JP2016080662A - 表面検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】底部に開口が形成された、すり鉢状の鏡面の検査を従来よりも簡易に行う。
【解決手段】表面検査装置10は、縞部材12、撮像器14、及び演算部18を備える。縞部材12は、円筒または円柱形状であって、その中心軸がすり鉢鏡面24の高さ方向に沿うようにして底部開口25に配置されるとともに、外周面に中心軸方向に沿った縦縞が周方向に配列された縞パターン26が形成されている。撮像器14は、縞部材12とはすり鉢鏡面24の高さ方向に離間するように配置され、縞パターン26が写り込んだすり鉢鏡面24を撮像する。演算部18は、すり鉢鏡面24の撮像画像に基づいて、すり鉢鏡面24上のきずの有無を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鏡面上のきず等を検出可能な、表面検査装置に関する。
品質検査等の目的で、鏡面上のきずや凹凸等を検出する表面検査装置が知られている。例えば特許文献1では、複数の帯状の有機EL素子を幅方向に並べて検査面に照射することで、当該検査面に縞状のパターンを投影させるとともに、このパターンを撮像して撮像画像を解析することで、鏡面上のきずを検出している。また、特許文献2では、ICのリードの外観検査の際に、リードの一部を鏡面を用いて撮像する外観検査装置が開示されている。
特開2014−2041号公報 特開平6−265323号公報
ところで、車両のヘッドランプの一部品であるライトリフレクター(反射鏡)など、底部に開口が形成されたすり鉢形状の鏡面を備えた部材に対して、当該鏡面上のきずの有無を検査する場合に、従来のように平面的な縞パターンを照射しようとすると、鏡面形状に起因して、図13上段のように、検査面の全面に縞パターンを投影させるのが困難となるか、または図13下段のように、検査面の全面を撮像することが困難となる場合がある。このような場合に、照射エリアや撮像エリアを逐次変更して部分ごとに傷の検出を行うことも考えられるが、撮像が複数回に及び、また、検査面の部分画像をまとめて全面画像に合成する処理を必要とするなど、作業が煩雑となる。そこで、本発明は、底部に開口が形成されたすり鉢状の鏡面の検査を従来よりも簡易に行うことの可能な、表面検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、底部に開口が形成されたすり鉢状の鏡面の外観検査を行う表面検査装置に関するものである。当該装置は、円筒または円柱形状であって、その中心軸が前記すり鉢状の鏡面の高さ方向に沿うようにして前記底部開口に配置されるとともに、外周面に前記中心軸方向に沿った縦縞が周方向に配列された縞パターンが形成された縞部材と、前記縞部材とは前記すり鉢状の鏡面の高さ方向に離間するように配置され、前記縞パターンが写り込んだ前記鏡面を撮像する撮像器と、前記鏡面の撮像画像に基づいて、前記鏡面上のきずの有無を検出する演算部と、を備える。
また、上記発明において、前記演算部は、前記撮像画像において放射状に配列された縞パターンの中心点からの動径及び角度からなる極座標系を、前記動径及び角度を直交軸とする直交座標系となるように前記撮像画像を変換することで、前記縞パターンを前記直交座標系の一軸に沿うように配列させることが好適である。
また、上記発明において、前記鏡面は、前記高さ方向に沿った断面形状が直線状の斜面であって、前記鏡面の底部開口からの前記撮像器のカメラ中心の高さHcは、前記撮像器の画角θ、前記鏡面の最大半径R、前記底部開口の半径r、前記高さ方向に直交する水平方向に対する前記斜面の角度φを用いた以下の数式(1)を満たす範囲に設定されることが好適である。
