JP2016167038A - 眼鏡装用パラメータ測定装置、眼鏡装用パラメータ測定プログラムおよび撮像制御方法 - Google Patents

眼鏡装用パラメータ測定装置、眼鏡装用パラメータ測定プログラムおよび撮像制御方法 Download PDF

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信幸 田所
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直也 廣野
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Abstract

【課題】眼鏡装用パラメータの測定にあたり、簡便かつ精度良く測定を行うことを実現可能とする技術を提供する。
【解決手段】撮像カメラ部と、装置筐体の姿勢を把握可能なセンサと、センサにより把握される撮像カメラ部の光軸の方向の、水平面に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する一方、光軸に平行な軸を回転軸とした装置筐体の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行う情報処理部と、眼鏡フレームを装用した状態の被検者であるところの撮像対象を画像表示可能な表示画面部と、が備えられた、眼鏡装用パラメータ測定装置およびその関連物を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、眼鏡装用パラメータについて測定を行う際に用いられる眼鏡装用パラメータ測定装置、眼鏡装用パラメータ測定プログラムおよび撮像制御方法に関する。
一般に、眼鏡レンズの作製には、眼鏡装用者が眼鏡フレームを装用した状態で測定される眼鏡装用パラメータが必要となる。眼鏡装用パラメータとしては、角膜頂点間距離、フレーム前傾角、フィッティングポイント位置、瞳孔間距離、フレーム反り角等が知られている。
その中でも角膜頂点間距離(Corner Vertex Distance:CVDとも呼ばれる。)の測定は、例えば、専用のCVD測定装置を用いて行われる。CVD測定装置としては、被検者の顔の位置決めを行った上で、その被検者の顔側面および顔正面を撮像し、その撮像結果である画像を基にCVDを演算して求めるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
それに対し、CVD測定装置を用いず、比較的簡素な手法でスケール補助具を用いてCVDを求める方法も存在する。例えば、眼鏡フレームに測定基準スケール等を設けるという技術である。
例えば、特許文献2には、所定寸法の目盛りが付されたスケール補助具が眼鏡フレームに取り付けられた眼鏡をかけた被検者の顔側面映像を画像データとして得、撮影された被検者の角膜頂点を求めるとともに、スケール補助具に基づいてCVDを算出するという手法が記載されている。
特許第5013930号公報 特開2012−239566号公報
特許文献2に記載の眼鏡用測定装置にはタブレット端末が採用されている。本発明者が調べたところ、タブレット端末のように一つの装置筐体が眼鏡用測定装置として機能する場合、以下の課題が浮き彫りとなった。
特許文献2に記載の内容だと、眼鏡用測定装置(タブレット端末)を測定者(検者)が把持し、眼鏡フレームの装用者(被検者)の顔面像を撮像する。被検者の顔面像を撮像する場合、タブレット端末を鉛直に立たせた状態(すなわちタブレット端末の撮像カメラ部の光軸が水平面に平行である状態)でタブレット端末を検者が把持した上で撮像が行われる。本明細書においてはこの状態を「正位置」とする。
被験者を撮像する際、タブレット端末の光軸が水平面に平行でない状態で撮影すると、測定値の誤差が生じることがあった。
例えば、被検者を側面から撮像してフレーム前傾角を測定する場合、完全に水平方向から被検者を撮像する場合と、眼鏡用測定装置(タブレット端末)を前傾または後傾させた状態で撮像する場合とでは得られる撮像結果が相違する。この相違が、フレーム前傾角の測定精度に影響を与えることになる。
そこで、本発明は、眼鏡装用パラメータの測定にあたり、簡便かつ精度良く測定を行うことを実現可能とする技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を採用するという手法を想到した。まず、眼鏡装用パラメータ測定装置における装置筐体の姿勢を把握可能なセンサを採用する。当該センサは姿勢を把握可能であることから、360°全方向において装置筐体の姿勢を把握可能である。このようなセンサを採用するにもかかわらず、本発明者は、装置筐体の姿勢が所定の方向に傾いた場合は撮像の可否を決定する一方、別の所定の方向に傾いた場合は撮像の可否に無関係とする制御手法を想到した。つまり上記のセンサから得られる装置筐体の姿勢に対して2軸(またはそれ以上の数の軸)の制御を行う、しかもその2軸のうち一方の軸では撮像の可否と結び付ける一方、もう一方の軸では逆に撮像の可否に対して意図的に無関係とする、という制御手法を想到した。
上記の知見に基づき想到されたのが以下の態様である。
本発明の第1の態様は、
眼鏡フレームを装用する被検者の眼鏡装用パラメータについて測定を行う際に用いられる眼鏡装用パラメータ測定装置であって、
撮像カメラ部と、
装置筐体の姿勢を把握可能なセンサと、
前記センサにより把握される前記撮像カメラ部の光軸の方向の、水平面に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する一方、前記光軸に平行な軸を回転軸とした前記装置筐体の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行う情報処理部と、
眼鏡フレームを装用した状態の被検者であるところの撮像対象を画像表示可能な表示画面部と、
が備えられた、眼鏡装用パラメータ測定装置である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記装置筐体に対し、更に、前記センサが把握する前記装置筐体の姿勢に変動が生じたときに、前記光軸が水平面に対してずれたか否かを判定し、当該判定の結果を前記情報処理部に送信する判定部が備えられている。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
前記ずれの度合いは傾き角度であり、当該傾き角度が水平面から+30°〜−30°の範囲内の場合だと撮像可能とする。
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記眼鏡装用パラメータ測定装置はタブレット端末である。
本発明の第5の態様は、第1〜第4のいずれかの態様に記載の発明において、
前記表示画面部は撮像ファインダー兼タッチインタフェースとして機能する。
本発明の第6の態様は、第1〜第5のいずれかの態様に記載の発明において、
前記表示画面部が表示する前記撮像結果を前記表示画面部上で回転可能な操作部を更に備える。
本発明の第7の態様は、
撮像カメラ部、
前記撮像カメラ部の姿勢を把握可能なセンサ、
前記センサにより把握される前記撮像カメラ部の光軸の方向の、水平面に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する一方、前記光軸に平行な軸を回転軸とした前記撮像カメラ部の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行う情報処理部、
眼鏡フレームを装用した状態の被検者であるところの撮像対象を画像表示可能な表示画面部、
としてコンピュータを機能させる、眼鏡装用パラメータ測定プログラムである。
本発明の第8の態様は、
眼鏡フレームを装用した状態の被検者の顔画像を用いて前記被検者に関する眼鏡装用パラメータを測定する際に、当該測定に必要となる当該顔画像を撮像する際の撮像制御方法であって、
検者が被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔画像を撮像する際の撮像カメラ部の光軸が水平面からずれているか否かを判定する工程と、
