JP2016156327A - ランキンサイクルシステム - Google Patents

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尚人 小野田
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Abstract

【課題】コストの掛からない構成で始動時の液相流体の沸騰を促進することができるランキンサイクルシステムを提供する。【解決手段】ランキンサイクルシステム100は、エンジン10の廃熱により液相流体を沸騰させて気相流体に変化させる沸騰器12と、沸騰器12から送出される気相流体をエンジン10の排気との熱交換によって過熱させる過熱器30と、過熱器30を通過した気相流体を膨張させて仕事を取り出す膨張機34と、膨張機34を通過した気相流体を凝縮させて液相流体に戻す凝縮器40と、凝縮器40で得られた液体流体を沸騰器12に供給する液送ポンプ20,48と、沸騰器12と過熱器30との間に設けられた第1バルブ50と、過熱器30と凝縮器40との間に設けられた第2バルブ52と、沸騰器12による液相流体の沸騰が終了した場合に2つのバルブ50,52を閉じるバルブ操作装置70とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ランキンサイクルシステムに関する。
ランキンサイクルを利用してエンジン(内燃機関)の廃熱を回収するランキンサイクルシステムが提案されている。ランキンサイクルシステムでは、エンジンの廃熱により液相流体を沸騰させて気相流体に変化させ、気相流体を膨張させることによって仕事を取り出し、膨張後の気相流体を凝縮させて液相流体に戻すことが行われる。
エンジンが冷間状態にある場合、ランキンサイクルシステムの運転を開始してから仕事が取り出されるまでには応答遅れが発生する。この応答遅れは、系内の圧力を低下させ、液相流体の沸騰を促進することによって低減することができる。下記の特許文献1には、ランキンサイクルシステムに負圧ポンプを搭載し、負圧ポンプによって生成した負圧を凝縮器に作用させることが開示されている。凝縮器内の圧力を低下させれば、液相流体を沸騰させる沸騰器から凝縮器までの気相流体の流れを加速するとともに、沸騰器内での液相流体の沸騰を促進することができる。
特開2012−159065号公報 特開2014−092071号公報
しかし、負圧ポンプの搭載は、ランキンサイクルシステムのコストを増大させることになる。また、負圧ポンプを作動させてから系内の圧力が低下するまでにはいくらかの時間を要するので、システムの始動性をより向上させたいのであれば、負圧ポンプとは別に、負圧を蓄えておく負圧タンクが必要となる。ところが、負圧タンクの搭載は、ランキンサイクルシステムのコストをさらに増大させることになる。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、コストの掛からない構成で始動時の液相流体の沸騰を促進することができるランキンサイクルシステムを提供することを目的とする。
本発明に係るランキンサイクルシステムは、エンジンの廃熱により液相流体を沸騰させて気相流体に変化させる沸騰器と、沸騰器から送出される気相流体をエンジンの排気との熱交換によって過熱させる過熱器と、過熱器を通過した気相流体を膨張させて仕事を取り出す膨張機と、膨張機を通過した気相流体を凝縮させて液相流体に戻す凝縮器と、凝縮器で得られた液体流体を沸騰器に供給する液送ポンプとを備えるランキンサイクルシステムである。本発明に係るランキンサイクルシステムは、さらに、沸騰器と過熱器との間に設けられた第1バルブと、過熱器と凝縮器との間に設けられた第2バルブと、沸騰器による液相流体の沸騰が終了した場合に1バルブ及び第2バルブを閉じるように構成されたバルブ操作装置とを備える。
以上の構成によれば、沸騰器で液相流体が沸騰することによって発生した気相流体は、沸騰の終了後に過熱器の中に閉じ込められる。過熱器の中の気相流体がエンジンの停止後に凝縮することで、過熱器の中に負圧が発生する。ランキンサイクルシステムの次回の運転開始まで、過熱器は、負圧を蓄える負圧タンクとして機能する。
バルブ操作装置による第1バルブ及び第2バルブの閉操作の手順は、最初に第1バルブを閉じ、過熱器内の圧力が凝縮器内の圧力に近づいてから第2バルブを閉じることが好ましい。このような手順でバルブの閉操作が行われることで、過熱器内に確実に負圧を発生させることができる。
また、バルブ操作装置は、沸騰器による液相流体の沸騰が始まる場合或いは始まった場合に、第1バルブ及び第2バルブを開くように構成される。この構成によれば、過熱器に蓄えられた負圧によって沸騰器から凝縮器までの経路内の圧力を低下させることができるので、沸騰器内での液相流体の沸騰を促進することができる。
