JP2008021688A - リアクトル用コア - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性に優れるリアクトル用コアを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、複数のコア片20〜25から構成される環状のコア2と、コア2の外周に装着されるコイル3とを備える。各コア片20〜25はギャップを形成するように配されており、各ギャップにはギャップ材4が配されている。ギャップ材40〜45は、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上、かつ比抵抗が1.0×107Ωm以上の材料から成る高熱伝導率ギャップ材である。このギャップ材40〜45を通してコア片22〜25の熱を、ケース5と接するコア片20あるいは21に効率的に伝えることで、コア片22〜25の放熱性を確保し、コア2の放熱性を高める。
【選択図】図1
【解決手段】リアクトル1は、複数のコア片20〜25から構成される環状のコア2と、コア2の外周に装着されるコイル3とを備える。各コア片20〜25はギャップを形成するように配されており、各ギャップにはギャップ材4が配されている。ギャップ材40〜45は、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上、かつ比抵抗が1.0×107Ωm以上の材料から成る高熱伝導率ギャップ材である。このギャップ材40〜45を通してコア片22〜25の熱を、ケース5と接するコア片20あるいは21に効率的に伝えることで、コア片22〜25の放熱性を確保し、コア2の放熱性を高める。
【選択図】図1
Description
本発明はリアクトル用コアに関するものである。特に、放熱性に優れるリアクトル用コアに関するものである。
リアクトルは、コアとコイルとを備え、電気エネルギーを磁気エネルギーとして蓄えることができ、例えばハイブリッド自動車や電気自動車に備える昇圧回路の部品の一つに利用されている。
ハイブリッド自動車等の昇圧回路に用いられる代表的なリアクトル用コアの形状は、図6に示すようなリング状のコアMであり(類似のコアの形態を示す文献として特許文献1 図1)、複数のコア片が組み合わされて構成されている。具体的には、このコアMは、矩形状の端面を有するU字状コア片mu一対と、I字状コア片mi4つとから成り、各U字状コア片muを互いの端面同士が対向するように配し、各端面間にI字状コア片miを2つずつ並べて、それぞれを接合することで構成されている。そして、このようなコアMの一部に巻線を巻回したコイルCが装着され、このコイルCに電流が流れることでコアMに閉磁路が形成される。上記コアMを構成する材料は強磁性材料であり、例えば珪素鋼といった鉄系材料が用いられている。
また、上記コアMは、コアの透磁率を調整してリアクトルのインダクタンスを所望の値にするために、コア片の各接合部にギャップ材gを配することにより、磁路中にギャップが設けられている。ギャップは透磁率が1に近い非磁性体により形成され、ギャップ材に無機材料を用いる他、エアギャップとしてもよい。リアクトルのインダクタンスは磁路に形成されたギャップ距離により規定されるため、このギャップ距離は高精度に保持される必要があり、ギャップ材gにはアルミナといった高硬度の非磁性材料でできた板材が利用されている。
さらに、リアクトルは、コイルを形成する巻線を保護したり、昇圧回路への実装を容易にするため、ケースに収納される。具体的には、リアクトルをケースに収納した後、ウレタン等の樹脂でできたポッティング材をケース内に充填することを行う。
ここで、ハイブリッド自動車等に備える大電力用のリアクトルでは、コイル(巻線)に通電した際の巻線抵抗による発熱量が大きく、その熱はコイルと接するポッティング材もしくは熱伝導率の高い鉄系材料でできたコアに伝導することとなる。また、磁路を形成するコアの渦電流損が大きくなり、コア自体の発熱量も大きくなる傾向がある。このようなリアクトルは使用状況により200℃以上といった高温となることがあり、例えば特許文献1の図2に示されるようにアルミケースに収納され、ケースと接するコア片からケースに熱を伝えることで放熱性を確保している。また、リアクトルの放熱性を向上させる技術が例えば特許文献2に開示されている。特許文献2に記載のリアクトルでは、コイルの外周面に接するコイル冷却部と、コイルから露出したコアの外周面に接するコア冷却部とを備えるアルミ製のハウジングにより、コイル及びコアから発生した熱をヒートシンク等に伝達することで放熱性の向上を図っている。
