本発明の蛍光体層被覆光半導体素子は、光半導体素子と、光半導体素子を被覆する蛍光体層と、蛍光体層の少なくとも一部を被覆する透明層とを備える。
以下、第1実施形態〜第3実施形態によって、図1〜図15Hを参照して、本発明の蛍光体層被覆光半導体素子およびその製造方法の一例を説明する。
<第1実施形態>
図1において、紙面上下方向は、上下方向(第1方向、厚み方向)であり、紙面上側が上側(第1方向一方側、厚み方向一方側)、紙面下側を下側(第1方向他方側、厚み方向他方側)である。紙面左右方向は、左右方向(第1方向に直交する第2方向)であり、紙面左側が左側(第2方向一方側)、紙面右側が右側(第2方向他方側)である。紙厚方向は、前後方向(第1方向および第2方向に直交する第3方向)であり、紙面手前側が前側(第3方向一方側)、紙面奥側が後側(第3方向他方側)である。
[蛍光体層封止LED]
図1に示すように、蛍光体層被覆光半導体素子の一例としての蛍光体層封止LED1は、光半導体素子の一例としてのLED2と、LED2の上面および側面を被覆する蛍光体層3と、蛍光体層3の上面を被覆する透明層4とを備える。
[各部材の説明]
LED2は、電気エネルギーを光エネルギーに変換する光半導体素子である。光半導体素子は、光半導体素子とは技術分野が異なるトランジスタなどの整流器を含まない。LED2は、例えば、厚み(上下方向の最大長さ)が面方向長さ(具体的には、左右方向長さおよび前後方向長さ)より短い断面視略矩形状および平面視略矩形状に形成されている。LED2は、下面21と、上面22と、側面23とを有している。
LED2の下面21は、基板50に接触することができる素子側接触可能面の一例である。LED2の下面21の一部は、バンプ(図示せず)によって形成され、基板50の上面に設けられる端子(図2において図示せず)と電気的に接続される。LED2の下面21は、蛍光体層封止LED1の最下面である。
LED2の上面22は、LED2の下面21に対して上側(一方側の一例)に距離xを隔てて対向配置される素子側対向面の一例である。なお、上記したLED2の上面22が下面21に対して上側に隔てられる距離xは、LED2の厚みxと同一である。
LED2の側面23、つまり、前面、後面、左面および右面は、下面21および上面22に連結される素子側連結面の一例である。
LED2の上面22および側面23は、発光層(図示せず)によって形成されている。
LED2としては、例えば、青色光を発光する青色LED(発光ダイオード素子)が挙げられる。
蛍光体層3は、LED2から発光される青色光の一部を黄色光する波長変換層である。蛍光体層3は、平面視において、LED2を包含する形状に形成されている。蛍光体層3は、LED2の上面22および側面23を被覆する一方、LED2の下面21を露出するように、配置される。つまり、蛍光体層3の下部の中央には、LED2を収容する収容部30が形成されている。収容部30は、蛍光体層3の下面32から、上側に向かって凹む凹部であり、LED2の外形形状に対応するように形成されている。つまり、蛍光体層3は、収容部30が形成された断面視略矩形状および平面視略矩形状に形成されている。蛍光体層3は、下面32と、上面31と、側面33と、収容部30内に形成される内面34とを有している。
蛍光体層3の下面32は、蛍光体層3における最下面であって、かつ、基板50に接触することができる蛍光体側接触可能面である。
蛍光体層3の上面31は、LED2の上面22に対して上側(一方側の一例)に距離yを隔てて対向配置される蛍光体側第1対向面の一例である。また、蛍光体層3の上面31は、LED2の上面22に対して上側に距離yを隔てて対向配置される面でもある。なお、蛍光体層3において、上面31が蛍光体層3の下面32(すなわち、LED2の上面22)に対して上側に隔てられる距離yは、蛍光体層3においてLED2の上側に対向配置される部分の厚みyである。
蛍光体層3の側面33、つまり、前面、後面、左面および右面は、LED2の側面23に対して面方向(直交方向の一例)外側に距離αを隔てて対向配置される蛍光体側第2対向面の一例である。また、蛍光体層3の側面33は、側方に露出する露出面として形成される。なお、蛍光体層3の側面33がLED2の側面23に対して外側に隔てられる距離αは、蛍光体層3においてLED2の外側に対向配置される部分(側部35)の左右方向長さおよび前後方向長さ(最小長さ)αである。
蛍光体層3の収容部30の内面34は、LED2の上面22および側面23に接触している。
蛍光体層3は、例えば、蛍光体樹脂組成物から形成されている。
蛍光体樹脂組成物は、蛍光体と、透明樹脂組成物(第1の透明組成物の一例である第1の透明樹脂組成物)とを含有している。
蛍光体としては、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)2SiO4;Eu、(Sr,Ba)2SiO4:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、Y3Al5O12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、Tb3Al3O12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN3:Eu、CaSiN2:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。好ましくは、流動性の観点から、球状が挙げられる。
蛍光体の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
蛍光体の比重は、例えば、2.0を超え、また、例えば、9.0以下である。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の配合割合は、透明樹脂組成物100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、80質量部以下、好ましくは、50質量部以下である。また、蛍光体の配合割合は、蛍光体樹脂組成物に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上であり、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
透明樹脂組成物は、例えば、LED2を封止するための封止材として使用される透明性の樹脂組成物が挙げられる。具体的には、透明樹脂組成物としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物、好ましくは、熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、2段反応硬化性樹脂組成物、1段反応硬化性樹脂組成物が挙げられる。
2段反応硬化性樹脂組成物は、2つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からBステージ化(半硬化)し、次いで、第2段の反応で、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。つまり、2段反応硬化性樹脂組成物は、適度の加熱条件によりBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂組成物である。ただし、2段反応硬化性樹脂組成物は、強度の加熱によって、Aステージ状態から、Bステージ状態を維持することなく、一度にCステージ状態となることもできる。なお、Bステージ状態は、熱硬化性樹脂組成物が、液状であるAステージ状態と、完全硬化したCステージ状態との間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、圧縮弾性率がCステージ状態の弾性率よりも小さい半固体または固体状態である。
1段反応硬化性樹脂組成物は、1つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。なお、1段反応硬化性樹脂組成物は、第1段の反応の途中で、その反応が停止して、Aステージ状態からBステージ状態となることができ、その後のさらなる加熱によって、第1段の反応が再開されて、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる熱硬化性樹脂組成物を含む。つまり、かかる熱硬化性樹脂組成物は、Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂組成物である。一方、1段反応硬化性樹脂組成物は、1段の反応の途中で停止するように制御できず、つまり、Bステージ状態となることができず、一度に、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)する熱硬化性樹脂組成物を含む。
透明樹脂組成物としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。透明樹脂組成物として、好ましくは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記した透明樹脂組成物は、同一種類または複数種類のいずれでもよい。
シリコーン樹脂としては、透明性、耐久性、耐熱性、耐光性の観点から、例えば、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物などのシリコーン樹脂組成物が挙げられる。シリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、1段反応硬化性樹脂組成物であって、例えば、アルケニル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを含有する。
アルケニル基含有ポリシロキサンは、分子内に2個以上のアルケニル基および/またはシクロアルケニル基を含有する。アルケニル基含有ポリシロキサンは、具体的には、下記平均組成式(1)で示される。
平均組成式(1):
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2
(式中、R1は、炭素数2〜10のアルケニル基および/または炭素数3〜10のシクロアルケニル基を示す。R2は、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。aは、0.05以上、0.50以下であり、bは、0.80以上、1.80以下である。)
式(1)中、R1で示されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基などの炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。R1で示されるシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基などの炭素数3〜10のシクロアルケニル基が挙げられる。
R1として、好ましくは、アルケニル基、より好ましくは、炭素数2〜4のアルケニル基、さらに好ましくは、ビニル基が挙げられる。
R1で示されるアルケニル基は、同一種類または複数種類のいずれでもよい。
R2で示される1価の炭化水素基は、アルケニル基およびシクロアルケニル基以外の非置換または置換の炭素原子数1〜10の1価の炭化水素基である。
非置換の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜10のアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜6のシクロアルキル基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などの炭素数6〜10のアリール基、例えば、ベンジル基、ベンジルエチル基などの炭素数7〜8のアラルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、より好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられる。
一方、置換の1価の炭化水素基は、上記した非置換の1価の炭化水素基における水素原子を置換基で置換したものが挙げられる。
置換基としては、例えば、塩素原子などのハロゲン原子、例えば、グリシジルエーテル基などが挙げられる。
置換の1価の炭化水素基としては、具体的には、3−クロロプロピル基、グリシドキシプロピル基などが挙げられる。
1価の炭化水素基は、非置換および置換のいずれであってもよく、好ましくは、非置換である。
R2で示される1価の炭化水素基は、同一種類または複数種類であってもよい。好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基およびフェニル基の併用が挙げられる。
aは、好ましくは、0.10以上、0.40以下である。
bは、好ましくは、1.5以上、1.75以下である。
アルケニル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、例えば、100以上、好ましくは、500以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、5000以下である。アルケニル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定される標準ポリスチレンによる換算値である。
アルケニル基含有ポリシロキサンは、適宜の方法によって調製され、また、市販品を用いることもできる。
また、アルケニル基含有ポリシロキサンは、同一種類または複数種類であってもよい。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、例えば、分子内に2個以上のヒドロシリル基(SiH基)を含有する。ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、具体的には、下記平均組成式(2)で示される。
平均組成式(2):
HcR3 dSiO(4−c−d)/2
(式中、R3は、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基を除く。)を示す。cは、0.30以上、1.0以下であり、dは、0.90以上、2.0以下である。)
