JP2016088773A - 接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属とセラミックスとの界面の数を減らして接合信頼性の高い金属とセラミックスとの接合体を提供する。【解決手段】セラミック体20と金属体30とを接合層40で接合した接合体10において、接合層40に銅からなる中間層41を設けた。そして、金属体30と中間層41との間にリン含有ニッケル層42を設け、セラミック体20と中間層41との間にロウ材層43を設けた。このため、中間層41は金属から構成されており、セラミック体20と比較し縦弾性率(ヤング率)が低いので、ロウ付けの際に発生する熱歪みを塑性変形によって緩和することができる。すなわち、接合間に銅箔を入れることで、セラミックと金属との熱膨張差を段階的に小さくことができるので、接合信頼性を向上させることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、セラミックと金属と接合した接合体に関する。
セラミックは、耐熱性および耐蝕性に優れ、高強度であることから、ターボチャージャー、熱交換器、核融合炉第1壁など、様々な過酷な用途で使用が検討されている。
しかしながら、セラミックは、硬度が高く欠けやすい、液相が得られにくく溶接しにくい、展性、延性を有していないなどの点で、目的の形状が得られにくい素材である。このため、展性、延性に優れ、溶接が可能で、容易に加工できる金属材料と接合し用いることによって様々な用途に展開が可能となり、各種用途のためにセラミックと金属と接合する技術は、重要な技術の1つである。
しかしながら、セラミックは、硬度が高く欠けやすい、液相が得られにくく溶接しにくい、展性、延性を有していないなどの点で、目的の形状が得られにくい素材である。このため、展性、延性に優れ、溶接が可能で、容易に加工できる金属材料と接合し用いることによって様々な用途に展開が可能となり、各種用途のためにセラミックと金属と接合する技術は、重要な技術の1つである。
特許文献1には、セラミックスと金属との熱膨張係数差によって生じる接合の課題を解決するための接合体および接合方法が記載されている。具体的な接合体は、セラミックス基材と、金属基材との間にこれらとそれぞれ同材質で熱膨張係数が同一または近似したセラミックス中間層と、金属中間層を介挿したものよりなり、セラミックス中間層は、金属中間層相互または金属中間層と金属基材との間に挟まれるように配置して接合されている接合体である。
また、具体的な接合方法は、セラミックス基材と金属基材との間に中間層を少なくとも2層または2層以上挿入して接合する方法である。そして、少なくとも材質と熱膨張係数とが接合すべきセラミックス基材と金属基材とにそれぞれ同一または近似したセラミックス中間層と金属中間層とを、セラミック基材と金属基材との間に介挿する。前記セラミックス中間層の両接合界面は前記金属中間層相互あるいは金属中間層と金属基材とにより挟まれており、前記金属中間層の両接合界面は、セラミック中間層相互あるいはセラミック中間層とセラミックス基材との間に挟まれるよう配置して接合するセラミックスと金属との接合法が記載されている。
このような接合体または接合方法によれば、中間層の選択が容易になり、接合しようとする物質と異なる2種以上の異なった中間層を用いる場合に接合条件を各界面ごとに変える必要がなく、さらにMo、Tiのような耐酸化性に劣るものが使えない場合にも接合が可能となり、接合部の特性は損なわれなくて済む大きな効果があることが記載されている。
しかしながら、上記記載された発明は、セラミック中間層を用いているので、セラミックと金属との界面が少なくとも3層必要となる。そもそもロウ材は金属であるので、セラミックとの接合よりも金属との接合の方が信頼性を高くできる。このため、セラミックと金属の界面の数を減らす方が望ましい。
本発明では、上記課題を鑑み、金属とセラミックスとの界面の数を減らして接合信頼性の高い金属とセラミックスとの接合体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明の接合体は、接合層で接合されたセラミック体と金属体との接合体であって、前記接合層は、銅からなる中間層と、前記金属体と前記中間層とに挟まれたリン含有ニッケル層と、前記セラミック体と前記中間層とに挟まれたロウ材層と、からなる。
本発明の接合体によれば、セラミック体と金属体とを接合層で接合した接合体において、接合層に銅からなる中間層を設けた。そして、金属体と中間層との間にリン含有ニッケル層を設け、セラミック体と中間層との間にロウ材層を設けた。