バルブ操作装置による第1バルブ及び第2バルブの開操作の手順は、最初に第2バルブを開いて凝縮器の圧力を低下させ、凝縮器内の圧力が過熱器内の圧力に近づいてから第1バルブを開いて沸騰器に負圧を作用させることが好ましい。このような手順でバルブの開操作が行われることで、沸騰器内での液相流体の沸騰を促進するとともに、沸騰器から凝縮器までの気相流体の流れを加速することができる。
過熱器には、気相流体が凝縮してできた液相流体を外部へ排出する通路を設けてもよい。過熱器の内部に液相流体が残留している場合、エンジンの始動時、排気からの受熱によって液相流体が気化し、それにより過熱器の内部の負圧が低下するおそれがある。しかし、液相流体を外部へ排出する通路が設けられていれば、液相流体の気化による負圧の低下は抑えることができる。
ランキンサイクルシステムの次回の運転開始まで、過熱器の内部は真空に近い状態に保たれ、過熱器は外界に対する断熱層として機能する。よって、過熱器の搭載位置は、エンジンの排気通路において触媒の上流であることが好ましい。より好ましくは、過熱器は、排気マニホールドを覆うように排気マニホールドと一体的に設けられる。触媒の上流に過熱器を設置することで、エンジンの始動時に触媒に流れる排気を保温し、触媒の暖機を促進することができる。また、エンジンの暖機の完了後は、過熱器と排気通路との間の熱交換によって排気の温度を抑制することができるので、触媒の過熱を防ぐことができる。
過熱器の搭載位置は、エンジンの排気通路において触媒の外周上であることも好ましい。より好ましくは、過熱器は、触媒を覆うように触媒と一体的に設けられる。触媒の外周上に過熱器を設置することで、エンジンの始動時に触媒を保温して触媒の暖機を促進することができる。また、エンジンの暖機の完了後は、過熱器と触媒との間の熱交換によって触媒の過熱を防ぐことができる。
沸騰器は、エンジンのシリンダブロック或いはシリンダヘッドに設けて、液相流体が沸騰する際の気化熱によりエンジンを冷却するように構成することができる。また、沸騰器は、エンジンの排気通路に設けることもできる。この場合の過熱器の搭載位置は、排気通路において過熱器の下流であることが好ましい。
沸騰器と過熱器との間には、沸騰器から排出される気相流体と液相流体とを分離する気液分離器を設けることができる。この場合の第1バルブの位置は、気液分離器と過熱器との間であることが好ましい。
本発明に係るランキンサイクルシステムによれば、沸騰器で液相流体が沸騰することによって発生した気相流体を、沸騰の終了後に過熱器の中に閉じ込めることができる。過熱器の中の気相流体は、エンジンの停止後に外気との熱交換によって冷却されて凝縮する。エンジンの運転中、過熱器の中の気相流体は過熱状態になっているため、これが凝縮することで過熱器の内部には負圧が発生し、この負圧はランキンサイクルシステムの次回の運転開始まで過熱器に蓄えられる。つまり、本発明に係るランキンサイクルシステムによれば、負圧を発生させてそれを蓄えておくのに、負圧ポンプや負圧タンクを必要としない。よって、本発明に係るランキンサイクルシステムによれば、コストの掛からない構成で始動時の液相流体の沸騰を促進することができる。
実施の形態1のランキンサイクルシステムの構成を示す図である。 実施の形態1の過熱器の構成を示す図である。 実施の形態1の過熱器の構成の変形例を示す図である。 実施の形態1のランキンサイクルシステムの沸騰冷却時の冷媒のフローを示す図である。 実施の形態1のランキンサイクルシステムのエンジン始動時及び停止時の冷媒のフローを示す図である。 エンジン始動時の沸騰冷却の開始のタイミングを説明するための図である。 エンジンの運転領域に応じた沸騰冷却モードと通常冷却モードの切り替えを説明するための図である。 実施の形態1のバルブ操作の全体の制御フローを示すフローチャートである。 実施の形態1のバルブ操作の沸騰冷却開始時の制御フローを示すフローチャートである。 実施の形態1のバルブ操作の沸騰冷却終了時の制御フローを示すフローチャートである。 比較例のランキンサイクルシステムによる過熱器内圧と触媒温度の時刻による変化を示す図である。 実施の形態1のランキンサイクルシステムによる過熱器内圧と触媒温度の時刻による変化を示す図である。 実施の形態2のランキンサイクルシステムの構成を示す図である。 実施の形態3のランキンサイクルシステムの構成を示す図である。 実施の形態4のランキンサイクルシステムの構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
実施の形態1.
