JP2016103423A - 光源装置および照明装置 - Google Patents

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昌士 岡本
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仁 長野
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Fumihiko Oda
史彦 小田
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Abstract

【課題】要素光源の複数個からのコヒーレント光束を光ファイバに高効率で結合し、かつ要素光源の効果的な冷却を行うことを達成すること。【解決手段】コヒーレント光束を放射する要素光源の複数個と、コヒーレント光束相互の間隔を短縮するための反射鏡と、入射された光束を集束光束に変換して高密度光照射領域を形成するための集光光学素子と、光ファイバ保持体と、要素光源および反射鏡、集光光学素子、光ファイバ保持体が載せられるとともに要素光源を冷却するための放熱体を兼ねる基台と、基台を冷却するための冷却流体を流す流体機構と、を具備する光源装置において、要素光源が載せられる面は階段状に形成されて要素光源のそれぞれは面の段の何れかに載せられ、冷却流体が、基台の下側の面に作用するように流体流路が設けられ、かつ冷却流体の流れ方向が、基台における階段状の面の高低差の方向であるようにする。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、プロジェクタ等の光学装置のための光源や、製造プロセスにおける光照射処理工程における露光装置のための光源として利用することが好適な、半導体レーザ等の固体光源の放射光を、光ファイバを介して利用する光源装置であって、簡単な流体機構を用いて光源装置を構成する複数の要素光源それぞれに所望の冷却を施すことが可能な光源装置に関する。
例えば、DLP(TM)プロジェクタや液晶プロジェクタのような画像表示用の光学装置や、フォトマスク転写やアニール等のための露光装置においては、これまで、キセノンランプや超高圧水銀ランプのような高輝度放電ランプ(HIDランプ)、あるいはハロゲンランプなどが使用されてきた。
しかしながら、前記したランプ類は、投入電力から光パワーへの変換効率が低い、すなわち発熱損が大きい、あるいは寿命が短い、などの欠点を有していた。
これらの欠点を克服した代替光源として、近年、LEDや半導体レーザ等の固体光源が注目されている。
このうち、LEDについては、放電ランプと比較して発熱損が小さく、また長寿命であるが、放射される光に関しては、放電ランプと同様に指向性が無いため、前記したプロジェクタや露光装置等の、特定の方向の光のみが利用可能な用途においては、光の利用効率が低いという問題があった。
一方、半導体レーザについては、LEDと同様に、発熱損が小さく、長寿命である上に、指向性が高いため、前記したプロジェクタや露光装置等の、特定の方向の光のみが利用可能な用途においても、光の利用効率が高いという利点がある。
また、高い指向性を活かして、光ファイバによる光伝送を高効率で行えるため、半導体レーザの設置場所と、プロジェクタなど、その光を利用する場所とを分離することが可能であり、装置設計の自由度を高めることができる。
しかしその反面、半導体レーザにはスペックルノイズが発生するという問題があった。
ここでスペックルとは、半導体レーザやその他のレーザの光、あるいは(高調波発生・光パラメトリック効果などのような非線形光学現象を利用して)レーザ光を波長変換するなどして生成した、コヒーレント光を投射した場合に不可避的に現れる、粒状・斑点状の模様であって、とりわけ、光ファイバを併用する場合は、その影響が顕著になり、前記したプロジェクタのような鑑賞用の映像を生成する用途や、感光性材料からなる被膜にフォトマスクのパターンを精密に露光する用途においては、画質を著しく劣化させる、非常に厄介な現象であるため、改善のための工夫が、古くから数多く提案されて来た。
例を挙げれば、拡散板・フライアイインテグレータ・ロッドインテグレータ・レンズアレイ・ビームスプリッタ・多重反射素子等を用いて、コヒーレント光源からの光束を、光軸に垂直な断面内分割して重ね合わせたり、光束の光軸に垂直な断面の位置に依存した位相・偏光状態・遅延等を付与したり、さらに光学素子を回転・振動・揺動するなどして分割状態や付与状態を時間的に変化させたり、波長が僅かに相違する複数個のコヒーレント光源からの光束を混合するなどである。
これらの工夫のうち、最も多用される手段が拡散板を用いるものであるが、この手段を単独で使う場合、その拡散度合いを強くするほど、これによってスペックルノイズ低減能力が高まる半面、光の利用効率が低下する、トレードオフの関係が存在するため、拡散板単独の働きに頼ってスペックルノイズ低減を行うものは少なく、前記したように他の手段を併用するものがほとんどである。
例えば、特開昭−51−064325号公報には、レーザを用いた文字パターン発生装置において、スペックルによる解像力の低下を防止するため、拡散板としてのスリガラス円板を回転する技術が記載されており、類似の技術を提案した公報が極めて多数存在する。
しかしながら、前記したように拡散度合いを強くするほど、これによってスペックルノイズ低減能力が高まる半面、光の利用効率が低下する欠点から免れられないため、拡散板を全く使用しないか、少なくとも拡散度合いの強い拡散板を使用せずに済み、かつそしてコスト高の原因となる回転機構や振動機構、高性能な光学素子を必要としないスペックルノイズ低減技術の確立が強く望まれる。
例えば、特表2004−503923号には、スペクトル幅と中心波長シフトの関係を規定した複数のレーザ素子を用いる技術が記載されており、さらに特開2004−146793号には、波長が異なる複数個の半導体レーザの光を用いる露光装置に関する技術が記載されている。
これらの技術の場合、前記した、回転機構や振動機構、高性能な光学素子を必要としない点が有利であるが、それを実現に移そうとする場合は、多数の半導体レーザ素子を用意して選別を行い、所期の波長分布を実現できる半導体レーザ素子集合を構成する必要があり、やはりコスト高となる問題がある。
当然、光を対象物に照射する照明装置の全てにおいてスペックルノイズが致命的な問題であるという訳ではなく、その用途によっては、スペックルノイズが多少あっても構わないものもあるが、その場合でも、半導体レーザを使用する以上、それを十分に冷却しながら稼働させなければ、破損したり寿命を縮めたりするため、効果的な冷却機構を必要とするが、これは装置における半導体レーザの実装技術と不可分な課題である。
