JP2016082698A - モータの温度推定装置及びモータの過熱保護方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度検出装置の精度が低くても、モータの過渡的な温度が推定できるモータの温度推定装置及びそれを用いたモータの過熱保護方法を提供する。【解決手段】モータ10の過渡的な温度をシミュレーションする温度推定装置17を備え、温度推定装置17は、温度推定装置17の出力とモータ10の温度を検出するサーミスタ15の出力との誤差に基づきシミュレーションを補正する。【選択図】図1
Description
この発明は、モータの温度推定装置及びそれを用いたモータの過熱保護方法に関するものである。
従来、固定子の実温度を回転子を構成する永久磁石の温度と看做すことにより、永久磁石の温度に応じたトルク指令値を演算し、そのトルク指令値によりモータを制御することが知られている。しかし、電気自動車やハイブリッド自動車に用いられる駆動用モータにおいては、自動車の運転条件が多種多様であってその予測が困難であり、固定子の実温度を回転子の永久磁石温度と看做してトルク指令値を演算すると、得られるトルク指令値は不正確となる。
この課題を解決するために、特開2010−200515号公報(特許文献1)には、固定子の温度を検出する温度検出手段と、固定子の温度を推定する固定子温度推定手段と、温度検出手段により検出された固定子の実温度と、固定子温度推定手段により推定された固定子の推定温度との温度差を求め、当該温度差に基づいて固定子と回転子に共通する熱伝達経路の温度を補正する補正手段と、補正手段により補正された熱伝達経路の温度に基づいて回転子の温度を推定する回転子温度推定手段と、を備え、固定子の実温度と推定温度との差異に基づいて、固定子と回転子に共通する熱伝達経路の温度を補正する技術が開示されている。
また、特開2008−245486号公報(特許文献2)には、回転子に組み込まれた永久磁石の温度を推定する磁石温度推定手段と、推定された磁石温度に基づいてモータを制御する制御手段を備え、回転子に組み込まれた永久磁石の温度を推定し、推定された磁石温度に基づいてモータを制御する技術が開示されている。
前記特許文献1あるいは特許文献2に開示された技術は、熱抵抗と発熱量のみから温度を推定しているため、所謂、定常温度しか推定できないものである。このため、短時間定格出力など、大きな発熱量のときは、固定子コイルや磁石温度がまだ上昇していないのに過熱したと誤検出してしまう課題がある。また、検出温度を補正しても、過渡現象を考慮していないので、検出器の検出温度が低ければ、実温度が高くてもその補正により温度が低いものと判断してしまうことになる。
この発明は、前記課題を解決するために成されたもので、温度検出装置の精度が低くても、モータの過渡的な温度が推定できるモータの温度推定装置及びそれを用いたモータの過熱保護方法を提供するものである。
この発明に係るモータの温度検出装置は、磁石を有する回転子と前記回転子と対向する固定子とを備えたモータの温度を推定するモータの温度推定装置であって、前記モータの過渡的な温度をシミュレーションする温度推定装置を備え、前記温度推定装置は、前記温度推定装置の出力と前記モータの温度を検出する温度検出装置の出力との誤差に基づき前記シミュレーションを補正する補正手段を備えたものである。
この発明に係る温度検出装置によれば、モータの過渡的な温度をシミュレーションする温度推定装置を備え、前記温度推定装置は、前記温度推定装置の出力と前記モータの温度を検出する温度検出装置の出力との誤差に基づき前記シミュレーションを補正する補正手段を備えたので、温度検出装置の精度が低くても、モータの過渡的な温度を推定することができる。
以下、この発明に係るモータの温度推定装置及びそれを用いたモータの過熱保護方法の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るモータの温度推定装置を用いたモータシステムの構成図で、例えば、電気自動車に搭載されたモータを、インバータにより構成されたモータ制御装置により駆動するモータシステムを示すものである。
図1において、モータ10はインバータ11により、例えばPWM制御で駆動される。モータ10は、固定子12に巻装される固定子コイル(以下、単にコイルという。)13と、固定子12と対向し、回転可能に構成される回転子(磁石)14を備えている。固定子12にはコイル13の実温度を検出する温度検出装置としてのサーミスタ15が装着されており、サーミスタ15がコイル13の実温度を検出することにより、モータ10の温度が検出される。