式(2)中、R3で示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基は、式(1)のR2で示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基と同一のものが例示される。好ましくは、非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、より好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、さらに好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられる。
cは、好ましくは、0.5以下である。
dは、好ましくは、1.3以上、1.7以下である。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、例えば、100以上、好ましくは、500以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、5000以下である。ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定される標準ポリスチレンによる換算値である。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、適宜の方法によって調製され、また、市販品を用いることもできる。
また、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、同一種類または複数種類であってもよい。
上記した平均組成式(1)および平均組成式(2)中、R2およびR3の少なくともいずれか一方の炭化水素基は、好ましくは、フェニル基を含み、より好ましくは、R2およびR3の両方の炭化水素が、フェニル基を含む。なお、R2およびR3の少なくともいずれか一方の炭化水素基がフェニル基を含む場合には、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、フェニル系シリコーン樹脂組成物とされる。このフェニル系シリコーン樹脂組成物は、Bステージ状態となることができる1段反応硬化性樹脂組成物である。フェニル系シリコーン樹脂組成物の屈折率は、例えば、1.45以上、さらには、1.50以上である。
一方、R2およびR3の両方の炭化水素がメチル基である場合には、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、メチル系シリコーン樹脂組成物とされる。メチル系シリコーン樹脂組成物は、Bステージ状態となることができない1段反応硬化性樹脂組成物である。メチル系シリコーン樹脂組成物の屈折率は、例えば、1.50以下、さらには、1.45以下である。
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物のなかでも、優れたガス透過率を得る観点から、好ましくは、メチル系シリコーン樹脂組成物が挙げられる。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの配合割合は、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基およびシクロアルケニル基のモル数の、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基のモル数に対する割合(アルケニル基およびシクロアルケニル基のモル数/ヒドロシリル基のモル数)が、例えば、1/30以上、好ましくは、1/3以上、また、例えば、30/1以下、好ましくは、3/1以下となるように、調整される。
ヒドロシリル化触媒は、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル化反応(ヒドロシリル付加)の反応速度を向上させる物質(付加触媒)であれば、特に限定されず、例えば、金属触媒が挙げられる。金属触媒としては、例えば、白金黒、塩化白金、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体、白金−アセチルアセテートなどの白金触媒、例えば、パラジウム触媒、例えば、ロジウム触媒などが挙げられる。
ヒドロシリル化触媒の配合割合は、金属触媒の金属量(具体的には、金属原子)として、アルケニル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル基含有ポリシロキサンに対して、質量基準で、例えば、1.0ppm以上であり、また、例えば、10000ppm以下、好ましくは、1000ppm以下、より好ましくは、500ppm以下である。
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、アルケニル基含有ポリシロキサン、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル化触媒を、上記した割合で配合することにより、調製される。
上記した付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、アルケニル基含有ポリシロキサン、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル化触媒を配合することによって、Aステージ(液体)状態として調製されて使用される。
上記したように、フェニル系シリコーン樹脂組成物は、所望条件の加熱により、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル化付加反応を生じ、その後、ヒドロシリル化付加反応が、一旦、停止する。これによって、Aステージ状態からBステージ(半硬化)状態となることができる。その後、さらなる所望条件の加熱により、上記したヒドロシリル化付加反応が再開されて、完結する。これによって、Bステージ状態からCステージ(完全硬化)状態となることができる。
なお、フェニル系シリコーン樹脂組成物がBステージ(半硬化)状態にあるときには、固体状である。そして、このBステージ状態のフェニル系シリコーン樹脂組成物は、熱可塑性および熱硬化性を併有することができる。つまり、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂組成物は、加熱により、一旦、可塑化した後、完全硬化する。
一方、上記したメチル系シリコーン樹脂組成物では、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基とのヒドロシリル化付加反応を生じ、停止することなく、促進されて、完結する。これによって、Aステージ状態からCステージ(完全硬化)状態となることができる。メチル系シリコーン樹脂組成物には、市販品が用いられる。市販品として、例えば、ELASTOSILシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン社製、具体的には、ELASTOSIL LR7665などのメチル系シリコーン樹脂組成物)、KERシリーズ(信越シリコーン社製)などが挙げられる。
縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、2段反応硬化性樹脂であって、具体的には、例えば、特開2010−265436号公報、特開2013−187227号公報などに記載される第1〜第8の縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、例えば、特開2013−091705号公報、特開2013−001815号公報、特開2013−001814号公報、特開2013−001813号公報、特開2012−102167号公報などに記載されるかご型オクタシルセスキオキサン含有シリコーン樹脂組成物などが挙げられる。なお、縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、固体状であって、熱可塑性および熱硬化性を併有する。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂など)、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂(例えば、ビスアリールフルオレン型エポキシ樹脂など)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(例えば、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂など)などの芳香族系エポキシ樹脂、例えば、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(トリグリシジルイソシアヌレート)、ヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素環エポキシ樹脂、例えば、脂肪族系エポキシ樹脂、例えば、脂環式エポキシ樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などのジシクロ環型エポキシ樹脂など)、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、エポキシ樹脂として、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸、メチルナジック酸などのジカルボン酸のジグリシジルエステルなども挙げられる。さらに、エポキシ樹脂として、芳香環が水素化された脂環式構造を有する核水素化トリメリット酸、核水素化ピロメリット酸などのグリシジルエステルなども挙げられる。
エポキシ樹脂は、単独使用または併用することができる。
エポキシ樹脂は、液状、半固形状および固形状のいずれかの形態であってよい。エポキシ樹脂の平均エポキシ当量は、例えば、90〜1000である。エポキシ樹脂が固形状の場合には、取扱いの利便性の観点から、例えば、軟化点が50〜160℃である。
エポキシ樹脂は、通常、硬化剤と併用される。硬化剤としては、例えば、酸無水物系硬化剤、イソシアヌル酸誘導体系硬化剤などが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。酸無水物系硬化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
イソシアヌル酸誘導体系硬化剤としては、例えば、1,3,5−トリス(1−カルボキシメチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。イソシアヌル酸誘導体系硬化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
硬化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
エポキシ樹脂と硬化剤との配合割合は、例えば、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、硬化剤中におけるエポキシ基と反応可能な活性基(酸無水物基またはカルボキシル基)が0.5〜1.5当量となるよう設定し、好ましくは、0.7〜1.2当量となるよう設定する。
また、透明樹脂組成物は、フィラーをさらに含有することができる。
フィラーとしては、無機粒子、有機粒子などの粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、タルク(Mg3(Si4O10)(HO)2)、アルミナ(Al2O3)、酸化ホウ素(B2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化バリウム(BaO)、酸化アンチモン(Sb2O3)などの酸化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)などの窒化物などの無機物粒子(無機物)が挙げられる。また、無機粒子として、例えば、上記例示の無機物から調製される複合無機物粒子が挙げられ、好ましくは、酸化物から調製される複合無機酸化物粒子(具体的には、ガラス粒子など)が挙げられる。
複合無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ、あるいは、シリカおよび酸化ホウ素を主成分として含有し、また、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化アンチモンなどを副成分として含有する。複合無機酸化物粒子における主成分の含有割合は、複合無機酸化物粒子に対して、例えば、40質量%を超え、好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。副成分の含有割合は、上記した主成分の含有割合の残部である。
複合酸化物粒子は、上記した主成分および副成分を配合して、加熱して溶融させて、それらの溶融物を急冷し、その後、例えば、ボールミルなどによって粉砕し、その後、必要により、適宜の表面加工(具体的には、球体化など)を施して、得られる。
無機粒子は、単独使用または併用することができる。
有機粒子の有機材料としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
このような有機材料のうち、光拡散性、入手性の観点から、好ましくは、シリコーン系樹脂が挙げられる。
有機粒子は、単独使用または併用することができる。
フィラーは、単独使用または併用することができる。
フィラーの屈折率は、例えば、1.40以上であり、また、例えば、1.600以下である。
フィラーの形状は、特に限定されず、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。好ましくは、流動性の観点から、球状が挙げられる。
フィラーの平均粒子径は、例えば、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、70μm以下、好ましくは、50μm以下である。
フィラーの含有割合は、透明樹脂組成物に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、75質量%以下である。