また、複数の半導体レーザからの放射光を1本の光ファイバによって伝送しようとする場合は、光の伝送路である光ファイバコアの径が細い上、光ファイバが伝送できる光の入射角の制限、すなわちNAに上限があるため、光ファイバへの高効率な結合を実現するための、光学系における効果的な光学素子配置を必要とし、これも同様に、装置における半導体レーザの実装技術と不可分な課題である。
いま述べた複数の半導体レーザの効果的な冷却と、複数の半導体レーザの放射光の光ファイバへの高効率な結合を目的とした提案として、例えば特開2014−175626号には、階段状のヒートシンクの各段に半導体レーザアレイを設置することにより、複数の半導体レーザアレイからのビームを、ビームの間隔を可及的密に詰められた1個の合成光束と成すことができ、集光レンズによって1本の光ファイバに高効率で結合可能な光源装置が記載されている。
ただし、この技術は、小さい半導体レーザチップ単体の複数個を、ヒートシンクにマウントするものであるため、例えば、キャン型外囲器に収納された形態のような大きい半導体レーザに対しては適用できなかった。
特開昭−51−064325号 特表2004−503923号 特開2004−146793号 特開2014−175626号
本発明が解決しようとする課題は、半導体レーザ等の要素光源の複数個からのコヒーレント光束を光ファイバに高効率で結合し、かつ要素光源の効果的な冷却を行うことを達成した光源装置を提供することにある。
本発明における第1の発明の光源装置は、遠方の像を形成するコヒーレント光束(F1,F2,…)を放射する要素光源(U1,U2,…)の複数個と、
前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれ毎に対応が定められ、対応する前記要素光源(U1,U2,…)からの前記コヒーレント光束(F1,F2,…)のみを反射することにより、前記コヒーレント光束(F1,F2,…)相互の間隔を短縮するための反射鏡(R1,R2,…)と、
該反射鏡(R1,R2,…)で反射された前記コヒーレント光束(F1,F2,…)が入射され、入射された光束を集束光束(Fg)に変換して高密度光照射領域(Ag)を形成するための集光光学素子(Eg)と、
前記高密度光照射領域(Ag)の近傍にコアの端面が位置するように光ファイバ(Ef)を保持するための光ファイバ保持体(Er)と、
前記要素光源(U1,U2,…)および前記反射鏡(R1,R2,…)、前記集光光学素子(Eg)、前記光ファイバ保持体(Er)が載せられて、それらを固定するとともに前記要素光源(U1,U2,…)を冷却するための放熱体を兼ねる基台(B)と、
該基台(B)を冷却するための冷却流体を流す流体機構(Cs)と、
を具備する光源装置であって、
前記基台(B)における前記要素光源(U1,U2,…)が載せられる面(Su)が上側になるように見たとき、該面(Su)は階段状に形成されて前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれは前記面(Su)の段の何れかに載せられ、
前記流体機構(Cs)の前記冷却流体が、前記基台(B)の下側の面(Sc)に作用するように流体流路(Cr)が設けられ、かつ前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の方向であることを特徴とするものである。
本発明における第2の発明の光源装置は、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高い方から低い方へ向かう方向であることを特徴とするものである。
本発明における第3の発明の光源装置は、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の低い方から高い方へ向かう方向であることを特徴とするものである。
本発明における第4の発明の光源装置は、前記した流体機構として、少なくとも2系統の第1の流体機構(Cs1)と第2の流体機構(Cs2)とを具備し、前記第1の流体機構(Cs1)が流す冷却流体の方向と、前記第2の流体機構(Cs2)が流す冷却流体の方向とが相違することを特徴とするものである。
本発明における第5の発明の光源装置は、前記した流体機構として、少なくとも2系統の第1の流体機構(Cs1)と第2の流体機構(Cs2)とを具備し、前記第1の流体機構(Cs1)が流す冷却流体の方向と流量と、前記第2の流体機構(Cs2)が流す冷却流体の方向と流量とをそれぞれ独立に制御可能であることを特徴とするものである。
本発明における第6の発明の光源装置は、前記基台(B)における下側の前記面(Sc)には、前記冷却流体が作用する表面積を増大させるための突出構造(Cb)を具備するとともに、前記突出構造(Cb)に起因する表面積の増大量が前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の方向に依存して変化することを特徴とするものである。
本発明における第7の発明の照明装置は、第1の発明に記載の光源装置(Uo)と、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子に給電する駆動回路(P1,P2,…)と、前記流体機構(Cs)を駆動する流体機構駆動制御回路(Uc)と、前記光ファイバ保持体(Er)によって一端を保持された前記光ファイバ(Ef)とを具備し、該光ファイバ(Ef)の他端から放射される照射光束(Fw)を対象物(Wk)に照射することを特徴とするものである。
半導体レーザ等の要素光源の複数個からのコヒーレント光束を光ファイバに高効率で結合し、かつ要素光源の効果的な冷却を行うことを達成した光源装置を提供することができる。
本発明の光源装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光源装置を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光源装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す概念図を表す。 本発明の光源装置の実施例の一形態を簡略化して示す図を表す。
先ず、本発明の光源装置の一部を簡略化して示す模式図である図1を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
要素光源(U1,U2,…)のそれぞれは、半導体レーザ等の発光素子と、その放射光を遠方の像を形成する光束に変換するコリメータ光学素子(例えばコリメータレンズ)とを含んでおり、平行光束または平行光束に近いコヒーレント光束(F1,F2,…)を出力する。
