JP2016187549A - 消臭材およびそれを備えた吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】縮合型タンニンを含有し、優れた消臭効果を示す消臭材を提供する。【解決手段】セルロースジアセテート繊維と縮合型タンニンとを含有する消臭材。セルロースジアセテート繊維はトウ開繊繊維であることが好ましく、縮合型タンニンは柿渋由来であるものが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、縮合型タンニンを含有する消臭材とこの消臭材を備えた吸収性物品に関するものである。
従来、縮合型タンニンの消臭効果が知られており、例えば特許文献1,2には、柿渋由来の縮合型タンニン(カキタンニン)を含有する消臭剤が開示され、特許文献3には、リンゴ、ナシ、またはモモの未熟果実由来の縮合型タンニンを含有する消臭剤が開示されている。
特開2001−302483号公報 特開2002−177376号公報 特開2002−47196号公報
上記のように縮合型タンニンの消臭効果がこれまで知られていたが、その消臭効果をより高めることが求められる。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、縮合型タンニンを含有し、優れた消臭効果を示す消臭材を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の消臭材とは、セルロースジアセテート繊維と縮合型タンニンとを含有するところに特徴を有する。本発明の消臭材は、縮合型タンニンとセルロースジアセテート繊維の相乗作用により、優れた消臭効果を発揮する。
消臭効果を高める点から、縮合型タンニンは柿渋由来であることが好ましい。また、セルロースジアセテート繊維はトウ開繊繊維であることが好ましい。
本発明はまた、本発明の消臭材を備えた吸収性物品も提供する。
本発明の消臭材は、縮合型タンニンとセルロースジアセテート繊維の相乗作用により、優れた消臭効果を発揮する。
本発明の消臭材は、セルロースジアセテート繊維と縮合型タンニンとを含有するものである。本発明の消臭材は、縮合型タンニンとセルロースジアセテート繊維の相乗作用により、長時間にわたって優れた消臭効果を発揮することができる。
縮合型タンニンは、柿の実(柿渋)、未熟バナナ、ブドウの果皮や種子、栗皮、紅茶、イナゴマメやタマリンドやタラ等の豆類の種皮やサヤ、オークやケプラチョやミモザ等の樹皮や木質部等に含まれ、圧搾したり、溶媒(例えば、熱水やアルコール)で抽出することにより、濃縮物として得ることができる。
縮合型タンニンは、フラバン骨格に複数の水酸基が結合した構造を有する化合物であることが好ましく、下記式(1)に示すフラバン骨格の構造式中、3位と5位と7位の炭素および2位に結合したフェニル基の3’位と4’位と5’位の炭素から選ばれる少なくとも2つ以上に水酸基が結合していることが好ましい。特に、縮合型タンニンとしては、少なくとも5位と7位と3’位と4’位の炭素に水酸基が結合したフラバン骨格を有する化合物であることが好ましく、天然物中にはこのような構造を有する縮合型タンニンが多く知られている。また、縮合型タンニンとして、フラバン骨格の3位の炭素に結合した水酸基がエステル化されているものも知られており、当該水酸基の水素原子がガロイル基(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル基)で置換された構造を有する化合物が知られている。縮合型タンニンは、フラバン骨格に結合した複数の水酸基によって、臭気の原因分子(臭気分子)と多点的に相互作用して、固定化できるものと考えられる。
Figure 2016187549
縮合型タンニンとしては、複数の水酸基が結合したフラバン骨格が、炭素−炭素結合を介して複数繋がった構造を有する化合物であることが好ましい。フラバン骨格が複数繋がった構造を有する縮合型タンニンを用いれば、臭気分子を包接固定できるようになると考えられ、消臭効果を高めることができる。例えば天然物中には、上記に示すフラバン骨格の4位の炭素と8位の炭素が結合箇所となって、フラバン骨格が複数繋がった構造を有する縮合型タンニンが知られている。
フラバン骨格が複数繋がった構造を有する縮合型タンニンとしては、例えば、下記式(2)で示す繰り返し単位を有するものを用いることが好ましい。なお、下記式(2)において、R1は水素原子または水酸基を表し、R2は水素原子またはガロイル基を表す。