透明樹脂組成物(第1の透明組成物の一例)の屈折率RIpは、例えば、1.40以上、好ましくは、1.45以上であり、好ましくは、1.50以上であり、また、例えば、1.63以下、好ましくは、1.60以下、より好ましくは、1.57以下である。透明樹脂組成物の屈折率RIpが上記下限以上であれば、蛍光体層封止LED1の発光強度を向上させることができる。
透明樹脂組成物の屈折率RIpは、アッベ屈折率計によって算出される。なお、透明樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含む場合に、硬化状態(完全硬化状態)の屈折率として算出される。なお、硬化前の透明樹脂組成物の屈折率は、硬化後の透明樹脂組成物の屈折率と実質的に同一である。
なお、蛍光体樹脂組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料(上記したフィラーを除く)、変色防止剤、紫外線吸収剤などの公知の添加物を適宜の割合で添加することができる。
図1に示すように、透明層4は、蛍光体層封止LED1における最上層である。具体的には、透明層4は、蛍光体層3の蛍光体側第1対向面31全面を被覆するように配置されている。透明層4の平面視形状は、蛍光体層3の蛍光体側第1対向面31の形状と同一に形成されている。つまり、透明層4は、断面視略矩形状および平面視略矩形状に形成されている。透明層4は、下面41と、上面42と、側面43とを有している。
透明層4の下面41は、蛍光体側第1対向面31に接触する透明側接触面である。
透明層4の上面42は、蛍光体層3の上面31に対して上側(一方側の一例)に距離zを隔てて対向配置される透明側対向面の一例である。透明層4の上面42は、蛍光体層封止LED1の最上面である。透明層4の上面42が蛍光体層3の上面31に対して上側に隔てられる距離zは、透明層4の厚みzと同一である。
透明層4の側面43は、透明層4の下面41および上面42に連結されている。透明層4の側面43は、上下方向(一方向の一例)に投影したときに、LED2の側面23に対して面方向(直交方向の一例)外側に間隔αを隔てて配置される透明側連結面の一例である。透明層4の側面43は、上下方向において、蛍光体層3の側面33と面一に形成されている。
透明層4は、例えば、透明樹脂組成物、無機物などの第2の透明組成物から形成されている。
透明樹脂組成物としては、例えば、上記した透明樹脂組成物(蛍光体樹脂組成物に含有される透明樹脂組成物)が挙げられる。透明樹脂組成物に含まれる各成分およびそれらの配合割合は、透明樹脂組成物(蛍光体樹脂組成物に含有される透明樹脂組成物)に含まれる各成分およびそれらの配合割合と重複する範囲である。
無機物としては、ガラスなどが挙げられる。ガラスとして、特に限定されず、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、フッ化物ガラスなどが挙げられる。また、ガラスとして、耐熱ガラス、具体的には、商品名として、テンパックスガラス、バイコールガラス、パイレックスガラスなどとして市販されているものも挙げられる。ガラスとして、好ましくは、無アルカリガラス、ソーダガラスが挙げられる。
第2の透明組成物の屈折率RItは、第1の透明樹脂組成物(蛍光体層3に含まれる透明樹脂組成物)の屈折率RIpから第2の透明組成物の屈折率RItを差し引いた値(RIp−RIt)が、例えば、−1.0以上、好ましくは、−0.7以上、より好ましくは、0以上、さらに好ましくは、0.05以上、とりわけ好ましくは、0.10以上となるように、また、例えば、0.20以下となるように、設定される。RIp−RItが上記下限以上であれば、より一層優れた発光強度を得ることができる。RIp−RItが上記上限以下であれば、透明層4と蛍光体層3との界面での光の反射を抑制することができる。
透明層4は、例えば、複層で形成されていてもよい。
[寸法]
LED2と蛍光体層3と透明層4との寸法は、用途および目的に応じて、適宜設定されている。
距離x(LED2の厚みx)は、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
LED2の左右方向長さγおよび前後方向長さ(図1において図示されず)は、LED2の面方向における最小長さであって、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、また、例えば、5000μm以下、好ましくは、2000μm以下である。
距離y(蛍光体層3において、LED2の上側に対向配置される部分の厚みy)は、例えば、50μm以上、好ましくは、150μm以上である。また、距離yは、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下、より好ましくは、350μm未満、さらに好ましくは、300μm以下、とりわけ好ましくは、200μm以下、さらには、150μm以下、さらには、100μm以下である。距離yが上記した上限を下回れば、蛍光体層3のガス透過率を高めて、LED装置60に蛍光体層封止LED1を備えたときに、蛍光体層3に黒こげが発生することを抑制して、蛍光体層封止LED1の信頼性を向上させ、ひいては、LED装置60の信頼性を向上させることができる。
距離z(透明層4の厚みz)は、例えば、100μm以上、好ましくは、200μm以上である。また、距離zは、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下、より好ましくは、400μm未満、さらに好ましくは、300μm以下、とりわけ好ましくは、200μm以下、最も好ましくは、100μm以下である。距離zが上記した上限を下回れば、透明層4のガス透過率を高めて、LED装置60に蛍光体層封止LED1を備えたときに、透明層4に黒こげが発生することを抑制して、蛍光体層封止LED1の信頼性を向上させ、ひいては、LED装置60の信頼性を向上させることができる。
また、LED2、蛍光体層3および透明層4は、好ましくは、下記(1)〜(4)の全てを満足する。
(1) 距離yを距離xで除した値(y/x)は、例えば、1以上、好ましくは、1.25以上であり、また、例えば、5以下、好ましくは、5未満、より好ましくは、4以下、さらに好ましくは、3以下である。y/xが上記下限以上であれば、優れた色均一性を得ることができる。y/xが上記上限以下であれば、色ムラを抑制することができる。
(2) 距離yと距離zとの和(y+z)は、例えば、0.20mm以上、好ましくは、0.25mm以上、より好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、2mm以下、好ましくは、1.5mm以下である。y+zが上記下限以上であれば、優れた発光強度を得ることができる。y+zが上記上限以下であれば、材料コストを抑制することができる。
(3) 距離α(蛍光体層3の側部35の最小長さα)は、例えば、50μm以上、好ましくは、50μm超過、より好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。距離αが上記下限以上であれば、色均一性の低下を防止したり、あるいは、色ムラを抑制することができる。
(4) 距離yを距離αで除した値(y/α)は、例えば、1以上、好ましくは、1.2以上であり、また、例えば、2.5以下、好ましくは、2.0以下である。y/αが上記上限以下であれば、色ムラを抑制することができる。
[蛍光体層封止LEDの製造方法]
次に、図1に示す蛍光体層封止LEDを製造する方法、および、蛍光体層封止LEDを用いてLED装置を製造する方法について図2A〜図2Fを参照して説明する。
蛍光体層封止LED1の製造方法は、透明層4および蛍光体層3を備える被覆シートの一例としての封止シート5を製造する工程(図2A参照)と、封止シート5を、蛍光体層3が複数のLED2を被覆するように、配置する工程(図2C参照)と、封止シート5を、蛍光体層封止LED1が個片化されるように、切断する工程(図2D参照)とを備えている。封止シート5を製造する工程(図2A参照)は、透明層4を用意する工程と、蛍光体層3を透明層4の表面に形成する工程とを備えている。
図2Aに示すように、透明層4を用意する工程において、透明層4を透明樹脂組成物から形成する場合には、まず、仮想線で示す剥離シート6を用意する。
離型シート2は、透明層4によってLED2を封止する(透明層4が、熱硬化性樹脂組成物から形成される場合には、透明層4を硬化する)までの間、透明層4を保護するために、透明層4の裏面(図1Aにおける下面)に剥離可能に貼着されている。つまり、剥離シート6は、封止シート5の出荷・搬送・保管時において、透明層4の裏面を被覆するように、透明層4の裏面に積層され、封止シート5の使用直前において、透明層4の裏面から略U字状に湾曲するように引き剥がすことができる可撓性フィルムである。すなわち、剥離シート6は、可撓性フィルムのみからなる。また、剥離シート6の貼着面、つまり、透明層4に対する接触面は、必要によりフッ素処理などの剥離処理されている。
剥離シート6としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、セラミクスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。好ましくは、ポリマーフィルムが挙げられる。また、離型シート2の形状は、特に限定されず、例えば、平面視略矩形状(短冊状、長尺状を含む)などに形成されている。剥離シート6の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
次いで、透明層4を透明樹脂組成物から形成する場合には、透明樹脂組成物のワニスを、剥離シート6の表面に塗布する。透明樹脂組成物を剥離シート6の表面に塗布するには、例えば、ディスペンサ、アプリケータ、スリットダイコータなどの塗布装置が用いられる。
透明樹脂組成物の離型シート2への塗布によって、透明樹脂組成物の塗膜が形成される。
その後、塗膜を完全硬化(Cステージ化)させる。加熱条件として、加熱温度が、80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。また、加熱時間が、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、5時間以下である。
これによって、塗膜におけるAステージの透明樹脂組成物を完全硬化(Cステージ化)させる。
透明樹脂組成物が付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を含有する場合には、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基とのヒドロシリル化反応が途中まで進行して、一旦、停止する。
一方、透明樹脂組成物が縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂を含有する場合には、縮合反応が完結する。
これによって、透明層4をBステージの透明樹脂組成物から形成する。
一方、透明層4を無機物から形成する場合には、具体的には、予め板状に成形した無機物を用意する。好ましくは、剥離シート6を使用すること(図2Aの仮想線)なく、ガラス板を用意する。
これによって、透明層4を無機物から形成する。
次いで、図2Aに示すように、蛍光体層3を透明層4の表面に形成する。
蛍光体層3を蛍光体樹脂組成物から形成する場合には、蛍光体樹脂組成物を透明層4の表面に、上記した塗布装置を用いて、塗布する。これによって、蛍光体樹脂組成物の塗膜が形成される。
その後、蛍光体樹脂組成物がBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂組成物を含有する場合には、塗膜をBステージ化させる。加熱条件は、上記した範囲と同一である。これによって、塗膜をBステージ化する。
蛍光体樹脂組成物が付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を含有する場合には、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基とのヒドロシリル化反応が途中まで進行して、一旦、停止する。
一方、蛍光体樹脂組成物が縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂を含有する場合には、縮合反応が完結する。
これによって、蛍光体層3を蛍光体樹脂組成物から形成する。
続いて、板状の蛍光体層3を透明層4の上面に配置する。
これによって、図2Aに示すように、透明層4と、蛍光体層3とを備える封止シート5を得る。好ましくは、封止シート5は、透明層4と、蛍光体層3とからなる。
この封止シート5は、平板形状を有し、具体的には、所定の厚みを有し、左右方向および前後方向に延び、平坦な表面および平坦な裏面を有している。また、封止シート5は、LED装置60(後述、図2F参照)ではなく、LED装置60の一部品、すなわち、LED装置60を作製するための部品であり、LED2およびLED2が実装される基板50を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
なお、透明層4が透明樹脂組成物から形成される場合には、封止シート5は、剥離シート6と、透明層4と、蛍光体層3とを備える。好ましくは、封止シート5は、剥離シート6と、透明層4と、蛍光体層3とからなる。
別途、図2Bに示すように、複数のLED2を用意する。具体的には、複数のLED2を、支持板7の上面に配置する。
支持板7は、蛍光体層3によって複数のLED2を被覆して封止して、封止LED集合体8(後述、図2C参照)を得て、封止LED集合体8を切断して、蛍光体層封止LED1を得た後、蛍光体層封止LED1を剥離するまでの間、蛍光体層封止LED1のLED2を保護するために、蛍光体層封止LED1におけるLED2の露出面(図1における下面21)に剥離可能に貼着されている。つまり、支持板7は、蛍光体層封止LED1の出荷・搬送・保管時において、LED2を支持し、LED2の下面21を被覆するように、LED2の下面21に積層され、LED2の基板50に対する実装直前において、図2Dの仮想線で示すように、蛍光体層封止LED1を引き剥がすことができる剥離板である。つまり、支持板7は、剥離板のみからなる。
