JP2016126131A - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた外観を有する偏光板の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の偏光板の製造方法は、長尺状の樹脂基材とこの樹脂基材の片側にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体10を得る工程と、ポリビニルアルコール系樹脂層を染色する工程と、積層体10を延伸する工程と、延伸前に、積層体10の幅方向端部10aをスリットする工程と、染色および延伸後に、ポリビニルアルコール系樹脂層に長尺状の保護フィルムを貼り合わせる工程とを含む。延伸後の積層体10の幅は、貼り合わせの際の積層体の幅に対応する。【選択図】図2

Description

本発明は、偏光板の製造方法に関する。
代表的な画像表示装置である液晶表示装置には、その画像形成方式に起因して、液晶セルの両側に偏光膜が配置されている。偏光膜の製造方法としては、例えば、樹脂基材とポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層とを有する積層体を延伸し、染色処理を施して、樹脂基材上に偏光膜を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような方法によれば、厚みの薄い偏光膜が得られるため、近年の画像表示装置の薄型化に寄与し得るとして注目されている。
ところで、上記偏光膜は、通常、保護フィルムが貼り合わされて、偏光板として用いられる。上記樹脂基材上に形成された偏光膜(積層体)に保護フィルムを貼り合わせる場合、端部に折れ込みやシワが生じやすいという問題がある。そこで、保護フィルムを貼り合わせる前に、積層体の端部を除去することが提案されている(特許文献2)。しかし、このような方法によれば、得られる偏光板の外観が劣るという問題がある。
特開2000−338329号公報 特許第5124704号明細書
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、優れた外観を有する偏光板の製造方法を提供することにある。
本発明の偏光板の製造方法は、長尺状の樹脂基材と該樹脂基材の片側にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を得る工程と、上記ポリビニルアルコール系樹脂層を染色する工程と、上記積層体を延伸する工程と、上記延伸前に、上記積層体の幅方向端部をスリットする工程と、上記染色および延伸後に、上記ポリビニルアルコール系樹脂層に長尺状の保護フィルムを貼り合わせる工程とを含み、上記延伸後の積層体の幅が、上記貼り合わせの際の積層体の幅に対応する。
1つの実施形態においては、上記延伸後の積層体の幅が上記保護フィルムの幅に対応するようにスリットを行う。
1つの実施形態においては、上記染色前に、上記スリットを行う。
1つの実施形態においては、上記積層体をロール状に巻き取る工程をさらに含み、該巻取り後に上記スリットを行う。
1つの実施形態においては、上記延伸は縦一軸延伸である。
1つの実施形態においては、上記延伸は水中延伸である。
1つの実施形態においては、上記延伸の延伸倍率は2.0倍以上である。
1つの実施形態においては、上記積層体は多段階で延伸される。
1つの実施形態においては、上記スリット前に、上記積層体が予め延伸されていている。
本発明の別の局面によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、上記製造方法により得られる。
本発明によれば、延伸前にスリットすることにより、保護フィルムとの貼合工程において、PVA系樹脂層と保護フィルムとの間に異物が混入するのを効果的に防止することができる。具体的には、延伸によりPVA系樹脂層の配向性が高くなった状態でスリットすると、スリット端にササクレが生じやすく、このササクレが貼り合わせの際に異物となり得る。また、配向性が高い状態のPVA系樹脂層は裂けやすく、スリットが困難となる場合がある。したがって、延伸前にスリットすることで、スリットを良好に行いながら、異物の混入および異物の混入に伴う気泡の発生を効果的に防止することができる。その結果、外観に優れた偏光板を得ることができる。さらに、上述のシワや折れ込み、巻締りなどの凹凸、予め積層体の幅方向端部にナーリングが形成されている場合はそのナーリング等を延伸前に除去できるので、安定して延伸を行うことができる。
本発明の1つの実施形態による積層体の部分断面図である。 本発明のスリット工程の一例を示す外観斜視図である。
以下、本発明の1つの実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
本発明の偏光板の製造方法は、長尺状の樹脂基材とこの樹脂基材の片側にPVA系樹脂層を形成して積層体を得る工程(積層工程)と、PVA系樹脂層を染色する工程(染色工程)と、積層体を延伸する工程(延伸工程)と、積層体の幅方向端部をスリットする工程(スリット工程)と、PVA系樹脂層に長尺状の保護フィルムを貼り合わせる工程(貼合工程)とを含む。以下、各々の工程について説明する。
A.積層工程
