JP2016104834A - コアシェルポリマーにより改質された変性熱可塑性ウレタンエラストマー - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、優れた機械特性を有する熱可塑性ウレタンエラストマーを提供することである。【解決手段】ポリエーテルジオール(A)およびポリイソシアネート(B)を反応させて得られる熱可塑性ウレタンエラストマー中に、体積平均粒子径が0.01〜0.6μmのコアシェルポリマー(C)が分散しており、該コアシェルポリマーがコア層存在下に芳香族ビニルモノマー、(メタ)アクリレートモノマーおよび水酸基含有ビニルモノマーをグラフト重合してなるシェル層を有する変性熱可塑性ウレタンエラストマーであることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、優れた機械特性を有する熱可塑性ウレタンエラストマーに関する。
熱可塑性ウレタンエラストマーは、機械的特性、磨耗特性などに優れており、幅広い用途で使用されている。熱可塑性ウレタンエラストマーは、通常、ポリオール、イソシアネートおよび鎖延長剤を主原料として反応させることにより得られる。熱可塑性ウレタンエラストマーの機械特性は、原料であるポリオール、イソシアネート、鎖延長剤の比率やポリオールの分子量を変えることで調整できる。しかし、このような方法では、機械特性のある面を改良しようとすると、別の面が悪化する。例えば、引張伸びを改良しようとする場合、より高分子量のポリオールを用いて熱可塑性ウレタンエラストマーが調製されるが、エラストマーの引張強度が低下する。
こうした課題を解決するために、添加剤を利用して機械特性を改善することが試みられている。たとえば、特許文献1にはブタジエンゴムにスチレンとアクリロニトリルをグラフト共重合したコアシェルポリマーを熱可塑性ウレタンエラストマーと混合して機械強度を改善することが例示されている。特許文献2には、シリコーンゴムおよび/またはアクリルゴムにスチレンとアクリロニトリルをグラフト共重合したコアシェルポリマーを熱可塑性ウレタンエラストマーと混合して機械強度を改善することが例示されている。
しかしながら、特許文献1および2の技術では、コアシェルポリマーを10重量%以上使用しなければ十分な効果が見られない。またコアシェルポリマーを多量に使用することで熱可塑性ウレタンエラストマーの本来の特長を低下させる課題がある。
特許文献3には、スチレン、アクリロニトリル、複数の2重結合を有する不飽和エステルをポリオール中で、反応性ポリマー分散剤の存在下で重合することにより、架橋したポリマー粒子が分散したポリオールの合成が記載されている。また、該ポリオールを用いて得られたウレタン樹脂は機械特性が改善されると述べられている。しかしながら、該文献の方法では、反応性ポリマー分散剤が効率よくポリマー粒子表面に存在せず、ウレタン樹脂の機械特性の改善も不十分であり、ポリマー粒子を30重量%以上使用する必要があった。
本発明の目的は、優れた機械特性を有する熱可塑性ウレタンエラストマーを提供することである。
本発明者らは、上記のような課題を解決するため鋭意検討した結果、
ポリエーテルジオール(A)およびポリイソシアネート(B)を反応させて得られる熱可塑性ウレタンエラストマー中に、特定のコアシェルポリマー(C)を分散させてなる変性熱可塑性ウレタンエラストマーが、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
ポリエーテルジオール(A)およびポリイソシアネート(B)を反応させて得られる熱可塑性ウレタンエラストマー中に、特定のコアシェルポリマー(C)を分散させてなる変性熱可塑性ウレタンエラストマーが、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本願発明は、ポリエーテルジオール(A)およびポリイソシアネート(B)を反応させて得られる熱可塑性ウレタンエラストマー中に、体積平均粒子径が0.01〜0.6μmのコアシェルポリマー(C)が分散しており、該コアシェルポリマーがコア層存在下に芳香族ビニルモノマー、(メタ)アクリレートモノマーおよび水酸基含有ビニルモノマーをグラフト重合してなるシェル層を有する変性熱可塑性ウレタンエラストマーに関する。
ポリエーテルジオール(A)が数平均分子量400〜5000を有し、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
コアシェルポリマー(C)が、ジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、及びオルガノシロキサン系ゴムよりなる群から選択される1種以上のコア層を有することが好ましい。
コアシェルポリマー(C)中のコア層成分量が81〜95重量%であることが好ましい。
コアシェルポリマー(C)の含有量が、熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して0.5〜10重量部であることが好ましい。
コアシェルポリマー(C)が熱可塑性ウレタンエラストマー中に1次粒子の状態で均一に分散していることが好ましい。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーは、優れた機械特性を有する。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーは、ポリエーテルジオール(A)およびポリイソシアネート(B)を反応させて得られる熱可塑性ウレタンエラストマー中に、体積平均粒子径が0.01〜0.6μmのコアシェルポリマー(C)が分散しており、該コアシェルポリマーがコア層存在下に芳香族ビニルモノマー、(メタ)アクリレートモノマーおよび水酸基含有モノマーをグラフト重合してなるシェル層を有するものからなる。
以下の本発明について詳述する。
<ポリエーテルジオール(A)>
ポリエーテルジオール(A)は、分子中に水酸基を2個有する化合物である。しかし、ポリエーテルジオールの種類によっては、必ずしも水酸基が正確に2個あるとは限らず、分子当り平均1.7個程度の場合もある。本発明では、分子当り1.7個以上および2.2個以下の水酸基を有するポリマーもポリエーテルジオールとして扱う。ポリエーテルジオールの水酸基は、後述するポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と反応してウレタン結合を有するポリマー、すなわち熱可塑性ウレタンエラストマーを形成する。ポリエーテルジオール(A)は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。ポリエーテルジオール(A)の平均分子量は、ポリイソシアネートとの反応の容易さの点から、100〜5000が好ましく、180〜4000がより好ましく、300〜3000が特に好ましい。
<ポリエーテルジオール(A)>
ポリエーテルジオール(A)は、分子中に水酸基を2個有する化合物である。しかし、ポリエーテルジオールの種類によっては、必ずしも水酸基が正確に2個あるとは限らず、分子当り平均1.7個程度の場合もある。本発明では、分子当り1.7個以上および2.2個以下の水酸基を有するポリマーもポリエーテルジオールとして扱う。ポリエーテルジオールの水酸基は、後述するポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と反応してウレタン結合を有するポリマー、すなわち熱可塑性ウレタンエラストマーを形成する。ポリエーテルジオール(A)は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。ポリエーテルジオール(A)の平均分子量は、ポリイソシアネートとの反応の容易さの点から、100〜5000が好ましく、180〜4000がより好ましく、300〜3000が特に好ましい。
ポリエーテルジオール(A)としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAなどの1種又は2種以上の活性水素を含有する開始剤の存在下、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等を開環重合して得られるランダム又はブロック共重合体等、及びこれらの混合物等が挙げられる。特に好ましい例としては、粘度が低く取り扱いやすいことから、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを挙げることができる。なお、本発明では、ポリプロピレングリコールに、末端にエチレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコール−エチレンオキサイド付加体を含む。
<ポリイソシアネート(B)>
本発明のポリイソシアネート(B)は、本発明の(A)成分と反応し、熱可塑性ウレタンエラストマーを形成する必須構成成分である。単独で用いても良く2種以上のポリイソシアネートを併用しても良い。 ポリイソシアネート(B)としては、従来公知のポリイソシアネート化合物が用いられる。従来公知のポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物や、これ以外のポリイソシアネート化合物を用いることができる。ジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等を用いることができる。以下、それらの具体例を挙げる。
本発明のポリイソシアネート(B)は、本発明の(A)成分と反応し、熱可塑性ウレタンエラストマーを形成する必須構成成分である。単独で用いても良く2種以上のポリイソシアネートを併用しても良い。 ポリイソシアネート(B)としては、従来公知のポリイソシアネート化合物が用いられる。従来公知のポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物や、これ以外のポリイソシアネート化合物を用いることができる。ジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等を用いることができる。以下、それらの具体例を挙げる。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネート化合物としては、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネート化合物としては、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はそれらの混合物、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−若しくは1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン又はそれらの混合物等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物を除くポリイソシアネート化合物としては、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。以下、それらの具体例を挙げる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート化合物としては、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、3−イソシアネートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、2− (3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4′−ジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
更に、ポリイソシアネート化合物として、前記の各種のポリイソシアネート化合物を用いて得た、アロファネート変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、を挙げることができる。
これらの中でも、芳香族ジイソシアネート化合物や脂環式ジイソシアネート化合物は、機械特性の優れた熱可塑性ウレタンエラストマーを得ることができることから好ましい。特に、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が好ましい。
<熱可塑性ウレタンエラストマー>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーの主要成分の一つは、熱可塑性ウレタンエラストマーである。該熱可塑性ウレタンエラストマーは、主として前記ポリエーテルジオール(A)と前記ポリイソシアネート(B)との反応により得ることができる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーの主要成分の一つは、熱可塑性ウレタンエラストマーである。該熱可塑性ウレタンエラストマーは、主として前記ポリエーテルジオール(A)と前記ポリイソシアネート(B)との反応により得ることができる。
より具体的には、業界で公知である“ワンショット法”および“プレポリマー法”を用いることができる。いずれも触媒を用いることで反応を加速させることができる。
ワンショット法は、ポリエーテルジオール(A)、ポリイソシアネート(B)、必要あれば後述の鎖延長剤や架橋剤を一度に混合して反応させて熱可塑性ウレタンエラストマーを得る方法である。
ポリイソシアネート(B)の使用量は、ポリエーテルジオール(A)の活性水素当量、鎖延長剤や架橋剤の活性水素当量により決定される。すなわち、(B)成分のイソシアネート当量と、(A)成分、鎖延長剤や架橋剤の合計の活性水素当量の当量比を、イソシアネート当量/活性水素当量として、0.80〜3.00、好ましくは0.90〜2.00、より好ましくは0.95〜1.50になるように、(B)成分の使用量を決める。(B)成分が、あまりにも少ない場合や、あまりにも多い場合には、ウレタン化反応が不十分になる。