また、上記発明において、前記鏡面は、前記高さ方向に沿った断面形状が曲線状の斜面であって、前記鏡面の底部開口からの前記撮像器のカメラ中心の高さHは、前記撮像器の画角θ、前記鏡面の最大半径R、前記底部開口の半径r、前記斜面の曲率半径aを用いた以下の数式(2)を満たす範囲に設定されることが好適である。
本発明によれば、底部に開口が形成されたすり鉢状の鏡面の検査を従来よりも簡易に行うことが可能となる。
本実施形態に係る表面検査装置を例示する斜視図である。 本実施形態に係る表面検査装置による撮像画像を例示する図である。 すり鉢鏡面の断面が直線である場合の、本実施形態に係る表面検査装置の設定例を示す図である。 すり鉢鏡面の断面が直線である場合の、本実施形態に係る表面検査装置の設定例を示す図である。 すり鉢鏡面の断面が曲線である場合の、本実施形態に係る表面検査装置の設定例を示す図である。 すり鉢鏡面の断面が曲線である場合の、本実施形態に係る表面検査装置の設定例を示す図である。 本実施形態に係る表面検査装置による撮像画像を例示する図である。 本実施形態に係る表面検査装置による、きず検出の原理を説明する図である。 本実施形態に係る表面検査装置による、きず検出の原理を説明する図である。 本実施形態に係る表面検査装置による、きず検出の原理を説明する図である。 本実施形態に係る表面検査装置による、きず検出の原理を説明する図である。 本実施形態に係る表面検査装置による、きず検出の原理を説明する図である。 従来技術に係る表面検査を説明する図である。
<装置構成>
図1に、本実施の形態に係る表面検査装置10を例示する。表面検査装置10による外観検査の対象となる鏡面部材22は、例えば、車両のライトリフレクターであって、中央部にすり鉢状の鏡面24(以下単にすり鉢鏡面と呼ぶ)が形成されている。すり鉢鏡面24は底部に開口25が形成されており、底抜けのすり鉢形状となっている。例えば、この底部開口25から光源部材が挿入される。
ここで、すり鉢形状とは、高さ方向に沿って底に向かって半径が狭まるような斜面を備えた形状を指しており、高さ方向の断面形状が直線のものと、曲線のものとを含んでいる。
表面検査装置10は、縞部材12、撮像器14、ステージ15、照明器16、演算部18、及び表示部20を備える。ステージ15に鏡面部材22が置かれた後に、そのすり鉢鏡面24の底部開口25に縞部材12が立てられる。縞部材12の外周面に形成された縞パターン26がすり鉢鏡面24に写り込み、これを撮像器14が撮像する。演算部18は撮像画像を解析して、撮像画面中のきずを検出する。この検出結果は表示部20に表示される。
<各構成の詳細>
縞部材12は、円筒または円柱形状の部材であって、すり鉢鏡面24の底部開口25に(ステージ15上に)立てた状態で、つまり、自身の中心軸Cがすり鉢鏡面24の高さ方向(Z方向)に沿うようにして配置される。この配置に際して、縞部材12の中心軸Cがすり鉢鏡面24の中心と一致するように、縞部材12を配置してもよい。縞部材12の中心軸C方向高さや半径等については後述する。
縞部材12の外周面には、中心軸C方向に沿った縦縞が周方向に配列された、縞パターン26が形成されている。この縞パターン26は、周方向に沿って縞の濃度が正弦波状に変化するものであってよい。この縞パターン26は、いわゆるキャリア縞として機能し、後述するようにすり鉢鏡面24上のきずを浮かび上がらせる効果を有している。
照明器16は、すり鉢鏡面24の全面を照射する光源である。照明器16は、例えばリング状のLED照明から構成される。照明器16は、鏡面部材22とは高さ方向(Z方向)に離間するようにして設けられる。照明器16の高さ方向位置は調整可能であってよく、例えばステージ15に設けられたZ軸方向の移動機構28に照明器16が取り付けられていてよい。
なお、図1に示す実施形態では、縞部材12と照明器16を別個の部材としたが、この形態に限らない。例えば縞部材12内に照明器16を組み込んで、縞部材12内部からすり鉢鏡面24に向かって光を照射するようにしてもよい。
