JP2016119151A - 燃料電池システム、及び燃料電池システムの運転方法 - Google Patents

燃料電池システム、及び燃料電池システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セルスタックの劣化を抑制可能な燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システム1は、水素含有燃料の脱硫を行う脱硫部2と、脱硫部2で脱硫された水素含有燃料を改質して水素富化ガスを発生させる改質部4と、改質部4で発生した水素富化ガスを用いて発電を行うセルスタック5と、水素富化ガスの一部を脱硫部2の上流側に循環させるリサイクルガスラインRと、リサイクルガスラインRにおける水素富化ガスの流通量を調整するためのバルブ35と、バルブ35を制御する制御部11と、を備える。制御部11は、セルスタック5の電圧が所定電圧F1以上である場合に、水素富化ガスの循環を開始するようにバルブ35を制御する第1制御、又は、水素富化ガスの流通量を増大させるようにバルブ35を制御する第2制御を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムの、及び燃料電池システムの運転方法に関する。
特許文献1には、燃料改質システムと燃料電池とを備える燃料電池システムが記載されている。燃料改質システムは、上流側から順に配置された脱硫器、改質反応器、及びCO選択酸化反応器を有している。脱硫器は、水添吸着脱硫剤を用いて原燃料から硫黄化合物を除去する。改質反応器は、脱硫された原燃料を水蒸気と反応させて改質ガスを生成する。CO選択酸化反応器は、改質ガスに含まれるCOを選択的に酸化してCOに変換する。また、燃料電池システムは、CO選択酸化反応器に供される前の改質ガスの一部(リサイクルガス)を原燃料に添加するリサイクルラインを有している。そして、原燃料に添加されたリサイクルガスは、脱硫器において原燃料の脱硫に利用される。
特許第4931865号
特許文献1に記載された燃料電池システムにあっては、改質反応器において十分に改質反応が行われて改質ガスが生成されていないと、その一部であるリサイクルガスを利用した脱硫器での脱硫が不十分となり、未脱硫のガスが改質反応器に供給されて改質触媒の劣化が生じるおそれがある。その場合、未改質のガスが燃料電池に供給される結果、燃料電池が劣化するおそれがある。
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、セルスタックの劣化を抑制可能な燃料電池システム、及び燃料電池システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、水素含有燃料の脱硫を行う脱硫部と、脱硫部で脱硫された水素含有燃料を改質して水素富化ガスを発生させる改質部と、改質部で発生した水素富化ガスを用いて発電を行うセルスタックと、水素富化ガスの一部を脱硫部の上流側に循環させる循環路と、循環路における水素富化ガスの流通量を調整するための流量調整部と、少なくとも流量調整部を制御する制御部と、を備え、制御部は、セルスタックの電圧が予め定めた所定電圧以上である場合に、水素富化ガスの循環を開始するように流量調整部を制御する第1制御、又は、水素富化ガスの流通量を増大させるように流量調整部を制御する第2制御を行う、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムの運転方法は、水素含有燃料の脱硫を行う脱硫部と、脱硫部で脱硫された水素含有燃料を改質して水素富化ガスを発生させる改質部と、改質部で発生した水素富化ガスを用いて発電を行うセルスタックと、水素富化ガスの一部を脱硫部の上流側に循環させる循環路と、循環路における水素富化ガスの流通量を調整するための流量調整部と、を有する燃料電池システムの運転方法であって、セルスタックの電圧が予め定められた所定電圧以上であるか否かを判定する第1工程と、第1工程の判定の結果、電圧が所定電圧以上である場合に、水素富化ガスの循環を開始するように流量調整部を制御する第1制御、又は、水素富化ガスの流通量を増大させるように流量調整部を制御する第2制御を行う第2工程と、を備えることを特徴とする。
これらの燃料電池システム、及び燃料電池システムの運転方法においては、脱硫部への水素富化ガスの循環を開始するように流量調整部を制御する第1制御、又は、脱硫部への水素富化ガスの流通量を増大させるように流量調整部を制御する第2制御が行われる。これにより、脱硫部において、水素富化ガスを利用した水素含有燃料の脱硫が行われる。特に、これらの燃料電池システム、及び燃料電池システムの運転方法においては、第1制御及び第2制御の契機として、セルスタックの電圧が所定電圧以上であることを利用している。セルスタックの電圧が所定電圧以上であることは、改質部において十分に改質反応が行われて水素富化ガスが発生させられ、セルスタックに供給されていることを示す。したがって、脱硫部においては、その水素富化ガスの一部を利用して十分に水素含有燃料の脱硫を行うことが可能となる。これにより、未脱硫の水素含有燃料が改質部に供給されることが抑制される。その結果、改質部の劣化が抑制され、ひいては、セルスタックの劣化が抑制される。
本発明に係る燃料電池システムにおいては、制御部は、更に、セルスタックの温度が予め定めた第1温度以上である場合に、第1制御又は第2制御を行ってもよい。この場合、改質部において改質反応が十分に行われて水素含有ガスが確実に発生させられている状態において、第1制御又は第2制御が行われる。このため、未脱硫の水素含有燃料が改質部に供給されることが確実に抑制される結果、改質部及びセルスタックの劣化が確実に抑制される。
ここで、循環路を介して改質不十分のガスが脱硫部に循環供給されると、脱硫部に対して指示値以上の水素含有燃料が供給されることになる。この場合には、脱硫触媒に対してコーキングが発生するリスクが高まり、ひいては脱硫部の脱硫性能が低下するおそれがある。また、指示値以上の水素含有燃料が脱硫部を経て改質部に供給されると、改質部におけるスチーム/カーボン比が低下してコーキングが生じ、改質部出口において、改質不十分のガスが占める割合のさらなる増加(ひいてはセルスタックの劣化)が生じるおそれがある。
