JP2016160200A - 柚子花精油及び化粧料用香料並びに化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】精油の原料として認識されていなかった柚子の花を原料とすることによって、
従来の柚子の果実や果皮を原料とする柚子の精油の爽やかな香りと異なる一線を画した個性ある香りを提供する。
【解決手段】本発明は柚子の農園の開花時の香りを精油として抽出するために、柚子の花を原料として抽出した柚子花精油を提供する。この柚子花精油中の成分として、ミルテノール及びフェニルアセトアルデヒドを含有しており、更に、精油中の成分として、ミルテノール,フェニルアセトアルデヒド,ケトール及びCis−ジャスモンを含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、柚子花精油及び化粧料用香料並びに化粧料に関し、従来、精油の原料として認識されていなかった柚子の花を原料とすることによって、従来の柚子の果実や果皮を原料とする柚子の精油の爽やかな香りと異なる一線を画した個性ある香りを提供するものである。
香酸柑橘類である柚子(学名:Citrus junos)の果実は酸味が強くて生食には向かないが、果汁や果皮は独特の芳香や香味を有するため、酸味料や食材として重宝されている。例えば、柚子の果汁は、ぽん酢等の調味料の材料や飲料の材料として、又果皮も料理の薬味や、ジャムやマーマレードの原料として多用途に利用されている。
更に、柚子の果実や果皮から抽出した芳香物質である精油も各種の香料やアロマテラピーに広く利用されている。例えば、柚子の果実を原料として、エタノール水溶液を使用して抽出した精油を配合した化粧料が提供されている(特許文献1)。柚子から抽出した精油は「柑橘系の爽やかな香り」として周知・認識されており、一般に広く親しまれている精油のひとつである。
特公平7−55888号公報
表1は柚子の果実を原料として水蒸気蒸留法により抽出した従来の柚子の精油の成分表であり、図7は同じく柚子の果実を原料とする従来の柚子の精油のガスクロマトグラムである。また、表2は柚子の果皮を原料として圧搾法により抽出した従来の柚子の精油の成分表であり、図8は同じく柚子の果皮を原料とする従来の柚子の精油のガスクロマトグラムである。
Figure 2016160200
Figure 2016160200
表2の精油は抽出手段が圧搾法であるため、水蒸気蒸留法により抽出した表1の精油に比べて、含有成分が多種類となっている。最も多い含有成分は両者ともにリモネン(limonene)であり、表1の精油では59.02%、表2の精油では60.3%含有している。このことは、図7,図8に示すガスクロマトグラムにも一目瞭然に表れており、リモネンが圧倒的なピークを形成しており、リモネン以外に目立つピークとしては僅かにγ−テルピネンくらいである。よって、従来の柚子の精油の香りはリモネンによって決定づけられているといえる。リモネンの語はレモンに由来し、レモンやオレンジなど、柑橘系果実の皮に豊富に含まれている精油成分であって、甘酸っぱく爽やかな香りを有する。柚子の果実や果皮を原料とする従来の柚子の精油が「柑橘系の爽やかな香り」として周知・認識されているのはこのリモネンに起因し、その含有量が圧倒的に多いためである。
このリモネンは柚子に限らず多くの柑橘系果実の果皮に含まれているため、従来の柚子の精油の香りは、その文言だけで「柑橘系の爽やかな香り」を想起する程度に周知・認識されてはいるものの、その香りは柑橘系という一群の中の香りとして、その枠内で認識されるに留まっているのが実情である。従来の柚子の精油は、レモン,オレンジ,スダチ,カボス,文旦,ライムなどの他の柑橘系果実から抽出される精油と実際には明りょうに香りを異にするものの、柑橘系果実の枠を超えた固有の香りを提供するものではない。即ち、柑橘系果実の香りは同一のカテゴリーの香りとして認識されている。
