JPH05181504A - 適応制御装置 - Google Patents

適応制御装置

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JPH05181504A
JPH05181504A JP8625491A JP8625491A JPH05181504A JP H05181504 A JPH05181504 A JP H05181504A JP 8625491 A JP8625491 A JP 8625491A JP 8625491 A JP8625491 A JP 8625491A JP H05181504 A JPH05181504 A JP H05181504A
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JP
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control
plant model
adaptive
value
temperature
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JP8625491A
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Kazuhiro Kido
一博 木戸
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Masanori Saito
正規 斎藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無駄時間先の外部変動を予め相殺すること
で、外部変動に対する制御精度を向上させる。 【構成】 適応温度制御においては、添加液が反応器1
に加えられ、これにより発熱が生じ外乱となるが、添加
液は予め決められた添加パターンBで添加されるので、
コントローラ20では添加パターンBに基づき発熱量の
予測を行なうプラントモデルを設けている。また、この
予測値を制御系が有効に用いることができるように操作
量及び発熱量を入力とし、制御量を出力とし、プラント
モデルに基づき、無駄時間先の発熱量の情報をコントロ
ーラ20において用いる適応制御系を構築し、無駄時間
先の外乱をあらかじめ相殺するフィードフォワード要素
を有する制御系を実現している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は温度、イオン濃度、湿
度等の物理量の制御を行なう適応制御装置に係り、例え
ばジャケット温度を変化させて反応器内部の温度制御を
行なう反応器における温度制御のごとく、反応器内の温
度変化を予測してジャケット温度を制御する化学反応系
あるいは、反応器内で起こる化学変化におけるイオン濃
度制御のごとく、制御用溶液の添加流量を制御する化学
反応系の適応制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば反応液を処理する反応器の
周囲にジャケットを設け、このジャケットに温水タンク
を連通し、温水タンクの温水温度を調節してジャケット
で反応器内の反応液の温度を制御するものがある。この
反応器内で反応液として、例えばハロゲン化銀乳剤の結
晶を形成するような場合、混合中に反応液に、添加され
る添加物による反応液の液量変化、添加物による持ち込
み熱や反応によって発熱する。また、例えば反応液を処
理する反応器に制御用の溶液を添加する供給パイプを設
け、この添加流量を調節し、反応器内のイオン濃度を制
御するものがある。この反応器では、反応途中に原料が
添加され、ゲインが変動し、また様々な物理量が干渉し
合い、さらに非線形な系である。以上のような物理量の
各々の独立したPID等によるフィードバックにより制
御を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この系の物理量の制御
として、例えば適応制御があり、系の温度制御中に逐次
プラントモデルを推定し、このプラントモデルに基づき
制御を行ない、プラントの動特性の変動に応じてプラン
トモデルのパラメータをオンライン的に自動調節し、未
知あるいは変動パラメータの如何の関わりなく、常に最
適な性能を維持している。
