JP2016100982A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気飽和が発生するモータ電流領域で高効率なモータ制御を実現することができるモータ制御装置を提供することを目的としている。
【解決手段】d軸電流(Id)値及びq軸電流(Iq)値を変数とした際のd軸インダクタンス(Ld)値並びにq軸インダクタンス(Lq)値を記憶するインダクタンス記憶部50と、
インダクタンス記憶部50に記憶されている値に基づき定トルク(T)を実現する電流値を算出し、その算出した電流値によって定トルク曲線を導出する定トルク曲線導出部51と、
定トルク曲線導出部51にて導出された定トルク曲線から、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値を算出するMTPAポイント算出部52とを備え、
定トルク曲線導出部51は、反復計算にて定トルク(T)を実現する電流値を算出してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気飽和が発生するモータ電流領域で高効率なモータ制御を実現可能なモータ制御装置に関する。
永久磁石同期モータの運転特性は、選択する電流ベクトルにより大きく変化する。この永久磁石同期モータを高効率運転する手法として、最大トルク/電流制御(以下、MTPA(Maximum Torque Per Ampare)制御と言う)が一般的に良く知られている(非特許文献1,特許文献1参照)。
このMTPA制御は、同一のトルクを発生させる電流ベクトルのなかで、電流振幅が最小となる電流ベクトルを選択する制御である。同一トルクで電流振幅を最小にするということは、電流ベクトル平面上で定トルク曲線に対して原点からの距離が最短になる点で電流ベクトルを制御するということと等価である。この定トルク曲線は、次の2式によって求められる。
Figure 2016100982

Figure 2016100982
上記数式1,2の記号の意味は以下の通りである。
Pn : 極対数
Ψa : マグネットによる電機子鎖交磁束[Wb]
Id : d軸電流[A]
Iq : q軸電流[A]
Ia : 電流ベクトルの大きさ[A]
Ld : d軸インダクタンス[H]
Lq : q軸インダクタンス[H]
β : 電流ベクトルのq軸からの進み位相角[rad]
上記数式2をβで偏微分し、0と置くと次式となる。
Figure 2016100982
そしてさらに、上記数式3をd,q軸の関係で表すと次式となる。
Figure 2016100982
この数式4を満たす電流制御をMTPA制御と言い、電流の上限値を考慮した時に最大の発生トルクが得られる。そしてさらに、銅損が最小になり、高効率制御が可能となる。
森本茂雄・真田雅之共著「省エネモータの原理と設計法」科学情報出版株式会社、2013年6月22日 特開2014−107880号公報
しかしながら、上記数式(3),(4)はLd,Lqが一定値である場合は成り立つものの、実際は、Ld,LqはId,Iqによる磁気飽和の影響を受け変化するため、数式(3),(4)で求めた電流ベクトルでは、MTPA制御を充分に満足することができないという問題があった。
そこで、上記の問題を解決するため、モータの出力トルクが測定できる装置にモータを取り付け、Id、Iqを変化させながらモータの出力トルクを計算し、MTPA制御のポイントを見つけ出すという方法も存在する。
しかしながら、上記のような方法は、膨大なデータを取得する必要があり、作業者に多大な負担がかかってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、Id,Iqの影響でLd,Lqが飽和し、値が変化するようなモータ動作領域においても、作業者への負担を増大させることなく、MTPA制御を行うパラメータを算出し、もって、磁気飽和が発生するモータ電流領域で高効率なモータ制御を実現することができるモータ制御装置を提供することを目的としている。
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明に係るモータ制御装置によれば、d軸電流(Id)値及びq軸電流(Iq)値を変数とした際のd軸インダクタンス(Ld)値並びにq軸インダクタンス(Lq)値を格納するインダクタンス格納手段(インダクタンス記憶部50)と、
前記インダクタンス格納手段(インダクタンス記憶部50)に格納されている値に基づき定トルク(T)を実現する電流値を算出し、その算出した電流値によって定トルク曲線を導出する定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)と、