支持板7は、上記した剥離シート6と同様の材料から形成されている。また、支持板7を、加熱により封止LED集合体8が容易に剥離できる熱剥離シートから形成することもできる。さらに、支持板7の表面に、感圧接着剤層を配置することができる。
支持板7の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、100μm以下である。
そして、複数のLED2を、支持板7の表面(上面)に配置する。具体的には、複数のLED2を、左右方向におよび前後方向間隔を隔てて整列配置する。また、LED2の下面21(図示しないバンプを含む)が支持板7の表面(上面)に接触するように、複数のLED2を支持板7の表面(上面)に配置する。
複数のLED2のピッチP、すなわち、一のLED2と、一のLED2とそれに隣接するLED2との間の間隔との総和Pは、例えば、0.3mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、5mm以下、好ましくは、3mm以下である。また、複数のLED2の間隔は、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.3mm以上であり、また、例えば、3mm以下、好ましくは、2mm以下である。
その後、図2Bの矢印および図2Cに示すように、封止シート5によって複数のLED2を封止する。
例えば、封止シート5を、複数のLED2を支持する剥離シート6に対して、圧着する。好ましくは、封止シート5を、複数のLED2を支持する剥離シート6に対して、熱圧着(熱プレス)する。
具体的には、まず、封止シート5と、複数のLED2および剥離シート6とを、熱源を備える平板プレスなどに設置する。平板プレスは、図示しないが、下金型と、それの上側に対向配置される上金型とを備える。具体的には、複数のLED2が上を向くように、剥離シート6を、下金型の上面に配置する。また、図2Aに示す封止シート5を上下反転させた後、蛍光体層3が下を向くように、すなわち、蛍光体層3がLED2に対して対向するように、剥離シート6を上金型の下面に配置する。
そして、平板プレスによって、封止シート5と、複数のLED2および支持板7とを熱プレスする。
平板プレスにおける温度は、蛍光体層3および/または透明層4が、熱可塑性および熱硬化性を有するフェニル系シリコーン樹脂組成物を含有する場合には、フェニル系シリコーン樹脂組成物の熱可塑温度またはそれ以上であって、好ましくは、フェニル系シリコーン樹脂組成物の熱可塑および熱硬化を一度に実施する観点から、熱硬化温度またはそれ以上であって、具体的には、例えば、60℃以上、好ましくは、80℃以上であり、また、例えば、150℃以下、好ましくは、120℃以下である。
プレス圧は、例えば、0.1MPa以上、好ましくは、1MPa以上であり、また、例えば、10MPa以下、好ましくは、5MPa以下である。
プレス時間は、例えば、1分間以上、好ましくは、5分間以上であり、また、例えば、60分間以下、好ましくは、20分間以下である。
上記した熱プレスによって、蛍光体層3が、熱可塑性および熱硬化性を有するフェニル系シリコーン樹脂組成物を含有する場合には、蛍光体層3が可塑化する。引き続き、可塑化した蛍光体層3によって、複数のLED2が埋設される。具体的には、図1に示すように、LED2の上面22および側面23が、蛍光体層3によって被覆される。
また、上記した熱プレスによって、透明層4が、熱可塑性および熱硬化性を有するフェニル系シリコーン樹脂組成物を含有する場合には、透明層4が可塑化して、蛍光体層3に密着する。
これによって、図2Cに示すように、封止シート5の蛍光体層3によって、複数のLED2を封止する。
その後、蛍光体層3および/または透明層4がBステージ化状態の2段反応硬化性樹脂組成物を含む場合には、これをCステージ化する。
2段反応硬化性樹脂組成物がフェニル系シリコーン樹脂組成物を含む場合において、フェニル系シリコーン樹脂組成物の反応(Cステージ化反応)では、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル付加反応がさらに促進される。その後、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基、あるいは、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基が消失して、ヒドロシリル付加反応が完結することによって、Cステージのフェニル系シリコーン樹脂組成物の生成物、つまり、硬化物が得られる。つまり、ヒドロシリル付加反応の完結により、フェニル系シリコーン樹脂組成物において、硬化性(具体的には、熱硬化性)が発現する。
上記した生成物は、下記平均組成式(3)で示される。
平均組成式(3):
R5 eSiO(4−e)/2
(式中、R5は、フェニル基を含む、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。eは、0.5以上2.0以下である。)
R5で示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、式(1)のR2で示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、および、式(2)のR3で示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基と同一のものが例示される。好ましくは、非置換の1価の炭化水素基、より好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、さらに好ましくは、フェニル基およびメチル基の併用が挙げられる。
eは、好ましくは、0.7以上、1.0以下である。
そして、生成物の平均組成式(3)のR5におけるフェニル基の含有割合は、例えば、30モル%以上、好ましくは、35モル%以上であり、また、例えば、55モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。
生成物の平均組成式(3)のR5におけるフェニル基の含有割合は、生成物のケイ素原子に直接結合する1価の炭化水素基(平均組成式(3)においてR5で示される)におけるフェニル基濃度である。
生成物の平均組成式(3)のR5におけるフェニル基の含有割合は、1H−NMRおよび29Si−NMRにより算出される。R5におけるフェニル基の含有割合の算出方法の詳細は、例えば、WO2011/125463などの記載に基づいて、1H−NMRおよび29Si−NMRにより算出される。
次いで、図2Cの矢印で示すように、剥離シート6を透明層4から引き剥がす。
これにより、複数のLED2と、蛍光体層3と、透明層4とを備える封止LED集合体8を支持板7に支持される状態で得る。
その後、図2Dの1点鎖線で示すように、封止LED集合体8を、複数のLED2を個片化するように、切断する。具体的には、各LED2に対応する蛍光体層3および透明層4を前後方向および左右方向に沿って切断する。これによって、1つのLED2と、LED2を埋設して被覆する蛍光体層3と、蛍光体層3の上面に配置される透明層4とを備える蛍光体層封止LED1を、支持板7に支持される状態で得る。
次いで、図2Dの矢印およびおよび仮想線で示すように、複数の蛍光体層封止LED1を支持板7から剥離する。
これによって、図2Eに示すように、1つのLED2と、LED2を埋設して被覆する蛍光体層3と、蛍光体層3の上面に配置される透明層4とを備える蛍光体層封止LED1を得る。
蛍光体層封止LED1は、支持板7(図2C参照)および基板50(後述、図2F参照)を含まず、好ましくは、LED2と、蛍光体層3と、透明層4とからなる。すなわち、蛍光体層封止LED1は、次に説明するLED装置60(図2F)ではなく、つまり、LED装置60に備えられる基板50を含んでいない。つまり、蛍光体層封止LED1は、LED装置60の基板50に備えられる端子(図示せず)とまだ電気的に接続されないように、構成されている。また、蛍光体層封止LED1は、LED装置60の一部品、すなわち、LED装置60を作製するための部品であり、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
その後、複数の蛍光体層封止LED1を発光波長や発光効率に応じて選別する。
次いで、図2Fに示すように、蛍光体層封止LED1を基板50に実装する。
具体的には、まず、上面に端子(図示せず)が設けられた基板50を用意する。
基板50は、前後方向および左右方向に延びる略矩形平板状をなし、例えば、絶縁基板である。また、基板50は、上面に配置される端子(図示せず)を備えている。
その後、図2Fに示すように、蛍光体層封止LED1を基板50に実装する。
具体的には、蛍光体層封止LED1におけるLED2のバンプ(図示せず)を、基板50の端子(図示せず)と接触させて、電気的に接続させる。つまり、蛍光体層封止LED1のLED2を基板50にフリップチップ実装する。また、蛍光体層3の下面32を、基板50に接触させる。
これにより、基板50と、基板50に実装される蛍光体層封止LED1とを備えるLED装置60を得る。好ましくは、LED装置60は、基板50と、蛍光体層封止LED1とからなる。つまり、LED装置60は、剥離シート6および/または支持板7を含まず、好ましくは、基板50と、LED2と、蛍光体層3と、透明層4とからなる。
[第1実施形態の作用効果]
そして、図1に示すように、この蛍光体層封止LED1は、蛍光体層3の上面31を被覆する透明層4を備えるので、発光強度を向上させることができる。具体的には、透明樹脂組成物(透明層4)と空気との界面を、光吸収体である基板50やLED2(LED2と蛍光体層3との界面)から遠ざけること(離間させること)ができる。そのため、LED2から上側に向かって発光され、蛍光体層3によって波長変換された光と、蛍光体層3によって波長変換されず、蛍光体層3を透過する光が、透明樹脂組成物(透明層4)と空気との界面で反射されても基板50やLED2(光吸収体)に戻りにくいために、蛍光体層封止LED1の発光強度を向上させることができる。
また、この蛍光体層封止LED1は、上記したx、y、zおよびαに関する(1)〜(4)の全てを満足するので、発光強度をより一層向上させながら、優れた色均一性を有し、かつ、色ムラを抑制することができる。
また、この蛍光体層封止LED1では、第1の透明組成物(蛍光体層3に含まれる透明樹脂組成物)の屈折率RIpが、1.45以上、1.60以下であれば、蛍光体層封止LED1の発光強度を向上させることができる。
また、この蛍光体層封止LED1では、第1の透明組成物(蛍光体層3に含まれる透明樹脂組成物)の屈折率RIpから第2の透明組成物(透明層4に含まれる透明樹脂組成物)の屈折率RItを差し引いた値(屈折率RIp−屈折率RIt)が、−0.70以上、0.20以下であれば、蛍光体層封止LED1の発光強度を向上させることができる。
また、この蛍光体層封止LED1では、RIp−RItが、0.05以上であれば、
蛍光体層封止LED1の発光強度をより一層向上させることができる。
また、この蛍光体層封止LED1では、距離αが、50μmを超過すれば、色均一性を向上させることができる。
この蛍光体層封止LED1の製造方法によれば、封止シート5を用いて、蛍光体層封止LED1を簡便に製造することができる。
この蛍光体層封止LED1の製造方法によれば、所望の寸法(y、z、αなど)を有する蛍光体層封止LED1を簡便に製造することができる。
[変形例]
変形例において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態では、LED2と、蛍光体層3と、透明層4とを、それぞれ、平面視略矩形状に形成しているが、その形状は、特に限定さない。図示しないが、LED2と、蛍光体層3と、透明層4とを、それぞれ、例えば、平面視略円形状、平面視略多角形状(略矩形状を除く)に形成することもできる。
さらに、第1実施形態では、図1に示すように、透明層4を断面視略矩形状に形成しているが、例えば、図示しないが、上面が湾曲する断面ドーム形状(あるいは凸レンズ形状)に形成することもできる。その場合には、距離zは、蛍光体層3の上面31から、透明層4の最上面までの距離である。
さらに、透明層4を、上側に向かって平断面が小さくなる略錐形状、具体的には、四角錐形状、三角錐形状などの多角錘形状に形成することもできる。
さらにまた、第1実施形態では、図1に示すように、蛍光体層3の収容部30の周囲の下面32は、基板50に接触することができる蛍光体側接触可能面として構成している。しかし、例えば、図5に示すように、下面32を、基板50と間隔を隔てることができる間隔確保可能面として構成することができる。
図5に示すように、蛍光体層3の収容部30の周囲の下面32は、LED2から露出しており、LED2の下面21より上側部分に位置している。具体的には、蛍光体層3の下面32は、面方向に投影したときに、LED2の下面21および上面22の間に位置している。すなわち、蛍光体層3の下面32は、前後方向および左右方向に投影したときに、LED2の側面23に含まれる位置に配置されている。
これにより、蛍光体層3の下面32は、LED2の側面23の下端部を露出している。
さらに、第1実施形態では、蛍光体層3および透明層4を順次Cステージ化、つまり、蛍光体層3をCステージ化し、その後、透明層4をCステージ化しているが、例えば、Bステージ状態の蛍光体層3および透明層4を、同時に、Cステージ化することもできる。
また、上記した第1実施形態では、図2A〜図2Eに示すように、封止シート5を剥離シート6の上に形成し、その後、封止シート5によって、LED2を封止している。
しかし、図3A〜図4Hに示すように、封止シート5を剥離シート6の上に形成せず、支持板7の上に、蛍光体樹脂組成物のワニス、および、透明樹脂組成物のワニスを順次滴下(ポッティング)して、蛍光体層3および透明層4を順次形成することができる。
この方法では、図3Cに示すように、蛍光体樹脂組成物のワニスを、支持板7の上に滴下(ポッティング)する。
蛍光体樹脂組成物のワニスを支持板7の上に滴下するには、まず、図3Aに示すように、1つのLED2を支持板7の上面に配置する。これにより、支持板7により支持された1つのLED2を用意する。