従来、柚子の精油の原料として利用されているのは、専ら柚子の果実(果皮や種子を含む)であり、その他の部材は利用されていない。一方、柚子以外の柑橘系果実においては、果実以外を原料とする精油として、ビターオレンジ(橙)の花から水蒸気蒸留法によって抽出したネロリ油(Neroli oil,橙花油)が広く知られている。表3はネロリ油の成分表であり、図9はそのガスクロマトグラムである。なお、図9において、60分以降のベースピークが大きくなっているが、これはGCMS(ガス・クロマトグラフを直結した質量分析計)の特性であり、成分が多いわけではない。
Figure 2016160200
表3に示すように、ネロリ油の最も多い含有成分はリナロール(linalool)の34.22%である。このことは、図9に示すガスクロマトグラムにも一目瞭然に表れており、リナロールが圧倒的なピークを形成している。よって、ネロリ油の香りはリナロールによって決定づけられているといえる。このリナロールもオレンジやジャスミンのような香りであり、ネロリ油の香りは、まさに柑橘系の爽やかな香りの範疇に属している。一般的に精油中の特定の含有成分が30%を超えると、その香りの影響を強く受け、全体としては単調な香りに近くなる。そのため、ネロリ油のように柑橘系果実においても花を精油の原料として使用することが行われているが、得られた精油はあくまで、柑橘系の爽やかな香りの範疇に留まるものであり、柑橘系果実を原料とする精油において、柑橘系の爽やかな香りの範疇を超える精油は未だ提供されていない。
また、圧搾法で抽出した特定の柑橘系果実の精油には、肌にダメージを与え、シミの原因となる光毒性を有する物質(フロクマリン類のベルガプテン等)が含まれていることがある。光毒性を有するのは、精油を皮膚に塗布した場合のみであるが、IFRA(International Fragrance Association /国際香粧品香料協会)は、安全な含有量のガイドラインを0.0015%以下と定めている。柚子の含有量は、0.00005%〜0.00038%程度であり、更に化粧品では500倍程度まで希釈して使用するため、安全性に全く問題はない。しかしながら、柚子の圧搾法による抽出では上記の成分が微量でも含まれていることは事実であり、完全な安全性を担保し、需要者への心理的な影響を考慮すれば光毒性フリーの柚子の精油が好ましい。
更に、水蒸気蒸留法で抽出した従来の柚子の精油は、香りの持続性に改善点があることが指摘されており、各種香料としての利用価値を高めるために香りの持続性を向上させた柚子の精油の開発が期待されている。
そこで、本発明者は柚子の精油として、従来の「柑橘系の爽やかな香り」の枠組みを超えて、他の柑橘類の精油では得られない柚子固有の強い個性を有する香りの柚子花精油及び化粧料用香料並びに化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は、一般に知られていないが、柚子の農園では、柚子の花の開花時になると辺りに、柚子の香りとして一般に認識されている「柑橘系の爽やかな香り」とは全く異なり、他の花々の香りでもない独特の甘く濃密な香りが漂うことに着目し、この開花時の香りを精油として抽出すれば、「柑橘系の爽やかな香り」の枠組みを超えて前記課題を解決できるのではとの着想を得た。
前記した着想に基づき、本発明は柚子の農園の開花時の香りを精油として抽出するために、柚子の花を原料として抽出した柚子花精油を基本として提供する。この柚子花精油中の成分として、ミルテノール及びフェニルアセトアルデヒドを含有しており、更に、精油中の成分として、ミルテノール,フェニルアセトアルデヒド,ケトール及びCis−ジャスモンを含有している。
また、精油中のリモネンの含有量が10%以下であり、精油中のリナロールの含有量が20%以下であるとともに、精油中の各構成成分がいずれも20%以下である。そのため、精油中の成分が相互に複合して香りを醸成し、精油中の成分が相互に複合することにより、柚子の果実や果皮を原料として抽出した精油とは異なる香りを醸成する。
柚子の花として、柚子の花弁を用いて精油を抽出し、或いは、柚子の花として、柚子の花弁と、柚子のがく,柚子の雄しべ又は柚子の雌しべから選択された一又は複数を用いて精油を抽出する。
そして、前記した柚子花精油からなる化粧料用香料と、この化粧料用香料を添加してなる化粧料を提供する。なお、化粧料用香料は0.001%〜1%添加し、より好ましくは0.005%〜0.1%添加するものとする。