そこで、本発明に係る燃料電池システムにおいては、制御部は、更に、改質部の温度が予め定めた第2温度以上である場合に、前記第1制御又は前記第2制御を行ってもよい。この場合、改質部において改質反応がより十分に行われている状態において、第1制御又は第2制御が行われる。このため、改質不十分のガスが脱硫部に循環供給されることが確実に抑制される。したがって、脱硫部及び改質部におけるコーキングが避けられ、セルスタックの劣化が確実に抑制される。
本発明に係る燃料電池システムにおいては、制御部は、更に、脱硫部の温度が予め定めた第3温度以上である場合に、第1制御又は第2制御を行ってもよい。一般的に、脱硫触媒は、水素含有燃料を吸着する。そして、脱硫触媒が昇温されるにしたがって、吸着されていた水素含有燃料が脱離していく。さらに、ある温度以上となるとその脱離がほぼなくなり、一定量の水素含有燃料が脱硫触媒に吸着されたままになる。したがって、この場合のように、脱硫部の温度を第1制御又は第2制御の契機とすれば、脱硫触媒から脱離することに起因する水素含有燃料の改質部への影響(スチーム/カーボン比の低下)を低減することが可能となる。
本発明に係る燃料電池システムにおいては、制御部は、セルスタックが発電を開始する前に、第1制御又は前記第2制御を行ってもよい。この場合、発電中に水素富化ガスの流量変化に起因して燃料利用率が上昇することを予め抑制することができ、セルスタックの劣化が確実に抑制される。
なお、ここでは、「セルスタックが発電を開始する前」であるとは、セルスタックから電流の挿引が開始される前であることを意味する。この場合、セルスタックの電圧は、セルスタックの開回路電圧である。これに対して、セルスタックから電流の挿引が行われている状態について、「セルスタックの発電中」と称する場合がある。
ここで、水素富化ガスが脱硫部に循環供給されると、上述したように脱硫部の脱硫触媒に吸着されていた水素含有燃料が脱離することにより、改質部に対して指示値以上の水素含有燃料が供給されることがある。その場合には、改質部におけるスチーム/カーボン比が一時的に下がる結果、改質不十分のガスがセルスタックに供給され、セルスタックが劣化するおそれがある。
そこで、本発明に係る燃料電池システムは、改質部に改質水を供給する改質水供給路と、改質水供給路から改質部への改質水の供給量を調整するための供給量調整部と、を更に備え、改質部は、水蒸気改質触媒を含み、制御部は、第1制御又は第2制御の前に、予め改質部におけるスチーム/カーボン比を上昇させるように供給量調整部を制御してもよい。この場合、第1制御又は第2制御の前に改質部におけるスチーム/カーボン比が予め上昇させられる。このため、上述したような理由から、改質部におけるスチーム/カーボン比が一時的に下がったとしても、改質不十分のガスが発生する程度までのスチーム/カーボン比の低下には至らず、セルスタックの劣化が抑制される。
本発明に係る燃料電池システムにおいては、制御部は、水素富化ガスの循環を停止するように流量調整部を制御する第3制御、又は、水素富化ガスの流通量を減少させるように流量調整部を制御する第4制御の前に、セルスタックの発電を停止させてもよい。この場合、発電停止後に第3制御又は第4制御を行うことにより、水素富化ガスの流量変化に起因して発電中に燃料利用率が上昇することが抑制され、セルスタックの劣化が確実に抑制される。
本発明に係る燃料電池システムにおいては、制御部は、セルスタックの発電中において、水素富化ガスの循環を停止するように流量調整部を制御する第3制御、又は、水素富化ガスの流通量を減少させるように流量調整部を制御する第4制御を行う場合には、第3制御又は第4制御の前にセルスタックの燃料利用率を予め低下させてもよい。この場合、第3制御又は第4制御の実施に起因してセルスタックにおける燃料利用率が一時的に上昇したとしても、セルスタックが劣化する程度までの燃料利用率の上昇には至らず、セルスタックが劣化することが抑制される。
本発明によれば、セルスタックの劣化を抑制可能な燃料電池システム、及び燃料電池システムの運転方法を提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池システムを示すブロック図である。 図1に示された燃料電池システムの構成を示す概略図である。 図1に示された燃料電池システムの運転方法の一例を示すフローチャートである。 図1に示された燃料電池システムの運転方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素同士、或いは相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システムを示すブロック図である。図1に示されるように、本実施形態に係る燃料電池システム1は、脱硫部2、水気化部3、改質部4、セルスタック5、オフガス燃焼部(燃焼部)6、水素含有燃料供給部7、水供給部8、酸化剤供給部9、パワーコンディショナー10、及び、制御部11を備えている。燃料電池システム1は、水素含有燃料及び酸化剤を用いて、セルスタック5にて発電を行う。セルスタック5としては、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)が採用される。
ただし、セルスタック5は、固体酸化物形燃料電池に限定されない。セルスタック5としては、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)、リン酸形燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFM:Molten Carbonate Fuel Cell)、及び、その他のものを採用することができる。また、セルスタック5の種類、水素含有燃料の種類、及び、改質方式等に応じて、図1に示される構成要素を適宜省略し、又は変更してもよい。
水素含有燃料としては、例えば、炭化水素系燃料が用いられる。炭化水素燃料としては、分子中に炭素と水素とを含む化合物(酸素等、他の元素を含んでいてもよい)、若しくはそれらの混合物が用いられる。炭化水素系燃料としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、及び、バイオ燃料が挙げられる。炭化水素系燃料は、従来の石油・石炭等の化石燃料由来のもの、合成ガス等の合成系燃料由来のもの、及び、バイオマス由来のものを適宜用いることができる。