前記光軸が水平面からずれている場合、ずれの度合いが所定の範囲内か否かを判定する工程と、
前記光軸が水平面からずれていない場合または前記ずれの度合いが所定の範囲内である場合は撮像を許可する一方、前記ずれの度合いが所定の範囲外である場合は撮像を許可しない制御を行う工程と、
を有する、撮像制御方法である。
本発明の第9の態様は、
眼鏡フレームを装用する被検者の眼鏡装用パラメータについて測定を行う際に用いられる眼鏡装用パラメータ測定装置であって、
撮像カメラ部と、
装置筐体の姿勢を把握可能なセンサと、
前記センサにより把握される前記撮像カメラ部の光軸の方向の、天地方向に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する一方、前記光軸に平行な軸を回転軸とした前記装置筐体の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行う情報処理部と、
眼鏡フレームを装用した状態の被検者であるところの撮像対象を画像表示可能な表示画面部と、
が備えられた、眼鏡装用パラメータ測定装置である。
本発明によれば、眼鏡装用パラメータの測定にあたり、簡便かつ精度良く測定を行うことを実現可能とする。
眼鏡装用パラメータの具体例を示す説明図である。 本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置の構成例を示す説明図である。 本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置の撮像ファインダーで表示する内容の具体例を示す説明図であり、被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔画像を撮像する場合に必要となる表示内容を示す図である。 本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置の撮像ファインダーで表示する内容の具体例を示す説明図であり、被検者の顔を側面から撮像する際における表示内容を示す図である。 本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置で眼鏡装用パラメータを求める際の表示画面部での表示内容の具体例を示す説明図であり、被検者が装用する眼鏡フレームのフレーム縦幅を測定する際の表示内容を示す図である。 本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置で眼鏡装用パラメータを求める際の表示画面部での表示内容の具体例を示す説明図であり、フレーム角膜頂点間距離を求める場合の表示内容を示す図である。 本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置で眼鏡装用パラメータを求める際の、情報処理部における制御内容を示す概略説明図である。 本実施形態においてフレーム角膜頂点間距離からCVDを求める様子を示す概略側面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
ここでは、以下のような項分けをして説明を行う。
1.眼鏡装用パラメータ測定装置
1−1.眼鏡装用パラメータの具体例
1−2.眼鏡装用パラメータ測定装置
2.眼鏡装用パラメータ測定用プログラム
3.眼鏡装用パラメータ測定方法(撮像制御方法)
3−1.手順の概要
3−2.特徴的な手順の詳細
3−3.その他の手順
4.実施の形態による効果
5.変形例等
<1.眼鏡装用パラメータ測定装置>
(1−1.眼鏡装用パラメータの具体例)
ここで、眼鏡装用パラメータ測定装置を用いて測定される眼鏡装用パラメータについて説明する。
図1は、眼鏡装用パラメータの具体例を示す説明図である。
眼鏡装用パラメータとしては、例えば、被検者が眼鏡フレームFを装用した状態における角膜頂点間距離(CVD)と、フレーム前傾角とが知られている。
角膜頂点間距離は、図1(a)に示すように、被検者(眼鏡装用者)が遠方視したときの視軸を遠方視軸Aとした場合において、その遠方視軸A上における当該被検者の眼球Eの角膜頂点から当該被検者が装用する眼鏡フレームFに枠入れされた眼鏡レンズLの内面までの距離CVDである。
ただし、眼鏡フレームFに枠入れされる眼鏡レンズLは、被検者に処方される球面度数や乱視度数等によって内面の曲率が異なったものとなる。その一方で、眼鏡装用パラメータの測定は、被検者が新たに眼鏡を購入しようとするタイミング、すなわち被検者が眼鏡店にてサンプルレンズが枠入れされた眼鏡フレームFを装用した状態で行われることが一般的である。そのため、眼鏡店で角膜頂点間距離CVDを測定しても、その測定結果は、必ずしも被検者の処方度数等が反映されたものとはならない。また、眼鏡フレームFに枠入れされた状態では、眼鏡レンズLの内面の位置が視認困難であることが多い。
そこで、本実施形態においては、眼鏡装用パラメータとして、角膜頂点間距離CVDではなく、これに代わってフレーム角膜頂点間距離FVDを測定する。
フレーム角膜頂点間距離FVDは、図1(b)に示すように、被検者(眼鏡装用者)が遠方視したときの視軸を遠方視軸Aとした場合において、その遠方視軸A上における当該被検者の眼球Eの角膜の頂点から、その状態で被検者が装用する眼鏡フレームFへと水平方向に線を伸ばし、眼鏡フレームFの外周最上端にある上リムの幅の中央から、眼鏡フレームFの外周最下端にある下リムの幅の中央とを結んだ直線との交点までの距離が、フレーム角膜頂点間距離FVDである。
また、眼鏡フレームFが縁なしの場合は、眼鏡フレームFに取り付けられたダミーレンズの上端と下端のコバの幅の中点とを結んだ直線との交点までの距離が、フレーム角膜頂点間距離FVDである。
さらに、眼鏡フレームFがナイロールの場合は、リムバーの幅の中央、またはブローバーの幅の中央とダミーレンズの下端のコバの幅の中点とを結んだ直線との交点までの距離が、フレーム角膜頂点間距離FVDである。
なお、眼鏡レンズLの処方度数等が確定すれば、フレーム角膜頂点間距離FVDの測定結果を基に、レンズ基材の屈折率、レンズ凸面カーブ形状、レンズ凹面カーブ形状、レンズ肉厚、フレーム前傾角、フレームのそり角、レンズの前傾角、アイポイント、ヤゲンの位置を計算パラメータとして幾何演算等を行うことで、当該処方度数等が反映された角膜頂点間距離CVDを一意に導き出すことが可能となる。
フレーム角膜頂点間距離からCVDを算出するという手法を具体的に説明したのが図9である。図9で言うところのCVDは、「フレーム角膜頂点間距離(FVD)」と「被検者の角膜の頂点から、その状態で被検者が装用する眼鏡フレームへと水平方向に線を伸ばし、測定基準点同士を結ぶ線から、眼鏡レンズL(破線、以降、符号は省略する。)のレンズ内面の接点までの水平距離(FLD)」とに分けられる。「フレーム角膜頂点間距離(FVD)」は上記の手法で算出することが可能である。その一方、「測定基準点同士を結ぶ線上に存在するフレーム角膜頂点間距離のフレーム側の終点から、眼鏡レンズのレンズ内面の接点までの水平距離(FLD)」は、被検者の処方度数に応じて、レンズ基材の屈折率、レンズ凸面カーブ形状、レンズ凹面カーブ形状、レンズ肉厚、フレーム前傾角、フレームのそり角、レンズの前傾角、アイポイント、ヤゲンの位置、フレーム角膜頂点間距離(FVD)を計算パラメータとしてシミュレーションが可能である。具体的な手法としては、以下の手法が挙げられる。例えば、処方度数がゼロ(S度数が0.0ディオプター、C度数が0.0ディオプター)の眼鏡レンズの形状を基準として、基準FLDを予め求めておく。その上で、所定の処方度数を有する眼鏡レンズの形状をシミュレーションする。このシミュレーション形状に基づいて正確なFLDを算出する、という手法が考えられる。
なお、眼鏡店の側においても、眼鏡フレームの溝に眼鏡レンズを嵌め込むために眼鏡レンズの側面にヤゲンVを形成することになるのだが、このヤゲンVの位置を適宜設定する場合がある。そうなると、眼鏡フレームに対して眼鏡レンズの眼球側の面が、被検者に近づくように配置されたり、逆に遠ざかるように配置されたりする可能性がある。好ましくはヤゲンVの位置についての情報を眼鏡店から入手するのがよいが、そうでない場合、少なくとも眼鏡レンズの形状の変動を加味したFLDを正確に求めることができていれば、最終的にCVDを精緻に算出することが可能となる。
