JP2016106555A - テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法、当該製造方法により得られる果実、当該果実を原料として用いて製造される果汁飲料、当該果実を原料として用いて製造される果実酒、及び果実のテルペン類の含有量を増加させる方法を提供する。【解決手段】酸素を大気下よりも高濃度に負荷した雰囲気下で、収穫した果実を一定範囲の温度で一定期間保存する。【選択図】なし

Description

本発明は、香気成分の量が増加した果実の製造方法に関する。より詳しくは、テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法、当該製造方法により得られる果実、当該果実を原料として用いて製造される果汁飲料、当該果実を原料として用いて製造される果実酒、及び果実のテルペン類の含有量を増加させる方法に関する。
果実由来の香気成分は、果汁による香気成分の添加、清涼飲料への香気付加、各種製品への爽やかな香気の付与などに有用であり、その適用範囲が拡大されつつある。例えば、ミカン科果実には、オレンジ、ミカン、グレープフルーツ、ハッサク、レモン、ライムなどがあるが、爽やかな芳香や甘酸味を有することから果実飲料の原料などに利用されている。また、バラ科果実には、梅、スモモ、リンゴ、イチゴ、アンズなどがあるが、甘いフルーティーな香りを有するため、香料などの原料として人気がある。
アルコール飲料においても例外ではなく、上記果実を用いた果実酒は、従来から家庭でも作られており、また近年では、醸造メーカーから手軽に飲める果実酒やフルーティー感やフレッシュ感を付与した新しいアルコール飲料が製造販売されている。特に、ミカン科果実やバラ科果実の風味のものの人気が高く、「チューハイ」と言われるスッキリした香味やフルーティーな味わいを特徴とする低アルコール飲料市場においてその傾向が顕著である。これは、ミカン科果実の甘味の抑えられた爽やかな香味やバラ科果実のフルーティーな芳香が、独特の味わいや香りを付与しているためと考えられる。
果実酒の一般的な製造方法は、果実をアルコール等と一定の割合で一定の期間浸漬して作るものである。そして、一般的には、果実酒の香りは浸漬させる果実中に含まれる香気成分の含有量に依存する。しかし、収穫直後の果実には十分な香気成分が含まれていないため、収穫した果実に含まれる香気成分を収穫後に増加させる手段が求められていた。
例えば、フルーティーな梅酒を得るために、追熟梅を用いて梅酒を製造する方法が提案されている(特許文献1)。特許文献2では、完熟梅又は追熟梅を凍結して浸漬することにより、完熟香気成分を高いレベルで含む梅酒が製造できることが開示されている。また、非特許文献1では、梅果実の追熟条件の違いが梅酒中の香気成分や苦味成分に及ぼす影響を報告している。
非特許文献2には、ミカン科果実であるレモン果実において、テルペン類が重要な香気成分であることが開示されている。また、非特許文献3には、ミカン科果実である柑橘類果実において、テルペン類が重要な香気成分であることが開示されている。さらに、テルペン類は、外的ストレス要因である光刺激に対する植物の応答物質として産生されることが知られている(非特許文献4)。
特開2004−57036号公報 特開2011−115118号公報
園学園11(2)273−279.2012 ウメ‘南高’果実の追熟条件が梅酒の香気成分および苦味成分に及ぼす影響 Journal of Agricultural and Food Chemistry, Vol.50, 796-805, (2002): Volatile Components of Peel and Leaf Oils of Lemon and Lime Species The Scientific World Journal, ID 528593 (2012): Changes of Peel Essential Oil Composition of Four Tunisian Citrus during Fruit Maturation Phytochemistry, Vol.96, 148-157 (2013): Volatile organic compounds characterized from grapevine (Vitis vinifera L. cv. Malbec) berries increase at pre-harvest and in response to UV-B radiation
本発明の課題は、香気成分の量が増加した果実を製造する方法を提供することである。具体的には、テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法、当該製造方法により得られる果実、当該果実を原料として用いて製造される果汁飲料、当該果実を原料として用いて製造される果実酒、及び果実のテルペン類の含有量を増加させる方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、酸素を高濃度に負荷した雰囲気下において、収穫した果実を一定期間、一定範囲の温度で保存することで、果実中のテルペン類を増加させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に関する。
