JP2016135598A - せん断変形性に優れたフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のフィルムは、布のようなせん断変形性を付与する観点から、Kawabata Evaluation System(以下、KES)法に従い測定されるせん断かたさが0.1gf/(cm・deg)以上6gf/(cm・deg)以下であることが重要である。せん断変形とは、経糸と緯糸とが交差することにより構成されている布がもっとも容易に受ける変形様式であり、2次元の布が3次元の曲面を容易にカバーすることができるのはこのせん断変形に大きく依存し、せん断変形が大きい、つまり、せん断かたさが小さい布の方が人体のような曲面によりフィットし易く、着用感がよいものとなる。このせん断かたさの測定方法については後述する。以後、KES法に従い測定したせん断かたさのことを、単にせん断かたさと記す。
さらに本発明のフィルムは、耐水圧が500mm以上5,000mm以下であることが重要である。耐水圧をかかる範囲とすることにより、本発明のフィルムに防水性を付与することが可能となる。耐水圧が500mm未満の場合、防水性が不十分であり、たとえば紙おむつの防水シートとして本発明のフィルムを使用した場合、おむつからの尿漏れが起こってしまうという問題がある。一方、耐水圧の上限は防水性の観点からは高いほど好ましいが、前述のせん断かたさを付与する点では、本発明のフィルムに空間的自由度を付与する必要があり、5,000mmより高い値では防水性とせん断かたさを両立できない。防水性とせん断かたさを両立させる観点から、耐水圧は1,000mm以上4,500mm以下であることが好ましく、1,500mm以上4,000mm以下であることがより好ましい。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない限りいずれの樹脂を含んでもよいが、布のようなクッション性や心地よい触感、及び布のようなせん断変形性を付与する観点から、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群より選ばれる樹脂を少なくとも1種含むことが好ましい。ここでエチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体を総称して、熱可塑性樹脂Aと表現する。
本発明のフィルムは、布のようなクッション性があり、心地良い触感を有することを特徴とする。ここでいうクッション性とは、嵩高性と柔軟性を表す指標であり、フィルムを圧縮したときの仕事量(圧縮仕事量)を尺度として表現することができる。圧縮仕事量は、KES法に従い測定することができ、詳細な測定方法については後述する。以後、KES法に従い測定した圧縮仕事量のことを、単に圧縮仕事量と記す。
本発明のフィルムは空孔率が50%以上90%以下である層Aと、空孔率が10%以上50%未満である層Bを有することが好ましい。
本発明のフィルムは、層Aと層Bを有する積層構成をとっている場合、層Bは独立した空孔を有していることが好ましい。ここで、独立した空孔とは、他の空孔と繋がっていない空孔を指す。層Bが独立した空孔を有することで、透湿性を有しつつ、防水性を有した層とすることが可能となる。
本発明のフィルムは、層Aと層Bを有する積層構成をとっている場合、層Aは連続した空孔を有していることが好ましい。ここで、連続した空孔とは、複数の空孔が連なってできる空孔を指す。層Aが連続した空孔を有することで、層Aの空間自由度が増し、層Aをせん断変形性に優れた層とすることが可能となる。
本発明のフィルムは、層Aと層Bを有する積層構成をとっている場合、層Aが少なくとも一方の表面に位置していることが好ましい。層Aは空孔率が高いため、同時にクッション性も有している。このクッション性により本発明のフィルムに布のような触感を与えることが可能となる。さらに本発明のフィルムは、表裏のどちらの面から触れた場合にも布のような触感となるという観点から、層A/層B/層Aのように層Aが両方の表面に位置した構成をとっていてもよい。
本発明のフィルムは、層Aと層Bを有する積層構成をとっている場合、層Bの厚みが0.1〜4.5μmであることが好ましい。前述のように層Bは防水性を有する層であるため、層Aと比較して空間自由度が小さく、本発明のフィルムのせん断変形性を低下させる方向に働く。このような観点からは層Bの厚みを0.1〜4.5μmと薄くして、層Bのせん断変形に要する応力を最低限に抑えることが好ましい。後述する延伸においてフィルム破れを抑制しより安定した生産を行うことができるという観点から、より好ましい層Bの厚みは、1μm以上4.2μm以下であり、さらに好ましくは2μm以上4μm以下である。
