JP2016099558A - 波長変換素子、光源装置、プロジェクターおよび波長変換素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光を効率良く生成することができる波長変換素子、光源装置、プロジェクターおよび波長変換素子の製造方法を提供する。【解決手段】第1の面を有し、蛍光発光点が分散された蛍光体層と、蛍光体層の第1の面とは反対側に設けられた反射面と、反射面の蛍光体層とは反対側に設けられた基材と、を備える波長変換素子であって、蛍光体層は、第1の面側の第1領域と、第1領域と反射面との間に位置する第2領域と、を含み、第2領域での蛍光発光点の濃度は、第1領域での蛍光発光点の濃度よりも高い波長変換素子に関する。【選択図】図2
Description
本発明は、波長変換素子、光源装置、プロジェクターおよび波長変換素子の製造方法に関するものである。
近年、プロジェクターにおいて、蛍光体を利用した光源装置が用いられている。この光源装置では、蛍光体粒子が分散された蛍光体層によって励起光が蛍光に変換され、該蛍光が蛍光体層から射出される(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術においては、蛍光体層内に蛍光体粒子が均一に分散されているため、蛍光体層の励起光入射側で励起光の多くが蛍光体粒子に吸収されて蛍光に変換されてしまい、蛍光体層の奥まで到達する励起光が少なくなっていた。そのため、蛍光体層では励起光入射側に発熱が偏り、励起光入射側において過度に温度が上昇する。そのため、高温に起因する変換効率低下が生じ、全体として励起光の蛍光への変換効率が低下してしまうといった問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、蛍光が効率良く生成される波長変換素子を提供することを目的とする。また、当該波長変換素子を備える光源装置、当該光源装置を備えるプロジェクターおよび当該波長変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、第1の面を有し、蛍光発光点が分散された蛍光体層と、前記蛍光体層の前記第1の面とは反対側に設けられた反射面と、前記反射面の前記蛍光体層とは反対側に設けられた基材と、を備える波長変換素子であって、前記蛍光体層は、前記第1の面側の第1領域と、前記第1領域と前記反射面との間に位置する第2領域と、を含み、前記第2領域での前記蛍光発光点の濃度は、前記第1領域での前記蛍光発光点の濃度よりも高い波長変換素子が提供される。
第1態様に係る波長変換素子によれば、励起光入射側における蛍光体発光点の濃度が比較的低くなっているので、蛍光体層の奥まで励起光を到達させることができる。これにより、蛍光変換に伴って発熱する発熱領域が蛍光体層の厚さ方向に分散した状態となる。
また、蛍光体発光点の濃度が比較的高い基材近傍では発熱量が大きくなる可能性があるが、熱は該基材を介して外部に放熱されるので、蛍光体層を効率良く冷却することができる。
したがって、高温に起因する変換効率低下が起こりにくくなるので、蛍光が効率良く生成される。
また、蛍光体発光点の濃度が比較的高い基材近傍では発熱量が大きくなる可能性があるが、熱は該基材を介して外部に放熱されるので、蛍光体層を効率良く冷却することができる。
したがって、高温に起因する変換効率低下が起こりにくくなるので、蛍光が効率良く生成される。
本発明の第2態様に従えば、蛍光発光点を励起する励起光を射出する発光素子と、上記第1態様に係る波長変換素子と、を備える光源装置が提供される。
第2態様に係る光源装置によれば、蛍光を効率良く発生する上記第1態様に係る波長変換素子を備えるので、明るい光を射出することができる。
本発明の第3態様に従えば、照明光を射出する照明装置と、前記照明光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、前記画像光を投射する投射光学系と、を備え、前記照明装置が、上記第2態様に係る光源装置であるプロジェクターが提供される。
第3態様に係るプロジェクターによれば、上記第2態様に係る光源装置を備えるので、明るく画像品質に優れた表示を行うことができる。
本発明の第4態様に従えば、基材と、前記基材の上に設けられた反射面と、前記反射面の上方に設けられ、蛍光発光点が分散された蛍光体層と、を備える波長変換素子の製造方法であって、前記反射面の上方に、第1の蛍光発光点濃度を有する第1の蛍光体層を形成する工程と、前記第1の蛍光発光点濃度よりも高い第2の蛍光発光点濃度を有する第2の蛍光体層を、前記第1の蛍光体層の上方に形成する工程と、を備えることを特徴とする波長変換素子の製造方法が提供される。
第4態様に係る波長変換素子の製造方法によれば、蛍光体層の奥まで励起光が到達し、蛍光変換に伴う発熱領域が蛍光体層の厚さ方向に分散された波長変換素子を製造することができる。
