JP2016087986A - 樹脂基体及び樹脂基体の製造方法 - Google Patents

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渉 古市
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淳仁 長田
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Abstract

【課題】紫外線等による劣化を防止することのできる樹脂基体の提供。
【解決手段】樹脂材料からなる基材11と、基材11表面に形成されたセラミック層12とからなり、セラミック層12は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなる樹脂基体10。基材11は、ポリメチルメタクリレート又はポリカーボネートであり、セラミック層12は、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfNから選択された少なくとも一種からなるセラミック層である樹脂基体10。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂基体及び樹脂基体の製造方法に関する。
ポリカーボネート(PC)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)のような樹脂は、現在、前照灯及びサンルーフのような、多くの自動車の部品及び部材の製造において用いられている。
樹脂材料は、全体のデザイン及び形状の複雑さを増すことにより競争相手の自動車と差別化するのと同時に、機能性部品を成形されたプラスチックモジュールへ統合することによりウィンドウの組み立ての複雑さを低減する能力を与える。軽量プラスチックウィンドウモジュールの使用は、乗物のより低い重心(乗物のより良好な運転及び安全性)並びに改良された燃料経済の両方を容易にすることができる。又、プラスチックウィンドウモジュールは、転覆事故中の搭乗者の乗物内での保持を促進することにより、乗物の全体的な安全性を増大する。
特許文献1には、基層;第一表面及び第二表面を有する耐候性フィルム層であり、耐候性フィルム層の第一表面が基層に付着している耐候性フィルム層;及び耐候性フィルム層の第二表面に付着している耐磨耗性層を有するプラスチックパネルが記載されている。
具体的には、基層は、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホンもしくはコポリマーのような熱可塑性樹脂、又はいずれかの他の適する透明なプラスチック物質、あるいはそれらの混合物を含有する。
耐候性フィルム層は、アクリル系ポリマー、イオノマー系ポリマー、フルオロ系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シロキサン系ポリマー又はそれらのコポリマーの群から選ばれる。
耐磨耗性層は、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ホウ素、酸化ハフニウム、フッ化ランタン、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素、珪素オキシ窒化物、珪素オキシカーバイド、水素化珪素オキシカーバイド、炭化珪素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化錫、酸化イットリウム、酸化亜鉛、亜鉛セレニド、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム及びチタン酸ジルコニウムの群から選ばれる物質を含有する。
であることが記載されている。
この発明によれば、耐磨耗性層は、磨耗により生じる損傷から耐候性フィルム層及び基層を保護するのに有用であることが記載されている。
特表2008−531338号公報
特許文献1に記載されたプラスチックパネルは、耐候性フィルム層と耐摩耗性層をそれぞれ別に備えている。また、耐候性フィルム層が紫外線吸収分子を含有することにより、プラスチックパネルの耐候性を得ている。このため、耐候性フィルム層自体には有害な紫外線などが侵入することができる。このため、基層の劣化を防止することができても、耐候性フィルム層自体には、紫外線が進入するため、耐候性フィルム層の劣化は起こりうる。
そのため、プラスチックパネル全体として劣化を防止することはできない。
本発明は、上記のような問題点を踏まえてなされたものであり、紫外線等による劣化を防止することのできる樹脂基体を提供すること、及び、該樹脂基体を製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の樹脂基体は、
樹脂材料からなる基材と、上記基材表面に形成されたセラミック層とからなり、上記セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなることを特徴とする。
本発明の樹脂基体は、基材の表面にセラミック層が形成されている。セラミック材料は、エネルギーバンドギャップの作用により一般に短波長側の光を吸収しやすく紫外線を吸収することができ、セラミック層の厚さを適宜調整することにより、セラミック層だけで紫外線を吸収することができる。また、セラミック層は、樹脂材料と比較し圧倒的に硬いので、樹脂基体に耐摩耗性を同時に付与することができる。また、セラミック層だけで紫外線を吸収することができるので、樹脂基体を構成する樹脂材料に紫外線が届かず、紫外線による劣化を防止することができる。さらには、適宜セラミック層の種類等を調整することで紫外線に限定されず、可視光、赤外線に対しても光を減衰させることができる。
本発明の樹脂基体において、上記セラミック層は、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfNからなる群から選択された少なくとも一種からなるセラミック層であることが好ましい。
これらのセラミック層は、紫外線を吸収する能力を有している上に、充分な硬度を有している。