1).テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法であって、
果実を、酸素濃度が25〜100体積%の雰囲気下で保存する工程を含み、
前記雰囲気下で果実を保存する期間が1日〜17日であり、
前記雰囲気下で果実を保存する温度が16℃〜30℃である、
前記製造方法。
2).酸素濃度が40〜80体積%である、1)に記載の製造方法。
3).果実を保存する期間が2日〜5日である、1)又は2)に記載の製造方法。
4).果実を保存する温度が20℃〜25℃である、1)〜3)のいずれかに記載の製造方法。
5).テルペン類が、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンからなる群より選択される1以上のものを含む、1)〜4)のいずれかに記載の製造方法。
6).果実がミカン科果実である、1)〜5)のいずれかに記載の製造方法。
7).ミカン科果実が、レモン果実、オレンジ果実、ミカン果実、グレープフルーツ果実、ハッサク果実、及びライム果実からなる群より選択される、6)に記載の製造方法。
8).果実がバラ科果実である、1)〜5)のいずれかに記載の製造方法。
9).バラ科果実が、梅果実、リンゴ果実、スモモ果実、イチゴ果実、及びアンズ果実からなる群より選択される、8)に記載の製造方法。
10).1)〜9)のいずれかに記載の製造方法により得られる果実。
11).10)に記載の果実を原料として用いて製造される果汁飲料。
12).10)に記載の果実を原料として用いて製造される果実酒。
13).果実中のテルペン類の含有量を増加させる方法であって、
果実を、酸素濃度が25〜100体積%の雰囲気下で保存する工程を含み、
前記雰囲気下で果実を保存する期間が1日〜17日であり、
前記雰囲気下で果実を保存する温度が16℃〜30℃である、
前記方法。
14).酸素濃度が40〜80体積%である、13)に記載の方法。
15).果実を保存する期間が2日〜5日である、13)又は14)に記載の方法。
16).果実を保存する温度が20℃〜25℃である、13)〜15)のいずれかに記載の方法。
17).テルペン類が、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンからなる群より選択される1以上のものを含む、13)〜16)のいずれかに記載の方法。
18).果実がミカン科果実である、13)〜17)のいずれかに記載の方法。
19).ミカン科果実が、レモン果実、オレンジ果実、ミカン果実、グレープフルーツ果実、ハッサク果実、及びライム果実からなる群より選択される、18)に記載の方法。
20).果実がバラ科果実である、13)〜17)のいずれかに記載の方法。
21).バラ科果実が、梅果実、リンゴ果実、スモモ果実、イチゴ果実、及びアンズ果実からなる群より選択される、20)に記載の方法。
本発明により、テルペン類をより多く含有する果実を得ることが可能になる。また、本発明によりテルペン類を増加した果実を使用することで、より香り豊かでフルーティーな果汁飲料及び果実酒を製造することができる。
図1には、酸素濃度が80体積%の雰囲気下で5日間保存したレモン果実を用いた果汁中のテルペン類の含有量を示す。 図2には、酸素濃度が80体積%の雰囲気下で4日間保存したレモン果実を用いた果汁中のテルペン類の含有量の推移を示す。 図3には、酸素濃度が80体積%の雰囲気下で4日間保存した梅果実の水蒸気蒸留液のテルペン類の含有量を示す。
本発明の、テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法は、高濃度の酸素を負荷した雰囲気下において、一定期間、一定範囲の温度で果実を保存することに特徴を有する。本明細書において、「酸素を負荷した雰囲気」とは、例えば、大気下の酸素濃度が約21体積%程度であるので、それよりも酸素濃度を増加した雰囲気を意味する。また、大気下と記載する場合、酸素濃度が21体積%の雰囲気下を意味する。
(テルペン類)
本発明においてテルペン類は、炭素原子5個で構成されるC5単位のイソプレンが複数個結合してできた天然有機化合物群を意味する。植物などにおいて産生される物質であり、C10単位のモノテルペンやイリドイド、C15のセスキテルペン、C20のジテルペン及びC30のトリテルペンなどに分類される。テルペン類の内、特にカルボニル基やヒドロキシル基などの官能基を有する誘導体はテルペノイドと呼ばれ、植物などのメバロン酸経路により生合成される。
