JP2016172705A - Mint3阻害剤 - Google Patents

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Takeji Sakamoto
毅治 坂本
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Motoharu Seiki
元治 清木
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Hiroyuki Osada
裕之 長田
斉藤 臣雄
Shigeo Saito
臣雄 斉藤
恭光 近藤
Yasumitsu Kondo
恭光 近藤
清水 猛
Takeshi Shimizu
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Abstract

【課題】低酸素誘導因子(HIF)を直接阻害する方法は開発されていないのでHIFを特異的に活性化するMT1−MMP/Mint3パスウェイを阻害することによる、膵癌、卵巣癌、乳癌等の癌の増殖や転移、並びに、炎症性疾患の治療に有効な化合物の提供。【解決手段】例えば下記に例示する様な反応により得られる化合物、又はその薬理学的に許容される塩を含有するMint3阻害剤。【選択図】なし

Description

本発明は、Mint3阻害剤に関する。
マクロファージなどの炎症性細胞やがん細胞では、通常酸素下でも酸素を使用しない解糖系を利用してエネルギー産生することが知られている。そして、解糖系制御において、転写因子である低酸素誘導因子(Hypoxia Inducible Factor、HIF)が重要な役割を果たしている。
HIFファミリーには、HIF−1、HIF−2、HIF−3があるが、HIF−1とHIF−2ががんの悪性化に関わることが知られている。
また、HIFは、がん細胞や炎症性細胞を活性化することで、がんの悪性化や炎症性疾患の憎悪を引き起こすことが知られている。
さらに、マクロファージやがん細胞でHIFを活性化させる分子として、Mint3が同定されている。
HIFを標的とした薬剤の開発が行われているが、現在のところ臨床応用可能なHIF阻害剤の開発には至っていない。
特許文献1には、HIF活性促進/阻害化合物のスクリーニング方法が開示されている。
また、非特許文献1〜3には、MT1−MMP/Mint3パスウェイによりHIFが制御されることが開示されている。
特開2010−195684号公報
Mol Cell Biol.,2014,34(1),30−42 J Biol Chem.,2011,286,14691−14704 J Biol Chem.,2011,286,32542−32551
本発明者らは、新規HIF阻害剤を開発するに辺り、HIFを特異的に活性化するMT1−MMP/Mint3パスウェイに着目した。MT1−MMP/Mint3パスウェイを阻害することができれば、HIFの活性化を阻害することにより、がん細胞やマクロファージ、線維芽細胞、新生血管などのがん間質細胞を制御し、がんの増殖、転移などを抑制できると考えた。また、HIFの活性化を阻害することにより、マクロファージを抑制でき炎症性疾患治療に有用であろうと考えた。
本発明が解決しようとする課題は、がん治療や、炎症性疾患治療に用いることのできる新規Mint3阻害剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、新規Mint3阻害剤として、式1で表される化合物が、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)
下記式1で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有するMint3阻害剤。
式1:
(式1中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素、水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基、ハロゲン及びアルキル基からなる群から選択され、ただし、R1とR6は、一緒になって、架橋酸素を表し、連結する2つのベンゼン環と酸素含有縮合環を形成してもよく、R2〜R5は、隣り合う2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよく、R7〜R10は、隣りあう2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよく、
11、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択され、R12は、水素、水酸基、酸素及びカルボキシル基からなる群から選択され、ただし、R11〜R14は、隣りあう2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよく、
Xは、水素、カルボキシル基及びスルフォン酸基からなる群から選択され、
Yは、水素であるか、環Aとの二重結合であるか、Xと一緒になってスピロ環を形成し、
12が酸素である場合、R12と結合する環との結合は二重結合であり、環Aはキノン構造であり、
12が水素、水酸基又はカルボキシル基である場合には、環Aはベンゼン環である。)
(2)
