JP2016135006A - 電線保護部材及び保護部材付電線 - Google Patents

電線保護部材及び保護部材付電線 Download PDF

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宏弥 鈴木
Hiroya Suzuki
宏弥 鈴木
康宏 梶原
Yasuhiro Kajiwara
康宏 梶原
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Abstract

【課題】不織部材がホットプレスされることにより形成された複数の分割保護部を連結するヒンジ部を、安定した曲げ位置で容易に曲げられるようにすることを目的とする。【解決手段】電線保護部材20は、少なくとも1本の電線を収容可能な筒形状をその周方向において分割した形状に形成された複数の分割保護部22と、複数の分割保護部22が、周方向の1箇所で分離する筒形状を形成可能なように、複数の分割保護部22の側縁部同士を連結する少なくとも1つのヒンジ部30とを備える。ヒンジ部30は、分割保護部22の延在方向に沿って形成された軟質曲げ部32と、分割保護部22の延在方向に沿って形成された硬質部35を含み、複数の分割保護部22が筒形状を形成するようにヒンジ部30が曲げられた状態で、軟質曲げ部32の収容空間を形成する収容空間形成部34とを備える。【選択図】図2

Description

この発明は、電線を保護する技術に関する。
特許文献1は、少なくとも1本の電線を含む配線部と、配線部の外周部を覆う電線保護用不織材料が少なくとも一部でホットプレスされることにより形成された電線保護部とを備えるワイヤーハーネスを開示している。
特許文献2は、不織材料をホットプレスすることにより形成された一対の凹状部材を備えるプロテクタを開示している。凹状部材は、分割収容部と、分割収容部の両側端縁部から外側方に張出す接合代部と備えている。また、一対の凹状部材の一方の接合代部同士がヒンジ部によって連結されている。接合代部としては、ホットプレスによって分割収容部と同様に硬く形成される場合と、分割収容部よりも柔らかい場合とが開示されている。
特開2013−183597号公報 特開2013−143868号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術によると、配線部を不織材料で覆った状態でホットプレスしているため、ワイヤーハーネスの製造現場でホットプレス作業を行う必要があり、電線保護部の形成及び装着が困難であるという問題がある。
特許文献2に開示のプロテクタは、不織材料をホットプレスすることにより形成された一対の凹状部材と、一対の凹状部材を連結するヒンジ部とを備えるため、ワイヤーハーネスの製造現場等で、当該一対の凹状部材をワイヤーハーネスに対して容易に取付けることができるという利点がある。
しかしながら、特許文献2に開示の技術のうち、接合代部が硬く形成され、それらの間に線状のヒンジ部が形成された構成によると、次の問題が生じる。
まず、ヒンジ部をなるべく柔らかく形成しようとすると、ヒンジ部の厚みが大きくなってしまう。このため、2つの接合代部をヒンジ部で曲げると、厚みの大きいヒンジ部が接合代部間に圧縮状態で押込められてしまう。接合代部間に押込まれたヒンジ部は、接合代部を開く力として作用するため、一対の凹状部材を閉じるために要する力が却って大きくなってしまう。
また、ヒンジ部の厚みを小さくしようとすると、ヒンジ部を高圧縮状態でホットプレスする必要があり、ヒンジ部自体が硬くなってしまう。このため、一対の凹状部材を閉じるために要する力が大きくなってしまう。
なお、特許文献2に開示の技術のうち、接合代部が柔らかく形成された構成によると、一対の接合代部及びヒンジ部が連続する領域において、曲げ箇所が安定しないという問題がある。
そこで、本発明は、不織部材がホットプレスされることにより形成された複数の分割保護部を連結するヒンジ部を、安定した曲げ位置で容易に曲げられるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る電線保護部材は、少なくとも1本の電線を収容可能な筒形状をその周方向において分割した形状に形成された複数の分割保護部と、前記複数の分割保護部が、周方向の1箇所で分離する筒形状を形成可能なように、前記複数の分割保護部の側縁部同士を連結する少なくとも1つのヒンジ部とを備え、前記少なくとも1つのヒンジ部は、前記分割保護部の延在方向に沿って形成された軟質曲げ部と、前記分割保護部の延在方向に沿って形成された硬質部を含み、前記複数の分割保護部が筒形状を形成するように前記ヒンジ部が曲げられた状態で、前記軟質曲げ部の収容空間を形成する収容空間形成部とを備える。