【0004】しかしながら、装置によっては無駄時間が
存在し、無駄時間内に生じる外部変動に対して良好な制
御が行なえない。例えば、反応液を処理する反応器の温
度制御は、反応器の周囲に設けられたジャケットによる
熱交換で行なわれるが、このジャケット内に温水を循環
させて行なわれており、この循環による無駄時間が存在
し、例えばこの無駄時間が長くなると無駄時間内に生じ
る外部変動に対して、温度制御が適切に行なわれずに、
温度制御に悪影響を及ぼす等の問題がある。
【0005】また、系の制御中に逐次プラントモデルを
推定するために、制御量及び操作量の現在値及び過去の
値をサンプリングし、このサンプリング周期毎に、制御
量及び操作量の現在値及び過去の値を基にプラントモデ
ルのパラメータを推定し、このパラメータに基づき操作
量を決定し、これをサンプリング周期毎に繰り返して、
制御を行なっている。ところで、この適応制御系におい
て、サンプリング周期とプラントモデルの離散時間と制
御周期との設定によって、制御に影響を及ぼす等の問題
がある。例えば、プラントモデルの離散時間としては、
制御の安定化のため十分大きな値を取らなければならな
いが、制御周期は短い方が応答性がよいので、プラント
モデルの離散時間よりも小さな制御周期とすることが考
えられる。
【0006】また、適応制御系において、ステップ状の
設定値の変更に対して操作量の変化量が大きい不安定な
状態となりがちであり、設定値の変化に対してなめらか
に設定値を変化されることが考えられる。
【0007】この発明はこのような問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1記載の発明は、無駄時間先の外部
変動を予め相殺することで、外部変動に対する制御精度
を向上させることを目的としている。
【0008】また、請求項2記載の発明は、離散時間と
制御周期とを分離することで、制御の安定性を向上させ
ることを目的としている。
【0009】また、請求項3記載の発明は、ステップ状
の設定値の変更に対して設定値をなめらかに変化させる
ことにより、操作量の変化を抑え安定性を向上させるこ
とを目的としている。
【0010】さらに、請求項4記載の発明は、外部変動
に対する制御精度を向上させると共に、離散時間と制御
周期とを分離することで制御の安定化を向上させること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明の適応制御装置は、系の物理量
の制御中に逐次プラントモデルを推定し、このプラント
モデルに基づき制御を行なう適応制御であって、前記系
の系外から加わる外部変動に対して無駄時間先の変動量
を外部変動の原因となる物理量の変動パターンから予測
し、予め無駄時間先の系外から加えられる外部変動を相
殺するフィードフォワード要素を有することを特徴とし
ている。
【0012】また、請求項2記載の発明の適応制御装置
は、系の物理量の制御中に逐次プラントモデルを推定
し、このプラントモデルに基づき制御を行なう適応制御
であって、前記プラントモデルの離散時間内の制御周期
毎の操作量を平均化することにより、プラントモデルの
離散時間が制御周期よりも長く設定されることを特徴と
している。
【0013】また、請求項3記載の発明の適応制御装置
は、系の物理量の制御中に逐次プラントモデルを指定
し、このプラントモデルに基づき制御を行なう適応制御
であって、本来の設定値と現在の制御量の内分点を制御
周期毎に計算し、この値を設定値をすることを特徴とし
ている。
【0014】さらに、請求項4記載の発明の適応制御装
置は、系の物理量の制御中に逐次プラントモデルを推定
し、このプラントモデルに基づき制御を行なう適応制御
であって、前記系の系外から加わる外部変動に対して無
駄時間先の変動量を外部変動の原因となる物理量の変動
パターンから予測し、予め無駄時間先の外部変動を相殺
するフィードフォワード要素を有し、さらに前記プラン
トモデルの離散時間内の制御周期毎の操作量を平均化す
ることによりプラントモデルの離散時間が制御周期より
も長く設定されることを特徴としている。
【0015】
【作用】この請求項1記載の発明では、系の物理量の制
御中に逐次プラントモデルを推定し、このプラントモデ
ルに基づき制御を行ない、この系の系外から加わる外部
変動に対して無駄時間先の変動量を外部変動の原因とな
