本発明の一実施形態について、プリンター機能やコピー機能など複数種の機能を搭載する画像形成装置(複合機)を例にとって説明する。
<複合機の全体構成>
図1に示すように、画像形成装置100は、画像読取部1および印刷部2を備える。画像読取部1は、原稿を読み取って原稿の画像データを生成する。印刷部2は、用紙搬送路101に沿って用紙Pを搬送するとともに、画像データに基づきトナー像を形成する。たとえば、トナー像の基となる画像データは、画像読取部1による読み取りによって得られた原稿の画像データや、後述する通信部120がユーザー端末200から受信したジョブデータに含まれる画像データである。そして、印刷部2は、搬送中の用紙Pにトナー像を印刷し、排出トレイ102に印刷済み用紙Pを排出する。あるいは、印刷部2は、後述する保管部8に印刷済み用紙Pを排出する
印刷部2は、給紙部3、用紙搬送部4、画像形成部5および定着部6で構成される。給紙部3は、ピックアップローラー31および給紙ローラー対32を含み、用紙カセット33に収容された用紙Pを用紙搬送路101に供給する。用紙搬送部4は、複数の搬送ローラー対41を含み、用紙搬送路101に沿って用紙Pを搬送する。
画像形成部5は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56を含む。
画像形成時には、感光体ドラム51が回転し、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52が帯電させる。また、露光装置53は、感光体ドラム51の表面を露光し、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、静電潜像をトナー像に現像する。
転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接し、感光体ドラム51との間で転写ニップを形成する。この転写ニップに用紙Pが進入することにより、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
定着部6は、加熱ローラー61および加圧ローラー62を含む。加熱ローラー61は、発熱源を内蔵する。加圧ローラー62は、加熱ローラー61に圧接し、加熱ローラー61との間で定着ニップを形成する。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ニップを通過することにより、加熱および加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着し、印刷が完了する。
また、画像形成装置100は、操作パネル7(「表示部」に相当)を備える。操作パネル7は、タッチパネル付きの液晶表示パネル71を含む。液晶表示パネル71は、各種設定などを受け付けるためのソフトキーやメッセージを表示する。あるいは、液晶表示パネル71は、装置状態を示す情報を表示する。また、操作パネル7には、スタートキーやテンキーなどのハードキー72が設けられる。
ここで、画像形成装置100には、保管部8および廃棄処理部9が設けられる。保管部8は、印刷済み用紙Pを保管するジョブが実行されると、印刷部2から印刷済み用紙Pを受け入れ、その印刷済み用紙Pを保管する。そして、保管部8は、廃棄予定の印刷済み用紙Pを廃棄処理部9に搬送する。以下、印刷済み用紙Pを保管するジョブを予約印刷ジョブと称する場合がある。なお、予約印刷ジョブについては後で詳細に説明する。
印刷済み用紙Pを保管部8に搬送するため、用紙搬送路101は、定着ニップの搬送方向下流側において、通常搬送路101Aと保管用搬送路101Bとの2つに分岐される。通常搬送路101Aは、排出トレイ102に繋がる。保管用搬送路101Bは、保管部8に繋がる。また、通常搬送路101Aと保管用搬送路101Bとの分岐点には、印刷済み用紙Pの搬送経路を切り替えるための切替爪SCが回動可能に設けられる。
印刷済み用紙Pを排出トレイ102に排出する通常ジョブでは、切替爪SCが通常搬送路101Aへの搬送経路を開く方向に回動することにより、定着ニップを抜けた印刷済み用紙Pが排出トレイ102へ導かれる。一方で、予約印刷ジョブでは、切替爪SCが保管用搬送路101Bへの搬送経路を開く方向に回動することにより、定着ニップを抜けた印刷済み用紙Pが保管部8へ導かれる。
保管部8は、印刷済み用紙Pを保管するためのスタッカー81をその内部に有する。そして、保管部8は、予約印刷ジョブの実行によって印刷済み用紙Pが印刷部2から出力されると、印刷部2から印刷済み用紙Pを受け入れ、スタッカー81に保管する。なお、スタッカー81の設置数は特に限定されず、1つであってもよいし、複数であってもよい。図1には、一例として、スタッカー81の設置数が1つである場合を図示している。
スタッカー81に印刷済み用紙Pが保管された場合には、スタッカー81を外部に引き出すことにより、スタッカー81から印刷済み用紙Pを取り出せる。ただし、スタッカー81を外部へ引き出すには、ロックを解除する必要がある。したがって、予約印刷ジョブの実行により得られた印刷済み用紙P(スタッカー81に保管された印刷済み用紙P)が部外者によって閲覧されることはない。このため、予約印刷ジョブは、機密情報を印刷するときなどに実行されることが多い。
保管部8に印刷済み用紙Pが保管されて以降、或る時点になっても保管部8に印刷済み用紙Pが残っていると、その印刷済み用紙Pは保管部8から廃棄処理部9へ搬送される。廃棄処理部9は、たとえば、シュレッダーや廃棄ボックスである。
