JP2016160328A - 焼成鉛筆芯 - Google Patents

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JP2016160328A JP2015039512A JP2015039512A JP2016160328A JP 2016160328 A JP2016160328 A JP 2016160328A JP 2015039512 A JP2015039512 A JP 2015039512A JP 2015039512 A JP2015039512 A JP 2015039512A JP 2016160328 A JP2016160328 A JP 2016160328A
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Abstract

【課題】 焼成鉛筆芯について、曲げ強さを向上させようとすると芯体が摩耗しづらくなり、筆記線の濃度が低下してしまう。そこで、更なる焼成鉛筆芯の性能向上のために筆記濃度の低下を抑制し、曲げ強さを向上させた焼成鉛筆芯を提供すること。【解決手段】 少なくとも、黒鉛と、分子内にエステル基を含有するモノマー単位と70mol%以上90mol%以下のアクリロニトリルモノマー単位とから少なくともなる共重合体とを使用して得られる焼成鉛筆芯とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、黒鉛と合成樹脂とを配合し、混練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施して得られる焼成鉛筆芯に関する。
一般的な焼成鉛筆芯は、黒鉛と、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリビニルアルコール、アクリルアミド樹脂、塩素化パラフィン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、ブチルゴムなどの合成樹脂とを主材とし、フタル酸エステルなどの可塑剤、メチルエチルケトンや水などの溶剤、更にステアリン酸塩、ステアリン酸、カーボンブラック等も必要に応じて使用し、これら材料を分散混合および混練して、細線状に押出成形した後、焼成温度まで熱処理を施し、シリコーン油、流動パラフィン、スピンドル油、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー等の油状物やワックス類などを適宜含浸させて製造している。
焼成鉛筆芯に関して、曲げ強さを向上させるための様々な発明が報告されている。例えば、特許文献1では、塩化ビニリデン(含量80%以上)に、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルエステル、不飽和エーテル、アクリル酸エステル、スチレン等を重合させた共重合体用いた鉛筆芯が開示されている。また、特許文献2には、結合材として、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ピッチ、セルロース、ポリアクリロニトリルを使用した焼成鉛筆芯が開示されている。
特開昭51−44027号公報 特開2011−213757号公報
特許文献1に記載の発明にて使用されている塩化ビニリデンや、特許文献2に記載の発明にて使用されているポリ塩化ビニルでは、熱処理の際に塩化水素ガスが発生し、また、特許文献2に記載の発明にて使用されている、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ピッチ、セルロースなどのヒドロキシル基が樹脂分子の主鎖に結合されている樹脂や、エーテル基やケトン基が樹脂分子の主鎖に含まれている樹脂は樹脂分子の酸化により、いずれも樹脂分子の分解反応が促進され、炭化物として焼成芯体の中に残り難いものであり、焼成芯体の強度向上に寄与し難いという問題があった。また、これらの樹脂を熱処理することにより得られる炭化物は、鎖状であると共に分子が分解する際に形成される気孔が存在するため、非常に脆く、大量に使用しても所望の強度に達しないものであった。
また、特許文献2に記載の発明で使用されているポリアクリロニトリルは、分子鎖中に存在するニトリル基の窒素原子は電子飽和の状態にあり、求核能が強いため、近傍のニトリル基の炭素原子とは結合形成反応をするが、自由電子が豊富に存在する黒鉛とは結合形成反応は起こさないので、芯体の曲げ強さを向上させるには限界があった。
本発明は、少なくとも、黒鉛と、分子内にエステル基を含有するモノマー単位と70mol%以上90mol%以下のアクリロニトリルモノマー単位とから少なくともなる共重合体とを配合し、混錬後に細線状に押出成形した後、焼成温度にまで熱処理して得られる焼成鉛筆芯を要旨とする。
共重合体のアクリロニトリルモノマー単位は、熱処理に際して、近接するアクリロニトリルモノマー単位がニトリル基による環化反応が進行して連結され、環状分子が互いに結合を共有するように連なった樹脂の分子構造を形成する。このアクリロニトリルモノマー単位が、共重合体内に70mol%以上存在すると、熱処理によって炭化する際に、近接した環状反応の連続性が高まり、複数のベンゼン環が結合を共有し合い縮合したグラフェンと同様の結晶構造が芯体内で発達した状態を形成するものと推察される。
また、当該共重合体中のエステル基は、酸化よりもエステル基からの脱炭酸が早く進行するので、樹脂分子を分解させることなく、炭素カチオンを生成させることができ、ニトロ基や水酸基などの活性な官能基を持つ黒鉛のエッジ面と共有結合で結合する。
これらによって、アクリルモノマー単位による環状構造が黒鉛と結合した強度の高い炭化物構造が形成され曲げ強さが高い焼成鉛筆芯を得ることができるものと推察される。
以下、本発明を詳述する。
