JP2016110016A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溝加工により複数本の溝を形成する場合であっても、反り返るような変形が生じにくい光学素子の製造方法を提供する。【解決手段】光学素子の製造方法は、表面31Aおよび裏面31Bを有する樹脂基板31Mと、樹脂基板31Mのヤング率よりも高いヤング率を有する基材33とを準備する工程と、樹脂基板31Mの裏面31Bに接着層32を設け、接着層32を介して基材33を樹脂基板31Mの裏面31Bに接合する工程と、樹脂基板31Mの表面31Aに溝加工を施すことにより、表面31Aから裏面31Bに向かって延びる複数本の溝34を樹脂基板31Mに形成する工程と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、複数本の溝が形成された樹脂基板を備える光学素子およびその製造方法に関する。
下記の特許文献1〜3に開示されているように、マイクロミラーアレイなどの光学素子においては、複数本の溝が樹脂基板に形成される。複数本の溝は、ダイシング加工機を用いて樹脂基板に溝加工が施されることで、樹脂基板の表面に形成される。
特開2014−032394号公報 特開2013−254145号公報 特開2013−210610号公報
樹脂基板は、ガラスに比べて柔らかい。ダイシング加工機を用いて樹脂基板に溝加工を施すと、基板表面側と基板裏面側との間に残留応力の差が発生しやすい。その結果、完成品としての光学素子は、樹脂基板の表面側が膨らむように反り返る場合がある(この現象はトワイマン効果と言われる)。基板の変形は、光学素子としての性能や品質に影響する。
本発明は、溝加工により複数本の溝を形成する場合であっても、反り返るような変形が生じにくい光学素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に基づく光学素子の製造方法は、表面および裏面を有する樹脂基板と、上記樹脂基板のヤング率よりも高いヤング率を有する基材とを準備する工程と、上記樹脂基板の上記裏面に接着層を設け、上記接着層を介して上記基材を上記樹脂基板の上記裏面に接合する工程と、上記樹脂基板の上記表面に溝加工を施すことにより、上記表面から上記裏面に向かって延びる複数本の溝を上記樹脂基板に形成する工程と、を備える。
好ましくは、上記複数本の溝を形成する工程においては、上記複数本の溝が、上記裏面に設けられた上記接着層に到達するように形成されることで、上記樹脂基板は複数の部位に分割される。
好ましくは、上記基材を準備する工程は、表面に反射防止膜が成膜された上記基材が準備される。
好ましくは、上記基材を準備する工程においては、ガラスから形成された上記基材が準備される。
好ましくは、上記基材を準備する工程においては、強化ガラスから形成された上記基材が準備される。
好ましくは、上記基材を準備する工程においては、上記基材と上記樹脂基板との相対位置、および/または、上記基材と他の光学素子との相対位置を規定するための位置決め部が設けられた上記基材が準備される。
本発明に基づく光学素子は、表面および裏面を有する樹脂基板と、上記樹脂基板のヤング率よりも高いヤング率を有する基材と、上記樹脂基板の上記裏面に設けられ、上記基材を上記樹脂基板の上記裏面に接合する接着層と、を備え、上記樹脂基板には、上記表面から上記裏面に向かって延びる複数本の溝が形成されている。
好ましくは、上記複数本の溝は、上記裏面に設けられた上記接着層に到達するように形成されており、上記樹脂基板は、上記複数本の溝によって複数の部位に分割されている。
好ましくは、上記基材の表面には、反射防止膜が成膜されている。
好ましくは、上記基材は、ガラスから形成されている。
好ましくは、上記基材は、強化ガラスから形成されている。
好ましくは、上記基材には、上記基材と上記樹脂基板との相対位置、および/または、上記基材と他の光学素子との相対位置を規定するための位置決め部が設けられている。
上記の構成によれば、溝加工により複数本の溝を形成する場合であっても、反り返るような変形が生じにくい光学素子およびその製造方法を提供することができる。
実施の形態1における光学素子を備えたマイクロミラーアレイを示す斜視図である。 実施の形態1における光学素子を備えたマイクロミラーアレイの分解した状態を示す斜視図である。 図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第1工程を示す断面図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第2工程を示す断面図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第3工程を示す断面図である。 比較例における光学素子の製造方法の第1工程を示す断面図である。 比較例における光学素子の製造方法の第2工程を示す断面図である。 比較例における光学素子の製造方法の第3工程を示す断面図である。 