特に、モノテルペンはバラや柑橘類のような芳香を有し、香料などにも利用されている。例えば、リモネンは、レモンなど柑橘類に含まれる香気成分である。本明細書において、テルペン類には、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、α−ピネン、β−ピネン、β−イオノン、カルバクロール、オイゲノール、カルボン、ターピネオール、アネトール、カンファー、メントール、チモール、ネロリドール、ファルネソール、フィトール、ペリリルアルコール、ボルネオール、β−ミルセン、カレン、α−ターピネン、γ−ターピネンなどが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、本発明のテルペン類は、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、β−ミルセン、及び/又はγ−ターピネンを含むものである。
(酸素を負荷した雰囲気)
果実を保存する雰囲気としては、酸素濃度が大気下より増加した気体であれば特に限定はなく、酸素濃度としては、テルペン類をより多く含有する果実を得る観点から、好ましくは25体積%以上、より好ましくは30体積%以上、さらに好ましくは40体積%以上、さらにより好ましくは60体積%以上であり、好ましくは100体積%以下、より好ましくは90体積%以下、さらに好ましくは80体積%以下である。また、25〜100体積%が好ましく、30〜90体積%がより好ましく、40〜80体積%がさらに好ましく、60〜80体積%体積%がさらにより好ましい。尚、当該雰囲気中に存在する酸素以外の気体は特に限定されるものではなく、例えば、窒素、二酸化炭素などが挙げられる。また、それらの濃度も特に限定されず、例えば、酸素濃度が80体積%のとき、窒素が20体積%である場合などが挙げられる。
(果実)
本発明において果実とは、被子植物において花が咲いた後にできる、種子を包含する構造体であれば特に限定はないが、好ましくは、ミカン科植物の果実又はバラ科植物の果実である。また、果実においてテルペン類を含有する部位は果肉、果皮など様々であるが、本発明において用いる部位は特に限定されず、果実全体などであっても特定部位を選択して用いてもよい。
ミカン科植物は、オレンジやレモンのように世界的にポピュラーなものもあれば、地域ごとに特色のある柑橘類も存在し利用方法も様々である。本発明において、ミカン科植物としては、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジ、グレープフルーツ、ウンシュウミカン、オオベニミカン、コベニミカン、紀州ミカン、ダイダイ、マルブシュカン、ナツミカン、イヨカン、ポンカン、キンカン、ザボン、ユズ、カボス、スダチ、シークヮーサー、レモン、ライム、カラタチ、サンショウ、ゴシュユ、ハッサク、ヒュウガナツ、スウィーティー、カクテルフルーツなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、レモンである。また、これらがテルペン類を含有する部位は果肉、果皮など様々であるが、本発明において用いる部位は特に限定されず、果実全体などであっても特定部位を選択して用いてもよい。また、品種は特に限定されない。
バラ科植物は、バラ目に属する植物の科の一つであり、果実を食用にするものも多く含まれる。本発明において、バラ科果実としては、梅、スモモ、アンズ、プルーン、モモ、ネクタリン、サクランボなどの核果類の他、リンゴ、ナシ、セイヨウナシ、カリン、マルメロなどの仁果類、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、ビワなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、梅、スモモ、アンズ、リンゴ、イチゴである。また、これらがテルペン類を含有する可能性のある部位は果肉、果皮など様々であるが、本発明において用いる部位は特に限定されず、果実全体などであっても特定部位を選択して用いてもよい。また、品種は特に限定されない。
本発明で好適に用いられるレモンの品種は特に限定されないが、例えば、リスボン、ユーレカ、ビアフランカ、ジェノバ、ポンテローザなどに加えて、他のミカン科植物と交雑した品種(マイヤーレモン、サイパンレモン、スイートレモネードなど)などが挙げられる。また、生産地は日本であっても外国であってもよく、例えば、中国、インド、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、アメリカ、トルコ、スペイン、イラン、イタリア、チリで栽培されたレモンも好適に使用できる。また、本明細書においてレモン果実とは、果皮と果肉と種を合わせた全体を意味する。
本発明で使用する果実は、収穫時期に達した果実であっても、より熟度の高い果実であっても、収穫時期以前の未成熟の果実であってもよい。例えば、レモンの場合、果実が緑色の頃に収穫した早摘みのレモンを利用することもできる。また黄緑がかった頃の、やや早摘みのレモンを利用することもできる。さらにそれ以上の成熟をした黄色のレモン果実を用いることができる。開花日数でいうと、レモンは通常開花後6ヶ月ほどで成熟し収穫時期を迎えるが、開花後4ヶ月ほどのレモン果実、開花後5ヶ月〜6ヶ月以前の収穫時期に達する前のレモン果実、開花後6ヶ月ほどの収穫時期に達したレモン果実、さらに、収穫時期を渡過した熟度の高いものを利用することもできる。測色色差計(日本電色Spectro Color Meter SE2000)による果皮の色調を指標として、b*値45程度以下の数値を示す時期の緑果実、b*値45〜50程度の数値を示す時期の黄緑果実、又はb*値50程度以上の数値を示す時期の黄色果実を用いることができる。
