JP2016115930A - 電子素子の製造方法、可撓性基板の製造方法、積層基板および電子素子 - Google Patents

電子素子の製造方法、可撓性基板の製造方法、積層基板および電子素子 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂基板の変形を低減させる。【解決手段】支持基板10を準備し、支持基板10の一方の面上に、金属または金属酸化物を含む剥離層20を形成し、剥離層20上に樹脂基板30を形成し、樹脂基板30上に機能素子40を形成し、樹脂基板30の剥離層20側の界面に到達するときのエネルギー密度が樹脂基板30の加工閾値より小さいレーザー光を支持基板10の他方の面から照射することにより、樹脂基板30を支持基板10から分離させる。【選択図】図4

Description

本開示は、電子素子の製造方法、可撓性基板の製造方法、積層基板および電子素子に関する。
近年、携帯型の情報端末が普及している。このような情報端末等に搭載されるディスプレイ等の電子デバイス(電子素子)には、薄型化および軽量化の要請が強い。また、最近では、これらの要請に加えて、耐衝撃性および柔軟性も求められてきている。
そこで、電子デバイスを機能させる機能素子が設けられる基板として、従来のガラス基板に替えて可撓性を有する樹脂基板を用いて、この樹脂基板に機能素子を形成することによって構成された可撓性を有する電子デバイスの開発が盛んに行われている。
しかし、樹脂基板上に機能素子を形成する際、基板である樹脂基板が撓んでしまうために樹脂基板の平坦性を確保することが難しく、ガラス基板用の従来の製造プロセスを転用することが難しかった。
そこで、ガラス基板用の従来の製造プロセスを転用できるように、ガラス基板等のような硬質の支持基板を用いて、機能素子が形成された樹脂基板を製造する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、支持基板の一方の面上に樹脂基板を形成し、この樹脂基板上に機能素子を形成した後に、最終段階で支持基板の他方の面側からレーザー光を照射することにより、機能素子が形成された樹脂基板を支持基板から分離する方法が開示されている。
また、特許文献2には、支持基板の一方の面上に水素化アモルファスシリコンを剥離層として形成し、この剥離層上に樹脂基板を形成し、その後、樹脂基板上に機能素子を形成した後に、支持基板の他方の面側からレーザー光を照射することにより、機能素子が形成された樹脂基板を支持基板から分離する方法が開示されている。この方法は、レーザー光の照射によって剥離層(アモルファスシリコン)から発生する水素ガスの圧力によって、樹脂基板を支持基板から分離する方法である。
国際公開第2008/050300号 国際公開第2009/037797号
しかしながら、従来の方法では、樹脂基板と支持基板とを分離する際に、樹脂基板が変形してしまうという問題がある。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、樹脂基板の変形を低減させることを目的とする。
本開示の一態様に係る電子素子の製造方法は、支持基板を準備し、前記支持基板の一方の面上に、金属または金属酸化物を含む剥離層を形成し、前記剥離層上に樹脂基板を形成し、前記樹脂基板上に機能素子を形成し、レーザー光を前記支持基板の他方の面から前記支持基板に照射することにより、前記樹脂基板を前記支持基板から分離させる。前記支持基板に照射された前記レーザー光が前記支持基板および前記剥離層を透過して前記樹脂基板と前記剥離層との界面に到達するときの前記レーザー光のエネルギー密度は、前記レーザー光に対する前記樹脂基板の加工閾値より小さい。
本開示によれば、樹脂基板の変形を低減させることができる。
実施の形態に係る積層基板の構成を示す断面図である。 実施の形態に係る積層基板の製造方法の各工程を示す断面図である。 実施の形態に係る電子素子の構成を示す断面図である。 変形例に係る電子素子の構成を示す断面図である。 実施の形態に係る電子素子の製造方法の各工程を示す断面図である。 比較例の電子素子の製造方法の各工程を示す断面図である。 実施例1の積層基板において、支持基板から剥離した後の樹脂基板の変形の変位量の測定結果を示す図である。 実施例2の積層基板において、支持基板から剥離した後の樹脂基板の変形の変位量の測定結果を示す図である。 比較例1の積層基板において、支持基板から剥離した後の樹脂基板の変形の変位量の測定結果を示す図である。 実施例1〜9、比較例1および実験例2〜4の積層基板における、レーザー光のエネルギー密度に対する樹脂基板の変形の変位量を示す図である。 実施例1〜9および実験例2〜4の積層基板で用いた剥離層の透過率および比較例1で用いたガラス基板の透過率の測定結果を示す図である。 実施例2、10、11、12、13の積層基板における、レーザー光のエネルギー密度に対する樹脂基板の変形の変位量を示す図である。 実施例2、10、11、12、13の積層基板で用いた剥離層における透過率と膜厚との関係を示す図である。 実施例1の積層基板における、樹脂基板を剥離した後の剥離層の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例1の積層基板における、樹脂基板を剥離した後の剥離層の表面のXRD測定結果を示す図である。 実施例3の積層基板における、樹脂基板を剥離した後の剥離層の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例3の積層基板における、樹脂基板を剥離した後の剥離層の表面のXRD測定結果を示す図である。 実施例14の積層基板における、樹脂基板を剥した離後の剥離層の表面のF1sに関するXPSスペクトルの測定結果を示す図である。 実施例14の積層基板における、樹脂基板を剥離した後の剥離層の表面のIn3d5に関するXPSスペクトルの測定結果を示す図である。 実施例14の積層基板における、樹脂基板を剥離した後の樹脂基板の剥離層側界面のIn3d5に関するXPSスペクトルの測定結果を示す図である。 実施例14の積層基板における、樹脂基板を剥離した後の樹脂基板の剥離層側界面のZn2pに関するXPSスペクトルの測定結果を示す図である。 実施例15および比較例5の積層基板における、樹脂基板を剥離した後のMoW薄膜のシート抵抗値の結果を示す図である。 実施例16および比較例6の積層基板についての剥離性の違いを評価した結果を示す図である。
(本開示の実施の形態の一態様を得るに至った経緯)
以下、本開示の実施の形態の一態様を説明するのに先立ち、本実施の形態の一態様を得るに至った経緯について説明する。
上述のように、ガラス基板用の従来の製造プロセスを転用できるように、ガラス基板等のような硬質の支持基板を用いて、機能素子が形成された可撓性を有する樹脂基板を製造する方法が提案されている。
例えば、特許文献1に開示された方法は、レーザー光を照射することで樹脂基板と支持基板との接着強度を低下させることによって支持基板から樹脂基板を分離する方法である。具体的には、支持基板を透過して樹脂基板に到達したレーザー光によって、樹脂基板における支持基板との接着界面を分解している。つまり、樹脂基板を加熱したり光化学反応させたりするレーザー加工プロセスによって、樹脂基板における支持基板との接着界面を分解している。これにより、支持基板に対する樹脂基板の接着強度を低下させることができるので、支持基板から樹脂基板を分離できる。
しかしながら、この方法では、樹脂基板がレーザー光によって分解するときに発生する分解ガスの圧力によって樹脂基板が変形してしまう。樹脂基板が変形すると、樹脂基板上の機能素子がダメージを受けて損傷するおそれがある。特に、高い可撓性を得るために厚みを数μm程度にまで非常に薄くした樹脂基板では、レーザー光の照射時に発生する分解ガスの圧力によって非常に大きく変形するので、機能素子へのダメージを回避することが困難となる。また、この方法は、樹脂基板自体にレーザー光を吸収させる必要があるために、レーザー光に対して透明な基板(例えば透明樹脂)を樹脂基板として用いることができない。
一方、特許文献2に開示された方法は、支持基板と樹脂基板との間に剥離層として水素化アモルファスシリコンを形成する方法である。この方法は、レーザー光を照射することによって剥離層である水素化アモルファスシリコンから水素ガスを発生させて、その水素ガスの圧力によって樹脂基板を支持基板から分離する方法である。
しかしながら、この方法では、発生させた水素ガスの圧力によって樹脂基板の変形が発生してしまう。したがって、この方法の場合も、樹脂基板上の機能素子がダメージを受けるおそれがある。さらに、機能素子の材料として酸化物半導体が用いられている場合、発生する水素によって酸化物半導体の半導体特性が変化して信頼性が損なわれるおそれもある。
そこで、本発明者は、樹脂基板に到達するレーザー光のエネルギー密度(レーザー光の照射強度)に着目し、レーザー光によって支持基板と樹脂基板とを分離する場合であっても、レーザー光による樹脂基板の分解を抑制できる方法を見出した。
本開示は、このような知見に基づいてなされたものであり、樹脂基板を変形させることなく樹脂基板と支持基板とを分離することができる電子素子の製造方法および可撓性基板の製造方法、並びに、変形のない樹脂基板を有する積層基板および電子素子を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法は、支持基板を準備し、前記支持基板の一方の面上に、金属または金属酸化物を含む剥離層を形成し、前記剥離層上に樹脂基板を形成し、前記樹脂基板上に機能素子を形成し、レーザー光を前記支持基板の他方の面から前記支持基板に照射することにより、前記樹脂基板を前記支持基板から分離させる。前記支持基板に照射された前記レーザー光が前記支持基板および前記剥離層を透過して前記樹脂基板と前記剥離層との界面に到達するときの前記レーザー光のエネルギー密度は、前記レーザー光に対する前記樹脂基板の加工閾値より小さい。