しかし、アルミナは25℃での熱伝導率が17W/m・Kであり、熱伝導率が低い。そのため、アルミナでできた板材をギャップ材に用いたリアクトル用コアの場合、ギャップ材の間に配されたコア片の放熱性を十分に確保することができない。特に、上記コアMを構成するI字状コア片miは、全体がコイルに覆われており、また、ギャップ材gを通して隣接するU字状コア片muに熱が伝わり難いので、放熱性が損なわれていた。
そして、リアクトル用コアの放熱が十分に行われずにコア片が限度を超えて高温となった場合、下記に示す問題が生じて、リアクトルの安定性、安全性が損なわれる虞があった。
(1)コア片自体の透磁率が変化することで、リアクトルのインダクタンスが変化する。
(2)巻線に被覆された絶縁材料が熱により劣化し、巻線がショートする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、放熱性に優れるリアクトル用コアを提供することにある。
本発明のリアクトル用コアは、複数のコア片と、コア片とコア片との間にギャップ材とを備える。そして、前記ギャップ材のうち少なくとも一つは、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上の高熱伝導材料から成ることを特徴とする。以下、前記した高熱伝導率材料から成るギャップを高熱伝導率ギャップ材と呼ぶ。
この構成によれば、高熱伝導率ギャップ材と接する一方のコア片の熱を他方のコア片に伝え易くすることができ、コア片の放熱性を改善することができる。ギャップは少なくとも一つあり、ギャップが複数ある場合は一部のギャップが高熱伝導率ギャップ材であればよい。ここで、全てのギャップが高熱伝導率ギャップ材であれば、各コア片の放熱性を高めることができ、リアクトル用コアの放熱をより効果的に行うことができる。
各コア片の両端に配置されるギャップ材のうち少なくとも一方は、高熱伝導率ギャップ材であることが好ましい。
この構成によれば、ギャップに挟まれるコア片の放熱性を改善することができる。ここで、コア片の両端に位置するギャップが高熱伝導率ギャップ材であれば、ギャップに挟まれるコア片の放熱性をより高めることができる。
特に、前記リアクトル用コアが、コアの外周にコイルを装着した際に、コイルからの露出部を有する主コア片と、全体がコイルに覆われる副コア片とを有する場合は、主コア片と副コア片との間に配置されるギャップ材は、高熱伝導率ギャップ材であることが好ましい。
主コア片と比較して全体がコイルに覆われる副コア片は放熱性を確保することが難しい。そこで、主コア片と副コア片との間のギャップを高熱伝導率ギャップ材とすることで、副コア片の熱を主コア片に伝え易くして副コア片の放熱性を改善することができる。また、主コア片とケースとが接するようにリアクトルをケースに収納することで、副コア片の熱を、高熱伝導率ギャップ材、主コア片、ケースと伝えることができ、リアクトル用コアの放熱性を高めることができる。
別の本発明のリアクトル用コアは、複数のコア片と、コア片とコア片との間にギャップ材とを備える。そして、前記ギャップ材を介して隣接するコア片同士は、コア外周面に配される放熱部材により熱的に接続されている。
この構成によれば、放熱部材と接する一方のコア片の熱を他方のコア片に伝え易くすることができ、ギャップに挟まれるコア片の放熱性を改善することができる。ここで、全てのコア片同士が熱的に接続されるようにコア外周面に放熱部材を配置すれば、各コア片の放熱性を高めることができ、リアクトル用コアの放熱をより効果的に行うことができる。
前記放熱部材は少なくとも、放熱部材と接するコア片とコア片との間に位置するギャップよりも、高い熱伝導率を有する材料から成ることが好ましい。前記放熱部材は、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上の高熱伝導材料から成ることが好ましい。
特に、前記リアクトル用コアが、コアの外周にコイルを装着した際に、コイルからの露出部を有する主コア片と、全体がコイルに覆われる副コア片とを有する場合は、主コア片と副コア片とは、コア外周面に配される前記放熱部材により熱的に接続されることが好ましい。
主コア片と副コア片とを放熱部材により熱的に接続することで、主コア片と比較して放熱性に劣る副コア片の熱を主コア片に伝え易くして副コア片の放熱性を改善することができる。また、主コア片とケースとが接するようにリアクトルをケースに収納することで、副コア片の熱を、放熱部材、主コア片、ケースと伝えることができ、リアクトル用コアの放熱性を高めることができる。さらに、放熱部材の位置・大きさを調整して放熱部材とケースとが接するようにすれば、放熱部材からケースに直接熱を伝えることができ、副コア片の放熱性を高めるという点で好ましい。
