JP2016164519A - 中性子線検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中性子場の擾乱を抑制できる中性子線検出装置を提供する。
【解決手段】中性子線の入射によって光を発するシンチレータ13と、一端部14aの先端14bにシンチレータ13が配置され、シンチレータ13によって発せられた光を伝達する光ファイバ14と、光ファイバ14の一端部14aの外周に設けられ、アルミニウムを含有するフェルール17と、を備えており、アルミニウムは、従来のフェルールの材料として用いられているSUS等の他の金属と比較して中性子線と反応しにくい性質を有するため、中性子場の擾乱を抑制できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、中性子線検出装置に関する。
従来、中性子線の入射によって光を発するシンチレータを光ファイバの先端に配置し、シンチレータによって発せられた光を光ファイバに伝達させる中性子線検出装置が知られている。例えば特許文献1には、電離放射線がシンチレータに入射することで発生した光を光ファイバに伝達させ、当該光に基づく信号をカウントすることが記載されている。
国際公開第2008/038662号
ところで、中性子線検出装置では、中性子線検出装置自体によって中性子場の擾乱が高くなると、中性子線の検出精度が悪化するため好ましくない。従って、中性子線検出装置の検出精度を向上させるために、中性子場の擾乱を抑制することが求められていた。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであり、中性子場の擾乱を抑制できる中性子線検出装置を提供することを課題とする。
本発明に係る中性子線検出装置は、中性子線の入射によって光を発するシンチレータと、一端部の先端にシンチレータが配置され、シンチレータによって発せられた光を伝達する光ファイバと、光ファイバの一端部の外周に設けられ、アルミニウムを含有するフェルールと、を備える。
この中性子線検出装置では、光ファイバの一端部の先端にシンチレータが配置され、この一端部の外周にアルミニウムを含有するフェルールが設けられている。アルミニウムは、従来のフェルールの材料として用いられている他の金属と比較して中性子線と反応しにくい性質を有するため、中性子場の擾乱を抑制できる。
ここで、フェルールの径方向の厚さは0.75mm以下であってもよい。この場合、中性子場の擾乱を抑制する効果を特に好適に奏することができる。
また、シンチレータ、及び、光ファイバの一端部の少なくとも一部を覆うと共に、シンチレータによって発せられた光以外の光を遮蔽するキャップと、シンチレータ、及び、光ファイバの一端部の少なくとも一部を覆うと共に、Liを含有し、所定のエネルギーより低いエネルギーを有する中性子線を遮蔽するシールドと、を更に備えてもよい。この場合、外部からの光が光ファイバに侵入することをキャップによって抑制できると共に、検出しようとする中性子線ではなく外部で散乱されたエネルギーの低い中性子線がシンチレータに入射することをシールドによって抑制できる。これにより、中性子線の検出精度の悪化を抑制できる。
また、キャップ及びシールドの内側に、シンチレータの少なくとも一部を覆うと共に、光を反射する反射部を更に備えてもよい。この場合、反射部がシンチレータの少なくとも一部を覆っているため、反射部は、シンチレータから光ファイバを伝達する方向以外の方向に向かって発せられた光を、光ファイバを伝達する方向に反射することができる。これにより集光率を向上することができる。
また、反射部は、光ファイバにおける光の伝達方向に対して反対方向へ凸となる曲面をなしていてもよい。この場合、光ファイバにおける光の伝達方向に対して反対方向へ向かってシンチレータから発せられた光を、反射部の凸となる曲面によって、光ファイバにおける光の伝達方向へ効率良く反射することができる。これにより、集光率を向上できる。
本発明によれば、中性子場の擾乱を抑制できる。
中性子線検出装置が適用される中性子捕捉療法装置を示す概略断面図である。 コリメータに設けられた中性子線検出装置を示す概略断面図である。 第1実施形態に係る中性子線検出装置を示す概略断面図である。 フェルールによる中性子場の擾乱を示す模式図である。 フェルールによる中性子場の擾乱のシミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態に係る中性子線検出装置を示す概略断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る中性子線検出装置12が適用される中性子捕捉療法装置1について説明する。ただし、中性子線検出装置12は中性子捕捉療法装置1にのみ適用され得るものではなく、その用途は特に限定されない。例えば、中性子線検出装置12は、原子炉の運転状態を監視するモニタに適用されてもよく、物理実験で使用される加速中性子の測定器に適用されてもよく、また、非破壊検査用の中性子照射装置に適用されてもよい。