下記式2で表される化合物である、(1)に記載のMint3阻害剤。
式2:
(式2中、
21及びR22は、それぞれ、隣り合う2つの基が一緒になって、置換ベンゼン環を形成し、m及びnは、それぞれ0〜4の整数である。)
(3)
ベンゼン環の置換基は、R15O−基又はCl3CCH2SO3−基であり、R15は、水素、アルキル基、アシル基、トシル基、メシル基、Cl3CCH2SO3−基である、(1)又は(2)に記載のMint3阻害剤。
(4)
下記式3で表される化合物である、(1)に記載のMint3阻害剤。
式3:
(式3中、
23は、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択され、R24及びR25は、それぞれ独立して、水酸基、カルボキシル基及びスルフォン酸基からなる群から選択され、p及びqは、それぞれ0〜4の整数である。)
(5)
下記式4又は式5で表される化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載のMint3阻害剤。
式4:
式5:
(6)
(1)〜(5)のいずれかに記載のMint3阻害剤を含有する抗腫瘍用医薬。
(7)
膵癌、卵巣癌又は乳癌に用いられる、(6)に記載の抗腫瘍用医薬。
(8)
腫瘍増殖抑制又は転移抑制に用いられる、(6)又は(7)に記載の抗腫瘍用医薬。
(9)
さらに他の抗がん剤を含有する、(6)〜(8)のいずれかに記載の抗腫瘍用医薬。
(10)
抗がん剤の治療効果増強剤であって、抗がん剤投与時期に対して、事前、同時又は事後に投与する(1)〜(5)のいずれかに記載のMint3阻害剤。
(11)
(1)〜(5)のいずれか記載のMint3阻害剤を含有する抗炎症用医薬。
本発明によれば、新規Mint3阻害剤を提供することができる。式1で表されるMint3阻害剤は、がん治療や、炎症性疾患治療に用いることができる。
Mint3阻害活性を示す化合物を示す。化合物1〜13は、NPDepo Arrayに存在する化合物である。 化合物5、8、9及び10のLuciferase assayの結果を示す。 化合物2及び5のPull−down assayの結果を示す。化合物2及び5はMint3とFIH−1との結合を阻害する。 化合物5の腫瘍組織における作用を示す。化合物5は腫瘍組織におけるMint3とFIH−1の結合を阻害する。 肺転移モデル実験の結果を示す。化合物5はマウスメラノーマ細胞B16F10の肺転移を抑制する。 LPSエンドトキシンショックモデル実験の結果を示す。化合物5はLPSによるエンドトキシンショックを抑制する。 乳癌皮下移植モデル実験(MDA−MB−231細胞)における、単剤での評価の結果を示す。 膵癌皮下移植モデル実験(AsPC1細胞)における、単剤での評価の結果を示す。 膵癌皮下移植モデル実験(BxPC3細胞)における、単剤での評価の結果を示す。 乳癌皮下移植モデル実験(MDA−MB−231細胞)における、他の抗がん剤(ドキソルビシン)との併用実験の評価の結果を示す。 膵癌皮下移植モデル実験(AsPC1細胞)における、他の抗がん剤(ゲムシタビン)との併用実験の評価の結果を示す。 卵巣癌腹膜播種モデル実験の結果を示す。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明のMint3阻害剤は、下記式1で表される化合物である。
式1:
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素、水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基、ハロゲン及びアルキル基からなる群から選択される。
1とR6は、一緒になって、架橋酸素を表し、連結する2つのベンゼン環と酸素含有縮合環を形成してもよく、R2〜R5は、隣り合う2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよく、R7〜R10は、隣りあう2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよい。
1とR6は、一緒になって、架橋酸素を表し、連結する2つのベンゼン環と酸素含有縮合環を形成する場合、式1で表される化合物は、下記式6で表される。
式6:
2〜R5は、隣り合う2つの基が一緒になって、ベンゼン環を形成する場合、R2とR3、R3とR4、又はR4とR5がベンゼン環を形成してもよい。
7〜R10は、隣り合う2つの基が一緒になって、ベンゼン環を形成する場合、R7とR8、R8とR9、又はR9とR10がベンゼン環を形成してもよい。
例えば、R3とR4が、ベンゼン環を形成し、R8とR9が、ベンゼン環を形成する場合、式1で表される化合物は、下記式7で表される。
式7:
式7中、2つのベンゼン環BとCは、置換されていてもよく、無置換でもよいが、置換基を有することが好ましい。
11、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択される。
12は、水素、水酸基、酸素及びカルボキシル基からなる群から選択される。
11〜R14は、隣りあう2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよい。
11〜R14は、隣り合う2つの基が一緒になって、ベンゼン環を形成する場合、R11とR12、R12とR13、又はR13とR14がベンゼン環を形成してもよい。
