JP2016099227A - 画像生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象物の内部構造を可視化して、検査対処物中に存在する異物等を表示した画像を得ることができる画像生成装置を提供する。
【解決手段】画像生成装置100は、検査光を検査対象物に照射する光源1、検査対象物を透過した光を受光して画像データを生成する受像器2、光源1と検査対象物との間の光路上に配置され、検査光を直線偏光させる第1の偏光子4、検査対象物と受像器2との間の光路上に配置され、透過光を直線偏光させる第2の偏光子5、および第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸とのなす相対角を変更可能な偏光方向制御手段とを備えている。画像生成装置100は、受像器2を用いて相対角が小さい第1画像と相対角が大きい第2画像を撮像すると共に、この第1画像と第2画像を用いて検査対象物の内部構造を可視化して、検査対象物中に存在する異物等を表示した画像を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品や工業製品等の検査対象物に光を照射し、検査対象物の内部を撮像した画像を用いて内部構造を可視化して、検査対象物中の内部情報を表示した画像を得る画像生成装置に関する。
物体の内部または裏側にある構造、欠陥または異物などの検知対象を非破壊・非接触で検知するために、物体に光を照射して透過光の陰影に含まれる情報を利用する方法が採られる。その際、陰影にノイズとして現れる物体の不均一性や、構造、模様などの光学的不均一性に基づく情報を低減してSN比を向上させる工夫が種々なされている。
例えば、特許文献1には、検査対象物を撮影し、画像処理することで異物を判別する異物検査方法において、検査対象物に赤外光を照射する第1のステップと、該検査対象物を透過した光のうち、赤外光のみを抽出する第2のステップと、該抽出された赤外光を撮影する第3のステップと、を有することを特徴とする異物検査方法が開示されている。
この方法によれば、印刷を施された検査対象物において、混入した異物を高精度に判別すること、印刷部の画像処理を行うことなく高速に異物検査を行うことができる。
また、食品中の異物を検査する装置として、特許文献2には、近赤外領域において中心波長を有する第1検査光と、近赤外領域において前記第1検査光とは別の中心波長を有する第2検査光とを検査対象である食品に照射する面光源と、前記第1検査光および第2検査光が食品を透過した光によって当該食品を撮像し、前記第1検査光に基づいて撮像された第1画像および第2検査光に基づいて撮像された第2画像を出力する撮像機構と、第1画像および前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成部とを備えた検査装置が開示されている。
また、特許文献3には、植物または植物加工品に混在する異物の検出を非破壊にて精度よく行う方法として、植物または植物加工品を撮像して得られたハイパースペクトル画像に基づいて、該検査対象物中に混在する異物を検出する植物または植物加工品の異物検出方法であって、検査対象物に対して近赤外領域の測定光を照射する照射ステップと、照射ステップにおいて照射された光による検査対象物からの散乱光を受光することで、検査対象物を撮像してハイパースペクトル画像を得る撮像ステップと、撮像ステップにおいて得られたハイパースペクトル画像に含まれて互いに異なる2つの画素間でのスペクトル形状に基づいて、検査対象物に混在する異物を検出する分析ステップと、を備える方法が開示されている。
特開2005-351678号公報 特開2014-44070号公報 特開2013-164338号公報
上述の特許文献1に記載の検査方法では、照射する赤外光の波長域で、インクに吸収や反射がないことを前提として、印刷された模様等によるノイズを消去して異物のみが写った画像を生成し、異物の判定を行う。したがって、該波長域で吸収や反射があるインクを使用した場合や、検知対象である異物に該波長域での吸収や反射がない場合には、発明の効果を奏し得ない。
また、特許文献2および3で検査対象とする食品、植物または植物加工品等は、光学的に均質ではなく、凹凸もあるため、撮像された画像には、検査対象物と異物の光学的な差異とともに、検査対象物の光学的不均質性や凹凸の影響がノイズとして現れる。
すなわち、特許文献2に記載の装置および特許文献3に記載の方法は、いずれも検査対象物と異物の吸収波長の差異を検出することによってノイズの影響を除去して、検査対象物と異物とを判別するものである。
しかし、検査対象物と異物とで吸収波長に明確な差異がない場合には、十分にノイズを除去することができない。
本発明は上述の問題点に鑑みて成されたもので、模様等のノイズの原因が検査波長で吸収や反射がある場合や、検査対象物と検知対象の検査波長の変化に対する吸光度または透過度の変化率の差異が明確でない場合でも、検査対象物の光学的不均一性等に起因するノイズを低減して、異物等の検知対象を鮮明に表示した画像を生成できる画像生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像生成装置は、
検査光を検査対象物に照射する光源と、
前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を直線偏光させる第1の偏光子と、
前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、前記透過光を直線偏光させる第2の偏光子と、
前記第1の偏光子の透過軸と前記第2の偏光子の透過軸とのなす相対角を変更可能な偏光方向制御手段と、を備え、
前記受像器を用いて相対角が小さい第1画像と相対角が大きい第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を用いて前記検査対象物の内部構造を可視化して、検査対象物中に存在する検知対象を表示した画像を得ることを特徴とする。
もしくは本発明にかかる画像生成装置は、
検査光を検査対象物に照射する光源と、
前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を円偏光に変換する第1の偏光子と、
前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、円偏光を直線偏光に変換して透過させる第2の偏光子と、
前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向、または前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向が切り替え可能な偏光方向制御手段と、を備え、
前記受像器を用いて前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向と前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向とが同一方向となる第1画像と逆方向となる第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を用いて前記検査対象物の内部構造を可視化して、検査対象物中に存在する検知対象を表示した画像を得ることを特徴とする。
本発明にかかる画像生成装置は、前記第2画像のコントラストを増大、および/または前記第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行う濃度調整手段を有することが好ましい。
また、前記濃度調整手段による濃度調整が行われた第1画像と第2画像との差分画像を生成する画像処理手段を有することが好ましい。