より具体的には、炭化水素類として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、LPG(液化石油ガス)、都市ガス、タウンガス、ガソリン、ナフサ、灯油、及び、軽油等が挙げられる。アルコール類としては、メタノール、及び、エタノール等が挙げられる。エーテル類としては、ジメチルエーテル等が挙げられる。バイオ燃料としては、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、及び、バイオジェット等が挙げられる。酸化剤としては、例えば、空気、純酸素ガス(通常の除去手段で除去が困難な不純物を含んでいてもよい)、及び、酸素富化空気等が用いられる。
脱硫部2は、改質部4に供給される水素含有燃料の脱硫を行う。脱硫部2は、水素含有燃料に含有される硫黄化合物を除去するための脱硫触媒を有している。脱硫部2の脱硫方式としては、例えば、硫黄化合物を水素と反応させて除去する水添脱硫方式が採用される。脱硫部2の脱硫触媒としては、例えば、NiMo触媒とZnO触媒との組み合わせ、CoMo触媒とZnO触媒との組み合わせ、及び、Cu−ZnO−Ni触媒等が用いられる。
水気化部3は、水を加熱し気化させることによって水蒸気を生成する。水気化部3における水の加熱は、オフガス燃焼部6による熱が利用される。なお、水気化部3における水の加熱には、例えば、排ガスの熱等の燃料電池システム1内で発生する熱を利用してもよいし、別途ヒータやバーナ等の他熱源を用いてもよい。水気化部3は、生成した水蒸気を改質部4へ供給する。
改質部4は、水素含有燃料を改質して水素富化ガスを発生させる。改質部4は、発生させた水素富化ガスをセルスタック5のアノード12に供給する。また、リサイクルガスライン(循環路)Rは、改質部4で発生させた水素富化ガスの一部を、脱硫部2の上流側にリサイクルガスとして循環させる。水気化部3及び改質部4は、水素発生部20に含まれる。つまり、燃料電池システム1は、脱硫部2で脱硫された水素含有燃料を改質して水素富化ガスを発生させる水素発生部20を備えている。また、燃料電池システム1は、上述したように、水素発生部20で発生した改質ガスの一部を脱硫部2の上流側に循環させるリサイクルガスラインRを備えている。
改質部4における改質方式は、例えば、水蒸気改質、部分酸化改質、自己熱改質、及び、その他の改質方式を採用することができる。ここでは、改質部4の改質方式が水蒸気改質である場合(改質部4が水蒸気改質触媒を含む場合)を例に説明する。この場合、改質部4には、脱硫部2から水素含有燃料が供給されると共に、上述したように水気化部3から水蒸気が供給される。改質部4における改質ガスの発生に用いられる熱は、オフガス燃焼部6の熱が利用される。ただし、改質部4における改質ガスの発生に用いられる熱は、例えば、排ガスの熱等の燃料電池システム1内で発生する熱を利用してもよいし、別途ヒータやバーナ等の他熱源を用いてもよい。
なお、水素発生部20は、改質部4に代えて、又は加えて、他の構成を有する場合もある。例えば、セルスタック5が固体高分子形燃料電池(PEFC)やリン酸形燃料電池(PAFC)である場合には、水素発生部20は、改質部4から排出されたガス中の一酸化炭素除去部(例えば、シフト反応部及び選択酸化反応部等)を有することができる。
セルスタック5は、水素発生部20からの水素富化ガス及び酸化剤供給部9からの酸化剤を用いて発電を行う。セルスタック5は、水素富化ガスが供給されるアノード12と、酸化剤が供給されるカソード13と、アノード12とカソード13との間に配置される電解質14と、を備えている。セルスタック5は、パワーコンディショナー10を介して、電力を外部に供給する。セルスタック5は、発電に用いられなかった水素富化ガス及び酸化剤をオフガスとして、オフガス燃焼部6へ供給する。
オフガス燃焼部6は、セルスタック5から供給されるオフガスを燃焼させる。オフガス燃焼部6は、セルスタック5上に形成されている。オフガス燃焼部6によって発生する熱は、水気化部3に供給されて水蒸気の生成に用いられると共に、改質部4に供給されて改質ガスの発生に用いられる。
水素含有燃料供給部7は、脱硫部2に水素含有燃料を供給する。水供給部8は、水素発生部20に改質水(水)を供給する改質水供給ライン(改質水供給路)40と、改質水供給ライン40に設けられ、改質水供給ライン40から水素発生部20への水の供給量を調整するためのバルブ(供給量調整部)41と、を含んで構成されており(図2参照)、制御部11からの制御信号に基づいて駆動される。酸化剤供給部9は、セルスタック5のカソード13に酸化剤を供給する。水素含有燃料供給部7、及び、酸化剤供給部9は、例えばポンプによって構成されており、制御部11からの制御信号に基づいて駆動される。
パワーコンディショナー10は、セルスタック5からの電力を、外部での電力使用状態に合せて調整する。パワーコンディショナー10は、例えば、電圧を変換する処理や、直流電力を交流電力に変換する処理等を行う。
制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM、及び、入出力インターフェイス等を含むコンピュータとして構成される。制御部11は、例えば、そのコンピュータにおいて所定のプログラムが実行されることにより、以下に説明する制御を含む燃料電池システム1の全体の制御を行う。より具体的には、制御部11は、水素含有燃料供給部7、水供給部8、酸化剤供給部9、及び、パワーコンディショナー10等の要素、並びに、その他の後述する各要素や図示しないセンサや補機等の要素に電気的に接続されている。制御部11は、燃料電池システム1内で発生する各種信号を取得すると共に、燃料電池システム1の各要素へ制御信号を出力する。これにより、制御部11は、上述した各要素の制御を行う。
図2は、図1に示された燃料電池システムの構成を示す概略図である。図2に示されるように、燃料電池システム1においては、水素発生部20は、オフガス燃焼部6により加熱されるものであり、オフガス燃焼部6で発生する燃焼熱を受熱可能な位置に配置されている。ここでは、水素発生部20は、オフガス燃焼部6の上方においてセルスタック5に対向するように配置されている。オフガス燃焼部6は、例えばセルスタック5のアノード出口を水素発生部20側に開放することにより、水素発生部20とセルスタック5との間に画成される。オフガス燃焼部6からの排気ガスは、例えば排気触媒を介して外部に排気される。