例えば、R12とR13が、ベンゼン環を形成する場合、式1で表される化合物は、下記式8で表される。
式8:
式8中、ベンゼン環Dは、置換されていてもよく、無置換でもよい。
Xは、水素、カルボキシル基及びスルフォン酸基からなる群から選択される。
Yは、水素であるか、環Aとの二重結合であるか、Xと一緒になってスピロ環を形成する。
Yが環Aとの二重結合である場合、式1で表される化合物は、下記式9で表される。
式9:
YがXと一緒になってスピロ環を形成する場合、式1で表される化合物は、下記式10で表される。
式10:
式10中、X’は、−C(=O)−及び−SO2−からなる群から選択される。
12が酸素である場合、R12と結合する環との結合は二重結合であり、環Aはキノン構造であり、式1で表される化合物は、式9で表される。
12が水素、水酸基又はカルボキシル基である場合には、環Aはベンゼン環であり、式1で表される化合物は、下記式11で表される。
式11:
式1で表される化合物は、下記式2で表される化合物であることが好ましい。
式2:
式2中、R21及びR22は、それぞれ、隣り合う2つの基が一緒になって、置換ベンゼン環を形成し、m及びnは、それぞれ0〜4の整数である。
式2で表される化合物は、下記群からなる骨格を有する化合物である。
上記群で表される化合物においてベンゼン環の置換基は省略して記載している。
本発明において、ベンゼン環の置換基としては、水酸基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフォニルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基等が挙げられ、好ましくは、R15O−基及びCl3CCH2SO3−基が挙げられる。
15は、水素、アルキル基、アシル基、トシル基、メシル基、Cl3CCH2SO3−基であることが好ましい。
アルキル基(アルキルを含む)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、へプチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基(アルケニルを含む)やアルキニル基(アルキニルを含む)としては、アルキル基において二重結合、三重結合を有する基が挙げられる。
シクロアルキル基(シクロアルキルを含む)としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アリール基(アリールを含む)としては、置換基を有していてもよい、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。フェニル基やナフチル基の置換基としては、ベンゼン環の置換基として記載する、置換基であってもよい。
アラルキル基は、アリールアルキル基のことであり、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
ヘテロアリール基としては、1又は複数の窒素、酸素、硫黄を含む5員又は6員の芳香族環であって、ヘテロシクロアルキル基としては、1又は複数の窒素、酸素、硫黄を含む3員〜6員の飽和環である。
式2で表される化合物としては、下記群からなる化合物であることが好ましい。
31及びR32は、それぞれ独立して、結合手が示すベンゼン環における置換基を表し、r及びsは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
31及びR32は、水酸基であることが好ましい。
式2で表される化合物としては、下記群からなる化合物であることがより好ましい。
式1で表される化合物は、下記式4で表される化合物であるか、
式4:
下記式5で表される化合物であることが好ましい。
式5:
式1で表される化合物の水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基等は、Protective Groups In Organic Synthesis Second Edition by T.W.Greene and P.G.M.Wuts John Wiley&Sons、Inc.に記載されている方法またはそれに準ずる方法に従って、または、公知の方法に従って、フェノール性水酸基を誘導化した化合物としてもよい。
中でも、式4で表される化合物又は式5で表される化合物は、Protective Groups In Organic Synthesis Second Edition by T.W.Greene and P.G.M.Wuts John Wiley&Sons、Inc.に記載されている方法またはそれに準ずる方法に従って、または、公知の方法に従って、フェノール性水酸基を誘導化した化合物としてもよい。すなわち、式4で表される化合物又は式5で表される化合物において、OH基は、R15O−基(R15は水素以外である。)で置換されていてもよい。
また、式1で表される化合物、中でも、式4で表される化合物又は式5で表される化合物は、当業界に公知の方法に従って、プロドラッグとして誘導化した化合物としてもよい。
式1で表される化合物は、下記スキーム及びその変法により製造することができる。
スキーム1:
スキーム2:
