JP2016180076A - 蛍光物質成形体の製造方法、発光装置 - Google Patents

蛍光物質成形体の製造方法、発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性を有する信頼性の高い蛍光物質成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 蛍光物質成形体の製造方法は、窒化アルミニウム粉末と、蛍光体粉末と、の混合物を、放電プラズマ焼結法により、蛍光体窒化アルミニウム粉末を溶融させ、その後、冷却する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、蛍光物質成形体の製造方法、発光装置に関する。
蛍光体を用いた発光装置として、青色の発光を行うLEDチップと、青色光を黄色に変換するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体と、を組み合わせた白色に発光する発光装置が知られている。このような発光装置は、小型であり、消費電力が少ないという特徴を有しており、各種表示装置あるいは照明装置の光源として更なる効率・信頼性の向上に向けた開発が行われている。今後、発光装置の更なる高出力化が望まれており、蛍光体の信頼性向上が求められている。
また、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、さらに、メモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置として、プロジェクタが使用されている。このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)を用いたプロジェクタが開発されている。このLEDを用いたプロジェクタにも蛍光体が使用されており、蛍光体の信頼性向上が求められている。
このような発光装置、プロジェクタ用途に使用される蛍光体として、例えば、特定の蛍光体を軟化点が700℃以上のガラス中に分散させた波長変換部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、軟化点が700℃以上のガラスとしてオキシナイトライドガラスを使用し、特定の蛍光体としてαサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体、CaAlSiN蛍光体を使用することが記載されている。これにより、従来よりも高効率の蛍光が得られる波長変換部材を提供できると記載されている。
また、蛍光体粉末と無機部材粉末との混合物を、放電プラズマ焼結法を用いる蛍光物質成形体の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4895541号公報 特開2009−91546号公報
しかしながら、前記プロジェクタ用途では発光ダイオードからの出力が大変高いため、特許文献1に記載された波長変換部材、特にオキシナイトライドガラスが、光エネルギーや熱により溶融されることが問題となっていた。
また、特許文献2に記載された蛍光物質成形体は、窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体に酸化物からなる無機部材粉末を使用するため、前記蛍光体と前記無機部材粉末とが反応し、発光特性が低下することが生じていた。
よって、本発明は、耐熱性を有する信頼性の高い蛍光物質成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る蛍光物質成形体の製造方法は、窒化アルミニウム粉末と、蛍光体粉末と、の混合物を、放電プラズマ焼結法により、前記窒化アルミニウム粉末を溶融させ、その後、冷却する。
本発明の実施形態に係る発光装置は、発光ピーク波長が300nm以上500nm以下の光を発する発光素子と、主成分として窒化アルミニウムにより蛍光体粉末が含有された蛍光物質成形体と、を有する。
これにより、耐熱性を有する信頼性の高い蛍光物質成形体の製造方法を提供することができる。また、耐熱性を有する信頼性の高い蛍光物質成形体を用いた発光装置を提供することができる。