実施の形態2における光学素子およびその製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3における光学素子およびその製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4における光学素子およびその製造方法を説明するための斜視図である。 実施の形態5における光学素子およびその製造方法(第1工程)を説明するための断面図である。 実施の形態5における光学素子およびその製造方法(第2工程)を説明するための平面図である。 実施の形態5における光学素子およびその製造方法(第3工程)を説明するための平面図である。 実施の形態5における光学素子およびその製造方法(第4工程)を説明するための断面図である。 実験例に関する実験条件および結果を示す図である。
各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。以下の各実施の形態は、光学素子を備えたマイクロミラーアレイに基づいてその説明が為されるが、以下に開示される光学素子としての技術思想は、マイクロミラーアレイ以外にも適用され得るものである。
[実施の形態1]
(光学素子)
図1〜図3を参照して、実施の形態1における光学素子10,20について説明する。図1は、光学素子10,20を備えたマイクロミラーアレイ100を示す斜視図であり、図2は、マイクロミラーアレイ100の分解した状態を示す斜視図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図1に示すように、マイクロミラーアレイ100は、マイクロミラーアレイ100の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、マイクロミラーアレイ100に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させることができる。すなわちマイクロミラーアレイ100は、3次元または2次元の物体および画像などを空間に結像するための結像光学素子として機能することができる。
図1および図2に示すように、本実施の形態のマイクロミラーアレイ100を構成する光学素子10,20は、互いに略同一の構成を有する。光学素子10,20は、樹脂基板31、接着層32および基材33を備える。樹脂基板31、接着層32および基材33は、いずれも高い透明性(たとえば透過率80%以上)を有する部材から形成されていることが好ましい。
樹脂基板31は、表面31Aおよび裏面31Bを有する。樹脂基板31は、平板状の形状を有し、その材質はたとえばアクリルやポリカーボネートである。基材33は、樹脂基板31のヤング率(曲げ応力)よりも高いヤング率を有する。基材33の材質は、たとえばガラスまたは強化ガラスである。接着層32は、樹脂基板31の裏面31Bに設けられ、基材33を樹脂基板31の裏面31Bに接合する。
樹脂基板31の表面31Aには、表面31Aから裏面31Bに向かって延びる複数本の溝34が、ダイサー50(図6参照)を用いた溝加工(ダイシング加工)により所定の間隔で形成されている。本実施の形態では、複数本の溝34は、樹脂基板31の端面31Cから端面31Dに到達する長さで、互いに平行に延在している。
2枚の光学素子10,20は、各々の樹脂基板31上に設けられた複数本の溝34の延びる方向が平面視で互いに直交するように配置される。本実施の形態では、溝34が形成された光学素子10の表面31Aと、溝34が形成された光学素子20の表面31Aとが互いに当接するようにして、マイクロミラーアレイ100が構成されている。光学素子10,20は、たとえば光硬化性を有する樹脂によって互いに接合される。
(光学素子の製造方法)
図4〜図6を参照して、光学素子10,20の製造方法について説明する。光学素子20は、光学素子10と同一の製造方法を使用して作成可能であるため、ここでは光学素子10に着目してその製造方法について説明する。
図4を参照して、まず、表面31Aおよび裏面31Bを有する樹脂基板31M(素板)と、樹脂基板31Mのヤング率よりも高いヤング率を有する基材33とが準備される。樹脂基板31Mの材質はたとえばアクリルやポリカであり、基材33の材質はたとえばガラスまたは強化ガラスである。図4中の矢印に示すように、樹脂基板31Mの裏面31Bには、接着層32が設けられる(貼り合わされる)。次に、接着層32を介して基材33を樹脂基板31Mの裏面31Bに接合する。
図5を参照して、基材33、接着層32および樹脂基板31Mからなる三層構造の積層体を、加工テーブル40の上に載置する。加工テーブル40には、複数の吸引孔41が設けられている。複数の吸引孔41を通して吸気することで、基材33の裏面が加工テーブル40の表面に真空吸着し、基材33、接着層32および樹脂基板31Mからなる積層体は加工テーブル40の表面に固定される。