この波長変換素子によれば、蛍光体発光点の濃度が比較的高い基材近傍で発生した熱が該基材を介して外部に放出されるので、蛍光体層を効率良く冷却することができる。
したがって、高温に起因する変換効率低下が起こりにくくなるので、蛍光を効率良く生成する波長変換素子を提供することができる。
この波長変換素子によれば、蛍光体発光点の濃度が比較的高い基材近傍で発生した熱が該基材を介して外部に放出されるので、蛍光体層を効率良く冷却することができる。
したがって、高温に起因する変換効率低下が起こりにくくなるので、蛍光を効率良く生成する波長変換素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
一実施形態に係るプロジェクターの一例について説明する。本実施形態のプロジェクターは、スクリーン(被投射面)SCR上にカラー映像を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクターは、赤色光、緑色光、青色光の各色光に対応した3つの液晶光変調装置を備えている。プロジェクターは、照明装置の光源として、高輝度・高出力な光が得られる半導体レーザーを備えている。
図1は、本実施形態に係るプロジェクターの光学系を示す上面図である。
プロジェクター1は、図1に示すように、第1照明装置100、第2照明装置102、色分離導光光学系200、液晶光変調装置400R,400G,400B、クロスダイクロイックプリズム500及び投写光学系600を備える。
プロジェクター1は、図1に示すように、第1照明装置100、第2照明装置102、色分離導光光学系200、液晶光変調装置400R,400G,400B、クロスダイクロイックプリズム500及び投写光学系600を備える。
第1照明装置100は、第1光源10、コリメート光学系70、ダイクロイックミラー80、コリメート集光光学系90、回転蛍光板(波長変換素子)30、モーター50、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130、偏光変換素子140及び重畳レンズ150を備える。
第1光源10は、励起光としてレーザー光からなる青色光(発光強度のピーク:約445nm)Eを射出する半導体レーザー(発光素子)からなる。第1光源10は、1つの半導体レーザーからなるものであってもよいし、多数の半導体レーザーからなるものであってもよい。
なお、第1光源10は、445nm以外の波長(例えば、460nm)の青色光を射出する半導体レーザーを用いることもできる。
なお、第1光源10は、445nm以外の波長(例えば、460nm)の青色光を射出する半導体レーザーを用いることもできる。
本実施形態において、第1光源10は、光軸が照明光軸100axと直交するように配置されている。
コリメート光学系70は、第1レンズ72と、第2レンズ74とを備え、第1光源10からの光を略平行化する。第1レンズ72及び第2レンズ74は、凸レンズからなる。
コリメート光学系70は、第1レンズ72と、第2レンズ74とを備え、第1光源10からの光を略平行化する。第1レンズ72及び第2レンズ74は、凸レンズからなる。
ダイクロイックミラー80は、コリメート光学系70からコリメート集光光学系90までの光路中に、第1光源10の光軸及び照明光軸100axのそれぞれに対して45°の角度で交わるように配置されている。ダイクロイックミラー80は、青色光Bを反射し、赤色光及び緑色光を含む黄色の蛍光Yを通過させる。
コリメート集光光学系90は、ダイクロイックミラー80からの青色光Eを略集光した状態で回転蛍光板30の蛍光体層42に入射させる機能と、回転蛍光板30から射出される蛍光を略平行化する機能とを有する。コリメート集光光学系90は、第1レンズ92及び第2レンズ94を備える。第1レンズ92及び第2レンズ94は、凸レンズからなる。
第2照明装置102は、第2光源710、集光光学系760、散乱板732及びコリメート光学系770と、を備える。
第2光源710は、上記第1照明装置100の第1光源10と同一の半導体レーザーから構成される。
集光光学系760は、第1レンズ762及び第2レンズ764を備える。集光光学系760は、第2光源710からの青色光を散乱板732付近に集光する。第1レンズ762及び第2レンズ764は、凸レンズからなる。
集光光学系760は、第1レンズ762及び第2レンズ764を備える。集光光学系760は、第2光源710からの青色光を散乱板732付近に集光する。第1レンズ762及び第2レンズ764は、凸レンズからなる。
散乱板732は、第2光源710からの青色光を散乱し、回転蛍光板30から射出される蛍光の配光分布に似た配光分布を有する青色光Bとする。散乱板732としては、例えば、光学ガラスからなる磨りガラスを用いることができる。
コリメート光学系770は、第1レンズ772と、第2レンズ774とを備え、散乱板732からの光を略平行化する。第1レンズ772及び第2レンズ774は、凸レンズからなる。
