JP2016163452A - 3相回転電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デッドタイムに起因した時比率の設定精度の低下を好適に抑制することのできる3相回転電機の制御装置を提供する。
【解決手段】キャリアの周期Tcの複数倍(たとえば3倍)の長さを有する複数周期TD内の各時比率D(1),D(2),D(3)には互いに相違する値のものを設ける。そして、これら時比率D(1),D(2),D(3)の平均値を、3相回転電機の制御量を指令値に制御する上での操作量である要求時比率(たとえば89%)とする。ここで、時比率D(1),D(2),D(3)は、上側アームのスイッチング素子および下側アームのスイッチング素子を相補的にオン・オフ操作する際に設けられるデッドタイムの影響を受けることなく高精度に設定できる値とされる。
【選択図】図5

Description

本発明は、直流電圧源の正極および負極のそれぞれと3相回転電機の各端子との間を開閉するスイッチング素子を備えるインバータを操作することで前記3相回転電機の制御量を制御する3相回転電機の制御装置に関する。
インバータを操作することでモータ(3相回転電機)の制御量を制御するに際して、120°通電方式を利用することが周知である。この際、120°通電期間において、実際に直流電圧源の電圧をモータに印加する時間を間引くために、PWM処理をすることも周知である。また、特許文献1に見られるように、PWM処理がなされる場合、直列接続された上側アームのスイッチング素子および下側アームのスイッチング素子を相補的にオン・オフ操作することも提案されている。
特開2009−165298号公報
ところで、上側アームのスイッチング素子および下側アームのスイッチング素子を相補的にオン・オフ操作する場合、それら直列接続された一対のスイッチング素子の双方がオン状態となる上下アーム短絡を回避するために、デッドタイムが設けられることが周知である。ただし、上記特許文献1記載の技術において、デッドタイムが設けられると、スイッチング素子のオン・オフ操作の1周期に対するオン操作時間の時比率の設定に制約が生じる。詳しくは、オン・オフ操作の1周期に対するオン操作時間やオフ操作時間がデッドタイムによって定まる上限値を上回ったり下限値を下回ったりする場合、これに対応する時比率の設定精度が低下する。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、デッドタイムに起因した時比率の設定精度の低下を好適に抑制することのできる3相回転電機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.3相回転電機の制御装置は、直流電圧源の正極および負極のそれぞれと3相回転電機の各端子との間を開閉するスイッチング素子を備えるインバータを操作することで、前記3相回転電機の3個の端子のうちの2個の端子を前記3相回転電機の回転に応じて変更しつつ通電端子に設定し、該2個の通電端子の一方から他方に電流を流す通電処理を実行する3相回転電機の制御装置において、前記2個の通電端子のうちの少なくとも一方に接続される上側アームのスイッチング素子と下側アームのスイッチング素子とを、デッドタイムを設けて相補的にオン・オフ操作するPWM処理部と、前記3相回転電機の制御量を指令値に制御すべく前記PWM処理部による相補的なオン・オフ操作の1周期に対するオン操作時間の時比率を操作する時比率操作処理部と、を備え、前記時比率操作処理部は、前記指令値に制御する上で要求される時比率である要求時比率を算出する時比率算出処理部と、前記オン・オフ操作の複数周期における個々の時比率に相違するものを有するようにして当該複数周期の時比率の平均値を前記要求時比率に制御する平均処理部と、を備えることを特徴とする。
上記構成では、時比率操作処理部によって、3相回転電機の制御量を指令値に制御するための操作量が時比率とされている。そして、平均処理部によって、インバータを構成するスイッチング素子のオン・オフ操作の実際の時比率の複数周期における平均値が、操作量としての要求時比率に制御される。このため、デッドタイムに起因して、単一の周期の時比率を要求時比率に精度よく設定することのできない場合であっても、平均値を要求時比率に精度よく設定することができる。このため、デッドタイムに起因した時比率の設定精度の低下を好適に抑制することができる。
2.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記平均処理部によって相違するものを有するようにされた時比率の中には、100%となるものが含まれる。