本発明の樹脂基体において、上記セラミック層は、SiCであることが好ましい。
SiCは、紫外線を吸収しやすい上に、セラミック材料としては、特に硬い部類の素材であるので、本発明の樹脂基体のセラミック層として好適に利用することができる。
本発明の樹脂基体において、上記セラミック層は、非晶質であることが好ましい。
セラミック層が非晶質であると、セラミック層の厚さが薄い場合でも紫外線を吸収する作用を発現できる。
本発明の樹脂基体において、上記基材は、ポリメチルメタクリレート又はポリカーボネートであることが好ましい。
これらの基材は、高い透光性を有している上に、複屈折がなく、充分な強度を有しているので、本発明の樹脂基体の基材として好適に利用することができる。
本発明の樹脂基体においては、上記基材と上記セラミック層が直接接していることが好ましい。
本発明の樹脂基体においては、セラミック層だけで紫外線を吸収し、耐摩耗性が付与されるので、基材とセラミック層とが直接接する単純な構成であっても、本発明の効果が充分に発揮される。
本発明の樹脂基体は、自動車用の窓、ミラー材、ランプカバー又はランプレンズであることが好ましい。
本発明の樹脂基体は、樹脂材料に影響を与えることなく紫外線などを減衰させること、充分な硬度を有していることから、自動車用の窓、ミラー材、ランプカバー又はランプレンズに利用することができる。
本発明の樹脂基体においては、上記セラミック層の厚さが5〜3000nmであることが好ましい。
セラミック層の厚さが上記範囲であると、紫外線を充分に吸収することができるため樹脂材料に紫外線の影響が及ぶことを防ぐことができる。また、耐摩耗性も充分に付与される。
本発明の樹脂基体の製造方法は、基材表面に炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックを物理蒸着により堆積させ、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなるセラミック層を形成することを特徴とする。
物理蒸着によりセラミック層を形成する場合、基材の温度が高温にならず、樹脂材料の耐熱温度以下の温度でセラミック層を形成することができるので、樹脂材料へのセラミック層の形成方法として適している。
本発明の樹脂基体の製造方法においては、上記物理蒸着は5〜200℃で行うことが好ましい。
上記温度であると、樹脂材料からなる基材に熱的ダメージを与えにくいため好ましい。
本発明の樹脂基体の製造方法において、上記物理蒸着は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、又は、イオンビーム蒸着により行われることが好ましい。
また、上記スパッタリングは、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、2極スパッタ法、反応性スパッタ法、又は、ECRスパッタ法であることが好ましい。
これらの方法により物理蒸着を行うことにより、セラミック層を基材の表面に形成することができる。特にスパッタリングにより物理蒸着が行われることが好ましい。
図1は、本発明の樹脂基体の一例を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明の樹脂基体及び樹脂基体の製造方法について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
はじめに、本発明の樹脂基体について説明する。
本発明の樹脂基体は、樹脂材料からなる基材と、上記基材表面に形成されたセラミック層とからなり、上記セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなることを特徴とする。
図1は、本発明の樹脂基体の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す樹脂基体10は、樹脂材料からなる基材11と、基材11の表面に形成されたセラミック層12とからなる。
基材11は樹脂材料であり、樹脂材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、PET樹脂、ポリスチレン、透明塩化ビニル樹脂等が挙げられ、これらの中でもポリメチルメタクリレート又はポリカーボネートであることが好ましい。
また、基材11とセラミック層12との密着性を良好にするため、サンドブラスト処理や化学薬品等の粗化処理を基材の表面に施してもよい。
上記粗化処理により形成される基材の表面の表面粗さRzJISは、0.3〜20μmが望ましい。上記した粗化面の表面粗さRzJISは、JIS B 0601(2001)で定義される十点平均粗さである。
上記基材の粗化面の表面粗さRzJISが0.3μm未満であると、基材の表面積が小さくなるため、基材とセラミック層との密着性が充分に得られにくくなる。一方、基材の粗化面の表面粗さRzJISが20μmを超えると、基材の表面にセラミック層が形成されにくくなる。これは、基材の粗化面の表面粗さRzJISが大きすぎると、基材の表面に形成された凹凸の谷の部分にセラミック層が形成されにくく、この部分に空隙が形成されるためであると考えられる。
なお、基材の粗化面の表面粗さRzJISは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−X200violet仕様)を用いて表面の輪郭曲線を測定した後、JIS B 0601(2001)に準拠して、走査距離は30μmとして測定することができる。
基材の形状は、特に限定されるものではなく、平板、半円筒、円筒状の他、その断面の外縁の形状は、楕円形、多角形等の任意の形状であってもよいが、自動車用の窓、ミラー材、ランプカバー又はランプレンズの形状であることが好ましい。
また、基材の厚さは、樹脂基体を使用する用途に応じて適切な厚さとすることができる。
板状の樹脂基体の基材として適切なmmオーダーの厚さでもよいし、フィルム状の樹脂基体の基材として適切なμmオーダーの厚さでもよい。なお、基材の厚さは不均一であってもよく、ランプレンズ、ランプレンズと一体化したランプカバーなどの場合には例えば中央の厚い凸形状となる。
