JP2016086796A - チューインガム及びその製造方法並びにチューインガム製造用取り粉 - Google Patents

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Abstract

【課題】裁断時の製造ラインへの付着が低減されたチューインガム及びその製造方法を提供すること及び裁断時の製造ラインへのチューインガムの付着を防止するための取り粉を提供する。【解決手段】微粒二酸化ケイ素を含むチューインガム。微粒二酸化ケイ素をガムベース及びチューインガム用添加剤とガムミキサーで混合する工程を含む、チューインガムの製造方法。ガムベース及びチューインガム用添加剤をガムミキサーで混合し、エクストルーダーで押し出し、微粒二酸化ケイ素を含む取り粉をチューインガムもしくは製造設備に適用後にチューインガムを裁断することを特徴とする、チューインガムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、チューインガム及びその製造方法並びにチューインガム製造用取り粉に関する。
チューインガムはガムベース、甘味料(糖類、高甘味度甘味料)、軟化剤、香料、着色料等をガムミキサーで混合する。そこから板状ガムであれば、エクストルーダーで板状に押し出し、圧延ロールで圧延し、ガムシートに成型する。シート状に成型したガムは、カッターロール等で裁断し、包装する。粒状ガムであれば、エクストルーダーで板状に押し出し、圧延ロールで圧延し、成型ロールで裁断し、包装もしくは糖衣工程を経て包装する。球状もしくはブロック状ガムであれば、エクストルーダーでロープ状に押し出し、カッター等で球状もしくはブロック状に裁断し、包装もしくは糖衣工程を経て包装する。
チューインガムの形状に関わらず、カッターロールや成型ロール等、ガム切断面と直接触れる箇所にはガム屑の付着・堆積が避けられず、裁断精度が落ちる、清掃頻度が増加する、堆積したガム屑が製品に付着・混入する等、生産性の低下が課題となっていた。
一般的に、チューインガム製造時の付着防止には、コーンスターチや粉糖等の取り粉を使用するが、この取り粉はガム平面部の付着防止には効果を示すが、切断部の付着を防止することはできなかった。
特に昨今主流である柔らかい性状のチューインガムは、水飴や軟化剤を多く含む、ガムベース中に乳化剤を多く含む等により、チューインガム組織の粘着性が増し、カッターロールや成型ロール等へのガム屑付着・堆積量が著しく増加傾向にある。
よって、チューインガム自体の付着性の低減や、付着防止効果の高い取り粉の開発が望まれていた。
本発明は、裁断時の製造ラインへの付着が低減されたチューインガム及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は裁断時の製造ラインへのチューインガムの付着を防止するための取り粉を提供することを目的とする。
本発明者は、以下のチューインガム及びその製造方法並びにチューインガム製造用取り粉を提供するものである。
項1. 微粒二酸化ケイ素を含むチューインガム。
項2. 微粒二酸化ケイ素をガムベース及びチューインガム用添加剤とガムミキサーで混合する工程を含む、チューインガムの製造方法。
項3. ガムベース及びチューインガム用添加剤をガムミキサーで混合し、エクストルーダーで押し出し、微粒二酸化ケイ素を含む取り粉をチューインガムもしくは製造設備に適用後にチューインガムを裁断することを特徴とする、チューインガムの製造方法。
項4. 微粒二酸化ケイ素を含むチューインガム製造用取り粉。
水飴の添加量を減らす、或いは還元パラチノースやマンニトールを添加もしくは増量すると、チューインガムが硬くなり、嗜好面では劣るチューインガムになるだけでなく、チューインガムの裁断機への付着は十分に抑制できなかった。
本発明で使用する微粒二酸化ケイ素は、チューインガムの製品設計に影響を及ぼさず、香味発現や噛み心地は良好であり、付着防止効果は劇的に向上する。