別途、図3Aに示すように、第1ダム11を用意する。
第1ダム11は、平面視略矩形状に形成されている。また、第1ダム11の中央部には、第1ダム11を上下方向に貫通する第1開口部13が形成されている。第1開口部13は、蛍光体層3の外形形状に対応する平面視略矩形状に形成されている。
第1ダム11の材料としては、例えば、樹脂、樹脂含浸ガラスクロス、金属などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、樹脂が挙げられる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。好ましくは、熱硬化樹脂として、Bステージ状態となることができない1段反応硬化性樹脂が挙げられる。そのような1段反応硬化性樹脂として、1段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物が挙げられる。1段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物として、例えば、ELASTOSILシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン社製、具体的には、ELASTOSIL LR7665などのメチル系シリコーン樹脂組成物)、KERシリーズ(信越シリコーン社製)などの市販品が用いられる。
なお、樹脂は、フィラーを配合した樹脂組成物として調製されていてもよい。
第1ダム11の厚みは、例えば、100μm以上、好ましくは、200μm以上、より好ましくは、400μm以上であり、また、例えば、1500μm以下である。
次いで、図3Bに示すように、第1ダム11を、支持板7の上面において、LED2を囲むように、配置する。
第1ダム11を支持板7の上面にLED2を囲むように配置するには、まず、第1ダム11の材料が樹脂である場合には、樹脂を含むワニスを調製し、次いで、ワニスを図示しない剥離シートの表面に塗布する。その後、材料が熱硬化性樹脂を含有する場合には、ワニスを加熱して、硬化させる。その後、硬化物を、上記したパターンに外形加工する。
その後、図3Aの矢印および図3Bに示すように、第1ダム11を、第1ダム11の第1開口部13にLED2が挿入されるように、支持板7の上面に載置する。
あるいは、図3Bに示すように、ワニスをLED2の周囲に上記したパターンで直接塗布して、第1ダム11を支持板7の上面に直接形成することもできる。
これによって、第1ダム11を、支持板7の上面に、LED2を囲むように、配置する。
次いで、図3Cに示すように、蛍光体樹脂組成物のワニスを、支持板7における第1ダム11の第1開口部13内に滴下する。具体的には、ワニスの液面が、第1ダム11の上面と面一になるように、ワニスを第1開口部13内に滴下する。
その後、蛍光体樹脂組成物がBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂組成物
を含有する場合には、蛍光体樹脂組成物をBステージ化する。
これにより、第1ダム11の第1開口部13内に、LED2の上面22および側面23を被覆する蛍光体層3を形成する。
次いで、図3Cの矢印で示すように、第1ダム11を、支持板7から引き剥がす。このとき、第1ダム11の第1開口部13の側面は、蛍光体層3の側面33から剥離される。
続いて、図3Dおよび図3Eに示すように、第2ダム12を、支持板7の上面に配置する。
第2ダム12は、厚みを除き、上記した第1ダム11と同様に構成されている。第2ダム12の厚みは、第1ダム11の厚みに対して厚く形成されており、具体的には、蛍光体層3を嵌め込むことができ、かつ、透明層4を形成できる厚みに調整されている。第2ダム12の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、また、例えば、2μm以下、好ましくは、1μm以下である。
図3Dに示すように、第2ダム12には、平面視において、蛍光体層3の形状と同一形状の第2開口部14が形成されている。
図3Eに示すように、第2ダム12を、第2開口部14に蛍光体層3が挿入されるように、支持板7の上において、支持板7の上面に載置する。これによって、蛍光体層3が第2開口部14内に嵌り込む。
その後、図4Fに示すように、蛍光体層3の上面における第2開口部14内に、透明樹脂組成物のワニスを滴下(ポッティング)する。具体的には、ワニスの液面が、第2ダム12の上面と面一になるように、ワニスを第2開口部14内に滴下する。
その後、透明樹脂組成物がBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂組成物を含有する場合には、透明樹脂組成物を熱硬化(具体的には、Cステージ化)させる。これにより、透明層4を、蛍光体層3の上面に形成する。
透明樹脂組成物をCステージ化させる際に、蛍光体層3の蛍光体樹脂組成物が2段反応硬化性樹脂組成物のBステージ化状態であれば、これをCステージ化する。
その後、図4Gに示すように、蛍光体層3および透明層4と、第2ダム12との界面に沿って、それらを切断する。
これによって、1つのLED2と、蛍光体層3と、透明層4とを備える蛍光体層封止LED1を、支持板7に支持された状態で得る。
次に、図4Gの矢印、仮想線および図4Hに示すように、蛍光体層封止LED1を支持板7から剥離する。
その後、蛍光体層封止LED1を発光波長や発光効率に応じて選別する。
その後、図4Iに示すように、蛍光体層封止LED1を基板50に実装する。
そして、図4A〜図4Iの方法によれば、第1実施形態のように、剥離シート6の上に、封止シート5を一旦製造する必要(図2A参照)がないので、蛍光体樹脂組成物のワニスおよび透明樹脂組成物のワニスから、簡単に、蛍光体層3および透明層4を順次形成することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[蛍光体層封止LED]
第1実施形態において、図1に示すように、蛍光体層3の側面33を露出している。しかし、第2実施形態では、図6に示すように、蛍光体層3の側面33は、透明層4によって被覆されている。
つまり、透明層4は、蛍光体層3の上面31および側面33を被覆している。また、透明層4は、平面視において、蛍光体層3を包含する形状に形成されている。透明層4は、蛍光体層3の側面33を被覆する側部45を有している。また、透明層4の側部45の下面41は、基板50(仮想線)に接触することができる透明側接触可能面である。
そして、透明層4は、側部45を有するため、透明層4の側面43(透明側連結面)は、蛍光体層3の側面33の外側に距離βを隔てて対向配置されている。
透明層4の側面43が、蛍光体層3の側面33に対して隔てられる距離βは、透明層4の側部45の左右方向長さおよび前後方向長さ(最小長さ)である。
距離βは、0を超過する範囲から適宜選択される。
第2実施形態では、第1実施形態の(1)〜(4)のうち、(3)に代えて、下記(3)’を満足することが好ましい。
(3)’ 距離αと、距離βとの和(α+β)は、例えば、50μm以上、好ましくは、50μm超過、より好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。α+βが上記下限以上であれば、色均一性が低下を防止したり、あるいは、色ムラを抑制することができる。α+βが上記上限以下であれば、材料の無駄な使用を抑制することができる。
なお、第1実施形態においては、βは、0である。そのため、本発明において、βは、好ましくは、0以上である。
[蛍光体層封止LEDの製造方法]
次に、図6に示す蛍光体層封止LEDを製造する方法、および、蛍光体層封止LEDを用いてLED装置を製造する方法について図7A〜図8Lを参照して説明する。
蛍光体層封止LED1の製造方法は、蛍光体層3を備える蛍光封止シート15を製造する工程(蛍光体層用意工程の一例、図7A参照)と、蛍光封止シート15を、蛍光体層3が複数のLED2を被覆するように、配置する工程(蛍光体層配置工程の一例、図7B参照)と、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を除去する工程(個片化/除去工程の一例、図7D参照)と、透明層4を備える透明シート18を製造する工程(透明層用意工程の一例、図8G参照)と、蛍光体層封止LED1を第2支持板17に再配置する工程(図8G参照)と、透明シート18を、蛍光体層3の上に配置する工程(透明層配置工程の一例、図8H)とを備えている。
この方法では、まず、図7Aに示すように、複数のLEDを用意する。
別途、蛍光体層3を備える蛍光封止シート15を用意する。
蛍光封止シート15を用意するには、まず、図7Aに示すように、剥離シート6を用意する。
次いで、蛍光体層3を剥離シート6の下面に、シート状に形成する。蛍光体層3の形成方法は、第1実施形態における蛍光体層3の形成方法と同様である。
これにより、剥離シート6と、剥離シート6の下面に形成される蛍光体層3とを備える蛍光封止シート15を用意する。
なお、蛍光封止シート15は、後で説明する透明層4(図8G参照)を有していない。好ましくは、蛍光封止シート15は、剥離シート6と蛍光体層3とからなる。
次いで、図7Bに示すように、蛍光体層3によって複数のLED2を封止する。つまり、蛍光封止シート15を、LED2を支持する支持板7に対して圧着する。これにより、蛍光封止シート15における下面32は、複数のLED2を埋設して、複数のLED2の表面に対応する形状に形成される。一方、蛍光封止シート15における蛍光体層3の上面31は、平坦状に形成されている。なお、蛍光体層3は、LED2の側面23および上面22を被覆している。
その後、この方法では、図7Cに示すように、剥離シート6を蛍光体層3から引き剥がす。
次いで、この方法では、図7Dに示すように、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を除去する。
具体的には、所定幅(肉厚)を有する円盤状のダイシングソー(ダイシングブレード)9によって、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を切削する。これによって、蛍光体層3において、側部35の長さαが所望寸法に調節される。つまり、所定の寸法となるように、蛍光体層3を外形加工する。
同時に、蛍光体層封止LED1が個片化される。つまり、蛍光封止シート15を、蛍光体層封止LED1が個片化されるように、切断する。このとき、LED2の側面23を被覆する蛍光体層3を残存させる。
続いて、図7Eに示すように、その後、個片化された蛍光体層封止LED1を、支持板7から引き剥がす。
これにより、LED2と、所定の寸法を有する蛍光体層3とを備える蛍光体層封止LED1を得る。この第2実施形態において、図7Eの仮想線および図7Fの実線で示す蛍光体層封止LED1は、透明層4を備えていない。つまり、この蛍光体層封止LED1は、好ましくは、LED2と蛍光体層3とからなる。
この方法では、次いで、図8Gに示すように、複数の蛍光体層封止LED1を第2支持板17に、前後方向および左右方向に互いに間隔を隔てて整列配置する。つまり、蛍光体層封止LED1を第2支持板17に対して再配置する。
第2支持板17は、上記した支持板7と同一の構成を有する。
別途、図8Gに示すように、透明層4を備える透明シート18を用意する。
透明シート18を用意するには、まず、図8Gに示すように、透明層4を第2剥離シート19の下面に、シート状に形成する。第2剥離シート19は、上記した剥離シート6と同一の構成を有する。透明層4の形成方法は、第1実施形態における蛍光体層3の形成方法と同様である。第2の透明組成物は、好ましくは、フィラーを含有している。
これにより、第2剥離シート19と、第2剥離シート19の下面に形成される透明層4とを備える透明シート18を用意する。
なお、透明シート18は、上記した蛍光体層3を有していない。好ましくは、透明シート18は、第2剥離シート19と透明層4とからなる。
次いで、この方法では、図8Hに示すように、透明層4によって、複数のLED2を被覆する複数の蛍光体層3を被覆する。
具体的には、第2剥離シート19を、蛍光体層封止LED1を支持する第2支持板17に対して圧着する。
なお、透明樹脂組成物がBステージ(半硬化)状態のフェニル系シリコーン樹脂組成物を含有する場合には、熱圧着する。これによって、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂組成物は、加熱により、一旦、可塑化し、これによって、透明樹脂組成物が、複数の蛍光体層3の間に充填される。その後、透明樹脂組成物が、完全硬化する。
次いで、図8Iに示すように、第2剥離シート19を透明層4から引き剥がす。
これによって、図8Iに示すように、透明層4が積層された蛍光体層3によって、複数のLED2が封止された封止LED集合体8が第2支持板17に支持される状態で得られる。
次いで、図8Jに示すように、封止LED集合体8を、複数のLED2を個片化するように、切断する。
次いで、図8Jの矢印および図8Kに示すように、複数の蛍光体層封止LED1を支持板7から引き剥がして、蛍光体層封止LED1を得る。
その後、図8Lに示すように、蛍光体層封止LED1を基板50に実装して、LED装置60を得る。具体的には、図6の仮想線が参照されるように、透明層4の側部45の下面41が、基板50に接触する。
[第2実施形態の作用効果]
そして、この蛍光体層封止LED1では、図6に示すように、透明層4が、蛍光体層3の側面33を被覆する側部45を有するので、第1実施形態と同様に、透明樹脂組成物(透明層4)と空気との界面を、光吸収体である基板50やLED2(LED2と蛍光体層3との界面)から遠ざけること(離間させること)ができる。そのため、LED2から上側に向かって発光され、蛍光体層3によって波長変換された光と、蛍光体層3によって波長変換されず、蛍光体層3を透過する光とが、透明樹脂組成物(透明層4)と空気との界面で反射されても基板50やLED2(光吸収体)に戻りにくいために、蛍光体層封止LED1の発光強度を向上させることができる。
一方、この第2実施形態では、図8Gに示すように、蛍光体層3が配置された蛍光体層封止LED1を、その後、支持板7とは別の支持台、つまり、第2支持板17に再配置し、続いて、図8Hに示すように、透明層4によって、蛍光体層3を被覆している。