前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれは、基台(B)の上に設置するが、該基台(B)における前記要素光源(U1,U2,…)が設置される面(Su)は階段状に形成されており、前記要素光源(U1,U2,…)は前記面(Su)の段の何れかに載せられ、ネジ止め等の手段(図示を省略)によって前記面(Su)に対して強固に固定されるとともに、前記要素光源(U1,U2,…)において発生した熱が前記基台(B)に排出されるようにする。
また前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれには、その要素光源からの前記コヒーレント光束(F1,F2,…)の反射を担当する反射鏡(R1,R2,…)との対応が定められており、 該反射鏡(R1,R2,…)は、対応する前記要素光源(U1,U2,…)からの前記コヒーレント光束(F1,F2,…)のみを反射するように配置される。
そして、例えば、前記要素光源(U1)と前記反射鏡(R1)とは最上段に、また前記要素光源(U2)と前記反射鏡(R2)とは上から2番目の段に配置し、前記反射鏡(R1)は前記コヒーレント光束(F1)のみを反射して、一つ下の段の反射鏡の直上を通過させ、また前記反射鏡(R2)は前記コヒーレント光束(F2)のみを反射して、一つ下の段の反射鏡の直上を通過させる、というようにこれら要素光源、反射鏡を機能させ、さらに下の段についても同様とすることにより、前記コヒーレント光束(F1,F2,…)相互の間隔を短縮することができる。
なお、図においては、前記コヒーレント光束(F1,F2,…)などが反射鏡によって反射されて出来た光束に対しても、同じ識別記号を割り当てて表記することにしてある。
前記反射鏡(R1,R2,…)で反射されて相互間隔が短縮された前記コヒーレント光束(F1,F2,…)は、レンズ等から構成した集光光学素子(Eg)に入射されて集束光束(Fg)に変換され、高密度光照射領域(Ag)を形成する。
前記高密度光照射領域(Ag)の近傍にコアの端面が位置するように光ファイバ(Ef)の一端を保持することにより、前記コヒーレント光束(F1,F2,…)は前記光ファイバ(Ef)に結合され、該光ファイバ(Ef)の他端より光束を出力させることができる。
前記集光光学素子(Eg)および前記光ファイバ(Ef)の保持に関し、本発明の光源装置を簡略化して示す模式図である図2を用いて説明する。
図においては、前記光ファイバ(Ef)自体は、保護被覆(Es)とともにフェルール(Eh)に保持させ、固定ナット(Ehn)を付加して光ファイバコネクタプラグ(Ep)と成し、前記フェルール(Eh)を光ファイバコネクタレセプタクルたる光ファイバ保持体(Er)によって保持する構造とし、該光ファイバ保持体(Er)は、光ファイバコネクタレセプタクルホルダ(He)を介して前記基台(B)に固定する。
また、前記光ファイバ保持体(Er)には雄ネジを切ってあり、雌ネジを切ってある前記固定ナット(Ehn)を締め込むことによって前記フェルール(Eh)が前記光ファイバ保持体(Er)に固定されるものを想定してある。
本発明の光源装置には、さらに、前記基台(B)を冷却するための流体機構(Cs)を設けるが、これは、前記基台(B)における前記要素光源(U1,U2,…)が載せられる前記面(Su)が上側になるように見たとき、前記基台(B)における下側の面(Sc)に冷却流体を作用させるべく、流体流路(Cr)が前記面(Sc)に接するように構成する。
図においては、前記冷却流体はファン(Cf)によって駆動される空気である場合を想定している。
そして、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の方向、すなわち矢印(D1)または矢印(D2)となるようにする。
ここで、前記した前記コヒーレント光束(F1,F2,…)相互の間隔を短縮して、密なものとすることの意味・重要性について補足しておく。
もし、間隔の短縮について考慮せず、例えば、単純に全ての前記要素光源(U1,U2,…)を2次元的に並べただけとした場合を仮定すると、この場合に実現されるコヒーレント光束(F1,F2,…)の相互の2次元的な間隔は、非常に疎なものとなる。
このような、疎なコヒーレント光束(F1,F2,…)を光ファイバ(Ef)のコアに集光するためには、密な場合に比較して、集光光学素子(Eg)として径の大きなものが必要となるが、このこと自体が、光源装置の大型化やコスト高を招き、不都合である。
仮に、その不都合を無視するとしても、集束光束(Fg)の角度を光ファイバのNA内に収めるためには、集光光学素子(Eg)の焦点距離を大きくしなければならず、そうすると、コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれが光ファイバ(Ef)の端面に形成するスポットは、回折の影響を受けて大きな面積のものとなる上、半導体レーザに特有の、非点収差的なスポットの非対称形状も拡大されるため、条件によっては光ファイバのコア径に収まらなくなる恐れもある。
さらに、コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれの方向について、光軸に対して厳密に平行ではなく誤差を有した場合の、光ファイバ(Ef)の端面におけるスポット位置のズレ量が大きくなってしまうため、コヒーレント光束(F1,F2,…)の角度調整には高い精度が必要となる。
因みに、いま述べたスポットに関する面積や非点収差的非対称形状、スポット位置ズレ量が大きくなる現象の程度は、集光光学素子(Eg)の焦点距離に比例する。
したがって、前記コヒーレント光束(F1,F2,…)相互の2次元的な間隔を可及的密にすることが、極めて重要であることが理解できる。
前記流体機構(Cs)における前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高い方から低い方へ向かう方向になるようにする場合は、前記基台(B)の最も厚い箇所、すなわち冷却効率が最も悪い箇所が前記流体流路(Cr)の最も上流となって冷たい風が作用し、逆に前記基台(B)の最も薄い箇所、すなわち冷却効率が最も良い箇所が前記流体流路(Cr)の最も下流となって暖かい風が作用するため、前記要素光源(U1,U2,…)の全体に対する冷却効率が均一化され、したがって要素光源の効果的な冷却を実現することができる。
