JP2016147981A - 白色フィルム - Google Patents

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Hirokado Nakamura
博門 仲村
前川 茂俊
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茂俊 前川
裕仁 内田
hirohito Uchida
裕仁 内田
田中 照也
Teruya Tanaka
照也 田中
康平 山中
Kohei Yamanaka
康平 山中
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Abstract

【課題】反射フィルムの厚みを厚くすることなく、高い反射率と隠蔽性を達成する。【解決手段】芳香族ポリエステル樹脂を主体とした白色フィルムであって、該フィルムの断面において、ボイドとボイド核剤を有し、かつ、インク浸透厚みが5.0μm未満の白色フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、白色フィルムに関するものである。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示が可能となっている。バックライトは、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し側面に光源を設置するタイプのバックライトが適用されている。
このサイドライト型バックライトでは、冷陰極線管またはLEDを光源とし、導光板のエッジから光を均一に伝播・拡散して、液晶ディスプレイ全体を均一に照射する。そして、光をより効率的に活用するため、光源の周囲に反射板が設けられ、更に導光板から拡散された光を液晶画面側に効率的に照射させるために導光板の背面に反射板が設けられている。これにより光源からの光のロスを少なくし、液晶画面を明るくする機能を付与している。
一方、液晶テレビに用いられるような大画面用のバックライトでは、エッジライト方式の他に直下型ライト方式が採用されている。この方式は、液晶パネルの背面に冷陰極線管を並列に設け、さらにその冷陰極線管の背面に反射板を設置した構成によって、光源からの光を液晶画面側に効果的に照射させる。
このような液晶ディスプレイ用バックライトに用いられる反射板においては、携帯電話およびノート型パソコンの薄型化、小型化やテレビの大画面化に伴い、薄膜であるにもかかわらず高い反射性、光の高隠蔽性、および高い剛性が要求されるようになってきた。
特許第4923378号 特開2007−171994号 特許第5078192号 特開2012−218153号 特開2008−225099号
従来、反射板には、フィルム内部に含有された微細な気泡とマトリックス樹脂との界面での屈折率差による光の反射を利用した構成が広く採用されている。より高い反射性を達成するためには、気泡同士が連結することなく独立した気泡として存在して微細化することが重要であるが、これまで、気泡の連結は少ない方が良いとされていながら、連結を抑制する具体的な検討は十分になされていなかった。(特許文献1−5参照)。 液晶ディスプレイなどの照明ユニットからの光の効率を向上させるため、反射フィルムに対してはさらに高い反射率と隠蔽性が要求されている。従来技術である、ボイド核剤を含有したボイド層と樹脂層を形成する反射フィルムはボイド層と樹脂層の界面反射を活用するものであり、界面数が多いほど反射率が向上するが、界面数を多くするためにボイド核剤を多く添加すると、ボイドの隔壁が破れ、添加量に対し界面数が頭打ちになるという課題があった。したがって、界面数を多くするために、フィルム全体の厚みを厚くするしかなかった。しかしながら、昨今のディプレイは薄肉化が進んでおり、厚みの厚い反射フィルムは産業的価値が薄まりつつある。
上記を鑑み、反射フィルムの厚みを厚くすることなく、高い反射率と隠蔽性を達成することが求められている。
上記課題を鑑み、鋭意検討した結果、以下の構成を有するフィルムにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
(1)芳香族ポリエステル樹脂を主体とした白色フィルムであって、該フィルムの断面において、ボイドとボイド核剤を有し、かつ、該フィルムの厚み方向の長さ10μm中に、10個〜50個のボイド界面が形成されており、かつ、インク浸透厚みが5.0μm未満の白色フィルム白色フィルム白色フィルム
本発明によれば、優れた反射率と隠蔽性を有し、各種ディスプレイ用途に好適に用いられる白色フィルムを提供することができる。
白色フィルムにインクが浸透した様子を示す模式図 インク浸透厚みの計測箇所
本発明者は鋭意検討した結果、ボイドとボイド核剤を有する、芳香族ポリエステル樹脂を主体とした白色フィルムにおいて、特定の結晶化速度に制御したポリエステル樹脂を、特定の製法で作成することで、ボイドの連結を大幅に抑制し、優れた反射率と隠蔽性を有する白色フィルムを得られることを見出したものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
・芳香族ポリエステル樹脂
本発明の反射フィルムを構成する主成分としては、可視光線領域の光の吸収が少なく、屈折率が大きいものが好適に用いられる。本発明の光反射の原理が樹脂層とボイド層における界面反射であるため、反射フィルムを構成する主成分において、光の吸収は少なければ少ないほど効果的である。また、ボイド層との屈折率差が大きい方が、あらゆる入射角の光を屈折させることができるため好適である。
本発明の反射フィルムの主たる成分として用いられる樹脂成分としては、可視光領域に吸収を有しないものが好ましい。フィルム内部のボイドと樹脂との気固界面にて光を反射・拡散させるため、固相を形成する樹脂成分の屈折率は、気相の屈折率との差が大であることが好ましい。屈折率差が小であると、気固界面での反射があまり起こらず、結果として所望の光反射効果が得られない。気体および真空の屈折率は1.0であることから、実質的に有効な光反射性を得るためには、樹脂成分の屈折率は1.4以上であることが好ましく、より好ましくは1.5 以上であることが好ましい。かかる条件を満たす樹脂の例としては、ポリオレフィンやポリエステル等が挙げられる。中でも寸法安定性、機械特性、ハンドリング特性(取扱い性)が良好でかつ高い屈折率を有する芳香族ポリエステル樹脂を用いることが重要である。
芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂である。芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、ジオール成分とは、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。芳香族ポリエステル樹脂の具体的な例は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどは安価に入手でき、かつ製膜性も良好であるため、特に好適に用いることができる。
本発明における芳香族ポリエステル樹脂は、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。コポリマーである場合の共重合成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、炭素数2〜15のジオール成分を挙げることができ、これらの例としては、たとえばイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、スルホン酸塩基含有イソフタル酸、およびこれらのエステル形成性化合物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、数平均分子量400〜20,000のポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。
本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂は、ボイドの連結を抑制するために、結晶化速度が遅いものを用いることが好ましい。結晶化速度の制御は、直鎖の低結晶性樹脂、あるいは、直鎖の非晶性樹脂により制御することが好ましい。一般に、架橋や高分岐鎖の樹脂添加により結晶化速度を制御する技術があるが、これらは、延伸時にフィルムにかかる応力が大きくなるため、ボイド壁面の破断に繋がりやすく、本発明の目的を達成できない場合がある。本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂の好ましい結晶化速度は、DSC(示差走査熱量計)において、20℃/分で昇温した場合、結晶化に由来するピークの半値全幅(℃h)とベースラインからピークトップまでの高さ(W)の比率(W/℃h)が、340W/℃h未満である。より好ましくは、80W/℃h以上340W/℃h未満である。340W/℃h以上であると、延伸過程で結晶化が促進され、伸度が低下し、ボイドが連結しやすくなる。また、80W/℃h未満だと、結晶化が遅すぎて、形成したボイドが保持できずに潰れてしまい、満足な反射率が得られなくなることがある。
本発明における芳香族ポリエステル樹脂の結晶化速度を制御するために好ましい樹脂の組合せとしては、テレフタル酸とエチレングリコールの結晶性ホモポリマーにテレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールの低結晶性のコポリマーを混合した樹脂、テレフタル酸とエチレングリコールの結晶性ホモポリマーにテレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの非結晶性のコポリマーを混合した樹脂が好適に挙げられる。
・ボイド
本発明におけるボイドとは、ボイド核剤によって形成される芳香族ポリエステル中に存在する空間のことを指す。ボイドの形状は、フィルム断面から観察される略円、略楕円状である。ボイドの形成方法は、後述するボイド核剤と芳香族ポリエステル樹脂と任意の割合で混合した樹脂を延伸により外力を加え、芳香族ポリエステル樹脂とボイド核剤とを引き剥がす方法で形成させることができる。具体的には、芳香族ポリエステル樹脂とボイド核剤とを含有する混合物を溶融押出しした後、少なくとも一方向に延伸することで、内部に気泡を形成させる方法が挙げられる。
・ボイド核剤
本発明におけるボイド核剤とは、芳香族ポリエステル樹脂と非相溶な熱可塑性樹脂である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶性樹脂を併用してもよい。なかでも、臨界表面張力の小さなポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン共重合体のようなポリオレフィンが好ましく用いられる。
ボイド核剤に好ましく用いられるポリメチルペンテンとしては、分子骨格中に4−メチルペンテン−1から誘導される二価の有機基を繰返し単位として、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。また、その他の繰返し単位としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、あるいは4−メチルペンテン−1以外で炭素数6〜12の炭化水素から誘導される二価の有機基などが挙げられる。ポリメチルペンテンは単独重合体であっても共重合体であってもよい。また、組成や溶融粘度などが異なる複数のポリメチルペンテンを混合して用いたり、他のオレフィン系樹脂やその他樹脂と併用してもよい。
ボイド核剤に好ましく用いられるシクロオレフィン共重合体とは、シクロアルケン、ビシクロアルケン、トリシクロアルケン及びテトラシクロアルケンなどのシクロオレフィン成分と、エチレン、プロピレンなどの直鎖オレフィン成分からなる共重合体である。