本実施形態において、第2照明装置102からの青色光Bはダイクロイックミラー80で反射され、回転蛍光板30から射出されダイクロイックミラー80を透過した蛍光Yと合成されて白色光Wとなる。当該白色光Wは第1レンズアレイ120に入射する。
図2は、実施形態に係る回転蛍光板を示す図である。図2(a)は回転蛍光板30の正面図であり、図2(b)は図2(a)のA1−A1断面図である。
回転蛍光板30は、図1及び図2に示すように、モーター50により回転可能な円板(基材)40上に、蛍光体層42が円板40の周に沿って設けられてなる。蛍光体層42は、例えば、リング形状からなる。回転蛍光板30は、青色光が入射する側と同じ側に向けて蛍光Yを射出する。すなわち、回転蛍光板30は、青色光Eが入射する光入射面(第1の面)142を有する蛍光体層42と、蛍光体層42の光入射面142と反対側に設けられた反射膜(反射面)32と、反射膜32の蛍光体層42とは反対側に設けられた円板40と、を備える。
蛍光体層42は、第1光源10からの青色光Eにより励起されて蛍光Yを射出する。蛍光体層42は、蛍光発光点となる蛍光体粒子42a(図示せず)と、該蛍光体粒子42aを保持するバインダー材42b(図示せず)とを含む。蛍光体粒子42aは、例えば、YAG系蛍光体である(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ceから構成される。バインダー材42bとしては、少なくとも青色光Eおよび蛍光Yを透過させる光透過性を有していればよく、例えば、シリコーン樹脂から構成される。
本実施形態において、蛍光体層42は、回転蛍光板30の回転軸Oの軸方向に沿って配列している複数の領域Aを含む。ここで、青色光Eが入射する光入射面142側のある領域Aを第1領域A1とし、該第1領域A1と反射膜32との間に位置するある領域Aを第2領域A2とする。
第1領域A1と第2領域A2とを比較すると、バインダー材42bに対する蛍光体粒子42aの量(以下、蛍光発光点濃度と称す場合もある)が異なっている。第2領域A2における蛍光発光点濃度は第1領域A1の蛍光発光点濃度よりも高い。本実施形態において、蛍光体層42は、厚さ方向(回転軸Oの軸方向)において、例えば、光入射面142側から反射膜32側に向かって複数の領域A毎に蛍光発光点濃度が連続的に増大している。
なお、領域Aを蛍光体膜と呼んでも良い。この場合、第1領域A1を第1の蛍光体膜と呼び、第2領域A2を第2の蛍光体膜と呼ぶ。
なお、本実施形態の蛍光体層42では、蛍光発光点濃度が複数の領域A毎に連続的に変化(増加)する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、蛍光体層42は、複数の領域Aの中に、第1領域A1よりも蛍光発光点濃度が高い第2領域A2が該第1領域A1と反射膜32との間に位置した構造を、含んでいればよい。すなわち、蛍光体層42は、第1領域A1と第2領域A2との間に、蛍光発光点濃度が第1領域A1の蛍光発光点濃度よりも低い領域を含んでいても良い。
例えば、蛍光体層42は、複数の領域Aの中に、第1領域A1よりも蛍光発光点濃度が高い第2領域A2が該第1領域A1と反射膜32との間に位置した構造を、含んでいればよい。すなわち、蛍光体層42は、第1領域A1と第2領域A2との間に、蛍光発光点濃度が第1領域A1の蛍光発光点濃度よりも低い領域を含んでいても良い。
円板40は、例えば、アルミや銅等といった放熱性に優れた金属製の円板から構成されている。反射膜32は、例えば、Ag合金から構成され、蛍光Yを反射させることで光入射面142側から外部に射出させる。反射膜32と円板40との間には、不図示の接着層が設けられている。この接着層は、例えば、Agフィラーを含有した高熱伝導率タイプのシリコーン接着剤であり、蛍光体層42の熱を、反射膜32を介して円板40側に効率良く伝達する。
ここで、本実施形態の回転蛍光板30の製造方法の一例について説明する。
まず、反射膜32が設けられた円板40を用意する。反射膜32は、フィラーを含有した高熱伝導率タイプのシリコーン接着剤を用いて円板40に貼り付けても良いし、円板40に直接成膜することで形成しても良い。
まず、反射膜32が設けられた円板40を用意する。反射膜32は、フィラーを含有した高熱伝導率タイプのシリコーン接着剤を用いて円板40に貼り付けても良いし、円板40に直接成膜することで形成しても良い。
続いて、反射膜32上に蛍光体層42を形成する。
蛍光体層42を形成する際、まず、蛍光体層42のベース材料を作成する。例えば、バインダー材42bとなるシリコーン接着剤および蛍光体粒子42aを例えば、1:1の比率で混合する。混合物を所定条件(例えば、700Pa、3000rpmで5分)で真空攪拌機により撹拌しベース材料とする。ベース材料を例えば90μmの厚さで反射膜32上に、図2(a)に示したようなリング状に印刷する。