その結果、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれへの投入電力が同様であれば、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度は均等化され、全ての発光素子を理想的な状態に保つことが可能となる。
一方、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の低い方から高い方へ向かう方向になるようにする場合は、前記基台(B)の最も薄い箇所、すなわち冷却効率が最も良い箇所が前記流体流路(Cr)の最も上流となって冷たい風が作用し、逆に前記基台(B)の最も厚い箇所、すなわち冷却効率が最も悪い箇所が前記流体流路(Cr)の最も下流となって暖かい風が作用するため、前記要素光源(U1,U2,…)の全体に対する冷却効率が不均一化され、したがって要素光源の効果的な冷却を実現することができる。
その結果、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれへの投入電力が同様であれば、前記基台(B)の最も厚い箇所に実装された前記要素光源(U1)の温度が最も高くなり、前記基台(B)の最も薄い箇所に実装された前記要素光源の温度が最も低くなって、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度を、故意に不均等化することができる。
多くの半導体レーザにおいては、発光波長が温度に依存する特徴があり、通常、この特徴は、欠点と見なされることが多いが、本発明においては、この特徴を有効に活用する。
前記要素光源(U1,U2,…)の発光素子が半導体レーザであるとして、このようにして発光素子の温度を不均等化して、特定の温度範囲に適当に分布させることにより、それらの発光波長を特定の範囲に分布させることとなり、前記した波長が僅かに相違する複数個のコヒーレント光源からの光束を混合した状態が実現されることになるため、スペックルノイズの低減に効果を発揮する。
いま述べた流体機構の場合、冷却流体を、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の何れの方向に流すにせよ、発光素子の安全な駆動のために前記要素光源(U1,U2,…)の総体が要求する必要流量を流さねばならず、流量を決めれば、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度(正確には環境温度からの温度差)が決まってしまい、各発光素子に与える温度の分布範囲を与える自由度が不足している。
そこで、この自由度の不足を補うための冷却用流体機構の改良について、本発明の光源装置の一部を簡略化して示す模式図である図3を用いて説明する。
本図の(b)は、流体機構を、基台(B)の下側の面(Sc)が正面となる方向から見た図であり、(a)は、冷却流体が流れて来る、または流れて行く方向に沿って流体機構を見た図である。
なお、本図においては、前記面(Su)の上に載せられる前記要素光源(U1,U2,…)などの記載を省略してある。
本図の光源装置は、第1の流体機構(Cs1)と第2の流体機構(Cs2)との、独立した2系統の流体機構を具備している。
前記第1の流体機構(Cs1)では、流体ガイド壁(Cg1,Cg2)によって規定される流体流路(Cr1)を、ファン(Cf1)によって駆動される冷却流体が流れ、前記第2の流体機構(Cs2)では、流体ガイド壁(Cg2,Cg3)によって規定される流体流路(Cr2)を、ファン(Cf2)によって駆動される冷却流体が流れるように構成してある。
因みに、前記基台(B)と前記流体流路(Cr1,Cr2)との熱的結合を高め、冷却効率を向上させるために、前記面(Sc)には、前記冷却流体が作用する表面積を増大させる突出構造(Cb)、すなわち放熱フィンを設けてある。
そして、前記第1の流体機構(Cs1)が流す冷却流体の方向と、前記第2の流体機構(Cs2)が流す冷却流体の方向とが相違するように、例えば前記第1の流体機構(Cs1)では、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高い方から低い方へ向かう方向となり、前記第2の流体機構(Cs2)では、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の低い方から高い方へ向かう方向となるよう、前記ファン(Cf1,Cf2)の機能を設定する。
このように構成することにより、流体機構全体としての冷却能力は、前記第1と第2の流体機構(Cs1,Cs2)の冷却流体の流量の和によって規定され、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度の分布は、前記第1と第2の流体機構(Cs1,Cs2)の冷却流体の流量のバランスによって規定されることになるため、前記した自由度の不足を補うことができる。
さらに、その時点での光源装置の状況に応じて、すなわちスペックルノイズ低減機能の必要の有無や、与えたい前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度の分布範囲などに応じて、前記した流体機構の構成における、前記第1の流体機構(Cs1)が流す冷却流体の方向と流量と、前記第2の流体機構(Cs2)が流す冷却流体の方向と流量とを、それぞれ独立に、動的に制御可能とすることが好適である。
その際、前記第1の流体機構(Cs1)と前記第2の流体機構(Cs2)とを同じ方向に流すように制御することもできるし、前記第1の流体機構(Cs1)と前記第2の流体機構(Cs2)とを相違する方向に流すようにした上で、それぞれの流量の比率を多段階または実質連続的に設定するよう制御することもできる。
いまの場合、これらの動的な制御は、前記ファン(Cf1,Cf2)への投入電力を動的に制御することにより達成できる。
なお、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度を測定できるよう、それぞれに温度センサを設けておき、各温度センサの検出温度値が所期の分布となるよう、前記ファン(Cf1,Cf2)への投入電力をフィードバック制御することがさらに好適である。
図3に記載した前記突出構造(Cb)に関しては、前記流体機構が1系統のみである場合と複数系統ある場合の何れにおいても前記基台(B)の冷却のために有効に機能するが、これを設ける場合、前記突出構造(Cb)に起因する表面積の増大量が前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の方向に依存して変化するようにしてもよい。