撮像器14は、縞パターン26が写り込んだすり鉢鏡面24を撮像する。撮像器14は、例えばCCDカメラやCMOSカメラであってよい。撮像器14は、すり鉢鏡面24を見下ろすようなアングルで当該すり鉢鏡面24の撮像を行う。すなわち、撮像器14は、すり鉢鏡面24及び縞部材12とは高さ方向(Z方向)に離間するようにして設けられる。また、撮像器14の光軸が、すり鉢鏡面24の中心及び縞部材12の中心軸Cと一致するように、撮像器14を配置してもよい。さらに撮像器14は、照明器16と同様に、ステージ15の移動機構28に固定され、高さ方向位置を調整可能であってよい。
図2には、撮像器14によるすり鉢鏡面24の撮像画像が例示されている。この撮像画像には、すり鉢鏡面24と円柱形状の縞部材12の頂面とが含まれている。具体的には、この撮像画像では、すり鉢鏡面24に写り込まれた放射状の縞パターン26と、さらにその外周のすり鉢鏡面24の周縁部30(輪郭部)が示されている。周縁部30は照明器16に対向するような面を含んでおり、照明器16の照明をほぼ全反射することから、すり鉢鏡面24に写り込んだ縞パターン26と比較して明瞭な像となる。
図1に戻り、演算部18は、撮像器14により撮像された、すり鉢鏡面24の撮像画像をもとに、当該すり鉢鏡面24上のきずの有無を検出する。演算部18は、画像処理可能なものであればよく、例えばCPUなどの演算回路及びメモリなどの記憶手段を備えたコンピュータであってよい。記憶手段には、後述する画像処理を実行するためのプログラムが記憶される。演算部18による演算結果は、ディスプレイ等からなる表示部20に表示される。
<縞部材12及び撮像器14の設置条件>
すり鉢鏡面24の全面に亘って縞部材12の縞パターン26を写り込ませ、また撮像器14がこの鏡面24全体の画像を撮像可能とするための条件について、以下説明する。
図3には、図1のX−Z断面の模式図が示されている。また、図3では、高さ方向(Z軸方向)に沿った断面形状が直線状の斜面形状であるすり鉢鏡面24が示されている。さらに、撮像器14はいわゆるピンホールカメラモデルに倣って、カメラ中心C及び(仮想的な)画像面IPで示されている。さらに、図3では、すり鉢鏡面24の中心と、縞部材12の中心軸Cと、撮像器14の光軸とを一致させている。加えて同図では、これらの中心軸をZ軸とするとともに、ステージ15の載置面をX−Y平面とする。
まず、すり鉢鏡面24の全面を撮像器14が撮像可能となるための条件について説明する。すり鉢鏡面24の全面を撮像器14が撮像可能であるとき、すり鉢鏡面24の最外周の点からの光が撮像器14のイメージセンサに受光される。このことから、すり鉢鏡面24の全面を撮像器14が撮像可能となる境界条件として、図3のように、撮像器14の画角θと等しい角度を持つ投影線が、すり鉢鏡面24の端点(最外周点)pを通る場合を考える。ここで、画角θは、撮像器14の光軸(Z軸)からイメージセンサアレイの端までの幅wと撮像器14の焦点距離fとを用いて、下記数式(3)から求めることができる。
上記θ、すり鉢鏡面24の最大半径(pの半径)R、すり鉢鏡面24の底部開口25の半径r、底部開口25からのカメラ中心Cの高さH、及び、すり鉢鏡面24の高さ方向に直交する水平方向(X軸)に対するすり鉢鏡面24の(斜面の)角度φを用いて、下記数式(4)が導かれる。
数式(4)を変形して、以下の数式(5)が導かれる。
上記数式(5)を満たす範囲にカメラ中心Cの高さHを設定すれば、撮像器14は、すり鉢鏡面24の全面を撮像可能となる。上記数式(5)のうち、撮像器14に関するパラメータθは撮像器14の仕様等から取得可能であり、鏡面部材22に関するパラメータR、r、φは鏡面部材22の設計値から取得可能である。このことから、鏡面部材22の検査前に撮像器14の位置決めをすることができる。