蛍光体層42を形成する際、まず、蛍光体層42のベース材料を作成する。例えば、バインダー材42bとなるシリコーン接着剤および蛍光体粒子42aを例えば、1:1の比率で混合する。混合物を所定条件(例えば、700Pa、3000rpmで5分)で真空攪拌機により撹拌しベース材料とする。ベース材料を例えば90μmの厚さで反射膜32上に、図2(a)に示したようなリング状に印刷する。
本実施形態では、反射膜32上に印刷されたベース材料を所定時間(例えば、20分)だけ放置する。これにより、反射膜32上に印刷されたベース材料内では蛍光体粒子42aが自重により沈降し始める。
蛍光体粒子42aの濃度がベース材料の厚さ方向に分布を持つように蛍光体粒子42aを沈降させた後、ベース材料を加熱硬化させて蛍光体層42を形成する。これにより、光入射面142側から反射膜32側に向かって蛍光発光点濃度が連続的に増大している蛍光体層42が得られる。
モーター50を円板40に取り付けることで回転蛍光板30が製造される。
ここで、従来の蛍光体層では、バインダー材中に蛍光体粒子が均一に分散されていた。そのため、従来の蛍光体層に青色光(励起光)が入射すると、光入射面側で青色光の多くが蛍光体粒子に吸収されて蛍光に変換されていた。よって、蛍光体層の奥側(反射膜側)まで蛍光を到達させることが難しかった。
また、光入射面側で多くの青色光が吸収されるため、光入射面側での発熱量が大きくなり、光入射面側の温度が過度に上昇してしまう。そのため、高温に起因する変換効率低下が生じ、光入射面側での蛍光への変換効率が低下していた。したがって、従来の蛍光体層では、全体として青色光の蛍光への変換効率が低下していた。
これに対し、本実施形態の蛍光体層42は、光入射面142側における蛍光発光点濃度が比較的低いため、光入射面142から入射した青色光Eの全部が光入射面142側の蛍光体粒子42aによって吸収されてしまうことが抑制される。
また、蛍光体層42は、反射膜32側に行くに従って蛍光発光点濃度が高くなるので、光入射面142から入射した青色光Eは反射膜32側に進行するにつれて徐々に蛍光Yに変換される。よって、光入射面142から入射した青色光Eの少なくとも一部が、従来と比較して、蛍光体層42の奥側(反射膜32側)まで到達することができる。
蛍光体層42は、厚さ方向のほぼ全域において青色光Eを蛍光Yへ変換することができる。これにより、蛍光体層42では、蛍光変換に伴う発熱領域が厚さ方向で分散された状態とすることができる。
以上のように、本実施形態の蛍光体層42によれば、高温に起因する変換効率低下が起こりにくくなるので、従来よりも蛍光Yへの変換効率を向上させることができる。
また、蛍光体層42では、蛍光発光点濃度が比較的高い反射膜32近傍では発熱量が大きくなる可能性がある。しかし、反射膜32が熱伝導性に優れた円板40に形成されているため、蛍光体層42の熱が円板40を介して外部に効率良く放出される。よって、蛍光体層42を効率良く冷却することができ、高温に起因する変換効率低下が起こりにくくなる。
図1に戻って、第1レンズアレイ120は、ダイクロイックミラー80からの光を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する。複数の第1小レンズ122は、照明光軸100axと直交する面内にマトリクス状に配列されている。
第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する。第2レンズアレイ130は、重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に結像させる。複数の第2小レンズ132は照明光軸100axに直交する面内にマトリクス状に配列されている。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束を、直線偏光光に変換する。偏光変換素子140は、回転蛍光板30からの光に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分をそのまま透過させるとともに他方の直線偏光成分を照明光軸100axに垂直な方向に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を照明光軸100axに平行な方向に反射する反射層と、反射層で反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する位相差板とを有している。