このとき、前記突出構造(Cb)に起因する表面積の増大量が、前記基台(B)の厚い箇所で大きく、薄い箇所で小さくなるようにすれば、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度の分布範囲を狭くし、逆に、前記基台(B)の厚い箇所で小さく、薄い箇所で大きくなるようにすれば、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の温度の分布範囲を広くする効果があるため、得たい効果に従って前記突出構造(Cb)の形状を決めればよい。
また、前記流体機構が複数系統ある図3に記載したようなものの場合、前記第1の流体機構(Cs1)と前記第2の流体機構(Cs2)とで、前記突出構造(Cb)に起因する表面積の増大量が前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の方向に依存して変化する際の変化の仕方が相違するようにしてもよい。
ここまでに説明した本発明の光源装置の実施形態について、若干の補足を述べる。
前記要素光源(U1,U2,…)から放射された前記コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれが、無限遠の像を形成する平行光束の場合について、前記集光光学素子(Eg)に入力される前記コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれの主光線を、前記集光光学素子(Eg)の軸に対して平行になるようにすれば、前記集束光束(Fg)は、前記集光光学素子(Eg)の焦点に全ての光束が結像して前記高密度光照射領域(Ag)を形成するが、このようにした場合、該高密度光照射領域(Ag)のパワー密度が高くなり過ぎ、前記光ファイバ(Ef)の端面が破壊される可能性がある。
そのようなときは、前記要素光源(U1,U2,…)から放射された前記コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれが、無限遠の像を形成する平行光束の場合であっても、前記集光光学素子(Eg)に入力される前記コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれの主光線が、前記集光光学素子(Eg)の軸上のある点に集束するようにすれば、この点は前記集光光学素子(Eg)の入射瞳となるから、前記集束光束(Fg)は、前記集光光学素子(Eg)の焦点より手前に射出瞳を作り、これを前記高密度光照射領域(Ag)として前記光ファイバ(Ef)のコア端面に形成すれば、前記した前記高密度光照射領域(Ag)のパワー密度が高くなり過ぎる問題を回避することができる。
あるいは、前記要素光源(U1,U2,…)から放射された前記コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれを、無限遠ではなく、遠方ではあるが有限の距離、例えば負の遠方の像を形成する、平行に近い発散光束になるように、前記要素光源(U1,U2,…)の前記コリメータ光学素子を調整した上で、前記集光光学素子(Eg)に入力される前記コヒーレント光束(F1,F2,…)それぞれの主光線を、前記集光光学素子(Eg)の軸に対して平行、すなわちテレセントリックになるようにすれば、前記集束光束(Fg)は、前記集光光学素子(Eg)の焦点に射出瞳を作り、これを前記高密度光照射領域(Ag)として前記光ファイバ(Ef)のコア端面に形成すれば、前記した前記高密度光照射領域(Ag)のパワー密度が高くなり過ぎる問題を回避することができる。
前記要素光源(U1,U2,…)の発光素子の種類について補足すると、前記した半導体レーザ以外でも、例えば半導体レーザの放射光を、高調波発生・光パラメトリック効果などのような非線形光学現象を利用して波長変換する光源などでもよい。
また、図1においては、前記反射鏡(R1,R2,…)はプリズム様に描かれているが、これは、必要な寸法精度をもってガラスで作成したプリズムの所定の面に、前記発光素子の波長に合わせた誘電体多層膜コーティングを施して高反射率面と成し、前記基台(B)に接着固定するものを想定しているが、例えば、回転やあおり角度を微調整できるミラーホルダに平面鏡を搭載した可動鏡を用いてもよい。
さらに、図2においては、前記フェルール(Eh)を介して、間接的に前記光ファイバ(Ef)を保持する前記光ファイバ保持体(Er)の例を記載したが、前記光ファイバ保持体(Er)としては、前記フェルール(Eh)を介さずに前記光ファイバ(Ef)自体を直接保持する構造としてもよい。
なお、前記光ファイバコネクタレセプタクルホルダ(He)は、前記集光光学素子(Eg)に対するホルダの機能を兼ねるものを描いてあるが、別のホルダを設けて保持するようにしても構わない。
また、前記流体機構(Cs)に関しては空冷式のものを用いる例を記載したが、例えば水冷式など、他の方式の流体機構による冷却方式でも構わない。
前記要素光源(U1,U2,…)が載せられる前記面(Su)は階段状に形成される旨を述べたが、ここで言う階段状とは、その各段の面が単一の平面を成すものに限ることを意味するものではない。
例えば図1などにおいては、前記要素光源(U1)と前記反射鏡(R1)とは単一の平面を成す最上段に、また前記要素光源(U2)と前記反射鏡(R2)とは単一の平面を成す上から2番目の段に配置するように描いてあるが、例えば、前記反射鏡(R1,R2,…)は背の低いものとし、代わりにそれらが載せられる位置において前記面(Su)が台状に盛り上がっていることによって、前記反射鏡(R1,R2,…)の最上部の高さとして、必要な高さが実現されるようにし、結果として各段の面が単一の平面ではないように構成してもよい。
あるいは、前記要素光源(U1,U2,…)の裏面、すなわち前記要素光源(U1,U2,…)における前記面(Su)との接触面が単純平面であるように描いてあるが、前記要素光源(U1,U2,…)の裏面が、例えば凹凸を有するなど、複雑な形状の面である場合は、それらが載せられる位置において前記面(Su)が相補的形状(反対の形状)を呈していることによって、良好な熱的接触が実現されるようにし、結果として各段の面が単一の平面ではないように構成してもよい。
先に、前記流体機構(Cs)の前記冷却流体を作用させる対象を、前記基台(B)における前記要素光源(U1,U2,…)が載せられる面(Su)が上側になるように見たとき、前記基台(B)の下側の面(Sc)である旨を記載したが、この面とは、要素光源の効果的な冷却を行うとする本発明の趣旨から、前記面(Su)に対向する面、という言い方で規定しても構わない。