ここで、レーザー光に対する樹脂基板の加工閾値とは、レーザー光が樹脂基板に照射されたときに、樹脂基板の分解が開始するときのレーザー光の最小のエネルギー密度のことである。機能素子は、例えば、発光素子であってもよいし、有機EL素子であってもよい。
本態様では、樹脂基板に到達するレーザー光のエネルギー密度が樹脂基板の加工閾値よりも小さくなっている。これにより、レーザー光が剥離層を透過しない場合だけではなく、レーザー光が剥離層を透過する場合であっても、レーザー光によって樹脂基板が分解されないので、支持基板と樹脂基板とを分離する際に、樹脂基板が変形してしまうことを抑制できる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記レーザー光の波長における前記剥離層の透過率が30%以下であってもよい。
本態様によれば、例えば、支持基板に損傷を与えない範囲のエネルギー密度のレーザー光を照射した場合に、支持基板および剥離層を透過したレーザー光のエネルギー密度が樹脂基板の加工閾値より小さくなる。剥離層の透過率を30%以下とすることにより、全部又は大部分のレーザー光が、剥離層を透過しなくなり、樹脂基板に到達しなくなる。したがって、レーザー光によって樹脂基板を分解させることなく支持基板と樹脂基板とを分離することができるので、樹脂基板の変形を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記剥離層は、前記金属を含み、前記金属は、亜鉛、インジウム、モリブデン、および、タングステンからなる群から選択される少なくとも1つで構成されていてもよい。
本態様によれば、レーザー光を照射することにより、支持基板と樹脂基板とを効果的に分離することができる。
あるいは、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記剥離層は、前記金属酸化物を含み、前記金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、および、酸化タングステンからなる群から選択される少なくとも1つで構成されていてもよい。
本態様の場合も、レーザー光を照射することにより、支持基板と樹脂基板とを効果的に分離することができる。
さらに、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記金属酸化物は、酸素欠損状態であってもよい。
酸素欠損状態にある金属酸化物は、酸素欠損状態にない金属酸化物の場合と比較して、レーザー光の照射時に変質が起こりやすい。例えば、レーザー光の照射によって剥離層自体の結晶性が大きく変化したり剥離層の膜自体が破壊したりする。したがって、本態様のように剥離層として酸素欠損状態の金属酸化物を用いることによって、より低いエネルギー密度のレーザー光で支持基板と樹脂基板とを分離することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記レーザー光の波長は、250nm以上11000nm以下であってもよい。
本態様によれば、支持基板を透過する所望の波長のレーザー光を用いて、樹脂基板と支持基板とを分離することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記樹脂基板は、フッ素元素を含んでいてもよい。この場合、前記レーザー光を照射することにより、前記樹脂基板と前記剥離層との界面に金属フッ素結合を有する物質が生成するとよい。
本態様によれば、剥離層に金属元素が含まれる場合に、レーザー光の照射時に樹脂基板からフッ素元素が脱離して、剥離層の金属元素とフッ素元素とが結合して金属−フッ素結合(金属フッ素結合)が生成する。これにより、剥離層と樹脂基板との間に、剥離効果を有する脆弱な層であるフッ化金属層が形成される。その結果、フッ素元素を含まない樹脂基板を用いた場合と比較して、より低いエネルギー密度のレーザー光で支持基板と樹脂基板とを分離することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記樹脂基板は、透明樹脂によって構成されていてもよい。
本態様によると、レーザー光を透過させる透明樹脂基板を用いた場合であっても、剥離層がレーザー光を吸収する。このため、透明樹脂基板上に形成された機能素子にレーザー光による損傷を与えることなく支持基板と透明樹脂基板とを分離することができる。したがって、例えば、樹脂基板側から光を取り出すボトムエミッション型の表示装置およびシースルー型の透明表示装置を容易に製造することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記剥離層の膜厚は、1000nm以下であってもよい。
本態様によれば、レーザー光によって剥離層が状態変化(結晶化、膜の崩壊)するので、樹脂基板と支持基板とを効果的に分離することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法において、前記樹脂基板の膜厚は、0.1μm以上100μm以下であってもよい。
本態様によると、厚みの薄い樹脂基板を用いた場合であっても、剥離層を透過したレーザー光によって樹脂基板が加工されないので、樹脂基板の分解に伴うガスが発生しない。このため、支持基板と樹脂基板とを分離する際に樹脂基板が変形してしまうことを抑制できる。したがって、例えば、厚さが非常に薄くて高い曲げ性を有する表示装置および伸縮性を有する表示装置を製造することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子の製造方法は、支持基板を準備し、前記支持基板の一方の面上に、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、および、酸化タングステンからなる群から選択される少なくとも1つで構成される金属酸化物を含む剥離層を形成し、前記剥離層上に、フッ素元素を含む樹脂基板を形成し、前記樹脂基板上に機能素子を形成し、前記支持基板の他方の面から前記支持基板にレーザー光を照射することにより、前記樹脂基板を前記支持基板から分離させる。
本態様によれば、レーザー光の照射時に樹脂基板からフッ素元素が脱離して、金属酸化物からなる剥離層の金属元素とフッ素元素とが結合して金属フッ素結合が生成する。これにより、剥離層と樹脂基板との間に、剥離効果を有する脆弱な層であるフッ化金属層が形成される。その結果、フッ素元素を含まない樹脂基板を用いた場合と比較して、より低いエネルギー密度のレーザー光で支持基板と樹脂基板とを分離することができる。
また、本開示の一態様に係る可撓性基板の製造方法は、支持基板を準備し、前記支持基板の一方の面上に金属または金属酸化物を含む剥離層を形成し、前記剥離層上に樹脂基板を形成し、レーザー光を前記支持基板の他方の面から前記支持基板に照射することにより、前記樹脂基板を前記支持基板から分離させる。前記支持基板に照射された前記レーザー光が前記支持基板および前記剥離層を透過して前記樹脂基板と前記剥離層との界面に到達するときの前記レーザー光のエネルギー密度は、前記レーザー光に対する前記樹脂基板の加工閾値より小さい。
本態様によれば、レーザー光が剥離層を透過する場合であっても、レーザー光によって樹脂基板が分解されないので、樹脂基板を変形させることなく支持基板から分離させることができる。これにより、変形が抑制された可撓性基板を製造することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板は、支持基板と、前記支持基板の一方の面上に配置された、金属または金属酸化物を含む剥離層と、前記剥離層上に配置された樹脂基板と、を備え、前記樹脂基板は、当該樹脂基板の前記剥離層側の界面に到達するときのエネルギー密度がレーザー光に対する前記樹脂基板の加工閾値より小さいレーザー光を前記支持基板の他方の面から照射することにより、前記支持基板から分離することが可能である。
本態様では、支持基板から樹脂基板を分離するためにレーザー光を照射しても樹脂基板がレーザー光によって分解されないので、樹脂基板が変形してしまうことを抑制できる。したがって、レーザー光によるダメージの少ない積層基板を実現できる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記レーザー光の波長における前記剥離層の透過率は、30%以下であってもよい。
本態様によれば、支持基板に損傷を与えない範囲のエネルギー密度のレーザー光を照射した場合に、支持基板および剥離層を透過したレーザー光のエネルギー密度が樹脂基板の加工閾値より小さくなる。これにより、全部又は大部分のレーザー光が、剥離層を透過しなくなり、樹脂基板に到達しなくなる。したがって、樹脂基板を分解させることなく支持基板と樹脂基板とを分離することができるので、樹脂基板の変形を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記金属は、亜鉛、インジウム、モリブデン、および、タングステンからなる群から選択される少なくとも1つで構成されていてもよい。
本態様によれば、レーザー光を照射することにより、支持基板と樹脂基板とを効果的に分離することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、および、酸化タングステンからなる群から選択される少なくとも1つで構成されていてもよい。
本態様の場合も、レーザー光を照射することにより、支持基板と樹脂基板とを効果的に剥離することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記金属酸化物は、酸素欠損状態であってもよい。
酸素欠損状態にある金属酸化物は、酸素欠損状態にない金属酸化物の場合と比較して、レーザー光の照射時に変質が起こりやすい。したがって、本態様のように、剥離層として酸素欠損状態の金属酸化物を用いることによって、より低いエネルギー密度のレーザー光で支持基板と樹脂基板とを分離することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記樹脂基板はフッ素元素を含んでいてもよい。
