JP2016083770A - 切削加工方法及び切削加工装置、光学部材の製造方法 - Google Patents

切削加工方法及び切削加工装置、光学部材の製造方法 Download PDF

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裕一 白石
宗容 大久保
Munekata OKUBO
宗容 大久保
松本 周三
Shuzo Matsumoto
周三 松本
冬林 李
Donglin Li
冬林 李
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Abstract

【課題】対象物の厳しい要求寸法を満足させることができる切削加工方法及び切削加工装置を提供する。【解決手段】対象物の端面を切削する切削加工方法であって、回転軸と、対象物の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を準備し、回転軸を中心に切削刃を回転させ、回転する切削刃を対象物の端面に接触させることによって対象物の端面を切削する切削加工処理のバッチを所定回数行い、その後に切削部材の過熱状態を示す所定のパラメータを測定し、次バッチの切削加工処理によって得られる対象物の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、次バッチの切削加工処理を行う前に、次バッチで切削加工処理される対象物の端面と切削刃との相対位置を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、切削加工方法及び切削加工装置、光学部材の製造方法に関する。
従来、対象物の端面を切削加工する切削加工方法として、特許文献1に記載の切削加工方法が知られている。特許文献1の切削加工方法は、偏光板等の光学部材の端面を切削加工するものであり、回転する切削刃により形成される切削領域を、光学部材の端面に接触させて切削加工を行うに際し、その切削領域の中でも所定の仮想線から離れている部分を光学部材の端面に接触させている。この方法によれば、切削刃による押し下げ作用が緩和され、光学部材の端面を良好な状態に仕上げることができる。
特許第4954662号公報
ところで、従来は製品規格の許容範囲が広く、例えば偏光板の外形寸法公差は±0.15mmであった。そのため、偏光板の端面の切削加工時における偏光板の外形寸法の変化幅は製品規格の許容範囲内に収まり、要求寸法を満足させる偏光板を得ることができた。
しかし、近年では、液晶表示装置の狭額縁化に伴い、偏光板の外形寸法の変化幅への要求が厳しくなっており、例えば近年要求されている偏光板の外形寸法公差は−0.05mm以上且つ+0.05mm以下である。そのため、特許文献1に記載されているような従来の方法により偏光板の端面を単に切削加工したのでは、偏光板の外形寸法の変化幅が製品規格の許容範囲を超えてしまい、近年の厳しい要求寸法を満足させることが困難となっている。
本発明者の知見によれば、光学部材の端面の切削加工において、切削部材を所定の時間使用すると、光学部材の外形寸法が徐々に小さくなる現象が確認された。本願発明者は、鋭意研究の結果、その原因の一つは、回転軸の回転駆動や回転軸とベアリングとの摩擦等の影響による回転軸の熱膨張であることを突き止め、本発明に至った。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、対象物の厳しい要求寸法を満足させることができる切削加工方法及び切削加工装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)本発明の第一の態様に係る切削加工方法は、対象物の端面を切削する切削加工方法であって、回転軸と、前記対象物の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を準備し、前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記対象物の端面に接触させることによって前記対象物の端面を切削し、所定回数の切削加工処理バッチが完了した後に前記切削部材の過熱状態を示す所定のパラメータを測定し、次バッチの切削加工処理を始める前に、前記次バッチで切削加工処理される対象物の端面と前記切削刃との相対位置を前記所定のパラメータに基づいて調整することを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の切削加工方法では、前記次バッチの切削加工処理によって得られる対象物の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、前記次バッチで切削加工処理される対象物の端面と前記切削刃との相対位置を調整するとよい。(3)上記(1)または(2)に記載の切削加工方法では、前記所定のパラメータとして、切削加工後の前記回転軸の熱膨張量を測定してもよい。
(4)上記(1)または(2)に記載の切削加工方法では、前記所定のパラメータとして、切削加工後の前記回転軸の周囲の温度を測定し、測定した前記温度に対応する前記回転軸の熱膨張量のデータに基づいて前記調整を行ってもよい。
(5)上記(4)に記載の切削加工方法では、前記回転軸はベアリングにより回転自在に支持されており、前記回転軸及び前記ベアリングの双方はカバーで覆われており、前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、前記回転軸の周囲の温度として、前記カバーの温度を測定してもよい。
(6)本発明の第二の態様に係る切削加工方法は、対象物の端面を切削する切削加工方法であって、回転軸と、前記対象物の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を準備し、前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記対象物の端面に接触させることによって前記対象物の端面を切削する切削加工方法であり、前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却することを特徴とする。
(7)上記(6)に記載の切削加工方法では、前記対象物の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却するとよい。