スキーム1において、R33は、R31及びR32に相当する基である。また、スキーム1において、無水フタル酸に代えて、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物を用いてもよい。
具体的には、J.Org.Chem.,2012,77,3492−3500及びChem.Commun.,2005,5974−5976等の公知文献を参考にして、式1で表される化合物を製造することができる。
式1で表される化合物は、下記式3で表される化合物であってもよい。
式3:
式3中、R23は、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択される。
24及びR25は、それぞれ独立して、水酸基、カルボキシル基及びスルフォン酸基からなる群から選択される。
p及びqは、それぞれ0〜4の整数である。
本発明の式1で表される化合物を含有するMint3阻害剤は、抗腫瘍用医薬として用いることができる。
Mint3は、MT1−MMP/Mint3 axis によりHIF−1を活性化していると考えられる。そこで、本発明のMint3阻害剤により、HIF−1不活性化を引き起こし、解糖系や血管新生の低下により、造腫瘍能の低下やがん転移の低下を引き起こすと考えられる。また、本発明のMint3阻害剤は、MT1−MMP/Mint3 axis によるHIF−2活性化を抑制することが考えられる。
したがって、本発明のMint3阻害剤は、MT1−MMPの発現するがん細胞腫や間質細胞が標的となる。
また、間質細胞としては、マクロファージ、線維芽細胞及び血管内皮細胞等が挙げられる。
マクロファージ、線維芽細胞及び血管内皮細胞等のがん間質細胞は増殖因子、サイトカイン、ケモカインなどの産生を介してがんの増殖、浸潤、転移を促進する。また、各細胞種に特異的なメカニズムとして、マクロファージによるがん悪性化機構の一部は炎症反応に含まれる。線維芽細胞はコラーゲンなど細胞外基質の産生を介してがん組織の線維化を促進し、硬化したがん組織によりインテグリンシグナルやHippoパスウェイなどを介してがんの浸潤性を促進したり、抗がん抵抗性を付与する。血管内皮細胞は血管新生を介してがん組織に酸素、栄養を供給するためがんの増殖、転移を促進する。
本発明のMint3阻害剤は、それぞれの間質細胞の活性化を抑えることで上述のがん悪性化機構を抑制することが期待される。
抗腫瘍用医薬として、特に限定されるものではないが、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、脳腫瘍、頭頚部癌、食道癌、胃癌、虫垂癌、大腸癌、肛門癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、消化管間質腫瘍、肺癌、肝癌、中皮腫、甲状腺癌、腎臓癌、前立腺癌、神経内分泌腫瘍、黒色腫、乳癌、子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌、骨肉腫、軟部肉腫、カポジ肉腫、筋肉腫、腎臓癌、膀胱癌、及び睾丸癌等に用いることができるが、中でも、がん細胞腫としては、膵癌、グリオブラストーマ、非小細胞肺癌、乳癌、頭頸部癌、胃癌、卵巣癌、及び肝細胞癌等が挙げられる。
中でも、本発明のMint3阻害剤は、膵癌、卵巣癌及び乳癌に用いられることが好ましい。
また、本発明のMint3阻害剤は、腫瘍増殖抑制又は転移抑制に用いられることが好ましい。中でも、術後の腫瘍増殖抑制又は転移抑制に用いられることがより好ましい。
また、本発明においては、本発明のMint3阻害剤を単独で投与するだけではなく、他の薬剤との併用によっても、治療効果を得ることができる。
中でも、他の抗がん剤との併用することで、予期し得ない抗腫瘍活性を有することが見出された。本発明のMint3阻害剤は、他の抗がん剤と併用することが好ましい。
併用し得る抗がん剤としては、公知の抗がん剤であれば特に限定されるものではないが、膵癌、グリオブラストーマ、非小細胞肺癌、乳癌、頭頸部癌、胃癌、卵巣癌、及び肝細胞癌等に用いられる公知の抗がん剤が好ましい。
抗がん剤としては、特に限定されるものではないが、エトポシド、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート、フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カペシタビン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、マイトマイシンC、トポテカン、カンポテシン、イリノテカン、シタラビン、ビルラビシン、アクラルビシン、ミトキサントロン、ゲムシタビン、カンポテシン、シスプラチン、タモキシフェン、トレミフェン、ゴセレリン、リュープロレリン、ファオドロゾール、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、メドロキシプロゲステロン、メピチオスタン、メチルテストステロン、エチニルエストラジオール、パミドロン酸、ゾレドロン酸、トラスツズマブ、エルロチニブ、TS−1等が挙げられる。
中でも、アンスラサイクリン系薬剤、タキサン系薬剤、ヌクレオシド系薬剤等が好ましく用いることができる。
本発明のMint3阻害剤は、抗がん剤の治療効果増強剤として、抗がん剤投与時期に対して、事前、同時又は事後に投与する方法で用いることができるが、この効果増強剤としての利用は大きな利点がある。