Figure 2016187549
縮合型タンニンは、消臭効果を高める点から、重量平均分子量が2,000以上であることが好ましく、3,000以上がより好ましく、5,000以上がさらに好ましい。このような重量平均分子量を持つ縮合型タンニンは、フラバン骨格が複数繋がった構造を有するものとなる。一方、縮合型タンニンの重量平均分子量の上限は特に限定されないが、溶解性を高めて取り扱い性を向上させる点から、当該重量平均分子量は500,000以下が好ましく、300,000以下がより好ましく、150,000以下がさらに好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の値とする。
縮合型タンニンとしては、柿渋由来のものを用いることが好ましい。柿渋由来の縮合型タンニンであるカキタンニンは、複数の水酸基が結合したフラバン骨格が12〜30個程度繋がった構造を有し、特に高い消臭効果を示す。柿渋は、例えば、未成熟の渋柿の実を圧搾して得られた搾汁液を発酵させることにより得ることができ、これをそのまま用いてもよく、必要に応じて適宜濃縮、希釈、ろ過、抽出、乾燥等の処理を施してもよい。柿渋は市販品を用いてもよい。
セルロースアセテート繊維は、セルロースを酢酸エステル化することにより得られる半合成繊維であり、セルロースジアセテート繊維とセルローストリアセテート繊維の2種類が広く用いられている。本発明では、このうちセルロースジアセテート繊維を用いる。セルロースジアセテートは、セルロースの無水グルコースの繰り返し単位に含まれる3個の水酸基のうち、平均で2.1個〜2.7個の水酸基がアセチル化されていること、すなわち置換度が2.1〜2.7であることが好ましい。
本発明者らが、様々な種類の繊維に縮合型タンニンを担持させるようにして、その消臭効果を検討したところ、セルロースジアセテート繊維を用いた場合に特に優れた消臭効果を発揮することが明らかになった。例えば、合成繊維に縮合型タンニンを担持させた場合や、セルロースジアセテート繊維に近い構造を有するセルローストリアセテート繊維や単なるセルロース繊維(すなわち酢酸エステル化されていないセルロース繊維)に縮合型タンニンを担持させた場合と比較すると、セルロースジアセテート繊維に縮合型タンニンを担持させると、長時間にわたって消臭効果が持続する。セルロースジアセテート繊維を用いた場合に優れた消臭効果を示す理由は明らかではないが、縮合型タンニンがセルロースジアセテート繊維と接触することにより、それぞれの持つ水酸基の水素結合により縮合型タンニンがセルロースジアセテート繊維に固定化され、縮合型タンニンとセルロースジアセテート繊維とが協働して臭気分子を安定して包接固定できるようになると推測される。また、セルロースジアセテート繊維の有する水酸基やアセトキシ基により、臭気分子の捕集効果も発揮されるものと推察される。一方、単なるセルロース繊維に縮合型タンニンを担持させた場合は、セルロース繊維がアセトキシ基を有しないことにより、臭気分子の捕集能力が落ちたり、あるいは臭気分子の包接固定能力が低下するものと考えられる。
セルロースジアセテート繊維は繊維集合体として用いることが好ましい。すなわち、消臭材はセルロースジアセテート繊維を含む繊維集合体を含有することが好ましい。セルロースジアセテート繊維を複数の繊維を含む集合体として用いることにより、繊維による網状構造が形成され、臭気分子の捕捉能力を高めることができる。
セルロースジアセテート繊維は、トウ開繊繊維であることが好ましい。トウ開繊繊維は長繊維であるため、それから繊維集合体を形成した場合、繊維の脱落が起こりにくく、耐久性に優れたものとなる。また、トウ開繊繊維とすることにより、繊維集合体を嵩高く形成して空隙率を高めることができ、臭気分子の捕集能力を高めることができる。
繊維集合体は、セルロースジアセテート繊維以外の繊維を含んでいてもよい。例えば、繊維集合体の成形性を高めるために熱融着性繊維を含ませたり、あるいは繊維集合体の親疎水性を調節したり、吸水性能を付与したりするために、任意の他の繊維を含ませてもよい。なお繊維集合体は、消臭効果を高める点から、セルロースジアセテート繊維の含有率が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらにより好ましく、95質量%以上が特に好ましい。繊維集合体は、セルロースジアセテート繊維のみから構成されるものであってもよい。繊維集合体中のセルロースジアセテート繊維の含有率は、繊維集合体を構成する全繊維100質量%に対する割合を意味する。なお、繊維集合体中にセルロースジアセテート繊維が偏在している場合は、当該セルロースジアセテート繊維に縮合型タンニンが担持されるように形成されていれば、繊維集合体中のセルロースジアセテート繊維の含有率を30質量%未満とすることもできる。