本明細書中の「微粒二酸化ケイ素」とは、食品添加物「微粒二酸化ケイ素」規格適合品が好ましく使用され、例えば数nm〜数十nmのシリカ粒子が化学結合によって三次元につながった網目構造をとったものが挙げられる。好ましい微粒二酸化ケイ素は、平均粒子径15μm以下の滑らかな触感を持つ白色の微細な粉末で、においが無く、味が無いものである(粒子径測定法は、レーザー回析散乱法等が用いられる)。微粒二酸化ケイ素の市販品としては、Carplex(登録商標)FPS-500(DSL.ジャパン株式会社)、AEROSIL(登録商標)200(日本アエロジル株式会社)、SYLOPAGE720(富士シリカ化学株式会社)などが挙げられる。
本発明のチューインガム製造用取り粉において、微粒二酸化ケイ素の配合量は、好ましくは0.01質量%以上100%質量%以下、より好ましくは1質量%以上50質量%以下、最も好ましくは5質量%以上15質量%以下である。微粒二酸化ケイ素の配合量がこのような範囲内にあれば、チューインガムの切断/裁断時にチューインガムが製造装置に付着するのを抑制できる。取り粉の微粒二酸化ケイ素以外の成分としては、コーンスターチ、ドライスターチ、粉糖、マンニトールなどが挙げられる。
本発明のチューインガムに含まれる微粒二酸化ケイ素の量は、チューインガムに対して、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、最も好ましくは0.3質量%以上0.8質量%以下である。微粒二酸化ケイ素の配合量がこのような範囲内にあれば、チューインガムの切断/裁断時にチューインガムが製造装置に付着するのを抑制できる。
チューインガムに含まれる微粒二酸化ケイ素は、チューインガムの表面に存在してもよく、チューインガムの内部に存在してもよい。微粒二酸化ケイ素がチューインガムの内部に練り込まれた場合であっても、チューインガムの製造装置への付着を防止することができる。
チューインガムは、微粒二酸化ケイ素とともにガムベース及びチューインガム用添加剤を含む。
本発明のガムベースは、ガムベース原料と乳化剤を含む。ガムベース原料としては、従来から用いられているガムベース原料を広く使用することができ、例えば、天然樹脂、酢酸ビニル樹脂、弾性体、ワックス類、無機質などが挙げられ、これらの原料を適宜単独若しくは複数組み合わせて用いられる。
天然樹脂としては、ガムベースに通常用いられる天然樹脂を広く使用することができ、例えばチクル、ジェルトン、ソルバ、ガタパーチャ、エステルガム等が挙げられる。これらの天然樹脂は単独でも組み合わせても良い。
酢酸ビニル樹脂としては、ガムベースに通常用いられる酢酸ビニル樹脂を広く使用することができ、例えば、重合度が100〜500の酢酸ビニル樹脂が挙げられる。
弾性体としては、ガムベースに通常用いられる弾性体を広く使用することができ、例えば、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブテン等が挙げられ、これらは単独でも組み合わせても良い。
ワックス類としては、ガムベースに通常用いられるワックス類を広く使用することができ、例えば、天然系のキャンデリラワックス、ライスワックス、カルナウバワックス、蜜蝋、石油系のマイクロクリスタリンワックス等が挙げられ、これらは単独でも組み合わせても良い。
無機質としては、ガムベースに通常用いられる無機質を広く使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられ、これらは単独でも組み合わせても良い。
ガムベースに用いる乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセライド等が挙げられ、これらは単独でも組み合わせてもよい。
本発明の好ましいガムベースは、ガムベース全体質量中、天然樹脂を0〜20質量%程度、酢酸ビニル樹脂を20〜35質量%程度、弾性体を20〜30質量%程度、ワックス類を10〜20質量%程度、無機質を10〜20質量%程度、乳化剤を5〜15質量%程度含むものである。
チューインガム用添加剤としては、通常チューインガムに添加されるガムベース以外の成分を広く包含し、特に限定されないが、例えば甘味料、香料、酸味料、着色料、軟化剤などが挙げられる。
本発明のチューインガムは、板ガム、粒ガム、ブロックガム、チューブ状ガム、棒状ガムなどの形状に成型し、包装してチューインガムの製品としてもよく、必要に応じて糖衣コーティングを施してチューインガムの製品としてもよい。
