JP2010037645A - 透明積層シート及び該シートを使用した製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で、薄肉化可能な、透明性に優れ、且つ加工性良好で、加工時或いは加工後の剥離、変形のない透明性電極層含有シートを提供することを目的とした。
【解決手段】ポリカーボネート素材或いは架橋型アクリル樹脂素材と透明電極層だけで積層シートを構成することにより、熱膨張率を同一或いは類似したレベルに設定でき、異種材料間で問題となる熱膨張率が原因の加工時或いは加工後の剥離、変形のない積層シートを得た。
【選択図】図1
【解決手段】ポリカーボネート素材或いは架橋型アクリル樹脂素材と透明電極層だけで積層シートを構成することにより、熱膨張率を同一或いは類似したレベルに設定でき、異種材料間で問題となる熱膨張率が原因の加工時或いは加工後の剥離、変形のない積層シートを得た。
【選択図】図1
Description
本発明は、透明電極層を有する透明フィルム或いはシートを積層した材料であり、電気・電子分野、特にタッチパネル分野に関する。
現在タッチパネルは非常に広範な分野で利用されており、益々その対象が拡大していくことが期待されている。
従来用いられてきたガラス基板は透明性、性能信頼性に優れているが、衝撃に対する耐性に劣るため保護材が必要であり、厚みが増大することも含めて容量が大きくなる傾向にあった。また重量が無視できず、大型化するために制約があるという不都合もあった。
そのため、軽量化及び薄膜化のため種々のプラスチック材料が提案されてきた。例えば、アクリル樹脂は透明性が高く、加工性も良いが耐熱性が十分ではなく、高温条件下での使用に制限がある。
またポリエステル樹脂は耐熱性には優れているが、透明性に問題があり透明性を向上させるため延伸処理され、フィルム厚みも制約されるため他材料との併用が一般的であった。そのため加工し難い、熱膨張率の差が原因の加工時或いは加工後の接着面での剥離や反りといった不都合があった。
従来用いられてきたガラス基板は透明性、性能信頼性に優れているが、衝撃に対する耐性に劣るため保護材が必要であり、厚みが増大することも含めて容量が大きくなる傾向にあった。また重量が無視できず、大型化するために制約があるという不都合もあった。
そのため、軽量化及び薄膜化のため種々のプラスチック材料が提案されてきた。例えば、アクリル樹脂は透明性が高く、加工性も良いが耐熱性が十分ではなく、高温条件下での使用に制限がある。
またポリエステル樹脂は耐熱性には優れているが、透明性に問題があり透明性を向上させるため延伸処理され、フィルム厚みも制約されるため他材料との併用が一般的であった。そのため加工し難い、熱膨張率の差が原因の加工時或いは加工後の接着面での剥離や反りといった不都合があった。
本発明では前記の問題点を考慮し、軽量で、薄肉化可能な、透明性に優れ、且つ加工性がよく、加工時或いは加工後の剥離、変形のない透明電極層含有シートを提供することを目的とした。
本発明では上記課題を解決するために、透明性及び耐熱性に優れるポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂を選択し、このポリカーボネート素材或いは架橋型アクリル樹脂及び透明電極層だけで積層シートを構成することとした。
本発明によれば、透明性に優れるポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂からなる素材を用いたことにより厚肉化が可能となり、またフィルム及びシートとしての熱膨張率が同じ或いは類似したポリカーボネートと架橋型アクリル樹脂を使用したことにより、加工性が損なわれることがなく、加工時の熱収縮の差による剥離、変形も回避できた。
同一素材の場合は異種材料間の複雑な積層工程も省略できたため、加工時間並びに加工コストの低減も可能となった。
また耐熱性にも優れるため、自動車内装部品等に要求される実用的な温度条件にも十分に耐えることができる。
同一素材の場合は異種材料間の複雑な積層工程も省略できたため、加工時間並びに加工コストの低減も可能となった。
また耐熱性にも優れるため、自動車内装部品等に要求される実用的な温度条件にも十分に耐えることができる。
図1に本発明の概略の形態を示す。ポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂のフィルム1及びポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂のシート2が、絶縁スペーサー5を介して積層されており、フィルム1及びシート2の相対する面上には透明電極層が形成されている。
ポリカーボネートは通常知られているタイプの透明グレードに加え、変性ポリカーボネート或いは他成分を含むポリカーボネート共重合体を使用することもできる。
架橋型アクリル樹脂はグリシジルアクリレート或いはグリシジルメタクリレートとの共重合体或いは二重結合を有する成分の導入により架橋を形成できるタイプのアクリル樹脂であり、架橋時過酸化物等の助剤を使用してもよい。シート或いはフィルム成型後に放射線、紫外線、電子線等により架橋することも可能である。
フィルム或いはシートの加工は通常知られている加工方法で成型加工されたものでよく加工法に制約はない。また加工時に必要に応じて、通常の加工で用いられる紫外線防止剤、酸化防止剤、難燃材等を任意に添加することも可能である。