図1は、本発明の好ましい実施形態による積層体の部分断面図である。積層体10は、樹脂基材11とポリビニルアルコール系樹脂層12とを有する。積層体10は、長尺状の樹脂基材11にポリビニルアルコール系樹脂層12を形成することにより作製される。ポリビニルアルコール系樹脂層12の形成方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。1つの実施形態においては、樹脂基材11上に、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」という)を含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、PVA系樹脂層12を形成する。
上記樹脂基材の形成材料としては、任意の適切な材料が採用され得る。例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が用いられる。中でも、非晶質のポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。非晶質のポリエチレンテレフタレート系樹脂の具体例としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸をさらに含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールをさらに含む共重合体が挙げられる。
樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。積層体を延伸する場合、PVA系樹脂層の結晶化を抑制しながら、延伸性(特に、水中延伸における)を十分に確保することができるからである。その結果、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光膜を製造することができる。一方、樹脂基材のガラス転移温度は、好ましくは60℃以上である。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
樹脂基材の吸水率は、好ましくは0.2%以上であり、さらに好ましくは0.3%以上である。このような樹脂基材は水を吸収し、水が可塑剤的な働きをして可塑化し得る。その結果、延伸応力を大幅に低下させることができ、延伸性に優れ得る。一方、樹脂基材の吸水率は、好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。このような樹脂基材を用いることにより、製造時に樹脂基材の寸法安定性が著しく低下して、得られる偏光膜の外観が悪化するなどの不具合を防止することができる。また、水中延伸時に破断したり、樹脂基材からPVA系樹脂層が剥離したりするのを防止することができる。なお、吸水率は、JIS K 7209に準じて求められる値である。
樹脂基材の厚みは、好ましくは20μm〜300μm、さらに好ましくは50μm〜200μmである。樹脂基材表面には、表面改質処理(例えば、コロナ処理等)が施されていてもよいし、易接着層が形成されていてもよい。このような処理によれば、樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性に優れた積層体が得られ得る。
上記PVA系樹脂層を形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光膜が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜4500、さらに好ましくは1500〜4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記塗布液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液が用いられる。この溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。溶液のPVA系樹脂濃度は、任意の適切な値に設定され得る。例えば、PVA系樹脂の重合度やケン化度等に応じて設定される。溶液のPVA系樹脂濃度は、例えば、溶媒100重量部に対して3重量部〜20重量部である。
上記塗布液には、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、得られるPVA系樹脂層の均一性や染色性、延伸性をより一層向上させる目的で使用され得る。また、添加剤としては、例えば、易接着成分が挙げられる。易接着成分を用いることにより、樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させ得る。その結果、例えば、樹脂基材からPVA系樹脂層が剥がれる等の不具合を抑制して、後述の染色、水中延伸を良好に行うことができる。易接着成分としては、例えば、アセトアセチル変性PVAなどの変性PVAが用いられる。
塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。塗布液の塗布・乾燥温度は、例えば20℃以上、好ましくは50℃以上である。
PVA系樹脂層の厚みは、好ましくは3μm〜40μm、さらに好ましくは3μm〜20μmである。積層体の幅は、任意の適切な値に設定され得る。代表的には1500mm以上、好ましくは2000mm〜5000mmである。