(保存条件)
本発明の保存温度は、テルペン類をより多く含有する果実を得る観点から、16〜30℃が好ましく、17〜27℃がより好ましく、20〜25℃がさらに好ましい。保存温度が16℃以上の場合、芳香成分の生成が多く好ましい。
本発明の保存湿度は、加湿状態にあることが好ましいが、乾燥状態であっても構わない。本発明の保存湿度は、好ましくは10〜100%、より好ましくは50〜100%、さらに好ましくは80〜100%であり、最も好ましくは90〜99%である。
本発明の保存条件は、前記酸素を負荷した雰囲気下において前記保存温度、前記保存湿度で果実を保存できるのであれば特に限定はない。例えば、果実を、前記雰囲気を有するデシケーター内で保存してもよく、前記雰囲気を有する室内で保存してもよい。果実は、果実そのままの状態で保存しても、気体透過性の十分にある容器や袋内に入れて保存してもよい。
保存期間は、酸素濃度が高いほど短く、例えば、酸素濃度が80体積%より上で100体積%以下の場合、好ましくは1日以上、より好ましくは2日以上であり、好ましくは13日以下、より好ましくは5日以下である。また、1〜13日が好ましく、2〜5日がより好ましい。酸素濃度が30体積%以上90体積%以下の場合、好ましくは1日以上、より好ましくは2日以上、さらに好ましくは3日以上、さらにより好ましくは4日以上であり、好ましくは15日以下、より好ましくは7日以下、さらに好ましくは6日以下、さらにより好ましくは5日以下である。また、1〜15日が好ましく、2〜7日がより好ましく、2〜6日がさらに好ましく、3〜5日がさらにより好ましい。酸素濃度が40体積%以上80体積%以下の場合、好ましくは1日以上、より好ましくは2日以上、さらに好ましくは3日以上、さらにより好ましくは4日以上であり、好ましくは15日以下、より好ましくは7日以下、さらに好ましくは6日以下、さらにより好ましくは、5日以下である。また、1〜15日が好ましく、2〜7日がより好ましく、2〜6日がさらに好ましく、2〜5日がさらにより好ましい。酸素濃度が25体積%以上40体積%未満の場合、好ましくは1日以上、より好ましくは2日以上であり、好ましくは17日以下、より好ましくは9日以下である。また、1〜17日が好ましく、2〜9日がより好ましい。
酸素を負荷した雰囲気下で一定期間、一定条件下で果実を保存することで、果実中のテルペン類の含有量が多くなる。含有量が増加するテルペン類としては、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、α−ピネン、β−ピネン、β−イオノン、カルバクロール、オイゲノール、カルボン、ターピネオール、アネトール、カンファー、メントール、チモール、ネロリドール、ファルネソール、フィトール、ペリリルアルコール、ボルネオール、β−ミルセン、カレン、α−ターピネン、γ−ターピネンなどが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、増加するテルペン類は、リモネン、リナロール、ネラール、及び/又はゲラニアールである。
リモネンは、レモンやオレンジなどの柑橘類の果皮などに豊富に含まれている精油成分で、モノテルペン類の一種である。リモネンの芳香は甘酸っぱく爽やかで、リラックス効果を有する。また、覚醒効果、免疫力増強効果、血行促進効果、育毛促進効果、食欲増進効果などを有することも知られている。酸素を負荷した雰囲気下で一定期間、一定条件下で保存した果実中のリモネンの含有量は、果実の種類、保存を行う果実の熟度、採取園地、年次などにより異なるが、例えば、後述の実施例4には、圧搾式ジューサーを用いてレモン果実から調製した果汁が10%濃度になるよう希釈したジューサー搾汁果汁10%液の場合を示す。同じ園地で同時期に採取したレモン果実を20℃で保存した場合、ジューサー搾汁果汁10%液中のリモネンの含有量は、大気下では大きな増加は認められず5ppm程度であったが、酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、2日後に10%果汁中に9ppm程度、4日後に29ppm程度まで増加した。酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、同じ保存日数で比較すると大気下よりもリモネンは常に多く含まれる。
リナロールは、モノテルペンアルコールの一種であり、揮発性があり特徴的で華やかな香りを有する。また、スズラン、ラベンダー、ベルガモット様の芳香を有するため、香料としても利用されている。酸素を負荷した雰囲気下で一定期間、一定条件下で保存した果実中のリナロールの含有量は、果実の種類、保存を行う果実の熟度、採取園地、年次などにより異なるが、例えば、後述の実施例2には、レモン果実から調製したジューサー搾汁果汁10%液の場合を示す。同じ園地で同時期に採取したレモン果実を20℃で保存した場合、ジューサー搾汁果汁10%液中のリナロールの含有量は、大気下では大きな増加は認められず0.04ppm程度であったが、酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、2日後に10%果汁中に0.1ppm程度、4日後に0.5ppm程度まで増加した。酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、同じ保存日数で比較すると大気下よりもリナロールは常に多く含まれる。