本発明で使用する、分子内にエステル基を含有するモノマー単位と70mol%以上90mol%以下のアクリロニトリルモノマー単位とから少なくともなる共重合体を作製するにあたり、エステル基を含有するモノマー単位の原料として使用できる化合物は、アクリロニトリルモノマーとの重合部分である炭素−炭素不飽和結合と、エステル基とを同一分子内に含む化合物であれば、どのような化合物を用いても良い。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルチミン酸ビニル、安息香酸ビニル、アリルこはく酸ビニル、β―メタリルこはく酸無水物、γ−メチレン−γ−ブチロラクトン等のカルボン酸ビニル化合物や、アクリル酸、メタクリル酸、チグリン酸、クロトン酸、セネシオ酸、フマル酸、マレイン酸、アンゲリカ酸などのα、β−不飽和カルボン酸や、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、チグリン酸エステル、クロトン酸エステル、セネシオ酸エステル、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、アンゲリカ酸エステルなどのα、β−不飽和カルボン酸エステルや、ビニル酪酸、3−ペンテン酸、イタコン酸、3−ヘキセン酸、3−ヘキセン二酸、アコニット酸、3−ブテンー1,2,3−トリカルボン酸などのβ、γ―不飽和カルボン酸や、ビニル酪酸エステル、3−ペンテン酸エステル、イタコン酸エステル、3−ヘキセン酸エステル、3−ヘキセン二酸モノエステル、3−ヘキセン二酸ジエステル、アコニット酸モノエステル、アコニット酸ジエステル、アコニット酸トリエステル、3−ブテンー1,2,3−トリカルボン酸モノエステル、3−ブテンー1,2,3−トリカルボン酸ジエステル、3−ブテンー1,2,3−トリカルボン酸トリエステルなどのβ、γ―不飽和カルボン酸エステルなどが挙げられる。更に、アクリロニトリルモノマー及びエステル基を含有するモノマー以外のモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、2−ブチレン、2−ペンテン、2−ヘキセン、1−シクロペンテン、1,3−シクロペンタジエン、1−シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3,5−シクロヘキサトリエン、1−シクロヘプテン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3,5−シクロヘプタトリエン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、2−エチル−2−ブテン、α−メチルスチレンなども、アクリロニトリルモノマー及びエステル基を含有するモノマーの作用を阻害しない範囲で併用することができる。尚、上記の各モノマーの中から2種以上のモノマーをアクリロニトリルと重合させて共重合体を得ても良い。
分子内にエステル基を含有するモノマー単位とアクリロニトリルモノマー単位とから少なくともなる共重合体として、アクリロニトリルモノマー単位の含有量が70mol%未満であると、縮合環状分子が結合した構造が連続して発達しないので、所望の曲げ強さが得られない。また、樹脂分子鎖中にアクリロニトリルモノマーを90mol%以上含有させるとエステル基を含有するモノマーの含有量が10mol%未満となり、強度の高い炭化物を黒鉛に十分に結合させることができないため、所望の強度が得られない。
尚、共重合体中のモノマーのモル分率は、共重合体の原料となる各モノマーについて、それぞれの溶液から赤外線分光分析によって検量線を作成し、共重合後の溶液内に残存している各モノマーを赤外線分光分析によって残存量を得、残存モル数をそれぞれ算出し、配合した各モノマーの量から差し引いて、共重合体に使用された各モノマーのモル数を算出することができる。
本発明における分子内にエステル基を含有するモノマー単位と70mol%以上90mol%以下のアクリロニトリルモノマー単位とから少なくともなる共重合体の使用量は、黒鉛の使用量に対して70〜150質量%であることが好ましい。当該共重合体を黒鉛の使用量に対して70重量%以上使用することで、この共重合体から得られる炭化物がより多くの黒鉛の周囲に存在させることができるため、黒鉛の周囲にアクリロニトリルモノマー部分から形成される縮合環状分子の結晶構造を黒鉛の配向方向に添って発達させることができるので、高い曲げ強度の芯体が得られる。
また、この共重合体の使用量を黒鉛の使用量に対して150重量%を超えて使用すると、熱による樹脂の変形による骨格の乱れを考慮する必要がある。
本発明で使用する黒鉛は天然黒鉛と人造黒鉛のどちらの黒鉛も用いることができるが、結晶が発達して、へき開性の良好な天然黒鉛を用いることが好ましい。さらに好ましくは天然黒鉛のうち鱗片状黒鉛を用いることである。鱗片状黒鉛は結晶が発達し、その発達した結晶が積層して高いアスペクト比と平滑な表面を持っている。そのため、鱗片状黒鉛は細線状に芯体を成形する際に押出方向に配向して芯体の強度を向上させることができるし、また、その優れたへき開性により滑らかな運筆感と高い筆記濃度とを得ることができる。鱗片状黒鉛の市販品としてはCPシリーズ、CBシリーズ、F#シリーズ(以上、日本黒鉛工業(株)製)、BFシリーズ、CPBシリーズ、SCシリーズ(以上、(株)中越黒鉛工業所製)UFシリーズ、BFシリーズ(以上、富士黒鉛工業(株)製)などが例示できる。
