JP2016105084A - 食品検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象物の光学的不均一性等に起因するノイズを低減して、異物を精度良く判別できる食品検査装置を提供する。【解決手段】食品検査装置100は、検査光を検査対象物に照射する光源1、検査対象物を透過した光を受光して画像データを生成する受像器2、光源1と検査対象物との間の光路上に配置され、検査光を直線偏光させる第1の偏光子4、検査対象物と受像器2との間の光路上に配置され、透過光を直線偏光させる第2の偏光子5、および第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸とのなす相対角を変更可能な偏光方向制御手段とを備えている。食品検査装置100は、受像器2を用いて相対角が小さい第1画像と相対角が大きい第2画像を撮像すると共に、この第1画像と第2画像を利用して検査対象物中に存在する異物を検知する。【選択図】図1

Description

本発明は、農産物、農産物加工品その他食品を検査対象とした食品検査装置に関し、特に、検査対象物に光を照射して、検査対象物の内部情報を含む透過光を受光、撮像して検査対象物中に存在する異物を検知する食品検査装置に関する。
近赤外光を食品等の検査対象物に照射して、その透過光を撮像した画像から異物を検知する食品検査装置において、検査対象物の光学的な不均質性から生じるノイズを低減して、検知すべき異物を鮮明にする工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、近赤外領域において中心波長を有する第1検査光と、近赤外領域において前記第1検査光とは別の中心波長を有する第2検査光とを検査対象である食品に照射する面光源と、前記第1検査光および第2検査光が食品を透過した光によって当該食品を撮像し、前記第1検査光に基づいて撮像された第1画像および第2検査光に基づいて撮像された第2画像を出力する撮像機構と、第1画像および前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成部とを備えた検査装置が開示されている。
また、特許文献2には、植物または植物加工品に混在する異物の検出を非破壊にて精度よく行う方法として、植物または植物加工品を撮像して得られたハイパースペクトル画像に基づいて、該検査対象物中に混在する異物を検出する植物または植物加工品の異物検出方法であって、検査対象物に対して近赤外領域の測定光を照射する照射ステップと、照射ステップにおいて照射された光による検査対象物からの散乱光を受光することで、検査対象物を撮像してハイパースペクトル画像を得る撮像ステップと、撮像ステップにおいて得られたハイパースペクトル画像に含まれて互いに異なる2つの画素間でのスペクトル形状に基づいて、検査対象物に混在する異物を検出する分析ステップと、を備えること方法が開示されている。
特開2014-44070号公報 特開2013-164338号公報
上述の特許文献1および2で検査対象とする食品、植物または植物加工品等は、光学的に均質ではなく、凹凸もあるため、撮像された画像には、検査対象物と異物の光学的な差異とともに、検査対象物の光学的不均質性や凹凸の影響がノイズとして現れる。
特許文献1に記載の装置および特許文献2に記載の方法は、いずれも検査対象物と異物の吸収波長の差異を検出することによってノイズの影響を除去して、検査対象物と異物とを判別するものである。
しかし、検査対象物と異物とで吸収波長に明確な差異がない場合には、十分にノイズを除去することができない。
本発明は上述の問題点に鑑みて成されたもので、検査対象物と異物の検査波長の変化に対する吸光度または透過度の変化率の差異が明確でない場合でも、検査対象物の光学的不均一性等に起因するノイズを低減して、異物を精度良く判別できる食品検査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る食品検査装置は、
検査光を検査対象物に照射する光源と、
前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を直線偏光させる第1の偏光子と、
前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、前記透過光を直線偏光させる第2の偏光子と、
前記第1の偏光子の透過軸と前記第2の偏光子の透過軸とのなす相対角を変更可能な偏光方向制御手段と、を備え、
前記受像器を用いて相対角が小さい第1画像と相対角が大きい第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を利用して前記検査対象物中に存在する異物を検知する。
もしくは本発明に係る食品検査装置は、
検査光を検査対象物に照射する光源と、
前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を円偏光に変換する第1の偏光子と、
前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、円偏光を直線偏光に変換して透過させる第2の偏光子と、
前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向、または前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向が切り替え可能な偏光方向制御手段と、を備え、
前記受像器を用いて前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向と前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向とが同一方向となる第1画像と逆方向となる第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を利用して前記検査対象物中に存在する異物を検知することを特徴とする。
本発明に係る食品検査装置において、前記光源は、前記第1画像を撮影する時と前記第2画像を撮影する時で、照射される検査光の波長が異なることが好ましい。
また、前記第1画像の撮影時に照射される検査光の波長における異物を含まない検査対象物と異物を含む検査対象物の光の透過率の差が、前記第2画像の撮影時に照射される検査光の波長における前記透過率の差に対して大きいことが好ましい。
また、前記第2画像のコントラストを増大、および/または前記第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行う濃度調整手段を有することが好ましい。
また、前記濃度調整手段による濃度調整が行われた第1画像と第2画像との差分画像を生成する画像処理手段を有することが好ましい。
更に、前記差分画像に基づいて検査対象物中の異物の有無を判定し、および/または異物の位置を特定する画像認識手段を有することが好ましい。
本発明に係る食品検査装置では、第1画像に異物の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズが比較的鮮明に写る。一方、第2画像には、異物の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズは見た目には不鮮明であるが、第1画像に含まれるノイズと同じ原因によるノイズ成分(以下「共通ノイズ」という。)が含まれていると考えられる。
従って、第2画像の濃度値を利用すれば、第1画像から共通ノイズをキャンセルして、ノイズを低減した画像が得られる。この画像に対して異物判定を行うことで、誤判定を防ぐことができる。
さらに、第1画像と第2画像とで、照射される検査光の波長を変えれば、異物を含まない検査対象物と異物を含む検査対象物の波長による光の透過率の差を利用して、SN比をさらに向上させることができる。
同様に、第2画像の濃度コントラストを増大、および/または第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行うことで、第1画像と第2画像に含まれる共通ノイズによる濃度の変化率を近似させることができる。
よって、濃度調整後に第1画像と第2画像の差分を取れば、第1画像に含まれる共通ノイズをキャンセルでき、異物とノイズ成分を判別しやすい差分画像データを生成できる。そしてノイズ成分を消去または低減した画像データには異物だけが鮮明に表れるため、精度よく異物の有無を判定でき、異物が存在する場合には、その位置を特定できる。