1.ランキンサイクルシステムの構成
図1は、実施の形態1のランキンサイクルシステム100の構成を示す図である。図1に示すように、ランキンサイクルシステム100はエンジン(内燃機関)10を含む。エンジン10の種別や構造には限定はない。ただし、エンジン10のシリンダブロック及びシリンダヘッドには、冷媒が流れる冷媒流路12が形成されている。冷媒流路12は、シリンダの周囲を囲むウォータージャケットを含む。エンジン10は、冷媒流路12を流れる冷媒との熱交換によって冷却される。本実施の形態では、冷媒として水が用いられている。
ランキンサイクルシステム100によるエンジン10の冷却モードには、通常冷却モードと沸騰冷却モードがある。通常冷却モードでは、冷媒の温度が沸点まで達しないように流量を調整し、冷媒流路12を多量に流れる液相の冷媒による熱の持ち去りによってエンジン10を冷却することが行われる。沸騰冷却モードでは、通常冷却モードよりも冷媒の流量を減らし、あえて冷媒流路12内で冷媒を沸騰させ、液相の冷媒が気相の冷媒(すなわち、蒸気)に変化する際の気化熱によってエンジン10を冷却することが行われる。ランキンサイクルシステム100により沸騰冷却モードが選択される場合、冷媒流路12は、内部を流れる液相の冷媒をエンジン10の熱によって沸騰させる沸騰器として機能する。なお、冷媒は、常温では液相流体であり、エンジン10の熱により沸騰して気相流体に変化するものであればよく、水には限定されない。
エンジン10の冷媒流路12は、冷媒管14を介して気液分離器16に接続されている。沸騰冷却モードが選択される場合、冷媒流路12からは気相冷媒とともに液相冷媒が吐出される。気液分離器16は、気液分離器16内に流入した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離する。気液分離器16は、冷媒管18を介して第1ウォータポンプ20に接続されている。気液分離器16で分離された液相冷媒は、冷媒管18を経由して第1ウォータポンプ20に流入し、第1ウォータポンプ20により冷媒流路12に送られる。
気液分離器16は、冷媒管28を介して過熱器30に接続されている。冷媒管28には、気液分離器16と過熱器30との連通を遮断することができる過熱器入口側バルブ(第1バルブ)50が設けられている。第1バルブ50は、信号の入力によって開閉する電磁弁である。過熱器30は、エンジン10の排気通路22において触媒24の上流に設けられている。過熱器30と触媒24との間には隙間はない。
ここで、図2は、過熱器30の詳細な構成を示す断面図である。過熱器30は、排気マニホールド26の周囲を覆うように設けられ、排気マニホールド26と一体化されている。過熱器30の内壁面と排気マニホールド26の外壁面とで囲まれた空間が、気液分離器16から送られた気相冷媒が流れる流路となる。気液分離器16では気相冷媒と液相冷媒が共存しているため、気相冷媒は飽和蒸気となっている。過熱器30に入った気相冷媒は、排気マニホールド26の壁面から伝えられる排気熱を吸収することによって過熱蒸気となる。
図2に示す構成では、排気マニホールド26の集合部に対応する位置に、過熱器30の冷媒入口30aが設けられている。この位置は、過熱器30の鉛直方向の最下部であって、過熱器30の中で気相冷媒が凝縮した場合には、凝縮によって生じた液相冷媒はここに流れてくる。過熱器30の冷媒入口30aは、凝縮によって生じた液相冷媒を外部に排出する経路して機能する。なお、図2に示す構成において、過熱器30の冷媒入口30aと冷媒出口30bを逆にしてもよい。つまり、冷媒出口を過熱器30の鉛直方向の最下部に設けて、そこから凝縮によって生じた液相冷媒を排出するようにしてもよい。また、例えば図3に示す構成のように、過熱器30の冷媒入口30aを排気マニホールド26の枝管を囲む部分に設けて、凝縮によって生じた液相冷媒がここに流れてくるように過熱器30を形成してもよい。この構成においても、過熱器30の冷媒入口30aと冷媒出口30bを逆にしてもよい。
過熱器30は、冷媒管32を介して膨張機であるタービン34に接続されている。タービン34では、過熱器30から送られた気相冷媒(過熱蒸気)を膨張させて仕事を取り出すことが行われる。冷媒管32とタービン34との接続部には、図示しない超音速ノズルが設けられている。気相冷媒は超音速ノズルからタービン34に噴きつけられ、タービン34を回転させる。タービン34の回転は、図示しない減速機を介してエンジン10の出力軸に伝えられる。つまり、タービン34で取り出された仕事は、エンジン10のアシストに用いられる。ただし、タービン34により発電機を駆動し、発生した電気を蓄電池に蓄えるように構成することもできる。
タービン34で膨張した気相冷媒は、冷媒管36を介してコンデンサ(凝縮器)40に送られる。冷媒管36には、過熱器30とコンデンサ40との連通を遮断することができる過熱器出口側バルブ(第2バルブ)52が設けられている。第2バルブ52は、信号の入力によって開閉する電磁弁である。コンデンサ40に送られた気相冷媒は、コンデンサ40により冷却されて凝縮し、液相冷媒に戻される。気相冷媒の凝縮により生じた液相冷媒は、コンデンサ40から冷媒管42を介してキャッチタンク44に送られ、キャッチタンク44に一時的に貯留される。キャッチタンク44は、冷媒管46を介して気液分離器16と接続されている。冷媒管46には、第2ウォータポンプ48が設けられている。第2ウォータポンプ48は、キャッチタンク44に貯留された液相冷媒を気液分離器16に送るためのポンプである。なお、第2ウォータポンプ48と気液分離器16との間には、気液分離器16側からキャッチタンク44側への液相冷媒の逆流を防止する図示しない逆止弁が設けられている。