上記の共重合体や黒鉛以外に使用できる材料としては、従来公知の材料を使用できる。例えば、押出成形機での成形性を良くするためのフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリクレジル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、アジピン酸ジオクチル、プロピオンカーボネート等の可塑剤、製造工程中での合成樹脂の熱劣化を防止するためのステアリン酸塩などの安定剤、離形性を高めるためにステアリン酸、ベヘニン酸などの脂肪酸類や脂肪酸アマイド類等の滑材等を使用することができる。さらに、芯体の直径真円度等の芯体外観品質やシャープペンシルのチャック耐圧を高めるためにケイ素、鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛等の金属酸化物や窒化物、雲母、タルク等の粘土鉱物、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、炭素繊維、繊維状チタン酸カリウムなどの無機添加物や、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ジアリールフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性フッ素樹脂などの熱硬化性樹脂も使用することができる。
上記の原材料をヘンシェルミキサーなどによる分散混合、ニーダー、3本ロールなどによる混練の後、細線状に押出成形し、不活性ガス雰囲気で室温から300℃前後までの熱処理を施し、最終的に密閉容器中で800〜1300℃まで熱処理を施して焼成鉛筆芯体を製造する。さらに必要に応じてシリコーン油、流動パラフィン、スピンドル油、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー等の油状物やワックス類などを適宜含浸させて焼成鉛筆芯を製造する。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
<共重合体1の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリルモノマー(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、酢酸ビニルモノマー(東京化成工業(株)製)172.2重量部とを共重合させて、平均分子量が16870である共重合体1を647重量部得た。作成した共重合体1に含有されるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体2の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリルモノマー(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、酪酸ビニルモノマー(東京化成工業(株)製)228.2重量部とを共重合させて、平均分子量が18630である共重合体2を633重量部得た。作成した共重合体2に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体3の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリルモノマー(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、アクリル酸モノマー(東京化成工業(株)製)144.2重量部とを共重合させて、平均分子量が16300である共重合体3を538重量部得た。作成した共重合体3に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体4の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、クロトン酸(東京化成工業(株)製)172.2重量部とを共重合させて、平均分子量が17300である共重合体4を544重量部得た。作成した共重合体4に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体5の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、チグリン酸エチル(東京化成工業(株)製)256.4重量部とを共重合させて、平均分子量が19450である共重合体5を634重量部得た。作成した共重合体5に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体6の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、メタクリル酸メチル(東京化成工業(株)製)200.2重量部とを共重合させて、平均分子量が19120である共重合体6を578重量部得た。作成した共重合体6に含まれるのアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体7の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、ビニル酢酸(東京化成工業(株)製)172.2重量部とを共重合させて、平均分子量が16930である共重合体7を649重量部得た。作成した共重合体7に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体8の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、3−ヘキセン酸(東京化成工業(株)製)228.2重量部とを共重合させて、平均分子量が18570である共重合体8を628重量部得た。作成した共重合体8に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体9の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、ビニル酢酸メチル(東京化成工業(株)製)219.2重量部とを共重合させて、平均分子量が17910である共重合体9を597重量部得た。