第2の態様は、第1の態様に係る電線保護部材であって、前記軟質曲げ部の両側に、前記収容空間形成部が設けられているものである。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る電線保護部材であって、前記複数の分割保護部が筒形状を形成するように前記ヒンジ部が曲げられた状態で、前記収容空間形成部は、外向きに凸となるように曲る形状に形成されているものである。
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る電線保護部材であって、前記収容空間形成部は、前記分割保護部の側縁部に隣接しており、前記収容空間形成部のうち前記分割保護部の側縁部に隣接する部分が、その側縁部が向く方向に対して反対側に傾くように形成されているものである。
第5の態様に係る保護部材付電線は、少なくとも1つの電線と、内側に前記少なくとも1つの電線が配設された状態で、前記複数の分割保護部が筒形状を形成するように、前記少なくとも1つのヒンジ部で曲げられた第1〜第5のいずれか1つの態様に係る電線保護部材とを備える。
第1〜第5の態様によると、ヒンジ部は、硬質部を横切るようには曲り難い。このため、ヒンジ部を安定した曲げ位置で曲げることができる。また、ヒンジ部が曲げられた状態で、収容空間形成部が前記軟質曲げ部の収容空間を形成するため、軟質曲げ部がヒンジ部を開き難い。これにより、不織部材がホットプレスされることにより形成された複数の分割保護部を連結するヒンジ部を、安定した曲げ位置で容易に曲げられるようにすることができる。
第2の態様によると、軟質曲げ部の両側の収容空間形成部によって、その間の軟質曲げ部の収容空間をより確実に形成できる。このため、ヒンジ部をより容易に曲げることができる。
第3の態様によると、収容空間形成部は、外向きに凸となるように曲る形状に形成されているため、その内側に凹んだ部分で、軟質曲げ部の収容空間をより確実に形成できる。このため、ヒンジ部をより容易に曲げることができる。
第4の態様によると、前記収容空間形成部のうち前記分割保護部の側縁部に隣接する部分が、その側縁部が向く方向に対して反対側に傾くように形成されているため、その収容空間形成部の内側に軟質曲げ部の収容空間をより確実に形成できる。このため、ヒンジ部をより容易に曲げることができる。
実施形態に係る保護部材付電線を示す概略斜視図である。 電線束に取付ける前の電線保護部材を示す概略斜視図である。 電線束に取付ける前の電線保護部材の部分概略正面図である。 電線束に取付けた状態における電線保護部材の概略正面図である。 ホットプレス型を示す概略正面図である。 第1変形例に係る電線保護部材を示す部分概略正面図である。 第2変形例に係る電線保護部材を示す部分概略正面図である。 第3変形例に係る電線保護部材を示す部分概略正面図である。 第4変形例に係る電線保護部材を示す部分概略正面図である。
以下、実施形態に係る電線保護部材及び保護部材付電線について説明する。図1は保護部材付電線10を示す概略斜視図であり、図2は電線束12に取付ける前の電線保護部材20を示す概略斜視図であり、図3は電線束12に取付ける前の電線保護部材20の部分概略正面図であり、図4は電線束に取付けた状態における電線保護部材の概略正面図である。
保護部材付電線10は、少なくとも1つの電線としての電線束12と、電線保護部材20とを備える。
電線束12は、複数の電線が束ねられた構成とされている。ここでは、電線束12は、その延在方向に対して直交する断面形状が円形状をなすように束ねられている。なお、電線束12は、本電線保護部材20によって保護される部分又は電線保護部材20から外方に延出した部分で、分岐していてもよい。前者の場合、電線保護部材20の延在方向中間部に電線を引出すための凹部を形成しておき、当該凹部から電線を引出すとよい。
電線束12に対して、光ファイバケーブルが束ねられていてもよい。また、保護対象は、1本の電線であってもよい。
本保護部材付電線10は、車両における所定の配線形態に沿って配設された状態で、コネクタ接続等を介して各種車載電気部品に接続される。これにより、車載電気部品が本保護部材付電線10を介して相互に電気的に接続される。つまり、保護部材付電線10は、車両において各種電気部品同士を接続するワイヤーハーネスとして用いられる。