100%よりも小さいものの100%に近い時比率は、デッドタイムに起因してその設定精度が低下しやすい。そして、複数周期の時比率の平均値を100%に近い要求時比率に高精度に制御する上では、100%よりも小さく高精度に設定可能な時比率のみならず、100%の時比率を用いることが要求される。この点、上記構成では、平均処理部が100%の時比率を利用することで、これと100%よりも小さく高精度に設定可能な時比率とを組み合わせることで、複数周期の時比率の平均値を100%に近い要求時比率に高精度に制御することができる。
3.上記2記載の3相回転電機の制御装置において、前記平均処理部は、前記要求時比率が、デッドタイムに起因して前記オン・オフ操作の1周期の間では実現できないことを条件に、前記平均値によって前記要求時比率を実現する。
上記構成では、要求時比率が、デッドタイムに起因してオン・オフ操作の1周期の間では実現できないことを条件に、平均値によって要求時比率を実現するため、1周期の時比率を要求時比率とすることができるときには、平均値のみならず1周期の時比率を要求時比率とする。このため、複数周期の時比率に相違するものがあるようにしつつ平均値を要求時比率とする処理を常時行う必要がないため、当該制御装置の演算負荷または記憶データ量を低減することができる。
4.上記1〜3のいずれか1つに記載の3相回転電機の制御装置において、前記平均処理部は、前記複数周期の個々の時比率の組み合わせと、該組み合わせによって実現される平均時比率と、を対応付けたデータを記憶するメモリを備え、前記データに基づき前記複数周期の個々の時比率を操作する。
上記構成では、制御装置が上記データを用いて複数周期の時比率の平均値を要求時比率に制御するため、平均値への制御のための演算負荷を軽減することができる。
5.上記1〜4のいずれか1つに記載の3相回転電機の制御装置において、前記平均処理部は、前記複数周期が経過することを条件に、前記平均値に対する指令値としての前記要求時比率を更新する。
上記構成では、複数周期の途中で要求時比率が更新されることがない。このため、平均時比率が要求時比率に応じたものとなる前に、要求時比率が更新されないため、平均時比率を要求時比率に高精度に制御することができる。
6.上記5記載の3相回転電機の制御装置において、前記時比率算出処理部は、前記平均処理部が前記平均値に対する指令値としての前記要求時比率を更新するタイミングとは独立に、前記要求時比率を算出更新する。
上記構成では、時比率算出処理部は、平均処理部が時比率の平均値を要求時比率に制御する上で必要な複数周期が経過したか否かにかかわらず要求時比率を算出更新する。しかし、平均処理部では、時比率算出処理部によって要求時比率が新たに算出されたか否かとは独立に、平均値に対する指令値としての要求時比率を更新する。このため、複数周期の途中で平均値に対する指令値としての要求時比率が変更されることがない。
一実施形態にかかる制御装置内蔵のシステム構成図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる時比率の推移例を示すタイムチャート。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる相補的なオン・オフ操作を示す回路図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる相補的なオン・オフ操作信号を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる配列組み合わせデータを例示するタイムチャート。 同実施形態にかかる時比率の操作処理の手順を示す流れ図。 同実施形態との比較例にかかる時比率の操作処理の手順を示す流れ図。
以下、3相回転電機の制御装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。図1に示すモータ10は、表面磁石同期電動機(SPMSM)である。また、モータ10は、3個のステータコイル同士がY結線されたものである。モータ10は、車両の駆動系に備えられるCVT(無段変速装置)14にオイルを吐出するオイルポンプ12に内蔵されている。モータ10には、インバータINVを介してバッテリ(直流電圧源)16が接続されている。インバータINVは、バッテリ16の正極および負極のそれぞれとモータ10の3個の端子Tu,Tv,Twのそれぞれとの間を開閉する回路である。