作成した共重合体9に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体10の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、イタコン酸モノメチル(東京化成工業(株)製)288.2重量部とを共重合させて、平均分子量が18570である共重合体10を669重量部得た。作成した合共重合体10に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体11の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、安息香酸ビニル(東京化成工業(株)製)148.2重量部と、マレイン酸(東京化成工業(株)製)116.1重量部とを共重合させて、平均分子量が18570である共重合体11を673重量部得た。作成した共重合体11に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体12の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、スチレン(東京化成工業(株)製)104.0重量部と、アコニット酸トリメチル(東京化成工業(株)製)216.2重量部とを共重合させて、平均分子量が18570である共重合体12を673重量部得た。作成した共重合体12に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体13の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)477.0重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)86.1重量部とを共重合させて、平均分子量が14370である共重合体13を542重量部得た。作成した共重合体13に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は90mol%であった。
<共重合体14の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)371.0重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)258.3重量部とを共重合させて、平均分子量が17510である共重合体14を595重量部得た。作成した共重合体14に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は70mol%であった。
<共重合体15の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)530重量部を重合させて、平均分子量が13390である共重合体15を524重量部得た。作成した共重合体15に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は100mol%であった。
<共重合体16の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)503.5重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)43.1重量部とを共重合させて、平均分子量が14040である共重合体16を511量部得た。作成した共重合体16に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は95mol%であった。
<共重合体17の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)482.3重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)77.5重量部とを共重合させて、平均分子量が14660である共重合体17を549量部得た。作成した共重合体17に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は91mol%であった。
<共重合体18の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)365.7重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)266.9重量部とを共重合させて、平均分子量が17200である共重合体18を595量部得た。作成した共重合体18に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は69mol%であった。
<共重合体19の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)344.5重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)301.4重量部とを共重合させて、平均分子量が17890である共重合体19を607量部得た。作成した共重合体19に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は65mol%であった。
<共重合体20の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)265.0重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)430.5重量部とを共重合させて、平均分子量が18170である共重合体20を650量部得た。作成した共重合体20に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は50mol%であった。