廃棄処理部9がシュレッダーである場合には、廃棄処理部9へ搬送される印刷済み用紙Pは、廃棄処理部9によって細断され、読解不能な状態となる(印刷済み用紙Pが破棄される)。廃棄処理部9が廃棄ボックスである場合には、廃棄処理部9へ搬送される印刷済み用紙Pは、廃棄処理部9の内部に設置されたボックスに収容される。このボックス内の印刷済み用紙Pは、廃棄対象物として扱われ、たとえば、画像形成装置100の管理者によって廃棄される。
なお、シュレッダーや廃棄ボックスに代えて、保管部8の外部に廃棄用トレイを設け、その廃棄用トレイに廃棄予定の印刷済み用紙Pを排出してもよい。あるいは、保管部8の内部に廃棄用スタッカー(図示せず)を別途設け、スタッカー81から廃棄用スタッカーへ廃棄予定の印刷済み用紙Pを搬送し、廃棄用スタッカーに廃棄予定の印刷済み用紙Pを一時的に保管してもよい。これらの場合には、廃棄用トレイや廃棄用スタッカーが廃棄処理部9として機能するので、シュレッダーや廃棄ボックスなどを別途設けなくてもよくなる。また、廃棄処理部9として機能する部材が複数設けられてもよい。
<複合機のハードウェア構成>
図2に示すように、画像形成装置100は、主制御部110(「制御部」に相当)を備える。主制御部110は、CPU111、画像処理部112および記憶部113を含む。画像処理部112は、画像処理専用のASICなどからなり、画像データに対して画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を施す。記憶部113は、ROMおよびRAMなどからなり、制御用のプログラムおよびデータを記憶する。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶されたプログラムおよびデータに基づき、画像形成装置100の動作を制御する。
具体的には、主制御部110は、画像読取部1および印刷部2(給紙部3、用紙搬送部4、画像形成部5および定着部6)に接続され、読取動作や印刷動作を制御する。また、主制御部110は、操作パネル7に接続され、操作パネル7の表示動作を制御したり、操作パネル7に対して行われた操作を検知したりする。
また、画像形成装置100は、保管部8の動作を制御する保管制御部180を備える。保管制御部180は、主制御部110と接続される。そして、主制御部110は、保管制御部180に指示を与える。
たとえば、主制御部110は、予約印刷ジョブの開始に際して、予約印刷ジョブの開始を保管制御部180に通知する。この通知を受けた保管制御部180は、印刷部2からの印刷済み用紙Pの受け入れが可能な状態で待機する。そして、保管制御部180は、印刷部2から印刷済み用紙Pが搬入されると、図示しない搬送機構を駆動させ、印刷済み用紙Pをスタッカー81に搬送する。これにより、印刷済み用紙Pがスタッカー81に保管される。
また、保管制御部180は、ユーザー認証を行う。そして、保管制御部180は、ユーザー認証を受けたユーザーが正規ユーザーであると確認できれば、スタッカー81のロックを解除する(スタッカー81を外部に引き出せるようにする)。なお、ユーザー認証を主制御部110が行ってもよい。この場合、主制御部110により行われたユーザー認証の結果が保管制御部180に通知される。そして、その通知内容に基づき、保管制御部180は、スタッカー81のロックを解除するか否かを判断する。
たとえば、ユーザー認証では、認証を受けるユーザーにより、ユーザー情報(ユーザーIDやパスワードなど)が画像形成装置100に入力される。このとき、操作パネル7に対する入力操作によって画像形成装置100にユーザー情報が入力される場合もあれば、後述するユーザー端末200から画像形成装置100にユーザー情報が送信(入力)される場合もある。あるいは、IDカードを読み取る機能を画像形成装置100に設け、IDカードの読み取りによって得られたユーザー情報が画像形成装置100に入力されてもよい。また、ユーザー情報の入力操作を受け付ける受付部(図示せず)が保管部8に設けられてもよい。
画像形成装置100にユーザー情報が入力されると、保管制御部180は、認証を受けるユーザーにより入力されたユーザー情報と、予め登録された登録ユーザー情報とを比較する。その結果、認証を受けるユーザーにより入力されたユーザー情報と合致する登録ユーザー情報が有れば、保管制御部180は、認証を受けたユーザーが正規ユーザーであると判断する。そして、保管制御部180は、スタッカー81のロックを解除する。
また、保管制御部180は、スタッカー81における印刷済み用紙Pの有無を検知するための用紙検知センサーPSと接続される。用紙検知センサーPSは、たとえば、光センサーであり、スタッカー81における印刷済み用紙Pの有無に応じて出力を変化させる。そして、保管制御部180は、用紙検知センサーPSの出力に基づき、スタッカー81から印刷済み用紙Pが取り出されたか否か(スタッカー81に印刷済み用紙Pが保管されているか否か)を判断する。また、保管制御部180は、スタッカー81から印刷済み用紙Pが取り出されたことを検知すると、その旨を主制御部110に通知する。
ここで、印刷済み用紙Pがスタッカー81に保管されて以降、或る時点になると、主制御部110は、スタッカー81に印刷済み用紙Pが残っているか否かを保管制御部180に確認させる。その結果、スタッカー81に印刷済み用紙Pが残っていれば、主制御部110は、保管制御部180に指示し、スタッカー81に残っている印刷済み用紙Pを廃棄処理部9に強制排出させる。すなわち、保管制御部180は、図示しない搬送機構を駆動させ、印刷済み用紙Pをスタッカー81から廃棄処理部9に搬送する。このとき、保管制御部180は、印刷済み用紙Pを排出する旨を廃棄処理部9に通知し、印刷済み用紙Pの受け入れを廃棄処理部9に行わせる。