る物理量の変動パターンから予測し、予め無駄時間先の
外部変動を相殺し、これで外部変動に対する制御精度が
向上する。
【0016】また、請求項2記載の発明では、系の物理
量の制御中に逐次プラントモデルを推定し、このプラン
トモデルに基づき制御を行ない、この適応制御のプラン
トモデルの離散時間が制御周期よりも長くなっており、
離散時間と制御周期とを分離して制御周期を小さくする
ことで、制御の安定性が向上する。
【0017】また、請求項3記載の発明では、系の物理
量の制御中に逐次プラントモデルを推定し、このプラン
トモデルに基づき制御を来ない、ステップ状の設定値変
更に対して設定値をなめらかに変化させることにより、
操作量の変化が抑えられ、制御の安定性が向上する。
【0018】さらに、請求項4記載の発明では、系の物
理量の制御中に逐次プラントモデルを推定し、このプラ
ントモデルに基づき制御を行ない、系の系外から加わる
外部変動に対して無駄時間先の変動量を外部変動の原因
となる物理量の変動パターンから予測し、予め無駄時間
先の外部変動を相殺し、外部変動に対する制御精度が向
上し、さらにプラントモデルの離散時間が制御周期より
も長くし、離散時間と制御周期とを分離して制御周期を
小さくすることで制御の安定性が向上する。
【0019】
【実施例】以下、この発明の適応制御装置の実施例を添
付図面に基づいて詳細に説明する。請求項1記載の発明
の実施例を反応系の温度制御を例にとり[実施例1]に
示す。同様に請求項2及び3記載の発明の実施例を反応
系におけるイオン濃度制御を例にとり[実施例2]に示
す。同様に、請求項4記載の発明の実施例を反応系にお
ける温度制御を例にとり[実施例3]に示す。 [実施例1]図1はこの発明が適用される化学反応系の
概略図である。
【0020】図において符号1は制御対象となる反応系
Aの反応器であり、例えば反応の原料及び触媒等の添加
物を添加パターンBに基づいて供給パイプ2から供給し
て反応液の処理を行ない、必要時間後に反応液を取り出
すことができるようになっている。この反応器1には反
応液を撹拌する撹拌手段3が設けられており、例えばハ
ロゲン化銀乳剤の製造に用いられ、この場合混合中に硝
酸銀・アンモニア、ハライド溶液、酢酸など添加液が供
給パイプ2から添加され、混合中は反応器1内の反応液
の液量が刻々変化する。
【0021】反応器1の周囲にはジャケット4が設けら
れ、このジャケット4は循環パイプ5,6を介して温水
タンク7と接続され、ポンプ8によって温水が循環して
反応器1との間で熱交換することで、反応液の温度制御
を行なうようになっている。
【0022】この温水タンク7の温度制御は温度制御装
置Cによって行なわれ、この温度制御装置Cには反応器
1の反応液の温度検出する温度センサ9と、温水タンク
7の温度を検出する温度センサ10とから温度情報が入
力されるようになっている。この温度制御装置Cでは適
応温度制御が行なわれ、反応器1の反応器温度を制御量
とし、温水タンク7の温水タンク温度を操作量とし、反
応器1内部の反応液の温度が設定温度になるように適応
温度制御され、この場合ジャケット4内の温水の循環に
よる無駄時間が存在する。
【0023】次に、この適応温度制御について説明す
る。図2は適応温度制御系の原理図、図3はプラントモ
デルの離散時間△T1、サンプリング時間△T2及び制御
周期△T3の関係を示す図である。
【0024】反応系Aを制御対象として適応制御を行な
っており、適応制御は制御中に遂次プラントモデルを推
定し、このプラントモデルに基づき制御を行なう。すな
わち、反応系Aのプラントの動特性の変動に応じて、プ
ラントモデルのパラメータをオンライン的に自動調節
し、未知あるいは変動パラメータの如何に関わりなく、
常に最適な性能を維持する。
【0025】今、ここでかりに、反応系Aが無駄時間の
ない2次遅れ系であるとし、反応器1の温度を制御量、
温水タンク7の設定温度を操作量とした一般的な適応制
御系を図2に示しており、この適応制御系はコントロー
ラ20と適応機構21により構成される。適応機構21
においては、図3に示すようにサンプリング周期△T2
毎に、温水タンク7の設定温度を操作量とし、また反応
器1の温度を制御量として、この制御量及び操作量の現
在値及び過去の値を基に、プラントモデルのパラメータ
K、K+1・・・・を推定する。コントローラ20にお