透明電極層は酸化インジウム錫の他、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛、酸化アルミニウム亜鉛、酸化亜鉛ガリウム或いは酸化インジウムタングステン等から任意に選択可能である。ポリカーボネートフィルム或いはシート表面上への透明電極層の形成は通常知られているスパッタリング或いはイオンプレーティングにより実施することができる。この透明電極層の電気抵抗はその形成方法或いは厚みにより変化するが、抵抗値500Ω/□前後が好ましい。
ポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂のフィルム1及びシート2は絶縁性スペーサー5を介して積層される。スペーサー5の幅及び厚みは使用目的により任意に選択可能であり、制約はない。
場合により、フィルム1及びシート2の外側面をハードコート処理することも可能である。特に上面のフィルム層表面をハードコート処理し、耐傷性を付与することはタッチパネル製品を目的とする場合には好ましい。
ポリカーボネートは通常知られているタイプの透明グレードに加え、変性ポリカーボネート或いは他成分を含むポリカーボネート共重合体を使用することもできる。
架橋型アクリル樹脂はグリシジルアクリレート或いはグリシジルメタクリレートとの共重合体或いは二重結合を有する成分の導入により架橋を形成できるタイプのアクリル樹脂であり、架橋時過酸化物等の助剤を使用してもよい。シート或いはフィルム成型後に放射線、紫外線、電子線等により架橋することも可能である。
フィルム或いはシートの加工は通常知られている加工方法で成型加工されたものでよく加工法に制約はない。また加工時に必要に応じて、通常の加工で用いられる紫外線防止剤、酸化防止剤、難燃材等を任意に添加することも可能である。
透明電極層は酸化インジウム錫の他、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛、酸化アルミニウム亜鉛、酸化亜鉛ガリウム或いは酸化インジウムタングステン等から任意に選択可能である。ポリカーボネートフィルム或いはシート表面上への透明電極層の形成は通常知られているスパッタリング或いはイオンプレーティングにより実施することができる。この透明電極層の電気抵抗はその形成方法或いは厚みにより変化するが、抵抗値500Ω/□前後が好ましい。
ポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂のフィルム1及びシート2は絶縁性スペーサー5を介して積層される。スペーサー5の幅及び厚みは使用目的により任意に選択可能であり、制約はない。
場合により、フィルム1及びシート2の外側面をハードコート処理することも可能である。特に上面のフィルム層表面をハードコート処理し、耐傷性を付与することはタッチパネル製品を目的とする場合には好ましい。
本発明の実施例を説明する。
全光線透過率は濁度計(日本電色工業(株)製NDH5000)を用いて測定した。層間の密着性及び反りは目視観察による。
[実施例1]
全光線透過率は濁度計(日本電色工業(株)製NDH5000)を用いて測定した。層間の密着性及び反りは目視観察による。
[実施例1]
図1に示すフィルム1及びシート2として、市販のポリカーボネートフィルム(厚み180μm)及びシート(厚み0.8mm)を準備し、それぞれの片面上にInO390重量%+SnO210重量%焼結ターゲットを用い、DC放電によるスパッタリングを60秒間実施し、酸化インジウム錫膜(厚み約1300Å)を形成させた。フィルム1及びシート2を100mm□に切り出し、透明電極層を内側にして、スペーサーを介してエポキシ接着剤で張り合わせた積層シートの光透過性は85%であり、単品のポリカーボネートシートと同レベルであった。次いで、この積層シートを130℃の雰囲気下に30分保持した後、その外観を観察したが、反り、収縮、剥離等の現象は認められなかった。
結果を表1に示す。
[実施例2]
結果を表1に示す。
[実施例2]
フィルム1及びシート2として市販のアクリル樹脂フィルム(厚み80μm、巴川製紙シールクス)及び市販シート(厚み1.0mm)を用いた以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。この積層シートの光透過性は91%であった。次いで、この積層シートを130℃の雰囲気下に30分保持した後、その外観を観察したが、反り、収縮、剥離等の現象は認められなかった。
結果を表1に示す。
[実施例3]
結果を表1に示す。
[実施例3]
フィルム1として市販のアクリル樹脂フィルム(厚み80μm、巴川製紙シールクス)及びシート2として市販のポリカーボネート(厚み0.8mm)を用いた以外は実施例1と同様に積層シートを作製し、加熱処理を行った。反り、収縮、剥離等の現象は認められなかった。
結果を表1に示す。
[比較例1]
結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1のフィルム1の代わりに市販のポリエステル(厚み180μm)の片面に実施例1と同様にして透明電極層を形成したフィルムを用い、またシート2の代わりにポリカーボネートシート(厚み0.8mm)の上に上述の透明電極層を有するポリエステルフィルムをアクリル系透明接着剤を塗布して張り合わせたシートを用いた以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。
