JP2016130598A - 加湿器 - Google Patents
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このような加湿器は、送風機により生成された気流をヒータにより加熱し、加熱した空気を本体内部で霧と混合して高湿空気を生成し、この高湿空気を本体外部へと送出して高湿風を送ることで、空間を加湿するものである(例えば、特許文献1参照)。
従って、高湿風を所望の位置に到達させたい場合、高湿風が送出されてから狙った位置に至るまでに拡散してしまい、高湿風の到達距離が短くなり、狙った位置に高湿空気を送ることが難しいという課題がある。
図1〜図2を参照して、実施の形態1に係る加湿器Aを説明する。
加湿器Aは、本体10と、本体10に設けられる給水タンク20と、給水タンク20から供給された水を貯める貯水部30と、貯水部30に貯められた水から高湿空気W0を生成する高湿空気生成部である超音振動素子40と、本体10の内部から外部に向けて流れる気流W1を生成する送風ファン50と、送風ファン50からの気流W1と超音波振動子40からの高湿空気W0により生成される高湿風W2を本体10の外部に導く高湿風ダクト60と、送風ファン50からの気流W1を暖めて温風W3を生成する加熱部70と、温風W3を本体10の外部に導く送風ダクト80と、運転開始や停止・出力の変更・運転状態の表示を行う操作表示部90と、操作表示部90への入力に基づき操作表示部90の表示手段や送風ファン50や加熱部70の通電制御を行う制御部100を有する。
貯水部30は、本体10の後側に位置し、上方に向けて開口する凹形状の空間であり、給水弁21が下となるように、給水タンク20の下部(給水弁21が開閉する開口)が入り込んだ状態で、給水タンク20が取り付けられるタンク受け部31が形成されている。
このように給水タンク20を貯水部30に装着可能に構成することで、貯水部30の給水弁21が開閉する給水タンク20の開口の高さの位置まで、給水タンク20から貯水部30に水が供給される。
尚、本実施の形態において、貯水部30に貯水する水は給水タンク20から供給される形態で説明しているが、給水タンク20を用いずに、直接貯水部30に水を供給する構成としてもよい。
高湿風ダクト60の途中部位には、ダクトの内部に貯水部30の一部分が入り込むように構成されている。そして、高湿風ダクト60の内部に入り込んだ貯水部30の位置に、超音波振動子40が設けられている。
このように構成することで、超音波振動子40により生成され上方に向けて噴出する高湿空気W0は、高湿風ダクト60の内部へと流れ込みやすい構成となっている。
この送風ダクト80は、気流取込口81が下方を向き、気流取込口81から垂直方向に伸び、途中から前方に向けて湾曲して、前面に位置する高湿風送出口62に至る筒形状を成している。また、加熱部70は、気流取込口81から湾曲部分の手前の直線部分に設けることで、加熱部70を構成するヒータが湾曲した部分に位置しないようにして、湾曲位置での気流の流れの圧力損失を低減している。
高湿風ダクト60は、送風ダクト80の後方から上方にかけて位置しており、高湿風ダクト60は送風ダクト80の外形状に沿って湾曲した形状となっている。つまり、高湿風ダクト60の湾曲半径は、送風ダクト80の湾曲半径より大きくなる。従って、高湿風ダクト60の長さは、送風ダクト80の長さより長くなる。
尚、本実施の形態では、いずれのダクトも湾曲させて前方に高湿風送出口62と温風送出口82を向けているが、ダクトを屈曲(例えば90度曲げる)させて、高湿風送出口62と温風送出口82を前方に向けてもよい。
吸気風路11は、本体10の後部に開口する吸気口12から送風ダクト80の気流取込口81又は高湿風ダクト60の気流取込口61に至る空間である。
翼部52は、送風ダクト80と高湿風ダクト60の下方に位置し、送風ダクト80の気流取込口81と高湿風ダクト60の気流取込口61に跨って配置されている。このように構成することで、1つの送風ファン50で2つのダクトに気流W1を供給することが可能である。
高湿風ダクト60と送風ダクト80の各気流取込口61,81に跨るように軸流ファンを設けても、同様の効果を得ることが可能である。また、送風ファン50に軸流ファンを用いて、吸気口12の近傍の吸気風路11に設けてもよい。