実施の形態に係る蛍光物質成形体を示す概略斜視図である。 実施の形態に係る放電プラズマ焼結装置100を示す概略説明図である。 積分球を用いた測定方法を示す概略説明図である。 実施例1、2、比較例1乃至3で得られた蛍光物質成形体プレート250の光束と励起光出力との測定結果を示す図である。 実施例1に係る蛍光物質成形体プレート250の発光スペクトルを示す図である。 実施例2に係る蛍光物質成形体プレート250の発光スペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る蛍光物質成形体及びその製造方法、発光装置について、図面を用いて説明する。だたし、本発明は、この実施の形態及び実施例に限定されない。図1は、実施の形態に係る蛍光物質成形体を示す概略斜視図である。図2は、実施の形態に係る放電プラズマ焼結装置を示す概略説明図である。
<蛍光物質成形体>
実施の形態に係る蛍光物質成形体10は、蛍光体粉末20と窒化アルミニウム粉末30との混合物に放電プラズマ焼結法を用いて窒化アルミニウム粉末を溶融後に冷却することによって得られる。これにより、放電プラズマ焼結過程における蛍光体粉末と窒化アルミニウムとの溶融拡散もしくは熱拡散により蛍光体粉末の変換効率が低下することを抑制することができる。また、蛍光体粉末と窒化アルミニウムとの界面を、組成的、結晶的にほぼ連続とすることができることから、蛍光体粉末と窒化アルミニウムとの接合界面における光の損失を低減させることができる。蛍光物質成形体10の形状は特に限定されないが、平板状や円柱状、直方体等の形状を採ることができる。蛍光物質成形体10の厚みは特に限定されないが、発光素子から出射された光が透過する厚さとすることができる。例えば、蛍光物質成形体10の厚さを0.5mm〜5.0mmとすることができる。また、発光素子から出射された光の大部分を遮断するが、蛍光物質成形体10からの光を高出力に放出することができる、蛍光体20の密度の高い薄型の蛍光物質成形体10とすることもできる。蛍光物質成形体10の大きさは特に限定されない。蛍光物質成形体10は放電プラズマ焼結法により得られたそのままでも使用できるが、所定の大きさとするため、蛍光物質成形体10の側面を切断機で切断したり、若しくは蛍光物質成形体10の一部に傷を付け、この傷に沿って応力を加え、分割したりしてもよい。さらに、この切断若しくは分割後、蛍光物質成形体10の側面を研磨してもよい。また、蛍光物質成形体10の表面を研磨しなくても使用できる場合があるが、蛍光物質成形体10の表面を研磨して凹凸を小さくしたものも使用できる。蛍光物質成形体10における蛍光体20の濃度は10重量%以上であることが好ましいが、5重量%以上のものも使用できる。
蛍光物質成形体10の原料となる蛍光体粉末20、窒化アルミニウム粉末30等について詳述する。
(蛍光体、蛍光体粉末)
蛍光物質成形体10は蛍光体(蛍光体粉末)20を含有する。明細書において主として「蛍光体粉末」は蛍光物質成形体として複合化される前の原料として使用される状態を意味し、「蛍光体」は蛍光物質成形体として複合化された後の状態を意味する。蛍光体20は発光素子から出射された光を吸収して波長変換を行い、発光素子と異なる波長の光を発するものであればよい。蛍光体粉末20の大きさは特に限定されず、数nmから数十μm程度のものを使用することができる。蛍光体粉末20は扱いやすさの観点から3μm〜10μm程度が好ましい。
ここで、本明細書において、粒径値とはFisher Sub Sieve Sizer‘s No(フィッシャー、サブ、シーブ、サイザーズ、ナンバー)と呼ばれる空気透過法を用いた平均粒径の値を示す。
原料に用いる蛍光体粉末20の具体例としては、以下に示すものを挙げることができる。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体、又は、アルミン酸塩蛍光体から選ばれる少なくともいずれか1種以上であることが好ましい。窒化物系蛍光体には、酸窒化物系蛍光体、サイアロン系蛍光体も含まれる。具体例として、下記の蛍光体を使用することができるが、これに限定されない。
窒化物系蛍光体は、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される。窒化物系蛍光体は、MSi:Eu、MAlSiN:Eu(Mは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、MSi:EuのほかMSi10:Eu、(La,Y,Gd)Si11:Ceなどもある。
酸窒化物系蛍光体は、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される。酸窒化物系蛍光体は、MSi:Eu(Mは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