シクロオレフィン成分の代表例としては、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−i−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4,3,0,12.5〕−3−デセン、2−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5〕−3−デセン、5−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5〕−3−デセン、トリシクロ〔4,4,0,12.5〕−3−デセン、10−メチル−トリシクロ〔4,4,0,12.5〕−3−デセンなどが挙げられる。
直鎖オレフィン成分の代表例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどが挙げられる。
ボイド核剤に好ましく用いられるシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度(Tg)は、110℃以上であることが好ましい。110℃以上とすることで高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。具体的には130℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上である。かかる範囲にすることにより、混練時においてマトリクス樹脂中に微分散化し、延伸工程においてより確実にボイドを形成し、熱処理工程におけるボイド消失を抑制することができるためである。シクロオレフィン共重合体のガラス転移温度(Tg)の上限は250℃が好ましい。
シクロオレフィン共重合体のガラス転移温度(Tg)を110℃以上に制御するためには、例えばシクロオレフィン共重合体中のシクロオレフィン成分の含有量を多くし、エチレンなどの直鎖オレフィン成分の含有量を少なくすることが挙げられる。具体的には、シクロオレフィン成分は60モル%以上であり、エチレンなどの直鎖オレフィン成分の含有量は40モル%未満であることが好ましい。より好ましくは、シクロオレフィン成分は70モル%以上であり、エチレンなどの直鎖オレフィン成分の含有量は30モル%未満、さらに好ましくはシクロオレフィン成分が80モル%以上であり、エチレンなどの直鎖オレフィン成分の含有量が20モル%未満である。特に好ましくはシクロオレフィン成分が90モル%以上であり、エチレンなどの直鎖オレフィン成分の含有量が10モル%未満である。かかる範囲にすることにより、シクロオレフィン共重合体のガラス転移温度(Tg)を前述の範囲まで高めることができる。
シクロオレフィン共重合体を用いる場合、直鎖オレフィン成分は、反応性の観点からエチレン成分が好ましい。さらに、シクロオレフィン成分は、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)やその誘導体が生産性・透明性・高Tg化の点から好ましい。
ボイド核剤は、芳香族ポリエステル樹脂100質量部に対して、10〜50質量部含有することが反射率の点から好ましい。より好ましくは15〜30質量部である。10質量部未満であると形成されるボイドが少なくなり、反射率が低くなる場合がある。また、50質量部より多いとボイド同士が連結しやすくなり、反射率の低下や製膜時の破れが発生しやすく生産性が低下する場合がある。
ボイド核剤によって得られるボイドとしては、フィルム厚み方向の長さ10μm中に、10〜50個のボイド界面が形成されていることが必要である。ボイド界面とは、フィルム中に存在する、ボイドと樹脂の界面のことであり、本発明においては、フィルム厚み方向10μm中に存在するボイドの数を、ボイド界面数と称する。ボイド界面数の具体的な測定方法は、後述の実施例で示す。ボイド界面数が、10個未満の場合は、十分な反射率が得られず、50個より多いと剛性が不足して白色フィルムを取り扱う際に折れ曲がりが生じやすく、取扱性が低下する。好ましくは、20個〜50個、さらに好ましくは、25個〜45個である。
・インク浸透厚み
本発明におけるインク浸透厚みとは、ボイド層を有するフィルムを赤色のインクに含浸したのち、その断面を観察することで、浸透したインクの厚みのことである。具体的な測定方法は、後述の実施例で示す。
本発明における白色フィルムは、インク浸透厚みが、5.0μm未満であることが重要である。5.0μm以上であると、十分な反射率を得ることができない。インク浸透厚みの上限は、測定原理上、フィルムの厚みが上限である。より好ましいインク浸透厚みは、4.0μm未満。さらに好ましくは、3.0μm未満である。
一般に、ボイドを有する白色フィルムは、単位厚み当たりのボイド界面数と反射率の間で、比例関係が成り立っている。即ち、ボイド界面数が多ければ反射率が高くなる理論線を描くことができる。しかしながら、実際は、ボイド界面数の増加とともに、反射率は頭打ちになる傾向が観察される。これは、ボイド同士の部分的な連結が生じるためと考えられる。つまり、一次元的な測定方法で算出されるボイド界面数では捉えきれなかった、ボイドの連結した割合、即ち、インク浸透厚みを加味する必要が生じる。
本発明は、インク浸透厚みが5.0μm未満を達成することで、理論線に近づく反射率が得られることを見出したものである。
・無機粒子
本発明の効果を損なわない範囲で、無機粒子を含有することができる。ボイド連結を抑制しながら、効果的な粒子散乱効果を得るためには、平均粒径(D50、モード平均粒径)が0.05〜1μmの無機粒子であることが好ましい。より好ましくは平均粒径0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.15〜0.35μmである。平均粒径が0.05μm未満であると、分散性が低下して凝集を起こしやすくなり、1μmより大きいと、ボイドが連結しており、本発明が目的とする高い独立気泡率を得られない場合がある。
無機粒子の具体例としては、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルクなどの粒子を挙げることができる。これらの中でも、屈折率、気泡形成、白色度、光学濃度など総合的効果の点から、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムがより好ましく、特に酸化チタンが好適に用いられる。