また、前記リアクトル用コアは上下に分割可能な複数のコア片を備え、前記放熱部材は上部のコア片と下部のコア片との間に配されるようにしてもよい。
放熱部材をコアの間に挟むように配置することで、コア片の熱分布の偏りを小さくすることができる。ここで、放熱部材をコアの中央に配置すれば、コア片の熱分布を中央部から外周側に亘って均一になるようにすることができ好ましい。
上記したコア外周面に放熱部材を配したリアクトル用コアにおいて、コア片とコア片との間に配置されるギャップ材は、高熱伝導率ギャップ材であることが好ましい。
コア片の熱を放熱部材を通して隣接するコア片に伝えると共に、高熱伝導率ギャップ材を通して隣接するコア片に伝えることができ、コア片の放熱性をより向上させることができる。
高熱伝導率ギャップ材及び放熱部材を形成する上記高熱伝導材料は、比抵抗が1.0×107Ωm以上であることが好ましい。
このような絶縁材料を用いることで、磁束により生ずる渦電流損を低減して高熱伝導率ギャップ材及び放熱部材自体の発熱を抑制することができる。これら部材自体が発熱して高温となることを抑制することで、コア片の放熱が阻害されることがなく、リアクトル用コアの放熱性を高めることができる。
本発明のリアクトル用コアによれば、ギャップを高熱伝導率ギャップ材とすることで、高熱伝導率ギャップ材を通してコア片の熱を隣接するコア片に伝えることができ効率的な放熱を行うことができる。
別の本発明のリアクトル用コアによれば、放熱部材をコア外周面に配置することで、放熱部材を通してコア片の熱を隣接するコア片に伝えることができ効率的な放熱を行うことができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図面において同一符号は同一物を示す。
(実施例1)
<リアクトルの全体構成>
図1に示すように、リアクトル1は、複数のコア片20〜25から構成される環状のコア2と、コア2の外周に装着されるコイル3とを備える。各コア片はギャップを形成するように配されており、各ギャップにはギャップ材40〜45がそれぞれ配されている。また、リアクトル1はケース5に収納されている。
<リアクトルの全体構成>
図1に示すように、リアクトル1は、複数のコア片20〜25から構成される環状のコア2と、コア2の外周に装着されるコイル3とを備える。各コア片はギャップを形成するように配されており、各ギャップにはギャップ材40〜45がそれぞれ配されている。また、リアクトル1はケース5に収納されている。
<コア>
コア2は、矩形状の端面を有するU字状コア片20、21と、コア片20、21が有する矩形状の端面に適合する端面を有するI字状コア片22〜25とから構成されている。各コア片は磁性材料から形成され、電磁鋼板を積層したものや、磁性粉末を所定形状の金型に充填して加圧することで得られたものが好適に利用できる。U字状コア片20と21とは互いの端面同士が対向するように配置されており、一方の端面間にはI字状コア片22、23が、他方の端面間にはI字状コア片24、25が並んで配置されている。ここで、コア2の外周にコイル3が装着された際、U字状コア片20、21は一部がコイルから露出する主コア片であり、I字状コア片22〜25は全体がコイルに覆われる副コア片である。なお、コア片と隣接するコア片との間のギャップの距離や形成するギャップの数は、所望のリアクトル特性が得られるように決定すればよく、ギャップの数は例えばI字状コア片の個数を増減することで調整すればよい。
コア2は、矩形状の端面を有するU字状コア片20、21と、コア片20、21が有する矩形状の端面に適合する端面を有するI字状コア片22〜25とから構成されている。各コア片は磁性材料から形成され、電磁鋼板を積層したものや、磁性粉末を所定形状の金型に充填して加圧することで得られたものが好適に利用できる。U字状コア片20と21とは互いの端面同士が対向するように配置されており、一方の端面間にはI字状コア片22、23が、他方の端面間にはI字状コア片24、25が並んで配置されている。ここで、コア2の外周にコイル3が装着された際、U字状コア片20、21は一部がコイルから露出する主コア片であり、I字状コア片22〜25は全体がコイルに覆われる副コア片である。なお、コア片と隣接するコア片との間のギャップの距離や形成するギャップの数は、所望のリアクトル特性が得られるように決定すればよく、ギャップの数は例えばI字状コア片の個数を増減することで調整すればよい。