本発明の樹脂基体では、基材11の表面にセラミック層12が形成されている。
セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなる。
炭化物系セラミックとしては、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC及びCr等が挙げられる。
また、窒化物系セラミックとしては、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfN等が挙げられる。
また、炭窒化物セラミックも、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックに含まれ、炭窒化物セラミックとしては、炭窒化タングステン等が挙げられる。
セラミック層は、これらの炭化物系セラミック及び窒化物系セラミックのうちの1種のみを含んでいてもよいし、2種以上の炭化物系セラミック及び窒化物系セラミックを含んでいてもよい。
これらの中でも硬度の高いセラミックが好ましく、ビッカース硬度が500〜10000HVであるセラミックが好ましい。
また、セラミック層はSiCであることが好ましい。
また、セラミック層は非晶質であることが好ましく、非晶質であるとセラミック層の厚さが薄い場合でも紫外線を吸収する作用を発現できる。
セラミック層の厚さは5〜3000nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。
セラミック層の厚さが上記範囲であると、紫外線を充分に吸収することができるため樹脂材料に紫外線の影響が及ぶことを防ぐことができる。また、耐摩耗性も充分に付与される。
セラミック層の厚さを3000nmを超えて厚くしても特性に大きな変化はなく、そのような厚さのセラミック層を形成することが難しく、時間もかかるため、樹脂基体の価格が高くなりすぎる。
セラミック層の厚さは、例えば、レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
基材の表面にセラミック層が形成された部分とセラミック層が形成されていない部分がある試料を準備し、基材の表面にセラミック層が形成された部分とセラミック層が形成されていない部分の境界の段差をまたぐようにレーザー顕微鏡を走査して、その段差の高さをセラミック層の厚さとして測定することができる。
上記測定用試料は、セラミック層の形成時に一部をマスキングしてセラミック層を形成することにより作製してもよいし、形成したセラミック層の一部を除去することによって作製してもよい。
次に、本発明の樹脂基体の製造方法について説明する。
本発明の樹脂基体の製造方法は、基材表面に炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックを物理蒸着により堆積させ、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなるセラミック層を形成することを特徴とする。
(1)基材の準備
はじめに、基材を準備する。
基材としては本発明の樹脂基体の説明で説明した樹脂材料を使用することができ、使用する用途に応じて任意の形状に切削加工、押出成形等により成形した材料を準備する。
また、基材の表面の不純物を除去するために洗浄処理を行うことが好ましい。
上記洗浄処理としては特に限定されず、従来公知の洗浄処理を用いることができ、具体的には、例えば、水やアルコール溶媒中で超音波洗浄を行う方法等を用いることができる。
また、スパッタリング装置内に基材を設置し、プラズマを発生させることによって基材の表面をプラズマ洗浄してもよい。この場合、プラズマ洗浄の後にそのままスパッタリングによりセラミック層の形成を行ってもよい。
また、上記洗浄処理後には、必要に応じて、基材の表面の粗さを調整したりするために、基材の表面に粗化処理を施してもよい。具体的には、例えば、サンドブラスト処理、エッチング処理等の粗化処理を施してもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
この粗化処理後に、さらに洗浄処理を行ってもよい。
基材表面の好ましい表面粗さ等については、既に説明したので、ここでは、その説明を省略する。
(2)セラミック層の形成
続いて、基材表面に炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなるセラミック層を形成する。
セラミック層の形成は、物理蒸着(PVD)により行うことができる。
物理蒸着によりセラミック層を形成する場合、基材の温度が高温にならず、樹脂材料の耐熱温度以下の温度でセラミック層を形成することができるので、樹脂材料へのセラミック層の形成方法として適している。
具体的には、物理蒸着を5〜200℃で行うことが好ましい。この温度はチャンバー内の設定温度であり、常温(25℃±15℃)であることも好ましい。なお、樹脂材料からなる基材が物理蒸着の熱で溶融しないよう適宜冷却して温度調整してもよい。
物理蒸着は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、又は、イオンビーム蒸着により行われることが好ましい。
これらの中でもスパッタリングにより行われることがより好ましく、スパッタリングは、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、2極スパッタ法、反応性スパッタ法、又は、ECRスパッタ法であることが好ましい。
特に、RF(交流、高周波)スパッタであることが好ましく、RFマグネトロンスパッタであることがより好ましい。
RFスパッタであると、絶縁体であるセラミックターゲットについてもスパッタリングが可能であり、マグネトロンスパッタとすることによって成膜速度を速くすることができる。
RFマグネトロンスパッタによる物理蒸着を行う場合には、スパッタリング装置にセラミック層の材料となるターゲットを設置して、基材をチャンバー内に載置し、チャンバー内をアルゴン雰囲気としてチャンバー内の圧力を例えば0.2〜1.2Paに減圧する。
そして、高周波電圧を印加してスパッタリングを所定時間行い、所定の厚さのセラミック層を基材上に形成する。