無機粒子の含有量は、前記芳香族ポリエステル100質量部に対し、10〜50質量部含有されていることが好ましい。より好ましくは10〜40質量部である。無機粒子の含有量が10質量部未満であると、後方散乱性が十分に発現されず、光反射性に劣る場合があり、50質量部より多いと、フィルム延伸性が低下し、破れやすくなり、生産性が低下する。
・白色フィルムの製造方法
特定の結晶化速度に調整された芳香族ポリエステル樹脂とボイド核剤を含む混合物を、必要に応じて十分真空乾燥を行い、押出機(主押出機)を有する製膜装置の加熱された押出機に供給する。ボイド核剤や、無機粒子の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給するなどしてもよいが、マスターチップを用いる方が、分散が促進されるため好ましく用いられる。
また、溶融押出に際してはメッシュ40μm以下のフィルターにて濾過した後に、Tダイ口金内に導入し押出成形により溶融シートを得ることが好ましい。この溶融シートを表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。
該未延伸フィルムを60〜95℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(すなわちフィルムの進行方向)に周速の異なる二本のロール間で延伸する。この延伸中に8.5W/cm以上40W/cm以下の熱量Qで表面を加熱することが肝要である。好ましくは10W/cm以上25W/cm以下である。本発明でいう熱量Qとはフィルム幅あたりの熱量を指す。
加熱のための熱源としては、赤外線ヒーターや熱風を用いることができるが、エネルギー効率の観点から赤外線ヒーターを用いることが好ましい。赤外線ヒーターの種類は特に限定されないが、近赤外線ヒーターやカーボンヒーターなどを用いることができる。加熱性能と寿命とのバランスからカーボンヒーターがより好ましい。赤外線ヒーターには背面に金反射膜が付いていることが好ましい。また、集光装置を用いても良い。かかるヒーターとしてヘレウス(株)製Twin Tube透明石英ガラス製カーボンヒーターが挙げられる。
赤外線ヒーターとフィルムとの距離は5〜100mmが好ましく、より好ましくは10〜50mmであり、さらに好ましくは10〜20mmである。赤外線ヒーターとフィルムの距離が100mm以上であると、後述する赤外線ヒーター出力範囲では赤外線がフィルムに届くまでに減衰し、フィルムの表面温度を上げることができないことがある。赤外線ヒーターとフィルムの距離が5mm以下であると、上述した赤外線ヒーター出力範囲では、縦延伸時にフィルムが軟化してしまい、安定製膜できないため、好ましくない。
赤外線ヒーターの出力は35〜150W/cmが好ましく、より好ましくは40〜100W/cm、さらに好ましくは50〜80W/cmである。縦延伸時の赤外線ヒーターの出力が150W/cmを超える場合、縦延伸時にフィルムが軟化してしまい、安定製膜できないため好ましくない。また、縦延伸時の赤外線ヒーターの出力が30W/cmに満たない場合、フィルム表面にクレーターが形成されるため、粉発生等による工程汚染を生じるため好ましくない。
本発明において、赤外線ヒーターを用いた場合の熱量Qは下記式によって求めた値を言う。また、熱量Qは片面あたりの熱量である。
Q=(赤外ヒーターの出力(W/cm))×(0.4−0.055×ln(赤外線ヒーターとフィルムとの距離(mm)))
赤外線ヒーターの本数は1本でも複数本でも特に限定されないが、照射ゾーンを通過する時間が0.2〜2秒間が好ましい。さらに好ましくは0.4秒〜1秒である。製膜速度が遅い場合は1本でもかまわないが、製膜速度が早い場合、複数本並べることが好ましい。上限は特に規定されないがロール間の空隙から実際は4本が上限である。本発明でいう照射ゾーンはヒーター1本あたり40mmであり重複を除した距離をいう。通過する時間が0.2秒未満では昇温が十分にされず、また2秒以上ではフィルム内部の温度が高温になるため反射率が小さくなり好ましくない。
また、赤外線ヒーターはフィルムの片面または両面に設置する。特に気泡を有する層がある側に設置することが求められる。
本発明は延伸中に表面を加熱することで表面部分の延伸張力が小さく気泡の形成を阻害すると同時に、フィルム内部に形成されはじめた気泡によって熱伝導率が小さくなるために表面よりフィルム内部は低温であることによって延伸によりフィルム内部の気泡を形成するものである。すなわち、延伸中に加熱することが肝要である。
上記方法で加熱しながら長手方向に3.3〜4.5倍に延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。3.3倍未満では十分な大きさに気泡が形成できず十分な反射率を得ることが出来ない。また、4.5倍より高倍率に延伸するとその後の横延伸において破れやすくなり生産性に優れないため好ましくない。
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、芳香族ポリエステル樹脂の結晶化温度Tcc+20℃〜70℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3.3〜6.0倍に延伸する。3.3倍未満では気泡サイズが小さく十分な反射率と得ることが出来ない。また、6.0倍より高倍率延伸すると破れやすくなり生産性に優れないため好ましくない。
得られた二軸延伸フィルムの配向結晶化を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて170〜240℃の温度で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、その後必要に応じて、他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明の白色フィルムを得ることができる。上記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
