JP2016172249A - 油水分離材および油水分離方法 - Google Patents

油水分離材および油水分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水と油を含む混合液から水と油を分離する油水分離材の提供。【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン粒子と式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマーの縮合物を含むコンポジット粒子を用いる油水分離材。コンポジット粒子は、平均粒子径が0.05〜50μmであり、更にシリカ粒子を含有させることが好ましい、油水分離材。(R1及びR2は、−(CF2)p−Y基、又は−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]q−OC3F7基;YはH、F又はCl;p及びqは0〜10の整数;R3〜R5はC1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;mは2〜3の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、油水分離材および油水分離方法に関するものである。
フッ素化合物は、撥水・撥油性、酸素透過性、低屈折率などの特徴を活かして塗料や化粧品等への応用が期待できる。しかしながら、フッ素系化合物は撥水・撥油性が高すぎるため非フッ素原料に対して、分散安定性を保持させることが難しい。
また、空気中で高い撥油性を発現するフッ素化合物は、水中では逆に撥油性が消失し、油が濡れ拡がるという欠点がある。
また、油分を含んだ廃水は、環境を汚染する大きな原因となり、適切に処理することが求められている。従来、油水分離処理には、比重分離等の静置分離、遠心分離、吸着分離等の方法が用いられている。
しかし、静置分離は多大な時間を要し、遠心分離は大がかりな装置を必要とし、吸着分離は大量の油水混合液の処理に不向きである。
本発明者らは、先にフルオロアルキル基含有オリゴマーを用い、フルオロアルキル基含有オリゴマーに起因した優れた特性を付与した各種の新しい機能性材料を提案している(例えば、特許文献1〜3等参照)。
また、本発明者らは、先にポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」とも言われる)粒子を、フルオロアルキル基含有オリゴマーで複合化処理したコンポジット粒子を提案した(非特許文献1参照。)。
特開2010−209300号公報 特開2010−235943号公報 特開2013−185071号公報
日本化学会講演予稿集,Vol.94th, No.3, Page.825(2014)
本発明者らは、非特許文献1で提案したコンポジット粒子の産業上の利用可能性について探索する中で、該コンポジット粒子は、水と油を含む混合液から水と油を分離する油水分離材として好適に利用できるものであること。更に水と油を含むエマルションに対しても、油水分離材として好適に利用することができるものであることを見出し、本発明を完成するに到った。
従って、本発明の目的は、水と油を含む混合液から水と油を分離することが出来る油水分離材及び油水分離方法を提供することにある。
すなわち、本発明が提供しようとする第一の発明は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と下記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマーの縮合物を含むコンポジット粒子(1)を用いてなることを特徴とする油水分離材である。
(式中、R1及びR2は、−(CF2)p−Y基、又は−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]q−OC37基を示し、R1及びR2は、同一の基であっても異なる基であってもよく、R1及びR2中のYは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、p及びqは0〜10の整数である。R3、R4及びR5は同一の基であっても異なる基であってもよく、R3、R4及びR5は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。mは2〜3の整数である。)
また、本発明が提供しようとする第二の発明は、前記コンポジット粒子(1)に、更にシリカ粒子を含有させてなるコンポジット粒子(2)を用いたことを特徴とする油水分離材である。
また、本発明が提供しようとする第三の発明は、前記第一の発明と第二の発明の油水分離材に、水と油を含む混合液を接触させることを特徴とする油水分離方法である。
また、本発明が提供しようとする第四の発明は、前記第一の発明と第二の発明の油水分離材に、水と油を含むエマルションを接触させることを特徴とする油水分離方法である。