本態様によれば、フッ素元素を含む樹脂基板を用いることにより、レーザー照射時に樹脂基板のフッ素元素が脱離して、剥離層の金属元素とフッ素元素とが結合して金属フッ素結合が生成する。これにより、剥離層と樹脂基板との間に、剥離効果のある脆弱な層であるフッ化金属層が形成される。その結果、フッ素元素を含まない樹脂基板を用いた場合と比較して、より低いエネルギー密度のレーザー光で支持基板と樹脂基板とを分離することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記樹脂基板は、透明樹脂によって構成されていてもよい。
本態様によると、レーザー光を透過させる透明樹脂基板を用いた場合であっても、剥離層がレーザー光を吸収する。このため、透明樹脂基板上に形成された機能素子にレーザー光による損傷を与えることなく支持基板と透明樹脂基板とを分離することができる。したがって、例えば、樹脂基板側から光を取り出すボトムエミッション型の表示装置およびシースルー型の透明表示装置を製造することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記剥離層の膜厚は、1000nm以下であるとよい。
本態様によれば、レーザー光によって剥離層が状態変化するので、樹脂基板と支持基板とを効果的に分離することができる。
また、本開示の一態様に係る積層基板において、前記樹脂基板の膜厚は、0.1μm以上100μm以下であってもよい。
本態様によると、厚みの薄い樹脂基板を用いた場合であっても、剥離層を透過したレーザー光によって樹脂基板が加工されないので、樹脂基板の分解に伴うガスが発生しない。このため、支持基板と樹脂基板とを分離する際に樹脂基板が変形してしまうことを抑制できる。したがって、例えば、厚さが非常に薄くて高い曲げ性を有する表示装置および伸縮性を有する表示装置を製造することができる。
また、本開示の一態様に係る電子素子は、フッ素元素を含む樹脂基板と、前記樹脂基板の一方の面上に配置された機能素子とを備え、前記樹脂基板の他方の面側の表面層には、亜鉛、インジウム亜鉛、インジウムスズ、アルミニウム、モリブデン、および、タングステンからなる群から選択される少なくとも1つで構成される金属と、フッ素との結合を有する物質が存在する。
本態様では、レーザー照射時に樹脂基板のフッ素元素が剥離層の金属元素と結合して生成された金属フッ素結合が樹脂基板の他方の面の表面層に存在する。これにより、フッ素元素を含まない樹脂基板を用いた場合と比較して、より低いエネルギー密度のレーザー光と支持基板とを分離することができる。したがって、レーザー光によるダメージの少ない電子素子を実現できる。
(実施の形態)
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、工程(ステップ)、工程の順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成部材については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
[積層基板の構成]
まず、実施の形態に係る積層基板1について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る積層基板1の構成を示す断面図である。
図1に示すように、積層基板1は、支持基板10と、支持基板10の一方の面上に形成された剥離層20と、剥離層20の上に形成された樹脂基板30とを備える。つまり、積層基板1は、支持基板10、剥離層20および樹脂基板30の積層構造である。
[支持基板]
支持基板10は、板状の基板である。支持基板10は、可撓性を有する樹脂基板30を支持基板10の上方に形成するために、平坦性が高く、また、変形しにくい材料を用いて形成されているとよい。
また、樹脂基板30と支持基板10とを剥離する剥離工程ではレーザー光が支持基板10を透過して剥離層20に到達するようにする。このため、支持基板10の材料は、レーザー光を適度に透過させる材料であるとよい。
支持基板10の材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、又は、石英等のガラス系材料を用いることができる。その他に、支持基板10の材料としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、又は、シリコーン系樹脂等の透光性樹脂系材料を用いてもよいし、アルミナ等の透光性セラミック材料も用いてもよい。一例として、支持基板10は、板状の透明ガラス基板である。
[剥離層]
剥離層20は、支持基板10と樹脂基板30との間に形成される。本実施の形態において、剥離層20は、支持基板10上に形成される。
剥離層20は、支持基板10と樹脂基板30とを分離させるための分離層として機能する。剥離層20を用いることによって、樹脂基板30を支持基板10から剥離させることができる。
剥離層20は、レーザー光を照射することにより剥離層20そのものが変質したり剥離層20と樹脂基板30と間の界面が変質したりすることで、樹脂基板30を支持基板10から剥離することが可能な材料によって構成されているとよい。ここでいう変質とは、剥離層20が、溶融、結晶化、昇華、又は、破壊する等の物理的状態変化と、剥離層20と樹脂基板30との界面における化学反応等の化学的状態変化との両方を含む。
このような剥離層20の材料は、例えば、金属または金属酸化物を含む材料である。この場合、金属としては、亜鉛、インジウム、モリブデン、および、タングステンのうちのいずれか1つ以上で構成されているとよい。また、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、および、酸化タングステンのうちいずれか1つ以上で構成されているとよい。
より具体的には、剥離層20を構成する金属としては、亜鉛、インジウム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、マグネシウム、又は、銅等の単体金属、あるいは、アルミニウム−銅、アルミニウム−マンガン、アルミニウム−マグネシウム、又は、モリブデン−タングステンの合金等が挙げられる。
また、剥離層20を構成する金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、酸化タングステンの他に、酸化インジウム、酸化インジウムスズ亜鉛、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化リチウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、又は、酸化カルシウム等が挙げられる。
レーザー光の波長における剥離層20の透過率は、30%以下であることが望ましい。剥離層20の透過率を30%以下とすることにより、剥離層20を透過したレーザー光によって樹脂基板30が加工されて分解してしまうことを抑制し、分解ガスが発生してその分解ガスの圧力によって樹脂基板30が変形してしまうことを抑制することができる。
剥離層20の膜厚は、1nm以上1000nm以下であることが望ましい。剥離層20の膜厚を1nm以上とすることによい、レーザー光が剥離層20を透過することを抑制し、上記のように樹脂基板30が分解して樹脂基板30が変形してしまうことを抑制することができる。一方、剥離層20の膜厚が1000nm以下とすることにより、レーザー光の入射側から起こる変質が剥離層20と樹脂基板30との界面により確実に伝達され、支持基板10から樹脂基板30をより確実に剥離することができる。
また、剥離層20が金属酸化物である場合には、剥離層20は酸素欠損状態であるとよい。酸素欠損状態である金属酸化物は、酸素飽和状態である金属酸化物と比較して、レーザー光を照射したときの金属酸化物の変質の程度が大きいので、より低いエネルギー密度のレーザー光で樹脂基板30を支持基板10から剥離することができる。
[樹脂基板]
樹脂基板30は、剥離層20の上に形成される。樹脂基板30は可撓性を有する可撓性基板である。支持基板10から剥離した後の樹脂基板30の一方の面であるオモテ面(剥離層20が形成されていない面)には、例えば、発光素子等の機能素子が形成される。可撓性を有する樹脂基板30に機能素子を形成することによって、可撓性を有する電子素子を得ることができる。
樹脂基板30を構成する樹脂材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレア、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、又は、ポリアリレート等が挙げられる。なお、これらのうち2種類以上の材料が混合されて用いられてもよく、また、これらの材料は化学的に修飾されていてもよい。さらに、樹脂基板30は、単層構造であってもよいが、上記の材料のうちの2種類以上を組み合わせた多層構造であってもよい。一例として、樹脂基板30は、透明樹脂によって構成された透明樹脂基板であるが、これに限るものではない。
また、樹脂基板30の性質としては、可撓性を有する電子素子を得るために、曲げたときに容易に割れたり破壊されたりしないこと好ましい。
樹脂基板30の膜厚は、0.1μm以上100μm以下であることが望ましい。樹脂基板30の膜厚を0.1μm以上とすることにより、樹脂基板30の十分な機械的強度を得ることができる。一方、樹脂基板30の膜厚を100μm以下とすることにより、樹脂基板30が曲げやすくなり、高い可撓性を有する電子素子を得ることができる。
また、樹脂基板30は、フッ素元素(フッ素原子)を含んでいてもよい。フッ素元素を含む樹脂基板30には、C−F結合(炭素−フッ素結合)を置換基の一部として有する樹脂材料が含まれる。つまり、樹脂基板30を構成する樹脂材料の構造式には、C−F結合が含まれている。