このため、中間層は金属から構成されており、セラミック体と比較し縦弾性率(ヤング率)が低いので、ロウ付けの際に発生する熱歪みを塑性変形によって緩和することができる。すなわち、接合間に銅箔などの銅からなる金属箔の中間層を入れることで、セラミックと金属との熱膨張差を段階的に小さくことができるので、接合信頼性を向上させることができる。
このため、中間層は金属から構成されており、セラミック体と比較し縦弾性率(ヤング率)が低いので、ロウ付けの際に発生する熱歪みを塑性変形によって緩和することができる。すなわち、接合間に銅箔などの銅からなる金属箔の中間層を入れることで、セラミックと金属との熱膨張差を段階的に小さくことができるので、接合信頼性を向上させることができる。
特に銅は、高い耐熱性を有するとともに、酸化還元電位が大きいので、耐蝕性が高く、さらに縦弾性係数が低く、展性、延性に優れるので、中間層の金属箔として好適である。
また、リン含有ニッケル層(Ni−P)は融点が低く(約800℃)、ロウ材と同じ作用がある。さらには金属への濡れ性が良いため、金属へのなじみが良くなり、接合強度の向上を図ることができる。
また、リン含有ニッケル層(Ni−P)は融点が低く(約800℃)、ロウ材と同じ作用がある。さらには金属への濡れ性が良いため、金属へのなじみが良くなり、接合強度の向上を図ることができる。
さらに、本発明の接合体は、以下の態様であることが望ましい。
(1)前記ロウ材層は、Ag−Cu−Ti系またはNiのロウ材である。
Ag−Cu−Ti系のロウ材はTiを含有するので、セラミック体の表面を活性化させ、セラミック体との接合界面にセラミック体が炭化物ではTiCが生成されるので、セラミックに対する接合能力を有する。このため、セラミックと金属の接合する部分に適用することにより、接合層全体の接合強度を高めることができる。
また、Niのロウ材は、融点が990℃付近で一般的に利用されるロウ材の中では融点が高い材料であり、ロウ材層を形成する際は高い温度で溶けてロウ材層を形成する。そのため、熱拡散によってセラミック界面とNiのロウ材との接触点が増し、セラミック接合層全体の信頼性を高めることができる。
(1)前記ロウ材層は、Ag−Cu−Ti系またはNiのロウ材である。
Ag−Cu−Ti系のロウ材はTiを含有するので、セラミック体の表面を活性化させ、セラミック体との接合界面にセラミック体が炭化物ではTiCが生成されるので、セラミックに対する接合能力を有する。このため、セラミックと金属の接合する部分に適用することにより、接合層全体の接合強度を高めることができる。
また、Niのロウ材は、融点が990℃付近で一般的に利用されるロウ材の中では融点が高い材料であり、ロウ材層を形成する際は高い温度で溶けてロウ材層を形成する。そのため、熱拡散によってセラミック界面とNiのロウ材との接触点が増し、セラミック接合層全体の信頼性を高めることができる。
(2)前記セラミック体は、SiCである。
このため、SiCは、高強度で耐熱性を有しているので金属体と接合し金属体では対応できない部分で高い性能を発揮することができる。
このため、SiCは、高強度で耐熱性を有しているので金属体と接合し金属体では対応できない部分で高い性能を発揮することができる。
(3)前記セラミック体は、シリコン含浸SiCである。
SiCにシリコンを含浸することにより、熱伝導性を高めることができ、発生する熱応力を低減することができる。
SiCにシリコンを含浸することにより、熱伝導性を高めることができ、発生する熱応力を低減することができる。
(4)前記金属体は、ステンレスである。
ステンレスは、金属の中でも耐蝕性、耐熱性を備えた素材であるので、セラミック体と組み合わせることにより、様々な用途で利用することができる。
ステンレスは、金属の中でも耐蝕性、耐熱性を備えた素材であるので、セラミック体と組み合わせることにより、様々な用途で利用することができる。
(5)前記接合体は、熱交換器である。
熱交換器は、高い温度にさらされるとともに、他の部品との接続が必要となるので、セラミック体で熱交換を行い、金属体で他の部品、配管などと接続することにより、公的に利用することができる。
熱交換器は、高い温度にさらされるとともに、他の部品との接続が必要となるので、セラミック体で熱交換を行い、金属体で他の部品、配管などと接続することにより、公的に利用することができる。
本発明の接合体は、セラミック体と金属体との接合層に銅からなる中間層を設け、金属体と中間層との間にリン含有ニッケル層を設けるとともに、セラミック体と中間層との間にロウ材層を設けたので、金属とセラミックスとの界面の数を減らして接合信頼性を高めることができる。