チューインガム組成物の全体質量中、ガムベースは、好ましくは15〜45質量%程度、より好ましくは20〜40質量%程度、さらに好ましくは25〜35質量%程度配合され、チューインガム用添加剤は、ガムベースと微粒二酸化ケイ素の残量で配合することができる。
甘味料は、本発明で使用する甘味料は糖類及び高甘味度甘味料が挙げられ、糖類にはシュガーガムの場合は砂糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖等の糖類、シュガーレスガムの場合はキシリトール、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、還元パラチノース等の糖アルコール類を用い、高甘味度甘味料にはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン、ネオテーム等を用いる。これらは単独でも組み合わせてもよい。
甘味料はチューインガム組成物の全体質量中、10〜83質量%程度、好ましくは25〜75質量%程度、より好ましくは50〜70質量%程度配合される。
軟化剤、酸味料、香料、着色料等、他の原料はガムベースの作用に悪影響を与えない限りは、チューインガム組成物の製品設計に応じて適宜調整すれば良い。
香料は、チューインガムの製造時に用いられる通常のものが広く使用でき、特に限定されないが、例えばオレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、マンダリン、タンジェリンなどのシトラス系香料、リンゴ、バナナ、チェリー、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、プラム、ラズベリー、ストロベリー、マスカットなどのフルーツ系香料;バニラ、コーヒー、ココア、チョコレートなどのビンズ系香料;ペパーミント、スペアミントなどのミント系香料;オールスパイス、シナモン、ナツメグなどのスパイス系香料;アーモンド、ピーナッツ、ウォルナッツなどのナッツ系香料;カニ、エビ、魚介類などの水産物系香料、メントール類、メントン、バニリン、エチルバニリン、桂皮酸、ピペロナール、d−ボルネオール、マルトール、エチルマルトール、カンフル、アントラニル酸メチル、シンナミックアルコール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、リモネン、リナロール、イソチオシアン酸アリル、その他の野菜、穀類、海草などの各種香料が挙げられる。これらの香料は1種単独で使用してもよく、または2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
酸味料としてはクエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、アスコルビン酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸等が挙げられる。
軟化剤としては、グリセリンなどが挙げられる。
本発明のチューインガムの第1の製造方法は、微粒二酸化ケイ素をガムベース及びチューインガム用添加剤とガムミキサーで混合し、板状ガムであれば、エクストルーダーで板状に押し出し、圧延ロールで圧延し、ガムシートに成型する。シート状に成型したガムは、カッターロール等で裁断し、包装する。粒状ガムであれば、エクストルーダーで板状に押し出し、圧延ロールで圧延し、成型ロールで裁断し、包装もしくは糖衣工程を経て包装する。球状もしくはブロック状ガムであれば、エクストルーダーでロープ状に押し出し、カッター等で球状もしくはブロック状に裁断し、包装もしくは糖衣工程を経て包装する。
本発明のチューインガムの第2の製造方法は、ガムベース及びチューインガム用添加剤をガムミキサーで混合し、板状ガムであれば、エクストルーダーで板状に押し出し、圧延ロールで圧延し、ガムシートに成型する。シート状に成型したガムは、本発明の取り粉をチューインガムもしくはその製造装置に適用/塗布し、カッターロール等で裁断し、包装する。粒状ガムであれば、エクストルーダーで板状に押し出し、圧延ロールで圧延し、本発明の取り粉をチューインガムもしくはその製造装置に適用/塗布し、成型ロールで裁断し、包装もしくは糖衣工程を経て包装する。