図1は、中性子線検出装置が適用される中性子捕捉療法装置を示す概略断面図である。図1に示される中性子捕捉療法装置1は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)を用いたがん治療を行う装置である。中性子捕捉療法装置1では、例えばホウ素(10B)が投与された患者50の腫瘍に中性子線N1を照射する。
中性子捕捉療法装置1は、サイクロトロン2を備えている。サイクロトロン2は、陰イオン等の荷電粒子を加速して、荷電粒子線Rを作り出す加速器である。本実施形態において、荷電粒子線Rは陰イオンから電荷を剥ぎ取って生成した陽子ビームである。陽子ビームは、加速された陰イオンがサイクロトロン2内でフォイルストリッパー等を用いて電子を剥ぎ取られることで生成され、サイクロトロン2から出射される。このサイクロトロン2は、例えば、ビーム半径40mm、60kW(=30MeV×2mA)の荷電粒子線Rを生成する能力を有している。なお、加速器は、サイクロトロンに限られず、シンクロトロンやシンクロサイクロトロン、ライナックなどであってもよい。
サイクロトロン2から出射された荷電粒子線Rは、中性子線生成部Mへ送られる。中性子線生成部Mは、荷電粒子線が入射することにより中性子線N1を発生するターゲット7を含んで構成されている。サイクロトロン2から出射された荷電粒子線Rは、ビームダクト3を通り、ビームダクト3の端部に配置されたターゲット7へ向かって進行する。このビームダクト3に沿って複数の四極電磁石4、電流検出部5、及び走査電磁石6が設けられている。複数の四極電磁石4は、例えば電磁石を用いて荷電粒子線Rのビーム軸調整やビーム径調整を行うものである。
電流検出部5は、ターゲット7に照射される荷電粒子線Rの電流値を荷電粒子線Rの照射中にリアルタイムで検出する。電流検出部5には、荷電粒子線Rに影響を与えずに電流測定可能な非破壊型のDCCT(DC Current Transformer)が用いられている。すなわち、電流検出部5は、荷電粒子線Rに触れることなく(非接触で)荷電粒子線Rの電流値を測定することができる。電流検出部5は、検出結果を後述する制御部30に出力する。
走査電磁石6は、荷電粒子線Rを走査し、ターゲット7に対する荷電粒子線Rの照射制御を行うものである。この走査電磁石6は、荷電粒子線Rのターゲット7に対する照射位置を制御する。
また、中性子捕捉療法装置1は、制御部30を備えている(図2参照)。制御部30は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等から構成されており、中性子捕捉療法装置1を総合的に制御する電子制御ユニットである。
続いて、中性子線生成部M、及び中性子線生成部Mにおける中性子線の状態について詳細に説明する。
中性子線生成部Mは、荷電粒子線Rが照射されることにより中性子線N1を発生させ、当該中性子線N1を所定のエネルギーに減速して患者50に向かって出射する。本実施形態では、患者50に向かって出射される中性子線N1は、熱外中性子のエネルギーにまで減速される。なお、中性子線N1の発生に伴いガンマ線が生じる。中性子線生成部Mは、ターゲット7、遮蔽体8、減速材9、コリメータ10、ガンマ線検出部11を備えている。
ターゲット7は、荷電粒子線Rの照射を受けて中性子線N1を生成する。ここでのターゲット7は、例えば、ベリリウム(Be)やリチウム(Li)、タンタル(Ta)、タングステン(W)を含んで形成され、例えば直径160mmの円板状を成している。なお、ターゲット7は、板状に限定されず、例えば、液状でもよい。
減速材9は、ターゲット7で生成された中性子線N1を減速させて、中性子線N1のエネルギーを低下させる。減速材9は、中性子線N1に含まれる速中性子を主に減速させる第1の減速材9Aと、中性子線N1に含まれる熱外中性子を主に減速させる第2の減速材9Bと、からなる積層構造を有している。上述したように、ターゲット7で生成された中性子線N1は、この減速材9を通過する際に減速され、所定のエネルギーを有する熱外中性子となる。