図1は、この発明の実施の形態1に係るモータの温度推定装置を用いたモータシステムの構成図で、例えば、電気自動車に搭載されたモータを、インバータにより構成されたモータ制御装置により駆動するモータシステムを示すものである。
図1において、モータ10はインバータ11により、例えばPWM制御で駆動される。モータ10は、固定子12に巻装される固定子コイル(以下、単にコイルという。)13と、固定子12と対向し、回転可能に構成される回転子(磁石)14を備えている。固定子12にはコイル13の実温度を検出する温度検出装置としてのサーミスタ15が装着されており、サーミスタ15がコイル13の実温度を検出することにより、モータ10の温度が検出される。
インバータ11は、モータ10への電流を制御する手段としての電流制御装置16と、固定子12の温度を推定する手段としての温度推定装置17を有し、温度推定装置17にはサーミスタ15により検出されたモータ10の温度が入力される。また、電流制御装置16から温度推定装置17に発熱量信号Hが入力され、温度推定装置17から電流制御装置16に保護信号Pが入力されるように構成されている。
次に、前記モータシステムにおける熱モデルについて考察する。熱モデルとして図2に示すように、次のものを考える。
温度ノードとしては、コイル13、サーミスタ15、固定子12の鉄心(以下、固定子鉄心という。)12a、冷却水W、回転子14を考え、熱抵抗としては、コイル13とサーミスタ15間の熱抵抗Rct、コイル13と固定子鉄心12a間の熱抵抗Rcs、固定子鉄心12aと冷却水W間の熱抵抗Rsw、固定子鉄心12aと回転子14間の熱抵抗Rsr、回転子14と冷却水W間の熱抵抗Rrw、サーミスタ15と冷却水W間の熱抵抗Rtwを考える。また、温度ノードには冷却水Wを除いて熱容量を設定し、温度ノードのコイル13、固定子鉄心12a、回転子14には発熱量を設定する。発熱量はモータ10の運転状態(回転速度、トルク)により変化する。前記熱モデルの過渡状態も含めた熱回路方程式は次式(1)のようになる。
温度ノードとしては、コイル13、サーミスタ15、固定子12の鉄心(以下、固定子鉄心という。)12a、冷却水W、回転子14を考え、熱抵抗としては、コイル13とサーミスタ15間の熱抵抗Rct、コイル13と固定子鉄心12a間の熱抵抗Rcs、固定子鉄心12aと冷却水W間の熱抵抗Rsw、固定子鉄心12aと回転子14間の熱抵抗Rsr、回転子14と冷却水W間の熱抵抗Rrw、サーミスタ15と冷却水W間の熱抵抗Rtwを考える。また、温度ノードには冷却水Wを除いて熱容量を設定し、温度ノードのコイル13、固定子鉄心12a、回転子14には発熱量を設定する。発熱量はモータ10の運転状態(回転速度、トルク)により変化する。前記熱モデルの過渡状態も含めた熱回路方程式は次式(1)のようになる。
ここで、Wcはコイル13の熱容量、Wsは固定子鉄心12aの熱容量、Wtはサーミスタ15の熱容量、Wrは回転子14の熱容量、Ucはコイル13の温度、Usは固定子鉄心12aの温度、Utはサーミスタ15の温度、Urは回転子14の温度、Uwは冷却水Wの温度、Qcはコイル13の発熱量、Qsは固定子鉄心12aの発熱量、Qrは回転子14の発熱量を示し、d/dtは微分演算子である。
次に、実際のモータ10の温度が前記熱方程式で表されるものとして、これをシミュレーションするモデルについて考えると、シミュレーションモデルは、次式(2)のように表わすことができる。
上式において、温度、熱容量、熱抵抗、発熱量には「^」を付した推定値であることを表している。また、冷却水Wの温度に関しては、測定値を用いる。
ここで、コイル13、固定子鉄心12a、サーミスタ15、回転子14の熱容量、熱抵抗Rct、Rcs、Rsw、Rsr、Rrw、Rtw、発熱量Qc、Qs、Qrが正確にわかれば、初期温度を与えてコイル13や回転子14の温度が正確に計算できるが、現実にはこれらのパラメータには誤差が含まれる。また、最初に提起した熱モデルも、現実のモータ10を正確に表しているわけではない。たとえば、コイル13と冷却水Wの間には固定子鉄心12a、あるいはフレームなどが介在し、さらにこれらには温度の分布が存在するので、シミュレーションだけで温度を推定するには非常に粗いモデルとなっている。
そこで、シミュレーションモデルの出力の推定サーミスタ温度と実際のモータ10のサーミスタ15から得られる実サーミスタ温度の誤差にフィードバックゲインを掛けて、シミュレーションモデルの入力に加算する。