次に、すり鉢鏡面24の全面に亘って縞部材12の縞パターン26を写り込ませるための、縞部材12の条件について説明する。図3の光線32のように、撮像器14からの投影線がすり鉢鏡面24上の点pで反射し、縞部材12の外周面上の点qで交差する場合に、反射点pにおける法線ベクトルnは以下の数式(6)で表される。
また、入射ベクトルeは、中心軸(Z軸)に対する投影線32の角度をθとすると、以下の数式(7)で表される。
さらに、反射ベクトルv、法線ベクトルに直交するベクトルt、及び任意の係数α、βを用いて、下記数式(8)が導かれる。
数式(8)から、下記数式(9)が導かれる。
ここで、αはベクトルeとnの内積であることから、下記数式(10)が導かれる。
数式(10)に、数式(6)、(7)を代入すると、ベクトルvは以下の数式(11)で表される。
加えて、点pのx座標をrとすると、点pは以下の数式(12)で表される。
反射点pから縞部材12上の点qに向かう投影線の式は、媒介変数s(ベクトルの伸び(倍率)を表すパラメータ)と数式(10)、(11)から、v・s+pと表される。この媒介変数sは、縞部材12の半径をlとすると、下記数式(13)のように表される。
数式(13)より、光線が縞部材12の外周面と交差する点qの高さhは下記数式(14)で示される。
なお、数式(14)の右辺のうち、第1項は底部開口25から点pまでの高さを表し、第2項は点pから点qまでの高さを表している。数式(14)について、θはrを用いて下記数式(15)のように表すことができる。
数式(14)に数式(15)を代入して、下記数式(16)が導かれる。
数式(16)のrにすり鉢鏡面24の最大半径Rを代入したときに求められるh以上となるように、縞部材12の高さHを設定することで、すり鉢鏡面24の全面に縞パターン26を写り込ませることが可能となる。
図4には、数式(16)のrを増加させたときのhの変化を示すグラフが表されている。なお、H=300mm、r=30mm、l=25mm、φ=30°、45°、60°とした。このグラフに示されているように、すり鉢鏡面24の半径rが拡がるほど、縞部材12の高さhを増加させることで、すり鉢鏡面24の全面に縞パターン26を写り込ませることが可能となる。
図5には、高さ方向(Z軸方向)に沿った断面形状が曲線状の斜面である、すり鉢鏡面24に対する撮像器14及び縞部材12の設定条件を説明する模式図が示されている。この図も、図3と同様に、撮像器14をカメラ中心C及び画像面IPで示す。また、すり鉢鏡面24の中心と、縞部材12の中心軸Cと、撮像器14の光軸とを一致させている。さらに、これらの中心軸をZ軸とするとともに、ステージ15の載置面をX−Y平面とする。なお、図3と同一のパラメータについては説明を省略する。
まず、撮像器14の画角θと等しい角度を持つ投影線が、すり鉢鏡面24の最外周点Pを通る場合を考える。すり鉢鏡面24の曲率半径a、すり鉢鏡面24の曲面中心Oとすり鉢鏡面24の最外周点pとを結ぶ線の、中心軸(Z軸)に対する角度t、底部開口25からの曲面中心Oの高さI、及び、底部開口25からのカメラ中心Cの高さHを用いて、下記数式(17)〜(19)が導かれる。
数式(17〜19)から、カメラ中心Cの高さHに関する条件式である下記数式(20)が導かれる。
上記数式(20)を満たす範囲にカメラ中心Cの高さHを設定すれば、撮像器14は、すり鉢鏡面24の全面を撮像可能となる。上記数式(20)のうち、撮像器14に関するパラメータθは撮像器14の仕様等から取得可能であり、鏡面部材22に関するパラメータa、R、rは鏡面部材22の設計値から取得可能である。このことから、鏡面部材22の検査前に撮像器14の位置決めをすることができる。
次に、すり鉢鏡面24の全面に亘って縞部材12の縞パターン26を写り込ませるための、縞部材12の条件について説明する。図5の光線34のように、撮像器14からの投影線がすり鉢鏡面24上の点pで反射し、縞部材12の外周面上の点qで交差する場合に、反射点pは下記数式(21)で表される。
数式(21)から、反射点pにおける法線ベクトルnは下記数式(22)のように表される。
