JP2016139492A - 透明導電積層体およびその製造方法 - Google Patents

透明導電積層体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 屈曲させても導電性の低下しない、非常に薄く軽い且つ屈曲性に優れた透明導電積層体および該積層体を用いた電極、ウェアラブルデバイス、生体用デバイス、および該積層体の製造方法。【解決手段】 透明基材の表面に少なくとも、透明導電層を積層してなる透明導電積層体であって、前記透明導電積層体の総厚みtが0.5μm<t≦10μm以下であり、前記透明導電積層体を直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行ったとき、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値が、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値と比較してその変化率が10%以下であること、を特徴とする透明導電積層体を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は非常に薄い透明導電積層体および該透明導電積層体の製造方法に関するものであり、より具体的には非常に薄い透明基材の表面に透明導電層を有した、屈曲性に優れ且つ屈曲の前後で抵抗値変化が少ない非常に薄い透明導電積層体および該透明導電積層体の製造方法、並びに該透明導電積層体を用いた透明電極に関する。
透明導電性積層体はタッチパネルや液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの平面デバイスの電極として広く用いられている。しかし近年、ディスプレイを腕に巻き付けたり、電極を被服や皮膚に貼り付けてセンサーとして用いたりなど、人体や被服などの曲面や柔軟性のある物体に装着するような、いわゆるウェアラブルデバイスの電極として用いられるようになっている。
ウェアラブルデバイスは、これまでは端末として持ち歩いていたデバイスを直接身につけたり生体内に埋め込んだりすることで用いられる。このようなウェアラブルデバイスは、情報の取得や発電素子としての利用など様々な用途に用いられている。既に開発の進んでいる腕時計型端末や眼鏡型ディスプレイのような体外に装着するデバイスのみならず、肌に電極を直接貼着したり、皮膚と一体化したような電子皮膚として用いたり、体内の臓器等に貼り付けたり埋め込んだりなど、その用途は多岐にわたっている。例えば、ウェアラブル生体センサーは電極を身体に直接貼着することにより、心拍、呼吸、動き、体温、体脂肪率といった生体情報の取得をすることができる。また、電極を脈動する臓器に貼りつけることで、機能的障害の治療に用いる低周波治療器や、心電計、筋電計、脳波計等の検査・診断機器、術後のリハビリ等において、安定して微弱電流を体内に送り込むこともできる。
このようなウェアラブルデバイスに用いる電極は、人体や被服など曲面の多いものや柔軟性のあるものに対して沿うような形状としたり、対象となる被着体に直接貼着したりすることによって使用する。そのため、被着体に追従するように屈曲性を有していることが必要となる。そこで可撓性のある基材に透明導電層を積層させた屈曲性に富んだ透明電極の製造が検討されている。
特許文献1には、高分子樹脂フィルムに樹脂層を介してグラフェンを積層させた透明導電性フィルムが開示されている。高分子樹脂フィルムやグラフェンは可撓性を有しているため、このような構成とすることにより、透明導電性フィルムを電極として用いたデバイスは曲げられるようになる。また、透明な基材を選択すれば従来の金属電極のように回路が視認されることもないため、透明性やデザイン性の向上したデバイスとすることができる。
特開2014−124898
しかし、従来の透明導電性フィルムは、屈曲が大きくなると基材の剛性により導電層にクラックが入るなどして導電性が低下するという問題があった。また、基材の剛性が大きいと、例えば曲面の多い臓器などに貼り付けようとしても完全に追従させることは困難であり、部分的に浮いてしまうなどの不具合が生じる。さらに、生体センサーなどはわずかな生体情報の変化を検知するために長時間身につけている必要があるが、従来の透明導電性フィルムでは対象物に貼着させるために接着層などが必要となるため、装着による違和感や不快感を抱くものも少なくない。また、基材の厚みや重さも装着感を引き起こすため好ましくない。このような問題に対処するために基材を薄くしようとしても、薄い基材はハンドリングが悪く、シワが入ったり耐熱性が不十分であったりと加工には適さないため、従来の製造方法で用いることが困難であった。
本願発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、屈曲させても導電性の低下しない、非常に薄く軽い且つ屈曲性に優れた透明導電積層体およびその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の透明導電積層体に関する発明は、透明基材の表面に少なくとも透明導電層を積層してなる透明導電積層体であって、前記透明導電積層体の総厚みをtとしたとき0.5μm<t≦10μmであり、前記透明導電積層体を直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行ったとき、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値が、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値と比較してその変化率が10%以