脱硫部2は、水素発生部20及びセルスタック5を収容する筐体15に当接するように設けられている。これにより、脱硫部2には、当該筐体15内の熱(すなわち、セルスタック5を含む発電モジュールからの放熱)が伝わり、脱硫部2の温度が高温に保持される(或いは昇温される)。脱硫部2には、上述したような脱硫触媒が充填されている。なお、脱硫部2、セルスタック5、及び、水素発生部20の周囲には、断熱材(不図示)が適宜設けられる。
リサイクルガスラインRは、水素富化ガスの一部をリサイクルガスとして脱硫部2に循環させるためのものである。リサイクルガスラインRの一端(上流側)は、水素発生部20の下流に接続され、他端(下流側)は、水素含入燃料を供給するフィードライン16に設けられた水素含有燃料供給部7と逆止弁等の圧力調整部31との間に接続されている。脱硫部2は、このリサイクルガスラインRを介して導入されたリサイクルガスを利用して水素含有燃料の水添脱硫を行うことができる。
リサイクルガスラインRには、水分を除去するドレーナ(水分除去部)32、逆止弁等の圧力調整部34、及び、バルブ(流量調整部)35が、リサイクルガスの上流から下流に向かう方向にこの順で設けられている。なお、リサイクルガスラインRには、ポンプ等が更に設けられてもよい。フィードライン16における圧力調整部31の上流側には、バルブ36が設けられている。
前述の一酸化炭素除去部は、リサイクルガスラインRに設けてもよい。これにより、リサイクルガスラインRを介して脱硫部2に導入されるリサイクルガスの水素濃度が向上し、水添脱硫反応を促進することができる。特に、シフト反応を利用する一酸化炭素除去部を設ける場合、シフト反応によりリサイクルガスラインRに流通するリサイクルガスの水分量が低下する。よって、リサイクルガスに含まれる水分が凝縮することによるリサイクルガスラインRの管路閉塞を抑制することができる。
引き続いて、制御部11の制御の一例について説明する。制御部11は、セルスタック5の電圧を示す信号を入力する。制御部11は、その信号に基づいて、セルスタック5の電圧が予め定めた所定電圧F1(V)以上であるか否かを判定する。その判定の結果、セルスタック5の電圧が所定電圧F1(V)以上である場合に、制御部11は、以下のような第1制御又は第2制御を行う。
第1制御は、リサイクルガスの循環を開始するようにリサイクルガスラインRのバルブ35を制御する(バルブ35を開状態とする)ものである。そのために、制御部11は、バルブ35に対して、バルブ35を開状態とするための信号を送信する。第2制御は、バルブ35が予め開状態とされている状態において、リサイクルガスラインRにおけるリサイクルガスの流通量を増大させるようにバルブ35を制御する(バルブ35の開度を増大させる)ものである。そのために、制御部11は、バルブ35に対して、バルブ35の開度を増大させるための信号を送信する。リサイクルガスラインRにおけるリサイクルガスの流通量は、脱硫部2へのリサイクルガスの供給量である。
また、所定電圧F1(V)は、セルスタック5が発電を開始する前においては、セルスタック5の開回路電圧であり、一例として、140(V)程度である。なお、ここでは、「セルスタック5が発電を開始する前」であるとは、セルスタック5から電流の挿引が開始される前であることを意味する。一方、所定電圧F1(V)は、セルスタック5が発電中である場合には、一例として、100(V)程度である。なお、ここでは、「セルスタック5が発電中」であるとは、セルスタック5から電流の挿引が行われている状態を意味する。
セルスタック5の電圧は、セルスタック5において水素富化ガス中の水素と酸化剤中の酸素との反応が生じることにより、上述した所定電圧F1(V)以上となり得る。つまり、セルスタック5の電圧が所定電圧F1(V)以上であることは、水素発生部20において十分に改質反応が行われて水素富化ガスが生成されていることを示す。したがって、第1制御及び第2制御の契機として、セルスタック5の電圧が所定電圧F1(V)以上であることを利用すれば、水素発生部20において生成された水素富化ガスの一部を、リサイクルガスとしてリサイクルガスラインRを介して脱硫部2に供給することができる。
また、制御部11は、セルスタック5の温度を示す信号を入力する。そして、制御部11は、その信号に基づいて、セルスタック5の温度が予め定められた第1温度T1(℃)以上であるか否かを判定する。その判定の結果、セルスタック5の温度が第1温度T1(℃)以上である場合に、制御部11は、上記の第1制御又は第2制御を行う。第1温度T1(℃)は、一例として、セルスタック5が固体酸化物形燃料電池(SOFC)である場合には500℃程度であり、固定高分子形燃料電池(PEFC)である場合には60℃程度である。
セルスタック5の温度が上述した第1温度T1(℃)以上であることは、電圧と同様に、水素発生部20において十分に改質反応が行われて水素富化ガスが生成されていることを示す。したがって、第1制御及び第2制御の契機として、セルスタック5の温度が第1温度T1(℃)以上であることを更に利用すれば、リサイクルガスとして水素富化ガスを確実に脱硫部2に供給することができる。なお、セルスタック5の温度は、一例として、セルスタック5の中心付近で測定された温度とすることができる。ただし、セルスタック5の温度は、水素発生部20において十分に水素富化ガスが生成されていることの基準として用いることができればよく、その測定箇所は限定されない。
また、制御部11は、改質部4の温度を示す信号を入力する。そして、制御部11は、その信号に基づいて、改質部4の温度が予め定められた第2温度T2(℃)以上であるか否かを判定する。その判定の結果、改質部4の温度が第2温度T2(℃)以上である場合に、制御部11は、上記の第1制御又は第2制御を行う。第2温度T2(℃)は、改質部4において十分に改質反応が行われている状態の温度であり、一例として、600(℃)程度である。
このように、第1制御及び第2制御の契機として、改質部4の温度が第2温度T2(℃)以上であることを更に利用すれば、リサイクルガスとして水素富化ガスをより確実に脱硫部2に供給することができる。なお、改質部4の温度は、例えば、改質部4における改質触媒温度、或いは、改質部4から排出される水素富化ガス温度である。改質部4の温度の測定は、一例として、改質部4の出口において行うことができるが、改質部4の温度が推測可能な場所であればどこで行ってもよい。