ランキンサイクルシステム100は、各種のセンサとECU(Electronic Control Unit)70を備えている。ランキンサイクルシステム100が備えるセンサには、冷媒流路12の出口における冷媒温度を計測するための温度センサ60と、過熱器30内の圧力(過熱器内圧)を計測するための圧力センサ62と、コンデンサ40内の圧力(コンデンサ内圧)を計測するための圧力センサ64とが含まれる。ECU70は、エンジン10を含むランキンサイクルシステム100の全体の運転を制御する制御装置である。ECU70は、少なくとも入出力インタフェースとメモリとCPUとを備えている。入出力インタフェースは、前述のセンサ60,62,64を含む各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、アクチュエータに対して操作信号を出力するために設けられる。ECU70が操作信号を出すアクチュエータには、バルブ50,52とウォータポンプ20,48が含まれる。メモリには、各種制御プログラム、各種マップ等が記憶されている。CPUは、制御プログラム等をメモリから読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいて操作信号を生成する。
2.ランキンサイクルシステムの動作
上記構成において説明したように、ランキンサイクルシステム100は、過熱器30の入口側と出口側にそれぞれバルブ50,52を備え、これらのバルブ50,52はECU70によって操作される。沸騰冷却モードによる運転が行われている間、沸騰器である冷媒流路12から膨張機であるタービン34を経てコンデンサ40に至る冷媒のフローを作るため、第1バルブ50と第2バルブ52はともに開放されている。
図4は、沸騰冷却時の冷媒のフローを示す図である。図4において、太い実線は液相冷媒(つまり、冷却水)が流れている管路を意味し、太い点線は気相冷媒(つまり、蒸気)が流れている管路を意味している。第1バルブ50と第2バルブ52が開かれることで、冷媒流路12から気液分離器16を経て過熱器30に達し、過熱器30からタービン34を経てコンデンサ40に至る気相冷媒の経路が作られる。第1ウォータポンプ20によりエンジン10に送られた液相冷媒は、冷媒流路12においてエンジン10の廃熱を受け取って沸騰し、高温高圧の気相冷媒となる。冷媒流路12から出た気相冷媒は、気液分離器16で液相冷媒と分離されて過熱器30に送られ、過熱器30においてエンジン10の廃熱をさらに受け取って過熱蒸気となる。過熱蒸気は、タービン34において膨張する際に仕事をし、コンデンサ40において再び液相冷媒に戻される。コンデンサ40で発生した液相冷媒は、キャッチタンク44に蓄えられる。そして、気液分離器16に蓄えられている液相冷媒の液面の高さが下限以下になったとき、第2ウォータポンプ48が作動してキャッチタンク44から気液分離器16に液相冷媒が送られる。
沸騰冷却モードによる運転は、エンジン10の停止に伴って終了する。沸騰冷却モードによる運転が終了し、冷媒流路12での沸騰が止まると、冷媒流路12から気相冷媒の供給が停止する。この場合、過熱器30を挟んで設けられた第1バルブ50と第2バルブ52はともに閉じられる。
図5は、エンジン10の停止時の冷媒のフローを示す図である。図5において、太い実線は液相冷媒(つまり、冷却水)が流れている管路を意味し、細い実線は冷媒が流れていない管路を意味している。第1バルブ50と第2バルブ52がともに閉じられることで、冷媒流路12からコンデンサ40に至る気相冷媒の経路が遮断されるとともに、過熱器30の内部に気相冷媒が閉じ込められる。エンジン10の運転時、過熱器30の内部の気相冷媒は排気マニホールド26から受ける熱によって過熱蒸気になっている。エンジン10の停止後、排気マニホールド26の壁面を通じた熱の供給が無くなることで、過熱器30の内部の気相冷媒は外気によって冷却されて凝縮し、液相冷媒に戻る。密度の低い過熱蒸気が凝縮することで、過熱器30の内部に負圧が発生する。なお、第1ウォータポンプ20は、沸騰の終了後しばらくの間は動作し、冷媒流路12と気液分離器16との間で液相冷媒を循環させる。
過熱器30を挟んで設けられた第1バルブ50と第2バルブ52は、次回、エンジン10が始動して沸騰冷却モードによる運転が開始されるまで、閉じたままとされる。その間、過熱器30は、負圧を蓄える負圧タンクとして機能する。
図5に示す冷媒のフローは、エンジン10の始動時の冷媒のフローでもある。エンジン10の始動に合わせて第1ウォータポンプ20が作動し、液相冷媒はエンジン10の冷媒流路12と気液分離器16との間を循環するようになる。冷媒流路12での液相冷媒の沸騰が始まるまでには、エンジン10の始動からある程度の時間を要する。その間、第1バルブ50と第2バルブ52は閉じたままとされ、過熱器30の内部に負圧が蓄えられた状態が維持される。エンジン10の暖機が進むにつれて、冷媒流路12内の液相冷媒の温度は次第に上昇していく。
やがて、冷媒流路12で液相冷媒の沸騰が始まるとき、沸騰冷却モードによる運転が開始され、過熱器30を挟んで設けられた第1バルブ50と第2バルブ52はともに開かれる。第1バルブ50と第2バルブ52が開かれることで、沸騰器である冷媒流路12からコンデンサ40までの冷媒の気相冷媒の経路が作られるとともに、過熱器30に蓄えられた負圧によって経路内の圧力は低下させられる。これにより、冷媒流路12での液相冷媒の沸騰が促進され、エンジン10の沸騰冷却が始まる。
エンジン10の始動時の第1バルブ50と第2バルブ52の開放は、温度センサ60によって計測される液相冷媒の温度に応じて行われる。図6は、エンジン始動時のエンジン水温(冷媒流路12を流れる液相冷媒の温度)の時刻による変化と、沸騰冷却モードによる運転の開始のタイミングとを示す図である。図6において、“沸騰冷却=off”と記された区間は、沸騰冷却が行われていない時間を示し、“沸騰冷却=on”と記された区間は、沸騰冷却が行われる時間を示している。この図に示すように、沸騰冷却モードによる運転は、エンジン水温が沸点に達する前の所定温度において開始される。ECU70は、温度センサ60によって計測したエンジン水温が上記所定温度に達したことを検知した場合、第1バルブ50と第2バルブ52をともに開放する。なお、2つのバルブ50,52の開放は、エンジン水温が沸点に達してから行うことも可能である。ただし、バルブ50,52の開放が遅れると冷媒流路12の内圧が急上昇するため、これを回避するためには、本実施の形態のようにエンジン水温が沸点に達する前にバルブ50,52を開放することが好ましい。