1つの実施形態においては、PVA系樹脂層(積層体)は、予め、延伸されている。例えば、PVA系樹脂層(積層体)は、長手方向に延伸(例えば、空中延伸方式による)されている。当該延伸の延伸倍率は、例えば1.5倍〜3.5倍であり、好ましくは2.0倍〜3.0倍である。延伸温度は、例えば95℃〜150℃である。
B.染色工程
上記染色は、代表的には、PVA系樹脂層を二色性物質で染色することにより行う。好ましくは、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液にPVA系樹脂層を浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
上記二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。二色性物質は、好ましくは、ヨウ素である。二色性物質としてヨウ素を用いる場合、上記染色液は、好ましくは、ヨウ素水溶液である。ヨウ素の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜0.5重量部である。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.02重量部〜20重量部、さらに好ましくは0.1重量部〜10重量部である。
染色液の染色時の液温は、PVA系樹脂の溶解を抑制するため、好ましくは20℃〜50℃である。染色液にPVA系樹脂層を浸漬させる場合、浸漬時間は、PVA系樹脂層の透過率を確保するため、好ましくは5秒〜5分である。また、染色条件(濃度、液温、浸漬時間)は、最終的に得られる偏光膜の偏光度もしくは単体透過率が所定の範囲となるように、設定することができる。1つの実施形態においては、得られる偏光膜の偏光度が99.98%以上となるように、浸漬時間を設定する。別の実施形態においては、得られる偏光膜の単体透過率が40%〜44%となるように、浸漬時間を設定する。
C.延伸工程
積層体の延伸方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。具体的には、固定端延伸(例えば、テンター延伸機を用いる方法)でもよいし、自由端延伸(例えば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。また、同時二軸延伸(例えば、同時二軸延伸機を用いる方法)でもよいし、逐次二軸延伸でもよい。積層体の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、後述の積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、各段階の延伸倍率の積である。
延伸は、積層体を延伸浴に浸漬させながら行う水中延伸方式であってもよいし、空中延伸方式であってもよい。好ましくは、水中延伸を少なくとも1回施し、さらに好ましくは、空中延伸と水中延伸とを組み合わせる。水中延伸によれば、上記樹脂基材やPVA系樹脂層のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸し得、PVA系樹脂層を、その結晶化を抑えながら、高倍率に延伸することができる。その結果、優れた光学特性を有する偏光膜を製造することができる。なお、空中延伸と水中延伸とを組み合わせる場合、空中延伸後に水中延伸を行うのが好ましい。
積層体の延伸方向としては、任意の適切な方向を選択することができる。1つの実施形態においては、長尺状の積層体の長手方向に延伸する。具体的には、積層体を長手方向に搬送し、その搬送方向(MD)である。別の実施形態においては、長尺状の積層体の幅方向に延伸する。具体的には、積層体を長手方向に搬送し、その搬送方向(MD)と直交する方向(TD)である。
積層体の延伸温度は、樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定することができる。空中延伸方式を採用する場合、延伸温度は、好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であり、さらに好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+10℃以上、特に好ましくはTg+15℃以上である。一方、積層体の延伸温度は、好ましくは170℃以下である。このような温度で延伸することで、PVA系樹脂の結晶化が急速に進むのを抑制して、当該結晶化による不具合(例えば、延伸によるPVA系樹脂層の配向を妨げる)を抑制することができる。
延伸方式として水中延伸方式を採用する場合、延伸浴の液温は、好ましくは40℃〜85℃、さらに好ましくは50℃〜85℃である。このような温度であれば、PVA系樹脂層の溶解を抑制しながら高倍率に延伸することができる。具体的には、上述のように、樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、PVA系樹脂層の形成との関係で、好ましくは60℃以上である。この場合、延伸温度が40℃を下回ると、水による樹脂基材の可塑化を考慮しても、良好に延伸できないおそれがある。一方、延伸浴の温度が高温になるほど、PVA系樹脂層の溶解性が高くなって、優れた光学特性が得られないおそれがある。