一方、本発明のフィルムは、フィルムの厚みが5μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、フィルムの厚みとは、本発明のフィルムが単層構成の場合は層全体の厚みを、層Aと層Bを含む積層構成の場合は全ての層の厚みの和を指す。フィルムの厚みを5μm以上とすることで、フィルムのコシが強くなり、取り扱い性に優れ、また、ロール巻姿や巻出し性が良好となる。またフィルムの厚みを100μm以下とすることで軽量感に優れるものとなる。本発明のフィルムの厚みは、7μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上20μmが特に好ましい。
本発明のフィルムは、層Aと層Bを有する積層構成をとっている場合、透湿性を向上させるために、層Bに充填剤を含むことが好ましい。ここで充填剤とは、諸性質を改善するために基材として加えられる物質、あるいは増量、増容、製品のコスト低減などを目的として添加する不活性物質をいう。なお、この定義を満たす限りは、充填剤は酸化防止機能や紫外線吸収機能など、別の機能を有していてもよい。つまり充填剤が酸化防止剤に該当することもあれば、充填剤が紫外線安定化剤に該当することもある。
本発明のフィルムは、層Aおよび層Bを有する積層構成を取る場合、好ましい圧縮仕事量、せん断変形性を得られるという観点から、層Aを得るために用いる組成物に発泡剤を加えて発泡させ、層A中に空孔を形成することが好ましい。ここでいう発泡剤は、フィルムを発泡させて空孔を形成するために使用できるものであれば、どのようなものでもよく、化学発泡剤、物理発泡剤などを用いることができる。但し、製膜容易性、製膜安定性を考慮すると化学発泡剤が好ましい。
本発明のフィルムは、層Bが発泡助剤を含むことが好ましい。より詳細には、本発明のフィルムが層Aおよび層Bを有する積層構成を取り、層Aを得るために用いる組成物が発泡剤を含むことで層Aに空孔を形成する場合、層Bが発泡助剤を含むことが好ましい。本発明のフィルムを製膜する際に、層Aを得るために用いる組成物と層Bを得るために用いる組成物は、別々の押出機にて可塑化・溶融されながら複合口金に導かれ溶融状態で合流することとなるが、その際に層Aを得るために用いる組成物に含まれていた発泡剤の一部は層Bを得るために用いる組成物にも移行し、発泡剤による空孔形成が層Bを得るために用いる組成物中においても起こる。このような場合、発泡剤による空孔形成が層Bを得るために用いる組成物の中心部付近で起こると、層Bでも連続した空孔が形成されることになり、製造されたフィルムが所望の耐水圧を満たさないものとなってしまう。このような問題に対して、層Bが発泡助剤を含めば、フィルムの層Aを得るために用いる組成物から層Bを得るために用いる組成物へ移行してきた発泡剤は、フィルムの層Aと層Bの界面付近に存在する発泡助剤により発泡を促進されるため、連続した空孔の形成をフィルムの層Aと層Bの界面付近にとどめ、結果的にフィルムの層Bの防水性を維持することが可能となる。本発明のフィルムの層Bが発泡助剤を含むためには、層Bを得るために用いる組成物中に発泡助剤を含有させることで可能となる。
本発明のフィルムを、衛生材などの透湿性が要求される用途に使用する場合、その透湿度は、500g/(m2・day)以上であることが好ましく、700g/(m2・day)以上であることがより好ましく、1,000g/(m2・day)以上であることがより好ましく、1,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、2,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、3,500g/(m2・day)以上であることがさらに好ましく、4,200g/(m2・day)以上であることが特に好ましく、6,000g/(m2・day)以上であることが最も好ましい。なお、フィルムの透湿度は、後述の方法により測定することが可能である。
次に、本発明のフィルムを製造する方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
続いて、本発明のフィルムにエンボス加工を施す方法を以下に例示する。本発明において、フィルムにせん断変形性を付与するために、フィルムの少なくとも片面に、凸部または凹部(以下、総称して凹凸部ということがある。)を有することが好ましい。凹凸部とは、フィルムの厚さ方向を観察したときに、その方向に変形を有する部分をいう。凹凸部を設ける方法は特に限定されないが、エンボス加工による方法であることが好ましい。そのため本発明のフィルムが有する凸部または凹部とは、エンボス加工によって形成された凸部または凹部がその一例である。