本発明の接合体について説明する。
本発明の接合体は、接合層で接合されたセラミック体と金属体との接合体であって、前記接合層は、銅からなる中間層と、前記金属体と前記中間層とに挟まれたリン含有ニッケル層と、前記セラミック体と前記中間層とに挟まれたロウ材層と、からなる。
本発明の接合体によれば、セラミック体と金属体とを接合層で接合した接合体において、接合層に銅からなる中間層を設けた。そして、金属体と中間層との間にリン含有ニッケル層を設け、セラミック体と中間層との間にロウ材層を設けた。
このため、中間層は金属から構成されており、セラミック体と比較し縦弾性率(ヤング率)が低いので、ロウ付けの際に発生する熱歪みを塑性変形によって緩和することができる。すなわち、接合間に銅箔などの銅からなる金属箔の中間層を入れることで、セラミックと金属との熱膨張差を段階的に小さくことができるので、接合信頼性を向上させることができる。
このため、中間層は金属から構成されており、セラミック体と比較し縦弾性率(ヤング率)が低いので、ロウ付けの際に発生する熱歪みを塑性変形によって緩和することができる。すなわち、接合間に銅箔などの銅からなる金属箔の中間層を入れることで、セラミックと金属との熱膨張差を段階的に小さくことができるので、接合信頼性を向上させることができる。
特に銅は、高い耐熱性を有するとともに、酸化還元電位が大きいので、耐蝕性が高く、さらに縦弾性係数が低く、展性、延性に優れるので、中間層の金属箔として好適である。
また、リン含有ニッケル層(Ni−P)は融点が低く(約800℃)、ロウ材と同じ作用がある。さらには金属への濡れ性が良いため、金属へのなじみが良なり、接合強度の向上を図ることができる。
また、リン含有ニッケル層(Ni−P)は融点が低く(約800℃)、ロウ材と同じ作用がある。さらには金属への濡れ性が良いため、金属へのなじみが良なり、接合強度の向上を図ることができる。
さらに、本発明の接合体は、以下の態様であることが望ましい。
(1)前記ロウ材層は、Ag−Cu−Ti系またはNiのロウ材である。
Ag−Cu−Ti系のロウ材はTiを含有するので、セラミック体の表面を活性化させ、セラミック体との接合界面にセラミック体が炭化物ではTiCが生成されるので、セラミックに対する接合能力を有する。また、Tiなどの活性金属はセラミックの接合界面を活性化させることで、接合面の濡れ性が向上する。このため、セラミックと金属の接合する部分に適用することにより、接合層全体の接合強度を高めることができる。
またNiのロウ材は、融点が990℃付近で一般的に利用されるロウ材の中では融点が高い材料であり、ロウ材層を形成する際は高い温度で溶けてロウ材層を形成する。そのため、熱拡散によってセラミック界面とNiのロウ材との接触点が増し、セラミック接合層全体の信頼性を高めることができる。
(1)前記ロウ材層は、Ag−Cu−Ti系またはNiのロウ材である。
Ag−Cu−Ti系のロウ材はTiを含有するので、セラミック体の表面を活性化させ、セラミック体との接合界面にセラミック体が炭化物ではTiCが生成されるので、セラミックに対する接合能力を有する。また、Tiなどの活性金属はセラミックの接合界面を活性化させることで、接合面の濡れ性が向上する。このため、セラミックと金属の接合する部分に適用することにより、接合層全体の接合強度を高めることができる。
またNiのロウ材は、融点が990℃付近で一般的に利用されるロウ材の中では融点が高い材料であり、ロウ材層を形成する際は高い温度で溶けてロウ材層を形成する。そのため、熱拡散によってセラミック界面とNiのロウ材との接触点が増し、セラミック接合層全体の信頼性を高めることができる。
(2)前記セラミック体は、SiCである。
このため、SiCは、高強度で耐熱性を有しているので金属体と接合し金属体では対応できない部分で高い性能を発揮することができる。
このため、SiCは、高強度で耐熱性を有しているので金属体と接合し金属体では対応できない部分で高い性能を発揮することができる。
(3)前記セラミック体は、シリコン含浸SiCである。
SiCにシリコンを含浸することにより、熱伝導性を高めることができ、発生する熱応力を低減することができる。さらに、ロウ付けの際にロウ材のセラミックへの必要以上の侵入を防ぐことができる。ロウ付けで溶融したロウ材が必要以上にセラミック体に吸収されにくいので、十分な厚さのロウ材層を形成することができ、セラミック体と中間層との間に強い結合力を得ることができる。