図3は、全次元状態オブザーバを示すブロック図(制御のためのMATLAB 緒方 2010/4/30 東京電機大学出版局)である。このブロック図の詳細について次に説明する。なお、図3において、オブザーバは温度推定装置(シミュレーション回路)17、システムは実際のモータ10を表わし、1/sは積分を表わしている。また、Keは補正手段、xは状態変数(温度)、uは入力信号(冷却水Wの温度、発熱量)を表わしている。
まず、前記熱回路モデルを次式(3)の形で表わすと、次式(4)、(5)を得ることができる。
ここで、状態変数xとしては、コイル13の温度、固定子鉄心12aの温度、サーミスタ15の温度、回転子14の温度を、入力uとしては、冷却水Wの温度、コイル13の発熱量、固定子鉄心12aの発熱量、回転子14の発熱量を、また、出力yとしては、測定できるサーミスタ温度としている。
同様にして、推定モデルを作成すると、次式(6)、(7)のようになる。
ここで、推定値には記号に「^」をつけて表わしている。推定モデルは、熱容量、熱抵抗、発熱量などが推定値であるから誤差を含み、これらから計算される各部温度にも誤差を含むことになる。そこで、計測で得られるサーミスタ温度と、推定したサーミスタ温度の差を誤差として、この誤差が小さくなるように次式(8)に示すように、推定モデルの入力を補正する。
このようにすることで、シミュレーションモデルは、推定サーミスタ温度が実サーミスタ温度と等しくなるよう各部の温度を推定できる。また、シミュレーションモデルは、過渡温度を計算しているため、サーミスタ温度がコイル13の温度と比べて時間的に遅れを持っていたとしてもコイル13の温度をより正確に推定できる。
更に、シミュレーションモデルは微分を差分に変換して、時間を離散化して計算するので、計算量が少なく、電流制御マイコンに内蔵できる。時間を離散化した推定モデルは次式(9)のようになる。
また、実サーミスタ温度Utをフィードバックした推定モデルは次式(10)のようになる。
ここで、ke1〜ke4はサーミスタ温度測定値とサーミスタ温度推定値の誤差に掛けて、温度の補正を行うフィードバックゲインである。
時間を離散化した推定モデルは単純な四則演算だけで計算できるので、モータ10を制御するマイクロコンピュータに実装することができる。
各推定温度の初期値は任意の値でかまわないが、例えばサーミスタ15で測定した温度を初期値としてもよい。コイル13の発熱量Qcは、銅損を用いる。銅損はコイル13の抵抗値×コイル電流2 で求められる。固定子鉄心12aの発熱量Qsは鉄損を用いる。鉄
損は磁束密度の大きさの2乗、磁束密度の変化速度(周波数)の2乗に比例するため、電圧(=磁束密度×面積×周波数)の2乗に比例すると考えられるから、電圧の2乗に係数をかけて求めることができる。あるいはモータ10の回転速度とトルクが決まれば、回転速度とトルクから予め鉄損、銅損を求めておいて、これらの損失をコイルの発熱量、コアの発熱量としてもよい。
各推定温度の初期値は任意の値でかまわないが、例えばサーミスタ15で測定した温度を初期値としてもよい。コイル13の発熱量Qcは、銅損を用いる。銅損はコイル13の抵抗値×コイル電流2 で求められる。固定子鉄心12aの発熱量Qsは鉄損を用いる。鉄
損は磁束密度の大きさの2乗、磁束密度の変化速度(周波数)の2乗に比例するため、電圧(=磁束密度×面積×周波数)の2乗に比例すると考えられるから、電圧の2乗に係数をかけて求めることができる。あるいはモータ10の回転速度とトルクが決まれば、回転速度とトルクから予め鉄損、銅損を求めておいて、これらの損失をコイルの発熱量、コアの発熱量としてもよい。
また、フィードバックゲインke1〜ke4は、予め決めた値を用いる。このフィードバックゲインke1〜ke4を大きくすることで、温度推定誤差は速やかに修正されるが、大きくしすぎると解が発散してしまうことがあるので、あまり大きくしすぎないことが必要である。むしろ、フィードバックゲインke1〜ke4を小さくしておいて、平均的な温度の精度を向上しておき、過渡的な温度はもっぱらシミュレーションによる温度を用いた方が安定した温度推定ができる。
この場合、温度誤差は補償器により修正される。水冷以外の場合、冷却媒体の温度を用いることが望ましいが、前記同様に想定される固定値を用いてもよい。
この場合、温度誤差は補償器により修正される。水冷以外の場合、冷却媒体の温度を用いることが望ましいが、前記同様に想定される固定値を用いてもよい。
また、推定モデルでは、コイル13の温度、固定子鉄心12aの温度、回転子14の温度が推定できるので、これら推定温度を用いて過熱保護をすることができる。コイル13の過熱を保護するには、コイル13の温度推定値>コイル13の温度所定値の場合に、(1−(コイル13の温度推定値−コイル13の温度所定値)/(コイル13の温度許容値−コイル13の温度所定値))を電流指令値に掛けることで、コイル13の温度所定値を超えたところからコイル13の温度許容値までで電流指令値がゼロになるようにコントロールでき、電流を低減することでコイル13の発熱を抑制することができる。