本発明の実施の形態1に係る食品検査装置の基本構成を示す図である。 実施の形態1に係る食品検査装置の制御系の構成を示すブロック図である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その1)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その2)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その3)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その4)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その5)である。 実施の形態1における異物検査の処理の流れを示したフローチャートである。 実験例1の結果を示す図面代用写真である。 実験例2の結果を示す図面代用写真(その1)である。 実験例2の結果を示す図面代用写真(その2)である。 比較例1の結果を示す図面代用写真である。 実験例3の結果を示す図面代用写真である。 実験例4の結果を示す図面代用写真である。 実験例5の結果を示す図面代用写真である。 実験例6の結果を示す図面代用写真である。 実験例7の結果を示す図面代用写真である。 実験例8の結果を示す図面代用写真である。 本発明の実施の形態2に係る食品検査装置の基本構成を示す図である。 実験例9の結果を示す図面代用写真(その1)である。 実験例9の結果を示す図面代用写真(その2)である。 比較例2の結果を示す図面代用写真である。 本発明の実施の形態3における実験例10の結果を示す図面代用写真である。 本発明の実施の形態4に係る食品検査装置の光源の構成を示す平面図である。 実験例11の結果を示す図面代用写真(その1)である。 実験例11の結果を示す図面代用写真(その2)である。 梅肉単体および異物を含む梅肉の透過率と波長との関係を示すグラフである。 実験例12の結果を示す図面代用写真(その1)である。 実験例12の結果を示す図面代用写真(その2)である。 白菜キムチおよび異物(ゴム手袋)の透過率と波長との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る食品検査装置について、図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
図1に、本発明の実施の形態1に係る食品検査装置100の基本的な構成を示す。また図2に、食品検査装置100の制御系の構成を示す。
(食品検査装置の構成と機能)
食品検査装置100は、光源1、受像器2、透明板3、第1および第2の偏光子4、5、リニアモータ6、レール7ならびにコントローラ8(図2参照)で構成されている。
光源1は、検査光を検査対象物に照射する。検査対象物を透過しやすい波長帯域を含むものであれば、白熱灯やハロゲンランプなどの光源を用いても良い。本実施の形態では、基板上にLED(発光ダイオード)を多数配置したLEDパネルを光源1として用いている。
光源1は、透明板3上に載置された検査対象物に光を照射する向きに配置されている。光源1の波長は、検査対象物を透過しやすい波長であれば良く、検査対象物の種類や厚さによって波長200nmの近紫外光から1800nmの近赤外光の範囲で適宜選択できる。好ましくは、380nmの可視光から1100nmの近赤外光の範囲であれば、光が検査対象物を透過しやすい。また、この領域では、一般的なCCDセンサーやCMOSセンサーのSi系撮像素子の波長範囲内であることから、容易にシステムを構築できる。
さらに好ましくは600nm〜1100nmである。この領域では、観測される吸収バンドが非常に弱いことで透過性に優れる。また、600nm以上では、比較的散乱の影響を受けにくくなる。特に、農産物やその加工品、その他食品等を検査対象物とする場合には、水の吸収が小さい600nmから900nmの近赤外光を選択することが好ましい。
受像器2は、光源1から照射され、透明板3上に載置された検査対象物を透過した光を受光する向きに配置され、検査対象物に焦点が合うように前部円筒部にレンズが取り付けられている。受像器2としては、CCD、CMOSなどのイメージセンサを搭載したデジタルカメラを使用でき、光源1の波長領域で好感度であることが好ましい。画素数は、検査対象物と異物の大きさや検査の目的に応じて選択できる。分解能は、256階調(8ビット)以上であることが好ましい。
光源1と透明板3との間には、第1の偏光子4が光源1および透明板3と平行に配置されており、光源1から照射された光を、図中y方向に偏光させる(すなわち透過軸がy方向)。図中、偏光子の縞模様は偏光方向を理解しやすくするために付けたもので、実際には肉眼で目視できない。
偏光子には、ガラス板や熱可塑性樹脂フィルム等の基材に偏光フィルムを貼った偏光板、同様の基材に二色性染料等を塗布した偏光板等の公知の偏光光学素子を用いることができる。なお、光源1が近赤外光である場合には、可視光用の偏光フィルムでは十分な偏光性能が得られないため、ワイヤグリッド方式の偏光フィルム(例えば、旭化成イーマテリアルズ製WGF(商標))を使用することが好ましい。
さらに、透明板3と受像器2の間には、第2の偏光子5が光源1、透明板3および第1の偏光子4と平行に配置されている。第2の偏光子5は、測定対象を透過した光を図中のy方向に偏光させるy方向偏光部51と、x方向に偏光させるx方向偏光部52が隣接して配置されたもので、フレーム53で一体化されている。
y方向偏光部51とx方向偏光部52は、第1の偏光子4と同様にガラス板や熱可塑性樹脂フィルムなどに偏光膜を貼った偏光板や、ガラス板や熱可塑性樹脂フィルムなどに二色性染料などを塗布した偏光板、ワイヤグリッド方式の偏光板等の公知の偏光光学素子を用いることができ、第1の偏光子4と同一の偏光特性を有することが好ましい。
リニアモータ6とレール7は偏光方向制御手段を構成しており、第2の偏光子5は、当該偏光方向制御手段により、y方向偏光部51を透過した光を受像器2が受光できる位置(以降、「平行位置」という)と、x方向偏光部52を透過した光を受像器2が受光できる位置(以降、「直交位置」という)との間で移動できるようになっている。
すなわち、フレーム53はリニアモータ6に結合されており、リニアモータ6は、コントローラ8の偏光子駆動部82(図2参照)からの命令により、レール7に沿って、矢印で示す方向に往復運動できる。往復運動の範囲は、一端が平行位置であり、他端が直交位置である。
従って、リニアモータ6を駆動して第2の偏光子5を右側に位置させたときは、受像器2は、第2の偏光子5のy方向偏光部51を透過した偏光を受光することとなり、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子の透過軸とのなす相対角が0°となる。
一方、第2の偏光子5を左側に位置させたときは、受像器2は、第2の偏光子5のx方向偏光部52を透過した偏光を受光することとなり、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子の透過軸とのなす相対角が90°となる。
従って、受像器2は、同一の検査対象物について、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸とのなす相対角が小さいとき(0°)と大きいとき(90°)の透過光および散乱光を受光して撮像できる。リニアモータ6の動作および受像器2が2種類の画像を撮像するタイミングの制御には、後述するコントローラ8(図2参照)を用いる。
以後の説明では、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸とのなす相対角が小さいときに受像器2によって撮像された画像を「平行画像」、相対角が大きいときに撮像された画像を「直交画像」という。
図1に示す食品検査装置100は、外光の影響を防ぐために、コントローラ8を除いて筐体(図示せず)で遮光することが好ましい。また、筐体の内面、並びにリニアモータ6およびレール7の表面には、光の反射を防ぐ塗料などで塗装すれば、反射光が撮像に与える影響を防ぎやすい。
また光源1、受像器2、第1の偏光子4、透明板3およびレール7は、直接的に、または取り付け部品を用いた間接的な方法より筐体に固定されている。
次に、コントローラ8について説明する。コントローラ8は、リニアモータ6および受像器2の動作を制御すると共に、受像器2で撮像した画像データを処理するものである。図2に示すように、コントローラ8は、主制御部81、偏光子駆動部82、受像器制御部83、画像データ記憶部84および画像処理部85で構成されている。
主制御部81は、産業用コンピュータやプログラマブルコントローラなどの既知のコントローラで構成され、装置全体をシーケンス制御する。
偏光子駆動部82は、主制御部81からの指令により、リニアモータ6を設定された速度で右方向または左方向に移動させる。位置決めは、例えば、リニアモータ6が所定の停止位置にあるときにオンとなるリミットスイッチ(図示せず)をレール7に取り付け、偏光子駆動部82がリミットスイッチの信号を検知したときにリニアモータ6を停止させる。
受像器制御部83は、主制御部81からの指令により、受像器2の撮像タイミングを制御し、撮像された画像データを受像器2から取得し、さらに画像データ記憶部84に格納する。画像記憶部84は、さらに、濃度調整後の画像データ、差分画像データおよびノイズ成分を閾値で消去した画像データを格納する領域を有する。