数式(22)と、上述した入射ベクトルeに関する数式(7)及び反射ベクトルvに関する数式(10)から、以下の数式(23)が導かれる。
数式(14)と同様にして、光線が縞部材12の外周面と交差する点qの高さhは、数式(21)、(23)を用いて下記数式(24)で示される。
さらに、角度t及び角度θは下記数式(25)のような関係を有する。
したがって、反射点qの高さhは下記数式(26)のように表される。
さらに、数式(26)をすり鉢鏡面24の半径rを用いて表すと、下記数式(27)が導かれる。
数式(27)のrにすり鉢鏡面24の最大半径Rを代入したときに求められるh以上となるように、縞部材12の高さHを設定することで、すり鉢鏡面24の全面に縞パターン26を写り込ませることが可能となる。
図6には、数式(27)のrを増加させたときのhの変化を示すグラフが表されている。なお、H=300mm、l=25mm、I=150mm、a=170mm、180mm、200mmとした。
このグラフでは、rの値が増加するにつれてhの増加率が低減し、さらには変化率が負に落ち込むような変化を示す。これは、すり鉢鏡面24の曲面形状に起因するものと考えられ、すり鉢鏡面24の複数の反射点が縞部材12上の同一の点に収束する、つまり、図5で示したような、すり鉢鏡面24上の反射点pと縞部材12上の点qとの1対1の関係が崩れる状態を示している。このような場合、図7の下段に示すように、すり鉢鏡面24に写り込まれる縞パターン26が不鮮明となり、画像解析が困難となる。
したがって、撮像器14や縞部材12の仕様、及び鏡面部材22の設計値などから数式27の各パラメータを代入して、検査対象とするすり鉢鏡面24に関するプロットが、グラフ上のどの位置に含まれるか、予め求めておくことが好適である。このようにすることで、検査対象となる鏡面部材22が、本実施形態の表面検査装置10による検査に適合するか否かを判定することができる。
<計測原理>
次に、本実施の形態に係る表面検査装置の計測原理について説明する。図8には、すり鉢鏡面24の撮像画像が例示されている。演算部18は、この画像に基づいて、放射状に配列された縞パターン26の中心点(基準点)を求める。例えば、すり鉢鏡面24の周縁部30(輪郭部)の曲率半径を求めて中心点を求める。上述したように、すり鉢鏡面24の周縁部は比較的明瞭に撮像されることから、曲率半径を求める画像処理は比較的容易に行うことができる。
次に、図9に示すように、演算部18は、求められた中心点からの動径及び角度からなる極座標系を、当該動径及び角度を直交軸とする直交座標系となるように、撮像画像を変換する、いわゆるFrieze展開を行う。これにより、縞パターン26が、直交座標系の一軸に沿うように再配列される。
さらに図10に示すように、演算部18は、縞パターン26が再配列された撮像画像(元画像)から高周波成分を抽出することで、すり鉢鏡面24上のきず検出を行う。傷周辺に写り込まれた縞パターンは、その周辺と比較して複雑な投影像を示すようになり、空間周波数的に高周波成分を含むようになる。したがって、高周波成分を抽出することで、すり鉢鏡面24上のきず検出が可能となる。
演算部18は、図9で得られた画像に対してフーリエ変換(F.T.)を行う(S10)。元画像の輝度分布をI(x)とすると、ステップS10は下記数式(28)、(29)のように表すことができる。なお、上記輝度分布の関数I(x)のパラメータxはベクトルであって、撮像画像の2次元平面の任意の座標を示すものとする。
ここで、F[]はフーリエ変換、R{}、I{}はそれぞれ、{}内の複素数から実部、虚部を得る演算子である。演算部18は、この実部A(f)と虚部P(f)に基づき、下記数式(30)、(31)のようにパワースペクトル及び位相を求める(S12)。