(8)上記(6)または(7)に記載の切削加工方法では、前記回転軸はベアリングにより回転自在に支持されており、前記回転軸及び前記ベアリングの双方はカバーで覆われており、前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、前記冷却は、冷却剤による前記カバーの外部冷却により行ってもよい。
(9)上記(6)又は(7)に記載の切削加工方法では、前記回転軸はベアリングにより回転自在に支持されており、前記回転軸及び前記ベアリングの双方はカバーで覆われており、前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、前記冷却は、前記カバーに空冷ユニットで冷却風を吹き付けることにより行ってもよい。
(10)本発明の第三の態様に係る切削加工方法は、対象物の端面を切削する切削加工方法であって、回転軸と、前記対象物の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を準備し、前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記対象物の端面に接触させることによって前記対象物の端面を切削する切削加工方法であり、前記回転軸の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで前記回転軸を予め加熱しておくことを特徴とする。
(11)上記(10)に記載の切削加工方法では、前記対象物の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、前記回転軸の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで前記回転軸を予め加熱しておくとよい。
(12)上記(10)または(11)に記載の切削加工方法では、前記加熱は、前記対象物の切削加工処理を行う前に前記回転軸を空転させることにより行ってもよい。
(13)本発明の第一の態様に係る切削加工装置は、対象物の端面を切削する切削加工装置であって、回転軸と、前記対象物の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を含み、前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記対象物の端面に接触させることによって前記対象物の端面を切削する加工装置と、所定回数の切削加工処理バッチが完了した後に前記切削部材の過熱状態を示す所定のパラメータに基づいて、次バッチの切削加工処理を始める前に、前記次バッチで切削加工処理される対象物の端面と前記切削刃との相対位置を調整する制御を行う制御装置と、を含むことを特徴とする。
(14)上記(13)に記載の切削加工装置では、前記制御装置は、前記次バッチの切削加工処理によって得られる対象物の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、前記端面と前記切削刃との相対位置を調整するとよい。
(15)上記(13)または(14)に記載の切削加工装置では、前記所定のパラメータとして、切削加工後の前記回転軸の熱膨張量を測定する寸法センサーをさらに含んでいてもよい。
(16)上記(13)または(14)に記載の切削加工装置では、前記所定のパラメータとして、切削加工後の前記回転軸の周囲の温度を測定する温度センサーをさらに含み、前記制御装置は、前記温度センサーの測定結果に対応する前記回転軸の熱膨張量のデータに基づいて前記調整を行ってもよい。
(17)上記(16)に記載の切削加工装置では、前記回転軸を回転自在に支持するベアリングと、前記回転軸及び前記ベアリングの双方を覆うカバーと、をさらに含み、前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、前記温度センサーは、前記回転軸の周囲の温度として、前記カバーの温度を測定してもよい。
(18)本発明の第二の態様に係る切削加工装置は、対象物の端面を切削する切削加工装置であって、回転軸と、前記対象物の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を含み、前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記対象物の端面に接触させることによって前記対象物の端面を切削する加工装置と、前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却する制御を行う制御装置と、を含むことを特徴とする。
(19)上記(18)に記載の切削加工装置では、前記対象物の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却する制御を行うとよい。
(20)上記(18)または(19)に記載の切削加工装置では、前記回転軸を回転自在に支持するベアリングと、前記回転軸及び前記ベアリングの双方を覆うカバーと、冷却剤により前記カバーの外部冷却が可能な冷却ユニットと、をさらに含み、前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、前記制御装置は、前記カバーの外部冷却を行う前記冷却ユニットの制御を行ってもよい。
(21)上記(18)又は(19)に記載の切削加工装置では、前記回転軸を回転自在に支持するベアリングと、前記回転軸及び前記ベアリングの双方を覆うカバーと、前記カバーに冷却風を吹き付け可能な空冷ユニットと、をさらに含み、前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、前記制御装置は、前記カバーに冷却風を吹き付ける空冷ユニットの制御を行ってもよい。
(22)本発明の第三の態様に係る切削加工装置は、対象物の端面を切削する切削加工装置であって、回転軸と、前記対象物の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を含み、前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記対象物の端面に接触させることによって前記対象物の端面を切削する加工装置と、前記回転軸の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで前記回転軸を予め加熱しておく制御を行う制御装置と、を含むことを特徴とする。
(23)上記(22)に記載の切削加工装置では、前記制御装置は、前記対象物の外形寸法が製品規格によって定められる管理範囲を超えた外形寸法とならないように、前記回転軸の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで前記回転軸を予め加熱する制御を行うとよい。