<コイル>
コイル3は、代表的には絶縁被覆を有する巻線により形成され、断面円形状の丸線を螺旋巻きしたものや、断面矩形状の角線をいわゆるエッジワイズ巻きしたものが利用できる。コイル3は、予め図示しないボビンに巻線を巻回することで形成しておいて、コア2を組み立てる際にコア片の外周に配置することでコア2に装着してもよいし、コア2を組み立てた後にコア片の外周に巻線を巻回することでコア2に装着してもよい。前記ボビンは、コイル3とコア2との間の絶縁性を確保するために絶縁材料から形成される。また、ボビンは、コイルの熱を伝え易い上述の高熱伝導材料から形成されることが好ましい。
コイル3は、代表的には絶縁被覆を有する巻線により形成され、断面円形状の丸線を螺旋巻きしたものや、断面矩形状の角線をいわゆるエッジワイズ巻きしたものが利用できる。コイル3は、予め図示しないボビンに巻線を巻回することで形成しておいて、コア2を組み立てる際にコア片の外周に配置することでコア2に装着してもよいし、コア2を組み立てた後にコア片の外周に巻線を巻回することでコア2に装着してもよい。前記ボビンは、コイル3とコア2との間の絶縁性を確保するために絶縁材料から形成される。また、ボビンは、コイルの熱を伝え易い上述の高熱伝導材料から形成されることが好ましい。
<ギャップ材>
ギャップ材4は、各コア片の間に配置され、所定のギャップ距離を維持すると共に、コイル3に通電してリアクトル1を駆動した際にコア片22〜25の放熱を行うために利用される。具体的には、コア片22〜25の放熱はギャップ材4を介して隣接するコア片20あるいは21に熱を伝えることで行われる。
ギャップ材4は、各コア片の間に配置され、所定のギャップ距離を維持すると共に、コイル3に通電してリアクトル1を駆動した際にコア片22〜25の放熱を行うために利用される。具体的には、コア片22〜25の放熱はギャップ材4を介して隣接するコア片20あるいは21に熱を伝えることで行われる。
ギャップ材4は、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上の材料から成る高熱伝導率ギャップ材である。熱伝導率が100W/m・K以上とすることでコア片の熱を隣接するコア片に効率的に伝えることができる。また、ギャップ材4は比抵抗が1.0×107Ωm以上の材料から形成されており、磁束により生ずる渦電流損を低減してギャップ材自体の発熱を抑制することができる。このような特性を有する材料を具体的に挙げると、窒化アルミ(AlN)、酸化ベリリウム(BeO)、炭化ケイ素(SiC)といったセラミックスやダイヤモンド等がある。具体的な前記各材料の熱伝導率及び比抵抗は、AlNが140〜250W/m・K及び1.0×1011Ωm程度、BeOが250W/m・K及び1.0×1013Ωm程度、SiCが210W/m・K及び1.0×1011Ωm程度、ダイヤモンドが1000〜2000W/m・K及び5.0×107Ωm程度である。また、ギャップ材4は非磁性材料から形成されることが好ましい。
ギャップ材4の形状としては、代表的には図1に示すように平板状が挙げられる。平板状のギャップ材であれば、加工が容易である。
ギャップ材4の寸法は、コア片とギャップ材との接触面積が大きくなるように、コア片の端面と同じ大きさとすることが好ましい。このようなサイズのギャップ材4とすることで、ギャップ材4を通してコア片の熱を効率的に隣接するコア片に伝えることができる。
ギャップ材4の厚さは、所望のリアクトル特性が得られるように決定したギャップ距離に適合するようにすることが好ましい。コア片とギャップ材4との間にクリアランスができてしまうとギャップ材4への熱伝導が阻害される点で好ましくない。ギャップ材4の厚さは、漏れ磁束を小さくして巻線に生ずる渦電流損を抑制するために2.0mm以下とすることが好ましい。
ギャップ材4は各コア片の端面と当接するように配置され、例えばこのギャップ材4と各コア片とは接着剤等により接合することが好ましい。接着剤としては、例えばウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系の接着剤が好適に利用できる。接着剤は、コア片とギャップ材4との接合面における熱抵抗が小さくなるように、極力薄く塗布することが好ましい。また、ウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系の接着剤に窒化アルミ(AlN)等のフィラーを混入して熱伝導率を向上させた接着剤を用いてもよい。
<ケース>