前述のような方法により製膜したフィルムにラビング加工を施し、フィルムを毛羽立たせて本発明のフィルムを得る。ラビング加工は、既知のラビング装置により、フィルムにラビング布を巻き着けたラビングローラーを押し付け、ラビングローラーを回転させながらフィルムを相対的に移動させることにより行われる。なお、ラビング加工の回数に特に制限はなく、1回であっても、必要に応じ2回以上であってもよい。
上記式中のNはラビングの回数であり、Lはフィルム表面に触れているラビング布の長さ(mm)であり、Rはラビング布の厚みを含めたラビングローラーの半径(mm)であり、nはラビングローラーの回転数(rpm)であり、Vはフィルムの移動速度(mm/s)である。式M中の±の符号は、ラビングローラーをフィルムの移動方向に逆らう方向に回転させる場合には+とし、同じ方向に回転させる場合には−として計算する。ラビング布としては、番手♯30〜♯2,000の布やすりが好ましい。
層A及び層Bを有する本発明のフィルムの製造方法としては、製造工程中で層Aを得るために用いる組成物を発泡させ、層Aに空孔を形成させることが重要である。「層Aにおける発泡剤」の項に記載した種類及び量の発泡剤を、層Aを得るために用いる組成物に添加して発泡させることにより、容易に層Aに空孔を形成させることが可能となる。このようにして得られるフィルムは、好ましい圧縮仕事量、せん断変形性を有する。
このようにして得られた本発明のフィルムは、フィルムとして用いるために必要な機械特性を備え、かつ布のようなせん断変形性があり、心地良い触感を有するため、衛生材に好適に用いることができる。さらに、本発明のフィルムを不織布との積層体とすることも可能である。また、本発明の衛生材とは、本発明のフィルムを含む衛生材を指す。
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
フィルムの幅方向のセンター部からサンプルを切り出した。エポキシ樹脂を用いた樹脂包埋法により、ウルトラミクロトーム法を用い、サンプル片を機械方向と平行であり、かつ、厚み方向とも平行な面ができるように切断したときの、その切断面(以下、機械方向−厚み方向断面)を観察面とするように−100℃で超薄切片を採取した。このフィルム断面の薄膜切片を、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製 S−3400N)を用いて倍率1,000倍(倍率は適宜調整可能)でフィルム断面写真を撮影し、厚みを測定した。観察箇所を10点変えて同じ測定を行い、得られた値の平均値を当該フィルムの厚み(μm)とした。
フィルムの厚み測定と同様にサンプルを切り出し、サンプル片の機械方向−厚み方向断面について、走査型電子顕微鏡を用いて倍率1,000倍(倍率は適宜調整可能)で観察、断面写真を得た。
(2)と同様にして、断面写真を8ビット画像として読み込み、自動二値化処理を行うことで、空孔部分と非空孔部分を色分けした。
乖離度=|楕円面積−空孔面積|/空孔面積
乖離度が0以上0.1以下の場合:独立した空孔
乖離度が0.1より大きい場合:連続した空孔
そして層A及び層Bについて、以下の基準で評価して、表の空孔形状の欄に記載した。
・層Aに連続した空孔が観測された場合:『連続』と記載
・層Aに連続した空孔が観測されない場合:『独立』と記載
・層Bに独立した空孔が観測された場合:『独立』と記載
・層Bに独立した空孔が観測さない場合:『連続』と記載
(4)フィルムの透湿度
25℃、90%RHに設定した恒温恒湿装置にて、JIS Z0208(1976)に規定された方法に従って測定した。測定は3回行い、その平均値を透湿度(g/(m2・day))とた。なお、透湿度はフィルムのどちら側の面から測定してもよい。
JIS L 1092 (2009)に規定された方法に従って、耐水度試験(静水圧法;A法(低水圧法))を行った。このとき、水準装置の水位上昇速度は600mm/mim±30mm/minとした。この耐水圧(mm)の測定を3回行い、その平均値をフィルムの耐水圧とした。
カトーテック社製のせん断試験機KES−FB1を用いて、フィルムを20cm(機械方向)×20cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にて、フィルムのせん断かたさ(gf/(cm・deg))を測定した。機械方向、幅方向ともに測定をそれぞれ3回(合計6回)行い、そのすべてのデータの平均値をそのフィルムのせん断かたさとした。