本発明の油水分離材によれば、水と油を含む混合液から水と油を分離することができ、更に水と油を含むエマルションに対しても水と油の分離を行うことができる。
本発明の油水分離材を用いて油水分離を行う実施形態の一つを示す概略図。 本発明の油水分離材を用いて油水分離を行う実施形態の一つを示す概略図。 濾過材として、コンポジット粒子試料6を用い、処理水1を分離処理した際の写真(実施例1)。 濾過材として、コンポジット粒子試料1(a)、シリカ粒子(b)をそれぞれ用い、処理水2を分離処理した際の写真(実施例2、比較例2)。 濾過材として、コンポジット粒子試料6(a)、シリカ粒子(b)をそれぞれ用い、処理水3を分離処理した際の写真(実施例3、比較例3)。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明に係る油水分離材は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と下記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマー(以下、「フルオロアルキル基含有オリゴマー」ということがある)を縮合させた縮合物を含むコンポジット粒子(1)を用いてなることを一つの特徴とするものである。
(式中、R1及びR2は、−(CF2)p−Y基、又は−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]q−OC37基を示し、R1及びR2は、同一の基であっても異なる基であってもよく、R1及びR2中のYは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、p及びqは0〜10の整数である。R3、R4及びR5は同一の基であっても異なる基であってもよく、R3、R4及びR5は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。mは2〜3の整数である。)
本発明に係る油水分離材は、ポリテトラフルオロエチレン粒子を、フルオロアルキル基含有オリゴマーで複合化処理して得られるコンポジット粒子(1)を用いたものであることが好ましい。
フルオロアルキル基含有オリゴマーで複合化処理するポリテトラフルオロエチレン粒子は、工業的に入手できるものであれば、特に制限されるものではないが、微細なコンポジット粒子(1)を製造する観点から微細なものを用いることが好ましく、動的光散乱法により求められる平均粒子径が10〜2000nm、好ましくは50〜1000nmであることが好ましい。本発明においては、ポリテトラフルオロエチレン粒子は市販品を好適に用いることが出来る。
前記ポリテトラフルオロエチレン粒子を複合化処理するのに用いるフルオロアルキル基含有オリゴマーは、下記一般式(1)で表され、加水分解可能なアルコキシシリル基を有するものである。
(式中、R1及びR2は、−(CF2)p−Y基、又は−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]q−OC37基を示し、R1及びR2は、同一の基であっても異なる基であってもよく、R1及びR2中のYは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、p及びqは0〜10の整数である。R3、R4及びR5は同一の基であっても異なる基であってもよく、R3、R4及びR5は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。mは2〜3の整数である。)
一般式(1)中のR3、R4及びR5で示される炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
一般式(1)中のR1及びR2の−(CF2)p−Y基、又は−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]q−OC37基のp及びqは、0〜10、好ましくは0〜3である。特にR1及びR2は、−CF(CF3)OC37であることが好ましい。
一般式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマーは、例えば、トリメトキシビニルシラン等のトリアルコキシビニルシランを過酸化フルオロアルカノイルと反応させることにより製造される(例えば、特開2002−338691号公報、特開2010−77383号公報参照)。
本発明に係る油水分離材で用いるコンポジット粒子(1)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子100重量部に対して、一般式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマー3〜350重量部、好ましくは6〜200重量で複合化処理されていることが撥水性、親油性に優れたコンポジット粒子(1)を得る観点から好ましい。