しかし、そのようにしなかった理由は、前記面(Su)が単一の面ではなく、複数の面から成る複雑な面であるため、対向する、という言葉が混乱を招く可能性を恐れたからである。
従って、回りくどい言い方をすれば、前記した前記流体機構(Cs)の前記冷却流体を作用させる対象は、前記面(Su)が有する階段状の構造や凹凸などの存在によって見えてくる局所的な面を無視した、総体として見たときの前記面(Su)に対向する面である、と言い換えることができる。
またこのとき、前記した本発明の趣旨から、対向する両面が、正確に平行な平面であることを規定しないことは当然である。
以下のおいて本発明の光源装置の実施例について説明する。
図4は、本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す模式図である。
図1には、階段状の前記面(Su)の1段には前記要素光源(U1,U2,…)の1個を配置するものを記載したが、図4の光源装置の場合、最上段に要素光源(U1,U1’)を、上から2番目の段に要素光源(U2,U2’)を配置し、他の段についても同様に配置する様子を描いてある。
ただし、この場合の反射鏡(R1,R2,…)のそれぞれは、対向方向からのコヒーレント光束(F1,F1’)およびコヒーレント光束(F2,F2’)を、それぞれ集光光学素子(図示を省略)の方向に反射するよう、2面の反射面を備えているが、当然、これを1面の反射面を備えるもの2個に分割しても構わない。
したがって、階段状の前記面(Su)の各段につき、この配置方法で構成した場合は、図1のものの2倍の本数のコヒーレント光束を集光光学素子に入射することができる。
一方、本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す模式図である図5に記載の光源装置は、図4に記載したような対向方向からではなく、同一方向に向くコヒーレント光束(F1,F1’,F1”)を放射する複数の要素光源(U1,U1’,U1”)を、1個の段に配置するものである。
本図は、階段状の前記面(Su)の最上段の配置例のみを示したが、上から2番目の段や、それ以降の段についても同様に配置すればよく、その際、各段毎に配置する要素光源の個数は同じでなくても構わない。
また、この配置方法と、図4に記載した配置方法とを組み合わせて、例えば前記要素光源(U1,U1’,U1”)それぞれに対して対向する要素光源を配置するように構成することもできる。
次に、本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す図である図6を用いて、本発明を実施するための形態について説明する。
本図の(a)は、前記要素光源(U1,U2,…)のうちの1個についてのその内部の構成例を示すもので、発光素子にコリメータ光学素子を装着するための組立て構造、(b)は、コリメータ(Ec)が固着されたレンズホルダ(Hz1,Hz2,…)が前記発光素子に装着された状態の様子、および前記発光素子がヒートシンク(Hs)に実装された様子を表し、例えば図5に記載の前記要素光源(U1,U1’,…)として用いることが可能な、複数個の要素光源を集積した集積光源の一部を示す。
本図の発光素子は、金属ケース部(My1,My2,…)と光透過窓部(図示を省略)とから構成される外囲器に覆われ、また通電用端子(TyA,TyB)を具備する、一般にキャン型と呼ばれる構造を有するものである。
前記発光素子の前記金属ケース部(My1,My2,…)の構造上の基準面(Pz1,Pz2,…)に対して垂直な方向に、遠方の像点を生成する光束が射出されるよう、前記コリメータ(Ec)を設置するために、例えば接着等の手段を用いて、先ずレンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)に対して前記コリメータ(Ec)を固着しておき、次に、前記発光素子と固定されたレンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に対して、例えば接着等の手段を用いて、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を固着することにより、前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)への前記コリメータ(Ec)の固着を実現している。
すなわち、前記コリメータ(Ec)を前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に固着するに際し、直接固着するのではなく、間に前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を介在させるものである。
このような構造とすることにより、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)に対して、偏芯が無いように前記コリメータ(Ec)を固着しておけば、前記発光素子と固定された前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に対して、前記発光素子に電流を流して発光させ、前記コリメータ(Ec)を通過した光束が、所定のコリメート状態(発光素子の活性領域に共役な像が所定の位置に結像する状態)になるよう光学観測を行いながら光軸方向の位置(およびそれに垂直な面内の位置)を所定位置に追い込み、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に固着することができる。
なお、図6の(b)には、前記コリメータ(Ec)を固着するための接着剤ポッティング(HpA)、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を固着するための接着剤ポッティング(HpB)を記載してあるが、前記コリメータ(Ec)や前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)の周囲全部に施す必要は無く、周囲の2〜3箇所から数箇所でよい。
以上のようにして前記要素光源(U1,U2,…)の個々のものを構成し、これらを共通の前記ヒートシンク(Hs)に集積して実装することにより、前記集積光源の1個を構成することができる。
なお、前記ヒートシンク(Hs)がアルミニウム等の金属材料から作られる場合、これと前記金属ケース部(My1,My2,…)の間に介在することになる前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)が絶縁性部材である必要がある場合は、例えば熱伝導性の良いセラミックなどの材料により構成する。