この積層シートの光透過率は84%であった。130℃の雰囲気で30分保持した後の外観をみると一部に剥離が生じ、若干の反りも認められた。
結果を表1に示す。
この積層シートの光透過率は84%であった。130℃の雰囲気で30分保持した後の外観をみると一部に剥離が生じ、若干の反りも認められた。
結果を表1に示す。
1 ポリカーボネートフィルム或いは架橋型アクリル樹脂フィルム
2 ポリカーボネートシート或いは架橋型アクリル樹脂シート
3 透明電極層
4 透明電極層
5 絶縁スペーサー
6 ハードコート層
2 ポリカーボネートシート或いは架橋型アクリル樹脂シート
3 透明電極層
4 透明電極層
5 絶縁スペーサー
6 ハードコート層
Claims (8)
- ポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂からなる透明フィルム或いはシートの片面上に透明電極層を有する一対の上部電極シート及び下部電極シートから構成される積層シートであって、その電極層間に配置された絶縁物よりなるスペーサーを介して対向配置されていることを特徴とするポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂及び透明電極層からなる透明積層シート。
- 上部電極シートが架橋型アクリル樹脂であり、下部電極シートがポリカーボネートであることを特徴とする第1項記載の透明積層シート。
- ポリカーボネート或いは架橋型アクリル樹脂からなる透明フィルム或いはシートの透明電極層を有する面に相対する面の少なくとも一方がハードコート処理されていることを特徴とする第1、2項記載の透明積層シート。
- 架橋型アクリル樹脂がエポキシ基を含有し、該エポキシ基を利用して架橋を形成していることを特徴とする第1〜3項記載の透明積層シート。
- 上部電極シートの厚みが100〜300μm、好ましくは150〜200μmであり、下部電極シートの厚みが0.5〜1.5mm、好ましくは0.7〜0.9mmであることを特徴とする第1〜4項記載の透明積層シート。
- 透明電極層が酸化インジウム錫、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛、酸化アルミニウム亜鉛、酸化亜鉛ガリウム及び酸化インジウムタングステンから選ばれる金属酸化物のスパッタリング或いはイオンブレーティングにより形成されることを特徴とする第1〜5項記載の透明積層シート。
- その使用対象がタッチパネルであることを特徴とする第1〜6項記載の透明積層シート。
- その使用対象がカーナビゲーション等の車載機器、携帯電話等の通信機器、モバイル機器、FA機器、OA機器及びゲーム機器であることを特徴とする第1〜7項記載の透明積層シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008217298A JP2010037645A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | 透明積層シート及び該シートを使用した製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008217298A JP2010037645A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | 透明積層シート及び該シートを使用した製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010037645A true JP2010037645A (ja) | 2010-02-18 |
Family
ID=42010488
Family Applications (1)
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JP2008217298A Pending JP2010037645A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | 透明積層シート及び該シートを使用した製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010037645A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013060632A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | National Central Univ | 純すずターゲット材料がマグネトロンスパッタ法を利用したフッ素ドープ酸化すず薄膜の製造方法 |
JP2015193847A (ja) * | 2015-06-05 | 2015-11-05 | 日立化成株式会社 | 熱放射性塗料、及びそれを塗布した発光ダイオード(led)照明、ヒートシンク、太陽電池モジュール用バックシート |
-
2008
- 2008-07-31 JP JP2008217298A patent/JP2010037645A/ja active Pending
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