本発明にかかる画像生成装置では、第1画像に異物等の検知対象の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズが比較的鮮明に写る。一方、第2画像には、検知対象の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズは見た目には不鮮明であるが、第1画像に含まれるノイズと同じ原因によるノイズ成分(以下「共通ノイズ」という。)が含まれていると考えられる。
従って、第2画像の濃度値を利用すれば、第1画像から共通ノイズをキャンセルして、ノイズを低減した画像が得られる。
さらに、第2画像の濃度コントラストを増大、および/または第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行うことで、第1画像と第2画像に含まれる共通ノイズによる濃度の変化率を近似させることができる。
よって、濃度調整後に第1画像と第2画像の差分を取れば、第1画像に含まれる共通ノイズをキャンセルでき、検知対象とノイズ成分を判別しやすい差分画像データを生成できる。そしてノイズ成分を消去または低減した画像データには検知対象だけが鮮明に表れる。
本発明の実施の形態1にかかる画像生成装置の基本構成を示す図である。 実施の形態1にかかる画像生成装置の制御系の構成を示すブロック図である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その1)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その2)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その3)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その4)である。 濃度調整とノイズ低減処理の形態を説明する図(その5)である。 実施の形態1における異物検査の処理の流れを示したフローチャートである。 実験例1の結果を示す図面代用写真である。 実験例2の結果を示す図面代用写真(その1)である。 実験例2の結果を示す図面代用写真(その2)である。 比較例1の結果を示す図面代用写真である。 実験例3の結果を示す図面代用写真である。 実験例4の結果を示す図面代用写真である。 実験例5の結果を示す図面代用写真である。 実験例6の結果を示す図面代用写真である。 実験例7の結果を示す図面代用写真である。 実験例8の結果を示す図面代用写真である。 実験例9の結果を示す図面代用写真である。 実験例10の結果を示す図面代用写真である。 実験例11の結果を示す図面代用写真である。 実験例12の結果を示す図面代用写真である。 実験例13の結果を示す図面代用写真である。 本発明の実施の形態2にかかる画像生成装置の基本構成を示す図である。 実験例14の結果を示す図面代用写真(その1)である。 実験例14の結果を示す図面代用写真(その2)である。 比較例2の結果を示す図面代用写真である。 本発明の実施の形態3における実験例15の結果を示す図面代用写真である。
以下、本発明の実施の形態にかかる画像生成装置について、図面を参照して説明する。本発明の実施の形態にかかる画像生成装置は、主として食品や工業製品の内部構造の検査に用いられる。
<実施の形態1>
図1に、本発明の実施の形態1にかかる画像生成装置100の基本的な構成を示す。また図2に、画像生成装置100の制御系の構成を示す。
(画像生成装置の構成と機能)
画像生成装置100は、光源1、受像器2、透明板3、第1および第2の偏光子4、5、リニアモータ6、レール7ならびにコントローラ8(図2参照)で構成されている。
光源1は、検査光を検査対象物に照射する。検査対象物を透過しやすい波長帯域を含むものであれば、白熱灯やハロゲンランプなどの光源を用いても良い。本実施の形態では、基板上にLED(発光ダイオード)を多数配置したLEDパネルを光源1として用いている。
光源1は、透明板3上に載置された検査対象物に光を照射する向きに配置されている。光源1の波長は、検査対象物を透過しやすい波長であれば良く、検査対象物の種類や厚さによって波長200nmの近紫外光から1800nmの近赤外光の範囲で適宜選択できる。好ましくは、380nmの可視光から1100nmの近赤外光の範囲であれば、光が検査対象物を透過しやすい。また、この領域では、一般的なCDDセンサーやCMOSセンサーのSi系撮像素子の波長範囲内であることから、容易にシステムを構築できる。
さらに好ましくは600nm〜1100nmである。この領域では、観測される吸収バンドが非常に弱いことで透過性に優れる。また600nm以上では、比較的散乱の影響を受けにくくなる。特に、農産物やその加工品、その他食品等を検査対象物とする場合には、水の吸収が小さい600nmから900nmの近赤外光を選択することが好ましい。
受像器2は、光源1から照射され、透明板3上に載置された検査対象物を透過した光を受光する向きに配置され、検査対象物に焦点が合うように前部円筒部にレンズが取り付けられている。受像器2としては、CCD、CMOSなどのイメージセンサを搭載したデジタルカメラを使用でき、光源1の波長領域で好感度であることが好ましい。画素数は、検査対象物と異物の大きさや検査の目的に応じて選択できる。分解能は、256階調(8ビット)以上であることが好ましい。
光源1と透明板3との間には、第1の偏光子4が光源1および透明板3と平行に配置されており、光源1から照射された光を、図中y方向に偏光させる(すなわち透過軸がy方向)。図中、偏光子の縞模様は偏光方向を理解しやすくするために付けたもので、実際には肉眼で目視できない。
偏光子には、ガラス板や熱可塑性樹脂フィルム等の基材に偏光フィルムを貼った偏光板、同様の基材に二色性染料等を塗布した偏光板等の公知の偏光光学素子を用いることができる。なお、光源1が近赤外光である場合には、可視光用の偏光フィルムでは十分な偏光性能が得られないため、ワイヤグリッド方式の偏光フィルム(例えば、旭化成イーマテリアルズ製WGF(商標))を使用することが好ましい。
さらに、透明板3と受像器2の間には、第2の偏光子5が光源1、透明板3および第1の偏光子4と平行に配置されている。第2の偏光子5は、測定対象を透過した光を図中のy方向に偏光させるy方向偏光部51と、x方向に偏光させるx方向偏光部52が隣接して配置されたもので、フレーム53で一体化されている。
y方向偏光部51とx方向偏光部52は、第1の偏光子4と同様にガラス板や熱可塑性樹脂フィルムなどに偏光膜を貼った偏光板や、ガラス板や熱可塑性樹脂フィルムなどに二色性染料などを塗布した偏光板、ワイヤグリッド方式の偏光板等の公知の偏光光学素子を用いることができ、第1の偏光子4と同一の偏光特性を有することが好ましい。
リニアモータ6とレール7は偏光方向制御手段を構成しており、第2の偏光子5は、当該偏光方向制御手段により、y方向偏光部51を透過した光を受像器2が受光できる位置(以降、「平行位置」という)と、x方向偏光部52を透過した光を受像器2が受光できる位置(以降、「直交位置」という)との間で移動できるようになっている。
すなわち、フレーム53はリニアモータ6に結合されており、リニアモータ6は、コントローラ8の偏光子駆動部82(図2参照)からの命令により、レール7に沿って、矢印で示す方向に往復運動できる。往復運動の範囲は、一端が平行位置であり、他端が直交位置である。
従って、リニアモータ6を駆動して第2の偏光子5を右側に位置させたときは、受像器2は、第2の偏光子5のy方向偏光部51を透過した偏光を受光することとなり、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子の透過軸とのなす相対角が0°となる。
一方、第2の偏光子5を左側に位置させたときは、受像器2は、第2の偏光子5のx方向偏光部52を透過した偏光を受光することとなり、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子の透過軸とのなす相対角が90°となる。