重畳レンズ150は、偏光変換素子140からの各部分光束を集光して液晶光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍で互いに重畳させる。第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び重畳レンズ150は、回転蛍光板30からの光の面内光強度分布を均一にするインテグレーター光学系を構成する。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220、反射ミラー230,240,250及びリレーレンズ260,270を備える。色分離導光光学系200は、第1照明装置100および第2照明装置102からの白色光Wを赤色光R、緑色光G及び青色光Bに分離し、赤色光R、緑色光G及び青色光Bをそれぞれが対応する液晶光変調装置400R,400G,400Bに導光する。
色分離導光光学系200と、液晶光変調装置400R,400G,400Bとの間には、フィールドレンズ300R,300G,300Bが配置されている。
色分離導光光学系200と、液晶光変調装置400R,400G,400Bとの間には、フィールドレンズ300R,300G,300Bが配置されている。
ダイクロイックミラー210は、赤色光成分を通過させ、緑色光成分及び青色光成分を反射するダイクロイックミラーである。
ダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射して、青色光成分を通過させるダイクロイックミラーである。
反射ミラー230は、赤色光成分を反射する反射ミラーである。
反射ミラー240,250は青色光成分を反射する反射ミラーである。
ダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射して、青色光成分を通過させるダイクロイックミラーである。
反射ミラー230は、赤色光成分を反射する反射ミラーである。
反射ミラー240,250は青色光成分を反射する反射ミラーである。
ダイクロイックミラー210を通過した赤色光は、反射ミラー230で反射され、フィールドレンズ300Rを通過して赤色光用の液晶光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー210で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー220でさらに反射され、フィールドレンズ300Gを通過して緑色光用の液晶光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー220を通過した青色光は、リレーレンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250、フィールドレンズ300Bを経て青色光用の液晶光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー210で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー220でさらに反射され、フィールドレンズ300Gを通過して緑色光用の液晶光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー220を通過した青色光は、リレーレンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250、フィールドレンズ300Bを経て青色光用の液晶光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。
液晶光変調装置400R,400G,400Bは、入射された色光を画像情報に応じて変調して各色光に対応するカラー画像を形成するものである。なお、図示を省略したが、各フィールドレンズ300R,300G,300Bと各液晶光変調装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が配置され、各液晶光変調装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が配置される。
クロスダイクロイックプリズム500は、各液晶光変調装置400R,400G,400Bから射出された各画像光を合成してカラー画像を形成する光学素子である。
このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
以上述べたように、本実施形態のプロジェクター1によれば、蛍光Yを効率良く生成して射出する上記第1照明装置100を備えるので、該プロジェクター1は品質に優れた画像を表示することができる。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上記実施形態では、蛍光体層42の製造方法として、蛍光体層42のベース材料を印刷した後、所定時間放置することで蛍光体粒子42aを沈降させる例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、ベース材料を円板40に印刷して加熱硬化する工程を複数回繰り返して、蛍光発光点濃度を厚さ方向で異ならせた蛍光体層42を製造してもよい。