尚、一般に熱処理温度が高いほど、熱寸法安定性も高くなるが、本発明の白色フィルムは製膜工程において高温(190℃以上)で熱処理されることが好ましい。本発明の白色フィルムは一定の熱寸法安定性を有することが望まれるためである。本発明の白色フィルムは液晶ディスプレイなどに搭載されている面光源(バックライト)の反射フィルムとして用いられることがある。バックライトによってはバックライト内部の雰囲気温度が100℃程度まで上昇することがあるためである。
なお、本発明における白色フィルムの厚みは30μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上400μm以下がより好ましい。厚みが30μm未満の場合、十分な反射性が得られないため好ましくない。一方、500μmより厚い場合、液晶ディスプレイの薄膜化の要求に応えることができず好ましくない。白色フィルムの厚みは、押出機からの樹脂の溶融押出量及び未延伸シートを延伸する工程の速度を調整するなどの公知の方法で調整することができる。
本発明の白色フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、フィルムの表層にボイドの無い樹脂層を設けることもできる。具体的には、フィルムの剛性を付与する目的で、厚み10μm未満の芳香族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂層を積層したり、制電目的で帯電防止剤をコーティングしたり、さらに、光沢度を下げる目的で、微小粒子を塗布するなどが挙げられる。
[特性の測定方法および評価方法]
・結晶化速度
製膜により得られたフィルムのボイド層を有する層の部分を5.0mg秤量し、示差走査熱量測定法(DSC法)により、30℃から300℃の温度範囲を、20℃/分の昇温速度で一度昇温したのち、液体窒素で−20℃に急冷し5分間保持した。そのまま再び、30℃から300℃までの温度範囲を、20℃/分の昇温速度で昇温した際に観察される、結晶化に由来する発熱ピークの半値全幅(℃h)とベースラインからピークトップまでの高さ(W)の比率(W/℃h)を求め、本発明における結晶化速度とした。
本発明においては、340W/℃hより小さい場合は結晶化速度が遅い、340W/℃hより大きい場合を結晶化速度が速い、とした。
・インク浸透厚み
製膜により得られたフィルムのボイド層を有する層を3cm角にサンプリングし、重りとして金属製のクリップで挟んで、容積50ccのPS製スクリュウ瓶に入れた。次に、精密機器自動記録用インキStandard“No.1812E”(KOBAYASHI KIROKUSHI社製)15ccを該スクリュウ瓶に滴下し、フィルムを浸漬させてキャップを閉め、25℃65%RHで48hr静置した。次に、スクリュウ瓶からフィルムを取り出し、金属製のクリップを取り外してキムワイプ(登録商標)で表面の余分なインキを拭き取ったのち、ミクロトームで断面出しを行い、デジタルマイクロスコープ“Area P3−FX” (ナカデン・インターナショナル社製)で800倍に拡大した画像を1600×1200ピクセルで画像処理ソフト「PerfectView7」に取り込み、インキが浸透した厚みを2点間距離で計測した。1サンプルにつき計測した箇所は、フィルムの中心部分(図2a点)と、中心から対角線上で1cm離れた四隅の4箇所(図2b,c,d,e点)、の計5箇所で行い、その平均をインク浸透厚みとした。
・フィルム厚み
フィルムの幅方向の中心部分の断面を5枚切り出し、電界放射走査型電子顕微鏡”JSM−6700F”(日本電子(株)製)を用いて500〜5,000倍に拡大観察して撮影した断面写真より、フィルムの厚みを計測した。5枚の数値の平均値をフィルム厚みとした。
・フィルム厚み方向ボイド数密度
フィルムの幅方向の中心部分の断面を切り出し、電界放射走査型電子顕微鏡”JSM−6700F”(日本電子(株)製)を用いて500〜5,000倍に拡大観察して断面写真を撮影したのち、断面写真に厚み方向に垂直の線を引き、その線に交わるボイドの数を数えた。線の長さを10μm当たりに換算したボイド数をボイド数密度とした。
・フィルム比重
得られたフィルムを5cm×5cmの大きさに切りだし、JIS K7112(1980版)に基づいて電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用いて測定した。なお、各フィルムについて5枚用意し、それぞれを測定し、その平均値をもって該フィルムの比重とした。
・560nm反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)に、φ60積分球130−0632((株)日立製作所)(内面が硫酸バリウム製)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で560nmの光反射率を求めた。なお、光反射率は白色積層フィルムの樹脂層側から計測して求めた値を当該白色フィルムの反射率とした。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740(酸化アルミニウム)を用いた。
・全光線透過率
JIS K−7105(1981/03/01制定)に従い、ヘイズメーター(HGM−2、スガ試験機株式会社製)を使用して測定した。
[原料]
・PET
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性のポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、250℃であった。
・共重合PET1
酸成分としてテレフタル酸82.5モル%とイソフタル酸17.5モル%混合物を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、重合触媒として三酸化アンチモンを得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.68dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートペレットを得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性を示した。