フレーム前傾角は、一般には眼鏡フレームFのテンプルとリムとがなす角度のことを言うが、本実施形態では、図1(b)に示すように、遠方視軸Aと直交する直線(すなわち鉛直方向に延びる直線)L1と、眼鏡フレームFのリム中心線L2とがなす角度αのことをいう。
なお、これらの眼鏡装用パラメータは、一つの具体例に過ぎない。つまり、眼鏡装用パラメータは、これらに限定されることはなく、これらの少なくとも一つを含んでいればよく、またこれら以外のものを含んでいても構わない。これら以外のものとしては、例えば、フィッティングポイント位置、瞳孔間距離、フレーム反り角、近方視角膜頂点間距離、近方視瞳孔間距離、眼球回旋角等が挙げられる。また、本発明に係る技術的思想はCVDの測定にも適用可能であることは言うまでもない。
本実施形態では、眼鏡装用パラメータとしてフレーム角膜頂点間距離FVDおよびフレーム前傾角αを測定する場合を例に挙げて、以下に詳しく説明する。
(1−2.眼鏡装用パラメータ測定装置)
次に、眼鏡装用パラメータの測定を行う際に用いられる眼鏡装用パラメータ測定装置1の構成例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置1の構成例を示す説明図であり、(a)は外観斜視図、(b)は機能ブロック図を示している。
図2(a)に示すように、本実施形態で説明する眼鏡装用パラメータ測定装置1は、携帯型のタブレット端末装置を利用して構成されている。以下、本実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置1を、単に「タブレット端末」と称す。このタブレット端末1にはスマートフォンも含まれる。
タブレット端末1は、フレーム角膜頂点間距離FVDの測定者(すなわち被検者に対する検者)が手で持ち運び可能な可搬式の装置筐体(本体部)10を備えている。そして、装置筐体10には、CCD(Charge Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサを有してなる撮像カメラ部11と、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等のフラットパネルディスプレイを有してなる表示画面部12と、CPU(Central Processing Unit)を有してなる情報処理部15(ただし図1(a)には不図示)とが設けられている。
そして、表示画面部12には、タッチインタフェースを実現する操作部12aが付設されている。タッチインタフェースとは、表示画面部12のディスプレイに触れることで操作できるユーザインタフェースのことである。このようなタッチインタフェースにより、操作部12aからは、タブレット端末1に対する情報入力を行い得るようになっている。
なお、タッチインタフェースによる操作部12aの操作は、図例のようにタッチペンを用いて行うことが考えられるが、操作者の指で直接行うようにしても構わない。また、操作部12aは、タッチインタフェースによるものではなく、タブレット端末1に接続されたキーボードやマウス等の情報入力装置を用いるようにしても構わない。
本実施形態における撮像カメラ部11は、被検者および眼鏡フレームFを撮像する機能を発揮可能な部分であり、被検者を視認可能なカメラを含むものである。具体的な構成としては、公知の撮像カメラ部11を用いても構わない。ただ、撮像結果から、正確なフレーム角膜頂点間距離FVDを情報処理部15にて算出させるため、撮像結果が画像データとして得られるような構成を採用するのが極めて好ましい。タブレット端末の場合、タブレット端末1に備えられたカメラ機能を司る部分が撮像カメラ部11となる。
本実施形態における表示画面部12は、撮像カメラ部11での撮像対象を表示する撮像ファインダー機能、および、情報処理部15による演算の結果を表示する機能を発揮可能な部分である。具体的な構成としては、公知の表示画面部12を用いても構わず、タブレット端末1の表示画面部12を用いても構わない。本実施形態においては、上述の通り、表示画面部12には、タッチインタフェースを実現する操作部12aが付設されている。
本実施形態における情報処理部15は、予め記録された実際の眼鏡フレームFの外周の天地幅と、撮像カメラ部11で得られた撮像結果において表示される眼鏡フレームFの外周の天地幅とを関連付けるキャリブレーション(較正)を行い、当該キャリブレーションの結果に基づいて当該撮像結果からフレーム角膜頂点間距離FVDを求める機能を有することになる。キャリブレーションの手法については後述するが、情報処理部15の具体的な構成としては、公知のコンピュータの情報処理部15を用いても構わない。
なお、ここで言う「実際の」眼鏡フレームとは、実空間における眼鏡フレームのことを指す。この眼鏡フレームは、最終的に完成された眼鏡レンズを取り付ける先となる眼鏡フレームそのものであってもよいし、当該眼鏡フレームと同型のサンプルフレーム、または、例えば眼鏡フレームが縁なしの場合はダミーレンズを取り付けた眼鏡の玉型形状パターンであってもよい。
また、タブレット端末1は、図2(b)に示すように、その装置筐体10内に、撮像カメラ部11、表示画面部12および操作部12a、情報処理部15に加えて、角速度および/または加速度(重力)等を検出するデバイスであるセンサ13と、不揮発性メモリからなるメモリ部14と、が設けられている。
センサ13は、装置筐体10の姿勢の状態等)を把握するために用いられる。本実施形態においては、装置筐体10に対して上記の各部が備えられている。そのため、装置筐体10の姿勢が把握できれば、装置筐体10に備えられた撮像カメラの光軸の方向も把握できる。そして、当該光軸が水平面に対してどれだけずれているか(すなわち光軸が水平面に対してどれだけの傾き角度を有しているか)についても把握できる。
ちなみにセンサ13は、タブレット端末1が本来的に有しているものを利用すればよい。なお、センサ13の具体例としてはジャイロセンサおよび/または加速度センサ(重力センサ)が挙げられる。
メモリ部14には、撮像カメラ部11で得た画像データや操作部12aで入力された各種データの他に、情報処理部15の処理動作に必要となる所定プログラムが記憶される。このメモリ部14から所定プログラムを読み出して実行することで、情報処理部15は、撮像制御手段15a、画像処理手段15b、表示制御手段15c、操作制御手段15dおよび計測演算手段15eとして機能するようになっている。
撮像制御手段15aは、撮像カメラ部11の動作制御を行うものである。撮像カメラ部11の動作制御には、当該撮像カメラ部11におけるシャッターの動作タイミング制御が含まれる。具体的には、撮像カメラ部11は、フレーム角膜頂点間距離FVDの測定にあたり、眼鏡フレームFを装用した状態の被検者の顔側面(好ましくはそれに加えて顔正面)を撮像対象とする。そして、撮像制御手段15aは、被検者が装用する被検者および眼鏡フレームFの顔側面または顔正面を含む撮像結果を得るようになっている。
本実施形態においては、撮像制御手段15aに大きな特徴がある。撮像制御手段15aは、前方に配される対象を撮像カメラ部11により撮像する際に、撮像カメラ部11に対し、以下のルールに則った制御を行う。
(ルール1)センサ13により把握される撮像カメラ部11の光軸の方向の、水平面に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する。
(ルール2)光軸に平行な軸を回転軸とした装置筐体10(ひいては撮像カメラ部11)の回転度合いは撮像の可否に関連付けない。
(ルール1)に関しては、後述の図4(b)のように、タブレット端末1を、水平方向であって被検者(対象)が存在する方向へと倒して傾けたとしても、鉛直方向を基準とした所定の角度の範囲なら撮像を許容するという制御を行う。以降、「前方」と称し、それに対向する検者が存在する方向を「後方」と称する。
上記の制御は、言葉を変えると、所定の角度の範囲を逸脱する程度にタブレット端末1が前後方向に傾いた場合は撮像が行えなくなる。例えば、その場合、表示画面部12に表示されたシャッターボタン33が押下不可能な状態になる。