(24)上記(22)または(23)に記載の切削加工装置では、前記制御装置は、前記加熱として、前記対象物の切削加工処理を行う前に前記回転軸を空転させる制御を行ってもよい。
本発明によれば、対象物の厳しい要求寸法を満足させることができる切削加工方法及び切削加工装置を提供することができる。
第1実施形態に係る切削加工装置を示す斜視図である。 切削部材の側面図である。 回転軸、ベアリング及びカバーの配置関係を示す模式図である。 回転体を取り付ける前の切削加工装置を示す斜視図である。 回転体を取り付けた後の切削加工装置を示す斜視図である。 第1実施形態に係る切削加工方法を説明するための図である。 バッチ数と積層体の外形寸法の基準値からのずれ量との関係を示す図である。 寸法センサーを示す斜視図である。 寸法センサー及び切削部材の配置関係を示す模式図である。 比較例に係る積層体の外形寸法の変化を示す図である。 第1実施形態に係る光学部材の長辺方向における積層体の外形寸法の変化を示す図である。 第1実施形態に係る光学部材の短辺方向における積層体の外形寸法の変化を示す図である。 温度センサーを示す斜視図である。 カバーの温度と回転軸の熱膨張量との関係を示す熱膨張テーブルの作成方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る光学部材の長辺方向における積層体の外形寸法の変化を示す図である。 第2実施形態に係る光学部材の短辺方向における積層体の外形寸法の変化を示す図である。 冷却部材を示す斜視図である。 ブロワーを示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る切削加工方法に用いる切削加工装置1を示す斜視図である。
切削加工装置1は、対象物の端面を切削加工するものである。本実施形態では、対象物として、光学部材Fを複数枚重ね合わせた直方体状の積層体Wの端面Waを切削対象としている。これにより、複数枚の光学部材Fの端面はまとめて切削加工される。例えば、積層体Wは、長尺状の単層シート又は積層シートの原反を矩形形状に打ち抜き加工することによって得られる。尚、切削対象は積層体Wに限らず、1枚の光学部材Fであってもよい。また、対象物としては、積層体Wの他にも、種々の部材を切削対象とすることができる。
積層体Wを構成するシートは、ポリビニルアルコール系フィルム、トリアセチルセルロースフィルムに代表されるセルロース系フィルム、エチレン−酢酸ビニル系のフィルムなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。複数層の光学フィルムから構成される偏光板は、一枚の厚さが厚いため、多量のフィルムの端面加工が可能な本発明の切削加工装置1の切削対象として好ましい。
図1に示すように、切削加工装置1は、加工装置(例えば本実施形態では第1加工装置2及び第2加工装置3)と、移動装置4と、第1位置調整装置5と、第2位置調整装置6と、制御装置7と、を備えている。
第1加工装置2と第2加工装置3とは、移動装置4を挟んで対向して配置されている。第1加工装置2及び第2加工装置3の各々における移動装置4の側には、積層体Wの端面Waを切削する切削部材20が配置されている。第1加工装置2及び第2加工装置3の双方の切削部材20を回転させることにより、積層体Wの4つの端面Waのうち2つの端面Waを同時に一括して切削加工することができる。
以下、切削部材20の構成について説明する。
図2は、切削部材20の側面図である。
図2に示すように、切削部材20は、積層体Wの端面Wa(図1参照)の法線方向に沿って延在する回転軸21と、回転軸21を中心として回転する回転体22と、回転軸21を支持する支持台23と、回転体22に設けられた複数の切削刃(例えば本実施形態では第1切削刃24a、第2切削刃24b、第3切削刃24c、第4切削刃24d、第5切削刃24e及び第6切削刃24fの6つの切削刃)と、を備えている。以下の説明においては、第1切削刃24a、第2切削刃24b、第3切削刃24c、第4切削刃24d、第5切削刃24e及び第6切削刃24fを総称して「切削刃24」と称することがある。
回転体22は、回転軸21に固定されており、回転軸21を中心として一方向に回転する。回転体22は、回転軸21に対して垂直な設置面22aを有する。尚、回転体22は、円盤形状であるが、当該形状に限定されるものではない。
例えば、回転体22の直径は250mm程度である。直、回転体22の直径は、これに限らず、一例として150mm以上600mm以下とすることができる。
切削刃24は、回転体22の設置面22aに設けられている。切削刃24は、設置面22aから積層体Wの端面Wa(図1参照)の側に突出している。
切削刃24a〜24cは、この順に設置面22aからの突出量が大きくなっている。第1切削刃24aは、回転軸21からの距離が最も長くかつ設置面22aからの突出量が最も小さく、第3切削刃24cは、回転軸21からの距離が最も短くかつ設置面22aからの突出量が最も大きい。
第1切削刃24a、第2切削刃24b、第4切削刃24d及び第5切削刃24eは、荒削り用の切削刃であり、多結晶ダイヤモンドからなる。一方、第3切削刃24c及び第6切削刃24fは、仕上げ用の切削刃であり、単結晶ダイヤモンドからなる。尚、上記材質は切削刃の材質として好ましい形態として選定され、積層体Wの端面Wa(図1参照)を切削加工するのに適した材質であれば、これらに限定されるものではない。
尚、本実施形態では、切削刃の個数は6つであるが、これに限らず、回転軸21から切削刃までの距離等の様々な条件に応じて適宜変更することができる。ただし、加工効率の観点からは、切削刃の個数は回転軸21から切削刃までの距離が長いほど多くするのが好ましい。また、切削刃の配置は特に限定されるものではないが、加工効率の観点からは、回転軸21から等距離に複数個の切削刃が所定の間隔で配置されることが好ましい。
切削刃の形状は特に限定されるものではなく、円柱状や角柱状、断面が台形をなす柱状、半球状等であってもよい。切削刃の形状や大きさは、光学部材の寸法や要求される加工効率等によって適宜設定することができる。また、切削刃は、積層体Wの端面Wa(図1参照)の側に突出して設けられていれば、回転軸21の軸方向に対して傾斜していてもよい。
図3は、回転軸21、ベアリング25及びカバー26の配置関係を示す模式図である。図3においては、便宜上、切削部材20を構成する回転体22、支持台23、切削刃24の図示を省略している。