また、画像形成装置100は、主制御部110と接続される通信部120を備える。この通信部120は、ユーザー端末200と通信可能に接続される。なお、ユーザー端末200は、ユーザーにより使用されるものであり、たとえば、ノート型やデスクトップ型のパーソナルコンピューターである。
画像形成装置100がプリンターとして使用される場合、ユーザー端末200から画像形成装置100(通信部120)へジョブデータが送信される。このジョブデータには、印刷すべき画像の画像データが含まれる。そして、主制御部110は、通信部120がジョブデータを受信すると、そのジョブデータに含まれる画像データに基づく画像の印刷を印刷部2に行わせる。
<予約印刷ジョブ>
(予約印刷ジョブの概要)
予約印刷ジョブは、ユーザー端末200から送信されたジョブデータに基づくジョブをユーザー指定の時間帯に実行するジョブである。すなわち、ジョブの実行を予約できるということである。そして、この予約印刷ジョブの実行により得られた印刷済み用紙P(印刷物)は、保管部8にて保管される。
ここで、ユーザー端末200から送信されるジョブデータには、通常、印刷すべき画像の画像データに加えて、印刷条件(部数、用紙サイズ、片面/両面印刷、集約印刷、印刷濃度および印刷倍率など各種設定項目の設定値)や、データ送信元の識別名などを示す種々の情報が含まれる。そして、画像形成装置100に予約印刷ジョブを実行させるためのジョブデータ(以下、予約印刷ジョブデータと称する)には、さらに、保管時間および予約時間帯を示す情報も含まれる。保管時間は、保管部8のスタッカー81に印刷済み用紙Pを保管しておきたい必要最低限の時間である。また、廃棄処理部9が複数設けられる場合には、それら複数の廃棄処理部9のうちいずれに廃棄予定の印刷済み用紙Pを強制排出するかを示す情報も含まれる。
なお、予約印刷ジョブデータに含まれる予約時間帯は、その時間長さが後述する印刷保管時間(印刷時間+保管時間)の長さよりも長くなるようユーザーにより設定される。たとえば、ユーザー端末200は、ユーザー指定の予約時間帯の時間長さが印刷保管時間の長さよりも短くなる場合、当該予約時間帯の設定を受け付けず、再設定を促すための報知を行う。
主制御部110は、通信部120が受信したジョブデータに保管期間および予約時間帯を示す情報が含まれていれば、そのジョブデータが予約印刷ジョブデータであると判断する。そして、通信部120が受信したジョブデータが予約印刷ジョブデータであるとき、主制御部110は、予約印刷ジョブデータに含まれる画像データに基づき、予約印刷ジョブデータに基づくジョブの開始から終了までにかかる時間である印刷時間を算出する。この印刷時間の算出では、印刷部2(給紙部3)が用紙搬送路101への給紙を開始する時点をジョブ開始時点とするとともに、印刷部2(用紙搬送部4)が印刷済み用紙Pを保管部8に排出する時点をジョブ終了時点とする。なお、印刷ページが複数枚にわたる場合には、最終ページの印刷済み用紙Pが印刷部2から保管部8に排出される時点をジョブ終了時点とする。
また、通信部120が受信したジョブデータが予約印刷ジョブデータであるとき、主制御部110は、予約印刷ジョブデータに基づくジョブを開始する時刻であるジョブ開始時刻を設定する。さらに、主制御部110は、ジョブ開始時刻から印刷時間(予約印刷ジョブデータに基づくジョブの開始から終了までにかかる時間)が経過した時刻をジョブ終了時刻として求める。そして、主制御部110は、ジョブ終了時刻から保管時間(予約印刷ジョブデータに含まれるユーザー指定の時間)が経過した時刻を求め、その時刻を保管期限時刻として設定する。言い換えると、主制御部110は、印刷時間と保管時間とを合計した時間(以下、印刷保管時間と称する)を求め、ジョブ開始時刻から印刷保管時間が経過した時刻を保管期限時刻として設定する。なお、印刷保管時間は、予約印刷ジョブデータに基づくジョブの実行によって保管部8のスタッカー81が占有される時間(占有時間)、すなわち、他の予約印刷ジョブデータに基づくジョブが実行できない時間であると言える。
主制御部110は、ジョブ開始時刻および保管期限時刻を設定するとき、ジョブ開始時刻および保管期限時刻が予約時間帯(予約印刷ジョブデータに含まれるユーザー指定の時間帯)に入るようにする。詳細については後述する。
この後、ジョブ開始時刻になると、主制御部110は、予約印刷ジョブを印刷部2に開始させる。また、主制御部110は、予約印刷ジョブの実行により得られた印刷済み用紙Pを保管部8に保管させる。そして、これ以降、少なくとも保管時間が経過するまで(少なくとも保管期限時刻になるまで)、主制御部110は、保管部8での印刷済み用紙Pの保管を続けさせる。
(ジョブ開始時刻および保管期限時刻の設定)
以下、図3〜図7を参照し、或る印刷予約ジョブデータのジョブ開始時刻(保管期限時刻)を設定してから、当該印刷予約ジョブデータに基づくジョブの実行前に、他の印刷予約ジョブデータのジョブ開始時刻(保管期限時刻)を設定する場合について説明する。
以下の説明では、先にジョブ開始時刻を設定する印刷予約ジョブデータを第1ジョブデータ(第1の印刷予約ジョブデータ)と称し、後でジョブ開始時刻を設定する印刷予約ジョブデータを第2ジョブデータ(第2の印刷予約ジョブデータ)と称する。また、第1ジョブデータの予約時間帯を第1予約時間帯T1と称するとともに、第1ジョブデータの印刷保管時間を印刷保管時間PST1と称し、第2ジョブデータの予約時間帯を第2予約時間帯T2と称するとともに、第2ジョブデータの印刷保管時間を印刷保管時間PST2と称する。