いては、このパラメータに基づきプラントモデルから操
作量を決定する。
【0026】以上をサンプリング周期△T2毎に繰り返
すものであり、図3に示すように、サンプリング周期△
2とプラントモデルの離散時間△T1と制御周期△T3
とパラメータの更新周期△Tは同一の値とする。
【0027】ところで、適応温度制御においては、添加
液が反応器1に加えられ、これにより発熱が生じ外乱と
なる。しかしながら、添加液は予め決められた添加パタ
ーンBで添加されるので、コントローラ20では添加パ
ターンBに基づき発熱量の予測を行なうプラントモデル
を設けている。また、この予測値を制御系が有効に用い
ることができるように操作量及び発熱量を入力とし、制
御量を出力とする。このプラントモデルに基づき、無駄
時間先の発熱量の情報をコントローラ20において用い
る適応制御系を構築し、無駄時間先の外乱をあらかじめ
相殺するフィードフォワード要素を有する制御系を実現
している。
【0028】以下、この発明の化学反応系の適応温度制
御装置について説明する。
【0029】まず、プラントモデルへの発熱項の導入に
ついて説明する。
【0030】Tr:IR釜温度 TJ:ジャケット温度 Tt:温水タンク温度 U :釜壁総括伝熱係数 A :伝熱面積 Wr:釜内液量 WJ:ジャケット内液量 F :循環液流量 Q :予測発熱 とすると、この温度制御装置は、次の線形微分方程式で
表現される。 (1)式を離散化すると Z変換すると (4)式を(3)式に代入すると ただし なお、(5)式は、次のようなARMAモデル(自己回帰移
動平均モデル)としても表現される。
【0031】これまでは、無駄時間Tを考慮していなか
ったが、実際の温度制御においてはジャケット内の液の
循環により例えば略90秒の無駄時間Tが存在する。ま
た、今回離散時間を略90秒とするので、無駄時間Tの
1ステップに相当する。そこで(5)式は次式のように
改められる。
【0032】(11) 式より(12)式にようなARMAモデルを
得る。
【0033】次に、フィードフォワード要素を組み込ん
だ適応制御系の構築について説明する。 [システムの非最小実現によるプラントモデル](12)
式のプラントモデルから適応制御系の設計に便利な形で
あるプラントの非最小実現のシステム表現を導く。
【0034】プラントの多項式A(Z-1),B(Z-1) が既約で
ありA(Z-1 )が2次であるので、2次のモニックな安定多
項式D(Z-1)を導入すれば、次のDiophantine 方程式を満
足する多項式R(Z-1)とH(Z-1)を一意に定めることができ
る。
【0035】ここで、 (11),(13),(14-A),(14-B),(14-C)より次の関係を得る。
【0036】ここで、D(Z-1)=1とし、(13) の両辺に
Tr(K) をかけ、(11)を代入すると、非最小実現のプラン
トモデルを得る。
【0037】以下、化学反応系の適応温度制御装置を図
4に示しており、反応系Cには添加液が添加され、反応
熱22が生じ、この反応系Aの適応温度制御装置のコン
トローラ20、適応機構21及び発熱予測機構23につ
いて説明する。 [適応機構]適応機構21には添加されるHAC 流量に基
づく発熱予測機構23から反応熱予測が入力され、この
適応機構21ではこれらの情報に基づきプラントモデル
のパラメータの推定が行なわれ、制御量Tr(K) の推定値
は、パラメータの推定値を用いて次式で表される。
【0038】同定誤差は次式で表される。
【0039】パラメータ調整則は下記の3式で表され
る。 [コントローラ]コントローラ20では目標値をTrm
し、出力誤差をe1(k) としたとき、k →∞で、e1(k) →
0 となるように、Tt(k) を決定する。
【0040】よって操作量は [発熱量予測機構]発熱量予測機構23で既出の反応熱
量Q(k)は添加液による発熱であり、添加液は予め定めら
れたパターンで添加されるので、この流量パターンに基
づき次式により反応熱量を予測する。
【0041】ただし、VHACは添加液流量、gは添加液の
単位発熱量である。
【0042】図5はこの発明の適応制御装置による適応
温度制御シミュレーション結果を示すグラフであり、フ
ィードフォワード要素を有する制御系では、系外から加
わる外部変動をあらかじめ、その変動パターンを制御系