更に、制御部11は、脱硫部2の温度を示す信号を入力する。そして、制御部11は、その信号に基づいて、脱硫部2の温度が予め定めた第3温度T3(℃)以上であるか否かを判定する。この判定の結果、脱硫部2の温度が第3温度T3(℃)以上である場合に、制御部11は、上記の第1制御又は第2制御を行う。第3温度T3(℃)は、脱硫部2の脱硫触媒の作動開始温度(以下、「作動開始温度という」)以上であること、及び、脱硫触媒におけるガス吸着量が無視し得る程度まで少なくなる温度(以下、「ガス吸着量減少温度」という)以上であることの両方を満足する温度である。
例えば、作動開始温度<ガス吸着量減少温度である場合には、第3温度T3(℃)は、ガス吸着量減少温度以上とすればよい。これに対して、作動開始温度>ガス吸着量減少温度である場合には、第3温度T3(℃)は、作動開始温度以上とすればよい。この場合の一例として、作動開始温度が250(℃)であり、ガス吸着量減少温度が150(℃)である場合には、第3温度T3(℃)は250℃以上であればよい。
また、脱硫部2の温度とは、脱硫部2の脱硫触媒の温度、或いは脱硫燃料温度である。脱硫部2の温度の測定は、一例として脱硫部2の出口において行うことができる。また、脱硫部2の温度の測定は、脱硫部2において複数の脱硫触媒が積層されている場合には、各層の出口において行うことができる。
以上のように、制御部11は、第1制御又は第2制御の実行の契機として、セルスタック5の電圧、セルスタック5の温度、改質部4の温度、及び、脱硫部2の温度を用いることができる。ただし、制御部11においては、第1制御又は第2制御の実行の契機として、少なくともセルスタック5の電圧が用いられればよく、セルスタック5の温度、改質部4の温度、及び、脱硫部2の温度については、必要に応じて1又は複数を選択し、セルスタック5の電圧に組み合わせて用いられればよい。また、制御部11は、特に、セルスタック5が発電を開始する前において、第1制御又は第2制御を行うことができる。
ここで、制御部11は、上述した第1制御又は第2制御に加えて、以下のような制御を更に行うことができる。すなわち、制御部11は、第1制御又は第2制御を行う前に、改質部4におけるスチーム/カーボン比(以下、「S/C」という)を上昇させるように、改質水供給ライン40のバルブ41を制御する。このとき、制御部11は、バルブ41の開度を増大させる信号をバルブ41に送信することにより、改質部4(水気化部3)への水の供給量を増大させ、改質部4におけるS/Cを上昇させることができる。この場合、制御部11は、改質部4におけるS/Cの上昇、及び、第1制御又は第2制御の後に、所定時間(後述する所定時間F3(min))経過後に改質部4におけるS/Cを元に戻す。
また、制御部11は、以下の第3制御又は第4制御を行うことができる。第3制御及び第4制御は、バルブ35が開状態とされてリサイクルガスラインRをリサイクルガスが流通している状態において行われる制御である。より具体的には、第3制御は、リサイクルガスの循環を停止するようにリサイクルガスラインRのバルブ35を制御する(バルブ35を閉状態とする)ものである。そのために、制御部11は、バルブ35に対して、バルブ35を閉状態とするための信号を送信する。第4制御は、リサイクルガスラインRにおけるリサイクルガスの流通量を減少させるようにバルブ35を制御する(バルブ35の開度を減少させる)ものである。そのために、制御部11は、バルブ35に対して、バルブ35の開度を減少させるための信号を送信する。
特に、制御部11は、これらの第3制御又は第4制御の前に、セルスタック5の発電を停止させることができる。或いは、制御部11は、セルスタック5の発電中に(すなわち、セルスタック5の発電を停止させずに)これらの第3制御又は第4制御を行う場合には、第3制御又は第4制御の前にセルスタック5における燃料利用率を低下させることができる。この場合、制御部11は、水素含有燃料供給部7から脱硫部2への水素含有燃料の供給量を増大させるように水素含有燃料供給部7を制御することにより、セルスタック5における燃料利用率を低下させることができる。または、セルスタック5の発電量を低下させることにより、セルスタック5における燃料利用率を低下させることができる。この場合、制御部11は、セルスタック5における燃料利用率の低下、及び、第3制御又は第4制御の後に、所定時間(後述する所定時間F6(min))経過後にセルスタック5における燃料利用率を元に戻す。
引き続いて、上述した制御部11の制御による燃料電池システム1の運転方法の一例について説明する。図3は、図1に示された燃料電池システムの運転方法の一例を示すフローチャートである。図3に示される例では、まず、制御部11が、セルスタック5が発電中であるか否かの判定を行う(工程S101)。
工程S101の判定の結果、セルスタック5が発電中でない場合、制御部11は、セルスタック5の温度が上述したような第1温度T1(℃)以上であるか否かの判定を行う(工程S102:第1工程)。この判定の結果、セルスタック5の温度が第1温度T1(℃)以上である場合、制御部11は、セルスタック5の電圧が上述したような所定電圧F1(V)以上であるか否かの判定を行う(工程S103)。
工程S103の判定の結果、セルスタック5の電圧が所定電圧F1(V)以上である場合、制御部11は、改質部4におけるS/Cを上昇させる(工程S104)。ここでは、制御部11は、バルブ41の開度を増大させる信号をバルブ41に送信することにより、改質部4(水気化部3)への水の供給量を増大させ、改質部4におけるS/CをF2+αとする。F2は予め設定されたS/Cの値であり、αがこの工程S104で増大させる増加分である。
続いて、制御部11は、リサイクルガスラインRのバルブ35を開状態とする(工程S105:第2工程)。より具体的には、ここでは、制御部11は、バルブ35に対して信号を送信することによりバルブ35を開状態とし、リサイクルガスラインRを介してリサイクルガスの循環を開始する。すなわち、この工程S105においては、制御部11は、上述した第1制御を行う。これにより、リサイクルガスラインRを介した脱硫部2へのリサイクルガスの供給が開始される。
続いて、制御部11は、工程S105において第1制御によりバルブ35を開状態とした時点から(すなわち、脱硫部2に対してリサイクルガスの供給を開始した時点から)、所定時間F3(min)に設定されたタイマのカウントを開始する(工程S106)。