縮合型タンニンをセルロースジアセテート繊維に担持させる方法としては、縮合型タンニンやそれを含む液体をセルロースジアセテート繊維に散布したり、縮合型タンニンを含む液体にセルロースジアセテート繊維を浸漬する方法が挙げられる。縮合型タンニンは、天然抽出液(例えば、搾汁液や溶媒抽出液)として、セルロースジアセテート繊維に加えるようにしてもよい。縮合型タンニンを含む液体を加えたセルロースジアセテート繊維は、必要に応じて乾燥処理を施してもよい。
縮合型タンニンは、消臭効果を発揮させたいときに、セルロースジアセテート繊維に担持されるようにしてもよい。すなわち消臭材は、使用の際に縮合型タンニンがセルロースジアセテート繊維に担持されるように形成されていてもよい。本発明の消臭材は、実施例でも説明するように、尿由来の臭気を除去することができるが、消臭材が尿に触れることにより、縮合型タンニンがセルロースジアセテート繊維と接触するようにしてもよい。この場合、例えば、縮合型タンニンを、透液性シートを介してセルロースジアセテート繊維とは直接接触しないように配することにより、消臭材を構成することができる。そして、消臭材に尿が加えられることにより、縮合型タンニンが尿とともに透液性シートを透過してセルロースジアセテート繊維の表面に移行し、その結果、縮合型タンニンがセルロースジアセテート繊維に担持され、消臭効果が発現するようになる。
縮合型タンニンとセルロースジアセテート繊維の配合量は、所望する消臭効果に応じて適宜調整すればよい。なお天然物中には、縮合型タンニンが単一の化合物として存在しているのではなく、様々な形態で存在しているため、縮合型タンニンそのものの配合量を求めることは実際には難しい。従って、縮合型タンニンの配合量は、天然抽出物の乾燥質量(天然抽出液の場合は蒸発残分質量)として定めることが簡便である。このように定める場合、縮合型タンニンの配合量は、セルロースジアセテート繊維100質量部に対して、0.3質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がさらに好ましく、また50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
消臭材には、他の消臭物質が含まれていてもよい。また、芳香剤、抗菌剤、防腐剤、乾燥剤等の任意の副資材が含まれていてもよい。
本発明の消臭材は、生物由来の臭気の除去に特に効果を発揮する。例えば、アンモニア系、硫化水素やメチルメルカプタン等の硫黄系、低級脂肪酸等の有機酸系、アルデヒド系等の臭気成分の除去が可能であり、臭気成分が複数ある場合でも消臭効果を発揮することができる。
本発明の消臭材は、居室やトイレ等の居住空間に置いて用いたり、空気清浄機や空調機のフィルターに設置したり、生ゴミや食品残渣等の傍に置いたり、それらの廃棄容器(ゴミ袋やゴミ箱)の内部に設置して用いることができる。また、本発明の消臭剤を、繊維製品(例えば、衣料、使い捨ておむつ、生理用品、使い捨て下着、家具、カーペット、壁材等)の一部として用いることもできる。特に、実施例に示した結果からも明らかなように、本発明の消臭材は尿等の***物由来の臭気を効果的に除去することができるため、使い捨ておむつや生理用品といった吸収性物品に好適に適用することができる。使い捨ておむつは、パンツタイプ、テープタイプ、パッドタイプ(尿パッド、軽失禁パッド)等、その形状は特に限定されない。
吸収性物品は、その基本構成として、例えばトップシートとバックシートの間に吸収体が配されて構成される。トップシートは、吸収性物品の着用の際に着用者側に位置するシートであり、液透過性であることが好ましい。トップシートとしては、親水性不織布や孔が形成されたプラスチックフィルム等を用いることができる。バックシートは、吸収性物品の着用の際に着用者とは反対側、すなわち外側に位置するシートであり、液不透過性であることが好ましい。バックシートとしては、疎水性不織布、プラスチックフィルム、不織布とプラスチックフィルムとの積層体等を用いることができる。なお、特別な使用態様の吸収性物品においては、バックシートは液透過性であってもよく、この場合、バックシートはトップシートで使用可能な材料から構成することができる。吸収体は、尿等の***物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは吸収性材料を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等のシート部材で覆ったり挟んだものを用いることができる。吸収体に含まれる吸収性材料としては、例えば、セルロース繊維(例えば、粉砕したパルプ繊維)等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。