前記定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)にて導出された定トルク曲線から、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値を算出する算出手段(MTPAポイント算出部52)とを備え、
前記定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)は、反復計算にて前記定トルク(T)を実現する電流値を算出してなることを特徴としている。
また、請求項2の発明に係るモータ制御装置によれば、上記請求項1に記載のモータ制御装置において、前記算出手段(MTPAポイント算出部52)は、前記定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)にて導出された定トルク曲線から、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値をマップ化(図4参照)してなることを特徴としている。
さらに、請求項3の発明に係るモータ制御装置によれば、上記請求項1又2に記載のモータ制御装置において、前記インダクタンス格納手段(インダクタンス記憶部50)には、所定のモータ(2)に流れるd軸電流(Id)値及びq軸電流(Iq)値から推定算出したd軸インダクタンス(Ld)値並びにq軸インダクタンス(Lq)値が格納され、
前記定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)は、前記所定のモータ(2)が駆動中に定トルク曲線を導出し、
前記算出手段(MTPAポイント算出部52)は、前記所定のモータ(2)が駆動中に電流ベクトルが最短となる電流値を算出してなることを特徴としている。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明によれば、定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)にて、インダクタンス格納手段(インダクタンス記憶部50)に格納されているd軸電流(Id)値及びq軸電流(Iq)値を変数とした際のd軸インダクタンス(Ld)値並びにq軸インダクタンス(Lq)値に基づき定トルク(T)を実現する電流値を反復計算によって算出し、その算出した電流値によって定トルク曲線を導出する。そして、算出手段(MTPAポイント算出部52)は、その導出した定トルク曲線から、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値を算出してなる。これにより、Id(d軸電流),Iq(q軸電流)の影響でLd(d軸インダクタンス),Lq(q軸インダクタンス)が飽和し、値が変化するようなモータ動作領域においても、作業者への負担を増大させることなく、MTPA制御を行うパラメータを算出することができる。
それゆえ、本発明によれば、磁気飽和が発生するモータ電流領域で高効率なモータ制御を実現することができる。
また、請求項2の発明によれば、算出手段(MTPAポイント算出部52)は、定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)にて導出された定トルク曲線から、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値をマップ化しているため、MTPA制御を少ない計算量で実現することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)は、インダクタンス格納手段(インダクタンス記憶部50)に格納されている所定のモータ(2)に流れるd軸電流(Id)値及びq軸電流(Iq)値から推定算出したd軸インダクタンス(Ld)値並びにq軸インダクタンス(Lq)値に基づき、所定のモータ(2)駆動中に、定トルク曲線導出手段(定トルク曲線導出部51)によって、定トルク曲線を導出し、その導出した定トルク曲線から、算出手段(MTPAポイント算出部52)によって、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値を算出している。