サイアロン系蛍光体は、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される。サイアロン系蛍光体は、Mm/nSi12−(m+n)Al(m+n)(16−n):Eu(Mは、Sr、Ca、Li、Yから選ばれる少なくとも1種以上である。n=0〜2.5、m=0.5〜5、n:Mの電荷、x=0.75〜1.5である。)、あるいはSi6-zAl8-z:Eu(0<z<4.2)などがある。
アルミン酸塩蛍光体は、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される。アルミン酸塩蛍光体は、YAl12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceの組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTbAl12:Ce、LuAl12:Ceなどもある。
上述の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることもできる。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体も使用することができる。
これらの蛍光体は発光素子からの励起光により、黄色、赤色、緑色、青色に発光スペクトルを有するものを使用することができるほか、これらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有するものも使用することができる。これらの蛍光体を種々組み合わせて使用することにより、種々の発光色を有する発光装置を製造することができる。
(窒化アルミニウム、窒化アルミニウム粉末)
蛍光物質成形体10は窒化アルミニウム粉末30を含有する。明細書において主として「窒化アルミニウム粉末」は蛍光物質成形体として複合化される前の原料として使用される状態を意味し、「窒化アルミニウム」は蛍光物質成形体として複合化された後の状態を意味する。窒化アルミニウム粉末30は蛍光体粉末20を保持するために用いられる。また、発光素子から出射された光の一部又は蛍光体20から放出された光の一部が透過するものであれば特に限定されない。具体的には、窒化アルミニウム粉末30はセラミックスである。
窒化アルミニウム粉末30には、一部、酸化アルミニウム粉末や他の無機部材粉末を添加してもよい。窒化アルミニウム粉末に対し、酸化アルミニウムは30wt%以下であることが好ましい。
(放電プラズマ焼結法)
放電プラズマ焼結法に用いる放電プラズマ焼結装置100は、蛍光体粉末20と窒化アルミニウム粉末30との粉体混合物に対して低電圧でパルス状大電流を投入し、火花放電現象により瞬時に発生する放電プラズマの高エネルギーにより窒化アルミニウム粉末を溶融させるものである。放電プラズマ焼結装置100は、カーボン製の上部パンチ110と下部パンチ120と焼結ダイ130とによって粉体混合物を挟み込んでいる。焼結ダイ130は筒状を成しており、筒状の内部に粉体混合物が配置される。上部パンチ110と下部パンチ120の少なくとも一方は焼結ダイ130の筒状内部を上下に移動可能である。上部パンチ110と下部パンチ120は、上部パンチ電極140と下部パンチ電極150との間に挟まれている。上部パンチ電極140は上部パンチ110と連結されており、また、下部パンチ電極150は下部パンチ120と連結されている。上部パンチ電極140と下部パンチ電極150は上部パンチ110と下部パンチ120を伝って、粉体混合物を圧縮する方向に圧力を加えることができる。粉体混合物及び上部パンチ110と下部パンチ120、焼結ダイ130は、真空チャンバー160内に配置されている。上部パンチ電極140と下部パンチ電極150とは電源170に電気的に接続されている。
<蛍光物質成形体の製造方法>
蛍光物質成形体10は、蛍光体粉末20と窒化アルミニウム粉末30との混合物を、放電プラズマ焼結法を用いて窒化アルミニウム粉末を溶融し、その後、冷却することにより製造することができる。
(1)計測された蛍光体粉末20と計測された窒化アルミニウム粉末30との混合物を上部パンチ110と下部パンチ120と焼結ダイ130とによって挟み込まれる空間内に配置する。