ゲラニアールは、シトラールのトランス異性体であり、バラに似た芳香を有するため、香料などに利用されている。また、モモ、ラズベリー、グレープフルーツ、リンゴ、プラム、ライム、オレンジ、レモン、スイカ、パイナップル、ブルーベリーの芳香成分としても知られている。酸素を負荷した雰囲気下で一定期間、一定条件下保存した果実中のゲラニアールの含有量は、果実の種類、保存を行う果実の熟度、採取園地、年次などにより異なるが、例えば、後述の実施例2には、レモン果実から調製したジューサー搾汁果汁10%液の場合を示す。同じ園地で同時期に採取したレモン果実を20℃で保存した場合、ジューサー搾汁果汁10%液中のゲラニアールの含有量は、大気下では大きな増加は認められず0.5ppm程度であるが、酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、2日後に10%果汁中に1.9ppm程度、4日後に7.3ppm程度まで増加する。酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、同じ保存日数で比較すると大気下よりもゲラニアールは常に多く含まれる。
ネラールは、レモングラスやホップから採れる精油などに含まれるモノテルペンであり、シトラールのシス異性体である。バラのような甘い香りがする無色の液体で、香料として用いられる。酸素を負荷した雰囲気下で一定期間、一定条件下保存した果実中のネラールの含有量は、果実の種類、保存を行う果実の熟度、採取園地、年次などにより異なるが、例えば、後述の実施例2には、レモン果実から調製したジューサー搾汁果汁10%液の場合を示す。同じ園地で同時期に採取したレモン果実を20℃で保存した場合、ジューサー搾汁果汁10%液中のネラールの含有量は、大気下では大きな増加は認められず0.4ppm程度であるが、酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、2日後に10%果汁中に1.2ppm程度、4日後に4.2ppm程度まで増加する。酸素濃度60〜80体積%雰囲気下では、同じ保存日数で比較すると大気下よりもネラールは常に多く含まれる。
本発明においては、果実中のテルペン類の含有量、例えば、リモネン、リナロール、ネラール、及びゲラニアールの含有量は、HPLCやガスクロマトグラフィー、質量分析等の公知の方法で測定することができる。
本発明は一態様として、テルペン類の含有量が増加した果実を提供する。酸素を負荷した雰囲気下で果実を保存することにより、前記テルペン類を樹上で熟した果実や大気下で保存した場合よりも豊富に含有する果実が得られる。得られた果実は、そのまま直ぐに用いることができ、また、公知の方法に従って保存してもよい。例えば、冷凍保存することにより、香気成分を保持したまま保存することができる。
本発明はまた、果実の追熟方法を提供する。果実を、酸素を負荷した雰囲気下で追熟することを特徴とし、当該雰囲気は前記テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法と同じである。また、用いる果実やその他の条件も前記方法と同様である。
また、本発明は一態様として、果実のテルペン類の含有量を増加させる方法を提供する。果実を、酸素を負荷した雰囲気下で保存することで、果実中のテルペン類を増加させることを特徴とし、当該雰囲気は前記テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法と同じである。また、用いる果実やその他の保存条件も前記方法と同様である。
本発明の方法により製造された果実は、テルペン類の含有量が多く、香りが豊かであることから、ジャム、ジュース、エキス、果実を用いたお酒(果実酒、果実スピリッツなど)、香料などの果実の香りを生かした飲食品や加工品に好適に用いられる。なお、その際の配合量は一概には決定されず、飲食品や加工品の種類に応じて適宜調整される。
本発明は、別態様として、酸素を負荷した雰囲気下で保存することで、テルペン類が増加した果実を原料として用いる、果汁飲料又は果実酒の製造方法でもある。酸素を負荷した雰囲気下で保存してテルペン類が増加した果実を使用することを特徴とし、用いる果実及びその他の条件は前記方法と同様である。なお、当該製造方法により得られた果汁飲料又は果実酒もまた、本発明により提供される。