SiCにシリコンを含浸することにより、熱伝導性を高めることができ、発生する熱応力を低減することができる。さらに、ロウ付けの際にロウ材のセラミックへの必要以上の侵入を防ぐことができる。ロウ付けで溶融したロウ材が必要以上にセラミック体に吸収されにくいので、十分な厚さのロウ材層を形成することができ、セラミック体と中間層との間に強い結合力を得ることができる。
(4)前記金属体は、ステンレスである。
ステンレスは、金属の中でも耐蝕性、耐熱性を備えた素材であるので、セラミック体と組み合わせることにより、様々な用途で利用することができる。ステンレスは、金属の中でも、融点が高く、硫化水素や硝酸などの耐薬品性が高いため、ロウ付けの際に受ける金属体へのダメージが小さくすみ、信頼性が高い。
ステンレスは、金属の中でも耐蝕性、耐熱性を備えた素材であるので、セラミック体と組み合わせることにより、様々な用途で利用することができる。ステンレスは、金属の中でも、融点が高く、硫化水素や硝酸などの耐薬品性が高いため、ロウ付けの際に受ける金属体へのダメージが小さくすみ、信頼性が高い。
(5)前記接合体は、熱交換器である。
熱交換器は、高い温度にさらされるとともに、他の部品との接続が必要となるので、セラミック体で熱交換を行い、金属体で他の部品、配管などと接続することにより、公的に利用することができる。
熱交換器は、高い温度にさらされるとともに、他の部品との接続が必要となるので、セラミック体で熱交換を行い、金属体で他の部品、配管などと接続することにより、公的に利用することができる。
図1に示すように、セラミック体20と金属体30とを接合する接合層40は、中間層41を有する。中間層41は、例えば厚さ0.5mmの銅箔を用いることができる。
また、金属体30と中間層41との間には、リン含有ニッケル層42が挟まれている。リン含有ニッケル層42としては、例えばNi(ニッケル)が90〜92wt%(重量パーセント)、P(リン)が8〜10wt%、その他微量のPb(鉛)を含む厚さが0.025mmのNi−Pを用いることができる。
また、金属体30と中間層41との間には、リン含有ニッケル層42が挟まれている。リン含有ニッケル層42としては、例えばNi(ニッケル)が90〜92wt%(重量パーセント)、P(リン)が8〜10wt%、その他微量のPb(鉛)を含む厚さが0.025mmのNi−Pを用いることができる。
さらに、セラミック体20と中間層41の間には、ロウ材層43が挟まれている。ロウ材層43としては、厚さ0.025mmのAg−Cu−Ti系またはNiのロウ材を用いることができる。Ag−Cu−Ti系活性ロウ材としては、田中貴金属工業株式会社製TKC−651(登録商標)、Niロウ材としては、株式会社進和製シンワニッケルペースト(登録商標)などが利用できる。
本発明の接合体は、金属とセラミックとを強固に接合することができるので、例えば、排ガスフィルタ、浄水フィルタ、熱交換器、セラミック配線基板などに利用することができる。
本発明の接合体を排ガスフィルタ、浄水フィルタ、熱交換器として利用する場合には、例えばセラミック体であるハニカム体の側面と、金属体であるケースとの接合に適用することができる。
本発明の接合体を排ガスフィルタ、浄水フィルタ、熱交換器として利用する場合には、例えばセラミック体であるハニカム体の側面と、金属体であるケースとの接合に適用することができる。
次に、接合体を製造する手順について説明する。
接合体を形成するためには、例えば2段階の加熱工程を行う。
第1の加熱工程では、まず、セラミック体の表面に接合部を形成するため、セラミック体の上にロウ材、次いで中間層となる銅箔を載置する。その後、真空状態の炉内で900〜1000℃付近の水素雰囲気中で第1の加熱工程を行い、セラミック体の上にロウ材層と中間層を形成する。なお、第1の加熱工程の処理温度は、中間層である銅の融点(1067℃)よりも低く、ロウ材層の融点よりも高い温度である。
第2の加熱工程では、例えばまず表面にNi−Pめっきの施された金属体を準備する。次に金属体のめっき層とセラミック体の表面に形成された銅箔とを重ね合わせ、真空状態の炉内で800〜900℃付近の水素雰囲気中で第2の加熱工程を行う。第2の加熱工程でめっき層は中間層と接合し、接合体を製造する事ができる。
接合体を形成するためには、例えば2段階の加熱工程を行う。
第1の加熱工程では、まず、セラミック体の表面に接合部を形成するため、セラミック体の上にロウ材、次いで中間層となる銅箔を載置する。その後、真空状態の炉内で900〜1000℃付近の水素雰囲気中で第1の加熱工程を行い、セラミック体の上にロウ材層と中間層を形成する。なお、第1の加熱工程の処理温度は、中間層である銅の融点(1067℃)よりも低く、ロウ材層の融点よりも高い温度である。