(2)上部パンチ電極140と下部パンチ電極150を用いて電源170から所定の電圧をかけ、所定の電流を流す。上部パンチ電極140に接続された上部パンチ110と、下部パンチ電極150に接続された下部パンチ120と、は発熱する。電流はマイクロ秒間隔のパルス状で流す。電圧は10ボルト前後、電流は数百アンペア以上であるが、混合物の量、種類により適宜変更する。また、投入時間は混合物の量、種類により適宜変更するが、1分〜15分程度と極めて短時間である。昇温速度は混合物の量、種類に応じて適宜変更でき、例えば電流100A/分〜300A/分とすることができる。電流を流すとともに、上部パンチ110と下部パンチ120とに上下方向の圧力を加える。加える圧力は適宜変更するが、15KN以上、好ましくは30KN〜3MNである。単位面積(パンチ)当たりの圧力に相当する。真空チャンバー内の温度は2000℃以下であることが好ましい。真空チャンバーとしているが、大気、アルゴン雰囲気、窒素雰囲気なども使用することができる。このように、電流をマイクロ秒間隔のパルス状で流すため混合物相互の接触部に放電プラズマが発生する。この放電プラズマにより瞬時に発生する高温プラズマの高エネルギーを熱拡散・電界拡散などへ効果的に応用することで低温から2000℃以上の超高温領域において昇温・保持を含め3分〜20分程度の短時間で「焼結」「焼結結合」を行うことができる。以上を放電プラズマ焼結法とする。
(3)これにより窒化アルミニウムが溶融された蛍光物質成形体10を得る。
蛍光物質成形体10の焼結密度は、光取り出し効率および機械的強度を考慮すると、真密度に対して85%以上であることが好ましい。
しかしながら、蛍光物質成形体10は、焼結密度を高く形成すると、色度・輝度ムラが生じやすい。そこで、蛍光物質成形体10の焼結密度を高くする場合、放電プラズマ焼結法の冷却工程後、アニール処理を施すことが好ましい。アニール処理は、蛍光体成形体の種類により選択された温度下と雰囲気下にて行われる。例えば、大気中、窒素中、水素/窒素混合ガス中などにて行われる。アニール処理は、成形体が焼結された直後に施しても良く、成形体に切断加工を施した後に施しても良い。これにより、蛍光物質成形体10に光拡散効果をもたらすことができる。アニール工程により光拡散効果が増す理由としては、焼結過程において失活した蛍光体粉末の粒界近傍の付活剤が再活性化され、窒化アルミニウムとの屈折率差が顕著になるためであると考えられる。このようにして得られた蛍光物質成形体10が組み込まれた発光装置は、照射先に発光素子のダイスパターンが映し出されず、均一な発光を得ることができる。
ここで、本明細書において、焼結密度とは、蛍光体と窒化アルミニウムの組成、結晶系により計算される理論密度と、アルキメデス法で測定された成形体密度との割合(%)で表す。理論密度の代わりに、真密度も用いることもできる。真密度は、例えば、島津製作所製アキュピックを用いて測定される。焼結・成形前の蛍光体粉末と窒化アルミニウム粉末との混合物を所定の容器Aに投入して計量する。その後、容器AにHeガス充填し一定圧力にした後、容積既知の容器BにHeガスを開放する。最後に、連結された容器AとBの平行圧力を測定することで、総体積と圧力変化とを利用し粉体混合物の粉末の体積を測定することができる。重量と得られた粉末体積により、目的となる真密度を計算することができる。成形体密度は、あらかじめ重量を測定した蛍光体成形体を水などの液体を満たした容器に入れ、溢れ出た水の体積により成形体の重量を割ることで測定するアルキメデス法を用いる。
これにより極めて短時間に熱安定性の高い蛍光物質成形体を製造することができる。また、蛍光体粉末と窒化アルミニウム粉末とを強固に複合化することができる。更に、窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、サイアロン系蛍光体、アルミン酸塩蛍光体の蛍光体と、窒化アルミニウム粉末と、の反応による特性低下を抑制することが出来る。
<発光装置>
発光装置は、発光素子と蛍光物質成形体10とを少なくとも有する。発光素子は、蛍光物質成形体10に含有される蛍光体20を励起するものであれば限定されないが、小型で長寿命であることからレーザー素子(LD)、発光ダイオード素子(LED)が好ましい。発光素子から出射された光は蛍光物質成形体10に照射され、蛍光物質成形体10は発光素子と異なる波長の光を放出する。
(発光素子)