・共重合PET2
CHDM(シクロヘキサンジメタノール)共重合PETを用いた。該共重合グリコール成分にシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したPETである。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性樹脂であった。
・ボイド核剤A
ガラス転移温度が178℃、MVR(260℃/2.16kg)が4.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS」(ポリプラスチック社製)を用いた。なお、示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性樹脂であった。
・ボイド核剤B
ポリメチルペンテン樹脂「TPX」(三井化学社製)を用いた。
・硫酸バリウムA
平均粒径0.65μmの市販の沈降型硫酸バリウムを用いた。
・硫酸バリウムB
平均粒径0.30μmの市販の沈降型硫酸バリウムを用いた。
・酸化チタンA
平均粒径0.45μmの市販のルチル型酸化チタンを用いた。
・酸化チタンB
SiO/ステアリン酸/アクリル酸アルキルで表面処理されたルチル型酸化チタンを用いた。平均粒径は0.40μmであった。
〔実施例1〜5〕
表1に示した原料の混合物を120℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機1に供給し、280℃の温度で溶融後80μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。次いで、180℃、3時間で真空乾燥したPETを押出機2に供給し、280℃の温度で溶融後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、押出機1の両表層側になるように合流させて、Tダイ口金よりシート状に押出し、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸の積層フィルムを得た。
続いて、該積層フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、出力を70W/cmに調整した赤外線ヒーターを両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.5倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍延伸し、次いで175℃の温度の加熱ゾーンで、1.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで、190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの白色フィルムを得た。
〔比較例1〕
表1に示した原料の混合物を120℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機1に供給し、280℃の温度で溶融後80μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。次いで、180℃、3時間で真空乾燥したPETを押出機2に供給し、280℃の温度で溶融後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、押出機1の両表層側になるように合流させて、Tダイ口金よりシート状に押出し、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸の積層フィルムを得た。
続いて、該積層フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、出力を30W/cmに調整した赤外線ヒーターを両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.5倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍延伸し、次いで175℃の温度の加熱ゾーンで、1.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで、190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの白色フィルムを得た。
〔実施例6〜9〕
表2に示した原料の混合物を120℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機1に供給し、280℃の温度で溶融後80μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。次いで、180℃、3時間で真空乾燥したPETを押出機2に供給し、280℃の温度で溶融後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、押出機1の両表層側になるように合流させて、Tダイ口金よりシート状に押出し、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸の積層フィルムを得た。
続いて、該積層フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、出力を70W/cmに調整した赤外線ヒーターを両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.5倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍延伸し、次いで175℃の温度の加熱ゾーンで、1.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで、190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの白色フィルムを得た。
〔比較例2〕