電線保護部材20は、不織部材を部分的に又は全体的にホットプレス加工することによって形成された部材であり、一対の分割保護部22と、ヒンジ部30とを備える。
ここで、ホットプレスとは、不織部材に対して加熱処理及び不織部材を型に押付けて所定形状に形成する処理を施すことをいう。加熱処理と所定形状への形成処理とは、同時に行われてもよいし、或は、連続的に別々に行われてもよい。例えば、不織部材を圧縮状態で加熱した後、冷却により固まる前に所定の型に押付けて曲げることで、当該曲げ形状に維持できる。この実施形態に係る電線保護部材20を加工するのに適したホットプレス加工の例については後にさらに詳述する。
また、加工対象となる不織部材としては、少なくとも一部が溶融し或いは軟らかくなり、その後冷却工程を経て硬くなることが可能なものを用いることができる。このような不織部材として、基本繊維とバインダ(接着樹脂とも呼ばれる)とを含むものを用いることができる。バインダは、基本繊維の融点よりも低い融点を有する樹脂である。そして、不織部材を、基本繊維の融点より低く且つバインダの融点よりも高い温度に加熱することにより、バインダが溶融されて基本繊維間にしみ込む。この後、不織部材の温度が低下すると、バインダが凝固する。これにより、不織部材を加熱時の成形状態に維持することができる。
不織部材の基本繊維としては、バインダの融点で繊維状態を保ち得るものであればよく、樹脂繊維の他、ガラス繊維等の各種繊維を用いることができる。また、バインダは、基本繊維の融点より低い融点を有する熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。例えば、基本繊維とバインダとの組合せとしては、基本繊維をPET(ポリエチレンテレフタレート)の樹脂繊維とし、バインダをPETとPEI(ポリエチレンイソフタレート)との共重合樹脂としたものが挙げられる。
一対の分割保護部22は、不織部材がホットプレスされることにより所定形状に形成された部分である。ここでは、一対の分割保護部22は、それぞれ半円筒状に形成されている。
一対の分割保護部22を、その内周面側を対向させるように突合わせると、電線束12を収容可能な筒形状(ここでは、円筒形状)を形成する。従って、一対の分割保護部22は、少なくとも1本の電線としての電線束12を収容可能な筒形状を、その周方向において、その軸方向に沿ったラインに沿って分割した形状を呈している。なお、分割保護部22は、円筒形状でなくてもよく、四角筒形状等の等の多角形筒形状を分割した形状とされていてもよい。
また、分割保護部は、筒形状がその周方向において3つ以上に分割された形状に形成されていてもよい。この場合、周方向の1箇所で分離する筒形状を形成可能なように、複数の分割保護部の側縁部同士がヒンジ部を介して連結されればよい。例えば、分割保護部が円筒形状をその周方向において3つに均等に分割した形状に形成され、3つの分割保護部が筒形状を形成可能なように並べられた状態で、隣合う2組の側縁部同士がヒンジ部を介して連結され、残りの一組の側縁部同士がヒンジ部を介して連結されない状態とされていてもよい。
なお、本実施形態で説明するヒンジ部30は、そのヒンジ部30をなるべく小さい力で曲げられるようにするための技術に関する。一対の分割保護部22によって、筒形状を形成する場合には、ヒンジ部を大きく(例えば、180度)曲げる必要があるため、ヒンジ部30を曲げるのに要する力が大きくなり易い。このため、ここで説明するヒンジ部30に係る構成は、一対の分割保護部を連結するヒンジ部に適用される構成として適する。
なお、分割保護部22の硬さは、ホットプレス加工時の温度、不織部材の圧縮度合、不織部材におけるバインダの混合割合等を調整することによって、調整することができる。分割保護部22を硬く形成すれば、電線束12の保護性能及び経路形状維持機能に優れる。また、分割保護部22をなるべく柔軟にすれば、防音性(電線保護部材20とその周辺部材との接触による音の発生)に優れる。ここでは、分割保護部22は、少なくとも自身の形状を一定に維持できる程度の硬さにホットプレス加工されている。分割保護部22の硬さは、それが配設される場所において要求される保護性能、経路維持性能、防音性等に応じて調整される。なお、一対の分割保護部22の硬さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ヒンジ部30は、一対の分割保護部22を、周方向の1箇所で分離する筒形状を形成可能なように、一対の分割保護部22の側縁部23同士を連結している。ここでは、ヒンジ部30は、一対の分割保護部22の一方の側縁部23同士を連結している。一対の分割保護部22の他方の側縁部24は連結されず分離された状態となっている。