図3に示すように、切削加工装置1(図1参照)は、回転軸21を回転自在に支持するベアリング25と、回転軸21及びベアリング25の双方を覆うカバー26と、を備えている。回転軸21とカバー26とは、ベアリング25を介して熱伝導可能に構成されている。例えば、回転軸21の材質はクロムモリブデン鋼であり、ベアリングの材質は高炭素クロム鋼であり、カバー26の材質は普通鋳鉄である。
図4は、回転体22を取り付ける前の切削加工装置1を示す斜視図である。
図5は、回転体22を取り付けた後の切削加工装置1を示す斜視図である。
図4に示すように、回転体22(図5参照)を取り付ける前には、カバー26の一端部から回転軸21の一端部21aが突出している。
図5に示すように、カバー26の一端部から突出した回転軸21の一端部21a(図4参照)には、回転体22が取り付けられる。
図1に戻り、移動装置4は、基台40と、基台40上に設けられた門形のフレーム41と、基台40上に設けられた円板状のテーブル42と、テーブル42上に配置された第1押さえ部材43と、フレーム41の基台40側に設けられたシリンダ44と、シリンダ44のロッドの先端に取り付けられた第2押さえ部材45と、を備えている。
移動装置4は、積層体Wを切削部材20に対して積層体Wの端面Waの長手方向と平行な方向Vに移動させる。
テーブル42は、第1押さえ部材43をテーブル42の中心軸の回りに回転可能である。シリンダ44は、第2押さえ部材45を上下移動可能である。積層体Wは、第1押さえ部材43と第2押さえ部材45との間に挟まれて固定される。
基台40は、第1加工装置2と第2加工装置3との間を通過するように移動可能である。切削に当たっては、第1押さえ部材43及び第2押さえ部材45によって積層体Wを固定する。このとき、積層体Wの両端面の法線方向と第1加工装置2及び第2加工装置3の各々の回転軸21の延在方向とを一致させる。そして、回転体22を回転させ、積層体Wが第1加工装置2と第2加工装置3との間を通過するように基台40を移動させる。基台40は、不図示の移動機構により、切削対象となる積層体Wの端面Waの長手方向と平行な方向Vに移動される。
回転体22の回転に伴い、回転体22の設置面22aに設けられた切削刃24が回転し、切削刃24が積層体Wの端面Waと接することで、端面Waを切削する。
この際、まず、回転体22の最も外側に位置する第1切削刃24a及び第4切削刃24dが積層体Wに接し、その端面Waを切削する。基台40が進行すると、続いて第1切削刃24a及び第4切削刃24dよりも内側に設けられた第2切削刃24b及び第5切削刃24eが積層体Wに接し、その端面Waを切削する。第2切削刃24b及び第5切削刃24eは第1切削刃24a及び第4切削刃24dよりも突出量が大きいので、第1切削刃24a及び第4切削刃24dにより切削された端面Waを、さらに深く切削する。このようにして、第1切削刃24a、第2切削刃24b、第4切削刃24d及び第5切削刃24eが積層体Wの端面Waを徐々に深く切削していく。最後に、仕上げ用の第3切削刃24c及び第6切削刃24fが積層体Wの端面Waを切削し、鏡面仕上げをする。このように一組の向かい合う端面Waの処理が完了した後、テーブル42を90°回転させ、他の端面Waを処理する。
第1位置調整装置5は、第1加工装置2の位置を調整するものである。具体的には、第1位置調整装置5は、第1加工装置2を、積層体Wを構成する光学部材Fの短手方向と平行な方向Vfにのみ移動させる。
第2位置調整装置6は、第2加工装置3の位置を調整するものである。具体的には、第2位置調整装置6は、第2加工装置3を、方向Vfにのみ移動させる。
制御装置7は、第1位置調整装置5、第2位置調整装置6を統括制御する。制御装置7は、第1位置調整装置5及び第2位置調整装置6の制御を行い、第1加工装置2及び第2加工装置3の各々を、方向Vfにのみ移動させる。
以下、本実施形態に係る切削加工方法について説明する。
(切削加工方法)
本実施形態に係る切削加工方法は、光学部材Fを複数枚重ね合わせた積層体Wの端面Wa(図1参照)の切削加工方法であり、図1で示した切削加工装置1を用いて行われる。
図6は、本実施形態に係る切削加工方法を説明するための図である。
図6は、切削部材20による積層体Wの端面Waの切削加工を示す図である。
図6に示すように、本実施形態に係る切削加工方法は、回転体22を右回りに回転させつつ積層体Wの端面Waの長手方向と平行な方向Vに移動させることにより、積層体Wの端面Waを切削する。
尚、回転体22の回転方向は図6に示した方向(右回り)に限らず、回転体22を左回りに回転させつつ積層体Wの端面の長手方向と平行な方向Vに移動させることにより、積層体Wの端面Waを切削してもよい。
ところで、従来は製品規格の許容範囲が広く、例えば偏光板の外形寸法公差は±0.15mmであった。そのため、偏光板の端面の切削加工時における偏光板の外形寸法の変化幅は製品規格の許容範囲内に収まり、要求寸法を満足させる偏光板を得ることができた。
しかし、近年では、液晶表示装置の狭額縁化に伴い、偏光板の外形寸法の変化幅への要求が厳しくなっており、例えば近年要求されている偏光板の外形寸法公差は−0.05mm以上且つ+0.05mm以下である。そのため、偏光板の端面を単に切削加工するだけでは、切削加工時の偏光板の外形寸法の変化幅が製品規格の管理範囲を超えてしまい、近年の厳しい要求寸法を満足させることが困難となっている。
図7は、バッチ数と積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量との関係を示す図である。
ここで、バッチ数とは、積層体Wの端面Waを切削加工処理した回数を意味し、1バッチは、1つの積層体Wの4つの端面Waをそれぞれ1回ずつ切削加工する処理を意味する。例えば、積層体Wの4つの端面Waのうち2つの端面Waを同時に一括して切削加工する場合、先ず、光学部材Fの長手方向における積層体Wの2つの端面Waを切削加工し、次に、テーブル42を90°回転させ、光学部材Fの短手方向における積層体Wの残りの2つの端面Waを切削加工することにより、1バッチが完了する。
図7においては、光学部材Fの長辺方向における積層体Wの外形寸法の変化を実線で示し、光学部材Fの短辺方向における積層体Wの外形寸法の変化を破線で示す。図7において、横軸はバッチ数[個]である。縦軸は積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量[mm]である。
