、前記複数の第2ロール突起部とは、食込み間隙を提供するために相互作用するように構成されており、濾材が前記食込み間隙を通過するときに、前記食込み間隙は前記濾材に縦溝流路の繰り返しパターンを提供し、前記縦溝流路の繰り返しパターンは、隣接する同じ側の頂点間で縦溝流路の1周期中に提供される少なくとも1つの尾根を有する少なくとも2つの縦溝流路を有することを特徴とする請求項22に記載の装置。
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