以上記載した本発明によれば、柚子の花を原料として、特定の香り成分に支配されることがなく、精油中の各種成分が相互に複合して香りを醸成する精油を提供することができる。即ち、精油中のリモネンの含有量が10%以下であり、精油中のリナロールの含有量が20%以下であるとともに、精油中の各構成成分がいずれも20%以下であるため、精油中の成分が相互に複合して香りを醸成し、精油中の成分が相互に複合することにより、柚子の果実や果皮を原料として抽出した精油とは異なる香りを醸成することができる。この柚子花精油は、従来の「柑橘系の爽やかな香り」の枠組みを越えて、他の柑橘類の精油では得られない柚子固有の強い個性を有する香りを提供する。その香りの本質は、生産者以外が知ることのなかった柚子の農園の開花時の香りのエッセンスを発展させるとともに濃縮したものである。また、香りの持続性も向上させることができる。
そして、柚子花精油は化粧料用香料として利用することができ、この柚子花精油を所定量添加した化粧料は、従来の化粧料にない特有の濃厚な香りを提供することができる。本発明者は本発明にかかる柚子花精油について、「その濃厚な香りをイメージするなら、特にユリやスズランなどの香りを混ぜ合わせて、そこに花の蜜を足して濃縮したような香りで、青味のあるビターな香りを持ちながら、みつのような甘味もほのかに感じる濃厚な香り」と表現している。まさに従来存在しなかった個性有る香りを実現することができた。
本発明にかかる柚子花精油を溶剤抽出法によって抽出する工程説明図。 本発明にかかる柚子花精油を蒸留法によって抽出する工程説明図。 柚子の花の外観図。 本発明にかかる柚子花精油のガスクロマトグラム。 本発明にかかる柚子花精油のガスクロマトグラム。 香りの減衰率を示すグラフ。 従来の柚子の精油のガスクロマトグラム。 従来の柚子の精油のガスクロマトグラム。 ネロリ油のガスクロマトグラム。
以下、本発明にかかる柚子花精油及び化粧料用香料並びに化粧料の実施形態を説明する。本発明の特徴は、柚子の農園における開花時の香りを精油として抽出することにあり、そのために、従来、受粉をして結実するためにのみ必要であり、受粉後は散るに任せて放置していた柚子の花を精油の原料として使用することにある。図3は柚子の花の外観図であり、柚子の花Yは枝から伸びた柄の先につき、5枚の白い花弁Y1,がくY2,雄しべY3,雌しべY4を有する。本発明では、柚子の花Yとして花弁Y1のみを使用し、或いは、花弁Y1とともに、がくY2,雄しべY3又は雌しべY4から選択された一又は複数を用いる。即ち、花弁Y1を必須として、花Yを構成する他の部材を任意に付加して原料とすることができる。以下、柚子の花Yと表記した場合は、花を構成する部材を全て含んだ花全体を指す。この柚子の花Yは5月〜6月にかけて2週間程開花する。
本発明にかかる柚子花精油の抽出方法には特に限定はなく、水蒸気蒸留法,マイクロ波蒸留法等の蒸留法,溶剤抽出法等の各種の手段が使用できる。なお、圧搾法を使用することも理論上は可能であるが、抽出効率を考慮すれば本発明の抽出方法としては好ましくない。先ず、溶剤抽出法を用いて柚子の花から柚子花精油を抽出する工程を図1に示す工程説明図に基づいて説明する。先ずステップ1に示すように、原料となる柚子の花Yを収穫する。収穫するのは7割から全開した柚子の花Yである。収穫方法に限定はないが、柚子の花Yの咲き始めの頃は、柚子の木から手摘みして収穫する。自然に柚子の花弁Y1が散り始める頃になると、柚子の木の下にブルーシートや大きな籠を置いて木や枝をゆすって花弁Y1を落下させて収穫する。原則として収穫した花は保管することなく、即日、抽出作業に着手する。なお、保管する場合は、10℃以下に保持した冷蔵庫に保管するようにする。
本実施形態では溶剤抽出法の原料として、柚子の花Yを使用した。そのため、収穫した柚子の花Yはステップ2で選別作業を行い、塵芥等の不純物を取り除いて柚子の花Yを原料として選別した。本実施形態ではステップ1で26kgの柚子の花Yを収穫し、ステップ2で塵芥等の不純物を取り除いて原料となる20kgの柚子の花Yを選別して抽出原料とした。この溶剤抽出法においても柚子の花Y全体のみならず、柚子の花弁Y1のみ、或いは花弁Y1とがくY2,雄しべY3又は雌しべY4から選択された一又は複数を用いることもできる。なお、花弁Y1のみを用いれば、花粉などのアレルゲン物質が溶剤に溶解することを物理的に排除することが可能となる。