前記ワンショット法による熱可塑性ウレタンエラストマーの合成は、従来公知の方法でよい。例えば、撹拌機、コンデンサー、減圧脱水装置、窒素気流装置を備えた密閉式反応釜に、ポリエーテルジオール、必要あれば鎖延長剤、架橋剤を仕込み、減圧脱水後、ポリイソシアネートを配合して乾燥窒素気流下で50〜150℃、3〜10時間反応させる。
一方、プレポリマー法は、2段階以上の反応段階を経る方法である。まず、ポリエーテルジオール(A)と過剰量の前記ポリイソシアネート(B)とを、事前に反応させ、ポリマー末端にイソシアネート基を有したポリマーを得る(プレポリマーともいう)。なお、ポリイソシアネート(B)が大過剰な場合、プレポリマーと余ったポリイソシアネート(B)が共存した混合物が得られる。本発明では、この混合物もプレポリマーてして扱う。続いて、種類の異なるポリエーテルジオール(A)、および/または鎖延長剤や架橋剤を加えて、プレポリマーと反応させる。なお、プレポリマー化の参考方法として、1995年発行の、日本ゴム協会誌、68巻、ページ417に記載の方法などがある。
プレポリマー法における、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート当量と、ポリエーテルジオール(A)の活性水素当量の当量比は、、イソシアネート当量/活性水素当量として、、1.5〜10で反応させる。つづいて、得られたプレポリマーに、ポリエーテルジオール(A)および/または鎖延長剤や架橋剤を加えて反応させる。活性水素は、水酸基やアミノ基などの官能基由来である。、プレポリマーを得る際に使用した(A)成分も含めた(A)成分、鎖延長剤や架橋剤の合計の活性水素当量の当量比を、イソシアネート当量/活性水素当量として、好ましくは0.80〜3.00、より好ましくは0.90〜2.00、さらに好ましくは0.95〜1.50になるように混合比率を決める。混合比率が不適切であると、ウレタン化反応が不十分になる。
<鎖延長剤(D)および架橋剤>
鎖延長剤および架橋剤は、熱可塑性ウレタンエラストマーの機械特性や硬度を調整するために使用される。鎖延長剤(D)および架橋剤としては、公知のものを使用できる。鎖延長剤(D)および架橋剤の好ましい分子量は、600未満、より好ましくは18〜400、さらに好ましくは50〜300である。好ましい鎖延長剤は、2〜12個の炭素原子を有するアルキルジオール、2〜12個の炭素原子を有するアルカノールアミン、2〜15個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン、芳香族基を有する芳香族ジアミンである。具体例としては、1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジプロピレングリコールなどのアルキルジオール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールおよび3−アミノ−2,2−ジメチルプロパノール、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサメチレンジアミンおよび4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂肪族ジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3−ジクロロ−4,4−ジアミノジフェニルメタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエートなどの芳香族ジアミンが挙げられる。このほか、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなど好ましい。特に、1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−エチレンジアミン、3,3−ジクロロ−4,4−ジアミノジフェニルメタンなどがコスト−物性バランスの点で好ましい。好ましい架橋剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多官能ポリオールが挙げられる。
鎖延長剤および架橋剤は、熱可塑性ウレタンエラストマーの機械特性や硬度を調整するために使用される。鎖延長剤(D)および架橋剤としては、公知のものを使用できる。鎖延長剤(D)および架橋剤の好ましい分子量は、600未満、より好ましくは18〜400、さらに好ましくは50〜300である。好ましい鎖延長剤は、2〜12個の炭素原子を有するアルキルジオール、2〜12個の炭素原子を有するアルカノールアミン、2〜15個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン、芳香族基を有する芳香族ジアミンである。具体例としては、1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジプロピレングリコールなどのアルキルジオール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールおよび3−アミノ−2,2−ジメチルプロパノール、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサメチレンジアミンおよび4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂肪族ジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3−ジクロロ−4,4−ジアミノジフェニルメタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエートなどの芳香族ジアミンが挙げられる。このほか、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなど好ましい。特に、1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−エチレンジアミン、3,3−ジクロロ−4,4−ジアミノジフェニルメタンなどがコスト−物性バランスの点で好ましい。好ましい架橋剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多官能ポリオールが挙げられる。
<触媒>
本発明の熱可塑性ウレタンエラストマーの合成においては、触媒を使用することができる。触媒としては、特に限定されず、通常使用されるウレタン化反応を促進する触媒が挙げられる。具体例としては、2−エチルヘキサン酸錫、バーサチック酸錫、2−エチルヘキサン酸ビスマス、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト等のカルボン酸金属塩;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、ジプチル錫ジクロライド、ジプチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫ジラウレート等のジアルキル錫ジカルボキシレートとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;テトライソプロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタネート類;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリアリルアミン、トリフェニルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−オクタデシルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などのアミン類等が挙げられる。また、DBUのオクチル酸塩など、前記アミン類とカルボン酸やフェノール類などの有機酸との塩は、潜在硬化性触媒として有効である。
本発明の熱可塑性ウレタンエラストマーの合成においては、触媒を使用することができる。触媒としては、特に限定されず、通常使用されるウレタン化反応を促進する触媒が挙げられる。具体例としては、2−エチルヘキサン酸錫、バーサチック酸錫、2−エチルヘキサン酸ビスマス、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト等のカルボン酸金属塩;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、ジプチル錫ジクロライド、ジプチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫ジラウレート等のジアルキル錫ジカルボキシレートとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;テトライソプロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタネート類;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリアリルアミン、トリフェニルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−オクタデシルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などのアミン類等が挙げられる。また、DBUのオクチル酸塩など、前記アミン類とカルボン酸やフェノール類などの有機酸との塩は、潜在硬化性触媒として有効である。
触媒の量は、本発明の成分(A)、成分(B)および成分(C)の全量100重量部に対して、0.0001〜5重量部、好ましくは0.001〜2重量部、より好ましくは0.005〜0.5重量部、特に好ましくは0.01〜1重量部である。0.0001重量部未満では触媒の効果が見られなくなる場合がある。5重量部を超えると反応が早すぎて取扱作業が困難になることがある。
<コアシェルポリマー(C)>
コアシェルポリマー(C)は、前記熱可塑性ウレタンエラストマーと並ぶ、変性熱可塑性ウレタンエラストマーを構成する主要な成分である。また、コアシェルポリマーは熱可塑性ウレタンエラストマーに均一に分散することで、変性熱可塑性ウレタンエラストマーを形成する。その結果、変性熱可塑性ウレタンエラストマーは優れた機械強度を有する。
コアシェルポリマー(C)は、少なくとも2層の構造からなる粒子状ポリマーである。
コアシェルポリマーにおける、コア層の比率としては、機械特性の観点から、81〜95重量%が好ましく、82〜93重量%がより好ましい。コア層の比率が小さいと、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの伸びが低下する傾向にある。コア層の比率があまりにも大きい場合、コアシェルポリマーの調製が難しくなる(合成自体は、可能であるが、反応液から実用的な形態で取り出すことが難しくなる)。なお、コアシェルポリマー中のコア層の比率は、赤外分光分析のスペクトルの吸光度比などから測定できる。
コアシェルポリマー(C)は、前記熱可塑性ウレタンエラストマーと並ぶ、変性熱可塑性ウレタンエラストマーを構成する主要な成分である。また、コアシェルポリマーは熱可塑性ウレタンエラストマーに均一に分散することで、変性熱可塑性ウレタンエラストマーを形成する。その結果、変性熱可塑性ウレタンエラストマーは優れた機械強度を有する。
コアシェルポリマー(C)は、少なくとも2層の構造からなる粒子状ポリマーである。
コアシェルポリマーにおける、コア層の比率としては、機械特性の観点から、81〜95重量%が好ましく、82〜93重量%がより好ましい。コア層の比率が小さいと、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの伸びが低下する傾向にある。コア層の比率があまりにも大きい場合、コアシェルポリマーの調製が難しくなる(合成自体は、可能であるが、反応液から実用的な形態で取り出すことが難しくなる)。なお、コアシェルポリマー中のコア層の比率は、赤外分光分析のスペクトルの吸光度比などから測定できる。
前記コアシェルポリマー(C)は、体積平均粒子径が0.01〜0.6μmであり、好ましくは0.03〜0.5μm、より好ましくは0.05〜0.4μmである。このような平均粒子径を有するコアシェルポリマー(C)を得るには、乳化重合法が好適であるが、あまりにも小さい場合、あまりにも大きい場合は、経済的かつ工業的な製造が難しくなる。なお、体積平均粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記コアシェルポリマー(C)の組成比は、前記変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量%に対して、0.5〜10重量%が好ましく、1〜8重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。コアシェルポリマーの含有量があまりにも少ない場合やあまりにも多い場合は、コアシェルポリマーによる引張強度などの機械強度の改良効果が小さくなる傾向にある。
前記コアシェルポリマー(C)は、MEKに対して不溶分を有することが好ましく、その不溶分量(MEK不溶分量)は、95重量%以上であることが好ましく、さらには97重量%以上がより好ましく、特には98重量%以上がより好ましい。95重量%未満の場合には、後述する変性熱可塑性ウレタンエラストマーの好ましい製造法、すなわちコアシェルポリマーの存在下に熱可塑性ウレタンエラストマーを合成する工程で反応液の粘度が高くなる傾向があり取り扱いにくくなる。なお、本明細書において、コアシェルポリマー(C)のMEK不溶分量を得る方法は下記の通りである。コアシェルポリマーのパウダーあるいはフィルム約2gを秤量してメチルエチルケトン(MEK)100gに23℃で24時間浸漬する。その後、得られたMEK不溶分を分離し、乾燥して重量を計り、測定に使用したコアシェルポリマーの重量に対する重量分率(%)をMEK不溶分量として算出する。 前記コアシェルポリマー(C)は、架橋ポリマーからなるコア層と、これにグラフト重合されたポリマー成分からなるシェル層より構成されるポリマーであることが好ましい。すなわち、シェル層とコア層間に化学結合が存在していることが好ましい。シェル層は、グラフト成分を構成するモノマーをコア成分にグラフト重合することから、コア部の表面の一部もしくは全体を覆う。