水中延伸方式を採用する場合、積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することが好ましい(ホウ酸水中延伸)。延伸浴としてホウ酸水溶液を用いることで、PVA系樹脂層に、延伸時にかかる張力に耐える剛性と、水に溶解しない耐水性とを付与することができる。具体的には、ホウ酸は、水溶液中でテトラヒドロキシホウ酸アニオンを生成してPVA系樹脂と水素結合により架橋し得る。その結果、PVA系樹脂層に剛性と耐水性とを付与して、良好に延伸することができ、優れた光学特性を有する偏光膜を作製することができる。
上記ホウ酸水溶液は、好ましくは、溶媒である水にホウ酸および/またはホウ酸塩を溶解させることにより得られる。ホウ酸濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜10重量部である。ホウ酸濃度を1重量部以上とすることにより、PVA系樹脂層の溶解を効果的に抑制することができ、より高特性の偏光膜を作製することができる。なお、ホウ酸またはホウ酸塩以外に、ホウ砂等のホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を溶媒に溶解して得られた水溶液も用いることができる。
好ましくは、上記延伸浴(ホウ酸水溶液)にヨウ化物を配合する。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。ヨウ化物の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜15重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜8重量部である。
積層体の延伸浴への浸漬時間は、好ましくは15秒〜5分である。
積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、積層体の元長に対して、好ましくは5.0倍以上である。このような高い延伸倍率は、例えば、水中延伸方式(ホウ酸水中延伸)を採用することにより達成し得る。積層体の水中延伸による延伸倍率は、好ましくは2.0倍以上である。なお、本明細書において「最大延伸倍率」とは、積層体が破断する直前の延伸倍率をいい、別途、積層体が破断する延伸倍率を確認し、その値よりも0.2低い値をいう。
好ましくは、水中延伸は上記染色の後に行う。
D.スリット工程
図2は、スリット工程の一例を示す外観斜視図である。図2に示すように、上記延伸前に、積層体10の長手方向20に沿って、積層体10の幅方向端部10a,10aをスリットする。スリットされたスリット片10aは、上記樹脂基材とPVA系樹脂層とを含む。スリット幅(スリット片の幅)は、代表的には10mm〜1000mmである。1つの実施形態においては、スリット幅は、上記延伸後の積層体の幅(後述の貼り合わせの際の積層体の幅)が、後述の保護フィルムの幅に対応するように設定される。このように両者の幅を合わせることで、幅方向端部のシワを解消して、積層体と保護フィルムとを安定して貼り合わせることができる。上記延伸が縦延伸(MD延伸)である場合、延伸により積層体の幅が減少し得ることを考慮してスリット幅が設定され得る。具体的には、延伸後にスリットするよりもスリット幅は小さく設定され得る。
延伸前にスリットすることにより、後述する保護フィルムとの貼合工程において、PVA系樹脂層と保護フィルムとの間に異物が混入するのを効果的に防止することができる。具体的には、延伸によりPVA系樹脂層の配向性が高くなった状態でスリットすると、スリット端にササクレが生じやすく、このササクレが貼り合わせの際に異物となり得る。また、配向性が高い状態のPVA系樹脂層は裂けやすく、スリットが困難となる場合がある。したがって、延伸前にスリットすることで、スリットを良好に行いながら、異物の混入および異物の混入に伴う気泡の発生を効果的に防止することができる。その結果、外観に優れた偏光板を得ることができる。さらに、上述のシワや折れ込み、巻締りなどの凹凸、予め積層体の幅方向端部にナーリングが形成されている場合はそのナーリング等を延伸前に除去できるので、安定して延伸を行うことができる。
上記に加え、延伸前にスリットすることにより、光学特性に極めて優れた偏光膜を得ることができる。具体的には、ロール間の周速差による延伸(縦一軸延伸)を行う場合、延伸前に幅方向端部をスリットすることにより、L/Wが上がり、得られる偏光膜の配向性・光学特性が格段に向上し得る。なお、Lは延伸間距離(ロール間の周速差により張力が付加されている距離)を示し、Wは積層体の幅を示す。
上記積層体の延伸を多段階で行う場合、スリット前に、積層体は上述のように予め延伸されていてもよい。具体的には、少なくとも最終段階の延伸の前にスリットを行えばよい。予め延伸によりPVA系樹脂層の配向性が上昇した状態でスリットして延伸することで、得られる偏光膜の配向性・光学特性をさらに向上させ得る。この場合、スリットの際に上記ササクレが生じない程度に、スリット前の延伸を行うことが好ましい。また、スリット後の延伸の延伸倍率を高めに設定することが好ましい。スリット後の延伸の延伸倍率は、例えば1.5倍以上、好ましくは2.0倍以上である。上記L/Wが高い状態で大きく延伸することで、得られる偏光膜の配向性・光学特性をさらに向上させ得るからである。
好ましくは、上記染色前に、上記スリットを行う。染色前にスリットすることにより、後述する保護フィルムとの貼合工程において、PVA系樹脂層と保護フィルムとの間に異物が混入するのをさらに効果的に防止することができる。具体的には、染色によりPVA系樹脂層は、架橋されて(例えば、ヨウ素により)脆くなり得る。このような状態でスリットするとスリット屑ができやすく、このスリット屑が貼り合わせの際に異物となり得る。したがって、染色前にスリットすることで、異物の混入および異物の混入に伴う気泡の発生をさらに効果的に防止することができる。その結果、外観に優れた偏光板を得ることができる。