本発明の消臭材は、吸収性物品の任意の構成部材に適用することができ、尿等の***物と直接接触する箇所のみならず、直接接触しない箇所に設置しても臭気を除去することができる。消臭材は、例えば、吸収体の少なくとも一部の構成材料として用いたり、トップシートと吸収体の間に配して用いたり、バックシートと吸収体の間に配して用いることができる。また、トップシートの肌面側(着用者側)に設置したり、バックシートの外面側に設置して用いることも可能である。本発明の消臭材を備えた吸収性物品は、***物由来の臭気を効果的に除去でき、吸収性物品を着用した際の不快感を低減することができる。また、吸収性物品を使用後に廃棄した際にも、臭気の発生を抑制できる。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(1)消臭試験1(臭気源と接触状態における消臭試験)
(1−1)試験方法
開繊パルプ繊維3gと高吸水性樹脂粉末2gとを混合して10cm×10cmの大きさに成形し、その上にティッシュペーパーを介してセルロースジアセテートのトウ開繊繊維の集合体0.55gを載せて、複合体を形成した。この複合体を、下側に配置したフィルムと上側に配置したエアスルー不織布で挟んで、フィルムとエアスルー不織布の周縁をホットメルト接着剤で接着することにより、吸収体を作製した。吸収体の上(エアスルー不織布側)から、カキタンニンとして、精製水で2.5倍に希釈したリリース科学社製のPancil(登録商標)FG−22(カキタンニン溶液)を0.6g散布して、室温で1時間乾燥させることにより、カキタンニンを含む吸収体(消臭材含有吸収体)を作製した。このように作製した吸収体の上(エアスルー不織布側)から混合尿(複数人の尿の混合物)45mLを加え、28cm×40cmのジッパーバッグに入れ、密封した。密封後、10分後、1時間後、3時間後、6時間後にジッパーバッグ内の臭いをかいで、臭気確認試験を行った。
また、セルロースジアセテート繊維の集合体の代わりに、セルローストリアセテート繊維の集合体、パルプ繊維の集合体、コットン繊維の集合体、レーヨンとPETの複合繊維の集合体、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の複合繊維の集合体を用いたカキタンニンを含む吸収体を作製し、さらに、カキタンニン溶液0.6gを散布する代わりに精製水0.6gを散布したカキタンニンを含まない吸収体も作製した。これらの吸収体についても、上記と同様に臭気確認試験を行った。
(1−2)判定方法
5人の評価者それぞれが、下記の判定基準に基づき臭気強度を判定し、その平均値を判定結果とした。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:何のにおいかがわかる弱いにおい
3:楽に感知できるにおい
4:強いにおい
5:強烈なにおい
(1−3)結果
表1に消臭試験1の結果を示した。表1に示すように、カキタンニンとセルロースジアセテート繊維を含む消臭材を備えた吸収体では、6時間ほぼ無臭状態を維持した(No.1)。一方、セルロースジアセテート繊維以外の繊維を用いた場合は、カキタンニンを含んでいても、6時間後には消臭効果が大きく低下した(No.2〜6)。さらに、カキタンニンを含まない吸収体では、セルロースジアセテート繊維を含む吸収体では3時間までは若干の消臭効果が見られたものの、6時間後には消臭効果が大きく低下した(No.7)。それ以外の繊維を含む吸収体ではさらに消臭効果が低下する結果となった(No.8〜12)。
Figure 2016187549
(2)消臭試験2(臭気源と非接触状態における消臭試験)
(2−1)試験方法