前記コア層は、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの強度および伸びのバランスの点から、ゴム状の架橋ポリマーであることが好ましい。コア層が、ゴム状の性質を有するためには、コア層のガラス転移温度(以下、単に「Tg」と称する場合がある)は、0℃以下であることが好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下であることが特に好ましい。
前記Tgは、たとえば、動的粘弾性測定法や示差走査熱量分析法により、測定できる。
ゴムとしての性質を有する前記コア層を形成し得るポリマーとしては、天然ゴムや、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を50〜100重量%、および他の共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)を0〜50重量%含んで構成されるゴムポリマーや、ポリシロキサンゴム、あるいはこれらを併用したものが挙げられる。より高いタフネスを得る場合、ジエン系モノマーを用いたジエン系ゴムが好ましい。機械特性、耐候性、経済性などのバランスが要求される場合、(メタ)アクリレート系ゴム(アクリルゴムともいう)が好ましい。また、低温での機械特性を向上しようとする場合には、コア層はポリシロキサンゴムであることが好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
前記コア層の形成に用いるジエン系ゴムを構成するモノマー(共役ジエン系モノマー)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これらのジエン系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記コア層の形成に用いるジエン系ゴムを構成するモノマー(共役ジエン系モノマー)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これらのジエン系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
機械特性の改良効果が高い点から、1,3−ブタジエンを用いるブタジエンゴム、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合体であるブタジエン−スチレンゴム、1,3−ブタジエンとブチルアクリレートあるいは2−エチルヘキシルアクリレートの共重合体であるブタジエン−アクリレートゴムが好ましく、ブタジエンゴムがより好ましい。また、ブタジエン−スチレンゴムは、屈折率の調整により得られる変性熱可塑性ウレタンエラストマーの透明性を高めることができ、良好な外観および機械特性のバランスに優れたものを得る場合には、より好ましい。また、ブタジエン−アクリレートゴムは、アクリレートの導入により、ブタジエンの二重結合のゴム中の濃度が低くなるため、耐候性が良好になり、そのような特性が必要な場合は、好ましい。
また、前記コア層の形成に用いるアクリルゴムを構成するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレートなどのグリシジル(メタ)アクリレート類;アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレートなどのアリルアルキル(メタ)アクリレート類;モノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくはエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
上記第1モノマーと共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレンなどのビニルアレーン類;アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルシアン類;塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのアルケン類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーなどが挙げられる。これらのビニル系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましくはスチレンである。
また、前記コア層を構成し得るポリシロキサンゴムとしては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサンなどの、アルキル或いはアリール2置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサン系ポリマーや、側鎖のアルキルの一部が水素原子に置換されたオルガノハイドロジェンシロキサンなどの、アルキル或いはアリール1置換シロキサン単位から構成されるポリシロキサン系ポリマーが挙げられる。これらのポリシロキサン系ポリマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、(メタ)アクリレート系ゴムと組み合わせた、(メタ)アクリレート系ゴム/ポリシロキサンゴムからなる複合ゴムを用いてもよい。中でも、ジメチルシロキサンゴム、メチルフェニルシロキサンゴム、ジメチルシロキサン/ブチルアクリレート複合ゴムが耐候性、機械特性で好ましく、ジメチルシロキサンゴムおよびジメチルシロキサン/ブチルアクリレート複合ゴムが容易に入手できて経済的でもあることから最も好ましい。
前記コア層がポリシロキサンゴムから形成される態様において、ポリシロキサン系ポリマー部位は、低温での機械特性を損なわないために、コア層全体を100重量%としてすくなくとも10重量%以上含有していることが好ましい。
前記コアシェルポリマー(C)の前記熱可塑性ウレタンエラストマー中での分散安定性を保持する観点から、コア層は、上記モノマーを重合してなるポリマー成分やポリシロキサン系ポリマー成分に架橋構造が導入されていることが好ましい。架橋構造の導入方法としては、一般的に用いられる手法を採用することができる。例えば、上記モノマーを重合してなるポリマー成分に架橋構造を導入する方法としては、ポリマー成分を構成するモノマーに多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物等の架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。また、ポリシロキサン系ポリマーに架橋構造を導入する方法としては、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用する方法や、ビニル反応性基、メルカプト基、メタクリロイル基などの反応性基をポリシロキサン系ポリマーに導入し、その後ビニル重合性のモノマーあるいは有機過酸化物などを添加してラジカル反応させる方法、あるいは、ポリシロキサン系ポリマーに多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物などの架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。
前記多官能性モノマーとしては、ブタジエンは含まれず、アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレート等のアリルアルキル(メタ)アクリレート類;アリルオキシアルキル(メタ)アクリレート類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。特に好ましくはアリルメタアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、及びジビニルベンゼンである。 一方、得られる変性熱可塑性ウレタンエラストマーの強度と弾性率のバランスの良さが求められる場合には、コア層のTgは、0℃よりも大きくすることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましく、80℃以上であることが特に好ましく、120℃以上であることが最も好ましい。
Tgが0℃よりも大きく、得られる変性熱可塑性ウレタンエラストマーの弾性率向上し得るコア層を形成し得るポリマーとしては、単独重合体のTgが0℃よりも大きい少なくとも1種のモノマーを50〜100質量%(より好ましくは、65〜99質量%)、および単独重合体のTgが0℃未満の少なくとも1種のモノマーを0〜50質量%(より好ましくは、1〜35質量%)含んで構成されるポリマーが挙げられる。
コア層のTgが0℃よりも大きい場合においても、コア層は架橋構造が導入されていることが好ましい。架橋構造が導入されることで、Tgが引き上げられる。架橋構造の導入方法としては、前記の方法が挙げられる。
前記単独重合体のTgが0℃よりも大きいモノマーは、以下のモノマーの一つ以上を含有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、スチレン、2−ビニルナフタレン等の無置換ビニル芳香族化合物類;α―メチルスチレン等のビニル置換芳香族化合物類;3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6―トリメチルスチレン等の環アルキル化ビニル芳香族化合物類;4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン等の環アルコキシル化ビニル芳香族化合物類;2−クロロスチレン、3―クロロスチレン等の環ハロゲン化ビニル芳香族化合物類;4−アセトキシスチレン等の環エステル置換ビニル芳香族化合物類;4−ヒトロキシスチレン等の環ヒドロキシル化ビニル芳香族化合物類;ビニルベンゾエート、ビニルシクロヘキサノエート等のビニルエステル類;塩化ビニル等のビニルハロゲン化物類;アセナフタレン、インデン等の芳香族モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類;フェニルメタクリレート等の芳香族メタクリレート;イソボルニルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート等のメタクリレート類;メタクリロニトリル等のメタクリル酸誘導体を含むメタクリルモノマー;イソボルニルアクリレート、tert−ブチルアクリレート等のある種のアクリル酸エステル;アクリロニトリル等のアクリル酸誘導体を含むアクリルモノマーを挙げることができる。更に、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、1−アダマンチルアクリレート及び1−アダマンチルメタクリレート、等のTgが120℃以上となるモノマーが挙げられる。
本発明において、コア層は単層構造であることが多いが、多層構造であってもよい。コア層が多層構造の場合は、各層のポリマー組成が各々相違していてもよい。
すなわち、第1のコア層の外側にポリマー組成の異なる第2の層を有する2層からなるコアや、2層からなるコアにさらに、ポリマー組成の異なる第3の層を形成させて、3層からなるコア層であってもよい。2層コアの2層目や3層コアの3層目が、前記記載のトリアリルイソシアヌレートなどの多官能モノマーを主要成分とて重合させて得られるポリマーからなる場合、後述するシェルポリマーがグラフトしやすくなるメリットがある。しかし、多層構造コアの形成は、製造工程が複雑になるという欠点がある。
前記コアシェルポリマー(C)の最も外側に存在するシェル層、すなわちシェルポリマーは、熱可塑性ウレタンエラストマー成分との相溶性を制御し、コアシェルポリマーを効果的に分散させる役割をする。
このようなシェルポリマーは、好ましくは前記コア層にグラフトしている。より正確には、シェルポリマーの形成に用いるモノマー成分が、コア層を形成するコアポリマーにグラフト重合して、実質的にシェルポリマーとコアとが化学結合していることが好ましい。即ち、好ましくは、シェルポリマーは、コアポリマーの存在下に前記シェル形成用モノマーをグラフト重合させることで形成され、このようにすることで、このコアポリマーにグラフト重合されており、コアポリマーの一部又は全体を覆っている。この重合操作は、水性のポリマーラテックス状態で調製され存在するコアポリマーのラテックス対して、シェルポリマーの構成成分であるモノマーを加えて重合させることで実施できる。
シェル層形成用モノマーとしては、コアシェルポリマー(C)と熱可塑性ウレタンエラストマーとの相溶性の点から、芳香族ビニルモノマー、(メタ)アクリレートモノマーおよび水酸基含有ビニルモノマーを用いる。
水酸基含有ビニルモノマーは、コアシェルポリマー存在下で前記ポリエーテルジオール(A)とポリイソシアネート(B)を反応させて変性熱可塑性ウレタンエラストマーを合成するとき、水酸基が反応に参加して化学結合を形成させるので、コアシェルポリマーの分散状態の変動を抑えることができる。
前記水酸基含有ビニルモノマーは、シェル形成用モノマー100重量%中に、1〜40重量%含まれていることが好ましく、さらに2〜30重量%がより好ましい。水酸基含有ビニルモノマーがシェル形成用モノマー中に、あまりにも少ない場合やあまりにも多い場合、変性熱可塑性ウレタンエラストマー中でのコアシェルポリマーの分散性が低下する傾向にある。