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の透明導電積層体に関する発明は、請求項1に記載の透明導電積層体であって、前記透明導電層がグラフェンよりなること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の透明導電積層体に関する発明は、請求項1または請求項2に記載の透明導電積層体であって、前記透明導電層の可視光透過率が90%以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の透明導電積層体に関する発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の透明導電積層体であって、前記透明基材の厚みをtとしたとき0.5μm≦t<10μmであること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載のキャリア付き透明導電積層体に関する発明は、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の透明導電積層体において、前記透明基材の前記透明導電層が積層された面と反対側の表面に、キャリア基材を貼着してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項6に記載の透明電極に関する発明は、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の透明導電積層体、または請求項5に記載のキャリア付き透明導電積層体より剥離された透明導電積層体を用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載のウェアラブルデバイスに関する発明は、請求項6に記載の透明電極を用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の生体用デバイスに関する発明は、請求項6に記載の透明電極を用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項9に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、透明基材の表面にキャリア基材を貼着させてキャリア付き透明基材を得る工程と、前記キャリア付き透明基材の前記透明基材側表面に透明導電層を積層して、キャリア付き透明導電積層体を得る工程と、前記キャリア付き透明導電積層体から前記キャリア基材を剥離する工程と、からなる透明導電積層体の製造方法であって、前記透明導電積層体の総厚みをtとしたとき0.5μm<t≦10μmであり、得られた前記透明導電積層体を直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行ったとき、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値が、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値と比較してその変化率が10%以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項9に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記キャリア付き透明基材を得る工程において、前記透明基材の貼着が前記キャリア基材と前記透明基材を重ねて前記透明基材側から帯電ガンを照射してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項11に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項9または請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記キャリア付き透明導電積層体を得る工程において、前記透明導電層の積層が、離型性基材の表面に透明導電層を積層して離型性基材付き透明導電層としたものを、前記キャリア付き透明基材の前記透明基材側表面と透明導電層側で貼り合わせ、前記離型性基材を除去することによってなされるものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項12に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項11に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記離型性基材が熱剥離シートであること、を特徴とする。
本願発明の請求項13に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項9ないし請求項12の何れか1項に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記透明導電層が化学気相成長法(CVD)によって成膜されること、を特徴とする。
本願発明の請求項14に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項9ないし請求項13の何れか1項に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記透明導電層がグラフェンよりなることを特徴とする。
本願発明の請求項15に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項9ないし請求項14の何れか1項に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記透明導電層の可視光透過率が90%以上となること、を特徴とする。