従って、受像器2は、同一の検査対象物について、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸とのなす相対角が小さいとき(0°)と大きいとき(90°)の透過光および散乱光を受光して撮像できる。リニアモータ6の動作および受像器2が2種類の画像を撮像するタイミングの制御には、後述するコントローラ8(図2参照)を用いる。
以後の説明では、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸とのなす相対角が小さいときに受像器2によって撮像された画像を「平行画像」、相対角が大きいときに撮像された画像を「直交画像」という。
図1に示す画像生成装置100は、外光の影響を防ぐために、コントローラ8を除いて筐体(図示せず)で遮光することが好ましい。また、筐体の内面、並びにリニアモータ6およびレール7の表面には、光の反射を防ぐ塗料などで塗装すれば、反射光が撮像に与える影響を防ぎやすい。
また光源1、受像器2、第1の偏光子4、透明板3およびレール7は、直接的に、または取り付け部品を用いた間接的な方法より筐体に固定されている。
次に、コントローラ8について説明する。コントローラ8は、リニアモータ6および受像器2の動作を制御すると共に、受像器2で撮像した画像データを処理するものである。図2に示すように、コントローラ8は、主制御部81、偏光子駆動部82、受像器制御部83、画像データ記憶部84および画像処理部85で構成されている。
主制御部81は、産業用コンピュータやプログラマブルコントローラなどの既知のコントローラで構成され、装置全体をシーケンス制御する。
偏光子駆動部82は、主制御部81からの指令により、リニアモータ6を設定された速度で右方向または左方向に移動させる。位置決めは、例えば、リニアモータ6が所定の停止位置にあるときにオンとなるリミットスイッチ(図示せず)をレール7に取り付け、偏光子駆動部82がリミットスイッチの信号を検知したときにリニアモータ6を停止させる。
受像器制御部83は、主制御部81からの指令により、受像器2の撮像タイミングを制御し、撮像された画像データを受像器2から取得し、さらに画像データ記憶部84に格納する。画像記憶部84は、さらに、濃度調整後の画像データ、差分画像データおよびノイズ成分を閾値で消去した画像データを格納する領域を有する。
画像記憶部84に格納された画像データは、画像処理部85での画像処理演算に供される。画像処理部85は、濃度調整部86、差分演算部87およびノイズ消去部88を有する。
濃度調整部86は、受像器2により撮像され、画像データ記憶部84に格納された直交画像を読み出して、線形濃度変換を行う。変換に必要な定数は、あらかじめ実験によって適切な値が決められている。差分演算部87は、濃度調整部86で濃度変換された直交画像と平行画像との差分画像を生成する。
ノイズ消去部88は、差分画像に濃度閾値を適用して異物とノイズを切り分け、異物が鮮明に写った画像データを生成する。さらに、収縮、膨張、または、これらを組み合わせたモルフォロジー変換や平滑化処理等の既知のノイズ処理を必要に応じて追加しても良い。
ノイズ消去部88で生成された画像をモニタに出力すれば、ノイズが低減し、異物が鮮明に写った画像を検査員が目視することができるため、容易に異物の有無と、異物が存在する場合は、その位置を確認することができる。
(可視化画像生成の原理)
次に、上述の画像生成装置100において検査対象物の内部構造を可視化した画像を生成する原理について説明する。最初に、撮像された平行画像と直交画像の特徴について説明する。
平行画像では、第1の偏光子4の透過軸(測定対象に入射する偏光方向)と第2の偏光子5透過軸が同一方向であるため、検査対象物に入射した光のうち、散乱による偏光の乱れがない光の成分を多く含む。すなわち、検査対象物に入射した偏光は、検査対象物の内部構造によって散乱し偏光が乱れるが、一部の入射光は散乱することなく検査対象物を透過する。
従って、第1の偏光子4と第2の偏光子5の透過軸を平行にすれば、偏光が乱れた散乱光の一部を第2の偏光子5で遮断できるため、受像器2に到達する光は、散乱せずに透過した光を多くの割合で受光することができる。散乱せずに透過した光は、異物の影や、検査対象物内部の光学的不均一性に起因するノイズなどの内部情報が多く含まれるため、平行画像はこれらの形状や大きさが鮮明な画像となる。
ここで、光学的不均一性とは、果皮と果実などの生体組織の光学的な差異、混合物の各成分の光学的差異などのことであり、光の反射や吸収に差異があることにより、撮像した平行画像に濃度むらを生じさせる原因となるものをいう。なお、本発明においては、検査対象となる工業製品や、その包装等に印刷された模様も光学的不均一性に含まれる。
一方、直交画像では、第2の偏光子5の透過軸を散乱せずに透過する光を遮断する方向にしているので、散乱光の割合が多い画像が得られる。直交画像には、異物の影やノイズによる細かい影がほとんど写らないか、または不鮮明な画像となる。
このように、見た目に異なる平行画像と直交画像ではあるが、両画像には、同じ原因によるノイズが含まれるものと推測される。また、検査対象物の厚さは、両画像のノイズに同じ傾向の影響を与えるものと推測される。これは、後述する濃度調整と、平行画像と直交画像との差分を算出した後、差分画像の濃度値に閾値を設けてノイズをキャンセルすると、同一設定で検査対象物の厚さによらず、ノイズを低減した異物の鮮明な画像が得られる実験からの帰結である。
上述したように、検査対象物の厚さの影響を受けるノイズは、平行画像と直交画像のいずれにも表れるが、直交画像では、その濃度変化率(コントラスト)は小さい。本発明にかかる画像生成装置は、平行画像から厚さの影響を受けるノイズを取り除くための前処理として濃度調整を行っており、具体的には、直交画像のコントラストを増加させるか、平行画像のコントラストを低下させている。
直交画像のコントラストを増加させる方法としては、例えば、直交画像の各画素の濃度値に1より大きな定数を乗算して、濃度変化率を増加させても良いが、直交画像全体の濃度の平均値が併せて増加するので、平均値を別にコントロールできる線形濃度変換等を使用することが好ましい。
上述した濃度調整は直交画像に対して行うが、平行画像と直交画像に含まれる検査対象物の厚さの影響を受けるノイズの濃度変化率を両画像で近似させる濃度調整であればよく、平行画像に対してコントラストを低下させる濃度調整を行っても良い。また、平行画像と直交画像の両方を濃度調整してもよい。
濃度調整が終了した平行画像と直交画像の差分画像を生成すれば、検査対象物の厚さの影響を受けるノイズをキャンセルできるので、差分画像の濃度に閾値を設けて異物とノイズを区別しやすい。
ここで、差分画像とは、平行画像(または直交画像)の各画素の濃度値から直交画像(または平行画像)の対応する画素の濃度値を引いた値を対応する画素の濃度値として持つ画像である。
なお、画像の濃度値の型は、通常符号なし整数型であるが、差分を取ると、濃度値が負の値となり、演算でエラーが生じたり、求める結果が得られない場合がある。この場合、処理プログラムで変数を符号付整数型や浮動小数点型に型変換すれば、エラーを生じずに求める演算結果を得ることができる。演算結果を画像データとして保存するには、例えば、負の値を有する演算結果について、濃度値の最低値が0以上となる定数を全画素の濃度値に加えるなどして、再度符号なし整数型に変換する。
異物のみの鮮明な画像を生成するためには、差分画像について、あらかじめ適切に定めた閾値より高い(または低い)濃度値の画素のみを、例えば濃度値255(白色)に置き換え、その他の画素を0(黒色)に置き換えれば、異物のみが鮮明な2値化画像が得られる。
濃度調整や閾値は、検査対象物や異物の種類および光源の波長等の条件によって異なるため、実験により適切な値を求めて設定すれば、一定条件下で、厚さに変化がある検査対象物から異物を検出するための鮮明な画像が得られる。