前記コンポジット粒子(1)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子、下記一般式(1)
(式中、R1及びR2は、−(CF2)p−Y基、又は−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]q−OC37基を示し、R1及びR2は、同一の基であっても異なる基であってもよく、R1及びR2中のYは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、p及びqは0〜10の整数である。R3、R4及びR5は同一の基であっても異なる基であってもよく、R3、R4及びR5は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。mは2〜3の整数である。)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマー及び反応溶媒を含む反応原料溶液を調製し、次いでアルカリを添加して該フルオロアルキル基含有オリゴマーの加水分解反応を行う反応工程を有することにより、製造することができる。
反応工程に係る反応溶媒は、前記フルオルアルキル基含有オリゴマーが溶解でき、ポリテトラフルオロエチレン粒子に対して不活性なものが用いられる。反応工程に係る反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールが挙げられ、この中で、メタノールが特に好ましい。
本発明の反応工程において、反応原料溶液を調製する際に、フルオロアルキル基含有オリゴマー、ポリテトラフルオロエチレン粒子を反応溶媒に混合する順序は特に制限されるものではない。
反応原料溶液中のポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量は、前記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマー300mgに換算した値で、10〜1000mg、好ましくは20〜500mgである。反応原料溶液中の前記ポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量が、上記範囲にあることにより、撥水性、親油性が優れたものになる。
反応工程において、反応原料溶液に加えるアルカリとしては、フルオロアルキル基含有オリゴマー中のアルコキシシリル基の加水分解を行うことができるものであれば、特に制限されず、例えば、アルカリとしては、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等が挙げられ、反応性が高い点で、好ましくは水酸化アンモニウムである。
反応原料溶液に加えるアルカリの混合量は、特に制限されず、適宜選択される。また、反応原料溶液に、アルカリを混合して、フルオロアルキル基含有オリゴマー中のアルコキシシリル基の加水分解を行う際の反応温度は、−5〜50℃、好ましくは0〜30℃である。反応温度が、−5℃未満だと、アルコキシシリル基の加水分解速度が遅くなり過ぎるので、反応効率が悪く、また、50℃を超えると、コンポジット粒子(1)の分散安定性が低くなり易い。また、反応原料溶液に、アルカリを混合して、アルコキシシリル基の加水分解を行う際の反応時間は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは1〜72時間、特に好ましくは1〜24時間である。
そして、反応工程を行うことにより、シロキサン結合を主骨格とするナノコンポジット粒子(1)が生成し、本発明で用いるコンポジット粒子(1)を含有する反応液が得られる。
反応終了後、常法により減圧下に溶媒を除去、必要により洗浄等の精製を行ってコンポジット粒子(1)を得る。
本発明に係る油水分離材で使用するコンポジット粒子は、更に、前述したコンポジット粒子(1)に、シリカ粒子を含有させたコンポジット粒子(以下、便宜上「コンポジット粒子(2)」と呼ぶことがある。)であってもよい。
なお、以下、単に「コンポジット粒子」と言うときは、「コンポジット粒子(1)」及び「コンポジット粒子(2)」の総称である。
コンポジット粒子(1)に、更にシリカ粒子を含有させたコンポジット粒子(2)は、前記反応原料溶液にシリカ粒子を添加し、次いで前述した条件でアルカリを添加してフルオロアルキル基含有オリゴマーの加水分解反応を行う反応工程を行うことにより調製することが出来る。
コンポジット粒子(2)を用いた油水分離材は、コンポジット粒子(1)を油水分離材として用いたものに比べて、更に油水分離性能が向上したものとなる。
用いることができるシリカ粒子は、例えば、珪酸ソーダ又は活性珪酸溶液から粒子成長を行って製造されたものや、有機珪素化合物を原料として製造されたものや、ヒュームドシリカ、或いはシリカゲル等の多孔質シリカ等、特に制限されない。