図7に示すように、従来の方法で、積層体Wの端面Waの切削加工をすると、バッチ数を増やすに従って光学部材Fの長辺方向及び短辺方向の各々において積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量が大きくなる。そのため、このままバッチ数を増やし続けたのでは、切削加工時の偏光板の外形寸法の変化幅が製品規格の管理範囲(例えば偏光板の外形寸法公差:±0.05mm)を超えてしまう。図7では、バッチ数が22個以上から、切削加工時の偏光板の外形寸法の変化幅が、偏光板の外形寸法公差:±0.05mmを超えているのが分かる。
本発明者の知見によれば、光学部材Fの端面の切削加工において、回転体22を所定の時間回転させると、光学部材Fの外形寸法が徐々に小さくなる現象が確認された。本発明者は、鋭意研究の結果、その原因の一つは、回転軸21の回転駆動や回転軸21とベアリング25との摩擦等の影響による回転軸21の熱膨張であることを突き止め、以下の切削加工方法を発明するに至った。
本実施形態に係る切削加工方法は、積層体Wの端面Waを切削する切削加工方法であって、積層体Wの端面Waの法線方向に沿って延在する回転軸21と、積層体Wの端面Wa側に突出する切削刃24と、を有する切削部材20を準備し、回転軸21を中心に切削刃24を回転させ、回転する切削刃24を積層体Wの端面Waに接触させることによって積層体Wの端面Waを切削する切削加工処理のバッチを所定回数行い、その後に切削部材20の過熱状態を示す所定のパラメータを測定し、次バッチの切削加工処理を始める前に、次バッチで切削加工処理される積層体Wの端面Waと切削刃24との相対位置を前記所定のパラメータに基づいて調整する。
本実施形態に係る制御装置7は、所定回数の切削加工処理バッチが完了した後に切削部材20の過熱状態を示す所定のパラメータに基づいて、次バッチの切削加工処理によって得られる積層体Wの外形寸法が製品規格によって定められる許容範囲を超えた外形寸法とならないように、次バッチの切削加工処理を始める前に、次バッチで切削加工処理される積層体Wの端面Waと切削刃24との相対位置を調整する制御を行う。
ここで、所定回数の切削加工処理バッチは、1回以上であり、好ましくは1回以上100回以下であり、より好ましくは1回以上50回以下であり、さらに好ましくは1回以上20回以下である。
また、切削部材20の過熱状態を示す所定のパラメータとは、回転軸21の回転駆動や回転軸21とベアリング25との摩擦等の影響によって回転軸21が熱膨張するときの回転軸21の熱膨張量を示す値を意味する。
本実施形態では、所定のパラメータとして、切削加工後の回転軸21の熱膨張量を測定する。
図8は、寸法センサー30を示す斜視図である。
図9は、寸法センサー30及び切削部材20の配置関係を示す模式図である。
図9においては、便宜上、切削部材20を構成する回転軸21及び支持台23の図示を省略し、回転体22及び切削刃24を図示している。
図8に示すように、本実施形態では、切削加工後の回転軸21の熱膨張量を寸法センサー30を用いて測定する。寸法センサー30としては、例えば、非接触式の寸法測定器を用いることができる。
図9に示すように、カバー26の一部には、カバー26を貫通する孔26hが形成されている。孔26hは、回転体22の切削刃24が設けられた側とは反対側の面(以下、回転体22の裏面と称する場合がある。)と対向して配置されている。
寸法センサー30のレーザー光射出面30aは、回転体22の裏面の法線方向から見て、孔26hと重なる位置に配置されている。レーザー光射出面30aからは回転体22の裏面に向けてレーザー光が射出される。寸法センサー30は、レーザー光射出面30aと回転体22の裏面との間のレーザー光の折り返し距離を測定する。これにより、切削加工後の回転軸21の熱膨張量が、回転体22の方向Vfにおける変位量として測定される。
制御装置7は、寸法センサー30の測定結果に基づいて、第1位置調整装置5及び第2位置調整装置6の制御を行い、第1加工装置2及び第2加工装置3の各々を方向Vfにのみ移動させる。
本実施形態に係る切削加工方法は、所定回数の切削加工処理バッチが完了した後に、寸法センサー30により切削加工後の回転軸21の熱膨張量として回転体22の方向Vfにおける変位量を測定し、次バッチの切削加工処理によって得られる積層体Wの外形寸法が製品規格によって定められる許容範囲を超えた外形寸法とならないように、次バッチの切削加工処理を始める前に、制御装置7により次バッチで切削加工処理される積層体Wの端面Waと切削刃24との方向Vfにおける相対位置を調整する。
以下、バッチ数と積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量との関係について図10〜図12を用いて説明する。
図10は、比較例に係る光学部材Fの長辺方向における積層体Wの外形寸法の変化を示す図である。
図11は、本実施形態に係る光学部材Fの長辺方向における積層体Wの外形寸法の変化を示す図である。
図12は、本実施形態に係る光学部材Fの短辺方向における積層体Wの外形寸法の変化を示す図である。
図10〜図12において、横軸はバッチ数[回]である。縦軸は積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量[mm]である。「最大値」は1バッチの中でのずれ量のバラツキのうち最も大きい値、「最小値」は1バッチの中でのずれ量のバラツキのうち最も小さい値、「平均値」は1バッチの中でのずれ量のバラツキを平均した値、である。尚、比較例においては、端面Waと切削刃24との方向Vfにおける相対位置を調整していない。
比較例においては、図10に示すように、積層体Wの端面Waの切削加工をすると、バッチ数を増やすに従って積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量が大きくなる。そのため、このままバッチ数を増やし続けたのでは、切削加工時の偏光板の外形寸法の変化幅が製品規格の管理範囲(例えば:±0.05mm)を超えてしまう。図10では、バッチ数が4回以上から、切削加工時の偏光板の外形寸法の変化幅が、製品規格の管理範囲(例えば:±0.05mm)を超えているのが分かる。
これに対し、本実施形態では、所定回数の切削加工処理バッチが完了した後に、切削加工後の回転軸21の熱膨張量として回転体22の方向Vfにおける変位量を測定し、次バッチの切削加工処理によって得られる積層体Wの外形寸法が製品規格によって定められる管理範囲(例えば:±0.05mm)を超えた外形寸法とならないように、次バッチの切削加工処理を始める前に、次バッチで切削加工処理される積層体Wの端面Waと切削刃24との方向Vfにおける相対位置を調整している。