本願発明の請求項16に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項9ないし請求項15の何れか一項に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記透明基材の厚みをtとしたとき0.5μm≦t<10μmであること、を特徴とする。
従来であれば、透明導電積層体はある程度の剛性が必要であるため屈曲性が低く、何度も折り曲げると抵抗値が大きくなり導電膜としての性能を得ることができなかった。しかし本願発明にかかる透明導電積層体であれば、総厚みが0.5μmより大きく10μm以下と非常に薄いので、剛性が小さく屈曲性に優れており、臓器などの複雑な曲面の多い対象物にも追従させることができる。しかも屈曲による表面抵抗値の変化率が10%以下と非常に小さいため、例えばくしゃくしゃに丸め込んだり折り曲げたりしても折り曲げる前と比較して抵抗値が大幅に上昇することがなく、すなわち導電性を維持できるので安定した電極とすることができる。また、非常に薄くて軽いため、対象物に対しファンデルワールス力のような微弱な相互作用のみでも自重で剥離することなく貼着させることができるので、対象物に貼着するために粘着等の接着層を設ける必要がない。これにより、身につけていても違和感や装着感がなく、長時間使用することができる。さらに、可視光透過率も良好であるため、透明性が求められる用途に好適に用いることができ、デザイン上においても幅が拡がる。
そして、従来の透明導電積層体の製造方法では、本願発明のような非常に薄い透明基材と透明導電層を有した透明導電積層体を製造することは、ハンドリング性や耐熱性などの問題により非常に困難であったが、本願発明に係る透明導電積層体の製造方法であれば容易に製造することができる。また、透明基材と透明導電層はそれぞれ非常に薄いため、透明導電層を透明基材に転写する際に接着層を設ける必要がなくファンデルワールス力のみで積層することができ、従来の透明導電積層体に比べ非常に薄いものとすることができる。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本願発明に係る透明導電積層体およびその製造方法に関して、第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る透明導電積層体は、非常に薄い透明基材の表面に少なくとも、透明導電層を形成してなる透明導電積層体である。
以下、順番に説明をする。
まず透明基材であるが、これは従来公知の透明導電積層体において一般的に用いられる透明基材で屈曲性に優れたものであれば特に限定しない。このような透明基材としては例えば、ポリジメチルシロキサン(PMDS)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のフィルムやシート等、さらには、屈曲性に優れたガラス等が考えられるが、本実施の形態においてはPETフィルムを用いることとする。
この透明基材の厚みは最終的に得られる透明導電積層体の総厚みtが0.5μm<t≦10μmとなる厚みであれば特に限定しないが、0.5μm以上10μm未満であることが好ましい。透明基材の厚みが10μm以上ではその剛性が大きくなって屈曲性が低下するため、本実施の形態にかかる透明導電積層体を曲面や凹凸を有する様々な形状に沿わせることができない。それだけでなく、このように剛性の大きな基材は屈曲させた際に基材の反発が起こるため、得られる透明導電積層体を屈曲させた際に後述する透明導電層にクラックが入り、導電性が低下する原因となる。また、透明基材の厚みが厚くなれば、透明導電積層体の全体厚みも厚く、重くなり、装着による違和感が増すため好ましくない。さらに、基材の厚みが厚くなることで可視光透過率が減少して透明導電積層体全体の可視光透過率も低くなるため好ましくない。そのため、透明基材は薄ければ薄いほど、剛性が小さく透明導電積層体全体も薄く軽くなるため好ましいが、薄すぎると加工中、または得られた本実施の形態に係る透明導電積層体を繰り返し使用する場面において透明基材が破損、即ち透明導電積層体としての機能が破損してしまうため、0.5μm以上の厚みがあることが好ましい。本実施の形態においては2μmとする。
本実施の形態にかかる透明基材は、その可視光透過率が85%以上であることが好ましい。85%以上の可視光透過率を有する透明基材であれば、十分な透明性を持つ透明導電積層体とすることができる。本実施の形態においては可視光透過率85%のPETフィルムを用いることとする。
上記の透明基材にキャリア基材を貼着することにより、キャリア付き透明基材を得る。このキャリア付き透明基材について説明する。
まず、キャリア基材について説明する。
キャリア基材としては透明基材の支持体となるものであれば特に限定しないが、後工程で使用しやすいものを適宜選択すればよい。具体的には樹脂フィルム、シリコンウエハ、金属板、ガラス板等である。
前記キャリア基材と前記透明基材とを重ね、ゴムロール等によりシワを伸ばしながら貼着することで、キャリア付き透明基材とすることができる。このとき、キャリア基材と透明基材は静電相互作用により密着しているため、粘着等の接着層は必要ない。また、接着層がないため、後にキャリア基材を剥離する際も、粘着残りなどがなく容易に剥離することができる。
前記透明基材とキャリア基材との貼着工程において、ゴムロールで貼着させる際に重ねた前記キャリア基材と前記透明基材に前記透明基材側から帯電ガンを照射してもよい。このような工程を加えることで透明基材が帯電し、透明基材とキャリア基材との静電相互作用がより強くなって、空隙なく密着させることができる。