さらに、適切に濃度調整された直交画像の濃度値をそのまま閾値とし、平行画像の濃度値が直交画像の濃度値より高い画素の濃度値を0とし、低い画素の濃度値を255とする処理を行っても、異物のみの鮮明な画像が得られる。
上述した濃度調整とノイズ低減処理について、図面を用いて具体的に説明する。濃度調整とノイズ低減処理には4種類の形態がある。ただし、これらの形態に限られるわけではない。
濃度調整とノイズ低減処理の第1の形態について、図3を用いて説明する。図3(a)は、受像器で撮像された平行画像と直交画像の任意の1行(横方向)の画素の濃度値を表したグラフ(生波形)である。図中、縦軸は濃度値、横軸は画素の座標を表す。なお、グラフに表した画素の縦方向の座標は、平行画像と直交画像で同一とする。図中、実線が平行画像、破線が直交画像の濃度値を表す。また、丸印は、異物の影響により平行画像の濃度値が落ち込んだ部分を示す。
平行画像の濃度値には、異物の影響の他に、検査対象物の光学的不均一性に基づく細かなノイズが表れているが、直交画像の濃度値にはほとんど表れない。一方、両画像には、周期が比較的大きく位相が一致するノイズが表れている。
平行画像の生波形中にある2つの異物の影響は、前記した周期の大きなノイズのため、その濃度レベルが異なり、異物と細かなノイズを分離する閾値を設定することは困難である。そこで本発明では、同様に大きな周期のノイズを有する直交画像の濃度値に基づいて閾値を決定することで、2つの異物と細かなノイズを分離できるようにしている。
図3(b)は、直交画像の濃度値に1以上の定数を乗算して濃度調整を行ったときの濃度値を表したグラフである。なお、平行画像の濃度値は、図3(a)と同一である。直交画像の濃度値は1以上の濃度値を乗算したことにより、周期の大きなノイズの振幅が、平行画像と同程度に増幅されている。
濃度調整後の直交画像と平行画像の濃度値の差分を取った結果を、図3(c)と(d)に示す。図3(c)は、平行画像の濃度値から直交画像の濃度値を引いた差分結果、図3(d)は、逆に直交画像の濃度値から平行画像の濃度値を引いた差分結果である。図中、破線で一定値の閾値を示している。差分を取ったことにより、2つの異物の影響による濃度の落ち込みが同レベルになり、1つの閾値で細かなノイズと異物を分離できることが分かる。
図3(c)および(d)の波形を閾値で2値化すると、図4(a)および(b)に示す2値化画像が得られ、ノイズを消去し、異物のみが鮮明になった画像となる。
次に、濃度調整に線形濃度変換を用いた第2の形態について、図5を用いて説明する。図5(a)は、図3(a)に示した波形と同一の生波形である。直交画像の濃度調整に線形濃度変換を用いた結果が図5(b)である。線形濃度変換では、定数を乗算する方法とは異なり、ノイズの振幅を増加させつつ、その平均値を独立に制御できる。よって、図5(b)に示すように、直交画像の濃度値より低い濃度に平行画像中の細かいノイズが表れないように制御して濃度調整ができる。
この状態で、直交画像の濃度値から平行画像の濃度値を引く差分を行うと、図5(c)に示す結果が得られ、閾値を濃度0とすれば、異物とノイズを分離できる。その後、差分結果について、0未満の濃度値をすべて0に置き換える処理を行うと図5(d)に示すようにノイズが消去され、異物が鮮明になった画像が得られる。
第2の形態の変形として、線形濃度変換による濃度調整を行った後、飽和演算処理を付加した差分処理を行えば、図5(c)の状態を経由することなく、直接図5(d)に示す状態とすることができる。これが第3の形態である。
ここで、飽和演算処理とは、画像処理を行うことにより、濃度値が画像のレンジ(8ビットでは0〜255)外の値を取るときは、自動的にレンジの最小値または最大値に置き換える処理である。市販の画像処理ソフトウエアでは、画像処理コマンドに飽和演算処理を付加したものが多く、差分演算を行うと、0未満の濃度値はすべて0に置き換えられる。
次に、濃度調整とノイズ低減処理の第4の形態について、図6を用いて説明する。図6(a)の生波形と、線形濃度変換を行った図6(b)は、図5(a)(b)と同一の図面である。
第4の形態では、全体の差分をとることなく、直交画像の濃度値を直接閾値として適用する。すなわち、平行画像の濃度値が直交画像の濃度値より大きい画素の濃度値を0とし、平行画像の濃度値が直交画像の濃度値以下の画素では、直交画像の濃度値から平行画像の濃度値を引いた差分を濃度値として設定する。
そうすると、図6(c)のようにノイズが消去された結果が得られる。この図は、図5(d)と同一である。しかし、これらの図が示す状態ではノイズが消去されているものの、異物の明度(濃度値)が低いため、明度を上げる処理を行うことが好ましい。濃度値に定数を乗算すると、図6(d)に示すように異物の明度が高くなり、画像をモニタに投影する場合には、目視で判別しやすい。
上述したように、コントラストを増加させる濃度調整を行った直交画像の濃度値に基づいて、平行画像からノイズを消去することができる。その際、閾値で異物とノイズを分離する方法として、2値化する方法と、異物をグレースケール(平行と直交の差分)として残す方法がある。
どちらの方法でも、異物とノイズを分離してノイズを消去することは可能であるが、ノイズが取り切れない場合もあるため、さらにモルフォロジー変換、平滑化処理等の既知のノイズ処理を行ってノイズを消去することができる。この場合、2値化するより、異物をグレースケールで残す処理の方が、残ったノイズを処理しやすい。
上述の処理について図7を用いて説明する。2値化する場合は、残ったノイズの濃度は異物と同じ(第1の形態の場合255)となり、図7(a)に示すようにサイズも大きい。一方、異物をグレースケールで残す方法では、図7(b)、(c)に示すようにノイズの濃度は低く、高い濃度になるほどサイズは小さくなる。よって、エロージョン(収縮に続き膨張)処理により、容易にノイズを消去できる。
また、異物をグレースケールで残す方法では、図7(c)に示すように各画素の濃度値を定数倍する明度調整を行っても、ノイズが暗いままなので、モニタでも異物を視認しやすい。明度調整にγ<1であるガンマ補正を適用すると、さらにこの効果は大きくなる。
濃度調整方法は、撮像された画像データの調整に限られない。すなわち、撮像時に受像器2が受光する光量を制御して、画像データに対する濃度調整と同様の効果を得ることが可能である。例えば、直交画像撮像時の光量を平行画像撮像時の光量より増加させれば、検査対象物の厚さの影響を受けるノイズの濃度変化率を増加させて平行画像に近づけることができる。
受像器2が受光する光量を制御する方法としては、光源1の出力を制御する方法と、受像器のシャッタースピードを制御する方法がある。光源1の出力を制御するには、例えば、コントローラ8に光源制御部を設けて、光源のLEDに流す電流値を制御すればよい。シャッタースピードの制御については、例えば、平行画像の撮像前と、直交画像の撮像前に、受像器制御部83から受像器2にシャッタースピードを切り替えるコマンドを送ることで制御できる。
平行画像と直交画像とで、それぞれの撮像時に流す電流値またはシャッタースピードは、画像データに対する濃度調整で、線形濃度変換の定数を決める場合と同様にあらかじめ実験を行って求めた数値を適用すれば良い。
(可視化画像生成における処理の流れ)
次に、本実施の形態において検査対象物の内部構造を可視化した画像を生成する際の処理の流れについて、図8のフローチャートを用いて説明する。
最初に、偏光子駆動部82が第2の偏光子5の位置を確認し(ステップS1)、右端(平行位置)以外の位置にあるときには、リニアモータ6を右方向に移動させる(ステップS2)。
第2の偏光子5が右端にあることを検出するまで右方向への移動を繰り返し(ステップS2)、検出した段階でリニアモータ6を停止させる(ステップS3)。