第2の加熱工程では、例えばまず表面にNi−Pめっきの施された金属体を準備する。次に金属体のめっき層とセラミック体の表面に形成された銅箔とを重ね合わせ、真空状態の炉内で800〜900℃付近の水素雰囲気中で第2の加熱工程を行う。第2の加熱工程でめっき層は中間層と接合し、接合体を製造する事ができる。
ここで、第1の加熱工程の後、一旦溶融したロウ材層は、中間層より上にはみ出し部を形成する場合がある。はみ出し部が形成された場合は、あらかじめ研磨などで除去することが望ましい。はみ出し部を除去することで、中間層と、金属体との間に挟まれたリン含有ニッケル層の中にロウ材層から分離したロウ材が入り込むことを防止できる。このため中間層と、金属体との間はリン含有ニッケル層で構成することができ、強い接合力を確保することができる。
また、第1の加熱工程および第2の加熱工程は水素雰囲気中にて加熱することで、各接合面に付着する不動態膜を除去することができるため、接合強度が強くなる。そして、第2の加熱工程の処理温度は第1の加熱工程の処理温度よりも小さいことが好ましく、ロウ材層の融点よりも小さいことがさらに好ましい。第2の加熱工程の処理温度が第1の加熱工程の処理温度より小さいと、第1の加熱工程で形成されたロウ材層が第2の加熱工程で溶融しにくくすることができる。第2の加熱工程の処理温度がロウ材層の融点より小さいと、第1の加熱工程で形成されたロウ材層は溶融しない。ロウ材層が溶融しないと、一旦形成された中間層とセラミック体との結合が維持され、接合体の寸法精度を高めることができる。
また、1段階の加熱工程で接合体を形成することもできる。
1段階の加熱工程で接合体を形成するには、セラミック体の上にロウ材、次いで中間層となる銅箔を載置した後、Ni−Pめっきの施された金属体のNi−Pめっき側が銅箔と接触するようにさらに重ね合わせる。
次に、加熱工程でロウ材層およびNi−Pめっきの融点より高い温度で加熱することにより接合体を得ることができる。
1段階の加熱工程で接合体を形成するには、セラミック体の上にロウ材、次いで中間層となる銅箔を載置した後、Ni−Pめっきの施された金属体のNi−Pめっき側が銅箔と接触するようにさらに重ね合わせる。
次に、加熱工程でロウ材層およびNi−Pめっきの融点より高い温度で加熱することにより接合体を得ることができる。
なお、リン含有ニッケル層は、金属体にあらかじめNi−Pめっきとして形成して得てもよいが、リン含有ニッケルのロウ材として中間層と金属体の間に挟んで形成してもよい。
次に、本実施形態の接合体の作用、効果について説明する。
本実施形態の接合体によれば、セラミック体20と金属体30とを接合層40で接合した接合体において、接合層40に銅からなる中間層41を設けた。そして、金属体30と中間層41との間にリン含有ニッケル層42を設け、セラミック体20と中間層41との間にロウ材層43を設けた。
このため、中間層41は金属から構成されており、セラミック体20と比較し縦弾性率(ヤング率)が低いので、ロウ付けの際に発生する熱歪みを塑性変形によって緩和することができる。すなわち、セラミック体20と金属体30との接合間に銅箔を入れることで、セラミックと金属との熱膨張差を段階的に小さくことができるので、接合信頼性を向上させることができる。
このため、中間層41は金属から構成されており、セラミック体20と比較し縦弾性率(ヤング率)が低いので、ロウ付けの際に発生する熱歪みを塑性変形によって緩和することができる。すなわち、セラミック体20と金属体30との接合間に銅箔を入れることで、セラミックと金属との熱膨張差を段階的に小さくことができるので、接合信頼性を向上させることができる。
特に銅は、高い耐熱性を有するとともに、酸化還元電位が大きいので、耐蝕性が高く、さらに縦弾性係数が低く、展性、延性に優れるので、中間層41の金属箔として好適である。
また、リン含有ニッケル層42(Ni−P)は融点が低く(約800℃)、ロウ材と同じ作用がある。さらには金属への濡れ性が良いため、金属へのなじみが良くなり、接合強度の向上を図ることができる。
また、リン含有ニッケル層42(Ni−P)は融点が低く(約800℃)、ロウ材と同じ作用がある。さらには金属への濡れ性が良いため、金属へのなじみが良くなり、接合強度の向上を図ることができる。
本実施形態の接合体において、ロウ材層43は、Ag−Cu−Ti系またはNiのロウ材である。Ag−Cu−Ti系のロウ材では、Tiを含有するので、セラミック体の表面を活性化させ、セラミック体との接合界面にセラミック体が炭化物ではTiCが生成されるので、セラミック体に対する接合能力を有する。このため、セラミックと金属の接合する部分に適用することにより、接合層40全体の接合強度を高めることができる。