対して、第1実施形態の方法では、上記したように、第2実施形態と異なり、蛍光体層3が配置されたLED2を第2支持板17へ再配置する必要がない。そのため、簡便に方法によって、蛍光体層封止LED1が製造される。
また、蛍光体層封止LED1における蛍光体層3と透明層4とに、切断などの簡易な方法により、それぞれ、側面33と側面43とを形成することができる。
この蛍光体層封止LED1の製造方法は、図7Aに示すように、シート状の蛍光体層3を備える蛍光封止シート15を用意する蛍光体層用意工程と、シート状の蛍光体層3を、LED2を被覆するように、配置する蛍光体層配置工程とを備えるので、シート状の蛍光体層3を用いて、発光強度に優れる蛍光体層封止LED1を簡便に製造することができる。
また、この蛍光体層封止LED1の製造方法によれば、図7Dに示すように、個片化/除去工程において、蛍光体層配置工程の後であって、透明層配置工程の前に、蛍光体層3を、複数のLED2に対応して個片化する同時に、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を除去するので、少ない工数で、所望の寸法を有する蛍光体層封止LED1を製造することができる。
さらに、この蛍光体層封止LED1の製造方法によれば、図7Dに示すように、個片化/除去工程では、LED2の側面23を被覆する蛍光体層3を残存させるので、所望の寸法の蛍光体層3を備える蛍光体層封止LED1を、簡便に製造することができる。
また、この蛍光体層封止LED1の製造方法によれば、図8Gに示すように、シート状の透明層4を用いるので、発光強度に優れる蛍光体層封止LED1を簡便に製造することができる。
[変形例]
第2実施形態では、図6に示すように、蛍光体層3の収容部30の周囲の下面32、および、透明層4の側部45の下面41は、それぞれ、基板50に接触することができる蛍光体側接触可能面および透明側接触可能面として構成している。しかし、例えば、図9に示すように、蛍光体層3の収容部30の周囲の下面32、および、透明層4の側部45の下面41の両方を、基板50と間隔を隔てることができる間隔確保可能面として構成することができる。
図9に示すように、蛍光体層3の収容部30の周囲の下面32、および、透明層4の側部45の下面41は、LED2の下面21より上側部分に位置している。具体的には、蛍光体層3の収容部30の周囲の下面32、および、透明層4の側部45の下面41は、面方向に投影したときに、LED2の下面21および上面22の間に位置している。すなわち、蛍光体層3の収容部30の周囲の下面32、および、透明層4の側部45の下面41は、前後方向および左右方向に投影したときに、LED2の側面23に含まれる位置に配置されている。
また、第2実施形態では、図7Bに示すように、蛍光封止シート15における蛍光体層3の上面31を、平坦状に形成しているが、例えば、図10Bに示すように、蛍光体層3の上面31を、複数のLED2の表面に対応する凹凸形状に形成することもできる。
そのような変形例は、蛍光体層3を備える蛍光封止シート15を製造する工程(蛍光体層用意工程の一例、図10A参照)と、蛍光封止シート15を、蛍光体層3が複数のLED2を被覆するように、配置する工程(蛍光体層配置工程の一例、図10B参照)と、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を除去する工程(除去工程の一例、図10D参照)と、透明層4を備える透明シート18を製造する工程(透明層用意工程の一例、図8G参照)と、蛍光体層封止LED1を第2支持板17に再配置する工程(図8G参照)と、透明シート18を、蛍光体層3の上に配置する工程(図8H)とを備えている。
この方法では、まず、図10Aに示すように、複数のLEDを用意する。
別途、蛍光体層3を備える蛍光封止シート15を用意する。蛍光封止シート15を用意するには、まず、図10Aに示すように、剥離シート6を用意する。
次いで、蛍光体層3を剥離シート6の下面に形成する。これにより、剥離シート6と、剥離シート6の下面に形成される蛍光体層3とを備える蛍光封止シート15を用意する。
次いで、図10Bに示すように、蛍光体層3によって複数のLED2を封止する。つまり、蛍光封止シート15を、LED2を支持する支持板7に対して圧着する。このとき、剥離シート6の上側に配置され、複数のLED2に対応する凹部を備える上金型と、平板状の下金型とを備えるプレスによって、蛍光封止シート15を、LED2および支持板7に対して圧着する。蛍光体層3は、上記したプレスによって、複数のLED2に対応する複数の凸部を有する。剥離シート6は、蛍光体層3の表面(突部の表面の側面を含む)に被覆している。
その後、この方法では、図10Cに示すように、剥離シート6を蛍光体層3から引き剥がす。
次いで、この方法では、図10Dに示すように、蛍光体層3を切断して、続いて、図10Eに示すように、蛍光体層封止LED1に個片化する。その後、個片化された蛍光体層封止LED1を、支持板7から引き剥がす。
つまり、図10Dで示すように、所定の寸法となるように、蛍光体層3を外形加工する。これによって、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3が除去される。
これにより、図10Eに示すように、LED2と、所定の寸法を有する蛍光体層3とを備える蛍光体層封止LED1を得る。この第2実施形態において、図10Dの仮想線および図10Eの実線で示す蛍光体層封止LED1は、透明層4を備えていない。つまり、この蛍光体層封止LED1は、好ましくは、LED2と蛍光体層3とからなる。
その後、第2実施形態(図8G〜図8L)と同様にして、透明層4を、蛍光体層3に積層する。
具体的には、図8Gに示すように、まず、複数の蛍光体層封止LED1を第2支持板17に、前後方向および左右方向に互いに間隔を隔てて整列配置する。別途、図8Gに示すように、透明層4を備える透明シート18を用意する。
次いで、図8Hに示すように、透明層4によって、複数のLED2を被覆する複数の蛍光体層3を被覆する。具体的には、下金型と下金型とを備える平板プレスにより、透明層4を蛍光体層3および第2支持板17に対して圧着する。
次いで、図8Iに示すように、第2剥離シート19を透明層4から引き剥がす。次いで、図8Jに示すように、封止LED集合体8を、複数のLED2を個片化するように、切断する。次いで、図8Jの矢印および図8Kに示すように、複数の蛍光体層封止LED1を支持板7から引き剥がして、蛍光体層封止LED1を得る。その後、図8Lに示すように、蛍光体層封止LED1を基板50に実装して、LED装置60を得る。
また、第2実施形態では、図8Gに示すように、まず、透明層4を備える透明シート18を用意し、その後、シート状の透明層4によって、複数のLED2を被覆する複数の蛍光体層3を被覆しているが、例えば、図8Iが参照されるように、透明樹脂組成物(から調製されるワニス、粉末、タブレットなど)から、直接、第2支持板17の上に、LED2を被覆するように、例えば、ポッティング、トランスファー成形、圧縮成形などによって、透明層4をシート状に成形することもできる。
<第3実施形態>
第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[蛍光体層封止LED]
図11に示すように、蛍光体層3は、その周端部に、鍔部36を有している。
鍔部36は、LED2の側面23を被覆する部分から、面方向外側に張り出す張出部である。蛍光体層3の鍔部36の上面は、蛍光体層3においてLED2の上面22を被覆する部分から一段下側に下がるように位置しており、そのため、鍔部36の上面と、上記した部分の上面31との間に段差が形成されている。鍔部36の外周面37は、透明層4の側面43から外方に露出している。鍔部36の外周面37は、透明層4の側面43と上下方向において面一に形成されている。
鍔部36の上面39は、透明層4の側部45の下面41と接触している。
[蛍光体層封止LEDの製造方法およびLED装置の製造方法]
次に、図11に示す蛍光体層封止LEDを製造する方法、および、蛍光体層封止LEDを用いてLED装置を製造する方法について図12A〜図13Iを参照して説明する。
この蛍光体層封止LED1の製造方法は、蛍光封止シート15を製造する工程(図12A参照)と、蛍光封止シート15を、蛍光体層3が複数のLED2を被覆するように、配置する工程(図12B参照)と、隣接するLED2間における蛍光体層3に凹部24を形成する工程(図12C参照)と、透明層4を備える透明シート18を製造する工程(図12D参照)と、透明シート18を蛍光体層3の上に配置する工程(図13E参照)と、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3および透明層4を切断して、蛍光体層封止LED1を個片化する工程(図13F参照)とを備える。
図12Bの矢印で示すように、蛍光封止シート15を支持板7に対して配置した後、剥離シート6を剥離する。
蛍光体層3の上面は、平坦な表面を有する。
図12Cに示すように、蛍光体層3に凹部24を形成するには、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を除去する。
具体的には、ダイシングソー9によって、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3の上端部をハーフカットする。
凹部24が形成されることによって、蛍光体層3に鍔部36が形成される。
その後、図13Eに示すように、透明シート18の透明層4を蛍光体層3の上に配置する。透明層4は、好ましくは、優れたガス透過率を得る観点から、好ましくは、メチル系シリコーン樹脂組成物からなる透明樹脂組成物からなる。
次いで、図13Fに示すように、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3および透明層4を切断する。
これによって、図13Gに示すように、複数の蛍光体層封止LED1が第2支持板17に支持された状態で得られる。
その後、図13Hに示すように、複数の蛍光体層封止LED1を、転写シート25に転写する。
その後、図13Iに示すように、蛍光体層封止LED1を転写シート25から基板50に再転写して、蛍光体層封止LED1を基板50に実装する。これにより、LED装置60を得る。
[第3実施形態の作用効果]
この蛍光体層封止LED1では、図11に示すように、収容部30の内周面38が、LED2の側面23を被覆しつつ、蛍光体層3の鍔部36の外周面37が側方に露出している。そのため、LED2から側方に向かって発光された光が、蛍光体層3の鍔部36によって十分に波長変換される一方、LED2から上方に向かって発光される光は、蛍光体層3によって波長変換された光と、波長変換されず、蛍光体層3を透過する光とを、透明層4において、適度に混合することができる。その結果、蛍光体層封止LED1は、配光性(色ムラの抑制)に優れる。
また、透明層4に含有されるメチル系シリコーン樹脂組成物は、フェニル系シリコーン樹脂組成物に比べて、感圧接着力(粘着力)が高い。そのため、第2実施形態の図7A〜図8Kに示す方法では、図8Hの工程において、上記した透明層4によって、第2支持板17の上面を露出する複数のLED2を被覆すれば、透明層4が第2支持板17の上面に比較的高い感圧接着力(粘着力)で感圧接着(粘着)してしまう。そのため、その後、転写シート25(図13Gおよび図13H参照)にうまく転写できない場合(つまり、透明層4が第2支持板17の上面から剥離しない場合)がある。
しかし、第3実施形態の図12A〜図13Iで示される方法では、透明層4が支持板7の上面に接触(感圧接着)しないため、透明層4が支持板7に対して感圧接着(粘着)することを防止することができる。
さらに、この方法は、第2実施形態のように、図8Gに示され、蛍光体層封止LED1を第2支持板17に再配置する工程とを備える必要がない。そのため、製造工数を低減して、製造コストを低減することができる。
<変形例>
蛍光体層封止LED1の製造方法の変形例は、図7Dに示され、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を除去する工程と、図8Gに示され、蛍光体層封止LED1を第2支持板17に再配置する工程とを備えない以外は、第2実施形態の製造方法と同一である。
また、この変形例は、第3実施形態の凹部24を形成する工程(図12C参照)を備えない以外は、第3実施形態の製造方法と同一である。
すなわち、この方法では、まず、図14Aに示すように、複数のLED2を支持板7の上に用意する。これとともに、剥離シート6および蛍光体層3を備える蛍光封止シート15を用意する。
次いで、図14Bに示すように、蛍光封止シート15の蛍光体層3によって複数のLED2を封止する。具体的には、下金型と下金型とを備える平板プレスにより、蛍光体層3を複数のLED2および支持板7に対して圧着する。
これによって、蛍光体層3に凹部24が形成される。そのため、蛍光体層3に鍔部36が形成される。
次いで、図14Cに示すように、剥離シート6を蛍光体層3から引き剥がす。
次いで、図14Dに示すように、透明層4および第2剥離シート19を備える透明シート18を用意する。
次いで、図15Eに示すように、透明シート18の透明層4を蛍光体層3の上面に配置し、次いで、第2剥離シート19を透明層4から引き剥がす。これにより、封止LED集合体8を得る。
その後、図15Fに示すように、封止LED集合体8を切断して、蛍光体層封止LED1に個片化する。
これにより、図15Gに示すように、蛍光体層封止LED1を得る。
その後、蛍光体層封止LED1を選別した後、図15Hに示すように、選別した蛍光体層封止LED1を基板50に実装して、LED装置60を得る。
そして、この変形例では、上記した第3実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、図14A〜図15Gに示される方法は、第2実施形態における蛍光体層封止LED1の製造方法に比べて、図7Dに示され、LED2に対して遠隔にある蛍光体層3を除去する工程と、図8Gに示され、蛍光体層封止LED1を第2支持板17に再配置する工程とを備える必要がない。そのため、製造工数を低減して、製造コストを低減することができる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