画像記憶部84に格納された画像データは、画像処理部85での画像処理演算に供される。画像処理部85は、濃度調整部86、差分演算部87およびノイズ消去部88を有する。
濃度調整部86は、受像器2により撮像され、画像データ記憶部84に格納された直交画像を読み出して、線形濃度変換を行う。変換に必要な定数は、あらかじめ実験によって適切な値が決められている。差分演算部87は、濃度調整部86で濃度変換された直交画像と平行画像との差分画像を生成する。次にノイズ消去部88は、差分画像に濃度閾値を適用して異物とノイズを切り分け、異物が鮮明に写った画像データを生成する。さらに、収縮、膨張、または、これらを組み合わせたモルフォロジー変換や平滑化処理等の既知のノイズ処理を必要に応じて追加しても良い。
ノイズ消去部88で生成された画像をモニタに出力すれば、ノイズが低減し、異物が鮮明に写った画像を検査員が目視することができるため、容易に異物の有無と、異物が存在する場合は、その位置を確認することができる。また、ノイズ消去後の画像に対して、画像認識アルゴリズムを適用して自動的に異物の有無を判定し、異物の位置を特定する画像認識手段(異物検出手段)を設ければ、ノイズが低減して異物が鮮明な画像を元に検出できるため、精度の高い自動検出が可能となる。
(異物検査の原理)
次に、上述の食品検査装置100による異物検査の原理について説明する。最初に、撮像された平行画像と直交画像の特徴について説明する。
平行画像では、第1の偏光子4の透過軸(測定対象に入射する偏光方向)と第2の偏光子5の透過軸が同一方向であるため、検査対象物に入射した光のうち、散乱による偏光の乱れがない光の成分を多く含む。すなわち、検査対象物に入射した偏光は、検査対象物の内部構造によって散乱し偏光が乱れるが、一部の入射光は散乱することなく検査対象物を透過する。
従って、第1の偏光子4と第2の偏光子5の透過軸を平行にすれば、偏光が乱れた散乱光の一部を第2の偏光子5で遮断できるため、受像器2に到達する光は、散乱せずに透過した光を多くの割合で受光することができる。散乱せずに透過した光は、異物の影や、検査対象物内部の光学的不均一性に起因するノイズなどの内部情報が多く含まれるため、平行画像はこれらの形状や大きさが鮮明な画像となる。
ここで、光学的不均一性とは、果皮と果実などの生体組織の光学的な差異、混合物の各成分の光学的差異などのことであり、光の反射や吸収に差異があることにより、撮像した平行画像に濃度むらを生じさせる原因となるものをいう。
一方、直交画像では、第2の偏光子5の透過軸を散乱せずに透過する光を遮断する方向にしているので、散乱光の割合が多い画像が得られる。直交画像には、異物の影やノイズによる細かい影がほとんど写らないか、または不鮮明な画像となる。
このように、見た目に異なる平行画像と直交画像ではあるが、両画像には、同じ原因によるノイズが含まれるものと推測される。また、検査対象物の厚さは、両画像のノイズに同じ傾向の影響を与えるものと推測される。これは、後述する濃度調整と、平行画像と直交画像との差分を算出した後、差分画像の濃度値に閾値を設けてノイズをキャンセルすると、同一設定で検査対象物の厚さによらず、ノイズを低減した異物の鮮明な画像が得られる実験からの帰結である。
上述したように、検査対象物の厚さの影響を受けるノイズは、平行画像と直交画像のいずれにも表れるが、直交画像では、その濃度変化率(コントラスト)は小さい。本発明に係る食品検査装置は、平行画像から厚さの影響を受けるノイズを取り除くための前処理として濃度調整を行っており、具体的には、直交画像のコントラストを増加させるか、平行画像のコントラストを低下させている。
直交画像のコントラストを増加させる方法としては、例えば、直交画像の各画素の濃度値に1より大きな定数を乗算して、濃度変化率を増加させても良いが、直交画像全体の濃度の平均値が併せて増加するので、平均値を別にコントロールできる線形濃度変換等を使用することが好ましい。
上述した濃度調整は直交画像に対して行うが、平行画像と直交画像に含まれる検査対象物の厚さの影響を受けるノイズの濃度変化率を両画像で近似させる濃度調整であればよく、平行画像に対してコントラストを低下させる濃度調整を行っても良い。また、平行画像と直交画像の両方を濃度調整してもよい。
濃度調整が終了した平行画像と直交画像の差分画像を生成すれば、検査対象物の厚さの影響を受けるノイズをキャンセルできるので、差分画像の濃度に閾値を設けて異物とノイズを区別しやすい。
ここで、差分画像とは、平行画像(または直交画像)の各画素の濃度値から直交画像(または平行画像)の対応する画素の濃度値を引いた値を対応する画素の濃度値として持つ画像である。
なお、画像の濃度値の型は、通常符号なし整数型であるが、差分を取ると、濃度値が負の値となり、演算でエラーが生じたり、求める結果が得られない場合がある。この場合、処理プログラムで変数を符号付整数型や浮動小数点型に型変換すれば、エラーを生じずに求める演算結果を得ることができる。演算結果を画像データとして保存するには、例えば、負の値を有する演算結果について、濃度値の最低値が0以上となる定数を全画素の濃度値に加えるなどして、再度符号なし整数型に変換する。
異物のみの鮮明な画像を生成するためには、差分画像について、あらかじめ適切に定めた閾値より高い(または低い)濃度値の画素のみを、例えば濃度値255(白色)に置き換え、その他の画素を0(黒色)に置き換えれば、異物のみが鮮明な2値化画像が得られる。
濃度調整や閾値は、検査対象物や異物の種類および光源の波長等の条件によって異なるため、実験により適切な値を求めて設定すれば、一定条件下で、厚さに変化がある検査対象物から異物を検出するための鮮明な画像が得られる。
さらに、適切に濃度調整された直交画像の濃度値をそのまま閾値とし、平行画像の濃度値が直交画像の濃度値より高い画素の濃度値を0とし、低い画素の濃度値を255とする処理を行っても、異物のみの鮮明な画像が得られる。
上述した濃度調整とノイズ低減処理について、図面を用いて具体的に説明する。濃度調整とノイズ低減処理には4種類の形態がある。ただし、これらの形態に限られるわけではない。
濃度調整とノイズ低減処理の第1の形態について、図3を用いて説明する。図3(a)は、受像器で撮像された平行画像と直交画像の任意の1行(横方向)の画素の濃度値を表したグラフ(生波形)である。図中、縦軸は濃度値、横軸は画素の座標を表す。なお、グラフに表した画素の縦方向の座標は、平行画像と直交画像で同一とする。図中、実線が平行画像、破線が直交画像の濃度値を表す。また、丸印は、異物の影響により平行画像の濃度値が落ち込んだ部分を示す。
平行画像の濃度値には、異物の影響の他に、検査対象物の光学的不均一性に基づく細かなノイズが表れているが、直交画像の濃度値にはほとんど表れない。一方、両画像には、周期が比較的大きく位相が一致するノイズが表れている。
平行画像の生波形中にある2つの異物の影響は、前記した周期の大きなノイズのため、その濃度レベルが異なり、異物と細かなノイズを分離する閾値を設定することは困難である。そこで本発明では、同様に大きな周期のノイズを有する直交画像の濃度値に基づいて閾値を決定することで、2つの異物と細かなノイズを分離できるようにしている。
図3(b)は、直交画像の濃度値に1以上の定数を乗算して濃度調整を行ったときの濃度値を表したグラフである。なお、平行画像の濃度値は、図3(a)と同一である。直交画像の濃度値は1以上の濃度値を乗算したことにより、周期の大きなノイズの振幅が、平行画像と同程度に増幅されている。
濃度調整後の直交画像と平行画像の濃度値の差分を取った結果を、図3(c)と(d)に示す。図3(c)は、平行画像の濃度値から直交画像の濃度値を引いた差分結果、図3(d)は、逆に直交画像の濃度値から平行画像の濃度値を引いた差分結果である。図中、破線で一定値の閾値を示している。差分を取ったことにより、2つの異物の影響による濃度の落ち込みが同レベルになり、1つの閾値で細かなノイズと異物を分離できることが分かる。
図3(c)および(d)の波形を閾値で2値化すると、図4(a)および(b)に示す2値化画像が得られ、ノイズを消去し、異物のみが鮮明になった画像となる。
次に、濃度調整に線形濃度変換を用いた第2の形態について、図5を用いて説明する。図5(a)は、図3(a)に示した波形と同一の生波形である。直交画像の濃度調整に線形濃度変換を用いた結果が図5(b)である。線形濃度変換では、定数を乗算する方法とは異なり、ノイズの振幅を増加させつつ、その平均値を独立に制御できる。よって、図5(b)に示すように、直交画像の濃度値より低い濃度に平行画像中の細かいノイズが表れないように制御して濃度調整ができる。
この状態で、直交画像の濃度値から平行画像の濃度値を引く差分を行うと、図5(c)に示す結果が得られ、閾値を濃度0とすれば、異物とノイズを分離できる。その後、差分結果について、0未満の濃度値をすべて0に置き換える処理を行うと図5(d)に示すようにノイズが消去され、異物が鮮明になった画像が得られる。