次に、透明導電層について説明する。
本実施の形態にかかる透明導電層としては、透明で屈曲性に富んでいるものであれば従来用いられている透明導電体を用いればよい。例えばITOなどの金属酸化物や、導電性のフィラー等を有する樹脂を塗工した導電樹脂層、グラフェンなどが考えられる。
透明導電層の可視光透過率は90%以上であることが好ましい。このような可視光透過率を有した透明導電層であれば、透明導電積層体の可視光透過率も高くなり、非常に透明な透明導電積層体とすることができる。このような透明導電積層体であれば、ディスプレイの電極や、患部に貼り付けて使うなど透明性の要求される用途に好適に用いることができる。また、皮膚の表面に貼り付ける生体センサーや、身体に装着して使用するなど表面に貼り付けるような用途では、電極が見えると外観に違和感があったり、デザインに支障が出たりといった問題が起こるが、本実施の形態にかかる透明導電積層体であれば透明であることから透明導電積層体が目立たないため、装着感がなくデザイン性も向上する。
透明導電層の厚みは、得られる透明導電積層体の総厚みtが0.5μm<t≦10μmとなり、目的とする透明導電層の可視光透過率を満たす厚さであれば特に限定しないが、屈曲性の観点から薄い方が望ましい。例えば透明導電体がグラフェンの場合、0.5nm以上10nm以下であることが好ましい。10nmより厚くなると透明性が低下し、0.5nmより薄い厚さでは所望な導電性を得るのが困難となる。
このように、透明導電層としては、目的とする特性を有するものを適宜用いればよいが、特にグラフェンを用いることが好ましい。グラフェンとはsp結合の炭素原子による2次元構造の膜であり、非常に薄い膜でありながら良好な可視光透過率と導電性を有し、屈曲性にも優れている。そのため、他の透明導電層と比較しても様々な用途に用いることができる。
例えば、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とからなる導電性高分子)による透明導電層は、導電性を向上させようとすると、可視光透過率が低下する傾向があり、両者を満たすことは困難である。また、銀や銅を用いたメタルナノワイヤーは高い導電性と透明性を有するが、このようなメタルナノワイヤーは酸化するため、グラフェンと比較すると耐久性に欠ける。さらに、生体と密着して使用する場合は金属アレルギーが問題になることも想定される。これらに対し、グラフェンは上述の通り薄い膜でも導電性に優れているため、導電性を有しながら透明性にも優れた非常に薄い透明導電積層体とすることができるので、装着しても違和感がなく、透明性に優れた電極とすることができる。また、カーボンのみで構成されるため、生体親和性が高く、生体内の用途、例えば皮膚の表面や体内の臓器に貼り付けるような用途に用いる際に非常に有効である。さらに、透明基材にグラフェン膜を複数回転写して積層構造とすることで、より導電性の高い透明導電層とすることができるので、より高度な導電性を簡便に且つ薄い膜厚で得ることができる。
以上述べたような透明導電層を前記キャリア付き透明基材に積層してキャリア付き透明導電積層体を得るのであるが、その積層方法は形成する透明導電層によって最適なものを適宜選択すればよい。例えば、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法などの物理気相成長法(PVD)、化学蒸着気相法(CVD)、ウェットコーティング法などである。
ここで、透明導電層はキャリア付き透明基材に直接積層するだけでなく、別の基材に成膜した透明導電層をキャリア付き透明基材に転写して用いてもよい。このような製造方法をもってすれば、透明基材の性能に合わせて成膜方法を限定する必要がないため、目的に応じた特性を有する透明導電層を形成することができる。例えば、CVDによって成膜されたグラフェンは、非常に薄く透明で導電性の高いものであるが、成膜時の基板温度が非常に高くなるため、キャリア付き透明基材に直接積層しようとすると、非常に高い耐熱性を有する基材を用いる必要があり、目的とする薄さが得られなかったり透明性が低下したりといった弊害が生じる。しかし、このような透明導電層においても、上記のような転写方法を用いれば、耐熱性の高い基材に透明導電層を成膜した後に目的のキャリア付き透明基材に転写すればよいので、キャリア付き透明基材が必ずしも耐熱性を有したものでなくてもよい。そのため、要求特性として耐熱性が特に必要ではない場合は、透明導電層の積層のために耐熱性の高い基材を選択する必要がなく、基材選択や成膜方法等に制限がかかることを防ぐことができる。
このような転写方法としては、離型性基材に透明導電層を適宜積層した離型性基材付き透明導電層を用いることが好ましい。離型性基材付き透明導電層は、離型性基材上に直接透明導電層を積層してもよいし、別の基材に成膜した透明導電層を離型性基材と貼り合わせて基材を除去してもよい。このとき、透明導電層を形成する基材としては、透明導電層の積層方法および積層物に適し、最終的に除去できる基材であれば特に限定しない。例えばCVDによってグラフェンを成膜するのであれば、銅箔などの金属箔や、触媒層を積層した離型フィルムなどが考えられる。本実施の形態においては、銅箔にCVDによってグラフェンを形成し、グラフェン表面に離型性基材を貼り合わせて銅箔をエッチングしたものを用いることとする。
本実施の形態にかかる透明導電層は非常に薄いため、キャリア付き透明基材へ転写する際に層が破損するおそれがある。しかし、このように離型性基材を貼り合わせることによって、基材を除去する際に透明導電層が破損することを防ぐことができる。このような離型性基材としては、透明導電層を保持し、後に容易に剥離できるものであれば特に限定しないが、熱剥離シートであることが好ましい。熱剥離シートは、加熱することにより容易にダメージなく透明導電層を目的の対象物に転写することができる。