最近のがん研究の進展によって、がん組織は分化度で発現遺伝子が異なるヘテロな細胞集団であることが分かってきた。このようながん組織に対して薬物療法を行う場合、悪性度の高い細胞集団を目標に抗がん剤が選択されるのが普通であるが、ヘテロな細胞集団である以上、がん組織全体に治療効果を及ぼすためには一定の工夫が必要となる。がん組織が周囲のマクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞などから生存と増殖の支援を受けていることが明らかになっている(いわゆるがん細胞ニッチ)ので、この部分に作用する本発明のMint3阻害剤は、抗がん剤の治療効果増強剤として効果的に治療効果を引き出すことができる。
本発明の式1で表される化合物を含有するMint3阻害剤は、抗炎症用医薬として用いることができる。
Mint3は、MT1−MMP/Mint3 axis によりHIF−1及びHIF−2を活性化していると考えられる。そこで、本発明のMint3阻害剤により、HIFの介在する炎症性疾患の治療又は予防に用いることができる。
中でも、本発明のMint3阻害剤は、マクロファージ介在性の炎症性疾患に用いることができ、また、敗血症等の治療又は予防に用いることができる。
本発明のMint3阻害剤は、他の炎症性疾患治療又は予防薬と併用してもよい。
本発明のMint3阻害剤は、「薬理学的に許容される塩」であってもよく、「薬理学的に許容される塩」としては、特に限定されるものではなく、例えば、有機酸や無機酸との塩、有機塩基や無機塩基との塩、アミノ酸との塩などが挙げられる。
有機酸や無機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ステアリン酸、コハク酸、エチルコハク酸、マロン酸、ラクトビオン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、メタンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、2−ヒドロキシエタンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、システイン、N−アセチルシステイン、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素酸、ニコチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、チオシアン酸、ウンデカン酸、アクリル酸ポリマー及びカルボキシビニルポリマーなどが挙げられる。
有機塩基としては、例えば、モルホリン、ピペリジンなどが挙げられ、無機塩基との塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩などが挙げられる。
Mint3阻害剤は、場合により、光学異性体であってもよく、光学異性体の混合物(ラセミ体を含む)であってもよい。また、結晶多形を有していてもよく、溶媒和物や水和物であってもよい。
本発明の抗腫瘍用医薬は、医薬組成物の形態で使用することができる。医薬組成物は、従来公知の方法により製造することができるが、Mint3阻害剤に加え、薬剤上許容される担体が含まれていてもよい。
「薬剤上許容される担体」としては、特に限定されるものではないが、安定化剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、矯味剤、着色剤、香料その他の薬剤学的に許容される添加剤が挙げられる。
医薬組成物は、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入なども含む)、経皮及び経粘膜への投与を含み、治療上適切な投与経路に適合するように製剤化される。
本発明のMint3阻害剤は、投与される患者の状態、投与方法等により適宜決定されるが、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから約500mg/kgを投与するのが好ましい。投与回数は、単回でも複数回であってもよく、好ましくは、一日に1〜4回の投与計画で、好ましくは一日に一回又は二回投与される。
本発明の医薬組成物はキットの形態であってもよい。キットとしては、薬剤上許容される担体とのキットであってもよく、他の抗がん剤とのキットであってもよい。
キットにより、用時の調製を行って、投与用医薬組成物とすることもできる。
また、キットには使用説明書が添付されていてもよい。
本発明の抗腫瘍用医薬が、他の抗がん剤との併用により用いられる場合、本発明のMint3阻害剤と、他の抗がん剤とは、同時に又は別時に投与してもよく、それぞれに適切な投与方法によってもよい。
また、他の抗がん剤との合剤であってもよく、それぞれを別々に医薬組成物として投与してもよい。さらに、リポソームに包埋するなどの技術による薬物送達システム(Drug Delivery System:DDS)によって効果的に投与してもよい。
本発明は、本発明のMint3阻害剤を用いた、抗腫瘍用医薬としての投与方法や、それを必要とする患者に投与するための抗腫瘍剤としての治療方法にも関する。また、本発明は、本発明のMint3阻害剤と他の抗がん剤との併用療法にも関する。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。実施例において示される測定方法は以下のとおりである。