なお、冷媒流路12で沸騰が始まる際には、エンジン10の廃熱が排気マニホールド26から過熱器30に伝えられる。このため、過熱器30の内部に液相冷媒が残留しているならば、排気マニホールド26からの受熱によって液相冷媒が気化し、それにより過熱器30の内部の負圧が低下するおそれがある。しかし、過熱器30は、凝縮によって生じた液相冷媒が自然に排出されるように冷媒入口30a(或いは冷媒出口)が設けられているので、過熱器30の内部で液相冷媒が気化することによる負圧の低下は抑えられている。
エンジン10の停止時に行われる第1バルブ50と第2バルブ52の閉操作は、沸騰冷却モードから通常冷却モードへの切り替えの際にも行われる。また、通常冷却モードから沸騰冷却モードへの切り替えの際には、エンジン10の始動時に行われる第1バルブ50と第2バルブ52の開操作が行われる。沸騰冷却モードと通常冷却モードの切り替えは、トルクとエンジン回転速度とで定義されるエンジン10の運転領域に応じて行われる。図7において、沸騰冷却=off”と記された領域は、通常冷却モードが選択される領域を示し、“沸騰冷却=on”と記された領域は、沸騰冷却モードが選択される領域を示している。この図に示すように、低トルク低回転速度域と高回転速度域では、沸騰冷却モードに代えて通常冷却モードが選択される。
3.バルブの操作の詳細
図8は、実施の形態1のバルブ操作の全体の制御フローを示すフローチャートである。ECU70のメモリには、この制御フローに対応する制御プログラムが記憶されている。上述のランキンサイクルシステム100の動作は、この制御フローに従ってECU70が第1バルブ50と第2バルブ52を操作することによって実現される。このとき、ECU70はバルブ操作装置として機能する。
図8に示す制御フローは、エンジン10を含むランキンサイクルシステム100の停止状態においてECU70の主電源が入った場合に実行される。エンジン10の運転が停止している間、第1バルブ50と第2バルブ52はともに閉じた状態に維持されている。
ECU70は、まず、エンジン10の起動スイッチ(例えば、イグニッションスイッチ)がオンになっているかどうか判定する(ステップS2)。エンジン10の起動スイッチがオンになっていない場合、ECU70は、第1バルブ50と第2バルブ52をともに閉じたままとする。
エンジン10の起動スイッチがオンになった場合、第1ウォータポンプ20による液相冷媒の循環が開始され、エンジン10の暖機が始まる。ECU70は、沸騰冷却モードによる運転を開始するかどうか温度センサ60により計測されるエンジン水温に基づいて判定する(ステップS4)。エンジン水温が所定温度に達するまで、ECU70は、ステップS2の判定とステップS4の判定を繰り返す。エンジン水温が所定温度に達する前にエンジン10の起動スイッチがオフにされた場合、第1バルブ50と第2バルブ52を閉じたまま本制御フローは終了する。
エンジン水温が所定温度に達したことにより沸騰冷却モードによる運転を開始する場合、ECU70は、コンデンサ40に過熱器30の負圧を導入するためのバルブ操作を実施する(ステップS6)。
図9は、ステップS6で実施されるバルブ操作の制御フローを示すフローチャートである。図9に示す制御フローに従い、ECU70は、まず、過熱器出口側バルブである第2バルブ52を開く(ステップS102)。第2バルブ52を開くことで、過熱器30に蓄えられていた負圧がタービン34を介してコンデンサ40に導入される。コンデンサ40への負圧の導入によりコンデンサ内圧は低下していき、また、過熱器30からの負圧の放出によって過熱器内圧は上昇していく。
ECU70は、圧力センサ62のセンサ信号から過熱器内圧を計測するとともに、圧力センサ64のセンサ信号からコンデンサ内圧を計測し、過熱器内圧とコンデンサ内圧とが等しくなったかどうか判定する(ステップS104)。過熱器内圧とコンデンサ内圧とが等しくなるまで、ECU70は、ステップS104の判定を繰り返す。
やがて、過熱器内圧とコンデンサ内圧とが等しくなったとき、ECU70は、過熱器入口側バルブである第1バルブ50を開く(ステップS106)。第1バルブ50を開くことで、沸騰器である冷媒流路12に気液分離器16を介して負圧を作用させる。冷媒流路12に作用した負圧は、冷媒流路12内の液相冷媒の沸点を下げ、液相冷媒の沸騰を促進する。
以上の手順で2つのバルブ50,52を開く操作が行われることで、冷媒流路12における液相冷媒から気相冷媒への相変化を促進するとともに、冷媒流路12からコンデンサ40までの気相流体の流れを加速することができる。ただし、図9に示す制御フローは一例であって、沸騰冷却開始時のバルブ操作がこれに限定されるものではない。過熱器30に蓄えられた負圧によって冷媒流路12からコンデンサ40までの経路内の圧力を低下させることができる限りであれば、過熱器内圧とコンデンサ内圧とが等しくなる前に第1バルブ50を開いても良いし、第2バルブ52と第1バルブ50を同時に開いても良いし、第2バルブ52より先に第1バルブ50を開いてもよい。
再び図8に戻って制御フローの説明を続ける。ECU70は、第1バルブ50と第2バルブ52を開いた後、沸騰冷却モードによる運転を終了して通常冷却モードによる運転に切り替えるかどうか、エンジン10のトルクと回転速度とに基づいて判定する(ステップS8)。判定に用いるトルクは、空気量、空燃比、点火時期等の制御パラメータから計算される推定トルクでもよいし、アクセル開度とエンジン回転速度から計算される要求トルクでもよい。エンジン10の動作点が沸騰冷却モードの領域から通常冷却モードの領域へ移動するまで、ECU70は、第1バルブ50と第2バルブ52を開いたままステップS8の判定を繰り返す。