この離型性基材付き透明導電層の透明導電層側表面と前記キャリア付き透明基材の透明基材側表面とを重ね、ゴムロール等によりシワを伸ばしながら貼り合わせて離型性基材を剥離することにより、キャリア付き透明導電積層体を得ることができる。このとき、透明導電層と透明基材とはファンデルワールス力により密着する。本実施の形態にかかる透明導電層と透明基材は非常に薄く軽いため、ファンデルワールス力のような微弱な相互作用によっても十分な密着力を得ることができる。そのため、積層において粘着等の接着層は不要であるので、透明導電積層体の全体の厚みをより薄くすることができる。
得られたキャリア付き透明導電積層体から前記キャリア基材を剥離することによって非常に薄い透明導電積層体を得る。本実施の形態においてキャリア基材と透明導電積層体の透明基材とは接着層等による積層ではなく、静電力による貼着であるため、容易に剥離することができる。得られた透明導電積層体は、総厚みtが0.5μm<t≦10μmと非常に薄く軽いものとなる。そのため、剛性が小さく屈曲性に優れている。さらに透明性にも優れており、透明性が求められる用途に有用である。
本実施の形態にかかる透明導電積層体は、JIS K 5600−5−1に記載された直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行っても、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値の、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値に対する変化率が10%以下となり、屈曲による導電性の低下がごくわずかである。従来の透明導電積層体では、このような試験を行うと層間剥離が起こったりクラックが入ったりして表面抵抗値が上昇してしまい、安定な導電性を得ることが困難であった。しかし、本実施の形態にかかる透明導電積層体であれば、上記のような非常に厳しい試験を行った後も、その表面抵抗値がほとんど変化せず、屈曲に対する耐久性に優れた電極とすることができる。
本実施の形態にかかる透明導電積層体は非常に薄く軽い上に透明であるため、保管や転写までの支持基材としてキャリア基材を剥離せず用いてもよい。支持体があることによって例えば、該透明導電積層体の表面処理や裁断工程などの加工性が保持されることから、キャリア付きであることが好まれる場合があるためである。
以上のようにして得られた透明導電積層体は、非常に薄い透明基材の表面に透明導電積層体を積層した、非常に薄くて軽い透明導電積層体である。このとき、透明導電積層体の総厚みtが0.5μm<t≦10μmと非常に薄いので、屈曲性に優れ且つ屈曲させた後も導電性がほとんど変化しない。そのため、曲面や凹凸の多い被着体に対しても追従させることができ、安定した導電性の得られる透明電極とすることができる。また、本実施の形態にかかる透明導電積層体を肌に直接貼り付ける際、非常に薄く軽いため貼着による装着感を薄れさせる上、被着体に対してファンデルワールス力のような微弱な力でも十分に密着することができるので、被着体に転写する際に接着層等を設ける必要がなく、装着による違和感や不快感がない。さらに、透明性にも優れるため、透明性の求められる用途にも用いることができる。このような特徴を有しているため、本実施の形態にかかる透明導電積層体は、様々な用途の透明電極として用いることができる。特に、例えば体表等に貼り付けても目立たないようにしたり、臓器の患部に直接貼り付けたりといった、ウェアラブルデバイスや生体用デバイスの電極として有用である。
また、以上述べたような透明導電積層体の製造方法であれば、本実施の形態にかかる透明導電積層体を容易に製造することができる。従来の透明導電積層体の製造方法では、本願発明のような非常に薄い透明基材と透明導電層を有した透明導電積層体を製造することは、ハンドリング性や加工適性などの問題により非常に困難であったが、本願発明に係る透明導電積層体の製造方法であれば、透明基材に直接透明導電層を積層する必要がないため、積層方法によって基材の選定が制限されたり、極薄であることでハンドリングが悪くなったりすることがなく、容易に製造することができる。また、透明基材と透明導電層はそれぞれ非常に薄いため、貼り合わせに接着層を設ける必要がなく、ファンデルワールス力のみで積層することができ、従来の透明導電積層体に比べ非常に薄いものとすることができる。
本願発明に係る透明導電積層体および該積層体を用いた透明電極に関し、さらに実施例を交えて以下説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(離型性基材付き透明導電層)
圧延銅箔(福田金属箔粉工業株式会社製)を真空チャンバーに入れ、1.0×10−3Pa以下まで減圧し、ヒーターによって銅箔を加熱した。その後、メタンと水素ガスを1:300の比率でチャンバー内に導入しながら、マイクロ波によって表面波プラズマを発生させ、銅箔上にグラフェンを形成した。成膜時の圧力は約4Paであり、成膜は各水準で決められた時間実施した。次に、銅箔上に形成したグラフェン表面と粘着シート(日東電工株式会社製)とを貼り合わせ、銅箔を過硫酸アンモニウム水溶液(10重量%)で溶解した。その後、イオン交換水で十分に洗浄して離型性基材付き透明導電層を得た。
(キャリア付き透明基材)
透明基材として2μmPETフィルムを用い、キャリア基材である188μmPETフィルム(三菱樹脂株式会社製)に重ねて、2μmPETフィルムの上から帯電ガン(株式会社グリーンテクノ製)を5kVに設定して数秒照射し、さらにシリコンゴムロールで皺を伸ばして静電相互作用によって貼り合わせ、キャリア付き透明基材を得た。