第2の形態の変形として、線形濃度変換による濃度調整を行った後、飽和演算処理を付加した差分処理を行えば、図5(c)の状態を経由することなく、直接図5(d)に示す状態とすることができる。これが第3の形態である。
ここで、飽和演算処理とは、画像処理を行うことにより、濃度値が画像のレンジ(8ビットでは0〜255)外の値を取るときは、自動的にレンジの最小値または最大値に置き換える処理である。市販の画像処理ソフトウエアでは、画像処理コマンドに飽和演算処理を付加したものが多く、差分演算を行うと、0未満の濃度値はすべて0に置き換えられる。
次に、濃度調整とノイズ低減処理の第4の形態について、図6を用いて説明する。図6(a)の生波形と、線形濃度変換を行った図6(b)は、図5(a)、(b)と同一の図面である。
第4の形態では、全体の差分をとることなく、直交画像の濃度値を直接閾値として適用する。すなわち、平行画像の濃度値が直交画像の濃度値より大きい画素の濃度値を0とし、平行画像の濃度値が直交画像の濃度値以下の画素では、直交画像の濃度値から平行画像の濃度値を引いた差分を濃度値として設定する。
そうすると、図6(c)のようにノイズが消去された結果が得られる。この図は、図5(d)と同一である。しかし、これらの図が示す状態ではノイズが消去されているものの、異物の明度(濃度値)が低いため、明度を上げる処理を行うことが好ましい。濃度値に定数を乗算すると、図6(d)に示すように異物の明度が高くなり、画像をモニタに投影する場合には、目視で判別しやすい。
上述したように、コントラストを増加させる濃度調整を行った直交画像の濃度値に基づいて、平行画像からノイズを消去することができる。その際、閾値で異物とノイズを分離する方法として、2値化する方法と、異物をグレースケール(平行と直交の差分)として残す方法がある。
どちらの方法でも、異物とノイズを分離してノイズを消去することは可能であるが、ノイズが取り切れない場合もあるため、さらにモルフォロジー変換、平滑化処理等の既知のノイズ処理を行ってノイズを消去することができる。この場合、2値化するより、異物をグレースケールで残す処理の方が、残ったノイズを処理しやすい。
上述の処理について図7を用いて説明する。2値化する場合は、残ったノイズの濃度は異物と同じ(第1の形態の場合255)となり、図7(a)に示すようにサイズも大きい。一方、異物をグレースケールで残す方法では、図7(b)(c)に示すようにノイズの濃度は低く、高い濃度になるほどサイズは小さくなる。よって、エロージョン(収縮に続き膨張)処理により、容易にノイズを消去できる。
また、異物をグレースケールで残す方法では、図7(c)に示すように各画素の濃度値を定数倍する明度調整を行っても、ノイズが暗いままなので、モニタでも異物を視認しやすい。明度調整にγ<1であるガンマ補正を適用すると、さらにこの効果は大きくなる。
濃度調整方法は、撮像された画像データの調整に限られない。すなわち、撮像時に受像器2が受光する光量を制御して、画像データに対する濃度調整と同様の効果を得ることが可能である。例えば、直交画像撮像時の光量を平行画像撮像時の光量より増加させれば、検査対象物の厚さの影響を受けるノイズの濃度変化率を増加させて平行画像に近づけることができる。
受像器2が受光する光量を制御する方法としては、光源1の出力を制御する方法と、受像器のシャッタースピードを制御する方法がある。光源1の出力を制御するには、例えば、コントローラ8に光源制御部を設けて、光源のLEDに流す電流値を制御すればよい。シャッタースピードの制御については、例えば、平行画像の撮像前と、直交画像の撮像前に、受像器制御部83から受像器2にシャッタースピードを切り替えるコマンドを送ることで制御できる。
平行画像と直交画像とで、それぞれの撮像時に流す電流値またはシャッタースピードは、画像データに対する濃度調整で、線形濃度変換の定数を決める場合と同様にあらかじめ実験を行って求めた数値を適用すれば良い。
(異物検査における処理の流れ)
次に、本実施の形態における異物検査の処理の流れについて、図8のフローチャートを用いて説明する。
最初に、偏光子駆動部82が第2の偏光子5の位置を確認し(ステップS1)、右端(平行位置)以外の位置にあるときには、リニアモータ6を右方向に移動させる(ステップS2)。
第2の偏光子5が右端にあることを検出するまで右方向への移動を繰り返し(ステップS2)、検出した段階でリニアモータ6を停止させる(ステップS3)。
次に、受像器制御部83から受像器2に指令して第1画像(平行画像)を撮像し(ステップS4)、第1画像の画像データを画像データ記憶部84に格納する。(ステップS5)
続いて、偏光子駆動部82が第2の偏光子5の位置を確認する(ステップS6)。第2の偏光子5が左端(直交位置)以外の位置にあるので、リニアモータ6を左方向に移動させる(ステップS7)。
ステップS6において、第2の偏光子5が左端にあることを検出するまでは、ステップS7の処理を繰り返し、検出した段階でリニアモータ6を停止する(ステップS8)。
次に、受像器制御部83から受像器2に指令して第2画像(直交画像)を撮像し(ステップS9)、続いて第2画像の画像データを画像データ記憶部84に格納する(ステップS10)。
続いて、画像処理部85での処理に進み、濃度調整部86において第2画像(直交画像)の濃度値を調整する(ステップS11)。濃度調整は、第2画像の濃度の変化率(コントラスト)を増加させる処理であれば、上述したいずれの形態を採用しても良い。例えば、第2画像の濃度値に1より大きな定数を乗算する方法を用いても良いが、濃度の平均値を制御できる線形濃度変換を行うことが好ましい。
次に、ステップS11で濃度調整を行った第2画像の濃度値に基づいて、第1画像のノイズを低減する処理を行う(ステップS12)。第2画像の濃度値に基づいて、第1画像のノイズを低減する処理として、例えば、差分演算部87で線形濃度変換後の第2画像と第1画像との差分画像を生成し、ノイズ消去部88で差分画像に閾値を適用して異物とノイズを切り分け、ノイズが低減して異物が鮮明に写った画像を生成する。なお、ステップS12では、第2画像の濃度値を閾値として、直接第1画像からノイズを低減した画像を取得することもできる。
最後に、ノイズ低減後の画像データに基づいて画像認識を実行して異物の有無を判定し(ステップS13)、判定結果を出力して一連の処理を終了する。
画像認識には、例えば、画像を2値化してラベリングした領域の大きさで異物を認識する方法を採用できる。また、特徴点を抽出したパターン認識等、検査対象物や異物および必要とする検査精度に応じて、公知の認識手法を選択できる。
判定結果の出力は、例えば、画像認識プログラムが画像中に異物が存在することを認識した場合にフラグをたて、フラグが立った場合に、ワーニングをモニタに表示させたり、警報装置を作動させる等の出力手段により行うことができる。また、検査ラインを自動的に停止させ、品質データベースに記録させる構成とすることもできる。
さらに、異物の位置を画像の座標から計算して出力しても良い。また、複数種類の異物の特徴点により異物の種類を分けて認識すると、前工程において異物混入の原因を特定しやすく、改善に役立てられる。
(実験例1)
次に、本実施の形態に係る食品検査装置100を用いて実験を行った結果について説明する。
本実験では、細かく刻んだ梅肉を検査対象物とした。この梅肉は、ペースト状の果肉と繊維質を含む果皮が混在して光学的に不均一な状態である。透明板3の上には、中央部に長方形(18mm×22mm)の窓部を設けた黒いゴム板を受像器2の受光軸が窓部中央を通る位置に載置した。
ゴム板の窓部の透明板3上に異物として、アカマダラケシキスイの幼虫、ゴム手袋の破片およびアルミ箔片を載置し、その上に前記梅肉を厚さが5mmとなるように重置した。なお、黒色のゴム板は、光源1から出射され検査体操物を透過せずに受像器2に到達する光を遮蔽するために設けてある。
光源1は、波長が850nmのLED(ROHM製SIR-568ST3F)を1平方cm当り3個の面密度になるように6.53m×7.6cmの基板上に配置してLEDパネルとし、各LEDに0.1Aの電流を印加し点灯させた。
受像器2には、WATEC製のモノクロCCDカメラ(WAT-910HX)を使用し、TAMRON製のIR(赤外線)対応バリフォーカルレンズ(12VM412ASIR)を取り付け、検査体操物に焦点を合わせた。シャッタースピードは、1msecに固定した。
第1の偏光子4、ならびに第2の偏光子5のy方向偏光部51およびx方向偏光部52は、すべて旭化成イーマテリアルズ製のワイヤグリッド偏光フィルム(WGF-HTU)を貼付したガラス板とした。
各部品の位置関係は、光源1と第1の偏光子4の間が50mm、第1の偏光子4と透明板3との間が50mm、透明板3と第2の偏光子5との間が25mm、および第2の偏光子5と受像器2に取り付けたレンズの間が20mmであり、すべての部品は、下から上に一直線の光路上に配置してある。