以下の実験において、マウスメラノーマB16F10細胞は東北大学加齢医学研究所より分与されたものを用いた。
また、ヒト線維芽肉腫HT1080細胞、ヒト乳癌MDA−MB−231細胞、ヒト膵癌AsPC1細胞、ヒト膵癌BxPC3細胞、ヒト卵巣癌SKOV3細胞はATCCから購入した。細胞は10% FBS、penicillin−streptomycin(Life Technologies)を含むDMEM(Life Technologies)培地(B16F10、HT1080、MDA−MB−231)またはRPMI(Life Technologies)培地(AsPC1、BxPC3、SKOV3)で培養した。
ヌードマウス(BALB/cA、nu/nu)、C57BL/6Jマウスは日本クレアより購入した。
<化合物5及び化合物6の製造方法>
1,6−ジヒドロキシナフタレン(3.20g、20mmol)と無水フタル酸(1.48g、10mmol)をメタンスルフォン酸(50mL)中で窒素雰囲気下100℃で10時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、反応液を氷水(400mL)に注いだ。得られた赤色沈殿物を濾取し、水で洗浄し乾燥させた。結晶はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=10:1)による精製を行い、化合物5(1.35g、31%)を赤色結晶として得た。
化合物5(43.2mg、0.1mmol)とK2CO3(69.1mg、0.5mmol)をアセトン(1mL)に懸濁させ、ヨウ化メチル(24.9μL、0.4mmol)を加え、4時間加熱還流させた。冷却後、アセトンを真空により除いた。得られた結晶は酢酸エチルに溶解した。有機層は水と食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空により濃縮した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−hexane:EtOAc:CHCl3=1:1:0.5)による精製を行い、化合物6(29.4mg、64%)を赤色結晶として得た。
化合物6:1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.96 (s, 6H), 6.81 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.14 (m, 1H), 7.15 (d, J = 2.3. Hz, 2H), 7.36 (dd, J = 9.2, 2.3 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.61-7.68 (m, 2H), 8.10 (m, 1H), 8.65 (d, J = 9.2 Hz, 2H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 55.4, 83.9, 106.2, 110.6, 119.0, 119.1, 122.8, 123.7, 124.1, 124.6, 125.0, 126.5, 129.7, 135.1, 136.0, 146.8, 154.1, 159.2, 169.8.
<化合物9の製造方法>
1,6−ジヒドロキシナフタレン(320mg、2mmol)と2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物(198mg、1mmol)をメタンスルフォン酸(5mL)中で窒素雰囲気下100℃で10時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、反応液を氷水(40mL)に注いだ。得られた赤色沈殿物を濾取し、水で洗浄し乾燥させた。結晶はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=40:1〜10:1)による精製を行い、化合物9(86.5mg、18%)を赤色結晶として得た。
化合物9:1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 6.69 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 9.2, 2.3 Hz, 2H), 7.56 (ddd, J = 8.0, 6.9, 1.1 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.61 (ddd, J = 8.0, 6.9, 1.1 Hz, 1H), 7.79 (bd, J = 8.0 Hz, 1H), 8.19 (bd, J = 8.0 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 8.66 (bs, 1H). 13C NMR (125 MHz, CD3OD) δ 86.3, 110.6, 111.8, 119.5, 120.0, 123.7, 124.76, 124.80, 125.4, 125.8, 127.3, 128.6, 129.6, 130.4, 131.0, 135.0, 137.8, 138.5, 148.0, 149.7, 158.7, 171.4.