図11では、積層体Wの端面Waの切削加工バッチの一回ごとに、ずれ量を相殺する方向に切削部材20の設定位置を移動させることにより、光学部材Fの長辺方向において積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量が管理範囲を超えないようにし、要求寸法を満足させている。
図12では、積層体Wの端面Waの切削加工バッチの一回ごとに、ずれ量を相殺する方向に切削部材20の設定位置を移動させることにより、光学部材Fの短辺方向において積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量が管理範囲を超えないようにし、要求寸法を満足させている。
以上説明したように本実施形態によれば、切削部材20の設定位置を所定のタイミングで移動させることにより、要求寸法を満足した光学部材Fを得ることができる。
また、切削加工後の回転軸21の熱膨張量として寸法センサー30を用いて回転体22の方向Vfにおける変位量を測定しているため、切削部材20の必要な移動量を精度よく得ることができる。
尚、本実施形態では、移動装置4が積層体Wを切削部材20に対して積層体Wの端面Waの長手方向と平行な方向Vに移動させる例を挙げて説明したが、これに限らない。移動装置が切削部材を積層体の端面に対して積層体の端面の長手方向と平行な方向に移動させてもよい。すなわち、移動装置は切削部材を積層体の端面に対して積層体の端面の長手方向と平行な方向に相対移動させる構成であればよい。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る切削加工方法について説明する。
本実施形態では、所定のパラメータとして、切削加工後の回転軸21の周囲の温度を測定し、測定した温度に対応する回転軸21の熱膨張量のデータに基づいて次バッチで切削加工処理される積層体Wの端面Waと切削刃24との相対位置を調整する。
図13は、本実施形態の切削加工方法に用いる温度センサー31を示す斜視図である。
図13において、第1実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図13に示すように、温度センサー31は、非接触式の温度センサーであり、カバー26に近接して配置されている。温度センサー31は、切削加工後の回転軸21の周囲の温度として、カバー26の温度を測定する。尚、温度センサー31として、接触式の温度センサーを用いてもよい。
上述したように回転軸21とカバー26とは、ベアリング25(図3参照)を介して熱伝導可能である。例えば、カバー26の温度と回転軸21の温度との関係を示す温度テーブルを予め設定し、温度センサー31によってカバー26の温度を測定することにより、回転軸21の温度を間接的に測定することができる。
また、カバー26の温度と回転軸21の熱膨張量との関係を示す熱膨張テーブルを予め設定することにより、切削加工後の回転軸21の熱膨張量が得られる。つまり、温度センサー31によってカバー26の温度を測定することで、切削加工後の回転軸21の熱膨張量を間接的に測定することができる。
図14は、カバー26の温度と回転軸21の熱膨張量との関係を示す熱膨張テーブルの作成方法を説明するための図である。
例えば、熱膨張テーブルの作成方法は、図14に示すように、カバー26の温度を所定の範囲に設定して、当該範囲の温度における切削加工後の回転軸21の熱膨張量として回転体22の方向Vfにおける変位量Lを測定することにより作成することができる。変位量Lの測定には、例えば、ミツトヨ社製の測定機「デジマチックインジケーター」の型式「ID‐C1012X」を用いることができる。
制御装置7は、温度センサー31の測定結果に対応する回転軸21の熱膨張量のデータに基づいて、第1位置調整装置5及び第2位置調整装置6の制御を行い、第1加工装置2及び第2加工装置3の各々を方向Vfにのみ移動させる。
本実施形態に係る切削加工方法は、所定回数の切削加工処理バッチが完了した後に、温度センサー31により切削加工後の回転軸21の周囲の温度としてカバー26の温度を測定し、測定した温度に対応する回転軸21の熱膨張量として回転体22の方向Vfにおける変位量Lのデータに基づいて、次バッチの切削加工処理によって得られる積層体Wの外形寸法が製品規格によって定められる管理範囲を超えた外形寸法とならないように、次バッチの切削加工処理を始める前に、制御装置7により次バッチで切削加工処理される積層体Wの端面Waと切削刃24との方向Vfにおける相対位置を調整する。
以下、バッチ数と積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量との関係について図15及び図16を用いて説明する。
図15は、本実施形態に係る光学部材Fの長辺方向における積層体Wの外形寸法の変化を示す図である。
図16は、本実施形態に係る光学部材Fの短辺方向における積層体Wの外形寸法の変化を示す図である。
図15及び図16において、横軸はバッチ数[回]である。縦軸は積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量[mm]である。「最大値」は1バッチの中でのずれ量のバラツキのうち最も大きい値、「最小値」は1バッチの中でのずれ量のバラツキのうち最も小さい値、「平均値」は1バッチの中でのずれ量のバラツキを平均した値、である。
本実施形態では、所定回数の切削加工処理バッチが完了した後に、切削加工後の回転軸21の周囲の温度としてカバー26の温度を測定し、測定した温度に対応する回転軸21の熱膨張量として回転体22の方向Vfにおける変位量Lのデータに基づいて、次バッチの切削加工処理によって得られる積層体Wの外形寸法が製品規格によって定められる管理範囲(例えば:±0.05mm)を超えた外形寸法とならないように、次バッチの切削加工処理を始める前に、次バッチで切削加工処理される積層体Wの端面Waと切削刃24との方向Vfにおける相対位置を調整している。
図15では、積層体Wの端面Waの切削加工バッチの一回ごとに、ずれ量を相殺する方向に切削部材20の設定位置を移動させることにより、光学部材Fの長辺方向において積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量が管理範囲を超えないようにし、要求寸法を満足させている。
図16では、積層体Wの端面Waの切削加工バッチの一回ごとに、ずれ量を相殺する方向に切削部材20の設定位置を移動させることにより、光学部材Fの短辺方向において積層体Wの外形寸法の基準値からのずれ量が管理範囲を超えないようにし、要求寸法を満足させている。