果汁飲料の製造は、前記の方法でテルペン類が増加した果実を原料として用いるのであれば特に限定はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、前記の方法でテルペン類が増加した果実をそのまま圧搾する方法、前記果実を半分に切って圧搾式ジューサー又は手搾りで果汁を搾り砂糖を加える方法、半分に切った前記果実の果肉部位を中心に細断し遠心して果汁を得る方法、及び前記果実を薄くスライスし砂糖と交互に重ね一日瓶詰めすることで、果実から液を滲出させる方法等により製造することができる。
果実酒の製造は、前記の方法でテルペン類が増加した果実を原料として用いるのであれば特に限定はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、前記の方法でテルペン類が増加した果実を果実酒用ホワイトリカーと氷砂糖と一緒に果実酒用瓶に数日から数ヶ月漬け込んで製造することができる。なお、本明細書において、果実酒とは、果実酒様飲料(例えば、果実酒様ノンアルコール飲料)も含まれる。
果実酒の製造に使用されるアルコール水溶液の種類は、通常の酒類として飲用されるものであれば特に限定されない。ウイスキー、ウォッカ、ラム、焼酎、スピリッツ類などの蒸留酒、日本酒、ワイン、ビールなどの醸造酒、リキュールなどの混成酒などを使用することができる。果実の特徴ある風味を楽しむためには、香味がそれほど強くない酒類の方が好ましく、アルコール含有物を連続式蒸留機で蒸留して得られる連続式蒸留スピリッツや連続式蒸留アルコールをより好ましく使用することができる。このような連続式蒸留スピリッツ及び連続式蒸留アルコールとしては、具体的には、日本の酒税法で規定されるウォッカなどの香りの少ないスピリッツ類、ニュートラルスピリッツやグレーンスピリッツなどの原料用アルコール、及び連続式蒸留焼酎(いわゆる甲類焼酎)などを挙げることができる。目的とする果実酒の品質に応じて、単一種類のアルコール水溶液を用いても、抽出液の香味特徴を変化させる目的で複数種類のアルコール水溶液を用いてもよい。
本発明において、果実酒の製造に使用されるアルコール水溶液のアルコール度数は、特に限定されない。本発明で製造される果実酒のアルコール度数は、1〜70容量%であり、好ましくは3〜40容量%、さらに好ましくは3〜35容量%である。
アルコール度数の測定は国税庁所定分析法に加えて、ガスクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー/質量分析等の機器分析などを用いて行うこともできる。
本発明の果汁飲料又は果実酒には、酸味料を添加することもできる。当該酸味料は、特に限定されないが、例えば、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、フマル酸、酢酸及びこれらの塩からなる群から選択される。これらは、それぞれ酸味度、呈味性が異なるため、飲料のタイプに応じて選択することができる。また、目的に応じ、2種以上の酸味料を組み合わせて使用することも可能である。
本発明では、飲料に通常配合する添加剤、例えば、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、糖類、酸味料、品質安定剤等を添加する工程を含むこともできる。
本発明で得た果汁飲料又は果実酒は、そのまま飲料としても用いることが出来るが、これらをブレンドした飲料を製造するための原料酒として用いることもできる。
本発明の果汁飲料又は果実酒の包装容器に特に制限はなく、瓶、缶、紙、ペットボトル等、種々の形態の容器を利用することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
実施例1:酸素濃度80体積%の雰囲気下で保存したレモン果実由来の果汁中のテルペン類の含有量
愛媛県で収穫した黄緑色のレモン果実を園地より直送で購入し、酸素濃度80体積%の雰囲気下で、5日間デシケーター内で保存した際の、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンの含有量を測定した。尚、デシケーター内の酸素濃度の調節は、酸素ガス、窒素ガスをガス混合器で混合したものを、マスフローメーターで一定流速に調整しながら加湿して、デシケーターへ通気して行った。通気しながら、デシケーターを恒温器に入れ一定温度(20℃)にて保存試験を実施した。また、デシケーター内の湿度は99%であった。
以下、分析サンプルの調製について説明する。保存前又は酸素濃度80体積%下で保存したレモン果実を用いて、圧搾式ジューサー又は手搾りによりレモン果汁を得た。ジューサー搾汁は、レモン果実を半切して、果皮ごと圧搾して調製した。また、手搾り果汁は、レモン果実を半切して、果実内部をレモン搾り器で搾って調製した。得られた果汁を、果汁10%濃度になるよう希釈し、希釈液に有機溶媒を添加してスターラーで1時間攪拌し香気成分を抽出した。分液ロートを用いて有機溶媒層を採取し、硫酸ナトリウムで脱水した。取得液を、エバポレーターを用いて、約1/100容量となるまで減圧濃縮し、ガスクロマトグラフ分析用のサンプルとした。
以下の条件でガスクロマトグラフ分析を行った。結果を図1及び表1に示す。
(ガスクロマトグラフ分析)
装置:Agilent社製 GC/MS 6890N/5973N
カラム:DB−WAX(J&W社製)、60m×0.32mm×0.25μm