また、直接電流指令値を補正するのでなく、トルク指令値を同様に補正してもよい。この場合、トルク指令値に基づいて電流指令値が決定される。コイル13の温度がコイル13の温度所定値を超えると出せるトルクが低下するが、温度が下がれば温度に応じて出力できるトルクが上昇する。
磁石温度も推定しているので、磁石温度が所定値を超える場合には磁石を保護するためにトルクを下げる、回転速度を下げる、運転者に警報を表示するなどの保護手段を利用できる。
この方法によれば、時刻tの情報(推定温度、発熱量)を用いて時刻t+△tにおける温度を推定しているので、△tを△t+Tと置き換えれば、Tだけ未来の温度を推定することができる。この未来の推定温度が許容温度を超えるようなら、予めトルクを少し下げておき、急激にトルクが下がるのを防止することができる。また、許容温度を超えるまでの時間を推定して使用者に知らせることができる。
温度モデルのノードは上記に限らず、例えば、コイル13の温度のみが必要な場合、コイルノードとサーミスタノード、冷却水ノード、各ノード間の熱抵抗と熱容量だけの3ノードモデルであっても同様に温度推定モデルを構築して、コイル13の過渡的な温度を推定するとともに、サーミスタ15の温度をフィードバックして推定温度を補正することができる。
簡単な計算で温度推定が可能なため、インバータ11の電流制御を行うマイクロコンピュータに組み込むことができ、その結果、インバータ11の電流制御装置16の内部情報(現在の電流値や、回転速度、トルク指令値)を利用して発熱量を求めることができ、過熱検出時にはインバータ11の電流を低減することもできる。
以上、この発明の実施の形態について詳細に説明したが、この発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内にて他の種々の実施の形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
10 モータ、11 インバータ、12 固定子、12a 固定子鉄心、13 固定子コイル、14 回転子、15 サーミスタ、16 電流制御装置、17 温度推定装置、H 発熱量信号、P 保護信号。
この発明に係るモータの温度推定装置は、磁石を有する回転子と前記回転子と対向する固定子とを備えたモータの温度を推定するモータの温度推定装置であって、前記モータの温度を検出する温度検出装置と、前記モータの過渡的な温度をシミュレーションすると共に前記過渡的な温度の微分値を差分値として変換し、時間を離散化して計算し出力する温度推定装置を備え、前記温度推定装置は、前記温度推定装置の出力と前記温度検出装置の出力との誤差に基づき前記シミュレーションを補正する補正手段を備えたものである。
この発明に係るモータの温度推定装置によれば、モータの温度を検出する温度検出装置と、前記モータの過渡的な温度をシミュレーションすると共に前記過渡的な温度の微分値を差分値として変換し、時間を離散化して計算し出力する温度推定装置を備え、前記温度推定装置は、前記温度推定装置の出力と前記温度検出装置の出力との誤差に基づき前記シミュレーションを補正する補正手段を備えたので、温度検出装置の精度が低くても、モータの過渡的な温度を推定することができる。
次に、前記モータシステムにおける熱モデルについて考察する。熱モデルとして図2に示すように、次のものを考える。
温度ノードとしては、コイル13、サーミスタ15、固定子12の鉄心(以下、固定子鉄心という。)12a、冷却媒体、例えば冷却水W、回転子14を考え、熱抵抗としては、コイル13とサーミスタ15間の熱抵抗Rct、コイル13と固定子鉄心12a間の熱抵抗Rcs、固定子鉄心12aと冷却水W間の熱抵抗Rsw、固定子鉄心12aと回転子14間の熱抵抗Rsr、回転子14と冷却水W間の熱抵抗Rrw、サーミスタ15と冷却水W間の熱抵抗Rtwを考える。なお、図2に示されていないが、コイル13と冷却水W間の熱抵抗をR cw とする。また、温度ノードには冷却水Wを除いて熱容量を設定し、温度ノードのコイル13、固定子鉄心12a、回転子14には発熱量を設定する。発熱量はモータ10の運転状態(回転速度、トルク)により変化する。前記熱モデルの過渡状態も含めた熱回路方程式は次式(1)のようになる。