積層体のスリット方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、長尺状の積層体を、その長手方向に巻回しながらスリットしてもよいし、巻回せずにスリットしてもよい。スリット(切断)手段としては、例えば、丸刃や皿刃等の切断刃、レーザーが挙げられる。なお、スリット片は、巻き取りまたは吸引により除去されることが好ましい。
E.その他
上記積層体は、上記以外に、そのPVA系樹脂層を偏光膜とするための処理が適宜施され得る。偏光膜とするための処理としては、例えば、不溶化処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が挙げられる。なお、これらの処理の回数、タイミング、順序等は、特に限定されない。
上記不溶化処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬することにより行う。不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、不溶化処理は、上記水中延伸や上記染色処理の前に行う。
上記架橋処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬することにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。また、上記染色処理後に架橋処理を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜60℃である。好ましくは、架橋処理は上記水中延伸の前に行う。好ましい実施形態においては、染色処理、架橋処理および水中延伸をこの順で行う。
上記洗浄処理は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層を浸漬することにより行う。上記乾燥処理における乾燥温度は、好ましくは30℃〜100℃である。
1つの実施形態においては、上記積層体をロール状に巻き取って原反ロールとし、巻取り後に上記スリットを行う。巻取り張力は、代表的には300N〜600Nである。巻取りは、PVA系樹脂層が内側(芯材側)になるように行ってもよいし、PVA系樹脂層が外側になるように行ってもよい。偏光膜の製造工程において上記積層体を巻き取った際、例えば、積層体に部分的な膜厚ムラがあると、巻締りやシワが発生する。このような問題は、幅方向端部において発生しやすい。したがって、巻取り後に上記スリットを行うことにより、安定して延伸を行うことができる。また、巻取り後にスリットするので、貼り合わせる保護フィルムの幅に関係なく、同じ幅の原反ロールを使用することができ、生産性の向上に寄与し得る。
F.貼合工程
上記染色および延伸後、積層体のPVA系樹脂層(偏光膜)に保護フィルムを貼り合わせる。具体的には、上記PVA系樹脂層に長尺状の保護フィルムを、互いの長手方向を揃えるようにして貼り合わせる。1つの実施形態においては、上記延伸後の積層体の幅は、貼り合わせの際の積層体の幅に対応する。具体的には、上記延伸工程と貼合工程との間では、実質的に積層体に新たなスリット加工を施さない。
保護フィルムの幅は、任意の適切な値に設定され得る。代表的には500mm以上3000mm以下であり、好ましくは1000mm以上2500mm以下である。
上記保護フィルムとしては、任意の適切な樹脂フィルムが採用され得る。保護フィルムの形成材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいう。
保護フィルムの厚みは、代表的には10μm〜100μmである。なお、保護フィルムには、各種表面処理が施されていてもよい。保護フィルムは、偏光膜の保護フィルムとしてだけでなく、位相差フィルム等としても機能し得る。
保護フィルムの貼り合わせには、任意の適切な接着剤または粘着剤が用いられる。1つの実施形態においては、偏光膜表面に接着剤を塗布して、保護フィルムを貼り合わせる。接着剤としては、水系接着剤であってもよいし溶剤系接着剤であってもよい。好ましくは、水系接着剤が用いられる。
上記水系接着剤としては、任意の適切な水系接着剤が採用され得る。好ましくは、PVA系樹脂を含む水系接着剤が用いられる。水系接着剤に含まれるPVA系樹脂の平均重合度は、接着性の点から、好ましくは100〜5000程度、さらに好ましくは1000〜4000である。平均ケン化度は、接着性の点から、好ましくは85モル%〜100モル%程度、さらに好ましくは90モル%〜100モル%である。
水系接着剤に含まれるPVA系樹脂は、好ましくは、アセトアセチル基を含有する。PVA系樹脂層と保護フィルムとの密着性に優れ、耐久性に優れ得るからである。アセトアセチル基含有PVA系樹脂は、例えば、PVA系樹脂とジケテンとを任意の方法で反応させることにより得られる。アセトアセチル基含有PVA系樹脂のアセトアセチル基変性度は、代表的には0.1モル%以上であり、好ましくは0.1モル%〜40モル%程度、さらに好ましくは1モル%〜20モル%、特に好ましくは2モル%〜7モル%である。なお、アセトアセチル基変性度はNMRにより測定した値である。