に与えることにより偏差を生じない良好な制御性能で達
成している。また、比較例として、図6は系外から加わ
る外部変動の変動パターンを制御系に与えない場合の適
応制御結果であり、系外からの外部変動時に無駄時間の
存在により偏差を生じている。 [実施例2]図7はこの発明が適用される乳剤仕込の化
学反応系の概略図である。図において符号1は制御対象
となる反応系Aの反応器であり、例えば反応の原料及び
触媒等の添加物を添加パターンBに基づいて供給パイプ
2から供給して反応液の処理を行い、必要時間後に反応
液を取り出すことができるようになっている。例えばハ
ロゲン化銀乳剤の製造に用いられ、この場合反応中に硝
酸銀・アンモニア・ハライド溶液などの添加液が供給パ
イプ2から添加される。これに対し、所望のイオン濃度
とするために、イオン濃度に基づく物理量であるpH及
びEAgを制御する。供給パイプ2より制御液であるハ
ライド溶液及び酢酸が添加される。 1.制御系で用いられるプラントモデル イオン濃度の制御は、複雑に干渉し合う非線形性の強い
系であるために、イオン濃度制御装置Dを温度制御にお
ける(1)式のような微分方程式で表現することは困難
である。そこで温度制御における(5)式と同様のAR
MAモデルを用いる。乳剤イオン濃度系は入力を制御液
流量である酢酸、ハライド流量、出力をイオン濃度に基
づく物理量であるpH、EAgとする多入力多出力系で
ある。
【0043】これらは互いに影響を及ぼし合う干渉系で
あり、EAgは直接影響を及ぼすハライド流量のみなら
ず、酢酸流量の影響も受ける。しかしながら、pHにつ
いては緩衝作用によりその値は変動しにくく、ハライド
流量の影響は受けにくい。そこでpH及びEAgを表現
するプラントモデルとして以下の2式を用いる。
【0044】ただし、HAC は制御用酢酸流量、KBr は制
御用ハライド溶液流量とする。(1)式(2)式をそれ
ぞれ以下のように記述する。
【0045】(3),(4)式に示すプラントモデルを
基に、pH、 EAgのそれぞれについて適応制御系を構築す
る。 2.適応機構 pH制御 制御量pH(k) の推定値 は、パラメータの推定値を用い
て次式で表される。 同定誤差は次式で表される。 パラメータ調整則は以下の3式で表される。 EAg 制御 制御量EAg(k)の推定値は、パラメータの推定値を用いて
次式で表される。 同定誤差は次式で表される。 パラメータ調整則は以下の3式で表される。 3.コントローラ pH制御 目標値をpHsvとし、出力誤差をe2(k) としたとき、k →
∞で、e2(k) →0 となるように、HAC(k)を決定する。 よって操作量は EAg 制御 目標値をEAgsv とし、出力誤差をe3(k) としたとき、k
→∞で、e3(k) →0 となるように、KBr(k)を決定する。 よって操作量は 以上の適応制御装置を図8に示す。 4.制御周期とモデル離散時間の分離による安定化 以上構築した適応制御装置であるが、多品種の生産に際
して品種毎の非線形系の度合の差があり、安定化を必要
とする場合がある。そこで、図9、図10に示すような
安定化の技術を用いる。
【0046】すなわち、プラントモデルのパラメータは
制御対象の時定数と離散時間に依存し、長い時定数のシ
ステムに対して離散時間を小さくとった場合には、コン
トローラの(16)式、(18)式のける分母となる変数が
小さな値となる。この値がゼロに近い値となれば過去の
制御量操作量によりなる分子の値の微妙な変化を拡大し
操作量の値が振動的となる。
【0047】そこで、プラントモデルの離散時間として
は制御の安定化のために十分大きな値△T4とし、制御
周期は応答性を良くするためこれより小さな値である△
5(<△T4)とする。
【0048】プラントモデルの離散時間が△T4なの
で、この間操作量の値は本来保持されるはずであるが、
実際には△T5毎に更新される。そこで、適応機構及び
コントローラにおいてプラントモデルに操作量の値を用
いる際には、以下のように離散時間内の制御周期毎の操
作量を平均化する。
【0049】すなわち そこで、前記した適応制御装置のHAC(k)及びKBr(k)に相
当する値をHACmean(k)及びKBrmean(k)で置き変えること
により、△T4>△T5なる適応制御系が実現する。図9に
制御周期△T5とモデルの離散時間△T4の分離を示し、図
10は制御周期△T5とモデルの離散時間△T4を分離した