図9(a)は、第2の偏光子5を、受像器2がy方向偏光部51を通して受光できる位置にセットして撮像した平行画像(相対角0°)の写真である。一方、図9(b)は、第2の偏光子5を、受像器2がx方向偏光部52を通して受光できる位置にセットして撮像した直交画像(相対角90°)の写真である。
図9(b)に示す直交画像の全画素の濃度値を1.4倍する濃度調整を行い、濃度調整後の直交画像の濃度値から図9(a)に示す平行画像の濃度値を引いて差分画像を生成した。図9(c)は、この差分画像の全画素の濃度値を5倍にして濃度調整した画像の写真である。
なお、差分演算実行時に、濃度値が0以下となる場合は、値を0に置き換える処理を行っているので、ノイズを閾値で消去する処理を同時に行っている。以降の差分演算も同様である。
また、同じ直交画像(図9(b))に対して、線形濃度変換による濃度調整を行い、同様に平行画像(図9(a))との差分画像を生成した。なお、線形濃度変換は、元画像の濃度値下限Aを生成画像の濃度値0に、元画像の濃度値上限Bを生成画像の濃度値255に対応するように、元画像の濃度値A〜Bの区間の濃度値を線形的に変換する。濃度値下限Aを10、上限Bを150として、線形濃度変換を行った。図9(d)は、この差分画像の全画素の濃度値を10倍にして濃度調整した画像の写真である。
図9(c)、(d)ともに、平行画像に写っている梅の皮や繊維質の影響によるノイズが大幅に低減された。しかし、定数を乗じる濃度調整を行った写真(図9(c))では左側に梅の皮のノイズが若干残ったが、線形濃度変換を行った写真(図9(d))では消えている。
(実験例2)
次に、アカマダラケシキスイの幼虫を異物とし、実験例1と同じ梅肉を検査対象として、検査対象物の厚さが変わった場合の効果確認を行った。
波長850nmのLED(OSRAM,SFH4550)を1平方cm当り3個の面密度になるように6.53m×7.6cmの基板上に配置したLEDパネルを光源1とし、各LEDに印加する電流値を0.1Aとし、シャッタースピードを4msecとし、差分演算後の濃度調整を20倍としたことを除き、実験例1と同様の撮像条件とした。
図10(a)、(b)に梅肉の厚さ2mmの平行画像と直交画像を、図10(c)、(d)に厚さ5mmの平行画像と直交画像を示す。また図11(a)、(b)に濃度値下限Aを25、上限Bを170として、線形濃度変換を行い、実験例1と同様の方法により差分画像を生成した結果を示す。図11(a)が2mm、(b)が5mmの厚さである。
図11(c)、(d)に濃度値下限Aを30、上限Bを165として、線形濃度変換を行い、実験例1と同様の方法により差分画像を生成した結果を示す。図11(c)が2mm、(d)が5mmの厚さである。いずれも、ほとんどノイズが消え、異物だけが鮮明になっている。
(比較例1)
比較例として、実験例2と同一の平行画像と、一定の濃度値で全画素を塗りつぶした画像との差分演算を実行した。塗りつぶした画像の濃度値を閾値として、平行画像のこれより高い濃度値を有する画素を一色に塗りつぶすことでノイズを消去するのと同じ効果がある。塗りつぶし画像の濃度値を以下に示す通りとし、濃度変換を行っていないことを除き、実験例2と同様に処理を行った。
図12(a)、(b)に塗りつぶし画像の濃度値を155として生成した差分画像を示す。図12(a)が2mm、(b)が5mmの厚さである。また図12(c)、(d)に塗りつぶし画像の濃度値を160として生成した差分画像を示す。図12(c)が2mm、(d)が5mmの厚さである。
図12(a)に示すように、塗りつぶし画像の濃度値が155の場合は、厚さ2mmでは異物が不鮮明である。これに対し、厚さ5mmでは異物は鮮明であるが、ノイズが若干残る。
一方、塗りつぶし画像の濃度値が160の場合は、厚さ2mmで異物が鮮明になるが、厚さ5mmではノイズが増加する。よって、厚さ2mmと5mmで異物が鮮明で、ノイズが残らない条件は見いだせないことが分かる。この結果より、単に平行画像に閾値を適用する比較例1に対し、直交画像との差分を取る実験例2の有効性が分かる。
(実験例3)
直交画像の濃度調整に替えて、光源1の光量を電流値を変更することにより、平行画像と直交画像のコントラストを調整して本発明の効果を確認した。電流値を変更したこと、および濃度調整を行わずに演算処理を実施し、差分演算後の濃度調整を10倍としたことを除き、実験例2と同一条件で撮像し、差分画像を生成した。なお、電流値は、差分画像を確認しながら、平行画像で0.06A、直交画像で0.1Aとした。
図13(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。直交画像に濃度変換を実施したときと同様、ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例4)
直交画像の濃度調整に替えて、受像器2の受光量をシャッタースピードを変更することにより、平行画像と直交画像のコントラストを調整して本発明の効果を確認した。シャッタースピードを変更したこと、および濃度調整を行わずに演算処理を実施し、差分演算後の濃度調整を10倍としたことを除き、実験例2と同一条件で撮像し、差分画像を生成した。なお、シャッタースピードは、差分画像を確認しながら、平行画像で1msec、直交画像で2msecとした。
図14(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。直交画像に濃度変換を実施したときと同様、ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例5)
検査対象を梅肉からいちごジャムに替え、ゴム手袋の破片を異物として本発明の効果を確認した。本実験例では、濃度調整にシャッタースピードの変更と、直交画像に対する線形濃度変換を併用した。ジャムの厚さは4mmとした。シャッタースピードを平行画像で0.01msec、直交画像で0.2msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A4、上限B212とする線形濃度変換を行った。その他の条件は、実験例2と同一である。
図15(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。差分画像では、平行画像にある繊維質によるノイズは消えているが、いちごの種が異物とともに鮮明に写っている。しかし、種は小さいため、後にモルフォロジー変換、平滑化処理等のノイズ処理で、異物のみを残した画像を取得可能である。また、種に着目すれば、異物検査以外に、種の有無や分散状況を確認するためにも、本発明を適用し得る。
(実験例6)
検査対象を梅肉から梅果肉入りゼリーに替え、ゴム手袋の破片を異物として本発明の効果を確認した。本実験例では、濃度調整にシャッタースピードの変更と、直交画像に対する線形濃度変換を併用した。ゼリーの厚さは4mmとした。シャッタースピードを平行画像で0.1msec、直交画像で0.5msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A8、上限B173とする線形濃度変換を行った。その他の条件は、実験例2と同一である。
図16(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。差分画像では、平行画像にある繊維質によるノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例7)
検査対象を梅肉から白菜キムチに替え、ゴム手袋の破片を異物として本発明の効果を確認した。白菜キムチの厚さは4mmとした。シャッタースピードを0.5msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A13、上限B196とする線形濃度変換を行った。また、差分演算後の濃度調整を20倍とした。その他の条件は、実験例2と同一である。
図17(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例8)
実験例2の光源1を近赤外線から可視光線に替えて本発明の効果を確認した。光源を白色LED(モノタロウ24LED丸形ライト)とした。また、シャッタースピードを333msecとし、濃度調整の条件は、線形濃度変換(下限Aを10、上限Bを191)とした。また、梅肉の厚さを4mmとし、その他の条件は、実験例2と同一とした。
図18(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。光源を近赤外線としたときと同様、ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
上述したように本発明に係る食品検査装置では、第1画像に異物の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズが比較的鮮明に写る。一方、第2画像には、異物の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズは見た目には不鮮明であるが、第1画像に含まれるノイズと同じ原因によるノイズ成分(以下「共通ノイズ」という。)が含まれていると考えられる。