なお、この(ルール1)は、タブレット端末1に搭載されたセンサ13の機能を利用することで実現可能である。なぜなら、装置筐体10にはセンサ13とともに撮像カメラ部11も備えられている。センサ13により装置筐体10の姿勢が把握可能であるということは、自ずと装置筐体10に備えられた撮像カメラ部11の姿勢も把握可能となり、その結果、撮像カメラ部11の光軸の方向も把握可能となる。
また、当該水平面からの傾き角度の所定の範囲は、測定対象如何または測定される眼鏡装用パラメータ如何によって適宜変動させればよい。一例としては、光軸の傾き角度が水平面から+30°〜−30°(+30°以下−30°以上)の範囲内の場合に対象を撮像可能とするのが好ましく、+20°〜−20°の範囲内の場合に対象を撮像可能とするのがより好ましく、+10°〜−10°の範囲内の場合に対象を撮像可能とするのが更に好ましく、+5°〜−5°の範囲内の場合に対象を撮像可能とするのが非常に好ましい。なお、+の符号は天の方向への傾き(タブレット端末1を検者側に傾ける即ち後傾)を示し、−の符号は地の方向への傾き(タブレット端末1を被検者側に傾ける即ち前傾)を示す。なお、その様子は図8にも概略説明図として記載している。
また、同じく傾き角度の所定の範囲に関してであるが、+30°〜−30°のように前傾と後傾の許容範囲を同じにしなくとも構わない。例えば、装用者の顔側面を撮像する場合、タブレット端末1を鉛直に立たせた状態でタブレット端末1を検者が把持した上で撮像が行われる。その際、大抵の場合は装用者は座位である。そうなると、検者は装用者を見下ろすように撮像しやすい状況となり、タブレット端末1を前傾させやすくなる。そうなると、前傾の傾き角度のみを制御すれば事足りる場合もある。そのため、上記の範囲を+90°より小さな角度かつ−30°以上の角度、+90°より小さな角度かつ−20°以上の角度・・・というように規定しても構わない。なお、上限を+90°としているのは、いくら後傾を制御する必要が無い場合であったとしても、タブレット端末1を鉛直に立たせた状態でいうところから水平になるまで傾けた状態で撮像するのは不適格だからである。
(ルール2)に関しては、後述の図4(a)や図5(a)のように、光軸に平行な軸を回転軸とした回転方向にタブレット端末1を回転させる場合の制御である。(ルール2)においては、光軸に平行な軸を回転軸とした回転方向にタブレット端末1がどれだけ回転しても撮像を規制しない。(ルール2)は、「規制しない」という点で(ルール1)とは全く異なる。
通常ならば、水平面からの傾きを制御するならば、その他の方向への傾きについても規制を行うという発想となり得る。しかしながら本実施形態においてはそのような無暗な規制は行わない。その理由としては、本実施形態のタブレット端末1ならば、光軸に平行な軸を回転軸とした装置筐体10の回転については、後述の表示制御手段15cや操作制御手段15dにより、表示画面部12が表示する撮像結果を表示画面部12上で回転させられるためである。この撮像結果の回転操作は、表示画面部12上での表示であること、そして表示する撮像結果は撮像カメラ部11により撮像されたものなので、当然のことながら、撮像カメラ部11の光軸の方向を回転軸とした回転方向の回転である。つまり、対象を撮像する際に、水平前後方向を回転軸とした回転方向にタブレット端末1が回転していたとしても、撮像結果である画像を回転させればタブレット端末1の回転をフォロー可能となる。
そもそも本実施形態においては装置筐体10の姿勢を把握可能なセンサ13を装置筐体10に備えている。本実施形態のセンサ13は360°全方位における装置筐体10の姿勢を把握可能にもかかわらず、本実施形態においては情報処理部15によってセンサ13の機能が規制されている。つまり、光軸の方向が水平面からずれているか否かしかセンサ13の機能は活かされない制御を上記の情報処理部15は行っている。これは、眼鏡装用パラメータ測定装置1はもちろんのこと、その他の撮像装置においても具現化されていない技術的思想である。
表示制御手段15cは、表示画面部12の動作制御を行うものである。表示画面部12の動作制御には、当該表示画面部12が表示する画像内容についての制御が含まれる。具体的には、表示制御手段15cは、撮像カメラ部11による撮像対象である被検者の顔画像を表示画面部12に画像表示させることで、表示画面部12を撮像カメラ部11の撮像ファインダーとして機能させる。また、表示制御手段15cは、表示画面部12による表示画面内に、各種の所定画像を表示させる。所定画像としては、詳細を後述するように、操作部12aで指定しようとする点の位置特定の目安となるポインタ画像、そのポインタ画像で指定しようとする点およびその周辺領域を拡大して表示する部分拡大ウインドウ画像、その他各種アイコン画像、表示画面の基準となる方向を示すグリッド画像等が挙げられる。
操作制御手段15dは、操作部12aの動作制御を行うものである。操作部12aの動作制御には、その操作部12aで指定された点の位置認識が含まれる。具体的には、操作制御手段15dは、表示画面部12が表示する被検者の顔画像上の点を操作部12aで指定させることで、フレーム角膜頂点間距離FVDの測定に必要となる測定基準点の位置を認識するようになっている。
なお、上記の撮像制御手段15a、表示制御手段15cおよび操作制御手段15dは、あくまで好ましい例である。上記そのままの構成が存在する場合に本発明が限定されることはない。なお、情報処理部15における上記各手段15a、15c、15dをまとめて制御部と称しても構わず、下記の計測演算手段15eを演算部と称しても構わない。
本実施形態においては、計測演算手段15eが、予め記録された実際の眼鏡フレームFの外周の天地幅と、撮像カメラ部11で得られた撮像結果において表示される眼鏡フレームFの外周の天地幅とを関連付けるキャリブレーションを行い、当該キャリブレーションの結果に基づいて当該撮像結果からフレーム角膜頂点間距離FVDを求める機能を有する。
なお、上記の各手段15a〜15eは、情報処理部15がメモリ部14内の所定プログラムを読み出して実行することによって実現される。つまり、タブレット端末1における各手段15a〜15eとしての機能は、メモリ部14内の所定プログラムによって実現される。その場合に、当該プログラムはメモリ部14内にインストールされて用いられることになるが、そのインストールに先立ち、タブレット端末1で読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよいし、あるいはタブレット端末1と接続する通信回線を通じて当該タブレット端末1へ提供されるものであってもよい。
なお、本実施形態では、装置筐体10内の情報処理部15が計測演算手段15eとして機能する場合、すなわち装置筐体10内にて計測演算手段15eがフレーム角膜頂点間距離FVDを求める演算処理を行う場合を例に挙げたが、例えばタブレット端末1と接続する無線または有線の通信回線を通じて当該通信回線上の他装置と情報処理部15が通信可能に構成されている場合には、当該他装置にフレーム角膜頂点間距離FVDを求める演算処理を行う機能を担わせるようにしても構わない。つまり、メモリ部14や、情報処理部15のうち計測演算手段15eとしての機能等は、いわゆるクラウドコンピューティングのように、通信回線上の他装置に代替させてもよい。
本実施形態における測定装置1の装置筐体10に対し、更に、センサ13が把握する前記装置筐体10の姿勢に変動が生じたときに、光軸が水平面に対してずれたか否かを判定し、当該判定の結果を情報処理部15に送信する判定部(不図示)を備えさせるのが好ましい。
また、本実施形態における測定装置1に対し、適宜、公知の構成を加えても構わない。
<2.眼鏡装用パラメータ測定用プログラム>
上記の内容は、コンピュータ(例えばタブレット端末1)に対して上記の各部の機能を奏させるプログラムにも適用可能である。プログラムの場合、筐体の有無はプログラムとは関係が乏しくなるため、上記のセンサ13は、撮像カメラ部11の姿勢を把握可能と言い換えても構わない。それに伴い、(ルール2)に関しては、上記の情報処理部15が、撮像カメラ部11の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行うと言い換えても構わない。