このように、樹脂基板30にフッ素元素が含まれていることにより、金属元素を含む剥離層20が形成された支持基板10にレーザー光を照射することにより、剥離層20と樹脂基板30との界面、又は、剥離後の樹脂基板30のウラ面側の表面層には、剥離層20由来の金属元素とフッ素との結合(金属−フッ素結合)が形成される。具体的には、剥離効果を有する脆弱な層として、金属−フッ素結合(金属フッ素結合)を有するフッ化金属層が形成される。これにより、フッ素元素を含まない樹脂基板を用いた場合と比較して、より低いエネルギー密度のレーザー光で支持基板から樹脂基板を分離することができる。
また、樹脂基板30は、当該樹脂基板30の剥離層20側の界面に到達するときのエネルギー密度が樹脂基板30の加工閾値より小さいレーザー光を支持基板10のウラ面(他方の面)から照射することにより、支持基板10から分離することが可能なものとなっている。
このような樹脂基板30を用いることによって、支持基板10から樹脂基板30を分離するためにレーザー光を照射しても、レーザー光によって樹脂基板30が分解されないので、樹脂基板30が変形してしまうことを抑制できる。なお、樹脂基板30の加工閾値とは、上述のとおり、レーザー光が樹脂基板30に照射されたときに、樹脂基板30の分解が開始するときのレーザー光の最小のエネルギー密度のことである。
[積層基板の製造方法]
次に、実施の形態に係る積層基板1の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態に係る積層基板1の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図2(a)に示すように、支持基板10を準備する。
次に、図2(b)に示すように、支持基板10の一方の面上に剥離層20を形成する。剥離層20を形成する方法としては、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、CVD(化学蒸着)、又は、ALD(原子層堆積)等を用いることができる。
なお、剥離層20を形成する際、剥離層20に含まれる酸素組成比を変えてもよい。例えばスパッタリングによって剥離層20を形成する場合、酸素とアルゴンとの流量比を調整することにより剥離層20に含まれる酸素組成比を変えることができる。酸素組成比を変えることによって、剥離層20が金属酸化物によって構成されている場合、酸素含有状態の金属酸化物を形成することができる。例えば、酸素欠損状態の金属酸化物を形成することができる。
次に、図2(c)に示すように剥離層20上に樹脂基板30を形成する。樹脂基板30を形成する方法としては、液体状の樹脂材料からなる前駆体を剥離層20上に塗布して硬化させる方法であってもよいし、予め作製したフィルム状の樹脂基板30を剥離層20付きの支持基板10に貼り合わせる方法であってもよい。
なお、液体状の樹脂材料を塗布する方法としては、スリットコート、スピンコート、ディップコート、ロールコート、スプレーコート、ブレードコート、インクジェット印刷、又は、スクリーン印刷等を用いることができる。また、樹脂基板30を貼り合せる方法としては、フィルム状の樹脂基板30を接着剤を介して剥離層20付きの支持基板10に貼り合わせる方法、又は、接着剤を使わずに圧力等によって剥離層20付きの支持基板10に接合する方法等を用いることができる。
これにより、支持基板10、剥離層20および樹脂基板30が積層された積層基板1を作製することができる。
[電子素子の構成]
次に、実施の形態に係る電子素子2の構成について、図3Aおよび図3Bを用いて説明する。図3Aは、実施の形態に係る電子素子2の構成を示す断面図である。図3Bは、変形例に係る電子素子2の構成を示す断面図である。
図3Aに示すように、電子素子2は、可撓性を有する可撓性電子素子であって、樹脂基板30と、樹脂基板30の一方の面であるオモテ面の上方に形成された機能素子40とを備える。樹脂基板30は、上記と同様のものを用いることができる。
機能素子40は、例えば、可撓性を有する可撓性機能素子である。機能素子40は、特に限定されるものではないが、酸化物TFT、アモルファスシリコンTFT、ポリシリコンTFT又は有機TFT等によって構成される駆動回路素子、有機EL素子又は無機EL素子等の発光素子、タッチセンサ又は圧力センサ等のセンサ、フォトダイオード、あるいは、これらを組み合わせたものである。
本実施の形態において、機能素子40は、樹脂基板30上に直接形成されているが、樹脂基板30と機能素子40との間には、外部からの水分およびガスの透過を防止するためのバリア膜として封止層(不図示)が形成されていてもよい。
この場合、封止層としては、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜もしくは酸化ジルコニウム膜等の無機材料からなる無機膜あるいはこれらの積層膜、又は、これらの無機膜と樹脂材料からなる樹脂膜とを交互に積層した積層膜を用いるとよい。封止層に用いる樹脂材料は、樹脂基板30と同じ材料であっても異なる材料であってもよく、また、この樹脂材料には、酸化カルシウム、多孔質ゼオライト又は多孔質シリカ等がゲッター剤として含まれていてもよい。
また、図示しないが、機能素子40の上には、外部からの水分およびガスの透過を防止するためのバリア膜として封止層が形成されていたり、又は、物理的な損傷を防止したり機械的な強度を確保したりするための保護層等が形成されていてもよい。
この場合、封止層としては、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜もしくは酸化ジルコニウム膜等の無機材料からなる無機膜あるいはこれらの積層膜、又は、これら無機膜と樹脂材料からなる樹脂膜とを交互に積層した積層膜を用いるとよい。封止層に用いる樹脂材料は、樹脂基板30と同じ材料であっても異なる材料であってもよく、また、この樹脂材料には、酸化カルシウム、多孔質ゼオライト又は多孔質シリカ等がゲッター剤として含まれていてもよい。また、保護層は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂等の樹脂材料を塗布によって形成したものでもよく、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド又はシリコーン等のフィルム状の樹脂を機能素子40に貼り合せることで形成された樹脂膜であってもよい。保護層は、必要に応じて、タッチパネル、円偏光板又はカラーフィルタ等を含んでいてもよい。
また、電子素子2は、図3Bに示すように、樹脂基板30の他方の面(ウラ面)側の表面層31に金属フッ素結合(金属−フッ素結合)を有する物質が存在するものであってもよい。この場合、樹脂基板30は、フッ素元素を含む樹脂基板であり、表面層31の金属フッ素結合は、樹脂基板30に含まれるフッ素元素と、金属との結合である。具体的には、表面層31は、剥離効果を有する脆弱な層であり、金属フッ素結合を有するフッ化金属層である。この金属フッ素結合の金属は、例えば、亜鉛、インジウム亜鉛、インジウムスズ、アルミニウム、モリブデン、および、タングステンのうちいずれか1つ以上で構成され、後述する剥離層20に含まれる金属元素(金属原子)である。
[電子素子の製造方法]
次に、実施の形態に係る電子素子2の製造方法について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態に係る電子素子2の製造方法の各工程を示す断面図である。
本実施の形態では、上記の積層基板1を用いて電子素子2を製造している。つまり、図4(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)と同様であり、積層基板1を製造するまでは、上述のとおりである。具体的には、支持基板10を準備し(図4(a))、次いで、支持基板10の一方の面上に剥離層20を形成し(図4(b))、次いで、剥離層20上に樹脂基板30を形成する(図4(c))。
次に、図4(d)に示すように、樹脂基板30上に機能素子40を形成する。
次に、図4(e)に示すように、支持基板10のウラ面(剥離層20が形成された面とは反対側の面)からレーザー光Lを照射することにより、支持基板10から樹脂基板30を分離させる。具体的には、レーザー光Lを照射することにより、樹脂基板30は剥離層20から剥離する。このとき、図4(f)に示すように、樹脂基板30は、機能素子40が形成された状態で、剥離層20から剥離する。
レーザー光によって樹脂基板30を支持基板10から分離する際、樹脂基板30の剥離層20側の界面に到達するレーザー光のエネルギー密度は、樹脂基板30の加工閾値より小さくなっている。本実施の形態では、剥離層20として、照射されたレーザー光Lが剥離層20に吸収されて樹脂基板30の剥離層20との界面に到達するまでに十分減衰するものを用いている。
これにより、レーザー光Lによって樹脂基板30が分解されないので分解ガスが発生しない。このため、樹脂基板30を変形させることなく樹脂基板30を支持基板10から分離することができる。したがって、機能素子40を損傷させることなく樹脂基板30を支持基板10から分離することができる。
このようにして、樹脂基板30に機能素子40が積層された電子素子2を製造することができる。
なお、本実施の形態では、樹脂基板30に機能素子40を形成したが、機能素子40は形成しなくてもよい。この場合、積層基板1について、支持基板10から樹脂基板30を分離することで、樹脂基板30を製造することができる。つまり、本実施の形態は、樹脂基板30(可撓性基板)の製造方法にも利用できる。
また、本実施の形態において、フッ素元素を含む樹脂基板30を用いるとともに、金属または金属酸化物によって構成された剥離層20を用いるとよい。これにより、レーザー光Lの照射時に樹脂基板30からフッ素元素が脱離して、剥離層20の金属元素とフッ素元素とが結合して金属フッ素結合が生成して、剥離層20と樹脂基板30との間にフッ化金属層が形成される。あるいは、図3Bに示すように、樹脂基板30の他方の面(ウラ面)側の表面層31として、金属フッ素結合を有する物質が存在する層(フッ化金属層)が形成される。フッ化金属層は、脆弱な層であり、剥離効果を有する。したがって、フッ素元素を含まない樹脂基板を用いた場合と比較して、より低いエネルギー密度のレーザー光で樹脂基板30を支持基板10から分離することができる。