シリカ粒子の平均粒子径は、1〜500μm、好ましくは0.05〜50μm、特に好ましくは0.2〜30μmである。シリカ粒子の平均粒子径が、上記範囲内にあることにより、溶媒、樹脂材料又は基材等へのコンポジット粒子の分散性が良好となる。
反応原料溶液中のシリカ粒子の含有量は、前記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマー300mgに換算した値で、10〜1000mg、好ましくは50〜500mgである。
なお、本発明において、前記反応終了後のコンポジット粒子を含有する反応液は、後述するように、基材を該コンポジット粒子で改質し、油水分離材として使用するための改質液としてそのまま使用することが出来る。
また、本発明において、コンポジット粒子の他の好ましい物性としては、動的光散乱法により求められる平均粒子径が好ましくは0.05〜50μm、好ましくは0.2〜30μmである。平均粒子径が前記範囲内にあると、種々の分散溶媒、樹脂材料、各種基材等への分散性が良好である点で好ましい。
本発明に係る油水分離材は、前記コンポジット粒子を用いたものである。
本発明に係る油水分離材と、水と油を含む混合液を接触させることにより水と油を分離することが出来る。
前記コンポジット粒子は、例えば、以下の2つの方法により油水分離材として用いることが出来る。
(1)水に不溶な基材を前記コンポジット粒子で改質する方法。
(2)前記コンポジット粒子自体をそのまま濾過材として用いる方法。
前記(1)に係る基材としては、水に不溶である無機物や有機物を用いることが出来る。無機物としては、例えば、ガラス繊維、シリカ、シリカゲル、アルミナ、スラグウール、モレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭、珪藻土、砂、石綿等が挙げられる。有機物としては、天然高分子または合成高分子であってもよい。天然高分子としては、例えば、セルロース、羊毛、綿、絹等が挙げられる。合成高分子としては、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカーボネート等の縮合系または付加系重合高分子重合体や、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等のエチレン系不飽和高分子重合体等が挙げられる。
また、基材の形状は、特に制限されるものではなく、例えば、細片状、海綿状、リボン状、フィブリル状、ウェブ状、マット状、綿布状、不織布状等が挙げられる。
また、本発明においては、市販の濾紙等を改質する基材として用いてもよい。この場合、濾紙の孔径は5μm以下、好ましくは0.1〜3μmとすることが効率的に油水分離を行う観点から好ましい。
前記(1)において、基材を前記コンポジット粒子で改質する方法としては、前記コンポジット粒子を基材の表面や内部に固定或いは担持することが出来る方法であれば特に制限はなく公知の方法を用いることが出来る。その一例を挙げると、前記コンポジット粒子が0.1〜50wt%の濃度で分散した分散液に、基材を接触させた後、乾燥する方法等がある。また、分散液と基材との接触は、基材を分散液へ浸漬する方法、スプレーにより基材に吹き付ける方法、或いは基材へ分散液を塗布する方法等により行うことが出来る。
なお、コンポジット粒子が分散した分散液は、前記した反応終了後のコンポジット粒子を含む反応液をそのまま用いてもよい。
図1は、コンポジット粒子により改質を行った濾紙を用いて、水と油の混合液を分離処理する場合の一つの実施形態を示す概略図である。
図1に示す実施形態では、カラム(1b)、改質した濾紙(1a)からなる簡単な分離システム(A)を備え、改質した濾紙(1a)は前記コンポジット粒子で改質したものである。
カラム(1b)の途中に改質した濾紙(1a)を噛ませることで、カラム(1b)に投入された水と油の混合液(1)は改質した濾紙(1a)と接触する。油(1')は改質した濾紙(1a)を通過し、水は改質した濾紙(1a)を通過することが出来ないので、水と油を分離することが出来る。なお、必要により分離効率を高めるため分離操作は圧力をかけたり、或いは減圧下に行うことができる。この場合、先に油(1’)は改質した濾紙(1a)を選択的に通過し、次いで強い外力により水は遅れて改質した濾紙(1a)を通過する場合があるが、水が溶出する前に、油水分離操作を終える等の手段により改質した濾紙(1a)を介して水と油を分離することができる。
図2は、前記コンポジット粒子を濾過材として用いて、水と油の混合液を分離処理する場合の一つの実施形態を示す概略図である。
図2に示す実施形態では、カラム(2b)、濾過材(2c)を含む濾過材層(2a)からなる簡単な分離システム(B)を備えている。