遮蔽体8は、発生させた中性子線N1、当該中性子線N1の発生に伴ってターゲット7にて生じたガンマ線等の二次的な放射線、及び当該中性子線N1が減速材9によって減速される際に減速材9にて生じたガンマ線等の二次的な放射線を遮蔽し、これらの放射線が患者50の居る照射室側へ放出されることを抑制する。遮蔽体8は、減速材9を囲むように設けられている。遮蔽体8の上部及び下部は、減速材9より荷電粒子線Rの上流側に延在しており、これらの延在部にガンマ線検出部11が設けられている。ガンマ線検出部11は、荷電粒子線Rの照射により中性子線生成部Mから発生するガンマ線を、中性子線N1の生成中(すなわち、患者50への中性子線N1の照射中)にリアルタイムで検出する。
コリメータ10は、患者50へ照射される熱外中性子の中性子線N1の照射野を整形するものであり、中性子線N1が通過する開口10aを有する。コリメータ10は、例えば中央に開口10aを有するブロック状の部材である。コリメータ10には、コリメータ10の開口10aを通過する中性子線N1を中性子線N1の生成中(すなわち、患者50への中性子線N1の照射中)にリアルタイムで検出するための中性子線検出装置12が設けられている(詳細は後述)。
このような中性子線生成部Mにおいて発生した熱外中性子の中性子線N1が患者50へ照射されると、熱外中性子の一部は、患者の体内で減速され、熱外中性子よりエネルギーの低い熱中性子となって患部へ届く。しかしながら、熱外中性子の他の一部は、患者50の体内で散乱されて熱中性子の中性子線N2となり、患者50の体内から放出されてコリメータ10側に向かう。
従って、中性子線N1の生成中(すなわち、患者50への中性子線N1の照射中)において、コリメータ10に設けられた中性子線検出装置12へ到達する中性子線としては、中性子線生成部Mにおいて発生して患者へ照射される熱外中性子の中性子線N1と、中性子線N1が患者の体内で散乱されてエネルギーが低下した熱中性子の中性子線N2と、の両方が含まれることになる。
続いて、中性子線検出装置12について詳細に説明する。
図2は、コリメータに設けられた中性子線検出装置を示す概略断面図、図3は、第1実施形態に係る中性子線検出装置を示す概略断面図である。中性子線検出装置12は、中性子線の線量を検出する検出器であり、特に本実施形態では、コリメータ10の開口10aを通過する中性子線の線量を、中性子線N1の生成中(すなわち、患者50への中性子線N1の照射中)にリアルタイムで検出する。
中性子線検出装置12は、図2に示されるように、シンチレータ13、光ファイバ14、光検出器15を有している。中性子線検出装置12は、コリメータ10の貫通孔10b内のうちの開口10a付近に設けられたシンチレータ13を備えている。また、光ファイバ14は、コリメータ10に形成された貫通孔10bの内部に延在している。そして、光ファイバ14の一端部14aの先端14bはシンチレータ13に接続され、他端部は貫通孔10bの外まで延びて光検出器15に接続されている。なお、光検出器15は制御部30と電気的に接続されており、シンチレータ13で発生して光ファイバ14を伝達した光の検出結果を制御部30に出力する。
なお、図2では、中性子線生成部Mにおいて発生して患者50へ照射される熱外中性子の中性子線N1のみ図示しており、また、中性子線N1の進行方向を直線で示している。しかし実際には、患者50側からコリメータ10へ向かう熱中性子の中性子線N2も存在し、また、中性子線N1、N2は拡散するように進行する。このため、中性子線N1,N2は、貫通孔10b内のうちの開口10a付近に設けられたシンチレータ13に入射し、中性子線検出装置12によって中性子線N1,N2の両方の線量を合計した線量が検出される。
シンチレータ13は、中性子線等の放射線の入射によって光を発する蛍光体である。シンチレータ13は、入射した放射線の線量に応じて内部結晶が励起状態となり、光(シンチレーション光)を発する。シンチレータ13は、略矩形状をなし、光ファイバ14の外径より小さく形成されている。なお、シンチレータ13の形状及び大きさは特に限定されるものではない。シンチレータ13としては、Liガラスシンチレータ、Liを含むシンチレータ、LiFを塗布したプラスチックシンチレータ、LiF/ZnSシンチレータ等を採用できる。
光ファイバ14は、シンチレータ13によって発せられた光を光検出器15まで伝達するライトガイドとして機能する。光ファイバ14は、コリメータ10の貫通孔10b内のうちの開口10a付近まで延びる一端部14aの先端14bに配置されたシンチレータ13から、コリメータ10の外に配置された光検出器15まで延びている。光検出器15は、光ファイバ14を通じて伝達された光を検出する。光検出器15としては、例えば光電子増倍管や光電管など各種の光検出機器を採用することができる。光検出器15は、光検出時に電気信号(検出信号)を制御部30に出力する。