(実施例1)
グラフェンの成膜時間を2分として離型性基材付き透明導電層を作製し、離型性基材付き透明導電層のグラフェン面とキャリア付き透明基材の2μmPETフィルム面とをゴムロールを用いて貼り合わせて、100℃の熱を1分かけて、粘着シートを剥離した。その後、188μmPETフィルムを剥離して、2μmPETフィルムとグラフェンで構成された透明導電積層体1を得た。
(実施例2)
グラフェンの成膜時間を2分として離型性基材付き透明導電層を2枚作製し、どちらか1枚の離型性基材付き透明導電層のグラフェン面とキャリア付き透明基材の2μmPETフィルム面とをゴムロールを用いて貼り合わせて、100℃の熱を1分かけて粘着シートを剥離し、キャリア付き透明導電積層体を得た。その後さらに、もう一方の離型性基材付き透明導電層のグラフェン面をキャリア付き透明導電積層体のグラフェン面と向かい合うようにして貼り合わせ、100℃の熱を1分かけて粘着シートを剥離し、最後に、188μmPETフィルムを剥離して、2μmPETフィルム上にグラフェン層が2回積層された透明導電積層体2を作製した。
(実施例3)
グラフェンの成膜時間を40秒に変更した以外は実施例1と同じ方法を用いて、目的とする透明導電積層体3を作製した。
(実施例4)
透明基材を2μmPETフィルムから6μmPETフィルムへ変更した以外は実施例1と同じ方法を用いて、目的とする透明導電積層体4を作製した。
(比較例1)
グラフェンの成膜時間を2分として離型性基材付き透明導電層を作製し、離型性基材付き透明導電層のグラフェン面と50μmPETフィルムとをゴムロールを用いて貼り合わせて、100℃の熱を1分かけて粘着シートを剥離し、50μmPETフィルムとグラフェンで構成された透明導電積層体5を得た。
(比較例2)
比較例1に記載の透明基材を50μmPETフィルムから188μmPETフィルムへ変更した以外は比較例1と同じ方法で、目的とする透明導電積層体6を作製した。
実施例1ないし実施例4と比較例1、2により得られた透明導電積層体の物性は、以下に記載の方法で求めた。
(可視光透過率)
透明導電層形成前の透明基材と透明導電層形成後の透明導電積層体の550nmにおける透過率(%)をUV−VIS紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製:「SolidSpec3700DUV」)で測定し、下記の(式1)で透明導電層の透過率を求めた。各透過率の単位は%である。
(式1)
透明導電層の透過率=100−(透明基材のみの透過率−透明導電積層体の透過率)
(厚さ)
550nmにおけるグラフェンの透過率は1層毎に約2.3%減少することが知られている。また、グラフェンの厚さは原子1層分(約0.3nm)であることから、透明導電層の透過率を用いて透明導電層のおよその厚さを算出した。透明基材の厚さは、触診式デジタルマルチメーター(株式会社ミツトヨ製)によって、任意の5点を測定しその平均値とした。得られた透明導電積層体の総厚みは、透明導電層の厚さと基材の厚さの和として算出した。
(表面抵抗値)
透明導電積層体の表面抵抗値は、株式会社三菱化学アナリテック製:「ロレスタ―GP」を用いて任意の5点について測定を行い、その平均値を用いた。
(屈曲試験)
屈曲試験は、JIS K5600−5−1に記載されるマンドレル棒のうちマンドレル径2mmのものを用いて、透明導電積層体を該マンドレル棒に沿って180°曲げることを50回繰り返して行った。このとき、透明導電層側がマンドレル棒側になるようにして実施した。
(抵抗変化率)
上記の屈曲試験を行う前後において、サンプルを25×60mmサイズに切り出し、透明導電層側表面の両端部5×25mm幅にAgペーストを塗布して乾燥させ、Agペースト間の端子間抵抗を屈曲試験前後でテスターを用いて測定し、下記の(式2)によって抵抗変化率を求めた。抵抗変化率の単位は%、各抵抗値の単位はΩである。
(式2)
抵抗変化率=(屈曲後抵抗値−屈曲前抵抗値)/屈曲前抵抗値×100
実施例1ないし実施例4と比較例1、2における、透明導電層の透過率、透明導電層の厚さ、基材の厚さ、透明導電積層体の総厚み、透明導電積層体の表面抵抗値、屈曲試験前後の抵抗変化率を表1に示した。
(表1)
Figure 2016139492
表1より、透明導電積層体の総厚みが10μmより厚い比較例1および比較例2は、屈曲試験の前後における抵抗変化率が10%以上となり、屈曲により導電性が低下することが理解される。一方、透明導電積層体の総厚みをtとしたとき0.5μm<t≦10μmの範囲にある実施例1ないし実施例4は、屈曲試験の前後における抵抗変化率が10%以下であり、屈曲試験による導電性の低下が微小である。これは、透明導電積層体の総厚みtが10μmより厚くなることで、該積層体の剛性が大きくなり、何度も屈曲させることによって透明導電層にクラックや欠落が生じたため、導電性が低下したと考えられる。一般的に物質の剛性は厚くなるほど増大することが知られており、実施例1ないし実施例4のように透明導電積層体の総厚みtが0.5μm<t≦10μmであれば、透明導電積層体の剛性が十分小さいので屈曲による反発も小さく、透明導電層にクラックや欠落が少ないため導電性が低下しない。したがって、透明導電積層体の総厚みtが0.5μm<t≦10μmであれば、屈曲試験前後における抵抗変化率が10%以下となり、屈曲に対して耐久性のある透明導電積層体となることが分かる。また、実施例1ないし実施例4は、表面抵抗値および透過率が比較例1および比較例2と同等あるいはそれよりも良好な値である。すなわち、実施例1ないし実施例4は、屈曲の前後で抵抗値変化が小さいだけでなく、導電性や透明性においても良好な透明導電積層体であることが分かる。