そして、制御部11は、当該タイマのカウントが終了したか否か(すなわち、所定時間F3(min)だけカウントアップしたか否か)の判定を行う(工程S107)。この判定は、工程S105においてリサイクルガスラインRのバルブ35を開状態としてから(すなわち、脱硫部2に対してリサイクルガスの供給が開始され始めてから)所定時間F3(min)経過したか否かの判定に相当する。
工程S107の判定の結果、当該タイマのカウントが終了した場合(すなわち、所定時間F3(min)だけカウントアップした場合)、制御部11は、改質部4におけるS/Cを低下させる(工程S108)。ここでは、制御部11は、バルブ41の開度を減少させる信号をバルブ41に送信することにより、改質部4(水気化部3)への水の供給量を減少させ、改質部4におけるS/CをF2とする。換言すれば、ここでは、制御部11は、工程S104においてαだけ上昇させられていた改質部4のS/CをF2として元に戻す。
その後、制御部11は、セルスタック5における目標発電量をF4(W)に設定してセルスタック5の発電を開始し(工程S109)、処理を終了する。
一方、工程S102の判定の結果、セルスタック5の温度が第1温度T1(℃)以上でない場合には、所定の時間間隔で工程S102の判定を繰り返す。また、工程S103の判定の結果、セルスタック5の電圧が所定電圧F1(V)以上でない場合には、所定の時間間隔で工程S103の判定を繰り返す。更に、工程S107の判定の結果、タイマのカウントが終了していない場合(すなわち、所定時間F3(min)だけカウントアップしていない場合)、所定の時間間隔で工程S107の判定を繰り返す。
他方、工程S101の判定の結果、セルスタック5が発電中である場合、制御部11は、工程S104と同様に、改質部4におけるS/Cを上昇させる(工程S110)。続いて、制御部11は、工程S105と同様に、リサイクルガスラインRのバルブ35を開状態とする(工程S111)。続いて、制御部11は、工程S106と同様に、所定時間F3(min)に設定されたタイマのカウントを開始する(工程S112)。
続いて、制御部11は、工程S107と同様に、当該タイマのカウントが終了したか否か(すなわち、所定時間F3(min)だけカウントアップしたか否か)の判定を行う(工程S113)。工程S113の判定の結果、当該タイマのカウントが終了した場合(すなわち、所定時間F3(min)だけカウントアップした場合)、制御部11は、工程S108と同様に、改質部4におけるS/Cを低下させ(上昇分を元に戻し)(工程S114)、処理を終了する。
引き続いて、上述した制御部11の制御による燃料電池システム1の運転方法の他の一例について説明する。図4は、図1に示された燃料電池システムの運転方法の一例を示すフローチャートである。図4に示される燃料電池システム1の運転方法は、例えば、制御部11が第1制御又は第2制御を実施することにより、リサイクルガスラインRのバルブ35が開状態とされている状態で行われる。
図4に示されるように、ここでは、まず、制御部11が、セルスタック5が発電中であるか否かを判定する(工程S201)。
工程S201の判定の結果、セルスタック5が発電中である場合、制御部11は、セルスタック5における燃料利用率(Uf)を低下させる(工程S202)。ここでは、例えば、制御部11は、水素含有燃料供給部7から脱硫部2への水素含有燃料の供給量を増大させるように水素含有燃料供給部7を制御することにより、セルスタック5における燃料利用率をF5−βとする。F5は予め設定された燃料利用率の値であり、βがこの工程S202で低下させる燃料利用率の低下分である。
続いて、制御部11は、リサイクルガスラインRのバルブ35を閉状態とする(工程S203)。より具体的には、ここでは、制御部11は、バルブ35に対して信号を送信することによりバルブ35を閉状態とし、リサイクルガスラインRを介してリサイクルガスの循環を停止する。すなわち、この工程S203においては、制御部11は、上述した第3制御を行う。これにより、リサイクルガスラインRを介した脱硫部2へのリサイクルガスの供給が停止される。
続いて、制御部11は、工程S203において第3制御によりバルブ35を閉状態とした時点から(すなわち、脱硫部2に対してリサイクルガスの供給を停止した時点から)、所定時間F6(min)に設定されたタイマのカウントを開始する(工程S204)。
そして、制御部11は、当該タイマのカウントが終了したか否か(すなわち、所定時間F6(min)だけカウントアップしたか否か)の判定を行う(工程S205)。この判定は、工程S203において、リサイクルガスラインRのバルブ35を閉状態としてから(すなわち、脱硫部2に対してリサイクルガスの供給が停止されてから)所定時間F6(min)経過したか否かの判定に相当する。
工程S205の判定の結果、当該タイマのカウントが終了した場合(すなわち、所定時間F6(min)だけカウントアップした場合)、制御部11は、セルスタック5における燃料利用率(Uf)を増加させる(工程S206)。ここでは、例えば、制御部11は、水素含有燃料供給部7から脱硫部2への水素含有燃料の供給量を減少させるように水素含有燃料供給部7を制御することにより、工程S202においてβだけ低下させられていたセルスタック5における燃料利用率をF5として元に戻す。その後、処理を終了する。
なお、工程S201の判定の結果、セルスタック5が発電中でない場合には、制御部11は、リサイクルガスラインRのバルブ35を閉状態とし(すなわち、第3制御を実施し)、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態における燃料電池システム1、及びその運転方法においては、脱硫部2へのリサイクルガスの循環を開始するようにリサイクルガスラインRのバルブ35を制御する第1制御、又は、脱硫部2へのリサイクルガスの流通量を増大させるようにバルブ35を制御する第2制御が行われる。これにより、脱硫部2において、リサイクルガスを利用した水素含有燃料の脱硫が行われる。
特に、本実施形態に係る燃料電池システム1、及びその運転方法においては、第1制御及び第2制御の契機として、セルスタック5の電圧が所定電圧F1(V)以上であることを利用している。セルスタック5の電圧が所定電圧F1(V)以上であることは、改質部4において十分に改質反応が行われて水素富化ガスが発生させられ、セルスタック5に供給されていることを示す。したがって、脱硫部2においては、その水素富化ガスの一部であるリサイクルガスを利用して十分に水素含有燃料の脱硫を行うことが可能となる。これにより、未脱硫の水素含有燃料が改質部4に供給されることが抑制される。その結果、改質部4の劣化が抑制され、ひいては、セルスタック5の劣化が抑制される。