更に、本実施の形態では、1つ送風ファン50を用いて、高湿風ダクト60と送風ダクト80に対して気流W1を供給しているが、それぞれの気流取込口61,81に送風ファンを設けて気流を各ダクト内部へ供給してもよい。
このように構成することで、高湿風ダクト60と送風ダクト80に供給する気流の強さや量をそれぞれ独立して制御することができる。
操作手段91と表示手段92は後述する制御部100と通信可能に接続しており、操作手段91を操作した際の信号は制御部100に入力し、また、表示手段92は制御部100により点灯・消灯の制御がおこなわれる。
また、制御部100の出力側には、表示手段92、加熱部70を構成するヒータ、送風ファン50が接続され、通電制御がおこなわれる。
この制御部100の配置空間は、水や湿気がある給水タンク20や貯水部30や超音波振動子(高湿空気生成部)40や高湿風ダクト60から最も離れた位置であり、また、これらの水や湿気のある各部と制御部100との間に、水や湿気のない吸気風路11や送風ダクト80が介在する位置となる。
このように配置することにより、水や湿気から最も離れた位置に電子部品を有する制御部100を位置させることができ、湿気から制御部100を守ることができる。
図3を参照すると、この図に示すルーチンでは、ステップS1において、操作手段91に設けられた電源スイッチ(運転開始スイッチ)が押されると、加湿器Aの電源がONとなり、加湿運転が開始される。
次に、ステップS2では、制御部100により加熱部70を構成するヒータと、超音波振動子40と、送風ファン50が起動(ON)される。
また、高湿風ダクト60の内部には、送風ファン50から送り出された気流W1が流入しており、高湿空気W0と混ざり合って高湿風W2となり、高湿風送出口62に至る。
これにより、本体10の限られた配置空間内で高湿風ダクト60をより長く構成することができ、高湿空気W0と気流W1が混ざり合う空間をより長くすることができる。従って、このような構成とすることで、高湿空気W0と気流W1の混ざりムラが少ない高湿風W2を生成することが可能である。
従って、このように構成することで、高湿空気W0が高湿空気生成部付近に滞留しにくく、効率よく高湿空気W0高湿風ダクト60の内部に送り込むことができる。
まず、温風送出口82は、本体10を前方から見て、高湿風送出口62の下方に位置する。温風W3は、温風送出口82から、本体10の前方であって水平方向に向かって送出される。
つまり、高湿風W2は、温風送出口62から送出された温風W3の流れに向かって、高湿風送出口62から送出される。
従って、前斜め下方向に進む高湿風W2と、上昇しながら前方に進む温風W3が、上下方向から混じりあい、熱交換しながら温かい高湿温風W4となって前方向に流れ、より本体から遠い位置に湿度の高い空気を届けることができる。
また、高湿送出口62から送出する高湿風W2は、温風送出口82からの温風W3の送出方向に交わる方向に向くので、上昇しようとする温風W3と高湿風W2が、より混合しやすく構成することができる。
また、高湿風生成部は、超音波振動子40を用いているので、貯水部30に保持されている水を容易にミスト化することができ、効率よく高湿空気W0を生成することが可能である。
具体例を挙げると、制御部100には、例えば、加湿器Aの位置での湿度と、ユーザまでの距離との関係と、ユーザの位置での湿度との関係を示す特性データが予め記憶されている。制御部100は、センサ系統により実際に検出した湿度及び距離に基づいて、前記特性データからユーザの位置の湿度を推定する。
一例を挙げると、制御部100は、推定した湿度が適切な湿度範囲を下回る場合に、加熱部70、送風ファン50、高湿空気生成部(超音波振動子40)をON状態とし、推定した湿度が前記湿度範囲を上回る場合に、加熱部70、送風ファン50、高湿空気生成部(超音波振動子40)をOFF状態とする構成としてもよい。
具体例を挙げると、下記の条件(1)〜(5)の少なくとも1つが成立した場合には、ステップS5に移行し、加湿器Aの電源をOFFする。一方、条件(1)〜(5)の全てが不成立である場合には、ステップS3,S4の処理を繰り返す。
(2)タイマーに設定された時間が経過したか?
(3)給水タンク20から水が無くなったか?
(4)高湿風ダクト30内の温度が許容範囲を超えて上昇したか?
(5)高湿風吹出口41等に人体が接触したか?
