JP2016146414A - 変圧器 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻線表面の放熱性を向上させて、低コスト化並びに小型化した変圧器を提供する。【解決手段】変圧器は、鉄心3と、鉄心3の周囲に配される内側巻線4と、内側巻線4の周囲に配される外側巻線5と、鉄心3と内側巻線4とを絶縁させる絶縁部材9と、外側巻線5の外周面を保護する保護部材10を有する。絶縁部材9、保護部材10のいずれかは、芳香族ポリアミドの熱伝導率を上回る熱伝導率を有する材料からなる。【選択図】図3
Description
本発明は、変圧器の構造に関する。
変圧器の各相のコイルは、鉄心の周囲に巻かれる低電圧の巻線と、この低電圧の巻線の外側に巻かれる高電圧の巻線とを有している(例えば特許文献1)。これらの巻線は、エポキシ樹脂,シリコン樹脂等の絶縁材からなる絶縁紙によってモールド保護されている。
従来の変圧器は巻線の保護のために比較的に厚めの絶縁紙が採用されている。
しかしながら、前記厚めの絶縁紙を採用すると、熱伝導率が低くなるので、巻線の表面での放熱が劣るものとなり、巻線のモールド部分に限らず、変圧器全体の巻線の温度が高くなることがある。また、一般に巻線に用いられる材料は温度依存性が高く、巻線温度が高くなることによって巻線損失が増加する。巻線損失の増加は変圧器の効率低下につながる。
さらに、巻線温度が高くなると、高温耐性の高価な絶縁紙を適用する必要があるので、変圧器のコストアップにつながる。巻線の温度上昇を低減するためには変圧器の内側巻線と外側巻線相互の放熱の影響を抑制する必要がある。そのためには変圧器の内側巻線と外側巻線との間の厚さ方向の距離を充分確保する必要があるので、変圧器の大型化を招くことになる。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、変圧器の巻線表面の放熱性を向上させて変圧器の低コスト化並びに小型化を図ることを課題とする。
そこで、本発明の変圧器は、鉄心と、この鉄心の周囲に配される内側巻線と、この内側巻線のさらに周囲に配される外側巻線と、前記鉄心と前記内側巻線とを絶縁させる絶縁部材と、前記外側巻線の外周面を保護する保護部材を有する。前記絶縁部材、保護部材のいずれかは、芳香族ポリアミドの熱伝導率を上回る熱伝導率を有する材料からなる。
本発明によれば、変圧器の巻線表面の放熱性が向上するので、変圧器の低コスト化並びに小型化を図ることができる。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1に例示した本実施形態の変圧器1は三相の内鉄形の変圧器である。
図2に示したように、変圧器1の各相のコイル2は、鉄心3の周囲に配される二次側電圧(低電圧)の内側巻線4と、この内側巻線4のさらに周囲に配される一次側電圧(高電圧)の外側巻線5とを備える。
鉄心3と内側巻線4との間には、絶縁スペーサ6が配置されることにより、鉄心3,内側巻線4間を絶縁させると共に、周知の絶縁ガス、絶縁油等の冷媒を流通させる冷媒空間61が確保されている。
また、内側巻線4,外側巻線5間にも、絶縁スペーサ6が配置されることにより、この内側巻線4,外側巻線5間を絶縁させると共に、前記冷媒を流通させる冷媒空間61が確保されている。
鉄心3は枠縁型のケイ素鋼板が複数積層されて成る。この鉄心3は、図1に示されたように、その上下端が上端フレーム7,下端フレーム8によって各々挟まれた状態で立設支持されている。
図3に示したように、内側巻線4は、例えばホルマル銅線からなり、鉄心3の周囲に整列的に巻装されることにより複数積層された内側巻線層41の形態を成す。そして、個々の内側巻線層41間には層間絶縁部材42が配されている。
また、鉄心3と対向する内側巻線層41の内周面には内周絶縁部材43が配されている。一方、内側巻線層41の外周には、内側巻線4,外側巻線5間での高低電圧の混触を防止する混触防止部材44が配されている。
さらに、混触防止部材44の内周にはこの混触防止部材44と内側巻線層41とを絶縁させる内周絶縁部材45が配される一方で、混触防止部材44の外周には内側巻線4と外側巻線5とを絶縁させる外周絶縁部材46が配されている。
外側巻線5も、例えばホルマル銅線からなり、内側巻線4の外周絶縁部材46の周囲に絶縁スペーサ6を介して整列的に巻装されることにより複数積層された外側巻線層51の形態を成す。また、内側巻線4と同様に、個々の外側巻線層51間においても層間絶縁部材52が配されている。さらに、絶縁スペーサ6を介して内側巻線4の外周絶縁部材46と対向する外側巻線層51の内周面には内周絶縁部材53が配されている。
また、図3に示したように、鉄心3と内側巻線4との間には絶縁部材9が配されている。さらに、空気層に面する外側巻線5の外周面にはこの外側巻線5を保護する保護部材10が配されている。
絶縁部材9、保護部材10のいずれかは熱伝導性の材料からなるシートが挙げられる。この熱伝導性の材料には周知の高熱伝導材料が適用される(例えば、特許文献2)。前記高熱伝導材料としては、石英、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ジルコニア等が例示される。これらの高熱伝導材料のうちから適宜に選択される。
以上の変圧器1によれば、絶縁部材9,保護部材10の構成材料に高熱伝導材料が採用されたことにより、内側巻線4,外側巻線5の表面の放熱性が向上するので、内側巻線4,外側巻線5の内部温度が低下する。
そして、これにより、以下の効果が得られる。
(1)内側巻線4と外側巻線5との間の冷媒空間61の厚さ方向の距離の低減によって変圧器の小型化が実現する。
(2)巻線損失の低減による変圧器の電気的な高効率化が実現する。
(3)層間絶縁部材42,52の耐熱レベルを考慮する必要がなくなるので、層間絶縁部材42,52を構成する材料の耐熱レベルを下げることが可能となり、製造コストの低減化が実現する。
(4)各相コイルの冷却効果の向上により変圧器の大容量化が実現する。
(1)内側巻線4と外側巻線5との間の冷媒空間61の厚さ方向の距離の低減によって変圧器の小型化が実現する。