温度ノードとしては、コイル13、サーミスタ15、固定子12の鉄心(以下、固定子鉄心という。)12a、冷却媒体、例えば冷却水W、回転子14を考え、熱抵抗としては、コイル13とサーミスタ15間の熱抵抗Rct、コイル13と固定子鉄心12a間の熱抵抗Rcs、固定子鉄心12aと冷却水W間の熱抵抗Rsw、固定子鉄心12aと回転子14間の熱抵抗Rsr、回転子14と冷却水W間の熱抵抗Rrw、サーミスタ15と冷却水W間の熱抵抗Rtwを考える。なお、図2に示されていないが、コイル13と冷却水W間の熱抵抗をR cw とする。また、温度ノードには冷却水Wを除いて熱容量を設定し、温度ノードのコイル13、固定子鉄心12a、回転子14には発熱量を設定する。発熱量はモータ10の運転状態(回転速度、トルク)により変化する。前記熱モデルの過渡状態も含めた熱回路方程式は次式(1)のようになる。
ここで、コイル13、固定子鉄心12a、サーミスタ15、回転子14の熱容量、熱抵抗Rct、Rcs、Rsw、Rsr、Rrw、Rtw、R cw 、発熱量Qc、Qs、Qrが正確にわかれば、初期温度を与えてコイル13や回転子14の温度が正確に計算できるが、現実にはこれらのパラメータには誤差が含まれる。また、最初に提起した熱モデルも、現実のモータ10を正確に表しているわけではない。たとえば、コイル13と冷却水Wの間には固定子鉄心12a、あるいはフレームなどが介在し、さらにこれらには温度の分布が存在するので、シミュレーションだけで温度を推定するには非常に粗いモデルとなっている。
Claims (11)
- 磁石を有する回転子と前記回転子と対向する固定子とを備えたモータの温度を推定するモータの温度推定装置であって、
前記モータの過渡的な温度をシミュレーションする温度推定装置を備え、
前記温度推定装置は、
前記温度推定装置の出力と前記モータの温度を検出する温度検出装置の出力との誤差に基づき前記シミュレーションを補正する補正手段を備えたことを特徴とするモータの温度推定装置。 - 前記温度推定装置は、前記モータの発熱量と、前記モータの熱抵抗と、前記モータの熱容量から前記モータの温度と前記温度検出装置の過渡的な出力を推定することを特徴とする請求項1に記載のモータの温度推定装置。
- 前記モータの発熱量は、前記モータの電流もしくは電圧から求めることを特徴とする請求項2に記載のモータの温度推定装置。
- 前記モータの発熱量は、前記モータの回転速度と前記モータのトルク指令値から求めることを特徴とする請求項2に記載のモータの温度推定装置。
- 前記補正手段は、前記温度検出装置の出力と前記温度推定装置の出力との誤差に所定の係数を掛けて、前記モータの発熱量を補正することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のモータの温度推定装置。
- 前記温度推定装置は、前記モータの固定子コイルの温度を推定することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のモータの温度推定装置。
- 前記温度推定装置は、前記モータの磁石温度を推定することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のモータの温度推定装置。
- 前記温度推定装置は、前記モータの固定子コイルノードと、外気ノード及び冷却水ノードの少なくとも一方のノードと、前記温度検出装置のノードを有し、
前記固定子コイルノードは前記モータの固定子コイルの熱容量が予め定められ、
前記温度検出装置のノードは前記温度検出装置の熱抵抗が予め与えられ、
前記固定子コイルノードと、前記外気ノード及び冷却水ノードの少なくとも一方のノードの間に熱抵抗が予め定められると共に、前記温度検出装置のノードと前記固定子コイルノードとの間に熱抵抗が予め与えられ、
前記熱抵抗の各々の両端のノードの温度差を熱抵抗で除算して前記熱抵抗へ流出するか、もしくは前記熱抵抗から流入する熱量を求め、
前記各々のノードの発熱量、流入を正とする流出入熱量の総和を当該ノードの熱容量で除算して時間積分することで前記当該ノードの温度変化量を算出し、前記当該ノードの温度を推定することを特徴とする請求項6に記載のモータの温度推定装置。 - 前記請求項1から8のいずれか一項に記載のモータの温度推定装置により推定した推定温度が所定温度を超えたときに、前記推定温度と前記所定温度に基づいて前記モータの電流を低減することを特徴とするモータの過熱保護方法。
- 前記モータの電流を低減する手段は、前記モータのトルク指令値を低減する手段であることを特徴とする請求項9に記載のモータの過熱保護方法。
- 未来の温度を予測して、前記トルク指令値を低減することを特徴とする請求項9または10に記載のモータの過熱保護方法。
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