<共重合体21の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)132.5重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)645.8重量部とを共重合させて、平均分子量が20050である共重合体21を746量部得た。作成した共重合体21に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は25mol%であった。
<共重合体22の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)26.5重量部と、酢酸ビニル(東京化成工業(株)製)818.0重量部とを共重合させて、平均分子量が22450である共重合体22を787量部得た。作成した共重合体22に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は5mol%であった。
<共重合体23の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、塩化ビニル(関東化学(株)製)125.0重量部とを共重合させて、平均分子量が15800である共重合体23を517量部得た。作成した共重合体23に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体24の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、塩化ビニリデン(東京化成工業(株)製)194.0重量部とを共重合させて、平均分子量が18800である共重合体24を582量部得た。作成した共重合体24に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体25の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)106.2重量部と、塩化ビニリデン(東京化成工業(株)製)776.0重量部とを共重合させて、平均分子量が21050である共重合体25を848量部得た。作成した共重合体25に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は20mol%であった。
<共重合体26の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、ビニルアルコール(東京化成工業(株)製)88.2重量部とを共重合させて、平均分子量が13980である共重合体26を475量部得た。作成した共重合体26に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体27の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、スチレン(東京化成工業(株)製)208.2重量部とを共重合させて、平均分子量が13980である共重合体27を475量部得た。作成した共重合体27に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<共重合体28の作成>
エタノール溶液中にてアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)424.8重量部と、スチレン(東京化成工業(株)製)208.2重量部とを共重合させて、平均分子量が13980である共重合体28を475量部得た。作成した合成樹脂28に含まれるアクリロニトリルモノマー単位は80mol%であった。
<実施例1>
共重合体1 50重量部
鱗片状黒鉛 50重量部
ジオクチルフタレート 10重量部
ステアリン酸 2重量部
メチルエチルケトン 10重量部
上記材料を配合物として、ニーダー及び3本ロールにより十分に混練後、細線状に押し出し、空気中で300℃まで加熱し、更に、不活性雰囲気中で1000℃まで加熱し、呼び径0.5mmの焼成芯体を得た。
<実施例2〜14>
実施例1において、共重合体1を、それぞれ共重合体2〜14に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例15>
実施例1において、共重合体1の使用量を10重量部に、黒鉛の使用量を90重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例16>
実施例1において、共重合体1の使用量を30重量部に、黒鉛の使用量を70重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例17>
実施例1において、共重合体1の使用量を41重量部に、黒鉛の使用量を59重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例18>
実施例1において、共重合体1の使用量を41.3重量部に、黒鉛の使用量を58.7重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例19>
実施例1において、共重合体1の使用量を55重量部に、黒鉛の使用量を45重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例20>
実施例1において、共重合体1の使用量を60重量部に、黒鉛の使用量を40重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例21>
実施例1において、共重合体1の使用量を60.2重量部に、黒鉛の使用量を39.8重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例22>
実施例1において、共重合体1の使用量を65重量部に、黒鉛の使用量を35重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例23>
実施例1において、共重合体1の使用量を66.7重量部に、黒鉛の使用量を33.3重量部に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例24>