しかして、本発明によれば、所定のモータ(2)の駆動中、リアルタイムに変化するLd(d軸インダクタンス),Lq(q軸インダクタンス)を用いて電流ベクトルが最短となる電流値を算出することができ、もって、モータが経時変化した場合や交換された場合であっても、MTPAポイントを正確に追従することで高効率なモータ制御を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係るモータ制御システムの概略構成図である。 (a)はId(d軸電流)及びIq(q軸電流)が変化した際のLd(d軸インダクタンス)の実測値を示し、(b)はId(d軸電流)及びIq(q軸電流)が変化した際のLq(q軸インダクタンス)の実測値を示す図である。 同実施形態に係る定トルク曲線導出部とMTPAポイント算出部の処理を示すフローチャート図である。 定トルクを実現するモータ電流値を表したグラフを示す図である。 本発明の第2実施形態に係るモータ制御システムの概略構成図である。
<第1実施形態>
以下、本発明に係るモータ制御装置の第1実施形態について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。
図1は、モータ制御システム1の概略構成図を示すもので、このモータ制御システム1は、図1に示すように、モータ2と、インバータ3と、直流電源4と、モータ制御装置5とで構成されている。このモータ2は、永久磁石同期モータからなるもので、永久磁石が埋め込まれたロータと、巻線が巻回されたティースを含むステータから構成され、そのロータに埋め込まれた永久磁石の磁極位置に応じて巻線に電流が流れることによってトルクの制御が行われるものである。
一方、インバータ3は、直流電源4から供給される直流電力を交流電力に変換して、モータ2に供給するものである。そしてさらに、このインバータ3は、図1に示すように、モータ2を制御する制御部30を備えており、この制御部30には、モータ制御装置5にて算出されたMTPA制御のポイントとなるId(d軸電流)及びIq(q軸電流)の値が予め格納されている。これにより、制御部30は、そのMTPA制御のポイントとなるId(d軸電流)及びIq(q軸電流)の値に応じてモータ2を制御することとなり、もって、磁気飽和が発生するモータ電流領域で高効率なモータ制御を実現することができることとなる。
ここで、モータ制御装置5をより詳しく説明することにより、MTPA制御のポイントとなるId(d軸電流)及びIq(q軸電流)の値の算出方法を説明する。
モータ制御装置5は、汎用的なPC(Personal Computer)等で構成され、図1に示すように、インダクタンス記憶部50と、定トルク曲線導出部51と、MTPAポイント算出部52とで構成されている。
インダクタンス記憶部50には、Id(d軸電流)及びIq(q軸電流)の値を変数としたLd(d軸インダクタンス)並びにLq(q軸インダクタンス)の値が記憶されている。より詳しく説明すると、Id(d軸電流)及びIq(q軸電流)とは、モータ2におけるロータ軸上の界磁軸(d軸)座標およびトルク軸(q軸)座標にそれぞれ換算された界磁成分電流(これを、d軸電流という)およびトルク成分電流(これを、q軸電流という)をいうものである。このようなId(d軸電流)及びIq(q軸電流)の値を変化させ、モータ2のLd(d軸インダクタンス)並びにLq(q軸インダクタンス)の実測値を測定したものが図2に示すものである。
すなわち、図2(a)は、Ld(d軸インダクタンス)の実測値を示したもので、図2(b)は、Lq(q軸インダクタンス)の実測値を示したものである。図2(a)に示すように、横の欄にはIq(q軸電流)の値(0[A],50[A],100[A],150[A],200[A],250[A],300[A],350[A],400[A],450[A])が列挙され、縦の欄にはId(d軸電流)の値(−450[A],−400[A],−350[A],−300[A],−250[A]−200[A],−150[A],−100[A],−50[A],0[A])が列挙されている。そして、そのIq(q軸電流)の値及びId(d軸電流)の値に応じたLd(d軸インダクタンス)の実測値が記載されている。すなわち、例えば、Iq(q軸電流)の値が200[A]でId(d軸電流)の値が−200[A]であれば、Ld(d軸インダクタンス)の実測値は270[μH]であり、Iq(q軸電流)の値が150[A]でId(d軸電流)の値が−50[A]であれば、Ld(d軸インダクタンス)の実測値は300[μH]であるというものである。