注入量:1.0μL
注入方法:注入口温度240℃、スプリットレス
昇温条件:40℃で10分保持後、4℃/minで220℃まで昇温し、そのまま10分保持
イオン化方法:EI(電子イオン化)法、イオン化電圧70eV

保存を行う果実の熟度、年次などにより、数値は異なるが、同じ園地で同時期に収穫したレモン果実を、5日間、酸素濃度80体積%下で保存したところ、コントロール群と比較してレモン果汁中のリモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンの含有量が増加することが示された。特に、ジューサー搾汁によりレモン果汁を得た場合、テルペン類の増加量が高いことが見出された。
実施例2:酸素濃度40体積%及び80体積%の雰囲気下で保存したレモン果実由来の果汁中のテルペン類の含有量
広島県で収穫したリスボン種の、b*値47程度の黄緑レモン果実を、酸素濃度80体積%、40体積%の雰囲気下、及び大気下(酸素濃度21体積%)で、4日間デシケーター内で保存した際の、リモネン、リナロール、ネラール、及びゲラニアールの含有量を測定した。尚、デシケーター内の酸素濃度の調節は、実施例1と同様の方法で行った。通気しながら、デシケーターを恒温器に入れ一定温度(20℃)、一定湿度(99%)にて保存試験を実施した。また、実施例1と同様の方法で得たジューサー搾汁果汁の10%溶液を用いて、実施例1と同様の方法で香気成分分析を行った。結果を表2に示す。
b*値47程度の黄緑レモン果実を、4日間デシケーター内で保存した結果、酸素濃度が高くなるほど、コントロール群と比較してレモン果汁中のリモネン、リナロール、ネラール、及びゲラニアールの含有量が増加することが示された。
実施例3:酸素濃度40体積%及び80体積%の雰囲気下で保存したレモン果実由来の果汁中のテルペン類の含有量
広島県で収穫した、b*値40程度の通常の収穫時期よりも早摘みの緑色レモン果実を、酸素濃度80体積%、40体積%の雰囲気下、及び大気下(酸素濃度21体積%)で、4日間デシケーター内で保存した際の、リモネン、リナロール、ネラール、及びゲラニアールの含有量を測定した。尚、デシケーター内の酸素濃度の調節は、実施例1と同様の方法で行った。通気しながら、デシケーターを恒温器に入れ一定温度(20℃)、一定湿度(99%)にて保存試験を実施した。また、実施例1と同様の方法で得たジューサー搾汁果汁の10%溶液を用いて、実施例1と同様の方法で香気成分分析を行った。結果を表3に示す。
b*値40程度の、通常の収穫時期よりも早摘みの緑色レモン果実を、4日間デシケーター内で保存したところ、早摘みのレモン果実においても、酸素濃度が高くなるほど、コントロール群と比較してレモン果汁中のリモネン、リナロール、ネラール、及びゲラニアールの含有量が増加することが示された。
実施例4:酸素濃度80体積%の雰囲気下で保存したレモン果実由来の果汁中のテルペン類の含有量の推移
広島県で収穫したリスボン種の、b*値47程度の淡緑レモン果実を酸素濃度80体積%雰囲気下、及び大気下(酸素濃度21体積%)で、4日間デシケーター内で保存した際のリモネンの含有量を、経時的にサンプリングして測定した。尚、デシケーター内の酸素濃度の調節は、実施例1と同様の方法で行った。通気しながら、デシケーターを恒温器に入れ一定温度(20℃)、一定湿度(99%)にて保存試験を実施した。また、実施例1と同様の方法で得たジューサー搾汁果汁の10%溶液を用いて、実施例1と同様の方法で香気成分分析を行った。結果を図2に示す。
実験の結果、レモン果実を大気下で保存した場合には、レモン果汁中のリモネンの含有量はほとんど増加しない一方で、レモン果実を酸素濃度80体積%雰囲気下で保存した場合には、レモン果汁中のリモネンの含有量が経時的に増加することが示された。特に、酸素濃度80体積%雰囲気下でのレモン果実の保存日数が3日を超えると、レモン果汁中のリモネンの含有量が顕著に増加することが実証された。
実施例5:酸素濃度80体積%の雰囲気下で保存した梅果実の水蒸気蒸留回収液中のテルペン類の含有量
和歌山県田辺市にて採取した‘南高’の青梅果実2kgについて、酸素濃度80体積%の雰囲気下で、4日間デシケーター内で保存した際の、リモネン、リナロール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンの含有量を測定した。なお、デシケーター内の酸素濃度の調節は、酸素ガス、窒素ガスをガス混合器で混合したものを、マスフローメーターで一定流速に調整しながら加湿して、デシケーターへ通気して行った。通気しながら、デシケーターを恒温器に入れ一定温度(20℃)にて保存試験を実施した。また、デシケーター内の湿度は99%であった。
果実の香気成分分析は水蒸気蒸留回収液を用いて行った。水蒸気蒸留は、果実を入れた容器に水蒸気を吹き込み、常圧にて行った。回収蒸留液について、以下の条件でガスクロマトグラフィーにより測定した。なお、市販の完熟梅についても同様に測定を行なった。結果を図3に示す。
<ガスクロマトグラフ分析>
装置:Agillent社製 GC/MS 7890A/5975C