水系接着剤の樹脂濃度は、好ましくは0.1重量%〜15重量%、さらに好ましくは0.5重量%〜10重量%である。
接着剤の塗布時の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。例えば、加熱(乾燥)後に、所望の厚みを有する接着剤層が得られるように設定する。接着剤層の厚みは、好ましくは10nm〜300nm、さらに好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは20nm〜150nmである。
PVA系樹脂層に保護フィルムを貼り合わせた後に、加熱することが好ましい。加熱温度は、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上、特に好ましくは80℃以上である。なお、保護フィルムを貼り合わせた後に行う加熱は、上述の乾燥処理と兼ねてもよい。
G.剥離工程
1つの実施形態においては、PVA系樹脂層(偏光膜)から樹脂基材を剥離する。好ましくは、樹脂基材を剥離する前に、上記積層体に保護フィルムが貼り合わされた偏光フィルム積層体の幅方向端部をスリットする。積層体の幅方向端部と保護フィルムとの接合部分では、接合不良(例えば、シワ)が発生しやすく、この部分をスリットにより除去することにより、優れた樹脂基材の剥離性を達成することができる。具体的には、上記接合不良部が起点となって樹脂基材の剥離不良(例えば、破断)が発生するのを防止して、良好に樹脂基材を剥離することができる。その結果、外観により優れた偏光板を得ることができる。
H.偏光板
本発明の偏光板は、上記偏光膜とこの偏光膜の片側に配置された上記保護フィルムとを有する。上記偏光膜は、実質的には、二色性物質が吸着配向されたPVA系樹脂膜である。偏光膜の厚みは、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは7μm以下、特に好ましくは5μm以下である。一方、偏光膜の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上である。偏光膜は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光膜の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、さらに好ましくは42.0%以上、特に好ましくは43.0%以上である。偏光膜の偏光度は、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
1.厚み
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
2.ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121に準じて測定した。
[実施例1]
(積層体の作製)
樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(幅:4000mm、厚み:100μm)を用いた。
樹脂基材の片面にコロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)90重量部およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)10重量部を含む水溶液を60℃で塗布および乾燥して、厚み10μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、115℃のオーブン内で周速の異なるロール間で長手方向に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中延伸)。その後、積層体をロール状に巻き取った。
ロール状に巻き取った積層体ロールから積層体を巻き出しながら、スリット後の幅が2500mmとなるように、積層体の幅方向両端部をそれぞれスリットした。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対してホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、得られる偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対してヨウ化カリウムを3重量部、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対してホウ酸を4重量部、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で長手方向に2.7倍に一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対してヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に10秒間浸漬させた後、60℃の温風で60秒間乾燥させた(洗浄・乾燥工程)。
このようにして、樹脂基材上に厚み5μmの偏光膜を形成した。
続いて、積層体の偏光膜表面に、PVA系樹脂水溶液(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー(登録商標)Z−200」、樹脂濃度:3重量%)を塗布し、長尺状で偏光膜の幅に対応する幅を有するトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「KC4UY」、厚み40μm)を貼り合わせ、60℃に維持したオーブンで5分間加熱し、偏光板を得た。