また、シェル層形成用モノマーとして、二重結合を2個以上有する多官能性モノマーを使用すると、シェル層に架橋構造が導入される。これにより、コアシェルポリマーと熱可塑性ウレタンエラストマーとの相互作用が低下し、その結果、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの成形加工性が改善される傾向がある。このため、二重結合を2個以上有する多官能性モノマーの使用が好ましい場合がある。一方、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの伸びが低下する傾向にあるので、伸びを最大限に改善したい場合は、シェル層形成用モノマーとして、二重結合を2個以上有する多官能性モノマーを使用しないことが好ましい。
多官能性モノマーは、使用する場合、シェル形成用モノマー100重量%中に、0.5〜5重量%含まれていることが好ましく、より好ましくは1〜3重量%である。
前記芳香族ビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等があげられる。
前記水酸基含有ビニルモノマーの具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記二重結合を2個以上有する多官能性モノマーの具体例としては、上述の多官能性モノマーと同じモノマーが例示されるが、好ましくはアリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートである。
本発明では、例えば、スチレン1〜50重量%、ブチルアクリレート0〜60重量%、メチルメタクリレート1〜90重量%、ヒドロキシブチルアクリレート1〜40重量%を組み合わせて100重量%にしたシェル形成用モノマーのポリマーであるシェル層とすることが好ましい。これにより、所望の機械特性を実現することができる。
シェル層は、上記モノマー成分の他に、他のモノマー成分を含んで形成されてもよい。
前記コアシェルポリマー(C)における、シェル層の割合は、ポリマー微粒子全体を100重量%として、5〜19重量%が好ましく、7〜18重量%がより好ましい。シェル層の割合が多すぎる場合や少なすぎる場合、いずれも変性熱可塑性ウレタンエラストマーの機械特性が低下する傾向があり、取り扱いにくくなる。
≪コアシェルポリマー(C)の製造方法≫
(コア層の製造方法)
本発明で用いるコアシェルポリマー(C)を構成するコア層を形成するポリマーが、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
(コア層の製造方法)
本発明で用いるコアシェルポリマー(C)を構成するコア層を形成するポリマーが、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
また、コア層を形成するポリマーがポリシロキサン系ポリマーを含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばEP1338625号公報に記載の方法を用いることができる。
(シェル層の形成方法)
シェル層は、シェル層形成用モノマーを、公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層をコアシェルポリマー(C)前駆体のエマルジョンとして得た場合には、シェル層形成用モノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましく、例えば、WO2005/028546号公報に記載の方法に従って製造することができる。
シェル層は、シェル層形成用モノマーを、公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層をコアシェルポリマー(C)前駆体のエマルジョンとして得た場合には、シェル層形成用モノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましく、例えば、WO2005/028546号公報に記載の方法に従って製造することができる。
乳化重合において用いることができる乳化剤(分散剤)としては、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸などに代表されるアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるN−アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸などに代表されるアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸などの各種の酸類、これら酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤(分散剤);アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコールなどの非イオン性乳化剤(分散剤);ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体などの分散剤が挙げられる。これらの乳化剤(分散剤)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コアシェルポリマー(C)の水性ラテックスの分散安定性に支障を来さない限り、乳化剤(分散剤)の使用量は少なくすることが好ましい。また、乳化剤(分散剤)は、その水溶性が高いほど好ましい。水溶性が高いと、乳化剤(分散剤)の水洗除去が容易になり、最終的に得られる変性熱可塑性ウレタンエラストマーへの悪影響を容易に防止できる。
乳化重合法の開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、有機化酸化物、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの熱分解型開始剤が良く知られているが、本発明においては、有機過酸化物が特に好ましい。
好ましい有機過酸化物として、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイドなどを挙げることができる。なかでも、10時間半減期の熱分解温度(以下、T10ともいう)が120℃以上である、ジ−t−ブチルパーオキサイド(T10:124℃)パラメンタンハイドロパーオキサイド(T10:128℃)、クメンハイドロパーオキサイド(T10:158℃)、t−ブチルハイドロパーオキサイド(T10:167℃)などの有機過酸化物を使用することが、コアシェルポリマー(C)のMEK不溶分量を高くできる点で好ましい。
また有機過酸化物と、必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコースなどの還元剤、および必要に応じて硫酸鉄(II)などの遷移金属塩、さらに必要に応じてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウムなどのリン含有化合物などを併用したレドックス型開始剤を使用することが好ましい。
レドックス型開始剤系を用いた場合には、前記過酸化物が実質的に熱分解しない低い温度でも重合を行うことができ、重合温度を広い範囲で設定できるようになり好ましい。
前記開始剤の使用量、レドックス型開始剤を用いる場合には前記還元剤・遷移金属塩・キレート剤などの使用量は公知の範囲で用いることができる。
また、要すれば連鎖移動剤も使用できる。該連鎖移動剤は通常の乳化重合で用いられているものであればよく、とくに限定はされない。
前記連鎖移動剤の具体例としては、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンなどがあげられる。
重合に際しての重合温度、圧力、脱酸素などの条件は、公知の範囲のものが適用できる。
<変性熱可塑性ウレタンエラストマーの製造法>
コアシェルポリマー(C)を前記熱可塑性ウレタンエラストマー中に1次粒子の状態で分散させる方法は、種々の方法が利用できる、好ましい方法は、コアシェルポリマー(C)をポリエーテルジオール(A)中に一旦1次粒子の状態で分散させた後、ポリイソシアネート(B)とポリエーテルジオール(A)とをコアシェルポリマー(C)の存在下に反応させて変性熱可塑性ウレタンエラストマーを合成する。コアシェルポリマーをポリエーテルジオール中に分散させる方法は、例えば水性ラテックス状態で得られたコアシェルポリマーをポリエーテルジオール(A)と接触させた後、水等の不要な成分を除去する方法、コアシェルポリマー(C)を一旦有機溶剤に抽出後にポリエーテルジオール(A)と混合してから有機溶剤を除去する方法等が挙げられが。国際公開WO2009/014037に記載の方法を利用することが好ましい。その具体的な製造方法は、順に、コアシェルポリマー(C)を含有する水性ラテックス(詳細には、乳化重合によってコアシェルポリマー(C)を製造した後の反応混合物)を、20℃における水に対する溶解度が5%以上40%以下の有機溶媒と混合した後、さらに過剰の水と混合して、コアシェルポリマー(C)を凝集させる第1工程と、凝集したコアシェルポリマー(C)を液相から分離・回収した後、再度有機溶媒と混合して、コアシェルポリマー(C)の有機溶媒溶液を得る第2工程と、有機溶媒溶液をさらにポリエーテルジオール(A)と混合した後、前記有機溶媒を留去する第3工程とを含んで調製されることが好ましい(分散法1ともいう)。なお、ポリエーテルジオール(A)は、23℃で液状であると、前記第3工程が容易となる為、好ましい。「23℃で液状」とは、軟化点が23℃以下であることを意味し、23℃で流動性を示すものである。
コアシェルポリマー(C)を前記熱可塑性ウレタンエラストマー中に1次粒子の状態で分散させる方法は、種々の方法が利用できる、好ましい方法は、コアシェルポリマー(C)をポリエーテルジオール(A)中に一旦1次粒子の状態で分散させた後、ポリイソシアネート(B)とポリエーテルジオール(A)とをコアシェルポリマー(C)の存在下に反応させて変性熱可塑性ウレタンエラストマーを合成する。コアシェルポリマーをポリエーテルジオール中に分散させる方法は、例えば水性ラテックス状態で得られたコアシェルポリマーをポリエーテルジオール(A)と接触させた後、水等の不要な成分を除去する方法、コアシェルポリマー(C)を一旦有機溶剤に抽出後にポリエーテルジオール(A)と混合してから有機溶剤を除去する方法等が挙げられが。国際公開WO2009/014037に記載の方法を利用することが好ましい。その具体的な製造方法は、順に、コアシェルポリマー(C)を含有する水性ラテックス(詳細には、乳化重合によってコアシェルポリマー(C)を製造した後の反応混合物)を、20℃における水に対する溶解度が5%以上40%以下の有機溶媒と混合した後、さらに過剰の水と混合して、コアシェルポリマー(C)を凝集させる第1工程と、凝集したコアシェルポリマー(C)を液相から分離・回収した後、再度有機溶媒と混合して、コアシェルポリマー(C)の有機溶媒溶液を得る第2工程と、有機溶媒溶液をさらにポリエーテルジオール(A)と混合した後、前記有機溶媒を留去する第3工程とを含んで調製されることが好ましい(分散法1ともいう)。なお、ポリエーテルジオール(A)は、23℃で液状であると、前記第3工程が容易となる為、好ましい。「23℃で液状」とは、軟化点が23℃以下であることを意味し、23℃で流動性を示すものである。
この他、コアシェルポリマーを含有する水性ラテックスを塩析等の方法により凝固させた後に乾燥させて得た、粉体状のコアシェルポリマーは、3本ペイントロールやロールミル、ニーダー等の高い機械的せん断力を有する分散機を用いて、熱可塑性ウレタンエラストマー中にある程度再分散することが可能である(分散法2ともいう)。分散性させる際の温度は、50〜200℃が好ましく、70〜170℃がより好ましく、80〜150℃が更に好ましく、90〜120℃が特に好ましい。温度が50℃よりも小さいと、十分にコアシェルポリマーが分散しない場合があり、200℃よりも大きいと、熱可塑性ウレタンエラストマーとコアシェルポリマーが熱劣化する場合がある。熱劣化が少なく、かつ良好な分散状態が得られる点で、上記分散法1が分散法2より好ましい。
<その他の配合成分> 上記のようにして得られた変性熱可塑性ウレタンエラストマーは、必要に応じて下記に示す種々の配合成分を含んでも良い。
<脱水剤>
ポリエーテルジオール(A)とポリイソシアネート(B)のウレタン化反応は、水分の影響を受けやすいので、反応時に脱水剤添加することで副反応を抑えることができる。具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、ゼオライト、モレキューラシーブス、p−トルエンスルホニルイソシアネート、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン等のオキサゾリジン類、などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
ポリエーテルジオール(A)とポリイソシアネート(B)のウレタン化反応は、水分の影響を受けやすいので、反応時に脱水剤添加することで副反応を抑えることができる。具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、ゼオライト、モレキューラシーブス、p−トルエンスルホニルイソシアネート、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン等のオキサゾリジン類、などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
脱水剤を使用する場合、その使用量は(A)成分〜(C)成分の総量100重量部に対して、0.1〜5重量部程度が好ましく、0.5〜3重量部程度がより好ましく、1〜2質量部程度が特に好ましい。