次に、ステップ3で原料としての柚子の花Yを、又ステップ4で溶剤を、ステップ5に示す浸漬容器にそれぞれ投入する。本実施形態では、溶剤として有機溶剤であるペンタン(pentane)を使用した。なお、有機溶剤であれば特に限定はなく、ペンタンに限らず、例えばヘキサン (hexane)を使用することもできる。具体的には、ステップ5において10Lのステンレス製の浸漬容器を8個用意し、それぞれ原料としての2.5kgの柚子の花Yと5kgのペンタンを投入して、ペンタン内に柚子の花Yを浸漬し、数時間毎に軽く撹拌しながら、所定時間浸漬状態を保持して安置する。本実施形態では、2日間冷暗所にて安置した。柚子の花Yとペンタンの割合は、適宜でよいが、重量比で1:1〜2程度が好ましい。
所定時間浸漬状態を保持して安置した後、ステップ6に示すように、浸漬容器から溶剤抽出液を取り出す。また、溶剤抽出液を取り出した浸漬容器には再びステップ4に示すようにペンタン2.5kgを投入した。2回目の抽出であるため、ペンタンの量を1回目の投入量の半分とした。そして、1回目の抽出と同様に数時間毎に軽く撹拌しながら、所定時間浸漬状態を保持して1日間冷暗所にて安置した。その後ステップ6に示すように、浸漬容器から溶剤抽出液を取り出す。その結果、2.5kgの花弁Y1を使用した1つの浸漬容器から2回の抽出によって7.5kgの溶剤抽出液を得ることができた。本実施形態では、8個の浸漬容器を使用したため、合計20kgの柚子の花Yから60kgの溶剤抽出液を得た。
次に、ステップ7で得られた溶剤抽出液の1次濃縮を行う。濃縮手段に特に限定はないが、本実施形態では、ステップ6で得られた60kgの溶剤抽出液を15kg毎に小分けし、容量20Lのウォーターバス付きのエバポレータを使用し、それぞれ減圧下で水分を蒸発させ、500gになるまで1次濃縮を行った。具体的には、560hPaの減圧下でウォーターバス温度を40℃に加温して、15kgの溶剤抽出液を4時間かけて500g まで1次濃縮した。よって、ステップ6で得られた60kgの溶剤抽出液をステップ7で2kgまで1次濃縮をした。
その後、1次濃縮した溶剤抽出液をステップ8で2次濃縮を行う。濃縮手段に特に限定はないが、本実施形態では、ステップ7で得られた2kgの溶剤抽出液を500g毎に小分けし、容量1Lのウォーターバス付きのエバポレータを使用し、それぞれ減圧下で水分を蒸発させ、70〜100gになるまで2次濃縮を行った。具体的には、160hPaの減圧下で2時間濃縮した。
ステップ8に示す2次濃縮によって、ステップ9に示す柚子の花Yを原料とする柚子花精油Aを得た。この溶剤抽出法で得られた柚子花精油Aは濁った薄黄色をしている。また、柚子の花Yに由来するワックス分等も含むため冷凍すると固化する。この溶剤抽出法によれば、1gの柚子花精油Aを得るのに、柚子の花Yが1kg程度必要である。
他の抽出方法として、蒸留法として、水蒸気蒸留法を用いて柚子の花Yから柚子花精油を抽出する工程を図2に示す工程説明図に基づいて説明する。本実施形態においては、水蒸気蒸留法の原料として柚子の花Yを使用した。即ち、ステップ11で13kgの柚子の花Yを収穫し、ステップ12で塵芥等の不純物を取り除いて原料となる10kgの柚子の花Yを選別して抽出原料とした。収穫時期、収穫方法等は溶剤抽出法と同様である。水蒸気蒸留法では、花粉などのアレルゲン物質が精油に混入することはない。この水蒸気蒸留法においても柚子の花Y全体のみならず、柚子の花弁Y1のみ、或いは花弁Y1とがくY2,雄しべY3又は雌しべY4から選択された一又は複数を用いることもできる。
次に原料としての柚子の花Yをステップ13で、又水をステップ14でステップ15に示す水蒸気蒸留装置にそれぞれ投入する。蒸留方法としては特に限定はない。具体的には、ステップ15において、最大容量50Lの水蒸気蒸留装置に、ステップ13で準備した柚子の花Y10kgを投入し、ステップ14で準備した水を水蒸気蒸留装置が満杯となるまで注いで密封する。その後、真空ポンプを使用して水蒸気蒸留装置内の圧力を−81kPaまで減圧し、減圧状態を保持して60℃まで加熱することによって、原料を沸騰させて蒸留を行い、精油が含まれた蒸気をステップ16で取り出した。なお、水蒸気蒸留装置内は減圧によって沸騰することとなる。水蒸気蒸留装置の減圧状態の程度は特に制限はないが、沸点が80℃〜30℃程度となるように−54kPa〜−97kPaの減圧下に保持することにより蒸留を効率よく行うことができる。