したがって、第2画像の濃度値を利用すれば、第1画像から共通ノイズをキャンセルして、ノイズを低減した画像が得られる。この画像に対して異物判定を行うことで、誤判定を防ぐことができる。
さらに、第2画像の濃度コントラストを増大、および/または第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行う濃度調整手段を有するので、第1画像と第2画像に含まれる共通ノイズによる濃度の変化率を近似させることができる。
よって、濃度調整後に第1画像と第2画像の差分を取れば、第1画像に含まれる共通ノイズをキャンセルでき、異物とノイズ成分を判別しやすい差分画像データを生成できる。その結果、ノイズ成分を消去または低減した画像データには異物だけが鮮明に表れるため、精度よく異物の有無を判定でき、異物が存在する場合には、その位置を特定できる。
<実施の形態2>
図19に、本発明の実施の形態2に係る食品検査装置100の基本的な構成を示す。図中、図1の部材と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。またコントローラについては、偏光子駆動部82の制御対象がステッピングモータ9であることを除いて、図2に示したコントローラ8と変わりがない。
本実施の形態では、図1に示した実施の形態1の第2の偏光子5を構成するy方向偏光子51、x方向偏光子52、フレーム53、リニアモータ6およびレール7に替えて、円形偏光子54、プーリ付フレーム55、ステッピングモータ9、サポート板10、モータプーリ11およびプーリベルト12を用いる。
プーリ付フレーム55は、サポート板10の穴部に回転自在に係合され、サポート板10から脱落しないように上部と下部にフランジが設けられている。円形偏光子54は、プーリ付フレーム55に外周で固定されており、プーリ付フレーム55が回転するとともに回転し、透過軸の方向を変えることができるようになっている。
また、サポート板10には、ステッピングモータ9のケースが固定されており、ステッピングモータ9の回転軸には、モータプーリ11が取り付けられている。プーリ付フレーム55は、外周にプーリ溝が設けられており、モータプーリ11とプーリベルト12で係合され、ステッピングモータ9からの動力が伝達されるようになっている。
よって、ステッピングモータ9の回転を制御すれば、円形偏光子54を回転させることができ、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸との相対角を変更することができる。
図19に示す構成を採用することにより、偏光方向制御における機械的動作を搖動から回転運動に替えることができるため、振動の低減が可能である。また、円形偏光子は、180°回転するごとに相対角が0°から90°まで変化するため、一方向の回転で、平行画像と直交画像の撮像が可能になる。
(実験例9)
本実施の形態に係る食品検査装置を用いて実験を行った結果を説明する。実施の形態1では、第1の偏光子と第2の偏光子との相対角が0°のときに撮像した画像を平行画像、90°のときに撮像した画像を直交画像として扱ったが、平行画像の相対角が直交画像の相対角より小さければ、これに限らず本発明の効果を奏することができる。そこで、本発明の範囲を明確にするために、平行画像と直交画像の相対角の有効範囲を調べた。
図20に、第1の偏光子4と第2の偏光子5との相対角を10°ごとに変更して撮像した写真を示す。撮像条件は前述の実験例2と同一とし、梅肉の厚さは5mmとした。図21は、図20の画像を組み合わせて生成した差分画像である。これまでと同様、差分演算時には、0以下となる濃度値を0に置き換えた。線形濃度変換の下限値Aと上限値Bは、それぞれの写真の上部に記載した通りである。
図21の上段の写真は、平行画像と直交画像をともに相対角を10°ずつ変更したときの差分画像である。平行画像の相対角20°、直交画像の相対角70°の組み合わせでも、ノイズが消去され異物が鮮明になる差分画像が得られた。また、平行画像の相対角30°、直交画像の相対角60°の組み合わせでは、異物の鮮明度が若干低下するが、後の画像認識には十分使用できる鮮明度を有している。
図21の中段に示すように、直交画像の相対角を90°で固定した場合は、平行画像の相対角を50°としても、ノイズがなく鮮明な異物の画像が得られる。この場合、画像認識で使用可能な平行画像の相対角の上限は70°となる。
図21の下段に示すように、平行画像の相対角を0°で固定した場合は、直交画像の相対角を70°としても、ノイズがなく鮮明な異物の画像が得られる。この場合、画像認識で使用可能な直交画像の相対角の下限は50°となる。
(比較例2)
図22は、実験例3と同様に平行画像と直交画像の相対角の範囲を調べた結果、本発明の効果を奏しない範囲の差分画像である。平行画像と直交画像の相対角の差が20°を下回るとノイズが消去できず、異物も視認できない。また、直交画像の相対角が50°を下回った場合も同様である。
以上の結果から、平行画像の相対角は70°以下、直交画像の相対角は50°以上であり、かつ直交画像の相対角は、平行画像の相対角に対して20°以上大きくなければならない。好ましくは、平行画像の相対角を50°以下、直交画像の相対角を70°以上、かつ直交画像の相対角を平行画像の相対角に対して50°以上大きくすると、ノイズを消去しつつ、より異物が鮮明な画像が得られるため、後の画像認識の精度が向上する。
<実施の形態3>
実施の形態1および2は、いずれも直線偏光を利用するものであるが、本発明に係る食品検査装置では、円偏光を利用することもできる。本実施の形態では、実施の形態1の第1の偏光子4と第2の偏光子5を円偏光板で構成している。
第1の偏光子4は、光を右回りの円偏光に変換する。第2の偏光子5は、図示しないが、y方向偏光部51が、右回りの円偏光を直線偏光に変換して透過させる右回転透過部に替わり、x方向偏光部52が、左回りの円偏光を直線偏光に変換して透過させる左回転透過部に替わっている。
そして偏光方向制御手段が、右回転透過部を通して検査対象物からの光を受光できる正転透過位置と、左回転透過部を通して受光できる逆転透過位置とを切り替える。さらに、受像器2により、正転透過位置における第1画像と逆転透過位置における第2画像とを撮像し、画像データを画像データ記憶部84に格納する。
第1画像は、実施の形態1における平行画像と同様に、異物やノイズの影が鮮明な画像となる。また、第2画像は、直交画像と同様に異物やノイズの影が不鮮明な画像となる。
実施の形態1と同様に、濃度調整手段による濃度調整および差分画像を取得して、閾値によりノイズを消去すれば、精度よく異物を検知することができる。
(実験例10)
本実施の形態に係る食品検査装置を用いて実験を行った結果を説明する。前述の実験例7の偏光子を円偏光板に替えて効果を確認した。第1の偏光子4を左回りの円偏光子(株式会社美舘イメージング製TCPL)とし、第1画像用の第2の偏光子5には、同じく左回りの円偏光板を用い、検査対象である梅肉を設置しない状態で第1の偏光子4を透過した光を受像器2が受光できるように配置した。
また、第2画像用の第2の偏光子5には、右回りの円偏光板(株式会社美舘イメージング製TCPR)を用いて、検査対象である梅肉を設置しない状態で第1の偏光子4を透過した光を受像器が受光できないように配置した。その他の条件は、実験例8と同一である。なお、濃度調整は第2画像に対して線形濃度変換(下限Aを10、上限Bを191)を行い、差分演算では第2画像の濃度値から第1画像の濃度値を差し引いた。
図23(a)に第1画像、(b)に第2画像、(c)に差分画像を示す。図18に示す実験例7の直線偏光と比較すると効果は低下するが、円偏光であっても、ノイズを低減して異物を鮮明化する効果を有する。
<実施の形態4>
実施の形態1ないし3は、いずれも第1画像(平行画像)と第2画像で同一の波長の検査光を照射する光源を使用しているが、本実施の形態では、第1画像(平行画像)と第2画像で異なる波長の検査光を照射できる光源を使用している。
上述した各実施の形態において、光源については、第1画像と第2画像とで同一波長の検査光を照射することを前提に説明してきたが、第1画像と第2画像とで異なる波長の検査光を照射する光源を用いれば、ノイズ低減効果がさらに優れた食品検査装置を提供できる。
すなわち、第1画像撮像時には、異物を含まない検査対象物に対する光の透過率と異物を含む検査対象物に対する光の透過率との差が比較的大きい波長域(第1波長)の検査光を照射すれば、異物の影が鮮明な第1画像が得られる。一方、第2画像撮像時には、第1波長と比較して透過率の差が小さくなる波長域(第2波長)の検査光を照射すれば、第2画像では、異物の影がより薄く撮像される。この結果、第1画像と第2画像との差分画像ではSN比が向上し、異物とノイズの判別がさらに容易になる。