ここで、L(f)はパワースペクトル、Q(f)は位相を表す。次に、演算部18は、パワースペクトルL(f)を複製(コピー)して、これにガウスフィルタを掛ける(S14)。または、元画像を低解像度化させた上で、パワースペクトルを求めるとともに、このパワースペクトルにガウスフィルタを掛けるようにしてもよい。
ガウスフィルタでは、下記数式(32)のガウス関数が用いられる。
ここで、f及びfは、それぞれ、画像の横方向及び縦方向の空間周波数を示している。また、wはガウス分布の幅を示すものであり、標準偏差(σ)と同義である。本実施形態では、このガウス関数の幅wとして、図9のように直線状に展開された縞パターン26(キャリア縞)の空間周波数[m−1]を用いる。
縞パターン26の空間周波数は、パワースペクトルL(f)の画像処理により求めることができる。図11左には、パワースペクトルL(f)の画像が例示されている。当該画像の横軸及び縦軸は、ともに空間周波数(波数)[m−1]を表している。図11右上には、パワースペクトルL(f)の中心(原点)周辺の拡大図が示されている。縞パターン26(キャリア縞)の空間周波数(キャリア周波数)は、パワースペクトルL(f)の輝度の最大値を持つ点に対応する。演算部18は、パワースペクトルL(f)の画像からキャリア周波数を求めるとともに、この値をガウス関数の幅wに代入する。
なお、キャリア周波数の導出に当たり、パワースペクトルL(f)画像の画素を用いてもよい。すなわち、パワースペクトルL(f)画像の中心から輝度の最大地点までの画素数をカウントするとともに、このカウント値と画素の寸法または所定の単位長さを掛けてその逆数をキャリア周波数[m−1]としてもよい。また、演算の簡略化のため、長さ単位の乗算を省略して画素のカウント数の逆数をキャリア周波数として扱ってもよい。
図10に戻り、演算部18は、ガウス関数のパラメータであるガウス分布の幅wがキャリア周波数と等しい値に設定されたガウスフィルタを、パワースペクトルL(f)に掛ける。さらに、演算部18は、下記数式(34)のように、パワースペクトルL(f)から、ガウスフィルタ処理されたパワースペクトル(フィルタ処理パワースペクトル)g(f)・L(f)を差し引く(S16)。
フィルタ処理パワースペクトルg(f)・L(f)は、キャリア周波数以上の高周波成分が抑制されたパワースペクトルとなる。このフィルタ処理パワースペクトルg(f)・L(f)をもとのパワースペクトルL(f)から差し引くことで、撮像画像(元画像)から低周波成分が取り除かれるとともに、キャリア周波数以上の高周波成分が得られる。
次に、演算部18は、位相Q(f)と高周波成分が抽出されたパワースペクトルR(f)とを用いて、下記数式(35)に示すように、逆フーリエ変換(I.F.T.)を行う(S18)。
次に、演算部18は、図9にて得られた撮像画像のうち、すり鉢鏡面24の領域のみを抽出して、背景領域を除去する、検査領域マスクを生成する(S20)。図9の縞パターン26の端部に着目すると、縞パターン26が背景の黒部分に切り落とされるようになっている。これを輝度変化の観点から見ると、輝度が矩形的に変化していることになる。矩形波には高調波成分が含まれることから、撮像画像の高周波成分を繋いでいくと、この境界が抽出される。このようにして、演算部18は、図9の画像(元画像)に基づいて、縞パターン26の境界部分を抽出する。
なお、検査領域マスクの生成に当たり、撮像画像(元画像)を低解像度化させた上で境界を抽出するようにしてもよい。
境界部分が抽出されると、演算部18は、縞パターン26の領域に任意の値を与え、また背景領域にそれとは異なる任意の値を与えて検査領域マスクを作成する。例えば、縞パターン26の領域には1を与え、背景領域には0を与える。
演算部18は、縞パターン26領域と背景との境界部分(輪郭部分)の画素に対して、輝度値を間引く境界処理を行う(S22)。上述したように、縞パターン26領域と背景との境界部分は高周波成分が含まれる。縞パターン26領域内のきずも高周波成分を持つことから、きず検出の過程で境界部分をきずと誤検知する可能性がある。そこで、演算部18は、境界部分の画素の輝度値を低減させる。