<充填剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、充填剤を添加することができる。充填剤としては、フュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、バライト、無水石膏、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、マイカ、亜鉛華、鉛白、リトポン、硫化亜鉛、燐酸亜鉛アルミニウム、シラスバルーン、ガラスミクロバルーンなどの無機系充填剤やフェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など有機系充填剤;ガラス繊維およびフィラメントの繊維状充填剤等が挙げられる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、充填剤を添加することができる。充填剤としては、フュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、バライト、無水石膏、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、マイカ、亜鉛華、鉛白、リトポン、硫化亜鉛、燐酸亜鉛アルミニウム、シラスバルーン、ガラスミクロバルーンなどの無機系充填剤やフェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など有機系充填剤;ガラス繊維およびフィラメントの繊維状充填剤等が挙げられる。
また、上記以外に,例えば、酸化チタン、カーポンプラック、酸化鉄、クロム酸鉛、酸化クロム、ウルトラマリン、コバルトブルー、シアニンブルー、シアニングリーン、レーキレッド、キナクリドンレッドなどの着色顔料も用いることができる。
充填剤を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して1〜250重量部、好ましくは10〜200重量部である。
<難燃剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて、ポリリン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェートなどのリン系可塑剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および、熱膨張性黒鉛などの難燃剤を添加することができる。上記難燃剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて、ポリリン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェートなどのリン系可塑剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および、熱膨張性黒鉛などの難燃剤を添加することができる。上記難燃剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記ポリリン酸アンモニウムとしては、従来公知のものを広く使用することができる。これらの中でも、耐水性の観点から、樹脂により被覆し、マイクロカプセル化されたポリリン酸アンモニウムや表面改質されたポリリン酸アンモニウム等の表面処理されたポリリン酸アンモニウムが好ましく、更に好ましくは表面をメラミンホルムアルデヒド樹脂で被覆されたものが好ましい。
難燃剤を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部の範囲で使用される。
<分散剤>
変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて分散剤を添加することができる。該分散剤は、組成物中での、充填剤や顔料などの分散を助ける働きがある。公知の方法に従って、充填剤や顔料とともに混合分散して使用する。分散剤としては、市販されているものを使用することができる。市販品としては、例えば、ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2022、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、ANTI−TERRA−250、DISPERBYK、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−192、DISPERBYK−193、DISPERBYK−194、DISPERBYK−198、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2090、DISPERBYK−2091、DISPERBYK−2095(いずれもビックケミー社製)、DISPARLON 2150、DISPARLON KS−860、DISPARLON KS−873N、DISPARLON 7004、DISPARLON 1831、DISPARLON 1850、DISPARLON 1860、DISPARLON DA−1401、DISPARLON PW−36、DISPARLON DA−1200、DISPARLON DA−550、DISPARLON DA−703−50、DISPARLON DA−7301、DISPARLON DN−900、DISPARLON DA−325、DISPARLON DA−375、DISPARLON DA−234(いずれも楠本化成社製)、EFKAPOLYMER4550(EFKA社製)、ソルスパース27000、ソルスパース41000、ソルスパース53095(いずれもアビシア社製)等を挙げることができる。これらの中でも、ANTI−TERRA−U100、DISPERBYK−102、DISPERBYK−106、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−111、DISPERBYK−116、DISPERBYK−145、DISPERBYK−180、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2155、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、DISPERBYK−191、DISPERBYK−192、DISPERBYK−2090、DISPERBYK−2095、DISPARLON DA−550、DISPARLON DA−325、DISPARLON DA−375、DISPARLON DA−234は不揮発分含量が高く好ましい。分散剤の数平均分子量は、1000〜10万であることが好ましい。1000未満であると十分な分散安定性が得られないおそれがあり、10万を超えると粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。より好ましくは、2000〜5万であり、更に好ましくは、4000〜5万である。
変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて分散剤を添加することができる。該分散剤は、組成物中での、充填剤や顔料などの分散を助ける働きがある。公知の方法に従って、充填剤や顔料とともに混合分散して使用する。分散剤としては、市販されているものを使用することができる。市販品としては、例えば、ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2022、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、ANTI−TERRA−250、DISPERBYK、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−192、DISPERBYK−193、DISPERBYK−194、DISPERBYK−198、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2090、DISPERBYK−2091、DISPERBYK−2095(いずれもビックケミー社製)、DISPARLON 2150、DISPARLON KS−860、DISPARLON KS−873N、DISPARLON 7004、DISPARLON 1831、DISPARLON 1850、DISPARLON 1860、DISPARLON DA−1401、DISPARLON PW−36、DISPARLON DA−1200、DISPARLON DA−550、DISPARLON DA−703−50、DISPARLON DA−7301、DISPARLON DN−900、DISPARLON DA−325、DISPARLON DA−375、DISPARLON DA−234(いずれも楠本化成社製)、EFKAPOLYMER4550(EFKA社製)、ソルスパース27000、ソルスパース41000、ソルスパース53095(いずれもアビシア社製)等を挙げることができる。これらの中でも、ANTI−TERRA−U100、DISPERBYK−102、DISPERBYK−106、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−111、DISPERBYK−116、DISPERBYK−145、DISPERBYK−180、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2155、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、DISPERBYK−191、DISPERBYK−192、DISPERBYK−2090、DISPERBYK−2095、DISPARLON DA−550、DISPARLON DA−325、DISPARLON DA−375、DISPARLON DA−234は不揮発分含量が高く好ましい。分散剤の数平均分子量は、1000〜10万であることが好ましい。1000未満であると十分な分散安定性が得られないおそれがあり、10万を超えると粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。より好ましくは、2000〜5万であり、更に好ましくは、4000〜5万である。
分散剤を使用する場合、その使用量は本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜3重量部、より好ましくは0.3〜1重量部の範囲で使用される。
<消泡剤・脱泡剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて消泡剤を含有することができる。消泡剤・脱泡剤としては、市販されているものを使用することができる。市販品としては、例えば、BYK−051、BYK−052、BYK−053、BYK−054、BYK−055、BYK−057、BYK−1752、BYK−1790、BYK−060N、BYK−063、BYK−065、BYK−066N、BYK−067A、BYK−077、BYK−088、BYK−141、BYK−354、BYK−392、BYK−011、BYK−012、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−093、BYK−094、BYK−A501、BYK−A535,BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1730、BYK−1790などのビックケミー社製消泡剤・脱泡剤、TEGO Airex910、TEGO Airex920、TEGO Airex940、TEGO Airex944、TEGO Airex950、TEGO Airex980などのエボニック社製消泡剤・脱泡剤や、DISPARLON OX−880EF、DISPARLON OX−881、DISPARLON OX−883、DISPARLON OX−883HF、DISPARLON OX−70、DISPARLON OX−77EF、DISPARLON OX−60、DISPARLON OX−710、DISPARLON OX−720、DISPARLON OX−720EF、DISPARLON OX−750HF、DISPARLON LAP−10、DISPARLON LAP−20、DISPARLON LAP−30等のアクリル系消泡剤、DISPARLON OX−66、DISPARLON OX−715等のシリコーン系アクリル系複合型消泡剤、DISPARLON 1950、DISPARLON 1951、DISPARLON 1952、DISPARLON P−410EF、DISPARLON P−420、DISPARLON P−450、DISPARLON P−425、DISPARLON PD−7等のビニル系消泡剤、DISPARLON 1930N、DISPARLON 1934等のシリコーン系消泡剤(いずれも楠本化成社製)等を挙げることができる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて消泡剤を含有することができる。消泡剤・脱泡剤としては、市販されているものを使用することができる。市販品としては、例えば、BYK−051、BYK−052、BYK−053、BYK−054、BYK−055、BYK−057、BYK−1752、BYK−1790、BYK−060N、BYK−063、BYK−065、BYK−066N、BYK−067A、BYK−077、BYK−088、BYK−141、BYK−354、BYK−392、BYK−011、BYK−012、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−093、BYK−094、BYK−A501、BYK−A535,BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1730、BYK−1790などのビックケミー社製消泡剤・脱泡剤、TEGO Airex910、TEGO Airex920、TEGO Airex940、TEGO Airex944、TEGO Airex950、TEGO Airex980などのエボニック社製消泡剤・脱泡剤や、DISPARLON OX−880EF、DISPARLON OX−881、DISPARLON OX−883、DISPARLON OX−883HF、DISPARLON OX−70、DISPARLON OX−77EF、DISPARLON OX−60、DISPARLON OX−710、DISPARLON OX−720、DISPARLON OX−720EF、DISPARLON OX−750HF、DISPARLON LAP−10、DISPARLON LAP−20、DISPARLON LAP−30等のアクリル系消泡剤、DISPARLON OX−66、DISPARLON OX−715等のシリコーン系アクリル系複合型消泡剤、DISPARLON 1950、DISPARLON 1951、DISPARLON 1952、DISPARLON P−410EF、DISPARLON P−420、DISPARLON P−450、DISPARLON P−425、DISPARLON PD−7等のビニル系消泡剤、DISPARLON 1930N、DISPARLON 1934等のシリコーン系消泡剤(いずれも楠本化成社製)等を挙げることができる。