これにより、貯水部30が高湿風ダクト60の内部に突出しないので、気流W1の流れを妨げにくく構成することができる。
このように、超音波振動子40を送風ファン50より遅れて動作を開始させることにより、超音波振動子40が生成した高湿空気W0が、高湿風ダクト60の内部を送風ファン50に向かって逆流することを防ぐことができる。
このように、加湿運転終了後、送風ファン50を追加動作させることにより、高湿風ダクト60内部に気流W1を送り続けることで、高湿風ダクト60の内部の湿気を乾かすことができ、雑菌の繁殖を抑止することができる。
尚、加湿運転終了後、送風ファン50の追加動作は、通常の加湿運転時の際の送風出力より押えた出力で運転すると、省エネ・静音運転を行うことができる。
また、送風ファン50を追加動作させている際には、表示手段92に追加動作を行っている旨の表示を行うとよい。
これにより、貯水部30に保持されている水や高湿空気生成部40に至った水に含まれる菌を殺菌したり、また、菌が増殖しないように維持したりすることができる。
次に、実施の形態2に係る加湿器Bを説明する。尚、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付し説明を省略する。
図4を参照すると、加湿器Bの貯水部30に設けられる高湿空気生成部は、気化フィルター41が用いられる。気化フィルター41は、水を吸収する材料(例えば、レーヨン等)により構成されており、給水部41aと蒸発部41bが形成されている。
気化フルタ―41は、蒸発部41bの表面積は給水部41aの表面積より大きく構成されており、給水部41bが貯水部30に保持された水の内部に浸る位置にあり、蒸発部41bが高湿風ダクト60の内部に位置する。
操作手段91に設けられた電源スイッチ(運転開始スイッチ)が押されると、加湿器Bの電源がONとなり、加湿運転が開始される。そして、制御部100により加熱部70を構成するヒータと、送風ファン50が起動(ON)される。
このとき、気流W1が気化フィルター41の周囲を流れる際に、蒸発部41bに含まれている水分が気化し、高湿空気W0が生成する。高湿空気W0と気流W1は、高湿風送出口62に至る高湿風ダクト60の内部で混ざり合うことで、高湿風W2を生成する。
気化フィルター41においては、蒸発部41bから水分が蒸発すると、給水部41aが貯水部30内部の水を吸い上げ、毛細管現象が生じて蒸発部41bへと水分を供給する。
また、気化フィルター41は、蒸発部41bの表面積は給水部41aの表面積より大きく構成されているので、給水部41aから毛細管現象により吸い上げた水分を、効率よく気化させることが可能である。
次に、実施の形態3に係る加湿器Cを説明する。尚、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付し説明を省略する。
図5〜図6を参照すると、加湿器Cの高湿風送出口62は矩形状を成しており、この高湿風送出口62の下側開口縁62aには、上方に向けて突出する乱流生成部64が設けられている。
これにより、高湿風W2と温風W3が混ざりやすくすることができ、高湿風W2と温風W3との間の熱交換を促し、温かい高湿温風W4を生成して前方向に流すことができる。
特に、高湿風送出口62の下側開口縁62aにのみ乱流生成部64を形成することで、高湿風W2が温風W3と混ざり合う側にのみ乱流を生成するように構成しているので、高湿風W2と温風W3が混ざり合わない部分(上側や左右側)の高湿風W2の流れを阻害しにくい。
このように構成することで、高湿風W2の左右の端の部分には乱流を生じさせずに、その内側の領域に乱流を生じさせることで、高湿風W2の左右方向への広がりを防ぐとともに、温風W3との混ざり合いを促進させることが可能となる。
また、乱流生成部64の形状を鋸状に構成すると、高湿風が乱流生成部64を通過する際の風切音を、乱流生成部64を平坦な形状の遮蔽板で構成する場合よりも低減することができる。
Claims (7)
- 貯水部と
前記貯水部の水で高湿風を生成する高湿風生成部と、
前記高湿風を外部に送出する高湿風送出口と、
気流を発生させる送風ファンと、
前記気流を温めて温風を生成する加熱部と、
前記温風を外部に送出する温風送出口と、
を有し、
前記高湿風送出口の下には、前記温風送出口が位置することを特徴とする加湿器。 - 前記高湿風送出口から送出する前記高湿風は、前記温風が送出する方向に交わる方向に向くことを特徴とする請求項1に記載の加湿器。
- 前記加熱部は、自己温度制御式のヒータを用いることを特徴とする請求項1から請求項2に記載の加湿器。
- 前記高湿空気生成部は、超音波振動子を用いることを特徴とする請求項1から請求項3に記載の加湿器。
- 前記高湿空気生成部は、気化フィルタを用いることを特徴とする請求項1から請求項3に記載の加湿器。
- 前記高湿風送出口には、送出される高湿風に乱流を生成する乱流生成部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5に記載の加湿器。
- 前記高湿空気生成部又は前記貯水部には、水に含まれる雑菌を減少させる除菌手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6に記載の加湿器。
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