<アルケニル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル基含有ポリシロキサンの合成>
合成例1
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン93.2g、水140g、トリフルオロメタンスルホン酸0.38gおよびトルエン500gを投入して混合し、撹拌しつつメチルフェニルジメトキシシラン729.2gとフェニルトリメトキシシラン330.5gの混合物1時間かけて滴下し、その後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層(水層)を分離して除去し、上層(トルエン溶液)を3回水洗した。水洗したトルエン溶液に水酸化カリウム0.40gを加え、水分離管から水を除去しながら還流した。水の除去完了後、さらに5時間還流し、冷却した。その後、酢酸0.6gを投入して中和した後、ろ過して得られたトルエン溶液を3回水洗した。その後、減圧濃縮することにより、液体状のアルケニル基含有ポリシロキサンAを得た。アルケニル基含有ポリシロキサンAの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
((CH2=CH)(CH3)2SiO1/2)0.15(CH3C6H5SiO2/2)0.60(C6H5SiO3/2)0.25
平均組成式:
(CH2=CH)0.15(CH3)0.90(C6H5)0.85SiO1.05
つまり、アルケニル基含有ポリシロキサンAは、R1がビニル基、R2がメチル基およびフェニル基であり、a=0.15、b=1.75である上記平均組成式(1)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、アルケニル基含有ポリシロキサンAのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、2300であった。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン93.2g、水140g、トリフルオロメタンスルホン酸0.38gおよびトルエン500gを投入して混合し、撹拌しつつジフェニルジメトキシシラン173.4gとフェニルトリメトキシシラン300.6gの混合物1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層(水層)を分離して除去し、上層(トルエン溶液)を3回水洗した。水洗したトルエン溶液に水酸化カリウム0.40gを加え、水分離管から水を除去しながら還流した。水の除去完了後、さらに5時間還流し、冷却した。酢酸0.6gを投入して中和した後、ろ過して得られたトルエン溶液を3回水洗した。その後、減圧濃縮することにより、液体状のアルケニル基含有ポリシロキサンBを得た。アルケニル基含有ポリシロキサンBの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
(CH2=CH(CH3)2SiO1/2)0.31((C6H5)2SiO2/2)0.22(C6H5SiO3/2)0.47
平均組成式:
(CH2=CH)0.31(CH3)0.62(C6H5)0.91SiO1.08
つまり、アルケニル基含有ポリシロキサンBは、R1がビニル基、R2がメチル基およびフェニル基であり、a=0.31、b=1.53である上記平均組成式(1)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、アルケニル基含有ポリシロキサンBのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、1000であった。
合成例3
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、ジフェニルジメトキシシラン325.9g、フェニルトリメトキシシラン564.9g、およびトリフルオロメタンスルホン酸2.36gを投入して混合し、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン134.3gを加え、撹拌しつつ酢酸432gを30分かけて滴下した。滴下終了後、混合物を撹拌しつつ50℃に昇温して3時間反応させた。室温まで冷却した後、トルエンと水を加え、良く混合して静置し、下層(水層)を分離して除去した。その後、上層(トルエン溶液)を3回水洗した後、減圧濃縮することにより、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンC(架橋剤C)を得た。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
(H(CH3)2SiO1/2)0.33((C6H5)2SiO2/2)0.22(C6H5PhSiO3/2)0.45
平均組成式:
H0.33(CH3)0.66(C6H5)0.89SiO1.06
つまり、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCは、R3がメチル基およびフェニル基であり、c=0.33、d=1.55である上記平均組成式(2)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、1000であった。
<その他の原料>
アルケニル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル基含有ポリシロキサン以外の原料について、以下に詳述する。
LR7665:
商品名、メチル系シリコーン樹脂組成物、屈折率1.41、旭化成ワッカーシリコーン社製
無機フィラーA:
屈折率1.55、組成および組成比率(質量%):SiO2/Al2O3/CaO/MgO=60/20/15/5の無機フィラーであり、平均粒子径:15μm(平均粒子径を分級により調整した。)
トスパールTS2000B:
シリコーン系樹脂粒子、平均粒子径6.0μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製
<シリコーン樹脂組成物の調製>
調製例1
アルケニル基含有ポリシロキサンA(合成例1)20g、アルケニル基含有ポリシロキサンB(合成例2)25g、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンC(合成例3、架橋剤C)25g、および、白金カルボニル錯体5mgを混合して、シリコーン樹脂組成物Aを調製した。
調製例2
特開2010−265436号公報に記載される実施例1のシリコーン樹脂用組成物を、シリコーン樹脂組成物B(縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物)として準備した。
<蛍光体層封止LEDの製造>
実施例1
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率RItは、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、20質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが650μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが350μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.44mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例2
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率RItは、1.56であった。
また、透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、12質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
その上に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.64mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例3
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率RItは、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、10質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが400μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが600μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.84mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例4
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率RItは、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、10質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが900μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが600μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.84mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例5
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率RItは、1.56であった。
また、透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、11質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.84mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例6
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率RItは、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、13質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.44mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュア(Cステージ化)し、その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例7
シリコーン樹脂組成物Bに対して、トスパールTS2000Bを、それらの総量に対して、30質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Yをワニスとして調製した。
また、透明樹脂組成物Yに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、18質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
次いで、500μmの、透明層としてのガラス板(屈折率RIt:1.52)の上に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後、135℃で15分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を、ガラス板の上に調製した。これにより、ガラス板と、蛍光体層とを備える封止シートを調製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.64mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、室温の真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、圧着した。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、圧着した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間加熱して、蛍光体層を熱硬化させ(Cステージ化し)、その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層およびガラス板を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例8
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率RItは、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、12質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
次いで、LR7665に対して、トスパールTS2000Bを、それらの総量に対して、30質量%となるように、混合したワニス(屈折率RIt:1.41)を、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後100℃で10分、加熱することにより、Cステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが500μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.64mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例9