なお、図1においては、インバータINVを構成するスイッチング素子(MOS電界効果トランジスタ)の符号のうちモータ10の3個の端子Tu,Tv,Twのそれぞれに接続されるものに、「u,v,w」のそれぞれを付与し、また、上側アームに「p」を、下側アームに「n」を付与している。なお、以下では、「u,v,w」を総括して「¥」と表記し、「p,n」を総括して「#」と表記する。すなわち、インバータINVは、バッテリ16の正極とモータ10の端子T¥との間を開閉するスイッチング素子S¥pと、バッテリ16の負極とモータ10の端子T¥との間を開閉するスイッチング素子S¥nとの直列接続体を備えて構成されている。なお、これらスイッチング素子S¥#のそれぞれにはダイオードD¥#が逆並列接続されている。
バッテリ16の正極および負極に接続されるインバータINVの一対の入力端子の間には、電圧センサ18が設けられており、電圧センサ18によってインバータINVの入力電圧Vdcが検出される。また、インバータINVの負極側の入力端子とバッテリ16の負極との間(負極側の直流母線)には、シャント抵抗20が設けられている。そしてシャント抵抗20の両端の電圧降下は、電圧センサ22によって検出される。電圧センサ22は、電圧降下の検出によって、直流母線を流れる電流Iを検出する。
制御装置30は、位相検出回路32と、制御部34とを備えている。ここで、位相検出回路32は、モータ10の端子電圧V¥に誘起電圧が現れるときに、同誘起電圧の所定の位相を検出するものである。本実施形態では、所定の位相を、各端子に現れる誘起電圧の符号が反転する位相とする。換言すれば、誘起電圧のゼロクロスが生じる位相とする。位相検出回路32の構成としては、周知技術を適用すればよい。具体的には、たとえば、中性点の電圧と各端子電圧V¥との大小の反転タイミングをゼロクロスタイミングとして検出するものや、インバータINVの入力電圧の「1/2」と各端子電圧V¥との大小の反転タイミングをゼロクロスタイミングとして検出するもの等を採用することができる。
制御部34は、中央処理装置(CPU)とメモリ34aとを備え、メモリ34aに格納されたプログラムをCPUによって実行することで、モータ10の制御量を制御すべく、インバータINVを操作する。すなわち、インバータINVのスイッチング素子S¥#に操作信号g¥#を出力することで、インバータINVを操作する。なお、操作信号g¥#を出力するに際しては、制御部34にドライブ回路を備え、CPUからの信号をドライブ回路を介してインバータINVに出力するようにしてもよい。
ここで、インバータINVの操作を、本実施形態では、120°通電方式を利用して行う。すなわち、モータ10の3個の端子T¥のうちの2個を通電端子TJ,TK(J,Kは、互いに相違し、u,v,wのいずれか)とし、この2個の通電端子TJ、TKの組をモータ10の回転に伴って変更する。
図2に、本実施形態にかかるインバータINVのスイッチング操作パターンを示す。
図2(a)は、後述する、スイッチング素子S¥nのオン・オフ操作の1周期に対するオン時間の時比率Dの要求値(要求時比率D*)が100%である場合を示している。図2(a)に示されるように、制御部34は、モータ10の3個の端子T¥のうちの2個の通電端子TJ、TKのそれぞれに接続されたステータコイルに電流を流す期間を設けてモータ10を駆動する。ここで、通電端子TJ,TKのそれぞれに接続されたステータコイルは、それらへの通電によって生成される磁束の合成ベクトルが、磁極に直交する方向を中心として進角側および遅角側に等しい幅を有する角度領域となるものとする。この角度領域を、120°通電方式に従って、「120°」の角度領域とする。
図2(b)は、モータ10を流れる電流Iを指令値I*にフィードバック制御するための操作量として、要求時比率D*が100%よりも小さい値である場合を示している。この場合、要求時比率D*が100%であるときのスイッチング素子S¥nのオン操作期間がオン操作許可領域とされ、この期間において、スイッチング素子S¥nがオン・オフ操作される。なお、要求時比率D*は、たとえば、指令値I*と電流Iとの偏差を入力とする比例要素の出力値および積分要素の出力値の和とすればよい。また、本実施形態では、要求時比率D*は、制御部34によって、所定の時間周期で算出更新されることを想定している。なお、この所定の時間周期は、モータ10が想定最高回転速度で定常回転しているときにおいて、1回転の間に要する時間よりも短いことが望ましい。