カラム(2b)には濾過材(2c)として前記コンポジット粒子が充填されて濾過材層(2a)が形成されている。カラム(2b)に水と油の混合液(1)を投入することにより、濾過材(2c)と混合液を接触させることが出来る。油(1')は濾過材層(2a)を通過し、水は濾過材層(2a)を通過することが出来ないので、水と油を分離することが出来る。なお、必要により分離効率を高めるため分離操作は減圧下に行うことができる。また、目詰まり等を抑制するため、濾過材層(2a)の上部及び/又は下部に濾過助剤を充填した層を必要により設けることが出来る。
用いることができる濾過助剤としては、特に制限はなく公知のものを広く用いることができる。例えば、珪藻土、砂粒子、真珠岩、アンスラサイト、セルロース、羊毛、綿、絹、炭素質濾過助剤、酸性白土、ベントナイト、セライト、タルク、マイカ、カオリナイト等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いることが出来る。
本発明に係る油水分離材で処理対象する水と油の混合液は、溶液状態のものであってもエマルションであってもよい。
本発明に係る油水分離材は、例えば、油を含んだ廃水処理、各種産業分野での生産現場での水と油の分離或いは精製手段等に利用することが出来る。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<フルオロアルキル基含有オリゴマー試料>
フルオロアルキル基含有オリゴマー(以下、「VM」という)として下記表1のものを使用した。
表1中、分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、ポリスチレン換算)による数平均分子量である。
<コンポジット粒子試料の調製>
{試料1〜5}
VM(300mg)をメタノール溶液5mlに溶解し、表2に示す量のポリテトラフルオロエチレン粒子((株)喜多村社製 平均粒子径282nm)を添加し、次いで25wt%アンモニア水溶液(2ml)を添加し、マグネチックスターラーにより室温(25℃)で1時間撹拌を行って、反応液試料を得た。
反応終了後、反応液試料から減圧下で溶媒を除去し、得られた粗生成物をメタノール中に一晩分散させた。次いで、遠心分離処理して目的物を固形分として分離し、得られた固形分をメタノールで数回洗浄し、溶媒除去後に、50℃で真空乾燥して目的物(コンポジット粒子試料)を得た。
{試料6}
VM(300mg)をメタノール溶液20mlに溶解し、表2に示す量のポリテトラフルオロエチレン粒子((株)喜多村社製 平均粒子径282nm)及びシリカ粒子(粒子径5〜20μm Wakogel C−500HG)を添加し、次いで25wt%アンモニア水溶液(4ml)を添加し、マグネチックスターラーにより室温(25℃)で1時間撹拌を行って、反応液試料を得た。
反応終了後、反応液試料から減圧下で溶媒を除去し、得られた粗生成物をメタノール中に一晩分散させた。次いで、遠心分離処理して目的物を固形分として分離し、得られた固形分をメタノールで数回洗浄し、溶媒除去後に、50℃で真空乾燥して目的物(コンポジット粒子試料)を得た。
<物性の評価>
上記で調製したコンポジット粒子について平均粒子径及びドデカンと水の接触角を測定した。
なお、平均粒子径とドデカンと水の接触角は下記のように測定した。
(平均粒子径の評価)
得られたコンポジット粒子を、メタノールに再分散させて光散乱光度計(大塚電子製のDLS−6000HL)を用いて測定した。
(ドデカンと水の接触角の評価)
前記で調製した反応液試料に、ガラス板を1分間、室温(25℃)で浸し、ガラス板を引き上げた後、自然乾燥、さらに一晩真空乾燥を行って改質ガラス板試料を調製した。この改質ガラス板試料の表面のドデカンと水の接触角を協和界面科学製のDrop Master.300を使用して評価した。その結果を表3に示した。
なお、接触角の評価は、水及びドデカンを滴下30分後の値として評価した。
また、VMのみで処理したものをブランク1とし、ポリトラフルオロエチレン粒子のみで処理したものをブランク2、無処理のガラス板をブランク3として評価し、その評価結果を表3に併記した。
{実施例1及び比較例1}
クロマトグラフィー用カラム(内径10mm)に海砂を層厚が約1mmになるに充填し、次いで前記で調製したコンポジット粒子試料6(実施例1)、シリカ粒子(Wakogel C−500HG)(比較例1)をそれぞれ200mg(層厚約4mm)を充填し、更にその上に海砂を層厚が約1mmになるに充填した。
このクロマトグラフィー用カラムを用いて、重力を利用して下記処理水1を濾過した。処理水1(混合液);
1,2−ジクロロエタンと水の混合液(1:1vol.)2mlを調製した。なお、混合液中の水は硫酸銅五水和物により青色に着色した。
(評価結果1)
処理水1を分離処理した結果を表4に示す。なお表4中の記号は下記のことを示す。
○;目視で濾液に水が観察されない。
△;目視で濾液に若干の水の混入が観察される。
×;目視で濾液に多くの水の混入が観察される。
また、図3に示すように、コンポジット粒子試料6を濾過材として用いて処理水1を濾過することにより、濾過材層を1,2−ジクロロエタンのみが通過し、水と1,2−ジクロロエタンを分離することができた。