一方、図2(b)も、図2(a)と同様、横の欄にはIq(q軸電流)の値(0[A],50[A],100[A],150[A],200[A],250[A],300[A],350[A],400[A],450[A])が列挙され、縦の欄にはId(d軸電流)の値(−450[A],−400[A],−350[A],−300[A],−250[A]−200[A],−150[A],−100[A],−50[A],0[A])が列挙されている。そして、そのIq(q軸電流)の値及びId(d軸電流)の値に応じたLq(q軸インダクタンス)の実測値が記載されている。すなわち、例えば、Iq(q軸電流)の値が100[A]でId(d軸電流)の値が−200[A]であれば、Lq(q軸インダクタンス)の実測値は920[μH]であり、Iq(q軸電流)の値が150[A]でId(d軸電流)の値が−50[A]であれば、Lq(q軸インダクタンス)の実測値は940[μH]であるというものである。
かくして、このようにインダクタンス記憶部50には、Id(d軸電流)及びIq(q軸電流)の値を変数としたLd(d軸インダクタンス)並びにLq(q軸インダクタンス)の値、すなわち、図2(a)に示すようなLd(d軸インダクタンス)の実測値並びに図2(b)に示すようなLq(q軸インダクタンス)の実測値が記憶されている。なお、このLd(d軸インダクタンス)の実測値及びLq(q軸インダクタンス)の実測値は、Iq(q軸電流)の値及びId(d軸電流)の値を変化させてモータ2を予め駆動させて計測しておいたものである。
一方、定トルク曲線導出部51は、インダクタンス記憶部50に記憶されている値に基づき以下に示す数式5を用いて反復計算することによって定トルクを実現する電流値を算出し、その算出した電流値によって定トルク曲線を導出するものである。そしてさらに、MTPAポイント算出部52は、その定トルク曲線導出部51にて導出された定トルク曲線より定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値を算出するものである(図4参照)。この点、より具体的に以下に説明することとする。
Figure 2016100982
まず、数式5を示すと、上記のようになり、数式5の記号の意味は以下の通りである。
Pn : 極対数(永久磁石の磁極の対の数)
KE : 誘起電圧定数
Id : d軸電流[A]
Iq´ : q軸電流[A]
Ld : d軸インダクタンス[μH]
Lq : q軸インダクタンス[μH]
T : トルク[Nm]
かくして、このような数式5を用いて定トルクを実現する電流値が算出されることとなる。この具体的な算出方法を、図3を用いて説明する。図3に示すように、定トルク曲線導出部51は、まず、計算するT(トルク)の初期値(例えば、50[Nm])を設定し(ステップS1)、さらに、計算するId(d軸電流)の初期値(例えば、−450[A])を設定する(ステップS2)。
次いで、定トルク曲線導出部51は、Iq(q軸電流)の初期値(例えば、0[A])を設定する(ステップS3)。
そしてその後、定トルク曲線導出部51は、インダクタンス記憶部50に記憶されている値から上記設定したId(d軸電流)の初期値(例えば、−450[A])及びIq(q軸電流)の初期値(例えば、0[A])に対応したLd(d軸インダクタンス)及びLq(q軸インダクタンス)を導出する(ステップS4)。すなわち、例えば、Id(d軸電流)が「−450[A]」で、Iq(q軸電流)が「0[A]」であれば、図2(a)に示すように、Ld(d軸インダクタンス)の値は、「250[μH]」、そして、図2(b)に示すように、Lq(q軸インダクタンス)の値は、「810[μH]」となる。
このようにして、Ld(d軸インダクタンス)及びLq(q軸インダクタンス)を導出した後、定トルク曲線導出部51は、数式5にその値を代入し、Iq´の値を算出する(ステップS5)。
次いで、定トルク曲線導出部51は、上記算出されたIq´の値と上記ステップS3にて設定されたIqの初期値とが一致しているか否かを判定する(ステップS6)。一致していなければ(ステップS6:NO)、Iq(q軸電流)にステップS5にて算出されたIq´の値を代入し(ステップS7)、再度ステップS4〜ステップS5の処理を繰り返す。そして、ステップS5にて算出されたIq´と、ステップS4にて使用したIqが一致するまでステップS7,ステップS4,ステップS5の処理を繰り返す。
このようにして、ステップS5にて算出されたIq´と、ステップS4にて使用したIqが一致することとなれば(ステップS6:YES)、その一致した値を、定トルク曲線導出部51は、T(トルク)(例えば、50[Nm])及びId(d軸電流)(例えば、−450[A])の値に対応するIq(q軸電流)として決定する(ステップS8)。
次いで、定トルク曲線導出部51は、Id(d軸電流)の算出範囲の上限か否かを判定する(ステップS9)。すなわち、Id(d軸電流)の算出範囲が例えば0までと予め設定されていれば、もし、現状のId(d軸電流)値が0より下回っていれば、上限値に達していないこととなるから(ステップS9:NO)、定トルク曲線導出部51は、Id(d軸電流)値を、例えば、−450[A]から−400[A]に増加し(ステップS10)、ステップS3の処理に戻り、ステップS3〜ステップS9の処理を繰り返す。