セルロースジアセテート繊維のトウ開繊繊維の集合体0.5gに、カキタンニンとして、リリース科学社製のPancil(登録商標)FG−22を2.6g散布して、消臭材を作製した。この消臭材を、250mL容量のペットボトルに入れ、このペットボトルを開封状態で17cm×24cmの大きさのジッパーバッグに入れ、密封した(バッグ1)。一方、混合尿100mLを別の250mL容量のペットボトルに入れ、このペットボトルを開封状態で17cm×24cmの大きさのジッパーバッグに入れ、密封した(バッグ2)。バッグ1とバッグ2を28cm×40cmの大きさのジッパーバッグに入れ、密封した(バッグ3)。バッグ3とバッグ1の密封状態を保ったまま、尿が入ったバッグ2のみを開封し、40℃の恒温槽内で3時間保管した。次いで、バッグ3の密封状態を保ったまま、尿が入ったバッグ2の封を閉じ、消臭材が入ったバッグ1を開封し、40℃の恒温槽内で1時間保管した後、恒温槽からバッグ3を取り出してバッグ3内の臭いをかいで、臭気確認試験を行った。
また、セルロースジアセテート繊維の集合体の代わりに、セルローストリアセテート繊維の集合体、パルプ繊維の集合体、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の複合繊維の集合体を用いたカキタンニンを含む消臭材も作製し、上記と同様に臭気確認試験を行った。なおブランクとして、バッグ3の中に、消臭材の入ったバッグ1を入れずに、尿の入ったバッグ2のみを入れて、上記と同様に臭気確認試験を行った。
(2−2)判定方法
5人の評価者それぞれが、下記の判定基準に基づき臭気強度を判定し、その平均値を判定結果とした。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:何のにおいかがわかる弱いにおい
3:楽に感知できるにおい
4:強いにおい
5:強烈なにおい
(2−3)結果
表2に消臭試験2の結果を示した。表2に示すように、カキタンニンとセルロースジアセテート繊維を含む消臭材を用いた場合は、消臭材が尿と非接触の状態でも、気体状態の臭気成分を除去できることが明らかになった(No.13)。一方、それ以外の繊維を含む消臭材では、消臭材を設置しなかったブランクの系と臭気判定結果がほとんど変わらず、消臭効果を示さなかった(No.14〜17)。
Figure 2016187549
(3)消臭試験3(臭気源と接触状態における消臭試験)
(3−1)試験方法
開繊パルプ繊維0.3gと高吸水性樹脂粉末0.2gとを混合した吸収体を作製した。別途、セルロースジアセテートのトウ開繊繊維の集合体0.05gに、カキタンニンとして、精製水で2.5倍に希釈したリリース科学社製のPancil(登録商標)FG−22(カキタンニン溶液)を0.06g散布して、室温で乾燥させることにより、消臭材を作製した。このように作製した吸収体と消臭材を同一のバイアル瓶に入れ、さらにそこに混合尿4.7mLを加えて密封し、サンプルAを調製した。さらに、サンプルAに対して、セルロースジアセテート繊維の集合体を使用せず、カキタンニンを直接吸収体に散布したサンプルB、カキタンニンを散布しないセルロースジアセテート繊維の集合体を消臭材として用いたサンプルC、セルロースジアセテート繊維の集合体もカキタンニンも加えないサンプルDをそれぞれ調製した。各サンプルについて、3時間および6時間静置した後、バイアル瓶内のガスを採集し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)にてメチルメルカプタンの存在の有無を調べた。
(3−2)結果
表3に消臭試験3の結果を示した。表3に示すように、サンプルAでは3時間後および6時間後のいずれも、メチルメルカプタンの検出ピークは確認されなかった(ベースラインと区別が付かなかった)。一方、サンプルB〜Dでは、3時間後と6時間後のいずれもメチルメルカプタンの検出ピークが確認された。カキタンニンとセルロースジアセテート繊維を併用することで、メチルメルカプタンの発生を完全に抑えられたことが分かる。
Figure 2016187549

Claims (4)

  1. セルロースジアセテート繊維と縮合型タンニンとを含有することを特徴とする消臭材。
  2. 前記縮合型タンニンが柿渋由来である請求項1に記載の消臭材。
  3. 前記セルロースジアセテート繊維がトウ開繊繊維である請求項1または2に記載の消臭材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の消臭材を備えることを特徴とする吸収性物品。
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