一方、処理水1をシリカ粒子を濾過材として用いて処理した場合は、濾過後の濾液に1,2−ジクロロエタンに加えて若干水が混入していることが目視でも確認できた。
{実施例2及び比較例2}
クロマトグラフィー用カラム(内径10mm)に海砂を層厚が約1mmになるに充填し、次いで前記で調製したコンポジット粒子試料1(実施例2)、シリカ粒子(Wakogel C−500HG)(比較例2)をそれぞれ200mg(層厚約4mm)を充填し、更にその上に海砂を層厚が約1mmになるに充填した。
このクロマトグラフィー用カラムを用いて、減圧下に下記処理水2を濾過した。
処理水2(エマルション);
1,2−ジクロロエタン(5ml)と水(0・05ml)及び乳化剤としてSpan80(20mg)を混合し、エマルションを調製した。
(評価結果2)
処理水2を分離処理した結果を表5に示す。なお表5中の記号は下記のことを示す。
○;目視で濾液に水が観察されない。
△;目視で濾液に若干の水の混入が観察される。
×;目視で濾液にエマルションが観察される。
また、図4(a)に示すように、コンポジット粒子試料1を濾過材として用いて減圧下において処理水2を濾過することにより、濾過材層を1,2−ジクロロエタンのみが通過し、エマルションから水と1,2−ジクロロエタンを分離することができた。
一方、図4(b)に示すように、処理水2をシリカ粒子を濾過材として用いて処理した場合は、濾過材層をエマルションごと通過し、エマルションから水と1,2−ジクロロエタンを分離することができなかった。
{実施例3及び比較例3}
クロマトグラフィー用カラム(内径10mm)に海砂を層厚が約1mmになるに充填し、次いで前記で調製したコンポジット粒子試料6(実施例3)、シリカ粒子(Wakogel C−500HG)(比較例3)をそれぞれ200mg(層厚約4mm)を充填し、更にその上に海砂を層厚が約1mmになるに充填した。
このクロマトグラフィー用カラムを用いて、重力を利用して下記処理水3を濾過した。処理水3(エマルション);
トルエン(5ml)と水(0.05ml)及び乳化剤としてSpan80(20mg)を混合し、エマルションを調製した。
(評価結果3)
処理水3を分離処理した結果を表6に示す。なお表6中の記号は下記のことを示す。
○;目視で濾液に水が観察されない。
△;目視で濾液に若干の水の混入が観察される。
×;目視で濾液にエマルションが観察される。
図5(a)に示すように、コンポジット粒子試料6を濾過材として用いて処理水3を濾過することにより、濾過材層をトルエンのみが通過し、エマルションから水とトルエンを分離することができた。
一方、図5(b)に示すように、処理水3をシリカ粒子を濾過材として用いて処理した場合は、濾過材層をエマルションごと通過し、エマルションから水とトルエンを分離することができなかった。

Claims (6)

  1. ポリテトラフルオロエチレン粒子と下記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマーの縮合物を含むコンポジット粒子(1)を用いてなることを特徴とする油水分離材。
    (式中、R1及びR2は、−(CF2)p−Y基、又は−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]q−OC37基を示し、R1及びR2は、同一の基であっても異なる基であってもよく、R1及びR2中のYは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、p及びqは0〜10の整数である。R3、R4及びR5は同一の基であっても異なる基であってもよく、R3、R4及びR5は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。mは2〜3の整数である。)
  2. 前記コンポジット粒子(1)は、平均粒子径が0.05〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の油水分離材。
  3. 前記一般式(1)の式中のR1及びR2が、−CF(CF3)OC37であることを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の油水分離材。
  4. 前記コンポジット粒子(1)に、更にシリカ粒子を含有させてなるコンポジット粒子(2)を用いたことを特徴とする油水分離材。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の油水分離材に、水と油を含む混合液を接触させることを特徴とする油水分離方法。
  6. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の油水分離材に、水と油を含むエマルションを接触させることを特徴とする油水分離方法。
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