図6を参照して、ダイサー50(回転刃)を用いて、樹脂基板31Mの表面31Aに溝加工が施される。これにより、表面31Aから裏面31Bに向かって延びる複数本の溝34が樹脂基板31Mに形成される。その後、吸引孔41による吸引が解除される。以上のようにして、図2等に示す光学素子10が得られる。上述の通り(図1参照)、溝34が形成された光学素子10の表面31Aと、溝34が形成された光学素子20の表面31Aとを互いに当接するようにして固定することで、マイクロミラーアレイ100が構成される。
(作用および効果)
樹脂基板31に溝加工を施すと、基板表面側と基板裏面側との間に残留応力の差が発生しやすい。本実施の形態では、樹脂基板31のヤング率よりも高いヤング率を有する基材33が樹脂基板31の裏面31Bに接合される。残留応力の差が発生したとしても、樹脂基板31に接合された基材33の存在は、樹脂基板31の変形を抑制するように作用する。
したがって、基材33は、反りの発生を抑制する手段として機能し、基材33の存在によって樹脂基板31の表面31Aの側に膨らむような反りが生じることを効果的に抑制可能となる。基材33がガラス製や強化ガラス製(いずれも透過率は80%以上であることが好ましい)である場合には、光学素子10,20の強度も向上するため、製品としての取り付け性も向上する。基材33が強化ガラス製である場合には、樹脂基板31の劣化を防止したり、耐候性が向上したりといったさらなる効果も期待できる。なお、基材33は、樹脂基板31に溝加工を施した後に接合されてもよい。この場合には、基材33が発生した反りを矯正することになるため、上述の場合と同様に、反り返るような変形が生じにくい光学素子およびその製造方法が得られることになる。
[比較例]
図7〜図9を参照して、比較例における光学素子10Z(図9)およびその製造方法について説明する。比較例においては、光学素子10が、そのままの形で加工テーブル40上に載置され、溝加工が行われる(図7,図8参照)。溝加工によって、表面31Aから裏面31Bに向かって延びる複数本の溝34が樹脂基板31Mに形成される。その後、吸引孔41による吸引が解除される。
図9を参照して、樹脂基板31の表面31A側と裏面31B側との間に生じた残留応力の差に起因して、完成品としての光学素子10Zには、樹脂基板31の表面31A側が膨らむような反り返りが発生している。このような変形は、光学素子10Zとしての性能や品質に影響し、たとえば結像される映像が歪む原因となる。このような歪は、光学素子10Zが大型になることでさらにその影響が大きくなる。
[実施の形態2]
図10を参照して、実施の形態2における光学素子10Aおよびその製造方法について説明する。光学素子10Aにおいては、複数本の溝34が、樹脂基板31の裏面31Bに設けられた接着層32に到達するように形成され、樹脂基板31は、複数本の溝34によって複数の部位31Nに分割される(すなわち、溝深さ=樹脂厚みTH)。
当該構成によれば、樹脂基板31の部分が厚さ方向において全て切断されるため、溝加工の後に樹脂基板31に残留する応力の値を実質的にゼロにできる。樹脂基板31の表面31Aの側に膨らむような反りが生じることはほとんどなくなる。柱状の部位31Nを接着層32により保持するという構成によれば、光学素子10Aの厚さをより薄くするということも可能となる。
[実施の形態3]
図11を参照して、実施の形態3における光学素子10Bおよびその製造方法について説明する。本実施の形態では、基材33を準備する工程において、基材33の表面に反射防止膜35が成膜された基材33が準備される。基材33は、反射防止膜35が製膜されていない面が、接着層32を介して樹脂基板31の裏面31Bに接合される。
反射防止膜35の存在は、結像により得られた画像ないし映像の視認性を向上させるため、光学素子10Bとしての性能や品質を向上させることができる。反射防止膜35はヤング率の高い基材33に設けられるため、反射防止膜35が反りの影響を受けることはほとんどない。好ましくは、反射防止膜35は、基材33を樹脂基板31に接着する直前の工程に置いて基材33に設けられるとよい。
基材33は、樹脂基板31とは別部材である。すなわち、基材33には反射防止膜35とは異なる他の加工を施すこともできる。加熱しても変形しにくい材質を基材33に採用した場合には、加熱等のコーティング条件範囲も広がり、設計自由度が上がる。
[実施の形態4]
図12を参照して、実施の形態4における光学素子10Cおよびその製造方法について説明する。上述の各実施の形態では、複数本の溝34は、互いに平行な関係を有するように直線状に延びているが、複数本の溝34は、図12に示すように互いに交差するように格子状に設けられていてもよい。
このような形状を有する溝34が樹脂基板31に設けられる場合であっても、樹脂基板31に接合された基材33の存在は、樹脂基板31の変形を抑制するように作用する。したがって、基材33の存在によって、樹脂基板31の表面31Aの側に膨らむような反りが生じることを効果的に抑制可能となる。
[実施の形態5]
図13〜図16を参照して、実施の形態5における光学素子10G,20Gの製造方法について説明する。