消泡剤・脱泡剤を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部の範囲で使用される。
<湿潤剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて湿潤剤を添加することができる。湿潤剤の添加により、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの他材料へのぬれ性・密着性を改善することができる。湿潤剤としては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、TEGO Twin4000、TEGO Wet240、TEGO WetKL245、TEGO Wet250、TEGO Wet260、TEGO Wet265、TEGO Wet270、TEGO Wet280、TEGO Wet500、TEGO Wet505、TEGO Wet510、TEGO Wet520などのエボニック社製湿潤剤などを挙げることができる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて湿潤剤を添加することができる。湿潤剤の添加により、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの他材料へのぬれ性・密着性を改善することができる。湿潤剤としては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、TEGO Twin4000、TEGO Wet240、TEGO WetKL245、TEGO Wet250、TEGO Wet260、TEGO Wet265、TEGO Wet270、TEGO Wet280、TEGO Wet500、TEGO Wet505、TEGO Wet510、TEGO Wet520などのエボニック社製湿潤剤などを挙げることができる。
湿潤剤を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部、より好ましくは0.3〜1.5重量部の範囲で使用される。
<溶剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーの作業性を改善する目的で、必要に応じて溶剤を使用することができる。溶剤としては、特に限定は無く、各種の化合物を使用することができる。具体例としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、石油系溶媒等の炭化水素系溶剤、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶剤が例示される。溶剤を使用する場合、外気への汚染の問題から、溶剤の沸点は、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上が特に好ましい。これらの溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーの作業性を改善する目的で、必要に応じて溶剤を使用することができる。溶剤としては、特に限定は無く、各種の化合物を使用することができる。具体例としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、石油系溶媒等の炭化水素系溶剤、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶剤が例示される。溶剤を使用する場合、外気への汚染の問題から、溶剤の沸点は、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上が特に好ましい。これらの溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
但し、溶剤の配合量が多い場合には、環境への影響や人体への毒性が高くなる場合があるため、溶剤の使用量を低減する事が好ましい。その為、溶剤の配合量は、変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましく、10重量部以下であることが更に好ましく、溶剤を含まないことが特に好ましい。
<粘着性付与剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて粘着性付与剤を添加することができる。粘着性付与樹脂としては、特に限定されないが、常温で固体、液体を問わず通常使用されるものを使用することができる。具体例としては、スチレン系ブロック共重合体、その水素添加物、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂等)、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂石油樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。スチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレ−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。上記粘着性付与樹脂は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて粘着性付与剤を添加することができる。粘着性付与樹脂としては、特に限定されないが、常温で固体、液体を問わず通常使用されるものを使用することができる。具体例としては、スチレン系ブロック共重合体、その水素添加物、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂等)、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂石油樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。スチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレ−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。上記粘着性付与樹脂は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
粘着性付与樹脂を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲で使用される。
<酸化防止剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると変性熱可塑性ウレタンエラストマーの熱安定性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できるが、特にヒンダードフェノール系が好ましい。同様に、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製);MARK LA−57,MARK LA−62,MARK LA−67,MARK LA−63,MARK LA−68(以上いずれも旭電化工業株式会社製);サノールLS−770,サノールLS−765,サノールLS−292,サノールLS−2626,サノールLS−1114,サノールLS−744(以上いずれも三共株式会社製)に示されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもできる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると変性熱可塑性ウレタンエラストマーの熱安定性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できるが、特にヒンダードフェノール系が好ましい。同様に、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製);MARK LA−57,MARK LA−62,MARK LA−67,MARK LA−63,MARK LA−68(以上いずれも旭電化工業株式会社製);サノールLS−770,サノールLS−765,サノールLS−292,サノールLS−2626,サノールLS−1114,サノールLS−744(以上いずれも三共株式会社製)に示されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもできる。
酸化防止剤を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。
<光安定剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、よりヒンダードアミン系が好ましい。特に3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いるのが組成物の保存安定性改良のために好ましい。3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としてはチヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB119FL(以上いずれもBASF製);MARK LA−57,LA−62,LA−67,LA−63(以上いずれも株式会社アデカ製);サノールLS−765,LS−292,LS−2626,LS−1114,LS−744(以上いずれも三共株式会社製)などの光安定剤が例示できる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、よりヒンダードアミン系が好ましい。特に3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いるのが組成物の保存安定性改良のために好ましい。3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としてはチヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB119FL(以上いずれもBASF製);MARK LA−57,LA−62,LA−67,LA−63(以上いずれも株式会社アデカ製);サノールLS−765,LS−292,LS−2626,LS−1114,LS−744(以上いずれも三共株式会社製)などの光安定剤が例示できる。
光安定剤を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。
<紫外線吸収剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。
紫外線吸収剤を使用する場合、その使用量は変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。フェノール系やヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を併用して使用するのが好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じてシランカップリング剤を添加することができる。シランカップリング剤添加により接着性を向上させることができる。具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、(イソシアネートメチル)トリメトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジメトキシメチルシラン、(イソシアネートメチル)トリエトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジエトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−エチルアミノ)−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N,N‘−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。シランカップリング剤の反応物としては、上記アミノシランとエポキシシランの反応物、アミノシランとイソシアネートシランの反応物、各種シランカップリング剤の部分縮合体等を挙げる事ができる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じてシランカップリング剤を添加することができる。シランカップリング剤添加により接着性を向上させることができる。具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、(イソシアネートメチル)トリメトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジメトキシメチルシラン、(イソシアネートメチル)トリエトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジエトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−エチルアミノ)−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N,N‘−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。シランカップリング剤の反応物としては、上記アミノシランとエポキシシランの反応物、アミノシランとイソシアネートシランの反応物、各種シランカップリング剤の部分縮合体等を挙げる事ができる。