一方、定トルク曲線導出部51は、現状のId(d軸電流)値がId(d軸電流)の算出範囲の上限値に達していれば(ステップS9:YES)、次いで、T(トルク)の算出範囲の上限か否かを判定する(ステップS11)。すなわち、T(トルク)の算出範囲が例えば300までと予め設定されていれば、もし、現状のT(トルク)値が300より下回っていれば、上限値に達していないこととなるから(ステップS11:NO)、定トルク曲線導出部51は、T(トルク)値を、例えば、50[Nm]から100[Nm]に増加し(ステップS12)、ステップS2の処理に戻り、ステップS2〜ステップS11の処理を繰り返す。
一方、定トルク曲線導出部51は、現状のT(トルク)値が算出範囲の上限値に達していれば(ステップS11:YES)、処理を終える。これにより、図4に示すような、定トルク曲線を導出することができる。すなわち、図4に示すような複数の定トルク曲線を導出することができる。例えば、図4に示す原点位置に近い定トルク曲線は、T=50[Nm]の際の定トルク曲線であり、その上に位置する定トルク曲線は、T=100[Nm]の際の定トルク曲線であり、その上に位置する定トルク曲線は、T=150[Nm]の際の定トルク曲線であり、その上に位置する定トルク曲線は、T=200[Nm]の際の定トルク曲線であり、その上に位置する定トルク曲線は、T=250[Nm]の際の定トルク曲線であり、その上に位置する定トルク曲線は、T=300[Nm]の際の定トルク曲線である。
かくして、上記のように複数の定トルク曲線が導出されると、MTPAポイント算出部52は、これら定トルク曲線から、原点からの距離が最も短いId(d軸電流),Iq(q軸電流)値を算出し(ステップS13)、電流ベクトルが最短となるような、図4に示す最大トルク取得ポイントのマップを作成する(ステップS14)。
しかして、このように作成された最大トルク取得ポイントのマップが、制御部30に予め格納されることとなり、もって、制御部30は、このマップ化された値に応じてモータ2を制御することとなる。
したがって、本実施形態によれば、Id(d軸電流),Iq(q軸電流)の影響でLd(d軸インダクタンス),Lq(q軸インダクタンス)が飽和し、値が変化するようなモータ動作領域においても、作業者への負担を増大させることなく、MTPA制御を行うパラメータを算出することができるから、磁気飽和が発生するモータ電流領域で高効率なモータ制御を実現することができる。
また、このように、MTPA制御を行うパラメータである電流ベクトルが最短となる電流値、すなわち、最大トルク取得ポイント(図4参照)をマップ化することにより、MTPA制御を少ない計算量で実現することができる。
なお、本実施形態においては、図3のステップS4〜ステップS7に示すように、Id(d軸電流)値を固定し、Iq(q軸電流)値の再帰計算を行う例を示したが、それに限らず、Iq(q軸電流)値を固定し、Id(d軸電流)値の再帰計算を行うようにしても良い。
また、本実施形態においては、図4のステップS10に示すように、Id(d軸電流)値を増加させて更新するようにしたが、それに限らず、減算させて更新しても良く、どのような方法で更新しても良い。またさらには、図4のステップS12に示すように、T(トルク)値も増加させて更新するようにしたが、それに限らず、減算させて更新しても良く、どのような方法で更新しても良い。
なおまた、本実施形態においては、図4に示すようにId(d軸電流),Iq(q軸電流)を軸とした2次元マップを作成するようにしたが、Id(d軸電流),Iq(q軸電流)の軸にさらに、モータの回転数を含めた3軸にし、3次元マップを作成するようにしても良い。このようにすれば、モータの回転数の変化に対応したMTPA制御を行うパラメータである電流ベクトルが最短となる電流値、すなわち、最大トルク取得ポイントによって、モータを制御することとなるから、より正確なMTPA制御を実現することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係るモータ制御装置の第2実施形態について、図5を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態の異なる点は、最大トルク取得ポイントのマップを予め作成しておくか、リアルタイムに作成するかの相違である。この点について、図5を参照して具体的に説明する。