[実施例2]
スリット後の幅が2100mmとなるようにスリットしたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
[比較例1]
スリットを行うタイミングを水中延伸後としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
(評価)
得られた偏光板について、以下の評価を行った。評価結果を表1にまとめる。
1.外観
得られた偏光板を目視にて観察した。
2.偏光度
紫外可視分光光度計(日本分光社製、製品名「V7100」)を用いて、偏光板の単体透過率(Ts)、平行透過率(Tp)および直交透過率(Tc)を測定し、偏光度(P)を次式により求めた。
偏光度(P)(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
なお、上記Ts、TpおよびTcは、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により測定し、視感度補正を行ったY値である。
3.配向性(PVAの配向関数の評価方法)
測定装置は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(Perkin
Elmer社製、商品名:「SPECTRUM2000」)を用いた。偏光を測定光として、全反射減衰分光(ATR:attenuated total reflection)測定により、PVA系樹脂層表面の評価を行った。配向関数の算出は以下の手順で行った。測定偏光を延伸方向に対して0°と90°にした状態で測定を実施した。得られたスペクトルの2941cm−1の強度を用いて、以下に記した(式1)に従い算出した。また、下記強度Iは3330cm−1を参照ピークとして、2941cm−1/3330cm−1の値を用いた。なお、f=1のとき完全配向、f=0のときランダムとなる。また、2941cm−1のピークは、PVAの主鎖(−CH−)の振動起因の吸収といわれている。
(式1)f=(3<cos2θ>−1)/2=(1−D)/[c(2D+1)]
ただし、
c=(3cos2β−1)/2
β=90deg⇒f=−2×(1−D)/(2D+1)
θ:分子鎖・延伸方向
β:分子鎖・遷移双極子モーメント
D=(I⊥)/(I//)、(PVAが配向するほどDの値が大きくなる。)
I⊥:偏光を延伸方向と垂直方向に入射して測定したときの強度
I//:偏光を延伸方向と平行方向に入射して測定したときの強度
Figure 2016126131
本発明の偏光板は、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、コピー機、プリンター、ファックス、時計、電子レンジ等の液晶パネル、有機ELデバイスの反射防止膜として好適に用いられる。
10 積層体
11 樹脂基材
12 ポリビニルアルコール系樹脂層(偏光膜)

Claims (10)

  1. 長尺状の樹脂基材と該樹脂基材の片側にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を得る工程と、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂層を染色する工程と、
    前記積層体を延伸する工程と、
    前記延伸前に、前記積層体の幅方向端部をスリットする工程と、
    前記染色および延伸後に、前記ポリビニルアルコール系樹脂層に長尺状の保護フィルムを貼り合わせる工程とを含み、
    前記延伸後の積層体の幅が、前記貼り合わせの際の積層体の幅に対応する、
    偏光板の製造方法。
  2. 前記延伸後の積層体の幅が前記保護フィルムの幅に対応するようにスリットを行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記染色前に、前記スリットを行う、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記積層体をロール状に巻き取る工程をさらに含み、該巻取り後に前記スリットを行う、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記延伸が縦一軸延伸である、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記延伸が水中延伸である、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記延伸の延伸倍率が2.0倍以上である、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記積層体が多段階で延伸される、請求項1から7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記スリット前に、前記積層体が予め延伸されていている、請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の製造方法により得られる、偏光板。
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