(効果等)
次に、本実施の形態の効果について、比較例と対比して説明する。図5は、比較例の電子素子の製造方法の各工程を示す断面図である。
比較例では、支持基板10と樹脂基板30との間に剥離層20を形成せずに支持基板10に樹脂基板30を直接形成している。そして、レーザー光によって支持基板10から樹脂基板30を分離させている。
具体的には、支持基板10を準備し(図5(a))、支持基板10上に樹脂基板30を形成し(図5(b))、樹脂基板30上に機能素子40を形成し(図5(c))、その後、支持基板10のウラ面からレーザー光Lを照射する(図5(d))。このとき、レーザー光Lの照射によって支持基板10を透過したレーザー光Lが樹脂基板30を分解することにより支持基板10から樹脂基板30が剥離する。
この場合、図5(e)に示すように、樹脂基板30の分解時に発生する分解ガスの圧力によって樹脂基板30が変形する。具体的には、樹脂基板30の変形は伸びであり、レーザー光照射前の伸び状態をd、レーザー光照射後の伸び状態をd+Δdとすると、伸びひずみは、[(d+Δd)/d]−1で表される。例えば、樹脂基板30が、一般的に封止膜として用いられる窒化シリコンの無機膜を有する樹脂基板である場合、封止膜が破壊される限界ひずみは0.5〜1.0%程度であるが、微小な変化によっても上層がダメージを受けてしまう。
一方、図4に示される本実施の形態に係る電子素子2の製造方法においては、支持基板10と樹脂基板30との間に剥離層20が形成されている。
さらに、剥離層20は、透過するレーザー光が樹脂基板30の加工閾値に到達しない程度の透過率を有する材料および膜厚から選択されるものである。また、本実施の形態における剥離層20は、レーザー光の照射によって剥離層20を変質させたり剥離層20と樹脂基板30との界面を変質させたりすることで樹脂基板30を支持基板10から剥離することができる性質を有する。
したがって、レーザー光によって樹脂基板30が分解されないので、樹脂基板30の分解ガスの圧力による樹脂基板30の変形が発生しない。これにより、最小限の変形量で樹脂基板30を支持基板10から剥離することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、樹脂基板を変形させることなく支持基板10と樹脂基板30とを分離することができる。これにより、支持基板10と樹脂基板30とを分離する際に、機能素子40がダメージを受けることを抑制することができる。さらに、支持基板10と樹脂基板30とを安定的かつ容易に分離することができる。
(実施例)
次に、本開示の実施例について各種実験を行ったので、その実験結果と本開示の作用効果等について説明する。なお、各種実験を行うにあたり、以下の[実施例1]〜[実施例16]、[比較例1]、[比較例5]、[比較例6]、および[実験例2]〜[実験例4]の積層基板を準備した。また、樹脂基板を構成する樹脂材料は、いずれもポリイミド(PI)に統一した。
[実施例1](IZO:0%O
支持基板10として、無アルカリガラスからなるガラス基板(EagleXG:コーニング社の登録商標)を準備した。そして、支持基板10上に、酸化インジウム亜鉛(InZnO)からなる剥離層20を成膜した。具体的には、酸化インジウム亜鉛をターゲットとして、DCマグネトロンスパッタ法で厚みが200nmのInZnO膜を成膜した。この際、スパッタの雰囲気はAr100%(酸素ガス比0%)に保った。次に、ポリアミド酸として、U−ワニスS(宇部興産社製)を剥離層20上にスピンコートで塗布し、その後、窒素雰囲気下にて400℃で焼成してイミド化することにより、厚み20μmのポリイミドからなる樹脂基板30を形成した。実施例1では、以上の方法によって、積層基板1を作製した。なお、実施例1における剥離層20(InZnO膜)は、酸素欠損状態である。
[実施例2](IZO:4%O
実施例2では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr96%O4%(酸素ガス比4%)とした以外は、実施例1と同様の方法で積層基板1を作製した。実施例2における剥離層20(InZnO膜)は、酸素欠損状態ではない。
[実施例3](IZO:10%O
実施例3では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr90%O10%(酸素ガス比10%)とした以外は、実施例1と同様の方法で積層基板1を作製した。実施例3における剥離層20(InZnO膜)は、酸素欠損状態ではない。
[実施例4](ZnO:0%O
支持基板10として、実施例1と同じガラス基板を準備した。そして、支持基板10上に、酸化亜鉛(ZnO)からなる剥離層20を成膜した。具体的には、酸化亜鉛をターゲットとして、DCマグネトロンスパッタ法で厚みが200nmのZnO膜を成膜した。この際、スパッタの雰囲気はAr100%(酸素ガス比0%)に保った。次に、ポリアミド酸として、U−ワニスS(宇部興産社製)を剥離層20上にスピンコートで塗布、その後、窒素雰囲気下にて400℃で焼成してイミド化することにより、厚み20μmのポリイミドからなる樹脂基板30を形成した。実施例4では、以上の方法によって、積層基板1を作製した。
[実施例5](ZnO:17%O
実施例5では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr83%O17%(酸素ガス比17%)とした以外は、実施例4と同様の方法で積層基板1を作製した。
[実施例6](ZnO:33%O
実施例6では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr67%O33%(酸素ガス比33%)とした以外は、実施例4と同様の方法で積層基板1を作製した。
[実施例7](AlO:2%O
支持基板10として、実施例1と同じガラス基板を準備した。そして、支持基板10上に、酸化アルミニウム(AlO)からなる剥離層20を成膜した。具体的には、酸化アルミニウムをターゲットとして、DCマグネトロンスパッタ法で厚みが200nmのAlO膜を成膜した。この際、スパッタの雰囲気はAr98%O2%(酸素ガス比2%)に保った。次に、ポリアミド酸として、U−ワニスS(宇部興産社製)を剥離層20上にスピンコートで塗布し、その後、窒素雰囲気下にて400℃で焼成してイミド化することにより、厚み20μmのポリイミドからなる樹脂基板30を形成した。実施例7では、以上の方法によって、積層基板1を作製した。
[実施例8](AlO:6%O
実施例8では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr94%O6%(酸素ガス比6%)とした以外は、実施例7と同様の方法で積層基板1を作製した。
[実施例9](ITO:0%O
支持基板10として、実施例1と同じガラス基板を準備した。そして、支持基板10上に、酸化インジウムスズ(ITO)からなる剥離層20を成膜した。具体的には、酸化インジウムスズをターゲットとして、DCマグネトロンスパッタ法で厚みが200nmのITO膜を成膜した。この際、スパッタの雰囲気はAr100%(酸素ガス比0%)に保った。次に、ポリアミド酸として、U−ワニスS(宇部興産社製)を剥離層20上にスピンコートで塗布し、その後、窒素雰囲気下にて400℃で焼成してイミド化することにより、厚み20μmのポリイミドからなる樹脂基板30を形成した。実施例9では、以上の方法によって、実施例9の積層基板1を作製した。
[実施例10](IZO:4%O、10nm)
実施例10では、剥離層20の膜厚を10nmとした以外は、実施例2と同様の方法で積層基板1を作製した。
[実施例11](IZO:4%O、50nm)
実施例11では、剥離層20の膜厚を50nmとした以外は、実施例2と同様の方法で積層基板1を作製した。
[実施例12](IZO:4%O、100nm)
実施例12では、剥離層20の膜厚を100nmとした以外は、実施例2と同様の方法で積層基板1を作製した。
[実施例13](IZO:4%O、600nm)
実施例13では、剥離層20の膜厚を600nmとした以外は、実施例2と同様の方法で積層基板1を作製した。
[実施例14](フッ素含有ポリイミド樹脂基板:20nm+IZO:100nm)
支持基板10として、実施例1と同じガラス基板を準備した。そして、支持基板10上に、酸化インジウム亜鉛(InZnO)からなる剥離層20を成膜した。具体的には、酸化インジウム亜鉛をターゲットとして、DCマグネトロンスパッタ法で厚みが200nmのIZO膜を成膜した。この際、スパッタの雰囲気はAr100%に保った。次に、ポリアミド酸として、下記の化学式(化1)に示されるポリアミド酸のDMAc(ジメチルアセトアミド)溶液を剥離層20上にスピンコートで塗布し、その後、窒素雰囲気下にて400℃で焼成してイミド化することにより、厚み20μmのポリイミドからなる樹脂基板30を形成した。実施例14では、以上の方法によって積層基板1を作製した。
[実施例15](ポリイミド基板:2μm)
実施例15では、ポリイミドからなる樹脂基板30の膜厚を2μmとした以外は、実施例1と同様の方法で積層基板1を作製した後に、スパッタ法でMoW薄膜を75nmの厚みになるように成膜して積層基板1を作製した。
[実施例16](透明ポリイミド基板)
実施例16では、ポリイミドの材料を透明ポリイミドとした以外は、実施例1と同様の方法で積層基板1を作製した。
[比較例1](剥離層なし)
支持基板10として、実施例1と同じガラス基板を準備した。そして、ポリアミド酸として、U−ワニスS(宇部興産社製)を支持基板10上にスピンコートで塗布し、その後、窒素雰囲気下にて400℃で焼成してイミド化することにより、厚み20μmのポリイミドからなる樹脂基板30を形成した。比較例1では、以上の方法によって積層基板を作製した。
[実験例2](ITO:4%O
実験例2では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr96%O4%(酸素ガス比4%)とした以外は、実施例9と同様の方法で積層基板を作製した。