さらに、第1予約時間帯T1が始まる時刻を始点時刻TS1と称するとともに、第1予約時間帯T1が終わる時刻を終点時刻TE1と称し、第2予約時間帯T2が始まる時刻を始点時刻TS2と称するとともに、第2予約時間帯T2が終わる時刻を終点時刻TE2と称する。また、第1ジョブデータのジョブ開始時刻をジョブ開始時刻T11と称するとともに、第1ジョブデータの保管期限時刻を保管期限時刻T12と称し、第2ジョブデータのジョブ開始時刻をジョブ開始時刻T21と称するとともに、第2ジョブデータの保管期限時刻を保管期限時刻T22と称する。
まず、図3〜図7に示すように、主制御部110は、第1ジョブデータを通信部120が受信すると、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12が第1予約時間帯T1に入るように、ジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を設定する。このとき、主制御部110は、第1予約時間帯T1の始点時刻TS1をジョブ開始時刻T11として設定する。すなわち、主制御部110は、第1予約時間帯T1で最も早い時刻である始点時刻TS1をジョブ開始時刻T11とする。また、主制御部110は、ジョブ開始時刻T11から印刷保管時間PST1が経過した時刻を保管期限時刻T12として設定する。なお、第1予約時間帯T1の時間長さは、印刷保管時間PST1の長さよりも長い。このため、第1予約時間帯T1の始点時刻TS1をジョブ開始時刻T11とすると、保管期限時刻T12が第1予約時間帯T1から外れることはない。
なお、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を最初に設定するとき、第1予約時間帯T1の終点時刻TE1を保管期限時刻T12とし、その保管期限時刻T12から印刷保管時間PST1だけ遡った時刻をジョブ開始時刻T11としてもよい。
この後、第2ジョブデータを通信部120が受信すると、主制御部110は、第2予約時間帯T2を確認する。この確認の結果、図3に示すように、第1予約時間帯T1と第2予約時間帯T2とが重複しない場合がある(第1の例)。
この場合、主制御部110は、第2予約時間帯T2で最も早い時刻である始点時刻TS2をジョブ開始時刻T21として設定する。また、主制御部110は、ジョブ開始時刻T21から印刷保管時間PST2が経過した時刻を保管期限時刻T22として設定する。なお、第2予約時間帯T2の時間長さは、印刷保管時間PST2の長さよりも長い。したがって、保管期限時刻T22は、第2予約時間帯T2の始点時刻TS2と終点時刻TE2との間の時刻となる。
第2の例として、図4および図5に示すように、第1予約時間帯T1と第2予約時間帯T2とが重複する場合がある。
この場合、主制御部110は、第2予約時間帯T2の中に、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯と重複せず、かつ、第2ジョブデータの印刷保管時間PST2の長さ以上の時間長さを有する所定時間帯PTが存在するか否かを判断する。この判断の結果、所定時間帯PTが存在すれば、主制御部110は、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22が所定時間帯PTに入るように、ジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22を設定する。
たとえば、図4に示すように、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯と第2予約時間帯T2とが重複しなければ、第2予約時間帯T2が所定時間帯PTとなる。この場合、主制御部110は、第2予約時間帯T2(所定時間帯PT)で最も早い時刻である始点時刻TS2をジョブ開始時刻T21として設定する。また、主制御部110は、ジョブ開始時刻T21から印刷保管時間PST2が経過した時刻を保管期限時刻T22として設定する。すなわち、図3で示した時刻設定方法と同様の方法で、ジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22が設定される。
また、図5に示すように、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯と第2予約時間帯T2とが重複する時間帯である重複時間帯OTが存在すれば、第2予定時間帯T2のうち、重複時間帯OT以外の時間帯が所定時間帯PTとなる。この場合、所定時間帯PTで最も早い時刻は第1ジョブデータの保管期限時刻T12(重複時間帯OTの終点時刻)となるので、主制御部110は、第1ジョブデータの保管期限時刻T12を第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21として設定する。
なお、場合によっては、図6に示すように、重複時間帯OTの前後に所定時間帯PTが生じることがある。この場合、所定時間帯PTで最も早い時刻は、第2予定時間帯T2の始点時刻TS2(重複時間帯OTよりも前の所定時間帯PTの始点時刻)なる。したがって、主制御部110は、第2予約時間帯T2の始点時刻TS2をジョブ開始時刻T21として設定する。
第3の例として、図7(上図)に示すように、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯と重複しない時間帯が第2予約時間帯T2の中に存在するが、当該時間帯が第2ジョブデータの印刷保管時間PST2の長さよりも短い場合がある。