図2(b)に示すように、本実施形態では、スイッチング素子S¥nのオン操作許可領域において、スイッチング素子S¥nをオン・オフ操作する場合、これに直列接続されたスイッチング素子S¥pを相補的にオン・オフ操作する。これは、電力損失を低減するための設定である。以下、これについて図3に基づき説明する。
図3(a)は、通電端子Tuから通電端子Tvに電流を流すために、スイッチング素子Supをオン操作して且つ、スイッチング素子Svnをオン操作している状態を示す。この場合、バッテリ16からスイッチング素子Supを流れた電流は、通電端子Tu,Tvを介してスイッチング素子Svnに流れる。ここで、図3(b)に示すように、スイッチング素子Svnをオフ操作して且つ、スイッチング素子Svpをオン操作する場合、通電端子Tu,通電端子Tv,スイッチング素子Svp,スイッチング素子Supの経路に電流が流れる。この際、ダイオードDvpにはほとんどまたは全く電流が流れない。これは、スイッチング素子Svpの電圧降下が、ダイオードDvpの順方向電圧降下よりも小さいためである。これに対し、スイッチング素子Svnをオフ操作したときにもスイッチング素子Svpをオフ状態にしておく場合には、図3(b)に示す電流の経路がスイッチング素子SvpからダイオードDvpに変更される。そしてこの場合には、図3(b)に示す場合と比較すると、損失が大きくなる。
上記のように、直列接続されたスイッチング素子S¥p,S¥nを相補的にオン・オフ操作する場合、スイッチング素子S¥pとスイッチング素子S¥nとの双方を貫通するいわゆる短絡電流が流れることが懸念される。このため、本実施形態では、図4に示すようにしてデッドタイムを設ける。
図4(a)に示すように、本実施形態では、PWM処理のキャリアの周期Tcの始点においてスイッチング素子S¥nをオン操作し、その後、スイッチング素子S¥nをオフ操作するタイミングに対してスイッチング素子S¥pをオン操作するタイミングをデッドタイムDTだけ遅延させる。そして、キャリアの周期Tcの終点よりもデッドタイムだけさかのぼったタイミングでスイッチング素子S¥pをオフ操作する。
この場合、図4(b)に示すように、スイッチング素子S¥nをオン状態とする時間が「Tc−2・DT」以上となる場合、スイッチング素子S¥pをオン操作することができない。したがって、時比率Dが「100・(Tc−2・DT)/Tc」を上回って且つ100%よりも小さい場合、この時比率Dに設定することができない。ここで、本実施形態では、キャリアの周期Tcを「70μs」として且つデッドタイムDTを「5μs」とすることを例示する。この場合、86%を上回って且つ100%よりも小さい時比率を設定することはできない。
そこで本実施形態では、複数の周期Tcにおける個々の時比率Dの値に相違させるものを有するようにして、それら複数の周期Tcのそれぞれの時比率Dの平均値を要求時比率D*に制御する。図5に、複数周期TDの時比率Dの平均値を要求時比率D*とする手法を例示する。図5では、キャリアの3個の周期Tcにおけるそれぞれの時比率D(1)、D(2),D(3)を、86%、100%、および81%のそれぞれとする。この場合、3周期からなる複数周期TDの時比率Dの平均値は、89%となる。すなわち、この例の場合、単一の周期Tcにおける時比率Dとして設定できない89%の時比率Dを、3周期の平均値によって実現できる。
本実施形態では、単一の周期Tcにおける時比率Dとして設定できない86%を超える時比率Dを、複数周期TDの平均値として実現可能な時比率Dの組み合わせ配列データをメモリ34aに記憶しておき、要求時比率D*が86%を上回る場合、これに基づき各時比率Dを設定する。なお、組み合わせ配列データは、複数周期TD(図3では3周期を例示したが、これに限らない)内の各周期Tcにおける時比率D(i)の組み合わせと、複数周期TDにおける時比率の平均値との関係を定めたデータである。
図6に、本実施形態にかかる時比率Dの操作処理の手順を示す。この処理は、制御部34によって、たとえば上記キャリアの周期Tcで繰り返し実行される。
この一連の処理において、制御部34は、まず、変数iを初期化する(S10)。次に制御部34は、モータ10が駆動状態であるか否かを判断する(S12)。ここでモータ10の駆動状態とは、インバータINVのスイッチング素子S¥#に操作信号g¥#を出力してインバータINVを操作している状態のこととする。そして制御部34は、モータ10の駆動状態であると判断する場合(S12:YES)、変数iがゼロであるか否かを判断する(S14)。そして、制御部34は、変数iがゼロであると判断する場合(S14:YES)、要求時比率D*を取得する(S16)。