<3.眼鏡装用パラメータ測定方法(撮像制御方法)>
次に、上述した構成のタブレット端末1を使用して行う眼鏡装用パラメータ測定方法の手順について説明する。
(3−1.手順の概要)
ここで、先ず、眼鏡装用パラメータ測定方法の手順の概要について説明する。
図3は、本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定方法の手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態で説明する眼鏡装用パラメータ測定方法においては、少なくとも、眼鏡フレームFを装用した状態の被検者の顔側面を撮像し、これらの撮像結果である顔画像を基にフレーム角膜頂点間距離FVDおよびフレーム前傾角αを求めることで、眼鏡装用パラメータについての測定を行う。
具体的には、眼鏡装用パラメータの測定者(すなわち眼鏡店の店員等の検者)は、眼鏡装用パラメータの被検者(すなわち眼鏡店の顧客等)に撮影の準備をさせるとともに、眼鏡装用パラメータ測定プログラムがアプリケーションプログラムとしてインストールされたタブレット端末1の立ち上げを行う(ステップ101、以下ステップを「S」と略す。)。このとき、被検者は、装用を予定する眼鏡フレームFを用意する。なお、被検者の撮影には、可搬性のある携帯型のタブレット端末1を用いるので、固定型の測定装置を用いる場合とは異なり、被検者を装置設置場所へ移動させたり、被検者に特定の姿勢をさせたりする必要がない。ここまでは、本実施形態の眼鏡装用パラメータ測定方法における「準備段階」に相当する。
準備段階の後は、検者がタブレット端末1を手に持った状態で、そのタブレット端末1における撮像カメラ部11を利用しつつ、検者が撮像カメラ部11のシャッターボタン押下を行うことで、眼鏡フレームFを装用した状態の被検者の顔側面を撮像する(S103)。ここで、(1−2.眼鏡装用パラメータ測定装置)にて述べた2軸制御を行う(S102)。この2軸制御で行われている内容を順に列挙すると以下のようになる。
・検者が被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔画像を撮像する際の撮像カメラ部11の光軸が水平面からずれているか否かを判定する工程
・光軸が水平面からずれている場合、ずれの度合いが所定の範囲内か否かを判定する工程
・光軸が水平面からずれていない場合またはずれの度合いが所定の範囲内である場合は撮像を許可する一方、ずれの度合いが所定の範囲外である場合は撮像を許可しない制御を行う工程
なお、上記の工程は、先に述べた判定部にて行い、その結果を情報処理部15へと送信する。
上記の各工程により、タブレット端末1は、少なくとも、被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔側面の画像を取得することになる。ここまでは、本実施形態の眼鏡装用パラメータ測定方法における「撮像段階」に相当する。
撮像段階の後は、検者がタブレット端末1を操作しつつ、撮像段階で得られた撮像結果に基づいて、各種眼鏡装用パラメータの測定を行う。具体的には、タブレット端末1は、少なくとも、フレーム前傾角αを求めるとともに(S104)、被検者が装用する眼鏡フレームFのフレーム縦幅の測定を行った上で(S105)、フレーム角膜頂点間距離FVDを求める(S106)。ここまでは、本実施形態の眼鏡装用パラメータ測定方法における「測定段階」に相当する。そして、タブレット端末1は、このようにして求めた各種眼鏡装用パラメータの測定結果を、例えばメモリ部14に保存しておく(S107)。
このように、本実施形態で説明する眼鏡装用パラメータ測定方法では、大別すると準備段階、撮像段階および測定段階の各段階を経て、各眼鏡装用パラメータについての測定を行う。なお、各段階は、必ずしも順に行う必要はなく、それぞれを同時並行的に行ってもよい。具体的には、例えば、撮像段階にて、タブレット端末1の姿勢の2軸制御(上述)を行って(S102)、被検者の眼鏡フレーム装用状態の顔画像を取得した後(S103)、測定段階を開始してフレーム前傾角αを求める(S104)ようにしてもよい。
(3−2.特徴的な手順の詳細)
続いて、上述した各段階を経る眼鏡装用パラメータ測定方法における特徴的な手順について、具体例を挙げて詳細に説明する。
(S102:タブレット端末1の姿勢の2軸制御、および、S103:眼鏡フレーム装用状態の顔画像の撮像処理)
図4は、本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置1の撮像ファインダーで表示する内容の具体例を示す説明図であり、被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔画像を撮像する場合に必要となる表示内容を示す図である。図5は、同じく撮像ファインダーで表示する内容の具体例を示す説明図であり、被検者の顔を側面から撮像する際における表示内容を示す図である。
被検者の眼鏡フレーム装用状態の顔画像を撮像する場合に、タブレット端末1は、先ず、その撮像を行う検者による所定操作に応じて、眼鏡フレーム装用状態についての撮像モードとなる。
眼鏡フレーム装用状態についての撮像モードとなったタブレット端末1は、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、図4(a)に示すように、表示画面部12による撮像ファインダー内に、鉛直方向(すなわち重力方向)に延びる直線およびこれと直交する水平方向に延びる直線からなる第一基準線31と、撮像ファインダーの縦方向に延びる直線からなる第二基準線32と、撮像を行うために使用するシャッターボタン33と、を表示する。これにより、表示画面部12には、撮像カメラ部11を通じて得られる画像に加えて、第一基準線31、第二基準線32およびシャッターボタン33が表示される。
第一基準線31は、タブレット端末1の装置筐体10の姿勢がどのような状態であっても、常に鉛直方向および水平方向に延びるように表示される。つまり、装置筐体10の姿勢にかかわらず、重力方向に対して常に固定的に表示されることになる。このような第一基準線31は、センサ13の機能を利用することで、撮像ファインダー内に表示することが可能である。
一方、第二基準線32は、表示画面部12の画角に対して常に固定的に表示される。したがって、タブレット端末1の装置筐体10の姿勢が変わると、これに伴って第二基準線32が延びる方向も変わることになる。
なお、第一基準線31と第二基準線32とは、それぞれを識別し得るように表示される。具体的には、それぞれの表示色を相違させることで、識別し得るようにすることが考えられる。
シャッターボタン33は、撮像カメラ部11での撮像を行うために検者が押下するものである。ただし、シャッターボタン33は、図4(b)に示すように、(ルール1)を守る状態すなわち撮像カメラ部11の光軸が水平から所定のずれの程度に収まる状態である限り、押下可能な状態になるものとする。
なお、タブレット端末1の最良な姿勢としては、タブレット端末1の装置筐体10が鉛直方向に立った状態にあると見做せる姿勢であるときに限り、押下可能な状態になるものとする。具体的には、検者が装置筐体10を手で持った場合に、当該装置筐体10が鉛直方向に立った姿勢となる状態を90°とすると、前後方向(図中における矢印方向)の傾きが±5°以内(先述のような極めて好ましい例)であるときに限り、シャッターボタン33が押下可能な状態になるものとする。このようなシャッターボタン33の押下制限についても、センサ13の機能を利用することで実現することが可能である。
撮像ファインダー内に第一基準線31、第二基準線32およびシャッターボタン33が表示されると、検者は、被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔側面を撮像カメラ部11での撮像対象とする。具体的には、検者は、被検者に眼鏡フレームFを装用させた上で、眼鏡フレーム装用状態の被検者の顔側面と対向するようにタブレット端末1を手に持って構えて、そのタブレット端末1の表示画面部12による撮像ファインダー内に当該被検者の顔側面を表示させる。