この場合、主制御部110は、第1予約時間帯T1の中で第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を変更する(ジョブ開始時刻T11と保管期限時刻T12との時間間隔を印刷保管時間PST1に保持したままずらす)ことによって第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保できるか否かを判断する。その結果、所定時間帯PTを確保できる場合、図7(下図)に示すように、主制御部110は、第1予約時間帯T1の中で第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を変更し、それによって第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保する。そして、主制御部110は、所定時間帯PTで最も早い時刻をジョブ開始時刻T21として設定する。すなわち、この例では、第2予約時間帯T2の始点時刻TS2がジョブ開始時刻T21となる。
なお、予約時間帯、印刷保管時間(印刷時間と保管時間)、ジョブ開始時刻および保管期限時刻は、予約情報として記憶部113に記憶される。
以下、図8に示すフローチャートを参照し、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22を設定するときの処理の流れについて説明する。
まず、図8に示すフローチャートのスタート時点では、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12が既に設定されているとする。そして、画像形成装置100(通信部120)が第2ジョブデータを受信したとき、図8に示すフローチャートがスタートする。
ステップS1において、主制御部110は、第2ジョブデータの印刷保管時間PST2を算出する。また、ステップS2において、主制御部110は、既設定の予約情報を記憶部113から読み出す。ここで読み出される予約情報は、第1ジョブデータに対応付けられた情報であり、第1予約時間帯T1、印刷保管時間PST1、ジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12である。
その後、ステップS3において、主制御部110は、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTが存在するか否かを判断する。この判断の結果、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTが存在する場合、ステップS4に移行する。ステップS4に移行すると、主制御部110は、所定時間帯PTで最も早い時刻をジョブ開始時刻T21として設定し、そのジョブ開始時刻T21から印刷保管時間PST2が経過した時刻を保管期限時刻T22として設定する。すなわち、主制御部110は、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22が所定時間帯PTに入るように、ジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22を設定する。
また、ステップS3において、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTが存在しないと主制御部110が判断した場合には、ステップS5に移行する。ステップS5に移行すると、主制御部110は、第1予約時間帯T1の中で第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を変更することによって第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保できるか否かを判断する。この判断の結果、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保できる場合、ステップS6に移行する。
ステップS6に移行すると、主制御部110は、第1予約時間帯T1の中で第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を変更する。これによって、主制御部110は、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保する。そして、ステップS4に移行する。
また、ステップS5において、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保できないと主制御部110が判断した場合には、ステップS7に移行する。ステップS7に移行すると、主制御部110は、通信部120に指示し、第2ジョブデータの送信元(ユーザー端末200)に対して、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯以外の時間帯を予約可能な時間帯として通知させる。この通知を受けたユーザー端末200は、たとえば、予約可能な時間帯を選択肢として示し、第2予約時間帯T2として新たに設定する時間帯の選択を受け付ける。
この後、ステップS8において、主制御部110は、第2予約時間帯T2を予約可能な時間帯に変更する旨の応答が有ったか否かを判断する。この判断の結果、第2予約時間帯T2を予約可能な時間帯に変更する旨の応答が有れば、ステップS4に移行し、当該応答が無ければ、第2ジョブデータが削除され、本フローは終了する。なお、第2予約時間帯T2を予約可能な時間帯に変更する旨の応答が無く、その代わりに、第2ジョブデータがユーザー端末200から再度送信される場合もある。この場合には、本フローが再スタートする。