次に、制御部34は、要求時比率D*が上限値Dthよりも大きいか否かを判断する(S18)。この処理は、要求時比率D*を単一の周期Tc内に実現できるか否かを判断するためのものである。ここで、上限値Dthを、本実施形態では、86%に設定する。制御部34は、上限値Dth以下であると判断する場合(S18:NO)、個々の時比率Dを要求時比率D*に設定する(S20)。そして、制御部34は、設定された時比率Dとなるようにスイッチング素子S¥nをオン・オフ操作する(S22)。
一方、制御部34は、ステップS14において否定判断する場合や、ステップS18において肯定判断する場合には、組み合わせ配列データに基づき時比率D(i)を選択する(S24)。ここで、たとえば、ステップS18において肯定判断された場合には、要求時比率D*に対応する複数周期TDの時比率Dの組み合わせデータを選択し、そのデータの先頭の時比率D(1)を選択する。一方、ステップS14において否定判断された場合には、既に選択されているデータにおける未だ選択されていない時比率D(i)を選択する。
そして、制御部34は、ステップS24において選択した時比率D(i)を、今回のスイッチング素子S¥nのオン・オフ操作の時比率Dに設定し、変数iをインクリメントする(S26)。次に、制御部34は、変数iが閾値ith以上であるか否かを判断する(S28)。ここで、閾値ithは、組み合わせ配列データが、時比率Dの平均値を要求時比率D*とするために設定している周期Tcの数(TD/Tc)に設定されている。そして、制御部34は、閾値ith以上であると判断する場合(S28:YES)、変数iを初期化する(S30)。そして、制御部34は、変数iを初期化した場合や、ステップS28において否定判断した場合には、ステップS22に移行する。そして、制御部34は、ステップS22の処理が完了すると、ステップS12に戻る。
なお、制御部34は、ステップS12において否定判断する場合、図6に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
要求時比率D*が上限値Dthを超える場合、単一の周期Tcではなく、複数周期TDにおける時比率Dの平均値を要求時比率D*に制御するように、各周期Tcの時比率Dが設定される。このため、要求時比率D*が上限値Dthを超える場合であっても、モータ10を流れる電流Iを指令値I*に制御する制御性が向上する。
これに対し、図7に、要求時比率D*が上限値Dthを超える場合には、時比率Dを100%とする場合を例示する。なお、図7において図6に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。図7に示す処理では、ステップS18において肯定判断される場合、ステップS40において時比率Dが100%とされる。この処理では、たとえば要求時比率D*が87%である場合、時比率Dが100%とされることで、電流Iが指令値I*を大きく上回るおそれがある。そしてこの場合、時比率Dが86%よりも小さい値に更新される。すると、電流Iが指令値I*よりも小さくなり、要求時比率D*が再度、86パーセントを上回る。このため、モータ10のトルク変動が大きくなる。
なお、要求時比率D*の上限を上限値Dthとする場合には、電流Iを指令値I*に制御できなくなるおそれがある。また、要求時比率D*が上限値Dthを超える場合に限って、上側アームのスイッチング素子S¥pを相補的にオン・オフ操作することを停止することは、制御部34の構成を、上側アームのスイッチング素子S¥pを相補的にオン・オフ操作するモードと、常時オフするモードとの切替が可能なものとする必要が生じる。そして、これは制御部34のコストアップにつながる。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)オン・オフ操作の複数周期TDにおける個々の時比率Dに相違するものを有するようにして複数周期TDの時比率Dの平均値を要求時比率D*に制御した。これにより、デッドタイムに起因して、単一の周期Tcの時比率Dを要求時比率D*に精度よく設定することのできない場合であっても、平均値を要求時比率D*に精度よく設定することができる。このため、デッドタイムに起因した時比率の設定精度の低下を好適に抑制することができる。
(2)組み合わせ配列データによって規定される複数周期TDのそれぞれの時比率D(i)の中に、100%となるものを含めた(図5)。100%の時比率と100%よりも小さく高精度に設定可能な時比率とを組み合わせることで、複数周期TDの時比率D(i)の平均値を100%に近い要求時比率D*に高精度に制御することができる。