本願発明の実施例においては、数nm程度の非常に薄い透明導電層を用いているため、基材の厚さと透明導電積層体の総厚みが同等の厚みとなっているが、透明導電積層体の総厚みtが0.5μm<t≦10μmとなる範囲であれば、透明導電層の厚みが本実施例に記載の厚みより厚くとも透明導電積層体の剛性に影響しないため、良好な屈曲性が得られる。ここでは詳細を省略する。
以上説明した本願発明に係る透明導電積層体および該透明導電積層体を用いた透明電極であれば、従来よりも非常に薄く、屈曲性とそれに伴う耐久性、および透明性に優れている。それにより、被服への貼り付けや小さな端末としての体外デバイス、心拍計や活動量計などの生体情報測定センサー、心電計、筋電計、脳波計等の検査・診断機器、電子皮膚、投薬機能センサー、水分感知によるおむつセンサー、体表や体内に貼り付けることによる発電素子、といったウェアラブルデバイスや生体用デバイスなど、幅広い用途に用いることができる。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の透明導電積層体に関する発明は、透明基材の表面に少なくともグラフェンよりなる透明導電層を積層してなる透明導電積層体であって、前記透明導電積層体の総厚みをtとしたとき0.5μm<t≦10μmであり、前記透明導電積層体を直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行ったとき、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値が、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値と比較してその変化率が10%以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の透明導電積層体に関する発明は、請求項1に記載の透明導電積層体であって、前記透明導電層の可視光透過率が90%以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の透明導電積層体に関する発明は、請求項1または請求項2に記載の透明導電積層体であって、前記透明基材の厚みをtとしたとき0.5μm≦t<10μmであること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載のキャリア付き透明導電積層体に関する発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の透明導電積層体において、前記透明基材の前記透明導電層が積層された面と反対側の表面に、キャリア基材を貼着してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の透明電極に関する発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の透明導電積層体、または請求項4に記載のキャリア付き透明導電積層体より剥離された透明導電積層体を用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項6に記載のウェアラブルデバイスに関する発明は、請求項5に記載の透明電極を用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の生体用デバイスに関する発明は、請求項5に記載の透明電極を用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、透明基材の表面にキャリア基材を貼着させてキャリア付き透明基材を得る工程と、前記キャリア付き透明基材の前記透明基材側表面にグラフェンよりなる透明導電層を積層して、キャリア付き透明導電積層体を得る工程と、前記キャリア付き透明導電積層体から前記キャリア基材を剥離する工程と、からなる透明導電積層体の製造方法であって、前記透明導電積層体の総厚みをtとしたとき0.5μm<t≦10μmであり、得られた前記透明導電積層体を直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行ったとき、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値が、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値と比較してその変化率が10%以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項9に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項8に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記キャリア付き透明基材を得る工程において、前記透明基材の貼着が前記キャリア基材と前記透明基材を重ねて前記透明基材側から帯電ガンを照射してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項8または請求項9に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記キャリア付き透明導電積層体を得る工程において、前記透明導電層の積層が、離型性基材の表面に透明導電層を積層して離型性基材付き透明導電層としたものを、前記キャリア付き透明基材の前記透明基材側表面と透明導電層側で貼り合わせ、前記離型性基材を除去することによってなされるものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項11に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記離型性基材が熱剥離シートであること、を特徴とする。