[実験例3](ITO:10%O
実験例3では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr90%O10%(酸素ガス比10%)とした以外は、実施例9と同様の方法で積層基板を作製した。
[実験例4](AlO:8%O
実験例4では、剥離層20を成膜するときのスパッタ雰囲気をAr92%O8%(酸素ガス比8%)とした以外は、実施例7と同様の方法で積層基板を作製した。
[比較例5](ポリイミド基板:2μm、剥離層なし)
比較例5では、ポリイミドからなる樹脂基板30の膜厚を2μmとした以外は、比較例1と同様の方法で積層基板を作製した後に、スパッタ法でMoW薄膜を75nmの厚みになるように成膜して積層基板を作製した。
[比較例6](透明ポリイミド基板、剥離層なし)
比較例6では、ポリイミドの材料を透明ポリイミドとした以外は、比較例1と同様の方法での積層基板を作製した。
[レーザー照射時の樹脂基板の変形量の評価]
実施例1〜9、比較例1、および実験例2〜4の積層基板の各々をレーザー光で照射した時の樹脂基板30の変形量を測定した。レーザー光の照射は、ビームサイズ25mm×1.8mmのトップフラット型に整形したエキシマレーザーを用いた。また、本実験では、エネルギー密度を変えながら1ショットのみでレーザー光を照射して、支持基板10から剥離した後のレーザー光照射領域における樹脂基板30の高さ(Height)を、樹脂基板30の変形の変位量として、触針式段差計を用いて測定した。
このうち、実施例1、実施例2および比較例1の測定結果について、それぞれ図6A、図6Bおよび図6Cに示す。
図6Aに示すように、実施例1の積層基板の場合、レーザー光のエネルギー密度が244mJ/cmの条件では、ほとんど剥離できておらず樹脂基板30の浮きは発生していない。一方、レーザー光のエネルギー密度が314mJ/cmの条件では、樹脂基板30は完全に剥離できており、このときの樹脂基板30の変形の変位量はおよそ1μm程度であった。また、レーザー光のエネルギー密度が326、355mJ/cmの条件であっても、樹脂基板30は完全に剥離できており、樹脂基板30の変形の変位量は、それぞれ2μm、3μm程度であった。
また、図6Bに示すように、実施例2の積層基板の場合、レーザー光のエネルギー密度が310mJ/cm〜388mJ/cmの条件の範囲では、樹脂基板30はすべて完全に剥離できており、また、このときの樹脂基板30の変形の変位量はいずれもおよそ0.5μm程度であった。
一方、図6Cに示すように、比較例1の積層基板の場合、レーザー光のエネルギー密度が156mJ/cmの条件では、樹脂基板30の浮きはほとんど発生していないが、樹脂基板30は剥離できていなかった。また、レーザー光のエネルギー密度が168mJ/cmの条件では、樹脂基板30は完全に剥離できたが、このときの樹脂基板30の変形の変位量はおよそ1.3μm程度であり、さらに、レーザー光のエネルギー密度が、180mJ/cm、190mJ/cm、202mJ/cmと上がるに従って樹脂基板30の変形の変位量が増加していき、202mJ/cmに達した段階で、樹脂基板30の変形の変位は最大で9.2μmにまで達した。なお、202mJ/cmの条件で、樹脂基板30(ポリイミド)の一部がレーザー光によって炭化してカーボンダストの発生が見られたため、これ以上大きなエネルギー密度での検討は行わなかった。
以上の結果から、次のような考察が可能である。
すなわち、まず、樹脂基板30を支持基板10から剥離するには、一定量の樹脂基板30の変形が少なからず生じる。本実験に用いたポリイミドの機械的特性および厚みから、その変形の変位量は0.5〜1μm程度であると推定される。
また、比較例1のように、剥離層を用いない積層基板の場合には、レーザー光の照射によりポリイミドが分解することにより樹脂基板30の剥離が起こると考えられる。このとき、レーザー光によってポリイミドが分解されて分解ガスが発生し、その圧力により樹脂基板30に変形が発生する。変形の変位量は、分解ガスの発生量が多いほど大きく、レーザー光のエネルギー密度に比例する。このため、レーザー光のエネルギー密度を大きくすると樹脂基板30の剥離に必要な1μm程度の変位量を超えて大きな変形が発生する。
一方、実施例1のように、剥離層20を用いた積層基板の場合には、レーザー光のエネルギー密度が314mJ/cmの条件で、樹脂基板30は完全に剥離できており、このときの樹脂基板30の変形の変形量はおよそ1μm程度とどまっている(レーザー光のエネルギー密度を大きくしても変形量は2〜3μmにとどまっている)。また、実施例2の場合では、レーザー光のエネルギー密度によらず変形量は0.5μm程度である。これらの変形は分解ガスによるものではないと考えられる。これは、後述するように、支持基板10および剥離層20の透過率を考慮すると、剥離層20と樹脂基板30との境界面におけるレーザー光のエネルギー密度が樹脂基板30の加工閾値に達していないからである。すなわち、この結果は、レーザー光の照射により樹脂基板30のポリイミドが分解しないため、分解ガスによる樹脂基板30の変形を起こすことなく、樹脂基板30を支持基板10から剥離できることを示している。
続いて、実施例1〜9、比較例1および実験例2〜4の積層基板について、レーザー光のエネルギー密度に対する樹脂基板30の変形の変位量(Height)を図7に示す。
図7に示すように、実施例1〜9の積層基板については、レーザー光のエネルギー密度の増加に伴って変位量が増大しているが、その最大値はいずれも3μmを超えないことがわかる。これは、レーザー光が、剥離層20で吸収されて剥離層20をほとんど透過せず、樹脂基板30にほとんど到達しないからである。したがって、レーザー光を照射しても、樹脂基板30(ポリイミド)が分解しないために、分解ガスによる大きな変形が起こらず、必要十分な変形の変位量で樹脂基板30を剥離できる。
一方、比較例1および実験例2〜4の積層基板については、レーザー光のエネルギー密度の増加に伴って変位量が大幅に増大し、3μm〜9μm程度にまで達している。これは、レーザー光が樹脂基板30(ポリイミド)に到達し、到達したレーザー光のエネルギー密度が樹脂基板30の加工閾値以上である場合に、樹脂基板30の分解が起こっているためである。
以上の結果から、剥離層20を透過するレーザー光のエネルギー密度が樹脂基板30の加工閾値以下であることが、樹脂基板30の変形を抑制する上で非常に重要であることが明らかになった。
[剥離層の透過率の評価]
次に、上記の実験結果による樹脂基板30の変形の変位量と透過率との相関を調べるために、各積層基板における、レーザー光の波長における剥離層20の透過率を測定した。本実験では、実施例1〜9および実験例2〜4で用いた剥離層20の材料を石英基板上に積層し、紫外可視分光測定機で透過率を測定した。その結果を図8に示す。なお、剥離層を用いない比較例1については、そのまま同様の方法で測定した。
図8に示すように、レーザー光を照射した後の樹脂基板30(ポリイミド)の変形が比較的小さかった実施例1〜実施例9の積層基板においては、剥離層20の材料の透過率はいずれも30%以下であった。一方、樹脂基板30の変形が比較的大きかった比較例1および実験例2〜4の積層基板においては、剥離層20の材料の透過率はいずれも30%よりも大きかった。このことから、樹脂基板30の変形を抑制するのに望ましい剥離層20の透過率は30%以下である。なお、出射されるレーザー光のエネルギー密度を調整することにより、樹脂基板30の剥離層20側の界面に到達するときのレーザー光のエネルギー密度が前記樹脂基板の加工閾値より小さくし、樹脂基板30の変形を抑制することができることは言うまでもない。
また、詳細は記載しないが、本実験で用いたポリイミド材料の加工閾値は、おおよそ100mJ/cmであることが分かっている。したがって、剥離層20の透過率が30%以下とする場合、支持基板10(ガラス基板)の透過率を考慮すると、ポリイミドからなる樹脂基板30の加工閾値に達するためには、入射レーザー光のエネルギー密度は450mJ/cm以上必要になると考えられる。入射レーザー光のエネルギー密度が450mJ/cm以上になると、支持基板10自体が破損する恐れがあり、また、レーザー装置自体も高価なものになってしまう。
以上の結果から、レーザー光の波長における剥離層20の透過率を30%以下とすることにより、支持基板10が損傷することなく、樹脂基板30の変形を抑制しつつ、かつ、樹脂基板30を支持基板10から剥離することができる。
[剥離層の膜厚の効果]
次に、剥離層20の膜厚の効果を調べるために、実施例2、10、11、12、13の剥離層20の膜厚が異なる積層基板を用いて、レーザー光照射後の樹脂基板30の変化の変位量(Height)を測定した。その結果を図9に示す。
図9から明らかなように、実施例10(剥離層の膜厚10nm)および実施例11(剥離層の膜厚50nm)の積層基板については、レーザー光のエネルギー密度の増加に伴って樹脂基板30(ポリイミド基板)が大きく変形した。これは、剥離層20の透過率が高いために剥離層20を透過したレーザー光によって樹脂基板30(ポリイミド)が分解されて分解ガスが発生し、この圧力によって変形したからであると考えられる。
一方、実施例12(剥離層の膜厚100nm)の積層基板については、樹脂基板30の変形の変位量は2μm以下に抑えられており、実施例2の積層基板と同様の剥離層20の効果があることが分かった。
また、実施例13(剥離層の膜厚600nm)の積層基板については、樹脂基板30の変位自体は全くないが、樹脂基板30の剥離自体が生じていなかった。これは、樹脂基板30の膜厚が大きいためにレーザー光の照射による剥離層20の変質が樹脂基板30(ポリイミド)と剥離層20との界面にまで到達しなかったからであると考えられる。
ここで、樹脂基板30の変化の変位量の結果と剥離層20の透過率との相関を調べるために、実施例2、10、11、12、13の積層基板の各剥離層20について、レーザー光の波長における透過率を測定した。その結果を図10に示す。なお、この実験では、実施例2、10、11、12、13で用いた各剥離層20の材料を石英基板上に積層し、レーザー光の波長を308nmとして紫外可視分光測定機によって剥離層20の透過率を測定した。