そして、検者は、図5(a)に示すように、撮像ファインダー内に表示されている第二基準線32を、被検者が装用する眼鏡フレームFにおけるリム中心線と合わせるように、タブレット端末1を構えた位置を回転方向(図中における矢印方向)に移動させて調整する。このとき、タブレット端末1は、第二基準線32をリム中心線に合わせる旨について、検者に対してガイダンスを行うようにしてもよい。ガイダンスは、例えば、撮像制御手段15aが表示画面部12に文字情報を表示して行うことが考えられるが、これに限られることはなく、音声出力によって行うようにしても構わない。
第二基準線32をリム中心線に合わせた状態で、かつ、シャッターボタン33が押下可能な状態になると、検者は、その状態でシャッターボタン33を押下する。シャッターボタン33の押下があると、タブレット端末1では、撮像ファインダーに表示されている状態の画像を撮像カメラ部11が撮像する。この撮像カメラ部11による撮像結果である画像(すなわち被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔側面の画像)は、その画像上における第一基準線31および第二基準線32の位置情報と合わせて、表示画面部12で一旦表示される。
ここで、表示制御手段15cは、表示画面部12が表示する画面上での第二基準線32の位置を、検者による操作部12aでの操作内容に従いつつ移動させ得るようにしてもよい。このようにすれば、被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔側面の撮像後においても、その撮像結果である画像上での第二基準線32の位置を検者が微調整し得るようになる。
その後、表示画面部12での表示内容は、検者による確認の結果、問題がなければ、被検者の眼鏡フレーム装用状態の顔画像の撮像結果として、メモリ部14内にデータ保存されることになる。
以上のように、本実施形態で説明するタブレット端末1は、被検者の眼鏡フレーム装用状態の顔画像の撮像にあたり、撮像ファインダー内に表示されている第二基準線32を、被検者が装用する眼鏡フレームFにおけるリム中心線と合わせるようにして、当該撮像を行う。このようにして撮像を行えば、詳細を後述するように、第一基準線31と第二基準線32との位置関係を利用することで、眼鏡装用パラメータの一つであるフレーム前傾角αを求めることができるようになる。
なお、撮像によって得られた被検者の眼鏡フレーム装用状態の顔画像は、メモリ部14内へのデータ保存の後に、そのメモリ部14内からの読み出しを行うことによって、タブレット端末1の表示画面部12で表示して再利用することが可能となる。その場合に、表示画面部12に顔画像の表示を行わせる表示制御手段15cは、第二基準線32の位置が第一基準線31の位置に重なるように当該顔画像を回転方向に移動させる画像編集処理を画像処理手段15bに行わせてもよい。このような画像編集処理を経れば、表示画面部12には、撮像の際にタブレット端末1を回転方向に移動させた位置調整量が補正された状態(すなわち、顔画像の鉛直方向および水平方向が表示画面部12の画角を構成する端辺に沿う状態)で、被検者の眼鏡フレーム装用状態の顔画像が表示されることになる。
(S104:フレーム前傾角αの測定処理)
被検者の眼鏡フレーム装用状態の顔画像の撮像処理(S103)が終了した後は、フレーム前傾角αの測定処理(S104)を開始することが可能となる。フレーム前傾角αを測定する場合に、タブレット端末1は、検者による所定操作に応じて、前傾角測定モードとなる。
前傾角測定モードとなったタブレット端末1は、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔画像をメモリ部14内から読み出して表示画面部12で表示する。そして、タブレット端末1では、その眼鏡フレーム装用状態の顔画像を用いつつ、計測演算手段15eがフレーム前傾角αを求める演算処理を行う。具体的には、メモリ部14内から読み出した眼鏡フレーム装用状態の顔画像によれば、その画像上における第一基準線31および第二基準線32の位置を特定し得るので、計測演算手段15eは、当該第一基準線31における鉛直方向の直線を、フレーム前傾角αを求めるための直線L1(図1(b)参照)と見做すとともに、当該第二基準線32を、フレーム前傾角αを求めるための直線L2(図1(b)参照)と見做す。そして、計測演算手段15eは、画像上での直線L1と直線L2とがなす角度を、フレーム前傾角αとして求める。
このようにして計測演算手段15eが求めたフレーム前傾角αは、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、表示画面部12の画面内の所定ウインドウに表示される。そして、その演算処理結果は、検者による確認の結果、問題がなければ、メモリ部14内にデータ保存されることになる。
(S105:眼鏡フレーム縦幅の測定処理)
ところで、測定段階においては、被検者の顔の撮像結果である顔画像を基に、眼鏡装用パラメータを演算して求める。そのため、例えばフレーム角膜頂点間距離FVDのような距離の大きさによって特定される眼鏡装用パラメータについては、これを演算して求めるのにあたり、顔画像上における距離の大きさと実空間内での実際の距離の大きさとを関連付けるキャリブレーション(較正)が必要となる。
このキャリブレーションのために、本実施形態では、被検者が装用する眼鏡フレームFについて眼鏡フレーム縦幅の測定処理(S105)を行う。眼鏡フレーム縦幅の測定処理(S105)を行う場合に、タブレット端末1は、検者による所定操作に応じて、眼鏡フレーム縦幅測定モードとなる。
図6は、本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置1で眼鏡装用パラメータを求める際の表示画面部12での表示内容の具体例を示す説明図であり、被検者が装用する眼鏡フレームFのフレーム縦幅を測定する際の表示内容を示す図である。
眼鏡フレーム縦幅測定モードとなったタブレット端末1は、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、図6(a)に示すように、表示画面部12における画面内に、当該画面の長辺に沿って延びる直線からなる第三基準線35と、その第三基準線35と平行に配された二本の直線からなる第四基準線36a,36bと、を表示する。
第三基準線35は、表示画面部12における画面の上下方向中間点付近に固定的に表示される。なお、第三基準線35の表示は必須ではなく、当該表示を省略してもよい。
一方、第四基準線36a,36bは、第三基準線35を挟むようにそれぞれが表示される。また、第四基準線36a,36bは、第三基準線35との平行状態を維持したまま、それぞれが独立して画面内で移動させ得るようになっている。第四基準線36a,36bの画面内での移動は、検者による操作部12aでの操作内容に従いつつ行われる。
表示画面部12の画面内に第三基準線35および第四基準線36a,36bが表示されると、検者は、図6(b)に示すように、その表示画面部12の画面上に、被検者が装用する眼鏡フレームFを単体の状態で載置する。このとき、検者は、眼鏡フレームFのデータムラインを第三基準線35に合わせるようにして、当該眼鏡フレームFを画面上に載置する。このように、眼鏡フレームFを載置するためのガイドとして第三基準線35を用いれば、検者にとっては利便性の高いものとなる。さらには、第三基準線35を表示すれば、後述する眼鏡フレーム縦幅の測定を行う際に表示画面部12の画面周辺領域を使用せずに済むので、当該測定を精緻に行えるようになる。
表示画面部12の画面上に眼鏡フレームFを載置すると、次いで、検者は、操作部12aを操作することで第四基準線36a,36bを画面内で移動させる。そして、一方の第四基準線36aを眼鏡フレームFのリム上端に合わせるとともに、他方の第四基準線36bを当該眼鏡フレームFのリム下端に合わせる。このようにすることで、各第四基準線36a,36bの間隔は、眼鏡フレームFのフレーム縦幅の大きさに一致することになる。