(2)巻線損失の低減による変圧器の電気的な高効率化が実現する。
(3)層間絶縁部材42,52の耐熱レベルを考慮する必要がなくなるので、層間絶縁部材42,52を構成する材料の耐熱レベルを下げることが可能となり、製造コストの低減化が実現する。
(4)各相コイルの冷却効果の向上により変圧器の大容量化が実現する。
また、本実施形態の変圧器1は、全長の長い内側巻線や外側巻線に高熱伝熱シートを施す特許文献2の変圧器と比べても、変圧器の製造コスト及び製造時の作業時間の観点から有利である。
従来の変圧器に適用されている絶縁部材、保護部材には、芳香族ポリアミドを含んでなるシートが適用されているが(特許文献2)、このシートはその厚さに応じて熱伝導率が0.103〜0.175[W/m・K]となり、熱伝導率としては低い値となる。
これに対して、本実施形態の変圧器1においては絶縁部材9,保護部材10のいずれかに前記芳香族ポリアミドのシートの10倍〜200倍の熱伝導率を有する熱伝導性のシートが適用されている。この熱伝導性のシートが、鉄心3,空気層にそれぞれ面する絶縁部材,保護部材10に適用されることにより、変圧器1における内側巻線4や外側巻線5の表面における放熱性が高くなり、内側巻線4や外側巻線5の温度上昇の抑制をもたらす。
尚、絶縁部材9,保護部材10のいずれかのシートの熱伝導率は、芳香族ポリアミドのシートの熱伝導率の10倍〜200倍に限らなくともよい。絶縁部材9,保護部材10のいずれかのシートの熱伝導率は、芳香族ポリアミドのシートの熱伝導率を上回れば、上記の内側巻線4や外側巻線5の温度上昇の抑制をもたらす。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変更等が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変更等が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
すなわち、図1〜図3の変圧器1は、鉄心3の周囲に配される二次電圧の内側巻線4とこの内側巻線4のさらに周囲に配される一次電圧の外側巻線5とを有する変圧器であるが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
つまり、鉄心の周囲に配される巻線の電圧と、この巻線のさらに周囲に配される巻線の電圧とが異なる変圧器であればよく、本発明は図1〜図3の変圧器1の態様に限定されない。例えば、鉄心の周囲に一次側電圧の巻線が配される一方でこの一次側電圧の巻線の周囲に二次側電圧の巻線を配し、この鉄心と一次側電圧の巻線との間に絶縁部材を配する一方で二次側電圧の巻線の周囲に保護部材を配した態様が挙げられる。また、上述の変圧器1は「内鉄形」の変圧器であるが、「外鉄形」の変圧器において絶縁部材9,保護部材10を適用した態様を採ることもできる。これらの態様の変圧器も本発明の技術思想の範囲に属する。
1…変圧器
2…コイル
3…鉄心
4…内側巻線
5…外側巻線
6…絶縁スペーサ、61…冷媒空間
9…絶縁部材
10…保護部材
2…コイル
3…鉄心
4…内側巻線
5…外側巻線
6…絶縁スペーサ、61…冷媒空間
9…絶縁部材
10…保護部材
Claims (3)
- 鉄心と、
この鉄心の周囲に配される内側巻線と、
この内側巻線のさらに周囲に配される外側巻線と、
前記鉄心と前記内側巻線とを絶縁させる絶縁部材と、
前記外側巻線の外周面を保護する保護部材と
を有し、
前記絶縁部材、前記保護部材のいずれかは、芳香族ポリアミドの熱伝導率を上回る熱伝導率を有する材料からなること
を特徴とする変圧器。 - 前記材料は、石英、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ジルコニアのいずれかであること
を特徴とする請求項1に記載の変圧器。 - 前記内側巻線は二次側電圧の巻線であり、前記外側巻線は一次側電圧の巻線であること
を特徴とする請求項1または2に記載の変圧器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015022777A JP2016146414A (ja) | 2015-02-09 | 2015-02-09 | 変圧器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015022777A JP2016146414A (ja) | 2015-02-09 | 2015-02-09 | 変圧器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016146414A true JP2016146414A (ja) | 2016-08-12 |
Family
ID=56686463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015022777A Pending JP2016146414A (ja) | 2015-02-09 | 2015-02-09 | 変圧器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016146414A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102399954B1 (ko) * | 2022-01-25 | 2022-05-20 | 송암시스콤 주식회사 | 그래핀 변압기 |
-
2015
- 2015-02-09 JP JP2015022777A patent/JP2016146414A/ja active Pending
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KR102399954B1 (ko) * | 2022-01-25 | 2022-05-20 | 송암시스콤 주식회사 | 그래핀 변압기 |
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