沸騰冷却モードによる運転を終了する場合、ECU70は、過熱器30内に負圧を生成するためのバルブ操作を実施する(ステップS10)。
図10は、ステップS10で実施されるバルブ操作の制御フローを示すフローチャートである。図10に示す制御フローに従い、ECU70は、まず、過熱器入口側バルブである第1バルブ50を閉じる(ステップS202)。第1バルブ50を閉じることで、沸騰器である冷媒流路12から過熱器30への高圧の気相冷媒の流入は遮断される。一方、第2バルブ52はまだ開いているので、過熱器30からの気相冷媒の流出は続く。そして、過熱器30から流出する気相冷媒の流量の減少とともに、過熱器内圧は次第に低下していく。
ECU70は、圧力センサ64のセンサ信号からコンデンサ内圧を計測するとともに、圧力センサ62のセンサ信号から過熱器内圧を計測し、コンデンサ内圧と過熱器内圧とが等しくなったかどうか判定する(ステップS204)。コンデンサ内圧と過熱器内圧とが等しくなるまで、ECU70は、ステップS204の判定を繰り返す。
やがて、コンデンサ内圧と過熱器内圧とが等しくなったとき、ECU70は、過熱器出口側バルブである第2バルブ52を閉じる(ステップS206)。第2バルブ52を閉じることで、過熱器30の中に残った気相冷媒はそのまま過熱器30に閉じ込められる。過熱器30に閉じ込められた気相冷媒は、排気からの受熱量が減少したときに凝縮し、過熱器30の中で液相冷媒に戻る。
以上の手順で2つのバルブ50,52を閉じる操作が行われることで、過熱器30内に残存する気相流体の量を減らし、気相流体の凝縮後に過熱器30の内部に発生する負圧を大きくすることができる。ただし、図10に示す制御フローは一例であって、沸騰冷却終了時のバルブ操作がこれに限定されるものではない。過熱器30内に気相冷媒を閉じ込めて負圧を発生させることができる限りであれば、コンデンサ内圧と過熱器内圧とが等しくなる前に第2バルブ52を閉じても良いし、第1バルブ50と第2バルブ52を同時に閉じても良いし、第1バルブ50より先に第2バルブ52を閉じてもよい。
再び図8に戻って制御フローの説明を続ける。ECU70は、第1バルブ50と第2バルブ52を閉じた後、再び沸騰冷却モードによる運転に切り替えるかどうか、エンジン10のトルクと回転速度とに基づいて判定する(ステップS12)。沸騰冷却モードによる運転を再開する場合、ECU70は、ステップS6の処理を実行して第1バルブ50と第2バルブ52を開く。その後の処理は前述の通りである。
沸騰冷却モードによる運転への切り替えが行われない場合、第1バルブ50と第2バルブ52は閉じたままとされ、過熱器30内の負圧は維持される。ECU70は、エンジン10の起動スイッチがオフにされたかどうか判定する(ステップS14)。沸騰冷却モードによる運転を再開するか、エンジン10の起動スイッチがオフにされるまで、ECU70は、ステップS12の判定とステップS14の判定を繰り返す。そして、エンジン10の起動スイッチがオフにされた場合、本制御フローは終了する。第1バルブ50と第2バルブ52はともに閉じたままとされるので、ランキンサイクルシステム100の次回の運転開始まで、過熱器30の中には負圧が蓄えられる。
4.ランキンサイクルシステムの効果
上述のように、ランキンサイクルシステム100は、エンジン10の沸騰冷却時に発生した気相冷媒を、沸騰冷却の終了後に過熱器30の中に閉じ込めることができる。過熱器30の中の気相冷媒は、エンジン10の停止後に外気との熱交換によって冷却されて凝縮する。エンジン10の運転中、過熱器30の中の気相冷媒は過熱状態になっているため、これが凝縮することで負圧が発生する。この負圧はランキンサイクルシステム100の次回の運転開始まで過熱器30に蓄えられ、次回の沸騰冷却の始まりにおいて沸騰の促進に用いられる。このように、ランキンサイクルシステム100によれば、負圧を発生させてそれを蓄えておくのに、負圧ポンプや負圧タンクを必要とせず、コストの掛からない構成で沸騰冷却の開始時の液相冷媒の沸騰を促進することができる。
また、過熱器30の内部に負圧が蓄えられるということは、過熱器30の内部は真空に近い状態に保たれていることを意味する。エンジン10の始動時には触媒24の早期の暖機が求められるが、内部を真空に近い状態に保たれた過熱器30は、排気マニホールド26に対して外界に対する断熱層として機能する。これにより、エンジン10の始動時に触媒24に流れる排気を保温することができ、触媒24の暖機を促進することができる。
ここで、図11は、比較例のランキンサイクルシステムによる過熱器内圧と触媒温度の時刻による変化を示す図である。比較例のランキンサイクルシステムでは、過熱器は排気マニホールドと一体化されておらず、また、エンジン停止時の過熱器内圧は大気圧となっている。図12は、本実施の形態のランキンサイクルシステム100による過熱器内圧と触媒温度の時刻による変化を示す図である。ランキンサイクルシステム100では、過熱器30の内部が負圧に保たれることによる断熱効果により、触媒温度の上昇速度が高まり早期の暖機の完了が実現される。
また、ランキンサイクルシステム100によれば、過熱器30は排気マニホールド26を覆うように排気マニホールド26と一体的に設けられている。このため、エンジン10の暖機が完了して過熱器30の中を気相冷媒が流れるようになると、過熱器30を流れる気相冷媒と排気マニホールド26を流れるより高温の排気との間で熱交換が行われるようになる。この熱交換によって排気の熱が奪われることにより、触媒24に流れる排気の温度が抑制され、高温の排気ガスによる触媒24の過熱が防止される。
さらに、ランキンサイクルシステム100によれば、エンジン10の停止時、過熱器30の内部が負圧に保たれることによる断熱効果により、触媒温度の低下速度が抑えられる。これにより、エンジン10を停止してからある程度時間が経って再始動した場合でも、触媒24を早期に暖機することが可能となる。
実施の形態2.