ケース5は、例えばアルミニウムといった熱伝導率の高い材料から形成されている。ケース5の底部にはコア片20及び21と接する底面50が設けられており、コア片20及び21からケース5に熱を伝え易くなっている(図1(B)参照)。さらに、ケース5が蓋部を備える場合には、この蓋部の内側にもコア片20及び21と接する面を設けることが好ましい。
ケース5は、例えばアルミニウムといった熱伝導率の高い材料から形成されている。ケース5の底部にはコア片20及び21と接する底面50が設けられており、コア片20及び21からケース5に熱を伝え易くなっている(図1(B)参照)。さらに、ケース5が蓋部を備える場合には、この蓋部の内側にもコア片20及び21と接する面を設けることが好ましい。
<作用効果>
以上の実施例1のリアクトル用コアによれば、各コア片の間に高熱伝導率ギャップ材を配置することで、このギャップ材を通してコア片の熱を隣接するコア片に効率的に伝えることができ、コア片の放熱性を確保することができる。ここで、具体的な熱の流れについてコア片22を例に説明すると、コア片22の熱はギャップ材40を通してコア片20に伝えられ、コア片20から底面50を通してケース5に伝えられ、外部に放熱される。
以上の実施例1のリアクトル用コアによれば、各コア片の間に高熱伝導率ギャップ材を配置することで、このギャップ材を通してコア片の熱を隣接するコア片に効率的に伝えることができ、コア片の放熱性を確保することができる。ここで、具体的な熱の流れについてコア片22を例に説明すると、コア片22の熱はギャップ材40を通してコア片20に伝えられ、コア片20から底面50を通してケース5に伝えられ、外部に放熱される。
(実施例2)
次に、図2を参照して、コア外周面に放熱部材6を配した実施例を説明する。この実施例2は、放熱部材6を備える点で実施例1と相違し、他の構成は実施例1と同様である。
次に、図2を参照して、コア外周面に放熱部材6を配した実施例を説明する。この実施例2は、放熱部材6を備える点で実施例1と相違し、他の構成は実施例1と同様である。
<放熱部材>
放熱部材60は、コイル3の内側でコア2の下面に接して配置され、コイル3に通電してリアクトルを駆動した際に、主にコア片22〜25の放熱を行うために利用される。具体的には、コア片22〜25の放熱は放熱部材60を介して隣接するコア片20あるいは21や、ケース5に熱を伝えることで行われる。
放熱部材60は、コイル3の内側でコア2の下面に接して配置され、コイル3に通電してリアクトルを駆動した際に、主にコア片22〜25の放熱を行うために利用される。具体的には、コア片22〜25の放熱は放熱部材60を介して隣接するコア片20あるいは21や、ケース5に熱を伝えることで行われる。
放熱部材60は、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上、比抵抗が1.0×107Ωm以上の材料から成る。熱伝導率が100W/m・K以上とすることでコア片の熱を隣接するコア片やケースに効率的に伝えることができ、比抵抗が1.0×107Ωm以上とすることで磁束により生ずる渦電流損を低減することができる。また、放熱部材60は非磁性材料から形成されることが好ましい。
放熱部材60の形状としては、代表的には図2に示すように平板状が挙げられる。平板状の放熱部材であれば、加工が容易である。
放熱部材60の長さと幅は、少なくともコア片と隣接するコア片との両方に接する大きさとすることが好ましく、また、各コア片と放熱部材との接触面積は大きくすることが好ましい。このようなサイズの放熱部材60とすることで、放熱部材60を通してコア片の熱を効率的に隣接するコア片に伝えることができる。
放熱部材60の厚さは、放熱部材の強度等に応じて適宜決定すればよい。
本例では、一体形状の放熱部材60がコア片20、22、23、21の各々に接しているが、例えばコア片20及び22に接する第一放熱部材とコア片21及び23に接する第二放熱部材とから構成される放熱部材としてもよい。なお、コア片24、25が配されている他方の側にも同形状の放熱部材が配されており、この放熱部材がコア片20、24、25、21の各々に接している。
放熱部材60は各コア片の下面と当接するように配置されており、この放熱部材60と各コア片とは例えば接着剤により接合されている。接着剤としては、例えばウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系の接着剤が好適に利用できる。接着剤は、コア片と放熱部材60との接合面における熱抵抗が小さくなるように、極力薄く塗布することが好ましい。また、ウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系の接着剤に窒化アルミ(AlN)等のフィラーを混入して熱伝導率を向上させた接着剤を用いてもよい。