本発明の樹脂基体は、耐紫外線性及び耐摩耗性が必要な用途に使用することができ、特に自動車部品用途に好ましく用いることができる。
具体的には、自動車用の窓、ミラー材、ランプカバー又はランプレンズであることが好ましい。
自動車用の窓としては、前後左右の窓、ルーフ等が挙げられる。
また、基材のセラミック層が設けられた面の反対側の面に反射層を形成することにより、ミラー材として使用することができる。
ランプカバーとしてはヘッドランプカバー、スモールランプカバー、ウィンカーカバー、フォグランプカバー、テールランプカバー、ブレーキランプカバー、バックランプカバー、車内灯カバー等が挙げられる。
ランプレンズとしては、ヘッドランプレンズ、スモールランプレンズ、ウィンカーレンズ、フォグランプレンズ、テールランプレンズ、ブレーキランプレンズ、バックランプレンズ、車内灯レンズ等が挙げられ、ランプカバーと一体化したものであってもよい。
また、自動車部品用途以外の用途として、航空機、船舶、鉄道等の自動車以外の輸送用機器の窓、家屋、オフィスビル等の建築物の窓、航空機、船舶、鉄道、自転車、2輪車等の自動車以外の輸送用機器の各種ランプカバー、各種ランプレンズ、室内照明(LED照明、蛍光灯)、信号機、道路灯、歩道灯、防犯灯、公園灯等の各種照明のカバー等に使用することができる。
以下に、本発明の樹脂基体、及び、樹脂基体の製造方法の作用効果について列挙する。
(1)本発明の樹脂基体は、基材の表面にセラミック層が形成されている。セラミック材料は、エネルギーバンドギャップの作用により一般に短波長側の光を吸収しやすく紫外線を吸収することができ、セラミック層の厚さを適宜調整することにより、セラミック層だけで紫外線を吸収することができる。また、セラミック層は、樹脂材料と比較し圧倒的に硬いので、樹脂基体に耐摩耗性を同時に付与することができる。また、セラミック層だけで紫外線を吸収することができるので、樹脂基体を構成する樹脂材料に紫外線が届かず、紫外線による劣化を防止することができる。さらには、適宜セラミック層の種類等を調整することで紫外線に限定されず、可視光、赤外線に対しても光を減衰させることができる。
(2)本発明の樹脂基体の製造方法では、基材表面へのセラミック層の形成を物理蒸着によって行う。物理蒸着によりセラミック層を形成する場合、基材の温度が高温にならず、樹脂材料の耐熱温度以下の温度でセラミック層を形成することができるので、樹脂材料へのセラミック層の形成方法として適している。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、ポリカーボネート板(厚さ7mm)を準備した。
この基材表面に、ターゲットをSiCとして、RFマグネトロンスパッタ法を用いて、SiCからなるセラミック層を形成した。スパッタリング装置としては、SRV−4300シリーズ(神港精機製)を使用した。
チャンバー内の圧力は0.6Pa、電力500W、温度条件は常温とし、成膜速度8.6nm/minで狙い厚さ20nmのSiCからなるセラミック層を形成した。
作製された樹脂基体は、透明性を有しており、SiCからなるセラミック層を有しているので、紫外線を吸収することができ、かつ、耐摩耗性に優れたものである。
10 樹脂基体
11 基材
12 セラミック層

Claims (12)

  1. 樹脂材料からなる基材と、前記基材表面に形成されたセラミック層とからなり、前記セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなることを特徴とする樹脂基体。
  2. 前記セラミック層は、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfNからなる群から選択された少なくとも一種からなるセラミック層であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂基体。
  3. 前記セラミック層は、SiCであることを特徴とする請求項2に記載の樹脂基体。
  4. 前記セラミック層は、非晶質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂基体。
  5. 前記基材は、ポリメチルメタクリレート又はポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂基体。
  6. 前記基材と前記セラミック層が直接接していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂基体。
  7. 前記樹脂基体は、自動車用の窓、ミラー材、ランプカバー又はランプレンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂基体。
  8. 前記セラミック層の厚さが5〜3000nmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂基体。
  9. 基材表面に炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックを物理蒸着により堆積させ、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなるセラミック層を形成することを特徴とする樹脂基体の製造方法。
  10. 前記物理蒸着は5〜200℃で行うことを特徴とする請求項9に記載の樹脂基体の製造方法。
  11. 前記物理蒸着は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、又は、イオンビーム蒸着により行われることを特徴とする請求項9又は10に記載の樹脂基体の製造方法。
  12. 前記スパッタリングは、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、2極スパッタ法、反応性スパッタ法、又は、ECRスパッタ法であることを特徴とする請求項11に記載の樹脂基体の製造方法。
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