シランカップリング剤を使用する場合、その使用量は本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、0.1〜15重量部程度が好ましく、0.5〜10重量部程度がより好ましく、1〜5重量部程度が特に好ましい。使用する場合は、配合量が少なすぎても、多すぎても機械強度が低下する傾向が見られる場合がある。
<可塑剤>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて可塑剤を添加することができる。可塑剤の添加により、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの硬度、引張り強度、伸びなどの機械特性が調整できる。可塑剤の例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールペンゾエート、ジペンタエリスリトールへキサエステル等のグリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類をあげることができる。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーには、必要に応じて可塑剤を添加することができる。可塑剤の添加により、変性熱可塑性ウレタンエラストマーの硬度、引張り強度、伸びなどの機械特性が調整できる。可塑剤の例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールペンゾエート、ジペンタエリスリトールへキサエステル等のグリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類をあげることができる。
可塑剤の使用量が多いほど変性熱可塑性ウレタンエラストマーの強度が低下するため、可塑剤の使用量を低減する事が好ましく、可塑剤の使用量は、変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、30重量部以下が更に好ましく、10重量部以下が特に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
<用途>
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーは、通常の熱可塑性ウレタンエラストマーが使用される用途に適用され、特に、優れた機械特性が要求される用途に好適である。
本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーは、通常の熱可塑性ウレタンエラストマーが使用される用途に適用され、特に、優れた機械特性が要求される用途に好適である。
以下、実施例および比較例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更して実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお下記実施例および比較例において「部」および「%」とあるのは、重量部または重量%を意味する。
なお、以下の製造例、実施例および比較例における測定および試験はつぎのように行った。
[1]コアシェルポリマーの平均粒子径の測定
水性ラテックスに分散しているコアシェルポリマーの体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。
水性ラテックスに分散しているコアシェルポリマーの体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。
[2]コアシェルポリマーのMEK不溶分量の測定
ラテックスから乾燥させて得られたコアシェルポリマーの2gを23℃にて、MEK100gに24時間浸漬した後にMEK不溶分を遠心分離した。得られた不溶分を乾燥させて重量を計り、ポリマー微粒子の重量に対するMEK不溶分の重量分率(%)を算出した。
ラテックスから乾燥させて得られたコアシェルポリマーの2gを23℃にて、MEK100gに24時間浸漬した後にMEK不溶分を遠心分離した。得られた不溶分を乾燥させて重量を計り、ポリマー微粒子の重量に対するMEK不溶分の重量分率(%)を算出した。
[3]エラストマーの引張特性
エラストマーのシートを打ち抜いてJISダンベル3号試験片を作製した。この試験片を用いて、23℃で引張試験を行った。チェック間距離50mm、標線間距離20mmにして200mm/minで引張試験を行い、400%伸長時の引張強度、600%伸長時の引張強度を測定した。
エラストマーのシートを打ち抜いてJISダンベル3号試験片を作製した。この試験片を用いて、23℃で引張試験を行った。チェック間距離50mm、標線間距離20mmにして200mm/minで引張試験を行い、400%伸長時の引張強度、600%伸長時の引張強度を測定した。
[4]活性水素当量として水酸基当量の測定
JIS K0070に基づいて、水酸基価(mgKOH/g)を測定した。この水酸基価を、水酸基当量=56100/水酸基価の式に当てはめて、活性水素当量として水酸基当量を計算することで求めた。
JIS K0070に基づいて、水酸基価(mgKOH/g)を測定した。この水酸基価を、水酸基当量=56100/水酸基価の式に当てはめて、活性水素当量として水酸基当量を計算することで求めた。
[5]イソシアネート当量
イソシアネート当量は、イソシアネート基1個あたりの重量を現す。ポリイソシアネートの分子量を、同分子中に存在するイソシアネート基の数で割った値に相当する。分析的には、JIS K1603に基づいてイソシアネート基含有率(%)を測定し、その含有率を、イソシアネート当量=4200/イソシアネート基含有率の式に当てはめて求めることができる。本実施例では、用いたポリイソシアネートの分子量をイソシアネート基の数で割って求めた。
イソシアネート当量は、イソシアネート基1個あたりの重量を現す。ポリイソシアネートの分子量を、同分子中に存在するイソシアネート基の数で割った値に相当する。分析的には、JIS K1603に基づいてイソシアネート基含有率(%)を測定し、その含有率を、イソシアネート当量=4200/イソシアネート基含有率の式に当てはめて求めることができる。本実施例では、用いたポリイソシアネートの分子量をイソシアネート基の数で割って求めた。
実施例および比較例において用いたポリエーテルジオール(A)、ポリイソシアネート(B)、コアシェルポリマー(C)、その他の配合剤を示す。なお、コアシェルポリマー(C)がポリエーテルジオール(A)に分散したものを分散物(F)とした。
<ポリエーテルジオール(A)>
A−1:平均分子量1000のポリプロピレングリコール(三井化学(株)製アクトコールD−1000、水酸基当量501g/eq)
A−2:平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製PTMG−1000、水酸基当量 501g/eq)
A−1:平均分子量1000のポリプロピレングリコール(三井化学(株)製アクトコールD−1000、水酸基当量501g/eq)
A−2:平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製PTMG−1000、水酸基当量 501g/eq)
<ポリイソシアネート(B)>
B−1:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成工業(株)製、イソシアネート当量125g/eq)
B−1:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成工業(株)製、イソシアネート当量125g/eq)
<ポリマー微粒子(C)> 後述の製造例を参照。
鎖延長剤(D):1,4−ブタンジオール(三菱化学(株)製 水酸基当量49g/eq)
鎖延長剤(D):1,4−ブタンジオール(三菱化学(株)製 水酸基当量49g/eq)
<コアシェルポリマー(C)>
C−1:コアの主成分がブタジエンゴムコアであるコアシェルポリマー
C−2:コアの主成分がポリスチレンコアであるコアシェルポリマー
以下に、コアシェルポリマー(C−1およびC−2)の製造例およびコアシェルポリマー(C−1〜C−2)がポリエーテルジオール(A−1)に分散した分散物(F−1〜F−2)の製造例を示す。
C−1:コアの主成分がブタジエンゴムコアであるコアシェルポリマー
C−2:コアの主成分がポリスチレンコアであるコアシェルポリマー
以下に、コアシェルポリマー(C−1およびC−2)の製造例およびコアシェルポリマー(C−1〜C−2)がポリエーテルジオール(A−1)に分散した分散物(F−1〜F−2)の製造例を示す。
(コアシェルポリマーの製造例)
以下、製造例1−1と1−2にコア層となるゴム粒子のラテックスの調製、製造例2−1と2−2にコアシェルポリマー(C)のラテックスの調製、製造例3−1と3−2にコアシェルポリマー(C)中にポリエーテルジオール(A)が分散した分散物(F)の調製を記載する。
以下、製造例1−1と1−2にコア層となるゴム粒子のラテックスの調製、製造例2−1と2−2にコアシェルポリマー(C)のラテックスの調製、製造例3−1と3−2にコアシェルポリマー(C)中にポリエーテルジオール(A)が分散した分散物(F)の調製を記載する。
<略号の説明>
EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SDS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
PHP:パラメンタンハイドロパーオキサイド
SFS:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
MMA:メチルメタクリレート
HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
MEK:メチルエチルケトン
EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SDS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
PHP:パラメンタンハイドロパーオキサイド
SFS:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
MMA:メチルメタクリレート
HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
MEK:メチルエチルケトン
1.ゴム粒子のラテックスの調製
製造例1−1;ポリブタジエンゴムラテックス(R−1)の調製
耐圧重合機中に、脱イオン水200部、リン酸三カリウム0.03部、リン酸二水素カリウム0.25部、EDTA0.002部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001部およびSDS1.5部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン100部を系中に投入し、45℃に昇温した。PHP0.015部、続いてSFS0.04部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、SDS0.3部、PHP0.01部、EDTA0.0015部および硫酸第一鉄・7水和塩0.001部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴム粒子を含むラテックス(R−1)を得た。重合反応率は99%以上であった。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.10μmであった。
製造例1−1;ポリブタジエンゴムラテックス(R−1)の調製
耐圧重合機中に、脱イオン水200部、リン酸三カリウム0.03部、リン酸二水素カリウム0.25部、EDTA0.002部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001部およびSDS1.5部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン100部を系中に投入し、45℃に昇温した。PHP0.015部、続いてSFS0.04部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、SDS0.3部、PHP0.01部、EDTA0.0015部および硫酸第一鉄・7水和塩0.001部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴム粒子を含むラテックス(R−1)を得た。重合反応率は99%以上であった。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.10μmであった。
製造例1−2;ポリスチレンラテックス(R−2)の調製
還流冷却器、窒素吹込口、モノマーと乳化剤の追加口、温度計を備えた5口ガラス容器に、脱イオン水220部、EDTA0.004部、硫酸第一鉄・7水和塩0.002部、SFS0.2部、及びSDS0.6部を仕込み、窒素気流中で撹拌しながら60℃に昇温した。次に、スチレン10部、アリルメタクリレート1部、及びCHP0.003部の混合物を一括で追加し、1時間撹拌した。さらに、スチレン86部、アリルメタクリレート3部及びCHP0.03部の混合物を、4時間かけて連続的に滴下した。また、前記混合物の添加後2時間目と4時間目に、SDS0.2部をそれぞれ追加した。前記混合物添加終了から1時間撹拌を続けて重合を完結し、架橋したポリスチレン粒子を含むラテックス(R−2)を得た。重合反応率は99%以上であった。得られたラテックスに含まれるポリスチレン粒子の体積平均粒子径は0.11μmであった。