表2に示した原料の混合物を120℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機1に供給し、280℃の温度で溶融後80μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。次いで、180℃、3時間で真空乾燥したPETを押出機2に供給し、280℃の温度で溶融後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、押出機1の両表層側になるように合流させて、Tダイ口金よりシート状に押出し、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸の積層フィルムを得た。
続いて、該積層フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、出力を30W/cmに調整した赤外線ヒーターを両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.5倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍延伸し、次いで175℃の温度の加熱ゾーンで、1.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで、190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの白色フィルムを得た。
〔実施例10〜13〕
表3に示した原料の混合物を120℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機1に供給し、280℃の温度で溶融後80μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。次いで、180℃、3時間で真空乾燥したPETを押出機2に供給し、280℃の温度で溶融後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、押出機1の両表層側になるように合流させて、Tダイ口金よりシート状に押出し、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸の積層フィルムを得た。
続いて、該積層フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、出力を70W/cmに調整した赤外線ヒーターを両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.5倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍延伸し、次いで175℃の温度の加熱ゾーンで、1.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで、190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの白色フィルムを得た。
〔比較例3〕
表3に示した原料の混合物を120℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機1に供給し、280℃の温度で溶融後80μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。次いで、180℃、3時間で真空乾燥したPETを押出機2に供給し、280℃の温度で溶融後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、押出機1の両表層側になるように合流させて、Tダイ口金よりシート状に押出し、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸の積層フィルムを得た。
続いて、該積層フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、出力を30W/cmに調整した赤外線ヒーターを両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.5倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍延伸し、次いで175℃の温度の加熱ゾーンで、1.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで、190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの白色フィルムを得た。
ボイド核剤のみを用いた白色フィルムは、実施例1〜5と比較例1であるが、インク浸透厚みが薄い実施例1〜5の方が、反射率が高い結果が得られた。
ボイド核剤に硫酸バリウムを加えた白色フィルムは、実施例6〜9と比較例2であるが、インク浸透厚みが薄い実施例6〜9の方が、反射率が高い結果が得られた。さらに、硫酸バリウムの平均粒径が小さいと、よりインク浸透厚みが薄くなり、より高い反射率が得られた。
ボイド核剤に二酸化チタンを加えた白色フィルムは、実施例10〜13と比較例3であるが、インク浸透厚みが薄い実施例10〜13の方が、反射率が高い結果が得られた。さらに、二酸化チタンの表面に有機処理を施すと、よりインク浸透厚みが薄くなり、より高い反射率が得られた。
本発明によれば、昨今求められている薄型液晶ディスプレイの面光源用の反射板として、より明るく、照明効率に優れた面光源を得ることのできる、白色フィルムを提供することができる。
1…インク浸透厚み

Claims (1)

  1. 芳香族ポリエステル樹脂を主体とした白色フィルムであって、該フィルムの断面において、ボイドとボイド核剤を有し、かつ、該フィルムの厚み方向の長さ10μm中に、10個〜50個のボイド界面が形成されており、かつ、インク浸透厚みが5.0μm未満の白色フィルム。
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