適応制御系を示している。以下に、この適応制御系につ
いて記す。 4−1.適応機構 pH制御 とすると、同定誤差は次式で表される。 パラメータ調整則は以下の3式で表される。 EAg 制御 とすると、同定誤差は次式で表される。 パラメータ調整則は以下の3式で表される。 4−2.コントローラ pH制御 目標値をpHsvとし、出力誤差をe2(k) としたとき、k →
∞で、e2(k) →0 となるように、HAC(k)を決定する。
【0050】よって操作量は EAg 制御 目標値をEAgsv とし、出力誤差をe3(k) としたとき、k
→∞で、e3(k) →0 となるように、KBr(k)を決定する。
【0051】よって操作量は なお、以上はハライド流量がpHに影響を及ぼさない片
側の干渉系に適用したが、これに限定されず、相互干渉
の場合においても、一般的に知られている非干渉化の手
法に基づき適用することが可能なのは明かである。 5.本来の設定値と現在の制御量の内分点を制御周期毎
に計算しそれを設定値とすることによる安定化 制御周期とモデル離散時間の分離による安定化に加え、
本来の設定値と現在の制御量の内分点を制御周期毎に計
算しそれを設定値とし、滑らかに制御量が設定値となる
ようにすることにより、安定化が図られる。これを図1
1に示す。時刻k において制御量y(k)が観測され、時刻
k+1 に制御量は設定値となるように操作量u(k)が計算さ
れる。この際、従来の適応制御装置では定値制御におい
ては、設定値は固定の値であるが、次式に示すように時
刻k+1 における設定値y'sv(k+1)を計算する。 6.シミュレーション結果 図12はこの発明の適応イオン濃度制御装置による適応
イオン濃度制御シミュレーション結果を示すグラフであ
り、図13は比較例として、PID 制御によるシミュレー
ション結果を示すフラフである。図13に示すように、
反応途中に原料が添加されゲインが変動し、また干渉
系、かつ非線形な系であるためPID 制御ではハンチング
を起こし十分な制御精度を達成していない。これに対し
適応制御装置においては、図12に示すように高精度な
定値制御を達成している。 [実施例3]この発明が適用される化学反応系の概略図
は前記図1と同一のものであり、またこの適応温度制御
についても、適応温度制御系の原理は図2に示し、プラ
ントモデルの離散時間△T1、サンプリング周期△T2
制御周期△T3の関係は図3に示したものと同様である
ため詳細な説明は省略する。
【0052】以下、この発明の化学反応系の適応温度制
御装置について説明するが、プラントモデルへの発熱項
の導入について、またフィードフォワード要素を組み込
んだ適応制御系の構築については前記実施例1で説明し
たから説明を省略する。以下、化学反応系の適応温度制
御装置を図14に示しており、反応系Aには添加液が添
加され、反応熱22が生じ、この反応系Aの適応温度制
御装置のコントローラ20、適応機構21及び発熱予測
機構23について説明する。 [適応機構]適応機構21には添加されるHAC 流量に基
づく発熱予測機構23から反応熱予測が入力され、この
適応機構21ではこれらの情報に基づきプラントモデル
のパラメータの推定が行なわれ、制御量Tr(K) の推定値
は、パラメータの推定値を用いて次式で表される。
【0053】同定誤差は次式で表される。
【0054】パラメータ調整則は下記の3式で表され
る。 [コントローラ]コントローラ20では目標値をTrm
し、出力誤差をe1(k) としたとき、k →∞で、e1(k) →
0 となるように、Tt(k) を決定する。
【0055】よって操作量は [発熱量予測機構]発熱量予測機構23で既出の反応熱
量Q(k)は添加液による発熱であり、添加液は予め定めら
れたパターンで添加されるので、この流量パターンに基
づき次式により反応熱量を予測する。
【0056】ただし、VHACは添加液流量、gは添加液の
単位発熱量である。
【0057】そして、この化学反応系の適応温度制御装
置においては、図15及び図16に示すように、離散時
間△T6と制御周期△T7の分離が行なわれ、温度制御の
安定化の技術が用いられている。
【0058】プラントモデルのパラメータは装置の時定
数と離散時間に依存し、そして長い時定数に対して短い
離散時間とした場合、パラメータはコントローラの式に