還流冷却器、窒素吹込口、モノマーと乳化剤の追加口、温度計を備えた5口ガラス容器に、脱イオン水220部、EDTA0.004部、硫酸第一鉄・7水和塩0.002部、SFS0.2部、及びSDS0.6部を仕込み、窒素気流中で撹拌しながら60℃に昇温した。次に、スチレン10部、アリルメタクリレート1部、及びCHP0.003部の混合物を一括で追加し、1時間撹拌した。さらに、スチレン86部、アリルメタクリレート3部及びCHP0.03部の混合物を、4時間かけて連続的に滴下した。また、前記混合物の添加後2時間目と4時間目に、SDS0.2部をそれぞれ追加した。前記混合物添加終了から1時間撹拌を続けて重合を完結し、架橋したポリスチレン粒子を含むラテックス(R−2)を得た。重合反応率は99%以上であった。得られたラテックスに含まれるポリスチレン粒子の体積平均粒子径は0.11μmであった。
2.コアシェルポリマー(C)のラテックスの調製
製造例2−1;コアシェルポリマー(C−1)を含有するラテックスの調製
還流冷却器、窒素吹込口、モノマーと乳化剤の追加口、温度計を備えた5口ガラス容器に、製造例1−1で得たラテックス(R−1)1575部(ポリブタジエンゴム粒子518部相当)および脱イオン水315部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024部、硫酸第一鉄・7水和塩0.006部、SFS1.2部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン36部、MMA36部、HBA18部)、およびCHP0.2部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマー(C−1)のラテックスを得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(C−1)のゴム成分量は、仕込み量と反応率から85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(C−1)の体積平均粒子径は0.11μmであり、MEK不溶分量は98%であった。
製造例2−1;コアシェルポリマー(C−1)を含有するラテックスの調製
還流冷却器、窒素吹込口、モノマーと乳化剤の追加口、温度計を備えた5口ガラス容器に、製造例1−1で得たラテックス(R−1)1575部(ポリブタジエンゴム粒子518部相当)および脱イオン水315部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024部、硫酸第一鉄・7水和塩0.006部、SFS1.2部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン36部、MMA36部、HBA18部)、およびCHP0.2部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマー(C−1)のラテックスを得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(C−1)のゴム成分量は、仕込み量と反応率から85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(C−1)の体積平均粒子径は0.11μmであり、MEK不溶分量は98%であった。
製造例2−2;コアシェルポリマー(C−2)を含有するラテックスの調製
還流冷却器、窒素吹込口、モノマーと乳化剤の追加口、温度計を備えた5口ガラス容器に、製造例1−2で得たラテックス(R−2)1671部(ポリスチレン粒子518部相当)および脱イオン水315部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024部、硫酸第一鉄・7水和塩0.006部、SFS1.2部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン36部、MMA36部、HBA18部)、およびCHP0.2部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマー(C−2)のラテックスを得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(C−2)のコア成分量は、仕込み量と反応率から85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(C−2)の体積平均粒子径は0.12μmであり、MEK不溶分量は98%であった。
還流冷却器、窒素吹込口、モノマーと乳化剤の追加口、温度計を備えた5口ガラス容器に、製造例1−2で得たラテックス(R−2)1671部(ポリスチレン粒子518部相当)および脱イオン水315部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024部、硫酸第一鉄・7水和塩0.006部、SFS1.2部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン36部、MMA36部、HBA18部)、およびCHP0.2部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマー(C−2)のラテックスを得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(C−2)のコア成分量は、仕込み量と反応率から85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(C−2)の体積平均粒子径は0.12μmであり、MEK不溶分量は98%であった。
3.コアシェルポリマー(C)がポリエーテルジオール(A)に分散した分散物(F)の調製
製造例3−1:コアシェルポリマー(C−1)がポリエーテルジオール(A−1)に分散した分散物(F−1)の調製
25℃の1L混合槽にMEK100部を導入し、撹拌しながら、それぞれ前記製造例2−1で得られたコアシェルポリマー(C−1)のラテックス:コアシェルポリマー30部相当分を投入した。均一に混合後、水150部を60部/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、水相を槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK70部を追加して均一に混合し、コアシェルポリマーが均一に分散した分散体を得た。この分散体に、ポリエーテルジオール(A−1)90部を混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、ポリエーテルジオール(A−1)中にコアシェルポリマー(C−1)が25重量%分散した分散物(F−1)を得た。前記分散物(F−1)の水酸基当量は649g/eqであった。
製造例3−1:コアシェルポリマー(C−1)がポリエーテルジオール(A−1)に分散した分散物(F−1)の調製
25℃の1L混合槽にMEK100部を導入し、撹拌しながら、それぞれ前記製造例2−1で得られたコアシェルポリマー(C−1)のラテックス:コアシェルポリマー30部相当分を投入した。均一に混合後、水150部を60部/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、水相を槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK70部を追加して均一に混合し、コアシェルポリマーが均一に分散した分散体を得た。この分散体に、ポリエーテルジオール(A−1)90部を混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、ポリエーテルジオール(A−1)中にコアシェルポリマー(C−1)が25重量%分散した分散物(F−1)を得た。前記分散物(F−1)の水酸基当量は649g/eqであった。
製造例3−2:コアシェルポリマー(C−2)がポリエーテルジオール(A−1)に分散した分散物(F−2)の調製
製造例3−1において使用したコアシェルポリマー(C−1)のラテックスの代わりに、コアシェルポリマー(C−2)のラテックスを用いた以外は、製造例3−1と同様にしてポリエーテルジオール(A−1)にコアシェルポリマー(C−2)が25重量%分散した分散物(F−2)を得た。前記分散物(F−2)の水酸基当量は649g/eqであった。
製造例3−1において使用したコアシェルポリマー(C−1)のラテックスの代わりに、コアシェルポリマー(C−2)のラテックスを用いた以外は、製造例3−1と同様にしてポリエーテルジオール(A−1)にコアシェルポリマー(C−2)が25重量%分散した分散物(F−2)を得た。前記分散物(F−2)の水酸基当量は649g/eqであった。
(実施例1−5)
還流冷却器、窒素吹込口、原料の追加口、温度計を備えた4口ガラス容器に、ポリエーテルジオール(A)、分散物(F)を表1に示す量を仕込んだ。撹拌しながら、60℃に加温保持して、乾燥窒素を1時間吹き込んだ。その後、ポリイソシアネート(B)を表1に示す量を仕込み、130℃に昇温し、窒素下で撹拌を4時間続けプレポリマーを得た。80℃に冷却後、このプレポリマーに、表1に示す量の鎖延長剤(D)を加えて撹拌が困難になる程度まで撹拌を続けた。得られたポリマーを反応容器からかき出して、100℃のオーブンに入れ、減圧しながら4時間保持し、変性熱可塑性ウレタンエラストマーを得た。
還流冷却器、窒素吹込口、原料の追加口、温度計を備えた4口ガラス容器に、ポリエーテルジオール(A)、分散物(F)を表1に示す量を仕込んだ。撹拌しながら、60℃に加温保持して、乾燥窒素を1時間吹き込んだ。その後、ポリイソシアネート(B)を表1に示す量を仕込み、130℃に昇温し、窒素下で撹拌を4時間続けプレポリマーを得た。80℃に冷却後、このプレポリマーに、表1に示す量の鎖延長剤(D)を加えて撹拌が困難になる程度まで撹拌を続けた。得られたポリマーを反応容器からかき出して、100℃のオーブンに入れ、減圧しながら4時間保持し、変性熱可塑性ウレタンエラストマーを得た。
つづいて、得られた変性熱可塑性ウレタンエラストマー室温でロールをして、シートを作製した。作製したシートを160℃で熱プレスして2mm厚保のシートを得た。得られたシートを用いて、引張試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
分散物を用いない以外は、実施例1と同様にして、引張試験用のシートを作製して、引張試験を行った。結果を表1に示す。
分散物を用いない以外は、実施例1と同様にして、引張試験用のシートを作製して、引張試験を行った。結果を表1に示す。
表1から、本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーは、引張強度が高いことが分かる。
(実施例6および比較例2)
表2の示す成分および量を用いる以外は、実施例1および比較例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
表2の示す成分および量を用いる以外は、実施例1および比較例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
表2から、本発明の変性熱可塑性ウレタンエラストマーは、引張強度が高いことが分かる。
Claims (6)
- ポリエーテルジオール(A)およびポリイソシアネート(B)を反応させて得られる熱可塑性ウレタンエラストマー中に、体積平均粒子径が0.01〜0.6μmのコアシェルポリマー(C)が分散している変性熱可塑性ウレタンエラストマーであり、前記(C)のシェル層が芳香族ビニルモノマー、(メタ)アクリレートモノマーおよび水酸基含有ビニルモノマーであることを特徴とする変性熱可塑性ウレタンエラストマー。
- ポリエーテルジオール(A)が数平均分子量400〜5000を有し、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の変性熱可塑性ウレタンエラストマー。
- コアシェルポリマー(C)が、ジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、オルガノシロキサン系ゴム及びスチレン系ポリマーよりなる群から選択される1種以上のコア層を有する請求項1または2記載の変性熱可塑性ウレタンエラストマー。
- コアシェルポリマー(C)中のゴム成分量が81〜95重量%である請求項1〜3いずれか記載の変性熱可塑性ウレタンエラストマー。
- コアシェルポリマー(C)の含有量が、変性熱可塑性ウレタンエラストマー100重量%に対して0.5〜10重量%である請求項1〜4記載の変性熱可塑性ウレタンエラストマー。
- コアシェルポリマー(C)が熱可塑性ウレタンエラストマー中に1次粒子の状態で均一に分散している請求項1〜6記載の変性熱可塑性ウレタンエラストマー。
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JP2019038980A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-14 | 王子ホールディングス株式会社 | 繊維状セルロース含有組成物及び塗料 |
CN109988415A (zh) * | 2017-12-31 | 2019-07-09 | 中广核高新核材科技(苏州)有限公司 | 高抗撕裂强度的阻燃聚醚型聚氨酯弹性体 |
WO2022210166A1 (ja) | 2021-03-31 | 2022-10-06 | デンカ株式会社 | 接着剤組成物、接合体および接着剤組成物の製造方法 |
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2014
- 2014-12-01 JP JP2014243113A patent/JP2016104834A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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