本実施形態においても、切削部材20の設定位置を所定のタイミングで移動させることにより、要求寸法を満足した光学部材Fを得ることができる。
また、本実施形態によれば、切削加工後の回転軸21の周囲の温度として温度センサー31を用いてカバー26の温度を測定し、測定した温度に対応する回転軸21の熱膨張量として回転体22の方向Vfにおける変位量Lを得ているため、切削部材20の必要な移動量を精度よく得ることができる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る切削加工方法について説明する。
本実施形態に係る切削加工方法は、積層体Wの端面Waを切削する切削加工方法であって、積層体Wの端面Waの法線方向に沿って延在する回転軸21と、積層体Wの端面Wa側に突出する切削刃24と、を有する切削部材20を準備し、回転軸21を中心に切削刃を回転させ、回転する切削刃24を積層体Wの端面Waに接触させることによって積層体Wの端面Waを切削する切削加工方法であり、回転軸21が熱膨張しないよう回転軸21を冷却する。
本実施形態に係る制御装置7は、積層体Wの外形寸法が製品規格によって定められる許容範囲を超えた外形寸法とならないように、回転軸21が熱膨張しないよう回転軸21を冷却する制御を行う。
本実施形態において、前記冷却は、冷却剤による前記カバーの外部冷却により行う。具体的には、前記冷却は、カバー26に冷却剤を循環させる冷却部材32を巻き付けることにより行う。
カバー26には、カバー26に冷却剤を循環可能な冷却部材32が巻き付けられている。制御装置7は、前記冷却として、冷却部材32に冷却剤を循環させる制御を行う。
図17は、本実施形態の切削加工方法に用いる冷却部材32を示す斜視図である。
図17において、第1実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
冷却剤の例としては、冷却水が挙げられる。
図17に示すように、冷却部材32は、カバー26に接して配置されている。例えば、冷却部材32は、冷却水を循環させるホースである。
上述したように回転軸21とカバー26とは、ベアリング25(図3参照)を介して熱伝導可能である。例えば、冷却水の温度と回転軸21の温度との関係を示す温度テーブルを予め設定し、冷却水の温度を回転軸21が過度に熱膨張しないような温度に設定して冷却部材32をカバー26に巻き付けることにより、カバー26及びベアリング25を介して回転軸21を間接的に冷却することができる。
本実施形態によれば、回転軸21が熱膨張しないよう冷却部材32によってカバー26が冷却され、回転軸21が間接的に冷却されるため、要求寸法を満足した光学部材Fを得ることができる。
(第4実施形態)
続いて、第4実施形態に係る切削加工方法について説明する。
上述の第3実施形態において、前記冷却は、カバー26に冷却剤を循環させる冷却部材32を巻き付けることにより行っていた。
これに対し、本実施形態においては、前記冷却は、カバー26に空冷ユニット(実施例ではブロワー33)で冷却風を吹き付けることにより行う。
カバー26には、カバー26に冷却風を吹き付け可能なブロワー33が設けられている。制御装置7は、前記冷却として、ブロワー33に冷却風を吹き付けさせる制御を行う。
図18は、本実施形態の切削加工方法に用いるブロワー33を示す斜視図である。
図18において、第1実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図18に示すように、ブロワー33の冷却風の吹き出し口は、回転軸21と対向して配置されている。
上述したように回転軸21とカバー26とは、ベアリング25(図3参照)を介して熱伝導可能である。例えば、冷却風の温度と回転軸21の温度との関係を示す温度テーブルを予め設定し、冷却風の温度を回転軸21が過度に熱膨張しないような温度に設定してブロワー33を用いてカバー26に冷却風を吹き付けることにより、回転軸21を間接的に冷却することができる。
本実施形態によれば、回転軸21が熱膨張しないようブロワー33による冷却風によってカバー26が冷却され、回転軸21が間接的に冷却されるため、要求寸法を満足した光学部材Fを得ることができる。
尚、上記第3実施形態及び第4実施形態においては、前記冷却として、冷却部材32による冷却とブロワー33による冷却とをそれぞれ挙げて説明したが、これらに限らない。また、前記冷却として、回転軸21を間接的に冷却する例を挙げて説明したが、回転軸21を直接冷却してもよい。
また、前記冷却として、冷却部材32による冷却とブロワー33による冷却とを併用して行ってもよい。
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態に係る切削加工方法について説明する。
本実施形態に係る切削加工方法は、積層体Wの端面Waを切削する切削加工方法であって、積層体Wの端面Waの法線方向に沿って延在する回転軸21と、積層体Wの端面Wa側に突出する切削刃24と、を有する切削部材20を準備し、回転軸21を中心に切削刃を回転させ、回転する切削刃24を積層体Wの端面Waに接触させることによって積層体Wの端面Waを切削する切削加工方法であり、回転軸21の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで回転軸21を予め加熱しておく。
本実施形態に係る制御装置7は、積層体Wの外形寸法が製品規格によって定められる管理範囲を超えた外形寸法とならないように、回転軸21の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで回転軸21を予め加熱しておく制御を行う。
本実施形態において、前記加熱は、積層体Wの切削加工処理を行う前に回転軸21を空転させることにより行う。
制御装置7は、前記加熱として、積層体Wの切削加工処理を行う前に回転軸21を空転させる制御を行う。
例えば、回転軸21の回転数(回転時間)と回転軸21の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となる温度との関係を示す熱膨張テーブルを予め設定し、図1に示すように、移動装置4によって積層体Wを切削部材20に対して方向Vに移動させる前に、回転軸21の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで、予め回転軸21を空転させておくことができる。