次に、受像器制御部83から受像器2に指令して第1画像(平行画像)を撮像し(ステップS4)、第1画像の画像データを画像データ記憶部84に格納する。(ステップS5)
続いて、偏光子駆動部82が第2の偏光子5の位置を確認する(ステップS6)。第2の偏光子5が左端(直交位置)以外の位置にあるので、リニアモータ6を左方向に移動させる(ステップS7)。
ステップS6において、第2の偏光子5が左端にあることを検出するまでは、ステップS7の処理を繰り返し、検出した段階でリニアモータ6を停止する(ステップS8)。
次に、受像器制御部83から受像器2に指令して第2画像(直交画像)を撮像し(ステップS9)、続いて第2画像の画像データを画像データ記憶部84に格納する(ステップS10)。
続いて、画像処理部85での処理に進み、濃度調整部86において第2画像(直交画像)の濃度値を調整する(ステップS11)。濃度調整は、第2画像の濃度の変化率(コントラスト)を増加させる処理であれば、上述したいずれの形態を採用しても良い。例えば、第2画像の濃度値に1より大きな定数を乗算する方法を用いても良いが、濃度の平均値を制御できる線形濃度変換を行うことが好ましい。
最後に、ステップS11で濃度調整を行った第2画像の濃度値に基づいて、第1画像のノイズを低減する処理を行う(ステップS12)。
第2画像の濃度値に基づいて、第1画像のノイズを低減する処理として、例えば、差分演算部87で線形濃度変換後の第2画像と第1画像との差分画像を生成し、ノイズ消去部88で差分画像に閾値を適用して異物とノイズを切り分け、ノイズが低減して異物が鮮明に写った画像を生成する。なお、ステップS12では、第2画像の濃度値を閾値として、直接第1画像からノイズを低減した画像を取得することもできる。
(実験例1)
次に、本実施の形態にかかる画像生成装置100を用いて実験を行った結果について説明する。
本実験では、細かく刻んだ梅肉を検査対象物とした。この梅肉は、ペースト状の果肉と繊維質を含む果皮が混在して光学的に不均一な状態である。透明板3の上には、中央部に長方形(18mm×22mm)の窓部を設けた黒いゴム板を受像器2の受光軸が窓部中央を通る位置に載置した。
ゴム板の窓部の透明板3上に異物として、アカマダラケシキスイの幼虫、ゴム手袋の破片およびアルミ箔片を載置し、その上に前記梅肉を厚さが5mmとなるように重置した。なお、黒色のゴム板は、光源1から出射され検査体操物を透過せずに受像器2に到達する光を遮蔽するために設けてある。
光源1は、波長が850nmのLED(ROHM製SIR-568ST3F)を1平方cm当り3個の面密度になるように6.53m×7.6cmの基板上に配置してLEDパネルとし、各LEDに0.1Aの電流を印加し点灯させた。
受像器2には、WATEC製のモノクロCCDカメラ(WAT-910HX)を使用し、TAMRON製のIR(赤外線)対応バリフォーカルレンズ(12VM412ASIR)を取り付け、検査体操物に焦点を合わせた。シャッタースピードは、1msecに固定した。
第1の偏光子4、ならびに第2の偏光子5のy方向偏光部51およびx方向偏光部52は、すべて旭化成イーマテリアルズ製のワイヤグリッド偏光フィルム(WGF-HTU)を貼付したガラス板とした。
各部品の位置関係は、光源1と第1の偏光子4の間が50mm、第1の偏光子4と透明板3との間が50mm、透明板3と第2の偏光子5との間が25mm、および第2の偏光子5と受像器2に取り付けたレンズの間が20mmであり、すべての部品は、下から上に一直線の光路上に配置してある。
図9(a)は、第2の偏光子5を、受像器2がy方向偏光部51を通して受光できる位置にセットして撮像した平行画像(相対角0°)の写真である。一方、図9(b)は、第2の偏光子5を、受像器2がx方向偏光部52を通して受光できる位置にセットして撮像した直交画像(相対角90°)の写真である。
図9(b)に示す直交画像の全画素の濃度値を1.4倍する濃度調整を行い、濃度調整後の直交画像の濃度値から図9(a)に示す平行画像の濃度値を引いて差分画像を生成した。図9(c)は、この差分画像の全画素の濃度値を5倍にして濃度調整した画像の写真である。
なお、差分演算実行時に、濃度値が0以下となる場合は、値を0に置き換える処理を行っているので、ノイズを閾値で消去する処理を同時に行っている。以降の差分演算も同様である。
また、同じ直交画像(図9(b))に対して、線形濃度変換による濃度調整を行い、同様に平行画像(図9(a))との差分画像を生成した。なお、線形濃度変換は、元画像の濃度値下限Aを生成画像の濃度値0に、元画像の濃度値上限Bを生成画像の濃度値255に対応するように、元画像の濃度値A〜Bの区間の濃度値を線形的に変換する。濃度値下限Aを10、上限Bを150として、線形濃度変換を行った。図9(d)は、この差分画像の全画素の濃度値を10倍にして濃度調整した画像の写真である。
図9(c)、(d)ともに、平行画像に写っている梅の皮や繊維質の影響によるノイズが大幅に低減された。しかし、定数を乗じる濃度調整を行った写真(図9(c))では左側に梅の皮のノイズが若干残ったが、線形濃度変換を行った写真(図9(d))では消えている。
(実験例2)
次に、アカマダラケシキスイの幼虫を異物とし、実験例1と同じ梅肉を検査対象として、検査対象物の厚さが変わった場合の効果確認を行った。
波長850nmのLED(OSRAM,SFH4550)を1平方cm当り3個の面密度になるように6.53m×7.6cmの基板上に配置したLEDパネルを光源1とし、各LEDに印加する電流値を0.1Aとし、シャッタースピードを4msecとし、差分演算後の濃度調整を20倍としたことを除き、実験例1と同様の撮像条件とした。
図10(a)、(b)に梅肉の厚さ2mmの平行画像と直交画像を、図10(c)、(d)に厚さ5mmの平行画像と直交画像を示す。また図11(a)、(b)に濃度値下限Aを25、上限Bを170として、線形濃度変換を行い、実験例1と同様の方法により差分画像を生成した結果を示す。図11(a)が2mm、(b)が5mmの厚さである。
図11(c)、(d)に濃度値下限Aを30、上限Bを165として、線形濃度変換を行い、実験例1と同様の方法により差分画像を生成した結果を示す。図11(c)が2mm、(d)が5mmの厚さである。いずれも、ほとんどノイズが消え、異物だけが鮮明になっている。
(比較例1)
比較例として、実験例2と同一の平行画像と、一定の濃度値で全画素を塗りつぶした画像との差分演算を実行した。塗りつぶした画像の濃度値を閾値として、平行画像のこれより高い濃度値を有する画素を一色に塗りつぶすことでノイズを消去するのと同じ効果がある。塗りつぶし画像の濃度値を以下に示す通りとし、濃度変換を行っていないことを除き、実験例2と同様に処理を行った。
図12(a)、(b)に塗りつぶし画像の濃度値を155として生成した差分画像を示す。図12(a)が2mm、(b)が5mmの厚さである。また図12(c)、(d)に塗りつぶし画像の濃度値を160として生成した差分画像を示す。図12(c)が2mm、(d)が5mmの厚さである。
図12(a)に示すように、塗りつぶし画像の濃度値が155の場合は、厚さ2mmでは異物が不鮮明である。これに対し、厚さ5mmでは異物は鮮明であるが、ノイズが若干残る。
一方、塗りつぶし画像の濃度値が160の場合は、厚さ2mmで異物が鮮明になるが、厚さ5mmではノイズが増加する。よって、厚さ2mmと5mmで異物が鮮明で、ノイズが残らない条件は見いだせないことが分かる。この結果より、単に平行画像に閾値を適用する比較例1に対し、直交画像との差分を取る実験例2の有効性が分かる。
(実験例3)
直交画像の濃度調整に替えて、光源1の光量を電流値を変更することにより、平行画像と直交画像のコントラストを調整して本発明の効果を確認した。電流値を変更したこと、および濃度調整を行わずに演算処理を実施し、差分演算後の濃度調整を10倍としたことを除き、実験例2と同一条件で撮像し、差分画像を生成した。なお、電流値は、差分画像を確認しながら、平行画像で0.06A、直交画像で0.1Aとした。