図13に示すように、本実施の形態の基材33を準備する工程においては、基材33と樹脂基板31との相対位置を規定するための位置決め部33H,33Pが設けられた基材33が準備される。本実施の形態では、位置決め部33Hは穴形状を有し、位置決め部33Pはピン形状を有する。
位置決めピンとしての位置決め部33Pの材質は、たとえば基材33と同質にする。位置決め部33Pは、たとえばφ5mmの穴径を有する位置決め部33Hの中に差し込まれる。樹脂基板31を接着層32(たとえば光硬化樹脂)によって基材33の表面に接合する際、これらの位置決め部33H,33Pは、樹脂基板31の位置を案内する位置決め機能を発揮できる。樹脂基板31は、基材33の上に高い位置精度で接合されることができる。接合後には、位置決めピンとしての位置決め部33Pは、位置決め部33Hから取り除かれる。
図14を参照して、光学素子10Gを作製する際には、2つ並んだ位置決め部33Hに対して平行な方向(図14の紙面上下方向)に沿って、溝加工が行われる。図15を参照して、光学素子20Gを作成する際には、2つ並んだ位置決め部33Hに対して直交する方向(図15の紙面左右方向)に沿って、溝加工が行われる。
図16を参照して、マイクロミラーアレイ100Gを作成する際には、溝34が形成された光学素子10Gの表面と、溝34が形成された光学素子20Gの表面とを互いに当接させる。この際、光学素子10Gの基材33に設けられた位置決め部33Hと、光学素子20Gの基材33に設けられた位置決め部33Hとの双方に貫通するように、締結部材33Qが差し込まれる。
光学素子10Gの基材33に設けられた位置決め部33H、光学素子20Gの基材33に設けられた位置決め部33H、および締結部材33Qによって、光学素子10Gと光学素子20Gとの相対位置が規定される。光学素子10G,20Gの各々に設けられた複数本の溝34は、互いに90°の角度(直角)で交差することになる。すなわち、光学素子10Gの基材33に設けられた位置決め部33Hは、光学素子10Gの基材33と他の光学素子(光学素子20G)との相対位置を規定する位置決め部としても機能することができる。
同様に、光学素子20Gの基材33に設けられた位置決め部33Hは、光学素子20Gの基材33と他の光学素子(光学素子10G)との相対位置を規定する位置決め部としても機能することができる。本実施の形態では、位置決め穴としての位置決め部33Hを活用することによって、樹脂基板31を基材33に容易に接合できるだけでなく、光学素子10G,20G同士を容易に接合することも可能となる。
[実験例]
図17を参照して、上述の実施の形態に関して行った実験例について説明する。当該実験例は、比較例1〜3および実施例1,2を含む。
比較例1〜3および実施例1,2に共通する実験条件は、次の通りである。まず、100mmの大きさを有するアクリル製の樹脂基板を準備し、ダイシング加工機で溝加工を行うものとした。溝加工条件について、使用するダイサー50は、電着#5000であり且つ0.1mmの厚さを有するものを用いた。ダイサー50の回転数は30Krpmに設定し、ダイサー50の送り速度は0.6mm/sに設定し、加工溝のピッチは0.5mmに設定し、加工溝の深さは1mmに設定した。加工テーブル上に被加工物を真空吸着させ、190本の溝加工を実施するものとした。
実験結果の評価方法は、次の通りである。図17に示す「光学素子の反り量」とは、溝加工を実施する面とは反対側の面(フラット面)のX−Y軸方向の反り量を、キーエンス社のレーザー変位計を使用して測定した値である。面の山−面の谷の間に形成される寸法の最大値を測定し、その結果を図17にまとめている。
図17に示す「画像歪み」とは、評価用画像を、作製した光学素子を通して空中位置に投影させ、映像から50cm離れた45度上方の位置からその結像の様子を目視で観察した。評価用画像とは、白色背景に3mmピッチで複数本の黒色直線を描き、30mm角を有するようにした格子線である。歪みの評価は、格子線がほぼ真直ぐに視認できるものをAとし、1mm以下の歪みを視認できたものをBとし、1mm以上の歪みが視認できたものをCとした。
[比較例1〜3]
比較例1〜3においては、それぞれ、5.0mm、2.5mm、1.5mmの厚さを有するアクリル樹脂基板(平坦精度はいずれも20μm〜30μm)を準備し、そのようなアクリル樹脂基板を加工テーブルの上に真空吸着させて溝加工を実施した。溝加工の後、真空を解放した結果、アクリル樹脂基板には、溝加工が実施された方向に沿って反るような変形が発生した(図9参照)。樹脂基板の厚みが厚いと反り量は低減するが(図17参照)、光学素子自体の厚みが増し、材料コストアップという問題が生じることがわかる。
[実施例1]
実施例1は、上述の実施の形態1に相当している。すなわち実施例1においては、20μm〜30μmの平坦精度を有するアクリル樹脂基板に、基材としての白板ガラス(厚さ1.0mm)を接合した。アクリル樹脂基板のヤング率(弾性率)は3.2×103Mpsに対し、基材としての白色ガラス板のヤング率(弾性率)は7.2×104Mpsである。用いた接着層(接着材)は透明であり、常温で硬化するものが好ましいが、本実験では光硬化樹脂(厚さ0.1mm)を使用した。加工後、真空を解放するとアクリル基板はほとんど反ることなく、画質の歪みもほとんど見られなかった。樹脂外装にガラス層があるため、耐久性、耐候性に優れた光学素子を得ることができると言える。