実施例1において、鱗片状黒鉛を土壌黒鉛に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<実施例25>
実施例1において、鱗片状黒鉛を人造黒鉛に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<比較例1〜14>
実施例1において、共重合体1を、それぞれ共重合体15〜28に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
<比較例15>
実施例1において、共重合体1を塩化ビニル樹脂に変更した他は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
上記各例により得られた焼成鉛筆芯についてJIS S 6005に準じて曲げ強さを、JIS S 6005に準じて濃度を測定した。
Figure 2016160328
実施例では、少なくとも、黒鉛と、分子内にエステル基を含有するモノマー単位と70mol%以上90mol%以下のアクリロニトリルモノマー単位とから少なくともなる共重合体とを配合することで、比較例1や比較例11にある従来の焼成鉛筆芯よりも高い曲げ強さの芯体が得られている。
実施例1〜11において、エステル基を含有するモノマーを種々変化させて作製した共重合体を用いて検討を行ったところ、どの共重合体を用いても、縮合環状構造の結晶構造を持った炭化物と黒鉛とが十分に結合され、曲げ強さの高い芯体が得られている。
また、実施例12では、アクリロニトリルモノマーと、エステル基を含有するモノマーと、エステル基を含有していない炭化水素化合物のモノマーとを組み合わせて得られた共重合体を用いて検討を行っているが、共重合体の分子内にわずかにでもエステル基が存在すれば、共重合体から得られる炭化物と黒鉛とが結合することができるので、曲げ強さの高い芯体が得られるということが分かる。
実施例1、実施例13、実施例14では、共重合体の分子内におけるアクリロニトリルモノマー単位の含有比率を70〜90mol%まで変化させた検討を行っている。この結果から分かるように、共重合体の分子内におけるアクリロニトリルモノマー単位の含有比率が70〜90mol%であれば、炭化物の分子内に縮合環状分子の結晶構造が強固に組まれるので、炭化物の強度が高まって、曲げ強さの高い芯が得られている。
また、実施例1、実施例13、実施例14と、共重合体の分子内におけるアクリロニトリルモノマー単位の含有比率が91mol%以上である比較例1〜3とを比較すると、共重合体の分子内におけるアクリロニトリルモノマー単位の含有比率が90mol%以下とすることで、強度の高い炭化物と黒鉛とが強固に結合されて、芯体の曲げ強さを向上させることができることがわかる。
さらに、実施例1、実施例13、実施例14と、共重合体の分子内におけるアクリロニトリルモノマー単位の含有比率が70mol%以下である比較例4〜8とを比較すると、共重合体の分子内におけるアクリロニトリルモノマー単位の含有比率が70mol%以上とすることで、アクリロニトリルモノマー単位から形成される縮合環状分子の結晶構造が十分発達させることができるので芯体の曲げ強さを向上させることができることがわかる。
また、実施例15〜23では、黒鉛の使用量に対する共重合体の使用量を変化させた検討を行っている。黒鉛の使用量に対する共重合体の使用量が70%未満の実施例15〜17よりも、黒鉛の使用量に対する共重合体の使用量が70〜150%である実施例18〜20の方が、焼成芯体中での炭化物量が多いため、共重合体から得られる炭化物が黒鉛を十分に結合しているので曲げ強さの高い芯体が得られている。また、黒鉛の使用量に対する共重合体の使用量が150%を超える実施例21〜23よりも、黒鉛の使用量に対する共重合体の使用量が70〜150%である実施例18〜20の方が、黒鉛粒子で構成される配向骨格を共重合体から得られる炭化物が乱すことが無いため、曲げ強さの高い芯体が得られている。
また、実施例1、実施例24、実施例25では、黒鉛の種類の検討を行っている。実施例1では天然黒鉛である鱗片状黒鉛を用いており、実施例24では天然黒鉛である土壌黒鉛を用いており、実施例25では人造黒鉛を用いている。実施例25よりも実施例1及び実施例24の方が曲げ強さが高く、また、実施例24よりも実施例1の方が曲げ強さが高いことが分かる。このことより、焼成鉛筆芯の製造には、鱗片状黒鉛が好適であることが分かる。
さらに、比較例9〜11では、分子内にハロゲン元素を含むモノマーをアクリロニトリルと共重合させて得られる共重合体を用いた検討がなされている。また、比較例12では酸素原子が分子内に存在するモノマーをアクリロニトリルと共重合させて得られる共重合体を用いた検討がなされている。これらの芯体は、熱処理時に発生する塩化水素ガスの影響や、共重合体の分子の酸化反応の影響により、焼成鉛筆芯体中に炭化物がほとんど残存しておらず、曲げ強さが低下している。
また、比較例13、比較例14の検討では、解重合型樹脂の原料モノマーをアクリロニトリルと共重合させて得られる共重合体を用いた検討がなされているが、熱処理時に共重合体の分解反応が促進されて、焼成鉛筆芯体中に炭化物がほとんど残存していないので、曲げ強さが低下していることがわかる。

Claims (2)

  1. 少なくとも、黒鉛と、分子内にエステル基を含有するモノマー単位と70mol%以上90mol%以下のアクリロニトリルモノマー単位とから少なくともなる共重合体とを配合し、混錬後に細線状に押出成形した後、焼成温度にまで熱処理して得られる焼成鉛筆芯。
  2. 前記共重合体を、黒鉛の使用量に対して80から150%使用して得られる請求項1に記載の焼成鉛筆芯。
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