図13(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。直交画像に濃度変換を実施したときと同様、ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例4)
直交画像の濃度調整に替えて、受像器2の受光量をシャッタースピードを変更することにより、平行画像と直交画像のコントラストを調整して本発明の効果を確認した。シャッタースピードを変更したこと、および濃度調整を行わずに演算処理を実施し、差分演算後の濃度調整を10倍としたことを除き、実験例2と同一条件で撮像し、差分画像を生成した。なお、シャッタースピードは、差分画像を確認しながら、平行画像で1msec、直交画像で2msecとした。
図14(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。直交画像に濃度変換を実施したときと同様、ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例5)
検査対象を梅肉からいちごジャムに替え、ゴム手袋の破片を異物として本発明の効果を確認した。本実験例では、濃度調整にシャッタースピードの変更と、直交画像に対する線形濃度変換を併用した。ジャムの厚さは4mmとした。シャッタースピードを平行画像で0.01msec、直交画像で0.2msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A4、上限B212とする線形濃度変換を行った。その他の条件は、実験例2と同一である。
図15(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。差分画像では、平行画像にある繊維質によるノイズは消えているが、いちごの種が異物とともに鮮明に写っている。しかし、種は小さいため、後にモルフォロジー変換、平滑化処理等のノイズ処理で、異物のみを残した画像を取得可能である。また、種に着目すれば、異物検査以外に、種の有無や分散状況を確認するためにも、本発明を適用し得る。
(実験例6)
検査対象を梅肉から梅果肉入りゼリーに替え、ゴム手袋の破片を異物として本発明の効果を確認した。本実験例では、濃度調整にシャッタースピードの変更と、直交画像に対する線形濃度変換を併用した。ゼリーの厚さは4mmとした。シャッタースピードを平行画像で0.1msec、直交画像で0.5msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A8、上限B173とする線形濃度変換を行った。その他の条件は、実験例2と同一である。
図16(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。差分画像では、平行画像にある繊維質によるノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例7)
検査対象を梅肉から白菜キムチに替え、ゴム手袋の破片を異物として本発明の効果を確認した。白菜キムチの厚さは4mmとした。シャッタースピードを0.5msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A13、上限B196とする線形濃度変換を行った。また、差分演算後の濃度調整を20倍とした。その他の条件は、実験例2と同一である。
図17(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
(実験例8)
検査対象を、工業製品の一種であるポリエステル織物に替え、ゴム片を異物として本発明の効果を確認した。ポリエステル織物の厚さは1mmで、生地を2枚重ねたものである。シャッタースピードを1msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A3、上限B225とする線形濃度変換を行った。また、差分演算後の濃度調整を20倍とした。その他の条件は、実験例2と同一である。
図18(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。異物であるゴム片の鮮明な画像が得られた。
(実験例9)
検査対象を、工業製品の一種であるウレタンベルトに替え、ゴム片を異物として本発明の効果を確認した。ウレタンベルトの厚さは3mmである。シャッタースピードを0.2msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A13、上限B106とする線形濃度変換を行った。また、差分演算後の濃度調整を20倍とした。その他の条件は、実験例2と同一である。
図19(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。実験例8と同様に、異物であるゴム片の鮮明な画像が得られた。
(実験例10)
検査対象を、工業製品の一種であるポリプロピレン成形品に替え、ゴム片を異物として本発明の効果を確認した。ポリプロピレン成形品の厚さは2mmである。シャッタースピードを4msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A8、上限B218とする線形濃度変換を行った。また、差分演算後の濃度調整を20倍とした。その他の条件は、実験例2と同一である。
図20(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。異物であるゴム片の鮮明な画像が得られた。
(実験例11)
検査対象を、工業製品の一種である金属メッシュフィルターに替え、ゴム片を異物として本発明の効果を確認した。金属メッシュフィルターは周囲を金属製のリングで支持したもので、フィルターの厚さは1mmである。シャッタースピードを4msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A13、上限B74とする線形濃度変換を行った。また、差分演算後の濃度調整を20倍とした。その他の条件は、実験例2と同一である。
図21(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。異物であるゴム片の鮮明な画像が得られた。
(実験例12)
検査対象を市販飲料(サントリー食品インターナショナル社製緑茶)のPETボトルから取り外したラベルフィルムとし、ゴム片を異物としてラベルフィルムの下に挿入し、本発明の効果を確認した。シャッタースピードを0.2msecとして、受像器2の受光量を調整するとともに、直交画像に対して、下限A8、上限B94とする線形濃度変換を行った。また、差分演算後の濃度調整を20倍とした。その他の条件は、実験例2と同一である。
図22(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。異物であるゴム片の鮮明な画像が得られた。
この場合、光学的不均一性はラベルフィルタに印刷された模様(文字を含む)である。この模様は、濃度に差があるが偏光画像と直交画像の双方に現れている。一方、異物の影は平行画像のみに現れている。従って、直行画像に対して濃度調整を行った後に差分画像を生成することにより、模様が消去され異物のみが鮮明な画像を得ることができた。
平行画像と直交画像との双方に現れるノイズは、上述した梅肉を検査対象物とした場合には、検査対象物の厚さの影響であった。本実験例では、印刷された模様等も平行画像と直交画像の双方に現れ、適切な濃度調整と、差分画像を生成することにより、ノイズを消去できることがわかった。
(実験例13)
実験例2の光源1を近赤外線から可視光線に替えて本発明の効果を確認した。光源を白色LED(モノタロウ24LED丸形ライト)とした。また、シャッタースピードを333msecとし、濃度調整の条件は、線形濃度変換(下限Aを10、上限Bを191)とした。また、梅肉の厚さを4mmとし、その他の条件は、実験例2と同一とした。