また、本実施形態に係る燃料電池システム、及びその運転方法においては、制御部11は、更に、セルスタック5の温度が予め定めた第1温度T1(℃)以上である場合に、第1制御又は第2制御を行う。この場合、改質部4において改質反応が十分に行われて水素富化ガスが確実に発生させられている状態において、第1制御又は第2制御が行われる。このため、未脱硫の水素含有燃料が改質部4に供給されることが確実に抑制される結果、改質部4及びセルスタック5の劣化が確実に抑制される。
ここで、リサイクルガスラインRを介して改質不十分のガスが脱硫部2に循環供給されると、脱硫部2に対して指示値以上の水素含有燃料が供給されることになる。この場合には、脱硫触媒に対してコーキングが発生するリスクが高まり、ひいては脱硫部2の脱硫性能が低下するおそれがある。また、指示値以上の水素含有燃料が脱硫部2を経て改質部4に供給されると、改質部4におけるS/Cが低下してコーキングが生じ、改質部4出口において、改質不十分のガスの占める割合のさらなる増加(ひいてはセルスタック5の劣化)が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態に係る燃料電池システム1においては、制御部11は、更に、改質部4の温度が予め定めた第2温度T2(℃)以上である場合に、第1制御又は第2制御を行うことができる。この場合、改質部4において改質反応がより十分に行われている状態において、第1制御又は第2制御が行われる。このため、改質不十分のガスが脱硫部2に循環供給されることが確実に抑制される。したがって、脱硫部2及び改質部4におけるコーキングが避けられ、セルスタック5の劣化が確実に抑制される。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1においては、制御部11は、更に、脱硫部2の温度が予め定めた第3温度T3(℃)以上である場合に、第1制御又は第2制御を行ってもよい。一般的に、脱硫触媒は、水素含有燃料を吸着する。そして、脱硫触媒が昇温されるにしたがって、吸着されていた水素含有燃料が脱離していく。さらに、ある温度(例えば上述したガス吸着量減少温度)以上となるとその脱離がほぼなくなり、一定量の水素含有燃料が脱硫触媒に吸着されたままになる。したがって、脱硫部2の温度を第1制御又は第2制御の契機とすれば、脱硫触媒から脱離することに起因する水素含有燃料の改質部4への影響(S/Cの低下)を低減させることが可能となる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1においては、制御部11は、セルスタック5が発電を開始する前に、第1制御又は前記第2制御を行うことができる。この場合、発電中に水素富化ガスの流量変化に起因して燃料利用率が上昇することを予め抑制することができ、セルスタックの劣化が確実に抑制される。
ここで、水素富化ガスがリサイクルガスとして脱硫部2に循環供給されると、上述したように脱硫部2の脱硫触媒に吸着されていた水素含有燃料が脱離することにより、改質部4に対して指示値以上の水素含有燃料が供給されることがある。その場合には、改質部4におけるS/Cが一時的に下がる結果、改質不十分のガスがセルスタック5に供給され、セルスタック5が劣化するおそれがある。
そこで、本実施形態に係る燃料電池システム1、及びその運転方法においては、制御部11は、第1制御又は第2制御の前に、改質部4におけるS/Cを上昇させるように改質水供給ライン40のバルブ41を制御することができる。この場合、第1制御又は第2制御の前に改質部4におけるS/Cが予め上昇させられる。このため、上述したような理由から、改質部4におけるS/Cが一時的に下がったとしても、改質不十分のガスが発生する程度までのS/Cの低下には至らず、改質不十分のガスがセルスタック5に供給されることが抑制される。よって、セルスタック5の劣化が抑制される。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1においては、制御部11は、リサイクルガスの循環を停止するようにリサイクルガスラインRのバルブ35を制御する第3制御、又は、リサイクルガスの流通量を減少させるようにバルブ35を制御する第4制御の前に、セルスタック5の発電を停止させることができる。この場合、発電停止後に第3制御又は第4制御を行うことにより、発電中に水素富化ガスの流量変化に起因する燃料利用率の上昇を抑制することができ、セルスタック5の劣化がより確実に抑制される。
更に、本実施形態に係る燃料電池システム1、及びその運転方法においては、制御部11は、セルスタック5の発電中において第3制御又は第4制御を行う場合には、第3制御又は第4制御の前にセルスタック5の燃料利用率を予め低下させることができる。この場合、第3制御又は第4制御の実施に起因してセルスタック5における燃料利用率が一時的に上昇したとしても、セルスタック5が劣化する程度までの燃料利用率の上昇には至らず、セルスタック5が劣化することが抑制される。
以上の実施形態は、本発明に係る燃料電池システム、及び、燃料電池システムの運転方法の一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る燃料電池システム、お及び、燃料電池システムの運転方法は、上述した燃料電池システム1、及び、その運転方法に限定されない。本発明に係る燃料電池システム、及び、燃料電池システムの運転方法は、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上述した燃料電池システム1、及び、その運転方法を任意に変更したものとすることができる。
例えば、図3に示される燃料電池システム1の運転方法の一例においては、制御部11は、工程S105,S111において第1制御を行うものとした。しかしながら、予めバルブ35が開状態とされリサイクルガスラインRをリサイクルガスが流通している場合には、工程S105,S111において第2制御を行うことができる。
また、図4に示される燃料電池システム1の運転方法の一例においては、制御部11は、工程S203において第3制御を行うものとした。しかしながら、制御部11は、工程S203において第4制御を行ってもよい。