カトーテック社製の自動化圧縮試験装置KES−FB3−AUTO−Aを用いて、フィルムを20cm(機械方向)×20cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けて、その試料を面積2cm2の円形平面を持つ鋼板間で圧縮速度:150sec/mm、圧縮最大荷重:10gf/cm2、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にてフィルムの圧縮仕事量(gf・cm/cm2)を測定した。フィルムの巻内面、巻外面の両面ともに測定をそれぞれ3回(合計6回)行い、そのすべてのデータの平均値をそのフィルムの圧縮仕事量とした。
インフレーション製膜時と延伸時の各工程において、30分間のうちに起こったフィルム破れの回数の和をカウントし、回数に応じて、下記の三段階で評価した。
3:延伸破れの回数 0回
2:延伸破れの回数 1〜2回
1:延伸破れの回数 3回以上
製膜安定性は3が最も優れているが、2以上であれば実用的に生産できる。
任意に選定した30人を対象に触手試験を実施し、布のようなせん断変形性を有していると回答した人数により、フィルムのせん断変形性を以下のように評価した。せん断変形性は10が最も優れているが、2以上であれば布のようなせん断変形性を有したフィルムとして実用的に使用できる。
10:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が26人以上
9:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が24人以上25人以下
8:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が22人以上23人以下
7:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が20人以上21人以下
6:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が18人以上19人以下
5:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が16人以上17人以下
4:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が14人以上15人以下
3:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が12人以上13人以下
2:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が10人以上11人以下
1:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が9人以下
(10)フィルムのクッション性評価(触感)
任意に選定した30人を対象に触手試験を実施し、布のようなクッション性を有していると回答した人数により、フィルムのクッション性を以下のように評価した。クッション性は10が最も優れているが、2以上であれば布のようなクッション性を有したフィルムとして実用的に使用できる。
10:布のようなクッション性を有していると回答した人が26人以上
9:布のようなクッション性を有していると回答した人が24人以上25人以下
8:布のようなクッション性を有していると回答した人が22人以上23人以下
7:布のようなクッション性を有していると回答した人が20人以上21人以下
6:布のようなクッション性を有していると回答した人が18人以上19人以下
5:布のようなクッション性を有していると回答した人が16人以上17人以下
4:布のようなクッション性を有していると回答した人が14人以上15人以下
3:布のようなクッション性を有していると回答した人が12人以上13人以下
2:布のようなクッション性を有していると回答した人が10人以上11人以下
1:布のようなクッション性を有していると回答した人が9人以下
[熱可塑性樹脂A]
(A1)
エチレン−メチルメタクリレート共重合体(商品名:アクリフト WH303、住友化学工業(株)製)
[充填剤(B)]
(B1)
炭酸カルシウム(商品名“トップフローH200”(登録商標)、三共精粉社製)
(B2)
炭酸カルシウム(商品名“TSS−30C”(登録商標)、白石工業株式会社製)
[発泡剤(C)]
(C1)
炭酸水素ナトリウム(商品名:セルボンFE−507、永和化成工業(株)製)
[発泡助剤(D)]
(D1)
クエン酸(試薬、純度98.0%以上、東京化成製)
[エンボスロール(E)]
(E1)
模様:四角錐台柄、凹凸差:300μm、ピッチ:1,000μm、直線上の非エンボス率:80%
(E2)
模様:円錐台柄、凹凸差:300μm、ピッチ:3,000μm、直線上の非エンボス率:40%
[フィルムの作製]
(実施例1)