水蒸気蒸留装置内の原料は、減圧下に保持されて沸点が低下した状態で間接加熱されるため、柚子の花Yの精油分を含む液状成分は、ステップ16に示すように、水蒸気蒸留装置から蒸気となって外部に取り出される。
ステップ16で取り出された蒸気は、ステップ17に示すように凝縮されて、ステップ18に示すように再び液化され、所定の容器に貯留される。具体的には、ステップ17で蒸気を3℃で冷却することによって再び液化し、約4時間程度で原料から精油を抽出することができる。ステップ18に示す液体は、その表面に、2〜4ml程度の柚子花精油Bが浮遊している。そこで、ステップ19で柚子花精油Bを分離するとともに、ステップ20で柚子花精油Bを分離したフローラルウォーターを得ることができる。かかる水蒸気蒸留法によって得た柚子花精油Bは、透明で冷凍しても固化しない性質を有している。なお、ステップ20で得た10L程度のフローラルウォーターにも柚子花精油Bと同じ成分が微量に含まれている。水蒸気蒸留法によれば、1gの柚子花精油Bを得るのに、柚子の花Yが2.5kg程度必要である。
表4は柚子の花Y全体を原料として溶剤抽出法により抽出した柚子花精油Aの成分表であり、図4はそのガスクロマトグラムである。また、表5は柚子の花Y全体を原料として水蒸気蒸留法により抽出した柚子花精油Bの成分表であり、図5はそのガスクロマトグラムである。
図4,図5及び図7〜図9に示すガスクロマトグラムを得るためのGCMSによる測定は次の方法で行った。GCMSとしては、株式会社 島津製作所製のGCMS「QP−2010Plus」を用い、カラムについてはDB−WAX(0.25mm×60m)を使用した。試料1〜4は、カラムに注入して2分後に測定を始め、温度を70℃〜230℃まで70分かけて上昇させ、230℃の温度を20分間保持することにより、90分かけて分析を行った。試料1〜4の注入量は1μLとし、スプリット比は100とした。なお、図5に示す柚子花精油Bのみスプリット比を10とした。スプリット比はヘリウムガスとの混合割合で、ヘリウム100に対して精油を1の割合で分析を行った。即ち、1μL のさらに1/100の濃度で測定した。図5に示す柚子花精油Bに関してはスプリット比を10としているため、実際には他4種に比べて10倍濃い濃度として測定されている。ただし、構成成分の割合については影響はない。
なお、蒸留方法としては、水蒸気蒸留法に代えて、マイクロ波蒸留法を用いることもできる。その実施形態を図2に示す工程説明図に基づいて説明する。ステップ11〜ステップ14までは、水蒸気蒸留法と同一である。
マイクロ波蒸留法では、原料としての柚子の花Yをステップ13で、又水をステップ14でステップ15に示すマイクロ波蒸留装置にそれぞれ投入する。具体的には、ステップ15において、最大容量160Lのマイクロ波蒸留装置に、ステップ13で準備した柚子の花Y10kgと、ステップ14で準備した水50kgを投入して密封する。その後、真空ポンプを使用してマイクロ波蒸留装置内の圧力を−81kPaまで減圧して保持した。その後、5000W×4のマイクロ波にて電磁波を原料に照射して加熱することによって、原料を沸騰させて蒸留を行い、精油が含まれた蒸気をステップ16で取り出した。なお、マイクロ波蒸留装置は減圧によって、マイクロ波蒸留装置内は60℃程度で沸騰することとなる。マイクロ波蒸留装置の減圧状態の程度は特に制限はないが、−54kPa〜−97kPaの減圧下に保持することにより蒸留を効率よく行うことができる。
マイクロ波蒸留装置内の原料は、減圧下に保持されて沸点が低下した状態で間接加熱されるため、柚子の花Yの精油分を含む液状成分は、ステップ16に示すように、マイクロ波蒸留装置から蒸気となって外部に取り出される。