[実施例2]
実施例2は、上述の実施の形態2に相当している(図10参照)。すなわち、上述の実施例1と同様な構成に加えて、複数本の溝34が、樹脂基板31の裏面31Bに設けられた接着層32に到達するように形成される。樹脂基板31は、複数本の溝34によって複数の部位31Nに分割される。実施例2の場合も、加工後に真空を解放するとアクリル基板はほとんど反ることなく、画質の歪みもほとんど見られなかった。樹脂外装にガラス層があるため、耐久性、耐候性に優れた光学素子を得ることができると言える。図17に示すように、反り量について実施例1よりも実施例2の方か良好な結果が得られる理由としては、樹脂基板31の部分が厚さ方向において全て切断されるため、溝加工の後に樹脂基板31に残留する応力の値を実質的にゼロにできる。
以上、実施の形態および実施例について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,10A,10B,10C,10G,10Z,20,20G 光学素子、31,31M 樹脂基板、31A 表面、31B 裏面、31C,31D 端面、31N 部位、32 接着層、33 基材、33H,33P 位置決め部、33Q 締結部材、34 溝、35 反射防止膜、40 加工テーブル、41 吸引孔、50 ダイサー、100,100G マイクロミラーアレイ、TH 樹脂厚み。

Claims (12)

  1. 表面および裏面を有する樹脂基板と、前記樹脂基板のヤング率よりも高いヤング率を有する基材とを準備する工程と、
    前記樹脂基板の前記裏面に接着層を設け、前記接着層を介して前記基材を前記樹脂基板の前記裏面に接合する工程と、
    前記樹脂基板の前記表面に溝加工を施すことにより、前記表面から前記裏面に向かって延びる複数本の溝を前記樹脂基板に形成する工程と、を備える、
    光学素子の製造方法。
  2. 前記複数本の溝を形成する工程においては、前記複数本の溝が、前記裏面に設けられた前記接着層に到達するように形成されることで、前記樹脂基板は複数の部位に分割される、
    請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記基材を準備する工程は、表面に反射防止膜が成膜された前記基材が準備される、
    請求項1または2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記基材を準備する工程においては、ガラスから形成された前記基材が準備される、
    請求項1から3のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記基材を準備する工程においては、強化ガラスから形成された前記基材が準備される、
    請求項1から3のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記基材を準備する工程においては、前記基材と前記樹脂基板との相対位置、および/または、前記基材と他の光学素子との相対位置を規定するための位置決め部が設けられた前記基材が準備される、
    請求項1から5のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  7. 表面および裏面を有する樹脂基板と、
    前記樹脂基板のヤング率よりも高いヤング率を有する基材と、
    前記樹脂基板の前記裏面に設けられ、前記基材を前記樹脂基板の前記裏面に接合する接着層と、を備え、
    前記樹脂基板には、前記表面から前記裏面に向かって延びる複数本の溝が形成されている、
    光学素子。
  8. 前記複数本の溝は、前記裏面に設けられた前記接着層に到達するように形成されており、前記樹脂基板は、前記複数本の溝によって複数の部位に分割されている、
    請求項7に記載の光学素子。
  9. 前記基材の表面には、反射防止膜が成膜されている、
    請求項7または8に記載の光学素子。
  10. 前記基材は、ガラスから形成されている、
    請求項7から9のいずれかに記載の光学素子。
  11. 前記基材は、強化ガラスから形成されている、
    請求項7から9のいずれかに記載の光学素子。
  12. 前記基材には、前記基材と前記樹脂基板との相対位置、および/または、前記基材と他の光学素子との相対位置を規定するための位置決め部が設けられている、
    請求項7から11のいずれかに記載の光学素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018151425A (ja) * 2017-03-09 2018-09-27 昭和電工株式会社 光制御パネルおよび光学結像装置ならびに光制御パネルの製造方法

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