なお、後述するように、一対の分割保護部22及びヒンジ部30は、1枚のシート状の不織部材をホットプレスすることによって形成されている。シート状の不織部材は、その各部において同一厚み寸法を有する部材である。このため、ホットプレスにより形成された電線保護部材20においては、通常、加工後の厚み寸法が小さい程、高圧縮率で加工されて硬くなって部分である。また、厚み寸法が大きい程、低圧縮率で加工されて柔軟に保たれた部分、又は、ホットプレスされずに柔軟に保たれた部分である。ここで、圧縮率とは、ホットプレス加工する前の不織部材の厚み寸法に対する加工後の厚み寸法の減少量の割合である。圧縮率を百分率で表すと、圧縮率(%)=((加工前の厚み寸法−加工後の厚み寸法)/(加工前の厚み寸法)))×100、で表される。
また、ヒンジ部30は、軟質曲げ部32と、収容空間形成部34とを備える。
軟質曲げ部32は、分割保護部22の延在方向に沿って線状に延在するように形成されている。軟質曲げ部32は、分割保護部22よりも軟質に形成された部分である。ここでは、軟質曲げ部32は、不織部材を、分割保護部22における圧縮率よりも大きい圧縮率で圧縮した状態で、ホットプレスを行うことによって形成されている。例えば、分割保護部22における圧縮率を60%〜80%とし、軟質曲げ部における圧縮率を10〜30%とするとよい。
従って、一対の分割保護部22を閉じるように、ヒンジ部30を曲げると、当該ヒンジ部30は、軟質曲げ部32において最もよく曲る。また、軟質曲げ部32は、ヒンジ部30を容易に曲げることができるようにある程度以上の幅を有していることが好ましい。一方、ヒンジ部30の曲げ箇所を安定にするためには、軟質曲げ部32は、ある程度以下の幅であることが好ましい。かかる観点から、軟質曲げ部32の幅寸法は、2mm〜10mmであることが好ましい。
収容空間形成部34は、軟質曲げ部32の両側に設けられている。すなわち、一対の収容空間形成部34の一方が、一方の分割保護部22の一方の側縁部23と軟質曲げ部32の一側部とを連結するように設けられ、一対の収容空間形成部34の他方が、他方の分割保護部22の側縁部23と軟質曲げ部32の他側部とを連結するように設けられている。
収容空間形成部34は、分割保護部22の延在方向に沿って形成された硬質部35を含む。そして、一対の分割保護部22が筒形状を形成するように、ヒンジ部30が曲げられた状態で、本収容空間形成部が、軟質曲げ部32の収容空間を形成するように構成されている。
より具体的には、収容空間形成部34は、軟質曲げ部32に隣接して線状に延在する硬質部35と、硬質部35と分割保護部22の側縁部23との間に設けられた介在部36とを備える。
硬質部35は、上記軟質曲げ部32よりも柔軟に形成された部分である。ここでは、硬質部35は、不織部材を、軟質曲げ部32における圧縮率よりも大きい圧縮率で圧縮した状態で、ホットプレスを行うことによって形成されている。例えば、軟質曲げ部における圧縮率を10〜30%とし、硬質部35における圧縮率を80〜90%とするとよい。
これにより、一対の分割保護部22を閉じるように、ヒンジ部30を曲げた場合に、当該ヒンジ部30は、硬質部35では曲り難くなる。つまり、ヒンジ部30は、線状に延在する硬質部35を横切るような態様では曲り難く、主として軟質曲げ部32においてその延在方向に沿ったラインで曲り易くなる。このため、ヒンジ部30の曲げ位置が安定する。
また、介在部36は、一対の分割保護部22が筒形状を形成するようにヒンジ部30が曲げられた状態で、収容空間形成部34が外向きに凸となるように曲がる形状を形成するように構成されている。
ここでは、介在部36は、硬質部35に対して曲った状態で繋がっている。すなわち、介在部36と硬質部35とが、それらの間の部分で角度をなして外向きに凸となるように曲って繋がっている。なお、介在部と硬質部とがカーブを描きつつ繋がっていてもよい。また、介在部自体が外向きに凸となるように曲っていてもよい。
上記収容空間形成部34の曲げ形状を維持するため、介在部36もその形状を保ち得る程度にホットプレスされている。ここでは、介在部36は、硬質部35と同程度の圧縮率によってホットプレスされており、硬質部35と同程度の硬質な性状に形成されている。