図23(a)に平行画像、(b)に直交画像、(c)に差分画像を示す。光源を近赤外線としたときと同様、ノイズが消え、鮮明な異物の画像が得られた。
上述したように本発明にかかる画像生成装置では、第1画像に異物の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズが比較的鮮明に写る。一方、第2画像には、異物の影と検査対象物の光学的不均一性によるノイズは見た目には不鮮明であるが、第1画像に含まれるノイズと同じ原因によるノイズ成分(以下「共通ノイズ」という。)が含まれていると考えられる。
したがって、第2画像の濃度値を利用すれば、第1画像から共通ノイズをキャンセルして、ノイズを低減した画像が得られる。この画像に対して異物判定を行うことで、誤判定を防ぐことができる。
さらに、第2画像の濃度コントラストを増大、および/または第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行う濃度調整手段を有するので、第1画像と第2画像に含まれる共通ノイズによる濃度の変化率を近似させることができる。
よって、濃度調整後に第1画像と第2画像の差分を取れば、第1画像に含まれる共通ノイズをキャンセルでき、異物とノイズ成分を判別しやすい差分画像データを生成できる。その結果、ノイズ成分を消去または低減した画像データには異物だけが鮮明に表れるため、精度よく異物の有無を判定でき、異物が存在する場合には、その位置を特定できる。
<実施の形態2>
図24に、本発明の実施の形態2にかかる画像生成装置100の基本的な構成を示す。図中、図1の部材と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。またコントローラについては、偏光子駆動部82の制御対象がステッピングモータ9であることを除いて、図2に示したコントローラ8と変わりがない。
本実施の形態では、図1に示した実施の形態1の第2の偏光子5を構成するy方向偏光子51、x方向偏光子52、フレーム53、リニアモータ6およびレール7に替えて、円形偏光子54、プーリ付フレーム55、ステッピングモータ9、サポート板10、モータプーリ11およびプーリベルト12を用いる。
プーリ付フレーム55は、サポート板10の穴部に回転自在に係合され、サポート板10から脱落しないように上部と下部にフランジが設けられている。円形偏光子54は、プーリ付フレーム55に外周で固定されており、プーリ付フレーム55が回転するとともに回転し、透過軸の方向を変えることができるようになっている。
また、サポート板10には、ステッピングモータ9のケースが固定されており、ステッピングモータ9の回転軸には、モータプーリ11が取り付けられている。プーリ付フレーム55は、外周にプーリ溝が設けられており、モータプーリ11とプーリベルト12で係合され、ステッピングモータ9からの動力が伝達されるようになっている。
よって、ステッピングモータ9の回転を制御すれば、円形偏光子54を回転させることができ、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸との相対角を変更することができる。
図24に示す構成を採用することにより、偏光方向制御における機械的動作を搖動から回転運動に替えることができるため、振動の低減が可能である。また、円形偏光子は、180°回転するごとに相対角が0°から90°まで変化するため、一方向の回転で、平行画像と直交画像の撮像が可能になる。
(実験例14)
本実施の形態にかかる画像生成装置を用いて実験を行った結果を説明する。実施の形態1では、第1の偏光子と第2の偏光子との相対角が0°のときに撮像した画像を平行画像、90°のときに撮像した画像を直交画像として扱ったが、平行画像の相対角が直交画像の相対角より小さければ、これに限らず本発明の効果を奏することができる。そこで、本発明の範囲を明確にするために、平行画像と直交画像の相対角の有効範囲を調べた。
図25に、第1の偏光子4と第2の偏光子5との相対角を10°ごとに変更して撮像した写真を示す。撮像条件は前述の実験例2と同一とし、梅肉の厚さは5mmとした。図26は、図25の画像を組み合わせて生成した差分画像である。これまでと同様、差分演算時には、0以下となる濃度値を0に置き換えた。線形濃度変換の下限値Aと上限値Bは、それぞれの写真の上部に記載した通りである。
図26の上段の写真は、平行画像と直交画像をともに相対角を10°ずつ変更したときの差分画像である。平行画像の相対角20°、直交画像の相対角70°の組み合わせでも、ノイズが消去され異物が鮮明になる差分画像が得られた。また、平行画像の相対角30°、直交画像の相対角60°の組み合わせでは、異物の鮮明度が若干低下するが、後の画像認識には十分使用できる鮮明度を有している。
図26の中段に示すように、直交画像の相対角を90°で固定した場合は、平行画像の相対角を50°としても、ノイズがなく鮮明な異物の画像が得られる。この場合、画像認識で使用可能な平行画像の相対角の上限は70°となる。
図26の下段に示すように、平行画像の相対角を0°で固定した場合は、直交画像の相対角を70°としても、ノイズがなく鮮明な異物の画像が得られる。この場合、画像認識で使用可能な直交画像の相対角の下限は50°となる。
(比較例2)
図27は、実験例14と同様に平行画像と直交画像の相対角の範囲を調べた結果、本発明の効果を奏しない範囲の差分画像である。平行画像と直交画像の相対角の差が20°を下回るとノイズが消去できず、異物も視認できない。また、直交画像の相対角が50°を下回った場合も同様である。
以上の結果から、平行画像の相対角は70°以下、直交画像の相対角は50°以上であり、かつ直交画像の相対角は、平行画像の相対角に対して20°以上大きくなければならない。好ましくは、平行画像の相対角を50°以下、直交画像の相対角を70°以上、かつ直交画像の相対角を平行画像の相対角に対して50°以上大きくすると、ノイズを消去しつつ、より異物が鮮明な画像が得られるため、後の画像認識の精度が向上する。
<実施の形態3>
実施の形態1および2は、いずれも直線偏光を利用するものであるが、本発明にかかる画像生成装置では、円偏光を利用することもできる。本実施の形態では、実施の形態1の第1の偏光子4と第2の偏光子5を円偏光板で構成している。
第1の偏光子4は、光を右回りの円偏光に変換する。第2の偏光子5は、図示しないが、y方向偏光部51が、右回りの円偏光を直線偏光に変換して透過させる右回転透過部に替わり、x方向偏光部52が、左回りの円偏光を直線偏光に変換して透過させる左回転透過部に替わっている。
そして偏光方向制御手段が、右回転透過部を通して検査対象物からの光を受光できる正転透過位置と、左回転透過部を通して受光できる逆転透過位置とを切り替える。さらに、受像器2により、正転透過位置における第1画像と逆転透過位置における第2画像とを撮像し、画像データを画像データ記憶部84に格納する。
第1画像は、実施の形態1における平行画像と同様に、異物やノイズの影が鮮明な画像となる。また、第2画像は、直交画像と同様に異物やノイズの影が不鮮明な画像となる。
実施の形態1と同様に、濃度調整手段による濃度調整および差分画像を取得して、閾値によりノイズを消去すれば、精度よく異物を検知することができる。
(実験例15)
本実施の形態にかかる画像生成装置を用いて実験を行った結果を説明する。前述の実験例13の偏光子を円偏光板に替えて効果を確認した。第1の偏光子4を左回りの円偏光子(株式会社美舘イメージング製TCPL)とし、第1画像用の第2の偏光子5には、同じく左回りの円偏光板を用い、検査対象である梅肉を設置しない状態で第1の偏光子4を透過した光を受像器2が受光できるように配置した。