たとえば、反射膜32上にベース材料を印刷して加熱硬化する工程を3回繰り返しても良い。この場合において、1回目の工程に用いるベース材料としては、例えばシリコーン接着剤および蛍光体粒子42aを1:1.5の比率で混合したものを用いる。これにより、蛍光発光点濃度が最も高い第2の蛍光体膜が形成される。2回目においては、1回目に印刷したベース材料上に積層するベース材料としては、例えば1.5:1の比率で混合したものを用いる。3回目においては、2回目に印刷したベース材料上に積層するベース材料としては、例えば3:1の比率で混合したものを用いる。これにより、蛍光発光点濃度が最も低い第1の蛍光体膜が形成される。この場合、第1の蛍光体膜と第2の蛍光体膜との間には、中程度の蛍光発光点濃度を持つ蛍光体膜が形成されている。
このような製造方法においても、その厚さ方向において、蛍光発光点濃度が光入射面142側から反射膜32側に向かうにつれて増加した構造を有した回転蛍光板30を容易に製造することができる。
また、上記実施形態では、蛍光体層42として複数の蛍光体粒子42aを含んだものを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、蛍光を発光する蛍光発光イオンの濃度分布を調整した蛍光バルクセラミックスを用いても良い。蛍光発光イオンは本発明における蛍光発光点に相当する。
このような蛍光バルクセラミックスは、例えば、蛍光発光イオンの濃度が互いに異なる複数のセラミックシートを、蛍光発光イオンの濃度が低くなる順に積層したものを焼結することで製造することができる。このように蛍光バルクセラミックスを製造する場合、セラミックスを作製する通常のプロセスを適用できるので、形状、寸法などの制約を受けることが無く、設計自由度の高い蛍光体層を提供することができる。
また、バルク状の蛍光体層を採用すれば、バインダー材としての樹脂が不要になるので、樹脂をバインダー材として用いた上記蛍光体層42に比べて長寿命化、さらに高温環境下での利用が可能となる。
また、バルク状の蛍光体層を採用すれば、バインダー材としての樹脂が不要になるので、樹脂をバインダー材として用いた上記蛍光体層42に比べて長寿命化、さらに高温環境下での利用が可能となる。
また、上記実施形態では、3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bを備えるプロジェクター1を例示したが、1つの液晶光変調装置でカラー映像を表示するプロジェクターに適用することも可能である。また、光変調装置として、デジタルミラーデバイスを用いてもよい。
また、上記実施形態では本発明による照明装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による照明装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
1…プロジェクター、10…第1光源(発光素子)、30…回転蛍光板(波長変換素子)、32…反射膜(反射面)、40…円板(基材)、42…蛍光体層(波長変換素子)、42a…蛍光体粒子(蛍光発光点)、100…第1照明装置、142…光入射面(第1の面)、400R,400G,400B…液晶光変調装置(光変調装置)、600…投写光学系、A1…第1領域、A2…第2領域、E…青色光(励起光)。
Claims (4)
- 第1の面を有し、蛍光発光点が分散された蛍光体層と、
前記蛍光体層の前記第1の面とは反対側に設けられた反射面と、
前記反射面の前記蛍光体層とは反対側に設けられた基材と、を備える波長変換素子であって、
前記蛍光体層は、前記第1の面側の第1領域と、前記第1領域と前記反射面との間に位置する第2領域と、を含み、
前記第2領域での前記蛍光発光点の濃度は、前記第1領域での前記蛍光発光点の濃度よりも高い
波長変換素子。 - 蛍光発光点を励起する励起光を射出する発光素子と、
請求項1に記載の波長変換素子と、
を備える光源装置。 - 照明光を射出する照明装置と、
前記照明光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、
前記画像光を投射する投射光学系と、を備え、
前記照明装置が、請求項2に記載の光源装置であるプロジェクター。 - 基材と、
前記基材の上に設けられた反射面と、
前記反射面の上に設けられ、蛍光発光点が分散された蛍光体層と、を備える波長変換素子の製造方法であって、
前記反射面の上方に、第2の蛍光発光点濃度を有する第2の蛍光体膜を形成する工程と、
前記第2の蛍光発光点濃度よりも高い第1の蛍光発光点濃度を有する第1の蛍光体膜を、前記第2の蛍光体膜の上方に形成する工程と、を備えることを特徴とする波長変換素子の製造方法。
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