図5は、モータ制御システム1Aの概念ブロック図を示すもので、このモータ制御システム1Aは、図5に示すように、モータ2と、インバータ3と、直流電源4とで構成されている。このインバータ3は、モータ2を制御する制御部30Aを備えており、この制御部30Aには、第1実施形態にて示したモータ制御装置5(図1参照)に対応する処理部が組み込まれている。すなわち、制御部30Aには、図1に示すモータ制御装置5と同じく、インダクタンス記憶部50と、定トルク曲線導出部51と、MTPAポイント算出部52とを備えているが、さらに、電流検出部500と、インダクタンス推定算出部501とを備えている。
この電流検出部500は、モータ2駆動時のId(d軸電流)及びIq(q軸電流)を検出し、インダクタンス推定算出部501に出力するものである。一方、インダクタンス推定算出部501は、電流検出部500より出力されたId(d軸電流)及びIq(q軸電流)の値に基づき、Ld(d軸インダクタンス),Lq(q軸インダクタンス)の値を推定算出するものである。なお、この推定算出方法は、公知の方法で推定算出されるもので、どのよう方法であっても良いが、例えば、井上征則著「回転子位置センサレス駆動される永久磁石同期モータの高性能制御」大阪府立大学, 2009, 博士論文に記載の方法等で推定算出すればよい。
かくして、このように、インダクタンス推定算出部501にて推定算出されたLd(d軸インダクタンス),Lq(q軸インダクタンス)の値は、インダクタンス記憶部50に記憶されることとなる。そして、その後、第1実施形態で示した処理方法と同様の処理が定トルク曲線導出部51及びMTPAポイント算出部52にて行われることとなる。
しかして、本実施形態においても、Id(d軸電流),Iq(q軸電流)の影響でLd(d軸インダクタンス),Lq(q軸インダクタンス)が飽和し、値が変化するようなモータ動作領域においても、作業者への負担を増大させることなく、MTPA制御を行うパラメータを算出することができ、もって、磁気飽和が発生するモータ電流領域で高効率なモータ制御を実現することができる。また、本実施形態によれば、モータの駆動中、リアルタイムに変化するLd(d軸インダクタンス),Lq(q軸インダクタンス)を用いて最大トルク取得ポイントのマップを補正しながらモータを制御することとなるため、モータが経時変化した場合や交換された場合であっても、MTPAポイントを正確に追従することで高効率なモータ制御を実現することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態において示した構成は、あくまで例示であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、第1実施形態の構成と第2実施形態の構成を適宜選択して、又は、適宜組み合わせて実施することも可能である。
1,1A モータ制御システム
2 モータ
5 モータ制御装置
50 インダクタンス記憶部(インダクタンス格納手段)
51 定トルク曲線導出部(定トルク曲線導出手段)
52 MTPAポイント算出部(算出手段)
500 電流検出部
501 インダクタンス推定算出部

Claims (3)

  1. d軸電流値及びq軸電流値を変数とした際のd軸インダクタンス値並びにq軸インダクタンス値を格納するインダクタンス格納手段と、
    前記インダクタンス格納手段に格納されている値に基づき定トルクを実現する電流値を算出し、その算出した電流値によって定トルク曲線を導出する定トルク曲線導出手段と、
    前記定トルク曲線導出手段にて導出された定トルク曲線から、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値を算出する算出手段とを備え、
    前記定トルク曲線導出手段は、反復計算にて前記定トルクを実現する電流値を算出してなるモータ制御装置。
  2. 前記算出手段は、前記定トルク曲線導出手段にて導出された定トルク曲線から、定トルクで電流ベクトルが最短となる電流値をマップ化してなる請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記インダクタンス格納手段には、所定のモータに流れるd軸電流値及びq軸電流値から推定算出したd軸インダクタンス値並びにq軸インダクタンス値が格納され、
    前記定トルク曲線導出手段は、前記所定のモータが駆動中に定トルク曲線を導出し、
    前記算出手段は、前記所定のモータが駆動中に電流ベクトルが最短となる電流値を算出してなる請求項1又は2に記載のモータ制御装置。

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