発光素子は、紫外線領域に発光する発光素子や、青紫色系、青色系、青緑色系、緑色系等に発光する発光素子を使用することができる。発光素子の発光ピーク波長は、300nm〜500nmに発光ピーク波長を有しているものが好ましいが、380nm〜480nmに発光ピーク波長を有しているものが特に好ましい。発光素子は、レーザー素子が好ましい。蛍光物質成形体は、高出力であるレーザー素子からの光に対して耐熱性を有するものとすることができるからである。青色系に発光する発光素子は、III族窒化物系化合物発光素子であることが好ましい。発光素子は、例えばサファイア基板上にGaNバッファ層を介して、Siがアンドープのn型GaN層、Siがドープされたn型GaNからなるn型コンタクト層、アンドープGaN層、多重量子井戸構造の発光層(GaN障壁層/InGaN井戸層の量子井戸構造)、Mgがドープされたp型GaNからなるp型GaNからなるpクラッド層、Mgがドープされたp型GaNからなるp型コンタクト層が順次積層された積層構造を有するものを使用することができる。
(蛍光物質成形体の加工)
蛍光物質成形体は、スライス、研磨、ダイシングなどを行い、例えば、3mm×3mm×厚さ100μm程度の大きさの蛍光物質成形体チップ240に加工することができる。蛍光物質成形体チップ240をヒートシンク230に接合することで蛍光物質成形体プレート250を作製する。さらに光の取り出し効率を向上させるために、蛍光物質成形体チップ240とヒートシンク230との間に、誘電体膜や反射膜を用いることができる。
以下、実施例1乃至2に係る蛍光物質成形体について説明する。図1は、実施の形態に係る蛍光物質成形体を示す概略斜視図である。図3は、積分球を用いた測定方法を示す概略説明図である。図4は、実施例1、2、比較例1乃至3で製造された蛍光物質成形体10を加工し、得られた蛍光物質成形体プレート250の光束と励起光出力との測定結果を示す図である。図5は、実施例1に係る蛍光物質成形体の発光スペクトルを示す図である。図6は、実施例2に係る蛍光物質成形体の発光スペクトルを示す図である。
実施例1に係る蛍光物質成形体10は、原料に蛍光体粉末20と窒化アルミニウム粉末30とを用い、放電プラズマ焼結法により製造される。
蛍光体粉末20は、CaSiAlN:Euで表される窒化物系蛍光体を用いる。CaSiAlN:Eu蛍光体の平均粒径は約5μmである。
窒化アルミニウム粉末30の比重は3.26g/cc、平均粒径は約1μmである。
CaSiAlN:Eu蛍光体を用いる蛍光体粉末20と、窒化アルミニウム粉末30との原料混合重量比は、(CaSiAlN:Eu蛍光体):(窒化アルミニウム粉末)=80:20であり、体積比では80:20である。
放電プラズマ焼結装置100は、SPSシンテックス株式会社製(装置形式:SPS−9.40MK−VII)を用いる。蛍光物質成形体10の大きさが直径約20mmの円柱状となる焼結ダイ130を用いる。上部パンチ110と下部パンチ120、焼結ダイ130は、グラファイト製を用いる。焼結ダイに蛍光体粉末20と窒化アルミニウム粉末30との混合原料を5.1g仕込む。真空チャンバーは約10Pa以下に保持し、冷却水を流している。上部パンチ110と下部パンチ120との上下方向のプレスは約28KNとする。昇温速度約50〜100℃/分とし1800℃で約5分間電流を流し続ける。その結果、直径が約20mm、厚さが5〜6mm、焼結密度が真密度に対して96.6%である円柱状の蛍光物質成形体10を得る。
実施例2では、蛍光体粉末20がCa(Si,Al)12(O,N)16:Eu(x=0.75〜1.5)で表されるサイアロン系蛍光体(Ca−α−サイアロン系蛍光体)であること、焼結工程後にアニール工程を有すること以外は実施例1と同様にして蛍光物質成形体10を形成する。サイアロン蛍光体を用いる蛍光体粉末20と、窒化アルミニウム粉末30との原料混合重量比は、(サイアロン蛍光体):(窒化アルミニウム粉末)=80:20であり、体積比では80:20である。蛍光体粉末20と窒化アルミニウム粉末30との混合原料の仕込み量を5.2g使用する。昇温速度約50〜100℃/分とし1800℃で約5分間電流を流し続ける。その結果、直径が約20mm、厚さが5〜6mm、焼結密度が真密度に対して88.1%である円柱状の蛍光物質成形体10を得る。焼結工程後に1400℃のアニールを2時間施す。アニールの雰囲気は、N雰囲気やH/N雰囲気などの還元雰囲気で行うことが好ましい。
(比較例1)
実施例1の窒化アルミニウム粉末に代えて、比較例1ではYで表される酸化イットリウム粉末を使用し、実施例1とほぼ同様にして蛍光物質成形体10を形成する。CaSiAlN:Eu蛍光体を用いる蛍光体粉末20と、酸化イットリウム粉末との原料混合重量比は、(CaSiAlN:Eu蛍光体):(酸化イットリウム粉末)=72:28であり、体積比では80:20である。
蛍光体粉末20と酸化イットリウム粉末との混合原料の仕込み量を5.9g使用する。昇温速度約50〜100℃/分とし1400℃で約5分間電流を流し続ける。その結果、直径が約20mm、厚さが5〜6mm、焼結密度が真密度に対して84.4%である円柱状の蛍光物質成形体10を得る。