中性子線検出装置12は、より詳細には、図3示されるように、光ファイバ14の一端部14aの外周に設けられた反射塗装16と、更にその外周に設けられたフェルール17と、一端部14a付近を除く外周に設けられた被覆18と、を備えている。また、中性子線検出装置12は、シンチレータ13を覆うように設けられた反射シール(反射部)19と、この反射シール19を覆うように設けられたシールド20と、更にこのシールド20を覆うように設けられたキャップ21と、を備えている。
反射塗装16は、シンチレータ13によって発せられ光ファイバ14を伝達する光のうち、光ファイバ14から外部へ漏れ出る光を乱反射させるものである。すなわち、反射塗装16は、光ファイバ14の延在方向に沿った方向に対して、光ファイバ14内を全反射する角度を超えた角度で進行する光を、光ファイバ14と外部との境界面で乱反射させる。反射塗装16によって乱反射された光の一部は光ファイバ14の延在方向に対して全反射する方向に進行するため、反射塗装16を設けることによって中性子線検出装置12の集光効率が向上する。反射塗装16は、光ファイバ14の一端部14aの先端14bから、光ファイバの他端部側に向かって所定の長さに亘って設けられている。なお、反射塗装16は紫外光も反射させることが好ましく、例えば酸化チタンを含有する塗料を用いてもよい。
フェルール17は、光ファイバ14の外周に設けられることで光ファイバ14を保護するためのものである。例えば、中性子線検出装置12の製造工程において、光ファイバ14の一端部14aの先端14bを研磨する際、光ファイバ14の一端部14aの外周にフェルール17を設けることで光ファイバ14の破損が抑制される。
フェルール17は、反射塗装16が設けられた光ファイバ14の外周を囲んでおり、径方向の厚さが0.75mm以下の筒状となるように形成されている。ただし、フェルール17の径方向の厚さの寸法は特に限定されず、0.75mmより大きくてもよい。また、フェルール17の一端は、光ファイバ14の一端部14aの先端14bと面一となるように配置されており、他端は、光ファイバ14の外周に反射塗装16が設けられた範囲内まで延びている。なお、フェルール17の他端は、光ファイバ14の外周の反射塗装16が設けられた範囲を超えて延びていてもよい。
フェルール17はアルミニウム製である。すなわち、フェルール17はアルミニウムを含有して形成されている。アルミニウムは、従来のフェルールの材料として用いられているSUS等の他の金属と比較して中性子線と反応し難い性質を有する。このため、アルミニウム製のフェルール17を用いることで、SUS製等のフェルールを用いた場合と比較して中性子場の擾乱が低い(詳細は後述)。なお、「アルミニウムを含有している」とは、表面にアルミニウムの化合物からなる被膜を有している状態も含み、また、表面に限らず内部まで含めた全体がアルミニウムの化合物である状態も含む。
被覆18は、フェルール17の一部にまで重なるように設けられている。被覆18は、外部からの光が光ファイバ14に侵入することを抑制すると共に、光ファイバ14を保護するためのものである。
キャップ21は、シンチレータ13、及び、シンチレータ13が配置された光ファイバ14の一端部14aの少なくとも一部を覆う位置に設けられている。また、シールド20は、キャップ21とフェルール17との間に、シンチレータ13、及び、光ファイバ14の一端部14aの少なくとも一部を覆う位置に設けられている。また、反射シール19は、キャップ21及びシールド20の内側に、シンチレータ13の少なくとも一部を覆う位置(本実施形態では、シンチレータ13、及び、光ファイバ14の一端部14aの少なくとも一部を覆う位置)に設けられている。なお、反射シール19、シールド20、及びキャップ21は、光ファイバ14の一端部14aの先端14bからの相対的な長さの関係は特に限定されず、何れの部材が最も長くてもよく、また何れの部材が最も短くてもよい。
反射シール19は、シンチレータ13から光ファイバ14を伝達する方向以外の方向に向かって発せられた光を、光ファイバ14を伝達する方向に反射するためのものである。特に、本実施形態のように光ファイバ14の一端部14aの外周に反射塗装16が設けられている場合、少なくともシンチレータ13のみを覆うように形成されていてもよい。反射シール19は、可撓性を有するシート状をなしている。
シールド20は、検出しようとしている中性子線N1以外の、外部からのエネルギーの低い中性子線が中性子線検出装置12に到達することを抑制するためのものである。上述したように、中性子捕捉療法装置1では、中性子線生成部Mにおいて発生して患者へ照射される熱外中性子の中性子線N1の線量を検出しようとしている。しかしながら、中性子線検出装置12には、熱外中性子の中性子線N1が患者50の体内で散乱されてエネルギーが低下した熱中性子の中性子線N2も到達する。このような中性子線N2が中性子線検出装置12によって検出されてしまった場合、検出結果のバックグラウンドとなるため、中性子線N2を除去することが好ましい。シールド20は、このような中性子線N2を遮蔽して、中性子線N1のみを中性子線検出装置12に到達させる。