図10に示すように、剥離層20の膜厚が10nm、50nmの場合には透過率がそれぞれ、76%、44%と高いために、剥離層20を透過したレーザー光のエネルギー密度が容易に樹脂基板30(ポリイミド)の加工閾値に到達し、樹脂基板30の変形を発生させていることが確認できた。なお、出射されるレーザー光のエネルギー密度を調整することにより、樹脂基板30の剥離層20側の界面に到達するときのレーザー光のエネルギー密度が前記樹脂基板の加工閾値より小さくし、そのような樹脂基板30の変形を避けることができることは言うまでもない。
[金属酸化物の酸素欠損状態と剥離との関係]
次に、金属酸化物によって構成された剥離層20の酸素欠損状態の有無による剥離のメカニズムについて、以下に説明する。本実験では、剥離のメカニズムを推定するために、実施例1および実施例3の積層基板にレーザー光を照射して樹脂基板30(ポリイミド基板)を剥離した後の剥離層20の表面状態を分析した。図11A、図11B、図12Aおよび図12Bはその分析結果を示す図である。また、図11Aおよび図11Bは実施例1の積層基板の分析結果を示しており、図12Aおよび図12Bは実施例3の積層基板の分析結果を示している。また、図11Aおよび図12Aは、剥離層20の表面の光学顕微鏡写真であり、図11Bおよび図12BはX線回折(XRD:X‐ray diffraction)の分析結果である。
実施例1における剥離層20は、酸素欠損状態の酸化インジウム亜鉛によって構成されているが、この場合、図11Aおよび図11Bに示すように、剥離層20はレーザー光の照射によって結晶化が起きず、膜の結晶性の変化は見られない。つまり、この場合、剥離層20を構成する膜自体が崩壊することにより樹脂基板30の剥離が起きていると推察される。
一方、実施例3における剥離層20は、酸素欠損状態でない酸化インジウム亜鉛によって構成されているが、この場合、図12Aおよび図12Bに示すように、剥離層20は、レーザー光の照射によって結晶化が促進されていることが明らかであり、剥離層20の結晶粒の表面が***することにより樹脂基板30が剥離していると推察される。
また、図11Bからは、酸素欠損状態である酸化インジウム亜鉛を剥離層20に用いた場合(実施例1)には、樹脂基板30を成膜しただけで、すでに剥離層20が結晶化していることが分かる(図中の「as depo」)。つまり、レーザー光を照射する前に、すでに剥離層20が結晶化している。
一方、図12Bから、酸素欠損状態でない酸化インジウム亜鉛を剥離層20に用いた場合(実施例3)には、樹脂基板30を成膜しただけでは剥離層20が結晶化しておらず、レーザー光を照射することで剥離層20が結晶化することが分かる。
したがって、剥離層20中の酸素組成比の小さい積層基板(実施例1)の方が、剥離層20中の酸素組成比の大きい積層基板(実施例3)の積層基板と比べて、結晶化の開始温度が低いということが示唆される。
さらに、図7に示すように、剥離が起こる最小のレーザー強度(=剥離閾値)は、実施例1の積層基板の方が290mJ/cm程度であるのに対して、実施例3の積層基板の方が360mJ/cm程度である。
このことから、酸素欠損状態である酸化インジウム亜鉛を剥離層20に用いた場合(実施例1)の方が、酸素欠損状態でない酸化インジウム亜鉛を剥離層20に用いた場合(実施例3)よりも、剥離に必要なエネルギー密度が低いことが分かる。
これは、酸素欠損状態である酸化インジウム亜鉛からなる剥離層20は、上述のように結晶化の開始温度が比較的低いと推察されることから、熱に対する状態変化が大きく、レーザー光を照射した場合には、低エネルギー密度で崩壊が発生するためであると考えられる。この酸素組成比と剥離閾値との関係は、他の金属酸化物でも同様の傾向であり、酸素組成比の小さい方が剥離閾値が小さい。つまり、酸素組成比が小さい金属酸化物で剥離層20を形成した方が、容易に樹脂基板30を剥離することが可能である。
[フッ素含有ポリイミドと剥離との関係]
次に、フッ素元素を含有する樹脂基板30を用いた実施例14の積層基板について、剥離閾値の低減効果と推定される剥離メカニズムとについて以下に説明する。
実施例14の積層基板にレーザー光を照射したときの剥離閾値は、210mJ/cm程度であった。一方、実施例14と同じ材料の剥離層20を用いた実施例1の積層基板にレーザー光を照射したときの剥離閾値は、290mJ/cmであった。これにより、フッ素元素を含有する樹脂基板30を用いた実施例14の積層基板の方が、フッ素元素を含有しない樹脂基板30を用いた実施例1と比べて、剥離閾値が大幅に低くなることが明らかとなった。
この剥離閾値の違いについて、本願発明者は、樹脂基板30(ポリイミド)の分子構造および樹脂基板30と剥離層20との接着界面に着目し、X線光電子分光(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)による解析を行った。その結果を図13A〜図13Dに示す。
図13Aおよび図13Bは、実施例14の積層基板にレーザー光を照射して剥離した後、または、レーザー光を照射せずに機械的な外力により剥離した後(図中の「no laser」)における、剥離層20の表面(樹脂基板30が形成された側の表面)のXPSスペクトルを示しており、図13AはF1sナロースキャンスペクトル、図13BはIn3d5ナロースキャンスペクトルである。つまり、図13Aおよび図13Bは、剥離層20と樹脂基板30との界面を剥離層20側から分析した結果を示している。
一方、図13Cおよび図13Dは、実施例14の積層基板にレーザー光を照射して剥離した後、または、レーザー光を照射せずに機械的な外力により剥離した後(図中の「no laser」)における、樹脂基板30の表面(剥離層20側の表面)のXPSスペクトルを示しており、図13CはIn3d5ナロースキャンスペクトル、図13DはZn2pナロースキャンスペクトルである。つまり、図13Cおよび図13Dは、剥離層20と樹脂基板30との界面を樹脂基板30側から分析した結果を示している。
図13Aに示すように、レーザー光を照射せずに機械的な外力により剥離した場合(「no laser」)は、剥離層20(IZO膜)の表面において、すでにIn−F結合もしくはZn−F結合に帰属されるピークが観測される。これは、剥離層20(IZO膜)上に樹脂基板30(ポリイミド)を成膜する工程で、ポリイミドとIZOとの界面で反応が起こり、ポリイミドから結合解離したフッ素原子がInまたはZnの原子上に補足されるためであると考えられる。
さらに、図13Cおよび図13Dに示すように、樹脂基板30の表面においても、レーザー光を照射せずに機械的な外力により剥離した場合(「no laser」)は、In−F結合もしくはZn−F結合に帰属されるピークがそれぞれ観測される。
これらのことから、やはり樹脂基板30(ポリイミド)と剥離層20(IZO)との界面にはInZnFOが形成されていることが示唆される。
また、図13Bに示すように、レーザー光のエネルギー密度(照射強度)の増加に伴って、剥離層20(IZO膜)の表面上におけるIn−F結合の割合が増加し、270mJ/cmではほとんどIn−F結合になっていることがわかる。
同様に、図13Cおよび図13Dに示すように、樹脂基板30(ポリイミド基板)の表面上でも、レーザー光のエネルギー密度の増加に伴って、In−F結合およびZn−F結合の割合が増加し、270mJ/cmではほとんどIn−F結合およびZn−F結合になっていることが分かる。
したがって、レーザー光のエネルギー密度が270mJ/cmの場合においては、剥離層20の表面はほぼInZnFになっており、樹脂基板30における剥離層20との界面にもInZnFが付着していることが示唆される。このことから、樹脂基板30の剥離は、InZnFと樹脂基板30との界面、または、InZnFの膜内で起きていると推察される。
また、図13Cおよび図13Dに示すように、レーザー光のエネルギー密度が310mJ/cmの場合では、InおよびZnのピーク自体が再度低下していることが分かる。このことから、樹脂基板30における剥離層20との界面には、In、Znの付着がない。したがって、この場合、図示しないが剥離層20の表面が崩壊していることから、InZnFが崩壊することにより樹脂基板30が剥離していると推察される。
以上の結果から、樹脂基板30と剥離層20との界面におけるInZnFの生成が、樹脂基板30と剥離層20との剥離現象に重要な効果をもたらしていると考えられる。すなわち、フッ素元素を含む樹脂基板30と金属を含む剥離層20との界面反応によって金属フッ化物(フッ化金属層)が生成するレーザー光のエネルギー密度は、剥離層20自体が溶融ないし結晶化するエネルギー密度よりも低い。このため、フッ素元素を含む樹脂基板30と金属または金属酸化物からなる剥離層20とを用いることで、小さなエネルギー密度のレーザー光で容易に樹脂基板30を支持基板10から剥離することができる。
なお、図示しないが、実施例2〜9で用いた剥離層20についても、フッ素元素を含む樹脂基板30を用いることで、同様の金属フッ化物(フッ化金属層)が生成されることを確認しており、上記と同様に、剥離閾値が低減する効果を有することを確認している。
[樹脂基板の膜厚に関する効果]
次に、本実施例の剥離層20を用いることによる樹脂基板の膜厚低減の効果について説明する。
本実施の形態によらない剥離方法においては、樹脂基板30(ポリイミド基板)の膜厚は、概ね20μm以上必要である。これは、樹脂基板30の膜厚が20μ未満、とりわけ3μm以下の場合には、樹脂基板30は、機械的強度が低く、また伸びやすいために、レーザー光を用いない機械的な外力による剥離方法では樹脂基板30の伸びによる機能素子の損傷が避けられず、またレーザー光を用いる場合であっても樹脂基板30の分解ガスによる樹脂基板30の変形の変位量が大きくて機能素子が損傷するからである。