(3)要求時比率D*が、デッドタイムに起因してオン・オフ操作の1周期の間では実現できない時比率(上限値Dthよりも大きい時比率)である場合に、平均値によって要求時比率D*を実現した。これにより、1周期(周期Tc)の時比率Dを要求時比率D*とすることができるときには、平均値のみならず1周期の時比率Dを要求時比率D*とする。このため、平均値を要求時比率D*とする処理を常時行う必要がないため、組み合わせ配列データのデータ量を低減することができる。
(4)複数周期TDの個々の時比率の組み合わせと、組み合わせによって実現される平均時比率と、を対応付けたデータ(組み合わせ配列データ)をメモリ34aに記憶し、これを用いて時比率Dの平均値を要求時比率D*に制御した。このため、平均値への制御のための制御部34の演算負荷を軽減することができる。
(5)複数周期TDの時比率D(i)の平均値に対する指令値としての要求時比率D*を、組み合わせ配列データによって規定される複数周期TDが経過することを条件に更新した(S14,S28,S30)。このため、未だ時比率D(i)の平均値が要求時比率D*とならない時点で、新たな要求時比率D*への制御が要求されることがないため、要求時比率D*への制御性を向上させることができる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。以下において、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と上記実施形態との対応関係を符号等によって例示した部分があるが、これには、例示した対応関係に上記事項を限定する意図はない。
・「平均処理部(S24〜S30)について」
上記実施形態では、複数周期TD内における時比率Dの平均値に対する指令値となる要求時比率D*を、複数周期TDにわたって更新しなかったが、これに限らない。たとえば、平均値への制御のための要求時比率D*を、平均値への制御とは無関係に更新してもよい。ただし、この際の要求時比率D*の更新周期は、複数周期TD以上の長さを有する時間間隔であることが望ましい。
上記実施形態では、メモリ34aに組み合わせ配列データを記憶しておき、これに基づき、複数周期の時比率Dの平均値を、電流Iを指令値I*に制御する上での要求時比率D*に制御したがこれに限らない。たとえば、キャリアの複数周期TD内における時比率Dの平均値を要求時比率D*に制御する上での操作量を、「TD/Tc」個の周期Tcのそれぞれにおける時比率Dとしてもよい。これはたとえば、複数周期TD内の最初の周期Tcにおける時比率Dを、上限値Dthに設定し、その後、平均値が要求時比率D*となるように、各周期Tcの時比率Dを操作すればよい。なお、この場合、複数周期TDが経過するまでは、平均値に対する指令値としての要求時比率D*を更新しない。
また、上記実施形態では、要求時比率D*が上限値Dthよりも大きくなる場合にオン操作許可領域内における時比率Dの平均値を要求時比率D*に制御したがこれに限らない。たとえば、要求時比率D*が上限値Dthよりも大きくなるか否かにかかわらず、常時、異なる複数の時比率Dを用いてそれらの平均値を要求時比率D*に制御してもよい。
・「時比率算出処理部(34、図2(b))について」
上記実施形態では、制御量を電流Iとし、これを指令値I*に制御するためのフィードバック操作量として要求時比率D*を設定したがこれに限らない。たとえば制御量をモータ10に流れる電流とし、これを指令値I*に開ループ制御するための操作量として要求時比率D*を設定してもよい。また、制御量としては、モータ10を流れる電流に限らず、たとえばモータ10の回転速度であってもよい。
上記実施形態は、複数周期TDが経過したときであるか否かとは独立に、要求時比率D*を算出したが、これに限らず、複数周期TD毎に要求時比率D*を算出してもよい。
・「PWM処理部(図2(b))について」
上記実施形態では、モータ10の1の通電端子TJから他の通電端子TKへと電流を流す期間において、下側アームのスイッチング素子SKnのオン・オフ操作の時比率を操作対象としたが、これに限らない。たとえば、上側アームのスイッチング素子SJpのオン・オフ操作の時比率を操作対象としてもよい。
上記実施形態では、スイッチング素子S¥#のオン・オフ操作の1周期を、固定の長さを有する周期Tcとしたがこれに限らない。たとえば、1周期をモータ10の回転速度に応じて可変としてもよい。この場合、モータ10の回転速度が高いほど1周期を短い時間に設定することが望ましい。