また、放熱部材60は、ケース5の底部に設けられた底面50と接しており、放熱部材60からケース5に熱を伝え易くなっている。
<ギャップ材>
本例において、ギャップ材4は、従来からあるアルミナといった材料でできたギャップ材としてもよいが、高熱伝導率ギャップ材とすることが好ましい。高熱伝導率ギャップ材とすれば、コア片の熱を放熱部材60を介して隣接するコア片に伝えると共に、高熱伝導率ギャップ材を介しても伝えることができ、コア片の放熱性をより向上させることができる。
本例において、ギャップ材4は、従来からあるアルミナといった材料でできたギャップ材としてもよいが、高熱伝導率ギャップ材とすることが好ましい。高熱伝導率ギャップ材とすれば、コア片の熱を放熱部材60を介して隣接するコア片に伝えると共に、高熱伝導率ギャップ材を介しても伝えることができ、コア片の放熱性をより向上させることができる。
<作用効果>
以上の実施例2のリアクトル用コアによれば、コア外周面に放熱部材を配置することで、この放熱部材を通してコア片の熱を隣接するコア片に効率的に伝えることができ、コア片の放熱性を確保することができる。ここで、具体的な熱の流れについてコア片22を例に説明すると、コア片22の熱は放熱部材60に伝えられ、放熱部材60から底面50を通してケース5に伝えられ、外部に放熱される。
以上の実施例2のリアクトル用コアによれば、コア外周面に放熱部材を配置することで、この放熱部材を通してコア片の熱を隣接するコア片に効率的に伝えることができ、コア片の放熱性を確保することができる。ここで、具体的な熱の流れについてコア片22を例に説明すると、コア片22の熱は放熱部材60に伝えられ、放熱部材60から底面50を通してケース5に伝えられ、外部に放熱される。
上記の実施例2では、コア2の下面に平板状の放熱部材6を配したリアクトル用コアを説明したが、放熱部材はコア2の下面の他、上面や外側面、内側面に配してもよい。
(変形例1)
また、放熱部材6をコア外周面の二箇所以上に配してもよく、例えば図3に示すように、放熱部材60と同形状の放熱部材61を用意し、コア2の下面及び上面に放熱部材60及び61を配してもよい。このようにコア2の上下両面に放熱部材6を配することで、各コア片20〜25と放熱部材6との接触面積を増やすことができると共に、コア片22〜25の熱分布を均一化することができる。
また、放熱部材6をコア外周面の二箇所以上に配してもよく、例えば図3に示すように、放熱部材60と同形状の放熱部材61を用意し、コア2の下面及び上面に放熱部材60及び61を配してもよい。このようにコア2の上下両面に放熱部材6を配することで、各コア片20〜25と放熱部材6との接触面積を増やすことができると共に、コア片22〜25の熱分布を均一化することができる。
さらに、放熱部材6の数を増やしてコア外周面全体に放熱部材を配してもよく、また、放熱部材6をコア外周に適合する筒状としてもよい。放熱部材6は比抵抗の大きい絶縁材料で形成されているので、コイル3を形成する巻線の絶縁被覆が劣化した場合であっても、コイル3とコア2との間の絶縁性を十分に確保できる。
(変形例2)
図4は、コア2の中央に放熱部材62を配した変形例を示している。この変形例2では、コア片20〜25及びギャップ材40〜45がそれぞれ中央で上下に分割できるようになっており、放熱部材62が各コア片20〜25の上部のコア片と下部のコア片との間、つまりコア2の中央に配置されている。
図4は、コア2の中央に放熱部材62を配した変形例を示している。この変形例2では、コア片20〜25及びギャップ材40〜45がそれぞれ中央で上下に分割できるようになっており、放熱部材62が各コア片20〜25の上部のコア片と下部のコア片との間、つまりコア2の中央に配置されている。
放熱部材62は、上記の実施例2で用いた放熱部材と同形状のものを用いることができ、各コア片20〜25を構成する上部のコア片と下部のコア片とにそれぞれ当接するように配置されている。このようにコア2の中央に放熱部材62を配することで、コア片22〜25の熱分布を中央部から外周側に亘って均一になるようにすることができる。
また、ケース5の底部には、コア片20及び21と接する底面50と、放熱部材62と接する底面51とが設けられており、これらコア片20、21と放熱部材62とからケース5に熱を伝え易くなっている。この場合、例えばコア片22の熱を放熱部材62に伝えた後、放熱部材62からコア片20及びケース5に伝えることができ、コア2の放熱性をより高めることができる。