おいて、分母となる変数であり、この値がゼロに近い値
であれば、過去の制御量、操作量によりなる分子の値の
微妙な変化を拡大し、操作量の値が振動的となることが
考えられる。このため、プラントモデルの離散時間△T
6としては、制御の安定化のため十分大きな値を取らな
ければならないが、制御周期△T7は短い方が応答性が
よいので、プラントモデルの離散時間△T6よりも小さ
なΔT7を制御周期とする。
【0059】プラントモデルの離散時間はΔT6なの
で、この間の操作量の値は本来保持されるはずである
が、実際にはΔT7毎に更新される。
【0060】そこで、適応機構21及びコントローラ2
0において、プラントモデルに操作量の値を用いる際に
は、以下のように離散時間内の制御周期毎の操作量の値
を平均化24する。
【0061】すなわち そこで、前記したフィードフォワード要素を組み込んだ
適応制御系で用いる操作量Tt(k) の値をTtmean(k) で置
き変えることにより、制御周期毎ΔT7<離散時間ΔT6
なる適応制御系を実現する。
【0062】図15に制御周期△T7と離散時間△T6
分離を示し、図16はその制御周期△T7と離散時間△
6の分離した適応制御系を示している。以下、この適
応制御系について説明する。 [適応機構] とすると同定誤差は、次式で表される。
【0063】パラメータ調整則は以下の3式で表され
る。 [コントローラ]目標値をTrm とし出力誤差をe1(k) と
したとき、k →∞でe1(k) →0 となるようにTt(k) を決
定する。
【0064】よって操作量は このように、離散化モデルの制御時間すなわち、適応機
構21が情報を収集する間隔を、制御の安定性を確保す
るための時間とし、コントローラ20により操作量を更
新する周期を、即応性を達成するための時間とする。こ
のような、適応機構21の離散周期と制御周期の分離
は、適応機構21とコントローラ20が独立して情報を
蓄積するような構造とすることにより実現されている。
【0065】図17はこの発明の適応温度制御装置によ
る適応温度制御シミュレーション結果を示すグラフであ
り、プラントモデルの離散時間が制御周期よりも長く設
定され、離散周期と制御周期を分離した制御系では、操
作量の変化の仕方、整定時間、制御量の偏差、ノイズに
対する安定性などが、制御周期と離散周期が等しい一般
的な適応制御系に比較しても、より実用的なものとなっ
た。
【0066】また、比較例として添加物による熱量予測
とで修正された熱モデルを用いる制御で最適な温度制御
量を求め、この最適な温度制御量に基づいて反応系の温
度制御を行なうため、反応液の状態変化を予測した適切
な温度制御を行なう状態フィードバック制御シミュレー
ション結果を図18のグラフに示す。
【0067】図17の適応制御及び図18の状態フィー
ドバック制御のいずれも制御開始時期におけるモデルパ
ラメータの初期値に誤差を含んでいるが、図18に示す
状態フィードバックの場合、発熱時にこの誤差の影響に
より、制御量に偏差が生じるが、適応制御の場合は適応
機構によりモデルパラメータが修正されるため、良好な
制御性を達成している。
【0068】
【発明の効果】前記したように、この請求項1記載の発
明は、プラントモデルに基づき制御を行ない、系の系外
から加わる外部変動に対して無駄時間先の変動量を外部
変動の原因となる物理量の変動パターンから予測し、予
め無駄時間先の外部変動量を相殺するから、これで外部
変動に対する制御精度が向上する。
【0069】また、請求項2記載の発明は、プラントモ
デルに基づき制御を行ない、この制御のプラントモデル
の離散時間が制御周期よりも長くなっており、離散時間
と制御周期とを分離して制御周期を小さくすることで、
制御の安定性が向上する。
【0070】また、請求項3記載の発明は、プラントモ
デルに基づき制御を行ない、ステップ状の設定値の変更
に対して、設定値をなめらかに変化させることにより、
操作量の変化が抑えられ、制御の安定性を向上させるこ
とができる。
【0071】さらに、請求項4記載の発明は、プラント
モデルに基づき温度制御を行ない、系の系外から加わる
外部変動に対して無駄時間先の変動量を外部変動の原因
となる物理量の変動パターンから予測し、予め無駄時間
先の外部変動量を相殺するから、外部変動に対する制御
精度が向上すると共に、さらにプラントモデルの離散時