・「通電処理(図2)について」
上記実施形態では、要求時比率D*が100%の場合、モータ10の1の通電端子TJに接続された上側アームのスイッチング素子SJpと、他の通電端子TKに接続された下側アームのスイッチング素子SKnとの間に電流を流す期間を120°の期間としたがこれに限らない。たとえば、モータ10の1の通電端子TJに接続された上側アームのスイッチング素子SJpと、他の通電端子TKに接続された下側アームのスイッチング素子SKnとの間に電流を流す期間を、120°よりも長い期間としてもよい。この場合、モータ10の3個の端子の全てに電流が流れるオーバーラップ期間が生じるが、オーバーラップ期間においても、モータ10の3個の端子のうちの2個の端子の一方から他方に電流が流れ、しかも、これら2個の端子がモータ10の回転に応じて変更される。なお、モータ10の1の端子に接続された上側アームのスイッチング素子SJpと、他の端子に接続された下側アームのスイッチング素子SKnとの間に電流を流す期間を180°よりも短くするなら、これら2個の端子にのみ電流が流れ、残りの1個の端子には電流が流れない期間が生じる。
・「デッドタイム生成処理について」
図4に例示した態様にて行われるものに限らない。たとえば、時比率と三角波形状のキャリアとの大小比較に基づきPWM信号を生成し、同PWM信号の立ち上がりタイミングを、通電端子T¥に接続されたスイッチング素子S¥nのオフ操作タイミングとして且つ、スイッチング素子S¥pのオン操作タイミングをデッドタイムだけ遅延させてもよい。この場合、PWM信号の立ち下がりタイミングをスイッチング素子S¥pのオフ操作タイミングとして且つ、スイッチング素子SKnのオン操作タイミングをデッドタイムだけ遅延させる。なお、この場合、上限値Dthは、「100・(Tc−DT)/Tc」となる。
10…モータ、12…オイルポンプ、14…CVT、16…バッテリ、18…電圧センサ、20…シャント抵抗、22…電圧センサ、30…制御装置、32…位相検出回路、34…制御部、34a…メモリ。

Claims (6)

  1. 直流電圧源の正極および負極のそれぞれと3相回転電機の各端子との間を開閉するスイッチング素子を備えるインバータを操作することで、前記3相回転電機の3個の端子のうちの2個の端子を前記3相回転電機の回転に応じて変更しつつ通電端子に設定し、該2個の通電端子の一方から他方に電流を流す通電処理を実行する3相回転電機の制御装置において、
    前記2個の通電端子のうちの少なくとも一方に接続される上側アームのスイッチング素子と下側アームのスイッチング素子とを、デッドタイムを設けて相補的にオン・オフ操作するPWM処理部と、
    前記3相回転電機の制御量を指令値に制御すべく前記PWM処理部による相補的なオン・オフ操作の1周期に対するオン操作時間の時比率を操作する時比率操作処理部と、を備え、
    前記時比率操作処理部は、前記指令値に制御する上で要求される時比率である要求時比率を算出する時比率算出処理部と、前記オン・オフ操作の複数周期における個々の時比率に相違するものを有するようにして当該複数周期の時比率の平均値を前記要求時比率に制御する平均処理部と、を備えることを特徴とする3相回転電機の制御装置。
  2. 前記平均処理部によって相違するものを有するようにされた時比率の中には、100%となるものが含まれる請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  3. 前記平均処理部は、前記要求時比率が、デッドタイムに起因して前記オン・オフ操作の1周期の間では実現できないことを条件に、前記平均値によって前記要求時比率を実現する請求項2記載の3相回転電機の制御装置。
  4. 前記平均処理部は、前記複数周期の個々の時比率の組み合わせと、該組み合わせによって実現される平均時比率と、を対応付けたデータを記憶するメモリを備え、前記データに基づき前記複数周期の個々の時比率を操作する請求項1〜3のいずれか1項に記載の3相回転電機の制御装置。
  5. 前記平均処理部は、前記複数周期が経過することを条件に、前記平均値に対する指令値としての前記要求時比率を更新する請求項1〜4のいずれか1項に記載の3相回転電機の制御装置。
  6. 前記時比率算出処理部は、前記平均処理部が前記平均値に対する指令値としての前記要求時比率を更新するタイミングとは独立に、前記要求時比率を算出更新する請求項5記載の3相回転電機の制御装置。
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