本発明の光源装置における要素光源としては、図6に記載したディスクリート型の半導体レーザ光源の他に、半導体レーザアレイデバイスも使用可能であり、これについて、本発明の光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す概念図である図7を用いて説明する。
本図の(a)に示すように、半導体レーザアレイデバイス(LDA)の端面には半導体レーザ活性領域(As,As’,…)が一列に並んでおり、それぞれの前記半導体レーザ活性領域(As,As’,…)から発散光が放射される。
ディスクリート型であれ、アレイ型であれ、端面発行型の半導体レーザの放射光束の発散角は、回折現象の影響で大きくなり、また(半導体レーザの半導体チップの)基板面に垂直な方向の発散角は、周辺光線(Lms1A,Lms2A)に表されるように、特に大きい、すなわち、放射角度域を表す錐体の底面(CiA)が、円ではなく著しい楕円になるという特徴がある。
この放射光束を平行ビームに変換するために、コリメータレンズが使われるが、発散角の大きい基板面に垂直な方向の成分に合わせて、焦点距離の短いものを使う必要がある。
そのようなコリメータレンズを使っても、ディスクリート型の半導体レーザの場合は、ビームが扁平になることを厭わなければ、大きな問題は無いが、アレイ型の半導体レーザの場合、前記半導体レーザ活性領域(As,As’,…)の全ての放射光束を1個のコリメータレンズで平行ビームに変換しようとすると、焦点距離が短いが故に、前記半導体レーザ活性領域(As,As’,…)それぞれの主光線が、相互に大きな角度を持ってしまう問題が生じる。
そのため、同図の(b)に示すような放射角度補正レンズアレイ(Ey)を使うことができる。
該放射角度補正レンズアレイ(Ey)は、前記半導体レーザ活性領域(As,As’,…)からの放射光束それぞれに対して、個別にコリメーションを行うもので、前記した基板面に垂直な方向の発散角が大きい問題を解決するため、前記放射角度補正レンズアレイ(Ey)の各屈折面は、球面ではなく、基板面に垂直な方向と平行な方向で曲率半径が異なる、例えばトーリック面に成型する。
これにより周辺光線(Lms1,Lms2)のように、基板面に並行な方向の発散角が減じれられると共に、それ以上に基板面に垂直な方向の発散角が減じれられ、理想的には、基板面に並行・垂直な方向の発散角を同程度にされる。
それぞれの半導体レーザ活性領域(As,As’,…)からの主光線(Lps)は互いに平行であるから、ビーム列はコンパクトであり、図7に記載の前記放射角度補正レンズアレイ(Ey)付きの前記半導体レーザアレイデバイス(LDA)は、図5に記載の前記要素光源(U1,U1’,…)を代替する集積光源として使用することが好適である。
なお、トーリック面を実現する代わりに、基板面に垂直な方向に曲率を有し、前記半導体レーザ活性領域(As,As’,…)に共通なシリンドリカルレンズと、基板面に並行な方向に曲率を有し、前記半導体レーザ活性領域(As,As’,…)のそれぞれに個別なシリンドリカルレンズの並びとを用意し、その組み合わせによっても、前記放射角度補正レンズアレイ(Ey)と同様の機能を実現することができる。
次に、本発明の光源装置を搭載して構成した照明装置について、本発明の光源装置の実施例の一形態を簡略化して示す図である図8を用いて説明する。
本発明の照明装置の本体部は、本発明の光源装置(Uo)の要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子に給電する駆動回路(P1,P2,…)と、流体機構(Cs)のファン(Cf)を駆動する流体機構駆動制御回路(Uc)を具備するとともに、統合制御回路(図示を省略)を備えており、前記駆動回路(P1,P2,…)と前記流体機構駆動制御回路(Uc)とは、前記統合制御回路によって制御される。
また、光ファイバ(Ef)の一端は光ファイバコネクタプラグ(Ep)として構成し、それが光ファイバ保持体(Er)によって保持されるとともに、前記光ファイバ(Ef)の他端も光ファイバ保持体(Epw)として構成し、それが照射光学系(Uw)の光ファイバ保持体(Erw)によって保持される。
そして、前記要素光源(U1,U2,…)からの放射光は、前記した前記光ファイバ(Ef)の一端に入射され、前記光ファイバ(Ef)を伝播して前記した前記光ファイバ(Ef)の他端からの放射され、コリメータ(Ec)によって発散角の小さい照射光束(Fw)に変換された上で、対象物(Wk)に照射される。
なお、要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子の種類は、その発光波長が、前記対象物(Wk)への光照射の目的に応じて最適な波長であるものを選択されている。
例えば加熱用であれば赤外、有機物の硬化用であれば紫外、感光用であれば感光材料の感度に適合した例えば可視波長のなかの適当なものが選ばれる。
前記統合制御回路は、照明装置の動作モードに従って前記ファン(Cf)の極性を決定する。
具体的には、動作モードが発光素子の均等冷却モードの場合は、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高い方から低い方へ向かう方向の極性、動作モードがスペックルノイズ低減モードの場合は、前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の低い方から高い方へ向かう方向の極性とする。
また、要素光源(U1,U2,…)それぞれは温度センサ(図示を省略)を具備して、前記統合制御回路が各温度センサの検出温度値を取得できるように構成されており、前記統合制御回路は、全検出温度値のうちの最も高い値が所期の値となるよう、前記ファン(Cf)への投入電力を制御する。
本発明の光源装置として、赤色を発するもの、緑色を発するもの、青色を発するものの3種類を用意し、R,G,B(赤,緑,青)の3原色を発する照明装置を構成し、これを用いて、例えばプロジェクタを実現することが可能である。
この場合、例えばR,G,Bそれぞれ毎に分けて光ファイバから光を出力し、ロッドインテグレータ等の光均一化手段を介してR,G,Bそれぞれの2次元光変調素子を照明し、2次元変調されて生成されたR,G,Bの各画像を重ね合わせ、投影レンズを介してスクリーンに画像を投影するように構成すればよい。
或いは、キセノン放電ランプや水銀ランプを光源とするプロジェクタの、光源以外の部分を利用して、前記したR,G,Bの3原色を発する照明装置からの光束を、放電ランプによる光束を代替する白色光束として入力し、プロジェクタを実現するようにしてもよい。