また、Niのロウ材は、融点が990℃付近であり、一般的に利用されるロウ材の中では融点が高い材料である。そのため、ロウ材層を形成する際は高い温度で溶融して、ロウ材層を形成するため、熱拡散によってセラミック界面と接合しやすい状態となり、セラミック接合層全体の信頼性を高めることができる。
また、Niのロウ材は、融点が990℃付近であり、一般的に利用されるロウ材の中では融点が高い材料である。そのため、ロウ材層を形成する際は高い温度で溶融して、ロウ材層を形成するため、熱拡散によってセラミック界面と接合しやすい状態となり、セラミック接合層全体の信頼性を高めることができる。
本実施形態の接合体において、セラミック体20は、SiCである。
すなわち、SiCは、高強度で耐熱性を有しているので、金属体30と接合し、金属体30では対応できない部分で高い性能を発揮することができる。
すなわち、SiCは、高強度で耐熱性を有しているので、金属体30と接合し、金属体30では対応できない部分で高い性能を発揮することができる。
本実施形態の接合体において、セラミック体20は、シリコン含浸SiCである。
このため、SiCにシリコンを含浸することにより、熱伝導性を高めることができ、界面の温度差を小さくでき発生する熱応力を低減することができる。
このため、SiCにシリコンを含浸することにより、熱伝導性を高めることができ、界面の温度差を小さくでき発生する熱応力を低減することができる。
本実施形態の接合体において、金属体30は、ステンレスである。
ステンレスは、金属の中でも耐蝕性、耐熱性を備えた素材であるので、セラミック体20と組み合わせることにより、様々な用途で利用することができる。
ステンレスは、金属の中でも耐蝕性、耐熱性を備えた素材であるので、セラミック体20と組み合わせることにより、様々な用途で利用することができる。
本発明の接合体は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良などが可能である。
本発明の接合体は、セラミック体と金属体とを接合層で接合した接合体に用いることができ、例えば排ガスフィルタ、浄水フィルタ、熱交換器、セラミック配線基板として利用することができる。
20 セラミック体
30 金属体
40 接合層
41 中間層
42 リン含有ニッケル層
43 ロウ材層
30 金属体
40 接合層
41 中間層
42 リン含有ニッケル層
43 ロウ材層
Claims (6)
- 接合層で接合されたセラミック体と金属体との接合体であって、
前記接合層は、
銅からなる中間層と、
前記金属体と前記中間層とに挟まれたリン含有ニッケル層と、
前記セラミック体と前記中間層とに挟まれたロウ材層と、
からなることを特徴とする接合体。 - 前記ロウ材層は、Ag−Cu−Ti系またはNiのロウ材であることを特徴とする請求項1に記載の接合体。
- 前記セラミック体は、SiCであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接合体。
- 前記セラミック体は、シリコン含浸SiCであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の接合体。
- 前記金属体は、ステンレスであることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の接合体。
- 前記接合体は、熱交換器であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の接合体。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114072531A (zh) * | 2019-07-04 | 2022-02-18 | 日本碍子株式会社 | 铍铜合金接合体及其制造方法 |
-
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- 2014-10-30 JP JP2014221594A patent/JP2016088773A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114072531A (zh) * | 2019-07-04 | 2022-02-18 | 日本碍子株式会社 | 铍铜合金接合体及其制造方法 |
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