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜11
表1及び表3に示す配合で、ガムベース、甘味料(糖類、高甘味度甘味料)、軟化剤、酸味料、香料をガムミキサーに投入し、15分間混合の後に取り出し、エクストルーダーにて押し出し、圧延ロールで圧延し、カッターロール等で一般的な板状ガム(厚み1.9mm×長さ50mm×幅19mm、質量2g/枚)に裁断した。
比較例4ではステアリン酸カルシウムを、比較例6ではタルクを、比較例8では炭酸カルシウムを、比較例10では微結晶セルロースをガムベース、甘味料(糖類、高甘味度甘味料)、軟化剤、酸味料、香料と同時にガムミキサーに投入した。
実施例1、2、3及び6では微粒二酸化ケイ素をガムベース、甘味料(糖類、高甘味度甘味料)、軟化剤、酸味料、香料と同時にガムミキサーに投入した。次いで、常法に従い板状ガムを調製した。
取り粉調製法
実施例4及び6ではコーンスターチと微粒二酸化ケイ素をミキサーに投球し、10分間混合の後に取り出し、取り粉を得た。
実施例5では微粒二酸化ケイ素を、比較例5ではステアリン酸カルシウムを、比較例7ではタルクを、比較例9では炭酸カルシウムを比較例11では微結晶セルロースをそれぞれ単独で取り粉として使用した。
取り粉は、エクストルーダーにて押し出し時にチューインガムの表面(両面)に塗布し、圧延ロール、カッターロール、各所コンベアにも適宜塗布した。
過剰量な取り粉は集塵装置等で適宜除去し、最終製品に残る取り粉が表1及び3に示す配合になるよう調整した。
評価
得られたチューインガム1枚を専門パネラー5名に喫食させて、表2及び4に示す項目について官能評価を行った。
(1)製造機器への付着性
実施例1〜6に示す配合のチューインガムは、チューインガム製造工程において、製造設備各部位、特にガム屑の付着・堆積が課題となる裁断装置(カッターロール等)にガム屑の付着・堆積は見られなかった。
比較例3に示す配合のチューインガムは、取り粉を多量に塗布したことで、ガム表面の製造設備各部位への付着性低減にはやや効果は見られたが、カッターロール等による切断部へは十分な量の取り粉が行き渡らず、付着性低減の効果も見られなかった。これに対して、実施例4から6に示す配合のチューインガムは、取り粉に微粒二酸化ケイ素を配合しているが、付着性低減効果が見られ、少量であってもその効果が期待された。
(2)香味発現性
得られた実施例の最終製品の香味発現性は比較例1に対して、差異は確認されなかった。
(3)噛み心地
得られた実施例の最終製品の噛み心地は比較例1に対して、差異は確認されなかった。
Figure 2016086796
Figure 2016086796
Figure 2016086796
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*1:チューインガム製造時の製造機器へのガム屑付着性
◎ 全く付着しない
〇 ほぼ付着しない
△ 付着する
× かなり付着する
*2:チューインガム咀嚼時の香味発現性
◎ 比較例1と同等
〇 比較例1よりやや劣る
△ 比較例1より劣る
× 比較例1よりかなり劣る
*3:チューインガム咀嚼時の噛み心地
◎ 比較例1と同等
〇 比較例1よりやや劣る
△ 比較例1より劣る
× 比較例1よりかなり劣る

Claims (4)

  1. 微粒二酸化ケイ素を含むチューインガム。
  2. 微粒二酸化ケイ素をガムベース及びチューインガム用添加剤とガムミキサーで混合する工程を含む、チューインガムの製造方法。
  3. ガムベース及びチューインガム用添加剤をガムミキサーで混合し、エクストルーダーで押し出し、微粒二酸化ケイ素を含む取り粉をチューインガムもしくは製造設備に適用後にチューインガムを裁断することを特徴とする、チューインガムの製造方法。
  4. 微粒二酸化ケイ素を含むチューインガム製造用取り粉。
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