この状態で操作部12aによる所定操作(例えば、図示せぬ「決定」アイコン画像の押下)があると、タブレット端末1では、計測演算手段15eが各第四基準線36a,36bの間の実距離を求める。具体的には、計測演算手段15eは、各第四基準線36a,36bの間隔の大きさを表示画面部12における画素数によって認識するとともに、認識した画素数に一画素あたりの実際の大きさを乗ずることで各第四基準線36a,36bの間の実距離を求め、その演算処理結果を眼鏡フレームFのフレーム縦幅の大きさとする。
このようにして計測演算手段15eが求めたフレーム縦幅の演算処理結果は、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、表示画面部12の画面内の所定ウインドウ37に表示される。そして、その演算処理結果は、検者による確認の結果、問題がなければ、メモリ部14内にデータ保存されることになる。
以上のように、本実施形態で説明するタブレット端末1は、眼鏡装用パラメータの測定に必要となるキャリブレーションのために、被検者が装用する眼鏡フレームFについて眼鏡フレーム縦幅の測定処理(S105)を行う。しかも、本実施形態のタブレット端末1は、眼鏡フレーム縦幅の測定処理(S105)にあたり、表示画面部12の画面上に眼鏡フレームFを載置させた状態で、その眼鏡フレームFのフレーム縦幅の大きさを表示画面部12における画素数に換算した上で、当該フレーム縦幅の大きさを演算処理によって求めるようになっている。したがって、眼鏡フレームFのフレーム縦幅の大きさをスケール等で物理的に計測する必要がなく、その計測結果の値をタブレット端末1に入力する必要もなく、眼鏡フレーム縦幅の測定処理(S105)をタブレット端末1の表示画面部12を利用して簡便に行えるようになる。また、眼鏡装用パラメータの測定に必要となるキャリブレーションのために、眼鏡フレームFにスケールとなる治具等を予め装着しておく、といった必要も生じない。つまり、一連の処理をタブレット端末1のみで完結して行えるようになり、当該タブレット端末1を用いて眼鏡装用パラメータ測定装置1を構成する上で非常に好適なものとなる。
(S106:フレーム角膜頂点間距離FVDの測定処理)
その後、タブレット端末1では、フレーム角膜頂点間距離FVDの測定処理(S106)が実行可能となる。フレーム角膜頂点間距離FVDを測定する場合に、タブレット端末1は、検者による所定操作に応じて、フレーム角膜頂点間距離測定モードとなる。
フレーム角膜頂点間距離測定モードとなったタブレット端末1は、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、撮像処理(S102,S103)で得られた撮像結果をメモリ部14内から読み出して表示画面部12で表示して、その後に検者が行う操作部12aでの操作に供する。
(測定基準点の指定処理)
タブレット端末1では、撮像結果を表示画面部12で表示した上で、検者にフレーム角膜頂点間距離FVDの測定に必要となる測定基準点の指定を行わせる。
図7は、本発明の一実施形態における眼鏡装用パラメータ測定装置1で眼鏡装用パラメータを求める際の表示画面部12での表示内容の具体例を示す説明図であり、フレーム角膜頂点間距離FVDを求める場合の表示内容を示す図である。
具体的には、フレーム角膜頂点間距離測定モードとなったタブレット端末1は、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、図7(a)および(b)に示すように、表示画面部12にて撮像結果を表示するとともに、その撮像結果にポインタ画像53,54を重ねて表示する。
ポインタ画像53,54は、操作部12aを操作して行う測定基準点の指定にあたり、その操作部12aで指定しようとする点の位置特定の目安となる図形画像である。これらのうち、ポインタ画像53は、被検者の顔側面における角膜頂点の位置を測定基準点として指定する際に用いられる。また、ポインタ画像54は、被検者が装用する眼鏡フレームFにおけるリムの上端位置および下端位置を測定基準点として指定する際に用いられる。これらのポインタ画像53,54を構成する図形パターン形状については、検者による操作性や撮像結果の視認性等を考慮しつつ予め設定されたものであればよく、特に限定されるものではない。
撮像結果にポインタ画像53,54を重ねて表示した後、タブレット端末1では、図7(a)に示すように、検者が操作部12aを操作して、表示画面部12の画面内で移動可能なポインタ画像53を、表示中の撮像結果上における角膜の頂点に位置させる。
さらに、タブレット端末1において、検者は、図7(b)に示すように、操作部12aを操作して、その表示画面部12の画面内で移動可能なポインタ画像54を、表示中の撮像結果上における眼鏡フレームFのリムの上端および下端に位置させる。
その状態で操作部12aによる所定操作(例えば「決定」アイコン画像の押下)があると、タブレット端末1では、角膜頂点位置に配されたポインタ画像53における中心点が、フレーム角膜頂点間距離FVDを求めるための測定基準点の一つとして指定されるとともに、眼鏡フレームFのリムの上端および下端に配されたポインタ画像54における中心点が、フレーム角膜頂点間距離FVDを求めるための残りの測定基準点として指定されることになる。
このとき、表示制御手段15cは、検者が画面内で移動させようとするポインタ画像53,54に触れると、図7(a)および(b)に示すように、そのポインタ画像53,54とその周辺領域を拡大して表示する部分拡大ウインドウ画像55を、表示画面部12の画面内の所定箇所に表示させる。このようにすれば、ポインタ画像53,54をタッチインタフェースで操作して移動させる場合であっても、そのタッチインタフェースで触れている箇所が部分拡大ウインドウ画像55によって当該箇所とは別の所定箇所に拡大表示されるので、検者がポインタ画像53,54を移動させて位置合わせする際の操作性向上が図れる。
(演算処理)
検者がポインタ画像53,54をそれぞれの位置に移動させて、これによりフレーム角膜頂点間距離FVDを求めるための測定基準点を指定すると、計測演算手段15eは、角膜頂点に位置するポインタ画像53の中心を通る水平方向に延びる直線と、眼鏡フレームFのリムの上端および下端の各ポインタ画像54の中心を結ぶ直線との交点を求める。そして、計測演算手段15eは、その交点と角膜頂点に位置するポインタ画像53の中心との間の距離を、フレーム角膜頂点間距離FVDとして求める。
このときのフレーム角膜頂点間距離FVDの測定は、表示画面部12で表示される撮像結果上で行う。そのため、フレーム角膜頂点間距離FVDの測定にあたっては、実空間内での大きさと撮像結果上での大きさとを関連付けるキャリブレーション(較正)が必要となる。キャリブレーションは、例えば、上述した眼鏡フレーム縦幅の測定処理(S105)において眼鏡フレームFのフレーム縦幅の大きさを求めているので、そのフレーム縦幅の演算処理結果を、眼鏡フレームFのリムの上端および下端に配された各ポインタ画像54の間の撮像結果上での距離に対応付けることで行うようにすることが考えられる。
このようにして計測演算手段15eが求めたフレーム角膜頂点間距離FVDは、表示制御手段15cによる制御に従いつつ、表示画面部12の画面内の所定ウインドウ56に表示される。そして、その演算処理結果は、検者による確認の結果、問題がなければ、メモリ部14内にデータ保存されることになる。
(3−3.その他の手順)
以上に、本実施形態において眼鏡装用パラメータを測定する際の特徴的な手順について説明したが、タブレット端末1は、上述した特徴的な手順以外のその他の手順について行うものであってもよい。その他の手順としては、撮像段階における被検者の顔上面の撮像処理や顔正面の撮像処理、フィッティングポイント位置FPの測定処理、瞳孔間距離PDの測定処理等が挙げられる。なお、これらの各手順については、公知技術を利用して行えばよいため、ここではその詳細な説明を省略する。
<4.実施の形態による効果>
本実施形態によれば、上記に列挙した効果以外にも、以下のような効果が得られる。