(比較例2)
実施例1の窒化アルミニウム粉末に代えて、比較例2ではSiで表される窒化ケイ素粉末を使用し、実施例1とほぼ同様にして蛍光物質成形体10を形成する。CaSiAlN:Eu蛍光体を用いる蛍光体粉末20と、窒化ケイ素粉末との原料混合重量比は、(CaSiAlN:Eu蛍光体):(窒化ケイ素粉末)=79:21であり、体積比では80:20である。蛍光体粉末20と窒化ケイ素粉末との混合原料の仕込み量を5.2g使用する。昇温速度約50〜100℃/分とし1700℃で約5分間電流を流し続ける。その結果、直径が約20mm、厚さが5〜6mm、焼結密度が真空密度に対して84.4%である円柱状の蛍光物質成形体10を得る。
(比較例3)
実施例2の窒化アルミニウム粉末に代えて、比較例3ではAlで表される酸化アルミニウム粉末を使用し、実施例2とほぼ同様にして蛍光物質成形体10を形成する。サイアロン蛍光体を用いる蛍光体粉末20と、酸化アルミニウム粉末との原料混合重量比は、(サイアロン蛍光体):(酸化アルミニウム粉末)=77:23であり、体積比では80:20である。蛍光体粉末20と酸化アルミニウム粉末との混合原料の仕込み量を5.4g使用する。昇温速度約50〜100℃/分とし1600℃で約5分間電流を流し続ける。その結果、直径が約20mm、厚さが5〜6mm、焼結密度が真密度に対して92.5%である円柱状の蛍光物質成形体10を得る。焼結工程後に1400℃のアニールを2時間施した。
(測定)
実施例1、2、比較例1乃至3で製造された蛍光物質成形体10を加工し、蛍光物質成形体チップ240を得る。更に、得られた蛍光物質成形体チップ240をヒートシンク230に接合することで蛍光物質成形体プレート250を作製する。蛍光物質成形体プレート250を、積分球220を用いて測定する。測定系は、光源に460nmに発光ピークを持つレーザー光を発するレーザー素子200と、レーザー素子200に接続された光ファイバ210とを用い、レーザー光が照射される位置に蛍光物質成形体プレート250を設ける。蛍光物質成形体プレート250は温調ブロック260に固定する。蛍光物質成形体プレート250から放出された光は積分球220に全て入光され光束が測定される。
この結果から、実施例1、2は、比較例1乃至3よりも高い光出力を得ることができた。特に励起光出力が2000mW時においては、出力差が顕著である。今後、発光素子の光出力化が図られる事態においては、蛍光物質成形体の耐熱性、耐光性は非常に重要な課題で有り、本実施形態ではこれを解決できた点で非常に有意義である。
本実施形態に係る蛍光物質成形体の製造方法により製造された蛍光物質成形体は耐熱性、耐光性に優れているため、レーザー素子のような高出力の光源を用いた発光装置に利用することができる。その発光装置はプロジェクタ、自動車のヘッドライト、照明等に利用することができる。
10 蛍光物質成形体
20 蛍光体粉末(蛍光体)
30 窒化アルミニウム粉末(窒化アルミニウム)
100 放電プラズマ焼結装置
110 上部パンチ
120 下部パンチ
130 焼結ダイ
140 上部パンチ電極
150 下部パンチ電極
160 真空チャンバー
170 電源
200 レーザー素子
210 光ファイバ
220 積分球
230 ヒートシンク
240 蛍光物質成形体チップ
250 蛍光物質成形体プレート
260 温調ブロック

Claims (6)

  1. 窒化アルミニウム粉末と、蛍光体粉末と、の混合物を、放電プラズマ焼結法により、前記窒化アルミニウム粉末を溶融させ、その後、冷却する蛍光物質成形体の製造方法。
  2. 前記蛍光体粉末は、窒化物系蛍光体、又は、アルミン酸塩蛍光体のうち少なくとも1種の粉末である請求項1に記載の蛍光物質成形体の製造方法。
  3. 前記窒化アルミニウム粉末を溶融させた後、アニール処理を施す請求項1又は2に記載の蛍光物質成形体の製造方法。
  4. 発光ピーク波長が300nm以上500nm以下の光を発する発光素子と、
    主成分として窒化アルミニウムにより蛍光体粉末が含有された蛍光物質成形体と、を有する発光装置。
  5. 前記発光素子が、青色波長帯域光を出射するレーザー素子である請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記蛍光物質成形体は、焼結密度が真密度に対して85%以上である請求項4又は5に記載の発光装置。
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