このように、介在部36によって収容空間形成部34が外向きに凸となるように曲る形状に形成されているため、ヒンジ部30が曲げられた状態で、収容空間形成部34の内側に凹んだ空間が形成される。この空間内に、軟質曲げ部32が収容される。
もっとも、介在部は、硬質部よりも軟質であってもよい。また、介在部は、ホットプレスされず柔軟な状態に保たれていてもよい。これらに関する変形例については後述する。
また、介在部36は、収容空間形成部34のうち分割保護部22の側縁部23に隣接する部分であり、その側縁部23が向く方向(側縁部の端面が向く方向)に対して反対側に傾くように形成されている。すなわち、一対の分割保護部22が180度開いた状態において、一対の分割保護部22の各側縁部23、24が存在する面に対して、介在部36は、一対の分割保護部22が突出する側(図3において下側)に傾斜している。ここでは、介在部36は、直線的に傾斜しているが、湾曲しつつ傾斜していてもよい。そして、上記硬質部35が、介在部36の先端側から上記各側縁部23、24が存在する面に沿って延出している。
このため、一対の分割保護部22を閉じ合わせるようにヒンジ部30を曲げると、一対の介在部36は、一対の分割保護部22の側縁部23、24間の面から遠ざかる方向に傾斜する。このため、一対の収容空間形成部34の間に、軟質曲げ部32の収容空間をより確実に形成することができる。
このような電線保護部材20は、次のようにして製造することができる。
すなわち、図5に示すように、ホットプレス型50を用いて、不織部材40をホットプレスする。
このホットプレス型50は、下型52と、上型62とを備える。
下型52は、熱伝導性に優れた金属等により形成された長尺部材であり、その一主面(上面)に下型面53が形成されている。下型面53は、一対の分割保護部22及びヒンジ部30の外側面を形成する部分である。ここでは、断面半円状の溝を、ヒンジ部30の分間隔を空けて並設し、それらの表面によって下型面53を形成している。下型面53を形成する溝の長手方向の寸法は、電線束12のうち保護対象部分となる部分の長さ寸法と同一かそれよりも長い程度に設定されている。
上型62は、熱伝導性に優れた金属等により形成された長尺部材であり、その一主面(下面)に上型面63が形成されている。上型面63は、一対の分割保護部22及びヒンジ部30の内側面を形成する部分である。ここでは、断面半円の突部を、ヒンジ部30の分間隔を空けて並設し、それらの表面によって上型面63を形成している。上型面63を構成する突部の長手方向の寸法は、電線束12のうち保護対象部分となる部分の長さ寸法と同一かそれよりも長い程度に設定されている。また、上型面63のうちヒンジ部30を形成する部分の幅方向中央部には、他の部分よりも凹んだ凹部が形成されている。この部分では、不織部材40が比較的低く圧縮されるようになっており、これにより、上記軟質曲げ部32が形成される。
そして、この上型面63と下型面53とが近接対向配置されることにより、それらの間で、一対の分割保護部22及びヒンジ部30を形成可能なスペースが形成される。なお、下型52及び上型62には、ヒーター等の加熱部54、64が設けられている。
上記ホットプレス型50を用いてホットプレス加工を行う。
すなわち、シート状の不織部材40を下型面53と上型面63との間に配設する。なお、不織部材40は、2つのシート状の不織部材を重ね合せたものであってもよい。2つのシート状の不織部材として、バインダの混合割合等が異なるものを用いることで、一対の分割保護部22の外周部と内周部とを異なる硬さに形成することができる。また、下型52と上型62との加熱温度を異なるように設定してもよい。これによっても、一対の分割保護部22の外周部と内周部とを異なる硬さに形成することができる。
そして、下型52と上型62とを接近移動させて、下型面53と上型面63との間で不織部材40を挟込み、当該不織部材40を加圧及び加熱する。これにより、不織部材40中のバインダが溶融する。
この後、不織部材40が冷却されると、上記下型52及び上型62間で、不織部材40が下型面53及び上型面63の形状に応じた形状で硬化し、電線保護部材20が形成される。
この後、電線保護部材20がホットプレス型50から取出される。
このように構成された電線保護部材20は、次のようにして、電線束12に取付られる。