ステップ16で取り出された蒸気は、ステップ17に示すように凝縮されて、ステップ18に示すように再び液化され、所定の容器に貯留される。具体的には、ステップ17で蒸気を5℃で冷却することによって再び液化し、1〜2時間程度で原料から精油を抽出することができる。ステップ18に示す液体は、その表面に、3〜5ml程度の柚子花精油Bが浮遊している。そこで、ステップ19で柚子花精油Bを分離するとともに、ステップ20で柚子花精油Bを分離したフローラルウォーターを得ることができる。かかるマイクロ波蒸留法によって得た柚子花精油Bは、透明で冷凍しても固化しない性質を有している。なお、ステップ20で得たフローラルウォーターにも柚子花精油Bと同じ成分が微量に含まれている。マイクロ波蒸留法によれば、1gの柚子花精油Bを得るのに、柚子の花Yが2.5kg程度必要である。
Figure 2016160200
Figure 2016160200
特徴的なことは、柚子花精油A,Bともに特定の含有成分が20%を超えておらず、かつ、多様な香り成分が豊富に含まれている。柚子花精油Aの最大成分は14.59%のフェニルアセトアルデヒドであり、柚子花精油Bの最大成分は11.95%のリナロールである。柚子花精油A,Bにおいても従来の柚子の果実や果皮を原料とする従来の柚子花精油の柑橘系の爽やかな香りを決定づけているリモネンをそれぞれ7.69%,3.51%含有し、同様にネロリ油の柑橘系の爽やかな香りを決定づけているリナロールもそれぞれ12.19%と11.95%含有しているが、リモネンの含有量は10%以下であり、リナロールの含有量も20%以下であって、一般に香りを決定付けるといわれる配合量である30%にはほど遠い。よって、これらのリモネンやリナロールの香りが柚子花精油A,Bの香りを決定づけることがない。この点において、柚子花精油A,Bは柑橘系の爽やかな香りの範疇に留まるものではなく、明らかに別の香りを醸成するものである。
柚子花精油A,Bは、それぞれミルテノールを0.83%,4.00%含有しており、又フェニルアセトアルデヒドを14.59%,4.09%含有している。ミルテノールはスパイス調の穏やかな香りを有するとされており、フェニルアセトアルデヒドは、蜂蜜のような甘い香り,バラの香り,みずみずしい香り,草の香りを有するとされている。更に、柚子花精油A,Bはそれぞれ、ケトールを1.47%,6.05%含有し、更にCis−ジャスモンを0.39%,3.71%含有している。Cis−ジャスモンはジャスミンの香りを有するとされている。
柚子花精油A,Bは、各成分の配合量からして特定の成分が香りを決定づけるのではなく、表4,表5に示す複数の成分が相互に複合して香りを醸成することに特徴を有している。その香りは柚子花精油A,B中の成分が相互に複合することにより、柚子の果実や果皮を原料として抽出した従来の精油とは異なる香りを醸成する。即ち、柑橘系の爽やかな香りの範疇を超えた新たな香りを提供することができる。従来の柚子の精油及びネロリ油と柚子花精油A,Bとの特徴を表6にまとめて示す。
Figure 2016160200
次に、香りの持続性について、音香科学製の臭い測定器(WB-121F)を使用して、柚子の果実から抽出した従来の柚子の精油(試料1),柚子の果皮から抽出した従来の柚子の精油(試料2),ネロリ油(試料3)及び本発明にかかる柚子花精油A(試料4)について試験を行った。試験方法は、ステンドグラスにムエットをクリップで止め、測定器の匂い吸入口の中央付近の位置(左端から2 cm)のムエット上に各試料約8mg(約10μL)を染みこませ、1 分毎に強度を読み取った。その結果を実験開始の匂いの強さを100として、香りの減衰率として図6に示す。
図6に示すように、本発明にかかる試料4は従来の試料1〜3に比較して、香りが持続する時間が長いとともに、どの時間帯においても強い濃厚な香りを発散していることが判る。
本発明では、上記構成の柚子花精油からなる化粧料用香料を提供する。そして、この化粧料用香料を所定量添加した化粧料を提供する。添加する割合としては、化粧料に対して化粧料用香料を0.001%〜1%、好ましくは0.005%〜0.1%程度が適当である。0.001%程度添加すれば、ほのかにではあるが、柚子の花固有の香りを感じることができ、添加量が増加するにつれてその香りは増加し、1%程度添加すれば、香料として充分な強い香りを醸成することができる。