カラム:DB−WAXER(J&W社製)、60m×0.32mm×0.25μm
昇温条件:40℃で10分保持後、4℃/minで220℃まで昇温し、そのまま10分保持
イオン化方法:EI(電子イオン化)法、イオン化電圧70eV
<ダイナミックヘッドスペース条件>
装置:ゲステル社製MPS
吸着剤:TENAX
試料量:80μL
試料気化温度:80℃
試料気化用ガス種類:窒素
保存を行う果実の熟度、年次などにより、数値は異なるが、青梅果実を4日間、酸素濃度80体積%下で保存したところ、完熟果実と比較して果汁中のリモネン、リナロール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンの含有量が増加することが示された。
本発明は、収穫した果実を特定の酸素濃度の雰囲気下で、一定期間、一定範囲の温度で保存することで、果実中のテルペン類の含有量を増加させることができる。従って、本発明では、収穫後に果実中のテルペン類の含有量が増加し、より香り豊かでフレッシュな香りを有する果実を提供できるため、産業上の利用可能性が高い。

Claims (21)

  1. テルペン類の含有量が増加した果実の製造方法であって、
    果実を、酸素濃度が25〜100体積%の雰囲気下で保存する工程を含み、
    前記雰囲気下で果実を保存する期間が1日〜17日であり、
    前記雰囲気下で果実を保存する温度が16℃〜30℃である、
    前記製造方法。
  2. 酸素濃度が40〜80体積%である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 果実を保存する期間が2日〜5日である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 果実を保存する温度が20℃〜25℃である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. テルペン類が、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンからなる群より選択される1以上のものを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 果実がミカン科果実である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. ミカン科果実が、レモン果実、オレンジ果実、ミカン果実、グレープフルーツ果実、ハッサク果実、及びライム果実からなる群より選択される、請求項6に記載の製造方法。
  8. 果実がバラ科果実である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. バラ科果実が、梅果実、リンゴ果実、スモモ果実、イチゴ果実、及びアンズ果実からなる群より選択される、請求項8に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法により得られる果実。
  11. 請求項10に記載の果実を原料として用いて製造される果汁飲料。
  12. 請求項10に記載の果実を原料として用いて製造される果実酒。
  13. 果実中のテルペン類の含有量を増加させる方法であって、
    果実を、酸素濃度が25〜100体積%の雰囲気下で保存する工程を含み、
    前記雰囲気下で果実を保存する期間が1日〜17日であり、
    前記雰囲気下で果実を保存する温度が16℃〜30℃である、
    前記方法。
  14. 酸素濃度が40〜80体積%である、請求項13に記載の方法。
  15. 果実を保存する期間が2日〜5日である、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 果実を保存する温度が20℃〜25℃である、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. テルペン類が、リモネン、リナロール、ネラール、ゲラニアール、β−ミルセン、及びγ−ターピネンからなる群より選択される1以上のものを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 果実がミカン科果実である、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. ミカン科果実が、レモン果実、オレンジ果実、ミカン果実、グレープフルーツ果実、ハッサク果実、及びライム果実からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 果実がバラ科果実である、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
  21. バラ科果実が、梅果実、リンゴ果実、スモモ果実、イチゴ果実、及びアンズ果実からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
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