演算部18は、ステップS20にて抽出された境界を起点にした所定幅内の画素に対して、輝度値を低減させる。例えば、境界から縞パターン26までの10画素に対して0<a<1であるパラメータaを与える。または、境界から縞パターン26に向かうにつれて0から1にパラメータaを繰り上げて(増加させて)いってもよい。このようにすることで、背景領域にパラメータ0が与えられ、境界領域にパラメータaが与えられ、境界を除く縞パターン26領域にパラメータ1が与えられた、輪郭抑制フィルタCが生成される。
次に演算部18は、逆フーリエ変換された画像データS(x)に輪郭抑制フィルタCを掛け合わせるか、累乗する(S24)。これにより、画像データS(x)の輝度値のうち、背景部分の輝度値が、掛け合わせの場合は0、累乗の場合は1となる一方で、縞パターン26領域の輝度値はS(x)の原数値に維持される。また、境界部分の輝度値は、掛け合わせの場合は小数倍され、累乗の場合は小数乗される。
演算部18は、フィルタ処理された画像データS(x)・Cに対して二値化処理を行う(S26)。例えば境界部分の画素の輝度値に所定のマージンを加えて閾値とするとともに、閾値未満の輝度を0とし、閾値以上の輝度を最大輝度とする。
以上説明した、S10〜S26までの処理により、図9の画像から低周波成分が取り除かれるとともに、境界領域の高周波成分も取り除かれる。したがって、これらのステップを実行することで、図12下段に示すような、縞パターン26領域内のきず(高周波成分)が浮かび上がるような画像が得られる。
10 表面検査装置、12 縞部材、14 撮像器、15 ステージ、16 照明器、18 演算部、20 表示部、22 鏡面部材、24 すり鉢鏡面、25 底部開口、26 縞パターン。

Claims (4)

  1. 底部に開口が形成されたすり鉢状の鏡面の外観検査を行う表面検査装置であって、
    円筒または円柱形状であって、その中心軸が前記すり鉢状の鏡面の高さ方向に沿うようにして前記底部開口に配置されるとともに、外周面に前記中心軸方向に沿った縦縞が周方向に配列された縞パターンが形成された、縞部材と、
    前記縞部材とは前記すり鉢状の鏡面の高さ方向に離間するように配置され、前記縞パターンが写り込んだ前記鏡面を撮像する撮像器と、
    前記鏡面の撮像画像に基づいて、前記鏡面上のきずの有無を検出する演算部と、
    を備えることを特徴とする、表面検査装置。
  2. 請求項1に記載の表面検査装置であって、
    前記演算部は、前記撮像画像において放射状に配列された縞パターンの中心点からの動径及び角度からなる極座標系を、前記動径及び角度を直交軸とする直交座標系となるように前記撮像画像を変換することで、前記縞パターンを前記直交座標系の一軸に沿うように配列させることを特徴とする、表面検査装置。
  3. 請求項1または2に記載の表面検査装置であって、
    前記鏡面は、前記高さ方向に沿った断面形状が直線状の斜面であって、
    前記鏡面の底部開口からの前記撮像器のカメラ中心の高さHcは、前記撮像器の画角θ、前記鏡面の最大半径R、前記底部開口の半径r、前記高さ方向に直交する水平方向に対する前記斜面の角度φを用いた以下の数式(1)を満たす範囲に設定されることを特徴とする、表面検査装置。
  4. 請求項1または2に記載の表面検査装置であって、
    前記鏡面は、前記高さ方向に沿った断面形状が曲線状の斜面であって、
    前記鏡面の底部開口からの前記撮像器のカメラ中心の高さHは、前記撮像器の画角θ、前記鏡面の最大半径R、前記底部開口の半径r、前記斜面の曲率半径aを用いた以下の数式(2)を満たす範囲に設定されることを特徴とする、表面検査装置。
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