本実施形態によれば、回転軸21の熱膨張がこれ以上生じない飽和状態となるまで回転軸21が空転されるため、光学部材の外形寸法が徐々に小さくなる現象に対する回転軸21の熱膨張による影響を排除することができる。従って、要求寸法を満足した光学部材Fを得ることができる。
尚、本実施形態においては、前記加熱として、積層体Wの切削加工処理を行う前に回転軸21を空転させることを例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、前記加熱としては、積層体Wの切削加工処理を行う前に回転軸21をヒーター等により加熱する等、種々の方法により行うことができる。また、前記加熱としては、回転軸21を直接加熱してもよいし、間接的に加熱してもよい。
また、上記実施形態においては、制御装置7によって切削加工装置1の構成要素を制御する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、作業者によって切削加工装置1を用いた切削加工方法を使用してもよい。
また、上記の各実施態様においては、回転軸21が積層体Wの端面Wa(図1参照)の法線方向に沿って延在している例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、回転軸21が積層体Wの端面Waに対して斜めに傾いていてもよい。即ち、切削刃24によって積層体Wの端面Waを斜めに切削加工できるように構成されていてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本実施形態に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…切削加工装置、2…第1加工装置(加工装置)、3…第2加工装置(加工装置)、7…制御装置、20…切削部材、21…回転軸、24…切削刃、25…ベアリング、26…カバー、32…冷却部材、33…ブロワー、W…積層体(対象物)、Wa…積層体の端面(対象物の端面)

Claims (15)

  1. 光学部材の端面を切削する切削加工方法であって、
    回転軸と、前記光学部材の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を準備し、
    前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記光学部材の端面に接触させることによって前記光学部材の端面を切削する切削加工方法であり、
    前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却する切削加工方法。
  2. 前記光学部材の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却する請求項1に記載の切削加工方法。
  3. 前記回転軸はベアリングにより回転自在に支持されており、前記回転軸及び前記ベアリングの双方はカバーで覆われており、
    前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、
    前記冷却は、冷却剤による前記カバーの外部冷却により行う請求項1または2に記載の切削加工方法。
  4. 前記回転軸はベアリングにより回転自在に支持されており、前記回転軸及び前記ベアリングの双方はカバーで覆われており、
    前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、
    前記冷却は、前記カバーに空冷ユニットで冷却風を吹き付けることにより行う請求項1または2に記載の切削加工方法。
  5. 前記光学部材の外形寸法公差が±0.05mmとなるように、前記回転軸を冷却する請求項1から4のいずれか一項に記載の切削加工方法。
  6. 前記光学部材が偏光板である請求項1から5のいずれか一項に記載の切削加工方法。
  7. 前記偏光板がポリビニルアルコール系フィルムを含む偏光板である請求項6に記載の切削加工方法。
  8. 前記偏光板が、複数枚の偏光板を重ね合せた積層体となっている請求項6または7に記載の切削加工方法。
  9. 前記切削部材を各々が備えるとともに互いに対向して配置される第1加工装置と第2加工装置とを準備する請求項1から8のいずれか一項に記載の切削加工方法。
  10. 前記光学部材を固定する第1押さえ部材と第2押さえ部材とを準備し、
    切削にあたり、前記光学部材を前記第1押さえ部材と前記第2押さえ部材との間に挟んで固定する請求項1から9のいずれか一項に記載の切削加工方法。
  11. 光学部材の端面を切削する切削加工装置であって、
    回転軸と、前記光学部材の端面側に突出する切削刃と、を有する切削部材を含み、
    前記回転軸を中心に前記切削刃を回転させ、回転する前記切削刃を前記光学部材の端面に接触させることによって前記光学部材の端面を切削する加工装置と、
    前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却する制御を行う制御装置と、を含む切削加工装置。
  12. 前記制御装置は、前記光学部材の外形寸法が要求される許容範囲を超えた外形寸法とならないように、前記回転軸が熱膨張しないよう前記回転軸を冷却する制御を行う請求項11に記載の切削加工装置。
  13. 前記回転軸を回転自在に支持するベアリングと、前記回転軸及び前記ベアリングの双方を覆うカバーと、冷却剤による前記カバーの外部冷却が可能な冷却ユニットと、をさらに含み、
    前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、
    前記制御装置は、前記カバーの外部冷却を行う前記冷却ユニットの制御を行う請求項11または12に記載の切削加工装置。
  14. 前記回転軸を回転自在に支持するベアリングと、前記回転軸及び前記ベアリングの双方を覆うカバーと、前記カバーに冷却風を吹き付け可能な空冷ユニットと、をさらに含み、
    前記回転軸と前記カバーとは、前記ベアリングを介して熱伝導可能であり、
    前記制御装置は、前記カバーに冷却風を吹き付ける空冷ユニットの制御を行う請求項11または12に記載の切削加工装置。
  15. 端面が切削加工された光学部材の製造方法であって、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の切削加工方法により端面を切削する工程を含む光学部材の製造方法。
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