まず、被検者に対する撮像を正位置またはそれに近い状態で行うことができる。その際に、撮影者である検者は、シャッターボタンを押下可能な状態となるように姿勢を変化させることができ、不適切な撮像結果を得ずにすむ。その結果、撮像結果は常に適切なものとなり、撮像結果から得られる眼鏡装用パラメータの精度も自ずと向上する。
また、本実施形態によれば、可搬式のタブレット端末1を利用して、各種眼鏡装用パラメータの測定を行う。そのため、非可搬式の大掛かりな測定装置のような設置スペースを要することがなく、眼鏡店への導入を容易化できる。この点で、各種眼鏡装用パラメータの測定を行う検者(眼鏡店の店員等)にとっては、利便性に優れたものとなる。
以上、本実施形態ならば、眼鏡装用パラメータの測定にあたり、簡便かつ精度良く測定を行うことを実現可能となる。
<5.変形例等>
以上に本発明の実施形態を説明したが、上述した開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態においては撮像カメラ部11の光軸を主として姿勢の特定に使用したが、それ以外にも規定の仕方がある。例えば、タブレット端末1の場合、表示画面部12が設けられている方を前面、撮像カメラ部11のレンズが設けられている方を後面とすると、後面が天地方向と平行であればタブレット端末1を鉛直に立たせた状態となり「正位置」となる。そのため、上記の各ルールを以下のように表現できる。
(ルール1)センサにより把握されるタブレット端末1の後面の、天地方向に対するずれの度合い(傾き角度)に応じて撮像の可否を決定する。
(ルール2)タブレット端末1の後面に垂直な方向を回転軸とした装置筐体10(ひいては撮像カメラ部11)の回転度合いは撮像の可否に関連付けない。
上記の実施形態においては、眼鏡装用パラメータ測定装置1が可搬式のタブレット端末である場合について述べたが、タブレット端末に限定されるものではない。例えば、撮像ファインダー兼タッチインタフェースとして機能する表示画面部12を有し、外部のクラウドコンピューティングにより眼鏡装用パラメータを測定可能なデジタルカメラであっても構わない。
上記の実施形態においては、(ルール1)において、センサ13により把握される撮像カメラ部11の光軸の方向の、水平面に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定した。これは、検者がタブレット端末1を鉛直に立てた状態での場合である。その一方、フレーム反り角のように、被検者の上方(天地の天の方向)から撮像を行う場合、光軸が天地方向からずれすぎると、眼鏡フレームFを上方から撮像した結果が、実際の眼鏡フレームFの寸法から大きく外れるおそれがある。そのため、被検者の上方撮像を行う場合、撮像カメラ部11の光軸の方向の、「天地」方向に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定しても良い。なお、この場合であっても(ルール2)は上記の実施形態と同じとする、いわゆる2軸制御を行う。ちなみにこの場合、光軸の天地方向からの傾き角度についての好適な数値範囲は上記の実施形態の通りである。その際、+の符号は検者側(手前側)への傾きを示し、−の符号はその逆の方向への傾きを示す。
上記の実施形態においては2軸制御の例を挙げたが、2軸を超えた数の制御(例えば3軸制御)を行っても構わない。但し、3軸制御の場合、全ての軸に関して装置筐体10の位置変動を(ルール1)のように規制するわけではない。例えば2軸において(ルール1)のように位置変動の撮像許可範囲を与える一方、もう1軸についてはどのような位置変動があっても必ず撮像許可を出す、という制御である。
1…眼鏡装用パラメータ測定装置(タブレット端末)、10…装置筐体、11…撮像カメラ部、12…表示画面部、12a…操作部、13…センサ、14…メモリ部、15…情報処理部、15a…撮像制御手段、15b…画像処理手段、15c…表示制御手段、15d…操作制御手段、15e…計測演算手段

Claims (9)

  1. 眼鏡フレームを装用する被検者の眼鏡装用パラメータについて測定を行う際に用いられる眼鏡装用パラメータ測定装置であって、
    撮像カメラ部と、
    装置筐体の姿勢を把握可能なセンサと、
    前記センサにより把握される前記撮像カメラ部の光軸の方向の、水平面に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する一方、前記光軸に平行な軸を回転軸とした前記装置筐体の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行う情報処理部と、
    眼鏡フレームを装用した状態の被検者であるところの撮像対象を画像表示可能な表示画面部と、
    が備えられた、眼鏡装用パラメータ測定装置。
  2. 前記装置筐体に対し、更に、前記センサが把握する前記装置筐体の姿勢に変動が生じたときに、前記光軸が水平面に対してずれたか否かを判定し、当該判定の結果を前記情報処理部に送信する判定部が備えられた、請求項1に記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  3. 前記ずれの度合いは傾き角度であり、当該傾き角度が水平面から+30°〜−30°の範囲内の場合だと撮像可能とする、請求項1または2に記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  4. 前記眼鏡装用パラメータ測定装置はタブレット端末である、請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  5. 前記表示画面部は撮像ファインダー兼タッチインタフェースとして機能する、請求項1〜4のいずれかに記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  6. 前記表示画面部が表示する撮像結果を前記表示画面部上で回転可能な操作部を更に備える、請求項1〜5のいずれかに記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  7. 撮像カメラ部、
    前記撮像カメラ部の姿勢を把握可能なセンサ、
    前記センサにより把握される前記撮像カメラ部の光軸の方向の、水平面に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する一方、前記光軸に平行な軸を回転軸とした前記撮像カメラ部の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行う情報処理部、
    眼鏡フレームを装用した状態の被検者であるところの撮像対象を画像表示可能な表示画面部、
    としてコンピュータを機能させる、眼鏡装用パラメータ測定プログラム。
  8. 眼鏡フレームを装用した状態の被検者の顔画像を用いて前記被検者に関する眼鏡装用パラメータを測定する際に、当該測定に必要となる当該顔画像を撮像する際の撮像制御方法であって、
    検者が被検者の眼鏡フレーム装用状態における顔画像を撮像する際の撮像カメラ部の光軸が水平面からずれているか否かを判定する工程と、
    前記光軸が水平面からずれている場合、ずれの度合いが所定の範囲内か否かを判定する工程と、
    前記光軸が水平面からずれていない場合または前記ずれの度合いが所定の範囲内である場合は撮像を許可する一方、前記ずれの度合いが所定の範囲外である場合は撮像を許可しない制御を行う工程と、
    を有する、撮像制御方法。
  9. 眼鏡フレームを装用する被検者の眼鏡装用パラメータについて測定を行う際に用いられる眼鏡装用パラメータ測定装置であって、
    撮像カメラ部と、
    装置筐体の姿勢を把握可能なセンサと、
    前記センサにより把握される前記撮像カメラ部の光軸の方向の、天地方向に対するずれの度合いに応じて撮像の可否を決定する一方、前記光軸に平行な軸を回転軸とした前記装置筐体の回転度合いは撮像の可否に関連付けない制御を行う情報処理部と、
    眼鏡フレームを装用した状態の被検者であるところの撮像対象を画像表示可能な表示画面部と、
    が備えられた、眼鏡装用パラメータ測定装置。
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