また、図3に示される燃料電池システム1の運転方法においては、工程S105における第1制御の契機として、セルスタック5の温度の判定(工程S102)とセルスタック5の電圧の判定(工程S103)を利用した。しかしながら、工程S105における第1の制御の契機としては、少なくともセルスタック5の電圧の判定(工程S103)が用いられればよい。或いは、工程S105における第1制御の契機として、セルスタック5の温度の判定、改質部4の温度の判定、及び、脱硫部2の温度の判定を必要に応じて1又は複数を選択し、セルスタック5の電圧の判定に組み合わせて用いることができる。
また、燃料電池システム1及びその運転方法においては、制御部11が、改質部4におけるS/Cの上昇、及び第1制御又は第2制御の後には、所定時間F3(min)経過後に改質部4におけるS/Cを元に戻すものとした。これに対して、改質部4におけるS/Cを元に戻す契機としては、所定時間F3(min)が経過したことに代えて、オフガス燃焼部6の温度が規定値の範囲に入ったことを利用してもよい。或いは、所定時間F3(min)が経過したこと、及び、オフガス燃焼部6の温度が規定の範囲であることの両方を利用してもよく、更には、いずれか一方を他方よりも優先度を高くして利用してもよい。
更に、燃料電池システム1及びその運転方法においては、制御部11が、セルスタック5における燃料利用率の低下、及び、第3制御又は第4制御の後に、所定時間F6(min)経過後にセルスタック5における燃料利用率を元に戻すものとした。これに対して、セルスタック5における燃料利用率を元に戻す契機としては、所定時間F6(min)が経過したことに代えて、オフガス燃焼部6の温度が規定の範囲に入ったことを利用してもよい。或いは、所定時間F6(min)が経過したこと、及び、オフガス燃焼部6の温度が規定の範囲であることの両方を利用してもよく、更には、いずれか一方を他方よりも優先度を高くして利用してもよい。
1…燃料電池システム、2…脱硫部、4…改質部、5…セルスタック、20…水素発生部、35…バルブ(流量調整部)、40…改質水供給ライン(改質水供給路)、41…バルブ(供給量調整部)、R…リサイクルガスライン(循環路)。

Claims (9)

  1. 水素含有燃料の脱硫を行う脱硫部と、
    前記脱硫部で脱硫された前記水素含有燃料を改質して水素富化ガスを発生させる改質部と、
    前記改質部で発生した前記水素富化ガスを用いて発電を行うセルスタックと、
    前記水素富化ガスの一部を前記脱硫部の上流側に循環させる循環路と、
    前記循環路における前記水素富化ガスの流通量を調整するための流量調整部と、
    少なくとも前記流量調整部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記セルスタックの電圧が予め定めた所定電圧以上である場合に、前記水素富化ガスの循環を開始するように前記流量調整部を制御する第1制御、又は、前記水素富化ガスの流通量を増大させるように前記流量調整部を制御する第2制御を行う、
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御部は、更に、前記セルスタックの温度が予め定めた第1温度以上である場合に、前記第1制御又は前記第2制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御部は、更に、前記改質部の温度が予め定めた第2温度以上である場合に、前記第1制御又は前記第2制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御部は、更に、前記脱硫部の温度が予め定めた第3温度以上である場合に、前記第1制御又は前記第2制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御部は、前記セルスタックが発電を開始する前に、前記第1制御又は前記第2制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記改質部に改質水を供給する改質水供給路と、
    前記改質水供給路から前記改質部への前記改質水の供給量を調整するための供給量調整部と、を更に備え、
    前記改質部は、水蒸気改質触媒を含み、
    前記制御部は、前記第1制御又は前記第2制御の前に、前記改質部におけるスチーム/カーボン比を上昇させるように前記供給量調整部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御部は、前記水素富化ガスの循環を停止するように前記流量調整部を制御する第3制御、又は、前記水素富化ガスの流通量を減少させるように前記流量調整部を制御する第4制御の前に、前記セルスタックの発電を停止させる、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御部は、前記セルスタックの発電中において、前記水素富化ガスの循環を停止するように前記流量調整部を制御する第3制御、又は、前記水素富化ガスの流通量を減少させるように前記流量調整部を制御する第4制御を行う場合には、前記第3制御又は前記第4制御の前に前記セルスタックの燃料利用率を低下させる、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  9. 水素含有燃料の脱硫を行う脱硫部と、
    前記脱硫部で脱硫された前記水素含有燃料を改質して水素富化ガスを発生させる改質部と、
    前記改質部で発生した前記水素富化ガスを用いて発電を行うセルスタックと、
    前記水素富化ガスの一部を前記脱硫部の上流側に循環させる循環路と、
    前記循環路における前記水素富化ガスの流通量を調整するための流量調整部と、
    を有する燃料電池システムの運転方法であって、
    前記セルスタックの電圧が予め定められた所定電圧以上であるか否かを判定する第1工程と、
    前記第1工程の判定の結果、前記電圧が前記所定電圧以上である場合に、前記水素富化ガスの循環を開始するように前記流量調整部を制御する第1制御、又は、前記水素富化ガスの流通量を増大させるように前記流量調整部を制御する第2制御を行う第2工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
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