すなわち、一方の分割保護部22内に電線束12を配設する。続いて、他方の分割保護部22を電線束12上に被せるように、ヒンジ部30を曲げて、一対の分割保護部22、22を閉じる。この際、ヒンジ部30は、主として軟質曲げ部32において曲る。軟質曲げ部32が曲げられると、その内周側部分が圧縮されつつ一対の収容空間形成部34内に押込まれる。上記したように、収容空間形成部34が外側に凸となるように曲げられていること、及び、介在部36が外向きに傾斜するように傾斜していることから、一対の収容空間形成部34内には、軟質曲げ部32の内周側部分を収容可能な空間が形成されている。軟質曲げ部32の内周側部分のうち一対の収容空間形成部34内に押込まれた部分は、一対の収容空間形成部34を広げる力を及し難い。このため、ヒンジ部30を比較的小さい力で容易に曲げることができ、また、一対の分割保護部22を閉じた状態を比較的小さい力で維持できる。
一対の分割保護部22を閉じた状態で、電線保護部材20の外周に粘着テープ、結束バンド等の取付部材70を巻付ける。これにより、一対の分割保護部22の間に電線束12を配設した状態で、一対の分割保護部22を閉じた状態を維持する。これにより、保護部材付電線10が製造される。
なお、一対の分割保護部22の他方側の側縁部24、24は、接触するように突合わされた状態であってもよいし、重ね合わされた状態であってもよいし、隙間を介して対向した状態であってもよい。
このように構成された電線保護部材20及び保護部材付電線10によると、ヒンジ部30は、硬質部35を横切るようには曲り難く、主として軟質曲げ部32で曲る。このため、ヒンジ部30を安定した曲げ位置で曲げることができる。
また、ヒンジ部30が曲げられた状態で、収容空間形成部34が軟質曲げ部32の収容空間を形成するため、ヒンジ部30の曲げにより圧縮された軟質曲げ部32がヒンジ部30を開け難い。
ここでは、収容空間形成部34は、外向きに凸となる形状に曲げられているため、その曲げられた部分の内側に軟質曲げ部32の収容空間をより確実に形成できる。
また、収容空間形成部34のうち分割保護部22の側縁部23に隣接する介在部36が、その側縁部が向く方向に対して反対側に傾くように形成されているため、これによっても、収容空間形成部34の内側に軟質曲げ部32の収容空間をより確実に形成できる。
これらにより、不織部材40がホットプレスされることにより形成された複数の分割保護部22を連結するヒンジ部30を、安定した曲げ位置で容易に曲げることができる。
また、軟質曲げ部32の両側に収容空間形成部34が形成されているため、一対の収容空間形成部34内に軟質曲げ部32の収容空間をより確実に形成できる。このため、ヒンジ部30をより容易に曲げることができる。
また、ワイヤーハーネスの製造現場等とは別場所で、事前に電線保護部材20を形成しておき、これをワイヤーハーネスの製造現場等で取付けることができるため、ワイヤーハーネスの製造現場等における電線保護部材20の取付作業性に優れる。
また、電線保護部材20は、不織部材40をホットプレスしたものであるため、ある程度変形可能である。このため、電線束12の外径が多少異なる場合でも、当該電線束12の外径に応じて変形することが可能であり、汎用性に優れる。なお、電線束12の外径が大きく異なる場合には、複数種のサイズの電線保護部材20を準備しておけばよい。
{変形例}
上記実施形態を前提として、各種変形例について説明する。
図6に示す第1変形例に係る電線保護部材120のヒンジ部130では、上記介在部36に対応する介在部136が、硬質部35よりも柔軟に形成されている。介在部136の圧縮率は、硬質部35の圧縮率よりは小さいが、軟質曲げ部32の圧縮率と同じであるか大きい。この場合であっても、上記実施形態と同様に、収容空間形成部34に対応する収容空間形成部134の内側に軟質曲げ部32の収容空間を形成することができ、ヒンジ部130を、安定した曲げ位置で容易に曲げられるようにすることができる。
図7に示す第2変形例に係る電線保護部材220のヒンジ部230では、上記介在部36に対応する介在部236が、硬質部35よりも軟質に形成されている。介在部236の圧縮率は、硬質部35の圧縮率よりは小さいが、軟質曲げ部32の圧縮率と同じであるかこれよりも大きい。介在部236は、圧縮されず、ホットプレスされていなくてもよい。
また、介在部236は、分割保護部22の側縁部から真っ直ぐ外方に延出し、収容空間形成部34に対応する収容空間形成部234は全体的に真っ直ぐ延在する形状に形成されている。