A1、B1を表1に記載の含有量でシリンダー温度145℃のスクリュー径44mmの真空ベント付二軸押出機に供給して溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。
表1に記載の通りに、樹脂の種類及び含有量、発泡剤の含有量、充填剤の含有量を変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1に示した。
表2に記載の組成となるように層Aおよび層Bの原料を準備した。層Aの原料をシリンダー温度180℃で、スクリュー径60mmの単軸押出機に供給し、層Bの原料を別の独立したシリンダー温度180℃で、スクリュー径60mmの単軸押出機に供給した後、この2種の溶融混練組成物を、層A/層Bの積層構成となる2種2層積層タイプ、直径250mm、リップクリアランス1.0mm、温度を155℃に設定した環状ダイスに導き、実施例1と同様の方法で未延伸フィルムを採取した。続いて実施例1と同様に延伸を行った。得られたフィルムの物性及び評価結果を表2に示した。
比較例1において得られたフィルムを、由利ロール社製電気加熱式エンボス機“HTEM−300型”にセットしたエンボスロール(上段及び下段)の間を、ロール温度120℃(上段、下段両方)、ニップ圧力(線圧)50kg/cm、ロール回転速度5.0m/minの条件で通すことで、エンボス加工した。なおこのときのエンボスロールは表に記載のエンボスロールを用いた。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1に示した。
実施例8において得られたフィルムを、実施例3、4と同様にエンボス加工した。得られたフィルムの物性及び評価結果を表2に示した。
実施例11において得られたフィルムの巻外面を、ホットステージを取り付けたニュートム社製のラビング装置(NR‐10 Type3)を用いて均一にラビングした。ステージの温度は45℃に設定し、ラビング布は布やすり(理研コランダム(株)製 研磨布♯400)を用い、前述式Mで表されるラビング距離が600mmになる条件、すなわち、フィルム表面に触れているラビング布の長さLを10mm、ラビング布厚みを含めたラビングローラーの半径Rを45mm、ラビングローラーの回転数nを720rpm、フィルムの移動速度Vを120mm/sに設定し、ラビングローラーをフィルムの移動方向に逆らう方向に回転させながら2回ラビング加工を行った。もう片方の面である巻内面について同様のラビング加工を2回行った。得られたフィルムの物性及び評価結果を表2に示した。
b:フィルムの凹凸部の高さ
c:フィルムの凹凸部のピッチ
d:凹凸部の厚さを算出するための測定位置の一例
e:凹凸部の厚さを算出するための測定位置の一例
Claims (12)
- KES法に従い測定されるせん断かたさが0.1gf/(cm・deg)以上6gf/(cm・deg)以下であり、さらに耐水圧が500mm以上5,000mm以下であることを特徴とするフィルム。
- KES法に従い測定される圧縮仕事量が0.015gf・cm/cm2以上1.0gf・cm/cm2以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
- 空孔率が50%以上90%以下である層Aと、空孔率が10%以上50%未満である層Bを有し、層Aは少なくとも一方の表面に位置することを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルム。
- 層Bが独立した空孔を有することを特徴とする、請求項3に記載のフィルム。
- 層Aが連続した空孔を有することを特徴とする、請求項3または4に記載のフィルム。
- 層Aと層Bとが直接積層されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のフィルム。
- 層Bが発泡助剤を含むことを特徴とする、請求項6に記載のフィルム。
- 一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムであることを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載のフィルム。
- 衛生材に用いられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のフィルムと不織布との積層体。
- 請求項3〜9のいずれかに記載のフィルムの製造方法であって、製造工程中で層Aを得るために用いる組成物を発泡させ、層Aに空孔を形成させることを特徴とする、フィルムの製造方法。
- 層Bを得るために用いる組成物に発泡助剤を加えることを特徴とする、請求項11に記載のフィルムの製造方法。
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