また、第2画像用の第2の偏光子5には、右回りの円偏光板(株式会社美舘イメージング製TCPR)を用いて、検査対象である梅肉を設置しない状態で第1の偏光子4を透過した光を受像器が受光できないように配置した。その他の条件は、実験例8と同一である。なお、濃度調整は第2画像に対して線形濃度変換(下限Aを20、上限Bを216)を行い、差分演算では第2画像の濃度値から第1画像の濃度値を差し引いた。
図28(a)に第1画像、(b)に第2画像、(c)に差分画像を示す。図23に示す実験例13の直線偏光と比較すると効果は低下するが、円偏光であっても、ノイズを低減して異物を鮮明化する効果を有する。
実施の形態1〜3で説明した本発明にかかる画像生成装置は、農産物、農産物加工品その他の食品や、ポリエステル織物、ウレタンベルト、ポリプリピレン成形品、金属メッシュ等の工業製品を検査対象とすることができる。また、これに限らず、検査対象物が光学的に不均一な特性を有するものであれば、一定条件下、この不均一性に基づくノイズを低減する本発明の効果を奏する。
例えば、印刷された模様を有するフィルムに包まれたPETボトルを検査対象物とすることができる。この場合には、光学的不均一性に基づくノイズである印刷された模様が、本発明の効果により消去された画像が得られる。
また、これまでの説明では、検知対象を異物とした場合の実施形態を用いたが、これに限らず、例えば、FRPの強化繊維を検知対象として、その分散具合を可視化することにも用いることができる。
目的とする検査対象物が、本発明にかかる画像生成装置を適用できるか否かについて、簡単に確認するためには、検査対象物の最下層(光源側)に異物を仕込んで平行画像と直交画像を撮像すれば良い。平行画像で検知対象の部分の濃度が低下し、直交画像で異物の部分の濃度低下がないか、平行画像と比較して濃度の落ち込みがはっきりしないようであれば、本発明にかかる画像生成装置を適用できる。
検査対象物の厚さの最大値は、検査対象物の透明度、検査光の波長や、検出する異物の種類および大きさ等の条件によって異なるため、上述した簡単な確認により、予め効果を確認して定めればよい。
なお、上述の実施の形態における偏光方向制御手段は、いずれも機械制御であるため、偏光方向の切り替えに時間を要する。代替手段として、電気式の偏光方向制御手段を採用することもできる。すなわち、出射側の偏光板を削除した液晶パネルを第1の偏光子として電圧制御することにより、直線偏光の偏光方向を90°変えられる。この場合、第2の偏光子は固定のままで使用できる。
ちなみに、TN型液晶パネルは、液晶セルの入射側に偏光板が貼られており、入射光を直線偏光にする。液晶セルには、互いに直交した溝を有する配向膜が2枚上下に配置されている。その間に挟持された液晶分子は、配向膜間で90°ねじれて配向する。従って、偏光板を通過した偏光は、配向膜間を通過する間に、液晶分子の配向のねじれに沿って、90°偏光方向が変えられる。
ここで、配向膜間に電圧をかけると、液晶分子は、配向膜の法線方向に並び方を変えるので、偏光板で偏光された方向を維持したまま出射する。液晶パネルでは、通常、液晶セルの出射側にも偏光板が貼り合わされており、上述した偏光方向の制御で、偏光の透過と遮断を制御できる構造となっている。
本発明では、偏光方向を制御することが目的であるので、出射側の偏光板を削除した液晶パネルを用いる。偏光方向の制御に機構部は不要であり、迅速な制御が可能であるため、検査速度の向上に資する。
また、検査対象物を載置する透明板を透明なコンベアベルトに変えれば、コンベア上で連続的に検査が可能である。機械的な偏光方向制御手段を用いる場合でも、透明なコンベアベルトを使用してコンベア上で検査を行えば、検査速度の向上は可能である。
例えば、実施の形態1では、偏光方向制御に、第2の偏光子5を並進運動させるため、コンベアの運動を間欠式にして、コンベアの停止中に平行画像と直交画像を撮像しなければ、画像データの処理で、画像の位置修正が必要になる。しかし、実施の形態2では、第2の偏光子は回転式であるため、一定速度で回転中に撮像すれば、両画像の撮像間隔は短くでき、コンベアを停止させなくても、画像間の位置ずれは大きくならない。よって、画像の位置修正なしで画像処理が行える。
また、第1の偏光子4の透過軸と第2の偏光子5の透過軸との相対角について、平行画像では0°、直交画像では90°と説明してきたが、直交画像の相対角が平行画像の相対角よりも大きければ、一定条件下で本発明の効果を奏する。
すなわち、平行画像の相対角が70°以下、直交画像の相対角が50°以上、かつ直交画像の相対角が平行画像の相対角に対して20°以上大きければ、ノイズを低減して、異物が写った画像が得られる。
好ましくは、平行画像の相対角を50°以下、直交画像の相対角を70°以上、かつ直交画像の相対角を平行画像の相対角に対して50°以上大きくすれば、ノイズを消去しつつより鮮明な異物の写った画像が得られる。
1 光源
2 受像器
3 透明板
4、5 偏光子
6 リニアモータ
7 レール
8 コントローラ
9 ステッピングモータ
10 サポート板
11 モータプーリ
12 プーリベルト
51 y方向偏光部
52 x方向偏光部
53、55 フレーム
54 円形偏光子
55 プーリ付フレーム
81 主制御部
82 偏光子駆動部
83 受像器制御部
84 画像データ記憶部
85 画像処理部
86 濃度調整部
87 差分演算部
88 ノイズ消去部
100 画像生成装置

Claims (4)

  1. 検査光を検査対象物に照射する光源と、
    前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
    前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を直線偏光させる第1の偏光子と、
    前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、前記透過光を直線偏光させる第2の偏光子と、
    前記第1の偏光子の透過軸と前記第2の偏光子の透過軸とのなす相対角を変更可能な偏光方向制御手段と、を備え、
    前記受像器を用いて相対角が小さい第1画像と相対角が大きい第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を用いて前記検査対象物の内部構造を可視化して、検査対象物中に存在する検知対象を表示した画像を得ることを特徴とする画像生成装置。
  2. 検査光を検査対象物に照射する光源と、
    前記検査対象物を透過した透過光および散乱光を受光して画像データを生成する受像器と、
    前記光源と前記検査対象物との間の光路上に配置され、前記検査光を円偏光に変換する第1の偏光子と、
    前記検査対象物と前記受像器との間の光路上に配置され、円偏光を直線偏光に変換して透過させる第2の偏光子と、
    前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向、または前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向が切り替え可能な偏光方向制御手段と、を備え、
    前記受像器を用いて前記第1の偏光子が変換する円偏光の回転方向と前記第2の偏光子が透過させる円偏光の回転方向とが同一方向となる第1画像と逆方向となる第2画像とを撮像すると共に、当該第1画像および第2画像を用いて前記検査対象物の内部構造を可視化して、検査対象物中に存在する検知対象を表示した画像を得ることを特徴とする画像生成装置。
  3. 前記第2画像のコントラストを増大、および/または前記第1画像のコントラストを低下させる濃度調整を行う濃度調整手段を有する、請求項1または2に記載の画像生成装置。
  4. 前記濃度調整手段による濃度調整が行われた第1画像と第2画像との差分画像を生成する画像処理手段を有する、請求項3に記載の画像生成装置。
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