本願発明の請求項12に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項8ないし請求項11の何れか1項に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記透明導電層が化学気相成長法(CVD)によって成膜されること、を特徴とする。
本願発明の請求項13に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項8ないし請求項12の何れか1項に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記透明導電層の可視光透過率が90%以上となること、を特徴とする。
本願発明の請求項14に記載の透明導電積層体の製造方法に関する発明は、請求項8ないし請求項13の何れか一項に記載の透明導電積層体の製造方法であって、前記透明基材の厚みをtとしたとき0.5μm≦t<10μmであること、を特徴とする。

Claims (16)

  1. 透明基材の表面に少なくとも、透明導電層を積層してなる透明導電積層体であって、
    前記透明導電積層体の総厚みをtとしたとき、0.5μm<t≦10μmであり、
    前記透明導電積層体を直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行ったとき、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値が、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値と比較してその変化率が10%以下であること、
    を特徴とする透明導電積層体。
  2. 前記透明導電層がグラフェンよりなること、
    を特徴とする請求項1に記載の透明導電積層体。
  3. 前記透明導電層の可視光透過率が90%以上であること
    を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の透明導電積層体。
  4. 前記透明基材の厚みをtとしたとき0.5μm≦t<10μmであること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の透明導電積層体。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の透明導電積層体において、
    前記透明基材の前記透明導電層が積層された面と反対側の表面に、キャリア基材が貼着してなること、
    を特徴とする、キャリア付き透明導電積層体。
  6. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の透明導電積層体、または請求項5に記載のキャリア付き透明導電積層体より剥離された透明導電積層体を用いてなること、
    を特徴とする、透明電極。
  7. 請求項6に記載の透明電極を用いたウェアラブルデバイス。
  8. 請求項6に記載の透明電極を用いた生体用デバイス。
  9. 透明基材の表面にキャリア基材を貼着させて、キャリア付き透明基材を得る工程と、
    前記キャリア付き透明基材の前記透明基材側表面に透明導電層を積層して、キャリア付き透明導電積層体を得る工程と、
    前記キャリア付き透明導電積層体から前記キャリア基材を剥離する工程と、
    からなる透明導電積層体の製造方法であって、
    前記透明導電積層体の総厚みをtとしたとき、0.5μm<t≦10μmであり、
    得られた前記透明導電積層体を直径2mmのマンドレル棒に前記透明導電層側がマンドレル棒側になるように沿わせて180度屈曲させる試験を50回行ったとき、試験後における前記透明導電層の表面抵抗値が、試験前における前記透明導電層の表面抵抗値と比較してその変化率が10%以下であること、
    を特徴とする、透明導電積層体の製造方法。
  10. 前記キャリア付き透明基材を得る工程において、前記透明基材の貼着が前記キャリア基材と前記透明基材を重ねて前記透明基材側から帯電ガンを照射してなること、
    を特徴とする、請求項9に記載の透明導電積層体の製造方法。
  11. 前記キャリア付き透明導電積層体を得る工程において、前記透明導電層の積層が、
    離型性基材の表面に透明導電層を積層して離型性基材付き透明導電層としたものを、前記キャリア付き透明基材の前記透明基材側表面と透明導電層側で貼り合わせ、前記離型性基材を除去することによってなされるものであること、
    を特徴とする、請求項9または請求項10に記載の透明導電積層体の製造方法。
  12. 前記離型性基材が熱剥離シートであること、
    を特徴とする請求項11に記載の透明導電積層体の製造方法。
  13. 前記透明導電層が化学気相成長法によって成膜されること、
    を特徴とする請求項9ないし請求項12の何れか一項に記載の透明導電積層体の製造方法。
  14. 前記透明導電層がグラフェンよりなること、
    を特徴とする請求項9ないし請求項13の何れか一項に記載の透明導電積層体の製造方法。
  15. 前記透明導電層の可視光透過率が90%以上となること、
    を特徴とする請求項9ないし請求項14の何れか一項に記載の透明導電積層体の製造方法。
  16. 前記透明基材の厚みをtとしたとき0.5μm≦t<10μmであること、
    を特徴とする請求項9ないし請求項15の何れか一項に記載の透明導電積層体の製造方法。
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