シリコーン樹脂組成物A100質量部に対して、YAG468(根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、17質量%となるように混合して、蛍光体樹脂組成物をワニスとして調製した。
ステンレス板の上に両面テープを貼り付け、その上に、1個のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を搭載(配置)した(図3A参照)。
別途、第1ダムおよび第2ダムを作製した(図3Aおよび図3D参照)。
すなわち、LR7665(屈折率1.41)を500μmの厚みに塗布し、100℃10分でキュア(熱硬化)し、続いて、硬化シートを、外枠サイズ10mm×10mm、内枠サイズ(内寸)1.64mm×1.64mmの矩形枠形状に加工して、第1ダムを作製した(図3A参照)。つまり、第1ダムの外形寸法は、10mm×10mmであり、矩形状の開口部の内寸は、1.64mm×1.64mmである。
次いで、第2ダムを、厚みを1mmに変更した以外は、第1ダムと同様にして、作製した(図3D参照)。
次いで、ステンレス板の上において、LEDの周囲に、第1ダムを設置した(図3B参照)。続いて、蛍光体樹脂組成物のワニスを第1ダムの第1開口部内に垂らし、液厚み500μmになるように量を調整し、100℃10分、蛍光体樹脂組成物をBステージ化させた(図3C参照)。これにより、Bステージ状態の蛍光体層を得た。その後、第1ダムを除去した(図3Cの矢印参照)。
さらに、第2ダムを、ステンレス板の上において、蛍光体層の周囲に設置した(図3E参照)。その後、シリコーン樹脂組成物Aを第2ダムの第2開口部内に垂らし、合計の厚みが1mmになるように液量を調整した。続いて、シリコーン樹脂組成物Aを、150℃2時間、熱硬化(Cステージ化)させて、Cステージ状態の透明層を得た(図4F参照)。続いて、蛍光体層と透明層との境(界面)に沿ってダイシングして(図4G参照)、蛍光体層封止LEDを調製した(図4H参照)。
実施例10
シリコーン樹脂組成物Aに対して、YAG468(根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、18質量%となるように混合して、蛍光体樹脂組成物をワニスとして調製した。
ステンレス板の上に両面テープを貼り付け、その上に、1個のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.41mm×1.41mm×150μm、エピスター社製)を搭載(配置)した(図3A参照)。
別途、第1ダムおよび第2ダムを作製した(図3Aおよび図3D参照)。
すなわち、LR7665(屈折率1.41)を500μmの厚みに塗布し、100℃10分でキュア(熱硬化)し、続いて、硬化シートを、外枠サイズ10mm×10mm、内枠サイズ(内寸)1.64mm×1.64mmの矩形枠形状に加工して、第1ダムを作製した(図3A参照)。つまり、第1ダムの外形寸法は、10mm×10mmであり、矩形状の開口部の内寸は、1.64mm×1.64mmである。
次いで、第2ダムを、厚みを1mmに変更した以外は、第1ダムと同様にして、作製した(図3D参照)。
次いで、ステンレス板の上において、LEDの周囲に、第1ダムを設置した(図3B参照)。続いて、蛍光体樹脂組成物のワニスを第1ダムの第1開口部内に垂らし、液厚み500μmになるように量を調整し、100℃10分、蛍光体樹脂組成物をBステージ化させた(図3C参照)。これにより、Bステージ状態の蛍光体層を得た。その後、第1ダムを除去した(図3Cの矢印参照)。
さらに、第2ダムを、ステンレス板の上において、蛍光体層の周囲に設置した(図3E参照)。その後、LR7665(屈折率1.41)を第2ダムの第2開口部内に垂らし、合計の厚みが1mmになるように液量を調整した。続いて、シリコーン樹脂組成物Aを、150℃2時間、熱硬化(Cステージ化)させて、Cステージ状態の透明層を得た(図4F参照)。続いて、蛍光体層と透明層との境(界面)に沿ってダイシングして(図4G参照)、蛍光体層封止LEDを調製した(図4H参照)。
実施例11
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率は、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、50質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが800μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが200μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.24mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例12
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率は、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、30質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが50μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが300μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.34mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例13
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率は、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、8質量部となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが100μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。
次いで、透明層の表面(上面)に、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、加熱後の厚みが900μmとなるように塗布し、その後、80℃で11分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。
これにより、剥離シートと、透明層と、蛍光体層とからなる封止シートを作製した(図2A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.64mmピッチで配置した(図2B参照)。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した(図2C参照)。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、封止シートを複数のLEDに対して、熱圧着した。この熱圧着により、蛍光体層および透明層は一旦可塑化した。これにより、封止シートにより、複数のLEDを封止した。
その後、150℃で2時間ポストキュアした。これにより、蛍光体層および透明層をCステージ化した。その後、封止シートを、切断により個片化して、1個のLED、蛍光体層および透明層を備える蛍光体層封止LEDを、ステンレス板の上に製造した(図2C参照)。
続いて、剥離シートを透明層から引き剥がした(図2Cの仮想線参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図2D参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図2Dの矢印および図2E参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図2E参照)。
実施例14
シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラーAを、それらの総量に対して、50質量%となるように混合して、透明樹脂組成物Xをワニスとして調製した。透明樹脂組成物Xの屈折率は、1.56であった。
透明樹脂組成物Xに対して、YAG468(蛍光体、根元特殊化学社製)を、それらの総量に対して、28質量%となるように配合して、それらを混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
その後、蛍光体樹脂組成物を、アプリケータにて、厚み50μmの剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが150μmとなるように塗布し、その後90℃で20分、加熱することにより、Bステージの蛍光体層を作製した。これにより、剥離シートと蛍光体層とからなる蛍光封止シートを作製した(蛍光体層用意工程、図7A参照)。
その後、ステンレス板の上に、両面テープ(感圧接着剤層)を貼り付け、その上に、複数のLED(EDI−FA4545A、サイズ:1.14mm×1.14mm×150μm、エピスター社製)を、1.54mmピッチで配置した。その後、90℃に加熱した真空平板プレスを用いて、蛍光封止シートを複数のLEDに対して、10分間、熱圧着した。具体的には、蛍光体層がLEDおよびその周囲の両面テープに接触するように、蛍光封止シートを複数のLEDに対して、真空平板プレスを用いて、熱圧着した(蛍光体層配置工程、図7B参照)。蛍光体層の上面は、平坦状に形成された。
その後、剥離シートを蛍光体層から引き剥がした(図7C参照)。
次いで、LEDに対して遠隔にある蛍光体層を除去すると同時に、蛍光体層封止LEDを個片化した(個片化/除去工程、図7D参照)。つまり、透明シートを、肉厚200μmのダイシングソーによって、切断した。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図7F参照)。
その後、複数の蛍光体層封止LEDを第2支持板に、前後方向および左右方向に互いに間隔を隔てて整列配置した(図8G参照)。
また、透明樹脂組成物Xを、アプリケータにて、厚み50μmの第2剥離シート(PTEシート、商品名「SS4C」、ニッパ社製)の表面に、加熱後の厚みが850μmとなるように塗布し、その後、90℃で20分、加熱することにより、Bステージの透明層を作製した。これにより、第2剥離シートと透明層とからなる透明シートを作製した(透明層用意工程、図8G参照)。
次いで、透明シートの透明層によって、複数のLEDを被覆する複数の蛍光体層を被覆した(透明層配置工程、図8H参照)。
続いて、第2剥離シートを透明層から引き剥がした(図8I参照)。続いて、封止LED集合体を複数のLEDを個片化するように、切断した(図8J参照)。
その後、蛍光体層封止LEDを、両面テープから引き剥がした(図8Jの矢印参照)。
これにより、蛍光体層封止LEDを得た(図8K参照)。
比較例1
透明層を形成しない被覆シートを作製し、この被覆シートの透明層によってLEDを被覆した以外は、実施例8と同様に処理して、蛍光体層封止LEDを得た(図16参照)。
比較例2
透明層を形成しない被覆シートを作製し、この被覆シートの透明層によってLEDを被覆した以外は、実施例14と同様に処理して、蛍光体層封止LEDを得た(図17参照)。
<評価>
[発光強度]
各実施例および各比較例の蛍光体層封止LEDを基板に実装して、LED装置を製造した(図1の仮想線、図2F、図16の仮想線、図17の仮想線参照)。続いて、全光束測定装置に電流300mAで点灯させて、発光強度を求めた。
得られた発光強度を下記の基準に基づいて評価した。
A:発光強度が、135lm以上
B:発光強度が、128lm以上、135lm未満
C:発光強度が、118lm以上、128lm未満
D:発光強度が、110lm以上、118lm未満
E:発光強度が、110lm未満
[色均一性]
各実施例および各比較例の蛍光体層封止LEDを10個ずつ(n=10)、基板に実装して、LED装置を製造した(図1の仮想線、図2F、図16の仮想線、図17の仮想線参照)。続いて、光学特性のCIE yを測定し、10個の蛍光体層封止LEDのバラツキを求めた。そして、最大値と最小値の差が0.03以下の場合を○と評価し、0.03を超過する場合を×と評価した。
[配光性(色ムラ)]
各実施例および各比較例の蛍光体層封止LEDを基板に実装して、LED装置を製造した(図1の仮想線、図2F、図16の仮想線、図17の仮想線参照)。続いて、これを配光測定装置(大塚電子社製 GP−7)にて、−85°〜85°方向の色度を5°刻みで測定した。各方向における色度のばらつきを求めた。そして、最大値と最小値の差が0.02以下の場合を○と評価し、0.02を超過する場合を×と評価した。
[信頼性(黒こげ)]
各実施例および各比較例の蛍光体層封止LEDを基板に実装して、LED装置を製造した(図1の仮想線、図2F、図16の仮想線、図17の仮想線参照)。続いて、全光束測定装置に電流1Aで1,000時間点灯させて、蛍光体層および透明層を目視により観察し、以下の基準に従って、蛍光体層封止LEDおよびLED装置の信頼性を評価した。
○:蛍光体層または透明層に、黒こげが観察されなかった。
△:蛍光体層または透明層に、黒こげがわずかに観察された。
×:蛍光体層または透明層に、黒こげが観察された。
[シリコーン樹脂組成物Aの反応により得られる生成物の炭化水素基(R5)におけるフェニル基の含有割合の測定]
シリコーン樹脂組成物A(つまり、フィラーが含まれていないシリコーン樹脂組成物A)の反応により得られる生成物中、ケイ素原子に直接結合する炭化水素基(平均組成式(3)のR5)におけるフェニル基の含有割合(モル%)を、1H−NMRおよび29Si−NMRにより算出した。
具体的には、Aステージのシリコーン樹脂組成物Aを、フィラーを添加せずに、100℃1時間で、反応(完全硬化、Cステージ化)させて、生成物を得た。
次いで、得られた生成物の1H−NMRおよび29Si−NMRを測定することで、ケイ素原子に直接結合している炭化水素基(R5)におけるフェニル基が占める割合(モル%)を算出した。
その結果、48%であった。
各実施例および各比較例における各層の構成および処方を表1に示す。
各実施例および各比較例における各層の寸法および蛍光体層封止LEDの評価を表2に示す。