ところで、予約印刷ジョブは、ジョブ開始時刻になると開始される。しかし、ジョブ開始時刻において、用紙Pやトナーが不足していると、予約印刷ジョブを完了させることができなくなる。このため、主制御部110は、ジョブ開始時刻および保管期限時刻を設定した後、操作パネル7に指示し、ジョブ開始時刻を表示させるとともに、当該時刻までに用紙Pおよびトナーを補充しておくよう促す報知メッセージを表示させる。このとき、用紙Pおよびトナーの各残量を示す情報(インジケータなど)が操作パネル7に表示されてもよい。また、ジョブ開始時刻や報知メッセージがユーザー端末200に表示されてもよい。
なお、ジョブ開始時刻が設定された後であっても、たとえば、操作パネル7に対して予約印刷ジョブの開始を指示するための操作を行うことにより、ジョブ開始時刻の前に予約印刷ジョブを強制的に開始させることができる。このように予約印刷ジョブが強制開始された場合、予約印刷ジョブデータのジョブ開始時刻は、操作パネル7が強制開始の指示を受け付けた時刻となる。したがって、予約印刷ジョブデータの保管期限時刻も既設定の時刻よりも前の時刻に更新される。
(ジョブ実行時の処理)
図3および図4に示した例では、第1ジョブデータの保管期限時刻T12から第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21までに時間的な間隔が空く。この場合、第1ジョブデータの保管期限時刻T12になっても、主制御部110は、第1ジョブデータに基づくジョブによって得られた印刷済み用紙Pを保管部8のスタッカー81から強制排出させない(廃棄しない)。
それ以降、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21になると、主制御部110は、第1ジョブデータに基づくジョブによって得られた印刷済み用紙Pが保管部8のスタッカー81に残っているか否かを判断する。この判断の結果、第1ジョブデータに基づくジョブによって得られた印刷済み用紙Pが保管部8のスタッカー81に残っていれば(印刷済み用紙Pが保管部8のスタッカー81から取り出されていなければ)、主制御部110は、保管部8のスタッカー81から廃棄処理部9へ印刷済み用紙Pを強制排出させる。これにより、保管部8のスタッカー81が解放される。その上で、主制御部110は、第2ジョブデータに基づくジョブを印刷部2に開始させる。
一方で、図5に示した例では、第1ジョブデータの保管期限時刻T12が第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21となっている。したがって、主制御部110は、保管期限時刻T12(ジョブ開始時刻T21)になったとき、第1ジョブデータに基づくジョブの実行により得られた印刷済み用紙Pが保管部8のスタッカー81に残っていれば、保管部8のスタッカー81を解放するため、保管部8のスタッカー81から廃棄処理部9へ印刷済み用紙Pを強制排出させる。そして、主制御部120は、第2ジョブデータに基づくジョブを印刷部2に開始させる。
以下、図9に示すフローチャートを参照し、予約印刷ジョブを実行するときの処理の流れについて説明する。なお、図9に示すフローチャートのスタートは、通信部120が予約印刷ジョブデータを受信し、その予約印刷ジョブデータのジョブ開始時刻および保管期限時刻を主制御部110が設定したときである。
ステップS11において、主制御部110は、ジョブ開始時刻に到達したか否かを判断する。この判断の結果、ジョブ開始時刻に到達していれば、ステップS12に移行し、ジョブ開始時刻に到達していなければ、ステップS11の判断を繰り返す。
ステップS12に移行すると、主制御部110は、保管部8のスタッカー81に印刷済み用紙Pが保管されているか否かを判断する。この判断の結果、保管部8のスタッカー81に印刷済み用紙Pが保管されている場合には、ステップS13に移行する。
ステップS13に移行すると、主制御部110は、保管部8のスタッカー81から廃棄処理部9へ印刷済み用紙Pを強制排出させる(廃棄する)。なお、廃棄処理部9が複数設けられる場合には、ユーザー指定の廃棄処理部9へ印刷済み用紙Pが強制排出される。その後、ステップS14に移行する。なお、ステップS12において、保管部8のスタッカー81に印刷済み用紙Pが保管されていないと主制御部110が判断した場合にも、ステップS14に移行する。
そして、ステップS14に移行すると、主制御部110は、印刷部2に指示し、予約印刷ジョブを実行させる。このとき、主制御部110は、通信部120に指示し、予約印刷ジョブデータの送信元(ユーザー端末200)に対して、予約印刷ジョブを開始した旨を通知させる(ジョブ開始通知)。通信部120は、ジョブ開始通知として、たとえば、ジョブ開始時刻をユーザー端末200に通知する。そして、ジョブ開始通知を受けたユーザー端末200は、たとえば、ジョブ開始時刻を表示するとともに、当該時刻に予約印刷ジョブが開始された旨のメッセージを表示する。なお、ジョブ開始通知は行ってもよいが、行わなくてもよい。ジョブ開始通知を受けるか否かについては、ユーザー端末200で設定できる。
予約印刷ジョブが終了すると、ステップS15において、主制御部110は、通信部120に指示し、予約印刷ジョブデータの送信元(ユーザー端末200)に対して、予約印刷ジョブが終了した旨を通知させる(ジョブ終了通知)。通信部120は、ジョブ終了通知として、たとえば、ジョブ終了時刻や保管時間を通知する。そして、ジョブ終了通知を受けたユーザー端末200は、たとえば、ジョブ終了時刻を表示するとともに、当該時刻から保管時間が経過した時刻が保管期限となっている旨のメッセージを表示する。なお、ジョブ終了通知を受けるか否かについては、ユーザー端末200で設定できる。