図13は、実施の形態2のランキンサイクルシステム102の構成を示す図である。図13において、図1に示す実施の形態1のランキンサイクルシステム100と共通する要素には同一の符号を付している。
実施の形態2のランキンサイクルシステム102は、過熱器80が触媒を覆うように触媒と一体的に設けられている。この触媒一体型の過熱器80は、排気マニホールド26の出口に取り付けられている。過熱器80の入口側には、実施の形態1と同位置に第1バルブ50が設けられ、過熱器80の出口側には、実施の形態1と同位置に第2バルブ52が設けられている。
このような構成によれば、エンジン10の始動時は、過熱器80の断熱効果によって内部の触媒を保温して触媒の暖機を促進することができる。また、エンジン10の暖機の完了後は、過熱器80とその内部の触媒との間の熱交換によって触媒の過熱を防ぐことができる。
実施の形態3.
図14は、実施の形態3のランキンサイクルシステム104の構成を示す図である。図14において、図13に示す実施の形態2のランキンサイクルシステム102と共通する要素には同一の符号を付している。
実施の形態3のランキンサイクルシステム104は、エンジン10の外部に沸騰器86を備える。沸騰器86は、排気通路22において触媒一体型の過熱器80の下流に設けられている。ただし、過熱器は必ずしも触媒一体型でなくてもよく、実施の形態1のように触媒の上流に過熱器を設けることもできる。実施の形態1の沸騰器(冷媒流路)は、エンジン10を沸騰冷却によって冷却する冷却装置を兼ねていたが、本実施の形態の沸騰器86は、液相冷媒を沸騰させて気相冷媒に変化させるために設けられている。沸騰器86を過熱器80とともに排気通路22に設けることにより、エンジン10の排気熱を利用して液相冷媒を沸騰させて気相冷媒を発生させ、再度、排気熱を利用して気相冷媒を過熱することができる。これにより、排気熱を効率よく回収することができる。
実施の形態1のようなエンジン内部に設けられる沸騰器(冷媒流路)は、エンジン10から直接に廃熱の供給を受けるために内部で激しく沸騰し、気相冷媒とともに液相冷媒も冷媒管に飛び出してくる。このため、沸騰器と過熱器との間には気液分離器を設けることが好ましい。一方、このランキンサイクルシステム104のように排気熱を利用して液相冷媒を沸騰させる沸騰器86の場合、沸騰は比較的穏やかであるため、気相冷媒とともに液相冷媒が飛び出すことは少ない。このため、ランキンサイクルシステム104は気液分離器を有しておらず、沸騰器86と過熱器80とは冷媒管90を介して接続されている。ただし、沸騰器86と過熱器80との間に気液分離器を設けることは可能である。
冷媒管90には第1バルブ92が設けられている。第1バルブ92は、実施の形態1の第1バルブと同じく、第2バルブ52とともに操作される。第1バルブ92を第2バルブ52とともに閉じることで、沸騰器86と過熱器80との間の気相冷媒の流通を遮断し、過熱器80の中に気相冷媒を閉じ込めることができる。また、沸騰器86はキャッチタンク44と冷媒管82を介して接続されている。冷媒管82には、キャッチタンク44で回収した液相冷媒を沸騰器86に供給するための電動式のウォータポンプ84が設けられている。
なお、ランキンサイクルシステム104は、エンジン10の冷却システムとは独立して構成することができる。その場合、エンジン10を冷却する冷媒とは別の流体をランキンサイクルシステム104の作動流体として用いることができる。作動流体は、常温では液相流体であり、エンジン10の熱により沸騰して気相流体に変化するものであれば、水には限定されない。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4のランキンサイクルシステム106の構成を示す図である。図15において、図1に示す実施の形態1のランキンサイクルシステム100と共通する要素には同一の符号を付している。
実施の形態4のランキンサイクルシステム106と実施の形態1との違いは、第2バルブ94の位置である。ランキンサイクルシステム106では、過熱器30とタービン34を接続する冷媒管32に第2バルブ94が設けられている。実施の形態2及び3に示す構成においても、本実施の形態と同じ位置に第2バルブを移すことができる。
なお、気液分離器16と過熱器30の間に設けられた第1バルブ50も、他の位置、例えば、沸騰機である冷媒流路12と気液分離器16との間に移すことは可能である。ただし、その場合、2つのバルブを閉じて過熱器30の内部に負圧を発生させたとき、気液分離器16に溜まっている液相冷媒の気化によって過熱器30の負圧が低下するおそれがある。よって、第1バルブ50のより好ましい位置は、本実施の形態のとおり、気液分離器16と過熱器30との間である。
その他.