図24に、本実施の形態で用いる光源1の構成を示す。本実施の形態では、異なる波長の検査光を選択的に照射するために、光源1として、2種類のLEDを千鳥状に配置したLEDパネルを用いている。同図において、第1画像撮像時に点灯する第1波長のLEDを白丸で、第2画像撮像時に点灯する第2波長のLEDを黒丸で示している。
第1波長と第2波長の点灯切り替えは、例えば、図8のフローチャートのステップS3とステップS8におけるリニアモータ停止命令と同期させて、電力供給を切り替えることで、第1波長のLED点灯時に第1画像を撮像し、第2波長のLED点灯時に第2画像を撮像することができる。
(実験例11)
本実施の形態に係る食品検査装置を用いて実験を行った結果を説明する。
本実験では、細かく刻んだ梅肉を検査対象物とした。この梅肉は、ペースト状の果肉と繊維質を含む果皮が混在して光学的に不均一な状態である。透明板3上に、中央部に長方形(90mm×140mm)の窓部を設けた遮光板を受像器2の受光軸が窓部中央を通る位置に載置した。
遮光板の窓部の透明板3上に異物として、アカマダラケシキスイの幼虫を載置し、その上に前記梅肉を厚さが3mmとなるように重置した。なお、遮光板は、光源1から出射され、検査対象物を透過せずに受像器2に到達する光を遮蔽するために設けてある。
光源1には、波長850nmのLED(OSRAM製SHF4550)と波長940nmのLED(OSRAM製SFH4545)とを、図24に示す寸法で千鳥状に配置したLEDパネルを用いた。LED点灯時の電流値は、波長850nmで7.87mA、波長940nmで13.44mAとした。
本実験例では、平行画像と直交画像の撮像時の光源の波長について検討するために、LEDの点灯を制御できるようにした。すなわち、第1画像および第2画像のそれぞれの撮像時に、2つの波長のLEDのうち一方を選択的に点灯可能な実験装置を用いて実験を行った。
受像器2には、Baumer製のモノクロCMOSカメラ(HXC40-NIR)を使用し、アド・サイエンス製の近赤外線レンズ(NIR-KW25)を取り付け、検査対象物に焦点を合わせた。シャッタースピードは10msecに固定した。第1の偏光子4ならびに第2の偏光子5は、実験例1と同様である。
各部品の位置関係は、光源1と第1の偏光子4の間が65mm、第1の偏光子4と透明板3との間が0mm(すなわち偏光フィルムを透明板に貼付)、透明板3と第2の偏光子5との間が590mm、および第2の偏光子5と受像器2に取り付けたレンズの間が15mmであり、すべての部品は、下から上に一直線の光路上に配置してある。
図25(a)は、光源1の波長850nmのLEDを点灯させて撮像した平行画像、同図(b)は、同じく波長850nmのLEDを点灯させて撮像した直交画像の写真である。また同図(c)は、波長940nmのLEDを点灯させて撮像した平行画像、同図(d)は、同じく波長940nmのLEDを点灯させて撮像した直交画像の写真である。なお、平行画像の白色丸印は、異物の位置を示している。
図26(a)〜(d)は、直交画像に対し線形濃度変換による濃度調整を行い、実験例1と同様の方法で平行画像との差分を取った差分画像である。同図(a)は、波長850nmのLEDを点灯させて撮像した平行画像(図25(a))と、波長850nmのLEDを点灯させて撮像した直交画像(図25(b))との組み合わせ(以下「平行850−直交850」と記す。)に係る差分画像である。
また、図26(b)、(c)および(d)は、それぞれ平行940−直交940、平行940−直交850、および平行850−直交940の組み合わせに係る差分画像である。
図26の差分画像は、それぞれノイズが最も少なくなるように直交画像の線形濃度変換の濃度値下限Aと上限Bを調整して差分演算を行い、その後、一律に全画素の濃度値を40倍にして濃度調整して得た画像である。線形濃度変換の条件を表1に示す。
図26の各差分画像を比較すると、平行画像撮像時と直交画像撮像時とで光源の波長が同一である(a)および(b)は、同程度の果肉によるノイズが残っている。これに対し、異なる波長を組み合わせた平行940−直交850の組み合わせである(c)では、(a)および(b)に対してノイズが多く残っている。一方、平行850−直交940の組み合わせである(d)では、逆に(a)および(b)に対してノイズが少なくなっている。
この結果から、平行画像撮像時と直交画像撮像時で、異なる波長の光源を用いることは、差分画像に残るノイズの量に影響を与えることが分かる。さらに、撮像と波長の組み合わせを入れ替えると、ノイズ量への影響は逆転し、一方がノイズ低減効果を示す場合は、他方では逆に悪化する。
この現象について、図27を用いて説明する。図27は、梅肉単体(破線で表示)および異物を含む梅肉(実線で表示)の透過率と波長との関係を示したものである。測定セルには、厚さ5mmの石英セル(島津製作所製短光路長セル200-34449)を使用した。
梅肉単体の試料は、梅肉のみを測定セルに充填したものを用いた。一方、異物を含む梅肉の試料は、次のようにして作成したものを用いた。すなわち、異物として、アカマダラケシキスイの幼虫を使用し、測定セルの光源側に5匹配列させ、幼虫以外のすき間部分に梅肉を充填した。透過率測定には、島津製作所製紫外・可視・近赤外分光光度計UV-3600を用いて、500nm〜1000nmの波長範囲を0.5nmピッチで測定した。
図27から明らかなように、850nm付近の波長域では梅肉単体と異物を含む梅肉との透過率差が大きいが、940nm付近の波長域ではこの透過率差が小さくなる。よって、波長850nmのLEDを点灯させて撮像した場合は、梅肉と異物の濃度差が相対的に大きく、異物の影が鮮明な平行画像が得られる。
一方、波長940nmのLEDを点灯させて撮像した場合は、梅肉と異物の濃度差が相対的に小さくなり、異物による濃度の低下がより小さくなった(すなわち異物の影がより薄くなった)直交画像を得ることができる。
ここで、本発明に係る食品検査装置では、平行画像と直交画像との差分画像を生成することにより、両画像に共通して含まれるノイズ成分をキャンセルするのであるから、平行画像では異物の影がより鮮明に、直行画像では異物の影がより薄くなることが好ましい。
したがって、平行画像撮像時と直交画像撮像時で、異なる波長の光源を用いることによって、異物の影を前者ではより鮮明に、後者ではより薄くできるため、SN比が良好な差分画像を得ることができる。
(実験例12)
検査対象物を梅肉から白菜キムチに、異物をアカマダラケシキスイの幼虫からゴム手袋の破片に、それぞれ変更して実験例11と同様の実験を行った。
透明板3上にゴム手袋の破片を載置し、その上に白菜キムチを重置した。その際、キムチ同士ができるだけ重ならないように留意しつつ、透明板上の窓部全体を覆うようにした。線形濃度変換の条件に表2の数値を適用したことを除き、実験条件は、実験例11と同様とした。
図28に、受像器2で撮像した平行画像と直交画像を示す。図28(a)は、波長850nmのLEDを点灯させて撮像した平行画像、同図(b)は、同じく波長850nmのLEDを点灯させて撮像した直交画像の写真である。また、同図(c)は、波長940nmのLEDを点灯させて撮像した平行画像、同図(d)は、同じく波長940nmのLEDを点灯させて撮像した直交画像の写真である。なお、平行画像の白色丸印は、異物の位置を示している。
図29に、本実験例における差分画像を示す。図29(a)〜(d)は、それぞれ平行850−直交850、平行940−直交940、平行940−直交850、および平行850−直交940の組み合わせに係る差分画像である。
本実験例においても、実験例11と同様に、同一波長の組み合わせに係る差分画像である図29(a)および(b)に対し、平行940−直交850の組み合わせである同図(c)では、ノイズが多く残っている。一方、平行850−直交940の組み合わせである同図(d)では、ノイズが少なくなる傾向が見られる。
図30は、白菜キムチおよび異物(ゴム手袋の破片)の透過率と波長との関係を示したものである。白菜キムチの試料は、測定セルを使用せず、分光光度計の試料ホルダに設置可能な大きさに切断した白菜キムチを透明なポリエチレン袋(ユニパック製A-4)に入れたものを用いた。一方、異物の試料は、同様に測定セルを使用せず、ゴム手袋を切断したものを5枚重ねにして分光光度計に設置したものを用いた。その他は、実施例11と同一の条件で測定した。
図30は、図27と異なり、検査対象物単体(破線で表示)と異物単体(実線で表示)とを対比したグラフである。図30からは、波長850nmから940nmにかけての透過率が、検査対象物である白菜キムチでは減少傾向であるのに対し、異物のゴム手袋では増加傾向にあることが分かる。このことは、白菜キムチ単体の透過率と、ゴム手袋の破片が異物として付着した白菜キムチの透過率との差について、波長850nmにおける差が、波長940nmにおける差よりも大きくなることを示している。
図27および図30の結果により、本実施の形態に係る食品検査装置によってSN比が向上するメカニズムが裏付けられた。