その後、ステップS16において、主制御部110は、保管期限時刻に到達したか否かを判断する。この判断の結果、保管期限時刻に到達していなければ、ステップS17に移行する。ステップS17に移行すると、主制御部110は、保管部8(スタッカー81)から印刷済み用紙Pが取り出されたか否かを判断する。この判断の結果、印刷済み用紙Pが取り出されていなければ、ステップS16に移行し、印刷済み用紙Pが取り出されていれば、画像形成装置100が待機状態となる。また、このとき、対象となっていた予約印刷ジョブデータの予約情報は削除される。そして、本フローは終了する。
また、ステップS16において、保管期限時刻に到達したと主制御部110が判断した場合には、ステップS18に移行する。ステップS18に移行すると、主制御部110は、保管部8(スタッカー81)に印刷済み用紙Pが残っているか否かを判断する。この判断の結果、印刷済み用紙Pが残っていれば、ステップS19に移行する。一方で、印刷済み用紙Pが残っていなければ、画像形成装置100が待機状態となる。また、このとき、対象となっていた予約印刷ジョブデータの予約情報は削除される。そして、本フローは終了する。
ステップS19に移行した場合、主制御部110は、通信部120に指示し、予約印刷ジョブデータの送信元(ユーザー端末200)に対して、保管時間が経過した旨を通知させる(保管終了通知)。通信部120は、保管終了通知として、たとえば、保管期限時刻を通知する。そして、保管終了通知を受けたユーザー端末200は、たとえば、保管期限時刻を表示するとともに、当該時刻以降に印刷済み用紙Pが強制排出(廃棄)される旨のメッセージを表示する。なお、保管終了通知を受けるか否かについては、ユーザー端末200で設定できる。
なお、保管終了通知を行っても、印刷済み用紙Pが取り出されないまま放置される場合がある。この場合、主制御部110は、次の予約印刷ジョブデータのジョブ開始時刻の5分前に、通信部120に指示し、先の予約印刷ジョブデータの送信元(ユーザー端末200)に対して、印刷済み用紙Pを5分後に強制排出する旨を通知させる(強制排出予告)。なお、強制排出予告を行う時点は、ジョブ開始時刻の5分前に限らず、任意に設定することがでる。また、強制排出予告を受けるか否かについては、ユーザー端末200で設定できる。
ところで、図6に示した例では、第2ジョブデータの送信元ユーザーが第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11までに保管部8から印刷済み用紙Pを取り出さなければ、その印刷済み用紙Pは強制排出される(破棄される)。しかし、この例では、第1ジョブデータの保管期限時刻T12から第2予約時間帯T2の終点時刻TE2までの時間長さが第2ジョブデータの印刷保管時間PST2の長さ以上となっている。この場合、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11に印刷済み用紙Pを強制排出(廃棄)していれば、第1ジョブデータの保管期限時刻T12の後、再度、第2ジョブデータに基づくジョブを実行してもよい。
本実施形態の画像形成装置100は、上記のように、画像データ、保管時間および予約時間帯を含む予約印刷ジョブデータをユーザー端末200から受信する通信部120と、予約印刷ジョブデータに基づきジョブを実行する印刷部2と、スタッカー81を有し、予約印刷ジョブデータに基づくジョブの実行によって印刷済み用紙P(印刷物)が出力されるとその印刷済み用紙Pを受け入れるとともに、予約印刷ジョブデータに基づくジョブが終了してから、少なくとも保管時間が経過するまでは印刷済み用紙Pをスタッカー81に保管し続ける保管部8と、通信部120が予約印刷ジョブデータを受信すると、予約印刷ジョブデータに基づくジョブの開始から終了までに要する時間と保管時間とを合計した時間である印刷保管時間を求めるとともに、予約印刷ジョブデータに基づくジョブを開始する時刻であるジョブ開始時刻およびそのジョブ開始時刻から印刷保管時間が経過した時刻である保管期限時刻が予約時間帯に入るように、ジョブ開始時刻および保管期限時刻を設定する主制御部110と、を備える。そして、主制御部110は、第1ジョブデータの第1予約時間帯T1と、第1ジョブデータよりも後に通信部120が受信した第2ジョブデータの第2予約時間帯T2とが重複しているとき、第2予約時間帯T2の中に、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯と重複せず、かつ、第2ジョブデータの印刷保管時間PST2の長さ以上の時間長さを有する所定時間帯PTが存在すれば、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22が所定時間帯PTに入るように、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22を設定する。
この構成では、第1予約時間帯T1と第2予約時間帯T2とが重複するとき、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTが存在すれば、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22が所定時間帯PTに入るように、第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21および保管期限時刻T22を設定する。すなわち、所定時間帯PTの始点時刻から終点時刻までの間に第2ジョブデータに基づくジョブが開始され、そのジョブによって得られた印刷済み用紙Pが保管部8のスタッカー81に保管される。たとえば、第1予約時間帯T1の終点時刻TE1よりも前の時刻が所定時間帯PTの始点時刻となっていれば、第1予約時間帯T1の終点時刻TE1よりも前の時点で、第2ジョブデータに基づくジョブが開始され、それによって得られた印刷済み用紙Pが保管部8のスタッカー81に保管される。これにより、保管部8のスタッカー81を効率的に使用することができる。