<Luciferase assay>
Sakamoto et al.,J Biol Chem.,2009,284(44),30350−30359に記載の方法に従って、ヒト線維芽肉腫HT1080細胞にHIF−1αCADの転写活性をモニターできるレポータープラスミドを導入した。遺伝子導入後24時間後に化合物を1μMで添加し、その24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。NPDepo Arrayに存在する化合物1〜13は、濃度1μMでMint3阻害活性を示した。
ノックダウン実験では、レポータープラスミド導入24時間前にMint3に対するsiRNAまたはコントロールsiRNA(Sakamoto et al.,J Biol Chem.,2011,286(16),14691−14740)10nMをRNAiMAX(Life Technologies)を用いて導入した。結果を図2に示す。
<MTT assay>
ヒト線維芽肉腫HT1080細胞を96well plateに5x103cells/wellで播種し各化合物を10μM加え培養し、48時間後TetraColor ONEを加え1時間後に450nmの吸光度(630nmをリファレンス)を測定した。化合物2及び化合物5は細胞毒性を示さないことを確認した。
また、ヒト結腸腺癌HT29細胞におけるMTTアッセイでは、化合物5及び化合物10は、10μM以下では細胞毒性を示さなかった。
<Pull−down assay>
大腸菌で作製したHis6−Mint3(Hisの6量体をMint3のN末端に結合させたもの)とGSTタグまたはGST−FIH−1(GSTタグをFIH−1のN末端に結合させたもの)各1μg、化合物2及び化合物5を1μM、Glutathione sepharose beadsをlysis buffer(1%NP−40、150mM NaCl、50mM Tris pH8.0)に加え一晩4℃で攪拌し、ビーズを洗浄後ボイルし、ウエスタンブロッティングに供し、ビーズに結合したHis6−Mint3を検出した。結果を図3に示す。
なお、FIH−1は、HIF−1及びHIF−2に対して阻害活性を有することが知られている。
FLAG−FIH−1(FLAGタグをFIH−1のN末端に結合させたもの)を発現させたヒト線維肉腫HT1080細胞(2x106cells)をヌードマウス皮下に移植し腫瘍を作らせ、2週間後に200mg/kgで化合物5を腹腔投与し、0、1、2、4、8時間後の腫瘍組織を取り出し、lysis buffer(1%NP−40、150mM NaCl、50mM Tris pH8.0)に溶解後、anti−FLAG M2ビーズを用いて免疫沈降実験を行い、沈降物をウエスタンブロッティングに供し、抗Mint3マウス抗体(BD Bioscience社製)、抗FLAGエピトープM2抗体(Sigma社製)で検出した。結果を図4に示す。
<メラノーマ実験的肺転移モデル>
マウスメラノーマB16F10細胞(4x105cells)をC57BL/6マウス(6週齢、オス)尾静脈より移植した。化合物5(100mg/kg)を腫瘍移植前日、当日、移植後1−3日の5日間腹腔投与した。腫瘍移植後14日目の肺の転移結節をカウントした。結果を図5に示す。
<LPSエンドトキシンショックモデル>
LPS(15mg/kg)をC57BL/6マウス(6週齢、オス)に腹腔投与した。化合物5(100mg/kg)をLPS投与前日、当日、翌日の3日間腹腔投与した。LPS投与後のマウスの生存率を測定した。結果を図6に示す。
<乳癌、膵癌皮下移植モデル>
[単剤での評価]
ヒト乳癌MDA−MB−231細胞(1x106cells)、ヒト膵癌細胞AsPC1(1.5x106cells)、ヒト膵癌細胞BxPC3(2x106cells)をヌードマウス(6週齢、メス)皮下に移植した。移植後7日(AsPC1)、10日(MDA−MB−231)、または14日目(BxPC3)から化合物5(100mg/kg)を週に5日間投与し(5日投与、2日休み)、皮下腫瘍の測定を行った。腫瘍体積は(短径2x長径)/2として求めた。結果を図7〜図9に示す。
[他の抗がん剤との併用実験]
ヒト乳癌MDA−MB−231細胞(1x106cells)、ヒト膵癌細胞AsPC1(1.5x106cells)、をヌードマウス(6週齢、メス)皮下に移植した。移植後10日から化合物5(100mg/kg)、抗がん剤(MDA−MB−231:ドキソルビシン 1mg/kg、AsPC1:ゲムシタビン 20mg/kg)を週に2回(4−3日)投与し、皮下腫瘍の測定を行った。結果を図10及び図11に示す。