(変形例3)
図5は、コア2の上面、下面及び中央のそれぞれに放熱部材60、61、62を配した変形例を示している。この場合、各コア片20〜25と放熱部材6との接触面積を増やすことができると共に、コア片22〜25の熱分布をより均一化することができる。
図5は、コア2の上面、下面及び中央のそれぞれに放熱部材60、61、62を配した変形例を示している。この場合、各コア片20〜25と放熱部材6との接触面積を増やすことができると共に、コア片22〜25の熱分布をより均一化することができる。
本発明のリアクトル用コアは、高い放熱性が要求されるリアクトルに利用することができる。特に、ハイブリッド自動車や電気自動車に備えるリアクトルに好適に利用できる。
1 リアクトル
2 コア
20,21 U字状コア片(主コア片) 22,23,24,25 I字状コア片(副コア片)
3 コイル
4,40,41,42,43,44,45 ギャップ材(高熱伝導率ギャップ材)
5 ケース 50,51 底面
6,60,61,62 放熱部材
R リアクトル M コア mu U字状コア片 mi I字状コア片
C コイル g ギャップ材
2 コア
20,21 U字状コア片(主コア片) 22,23,24,25 I字状コア片(副コア片)
3 コイル
4,40,41,42,43,44,45 ギャップ材(高熱伝導率ギャップ材)
5 ケース 50,51 底面
6,60,61,62 放熱部材
R リアクトル M コア mu U字状コア片 mi I字状コア片
C コイル g ギャップ材
Claims (9)
- 複数のコア片と、コア片とコア片との間に配置されるギャップ材とを備えるリアクトル用コアであって、
前記ギャップ材のうち少なくとも一つは、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上の高熱伝導材料から成ることを特徴とするリアクトル用コア。 - 各コア片の両端に配置されるギャップ材のうち少なくとも一方は、前記高熱伝導材料から成ることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル用コア。
- 前記コアの外周にコイルを装着した際に、コイルからの露出部を有する主コア片と、全体がコイルに覆われる副コア片とを有し、
主コア片と副コア片との間に配置されるギャップ材が、前記高熱伝導材料から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル用コア。 - 複数のコア片と、コア片とコア片との間に配置されるギャップ材とを備えるリアクトル用コアであって、
前記ギャップ材を介して隣接するコア片同士は、コア外周面に配される放熱部材により熱的に接続されていることを特徴とするリアクトル用コア。 - 前記コアの外周にコイルを装着した際に、コイルからの露出部を有する主コア片と、全体がコイルに覆われる副コア片とを有し、
主コア片と副コア片とは、コア外周面に配される前記放熱部材により熱的に接続されることを特徴とする請求項4に記載のリアクトル用コア。 - 前記コアは上下に分割可能な複数のコア片を備え、前記放熱部材は上部のコア片と下部のコア片との間に配されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のリアクトル用コア。
- 前記放熱部材は、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上の高熱伝導材料から成ることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のリアクトル用コア。
- 前記ギャップ材は、前記高熱伝導材料から成ることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載のリアクトル用コア。
- 上記した高熱伝導材料は、比抵抗が1.0×107Ωm以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のリアクトル用コア。
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2006
- 2006-07-10 JP JP2006189885A patent/JP2008021688A/ja active Pending
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