なお、この場合には、第1ジョブデータの送信元ユーザーが指定した第1予約時間帯T1は実質的に短縮されることになる。しかし、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯と重複しない時間帯が所定時間帯PTとされているので、第1ジョブデータに基づくジョブの実行によって得られた印刷済み用紙Pは、少なくとも、第1ジョブデータの送信元ユーザーが指定した保管時間分は保管される。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、第1予約時間帯T1の中で第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を変更することによって第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保できるとき、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTが確保されるように、第1予約時間帯T1の中で第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12を変更する。これにより、容易に、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保できる。なお、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12は変更されるが、変更後のジョブ開始時刻T11および保管期限時刻T12は第1予約時間帯T1に入っているので、問題はない。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、所定時間帯PTで最も早い時刻を第2ジョブデータのジョブ開始時刻T21とする。これにより、第2ジョブデータの送信元ユーザーからすると、比較的早い段階で所望の印刷済み用紙Pの入手が可能となるので、利便性が良い。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、第2予約時間帯T2の中に所定時間帯PTを確保できないとき、通信部120に指示し、第2ジョブデータの送信元に対して、第1ジョブデータのジョブ開始時刻T11から保管期限時刻T12までの時間帯以外の時間帯を予約可能な時間帯として通知させる。これにより、第2ジョブデータの送信元ユーザーに対して、第2予約時間帯T2の再設定が必要であることを報知できる。また、第2ジョブデータの送信元ユーザーからすると、予約可能が時間帯を認識できるので、第2予約時間帯T2の再設定が容易になり、利便性が良い。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、予約印刷ジョブデータに基づくジョブの実行によって得られた印刷済み用紙Pをスタッカー81に保管させて以降、次の予約印刷ジョブデータに基づくジョブの開始まで、先の予約印刷ジョブデータに基づくジョブの実行によって得られた印刷済み用紙Pをスタッカー81に保管させ続ける。そして、主制御部110は、前記次の予約印刷ジョブデータに基づくジョブの開始までに、前記先の予約印刷ジョブデータに基づくジョブの実行によって得られた印刷済み用紙Pがスタッカー81から取り除かれなかったとき、スタッカー81から廃棄処理部9へ印刷済み用紙Pを強制排出させる。これにより、前記先の予約印刷ジョブデータの送信元ユーザーからすると、何らかの事情により保管期限時刻までに印刷済み用紙Pを取りに行けなくても、前記次の予約印刷ジョブデータのジョブ開始時刻までは印刷済み用紙Pが保管されるので、利便性が良い。また、印刷済み用紙Pが不必要に強制排出(廃棄)されるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、前記次の予約印刷ジョブデータのジョブ開始時刻よりも一定時間前に、通信部120に指示し、前記先の予約印刷ジョブデータの送信元に対して、印刷済み用紙Pを一定時間後に強制排出する旨を通知させる。また、主制御部110は、予約印刷ジョブデータに基づくジョブが終了したとき、通信部120に指示し、予約印刷ジョブデータの送信元に対して、予約印刷ジョブデータに基づくジョブが終了した旨を通知させる。また、主制御部110は、予約印刷ジョブデータに基づくジョブが終了してから保管時間が経過したとき、通信部110に指示し、予約印刷ジョブデータの送信元に対して、予約印刷ジョブデータに基づくジョブが終了してから保管時間が経過した旨を通知させる。これにより、印刷済み用紙Pを取りに来るようユーザーに促すことができる。結果として、印刷済み用紙Pがスタッカー81に保管されたまま長時間にわたって放置されるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、予約印刷ジョブデータのジョブ開始時刻および保管期限時刻を設定した後、操作パネル7(表示部)に指示し、予約印刷ジョブデータのジョブ開始時刻を表示させるとともに、ジョブ開始時刻までに、用紙Pおよびトナーを補充しておくよう促すメッセージを表示させる。これにより、用紙Pやトナーが不足していることに起因して予約印刷ジョブデータに基づくジョブの実行が困難になる、という不都合が発生するのを抑制することができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。