このようなプロジェクタへの応用の際は、前記した動作モードとして、前記スペックルノイズ低減モードを選択することが好適である。
本発明は、プロジェクタ等の光学装置のための光源や、製造プロセスにおける光照射処理工程における露光装置のための光源として利用することが好適な、半導体レーザ等の固体光源の放射光を、光ファイバを介して利用する光源装置であって、簡単な流体機構を用いて光源装置を構成する複数の要素光源それぞれに所望の冷却を施すことが可能な光源装置を設計・製造する産業において利用可能である。
Ag 高密度光照射領域
As 半導体レーザ活性領域
As’ 半導体レーザ活性領域
B 基台
Cb 突出構造
Cf ファン
Cf1 ファン
Cf2 ファン
Cg1 流体ガイド壁
Cg2 流体ガイド壁
Cg3 流体ガイド壁
CiA 底面
Cr 流体流路
Cr1 流体流路
Cr2 流体流路
Cs 流体機構
Cs1 流体機構
Cs2 流体機構
D1 矢印
D2 矢印
Ec コリメータ
Ef 光ファイバ
Eg 集光光学素子
Eh フェルール
Ehn 固定ナット
Ep 光ファイバコネクタプラグ
Epw 光ファイバ保持体
Er 光ファイバ保持体
Erw 光ファイバ保持体
Es 保護被覆
Ey 放射角度補正レンズアレイ
F1 コヒーレント光束
F1’ コヒーレント光束
F1” コヒーレント光束
F2 コヒーレント光束
F2’ コヒーレント光束
Fg 集束光束
Fw 照射光束
He 光ファイバコネクタレセプタクルホルダ
HpA 接着剤ポッティング
HpB 接着剤ポッティング
Hs ヒートシンク
Hz1 レンズホルダ
Hz1’ レンズマウント
Hz2 レンズホルダ
Hz2’ レンズマウント
LDA 半導体レーザアレイデバイス
Lms1 周辺光線
Lms1A 周辺光線
Lms2 周辺光線
Lms2A 周辺光線
Lps 主光線
My1 金属ケース部
My2 金属ケース部
P1 駆動回路
P2 駆動回路
Pz1 基準面
Pz2 基準面
R1 反射鏡
R2 反射鏡
Sc 面
Su 面
TyA 通電用端子
TyB 通電用端子
U1 要素光源
U1’ 要素光源
U1” 要素光源
U2 要素光源
U2’ 要素光源
Uc 流体機構駆動制御回路
Uo 光源装置
Uw 照射光学系
Wk 対象物

Claims (7)

  1. 遠方の像を形成するコヒーレント光束(F1,F2,…)を放射する要素光源(U1,U2,…)の複数個と、
    前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれ毎に対応が定められ、対応する前記要素光源(U1,U2,…)からの前記コヒーレント光束(F1,F2,…)のみを反射することにより、前記コヒーレント光束(F1,F2,…)相互の間隔を短縮するための反射鏡(R1,R2,…)と、
    該反射鏡(R1,R2,…)で反射された前記コヒーレント光束(F1,F2,…)が入射され、入射された光束を集束光束(Fg)に変換して高密度光照射領域(Ag)を形成するための集光光学素子(Eg)と、
    前記高密度光照射領域(Ag)の近傍にコアの端面が位置するように光ファイバ(Ef)を保持するための光ファイバ保持体(Er)と、
    前記要素光源(U1,U2,…)および前記反射鏡(R1,R2,…)、前記集光光学素子(Eg)、前記光ファイバ保持体(Er)が載せられて、それらを固定するとともに前記要素光源(U1,U2,…)を冷却するための放熱体を兼ねる基台(B)と、
    該基台(B)を冷却するための冷却流体を流す流体機構(Cs)と、
    を具備する光源装置であって、
    前記基台(B)における前記要素光源(U1,U2,…)が載せられる面(Su)が上側になるように見たとき、該面(Su)は階段状に形成されて前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれは前記面(Su)の段の何れかに載せられ、
    前記流体機構(Cs)の前記冷却流体が、前記基台(B)の下側の面(Sc)に作用するように流体流路(Cr)が設けられ、かつ前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の方向であることを特徴とする光源装置。
  2. 前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高い方から低い方へ向かう方向であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記冷却流体の流れ方向が、前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の低い方から高い方へ向かう方向であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記した流体機構として、少なくとも2系統の第1の流体機構(Cs1)と第2の流体機構(Cs2)とを具備し、前記第1の流体機構(Cs1)が流す冷却流体の方向と、前記第2の流体機構(Cs2)が流す冷却流体の方向とが相違することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  5. 前記した流体機構として、少なくとも2系統の第1の流体機構(Cs1)と第2の流体機構(Cs2)とを具備し、前記第1の流体機構(Cs1)が流す冷却流体の方向と流量と、前記第2の流体機構(Cs2)が流す冷却流体の方向と流量とをそれぞれ独立に制御可能であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  6. 前記基台(B)における下側の前記面(Sc)には、前記冷却流体が作用する表面積を増大させるための突出構造(Cb)を具備するとともに、前記突出構造(Cb)に起因する表面積の増大量が前記基台(B)における階段状の前記面(Su)の高低差の方向に依存して変化することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  7. 請求項1に記載の光源装置(Uo)と、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの発光素子に給電する駆動回路(P1,P2,…)と、前記流体機構(Cs)を駆動する流体機構駆動制御回路(Uc)と、前記光ファイバ保持体(Er)によって一端を保持された前記光ファイバ(Ef)とを具備し、該光ファイバ(Ef)の他端から放射される照射光束(Fw)を対象物(Wk)に照射することを特徴とする照明装置。
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