シールド20の側面は略円筒形状をなし、その一端が封止されると共に他端が開放されている。そして、他端側からシールド20内に光ファイバ14の一端部14aが入り込んだ状態で、シールド20の内側面が反射シール19の側面に接している。
シールド20は、Liを含有する材料を用いて形成されている。シールド20に用いる材料としては、中性子と反応し易い物質であると共に、中性子と反応してガンマ線を生じない物質であることが好ましく、Liを含有する材料はこれらの性質を有する。シールド20を形成する材料の一例として、LiとLiとが95:5の割合で含まれたLiFが挙げられる。
キャップ21は、シンチレータ13によって発せられた光以外の光を遮蔽し、このような他の光が光ファイバ14を伝達してしまうことを抑制するためのものである。また、キャップ21は、光ファイバ14、シンチレータ13、シールド20、反射シール19等を保護する機能を有する。キャップ21の側面は略円筒形状をなし、その一端が封止されると共に他端が開放されている。また、キャップ21の内面には、シールド20の外面が接している。なお、キャップ21とシールド20とは一体化されていてもよく、互いに取り外しが可能であってもよい。キャップ21の他端側の開放端は僅かに径が縮小しており、フェルール17の側面に対して全周に亘って接している。なお、キャップ21の形状は特に限定されず、あらゆる形状とすることができる。例えば、キャップ21は、光ファイバ14の一端部14aから他端部側へ長く延びる形状を有する場合、光の遮蔽及び光ファイバ14等の保護の機能をより効果的に発揮できる。従って、キャップ21は、例えば光ファイバの被覆18に重なる位置まで長く延びていてもよく、フェルール17の全体を覆う位置まで長く延びていてもよい。
続いて、中性子線検出装置12においてフェルール17を適用したことによる中性子場の擾乱の状態について、フェルール17の一例を示して具体的に説明する。ただし、本発明に係るフェルール17は以下の例に限定されるものではない。
図4は、フェルールによる中性子場の擾乱を示す模式図、図5は、フェルールによる中性子場の擾乱のシミュレーション結果を示す図である。図4では、中性子線Nが、筒状のフェルール17の軸方向に垂直な平面内を進行し、フェルールによって散乱される様子が示されている。図5では、図4中のX軸を横軸にとり、X軸上における中性子線Nの線量を縦軸にとって示しており、実線がアルミニウム製のフェルールの場合、破線がSUS製のフェルールの場合を示している。SUSは、従来のフェルールの材料として用いられている金属である。また、図5では、フェルールの断面形状を外径2mm、内径1mmとして(すなわち、径方向における厚さの寸法は0.5mmである)シミュレーションを行っており、フェルールの中心軸が図5中の横軸における0cmの位置に対応する。図5に示されるように、SUS製のフェルールの場合、中性子線の線量が約15%低下している(中性子場の擾乱が約15%である)のに対し、アルミニウム製のフェルール17の場合、中性子線の線量の低下は5%以下である(中性子場の擾乱が5%以下である)ことが確認された。
以上説明したように、本実施形態に係る中性子線検出装置12によれば、光ファイバ14の一端部14aの先端14bにシンチレータ13が配置され、この一端部14aの外周にアルミニウムを含有するフェルール17が設けられている。アルミニウムは、従来のフェルールの材料として用いられているSUS等の他の金属と比較して中性子線と反応しにくい性質を有するため、中性子場の擾乱を抑制できる。
ここで、フェルール17の径方向の厚さは0.75mm以下であることにより、中性子場の擾乱を5%以下に抑えることができ、中性子場の擾乱を抑制する効果を特に好適に奏することができる。
また、シンチレータ13、及び、光ファイバ14の一端部14aの少なくとも一部を覆うと共に、シンチレータ13によって発せられた光以外の光を遮蔽するキャップ21と、シンチレータ13、及び、光ファイバ14の一端部14aの少なくとも一部を覆うと共に、Liを含有し、所定のエネルギーより低いエネルギーを有する中性子線N2を遮蔽するシールド20と、を更に備えている。このため、外部からの光が光ファイバ14に侵入することをキャップ21によって抑制できると共に、検出しようとする中性子線N1ではなく外部で散乱されたエネルギーの低い中性子線N2がシンチレータ13に入射することをシールド20によって抑制できる。これにより、中性子線N1の検出精度の悪化を抑制できる。