そこで、柚子花精油Aを0.01%添加した化粧水を作成して実際に、各世代の男女92名に使用して貰い官能試験を行った。92名の内訳は、男性46名、女性46名であり、世代割合は20代:18名、30代:26名、40代:24名、50代:14名、60代:10名であった。その感想は表7に示す通りであった。
Figure 2016160200
このように、「柑橘系の爽やかな香り」の枠組みを超えて化粧料を個性化するとともに、化粧料のにおいをマスキングする作用も果たすことができる。
以上記載した本発明によれば、柚子の花を原料として、特定の香り成分に支配されることがなく、精油中の各種成分が相互に複合して香りを醸成する精油を提供することができる。即ち、精油中のリモネンの含有量が10%以下であり、精油中のリナロールの含有量が20%以下であるとともに、精油中の各構成成分がいずれも20%以下であるため、精油中の成分が相互に複合して香りを醸成し、精油中の成分が相互に複合することにより、柚子の果実や果皮を原料として抽出した精油とは異なる香りを醸成することができる。この柚子花精油は、従来の「柑橘系の爽やかな香り」の枠組みを越えて、他の柑橘類の精油では得られない柚子固有の強い個性を有する香りを提供する。その香りの本質は、生産者以外が知ることのなかった柚子の農園の開花時の香りのエッセンスを発展させるとともに濃縮したものである。また、香りの持続性も向上させることができる。
そして、柚子花精油は化粧料用香料として利用することができ、この柚子花精油を所定量添加した化粧料は、従来の化粧料にない特有の濃厚な香りを提供することができる。本発明者は本発明にかかる柚子花精油について、「その濃厚な香りをイメージするなら、特にユリやスズランなどの香りを混ぜ合わせて、そこに花の蜜を足して濃縮したような香りで、青味のあるビターな香りを持ちながら、みつのような甘味もほのかに感じる濃厚な香り」と表現している。まさに従来存在しなかった個性有る香りを実現することができた。
Y…柚子の花
Y1…花弁
Y2…がく
Y3…雄しべ
Y4…雌しべ

Claims (14)

  1. 柚子の花を原料として抽出したことを特徴とする柚子花精油。
  2. 精油中の成分として、ミルテノール及びフェニルアセトアルデヒドを含有する請求項1記載の柚子花精油。
  3. 精油中の成分として、ミルテノール,フェニルアセトアルデヒド,ケトール及びCis−ジャスモンを含有する請求項1記載の柚子花精油。
  4. 精油中のリモネンの含有量が10%以下である請求項1,2又は3記載の柚子花精油。
  5. 精油中のリナロールの含有量が20%以下である請求項1,2,3又は4記載の柚子花精油。
  6. 精油中の各構成成分がいずれも20%以下である請求項1,2,3,4又は5記載の柚子花精油。
  7. 精油中の成分が相互に複合して香りを醸成する請求項1,2,3,4,5又は6記載の柚子花精油。
  8. 精油中の成分が相互に複合することにより、柚子の果実や果皮を原料として抽出した精油とは異なる香りを醸成する請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の柚子花精油。
  9. 柚子の花として、柚子の花弁を用いて精油を抽出した請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の柚子花精油。
  10. 柚子の花として、柚子の花弁と、柚子のがく,柚子の雄しべ又は柚子の雌しべから選択された一又は複数を用いて精油を抽出した請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の柚子花精油。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載した柚子花精油からなる化粧料用香料。
  12. 請求項11記載の化粧料用香料を添加してなる化粧料。
  13. 化粧料用香料を0.001%〜1%添加した請求項12記載の化粧料。
  14. 化粧料用香料を0.005%〜0.1%添加した請求項12記載の化粧料。
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