上述したように、本実施の形態に係る食品検査装置は、広く食品全般に適用可能であり、特に農産物や農産物加工品中の異物検出に好適である。平行画像と直交画像撮像時のそれぞれの波長の選択にあたっては、検査対象物および異物の光の透過特性が既知のものであれば、専用の光源として設計することも可能である。
しかし、光の透過特性が未知の場合であっても、複数波長を選択可能な既存の光源を用いて、最適な波長を決定することができる。すなわち、光源の一の波長域における異物を含まない検査対象物と異物を含む検査対象物の透過率の差と、他の波長域における透過率の差とが異なれば、これらの波長域と平行および直交との組み合わせを実験で確認することにより、容易に最適な波長を選択することができる。
なお、本実施の形態では、光源1として2種類のLEDを千鳥状に配置したLEDパネルを用いたが、第1画像撮像時と第2画像撮像時で異なる波長域の検査光を照射するために、波長の異なる2枚のLEDパネルを選択的に照射位置に配置するような機構を、図1の構成に追加してもよい。また、2枚のLEDパネルを固定し、可動式のミラーで光路を切り替える方式としてもよい。
実施の形態1〜4で説明したように、本発明に係る食品検査装置は、農産物、農産物加工品その他の食品を検査対象とすることができる。また、これに限らず、検査対象物が光学的に不均一な特性を有するものであれば、一定条件下、この不均一性に基づくノイズを低減する効果を奏する。
目的とする検査対象物が、本発明に係る食品検査装置を適用できるか否かについて、簡単に確認するためには、検査対象物の最下層(光源側)に異物を仕込んで平行画像と直交画像を撮像すれば良い。平行画像で異物の部分の濃度が低下し、直交画像で異物の部分の濃度低下がないか、平行画像と比較して濃度の落ち込みがはっきりしないようであれば、本発明に係る食品検査装置を適用できる。
検査対象物の厚さの最大値は、検査対象物の透明度、検査光の波長や、検出する異物の種類および大きさ等の条件によって異なるため、上述した簡単な確認により、予め効果を確認して定めればよい。
なお、上述の実施の形態における偏光方向制御手段は、いずれも機械制御であるため、偏光方向の切り替えに時間を要する。代替手段として、電気式の偏光方向制御手段を採用することもできる。すなわち、出射側の偏光板を削除した液晶パネルを第1の偏光子として電圧制御することにより、直線偏光の偏光方向を90°変えられる。この場合、第2の偏光子は固定のままで使用できる。
ちなみに、TN型液晶パネルは、液晶セルの入射側に偏光板が貼られており、入射光を直線偏光にする。液晶セルには、互いに直交した溝を有する配向膜が2枚上下に配置されている。その間に挟持された液晶分子は、配向膜間で90°ねじれて配向する。従って、偏光板を通過した偏光は、配向膜間を通過する間に、液晶分子の配向のねじれに沿って、90°偏光方向が変えられる。
ここで、配向膜間に電圧をかけると、液晶分子は、配向膜の法線方向に並び方を変えるので、偏光板で偏光された方向を維持したまま出射する。液晶パネルでは、通常、液晶セルの出射側にも偏光板が貼り合わされており、上述した偏光方向の制御で、偏光の透過と遮断を制御できる構造となっている。
本発明では、偏光方向を制御することが目的であるので、出射側の偏光板を削除した液晶パネルを用いる。偏光方向の制御に機構部は不要であり、迅速な制御が可能であるため、検査速度の向上に資する。
また、検査対象物を載置する透明板を透明なコンベアベルトに変えれば、コンベア上で連続的に検査が可能である。機械的な偏光方向制御手段を用いる場合でも、透明なコンベアベルトを使用してコンベア上で検査を行えば、検査速度の向上は可能である。
例えば、実施の形態1では、偏光方向制御に、第2の偏光子5を並進運動させるため、コンベアの運動を間欠式にして、コンベアの停止中に平行画像と直交画像を撮像しなければ、画像データの処理で、画像の位置修正が必要になる。しかし、実施の形態2では、第2の偏光子は回転式であるため、一定速度で回転中に撮像すれば、両画像の撮像間隔は短くでき、コンベアを停止させなくても、画像間の位置ずれは大きくならない。よって、画像の位置修正なしで画像処理が行える。
また、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸との相対角について、平行画像では0°、直交画像では90°と説明してきたが、直交画像の相対角が平行画像の相対角よりも大きければ、一定条件下で本発明の効果を奏する。
すなわち、平行画像の相対角が70°以下、直交画像の相対角が50°以上、かつ直交画像の相対角が平行画像の相対角に対して20°以上大きければ、ノイズを低減して、異物が写った画像が得られる。
好ましくは、平行画像の相対角を50°以下、直交画像の相対角を70°以上、かつ直交画像の相対角を平行画像の相対角に対して50°以上大きくすれば、ノイズを消去しつつより鮮明な異物の写った画像が得られるため、後の画像認識の精度が向上する。
1 光源
2 受像器
3 透明板
4、5 偏光子
6 リニアモータ
7 レール
8 コントローラ
9 ステッピングモータ
10 サポート板
11 モータプーリ
12 プーリベルト
51 y方向偏光部
52 x方向偏光部
53、55 フレーム
54 円形偏光子
55 プーリ付フレーム
81 主制御部
82 偏光子駆動部
83 受像器制御部
84 画像データ記憶部
85 画像処理部
86 濃度調整部
87 差分演算部
88 ノイズ消去部
100 食品検査装置

Claims (7)

  1. 検査光を検査対象物に照射する光源と、
    前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
    前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を直線偏光させる第1の偏光子と、
    前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、前記透過光を直線偏光させる第2の偏光子と、
    前記第1の偏光子の透過軸と前記第2の偏光子の透過軸とのなす相対角を変更可能な偏光方向制御手段と、を備え、
    前記受像器を用いて相対角が小さい第1画像と相対角が大きい第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を利用して前記検査対象物中に存在する異物を検知することを特徴とする食品検査装置。
  2. 検査光を検査対象物に照射する光源と、
    前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
    前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を円偏光に変換する第1の偏光子と、
    前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、円偏光を直線偏光に変換して透過させる第2の偏光子と、
    前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向、または前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向が切り替え可能な偏光方向制御手段と、を備え、
    前記受像器を用いて前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向と前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向とが同一方向となる第1画像と逆方向となる第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を利用して前記検査対象物中に存在する異物を検知することを特徴とする食品検査装置。
  3. 前記光源は、前記第1画像を撮影する時と前記第2画像を撮影する時で、照射される検査光の波長が異なる、請求項1または2に記載の食品検査装置。
  4. 前記第1画像の撮影時に照射される検査光の波長における異物を含まない検査対象物と異物を含む検査対象物の光の透過率の差が、前記第2画像の撮影時に照射される検査光の波長における前記透過率の差に対して大きい、請求項3に記載の食品検査装置。
  5. 前記第2画像のコントラストを増大、および/または前記第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行う濃度調整手段を有する、請求項1ないし4のいずれかに記載の食品検査装置。
  6. 前記濃度調整手段による濃度調整が行われた第1画像と第2画像との差分画像を生成する画像処理手段を有する、請求項5に記載の食品検査装置。
  7. 前記差分画像に基づいて検査対象物中の異物の有無を判定し、および/または異物の位置を特定する画像認識手段を有する、請求項6に記載の食品検査装置。
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