また、キャップ21及びシールド20の内側に、シンチレータ13を覆うと共に光を反射する反射シール19を更に備えているため、反射シール19は、シンチレータ13から光ファイバ14を伝達する方向以外の方向に向かって発せられた光を、光ファイバ14を伝達する方向に反射することができる。これにより集光率を向上することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る中性子線検出装置22について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態と相違する点について主に説明し、重複する説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係る中性子線検出装置を示す概略断面図である。図6に示されるように、第2実施形態に係る中性子線検出装置22が第1実施形態に係る中性子線検出装置12(図3参照)と相違する点は、反射シール(反射部)19に代えて、反射ドーム(反射部)29を有している点である。
具体的には、反射ドーム29は、反射シール19と同様に、シンチレータ13から光ファイバ14を伝達する方向以外の方向に向かって発せられた光を、光ファイバ14を伝達する方向に反射するためのものである。反射ドーム29は、光ファイバ14における光の伝達方向に対して反対方向へ凸となる曲面をなしている。また、反射ドーム29の曲面部分は湾曲する薄板状であり、内側は空洞になっている。曲面の形状は特に限定されないが、例えば断面形状が放物線状であってもよく、半球状であってもよい。また、曲面の一部であれば、突起、切り欠き、不連続面等が存在していてもよい。
本実施形態に係る中性子線検出装置22によれば、光ファイバ14における光の伝達方向に対して反対方向へ向かってシンチレータ13から発せられた光を、主に反射ドーム29の凸となる曲面の内面等で、光ファイバ14における光の伝達方向へ効率良く反射することができるため、集光率を向上できる。
なお、本発明に係る中性子線検出装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1実施形態及び第2実施形態において、シールド20が、キャップ21とフェルール17との間に設けられ、シールド20とフェルール17との間に反射シール19又は反射ドーム29が設けられているが、キャップ21が、シールド20とフェルール17との間に設けられ、キャップ21とフェルール17との間に反射シール19又は反射ドーム29が設けられていてもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、第2実施形態において、反射ドーム29の曲面部分は湾曲する薄板状であり、内側は空洞になっているが、曲面部分は内側に空洞のない塊状であってもよく、また、この場合、シンチレータ13及び光ファイバ14と、反射ドーム29と、が直接接していてもよい。
1…中性子捕捉療法装置、12,22…中性子線検出装置、13…シンチレータ、14…光ファイバ、14a…一端部、14b…先端、17…フェルール、N1,N2…中性子線。

Claims (5)

  1. 中性子線の入射によって光を発するシンチレータと、
    一端部の先端に前記シンチレータが配置され、前記シンチレータによって発せられた前記光を伝達する光ファイバと、
    前記光ファイバの前記一端部の外周に設けられ、アルミニウムを含有するフェルールと、を備える中性子線検出装置。
  2. 前記フェルールの径方向の厚さは0.75mm以下である請求項1に記載の中性子線検出装置。
  3. 前記シンチレータ、及び、前記光ファイバの前記一端部の少なくとも一部を覆うと共に、前記シンチレータによって発せられた前記光以外の光を遮蔽するキャップと、
    前記シンチレータ、及び、前記光ファイバの前記一端部の少なくとも一部を覆うと共に、Liを含有し、所定のエネルギーより低いエネルギーを有する中性子線を遮蔽するシールドと、を更に備える請求項1又は2に記載の中性子線検出装置。
  4. 前記キャップ及び前記シールドの内側に、前記シンチレータの少なくとも一部を覆うと共に、前記光を反射する反射部を更に備える請求項3に記載の中性子線検出装置。
  5. 前記反射部は、前記光ファイバにおける前記光の伝達方向に対して反対方向へ凸となる曲面をなしている請求項4に記載の中性子線検出装置。
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