この変形例によると、ヒンジ部230は、主として軟質曲げ部32で曲る。また、介在部236でも曲ることができるため、対向する硬質部35の間の隙間を設けることができ、この隙間を、軟質曲げ部32の収容空間とすることができる。このため、収容空間形成部234の内側に上記と同様に軟質曲げ部32の収容空間を形成することができ、ヒンジ部230を、安定した曲げ位置で容易に曲げられるようにすることができる。
図8に示す第3変形例に係る電線保護部材320のヒンジ部330では、軟質曲げ部32の一方側のみに収容空間形成部34が設けられている。この場合でも、ヒンジ部30を曲げた状態で、収容空間形成部34の内側に、軟質曲げ部32の収容空間を形成することができる。このため、ヒンジ部330を、安定した曲げ位置で容易に曲げられるようにすることができる。
図9に示す第4変形例に係る電線保護部材420のヒンジ部430では、2つの収容空間形成部34の間に、複数の軟質曲げ部432と、複数の硬質部438とが交互に設けられている。ここでは、分割保護部22の延在方向に沿って線状に延在する3つの軟質曲げ部432が形成され、3つの軟質曲げ部の各間に分割保護部22の延在方向に沿って線状に延在する2つの硬質部438が形成されている。
この変形例によると、ヒンジ部430は、複数の軟質曲げ部432のそれぞれにおいて、直線状のラインで曲ることができる。このため、ヒンジ部30における曲げ位置が安定する。
また、2つの収容空間形成部34は、上記実施形態と同様に、軟質曲げ部432の収容空間を形成する。さらに、2つの硬質部438も、3つの軟質曲げ部432の各間に介在してそれらの間を隔てる役割を果す。従って、2つの硬質部438も、軟質曲げ部432の収容空間を形成する収容空間形成部として用いられる。このため、ヒンジ部430を、安定した曲げ位置で容易に曲げられるようにすることができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 保護部材付電線
12 電線束
20,120,220,320,420 電線保護部材
22 分割保護部
23,24 側縁部
30,130,230,330,430 ヒンジ部
32,432 軟質曲げ部
34,134,234 収容空間形成部
35,438 硬質部
36,136,236 介在部
40 不織部材

Claims (5)

  1. 少なくとも1本の電線を収容可能な筒形状をその周方向において分割した形状に形成された複数の分割保護部と、
    前記複数の分割保護部が、周方向の1箇所で分離する筒形状を形成可能なように、前記複数の分割保護部の側縁部同士を連結する少なくとも1つのヒンジ部と、
    を備え、
    前記少なくとも1つのヒンジ部は、
    前記分割保護部の延在方向に沿って形成された軟質曲げ部と、
    前記分割保護部の延在方向に沿って形成された硬質部を含み、前記複数の分割保護部が筒形状を形成するように前記ヒンジ部が曲げられた状態で、前記軟質曲げ部の収容空間を形成する収容空間形成部と
    を備える、電線保護部材。
  2. 請求項1に記載の電線保護部材であって、
    前記軟質曲げ部の両側に、前記収容空間形成部が設けられている、電線保護部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電線保護部材であって、
    前記複数の分割保護部が筒形状を形成するように前記ヒンジ部が曲げられた状態で、前記収容空間形成部は、外向きに凸となるように曲る形状に形成されている、電線保護部材。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電線保護部材であって、
    前記収容空間形成部は、前記分割保護部の側縁部に隣接しており、前記収容空間形成部のうち前記分割保護部の側縁部に隣接する部分が、その側縁部が向く方向に対して反対側に傾くように形成されている、電線保護部材。
  5. 少なくとも1つの電線と、
    内側に前記少なくとも1つの電線が配設された状態で、前記複数の分割保護部が筒形状を形成するように、前記少なくとも1つのヒンジ部で曲げられた請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電線保護部材と、
    を備える保護部材付電線。
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