間が制御周期よりも長くし、離散時間と制御周期とを分
離して制御周期を小さくしているから、制御の安定性が
向上し、品質が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用される化学反応系の概略図であ
る。
【図2】適応温度制御系の原理図である。
【図3】プラントモデルの離散時間、サンプリング時間
及び制御周期の関係を示す図である。
【図4】化学反応系の適応温度制御装置の概略図であ
る。
【図5】適応温度制御シミュレーション結果を示すグラ
フである。
【図6】適応温度制御結果を示すグラフである。
【図7】乳剤仕込の化学反応系の概略図である。
【図8】適応制御装置の概略図である。
【図9】制御周期と離散時間の分離を示す図である。
【図10】制御周期と離散時間の分離した適応制御装置
の構成図である。
【図11】本来の設定値と現在の制御量の内分点を制御
周期毎に計算しそれを設定値とする制御を示図である。
【図12】適応イオン濃度制御シミュレーション結果を
示すグラフである。
【図13】PID制御によるシミュレーション結果を示
すグラフである。
【図14】化学反応系の適応温度制御装置の概略図であ
る。
【図15】制御周期と離散時間の分離を示す図である。
【図16】制御周期と離散時間の分離した適応制御系の
構成図である。
【図17】適応温度制御装置による適応温度制御シミュ
レーション結果を示すグラフであ。
【図18】状態フィードバック制御シミュレーション結
果を示すグラフである。
【符号の説明】
A 反応系 B 添加パターン C 温度制御装置 D イオン濃度制御装置 1 反応器 2 供給パイプ 4 ジャケット 5,6 循環パイプ 7 温水タン 20 コントローラ 21 適応機構 22 反応熱 23 発熱予測機構 24 平均化

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 系の物理量の制御中に逐次プラントモデ
    ルを推定し、このプラントモデルに基づき制御を行なう
    適応制御であって、前記系の系外から加わる外部変動に
    対して無駄時間先の変動量を外部変動の原因となる物理
    量の変動パターンから予測し、予め無駄時間先の系外か
    ら加わる外部変動を相殺するフィードフォワード要素を
    有することを特徴とする適応制御装置。
  2. 【請求項2】 系の制御中に逐次プラントモデルを推定
    し、このプラントモデルに基づき制御を行なう適応制御
    であって、前記プラントモデルの離散時間内の制御周期
    毎の操作量を平均化することにより、プラントモデルの
    離散時間が制御周期よりも長く設定されることを特徴と
    する適応制御装置。
  3. 【請求項3】 系の物理量の制御中に逐次プラントモデ
    ルを推定し、このプラントモデルに基づき制御を行なう
    適応制御であって、本来の設定値を現在の制御量の内分
    点を制御周期毎に計算し、この値を設定値とすることを
    特徴とする適応制御装置。
  4. 【請求項4】 系の物理量の制御中に逐次プラントモデ
    ルを推定し、このプラントモデルに基づき制御を行なう
    適応制御であって、前記系の系外から加わる外部変動に
    対して無駄時間先の変動量を外部変動の原因となる物理
    量の変動パターンから予測し、予め無駄時間先の系外か
    ら加わる外部変動を相殺するフィードフォワード要素を
    有し、さらに前記プラントモデルの離散時間内の制御周
    期毎の操作量を平均化することによりプラントモデルの
    離散時間が制御周期よりも長く設定されることを特徴と
    する適応制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006049169A1 (ja) * 2004-11-02 2006-05-11 Honda Motor Co., Ltd. プラントおよび内燃機関の制御装置
JP2016082698A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 三菱電機株式会社 モータの温度推定装置及びモータの過熱保護方法

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