<卵巣癌腹膜播種モデル>
ヒト卵巣癌SKOV3細胞(2x106cells)をヌードマウス(6週齢、メス)腹腔内に移植した。移植後7日後から週3回(2−2−3日)化合物5を100mg/kgで腹腔内投与した。移植後28日のマウス腹腔内の腫瘍結節をカウントした。結果を図12に示す。
本発明によれば、新規Mint3阻害剤を提供することができる。式1で表されるMint3阻害剤は、がん治療や、炎症性疾患治療に用いることができる点で、産業上の利用可能性を有する。

Claims (11)

  1. 下記式1で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有するMint3阻害剤。
    式1:
    (式1中、
    1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素、水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基、ハロゲン及びアルキル基からなる群から選択され、ただし、R1とR6は、一緒になって、架橋酸素を表し、連結する2つのベンゼン環と酸素含有縮合環を形成してもよく、R2〜R5は、隣り合う2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよく、R7〜R10は、隣りあう2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよく、
    11、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択され、R12は、水素、水酸基、酸素及びカルボキシル基からなる群から選択され、ただし、R11〜R14は、隣りあう2つの基が一緒になって、置換又は無置換のベンゼン環を形成してもよく、
    Xは、水素、カルボキシル基及びスルフォン酸基からなる群から選択され、
    Yは、水素であるか、環Aとの二重結合であるか、Xと一緒になってスピロ環を形成し、
    12が酸素である場合、R12と結合する環との結合は二重結合であり、環Aはキノン構造であり、
    12が水素、水酸基又はカルボキシル基である場合には、環Aはベンゼン環である。)
  2. 下記式2で表される化合物である、請求項1に記載のMint3阻害剤。
    式2:
    (式2中、
    21及びR22は、それぞれ、隣り合う2つの基が一緒になって、置換ベンゼン環を形成し、m及びnは、それぞれ、0〜4の整数である。)
  3. ベンゼン環の置換基は、R13O−基又はCl3CCH2SO3−基であり、R13は、水素、アルキル基、アシル基、トシル基、メシル基、Cl3CCH2SO3−基である、請求項1又は2に記載のMint3阻害剤。
  4. 下記式3で表される化合物である、請求項1に記載のMint3阻害剤。
    式3:
    (式3中、
    23は、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択され、R24及びR25は、それぞれ独立して、水酸基、カルボキシル基及びスルフォン酸基からなる群から選択され、p及びqは、それぞれ、0〜4の整数である。)
  5. 下記式4又は式5で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のMint3阻害剤。
    式4:
    式5:
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のMint3阻害剤を含有する抗腫瘍用医薬。
  7. 膵癌、卵巣癌又は乳癌に用いられる、請求項6に記載の抗腫瘍用医薬。
  8. 腫瘍増殖抑制又は転移抑制に用いられる、請求項6又は7に記載の抗腫瘍用医薬。
  9. さらに他の抗がん剤を含有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の抗腫瘍用医薬。
  10. 抗がん剤の治療効果増強剤であって、抗がん剤投与時期に対して、事前、同時又は事後に投与する請求項1〜5のいずれか1項に記載のMint3阻害剤。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のMint3阻害剤を含有する抗炎症用医薬。
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