一方、樹脂基板30の膜厚は、可撓性を有する電子素子の曲げ性において極めて重要な要素であり、曲げ性の高い電子素子または伸縮可能な電子素子を製造する場合には、樹脂基板30の膜厚を薄くすることが必要不可欠となる。
そこで、膜厚が薄い樹脂基板30に関する本実施の形態による剥離層20の効果を確認するために、実施例15および比較例5の積層基板に対してレーザー光を照射して樹脂基板30を剥離した後のMoW薄膜のシート抵抗値を測定した。その結果を図14に示す。なお、レーザー光のエネルギー密度は、いずれも、樹脂基板30を剥離するための最小の条件としている。
図14に示すように、剥離層を用いない比較例5の積層基板については、シート抵抗値が剥離前と比較して増加した。これは、レーザー光のエネルギー密度が剥離閾値であっても樹脂基板30の膜厚が薄いために樹脂基板30の変形の変位量が大きくMoW薄膜に損傷が発生して抵抗値が増加したからであると考えられる。
一方、剥離層20を用いた実施例15の積層基板については、シート抵抗値の増加が見られなかった。これは、レーザー光が剥離層20を透過することなく樹脂基板30を剥離することができ、樹脂基板30の変形の変位量を最小限に抑えられたからであると考えられる。
以上から、本実施例のように剥離層20を用いることにより、膜厚が3μm以下の樹脂基板30であっても機能素子40に損傷を与えることなく樹脂基板30を支持基板10から剥離することができる。
[透明ポリイミド樹脂基板に関する効果]
次に、本実施例の剥離層20を用いることによる透明ポリイミド樹脂基板に関する剥離効果について説明する。
可視光領域の波長に対する透過率が高い透明ポリイミドは、一般的に紫外領域の透過率についても通常の黄色ポリイミドよりも高く、剥離に用いるレーザー光に対する透過率が高い。したがって、透明ポリイミドによって構成された樹脂基板を支持基板に積層した積層基板では、樹脂基板でのレーザー光の吸収が小さいために樹脂基板が剥離されにくい上に、樹脂基板を透過したレーザー光によって樹脂基板上の機能素子が損傷する。
一方、ボトムエミッション型の発光装置または表示装置、もしくはシースルー型の透明電子素子または表示装置を製造する上では、樹脂基板の透過率が高いことが要求される。このため、樹脂基板の材料としては透明ポリイミドを用いることが望ましい。
ここで、透明ポリイミドによって構成された樹脂基板30を有する本実施の形態における積層基板による剥離層20の効果を確認するために、実施例16および比較例6の積層基板にレーザー光を照射して樹脂基板30の剥離性を検証した。その結果を図15に示す。なお、レーザー光のエネルギー密度は、いずれも、樹脂基板30を剥離するための最小の条件としている。
図15に示すように、剥離層20を用いた実施例16の積層基板については、樹脂基板30を支持基板10から剥離することができたが、剥離層を用いない比較例6の積層基板については、樹脂基板30を支持基板10から剥離することができず、レーザー光が樹脂基板30を透過した。
この結果から、剥離層20を用いることによってレーザー光は樹脂基板30(透明ポリイミド樹脂基板)に到達しないことが分かる。つまり、樹脂基板30の透過率は、樹脂基板30の剥離性には関与しないことが分かる。
以上から、本実施例のように剥離層20を用いることにより、透明ポリイミド樹脂によって構成された樹脂基板30を用いた場合でも、樹脂基板30を支持基板10から容易に剥離することができる。
(その他)
以上、本開示に係る電子素子の製造方法、可撓性基板の製造方法、積層基板および電子素子について、実施の形態および実施例に基づいて説明したが、本開示は上記の実施の形態および実施例に限定されるものではない。
例えば、各実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、ならびに本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態および変形例における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本発明は、可撓性を有する携帯型情報端末や可撓性を有するディスプレイ等、可撓性を有する電子機器等に広く適用することができる。
1 積層基板
2 電子素子
10 支持基板
20 剥離層
30 樹脂基板
31 表面層
40 機能素子

Claims (23)

  1. 支持基板を準備し、
    前記支持基板の一方の面上に、金属または金属酸化物を含む剥離層を形成し、
    前記剥離層上に樹脂基板を形成し、
    前記樹脂基板上に機能素子を形成し、
    前記樹脂基板の前記剥離層側の界面に到達するときのエネルギー密度が前記樹脂基板の加工閾値より小さいレーザー光を前記支持基板の他方の面から照射することにより、前記樹脂基板を前記支持基板から分離させる、
    電子素子の製造方法。
  2. 前記レーザー光の波長における前記剥離層の透過率が30%以下である、
    請求項1に記載の電子素子の製造方法。
  3. 前記剥離層は、前記金属を含み、
    前記金属は、亜鉛、インジウム、モリブデン、および、タングステンのうちのいずれか1つ以上で構成される、
    請求項1又は2に記載の電子素子の製造方法。
  4. 前記剥離層は、前記金属酸化物を含み、
    前記金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、および、酸化タングステンのうちいずれか1つ以上で構成される、
    請求項1又は2に記載の電子素子の製造方法。
  5. 前記金属酸化物は、酸素欠損状態である、
    請求項4に記載の電子素子の製造方法。
  6. 前記レーザー光の波長は、250nm以上11000nm以下である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子素子の製造方法。
  7. 前記樹脂基板は、フッ素元素を含む、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子素子の製造方法。
  8. 前記レーザー光を前記支持基板の他方の面から照射することにより、前記樹脂基板と前記剥離層との前記界面に金属フッ素結合を有する物質が生成する、
    請求項7に記載の電子素子の製造方法。
  9. 前記樹脂基板は、透明樹脂によって構成されている、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子素子の製造方法。
  10. 前記剥離層の膜厚は、1000nm以下である、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子素子の製造方法。
  11. 前記樹脂基板の膜厚は、0.1μm以上100μm以下である、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子素子の製造方法。
  12. 支持基板を準備し、
    前記支持基板の一方の面上に、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、および、酸化タングステンのうちいずれか1つ以上で構成される金属酸化物を含む剥離層を形成し、
    前記剥離層上に、フッ素元素を含む樹脂基板を形成し、
    前記樹脂基板上に機能素子を形成し、
    前記支持基板の他方の面からレーザー光を照射することにより、前記樹脂基板を前記支持基板から分離させる、
    電子素子の製造方法。
  13. 支持基板を準備し、
    前記支持基板の一方の面上に金属または金属酸化物を含む剥離層を形成し、
    前記剥離層上に樹脂基板を形成し、
    前記樹脂基板の前記剥離層側の界面に到達するレーザー光のエネルギー密度が前記樹脂基板の加工閾値より小さくなるように前記支持基板の他方の面から前記レーザー光を照射することにより、前記樹脂基板を前記支持基板から分離させる、
    可撓性基板の製造方法。
  14. 支持基板と、
    前記支持基板の一方の面上に形成された、金属または金属酸化物を含む剥離層と、
    前記剥離層上に形成された樹脂基板と、を備え、
    前記樹脂基板は、当該樹脂基板の前記剥離層側の界面に到達するときのエネルギー密度が前記樹脂基板の加工閾値より小さいレーザー光を前記支持基板の他方の面から照射することにより、前記支持基板から分離することが可能である、
    積層基板。
  15. 前記レーザー光の波長における前記剥離層の透過率は、30%以下である、
    請求項14に記載の積層基板。
  16. 前記金属は、亜鉛、インジウム、モリブデン、および、タングステンのうちのいずれか1つ以上で構成される、
    請求項14又は15に記載の積層基板。
  17. 前記金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、および、酸化タングステンのうちいずれか1つ以上で構成される、
    請求項14又は15に記載の積層基板。
  18. 前記金属酸化物は、酸素欠損状態である、
    請求項17に記載の積層基板。
  19. 前記樹脂基板はフッ素元素を含む、
    請求項14〜18のいずれか1項に記載の積層基板。
  20. 前記樹脂基板は、透明樹脂によって構成されている、
    請求項14〜19のいずれか1項に記載の積層基板。
  21. 前記剥離層の膜厚は、1000nm以下である、
    請求項14〜20のいずれか1項に記載の積層基板。
  22. 前記樹脂基板の膜厚は、0.1μ以上100μm以下である、
    請求項14〜21のいずれか1項に記載の積層基板。
  23. フッ素元素を含む樹脂基板と、
    前記樹脂基板の一方の面上に形成された機能素子とを備え、
    前記樹脂基板の他方の面側の表面層には、亜鉛、インジウム亜鉛、インジウムスズ、アルミニウム、モリブデン、および、タングステンのうちいずれか1つ以上で構成される金属と、フッ素との結合を有する物質が存在する、
    電子素子。
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