実施の形態1では、温度センサ60によって冷媒温度(エンジン水温)を計測しているが、これは沸騰冷却モードへの切り替えを判定する手段の一例である。冷媒流路12に圧力センサを設けて、蒸気圧から沸騰冷却モードへの切り替えを判定するようにしてもよい。或いは、触媒24の暖機完了の判定を沸騰冷却モードへの切り替えの判定に利用してもよい。また、過熱器内圧とコンデンサ内圧を計測するための圧力センサ62,64は、過熱器内圧とコンデンサ内圧との差圧を計測する差圧センサに代えることができる。また、実施の形態1では、ECU70の信号によってバルブ50,52の操作を行っているが、バルブ操作装置としてサーモスタットを備え、サーモスタットによってバルブ50,52を操作するようにしてもよい。他の実施の形態についても同様である。
実施の形態1,2或いは4の構成に実施の形態3の構成を組み合わせてもよい。つまり、エンジン内部に設けられる沸騰器(冷媒流路)と別に排気通路にも沸騰器を設け、エンジンから放出される廃熱と排気が有する廃熱の両方を2つの沸騰器によって回収するようにしてもよい。
10 エンジン
12 冷媒流路(沸騰器)
16 気液分離器
20 第1ウォータポンプ(液送ポンプ)
22 排気通路
24 触媒
26 排気マニホールド
30 過熱器
34 タービン(膨張機)
40 コンデンサ
44 キャッチタンク
48 第2ウォータポンプ(液送ポンプ)
50,92 第1バルブ
52,94 第2バルブ
70 ECU(バルブ操作装置)
80 触媒一体型過熱器
84 ウォータポンプ(液送ポンプ)
86 沸騰器
100,102,104,106 ランキンサイクルシステム

Claims (11)

  1. エンジンの廃熱により液相流体を沸騰させて気相流体に変化させる沸騰器と、
    前記沸騰器から送出される気相流体を前記エンジンの排気との熱交換によって過熱させる過熱器と、
    前記過熱器を通過した気相流体を膨張させて仕事を取り出す膨張機と、
    前記膨張機を通過した気相流体を凝縮させて液相流体に戻す凝縮器と、
    前記凝縮器で得られた液体流体を前記沸騰器に供給する液送ポンプと、
    前記沸騰器と前記過熱器との間に設けられた第1バルブと、
    前記過熱器と前記凝縮器との間に設けられた第2バルブと、
    前記沸騰器による液相流体の沸騰が終了した場合に記第1バルブ及び前記第2バルブを閉じるように構成されたバルブ操作装置と、
    を備えることを特徴とするランキンサイクルシステム。
  2. 前記バルブ操作装置は、さらに、前記沸騰器による液相流体の沸騰が始まる場合或いは始まった場合に前記第1バルブ及び前記第2バルブを開くように構成されることを特徴とする請求項1に記載のランキンサイクルシステム。
  3. 前記バルブ操作装置は、最初に前記第1バルブを閉じ、前記過熱器内の圧力が前記凝縮器内の圧力に近づいてから前記第2バルブを閉じるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のランキンサイクルシステム。
  4. 前記バルブ操作装置は、最初に前記第2バルブを開き、前記凝縮器内の圧力が前記過熱器内の圧力に近づいてから前記第1バルブを開くように構成されることを特徴とする請求項2に記載のランキンサイクルシステム。
  5. 前記過熱器は、気相流体が内部で凝縮してできた液相流体を外部へ排出する通路を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のランキンサイクルシステム。
  6. 前記過熱器は、前記エンジンの排気通路において触媒の上流に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のランキンサイクルシステム。
  7. 前記過熱器は、前記エンジンの排気マニホールドを覆うように前記排気マニホールドと一体的に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のランキンサイクルシステム。
  8. 前記過熱器は、前記エンジンの排気通路において触媒の外周上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のランキンサイクルシステム。
  9. 前記沸騰器は、前記エンジンのシリンダブロック或いはシリンダヘッドに設けられ、液相流体が沸騰する際の気化熱により前記エンジンを冷却するように構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のランキンサイクルシステム。
  10. 前記沸騰器は、前記エンジンの排気通路において前記過熱器の下流に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のランキンサイクルシステム。
  11. 前記沸騰器と前記過熱器との間に、前記沸騰器から排出される気相流体と液相流体とを分離する気液分離器をさらに備え、
    前記第1バルブは、前記気液分離器と前記過熱器との間に設けられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のランキンサイクルシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018053788A (ja) * 2016-09-28 2018-04-05 いすゞ自動車株式会社 廃熱回収装置

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